「OTO」と一致するもの

Hyperdub - ele-king

 思えば、2014年は、1月におこなわれた〈ハイパーダブ〉のショーケースにはじまたのだった。ジュークの世界に足を踏み入れたコード9がシカゴのDJラシャドを引き連れて来日した記念すべきイベント(最初で最後の、DJラシャドの来日となってしまったけれど)。
 あれから11ヶ月。レーベル誕生から10周年を記念する4部作のコンピレーションのリリースを経て、コード9はこの年の末、再度来日する。
 またしても強力なメンチだ。ハウス・レジェンドからブロークン・ビーツの魔術師へと変貌を遂げたキング・ブリットことフロストン・パラダイム。シカゴ・ジュークの使者、DJスピン。新作アルバム『ウェイト・ティル・ナイト』をリリースしたばかりのアンダーグラウンド・ディーバ、クーリー・G(アントールド曰く「DJも激ドープ」)。
 そして、D.J.フルトノやフルーティといったジュークDJも出演、ダンサーも登場。日本代表ウィージー、レペゼン・シカゴのライトバルブのフットワークが生で見れる! 
 まあ、2014年を締めるには、最高のメンツのイベントですな……存分に踊って、2015年を迎えましょう! Let me show your footwork!

じゃがたらから、森へ - ele-king

 80年代というディケイドは、破壊的なまでに日本を変えた。いま昔の写真を見てみると、60年代も70年代も、まあ、人びとの暮らしは、そんなに大きく変わっていないように思える。が、80年代後半になると家や、部屋や、持ち物や、街並みや生活が、何か根底から生まりかわりはじめ、90年代にはすっかり別の惑星だ。その、残忍なまでの変化のなかを日本のアンダーグラウンド・ミュージックがどのように考え、行動し、そして、どのように生き、死んだのかを思うとき、じゃがたらというバンドは外せない。言うまでもなかろう、80年代のポストパンク時代、もっともインパクトのあったバンドのひとつだ。

 そして、畑仕事の男の姿がでーーんと表紙に写っている本書。じゃがたらのギタリストだったOTOが自身の半生を語った、ele-king booksの11月26日発売の新刊、『つながった世界─僕のじゃがたら物語』である。「僕はじゃがたらというバンドでギターを弾いて、そして今、僕は森を歩き、田植えをしている……」、序文でOTOがそう語るように、本書では、じゃがたら時代の多くのエピソード、江戸アケミとの死別、その後のソロ活動およびサヨコトオトナラでの活動、そして熊本に移住してからの農作業に励む現在が赤裸々に描かれている。あー、たいへんなことはあれど、人生とはこんなにも自由。農的な暮らしがいろいろなところで語られている現在だからこそ、ぜひ、読んでいただきたい。これはひとつの生き方であり、OTOにとっての「じゃがたら物語」である。

今の僕は、ミュージシャンとしてさらなる進化を遂げるために、あえてギターを弾かない生活を送っているけれど、日々「じゃがたらの音楽って素晴らしいな」って思っている。お茶の剪定作業をしていときも、田植えをしているときも、森の手入れをしているときも、散歩しているときも、僕の周りには、いつだってじゃがたらの音楽が鳴り響いているから。──本書より

80年代を疾駆した伝説のバンド、じゃがたら。
そのギタリストOTOが語る過去、そして、ほぼ自給自足のいまのくらし。

 80年代の日本を疾駆した、伝説のバンド、じゃがたら……。そのリアルかつ予見的な言葉、態度、そして圧倒的なパフォーマンスによってバンドを導いたカリスマ、江戸アケミ亡き後も、彼らの音楽はずっと聴き継がれ、語り継がれている。
 じゃがたらは、音楽的にはアフロビート、ファンク、ダブの異種交配に特徴を持っている。その音楽面において重要な役割を果たしていたのは、ギタリストのOTOだった。彼がバンドのダブのセンスを注ぎ、ワールド・ミュージック的ヴィジョンをもたらしたとも言えるだろう。

 本書はOTOが赤裸々に語る、彼の自叙伝であり、じゃがたらの物語である。そして、いまは東京を離れ、熊本の山で農業をやりながら、ほぼ自給自足の暮らしをしている彼からのメッセージだ。

 世間を騒がせたじゃがたらのファンをはじめ、オルタナティヴなライフスタイルを模索している人にも必読の一冊。

■じゃがたら
80年代に活躍したファンク・ロック・バンド。1979年にデビューし、フロントマンの江戸アケミが、ステージ上で蛇やニワトリを生で食べ、放尿、脱糞などを行ない、マスコミから“キワモノバンド”として注目される。こうしたイメージを吹っ切るかのようにレコーディングに専念し、1982年に1stアルバム『南蛮渡来』をリリース。ジャパニーズ・ファンクの傑作として高く評価された。1989年にアルバム『それから』でメジャー・デビューを果たしたが、翌1990年にアケミが自宅バスルームで溺死。永久保存という形で活動にピリオドを打った。


Amazon

■つながった世界──僕のじゃがたら物語

OTO+こだまたけひろ 著

本体2,200+税
四六判 256ページ
2014年11月26日発売
ISBN:978-4-907276-24-9

■目次

1
古い記憶
ギターを弾く
ラジオを聴く
吉田拓郎にハマる
キャロル、シュガー・ベイブからミュージカルにATG
MARIA 023


じゃがたら
『南蛮渡来』のレコーディング
ザッパ的に言えば日本なんて
バビロンから抜け出せ
アケミの分裂
君と踊りあかそう日の出を見るまで
新生じゃがたら
JBよりもフェラ・クティ
エンジニアの役割
「OTOは俺を殺す気か」
『ロビンソンの庭』の混沌
リズムセックス
〝あの娘〟の意味
アケミの言葉
メジャー・デビュー
東京ソイソース、アケミとの乖離
もういい加減にやめたい
苛立ち
つながった世界
中産階級ハーレム
脳みそはそよ風に溶けて
寿町フリーコンサート
じゃがたら最後の曲
アケミの死
ビブラストーン、雷蔵、Tangosへ
思い出深いソロ・ワークス
近田さん
陣野俊史『じゃがたら』
どっちの暮らしがリアルなんだ?


