「OTO」と一致するもの

2 僕の中のAriel Pink - ele-king

 こんにちは。光の速さで時が過ぎ、2021年もすでに2月ですが、世間は緊急事態宣言が出ていてもわりと賑やか。コロナ終結の兆しはまったく見えませんが、一足先に終わりを告げたトランプ政権。ですが、ドナルド・トランプは最後の最後までドナルド・トランプ。ビキニチューバッカ男や演壇泥棒、Qanon、過激なトランプ支持者たちを扇動し連邦議会突入し占拠するという米英戦争以来200年ぶりのド派手なクーデター未遂をやらかしたわけですが、インディー・ヒーローがその現場にいたとか。

Shame - Drunk Tank Pink

 Phoebe Bridgers, Mitski, Khruangbinなど近年ヒットが多い〈Dead Oceans〉からShameの待望のセカンド・アルバム『Drunk Tank Pink』です。 僕は2018年にLAで彼らのライヴを観たのですが、本国イギリスやEUはもちろんアメリカで も細かく回ってかなりの数をこなしていてだいぶ完成されているなという印象でした。『Drunk Tank Pink』のイントロと共にヴォーカルが登場、Tシャツを脱いで「We're white christian band from England!!」と怒鳴り、会場大ウケ。1曲目からバンドもオーディエンスもフルスロットル。その後もツバ吐いて体に塗ったり、ずっと乳首いじりながら歌ったり、ベースがステージを走り回って頭からコケたりめちゃくちゃだけど会場はもう盛り上がり過ぎじゃないかってくらいの熱気で、曲間のジョークもウケるウケる。サウスロンドンのインディー・シーンで頭ひとつ抜け出る理由はこれか、と妙に納得した思い出があります。そんなShameの新作は曲がかなり複雑で、ポスト・ロック的な、よりライヴを意識したアルバム。


 そうご存じ、Ariel PinkとJohn Mausです。正直僕は世代ではないけどもちろん大好きで、僕はAntiトランプというのもあり、わりと悲しかったけど、いままでヒーローと崇めていたのにいきなり掌返してレコード叩き割る人もいるのか……それはそれで落ち込む。  アメリカ国民の半分はトランプ支持者というのも事実で、言い出さないだけで隠れトランピストやレイシストのミュージシャンやアーティストもアメリカのみならず日本にもまだまだいるでしょうし、音楽業界内でのセクシズム関連の問題もいまだ根深い。批判も大いに必要。  Arielから話は逸れますが、トランピストに関してはバカと揶揄するのは簡単だが(バカじゃないとは言ってない)ただ“排除”していったところで怒らせるだけで、むしろその行為がこの分断のそもそもの一因なのでは? と思うのです。数は減ろうとも根絶には至らず、またいつか揺り返しとして“そういう”主義に同調する人びとが増える。これは永く繰り返されてきたことで、レイシズム、セクシズムその他諸々の悪習を根絶やしにするためには、吊し上げて制裁を加えるのではなく、彼らが何故そのような思想に陥ったかを検証し、対話し、忘れず、教育に生かすことではないでしょうか。BLMに関しても、僕の認識としては、個人単位での批判ではなく、BLMという運動のもとに個々の事件や問題を集約し、構造その物を標的に改革を目指すことがもっとも効果を出すという理論で動いているからこそいま大きな力を持つ運動となっているのではないでしょうか。

Holy Motors - Horse

 NYの〈Wharf Cat Records〉からエストニアのドリーム・ポップ・バンド、Holy Mortorsのセカンド・アルバムです。本人たちがルーツだとするアメリカン、ロカビリー・テイスト満載。でもいくらアメリカナイズされようとも拭えない寒い国ならではの霧がかかった様な陰鬱さ。そのバランスが心地よいドリーム・ポップです。ツイン・ピークス好きは必聴。


 それでも僕はArielがレイシストであれど彼のレコードに罪があるのか? 2009年に天邪鬼な変人オタク野郎を〈4AD〉と世界が受け入れただけで彼自身は子供の頃から何も変わって無いような人で、そこがみんな好きだったんじゃないの? とも思ったり。 ただ、変わったのは僕らでArielのレコードはいつも変わらずそこにいてくれる。

Viagra Boys - Welfare Jazz

 スウェーデン、ストックホルムのインディ・レーベル、〈YEAR0001〉からViagra Boysのセカンド・アルバム。もう最高っ! 前作よりも色付いたようにゴージャスになって再登場。基本ポスト・パンクだけど、ヴィンヴィンなベースと反復されるビートがずっと聴いてると気持ちよぉ~くなってくる。Suicideのそれと似てるかも。 彼ら見た目が怖すぎるのですが、なかでもヴォーカルの全身タトゥーでビールっ腹のおじさん、IDLESのヴォーカルとタメ張れるくらい怖い。でも半ケツでフラフラ踊りながら歌う姿が超笑えるので一見の価値ありです。これもライヴが楽しみなアルバム。早く生ケツ……大きい音で聴きたいな~。

Roberto Musci - Melanesia

 フランス〈Oxmose Records〉からイタリア・ミラノの実験音楽家、Roberto Musciの新作です。 前作『Tower of Silence』はエキゾチック・アンビエント、オリエンタルな雰囲気もあるけどアフリカの民謡っぽくもあり、彼は70年代から80年代にかけてインド、アフリカなどの国を放浪していたらしく、色んな国を旅している気分なれるわりと聴きやすいアルバムでした。
 今作は『Melanesia』というオーストラリアの北北東に位置するパプア・ニューギニアやソロモ ン諸島のある海洋一帯がテーマらしい。全然知らない。聞いたこともない。
 アルバムの説明によると、「メラネシアにある数千年の歴史のある民族音楽は人間と音楽の本質的なつながりを探究しており、その儀式的なサウンドと彼の音楽研究に基づく実験的、 電子的な手法がぶつかり合うメルティングスポットを発見できる。(中略)メラネシア海域ではその特徴から原始的な文化とおそらく音楽を保存している」(意訳) お分かりの通りだいぶ変わった方ですね。
 アルバム通して不穏なサウンドで、“Kauli Storm Song”という曲は雨音と雷が人の手が加わっていない自然の恐怖を感じる。前作も真面目なアルバムだったけど今作も本気(マジ)。


 このAriel騒動だけじゃなく、好きだったアーティストが突拍子もないことして幻滅なんてよくあることで、僕らは所詮自分から見た彼らしか見れないから、僕から見たAriel、友だちとしてのAriel、息子としてのAriel、アーティストとしてのAriel、Arielの自意識、と全部彼だけど彼じゃない。そしてArielの曲はArielだけどArielにあらず。これはアーティストや芸能人に限らず身近な存在にも適応すると思う。だからArielの政治的な態度は受け付けなくて批判しても、彼の曲まで嫌いになる必要は無い。そうやって考えると誰かを嫌いにならなくて済むんじゃないかと思った1月でした。罪を憎んで人を憎まず。アリエルのバカヤロウ!

