「OTO」と一致するもの

Chart by JAPONICA 2011.03.07 - ele-king

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1

MORITZ VON OSWALD TRIO

MORITZ VON OSWALD TRIO HORIZONTAL STRUCTURES HONEST JONS / UK / 2011/3/1 »COMMENT GET MUSIC
MORITZ VON OSWALDが中心となって結成されたインプロビゼーション・ダンス・ミュージック・トリオ=MORITZ VON OSWALD TRIO。09年のファースト・アルバム、10年のライブ・アルバムに続き2011年、早くもセカンド・アルバムが完成!今作はゲストにベーシスト MARC MUELLBAUERを迎えダブルベースのクインテット編成にて、テクノ/ダブをベースとしながらも洗練のエレクトロニック・サウンドと呪術的なプリミ ティブ・グルーヴの融合が生み出すノンカテゴライズな魅惑の音像の数々を創出。

2

MR RAOUL K

MR RAOUL K INTRODUCING MY WORLD MULE MUSIQ / JPN / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
ファースト・アルバム「INTRODUCING MY WORLD」からのセカンド・ヴァイナル・カットの今作はリズミカルなパーカッションにメロディアスなコラが躍動的に紡がれる、流麗アフリカン・ディー プ・ハウス"INTRODUCING MY WORLD"、そしてビート感控えめに、アフリカ独特の妖艶なチャント/ヴォーカルを際立たせた土着グルーヴ"AFRICA"というハイライト的2トラッ クをカップリングの美味しすぎる一枚!大推薦!

3

VAKULA

VAKULA SATURDAY 3RD STRIKE / UK / 2011/3/2 »COMMENT GET MUSIC
ウクライナの超新星VAKULA、好調<3RD STRIKE>からのセカンド・シングルとなる今作はデトロイティッシュな曇りがかったシンセ・コードに、メロウなキーボード・プレイが躍動する VAKULA流フュージョン・ハウスを見事紡ぎだした快作!メロウ/ジャジーなウワオトの奥底でしっかりとブラックネス・グルーヴが息づく至高の 逸品です。

4

WHITE ELEPHANT

WHITE ELEPHANT SIR JOHN REDUX / UK / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
<CLAREMONT 56>看板デュオSMITH & MUDDのBENJAMIN SMITHとCRAZY Pの中心人物JAMES BARONとCHRIS TODDの三者によるコラボレーション・プロジェクトWHITE ELEPHANT。そのデビュー作となる本作はSMITH & MUDDばりの流麗に爪弾かれるアコースティック・サウンドを主体とした緩やかに上昇していく美麗バレアリック・チル・ナンバー"SIR JOHN"に加えC/WにはMARK Eによるビートダウン・リミックスも収録の見逃し厳禁な激注目の一枚!

5

THE SHAOLIN AFRONAUTS

THE SHAOLIN AFRONAUTS JOURNEY THROUGH TIME / KIBO FREESTYLE / UK / 2011/3/1 »COMMENT GET MUSIC
UKの良質クロスオーヴァー・レーベル<FREESTYLE>が送り出すオーストラリア発、新星アフロビート・バンド=THE SHAOLIN AFRONAUTS、同レーベルからの来るファースト・アルバムに先駆けデビュー12inchシングルをリリース!

6

ROY AYERS & BAH SAMBA

ROY AYERS & BAH SAMBA POSITIVE VIBE REMIXIES FAVOURITIZM [UK] / 2011/3/3 »COMMENT GET MUSIC
往年のROY AYERSファンも余裕で納得のミスティック・ブギー傑作"POSITIVE VIBE"オリジナル・ヴァージョンは言うに及ばず、注目のASHLEY BEEDLEとキーボード奏者DARREN MORRISによるユニットAFRIKANZ ON MARZによるリミックスも、パーカッシヴ・ビートにディレイがかったキーボード・プレイが流麗に靡くフュージョン・ハウスに、そしてB面のDUBヴァージョンもこれまた絶品!

7

LARRY TIGER

LARRY TIGER ALONE ON THE GREEN EP EDITAINMENT / GER / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
毎度トレンドを絶妙に組み込んだエディット・ワークで人気を博す<EDITAINMENT>第6弾。センス光る巧なループ・エディットで一気に上昇していくエレクトリック・ブギー" ALBATROSS"、煌びやかな80'Sシンセ・ディスコのエディットと思われるファットなミドル・テンポ・ブギー"EAGLE"の2トラックスに加え、それぞれをダビーに加工したボーナス・ビート(トラック)も収録の使える一枚!

8

FRANCIS INFERNO ORCHESTRA

FRANCIS INFERNO ORCHESTRA THE NIGHT HE CAME HOME EP SLEAZY BEATS / UK / 2011/2/27 »COMMENT GET MUSIC
艶やかなネオン色づく80'Sミッドナイト・ディスコ・エディットの"RUSH BACK"、力強いヴォーカルに雄大なストリングスが印象的なディスコ/ソウルをループ・エディットを駆使しつつビートダウン感覚でまとめた"THE FIRE IS REAL"、そしてシネマティックなメロウ・ループで心地よくハメていくスローモー・インスト・エディット"LOVERS"。どれも侮れないクオリティ・ トラック!

9

MARTIN BUSCAGLIA

MARTIN BUSCAGLIA JAULA DE MOTOS LOVE MONK / SPA / 2011/3/1 »COMMENT GET MUSIC
スペインの超雑食レーベル<LOVE MONK>新作はウルグアイの伝統的な音楽様式=カンドンベをモチーフに現行ダンス・ミュージック形式へアプローチする注目株MARTIN BUSCAGLIAによる昨年同レーベルよりリリースしたCDアルバムからのヴァイナル・カット作。

10

V.A.

V.A. REGGAE JET STREAM -FLIGHT NUMBER 001- REGGAE JET STREAM / JPN / 2011/2/24 »COMMENT GET MUSIC
日本が世界に誇る某"ジャマイカン・ミュージックのスペシャリスト"による平日深夜/不定期にUSTREAM配信されているというレゲエ・プログ ラム「REGGAE JET STREAM」から毎回各コンセプトに沿ってお届けするミックスCDシリーズがスタート!今回はその第1弾で80年代のジャマイカ/UK産ラヴァーズ・ ロックを中心に全てオリジナル盤7inch/12inchアナログを使用(!)という拘りの内容/セレクトで極上のリラックス・タイムをお約束す るスーパー・グレイトな一枚。

メシ食わせろ! - ele-king

 UKのテクノ・ミュージシャン、マシュー・ハーバートの2006年のアルバムに『プラット・ドゥ・ジュール』という作品がある。これは食文化の危機をテーマにしたアルバムで、彼はこの作品を作るためにサーモンの養殖場から有名レストラン、下水溝や家庭ゴミの集積場まで歩き回った。そして、グローバリゼーションの時代において、食卓に並べれた食べ物の食材がどうやってそこにやって来たのかを調査した。僕は当時、その主題を面白いとは思ったけれど、彼が強調する食の問題を切実に感じることはできなかった。
 ......が、2011年、もはやそんな悠長なことも言ってられなくなってしまった。われわれの食生活、日本の農業シーンを激変させるであろう、環太平洋戦略的経済連携協定、通称「TPP」(Trans-Pacific Partnership)がいま騒がれている。
 TPPとは、元々は多国間の自由貿易協定のことだが、現状を意訳すれば、米国主導による大規模な規制緩和のことになっている。日本の農家で作っていた野菜よりも格安な米国産の野菜が、どかっとスーパーの野菜コーナーに並んでしまう。すでに農業組合は反対しているが、TPPの規制緩和は食だけにとどまらない、それは医療や保険など広範囲におよんでいる。
 
 じゃがたらのギタリストだった人物は、いま、政治的な問題に取り組んでいる......。去る2月中旬のある晩、OTOさんから電話があって「この問題を誰かと話したい」と言う。二木信に相談したところ、それなら思想家の矢部史郎さん(ドライ&ヘビーのファンでもある)がいいんじゃないかと。そんなわけで、われわれは高円寺の素人の乱のフリースペースを借りて話すことにした。(野田努)

野田:オトさんがTPPを気にしたのってどんな経緯だったんですか? 

OTO:昨年、僕のまわりはCOP10で盛りあがっていたんです。

矢部:ああ、生物多様性を守ろうという。

OTO:そうです。そのあと、昨年の10月に横浜APECがあって、そこでTPP参加への意志を菅直人が表明したでんすよね。

矢部:そうでしたね。

OTO:で、TPPとは別に、年次改革要望書というのがあって、表向きは「成長のための日米経済パートナーシップ」についての文書なんですけど、内容的には米国政府から日本政府への要望ですね。その内容がけっこうすごい。しかもこんな重要なことが日本語では読めないんです(笑)。アメリカの財務省のホームページに「今年は日本にこういうことを要望しました」ということが細かく書かれているんですね。

矢部:小泉政権の時代はそれを毎年やっているんですよね。

OTO:みんなその通りにやっているんですね(笑)。

矢部:郵政民営化とかね。

OTO:裁判員制度もそう。で、あるとき「あれ? これって変じゃん」と思ったんです。それで、2008年の年次改革要望書とTPPを照らし合わせてみました。

矢部:ああ、なるほど。

OTO:そんなマニアックなことをするヤツもそういないと思うんだけどね(笑)。そうしたら、内容がTPPとほぼ同じでした。そして、その次の年次改革要望書をずっと楽しみにしていたんです。いつ読めるのかなって(笑)。そうしたら、2010年は出なかったんですよ。

矢部:小沢一郎が止めさせたという説が。

OTO:さすが知ってらっしゃる。そうなんですよね。僕は小沢一郎がどこまで絡んでいるか知らないけど、とにかく日本と米国の関係がギクシャクするときはだいたい中国と日本が仲良くなりそうなときだから。

矢部:ありますよね、陰謀説が(笑)。

OTO:田中角栄はアメリカに殺されたっていうね。だから僕は小沢一郎が入院したら危ないと思っていて。

一同:(笑)。

OTO:いや、だって、病院に行くとみんな脳梗塞になったりするんだもん。まあ、その話はおいておいて、とにかく、年次改革要望書とTPPの内容が同じで、菅直人はいま、この協定に参加しようとしているんですね。TPPって、多国間の自由貿易協定のことで、もともとはシンガポールやブルネイなど小国4カ国の条約だったんですね。貿易額にしても大したことないものだった。そこに米国が割り込んできたんだよね。

矢部:そう、TPPって、内容をよく読むと、日本の農家が農産物の自由化に反対してきたいままでの流れをいっきにひっくり返すみたいなことになっているんです。

OTO:最初はちっちゃい国同士が関税なしの物々交換をやりましょうっていう意味での自由化だったじゃないですか。そこにオーストラリアが入って、で、いきなり米国が入ってきた。

矢部:どうして自由貿易協定がこんなに問題になるのかを話します。国には大きさがあります。大国と小国がある。工業国と農業国もある。そして大規模機械化農業で安い食品を大量に作っている国と、日本のように競争力のないところがある。こういうなかでいきなり「自由貿易協定です関税なしです」ってやると、大国に呑まれてしまうんですね。競争力のない国は、安いモノを大量に作れる大国に呑まれてしまうわけです。スーパーに、米国産、カナダ産、オーストラリア産といった穀物が並ぶと、日本の農家はもう太刀打ちできなくなる、農家を止めるしかない。そうなってしまうんです。

OTO:現状では、農業に関する項目が圧倒的に多いんだよね。ただ、僕は、ローカリゼーションが守られれば良いというか、その土地で作られたものがその土地で消費されるという構図が守られれば良いんだけど。

矢部:地産地消が守られれば良い。

OTO:そうなんです。日本経済が揺れたりもしながらも、でも、つつましいなかの小さな経済が堪えられれば良いんですよ。ところが、環境系の立場に僕はいるから気がついているんだけど、食品安全近代化法というのがあるんですね。この法案が昨年通ったんです。これは何かというと、大義名分的には、食の安全性を国が見ていかなければならないということなんだけど、裏を返せば、国が食をコントロールできる、つまり食品兵器をより可能にする......。

野田:食品兵器?