9・11
9・11後のアクション
サヨコオトナラ始動
自然のリバーブ
キョンキョンの朗読
音楽の新しい機能性
森へ
土と平和の祭典
あがた森魚さん
三つのグナ
踊るんだけど心は静か
中野のおっちゃん
鮎川さん、こだまさん
じゃがたらお春1979LIVE
ラビと出会う
グラウンディングの意味
モリノコエ
新たな音楽を求めて
3・11
それから
いずみ村の話
農園の日常
正木さんの「あなた」
みんなで「カンダナ」を歌えたら
結婚
今日もここまで来たのさ

 さまざまな雪像が飾られた昨冬の雪祭りの写真を眺めながら、長女が言いました。「この頃は『アナと雪の女王』も『妖怪ウォッチ』もなかったんだねえ」。

 たしかに、今年3月14日に日本公開された映画『アナと雪の女王』、そして今年1月8日からテレビアニメ版の放送がスタートした『妖怪ウォッチ』は、子どもカルチャー・シーンをすっかり塗り替えてしまった感があります。子どもが世間に大放出される夏休みともなると、アナ雪ソングを大声で歌う女の子と妖怪ウォッチの話をまくしたてる男の子がアブラゼミなみにそこらじゅうで観察されたものです。いつの日か子どもカルチャー史が編まれることになったら、2014年は「妖怪ウォッチとアナ雪の年」として刻まれることでしょう。

 そして「アナ雪」ブームも一段落したいま、男児の『妖怪ウォッチ』熱は女児にも伝染したもよう。最近の娘たちはもうプリキュアもディズニープリンセスも卒業したとばかりに、アニメ版『妖怪ウォッチ』トークに花を咲かせています。あまりの過熱ぶりに、長女のクラスではついに担任教師から「妖怪ウォッチのゲームの話禁止令」が言い渡されてしまいました。作中に登場する腕時計型アイテムの玩具「DX妖怪ウォッチ」も需要に生産が追いつかず、ちょっとした社会問題に。ネットをよく見る人なら、同製品を入手できなかったママたちが子どものために手作りしたハンドメイド妖怪ウォッチの画像を一度ならず目にしたことがあるのではないでしょうか。また『ドラえもん』が看板だったはずの小学館の学年誌『小学一年生』は、今夏以降すっかり表紙を『妖怪ウォッチ』に乗っ取られてしまっています(バックナンバー一覧参照)。


Amazon


Amazon

未来のロボ猫そっちのけで妖怪猫が表紙を飾る『小学一年生』『小学二年生』最新号。


 親も先生も巻き込むこのムーヴメント、私は一貫して遠巻きに見ていました。「どうせポケモンみたいに妖怪こき使ってバトルさせるとかでしょ? で、勝つと負かした妖怪が子分になって、美少女がチューしてくれるんでしょ? 好きよね男児そういうの~」。しかししつこくせがむ娘たちにおされてYouTubeで「ようかい体操第一」を何度も再生しているうちに、「これはもしかして、ものすごく好感が持てるアニメなのでは……」と思えてきたのです。美少女キャラが真顔でウンコ踊りをしてるし! クレジットを見れば、作詞と振り付けはラッキィ池田。団塊ジュニアが抗えるはずもありません。そこで『妖怪ウォッチ』を全話配信しているHuluで、遅ればせながら娘たちといっしょに見ることにしました。

 第一話では、主人公・ケータの家に居候する猫の妖怪「ジバニャン」がいかにして地縛霊となったかという来歴が紹介されます。生前はアカマルという名を持つ飼い猫だったジバニャンは、飼い主の身代わりとなって車にひかれてしまいます。何度も何度も……。こう書くと悲惨なようですが、描写はあくまでもギャグ。猫の身体が車にぶつかって高くはねあげられるたび、子どもたちはケラケラと声をたてて笑います。このひどさ、この軽やかさ。近年の子ども向けアニメでは珍しいくらいに正しくスラップスティック・コメディです。

 先ほどポケモンを引き合いに出しましたが、すでに多くの人に指摘されているとおり、アニメ版『妖怪ウォッチ』のキャラ構成は『ドラえもん』によく似ており、現代版『ドラえもん』とも言われています。主人公ケータをのび太とするなら、彼の家に居候する猫の妖怪ジバニャンはドラえもん、体の大きいガキ大将のクマはジャイアン、体が小さくおしゃれなカンチはスネ夫、彼らにまじって遊ぶ美少女フミちゃんはしずかちゃん。またケータはのび太と同じく郊外一戸建て核家族の一人っ子です。こうまで似ていると、どうしても『ドラえもん』と比較したくなってしまいます。

 まず、クマもカンチも普通にコミュニケーションがとれるイイ奴です。暴力をふるったり、財力をひけらかしたりということがほとんどありません(妖怪に取り憑かれないかぎり)。ケータのお母さんもガミガミ言わず家族仲は良好で(妖怪に取り憑かれないかぎり)、ケータは母親に家事を頼まれれば素直に手伝いをします。ケータはバランスのとれた健全な男の子で、普通すぎるのが悩みといえば悩み。ジバニャンはケータの庇護役ではなく、対等な友だちで、どちらかというとボケ担当です。フミちゃんは男の子だけではなく、女の子の友だちもいっぱいいるようです。たしかにジャイアンみたいなヴァイオレンス小学生が現代にいたら通報ものですし、いじめのターゲットになるのはのび太ではなく自慢したがりなスネ夫のはずで、のび太は苛立つ母親とともに学習障害のケアを受けることを勧められるでしょうし、しずかちゃんは「オタサーの姫」と呼ばれることでしょう。

 未来への夢がいっぱい詰まっているはずの『ドラえもん』ですが、その世界観は誕生時の社会背景もあって厳しいものです。男性は腕力や財力を誇示してヒエラルキーを形成し、負け組男性は嬲られるほかなく、カワイイ女の子は勝者に与えられるトロフィー兼お色気サービス要員で、ブスはただただ疎まれるばかり。そもそもドラえもんは、のび太の結婚相手をジャイ子からしずかちゃんに変更するために未来から派遣されてきたのでした。しずかちゃんの意志ガン無視です。ああ、なんという残酷な世界なのでしょうか。

 とはいえ、昭和の子どもたちはそんなことは気にも留めていなかったはずです。コミック版『ドラえもん』第一話は、『妖怪ウォッチ』に負けず劣らずブラックなユーモアに満ちていたのですから。ドラえもんの記念すべき第一声は「野比のび太は三十分後に首をつる。四十分後には火あぶりになる」で、あわてふためくのび太に「きみは年を取って死ぬまでろくなめにあわないのだ」と宣告します。その言葉の通りのび太は首吊り状態になりますが、ドラえもんはとくに助けません。未来から来た孫のセワシは「おじいさんはなにをやらせてもだめなんだもの」「だからおとなになってもろくなめにあわないんだ」とこれまたひどい。ジャイ子に向かって「おまえなんかぜったいにもらってやらないからな!」と何様な発言をするのび太もひどいですが、その前のジャイ子発言「やあ首つりだ、ガハハハ」も心なさすぎです。最終的にのび太はタケコプターが外れて地上に転落。なんてひどい。しかし誰も彼も心ないキャラであったからこそ未来のひみつ道具のおもしろさが前面に押し出されたのだし、のび太がギッタギタになろうがジャイ子の扱いがひどかろうが、心痛めることなくゲラゲラ笑うことができたのです。

 ひるがえって現代の『ドラえもん』は、“ドラ泣き”という宣伝コピーが象徴するように、感動と夢と希望に満ちた健全コンテンツ。するとどうしても、「ブスと結婚すると不幸になるから美女と結婚させよう」というドラえもんのミッションの身も蓋もなさが浮き上がって見えます。「彼は人の幸せを喜び、人の不幸を悲しむ事の出来る青年だ」とは、結婚前夜のしずかちゃんに父親がかけた有名なセリフですが、ダメ人間のまま美女を獲得するという無理に整合性を持たせるためとはいえ、「聖なる愚者」扱いには違和感を禁じ得ません。ジャイ子に暴言を吐いたり、「のび太の地底国」で独裁者となってみんなに嫌われたり、ドラえもんに「男は顔じゃないぞ! 中みだぞ!! もっとも、きみは中みもわるいけど……」と言われたのび太くんはいったいどこへ……。そんな心清らかな少年がギッタギタにされている姿は笑えないよ……。