R.I.P. Double K (People Under The Stairs) - ele-king

 LAを拠点に活躍し、2019年に引退を発表していたヒップホップ・デュオ、People Under The Stairs (以下、P.U.T.S.)のメンバーとして知られる Double K (本名:Michael Turner)が、1月30日に入院先の病院にて亡くなった。享年43歳で、詳しい死因は明らかになっていないが、彼の友人であるLAのベテランDJ、Mark Luv によると Double K は「安らかに亡くなった」という。


来日時の様子(写真:大前至)

 P.U.T.S.ではMC、プロデューサー、ライヴDJも担当していた Double K が、Thes One と共にグループを結成したのが1997年頃のことだ。LAのミッドシティと呼ばれるエリアにある高校に通っていた彼は、同じ高校に通う(のちに Living Legends を結成することになる) Murs、Eligh、Scarub らが中心となっていたクルー、Log Cabin Crew の一員として活動しながら、すでにビートも作りはじめていた。16歳のときにサンプルネタを探すために訪れたレコード屋にて出会ったのが同じくまだ十代であった Thes One で、それぞれ自分の作ったビートを聴かせあいながらお互いを認めるようになり、その後、彼らは P.U.T.S. としての活動をスタートすることになる。

 USC (University of Southern California)に通う大学生であった Thes One の学生ローンを元手に、1998年、彼らは最初のシングル「The Next Step II」とアルバム『The Next Step』をリリース。ともにDJでありラッパーでありビートも作っていたふたりに共通するのは、彼らが強く影響を受けた80年代から90年代半のヒップホップのフレイヴァーを継承しながら、自ら見つけ出した誰も知らないサンプリング・ネタで新しい音楽を作り出すという点で、いまで言うブーンバップのスタイルを彼らはデビューの時点で確立していた。自主制作盤を手に彼らは契約できるレーベルを探していたが、しかし、LAのヒップホップ・シーンの中で徒党を組むようなタイプではなかった彼らに後ろ楯はなく、最終的に契約を結んだのがサンフランシスコを拠点とするヒップホップ色の薄いレーベル、〈OM〉であった。しかし、〈OM〉と契約を結んだことで彼らはヨーロッパにファン・ベースを築くことに成功し、さらに世界的なアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンの盛り上がりの波にも乗り、日本を含む世界中に数多くのファンを獲得する。

 グループ結成から解散までの22年の間に、P.U.T.S.は通算10枚のフル・アルバムと2枚のコンピレーション・アルバムを残してきた。彼らの作品の中でも特に個人的に思い出深いのが、筆者がLAに住んでいた期間にリリースされた通算5枚目のアルバム『Stepfather』と次の『FUN DMC』だ。『Stepfather』リリースのタイミングに合わせて彼らの日本ツアーが行なわれたのだが、そのタイミングで筆者も一時帰国し、彼らが日本のヒップホップ・ファンから強く愛されていることをダイレクトに感じた。『FUN DMC』発売時のLAでのリリース・イベントではステージ上にビールサーバーが置かれ、様々なアーティストや関係者と共にステージ上でビールを飲みながらライヴを観るという貴重な経験もさせてもらった。そして、『FUN DMC』の後にシングル・リリースされた「Trippin At The Disco」のPVになぜか一瞬だけ出演することになったことも忘れられない。

 P.U.T.S.のふたりには取材などもさせてもらったが、一緒にいて感じたのがグループとしてのふたりのバランスの良さだ。Thes One は P.U.T.S.のスポークスマンであり、細かい事柄にも気を配りながら、オーディエンスを強く惹きつける勢いや爆発力もあり、明るくポジティヴな面も持っている。ライヴ中はラップもしながらDJもする Double K は、少し下がって Thes One の後ろのポジションにいながら、落ち着いて全体を見ながらムードを作っていくタイプで、決して口数は多くはないが彼のメローな雰囲気は人に安らぎを与える。全く異なるタイプのふたりだからこそ、お互いを補完することができたであろうし、絶対的な信頼が彼らの22年間のキャリアを支えてきたに違いない。

 前述したように、2019年にリリースされたラスト・アルバム『Sincerely, the P』を最後に音楽業界から引退し、ファンを驚かせた彼ら。地元LAでも引退に合わせたライヴは一切行なわれず、ラスト・アルバムだけを残して突然いなくなってしまった印象が強い。彼らの引退に関しては唯一『LA Times』にインタヴュー記事が掲載されているが、彼らが音楽をはじめたときとの環境の違いや自らの年齢なども理由としながら、アーティストとしてやり切ったという前向きな姿勢も感じられる。その一方で記事では Double K の健康状態にも少し触れており、もしかしたらそれが彼らが突如引退した理由のひとつであったのかもしれない。

 Double K の死は本当に悲しい出来事であるが、P.U.T.S.が残してきた音楽はこれからも色褪せることはなく永遠に残っていくだろう。彼らのライヴでの定番曲であり、間違いなく彼らの一番の代表曲である “San Francisco Knights” を聴きながら、この追悼文を締めたい。


https://open.spotify.com/track/0msneWUDfYKAGrifwEDhtl

Allen Ginsberg's The Fall of America - ele-king

 公民権運動にヴェトナム戦争にと、激動の時代に詩人アレン・ギンズバーグが全米を旅してものした詩集、『アメリカの没落』(1973年発表)の50周年記念プロジェクトが始動している。
 同詩集をミュージシャンたちが独自に解釈する──というのがこのプロジェクトの主旨で、名うての音楽家たちが集結したコンピがデジタルで2月5日に、フィジカルでは6月4日に発売されるのだけれど、なんとそこに坂本慎太郎が参加しているのだ。
 しかも驚くなかれ、同コンピにはヨ・ラ・テンゴサーストン・ムーア&リー・ラナルド、アンジェリーク・キジョーにハウィー・B、ディヴェンドラ・バンハートなどなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。テーマ的にもまさにいまのアメリカにふさわしい(というと語弊があるけど)きわめて今日的なものだし、これは聴いておきたい1枚ですね。詳細は下記を。

