「OTO」と一致するもの

ASHRA - ele-king

Moduleでの多国籍パーティ「Laguna Bass」でレジデントを務め、同時にトラック制作をスタート。14年NO/Visionist EPでIRMA recordsよりデビュー。09~2年間Jetset RecordsでのDJチャートを担当。6月位から新たにレギュラーパーティーやる予定です。徒然ここをチェック。
https://soundcloud.com/ashra-3
facebook.com/ashradj

3/16(月)TBA@Le Baron
4/25(土)TBA@Solfa
5/16(土)No Surface@ DJ BAR HIVE(小倉)

王道にDJで良くかけている/かけたいTOP10チャート

“ディレイ”対決は加速する! - ele-king

 オウガ・ユー・アスホールとマーク・マグワイヤ。ありそうでなかった貴重なライヴである。両者をつなぐキーワードはひとまずクラウトロック(そしてイヴェント・タイトルのとおり“ディレイ”)だと言えようが、エメラルズを離れたのちのマグワイヤの活動はよりパーソナルに、より自由に柔軟に展開をつづけているし、オウガ・ユー・アスホールも一枚ごとに音楽性を深めひとつところに留まる様子がない。ロックのイヴェントではまちがいなく最高峰のステージを堪能することができるだろう。めくるめくようなディレイ体験を期待したい。

 ということで、ele-kingでは大好きなふたつのアーティストたちの競演を祝福して、みなさんをライヴへご招待いたします。以下のガイドにしたがってご応募(ele-kingツイッターアカウントの該当ツイートをRT)ください!

■応募方法
※twitterサービスをご利用されている方を対象とする企画です

・ele-kingアカウントをフォローし、同アカウントによる本件についてのツイートをRTして下さい
・3月15日(日)24時を締切として、RTをしてくださった方から抽選で3名様をライヴにご招待いたします
・当選のご連絡はツイッターのDM機能を利用して行います。3月16日(月)にご連絡予定ですが、3月19日(木)までにご返信がない場合は無効とさせていただきますのでご注意ください。
・チケットの送付はありません(受付でお名前を頂戴いたします)ので、DMにてご住所をお知らせいただくようなやり取りはございません

本件についてのお問い合わせはele-king編集部までお願いいたします。
(※アーティストやレーベル、UNIT側ではご対応できません)

■"" DELAY 2015 ""
OGRE YOU ASSHOLE × Mark McGuire

オウガ・ユー・アスホール OGRE YOU ASSHOLE
マーク・マクガイヤ Mark McGuire


OGRE YOU ASSHOLE


Mark McGuire

日程:
2015年3月29日(日)
会場:代官山UNIT
開場:17:15 / 開演:18:00
料金:ALL STANDING \4,000(1ドリンク別)
主催:HOT STUFF PROMOTION / UNIT 企画・制作:Doobie / UNIT
協力:ele-king / root & blanch / Office ROPE
INFO:HOT STUFF PROMOTION/Doobie 03-5722-3022 https://doobie-web.com
UNIT https://www.unit-tokyo.com/
チケット:
主催者先行予約受付
1月21日(水)20:00~1月29日(木)23:59
受付URL:https://doobie-web.com
一般発売日:2015年2月7日(土)
●チケットぴあ 0570-02-9999 t.pia.jp Pコード:254-739
●ローソンチケット 0570-084-003 l-tike.com Lコード:79252
●イープラス eplus.jp
●GAN-BAN 03-3477-5701 ●diskunion各店 ●Jet Set Records


NODA - ele-king

1989年、長崎生まれ、東京在住、DJ。

Sakana、Zatoとともに月1でネット・ストリーミングを行なう〈T.R Radio〉を2014年に始動。その他、渋谷LXで開催されるパーティFallにDJ Teiと共にレギュラー出演中。

今後のDJスケジュール
2/25 TBA at 渋谷 OTO
2/28 T.R Radio with Mincer
3/6 Leisure System presents New Build at Liquidroom Guest: Shackleton, Objekt

Soundcloud
https://soundcloud.com/noda-kohei

T.R
https://mixlr.com/tr--2/

NODAが選ぶ、2月の10枚。

Praezisa Rapid 3000を知っているか? - ele-king

 2012年、world's end girlfriendやSerphなどのリリースで知られる〈noble〉が、海外バンドとして初めて手掛けたPraezisa Rapid 3000。彼らはドイツはライプチヒを拠点として活動するトリオで、マウント・キンビー(Mount Kimbie)やアントールド(Untold)などベースミュージック勢との共演がある一方で、今回のツアーでもコラボレーションするように、〈Morr Music〉のSing Fangなどカラフルでドリーミーなエレクトロニカとも共振する音楽性が魅力的だ。今回報ぜられた来日情報は桜の頃を過ぎるが、楽しみに待ちたい。

■Praezisa Rapid 3000 - Japan Tour 2015

ドイツはライプチヒの新世代トリオ、Praezisa Rapid 3000。待望の初来日ツアーが今年4月に決定しました。
ドイツ東部ザクセン州の音楽都市、ライプチヒを拠点に活動するPraezisa Rapid 3000は、Simon 12345、Devaaya Sharkattack、Guschlingの3名からなるトリオバンド。ネパールやインド、中近東など、多国籍なエキゾチック・サウンドに最新のベース・ミュージックを掛け合わせた2nd アルバム『Miami/Mumbai』のリリースも記憶に新しい彼らが、今年4月に待望のジャパン・ツアーを行います。

東京公演には、昨年12月に1stフル『White Girl』をnobleよりリリースしたmus.hibaと、100%サンプリング製法を謳い、昨年11 月にVirgin Babylon Records より初のCD アルバムをリリースしたcanooooopyも登場。京都では、ベルリンのMorr Musicからリリースする共にアイスランドのアーティストSoleyとSin Fangとのコラボでの来日公演を行います。山形公演には、nobleとも何かと縁の深い現地在住のアーティスト/DJ のSHINYA TAKATORI も出演。埼玉公演には、kilk 勢に加え、2nd『Miami/Mumbai』にもリワークで参加した服部峻も大阪より駆けつけます。

今回のツアーには、Simon12345による別動トリオSimon12345 & The Lazer twinsのメンバー二人もサポート・ミュージシャンとして来日し、5人編成でのパフォーマンスを行います。

世界中の好事家たちを魅了する、錬金術師めいた抜群のコラージュ・センスで生み出されるレフトフィールド・ポップス、どこかユーモラスで謎めいた、新世代のハイブリッド・サウンドを、ぜひ生でご堪能ください。みなさまのお越しをお待ちしております。

■Tour Details

Praezisa Rapid 3000 - Japan Tour 2015

東京公演:
Miami/Tokyo
4月22日(水)
東京・渋谷 O-nest(https://shibuya-o.com/category/nest
Live Act: Praezisa Rapid 3000、mus.hiba、canooooopy
開場:19:00/開演:19:30
料金:3,000円(前売)/3,500円(当日)_ドリンク代別
チケット:ローソンチケット(Lコード:71522)/e+
問い合わせ:O-nest(https://shibuya-o.com/category/nest

京都公演:
night cruising「Praezisa Rapid 3000 Japan Tour 2015 "Döbeln/Kyoto"」+「sóley & Sin
Fang Japan Tour 2015 in Kyoto」
4月23日(木)
京都 METRO(https://www.metro.ne.jp/
Live Act: Praezisa Rapid 3000、sóley、Sin Fang、miaou
開場:19:00/開演:19:30
料金:3,000円(前売)/3,500円(当日)_ドリンク代別
予約:info@nightcruising.jp
問い合わせ:night cruising(https://nightcruising.jp/

山形公演:
Yamagata/Mumbai supported by RAF-REC
4月26日(日)
山形 sandinista(https://www.sandinista.jp/
Live Act: Praezisa Rapid 3000、SHINYA TAKATORI、about me
DJ:Satoru Akiyama (CSGB)、A-bit (slow motion)、Takatox、
Live Painting : SOLID
開場&開演:19:00
料金:2,500円(前売)/2デイズチケット : 3,000円(※27日のアフターパーティーとの通しチケット
です)/3,000円(当日)_ドリンク代別
予約:RAF-REC(https://rankandfilerec.com/)/sandinista(https://www.sandinista.jp/
問い合わせ:RAF-REC(https://rankandfilerec.com/

山形公演アフター・パーティ:
pr3k ancient spacebase
4月27日(月)
山形 RAF-REC(https://rankandfilerec.com/
DJ:Simon12345、Devaaya Sharkattack、;..(from Praezisa Rapid 3000)、SHINYA TAKATORI
(RAF-REC)
開場&開演:19:00
料金:1,000円(当日)
問い合わせ:RAF-REC(https://rankandfilerec.com/

埼玉公演:
Saitama/Detroit
4月29日(水)
埼玉・大宮 ヒソミネ(https://hisomine.com/
Live Act: Praezisa Rapid 3000、服部峻、Aureole、at her open door
開場:18:00/開演:18:30
料金:3,000円(前売)/3,500円(当日)_ドリンク代別
チケット:Peatix(https://peatix.com/event/72632)
問い合わせ:ヒソミネ(https://hisomine.com/

 

ツアー企画・制作:noble
共催:night cruising(4/23)、RANKandFILE RECORDS(4/26, 4/27)、kilk(4/29)
助成 ドイツ連邦共和国外務省
協力:Goethe-Institut ドイツ文化センター、HiBiKi MaMeShiBa (GORGE IN)
ツア