 『妖怪ウォッチ』はかつての『ドラえもん』読者が愛していたブラックさをしっかり備えつつも、昭和的な弱肉強食男社会の凶暴さは影を潜めています。ストーリーは単純で、リモコンがなくなる、おやつを買い食いしてしまう、寝違える、忘れ物をする、お母さんが変な格好で授業参観に来る……などの子ども界にありがちな困りごとが起きるたびに、妖怪が見える「妖怪ウォッチ」を手にしたケータがそれらを引き起こした妖怪を見つけ、解決するというもの。ポケモンと同じ、ゲームという出自からは意外なことでしたが、アニメ版にはほとんどバトル要素はありません。バトルの代わりにケータたちがするのは「説得」です。妖怪の悩みを聞いてあげたり、共感したり、執着が勘違いであることを教え諭したりすることで、妖怪たちは執着から解き放たれて人に取り憑くのをやめ、ケータたちと友だちになるのです。近ごろビジネス界隈で「アサーティブ」(相手の立場を尊重した上で対等に自分の要望や意見を伝えるコミュニケーションの方法論)の有効性がさかんに説かれていますが、小学生にしてケータはアサーティブネスを体得しているといえましょう。そうしたアサーティブ・コミュニケーションの末に妖怪たちから友愛のしるしとしていただくのが名刺……じゃなくて妖怪メダルです。妖怪メダルで召喚された妖怪たちが、他の妖怪の説得に協力することもあります。

 このアサーティブの対極にあるのが、「アグレッシブ(攻撃型)」と「パッシブ(受け身型)」。これまで男の子はアグレッシブであること、女の子はパッシブであることを求められてきました。したがって小学生の頃から男児はヒーローがバトルして勝ち上がるフィクション、女児はヒロインが無垢・無作為ゆえに愛されていい思いをするフィクションに浸るのが常道で、このことが男女間の分断を生んできた感は否めません。しかしながら受験戦争に勝ってもコミュニケーション能力が低ければ高学歴ワープアになりかねないことをかみしめる不況時代の親たちは、男の子に必ずしも競争を強いません。男子が“肉食”を強いられなくなれば、受け身の女の子は取り残されるだけです。代わりにいまの子どもに期待されるのは、適切な自己主張、優しさ、協調性。ケータのふるまいは、現代を生きる男の子にも女の子にも理想的なのです。『小学三年生』以上の学年誌が休刊した際、「男女共通」という刊行形態が小学生世代のニーズに合致しないことが休刊の理由として語られました。そんななかで『妖怪ウォッチ』が珍しく男女分け隔てなく人気を博している秘密の一端は、こんなところにあるのではないでしょうか。

 ちなみに『妖怪ウォッチ』は今時のメディアミックス作品らしく、女児向けメディアにも積極的に展開しています。コミックは少年誌『コロコロコミック』だけではなく、少女誌『ちゃお』でも連載されており、こちらの主人公はフミちゃんに設定されています。


Amazon

『オールカラーコミックス妖怪ウォッチ~わくわく☆にゃんだふるデイズ~ Vol.2 2014年 12月号 [雑誌] 』
*『ちゃお』連載のフミちゃん主人公版の単行本第二弾。コマさん&コマじろうのカップケーキのレシピ付き。

 フミちゃん主人公の『オールカラーコミックス妖怪ウォッチ~わくわく☆にゃんだふるデイズ~』は、本家のギャグテイストは踏襲しつつも執事妖怪が爆弾を食べて爆発するようなブラック要素は薄く、代わりにフミちゃんがイケメン妖怪に好かれたりジバニャンたちとお菓子作りをしたりとラブコメ要素が強め。妖怪と女子会を開いて冷え性について語り合うなど、フミちゃんもなかなかのコミュニケーション強者ぶりを発揮しています。しかしながら、我が家の7歳児はコロコロコミック版のほうがおもしろいと言います。「コロコロの妖怪ウォッチのほうがギャグがいっぱいあるし~それに私は女子だけど男子の心も持ってるの」。主人公が女の子ならいいってものでもないらしい。ギャグといえば、クックロビン音頭、『ガラスの仮面』、『孤独のグルメ』、さらには鶴光、『なぜか笑介』といった親世代も忘れていたような小ネタの数々が現代っ子ウケするテンポのよいギャグに生まれ変わっていることもアニメ版の魅力であることは、書き損ねてしまったけれど一応は伝えておきたいところです。男の子も女の子も大人もいっしょに同じものを楽しめる。きっとここから平和の礎が築かれるに違いないのです……きっと。

「沼牧場」 - ele-king

 いや、ホント、かったるい世の中ですね。それじゃま、パーティに行ってナマで踊りましょうってことで、今月の28日金曜日、代官山ユニットで、おもろいパーティがあるので紹介します。その名も「濡れ牧場」。COMPUMA、Dr.NISHIMURA、AWANOの3人による沼人パーティ「悪魔の沼」とCMT、Universal Indiann、Shhhhhの3人による放牧パーティ「濡れ牧場」との合同パーティということです。バカバカしくて、ナイスなネーミングです。ライヴにはヘア・スタイリスティックスこと中原昌也します。フライヤー持って行くと1500円で、気軽に入れるところも良いです。FOODコーナーもあるようなので、月末金曜日は、代官山で踊ろう。私も紙エレの入稿が終えていたら行って、自分を解放したいっす。

2014.11.28.fri
代官山UNICE
open:23:00
entrance:2000yen / 1500yen(w/flyer)

濡れ牧場
(C魔T・Uni魔ersal Indiann・S魔魔魔魔魔)
悪魔の沼:
(COMPU魔・Dr.NISHI魔RA・A魔NO)

LIVE:ヘ魔・スタイリスティックス

OtOdashi Sound System
supported by BLACK SHEEP

「沼牧場」

濡れ牧場
CMT、Universal Indiann、Shhhhhが2002,3年頃から東高円寺GRASSROOTS 平日に開催していた"放牧"会。やるなら平均12時間。本人たちもその存在を忘れた頃にたまに開催される。

悪魔の沼
2008年結成。現在のレジデントである沼クルー(沼人)は、COMPU魔、Dr.NISHI魔RA、A魔NOの3人。 東京・下北沢MOREの沼に生息。 活動は不定期ながらおよそ季節ごとの開催を目指している。これまでに、E魔C魔D、瀧魔憲司、二魔裕志、MOOD魔N、 魔ltz、魔DRINK、Toshi魔-BING-Kaji魔ra、テーリ・テ魔リッツ、小魔林 径、2魔ng(一★狂/国際ボーイズ)、C魔H魔E魔E、C×魔×Tなど、多彩なDJやアーチスト達が独自の沼を演出してきた。 2014年3月に、BLACK SMOKER RECORDSより3作目のMIXCD『涅槃 -Nirva魔-』をリリースした。