矢部:兵器? それは聞いたことない。

OTO:安い食品に、人間の身体を満足させる脂肪と砂糖を入れて、満足中枢を満たすというか。

矢部:『スーパーサイズ・ミー』みたいな。

OTO:マクドナルドだけじゃないんだけどね(笑)。『フード・インク』はぜひ多くの人に観てもらいたい。TPPに入ったらこうなるというのがよくわかるから。

野田:あー、『フード・インク』を書いた米国のジャーナリスト、エリック・シュローサーはマシュー・ハーバートもずっと絶賛してましたね。ちなみにシュローサーの代表作となった『ファストフード・ネイション』の映画化のプロデューサーがマルコム・マクラレンでした。

OTO:お~、マルコム、おつとめしてる~。

矢部:誤解されがちなんだけど、日本産が安全で外国産が危険なんだというのは違う。

OTO:そうじゃない。

矢部:そうじゃないんです。TPPということで、米国の安い、どんな農薬使っているのかわからない、どんな遺伝子組み換えかわからない農作物に圧倒されたら、日本の農村でもわけのわからない食べ物を作らないと仕事にならない。国産だから安全ということではなくなってしまう。

OTO:食品安全近代化法に関して補足すると、オバマはこれを承認したんです。これはとんでもないことです。経済による格差社会があって、こんどは食品によって人間の身体を支配できるような法律が通ってしまった。

矢部:ただでさえいま日本は輸入食品でいっぱいですからね。米国の現状を見るとわかるんですが、なぜ米国で食物に関心が高いのかと言えば、それだけ身体に悪いものが溢れていて、『スーパーサイズ・ミー』という映画でも明らかにされていますが、そこで誰がいちばん被害を被るかと言うと、お金がない人たちなんですね。安い食べ物しか買えない家庭の子供なんです。普通の食べ物を食べ過ぎたくらいではここまで太らないだろうっていうヤバい太り方をしている人がいるわけですよ。

野田:たしかに。米国の太り方は異常だよね。

矢部:太っていることが貧困の象徴になってしまっている。

OTO:貧乏人が満足できるのがマクドナルドで、ハンバーガーがいちばん手っ取り早く満足できる。そのための補助金も出ているんですよ。

野田:でも、米国の貧民街にはマクドナルドすらないけどね。

OTO:それはさらに下があるってことだよ。

矢部:おかしな色の炭酸水とかありますね。

野田:あ、炭酸水はひどい。米国のスーパーで、ガロン単位で売ってるのを見たときは驚いた。

OTO:身体を壊すいちばんの兵器が炭酸水だから。

矢部:それが1ドルしないっていうね(笑)。

OTO:ダイエットものって炭酸水に多いけど、あれは糖分の代わりにヤバいもの3種類ぐらい入っている。米国の肥満が7割で、3割が中肉中背を保っているのは、結局、富裕層はそういうものを食べないからだと思っているんだよね。

矢部:貧乏人にしわ寄せがくる構造なんですね。そういう食品問題は中国でも起きている。

OTO:僕は裁判員制度も米国の策略だと思っている。陪審員制度のためのワークショップというか、米国が裁判の現場にも踏み込めるようにするための布石じゃないかと。

矢部:弁護士をいまよりも3倍~4倍に増やしていくための規制緩和があって、そうした市場を作ること、それが米国のメリットになるということでしょうね。

OTO:米国は弁護士が余っているんだよね。彼らが他の場所で仕事をできるようにしてあげたいんだよ。ていうことよりも、日本を米国の防波堤にしたいんですよ。

矢部:僕はそこは意見が違って、それは米国流のやり方ですよね。米国流の政治経済のやり方、僕らはそれを新自由主義、ネオリベラリズムと呼んでいるんですけど、それが最高の体制であると彼らは考えている。

OTO:新自由主義っていうと?

矢部:政治的には民主主義の抑制、民主的な権利を弱めて国家の権利を強めていくこと。経済的には、いち部巨大企業だけが儲けて、富を分配しない超格差社会を作っていく。

野田:80年代にパンクやニューウェイヴの連中が逆らったのってそこだったじゃないですか。パンクが反抗したのは、新自由主義に対してですから。

矢部:サッチャリズムがそうですよね。

野田:そうだよね。政府は、国民全員の面倒はもう見ないと。収益の上がらない炭鉱や国営企業はどんどんつぶしていくと。法人税を下げて消費税を上げる。国民も政府を頼りにするなと。これからは小さな政府にするんだと。

矢部:勝ち組だけで仕切ればいい、貧乏人は黙ってろという体制です。

野田:だからロック・バンドは炭鉱夫と一緒にデモをしたり、スタイル・カウンシルからザ・スミスまでみんなサッチャーに抗ったじゃないですか。

OTO:スタイル・カウンシルはそういうバンドだったんだもんね。実に政治的なバンドだった。

野田:ザ・スミスもそうですが、保守党に研究されるぐらい政治的だったから、実は渋谷系なんかじゃないんです。

OTO:やっぱああいうハードなものを渋谷系に仕立てるっていうのは大事だよね(笑)。

野田:そうなんです(笑)。だからUKのインディ・ロックを聴いている人たちからしたら、今回の問題はわかりやすいと思う。予習済みというかね。

矢部:でも、現在、新自由主義的な考えをする日本人がすごく多いんですよ。自民党員、民主党員、銀行員、エコノミスト......という人たちが、今回も「TPPに乗り遅れたら日本経済は沈没してしまう」と言うわけです。

OTO:そういう奴らがいままでコケているわけじゃん。

矢部:コケているんだけど、コケた原因をつくった連中がまた「じゃあ、こうしたらいい」って言い出すんですよ(笑)。だいたい、エコノミストと言われている人たちは、どうしてこれだけ農水省が反対しているのか、農民が反対しているのか、ということをわかっていない。25年前から農産物の自由化問題で議論してきたことをぜんぶフイにするようなことを平気で言うんですね。このまままTPPが通ったら、農家や食品関係で340万人が失業してしまう、路頭に迷う。だから北海道経団連も反対しているわけですよね。

OTO:北海道は反対を早くから宣言している。もう、農家からみんな、オール北海道が反対になっている。茨城もいま、オール茨城として反対になりそうだよね。

矢部:北海道の経済は農産物がメインだから、TPPが通ったら北海道が終わってしまうんです。農家だろうが、農家じゃなかろうが、北海道全体が終わってしまう。

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野田:オトさんからTPPの話を聞いたときに、僕が真っ先に思ったのは農家のことなんです。僕は昔、農家に住み込みで働いたことがあるんですけど、日本の農家はだいたい家族ベースでやっていて、朝が明けないうちに、じいちゃんばあちゃんと息子夫婦が畑に出るんですね。そういった農業を営む家族を組合がまとめているんですよね。

OTO:そう、だからホントに農家にとっては死活問題だよね。

矢部:『北の国から』どころじゃないですよ。

OTO:それでいま、米国がTPPに関して「6月までに返事しろよ」って恫喝しているんだよね(笑)。そんな話が堂々と新聞に書かれているんです。

野田:僕もオトさんと話すまでわかってなかったですからね。TPP問題はまだ広く認識されていないのかもしれないですね。

OTO:あとね、僕がずっと気になっているのは、農薬の問題なんです。ネオニコチノイドというのがそれなんですけど、これが脳に影響を与えると言われていて、鬱病だとか、多動性症候群だとか、食べれば食べるだけ蓄積されているので、限りなく鬱病に向かっていく。しかもこの農薬は浸透性があるものなんですね。いままでの農薬とそこも違う。葉っぱのなかにも果物のなかにも直接入ってくるんです。これはドイツやフランスでは最高裁で禁止にされている。米国は作った本国だけど規制していて、規制の数値がある。日本は作った本国よりも、さらに数値が甘いんです。ネオニコチノイドによってミツバチが減少したって言われてますよね。日本でも米国でもオーストラリアでもミツバチが減少した。だから、(ミツバチは農作物を授粉させるから)、いま食べているうどんの麺が何なのかわからないですよ。トウモロコシのデンプンが入っている可能性が高いです。

野田:やはり食の安全という問題が大きいですか。

OTO:それとモンサント社の遺伝子組み換え食品こそが安全な食品だという思想があるんです。それがオープンにされたら、TPPに入ってしまったら、日本のなかで在来種の農業やってきた農家、自然農はぜんぶ犯罪者にされてしまう。

野田:えー、何でですか?

OTO:モンサント社の主旨以外のことをやっている危険な奴らだと。つまり日本の発酵文化がやられる。つまり発酵なんて酷いことはないと。

野田:納豆が食えなくなるのはマズいですね。

OTO:日本酒とかさー(笑)。

矢部:モンサント社の遺伝子組み換え作物とセットで使う農薬というのがあって、それが簡単なんですよ。手間が掛からなくて経済性が高いんですよね。だから農家にとっても、モンサント社の種子と農薬でやったほうが効率が良いし、儲かるだろってなってしまうかもしれない。ただ、その新しい農薬がどこまで安全なのかわからないんです。つい最近につくられた技術だから。それがいっきに普及してしまう恐れがあるんですね。あと、TPPによって誰が困るのかっていう話をしたほうがいいんじゃないかと思うんです。

野田:それはそうだね。

矢部:だいたい、「船に乗り遅れるな」っていう言い方でTPPに賛同している人たちがいて、エコノミストたちが日本経済のために早くTPPに参加したほうが良いって言うんだけど、彼らが本当に日本経済のことを考えているかと言えば、違うんですね(笑)。彼らは僕ら下々のことまで考えて言っているわけではなくて、ただ自分の利益のために言っているわけですから。

OTO:そうそう(笑)。

矢部:トヨタ自動車はトヨタ自動車の利益しか考えないわけです。北海道や日本の里山がどうなってもおかまいなしなんです。それなのに「日本経済」という言い方をして勝手に日本を代表していることに、まず腹が立つんですよね。彼らは北海道の地域経済のことなんか考えていないでしょ。ちょっと前に「カジノ資本主義」と呼ばれていたんですけど、生活している人たちとは関係のないところで、ものすごく大きいお金が動いていて、それしか考えてない。こっちに投資したらこれだけの見返りがあって、日本でこういう風に法律を変えさせたらこれだけの市場が広がって、郵便局を民営化したらこれだけのお金が手にはいるとか......まあ、ホントに、酷いなと(笑)。僕らの生活がよくなることはまずない。

野田:実際の話、地方への被害というか、地方のコミュニティがどのような打撃を受けるんでしょうね?

矢部:昔、木材の自由化があったとき、それまで日本で植林してこれから売ろうかっていうときに、安い材木が海外から入ってきたわけです。それで日本の林業はできなくなった。

OTO:日本はいっかい林業でそれを経験しているのにね。

矢部:で、林業でメシ食っていた人たちが職を無くして、転職していく。でもそれだけでは話は終わらないんです。森林が放り出されたまま、手入れもされずに荒れてしまった。それで土砂崩れとか、ちょっとした洪水で流木被害が出たりとか。それまで森林の面倒を見ていた人がいなくなってしまったわけだから、森林が荒廃して、それは環境問題になってくる。つまり、林業関係者だけではなく、そこで暮らしている人の土地や水の問題にも関わっているんですね。だから、TPPによって大規模な機械化農業をやったときに、地下水がどうなってしまうのかとか、そういう問題もあるんです。

野田:なるほど、まさに効率化を追求する社会の犠牲になってしまうというかね。新自由主義やそうした農業の問題もありますが、もうひとつTPPには移民問題も絡んでいますよね。移民の規制緩和も入っているんですよね。これはどう思いますか? 