 1月末、NYでは「史上最大の暴風雪に見舞われる」との警報があり、住民をあたふたさせた。地下鉄などの交通機関が止まり、食料調達も十分(スーパーマーケットに入るのに長い行列!)「危険なので、家にから出ないように」など住民に呼びかけ、万全で暴風雪に備えた。が、結局、史上最大ではなく、よくある雪の1日で終わった。
 みんなが悶々していた暴風雪警報が出た月曜日の夜、ほとんどのショーがキャンセルの中で、勇敢にもショーを行ったのがゾラ・ジーサス(https://www.zolajesus.com)だ。予定より早めに行われたショーの途中で、彼女は「ついてきて」、トロンボーン・プレイヤーを率い会場の外に出て、1曲「Nail」をアカペラで歌いだすなど、雪ならではのパフォーマンスを披露した。車も通らない、ガランとした雪のストリートにこだまする彼女の声と、それをあたたかく見守るオーディンス。大停電や台風の時といい、ニューヨーカーは災難時でも、エンターテインメントの心を忘れない。因みに、彼女はウィスコンシン出身、雪には慣れたものだったのかもしれない。
https://www.brooklynvegan.com/archives/2015/01/zola_jesus_perf.html



 暴風雪騒ぎから1週間経った今日2月2日も雪は降っていて、外はマイナス10度の世界。雪が降ろうが槍が降ろうがイベントは普通にある。昨日2月1日はスーパーボウル、フットボールの決勝戦。個人的に興味ないが、周りが盛り上がっているので、いやでも目に入ってくる。行き着けのバーに行くと、この日だけは大きいスクリーンを出し、みんなが大画面でスーパーボウルを鑑賞している。お客さんはもちろん、店員も仕事そっちのけで画面を熱く見守っている。点を入れなくても、何か好プレイ珍プレイをするたびに、「おーー!!!」や「ノーーー!!」や、「ぎゃーーー」などの奇声が飛び交うので、ドリンクもうかうかオーダー出来ない。一緒に行った友だちは、接戦の最後の5分は「もう心配で心配でしかたない!!!」と、私の手をぎゅっと握り、自分の事のようにハラハラドキドキしていた。
 結果、ニューイングランドのペイトリオッツが勝利(10年ぶり)。ルールがわからない著者にも、周りの気迫で好ゲームだったことが伝わってくる。
 スーパーボウルで注目されるのは、ハーフ・タイムショー。過去に、マドンナ(w/M.I.A.,ニッキー・ミナージュ)、ビヨンセ(w/ディスティニー・チャイルド)、ブルノ・マーズ(w/レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)などが出演しているが、今年はケイティ・ペリーとレニー・クラヴィッツ、ミッシー・エリオット。旬なのか、古いのかわからないラインナップだった。
 そういえば、テロリスト(?)に揺すられ、公開中止になりかけた、問題の映画『インタビュー』のなかで、主役のセス・ローガン(役名アラン)が、北朝鮮の最高指導者の金正恩の戦車に乗った時に、流れてきた曲を聴いて一言「あんた、ケイティ・ペリー聞いてるの?」。著者は、それで初めてケイティ・ペリーを知った。それだけ、彼女が「いま」の大衆音楽を表している。ハーフタイム・ショーの彼女も見事だった。レニー・クラヴィッツもミッシー・エリオットも貫禄抜群だったが、今年の顔はケイティ・ペリーで万場一致。

 ケイティ・ペリーは、メイクやポップなファッションが特徴で、一見今の時代どこにでもいるような女の子。歌がこの上なくうまいとか、ダンスが飛び抜けて上手とかではなく、格好を付けようとせず、素で勝負しているところが、同世代からの共感をかっているのだろう。下積みも長く、所詮ポップスなのだから流通しないと意味がないと、堂に入ったあきらめ感もあるし、彼女のキャラクターや世界観は、見る人を素直にハッピーにさせてくれる。プライヴェートもさらけ出し、ポップスターにも悩みはあるのよと、オーディエンスに近い感覚が現代のスーパースターのあり方なのだ。
 楽曲も親しみやすく耳に残り、カラオケに行ったらみんながシンガロングで歌いたくなるつぼを抑えている。ハーフタイムショーの1曲目に演奏した「ロアー」は聴いているとヴォリュームを上げたくなってしまう。映画で流れた「ファイア・ワークス」も、ヘリコプターを爆破するシーンに使われたが、周りの雰囲気を壊すことなく、シーンにぴったりとはまっていた。実際、彼女の曲は人の生活のなかに入って来ても邪魔しない。そこが現代的で彼女が支持されている理由なのだろう。

 ファイア・ワークスと言えば、スーパーボウルの1日前の1月31日に、ウィリアムスバーグの北の川沿いで大規模な火災があった。N11とケントアベニューの4F建ての貯蔵施設シティ・ストレッジから発炎し、200人以上の消防士が出動し、寒い中消火にあたった(制服に氷柱がしたたっていた)。一駅離れた著者の家の周りさえも灰が飛んできたり、こげた臭いが充満し、窓を開けることが出来ない。周辺の住人お店やレストランは、避難したり休店したり、暴風雪よりも大きい被害を被っている。完全鎮火には1週間ほどかかる見込みだそうだ。ドミノ・シュガー・ビルディングなど周辺ビル/コンドミニアムの契約書類が保管されていたのだが、無残にも焼かれてしまった。ここは、デス・バイ・オーディオやグラスランズなどの音楽会場を閉店に追いやった、ヴァイス・オフィスの真近くでもある。実はあまり報道されていないが同じ頃、グリーン・ポイントでも火災があったのだが、このふたつの火災の関係は? ウィリアムバーグの家賃高騰に対する嫌がらせだと言う噂も飛び交っているのだけれど……。

 スーパーボウルの日、誰もが家でピザやバッファローウィングを食べながらテレビを見ると思われたが、著者がスタジオをシェアしているバンドは「今日ショーがあるんだ」と雪のなか揚々と出て行った。雪+スーパーボウルという悪条件で「人は来るの~?」と思われたが、「友だちがたくさん来てくれた」とご機嫌に話してくれた。彼らは20代前半で、「スーパーボウルなんて、ピザしか食べない年寄りの見る物」と思っているらしい。
 彼らが演奏したのは、トラッシュ・バーという、ウィリアムスバーグの音楽会場。こちらも他の会場と同じく、リースが継続できず(家賃が4倍(!)になると言われたらしい)、3月の閉店が決まった。閉店後は、ブッシュウィックに移る予定らしいが、既にブッシュウィックはヒップスターの聖地、どうなることやら。
 また、元ウィリアムスバーグにあったガラパゴスという音楽会場は、ダンボで数年営業した後、来年ニューヨークを飛び出し、デトロイトに移ることを決めた。NYの小さなアパートメントと同じ値段で、デトロイトでは10,000スクエアフィートの湖つきの会場が手に入るらしい。ガラパゴスはウィリアムスバーグ時代は、ガラス張りの外から見える会場にある湖がトレードマークだった。ダンボに移った時点で、会場に湖なんて夢のまた夢と忘れられていたが、デトロイトで初心に戻るのだろう。ゴーストタウンと言われるデトロイトだが、そろそろ移住してもいいかもと思えるようになったのは新たな希望だ。アメリカの地方都市がこれからなるべき姿なのかもしれない。もちろんいまもNYは特別で、人が集まりたい場所であることは否定できない。が、ウィリアムスバーグの家賃問題は深刻極まりないし、火事も起こる(!)。地価問題と戦いながら、バンドは残されたところで演奏して行く。露出されなければ意味がないが、転がっているチャンスを、掴むことも可能な場所だから……。

スーパーボウル
https://www.nfl.com/superbowl/49
https://www.billboard.com/articles/events/super-bowl-2015/6458199/katy-perry-super-bowl-xlix-halftime-show-review

ウィリアムバーグの火事
https://bedfordandbowery.com/2015/01/photos-six-alarm-fire-on-williamsburg-waterfront/
https://bedfordandbowery.com/2015/02/photos-epic-warehouse-fire-enters-day-2-in-williamsburg/

トラッシュバー
https://www.thetrashbar.com

ガラパゴス
https://www.galapagosartspace.com

ANDY STOTT Japan Tour 2015 - ele-king

 AFXの最新EPが先週末出た。評価された作品のすぐあとに出される作品の多くはコケるものだが、AFXは「やっぱすごいわ」と唸らせた。アンディ・ストットの『Faith In Strangers』は大評価された『Luxury Problems』のすぐあとの作品ではないが、前作が大きなインパクトだっただけに、アーティストの真価が問われる作品ではあった。『Faith In Strangers』は、「やっぱすごいわ」とファンを唸らせた。紙エレキングの年間ベストの7位である。2014年はミリー&アンドレアとしての『Drop The Vowels』もあった。こちらは紙エレキングの13位である。
 『Faith In Strangers』は、FKAツイッグスや下手したらビョークの新作ともリンクしそうなほど、彼の拡張する音楽をみせている。パワフルなベースの響きと妖艶なポップ・センスが彼の新しいライヴセットでどのように再現されるのか、注目したい。

2015.2.13 friday @ 東京 代官山 UNIT
LIVE: ANDY STOTT (MODERN LOVE, UK), STEVEN PORTER (10 LABEL)
DJ: HARUKA (FUTURE TERROR), Chris SSG (MNML SSGS)
SALOON: Viorhythm / Live: hakobune / DJ: Koba, Yuki Moriyama, medical, maki / VJ: CHRISHOLIC / Art: STONE63, ayanicoco
Open/ Start 23:00-
¥3,500 (Advance), ¥4,000 (Door)
Ticket Outlets: LAWSON (L: 78755), e+ (eplus.jp), disc union CMS (渋谷, 新宿, 下北沢), TECHNIQUE, Clubberia Store, RA and UNIT
Information: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
You must be 20 and over with photo ID.

2015.2.14 saturday @ 大阪 心斎橋 CIRCUS
LIVE: ANDY STOTT (MODERN LOVE, UK)
DJ: DJ: Kihira Naoki (S.I), Ooshima Shigeru (S.I, Mobbin hood), AIDA (Factory, Copernicus), Masahiko Takaeda (RÉCIT RECORDS)
Open/ Start 22:00-
¥2,500 (Advance, Members), ¥3,000 (Door)
Ticket Outlets: e+ (eplus.jp) または info@circus-osaca.com までお名前と枚数をお送り下さい。
Information: 06-6241-3822 (CIRCUS) www.unit-tokyo.com
You must be 20 and over with photo ID.