HAIR STYLISTICS(中原昌也)
1970年東京都生まれ。88年頃よりMTRやサンプラーを用いて音楽制作を開始。90年、アメリカのインディペンデントレーベルから「暴力温泉芸者=Violent Onsen Geisha」名義でスプリットLPをリリース。ソニック・ユース、ベック、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンらの来日公演でオープニング・アクトに指名され、95年のアメリカ・ツアーを始め海外公演を重ねるなど、日本以外での評価も高い。97年からユニット名を「Hair Stylistics」に改め活動。映画評論、作家など多岐にわたる活動でも知られる。2013年にはdisques cordeより初の全編ビートアルバム「Dynamic Hate」をリリース。数多くの作品のリリース、ライヴなど精力的な活動が続いている。


DJ 威力 - ele-king

廉価で手に入れた古書10選

本とレコードを買うことの境目があまりありません。
最近、天神橋筋商店街の天牛書店にて、内容の割にかなり廉価で手に入れた古書10選です。
音の出ないレコード。

『dublub.jp OSAKA #11』at GalaxyGallery
Mark Frosty / MAYUMIKILLER / 威力

10.25.SAT
『TROPICAL HOLE』at PINEAPPLE EXPRESS
BING aka Toshio Kajiwara / Hobobrazil / 威力 / 池田社長 / GYOKU

11.1.SAT
『GORF meets ECHOES』at FROG
αAREA、PPMG、SPINNUTS、THE KLO、威力、KURITA、sonic、SB10、OLEO、NxOxT

11.23.SUN
『ECHOES』at atmosphäre
sonic、pulseman、orhythmo、DNT、SPINNUTS、CJ、行松陽介、威力

twitter.com/iiimmrrarrmmiii
https://yofukenoongakufan.tumblr.com/

Katakoto - ele-king

 2014年、衝撃のデビュー・アルバムを発表した、愉快なヒップホップ・グループのカタコト──人気絵描きのドラゴン(『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』の表紙イラストもこの人)、人気ラッパーのヤノシット、快速テツマルを擁する──がいっきに4つのPVを公開。そして、REMIX&マッシュアップ音源の絶賛フリーDLサイトも公開中です。1曲、group_inouのimaiがリミックス。これはけっこう、面白いです。ちなみに、借りたいDVDがわからないときは、木津毅か三田格かテツマルに訊くのが良いみたいです。


HELLO KATY MV

Man In Da Mirror MV

デス!プルーフ MV

ピアノ教室の悪魔MV

interview with Photodisco - ele-king


Photodisco
SKYLOVE

Pヴァイン

ElectronicDream Pop

Tower HMV Amazon iTunes

 子どもの頃、ずっと空を見上げていたあの時間はどこへ行ったのだろう? フォトディスコの3年ぶりのセカンド・アルバムとなるその名も『SKYLOVE』は、その時間をじつに自然なやり方で取り戻す。メロウで清潔で、そして無邪気にドリーミーなフォトディスコらしいメロディが豊かに色づいている本作は、はっきりと「空」をコンセプトとして掲げることで、彼が描こうとしているものが何かを簡潔に示している。ここでフォトディスコが映し出す空は、都市生活者がふと見上げるビルの谷間の空であり、幼い頃虹がかかっているのを発見してはしゃいで指さした記憶のなかの空であり、あるいはどこまでも広がる想像上の宇宙としての空でもある。

 日本におけるチルウェイヴとしてベッドルーム・ポップ愛好者から人気を集めたフォトディスコだが、海外のチルウェイヴがサウンド的に分散していったこの3年という期間を経て、より純粋な意味でエレクトロニカに近づいたように聞こえる。
 “Rainfall”における雨の音のフィールド・レコーディング、あるいは“Endless Love”の透明感のある音使いにはかつてフォークトロニカと呼ばれた感性が息づいているし、アコースティック・ギターの柔らかなリフレインと多重録音によるコーラスの重なりが光を乱反射させる“虹”は、彼のなかの眩い叙情性が溢れだすかのようである。ビビオやフォー・テットといったエレクトロニカ勢、あるいはノサッジ・シングやバスといったLAビート・シーン周辺のトラック・メイカーの現在とも緩やかにリンクしつつ、しかし日本的な色づけも忘れてはいない。“夕暮れ”ではポップスに対する野望を滲ませ、あるいは以下のインタヴューで本人も発言しているようにビートでの挑戦も見受けられる本作ではあるが、描き出す風景やムードはこれまで彼が育ててきたものをより純化させているように感じられる。
 移り行く季節や時間に不意に自分自身が溶け込んでいく瞬間や、過ぎ去った記憶が不意に蘇るような感覚。その甘美さこそが、フォトディスコのポップ・ミュージックとしての強度である。寝ていても醒めていてもいい、夢見心地でいることは、音楽がもたらす豊穣な時間であることを『SKYLOVE』は証明している。

■Photodisco / フォトディスコ
ギターを軸に、シンセ、環境音などをDAW上でミックスする東京在住の音楽家。作曲、演奏、録音、映像などすべて一人で制作している。2009年に本名義での楽曲制作をはじめ、2010年に自主盤としてそれまでのコンピレーションを、翌2011年には〈Pヴァイン〉よりファースト・フル『言葉の泡』をリリース。シネマティックな音像、ベッドルーム・マナーな楽曲群は“和製チルウェイヴ”として注目を集めた。その後〈アンチコン〉のビートメイカー、Bathsの来日公演に出演するほか、オムニバス作品などへも参加、さまざまなメディアで自身の楽曲が使用されるようになる。本年10月にはセカンド・アルバム『SKYLOVE』が発表された。


ガンダムとかって、宇宙のことも「そら」って言うじゃないですか。そういうのを描きたいなって思ったんですよ。

ファースト・アルバム『言葉の泡』からほぼ丸3年なんですけど、最近だと3年ってけっこう――。

PHOTODISCO(以下、PD):長いですよね(笑)。

ネット時代の体感では(笑)。この3年間ってどんな時間でしたか?

PD:自主で出したりもしたんですよ。

そうですよね、カセットで。

PD:はい、アナログ媒体に興味があったのでカセット出そうかなと。あとは……曲をけっこう作ってたんですけど。

曲はずっと作ってたんですか?

PD:作曲はずっとやってましたね。曲は溜まってたんですけど、ただ、これだっていうのがあまりできなかったので。今年に入ってやっと形ができてきたんですよね。

それはコンセプトが見えてきたという?

PD:いや、コンセプトの前ですね。曲が沸々と上がってきまして、じゃあアルバム出そうかっていうことで、じゃあコンセプトを考えようっていうことで。ただコンセプトを考えはじめたときから曲作りのスピードが速くなりました。僕は与えられたほうがけっこう作れる人間なんだなあって。

それまでによく聴いていた音楽ってありました?

PD:そうですね、いちばん聴いてたのは……トロ・イ・モワとかウォッシュト・アウトとかもそうですし。チルウェイヴ勢とか、デイデラスとかフライング・ロータスとかのLAビート周辺だったりとか。ティーブスであるとか。

じゃあチルウェイヴ・その後っていうのは丹念に追ってらしたんですね。

PD:はい、リスナーとして追ってましたね。

どういうふうに見てました? ポスト・チルウェイヴというか、チルウェイヴ第一世代のその後の展開というか。

PD:みんなバンド・サウンドに行きましたけど……彼らって結局バンドに憧れてたキッズたちなんだなって。バンドしても解散したりするし、意志の疎通がうまくいかないとかで曲が生まれないとか(笑)、音楽活動として思い通りに動かないじゃないですか。だけど根っこはロック・リスナーだと思うんですよね。それで成功してからバンド形態になってやってるんじゃないかなと。

たしかに。彼らの場合はライヴをやらないといけないっていうのもありますしね。そんななかで、フォトディスコとしてもバンド・サウンドに惹かれたりすることはそんなにはなかったんですか?