OTO:TPPの本質は日本の自主権を奪うことで、その文言が入っているんで。何も日本人には決めさせないよという話なんです。そんなことが突きつけられている。はっきり言って宣戦布告ですよ。移民の規制緩和にしても、海外からの労働力をもっと日本は受け入れろっていう話なんだよね。日本はまだまだちゃんと移民を受け入れていないじゃないかと世界から責められているでしょ。

野田:こんなこと言ったらオトさんにぶん殴られるかもしれませんが......、移民が増えることはちょっと嬉しいですけどね(笑)。

OTO:僕はその決定権が米国にあることが嫌なんだよ。国内労働法よりもTPPの発言のほうが上になってしまうんだよ。自治体と政府が訴えられるんですよ。そんなのもう、日本じゃないでしょ。

矢部:僕はもう、日本人か外国人というようなことで見ていないんですよね。そういう言い方をするなら、日本のエコノミストは日本人の顔をしたアメリカ人ですよ。日本で働いているフリーターは、日本人の顔をしたフィリピン人ですよ。

野田:ああ、なるほど。

矢部:日本人でも、昔悪い条件で働いていた外国人労働者と同じような条件になってしまった。

野田:矢部さんはこの移民の規制緩和について率直なところどうなんですか?

矢部:いっぽうでは......楽しいかな。

一同:(笑)。

矢部:と言ったらものすごく語弊があるんだけど、国際レヴェルの金持ちと国際レヴェルの貧乏人、たとえば、ものすごい金持ちの中国人とものすごく貧乏な中国人の両方が、東京でまみえることなる。そうなるともう、日本とか言っている場合ではないなという(笑)。

野田:まあ、たとえばイギリスなんかはそれをずっと前から経験しているわけだしね。それにならえという意味で言うわけじゃないけど。

矢部:そういう意味では、どうしてアメリカと南米が対立しているのかいまよりも理解しやすくなる。東京で、目の前でそれを見られるようになるんじゃないですか。ホワイトカラーでは英語で話す会社が現れるいっぽうで、現場ではスペイン語やポルトガル語の労働者がごろごろいるわけだから。

二木:移民が入ってくることに対する危機意識は、こんごもどんどん高まってくると思うんですよね。そこはどう思います?

矢部:国民皆保険制度とか、日本がいままで積み上げてきた比較的平等な制度が崩れるということはあるよね。移民がどんどん入ってくるという危機感とそれは別々には考えられない。ただ、問題の原因は移民ではない。

OTO:マイケル・ムーアの『シッコ』みたいな世界になっていくよ。

矢部:でしょうね。

OTO:外国から利潤目的の医療が入ってきますよ。日本のテレビのCMがいつの間にか米国の保険会社に席捲されたように。

矢部:すごく整理しちゃうと、僕はパンク上がりなんですが、かつてのイギリスのパンクが何に抵抗していたのかということが、この10年ですごくわかりやすくなってしまった。日本が格差社会のひどい有様になって、生活水準ギリギリの、いや、それ以下のワーキングプアという人がどうして出るようになってしまったのかと言えば、やはり新自由主義という政策が原因なんです。この政策がイギリス、米国、日本で広がっていったんですね。「世界の流れに乗り遅れるな」と言っているのも、つまり「新自由主義政策に適応しなさい」と言ってるんですね。もちろんそれに反対している人たちがたくさんいる。南米の人たちだとか、韓国の農民だとか、フランスの農民だとか、世界中にいるんです。日本のメディアでは「自由貿易協定推進」という論調が強いのでわかりにくいですが、海外の情報をよく見れば、自由貿易協定に反対する人たちがたくさんいる。

野田:オトさんが言ってる米国の食品が出回るっていう話ですが、それこそシュローサーが『ファストフード・ネイション』で書いていますけど、要は買わなければ良いと。仮にTPPが通ったとしても、消費者がうまく商品を選ぶことができれば良いかなと思うんですけど。

OTO:それは自覚的消費者といって、ローカリゼーションにとっていちばん大事なんだよ。たしかに自覚的消費者が増えれば良い。でもね、現状を言えば、これがなかなか増えないんですよ。都市部の自覚的消費者と農村部の自覚的消費者といると思うんだけど、このコミュニティをもっともっと広げていかないと。だけどね、今回のTPPはこのローカリゼーションすら強権的に不可能にしていくものだから、僕はなおさら強く反対したいんです。みんなどこまでTPPの危なさに関して自覚的ですか? と僕は言いたいんです。

 最後にいくつかTPP問題を考えるうえでの参考図書を挙げておきましょうね。
 まずは農林中金総合研究所が今年の2月にリリースした『TPPを考える』(石田信隆 著)。これは農業を中心とした考察がある。
 また、より広範囲でのTPP問題を扱っているものでは、農文協が編集した『TPP反対の大義』がある。
 また、今日の食文化の問題に関しては映画『フード・インク(邦題:いのちの食べかた)』を観るのが手っ取り早い。
 座談会でも出てくるアメリカ人ジャーナリスト、エリック・シュローサーによる『ファストフード・ネイション(邦題:ファストフードが世界を食いつくす)』も有名。これが健康の問題のみならず、社会問題であることがわかる。ファストフードの歴史に関する著述はとくに興味深い。

 最後に音楽について。まずポール・ウェラーのアンチ・サッチャリズムに関しては、ザ・ジャム時代の"Town Called Malice(悪意という街)"がその先駆的な曲として知られる。「平穏な人生を夢見るなんて無駄なこと/君がやってもいないことで謝るな」。スタイル・カウンシルに関しては1985年のあの素晴らしい"Walls Come Tumbling Down!(壁を崩そうぜ!)"でしょう。「金持ちと貧乏人に分けられて、団結は脅かされる/階級闘争は神話ではなく現実/壁を崩そうぜ」。ザ・スミスに関しては新自由主義によって荒廃する地方都市(マンチェスター)の憂鬱そのものだが、もっとも有名なのは1988年のモリッシーのソロ・アルバム『ヴィヴァ・ヘイト(憎しみ万歳)』の最後に収録された強烈な"Margaret on the Guillotine(ギロチン台のマーガレット)"だ。「親切な人が素晴らしい夢を持つ/ギロチン台のマーガレット/僕をうんざりさせる/おまえはいつ死んでくれるんだい?」
 ちなみにビリー・ブラッグ(ポール・ウェラーと共闘したフォーク・パンク歌手)の1980年代のほぼすべての作品、とくに"Thatcherites(サッチャリティズ)"、そしてエルヴィス・コステロの"Tramp The Dirt Down(こきたない浮浪者)"もこのスジでは有名。他にもクラスの"Nineteen Eighty Bore(80年代の倦怠)"、ヒューマン・リーグ"The World Before Last(それまでの世界)"、ピンク・フロイド"The Post War Dream(戦後の夢)"、ジ・エクスプロイテッド"Don't Pay The Poll Tax(人頭税を払うな)"、マニック・ストリート・プリーチャーズ"If White America Told The Truth For One (もしも白いアメリカがひとりのために真実を言うのなら)"等々たくさんある。カヴァー曲だがニューエイジ・ステッパーズの"フェイド・アウェイ"も完全にそう。「金持ちはどんどん金持ちに/貧乏人はどんどん貧乏になる/どうか私の言うことを聞いて」。ザ・クラッシュの『サンディニスタ!』も、アメリカの中南米支配に言及しているという点では、ネオリベラリズム批判とも言えるでしょう。そしてシニード・オコナーの怒りに満ちた"Black Boys on Mopeds(モペッドに乗った黒い少年たち)"。「マーガレット・サッチャーがTVにいる/北京における数々の死に動揺している/彼女が怒るなんておかしな話/彼女はそれと同じことをしているのだから」

OTO:言うまでもなく、日本のポスト・パンクを代表するバンド、じゃがたらのギタリストだった人。昨年は、初期の未発表ライヴ音源『エド&じゃがたらお春 LIVE1979』をプロデュースしている。なお、現在OTOは、サヨコオトナラのメンバーとして活動中。昨年、セカンド・アルバム『トキソラ』をリリースしている。

矢部史郎:思想家/文筆家。早くからネオリベラリズム批判を展開、また反戦運動や労働組合などさまざまな社会運動にも関わっている。山の手緑との共著に『無産大衆神髄』『愛と暴力の現代思想』、著書に『原子力都市』がある。思想誌『VOL』の編集委員でもある。ネオリベラリズム批判に関しては、『無産大衆神髄』から読むのがオススメ。

Chart by JET SET 2011.02.21 - ele-king

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1

EDDIE C

EDDIE C DO IT YOURSELF »COMMENT GET MUSIC
1st.アルバム『Parts Unknown』からの先行カットが到着!!カナディアン・ビートダウン第一人者Eddie Cの遂にリリースされる1st.アルバム『Parts Unknown』(Jet Setエクスクルーシヴ特典付き)から3曲を抜粋したEP。激推薦!!

2

POLICEMAN

POLICEMAN KEISATSU »COMMENT GET MUSIC
2011年もっとも危険な警察ラップ銀盤!!Cos/Mes、Traks Boysも参加した超衝撃作。JET SETオリジナル特典付き!!ザマギ&ワールドインベーダーズの面々からなる3MC&2DJスタイルの日本語ラップ・ユニット、ポリスマン!!お蔵入りになりかけたデビュー・アルバムが完全自主制作盤にて遂に正式リリース。21世紀のカルト・ヒップホップ・クラシック確定済みの逮捕寸前作です!!

3

DR. DUNKS / BASTEDOS

DR. DUNKS / BASTEDOS ROMANTICOS / BEEF »COMMENT GET MUSIC
早くも第3弾のデリヴァリーとなったKeep It Cheapですが、今回はEric Duncanに加えて初のゲスト、Claremont 56からのコンピ・シリーズ『Originals』への登板、そしてDommune出演も果たした親日家、 Felix"Foolish"Dickinsonを迎えてのダブルAサイダー!!

4

TALIB KWELI

TALIB KWELI GUTTER RAINBOWS »COMMENT GET MUSIC
Talib Kweliのニューアルバムが傑作"Eardrum"から4年振りのリリース!プロデューサーにMarco Polo, Ski Beatz, Oh No等、ゲストにSean Price, Jean Graeらを迎えた全14曲収録の素通り厳禁の一枚! マーブルカラーバイナル仕様です。

5

AGORIA

AGORIA IMPERMANENCE »COMMENT GET MUSIC
初回特典としてInfineの女性クリエイター、Clara Motoによるレーベル・サンプラーMIX CD付き!!国内盤にはボーナス・トラックとしてスマッシュ・ヒット中のCarl Craigをヴォーカルに迎えた先行シングル"Speechless"のダブ・ヴァージョン、そして海外クラブ系のアーティストとしては初となる音楽合成ソフト、初音ミクをフィーチャーした新曲を特別収録!!

6

MR PRESIDENT

MR PRESIDENT THE BEST IS YET TO COME »COMMENT GET MUSIC
Curtis Mayfield+Kings Go Forthなキラー・スウィート・ヴォーカル・ファンク!!

7

LIL' TONY

LIL' TONY ANTON'S GROOVE »COMMENT GET MUSIC
Guidance発Nu Spirit Helsinkiからスタートし、Raw Fusion、Versatile、Mood Music等名だたる名門からのリリースで知られるベテランが、'08年のBoolaとのスプリット作以来となるInnervisionsからの登場。

8

ZEPP001

ZEPP001 THE WARM »COMMENT GET MUSIC
レーベル3番以来の登場となるシアトルのZepp001による第2弾リリースがまたしても素晴らしいです。今回は絶好調にリリースラッシュを掛けるex. Wild Bunchクルー、ブリストルの生ける伝説DJ Nature a.k.a. Miloによるリミックスを収録!!

9

MF DOOM

MF DOOM SPECIAL HERBS THE BOX SET »COMMENT GET MUSIC
天才MF DoomがNature Soundsで発表した総音源を、10枚のアナログに刻印、さらに7インチ、ポスター、ダウンロードカードまでついた最強のMF Doom Boxを発表を発表です!