R.I.P. Sylvain Sylvain - ele-king

 偉大なるパンクの先駆者、ニューヨーク・ドールズのギタリストとして知られるシルヴェイン・シルヴェインが2年以上におよぶ癌との闘病の末に亡くなった。

 本名はロナルド・ミズラヒ。1951年にカイロで生まれたシリア系ユダヤ人で、1956年のスエズ動乱の際に家族でフランスを経てアメリカに渡り、ニューヨークのクイーンズに落ち着く。渡米して最初におぼえた英語は「ファック・ユー」だったという。
 ドールズのオリジナル・ドラマーだったビリー・マーシアはコロンビアからの移民で、シルヴェインとは近所に住む幼馴染だった。ふたりはやがて服飾関係の仕事に進み、その経験がのちのドールズの斬新な衣装に活かされる。

 ジョニー・サンダースをフロントに据えたバンド、アクトレスにビリーとともに参加。ここにデヴィッド・ヨハンセンが加わりニューヨーク・ドールズのラインナップが完成する。マーサー・アーツ・センターという複合施設で定期的にライヴをおこなうようになったドールズは、ド派手な衣装とハイヒール・ブーツにギラギラのメイクという姿でシンプルなロックンロールを演奏するステージが評判を呼び、70年代初頭のニューヨークにおけるもっともホットなバンドとなっていく。アンディ・ウォーホール周辺をはじめとする当時のヒップな面々が集ったという。グラム前夜のデヴィッド・ボウイもしばしば訪れている(ヨハンセンに「その髪型、誰にやってもらったの?」と尋ねたそうだ)。
 ビリーの死後にドールズのドラマーとなるジェリー・ノーランは、初めてドールズを観たときの衝撃を「すげえ! こいつら、他に誰もやってないことをやってる。三分間ソングが戻ってきた!」と表現している。「当時といったら、ドラム・ソロ十分、ギター・ソロ二十分って時代だったから。一曲だけでアルバム片面終わっちゃったりね。そういうのには、もううんざりしてた」(『
プリーズ・キル・ミー』より)。まさにパンクだったのだ。ドールズがロックに取り戻したのは、シャングリラスに代表されるガール・グループのポップスとロックンロール、すなわち五十年代だった。

 デヴィッド・ヨハンセンとジョニー・サンダースという強烈なスターをフロントに擁するドールズだが、ソングライティング面におけるシルヴェインの貢献も見逃せない。デビュー作『ニューヨーク・ドールズ』収録曲の中でも速い “フランケンシュタイン” やエディ・コクランのギター・リフを取り入れた “トラッシュ” はシルヴェインとヨハンセンのペンによるものだし、ソロ・アルバム『シルヴェイン・シルヴェイン』に収録された “ティーンネイジ・ニュース” はパワーポップの名曲として知られている。

 マネージャーとなったマルコム・マクラーレンとの関係悪化などもあり、ジョニーとジェリーはバンドを脱退。シルヴェインとヨハンセンはバンドを続け、75年には内田裕也の招聘で来日もしているが、ロンドンでのパンクの勃興を横目に間もなく解散する。シルヴェインはソロやティアドロップス、クリミナルズといったバンドで80年代に数枚の作品を発表しており、『シルヴェイン・シルヴェイン』をはじめ佳作も多いのだが残念ながら大きな成功を収めるには至らなかった。

 90年代にはジョニー・サンダースとジェリー・ノーランが続けざまに亡くなるが、2004年にまさかのドールズ再結成。きっかけは英国におけるファンクラブ会長だったモリッシーの熱いリクエストによるものである。このときの様子はベースのアーサー・ケインをフィーチャーしたドキュメンタリー映画『ニューヨーク・ドール』に記録されている。ミュージシャンを引退し、図書館員として働いていたアーサーがスタジオを訪れると、そこではまさにシルヴェインがリハーサルを仕切っていた。
 復活ライヴの直後に今度はアーサーも亡くなるがバンドは活動を継続し、再結成後に3枚のアルバムを残している。特に最後のアルバムとなった『ダンシング・バックワード・イン・ハイヒールズ』(2011)は、ヨハンセンのソロ作品でのスウィング・ジャズやキャバレー音楽の雰囲気を取り入れた異色の傑作だった。

 筆者はシルヴェインのステージを3回観ている。最初は2008年、スペインのフェスでのニューヨーク・ドールズ。2回目は2016年のソロ来日。そして最後は2018年、「ザ・ドールズ」という名義でニューヨーク・ドールズの曲を中心に演奏するというものだった。
 3回とも、陽気でチャーミングな姿が印象に残っている。特にオリジナルメンバーがふたりだけとなったニューヨーク・ドールズは、カリスマ性の強いヨハンセンと盛り上げ上手なシルヴェインが好対照だった。


2018年の来日公演(写真:大久保潤)

 最後の来日の際には、『プリーズ・キル・ミー』(2007年に出た邦訳)を持参して終演後に見せたところ、にこやかに「これは素晴らしい本だよね」と言いながらサインをしてくれた。2020年に念願の復刊を果たした本書をもう一度見せたかったのだが、それももう叶わなくなってしまった。

- ele-king

 あけましておめでとうございます。今月からコラムを書かせていただくことになりました、小山田米呂です。普段は学生の身分を利用して得た時間で音楽を作ったり、たまに頼まれたら文章を書いたりしています。
 ここ3年くらい海外の学校に行ってたのですが、なぜかはわからないのですが、オンライン授業に移行したこともあり、久しぶりに東京で生活しております。僕は自己紹介が苦手なので僕のことは追々、少しずつ書いてみたいと思います。
 僕が最近聴いた音楽、買ったレコードのなかからにとくによかったもの、皆さんとシェアしたいものを紹介します(予定)。
 せっかくの機会なので、ele-king読者の聴かなそうなものもを紹介していければと思います。