PD:やっぱり惹かれますよね。

ああ、そうなんですか。

PD:惹かれますけど、やっぱり自分の脳内でできた音楽が世に出るってことが僕にとっていちばん大切なことなので。やっぱりひとりでやったほうがいいかなと。

前作のときに「チルウェイヴを勉強した」ってお話されてたんですけど、やっぱりチルウェイヴがおもしろかったんですね。

PD:おもしろかったですね。

でも実際、どうでした? フォトディスコって和製チルウェイヴって紹介がすごくされましたけど、違和感とか抵抗感とかはなかったんですか? 

PD:それがまったくないんですよね。実際にはすごく大きな流れだったのに、なぜかちょっと否定的に言われましたよね。僕はそう呼んでいただけるんならそれはそれでいいって感じです。


エモのひとたちってある時期、だんだんフォークトロニカ風になるんですよね。

なるほど。今回、新作を聴かせていただいて、僕はチルウェイヴよりもエレクトロニカであるとか、10年ぐらい前フォークトロニカって呼ばれたものをすごく思い出したんですよね。そもそもフォトディスコのなかで、エレクトロニカみたいなものって好きなテイストとしてあるんですか?

PD:ありますね。昔エモって言われたひとたち――ゲット・アップ・キッズとか。で、エモのひとたちってある時期、だんだんフォークトロニカ風になるんですよね。ポストロックも結びつくし。そういうのも聴いてたんで、影響を受けてるところもあるのかなって。

ああ、なるほど。僕が84年生まれでウォッシュト・アウトと同い年なんですけど、ちょうどエレクトロニカあたりが記憶としてあるんですよね。その時代を思い出すというか。フォー・テットなんかもお好きですか?

PD:好きですね。

なんとなく、ウォッシュト・アウトがセカンド・アルバムでフォー・テットを勉強したって話とどことなくリンクするところがあるのではないかと思って。

PD:へー、そうなんですか。それおもしろいですね。

今回のアルバムで、いわゆるチルウェイヴと呼ばれる音と離れようと意識したっていうのはありますか?

PD:ありますね、やっぱり。僕はチルウェイヴっていうのは精神論だと思うので、それはずっとありつづけることだと思うんですけど。ただ音色的にチルウェイヴ的なものっていうのが広がり過ぎたかなって思ったので、そこはカブらないようにしようっていう意識で。

その音色的なもの、あるいはサウンド的な方向性ってどう位置づけてらっしゃったんですか?

PD:前回はビートがけっこう単調だったんで、今回はビートをいじろうかなと。そこをすごく意識しましたね。

じゃあ、けっこういろいろ試してみてっていう。

PD:そうですね。その前にノイズとかっぽいものをひとりでむっちゃ作ってたんですよ。でも、自分が気持ちいいだけで(笑)。ひとに聴かせると「ノイズは深く追求しているひとがめちゃくちゃいるからそこに無理に入らないほうがいいよ」って感じで言われまして。

そういう意味では、自分が気持ちいいってところはポイントではなくなってるんですか?

PD:いや、それは大前提としてあります。10曲とも自分にとっての「ザ・ベスト!」みたいな感じです(笑)。

いちばん最初に出来た曲ってどれなんですか?

PD:1曲めの“Skylab”ですね。これは頭にもってきたかったので。

そうなんですか。まさにこの曲について訊こうと思ってたんですけど、このロウビットな音色っていうのは、ベッドルーム・ポップなんだということをあらためて表明するように聞こえたんですがいかがでしょう。

PD:いやあ、ほんとに機材環境がやばいというか(笑)、安い環境なので。いま自分ができることを前提に作ってるんです。

録音の環境は変わってない?

PD:変わってないですね、ぜんぜん。

ほんとに機材環境がやばいというか(笑)、安い環境なので。いま自分ができることを前提に作ってるんです。

この曲のタイトルは後につけたんですか?

PD:これは後ですね。コンセプトが「SKYLOVE」なので、そのコンセプトとよく似た曲タイトルを作ろうと思ったので。

なるほど。じゃあそのコンセプトについてなんですけど、どのようにできたものなんですか?

PD:今回は空がテーマなんですけど。僕ずっとアニメも好きなんですけど、ガンダムとかって、宇宙のことも「そら」って言うじゃないですか。そういうのを描きたいなって思ったんですよ。空ってすごくロマンティックじゃないですか。宇宙もそうですし、空を見上げるのもそうですし。あと僕、海のなかも空だって思うんですよ。そういったアルバムを作りたいなと思ってタイトルをつけましたね。

その空っていうのは風景としての空なのか、記憶のなかの空なのか、ジャケットにあるようにSF的な空なのか――。

PD:それはもうすべてですね。僕の記憶のなかにある空とか、絵やイラストで見る空とか、ありますよね。それをすべていっしょにしたアルバムですね。

空がもともとお好きだったんですか?

PD:そうですね。写真を撮るのがもともと好きなんですけど、ひとを撮らずにずっと空ばっかり撮ってるんですよね。雲とか(笑)。今回トレーラーを作ったんですけど、あれも僕が空を撮って作ったんですよ。



その、空がお好きな理由って自己分析できますか?

PD:うーん……逃げたいんじゃないですか(笑)。逃避的な精神があるかもしれないですね。

なるほど。僕の場合は、空がコンセプトだとお聞きして、空見なくなったなーと思ったんですよね。子どもの頃はよく見てたのに。っていうことを踏まえると、空ってすごくフォトディスコっぽいコンセプトだなと思ったのと、あと風景や自然に興味が向かうっていうのも非常にエレクトロニカ的だなと思いましたね。
 フォトディスコの音楽って、これまでも風景からインスピレーションを受けたものが多かったですよね。このアルバムでも風景からインスピレーションを受けたと思われるタイトルの曲――“Rainfall”、“虹”、“夕暮れ”がありますけど、すべてヴォーカル・トラックになってますよね。今回ヴォーカルを入れようと思った理由はなんでしょう?

PD:それは……ヴォーカル曲があったほうが食いつきがいいんじゃないかなと(笑)。

とくに“夕暮れ”なんかはJポップ的なものに対する欲望も感じるというか。

PD:そうですね、もうJポップですよね。

そこに参照点はあったんですか?

PD:それは僕のバックグラウンドでしょうね。オルタナティヴ・ロックとか、日本のインディ・ロックに憧れてた時代を描写するような曲なんじゃないでしょうかねえ。

それはご自身の思春期的なものなんですか?

PD:そうですね。

なんでですかね、子どものときって空見ますよね。学校から帰るとき暇なのかわからないですけど。

“夕暮れ”はかなりヴォーカルを生で聴かせてますけど、“Rainfall”はヴォーカルにエフェクトかけてますよね。これはどうしてなんですか?