10

WILD COOKIE

WILD COOKIE COOKIE DOUGH »COMMENT GET MUSIC
Red Astaire名義でのヒットも多いスウェーデンのハイセンス・トラックメイカー、Freddie Cruger。男性ヴォーカリストAnthony Millsとのユニット、WIld Cookieのアルバム完成!!

Chart by JAPONICA 2011.02.18 - ele-king

Shop Chart


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HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS I WANT IT / NEXT TO YOU INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/2/12 »COMMENT GET MUSIC
鉄板<INTERNATIONAL FEEL>が誇る大看板プロジェクト=HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS第3弾シングル!フリーキーな男女の掛け合いにもっちりブギー・ベースとがファンキーに絡み合うエレクトロ・ディスコ・ファンク"I WANT IT"、そしてHARVEY自身のブルージーなヴォーカルがグッとハマるビートダウン感覚のスローモー・シンセ・ディスコ"NEXT TO YOU"とこれまた話題必至の一枚!

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V.A.

V.A. LITTLE LEAF 2 LITTLE LEAF / GER / 2011/2/12 »COMMENT GET MUSIC
新興リエディット・レーベル<LITTLE LEAF>第2弾!天才マルチ・アーティストSHUGGIE OTISのサンプル・ソースとしても知られる大名曲"AHT UH MI HED"の長尺でのリグルーヴ・エディット(ネタで買い!)をA面に、そしてB面にはARTHUR RUSSELL"ANOTHER THOUGHT"にキレのあるビート/グルーヴを加えブレイクビーツ~ディスコ感覚でリエディットを施した"ARTHUR"を収録!

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TRUJILLO

TRUJILLO FRUIT PUNCH APERSONAL MUSIC / UK / 2011/2/13 »COMMENT GET MUSIC
レーベル買も余裕でオススメできるスペイン/バレンシアの激注目レーベル<APERSONAL MUSIC>第4弾!説明不要のアーバン・メロウ・ソウル大名曲MICHAEL WYCOFF"LOOKING UP TO YOU"のインスト・パート長尺でビートダウン・ブギー・テイストにてエディットしてしまった"LOOKING UP THROUGH YOU"が断トツでオススメ!

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JD TWITCH

JD TWITCH CUMBIA LET'S GET LOST / UK / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
ご存知グラスゴーの人気ユニットOPTIMOの片割れとして、またUK屈指のレコード・コレクションを有することでも知られるJD TWITCHがKZA主宰<LET'S GET LOST>に登場!今回はタイトル通り今やすっかりクラブシーンにも定着した「クンビア」ネタの強烈ディスコ・エディット4発を搭載!

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DEEP SPACE ORCHESTRA

DEEP SPACE ORCHESTRA RIDING IN MY IMAGINARY JEEP FOTO / UK / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
前2作も好評のCHRIS BARKER & SIMON MURRAYによるユニットDEEP SPACE ORCHESTRA新作はOOFT主宰<FOTO>より。エレクトリック・ブギー・ハウス"RIDING IN MY IMAGINARY JEEP"にOOFTによるコズミック・テイストでの同リミックスも勿論らしさがでた好トラックなのですが、中でもやはりアフロ・ネタを使用したビートダ ウン的アプローチでのハウス・エディット"SIR SHINA"がずば抜けて最高っ!

6

SHAWN LEE

SHAWN LEE WORLD OF FUNK UBIQUITY / US / 2011/2/12 »COMMENT GET MUSIC
超ハイペースでリリースを続ける<UBIQUITY>一最も謎多き才人=SHAWN LEE、2011年一発目は肉厚ファンク・ビートを軸に世界各地の辺境グルーヴ/サウンドをふんだん取り込んだタイトル通り「WORLD OF FUNK」な一枚!PING PONG ORCHESTRAで魅せたダブ/アフロ/ラテン/ジャズ・・といった括りでの世界観とはまた一味違う、独自のサイケデリック感覚が赴くままに紡ぎだす昨 今のトレンドとも言える南米/アジア臭強めのエキゾチックで妖艶な雰囲気が充満する特濃辺境サウンド満載!

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REENO

REENO SO FUNKY / SUMMER MADNESS SPAZZOID / US / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
NYのアンダーグラウンド・レーベル<SPAZZOID>作品がこの度ワールドワイド・プレス&リリース!こちらは08年リリースの第3弾でレー ベル主宰REENOによる5トラックスEP。問答無用で"SUMMER MADNESS"で買いですっ!

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ZEPP001

ZEPP001 THE WARM DELUSIONS OF GRANDEUR / UK / 2011/2/13 »COMMENT GET MUSIC
US/シアトルの注目クリエイターZEPP001による<DELUSIONS OF GRANDEUR>からのセカンドEP!何と言っても注目はB面のDJ NATUREリミックス!ファットな四打ちキック/デトロイト的肉厚ハイハット・グルーヴにスタイリッシュな鍵盤リフ/ヴォーカル・ネタをコラージュさせ ビルドアップする流石の逸品に仕上げてきました!もちろん大推薦!

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BLUNDETTO

BLUNDETTO FRIENDS VERSION EP HEAVENLY SWEETNESS / FRA / 2011/2/5 »COMMENT GET MUSIC
間もなく超限定でリリース予定のBLUNDETO周辺のクリエイター達によるリミックス・アルバム「BAD BAD VERSIONS」から、7inch化もされたエキゾチック・ダブ・ファンク"MUSTANG"のダビー・ブレイクビーツ・リミックス、そして LATEEF THE TRUTHSPEAKERをフィーチャーした"MY ONE GIRL"の二部構成的なエレクトリック・ダンスホール/ダウンテンポ・リミックスが先行7inchカット!

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EUGENE HARRINGTON

EUGENE HARRINGTON THE LIFE OF EUGENE HARRINGTON NOECHO / UK / 2011/2/14 »COMMENT GET MUSIC
UK/ロンドンのインディペンデント・レーベル<NOECHO>から届いた実験精神旺盛なスモーキー・ジャズ/ダウンビート集!何ともいえない ドープなリズム・マシーン上をキーボードをはじめとしたエレクトリック機器による多重録音でサイケデリック感覚のもとアブストラクトな世界観を創 出!初期<MO'WAX>作品~NATURAL YOGURT BANDばりのドープ・サイケ/ジャズな感覚、そしてどこかSHAWN LEEにも通じるマルチな奇才っぷりはお見事!

DRUM & BASS SESSIONS 2011 "BUKEM IN SESSION" - ele-king

 ドラムンベース・シーンのビッグパーティー"BUKEM IN SESSION"が2年振りに日本で開催決定! ドラムンベースの神様と称され、90年代にエレクトロニック・ミュージック界を席巻した歴史的名曲"ミュージック"、"ホライズン"でその絶対的地位を確立した超大物が待望の再来日を果たす。ジェフ・ミルズと双璧を成すその圧倒的な存在感とテクニックを要し、DJシーンの主流がデジタルに移行するなか、ひたすらアナログ、ヴァイナルにこだわり続ける孤高の天才ブケムがMCコンラッドと繰り広げる究極のDJパフォーマンス、それが"BUKEM IN SESSION"。当日は、"DBS"15周年カウントダウン第一弾目の幕開けに相応しくブケムの4時間を越す東京オンリー・プレミアム・ロングセットを披露。前回の公演では、すさまじい集客動員を記録、DBSの新たなレジェンド・ナイトに記憶され、今回も最高の一夜になること間違いなし。
 脇を固めるのが、UKの人気ドラムンベース・レーベル〈W10〉主催でアジムスをリミックスした「The Brazil Project」(Far Out)も話題のダニー・ウィーラー、日本からはシーンを代表するDBSのトップレジデントDJで本サイトの連載でもお馴染みの3デックス・マスター、テツジ・タナカが強力サポート。
 さらにサルーンでは"AUDIO SUTRA SOUND"主催でジャズ・ブラザーズの"ヤマ"主導によるメインフロア級のラインナップを揃えたダブステップ・ナイトを開催。テクノ層のみならず、全エレクトロ二ック・ミュージック・ファンにオススメする必見のユニット公演。混雑が予想されるのでお早めにご来場を!
experience for the next level....free spirit!

Drum & Bass Sessions 2011
"Bukem in Session"

feat.
LTJ BUKEM feat. MC CONRAD
DANNY WHEELER
TETSUJI TANAKA

vj: laser : SO IN THE HOUSE

B3/SALOON : AUDIO SUTRA presents
SAHIB A.K.A.YAMA/DJunsei/DJ Nu-doh /Nick Stone + MILI / MAMMOTHDUB

https://www.dbs-tokyo.com
https://www.unit-tokyo.com

2011. 2.12 (SAT) @ UNIT
open/start 23:30
adv.3500yen door 4000yen


LTJ BUKEM (Good Looking, uk)

"Music"、"Horizons"をはじめとする歴史的名曲を生み、ドラム&ベースを創造したパイオニア、そしてオリジナルなサウンドと超絶的なテクニックで進化を続ける至高のDJ。91年の設立以来、スピリチュアルかつエモーショナルな独自の音楽宇宙を創造するGood Looking Recordsを主宰し、多くの才能を世に送り出す。2000年の1st.アルバム『JOURNEY IN WARDS』は偉大なるブラックミュージックのエッセンスをテクノロジーで昇華し、21世紀のソウル・ミュージックを逸早く提示する。レーベル運営においては『EARTH』シリーズ、サブレーベルCOOKIN'等、ドラム&ベースにとどまらない多様なアプローチを見せ、LTJブケムの世界は拡がり続ける。そしてDJとしてMCコンラッドと共に世界各国をツアーし、今日のグローバルなドラム&ベース・ムーヴメントに最大級の貢献を果たし、シーンの最前線に立ち続けている。08年の"Switch"、09年の"Atmospherical Jubilancy"と新曲の発表もあり、アルバムリリースが待たれる。最新MIX CDは『FabricLive 46』(09年)。
またGood Lookingから新たにMIXシリーズ『MELLOW YELLOW』がはじまる。
www.myspace.com/therealdannyltjbukem

MC CONRAD (Good Looking, uk)

ヒップホップ・シーンでの活動を経てLTJブケムと知り合い、以来20年近く活動を共にしてきたMCコンラッド。絶妙にコントロールされたハイテンションなMCでクラウドに深いインスピレーションを与える彼の存在は〈Good Looking〉のパーティ"PROGRESSION SESSIONS"に不可欠なものとなり、世界各国で熱烈な支持を受けている。自身のプロジェクト/レーベル、〈WORDS 2 B HEARD〉を主宰し、ドラム&ベースにおけるMC/ヴォーカルをアートフォームに進化させている。 代表的なレコーディング作品に『VOCALIST01』、『LOGICAL PROGRESSION -LEVEL4』があり、彼のオリジナル・スタイルが堪能できる。MAKOTOとの"Golden Girl"、TOTAL SCIENCEとの"Soul Patrol"、FURNEYとの"Drum Tools"等のコラボレーションも話題を集めた。
www.myspace.com/mcconradw2bh

Photodisco - ele-king

 さて、年の瀬に勤務先の店に入荷し、完全無名、ライヴ活動等もいっさいないというこのアーティストの自主制作盤が、店頭演奏のみで3週間としないうちにプレス分すべてを売り切ってしまったときには驚いた。もちろん自主盤のため定価も安い。だが、店で流してこれだけお客さんからのレスポンスのある作品は稀だし、このアーティストの場合はファン・コミュニティも、ひょっとしたらファンさえもまったく存在しなかったのだ。ひっそりと淡々とひとりで録り貯めていた音源が、レコードを買いにきた音楽リスナーの耳を刺激し手に取らせた。筆者が作品につけた手書きポップの見出しはこうだ。「日本のチルウェイヴはフォトディスコからはじまる」