1. Shitkid - 20/20 Shitkid

 スウェーデンはストックホルム、PNKSLM Recordingsから、ガレージ・ポップ?バンド、Shitkidのアルバムです。Shitkidは Åsa Söderqvistという女性のプロジェクト。僕が彼女を知ったのは2019年の『DENENTION』というアルバムからですが、2016年から活動していて’17年にファースト・アルバムを出していてコンスタントにリリースしています。'17年リリースのデビュー・アルバム『Fish』は割れたボーカル、歪んだギターとディケイのかかった乾いたドラムとシンプルでDIYなサウンド。

ShitKid - "Sugar Town" (Official Video)

みんな大好き長い黒髪と赤リップ
ShitKid - "RoMaNcE" (OFFICIAL VIDEO)

 ミュージック・ヴィデオの手作り感がフロントマンの Åsaをものすごく映えさせている。お金かけてヴィジュアル作ったり外注しても、ここまで彼女を強く、セクシーに写せない、それを自覚しているであろう眼力。ミュージック・ヴィデオはRoMaNcEにも出演したりライヴではベースやシンセを担当したり、かつてはÅsaのルームメイトでもあった相方的存在、Linda Hedströmが作っているそう。 何より星条旗のビキニとライフルがよく似合ってる!!
 過去のインタヴューで彼女はエレクトロニック・ミュージックに対してあまり興味がないようなことを言っていたが、今作は割とエレクトロニカ・テイストを凝らしていて、格段に音質が良くなり、いままでの荒削りな雰囲気より安定感のある印象の曲が多く、Shitkid第二章とでもいうような洗練を感じる。でもローテンションで割れたヴォーカルは相変わらず。自分のいいとこわかってる。
 こういう音楽が好きだと、時を経るごと上手になってきたり、露出が増えて注目されはじめると“普通”になっていっちゃって曲は良いんだけどなんだか寂しいな〜……なんて思いを何度もしているのですが、今作『20/20 Shitkid』はまだまだ僕のなかに巣食うShitkid(クソガキ)を唸らせる。
 パンクでもロックでも、才能でたまたま生まれちゃう名盤よりも、自分の才能に自覚的だったり、もしくは自分に才能がないのがわかっていながらもストラテジックに、少し無理して作られた物のほうが僕はグッとくるのかも。


 2020年、僕もほとんどの人と同じくいつもと変わった1年を過ごしたわけですが、多くの人と違ったのは僕が今年20歳になったということ。いままで何度行きたいイヴェントの会場の前でセキュリティにごねたことか。このご時世、未成年は深夜イヴェントやクラブに出ているアーティストの一番のファンであったとしてもヴェニューは入れられないのです。
 そしてようやっと20歳になったと思ったら誰も来ないし何もやってないじゃないか! 話が違う!
 とはいえ悪いのはヴェニューでもなく、インターネットの余計なお世話でも相互監視社会でもなくコロナウイルスなのです。多くの人から奪われた掛け替えのない時間の代わりに僕らに与えられたのは美しい孤独。

2. Skullcrusher - Skullcrusher

 アメリカインディレーベル〈Secretly Canadian〉からHelen Ballentineのソロプロジェクト、Skullcrusherのデビュー・シングル。アメリカの田舎の湖畔の情景が浮かびます。ニューヨーク北部出身でロサンゼルス在住でこの曲は長い失業中の孤独の中で書いたそう。だいぶノスタルジーとホームシックにやられてるな。しかし僕らも今年家にいる孤独のなかで少年少女時代の豊かな記憶に思いを馳せ現状を憂いたのは一度や二度ではないはず。ただ目まぐるしく世界が動く慌ただしいこの世のなかに飽き飽きしていた人にとってコロナが与えた孤独はなんと優雅で慈悲深く美しい時間であったことでしょうか。このEPはおそらく去年作られたのでしょうが、きっと彼女はその孤独のなかでこの儚いEPを作り上げたのでしょう。目新しく独創的なでは無いけど、繊細で柔らかな声と胸の痛くなるような問いかけをする歌詞は涙ものです。

Skullcrusher - Places/Plans

3. caroline - Dark blue

〈Rough Trade Records〉からロンドンの8人組バンドcaroline。全くやる気の感じられない名前。ほぼインストのバンドで曲もだらだらと長いのですが8人もいるから手数豊富で飽きない。いまの段階ではギター、パーカッション、ヴァイオリンにベースとドラムという編成ですが、元々3人で出入りを繰り返して8人で落ち着いたらしい。派手ではないけどセンス抜群で気持ちの良いタイミングで聞きたい音が入ってくる。さすが天下の〈RoughTrade〉、Black MidiやSOAKなど話題性のあるアーティストも輩出しつつこういうバンドももれなく拾う懐の深さ。

caroline | Pool #1 - Dark blue

4. Daniel Lopatin - Uncut Gems-Original Motion Picture Soundtrack

〈Warp Records〉から言わずと知れた巨人、OPNことダニエル・ロパティン。OPNのニュー・アルバムはすでにele-kingでもその他多くのメディアでも取り上げられていますがこちらも聴いて欲しい……。映画『Good Time』でもダニエルとタッグを組んでいたJoshua and Benjamin Safdie兄弟監督の映画『Uncut Gems』(邦題:アンカット・ダイヤモンド)のサントラです。アダム・サンドラー演じる主人公、宝石商のハワードはギャンブルにより多額の借金を背負っており、ある日手に入れた超デカイオパールを使って一攫千金を狙い、家族に愛人、借金取り果てにはNBA選手も巻き込みどんどんドツボに嵌っていくという映画だが、アダム・サンドラーがいつもの調子のマシンガントークで借金取りをケムに巻こうと幕しているので状況は切迫し、悪化する一方なのにどこか笑っちゃう。だが音楽はどんどんテンポが上がり不安を掻き立て、ハワードの借金は増えて後がなくなっていく。
 なんだか映画のレヴューみたいになっちゃったけど、サフディー兄弟の写す宝石とダニエルのシンセは双方壮大でギラッギラで最高なので映画もサントラもぜひ。