PD:ほんとは歌ってたんですけど、キーがもうちょっと高いほうがいいなと思ったんですよね。で、僕のヴォーカルじゃ合わないなと。それで声をめちゃくちゃ高くしたらああなって、これでアリだなと思って。

これはフィールド・レコーディングもあって、前作の手法を踏襲しつつっていう曲ですね。あと“虹”はヴォーカルを多重録音してますね。

PD:これは音質がすごく粗くて、ミックスのひとにもちょっと笑われたぐらいで(笑)。

これはどうやってできた曲なんですか?

PD:このなかでアコギがメインで作った曲ってなかったんですよね。で、1曲ぐらいアコギがメインの曲が欲しいなと思って作った曲ですね。

この「虹」っていうのは、本当に風景としてある虹なのか、あるいは概念としての虹なんでしょうか。

PD:これも記憶ですね。虹ってそんなに見ないじゃないですか。たまにツイッターとかで誰かが写したものとか、そういうものでしか見れなくて。だけど幼い頃、小学校の帰りなんかでよく見ませんでした?

たしかに。

PD:なんでですかね、子どものときって空見ますよね。学校から帰るとき暇なのかわからないですけど。そういう描写を思い浮かべて。自分で水を撒いて作ろうとしたんですけど、それは無理でした(笑)。

(笑)虹もお好きなんですね。

PD:虹も好きですね。

記憶のなかの虹だとしたら、ちょっとノスタルジックな意味合いもある?

PD:そうですね。そんなにいい思い出があるわけではないとは思うんですけど。

あそこで繰り返している言葉っていうのは――。

PD:「虹」って思い浮かんだ瞬間に言葉が出てきました。

[[SplitPage]]

たとえば怒りみたいなものをテーマにして作っちゃうと結局、自分では聴けないんですよね。自分がいちばんのリスナーなので、聴いてるとそのときの自分の怒りが蘇っちゃうんですよ。


Photodisco
SKYLOVE

Pヴァイン

ElectronicDream Pop

Tower HMV Amazon iTunes

あと“夕暮れ”を聴いてて思ったんですけど、やっぱりフォトディスコのなかでスーパーカーって大きいんですね。

PD:僕のなかでは大きいですね。

中村弘二さんのニャントラなんかも?

PD:そうですね、聴いてましたけど、でもバンドに思い入れがありますね。

へえー。僕も同世代なんですごく記憶にあるんですけど、スーパーカーが『Futurama』から『HIGHVISION』でエレクトロニック化したときってどうでした?

PD:僕は受け入れましたね。スーパーカーってアルバムごとにサウンドが変わるじゃないですか。ああいうのがいいなって思いますね。やりたいことをやってるんだろうなって。

フォトディスコって、その時期のスーパーカー的なエレクトロニカ感っていうのもあるように思えるんですけど、そこはあんまり意識されてなかったですか?

PD:ぜんぜん意識はしてなかったんですけど、僕のなかで根強くあるのかもしれないですね。

じゃあ逆に、リアルタイムで共感するトラック・メイカーっていますか?

PD:僕ティーブスはすごくいいなと思いますね。サンプラーだけで曲作ってるらしいんですけど、そのSP404SXってサンプラー僕も持ってるやつで。よくあれだけで曲作れるなあって。僕一回試したんですけど、作れないんですよね。そこはすごく尊敬します。とてもシンプルなスタイルなんですね。「ボールは友だち」みたいな感じでサンプラーと遊んでいて……。ビートの打ち込み方もすごくカッコいいし。

なるほど。あと先ほどLAビート周辺っておっしゃってましたけど、僕は彼らとも近い感性を感じるんですよ。ライヴで共演されたバスだったり、ノサッジ・シングだったり。フォトディスコが彼らと共通するのって、メロウな感覚なのかなと思うんですけど、どうしてそういうものが出てくるんだと思いますか? たとえば怒りや嘆きみたいな、激しい感情じゃなく。

PD:そうですね……たとえば怒りみたいなものをテーマにして作っちゃうと結局、自分では聴けないんですよね。自分がいちばんのリスナーなので、聴いてるとそのときの自分の怒りが蘇っちゃうんですよ。そんなの僕としては蘇らせたくないんですよ。自分が作る曲は日々感動したものをパッケージングしたいなと、そう思って作ってるんですよね。やっぱり僕が聴いていて気持ちいいものがいいなと(笑)。そういう感覚はありますね。

そういうところも含めての、今回のタイトルに「LOVE」が入っているのかなという気もしますが、けっこう思いきりましたよね。

PD:思い切りましたね(笑)。

これはどうして出てきた言葉なんですか?

PD:いや、「SKYLOVE」って言葉が出てきたときは恥ずかしいとも何とも思ってなくて、単純に「空が好きだな」って感じで。造語っぽい感じで2単語が続いてるんですけど、あとはアポロのスカイラブ計画とちょっとかけてるっていうのもありますね。

ああ、そこで宇宙的な意味もちょっとあるんですね。そういうちょっとSF的な世界観って反映された曲ってありますか?

PD:1曲めの“Skylab”の中盤あたりのぐちゃぐちゃっとしたアンビエントなんかはちょっとあるかもしれないですね。あと“Space Debris”って曲は隕石とかがぶつかり合うようなイメージで作った曲です。ちょっとジャズっぽい要素があって。ほんとはすごくメロディアスな曲だったんですけど、ちょっとダサいなと思って(笑)。で、自分の曲を4トラックのMTRに突っ込んで、ちょっとホワイト・ノイズを乗せて、またPCに乗せて、それを切り刻んでサンプリングしたらなぜかジャズっぽくなって(笑)。


これ作ってるとき、めちゃくちゃエイフェックス・ツインを聴いてたんですよ。

へえー、すごく実験した曲なんですね。とくに終盤が冒険したトラックが多いですよね。

PD:そうですね、後半あたりから自分のこれまでのカラーにないものになってきてます。次のアルバムに繋げたいという意思表示が入ってます。

ラストのタイトル・トラックである“Skylove”なんかはドラムンベース的なリズムで。

PD:ああ、これはエイフェックス・ツインをかなり意識したので(笑)。

おお!(笑) タイムリーな。

PD:これ作ってるとき、めちゃくちゃエイフェックス・ツインを聴いてたんですよ。

それは新譜の話が出る前ですから、偶然ですよね。

PD:これ作ってるとき、たまたますごく聴いてて。

エイフェックス・ツインはもともとお好きなんですか?

PD:好きですね。

どういうところが好きですか?

PD:エイフェックス・ツインはそうですね……生き方とか。

あ、いきなりそっちなんですね(笑)。

PD:いや、もちろん音もですけど。ガチのテクノっていうより、このひともロック的な感性もあるんじゃないかなあっていうところが僕は好きですね。

この曲ができたのはかなり終盤ですか?

PD:最後ですね。これは絶対いい曲を作ってやろうという意気込みで作りました。

“Tokyo Blue”っていうのはまさに東京の空ってことですか?

PD:そうですね、臨海方面というか、お台場方面を意識して作ったんですけど(笑)。

SF的な空であったり、リアルな空が混在してるのがおもしろいですよね。

PD:そうですね、リアルな空もありますね。

じゃあ、タイトルについてももうちょっとお訊きしたいんですけど、「LOVE」っていう言葉をタイトルに入れるのは、ちょっとためらわなかったですか?