毛玉 - ele-king

 おおらかなメロディに、朴訥とした歌声。揺らめく光のような演奏に、緻密で繊細なサウンド・プロダクション。これぞまさにテン年代型のポップ・ミュージック/バンド・サウンドである。もしくは2010年代のサイケデリック・サウンドである。そう、毛玉のファースト・アルバム『新しい生活』のことだ。

 毛玉は黒澤勇人が2012年に結成したバンドである。メンバーは黒澤勇人(ヴォーカルとギター)、井上俊太郎(ベース)、露木達也(ドラムス)、上野翔(ギター)、落合四郎(キーボード)。いわゆる「うたもの」バンドと(ひとまずは)言える(むろん彼らはそんなカテゴライズなど無関係だ)。2012年に『毛玉EP』、2013年に『バイパスEP』を配信オンリーでリリースした。
 黒澤はもともと実験/即興音楽シーンで個性的な演奏していた音楽家だったが、いま、こうして歌い出した(もしくは、歌っていた?)。しかし、あらゆる音楽には必然しかないのだから、彼にも必然性があったのだろうし、ゆえに毛玉も生まれたのだろう。音楽を奏でるには/歌うには、確固たる理由がある。むろん、その理由の本質は、音楽を作る人にしかわからないものだが、そこに強固な偶然と必然があることは聴き手にも確実に伝わってくる。すべては音楽の中に、回答はあるのだから。つまりは聴けばわかる。
 本アルバムは、佐々木敦主宰の〈ヘッズ/ウェザー〉からリリースされた。CDの帯で90年代の「シカゴ音響派」について触れられているが、たしかにジム・オルーク『ユリイカ』を想起させる。表面上の音楽性の類似ではない。両者とも「即興と実験」を経由した音楽家に生まれる「歌うこと/音楽を奏でること」の必然性がある点だ。ここにおいて音楽は形式を超えて、「トーン」において繋がっていくことが証明されている。

 個人的なベスト・トラックは10分52秒にもおよぶ5曲め冬眠”だ。耳鳴りのような無機質な持続音に、ドラムの一打、また一打、そこに柔らかな音色のギターがフレーズを奏で、黒澤が訥々と歌いはじめる。「あの人が森の中で春を待つ」と。そのミニマルなアンサンブルは、やがてピンクフロイドのようなサイケデリック・アンサンブルへと展開していく。
 6曲め“春風”の疾走感も堪らない。そして7曲め=ラスト曲“しあわせの魔法”にいたっては涙するしかない。曲が終わり堪らず冒頭の“花粉症”へとリピートしてしまう。すると街中のフィールド・レコーディング音にギターが優しく鳴りはじめ、リズムとベースがバウンスする。左チャンネルの謎のリズム音。黒澤の歌声がクセになる。フォーキーな曲に聴こえつつも、曲構成はトリッキーで、リズムはファンキーですらある。そしてやはり左チャンネルの謎の音。まさに「新しい生活」がはじまるような曲。完璧な1曲めと最高のラスト曲に挟まれたアルバムは大抵、傑作なのだ。
 そして全曲、とにかく音がいい。いわゆる高音質ではなく、説得力のある音。とくにエレクトリック・ギターの音が本当に素晴らしい。覚醒と陶酔が同時に巻き起こる。マスタリングを手掛けたのは、宇波拓である。

 また一聴すれば、本作もまた「はっぴいえんど以降のニッポンの音楽」(佐々木敦『ニッポンの音楽』)の系譜とでもいうべき、「リスナー型音楽」の最前衛(普通の顔をしながら!)に佇んでいることがわかるはずだ。ロックからサイケ、プログレからレコメン、即興から音響派まで、さまざまな音楽の要素が見事に(微かに)、「うたもの」という音楽フォームの中に圧縮されている。2曲め“バイパス”でほんの一瞬、小さく鳴る「ピッ」という音を聞き逃してはならない。
 つまり、このアルバムが『ニッポンの音楽』の著者でもある佐々木敦のレーベルからリリースされたことにも強い必然性がある。この幸福な出会いを「しあわせの魔法」と呼ばず何と呼ぼうか。

 そして加藤遊と加藤りまによる兄妹ユニット、ファミリーベイシックのファースト・アルバム『ア・フォルス・ダウン・アンド・ポスチュマス・ノートライアティ』も必然性に導かれた音楽といえよう。
ファミリーベイシックは2007年に結成され、音響作家アスナ主宰の〈aotoao〉の『UMUリミックス』や『カシオトーン・コンピレーションVol.5』に参加する。本作のリリースは畠山地平主宰の〈ホワイト・パディ・マウンテン〉からで、マスタリングも当然、畠山地平が手掛けている。ジャケットのデザインはアスナ。ジャケット絵は天本健一である。

 本作は兄・加藤遊によって全曲の作曲・作詞・録音・ミックスが行われている。彼は90年代に渡英し、当時のインディ/オルタナシーンを体感してきたという。妹・加藤りまは90年代にネオアコ・ユニット、ストロオズのメンバーであった(彼女は、〈フラウ〉からソロ・アルバム『フェイントリー・リット』をリリースしたばかりだ。こちらも深い森を漂うようなフォーク・ミュージックで素晴らしい作品)。

 本作の1曲め“ザ・ラスト・ファイン・デイ・オブ・マイ・ライフ”を聴いたとき、私はレッド・クレイオラが1996年に〈ドラッグシティ〉からリリースした『ヘイゼル』、その1曲め“アイム・ソー・ブレイズ”を思い出した。メロウで、達観していて、でも奇妙で、しかしポップな、あの曲を。『ヘイゼル』はジム・オルーク、ジョン・マッケンタイア、デヴィッド・グラブスら(当時の)シカゴ音響派と呼ばれた音楽家が多数参加して作られたアルバムだ。ちょうどシカゴ音響派がポップ化していく時代でもあり、当時の空気をとてもよく表している作品である。つまりレッド・クレイオラのアルバムであると同時に、当時のシカゴ音響派コミュニティのアルバムでもあった。本作は不思議と『ヘイゼル』と似ている。そのメロウな雰囲気、ポップネス、そこはかとない奇妙さ、絶妙な捻くれ方、コミュニティ感覚さなどによって。アルバムを聴き進むにつれハイ・ラマズ『ハワイ』(1996)やステファン・プリナ 『プッシュ・カムス・トゥー・ラブ』(1999・本作もオルークやジョンマケ、サム・プレコップなどのシカゴ音響派勢参加。まさに傑作ポップ・アルバム)などの傑作アルバムも脳裏をよぎった。
 むろん、本作もまた過去を振り返るような作品ではない。90年代から受け継がれてきたポップ/アヴァンの遺伝子が、いまこの2010年代に熟成された(フレッシュさを失うことなく!)音楽として私たちの耳に届いたのだ。それがとても感動的なのである。音楽はつづいている。途切れることはないということ。6曲め“ サブリミナル・ジャクソン”の弾むリズム・ギターのカッティングやビートのように。

 2010年代から1990年代へ。それは過去への退行ではない。「継続が生み出す必然」だ。対称的な毛玉とファミリーベイシックだが、その継続と必然性によって共通している(余談だが2バンドともイギリス経由のアメリカ音楽を日本人として鳴らすという点では共通しているようにも感じられた)。
 2015年以降のポップ。それは90年代を継続し、00年代を超えて(これらのアルバムとともに?)はじまるだろう。私たちはいま、リ・スタートの場所に立っているのだ。

 世界でもっともユニークなレコード店のひとつ、世界でもっとアンチ・ハイプなレコード店のひとつ、東京のロスアプソンが20周年を迎える。その祝祭(宴会?)のため、我らがコンピューマをはじめ、多くのDJやアーティストが花を添える。スペシャル&豪華なメンツが揃っています。ちなみにフライヤーは五木田智央、そのデザインは、紙エレキングの若きADの鈴木聖。リキッドルームに集合して、酒飲んで踊って、寒さなんか吹っ飛ばしましょう(なんて……)。

 バブルも弾け、大震災を経験し、不況の真っ直中をサーフ続行中のレコード屋、ロス・アプソンが20周年を迎えました。西新宿から幡ヶ谷へと移転し、新奇一転?フレッシュなバイブスを発見/発掘するべく躍起となり、未開の音楽をディグり楽しみ奔走してきた20年……って、んなもん最初から気持ちは何も変わっていないのですよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ということで、やっちゃいます!(唐突だなぁ……)黄金狂乱突破イベント「GOLD DAMAGE」の10周年復活祭!!!!!!!!!! そんでもってタッグを組むのは、リキッドロフトの名物イベント「COMPUMA 7HOURS LOFT」の主で旧友、DJコンピューマ!正に鬼に金(魔羅)棒の境地であります。突破ファイティングなライブ&DJ陣をバッチリ配置し、サンフランシスコ・アンダーグラウンドからは電子妖怪!?ラバー・オー・セメントを呼んだり、伝説のラジカセ屋TURBO SONICがドドドーン!とラジカセサウンドシステムを積んだり、そこでROBO宙さんがMCったり、PA担当はDOMMUNEのPAもやったりしているNancyだったり、トビトビ・レーザーライティングのYAMACHANGがいたり、美味しいフードを充実させたり、充実のラインナップで前売券はこのお値段だったり、さらに前売券購入者特典もあり(詳しくは○○○をみてね)で、まさにお得! 当日入場者にもゴルダメ・ステッカー付き!…というようなモリモリ盛りだくさんなあれこれを、2015年初頭の恵比寿リキッドルーム1階にて、あの頃のプリンス様よろしく“Let's Go Crazy”にブチ上げる所存ですっ!!!!!!!!!! は、は、這ってでも遊びに来てねぇ~~~~~~~~~~。
(山辺圭司/LOS APSON?)