『アンカット・ダイヤモンド』予告編 - Netflix

Behind the Soundtrack: 'Uncut Gems' with Daniel Lopatin (DOCUMENTARY)

5. 坂本慎太郎 - 好きっていう気持ち/おぼろげナイトクラブ

〈zelone recordsから坂本慎太郎のシングル。僕は日本のアーティストってあまり聴かないのですが、その理由のひとつは歌詞が直接入ってきすぎて嫌なんです。僕は音楽は歌詞よりも音色が心地よかったりよくなかったり、リズムが気持ち良かったり悪かったりが優先されるべきで、音自体がより本質的だと思っているのですが、坂本慎太郎の歌詞は言葉や詩というよりも楽器的で言葉遊びの延長に感じてファニーだしとにかく気持がいい。

The Feeling Of Love / Shintaro Sakamoto (Official Audio)


 ele-king読者の知らなそうなと冒頭に書いておきながら割とみんなすでに聴いていそうな曲ばっか紹介しております。レヴューという形をとっているので仕方ないですが僕がとやかく言っているのを読む前に一度聴いて欲しい……聴いてから読んで欲しい……
 年末に書き出したのにダラダラしてたら年が明けちゃった。今年から、今年も、よろしくお願いします。
 音楽も作っているのでで自己紹介代わりに僕の曲も是非聴いてください。

filifjonkan by milo - Listen to music

Shades Of Blue by milo - Listen to music

Synchronize - ele-king

 40年ぶりに再発され話題となった、日本のポストパンク・バンドを収録した1980年のコンピレーション『都市通信』、そのなかのひとつシンクロナイズ(後にザ・スカーレッツに改名)が、年明けにスタジオ+ライヴ音源をコンパイルした3枚組を限定リリースする。シングル2枚、カセット2本、未発表ライヴ音源、今回初出となる、ミニコミ「ニュー・ディスク・リポート」の付録ソノシート用に録音された3曲、アルバム「ポーラー・ソング」用に録音された5曲など未発表スタジオ音源を収録。いままでアーカイヴ化されてこなかった時代の貴重な音源であることに間違いない。

Synchronize, The Skarlets
An afterimage- Synchronize to The Skarlets –

仕様:3枚組CD
発売日:2021/1/27
初回限定盤
品番:WC-095~097
定価:¥4545+税
JAN:4571285920957
発売元:いぬん堂

Synchronize ~ The Skarlets
1978年 Synchronize結成。1980年 アルバム「都市通信」に参加。新宿ACBでのイベント「Street Survival宣言」への出演や都内ライヴハウスを中心に活動。1981年にシングル「訪問者」、1983年にシングル「PRIEST」を発表後、The Skarletsに改名。1987年にカセット「Skarlets」、1989年にカセット「Liverpool」を発表した。

CD発売記念ライヴ
2021年2月19日(金)新宿ロフト
AN AFTERIMAGE COLOR
料金:前売り3000円+drink
開場18:00 開演18:50
出演:シンクロナイズ、突然段ボール、モリモトアリオミ、NOISECONCRETE×3CHI5、DJ:肉夜メイジー

Total Info. https://www.synchronize80.xyz/


An afterimage
- Synchronize to The Skarlets -


Disc 1 Synchronize Studio
1. 都市通信
2. 転写
3. Easy Money
4. 訪問者
5. 幼年期
6. 連続線
7. PRIEST
8. MODE
9. Disillusion
10. 愛の見解
11. Please
12. holiday
13. NOBUYA
14. POLAR SONG

Disc 2 Synchronize Live & Demo
1. holiday
2. 都市通信
3. 停止セヨ
4. 時間膜
5. Cool Point
6. Girl’s Campaign
7. 幼年期
8. 連続線
9. Disillusion
10. MODE
11. 紅蓮
12. 愛の見解
13. 失楽園 - the location -
14. Please
15. PRIEST〜Easy Money

Disc 3 The Skarlets Studio & Live
1. Sun Room
2. 告白
3. Clear Screen
4. 反射率
5. Liverpool
6. 精霊代 - Lavender days -
7. 残像
8. 彼方 the far
9. 黄昏まで
10. 精霊代 - Lavender days -
11. 残像
12. 抱擁
13. 少年画報
14. 孔雀

Disc 1
Track 1 to 3 : Unreleased Tape
Recorded at Studio Magnet 12 June 1980.
Track 4,5 from Single「訪問者、幼年期」Plaza Records (7inch:PLAZA-1) 1981
Track 6 : Unreleased Tape 1981
Track 7,8 from Single「PRIEST, MODE」Polar Records (7inch:S-1) 1983
Track 9 : Unreleased Tape 1983
Track 10 to 14 : Unreleased Tape
Recorded at Sound Market 1984

Disc 2
Track 1 : Live Recorded at Shinjuku ACB 14 June 1980
Track 2,3 : Live Recorded at Shinjuku Loft 14 Aug. 1980
Track 4 : Live Recorded at Shinjuku Loft 3 Sep. 1980
Track 5 :Recorded at Rasenkan Feb. 1981
Track 6 :Live Recorded at Hosei University 18 Apr. 1981
Track 7,8 : Live Recorded at Shinjuku ACB 20 June 1981
Track 9 : Live Recorded at Harajuku Crocodile 25 Apr. 1982
Track 10,11 : Live Recorded at Kichijoji Manda-La 20 Feb. 1983
Track 12 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 6 Apr. 1983
Track 13 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 18 Nov. 1985
Track 14 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 27 Jan. 1986
Track 15 : Live Recorded at Shibuya La.mama 7 Jul. 1986

Disc 3
Track 1 to 4 from「Skarlets」(Cassette) 1987
Recorded at ken's home 1987
Track 5 to 8 from「Liverpool」(Cassette) 1989
Recorded at ken's home 1989
Track 9 to 14 : Live Recorded at Fussa Chicken Shack 26 Jan. 1990