 日本のチルウェイヴについて考えよう。いや、日本で成立し得るチルウェイヴについて考えよう。ウォッシュト・アウトトロ・イ・モアのフォロワーをただ日本人のなかに見つけ出すのでは面白くない。というよりそれでは誤謬が生じるだろう。そもそもチルウェイヴとは、音の性質ばかりでなくそのなかば確信犯的なエスケーピズムをめぐって賛否の議論を巻き起こしてしまうほど社会に対してカウンターな要素を持っている。「お前たちの音楽はただの催眠ポップだ。引きこもってないでちゃんと外を見なさい」という大人の叱責に対して、「そうだけど、それがどうしたの?」「ていうか、これはむしろ新しい現実への対処法なんだけど」と若者がやり返すのがこの議論の構図である。この問題が日本ではどのように展開されうるのか。
 「エスケープ」に関しては世界に冠たる文化をもつ日本。オタク大国、ネオテニー・ジャパン、大人になれない子どもの国。においては、多くのジャンルにまたがって繊細なエスケーピズムの実践がある。セカイ系的世界観の汎ジャンル的な浸透はまさにその最たるものだ。「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性(きみとぼく)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、"世界の危機""この世の終わり"などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」という東浩紀的なセカイ系解釈を採用するならば、音楽シーンでは浜崎あゆみらメジャーな量産型ポップスはもちろん、ゼロ年代後半に多数現れた国内シューゲイザー・バンドにもっともそれが色濃いのではないだろうか。「具体的な中間項」とは社会や国家を指し、それらをすっ飛ばしていきなり「セカイ」と自分とを短絡してしまう感覚は、単純に社会からの退却・脱却を意味している。彼らの多くが鳴らす音は妙に深刻で、トゥー・マッチなエモーションがあり、それでいて空虚である。ドリーミーで逃避的という点ではチルウェイヴに通じるところがあるが、チルウェイヴにはその名の通り「冷めた」感覚があり逃避的な態度について自覚的な部分がある。ジャパニーズ・シューゲイザーの多くは自己劇化に対するこうした客観性を持たないことで、惜しくも批評性を獲得し損ねていると言えるだろう。

 フォトディスコの音には不思議にすべすべとした感触がある。本作はローファイではないがチルウェイヴ、シンセ・ウェイヴと名状でき、またタフ・アライアンスなど〈シンシアリー・ユアーズ〉周辺のスウェディッシュを思わせるトラックから、いわゆるニカ風のサウンドまでが静かに詰め込まれた初リリース音源である。
 この作品では「劇/激」という感覚が徹底的に刈り取られている。だが抑揚のない平坦な音楽かと言えばそうではない。ヴォーカルのないゆるやかなダンストラックやまぶしいようなエレクトロ・アコースティックを主体としながら、1曲ごとに非常にメロディが立っており、映像的な広がりを生んでいる。映し出すのは2000年代の東京の風景。細かい光の粒があふれるようにわずかに感傷がにじむ。カラーでハイビジョン撮影の無声映画を観るかのようだ。静かなのに躍動する。これには仕掛けがあって、一聴したところメモリー・テープスなどのシンセ・ポップを彷彿させるトラックも、実際にはエフェクトをかけ加工されたギターが用いられていることが多い。シンセではなくギターを使用することで微妙な動きを出しているのである。"フェイク・ショウ"や"トウキョウ・ナイト"などがその例だ。また、"言葉の泡"や"盆踊り"にうかがわれるややしっとりした情緒は、透明感の高いエレクトロ・アコースティックによってとても清潔に磨かれている。そう、エモーショナルなのに抑制され、自己完結しない。これは高い美意識によって注意深く選別された感傷のコレクションなのだ。

 フォトディスコによってシネマティックに映し出された2000年代/東京は、たとえば下北と言うときに感知されるような濃密なイメージや匂いはさっぱりとトリミングされ、つるりとしていて流動的、自分をめぐる物語ではなく、ただそこに生きる人びとの数だけ淡い感傷が散らばっている。数少ない歌モノも、言葉は限られ、メロディや音の質感以上には何も語らない。そして私は、この感傷こそが、日本型チルウェイヴのキーワードになると考えている。さらに言えば、いかに感傷を自覚的に用いるかといったことが、だ。
 感傷とはやっかいなものである。感動とは違って、はっきりとした対象を持たなくても生まれる感覚だ。情動のように、それに肉体が駆動されてしまうような激しさもない。外来の概念なのかもしれないが、日本的と言えば非常に日本的なものである。桜や雪のように「淡々(あはあは)」としていて、その感覚のなかでどれだけ陶酔的に自己完結していても、そのうちなんとなく消えていく。感傷のアルゴリズムは、社会からあからさまに退却するのではなく、社会のなかで社会とは無関係でいられる磁場を張ることを可能にするだろう。退却すればその行為と結果についていずれ責任が問われるが、感傷しているだけなら何の摩擦も軋轢も生まない。それはエスケープの方法が豊富で飽和している日本ならではの、オルタナティヴな方法であり表現ではないだろうか。同時に、ロックの心臓ともいえる「自分/俺のかけがえのなさ」「世界/社会への違和感」というテーマの危うい両義性に対する批評として、使えるカードにもなるだろう。

 フォトディスコの感傷はきわめて高品質である。ダンス・サイドのトラックに控えめに潜んでいる切なさもそうだが、"言葉の泡"でやや開放的に展開されるギター・アルペジオや、リフレインされる歌メロはより巧妙だ。淡い情感を持ったJロック風の楽曲だが、日本のインディーズについてまわるいなたい雰囲気がきれいに拭き取られている。実際、海外のアーティストだと思って問い合わせを受けることが多い。それがいいことかわるいことかはともかく、仕組まれた感傷が施されているということが重要である。ただ意識に涼しい、心地よい音であるのではなく、その底に冷たい観察眼を感じさせるところがよい。だが、1曲だけ、そうした態度や「ロック」への距離感を破る楽曲があって興味深い。"レヴェリー"の渾身のギター・ソロはパロディだろうか、マジだろうか。高音域で軋むギターは、本作中の特異点である。かなり長いフレーズをノン・ブレスで歌いきるようなこのパートを聴いていると、ロックへの批評と親しみが不可分になった熱い高ぶりを感じる。スマートなだけではないアーティストとしてのソウルや、自身の出自がロックであるということが、1曲限定で刻みつけられることで、作品に奥行きが与えられている。じつに不思議なアーティストだ。

 さて、寡聞にして知らないが、他に日本から発信されたチルウェイヴ問題への回答はないのだろうか。日本だからこそ生まれるチルウェイヴがまだまだ考えられるはずだ。鉱脈はあるのだから、どんどん掘られ面白い音が生まれてきて欲しいと思う。

Rick Wilhite & Theo Parrish JapanTour - ele-king

 デトロイトのソウルフルなハウス・ミュージックのファンには待ちきれない週末をふたつ紹介しよう。待望のアルバム『アナログ・アクアリウム』を発表したリック・ウィルハイトが1月末に来日する。そして、昨年の暮れに地味にリリースされたアルバム『スケッチーズ』(IGカルチャーやラリー・マイゼルもフィーチャーされたジャズ・アルバム)がじわじわと話題のセオ・パリッシュが2月のなかばに来日。どちらもブラック・ミュージック・ラヴァーズにとってはトーナメントのベスト4並みの重要なパーティ、翌日のことをいっさいに考えずに飲んで、踊ろう。

Rick Wilhite "ANALOG AQUARIUM" Release Tour

■2011.01.29(SAT) 東京 南青山 @Trigram
MAIN ROOM:
Rick Wilhite, Billion Dollar Boys Club (4 the love), Kenta (Time & Space)
SIDE ROOM:
Ken Hidaka (hangouter/Wax Poetics Japan), musiqconcierge (dB UKi/casablanca), Dave Clark III (UCC)
open : 23:00
Discount : 2500yen (contact : info@4thelove.net for discount)
Door : 3000yen
INFO : 4 the love https://www.4thelove.net
Trigram https://www.trigram.jp TEL 03-3479-2530

■2011.01.30(SUN) 横浜 @ Jack Cafe Bassment
- Freedom School presents THE DANCER vol.6 -
Special Guest DJ: Rick Wilhite
Special Guest Dancers: Stax Groove and Broken Sport
DJ: Downwell 79's(14catherine/Jazzy Sport Brooklyn), Kentaro Kojima(Freedom School), Keisuke Matsuoka
Live Painting: Tadaomi Shibuya
Food: Donuts and Hot Dog
Sake: Dareyame
Flower Decoration: Natsu
open 14:00 - close 21:00 再入場、出入り自由です。
Door 2000yen
INFO: Freedom School info@freedom-school.net
https://www.freedom-school.net/
045-664-0822(JACK CAFE BASSMENT) https://www.jcbassment.com/

RICK WILHITE (The Godson/3Chairs/From Detroit)
デトロイト・ハウス最強のユニット3 Chairs(スリーチェアーズ)。メンバーのセオ・パリッシュ、ムーディーマンと並ぶ第3の男が、Rick Wilhite(リック・ウィルハイト)だ。ムーディーマンが運営するKDJレーベルから96年にSoul Edgeでデビュー。デトロイトのレコードショップ『Vibes Rare & New Music』のオーナーを勤める傍ら、ソロ名義"Godson"としてもシカゴのStill Musicからシングルをリリース。昨年末にオランダのRUSHHOURレーベルからリリースしたショップと同名のコンピレーションはカルトヒットとなった。ファーストアルバム『ANALOG AQUARIUM』を2月9日にリリース予定。プログラミングソフトを用いずキーボードやハンドクラップをあえて「アナログ」な手法で取り込み、ディスコ、ジャズやアフロなど様々なサウンド・マテリアルを呪術的なビートに重ね合わせることによって「濃厚な黒さ」を感じさせる作品となっている。


Theo Parrish "SKETCHES" Release Tour

■2.18(FRI) Kyoto @club Metro
STILL ECHO meets Theo Parrish

Special Guest DJ: Theo Parrish
LIVE: daichi(based on kyoto)
DJ: KAZUMA(MO'WAVE), DJ PODD
LIGHTING: YAMACHANG(POWWOW, □)
FOOD: THE GREEN
open/start 22:00
Advanced 2500yen
Door 3000yen
Advanced Ticket at チケットぴあ (0570-02-9999 / 0570-02-9966 P-code:128-554)
ローソンチケット(ローソンLoppi L-code 52254)にて1/8より発売
JAPONICA music store(075-211-8580) newtone Records(06-6281-0403) Transit Records Kyoto(075-241-3077)
INFO: 075-752-4765(Club METRO) https://www.metro.ne.jp

■2.19(SAT) Gunma Takasaki @WOAL
DJ: Theo Parrish, K, ara
open 22:00
With Flyer 4000yen with 1Drink
Door 4500yen with 1Drink
INFO: 027-326-6999(WOAL) https://members3.jcom.home.ne.jp/woal
access: 湘南新宿ライン高崎駅(新宿/渋谷駅から乗り換えなし)

■2.20(SUN) Niigata @Under Water Bar Praha
DJ: Theo Parrish, 中沢将紫, HONDA(VINYLITE) and more
open 22:00
Advanced 3000yen with 1Drink
Door 3500yen with 1Drink
INFO: 025-249-2121(praha) https://www.peacemaker-inc.com/praha

■2.25(FRI) Hiroshima @SACRED SPIRITS
DISCO UNION "ROUTINE 9th ANNIVERSARY PARTY"
Special Guest DJ: Theo Parrish
Guest DJ: KZA(Force Of Nature)
DJ: DJ ABU
open 22:00
Advanced 4000yen with 1Drink
Door 4500yen with 1Drink
INFO: 082-544-4427 info@routine-net.com (ROUTINE) 
082-240-0505(SACRED SPIRITS)

■2.26(SAT) Tokyo @AIR
DJ: Theo Parrish(open-last set)
open 22:00
With Flyer 3000yen
AIR Member 3000yen
Door 3500yen
INFO: 03-5784-3386 (AIR) https://www.air-tokyo.com
Total Tour Info AHB Production 06-6212-2587 https://www.ahbproduction.com