LIVE:
INCAPACITANTS
RUBBER O CEMENT (from San Francisco) feat. 宇川直宏 (DOMMUNE)
KIRIHITO feat. 中原昌也 (HAIR STYLISTICS)
KEN2D SPECIAL SPECIAL
DOWNSHOT RIG[田我流 & KILLER-BONG]
藤井洋平 with Mr.MELODY & KASHIF

DJ:
DJ NOBU (FUTURE TERROR / Bitta)
HIKARU (BLAST HEAD)
BING (HE?XION! TAPES)
1-DRINK
Shhhhh
Q a.k.a. INSIDEMAN (GRASSROOTS)
DJ 2741
LIL' MOFO
威力

GOLD DAMAGE Deejay's: ヤマベケイジ/五木田智央/COMPUMA

MC: ROBO宙

FOOD: なるきよ/虎子食堂/南風食堂
SOUND SYSTEM (1F LOUNGE): TURBO SONIC ラジカセSOUND SYSTEM
PA: Nancy
LIGHTING: YAMACHANG

ARTWORK: 五木田智央/鈴木聖

2015.1.30 friday night
at LIQUIDROOM
open/start 23:59
adv (12.13 on sale!!!)* 2,500yen
door 3,500yen (with flyer 3,000yen)

*チケットぴあ[Pコード:250-935]/ローソンチケット[Lコード:74492]/e+/ディスクユニオン(渋谷CLUB MUSIC SHOP/新宿CLUB MUSIC SHOP/下北沢CLUB MUSIC SHOP/吉祥寺店)/JET SET TOKYO/Lighthouse Records/LOS APSON?/TECHNIQUE/虎子食堂/LIQUIDROOM

前売券購入者には特典としてMIX CD「How To GOLD DAMAGE」をプレゼント!特典は会場にて当日お渡し致します。

MIX CD「How To GOLD DAMAGE」とは…
2004年にごく少数配布販売された、GOLD DAMAGEレジデントDJのヤマベケイジ/DJ卍(五木田智央)/コンピューマの3人に、BLAST HEADのHIKARUを加えた4人による、リレー方式のハウ・トゥ・ゴルダメな幻のミックス!10年ぶりに復活します!

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参ください。
*You must be 20 and over with photo ID.

info
LIQUIDROOM
03-5464-0800
https://www.liquidroom.net/

more info
LOS APSON?
03-6276-2508
https://www.losapson.net/


interview with おとぎ話 - ele-king


おとぎ話
CULTURE CLUB

felicity

Rock

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 おとぎ話はロック・バンド。大人が子供に聞かせる物語でも、貴公子たちのプログレ・バンドでもない。結成から屈折14年、男性4人組のご機嫌なロック・バンドだ。つーか、インディ・シーンで、14年もロック・バンドを続けているというのは、なかなかタフである。
 インディ・バンドとはいえ、おとぎ話は、お茶の間で鳴ったとしても違和感のない、レトロスタイルの、ドライヴの効いたギター・ロックを演奏する。曲もキャッチーだし、気のよさそうな感じの連中だ。場慣れしたステージングにはライヴハウスでのキャリアの長さを感じさせる。楽しいし、誰もクレームを入れることはないだろう。なにしろこれは、そう、「おとぎ話」なのだ。
 おとぎ話は先日、7枚目のアルバム『CULTURE CLUB』を〈フェリシティ〉から出したばかり。いったい何故ロックンロール? いったい何故バンド? いったい何故「おとぎ話」? 知りたいことばかりである。ヴォーカリストの有馬和樹と1時間あまり、お喋りをしてきた。


そのへんで育つと自分の父親が音楽的にいちばん長けている存在で、自分の父ちゃんから、キング・クリムゾンとか、レッド・ツェッペリンとか、そういうレコードを聴かせてもらって育っているんで。


僕は、踊ってばかりの国と対バンしているときに初めて見たぐらいの……。

有馬:シェルターかな?

そう、シェルター。2年前ですよね。そんなだから、おとぎ話をインタヴューをする資格がない人間なんですけど。

有馬:ハハハハ、そんなことないじゃないですか(笑)。

だいたい今回のアルバムが7枚目っていうのがびっくりして。

有馬:お、ホントですか。

だって、そんなに長くやっていたんですね。

有馬:実は長い……(笑)。

しかも結成が2000年。

有馬:そうなんですよ、むちゃ長いんですよ(笑)。

しかも結成から7年後の2007年にファースト・アルバム。

有馬:あっははは。稀に見るバンドですよ。

たしかに稀に見るバンドかもね。

有馬:地下に潜り続けているバンドです(笑)。

なんでそんなに長く続けられるんですか?

有馬:仲良いからじゃないですかね、メンバーが。

ああ。

有馬:大学のときに結成して、ずっとやってるんで。ま、ずーっと喧嘩してきたんですけど、最近仲良くなったんで。仲良くなるためにやってきたんじゃないですかね。

ああ。

有馬:バンドが続いているのは、それしかない。

いや、その仲の良い感じは、ステージを見ていてもすごく伝わってくるんですよ。

有馬:はははは、すいません(笑)。

「ロックンロール」という言葉が、“少年”という曲でたびたび出てきますが、いまの音楽シーンにおいては古典的な意味でのロックンロール神話というものは、本当にないと思うんですよ。

有馬:まったくないですね。

僕はロックンロール黄金時代のお尻の世代なんですね。パンクの世代だから。でも、僕自身は、ロックンロールを追うのは昔にやめていて、もう長いあいだロック以外の音楽ばかり聴いてきているんです。

有馬:そうなんですか。

でも、セックス・ピストルズとクラッシュとRCサクセションに対する愛情だけは変わらずにあるし(笑)。

有馬:ハハハハ。

ロックというジャンルに対する思いよりも、特定のバンドに対する思いになってしまうんです。でもおとぎ話はガチにロックンロール・バンドなわけですよ! 有馬くんの世代にとって、ロックンロールというものはどこから来ているんですか?

有馬:どうなんですかね。

何があったんですか? 何がよくてロックなんですか?

有馬:僕は……いま33歳なんですけど、小学校のときは小室とかの世代で、小6ぐらいになると二分化されるんですよね。とんねるずとかタモリとかで深夜番組を小学校6年生とかで見はじめちゃうのと、普段流れているオリコン系のわかりやすいものと選ぶタイプに二分化されていたんですよ。けっこうヤンキー文化だったんで。

横浜のどのあたりですか?

有馬:戸塚っていって。

なんかガラが悪そうですね。

有馬:サイプレス上野先輩とかサケロックのハマケンとかがいる学校のとなりの中学校とか小学校に通っていたのですが、カルチャー的には本当に過疎地でした。

それは過疎地じゃないでしょ。

有馬:ハハハハ。

それだけで言ったら、過疎地じゃないでしょ。

有馬:それだけで言ったらそうなんですけど(笑)。

むしろカルチャー的じゃないですか。

有馬:ただ、ちょっと離れるとヤンキーが強くて。そいつらの下でびくびくしながら生きているようなところもあってね。

へー。

有馬:そこだったんで、自分の意志で選択することができないような。

駅で言うとどこ?

有馬:泉区っていうのがあって、戸塚駅からちょっと離れるんですけど。

大船のほう?

有馬:いや、あっちまで行かないです。湘南台とかわかります?

あ、わかる。小田急線の。

有馬:その、真ん中あたりなんすよね。

あー、あのへんとか、僕からしたら未知のゾーンですね。

有馬:完全に未知だと思いますよ。相鉄線の最後のいずみ中央っていう駅とか。

はー。

有馬:そのへんで育つと自分の父親が音楽的にいちばん長けている存在で、自分の父ちゃんから、キング・クリムゾンとか、レッド・ツェッペリンとか、そういうレコードを聴かせてもらって育っているんで。

団塊の世代?

有馬:そうです、団塊パンチですね。

ロックのゴールデン・エイジの。

有馬:そのオヤジの影響があるから、先輩が聴いているようなボン・ジョヴィとか聴いたとき、すげーダセーなと思って。もうそれだったら、とんねるずのほうにロックを感じていたんで。だから、ロックンロールなんか最初からないんですよね(笑)。

えー、でもおとぎ話はスタイルとしては完全にロック・バンドじゃないですか。

有馬:そうなんですよ。超ロックですよね。でも、そこにこだわっている感じはないですね。

またー。

有馬:自分自身がそんなにロックンロール・スターに憧れているわけじゃないし、ロックは死んだって言われているなかで聴いていたから、ニルヴァーナとか。あー、ニルヴァーナとか聴いたな。

でも、お父さんからの影響のほうが大きかった?

有馬:レディオヘッドを最初に聴いたとき、「プログレだ」って思って。めちゃくちゃ嬉しくて。

有馬君は、レディオヘッドがドンぴしゃな世代だよね。

有馬:だから、オヤジに聴かせたくてレディオヘッドを買うんですよ。で、オヤジに聴かせたら、「何コレ!?」って(笑)。

ハハハハ。

有馬:「むっちゃプログレだよ、おまえ!」って。

なるほどね。お父さんからの影響っていうのは、ポイントだよね。

有馬:だいぶポイントだと思いますよ。下津とかと話したときも、下津って、オヤジの影響が超濃いじゃないですか。

そうなんだ?

有馬:「そこをおとぎ話が体現してくれているから、俺、東京出てくる決心ができたんや」って。「おれ背負ってる。重てー」って思いましたけどね(笑)。でも、最初の段階がそこなんで。

おとぎ話は、お揃いのステージ衣装とか、60年代っぽいバンド・サウンドとか、レトロなテイストが入っているじゃない?

有馬:ありますね。

あれが何だったのか、いままでの話を聞いてわかりましたね。

有馬:わかりました(笑)!?

お父さんからの影響なわけでしょう!?

有馬:たしかにそうなんですけど、オヤジがすげー偏っているんですよね。めちゃブルース好きだったりとか。でも、オヤジが超好きで、ずっと聴いていたのは、ツェッペリンとクリムゾンとピンク・フロイドでしたね。でも、自分たちで演るときは、僕フーとか大嫌いなんですけど、勉強のために聴いてみたりもしたりしました。

フーは違った?