Produced by Mikio Shiraishi, Kenji Nomoto
Compiled by Mikio Shiraishi, Kenji Nomoto
Licensed from Sychronize, The Skarlets
Mastered by Kenji Nomoto (2-1 to 2-15, 3-1 to 3-14), Akihiro Shiba (1-1 to 1-14)
Remastered by Akihiro Shiba (2-1 to 2-15, 3-1 to 3-14)
Mastered at ken’s Home, Temas Studio
Remastered at Temas Studio
Photography by Ieki Maekawa
Designed by Shigeo Matsumoto

All Lyrics by Mikio Shiraishi
Music by Mikio Shiraishi (1-1 to 1-3, 1-6, 2-2 to 2-5, 2-8, 2-15 [Easy Money]), Mikio Shiraishi & Kenji Nomoto (1-4, 1-5, 1-7 to 1-14, 2-1, 2-6, 2-7, 2-9 to 2-15 [PRIEST], 3-1 to 3-14)
Vocals [All Songs], Guitar [2-14] : Mikio Shiraishi
Guitars [All Songs] ,Keyboards [3-5, 3-8]: Kenji Nomoto,
Bass : Hitomi Sanekata (1-1 to 1-3, 2-1 to 2-4), Toshiaki Kabe (1-4, 1-5, 2-6 to 2-8), Tetsushi Nishiyama (1-7 to 1-14, 2-9 to 2-15), Toshifumi Sato (3-1 to 3-4), Yukari Hashimoto (3-5 to 3-14)
Drums : Yoshio Kogure (1-1 to 1-6, 2-1 to 2-4, 2-6 to 2-12, 2-15, 3-9 to 3-14)
Programmed by Kentaro Yamaguchi (1-9 to 1-14, 3-1 to 3-8)
Keyboards : Yoko Kawano (1-6, 1-7, 2-12), Kentaro Yamaguchi (1-8 to 1-14, 2-13 to 2-15, 3-1 to 3-14), Hikaru Machida (2-5 to 2-8), Shuichi Ohmomo (2-9 to 2-11)

Thanks to U Inoue, Tadashi Moriya, Syunji Tsutaki

好評の書評集第二弾!
「科学する心」があなたと世界を変えるかもしれない

本当に読者の役に立つ書評――良い本はしっかりと評価し、ダメな本はしっかりと批判する。そんな「まっとうな書評」が高く評価された山形浩生の書評集、第2弾は「サイエンス・テクノロジー」編。

「科学する心」の尊さ、テクノロジーの楽しさと未来に託す夢。そしてデマやあおりに惑わされない冷静な思考を解く、古びることのない、今の時代に必要な本の数々が紹介されています。その数およそ120冊!

目次

はじめに

第1章 サイエンス
 科学と文明と好奇心――『鏡の中の物理学』
 「わからなさ」を展示する博物館――The Museum of Lost Wonder
 星に願いを:天文台に人々が託した想い――No One will Ever have the Same knowledge again
 「別の宇宙」は本当に「ある」のか? 最先端物理理論の不思議――『隠れていた宇宙』
 若き非主流物理学者の理論と青春――『光速より速い光』
 物理学のたどりついた変な世界――『ワープする宇宙』
 「ありえたかもしれない世界」にぼくは存在するか? 確率的世界観をめぐるあれこれ――『確率的発想法』
 スモールワールド構造の不思議――『複雑な世界、単純な法則』
 分野としてはおもしろそうなのに:特異な人脈の著者が書いた変な本――『人脈づくりの科学』
 トンデモと真の科学のちがいとは――『トンデモ科学の見破りかた』
 真の科学理論検討プロセス!――『怪しい科学の見抜きかた』
 あらゆる勉強に通じるコツ――『ファインマン流物理がわかるコツ』
 あれこれたとえ話を読むより、自分で導出して相対性理論を理解しよう!――『相対性理論の式を導いてみよう、そして、人に話そう』

第2章 科学と歴史
 人々の格差は、しょせんすべては初期条件のせいなのかしら――Guns, Germs and Steel『銃・病原菌・鉄』
 参考文献もちゃんと収録されるようになり、単行本よりずっとよくなった!――『銃・病原菌・鉄』
 『銃・病原菌・鉄』のネタ本のひとつ『疫病と世界史』を山形浩生は実に刺戟的な本だと思う――『疫病と世界史』
 マグル科学の魔術的起源と魔術界の衰退に関する一考察――『磁力と重力の発見』
 魔術と近代物理学との接点とは――『磁力と重力の発見』
 文化を創るのは下々のぼくたちだ――『十六世紀文化革命』
 社会すべてが生み出した近代科学の夜明け――『世界の見方の転換』
 コペルニクスが永遠に奪い去ったもの:地動説がもたらした人間の地位の変化を悼む――Uncentering the Earth: Copernicus And the Revolutions of the Heavenly Spheres
 「星界の報告」新訳。神をも畏れぬ邪説を唱えたトンデモ本。発禁にすべき――『望遠鏡で見た星空の大発見』
 イスラムの現状批判とともに、もっと広い科学と宗教や規範の関係を考えさせられる――『イスラームと科学』
 アメリカとはまったく別の技術の系譜――『ロシア宇宙開発史:気球からヴォストークまで』
 有機化学がイノベーションとハイテクの最前線だった時代――『アニリン―科学小説』

第3章 環境
 脱・恫喝型エコロジストのすすめ:これぞ真の「地球白書」なり――The Skeptical Environmentalist『環境危機をあおってはいけない』
 地球の人々にとってホントに重要な問題とは? 新たな社会的合意形成の試み――Global Crisis, Global Solutions
 温暖化対策は排出削減以外にもあるし、そのほうがずっと効果も高い!――Smart Solutions to Climate Change: Comparing Costs and Benefits
 環境対策は、完璧主義ではなくリスクを考えた現実性を!――『環境リスク学』
 マスコミのあおりにだまされず、科学的な環境対応を!――『環境ホルモン』
 温暖化議論に必要な透明性とは?――『地球温暖化スキャンダル』
 壮大な地球環境制御の可能性――『気候工学入門』
 真剣なエコロジストがたどりついた巨大科学への期待――『地球の論点:現実的な環境主義者のマニフェスト』
 いろいろ事例は豊富ながら、結局なんなのかというのが弱くて総花的――『自然と権力――環境の世界史』
 誇張してあおるだけの温暖化議論でよいのか?――『地球温暖化問題の探究』