 2010年、インディは本当にチルウェイヴの年だったのだろうか? ......いや、きっとそうなのだろう。チルウェイヴに属すると言われる若いアーティストは単純に数の問題で言っても見過ごせないほど増えているし、作品として議論に上るものも多かった年だった。だが、それでも「2010年はチルウェイヴの年だった」と結論付けられることに抵抗があるのはどうしてだろう。26歳のインディ・リスナーである自分が、2010年トロ・イ・モワやスモール・ブラックのアルバムに心底興奮しなかったのはどうしてだろう......。現実逃避的な音楽はいつでも必要だし、ますます若者を憂鬱や孤独が襲う2010年においてはなおさらだろう。しかしそんななかにあってこそ、僕がチルウェイヴの心地良い逃避にどうしても逆らいたいと思ってしまうのは、2010年はそれでも現実から目を逸らさなかった音楽に心を動かされたからだ。チルウェイヴ的な動きは今年出るパンダ・ベアの新作が決着をつけるだろうと予想するが、ここではそれとは別のものについて書いてみようと思う。2010年にele-kingでレヴューで紹介されず、かつ欧米で高く評価された作品がいくつかあって、それはチルウェイヴ的な「子どもたちの音楽」に対比させて言うならば「大人たちの音楽」だ。


Arcade Fire
The Suburbs

ユニバーサル

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 北米のインディ・ロックにとって、2010年のハイライトになった作品がザ・ナショナルの『ハイ・ヴァイオレット』とアーケイド・ファイアの『ザ・サバーブス』だ。優れた文学性とリベラルな活動が高く評価されるこのふたつのバンドが同じように経験したのは、オバマの「チェンジ」に少なからず加担したことであった。アーケイド・ファイアの2007年の前作『ネオン・バイブル』は、ブッシュ政権末期に響いた「アメリカには住みたくない」という告白に象徴されるように当時切実に時代とシンクロしていた。そして"ノー・カーズ・ゴー"では「私たちは車が行かない場所を知って」いて、その場所に「行こう!」とエクソダスを宣言し、それを当時の希望としたのである。だが政権交代とオバマへのバックラッシュを経た2010年、アーケイド・ファイアは......ウィン・バトラーが育ったアメリカの郊外に立ち返る。はじめ、それはあまりに感傷的な所作に見えた。つまりそれは自分たちがやったことに対する失意や後悔が苦く滲み出たもので、ある意味では非常にアメリカ的な凡庸なテーマであるように思えたからだ。だがウィン・バトラーはそのような典型的な物語を避けることはせず、スプリングスティーンの道程を思い返しつつ、もう一度アメリカの内部から生まれる物語について見返してみたのだ。『ネオン・バイブル』ほど重くはないが後悔や罪悪感が顔を覗かせ、いくらかのノスタルジックな感傷も呼び覚ましつつ、そしてアルバムは「もし時間を取り戻せたら/もういちど僕は時間を無駄にするだろう」という決意に辿り着いていく。つまり、アーケイド・ファイアは自らが宣言したエクソダスの後始末について決着をつけたのだった。決して苦難は終わらないが、それでも何度でもやり直すことは出来る――というシンプルなメッセージが『ザ・サバーブス』には刻まれていた。


Arcade Fire



The National
High Violet

4AD / Hostess

Amazon iTunes

 ザ・ナショナルはいっぽうで、エクソダスにすら参加できずにアメリカの内部に留まり続けたごく普通の人びとの物語を歌にした。自分のことを書けば、2010年にもっとも感動したのが彼らの『ハイ・ヴァイオレット』だ。前作『ボクサー』に収録されていた"フェイク・エンパイア"がオバマのキャンペーン・ソングに大抜擢される経験をした彼らだが、しかしこの新作ではある種の特権的な立場から言葉を紡ごうとしていない。バンドにとっての新たな代表曲である躍動感のあるロック・ナンバー"ブラッドバズ・オハイオ"は、保守的な故郷を嫌ってそこから離れた男が、それでも故郷への想いを捨てきれない心情を歌った1曲である。「俺は結婚しなかったけれど、オハイオは俺のことを覚えていない」
 「結婚しなかった」というのは結局リベラルになりきれなかったことのメタファーだろう。「故郷のことを考えるとき、俺は愛について考えなかった」と嘯きながら、自分の本当の生きる場所を見つけられずに苦しむ男の物語を浮かび上がらせる......例えばスフィアン・スティーヴンスの『イリノイ』と並べると見えてくるものがある作品だと言えるだろう。「ニューヨークで生きて死ぬなんて、俺には何の意味もない」と吐露する"レモンワールド"では「とにかくいまはもう、どこかに車を走らせるには疲れすぎているんだ」と言うように、アルバムでは歌の主人公たちはとにかく疲弊しきっていて身動きが取れないというイメージが繰り返される。もっと良く、正しく、幸福に生きようと願いながら、どうしてもそうすることが叶わない普通の人びとの歌を歌うことを、ザ・ナショナルは自らの使命にしたのだ。それは、「チェンジ」後も生きづらいことは変わらない現代のアメリカの歌だ。
 そして『ハイ・ヴァイオレット』の素晴らしさとは、そんないまの現実の苦難を引き受けながら、それをセクシーなポップ・ソングとして昇華させてしまった点に尽きる。バンドが自らの音楽を「ダッド・ロック」と冗談めかして言うようにある種の古風なダンディズムに支えられてはいるが、マット・バーニンガーは自分のバリトン・ヴォイスの色気により自覚的になり、そしてバンドの音は何ひとつ奇を衒ったことをしなくともタフにダイナミックに響き渡る。それはこれらの歌の底には、それでも潰えない尊厳があるという宣言のように聞こえる。
 ラストのゴスペル・ソング"ヴァンダーライル・クライベイビー・ギークス"では「僕たちの最良の部分をすべて捧げて/愛のために自らを犠牲にするんだ」と、新たな場所に足を踏み出すことも示唆される。人びとに必要なのは劇的な「チェンジ」ではなくて、着実に地面を踏みしめる足取りであると......つまりザ・ナショナルは80年代のR.E.M.を引き継ぐのだと決意したのだった。今年の春に、シカゴではアーケイド・ファイアとザ・ナショナルがともにライヴをやるのだという。それはアメリカにとって、非常に輝かしい夜になるだろうと思う。


The National



LCD Soundsystem
This Is Happening

DFA / EMI

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 「ニューヨーク、俺はお前を愛しているけど、お前は俺を落ち込ませる......」とニューヨークに対する失意と幻滅と、そして愛をこぼしていたLCDサウンドシステムのジェームズ・マーフィもまた、ポップに対する理想を捨て切れなかった男である。インターネットの土壌が進んで出てきた初めてのムーヴメントがチルウェイヴだとしたら、ジェームズはそういった動きに対して最後の悪あがきを繰り広げるような活動をしてきた。70年代のボウイのあり方をポップの理想とし、自分より若くて才能のある連中のケツを蹴り上げるような存在でありたいと、彼は繰り返し語ってきた。分断化が取り沙汰されたゼロ年代にあって、それでもそこに抵抗する形で「ポップ」を定義し直そうとした彼の姿は、僕たち若い音楽好きを虜にした。音楽オタクであることしか誇れることがない男のみっともない恨み言を並べた"ルージング・マイ・エッジ"での彼を未来の自分の姿だと確信した人間は、ジェームズ・マーフィを心底信頼したのだ。だがそんなものはもう終わっていくのだろう、とジェームズ本人が自分たちの挑戦に決着をつける意味で制作されたのが、ラスト・アルバムだと予め宣言された『ディス・イズ・ハプニング』であった。
 『ディス・イズ・ハプニング』は音楽的な参照点もやや広げ、例えばOMDのようなシンセ・ポップも溶け込ませながら、これまででもっともキャッチーな佇まいを持った作品となった。全編ダンス・トラックでありながらも非常にメロディアスで、そしてメロウでスウィートだ。歌詞はファースト・アルバムのような自問自答よりも、自分の仲間たちや聴き手に対する目線がこめられている。相変わらず自分の情けなさやみっともなさを綴りながら、しかしどこか清々しさが感じられるのはバンドが辿ってきた道のりやその記憶が明滅しているからだろうか。ラスト・トラックの"ホーム"は間違いなく、彼の挑戦を見つめ続けてきた僕たちに向けて......そしてたぶん、ジェームズよりも若い連中に向けて歌われている。「君が自分に必要なものを気にしているなら/見回してみなよ/君は囲い込まれている/そんなの、何にも良くなりゃしないよ」というのは、明らかにリスナーに向けた愛の言葉だ。ジェームズはツアーを回りながら「やっぱりこれからもアルバムを制作するかも」と思い直したことが明らかにされているが、しかし『ディス・イズ・ハプニング』が2010年において、一つの「ポップ」の時代に対して決着をつけたラスト・アルバムであったことは変わらない。


LCD Soundsystem

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 これらの「大人たちの音楽」から聞こえてくるのは、現実の困難に何度も何度も打ちのめされながらも、それでも信じるものがある......という不屈さだ。あるいは、LCDの歌にはつねに自虐や情けなさが盛り込まれていながら、しかしそこには必ずユーモアがある。それは自分たちの音楽をきちんと表現へと昇華させるという意志の表れである。「子どもたちの音楽」に何か信じるものはあるのだろうか? もちろん、そんなものが見つからないからこそのリアリティなのだろうが......いっぽうで2010年にこんなにもタフで知性的な音楽があったことも忘れてはならないと思う。
 ただ、ここ日本ではそのようなものは共感されにくい。中年男が社会のなかで、正しく生きようと苦しみもがく姿の色気を伝えるのはとても難しい。音楽と社会が、音楽と政治が密接に繋がっていない(ような素振りを見せる)この国では、政権交代した後も相変わらず生きづらい社会についてポップ・ソングが歌うことは大抵の場合避けられる。そして若者たちは、子どもたちはうずくまり、現実に背を向ける......。ある意味で、若者による現実逃避はこの国ではより切迫した問題だ。社会に背を向けるということもまた抵抗だとすれば、日本でこそチルウェイヴ的な(現実や政治から切り離された)まどろみがより必要とされているとも考えられるだろう。
 あるいは、社会に根ざした若者の音楽は知性やユーモアや文学性よりも、その感情の質量、その重さが目立っている(それだけ追い詰められているということだろう)。僕が世代的にも立場的にも共感できるはずの神聖かまってちゃんにどうしても距離を感じてしまうのも、そのような理由かもしれない。社会に対する怨恨を隠そうとしない彼らの音楽はアナーキーで切実で生々しいが......あまりにも痛ましい。かまってちゃんがいることは日本においてリアルだが、それがあまりに切実に求められるような状況は辛いとも思う。もしくは曽我部恵一のように、若者たちよりも青春を鳴らそうと目論む大人たちの歌がもっと届いてほしい。
 
 今年はどんな音楽が響くのだろう。アメリカに関して言えば、ブッシュ政権下より現在の方が遥かに表現に求められることが難しくなっている。問題だらけのオバマ政権の下、状況はさらに複雑化しているからだ。チルウェイヴのような流れはもうしばらく続くであろうからそれらは横目で見つつも、僕はそれでも現実を見据えたアーティストに期待したいと思う。比較的若い連中にもそういったミュージシャンはいる。例えば2月に新作が出るアクロン/ファミリーは前作でサイケデリックなアメリカ国旗をアートワークに掲げながら、「太陽は輝くだろう、そして僕は隠れない」と歌うことを厭わなかった。アクロンは不思議なバンドで、初期にはフリー・フォーク的な文脈で、前作頃ではブルックリン・シーンの文脈で語られつつも、実のところそのどちらともあまり関係ない朗らかなヒッピーイズムとアート志向が根本にある。それから、フリー・フォークではなくて新しい時代のフォークとして登場したボン・イヴェールとフリート・フォクシーズ。彼らは何よりも高い音楽性でもってこそ勝負しようとする、真面目さと理想主義的な立場で音楽に真摯に向き合っている。また、ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアはきっと、相変わらず頑なにレイヴ・カルチャーの理想を信じる新作を放ってくるだろう。
 