有馬:うちのオヤジはフーとかは全然好きじゃないし……。オヤジが好きなのをばっかり聴いていたので、俺も偏っているでしょうね。人からは、グラムロックっぽいって言われたりとかするんですけど、実はそんなに通ってなかったり。

髪型がそうやって見えるだけじゃないの(笑)? その髪は天然パーマなの?

有馬:天然パーマです。最初はストレートだったんですけど、マンガとかアニメが見たくてお風呂の時間を削っていたらシラミがわいちゃって(笑)。そこでボーズになって、髪が生えたときに天然パーマになっちゃったんですよね。

そんなことってあるの?

有馬:戦後みたいなんですけど(笑)。

お父さんの影響で音楽をはじめたひとたちが最近はわりと多いね。僕らが若かった時代では絶対にありえなかった話だな。当たり前だけど。

有馬:そうですよね。

おとぎ話って名乗るくらいだから、いまやロックこそファンタジーだという?

有馬:むしろ変なことをしたかったんですよね。そうするんだったら、サウンドとか立ち振る舞いとかが変なんだけど、「ガンバの冒険」や「銀河鉄道999」のエンディングに使われているような曲をやることが最初のコンセプトだったので。

なるほどね。シニカルな言い方で申し訳ないけれど、ロック・バンドと呼ぶにはあまりにも「いいひとビーム」がすごいというか。

有馬:うんうん、わかります。

だいたいロック・バンドっていうのは、性格が悪いヤツがヴォーカルじゃなきゃいけないし。見るからにバンドのメンバーも悪そうで、それで初めてロック・バンドと言えるでしょう(笑)?

有馬:自分が最初に「うわ! ロックだな」って憧れたバンドは、高校生のときに聴いたペイヴメントなんです。普通の人がステージに立っちゃっている感じに憧れていましたね。それが超ロックだと思ったな。

僕でも有馬くんの時代では、すでにグランジも過去のものだったし、普段着でステージに上がることが一般的になっていたでしょう?

有馬:そうなんですけど、なんなんですかね。あのペイヴメントに対する感覚って。これはいままでとは違うなって思うようになって。


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オヤジが好きなのをばっかり聴いていたので、俺も偏っているでしょうね。人からは、グラムロックっぽいって言われたりとかするんですけど、実はそんなに通ってなかったり。


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初めて会ったときにタイ・セガールの話をしたんだけど、有馬君は大好きなんだよね?

有馬:タイ・セガールとか好きですね。もう死んじゃったんですけどジェイ・リータードとか、ああいうのが好きなんですよね。音源出しまくったりとか、見境がない感じっちゅうか、なんかもうバカっていうか、そういうのが。俺らも、いままではバカが足りない感じだったので、今回はだいぶバカになったかなと思ってるんですけど。これからの方がもっとバカがやれるのかというか。

なるほどね。

有馬:〈UKプロジェクト〉から出していたときは、わりかしガチガチで「もっとこうした方がいいんじゃないの?」とか言われたり。軽いディレクションとかが常に入っていたので、そこに反発しながらやってましたね。で、〈ローズ〉からも2枚アルバムを出したんですけど、そのときは何も考えずに頭に浮かんだ言葉をそのまま歌詞にして。そのへんから自分たちでもうまくはじけるようになって。
 前作はまた〈UKプロジェクト〉から出したんですけど、そこでデトックスして、次にアルバムを作るんだったら〈フェリシティ〉から出したいと考えていて。そんなときに(レーベルを仕切る)櫻木(景)さんに声をかけさせてもらったんですよね。

有馬くんから櫻木さんにアプローチしたんだ。「おい、櫻木、おれらと一緒に組まないか?」って(笑)。

有馬:いや、「是非、よろしくお願いしたいんですけど」って(笑)。でも、そのときは「お前のことはむかついている」って言われて(笑)。

それはヒドいですね。

有馬:肩をがっつりつかまれながら2時間ぐらい話されましたから。結果、いい感じにケンカしながらできたんで良かったですね。

へー。話は戻るけど、結成からアルバムを出すまで7年間はどうやって過ごしたの? まだ大学に在学中だったんだよね?

有馬:そうですね大学にいた頃にバンドを作ったんですけど。人間形成がまったくなされていないうちに大学に入っちゃったので……。

人間形成されてから大学に入るってことって、あんまないじゃない(笑)?

有馬:でも、大学に入るときってみんなしっかり学部とか選んでくるじゃないですか? あと大学に入ることがゴール地点みたいな人もいるじゃないですか? 僕は完全にそうだったので。入学してから授業も面白くないし、何をすればいいんだってなっちゃって。それでいままでやったことがないことをやろうと思ってバンド・サークルに入って組んだバンドがおとぎ話で。最初は曲作りもしたことがなかったし、ギターもかじる程度だったんです。でも無理矢理バンドを組まされてやるじゃないですか? そのときに見た目なのか、持っていたオヤジのギターが珍しかったのか、すごくちやほやされて。

お父さんのギターはそんなにカッコいいギターだったの?

有馬:普通にSGだったんですけど。

ギブソンの?

有馬:はい。そのときってゆらゆら帝国がめちゃくちゃ流行っていて、「なんでSG持ってんの? しかも天然パーマだし」みたいな(笑)。

それはそう言われるよね(笑)。

有馬:俺、そのときゆらゆら帝国を知らなかったんです。だから、こんなひとがいるんだってびっくりして。それから大学1年のときはゆらゆら帝国とかDMBQのライヴに通いまくりました。

まさに高円寺で。

有馬:はい。とくにDMBQのライヴにめっちゃ行きましたね。これはツェッペリンだと思って(笑)。

ずいぶんとアンダーグラウンドなところだねー。

有馬:自分では自覚していなかったんですがアンダーグラウンドにズブズブいっちゃって(笑)。ちょうどインターネットも出はじめだったので、自分で調べてTシャツとかデッドストックのやつとかも買えるじゃないですか。そのときはだいぶお金を使いましたね(笑)。そこから入って音楽を演奏するようになるんですけど、ギターもあまり弾いたことがなくてバンドが上手くできるわけがないんです。だから最初の2年くらいはわけがわからない感じでやってましたね。ふたつ下でうちのギターの牛尾(健太)くんが入って、あいつはギターが上手で、そこから自分がつくりたいような曲を作るようになって。それで結成4年後くらいに峯田(和伸)さんにデモテープを渡した頃には、おとぎ話は1曲10分くらいのバンドになっていました。

プログレだね。

有馬:超組曲です。

ははは。

有馬:15分の曲のなかに、8曲入っていたりとか(笑)。4分くらいギター・ソロを弾かせたりとか。ドローンっていう音だけで、イントロを10分くらいやったりとか。ライヴでは3曲だけやって終ったり。そんなことばっかりやっていましたね。

まったく想像が付かないね。

有馬:5曲で40分くらいの音源を渡していたら、峯田さんにブログで「スゲエ良い」って書いてもらって。それで人も来るようになっちゃったんですけど、普通の曲を作らなきゃダメだって思って、3分くらいの曲をたくさん作るようになってデビューするんですよね。そこに至るまでさらに3年かかりました(笑)。

すごいね。さっきも話したけどバンドを長く続けるモチベーションって何なの?

有馬:最近のひとたちって長く続かないですよね。オウガって長いじゃないですか?

彼らは拠点が長野だからさ。

有馬:そうか。おとぎ話みたいに東京でこんなに長く続けるバンドってすごいのかな……。

世知辛い話だけど、メンバー間の人間関係だけじゃなく、維持するには、経済的な問題もあるじゃないですか。

有馬:そういう問題はおとぎ話にもめちゃくちゃ転がっていますけどね。

若いうちはいいけど、いずれ仕事をどうしようとかさ。

有馬:うちのバンドには結婚しているメンバーもいますからね(笑)。

じゃあ、この結成14年、アルバム・デビューしてから7年の間にものすごくいろんな……

有馬:修羅場ばっかりでしたね(笑)。

とてもおとぎ話とは言えない(笑)。

有馬:バンドを組むときって最初は友だちじゃないですか? それで、絶対売れなきゃいけないとか成功するとか、そういう目標を設けていなかったのがよかったのかな。最初にアルバムを2枚くらい出したときとかはそういう話をしていたんですけど、〈UK〉からいったん離れたときはただ単にバンドをやるのが楽しくなっていました。さっき適当にやったって言ったじゃないですか? そのときにいまも一緒にやっているようなバンドと出会ったんですよね。そこが良かった感じがするんですよね。

ウィキペディアを見る限りではさぁ、ロッキン・オン・ジャパンみたいな大きなフェスにも出てるじゃない?

有馬:ウィキペディアすごいですよね(笑)。わりと出てましたね。

コマーシャル的なところでは、恵まれていたんだね。

有馬:そうなんですけど、これはじぶんのせいでもあるんですけどなんかつまんなかったんです……。楽屋で酒飲んでいるときに、お互いの交流が生まれたりとか、セッションがいきなりはじまったり、音楽についての会話があったりとか、もっとたくさんあるのかなぁって思ってたんですがそういうのがないんですよ。

ビジネスになってしまってる?

有馬:そういうのがフェスだと思っていたんですけど、でも自分が出ていたとこではそんな交流は一切なくて。みんながみんな自分を輝かせるために、売れるために頑張っている感じが見ていてすごく寒くなっちゃって、「誰か音楽の話ができるひといないのかな」って思っているときに唯一友だちになってくれたのが、出戸くんでしたけれども(笑)。

そうなんだ(笑)。

有馬:あの期間で財産になったのはそれくらいじゃないですか? それ以外はなかったですね。みんなが「〜さんはじめまして」って挨拶していて全然面白くなくて。

違和感を感じた?