PD:ああー……ダサく響くっていう?(笑)

いやいや、ダサいっていうより、誤解を生みやすい言葉だとも思うんですよね。狭い意味だと、それこそJポップ的な恋愛の意味にも捉えられかねない。

PD:まあでも、僕のなかでは、「LOVE」っていうと、二次元になっちゃうんですよね(笑)。アニメでカップルが宇宙見てる感じっていうのが、僕のなかで『SKYLOVE』ですね。

抽象的な概念として。

PD:そうですね。そう言われてみると、思い切ってますね。

まずこの絵、地球じゃないじゃないですか。それから、すべて揃っているところ。雲もあるし虹もあるし、地球もあるし海もありますから。

このアートワークはどういう風にできたんですか?

PD:コンセプトが決まって、自分でイラストレーターを選びたいなと思ったんですよ。でも制作期間がもうなかったので、これはもうpixivしかないと思って(笑)。pixivで宇宙とか空とかキーワード検索を入れて、しらみつぶしに自分の気に入る絵をずっと見てたんですよ。そしたらこのmochaさんが引っかかって、すごくいい絵を描かれるなと思って、ぜひこの絵にしてもらいたいなと。あと僕の頭のなかの映像とすごくリンクしていて。

どういうところに惹かれましたか?

PD:まずこれ、地球じゃないじゃないですか。そういうちょっとアニメっぽいところと、あとはすべて揃っているところ。雲もあるし虹もあるし、地球もあるし海もありますから。まさにこのテーマに合ってるんじゃないかなと思ったんですよ。

アニメは昔からお好きなんですか?

PD:昔から好きですね。

最近は何がよかったですか?

PD:最近は……『ばらかもん』とか(笑)。知ってます?

知ってますよ(笑)。

PD:あとは『月刊少女 野崎くん』にハマってましたね。おもしろかったです。

あ、そこはSFには行かないんですね?

PD:いや、SFも観ますけど、今期僕が好きだったのはそのふたつかなと。『Free!(Free! -Eternal Summer-)』とか。

今期っていうのがさすがですね(笑)。そういうアニメをいくつも見ている生活が、今回アルバムに反映されたところはあります?

PD:どうですかねえ……。あ、でも『残響のテロル』の菅野よう子さんも本当に素敵だったので。そういう感じも出てますかね……いや、出てないか(笑)。

(笑)まあ、後半いろんな音楽的要素が入ってくるあたりは遠からずかもしれないですね。

PD:そうですね、やっぱり刺激的な音楽は作っていきたいと思ってますし。

アニメの話が出たところで、ひとが作る映像に使われたいっていうのはありますか?

PD:もうめちゃくちゃありますね。

それはどうしてですか?

PD:自分の音楽でカッコいい映像を流してほしいんですよね。コラボレーションっていうかはわからないですけど、それが合わさったときに、さらに曲が引き立つんじゃないかなと思って。使ってもらいたいなといつも思ってます。

ご自身も映像を昔作られてたという話で。

PD:そうですね。そういう学校に行ってました。


この前アルバムをおじいちゃんに渡したら、「いやー寝れるわー!」って(笑)。

今後曲に合わせて映像作りたいなって思われたりはしないですか?

PD:とりあえずいま、『SKYLOVE』の曲に合わせてPVを作ってるんですよ。トレーラーとは別に。

ああ、そうなんですか。

PD:空ばっかり一眼レフで写して、素材はできてるんで。落ち着いたら作りたいと思います。

それぜひ観たいですね。そういった映像喚起的ところもエレクトロニカ的というか……いま、海外でEDMに対抗するものとしてエレクトロニカの存在感が増していますよね。日本も案外EDM的な土壌が広がっているので(笑)、フォトディスコがオルタナティヴとしていてくれるのは心強いと思いますよ。

PD:テレビCMとかからもEDMが聴こえてきますもんね。そうですね、カウンターになればいいですけどね(笑)。

バスとライヴをされてましたけど、今後ライヴはしていきたいと思われますか?

PD:そうですね、やっぱり勉強になるんですよね。ライヴってすごく発見の場だと僕は思ってるので、できれば飛び込みたいなというのはありますね。

そこで映像を使うライヴが、僕はフォトディスコにピッタリなんじゃないかなって思います。

PD:映像を作れる友だちを作らないといけない(笑)。すべてひとりでやっちゃってるんで。

ではそろそろ最後の質問なんですが、『SKYLOVE』はどういうときに聴いてほしいアルバムですか?

PD:東京だったら電車のなかで聴いてもらったり、帰り道に缶ビール飲みながら聴いていただけたらと。

生活のなかに溶け込んでいるイメージですよね。

PD:僕はだいたい、夜の静かなときに聴いてほしい感じはあります。この前アルバムをおじいちゃんに渡したら、「いやー寝れるわー!」って(笑)。

(笑)

PD:親にも渡したんだけど、寝る前に聴いてるって。兄貴も寝る前に聴いてるって言ってました(笑)。寝る前に聴く音楽なのかなって。

いいじゃないですか、入眠ポップ。ボーズ・オブ・カナダみたいで。

PD:なるほど(笑)。

セーラーかんな子 - ele-king

10/18 シブカル祭@渋谷PARCO
10/26 @高円寺AMPcafe
10/31 @渋谷OTO, @Le Baron de Paris
11/1 田中面舞踏会@恵比寿リキッドルーム
11/15 CITY HUNTER@BAR SAZANAMI

OGRE YOU ASSHOLE、新作MV - ele-king

 この音、この言葉、なんて説明すればいいのだろう。10月15日に発売されるオウガ・ユー・アスホールの新作『ペーパークラフト』は傑作である。来週、ele-kingでもレヴュー2本載せるぞ。お楽しみに。
 思えば、僕は、この1年、このバンドのライヴを4本見ている。そのすべてにおいて、バンドは堂々としていた。僕は“見えないルール”を歌いながらロードバイクを飛ばす。30キロ・アヴェレージを目標に(あくまでも目標)、およそ3時間ほど、朝の清々しい空気のなかを走る。すれ違う女性がみんな美人に見える。そして朗報が……。
 『ペーパークラフト』の収録曲“ムダがないって素晴らしい”のMVが完成。出戸学が自ら監督・制作・撮影したクレイ・アニメ作品である。

本MVは、OGRE YOU ASSHOLEのオフィシャルwebトップ、〈Pヴァイン〉のYouTubeチャンネル、同日同時放送でバンドが運営するUstream番組「Record You Asshole」内にて公開される。

今回のミュージック・ヴィデオは、ヴォーカル/ギター担当でOGRE YOU ASSHOLEの中心人物である出戸学が自ら監督・制作・撮影・編集全てを手がけた、究極のセルフ・メイドとなっています。

今夏のレコーディング終了後に急遽発案され、約90日をかけて試行錯誤が繰り返された結果、ジュール・ヴェルヌやドイツ表現主義などのレトロSFムービーを彷彿させる、キッチュで不可思議な映像作品が完成しました。
遠い未来の異国のような、あるいは夢で見た風景のようなモノトーンのアナザー・ワールドで起こる様々に無益な事象が、ラテン・パーカッションとドラムスが産み出す反復ビートと重なって、ミニマルで謎めいた陶酔感を生み出しており、つい何度も再生したくなります。