 音楽が現実の状況に追随しているばかりでは寂しい。世界の見方を少しばかり、時には大きく変えてしまうようなものを、僕はいまこそ聴きたいと思うのだ。


The National / High Violet
4AD / Hostess

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 大出世作である前作『ボクサー』でつけた自信は、USインディの現在の活況をリプレゼントしたコンピレーション『ダーク・ワズ・ザ・ナイト』のキュレーターを彼らに務めさせることとなる。そしてそれを経た本作は、バンドとしてより広い場所に進もうとする意欲に満ち満ちたものとなった。ポスト・パンク、チェンバー・ポップ、それに所謂アメリカーナ的なものをしっかりとアメリカン・ロックの土台でブレンドした音楽性はしかし行儀良く収まらずに、感情に任せてややバランスを崩しそうになる瞬間も見せつつスリリングに響く。フロントマンのダンディなヒゲの中年男、マット・バーニンガーの書く歌詞は抽象性もありつつ、より具体的なイメージを喚起しやすいものとなっている。そして彼が、曲によって異なる主人公を――しかし一様に思いつめたようにうなだれた男を演じ、そのバリトン・ヴォイスを響かせることでセクシーなハードボイルド感をも滲ませている。


LCD Soundsystem / This Is Happening
DFA / EMI

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 とにかくオープニングの"ダンス・ユアセルフ・クリーン"が素晴らしい。抑えたイントロがやがてシンセと共にリズムを鳴らすと、ジェームズ・マーフィが絶唱する――「まっさらになるまで踊れ!」。そうしてアルバムは幕を開け、中盤に向けて次第にメロウになっていく。ジェームズは自分がロックンロール・バンドのフロントマンをやっていることの居心地の悪さを何度も語っていたが、それでも開き直ったようにさらに自分を曝け出すようなエモーショナルな歌を聞かせるのは、やはりラスト・アルバムという決意があったからだろうか。前作の"ニューヨーク、アイ・ラヴ・ユー~"のようなバラッドはなくとも、これまでで最も切ないムードが漂っている。「僕が欲しいのは君の哀れみ」なんていう、相変わらずのみっともない歌詞も彼ならではで......そして僕たちはそんな彼のキャラクターを既に知っているからこそ、ジェームズ・マーフィその人の魅力を改めて思い知ったのだった。


Arcade Fire / The Suburbs
ユニバーサル

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 グーグルの機能を駆使し、自分の育った土地の住所を入力するとその風景がぐるぐると映し出される"ウィ・ユースト・トゥ・ウェイト"のインタラクティヴなビデオが非常に話題になっていたが、それは本作のテーマを見事に射抜いている。(もしかするとかつて捨ててしまった)自分の出自に立ち返ること......アメリカン・サバービアはかの地において宿命的なテーマだが、ウィン・バトラーはそれに真っ向から取り組んだのだった。アメリカを嫌ってカナダに抜け出した彼は、ここで自身の記憶を呼び覚ましながらアメリカのありふれた物語を描き出す。これまでの作品の悲壮感や演劇性はやや後退し、その分ニューウェーヴ風やパンク・ソングなど、音楽性を広げてとっつきやすいものになっているのも一部の層だけに届くだけでは満足しなかったからだろう。郊外の物語を個人の感傷ではなくて我らのものとして語る、現代の北米を代表するバンドであるという自負と貫禄が備わっている。


★ザ・ナショナル、来日します!
3月17日@Duo、詳細は→www.creativeman.co.jp/artist/2011/03national

名倉和哉木津 毅/Tsuyoshi Kizu
1984年大阪生まれ。大学で映画評論を専攻し、現在大阪在住のフリーター。ブログにて、映画や音楽について執筆中。 https://blogs.yahoo.co.jp/freaksfreaxx

WE DON'T CARE
ABOUT MUSIC ANYWAY...
- ele-king

 現在、渋谷のユーロスペースで公開されている映画を紹介したい。『WE DON'T CARE ABOUT MUSIC ANYWAY...』という日本の実験音楽/即興音楽のアーティストたちを追ったドキュメンタリー・フィルムだ。坂本弘道、大友良英、山川冬樹、L?K?O、Numb&Saidrum、Kirihito、Umi no Yeah!!(竹久圏、嶋崎朋子)、Goth-Trad、Hikoといったさまざまなジャンルのアーティストが出演している。
 『WE DON'T CARE ABOUT MUSIC ANYWAY...』は音楽主義を貫いていると言える。フランス人を中心とした制作クルーは、アーティストの歴史や背景を追うことよりも、彼らの一度きりの即興を捉えることに情熱を傾けている。画面は音の立ち上がる過程と瞬間をリアルに映し出し、4年という歳月をかけてパフォーマンスの現場に拘りつづけた努力は素晴らしい結果を生み出している。
 この映画はすでに、スイス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ポーランド、カナダ、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、シンガポールといった世界各地の映画祭などで上映され、国内では昨年、吉祥寺バウスシアターで開催された爆音映画祭で先行上映された。
 とにかく面白い音を出して、未知の領域を開拓したいというアーティストたちの無邪気で原始的な動機に痺れる作品だ。実験音楽/即興音楽に普段は親しみのない音楽ファンも必ずや振り向かせることだろう。それだけ魅力のある"音楽映画"だ。DVD化するかは未定なので、いま映画館で体感しておいたほうがいい。(二木信)

WE DON'T CARE ABOUT MUSIC ANYWAY
https://www.wedontcareaboutmusicanyway.com/ja/

劇場情報
2011年1月15日(土)より、3週間レイトショー!!
21:00(連日)
渋谷ユーロスペース www.eurospace.co.jp
渋谷・文化村前交差点左折
03-3461-0211
特別鑑賞券 1,400円(税込) 発売中!
○劇場窓口・プレイガイドにて
○劇場窓口、各プレイガイドにてお求めください。
○ご鑑賞当日、劇場受付にて入場整理番号とお引き換え下さい。
当日:一般1,700円/大学・専門学校生1,400円/会員・シニア1,200円/高校生800円/中学生以下500円

出演者

●坂本弘道
1962年、広島生まれ。チェロ奏者、他にボイス、ノコギリを奏する。様々なエフェクター類を駆使し、叩く、こする、回す、果ては電動ドリルやグラインダーでチェロから火花を散らすパフォーマンスまで、イメージの氾濫ともいうべき演奏は常に刺激に満ちている。
「midori」(88年~92年)、少年マルタとの「echo-U-nite」(90年~01年)、石塚俊明(ex頭脳警察)の「シノラマ」を経て、ロケット・マツ主宰「パスカルズ」、チェロのみ3人のユニット「COTU COTU」、Lars Hollmer(from Sweden)と日本人音楽家とのユニット「SOLA」、大熊ワタル主宰「シカラムータ」等数々のバンドに名を連ねる。滝本晃司(from たま)、Mika PUSSE(from Paris)、十時由紀子、あかね、大谷氏・とっちゃん(from 富山)、高橋CAZ、火取ゆき、遠藤ミチロウ、等ボーカリストとの共演も多く、02年11月?03年1月にかけてUAの全国ツアー「空の小屋」に参加した。03年にはHacoとの共同プロジェクト「Ash in the Rainbow」を発表。
また、インプロヴァイザーとしての活動を中心に、様々な音楽家とのセッションを精力的に行っている。過去の共演者?さがゆき、風巻隆、おおたか静流、横川タダヒコ、鬼怒無月、ライオン・メリー、林栄一、向島ゆり子、沢井原兒、小山彰太、とうじ魔とうじ、梅津和時、サム・ベネット、HONZI、不破大輔、中尾勘二、大友良英、内橋和久、黒田京子、千野秀一、安藤明(from Berlin)、故・井上敬三、ARFIの「32 JANVIER」(from Lyon)、Jonathan Segel(from California)、等々。ジョン・ゾーンの「コブラ」「ベジーク」(プロンプター:巻上公一)等の集団即興にも度々参加している。
近年は精力的にソロライヴを行っており、99年にソロアルバム「零式」を発表している。
https://home.catv.ne.jp/dd/piromiti

●大友良英
1959年生まれ。ターンテーブル奏者 / ギタリスト / 作曲家として、日本はもとより世界各地でのコンサートやレコーディング等、常にインディペンデントなスタンスで活動し、多くのアーティストとコラボレーションを行っている。
また、映画音楽家としても、中国 / 香港映画を中心に数多くのサウンドトラックを手がけ、ベルリンをはじめとした多くの映画祭で受賞、高い評価を得ている。
近年はポスト・サンプリング指向を強め、「Ground-Zero」のプロジェクトに代表されるようなノイズやカット・アップ等を多用した大音量の作品から、音響の発生そのものに焦点をあてたスポンティニアスな作品へと、ドラスティックに作風を変化させている。
Sachiko Mと結成した電子音響系プロジェクト「Filament」で徹底した脱メモリー音楽を指向する一方で、伝統楽器とエレクトロニクスによるアンサンブル「Cathode」や、60年代のジャズを今日的な視点でよみがえらせる「大友良英 New Jazz Quintet」等をスタート。他にも邦楽器の為の作品の作曲、多方面でのリミックス、プロデュース・ワーク等、多忙を極める。
https://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj

●山川冬樹
ホーメイ歌手、あるいは『全身美術家/全身音楽家』。 1973年、ロンドンに生まれ。横浜市在住。音楽、美術、舞台芸術の分野で活動。
身体内部で起きている微細な活動や物理的現象をテクノロジーによって拡張、表出したパフォーマンスを得意とする。電子聴診器で心音を重低音で増幅し、さらに心臓の鼓動の速度や強さを意図的に制御し、時に停止させながら、それを光の明滅として視覚化。己を音と光として空間に満たすことで、観客との間の境界線を消滅させることを試みる。また、骨伝導マイクを使った頭蓋骨とハミングによるパーカッシブなパフォーマンスは、ソニーウォークマンのコマーシャルで取り上げられ話題を呼んだ。
活動の範囲は国内にとどまらず国際的に展開。2007年、ヴェネツィア・ビエンナーレ・コンテンポラリーダンスフェスティバルから前年に引き続き二回連続で招聘を受け、同年秋に行った米国ツアーは各地で公演がソールドアウト。ヨーロッパ、アメリカ、アジアのライブハウス、劇場、美術館でライブ・パフォーマンスを行う。
こうしたパフォーマンス活動の一方で展示形式の作品を制作。遺された声と記憶をテーマにした、映像・サウンド・インスタレーション「The Voice-over」を、釜山ビエンナーレ(2008)、東京都写真美術館(2008)、ヨコハマ国際映像祭(2009)、などで発表する。同作品は東京都現代美術館のコレクションに収蔵され、現在常設展示室で公開されている。
歌い手としては、日本における「ホーメイ」の名手として知られ、2003年ロシア連邦トゥバ共和国で開催された「ユネスコ主催 第4回国際ホーメイフェスティバル」に参加。コンテストでは「アヴァンギャルド賞」を受賞。その独自のスタイルは、現地の人々に「авангардное хоомей(アヴァンガルド・ホーメイ)」と称される。同年東京で開催された「第2回日本ホーメイコンテスト」では、第1回大会(2001年)に引き続きグランプリと観客賞をダブル受賞。「ホーメイ」の伝統と、現代の等身大の感覚からなるハイブリッドなスタンスで、独自の境地を切り開く。2004年よりシタール奏者ヨシダダイキチが結成したバンド「AlayaVijana」に参加。バンドのフロントマンをつとめ、フジロックフェスティバルをはじめ多くのフェスティバルに出演、2枚のアルバムを発表。
また、声ついての連載エッセイを、「未来(未來社)」誌上で2007年より2年間執筆。複数の大学入試において国語科目の長文問題に採用されている。
現在、東京藝術大学先端芸術表現科、多摩美術大学情報芸術コース非常勤講師。
https://fuyuki.org/