有馬:めちゃくちゃ感じました。小学校のクラスみたいにみんなと仲良くしなきゃいけない場所で自分は音楽をやらなきゃいけないんだって考えると、すごく嫌だなって。それで、これからは自分たちでやれることは全部自分たちでやろうと思いはじめたんですよね。でもレーベル幻想みたいなものもあって、レーベルと常に一緒にやりたいと思うことは、ロックに憧れている理由のひとつなのかなって感じはちょっとしました(笑)。例えば〈サブ・ポップ〉とか〈マタ・ドール〉とかみたいなものを考えていて、そういう感じでインディとしてやり続けたいという気持ちはあるかもしれないです。

USのインディ・シーンも、日本のレコード店に行っていると、あまり作品が入ってこないし、トレンド的にはここ数年は落ち着いてるかなって印象があるけど、土台のところで太いものがあるから、この文化は、なんだかんだ絶対にあり続けているからね。

有馬:そうですよね。タイ・セガールとかはちょっと悪そうな感じがするのがいいんですよね。あんなにいろんなレーベルを股にかけて、1年の間に8枚くらいアルバムを出すバカみたいなヤツっていないじゃないですか? そういうのがすげぇ良いなって思ったりしますね。

でも、おとぎ話って、ま、これもウィキペディアによるとですが(笑)、ロッキン・オン・ジャパンみたいなところに出たりとか、くるりと一緒にやったりとか、いわば王道を行っていたということは期待されていたということなんじゃないですか?

有馬:期待されてましたよ、たぶん。だけど、期待に答えたくない感じもありました。期待されると裏切りたいっちゅうか。「そんなにレベル高くないので、ゆっくり見ててくださいよ」みたいなことを当時は思ってましたね。

それはいま言って言い訳にはならない?

有馬:どうなんですかね(笑)。でも実際に当時はそうやって思ってましたね。自分が好きじゃないからっていう理由で素直に断ることが多かったので。

メインストリームのロックには違和感を感じつつも、だからといって敷居が高いこともやろうとは思ってもいない。だから俺はいい意味でお茶の間の感じじゃんって思ったのね(笑)。

有馬:それくらいでいたいんですよね。それでいて、「お前ら、だから言っただろ?」って言いたいっていうのがずっとあるんですよ。基本的には誰でも聴ける音楽をやりたいっていうのはずっとあるんですけど。

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タイ・セガールとか好きですね。もう死んじゃったんですけどジェイ・リータードとか、ああいうのが好きなんですよね。音源出しまくったりとか、見境がない感じっちゅうか、なんかもうバカっていうか、そういうのが。


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で、なぜロックなんですか? 「ロックンロール・イズ・デッド」ってわざわざ言っているということは、本当はロックンロールに生きていてほしいということだと思うし。

有馬:何なんですかね? ロックンロールがスーパー・ヒーローになって欲しいというのはあるんですよね。まぁ、わかりやすい例だと『ドラゴンボール』の悟空とか(笑)。

お父さんからロックンロールはどのように教わったんですか?

有馬:オヤジにワイト島の映像を見せてもらって、「これがロックだろ?」みたいな。

マイルス・デイヴィスとかが出ていて最後に暴動が起きるやつだよね? 全然おとぎ話と違うじゃん(笑)!

有馬:それでフリーとかをみて、「やべぇ、超ロック」って思って。でもそれがロックだとすると、自分がそこから思い描いてきたロック像ってまたかけ離れているから。

わかった! ロックが、お父さんから聞いたおとぎ話っていう意味なのでは……?

有馬:ハハハハ(笑)。笑っちゃいますけどそれはあるかもしれないですね。

しかし、ワイト島がどうしてファンタジーなのか……あの映像は、ウッドストック的なもの、ああいうラヴ&ピース的なものの終焉を描いているから。マイルス・デイヴィスとか、みんな演奏がラヴリーな感じじゃなくて、もっとこうなんか……

有馬:殺伐としていますよね(笑)。でもそれが幻想としてあったのかも。「ロックンロール・イズ・デッド」とか言っちゃうのは、基本的には負けの美学みたいなものが根付いているというか。哀愁を帯びたものがすごく好きなんですよね。

有馬くんの世代は、わりと若いうちから大人になれって言われてきた世代じゃない? 

有馬:完全にそうですね。でも、俺はずっと子どもでしたよ。

大変だよねぇ。しかし世の中はそうでも、有馬君のお父さんはちがうよね? お父さんは子どもでいろって自分の子どもに教えているわけだからね。

有馬:ホントそうですね。大学に行けば何をやってもいいって言われましたから。「俺が中卒だから」っていう理由だったんですけど(笑)。

ハハハハ!

有馬:「俺が中卒で苦労したから、お前は大学へ行け」と。だから、大学には行ったんですけど、そこからだいぶ子どもになりましたね。

理解のある家庭だったんだね。不良になる理由がなかったでしょ?

有馬:たしかになかったですね。だけど不良には憧れていましたね。でも、その憧れている不良の対象というのがとんねるずっぽさだったりとか。

世の中の不良とは違うよね。

有馬:電気グルーヴがツアーのタイトルに「野糞探し」って付けたりしていて、意味わかんねぇみたいな。ああいうものが自分のなかの不良形成のもとになった気がしますね。

電気グルーヴはいつ聴いたの?

有馬:小中ですね。中学のときに“シャングリラ”って感じじゃないですか? ああいう大人がふざけている感じが気持ちよかったですね。

高校時代は何を聴いていたの?

有馬:ブリット・ポップが流行っていたじゃないですか? めちゃくちゃ好きになってそういうのを一通り聴きました。で、そのとき本当にハマったのはヨ・ラ・テンゴとかフレイミング・リップスでした。

サイケデリックだね。

有馬:そっちの方に行っちゃうんですよ。これは面白いからこれからもずっと聴いていくだろうなって感じました。

いまにしてみたら絶対にブリット・ポップでしょ?

有馬:そうですね(笑)。でもブリット・ポップで好きだったのもパルプだったりとか。あとブラーも好きだった。

でも、パルプみたいに屈折した感じはないでしょ?

有馬:そうなんですよね(笑)。そのへんで言うと、俺はすごく『少年ジャンプ』的な考え方ですね。この先自分から出てくるものが楽しみなんです。アルバムつくっていたこの2年間に環境的にも変化があって、同棲していたんですけど、それも終っちゃったので。

ふられたの?

有馬:まぁいろいろとありましたね(笑)。6年間同棲していたんですけど、結婚になかなか踏み込めなくて、最終的に別れることになっちゃって。いまはひとり暮らしになったんですけど。

じゃあ、その彼女に対する思いがこのアルバムには詰まっているわけだ。

有馬:詰まってますね(笑)。エンケンさんも「ラヴ・ソングは良い」と言ってますからね。

遠藤賢司とおとぎ話はなかなか結びつかないなー。

有馬:共演もしています(笑)! 自分ルールみたいなものがあるんですが、ライトななかに、たまにドキッとするような感じの言葉が散りばめられている(だけど)といいなと。そういうのが一番下にあって、どっかひとを遠目に見たいというのがあるんです。

ステージ衣装はどういうところから来ているんですか?

有馬:わかりやすいかなと思っただけなんですよね(笑)。見た目が本当はわかりやすいから、そのまま出続ければよかったんですけど。ちなみに今年からは普段着でやろうかなと思っているんですよ。
 俺たちは明治学院大学出身で、(同じ学校出身の)ミッシェル・ガン・エレファントも服を買っていた並木っていうお店で1回くらいスーツを作ってみようってなって(笑)。で、〈ローズ〉から出したアルバムのテーマ・カラーが黄色だったので、黄色いスーツを作っちゃえと。

あのスーツの形は一昔前の、言い方が悪いけど、キャバクラのショーとかで着られていそうなやつだよね(笑)。

有馬:手品師みたいな感じになれば良いねみたいなことは言っていましたよ。

モッズ・スーツに金を出すんじゃなくて、あえて手品師のスーツに(笑)。

有馬:「そんなんやるやついないでしょ?」っておとぎ話は常に言っているかもしれないですね(笑)。うちのドラムとかは「有馬はバコーンってわかりやすいストレートな曲を書くから、逆にこんなんやってるやついないだろって感じを他のことでやれば?」って言っています。

自分のなかで理想的なロック・バンドってどんなバンド?

有馬:あーでも、『ホワイト・アルバム』を出したときのビートルズとかは……

メンバーの仲が悪いじゃん。バンドとしては解散状態だよ?

有馬:あれで仲が良かったら最高なんじゃないかなって思うことがあります(笑)。

やっぱり60年代のバンドなんだね。

有馬:そうですね、そっちにいっちゃいますね。

“ハロー・グッバイ”もカヴァーしていたし。

有馬:でも結局このアルバムを作っているときも「これがビートルズの『リヴォルヴァー』だったら」って考えたりしました。勝手に自分のなかで『カルチャー・クラブ』は「リヴォルヴァー期」とかって思ってました(笑)。

同名曲ではサブ・カルチャーについて歌っていますけど、これにはどのような意味が込められていますか?

有馬:ひとつだけ言うと、ツイッターとかみんなやってるけど……お店とかで「サブカルはこれです」とか「サブカル好きはこういう音楽が好き」って雑多にカテゴライズされていて、サブカルが決まり切ったものとして流通しちゃっているというか。
 たとえば、昔読んでた雑誌の『バースト』だってサブカルを感じるてたんです。自分にとって、触れちゃいけないところに飛び込んでいって、自分のなかでいろいろ培っていくのがサブカルみたいな。サブカルって言葉自体も神聖な感じがしたんですよ。日常生活で簡単に情報が入ってくるのが嫌で自分が選択したものがサブカルだと思っていたので。

なるほどね。

有馬:たまに最近サブカル好きが話しているのを聞いていると、気持ち悪くてウザいなって。サブカルってものがすごく型にはまっているというか。まぁでも、この曲は笑いながら作ってましたけどね。

アイロニーとして、“カルチャー・クラブ”だったんですね。

有馬:「サブ・カルチャー」って言葉を曲のフックになるところで入れたから、「じゃあ“カルチャー・クラブ”でいいか! 「カーマは気まぐれ、カメレオン」だもんね」とか言って(笑)。そうしたら櫻木さんから「アルバムのタイトルは『カルチャー・クラブ』が最高です!」って言われて、「えー!」ってびっくりしましたけどね。

櫻木さんもたまに判断を誤ることがありますからね。

有馬:ハハハハ(笑)!