アルバムのジャケットやアーティスト・フォトの細部に至るまで、全てバンドメンバー自らが企画・制作した「ペーパークラフト」からの初MVに相応しく、これまで何度かOGRE YOU ASSHOLEのMVを監督・指揮してきた出戸が、初めて自ら全てを手がけた意欲作です。

前々作「homely」、前作「100年後」から通底するテーマであった「居心地が良いが悲惨な場所」を、手作業の暖かみとミニチュアが持つ硬質感が融合したレトロ・フューチャーな映像で表現した、OGRE YOU ASSHOLEの最新MV「ムダがないって素晴らしい」を、ぜひともご覧ください。
(レーベル情報より)

PヴァインYoutubeチャンネル:
https://www.youtube.com/user/bluesinteractionsinc

Record You Asshole by OGRE YOU ASSHOLE:
https://ototoy.jp/feature/index.php/2012083000

official web:https://www.ogreyouasshole.com/
twitter:https://twitter.com/OYA_band
FB:https://www.facebook.com/ogreyouassholemusic

■OGRE YOU ASSHOLE 『ペーパークラフト』
発売日:2014/10/15
発売元:P-VINE RECORDS

収録曲:
1.他人の夢
2.見えないルール
3.いつかの旅行
4.ムダがないって素晴らしい
5.ちょっとの後悔
6.ペーパークラフト
7 誰もいない

<初回限定盤>
・完全初回限定生産
・特別ボックス仕様
・CD+エクスクルーシブ・セッションを収録したカセット・テープ付属(シリアル・ナンバー入りダウンロード・コード付き)
品番:PCD-18775
値段:¥3,330+税

<通常盤>
・1CD仕様
品番:PCD-18776
値段:¥2,550+税


■OGRE YOU ASSHOLE
ニューアルバム・リリースツアー “ペーパークラフト”

2014.12.13(土)  大阪  CLUB QUATTRO
2014.12.20(土)  山梨  CONVICTION
2014.12.21(日)  長野  ネオンホール
2014.12.27(土)  東京  LIQUIDROOM

2015.01.10(土)  札幌   KRAPS HALL
2015.01.16(金)  名古屋 CLUB QUATTRO
2015.01.17(土)  広島   4.14
2015.01.24(土)  新潟   CLUB RIVERST
2015.01.31(土)  鹿児島 SRホール
2015.02.01(日)  福岡   Drum Sun
2015.02.07(土)  仙台   HOOK
2015.02.08(日)  松本   ALECX (※ツアーファイナル)


アイタル・テックとパズルの世界へ! - ele-king

 東京で最先端なサウンドを最高な環境で体験できるパーティ、〈サウンドグラム〉。ディスタル、ループス・ハウント、そしてテセラなどなど、ユニークかつリリースのたびに注目を集める面々ばかりです。会場に持ち込まれるサウンドシステムもこのパーティの魅力のひとつで、低音で揺れるフロア、そこで聴くアンセムは一生記憶に残ることでしょう。4月のテセラ、最高でしたよ。
 今週末、サウンドグラムが大阪と東京で開催されます。今回は光が乱反射するようなエレクトロニカからフットワークまでを手掛けるアイタル・テックと、あらゆるベース・ミュージックを知りつくしているパズルが登場! 
 本当に何が新しいのかを現場で体感して考えてみませんか? 踊りまくりたい方も大歓迎です。今週末は〈サウンドグラム〉へ! 

■SOUNDGRAM TOKYO/OSAKA
ITAL TEK & PUZZLE Japan Tour

大阪公演
日時:10月11日(土) OPEN/START 22:00
会場:TRIANGLE
料金:ADV 2000yen+1D DOOR 2500yen+1D
出演:
Ryuei Kotoge (Daytripper Records), D.J.Fulltono (Booty Tune), CLOCK HAZARD TAKEOVER 3HOUR, CHELSEA JP (GRIME.JP), madmaid (irregular), utinaruteikoku (irregular), DISTEST, ZZZ, Saeki Seinosuke, KEITA KAWAKAMI, D.J.Kaoru Nakano, PPR aka Paperkraft, SHAKA­ITCHI, DJ AEONMALL, HSC, JaQwa, PortaL

東京公演
日時:10月12日(日曜祝日前) OPEN/START 23:00
会場:TOKYO GLAD & LOUNGE NEO
料金:ADV 3000yen DOOR 3500yen
出演:
Submerse (Project: Mooncircle, UK), 19­t Takeover (TECHNOMAN Utabi SKYFISH Cow'P Amjik), HABANERO POSSE, Mike Rhino (UK), D.J.Kuroki Kouichi VS Gonbuto, Chicago vs Detroit, D.J. APRIL, DJ DON, FRUITY, tesco suicide, Mismi, Nishikawacchi, JaQwa, PortaL HATEGRAPHICS (VJ), knzdp (VJ), XVIDEOS (VJ), GENOME (VJ), Shinjuku DUUSRAA (FOOD), zeroya (FOOD), Broad Axe Sound System (SOUNDSYSTEM)

*各公演にItal TekとPuzzeleは出演

ITAL TEK (Planet-Mu/Civil Music, UK)

イギリスのブライトンを拠点に活動する様々なジャンルをまたぐUKならではのエレクトロニックアーティスト。2007年にPlanet­MuのレーベルオーナーであるMike ParadinasがMyspaceにアップされていた楽曲を聴いて気に入ったのが始まりで「Blood Line EP」をリリース。翌年2008年には1stフルアルバム「cYCLiCAL」をリリース。IDMとDubstepの融合を見せたItal Tekならではの作品となった。2009年には自身のレーベルAtomic River Recordsを設立し、その後も順調に多くのリリースとライブ活動を行いジワジワとその名をイギリス国内から欧州へ、そして世界へと知らしめていく。2012年にリリースをした3rdアルバム「Nebula Dance」では自身の解釈世界観のフットワーク・サウンドで展開させ、多くのリスナーを驚かせた。2013年にはCivil Musicより3rdアルバムをアップデートさせたEPをリリース。同年のミニアルバムではフットワーク/ジャングル/エレクトロニカ/アンビエントと独自のスタイルを一歩前進させることなる。そして今年2014年にリリースされたCivil Musicからの2nd EPではよりディープでハイブリッドなサウンドとなり、デビューから現在までブレることの無い確固たるサウンドを披露し、Planet­Muの主要アーティストとして活動している。

PUZZLE (Leisure System, GER)

15年以上に及ぶDJと作曲の経験を持ち、現在はベルリンの世界的に有名なクラブ「Berghain」で行われている「Leisure System」のレジデントとして活動。またLeisure System Recordsの経営と並行して、世界最大級のクラブやSonar、Dimentiions、Arma 17、Redbull Music Academy、Nitsa等のフェスティバルでプレイしている。2012年にはObjektとAsiaツアーを行い、過去にはClark、Rustie、Jimmy Edgar、Machinedrum、Kuedo、Joy O、Blawanやその他多くのアーティストと同じステージで競演。 常に遊び心に富んだジャンルレスなMIXでフロアを狂喜に導く。


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114