第4章 震災復興・原発・エネルギー
 震災復興の歩みから日本産業の将来像を見通す――『東日本大震災と地域産業復興 II』『地域を豊かにする働き方』
 原発反対のために文明否定の必要はあるのか?――『福島の原発事故をめぐって』
 正しく怖がるための放射線リテラシー――『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』
 主張は非常にまっとうながら、哲学はどうなったの?――『放射能問題に立ち向かう哲学』
 頭でしか感じられない怖さの恐怖――『廃墟チェルノブイリ』

第5章 建築
 いろんな表現の向きと具体性のこと――『住宅巡礼』『日本のすまい―内と外』
 真に自然の中に位置づく建築のあり方などについて――『時間の中の建築』
 人間くさく有機的な廃墟の本――『廃墟探訪』
 失われゆく現代建築の見直し――『昭和モダン建築巡礼 西日本編』
 楽しい探訪記ながら明らかにしたかったものは何?――『今和次郎「日本の民家」再訪』
 家の持つ合理性を見抜いた名著――『日本の民家』
 「構想力」の具体的な中身を分析したおもしろい本――『群像としての丹下研究室』
 長すぎるため、どうでもいい些事のてんこ盛りに堕し、徒労感が多い一冊――Le Corbusier: A Life
 言説分析が明らかにしたのはむしろ分析者の勝手な思い込みだった――『未像の大国』
 記憶術が生み出した建築による世界記述と創造――『叡智の建築家』

第6章 都市計画
 街と地域の失われた総合性を求めて――『廃棄の文化誌』
 都市に生きる人たちと、都市を読む人――『恋する惑星』&『檻獄都市』のこと――『檻獄都市』
 土建政治家の構想力とは――『田中角栄と国土建設』
 都市開発とぼくたちの未来像など――『最新東京・首都圏未来地図―超拡大版』
 次世代に遺すインフラ再生問題――『朽ちるインフラ』
 数十年にわたって継続する都市開発を養うには――『ヒルサイドテラスウェストの世界』
 槇文彦も村上龍も、ハウステンボスの怪にはまだかなわない――『記憶の形象』
 電気街からメイド喫茶へ:おたく的空間のあり方とは――『趣都の誕生』
 古代中世の話で9割が終わる都市空間デザイン論というものの現代的意義は?――『都市空間のデザイン』
 日本のバブル永続を想定した古い本。すでに理論は完全に破綻、今更翻訳する意義はあったのか?――『グローバルシティ』
 うーん、いろいろやったのはわかるが、それで?――『モダン東京の歴史社会学』
 その金科玉条の「オーセンチック」って何ですの?――『都市はなぜ魂を失ったか』
 建築と都市が重なる奇妙な空間へ――『S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ』

第7章 医療・生命
 肥満二段階仮説、あるいはデブの免疫療法に関する一考察――『免疫の意味論』
 死体になったらどうなるの? 決定版:ぼくらの死体完全マニュアル本!――Death to Dust: What Happens to Dead Bodies?
 死体関連のネタ満載。この分野のおもしろさを何とか知らせて認知度をあげようとする著者の熱意が結実――『死体入門』
 医学生がジョークで撮った解剖記念写真集。医学と死体解剖のあり方を考えさせる、二度と作れないだろう傑作――Dissection: Photographs of a Rite of Passage in American Medicine 1880-1930
 現実のドリトル先生にして現代外科医学の開祖――The Knife Man: The Extraordinary Life And Times Of John Hunter, Father Of Modern Surgery
 おおお、エミリー・オスターきたーっっっっ!!――『お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント』

第8章 遺伝・進化
 歪んだ標的にされた、遺伝とは無関係な知能偏重社会批判の書――『ベルカーブ:アメリカ生活における知能と階級構造』
 人種とスポーツと差別について――Taboo: Why Black Athletes Dominate Sports and Why We Are Afraid to Talk About It
 遺伝子分析とITが交差する新分野の魅力書――『実践バイオインフォマティクス』
 きみは進化のために何ができるか? バカやブスの存在理由について――『喪失と獲得』
 ラスコー展とニコラス・ハンフリー
 進化論の楽しさと威力、そして宗教との共存――Evolution for Everyone: How Darwin's Theory Can Change the Way We Think About Our Lives
 生得能力と最適な社会制度について考えさせられる本――『心の仕組み』
 人間での遺伝の役割をドグマから救う勇気の書――『人間の本性を考える』
 初歩から最先端の成果までを実に平易に説明、日本の研究水準紹介としても有益。あとは値段さえ……――『自己変革するDNA』
 日本人は昔からあれこれ混血を進めてきました、という本――『ハイブリッド日本』
 日本人の起源を総合的に見直すと?――『日本人はどこから来たのか?』
 すばらしい。創発批判本!――『生命起源論の科学哲学』
 人間の遺伝子分布についての立派な百科事典。ネトウヨどもは本書についてのインチキなデマをやめるように――The History and Geography of Human Genes
 人類進化と分布のとても優秀な一般向け解説書。インチキに使わずきちんと読もう!――The Great Human Diasporas: The History Of Diversity And Evolution
 クローン生物の可能性と現実――『第二の創造:クローン羊ドリーと生命操作の時代』
 ネアンデルタール人の精神世界にまで踏み込む――『ネアンデルタール人の正体』
 すべての人工物の理論と進化について――『システムの科学』『進化と人間行動』

第9章 脳と心
 異分野を浸食する脳科学の魅力がつまった一冊――『脳のなかの幽霊、ふたたび』
 脳科学から倫理と道徳を考える――『脳のなかの倫理』
 心や意識の問題でも、もはや哲学はジリ貧らしいことについて――『MiND』
 Do Your Homework! 思いつきの仮説だけでは、脳も心もわからない――『脳とクオリア:なぜ脳に心が生まれるか』
 意識とは何か? 「人間である」とは?――Conversations on Consciousness: What the Best Minds Think About the Brain, Free Will, And What It Means to Be Human
 妄想全開:フロイトの過大評価をはっきりわからせてくれる見事な新訳――『新訳 夢判断』
 インチキだと知って読むと、読むにたえないシロモノではある――『失われた私』
 原資料をもとに、多重人格シビルのウソを徹底的に暴いた本。でも批判的ながら同情的でフェアな視点のため、非常に感動的で悲しい本になっている――Sybil Exposed: The Extraordinary Story Behind the Famous Multiple Personality Case
 え、プラナリアの実験もちがうの?!!――『オオカミ少女はいなかった』
 人を丸め込む手口解説します――悪用厳禁!――『影響力の武器』
 意識の話はむずかしいわ――『ソウルダスト』
 うーん、ヤル気の科学よりいいなあ――『WILLPOWER 意志力の科学』
 文明を築いた「読書脳」――『プルーストとイカ』