※バタン!(勢いよくドアが開く音)(なんと、ここで櫻木さん登場)

有馬:おお、すごいタイミングで!

いまの会話聞いてたの? すごいタイミングだよ(笑)。

有馬:びっくりした(笑)!

櫻木:清水エスパルス!

有馬:野田さんからフックのあるひと言があったので(笑)。

櫻木:まだこれ取材中ですか?

思い切りそうです(笑)。

有馬:ちょっと面白かったですね!


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結局このアルバムを作っているときも「これがビートルズの『リヴォルヴァー』だったら」って考えたりしました。勝手に自分のなかで『カルチャー・クラブ』は「リヴォルヴァー期」とかって思ってました(笑)。









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つうか、恐いほどすごいタイミングだったよね。えーと、おとぎ話っていうバンド名は、さっき僕はファンタジーって言ったけど、“カルチャー・クラブ”の話を聞いていると、それもある種のアイロニーなのかなと思いすね。

有馬:いまはそうなりましたね。

このアルバム・ジャケットも、何回もひねって作ったんでしょ?

有馬:これはわりと初期段階で決まりましたよ(笑)。

これはある意味ではさっきのステージ衣装じゃないけど、まぁあれに近いセンスというか。

有馬:これの背景がピンクなのは、俺はキュアーがすごく好きで、キュアーのファースト・アルバム『スリー・イマジナリー・ボーイズ』がピンクだったからです。

ああ、冷蔵庫のジャケットのやつね。しかし、なんでそんなに古いのばっかり知ってんの? それはお父さんからじゃないでしょ?

有馬:そのへんは自分ですね。

キュアーかー……、まったく気づかなかった(笑)!

有馬:実はそうなんですよ。

たしかにアイロニーとしてのロックンロールっていうのもあるのか。でも、アルバムの最後のほうは、感傷的で、青春の使者と化していくじゃない?

有馬:“オーロラ”は自分の叙事詩みたいになったんですけど、“告白ジャム”とか“ピカピカ”とか“おとぎ話みたいねと笑ってばかりの君が”とかはまったく考えないで作った感じが出ていると思います。

自分の内面の叙情性は見せたいものなの?

有馬:本当はしたくないですね。ツラいので(笑)。

ハハハハ。だろうね。

有馬:でもせっかく音楽をやってるので、書いておこうかなと。いま残しておきたいことを残しとこうという感じですかね。

日本語の歌詞で好きなひ人って誰?

有馬:前野健太とか。ソロになったばっかりの奥田民生とかは良いなと思います。他には……三上寛かな。マンガを読んで歌詞を書くことが多いですね。マンガの主人公になったつもりとか。今回のアルバムで、個人的に好きなのは2曲目の“きゅーと研究会”と6曲目の“光の涙”と……。このへんの曲は自分が楽しんでいる感じがしますね。

“きゅーと研究会”もシニカルだよね。

 有馬:自分が本当に楽に書けるのは“きゅーと研究会”のような歌詞なので。“ピカピカ”とかは自分のなかではデヴィッド・ボウイの“スターマン”とかのつもりで作ったんですけど(笑)。

なるほど。じゃあまとめに入ろうと思うんですけど、これからの抱負は?

有馬:バンドとしてはよく続いたし、楽しければいいなと思うんですけれど、もっといろんな場所に呼ばれるバンドになれればいいなと思います。各地の面白いひとしか出ないような会場に出たいです。

長年ライヴハウスで活動してきたわけですが、最近のライヴハウス・シーンはどうでしょう?

有馬:ライヴハウス・シーンは正直に言うと、本当にやばいと思いますね。本当に面白くないから、やべーなと思いますね。カッコいいバンドがいないんですよ。

そうなの?

有馬:音楽を聴いてない子たちが多いんです。人がが本当に音楽を聴きに来ているのかわからないと思うところがあります。それは昔ライヴハウスでやっていたとき、つまりファースト・アルバムを出す前くらいのときと全く違う感じがする。当時はこういうことを自分もやってみたいなと思うバンドがたくさんいました。それこそ、あふりらんぽとかと対バンしたし。CDを出す=実力がある人っていうことだったと思うんですけど、最近はそうじゃなくて、誰でも作品を出せられるようになっていて。

それはお父さんが悪いんじゃないんですか?

有馬:うちのオヤジ(笑)?

ちがうちがう。いまの若いバンドのお父さんが子供に良い音楽をしっかり伝えていないんじゃない(笑)。

有馬:伝えてないですね。じゃあ、俺らのせいか(笑)。

おとぎ話はライヴハウス・バンドなのかもしれないけど、どっかのディナー・ショーで演奏していてもおかしくないバンドだから、そのへんの場所選びが難しいよね。

有馬: そうなんですよねぇ……。夜中のイベントだと何故か本当に盛り上がっちゃったりするんですよ(笑)。

現代のポップ・ミュージックのメインストリームは、打ち込みの音楽だと思うけど、EDM的なものに違和感を抱いている人たちだって絶対にいるわけでしょ。ギター・バンドはチャンスがあると思うんだよ。

有馬:最後のチャンスが(笑)。

みんながAが良いと思っているときにその対岸のBもあるはずだから。そこにおとぎ話がうまく上昇気流に乗って。

有馬:B地区の先輩として君臨したいな(笑)。

しかし、写真だと有馬くんは恐い顔をしてるよね(笑)。ほら、目つきが恐いじゃん。

有馬:僕、デフォルトではわりと恐いんですよ。ステージでははしゃいでるモードに入ります。今年はもっと面白いことをやっていくと思います。

今日はどうもありがとうございました。この先もがんばって続けてくださいね。





おとぎ話「CULTURE CLUB」リリースツアー
CUTE BEAT CULTURE CLUB BAND TOUR

2015年2月18日(水)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:神奈川県 横浜 club Lizard
共演:ASPARAGUS

2015年2月21日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:静岡県 UMBER
共演:忘れらんねえよ

2015年2月26日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:京都府 磔磔
共演:LOSTAGE

2015年2月27日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:福岡県 MUSK
共演:ボギー

2015年3月1日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:広島県 4.14
共演:LOSTAGE

2015年3月6日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:宮城県 仙台 PARK SQUARE
共演:SISTER JET

2015年3月13日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:北海道 札幌 COLONY
※ワンマン

2015年3月19日(木)START 19:30
会場:愛知県 名古屋 得三
※ワンマン

2015年3月21日(土・祝)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 十三 FANDANGO
※ワンマン

2015年3月23日(月)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 渋谷WWW
※ワンマン

料金:各公演 前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

その他、インストアライブ情報はこちら!
https://otogivanashi.com/


 アイスランドのインディ・シーンが熱い? 2013年に、毎年11月にレイキャビックで開かれる音楽フェスティヴァル「アイスランド・エアウエイヴス」に行って以来、すっかりアイスランドの音楽にハマっているNY在住の沢井陽子。Randam Accese N.Y.番外編として、アイスランド・シリーズ行きます。ビョークの新作も発表されたし、アイスランド人気、日本にも押し寄せそうです。
 まずは、ジャスト・アナザー・スネイク・カルトというバンドのメンバー、ソーリのインタヴュー。アイスランド生まれで、アメリカ育ちの彼は、両国のインディ・シーンを知っています。

interview with Þórir(ジャスト・アナザー・スネイク・カルト)


取材に答えてくれた、
ジャスト・アナザー・スネイク・カルトの
Þórir(ソーリ)

まず自己紹介をお願いします。

Þórir(ソーリ):僕はジャスト・アナザー・スネイク・カルトというバンドのÞórir(ソーリ)です。エクセントリックなローファイ・サイケポップをプレイしています。https://snakecult.tiredmachine.com

どのくらいアイスランド(レイキャビック)に住んでいますか? 現地の生活について教えてください。

P:僕はレイキャビックで生まれ、子供から青年期にかけてアメリカで暮らしました。レイキャビックには5年前に戻ってきました。冬は長く気候は恐ろしいけど、家の中は暖かいので、創造的なことに集中したいなら最高の場所です。週末の夜は、知っている人全員が、同じバーでいるのを見かけます(笑)。とても居心地が良く好きだけど、アメリカが懐かしく感じるときもあります。アイスランドは、ニッチェなシーンを支持できないくらい人口が少ないけど、自分のことだけに集中出来るメリットがあります。アイスランドは不毛で、木や野生動物が懐かしく霜が多すぎます。夏のあいだ少し暖かくなったとしても、日中のある時点で温度がいきなり下がるから、セーター無しでは家から出られないです。

私は、2013年〜14年の「アイスランド・エアウエイヴス」時にレイキャヴィックに滞在し、ユニークなインディ音楽シーンと文化に魅せられました。アイスランドは、一度経済崩壊した国にも関わらず、少なくとも、同じように、経済的、将来の不安にさらされながら、活動している他の国のインディバンドたちに比べて、とても元気で活発なエネルギーがあります。それはなぜでしょうか。