●L?K?O
1974年、東京生まれ。
ターンテ-ブリストとして早くから様々な音楽フォーマットをスクラッチにより解体、再構築するスタイルをベースに活動。Moodman、Original Love、ooioo、灰野敬二氏などあらゆる分野のアーティストとのセッションを経て、近年では、海外でのイベントにも度々招聘されるまでに至る。スクラッチとリアルタイムのDSP処理によって常に変化を生み出す唯一無二のDJスタイルは多数の音楽家から評価を受け、各種コンピレーションアルバムに自身の楽曲を提供、数々のRemixを手掛けるなど、多岐に渡る活動を続けている。
https://m-hz.com/lko/index.html

●Numb
1992年、ニューヨークのINSTITUTE OF AUDIO RESEARCHでエンジニアリングを学び、帰国後の1995年、CALMと共にレーベルKARMA MUSICを立ち上げ、シングル「FILE#2 /深脳」をリリース。
1997年にはレーベル、リヴァースの立ち上げに携わり「BEGINNING OF THE END」「ILLFUSION」「89」といった12インチシングルをリリースする。そして、2002年にリリースしたファースト・アルバム『NUMB』は、鋭さと荒々しさの裏に静寂さを合わせもつ奥深いサウンドで、聴く者のすべての感覚を振動させた。
NUMBはサウンド・パフォーマンスにおいて、ラップトップを用い、MIDIコントローラーでビートやヴォリューム、エフェクトや曲の構成をリアルタイムに操り、フィジカルに演奏する。そして、その音が身体に吸収されると、退化していた器官は開き、細胞が音を聴き始める。その霊妙な演奏は、パリで行われたBATOFARやアムステルダムのSONIC LIGHT、日本のFUJI ROCK FESTIVAL、そしてデンマークのROSKILDE FESTIVAL、同じくデンマークのFUTURE SOUND OF JAZZ FESTIVAL等、国内外で高い評価を得ている。
2003年5月、それらのサウンド・パフォーマンスをパッケージしたライヴ・アルバム『東京』をリリースし、凄まじい勢いで変貌する東京の街に疑問を投げかけた。そして、消費やスピードと引き換えにしてきたものを取り戻したいという彼の強い念が、ラップトップに魂を宿らせた。 2004年、そのサウンドはエレクトロニカ、テクノ、ブレイクビーツ、トランス、ヒップ・ホップと総てを網羅しながら、新たなグルーヴの創造を続けている。
https://www.ekoune.org/

●Saidrum
NOIZEから削り出される緻密な音響工作、そしてミニマルに展開されてゆくダブ・ワイズなスタイルで、ラディカルかつ、ディープなリズム・サウンドを演出するSound Innovationist。
96年にNUMBと出会い、サンプリング・マシーンを軸に、ジャングル、ダブ、D&B、ハードコアブレイクビーツを中心としたトラック制作を開始。その後、1999年にファーストシングル「MATADOR」をリリース。
以来、情報過多な社会の中で発生するカオティックなリズム、自然の中で脈々と流れ続ける普遍的なリズム、それら対極的な要素を音に混在させ、独自のバランス感覚でトラックを構築する。又、2004年には待望のファースト・アルバム『deadpan rhythm』(RECD-010)をリリース。圧倒的なまでの密度と緊張感が支配するデジタル・オーディオの急先鋒とも謳われたそのサウンドメイキングは、聴けば聴くほどに引きずりこまれてゆく孤高のインダストリアル・サウンドを演出した。そして、音の洪水で満たされるライブ・パフォーマンスは、その空間を時に不規則に、時に規則的に、徐々に変化をつけ、サブリミナル・催眠的とも言える魔性のグルーヴを紡ぎだす。
https://www.ekoune.org/

●Kirihito
1994年結成。GROUPのメンバーでもあり、UAのライヴ・バンドや、一十三十一やFLYING RHYTHMSの作品に参加している竹久圏(g, vo, key, etc)と、GAKIDEKA、高品格でも活動する、THE BACILLUS BRAINSのサポートも務める早川俊介(ds, vo, etc)のデュオ。ライトニング・ボルトよりも、ヘラよりも、あふりらんぽよりも早かったデュオ、である。ギターをかき鳴らしながら足でカシオ・トーンを弾き、歌う竹久、スタンディング・スタイルでドラムを叩く早川という、見世物的というか、アクロバティックなライヴ・パフォーマンスの楽しさも然ることながら、ポップでダンサブルでありながらもキテレツかつ凶暴なその音楽はまさにワン&オンリー。これまでにホッピー神山のGOD MOUNTAINレーベルより2枚、DMBQの増子真二のナノフォニカ・レーベルより1枚のアルバムをリリースしている。1996年から98年にかけて4 回、アメリカ・ツアーを敢行し、ダブ・ナルコティック・サウンド・システム、アンワウンド、モデスト・マウス等と共演している。日本国内においても全国各地で精力的なライヴ活動を展開している。ミュージシャンのシンパも多い。
https://www.kirihito.com/

●Umi no Yeah!!
神奈川県、油壺マリンパークで出会った2人が 意気投合し結成。 商売繁盛トロピカルサウンドをモットーとする 常夏の伊豆(ノイズ)ユニット。 マズくてもウマく感じるカレーライス。 摩訶不思議、海の家。 貸ボートはありません。 竹久圏(KIRIHITO/Group/younGSounds)と女優の嶋崎朋子による常夏トロピカル・ノイズユニット! 最近ではバイト(メンバー)にシロップさん(aka コンピューマ)藻JAH先生(aka KUJUN)加わり、年中無休開店中!
https://umi-no-yeah.com/

●Goth-Trad
ミキシングを自在に操り、アブストラクトなアプローチでダンス・ミュージックを 生み出すサウンド・オリジネイター。
2001年12月にフランスの船上パーティ"Batofar(バトファー)"で海外イベントに初登場。独自のサウンド・コラージュで話題を集めた。2001年、秋本"Heavy"武士とともにREBEL FAMILIAを結成。
ソロ、GOTH-TRAD(ゴス・トラッド)として、2003年4月に 1stソロ・アルバム「GOTH-TRAD I」を発表。国内でソロ活動を本格的にスタートする。同年秋にフランス・ツアーを敢行。
翌2004年1月、THE MARS VOLTA東名阪ツアーの オー プニングアクトを務めた。5月~6月にもヨーロッパ・ツアーを敢行。11月にはアート・リンゼイの東京公演にオープニングアクトとして出演。
2005年1月、2枚目のソロ・ アル バム「The Inverted Perspective」をリリース。同年3月、韓国ソウルで開催された日韓友情年イベントの"KOREA-JAPAN Road Club Festival 2005"に出演。マッド・レイヴと称した新たな音楽性を打ち出し、3枚目のソロ・アルバム「Mad Raver's Dance Floor」を発表後、ベルリン,パリ,メッツ,ロンドンそして国内8都市でリリース・ツアーを行なった。
2006年1月、限定アナログ盤12"シングル「Paranoia/Acid Steps」のリリースをかわきりに、現在
進行形Mad Raverに送る、新たなフロアチューンを製作中。
https://www.gothtrad.com/index_j.html

●Hiko
国内外で活躍中のパンクバンド「GAUZE」のドラマー。その活動と平行して、「あらゆる芸術、芸能、表現活動」の、「最も攻撃的な、破れかぶれな」部分と自己のドラミングスタイルとの融合をもって「在りそうで無かった"ハードコア的パフォーマンス、音楽」の実現を標榜し、各種表現者らと共闘中。過去の共闘者は、舞踏家、格闘家(立ち技打撃系)、バリガムラン奏者及びダンサー、俳優による朗読、薩摩琵琶奏者、ホーメィ歌手、コンテンポラリーダンサー、フェンシング競技者、暴走族のバイクのアクセルミュージック等。

THE ORB - METALLIC SPHERES JAPAN TOUR 2011 - ele-king

 昨年リリースされた『メタリック・スフィアーズ』を聴いて『チルアウト』を思い出した人も多いはずだ。なにせデヴィッド・ギルモアのメロウな泣きのギターとアンビエント・ハウスとのブレンドである。『メタリック・スフィア』は、楽天性を欠いたメランコリックな『チルアウト』だと僕は思った。
 そしてジ・オーブは、今週末から金曜日と土曜日にライヴをやる。宇宙に飛びたい人、集まろう!

1.21 fri @ 大阪 SOUND-CHANNEL "テクノ喫茶 SPECIAL"

Live:
THE ORB, TERRAs
DJs: ALEX PATERSON (THE ORB), nakamoto, kobayashi, mongoose, kanadiann
Bar Space DJs: 威力, mikiako, yoshi, HaRuKa, makishi, kunio asai, YURI OGUSHI
VJ: HiraLion Deco: ONA, chancom a.k.a Emile
SHOP: parampara, 甘茶蔓, Lily Deva, abetica, ArihiruA

Open / Start: 20:00-
¥3,000 (Advance), ¥3,500 (Door) 共に w/ 1 Drink
Info: 06-6212-5552 (SOUND-CHANNEL) www.sound-channel.jp
TICKETS: newtone records (06-6281-0403), tamtamcafe (06-6568-9774), sound-channel (manager@sound-channel.jp), sea of green (info-seaofgreen01@hotmail.com) *上記アドレスまでパーティー開催日/お名前/ご連絡先/枚数を明記の上、送信ください。当日エントランスでの支払いとなります。

1.22 sat @ 東京 UNT "UBIK"

Live: THE ORB
DJs: ALEX PATERSON (THE ORB), yoshiki (Runch, op.disc), DJ SODEYAMA (ARCHIPEL, NO:MORE REC)
Saloon: Timothy Really Lab - Ryujiro Tamaki, tosi, y., kon, Sisi, Ngtom

Open / Start: 23:30-
¥3,000 (Advance), ¥3,500 (w/ Flyer), ¥4,000 (Door)
Info: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
TICKETS: PIA (126-724), LAWSON (76503), e+ (eplus.jp), DISK UNION CLUB MUSIC SHOP (SHIBUYA, SHINJUKU, SHIMOKITAZAWA), DISK UNION (IKEBUKURO, KICHIJOJI), TECHNIQUE, WARSZAWA

THE ORB(ジ・オーブ)
www.theorb.com www.myspace.com/orbisms

イギリス出身のDJ/プロデューサー、アレックス・パターソンとThe KLFのジミー・コーティーによって、88年に結成。ジミー・コーティーの脱退以降、スラッシュや、キリング・ジョークのユース、システム7のスティーヴ・ヒレッジなど多数のアーティストがアルバム毎に参加。移り変わりの激しいエレクトロニック・ミュージック・シーンに於いて、常に時最先端で革新的な作品を送り出し続けている。代表作は『The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld』『U.F.Orb』『Orbus Terrarum』など数知れない。

「アンビエント・ハウス」というチルアウト・ミュージックのジャンルを事実上具現化したアーティストであり、その後のエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えた。近年はファースト・アルバム以来の盟友でありジャーマン・エレクトロニック・ミュージック界の重鎮トーマス・フェルマンとの共同作業が多く、2005年にはヨーロッパに於ける最優良テクノ・レーベルKOMPAKTから『Okie Dokie It's The Orb On Kompakt』、2009年にはドキュメンタリー映画「Plastic Planet」のサウンドトラック『Baghdad Batteries』など、ミニマル~クリック以降のテクノの潮流を独自解釈しながらも、The Orb本来のサウンドスケープを継承する珠玉の作品をリリースしている。
2010年12月、元ピンク・フロイドの伝説的ギターリスト、デヴィッド・ギルモアをフィーチャーした『Metallic Spheres』をリリースしたばかりである。

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