P:銀行が崩壊する前、アイスランド人の生活にはバブルが繁栄していました。銀行と国民の大多数がお金を借り、無責任に投資し、その富がどこから来たのか誰も疑わなかったのです。崩壊時も、アイスランド人はそんなに貧困になりませんでした。自己破産して、自分の家や車を売った人もいましたが、食べ物に困ることはなかったし、むしろ物事は普通に戻りました。人びとは働いて借金を返さなくてはならなかったですが、仕事はあったし、社会保障もありました。
 銀行経済に失敗すると、アイスランド政府は、観光事業に力を入れはじめました。アイスランド通貨の価格が下がったので、観光客は行きやすくなりました。アイスランド自身は、魚とヴィデオゲーム以外、ほとんど生産能力がないので、外貨の流入は、アイスランド人の消費者運動に必要でした。政府はアイスランドと文化を外国に強く促進し、観光地をアピールしました。結果として、アイスランドのミュージシャンにもたくさんのサポートがあり、外国に進出することを助けてくれました。
 が、同時に政府は、近くしか見えていないことも多く、音楽会場を閉め、それをホテルや観光客のための物に建て替えました。観光客の季節には、本当のアイスランド人を、ダウンタウンで見かけることはありません。全員観光客なのです。家は、高い値段で観光客に貸されるため、夏の間だけでも、手頃な価格で住む所を見つけるのが難しくなりました。
 サンフランシスコやニューヨークで起こっていたような、同じ文化の死が、レイキャビックにも起こっているのはおかしいですね。いま、レイキャヴィックの音楽シーンは、黄昏時かも知れません。アイスランドの難しいところは、他にアーティストが行く場所が無いことです。アイスランドのアートや文化を海外に促進し、支持してくれても、住むのが難しくなって来ています。いずれは、バランスが取れるのかも知れませんが。
 音楽やアートを作るときは、やりたくてやるので、ほとんどの人は、そこにお金は絡みません。アイスランドにはミュージシャンをサポートする十分な人口はありません。退屈な大衆音楽を作っている一部の大物ミュージシャンをのぞいて、コンサートやレコードの売り上げで生活出来る人はいないのです。大多数のアーティストが、いつも金銭面で奮闘していますが、これは銀行が崩壊した前も後も、変わらないと思います。

レイキャヴィックに、マクドナルドやスターバックスがないのはなぜでしょうか?

P:経済的な理由からだと思います。他のフランチャイズは、アイスランドで経営するため、より利益を生む企業家でした。他にも、KFC、サブウェイなど多くの多国籍なチェーン店があり、ビジネスモデルを真似た地元のチェーンもあります。マクドナルドがクローズしたのは、フランチャイズのオーナーにとって、自分のハンバーガー屋でビジネスをする方が利益があったからだと思います。

アイスランドの人びとは、反グローバリゼーションを意識しているのでしょうか?

P:アイスランドは、極端な消費者優先主義者国です(ほとんどの欧米の国がそうだと思いますが、それ以上に)。グローバリゼーションを考える人もいますが、ほとんどは考えていないか、少なくとも真剣ではないです。アイスランド人は、環境や社会的に責任を追うたくさんの製品を作りますが、実際は違います。例えば、観光地のお店で売られているアイスランディック・セーターは、ほとんどが中国製で、「ファーマーズ・マーケット」なる意図的な欺き商標名で売られています。
 アメリカに住んでいたときは、アイスランド人の消費者意識に気づいていませんでした。対して、グラスルーツ音楽やアートに関わるアメリカの若者は、何かあると急速に進化します。こんなことはアイスランドではほとんど起こりません。
 アイスランドはEU加盟国ではないですが、ヨーロッパの経済地域にあります。党派の両端から見て、中道派はEUに加盟したいが、リベラル派と保守派は加盟したくないのです。中道派がEUに加盟したいのは、アイスランド政府が堕落していて、乱用を防止することで、利益を得た人びとから力を奪うからだと思います。排他的な漁業権のように、保守派はアイスランドのお金の利益を守りたいし、左翼は反グローバリゼーションの理由で反対していると僕は思います。

ビョークのニュー・アルバムが発売されましたが、ビョークはアイスランドでも特別人気があるのでしょうか? レイキャヴィックで、素晴らしいバンドをたくさん見た後では、ビョークも、アイスランドではごく普通なのでは、と思いました。

P:ビョークは伝説です。彼女は成功したポップスターであると同時に、真のアーティストで、いつもびっくりさせるような創造的な音楽を作っています。アイスランドでビョークに影響を受けていないミュージシャンを見つけるのは難しいと思います。

https://snakecult.tiredmachine.com



「Iceland Airwaves NOV 5-9 2014」レポート

 2013年に初めて行って、あまりの良さに2014年も自動的にアイスランド行きをブックしてしまった。
 ひとから何がそんなに良いのかと訊かれるが、とにかく人が温かく、街の小さいお店、大きな会場など、さまざまな場所で音楽を楽しめるところも良いし、何よりも、来てみるまで、何が起こるかわからないところにこのフェスの魅力がある。今回も、行き当たりばったりでバンドを見たが、アクシデントもありながら新しいお気に入りのミュージシャンにたくさん出会えた。

 今回は金曜日から現地入り、3日で総勢25のバンドを見た。Olena, Fufanu, Vorhees, Sin Fang, La luz, Godchilla, Unknown mortal orchestra, Ham, Anna soley, Mosi musik, Prins polo, Vok, Young Karin, Kaelan Mikla, Munstur, Spray Paint, Leaves, Odonis Odonis, Low Roar, Grisalappalisa, Perfect Pussy, Vintage Caravan, MC bjor, Just another snake cult, AmabadamA
 他にもチラッと見たバンドや、通りかかったバンドも少なくない。歩くとそこかしこで音楽が鳴っているので、音に吸い込まれるように入って行き、良ければステイ、ダメなら次。人気のあるバンドは大勢の人が入っているが、次のバンドまでの暇つぶしと言うこともある。エアウェイヴスのアプリケーションをダウンロードすると、いま何がやっていて場所がどこかなど全て把握できる。このアプリケーションが大活躍!
 以下、好きだったバンドをいくつかピックアップしてみました。

Vok
@ landsbankinn

まずはvok 。去年から噂は聞いていて、今回やっとライヴが観れた。
男2人、女1人、サックスとギター、エレクトロ、DJなど。ディストーションかかった、深い女の子のヴォーカルが良い。ビョークが生まれた町というのが納得出来る。
https://www.facebook.com/Vokband

Grisalappalisa グリサラパリサ
@gaukrinm

知り合いのレコード・レーベルの所属アーティストだったことで、たまたまキャッチしたが、すぐにエアウエイヴスのお気に入りになった。男6人組。ヴォーカル2人、サックス、ギター、ベース、ドラム、半端ないハイエナジー。キラキラのシャツを脱ぎ捨て半裸になるヴォーカル。聞けばそれがスタイルらしい。アグレッシブなフリーホイール・クラウトロック。
https://grisalappalisa.com

Just another snake cult
ジャスト・アナザー・スネイク・カルト
@ kaffbarinn

ランダムに出会ったローカル・バンド。様々なエレクトロ機材を使いつつも、ベースはローファイ・アコースティック。チェロや爪琴などの弦楽器を加えフリーキーなのにドリーミー。ライヴはドキッとさせられる面多し。
https://snakecult.tiredmachine.com

Low roar ロウローア
@gamla bio

アメリカ出身のライアンがアイスランドの引っ越して、ひとりぼっちの寂しさからこのバンドを作った。切なくて美しいレーザービームが似合うバンド。ライヴはストリング隊が美しく弦を奏で、オーケストラのようなスペクタクル。いまではビルボードまでが彼らをカヴァーするまでに。
https://www.lowroarmusic.com

Vorhees ヴォーチス
@bio paradis

NY出身のdenaのプロジェクトで、エレクトニックとギターをミックスした、サウンドコラージュ。Rachel coleyというNYのデザイナーが彼女のスタイルを担当し、ヘアリーなトップがよく似合っていた。mumのサウンドを担当していたゆかりで、9回ほど来日経験あり。只今日本語勉強中。
https://vorheesmusic.tumblr.com

Unknown mortal orchestra
アンノウン・モータル・オーケストラ
@bio paradis
会場に入るのも一苦労な人の多さ。外から覗いていたが、勇気を出して人混みの中へジャンプ。ライヴは3人編成。サイケデリックなシャープ・ソウルは、ヒップホップからインディロックファンまでを網羅し、一緒に歌っているファンもいた。イギリスのバンドだと思っていたら(なぜ?)、ルーベンは、ニュージーランドからポートランドに移住したらしい。
https://unknownmortalorchestra.com

Godchilla ゴチラ
@12 tonar

男3人組のコズミック/ドーム/ノイズ/サーフバンド。音は宇宙の様にヘビーで、来ている客は男が多かったが、ルックスが良いので、ファンが増えそう。
https://www.facebook.com/Godchillah

Ham ハム
@ KEX hostel

びっくり! アイスランドの伝説のヘビーロック・バンド。マスタード色のベスト、シャツ、パンツにシルバーのヘアーがヴォーカリスト。バンド全体がカッコよすぎて、エアウエイヴスってエレクトロが主流じゃなかった? と疑ってしまった。このショーがHAMのたった一回のエアウエイヴス・ショー。KEXPが盛り上がるのもわかった。
https://blog.kexp.org/2014/11/07/kexp-at-iceland-airwaves-day-3-ham/?fb_ref=Default&fb_source=message

ラジオ・ショーが終わっても10分ほどアンコールが鳴り止まず。アイスランドのレッド・ゼペリンは言い過ぎか?
https://facebook.com/svikharmurdaudi

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 レイキャヴィックの歩ける町の作りがこのフェスを可能にしているひとつだが、人びとの音楽に対する半端ない熱意、昼のショーは子供も参加できるしファミリーフレンドリー、10代のバンドもチラホラ、英語が通じる、人々の大酒呑み&パーティ好きで誰彼も受け入れる、と理由は様々だが、1日目で興奮がピークに達してしまうのだ。
 エアウエイヴスが終わると、人々はレイキャヴィックから抜け出し、南部やゴールデンサークル、ブルーラグーンなどの観光地、町をふらっと歩くだけで、自然の美しさに感謝し、時間がなければ近所の温水プールなど、アイスランドのアトラクションは後を絶たない。世界中からこのフェスティバルに来る人が後を絶たないのはよくわかる。何が起こるかは自分次第だが、素晴らしい音楽と感動に出会えるのは間違いない。来年は一緒にいかがですか? 

https://icelandairwaves.is

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