第10章 IT
 マイケル・レーマンの偉大……それと藤幡正樹――『FORBIDDEN FRUITS』
 さよなら「ワイアード」――「ワイアード 日本版」
 がんばれ!! 微かに軟らかい症候群――『マイクロソフト・シンドローム――コンピュータはこれでいいのか!?』
 コンピュータはあなたの知性を反映する!――『あなたはコンピュータを理解していますか?』
 プログラミングの傲慢なる美学と世界観――『ハッカーと画家――コンピュータ時代の創造者たち』
 気分(だけ)はジャック・バウアー!――『世界の機密基地―Google Earthで偵察!』
 意味を求める人間と、自走する情報のちょっと悲しい別れ――『インフォメーション―情報技術の人類史』
 バーチャル世界だけで人類は発展できるのだろうか――『ポスト・ヒューマンの誕生』
自分でできる深層学習――『Excelでわかるディープラーニング超入門』

第11章 ものづくり・Maker・テクノロジー
 技術的な感覚のおはなし――『root から/へのメッセージ』が教えてくれるもの
 夢のロボットたち:「ロボコンマガジン」は楽しいぞ――「ロボコンマガジン」
 狂気の自作プラネタリウムの教訓と可能性など。――『プラネタリウムを作りました。』 出来の悪い後輩たちの空き缶衛星物語と、草の根科学支援の方向性について――『上がれ! 空き缶衛星』
 本気で夢を実現しようとする驚異狂喜の積算プロジェクト――『前田建設ファンタジー営業部』
 施工見積から見えてくる空想と現実の接点――『前田建設ファンタジー営業部Part 3「機動戦士ガンダム」の巨大基地を作る!』
 トンネルの先の光明――『重大事故の舞台裏』
 ピタゴラ装置の教育効果――『ピタゴラ装置DVDブック1』
 世界に広がる、ミステリーサークルの輪!――The Field Guide: The art, History and Philosphy of Crop Circle Making
 自分で何でも作ってみよう! 農作物からITまで――『Made By Hand』
 よい子は真似しないように……いやしたほうがいいかな?――『ゼロからトースターを作ってみた』
 アンダーソンは嫌いだが、Makersビジネス重視の視点はおもしろく、実践も伴っていてえらい――『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』
 ものづくりとしての科学的お料理解説書――『Cooking for Geeks: 料理の科学』
 ジブリ『風立ちぬ』に感動したあなたに!――『名作・迷作エンジン図鑑』
 新ジャンルに取り組むアマチュアたちの挑戦とその障害をまとめた、わくわくする本――『バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!』
 量産からバイオまですべてに貫徹するものづくり思想とは――『ハードウェアハッカー』

あとがき

著者
山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。
大手シンクタンクに勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う。
著書に『新教養主義宣言』『たかがバロウズ本。』ほか。訳書にクルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』、ピケティ『21世紀の資本』、スノーデン『スノーデン 独白:消せない記録』、ディック『ヴァリス』ほか。

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生きる意味なら自分で作るわ

新装増補版・全曲加筆
「レーダーマン」「12才の旗」など4曲追加

比類なき情熱の作詞家・戸川純による半自伝的分析

【プロフィール】
戸川純(とがわ・じゅん)
1961年、新宿生まれ。歌手・女優。

 子役経験を経て1980年にTVドラマデビュー。『刑事ヨロシク』(82)で初レギュラーを経、『あとは寝るだけ』(83)、『無邪気な関係』(84)、『花田春吉なんでもやります』(85)、『華やかな誤算』(85)、『太陽にほえろ! 第701話「ヒロイン」』(86)など。ヴァラエティ番組では『笑っていいとも!』を始め、『HELLO! MOVIES』や『ヒットスタジオR&N』では司会も。同じく映画では『家族ゲーム』(83)、『パラダイスビュー』(85)、『野蛮人のように』(85)、『釣りバカ日誌(1~7)』(88~94)、『男はつらいよ』(89)、『ウンタマギルー』(89)、『あふれる熱い涙』(92)、『愛について、東京』(93)、『ルビーフルーツ』(95)などに出演。またオムニバス形式の『いかしたベイビー』(91)では監督、脚本、主演をこなす。舞台にも立ち、『真夏の夜の夢』(89)、『三人姉妹』(92)、戸川純一人芝居『マリィヴォロン』(97)、『羅生門』(99)、戸川純二人芝居『ラスト・デイト』(00)、『グッド・デス・バイブレーション考』(18)など。

 ミュージシャンとしてはゲルニカの一員としてデビューし、『改造への躍動』(82)、『新世紀への運河』(88)、『電離層からの眼指し』(89)を。ソロ名義で『玉姫様』(84)、『好き好き大好き』(86)、『昭和享年』(89)。戸川純とヤプーズ名義『裏玉姫』(84)。戸川純ユニット名義『極東慰安唱歌』(85)。ヤプーズの一員として『ヤプーズ計画』(87)、『大天使のように』(88)、『ダイヤルYを廻せ!』(91)、『Dadadaism』(92)、『HYS』(95)。ほかに戸川純バンド『Togawa Fiction』(04)、非常階段×戸川純『戸川階段』『戸川階段LIVE!』(16)、戸川純 with Vampillia『わたしが鳴こうホトトギス』(16)、戸川純 avec おおくぼけい『戸川純 avec おおくぼけい』(18)、『ヤプーズの不審な行動 令和元年』(19)をリリース。ほかに映像作品も多数。TOTOウォシュレットのCM出演も評判を呼んだ。

 著作類に『戸川純の気持ち』(84)、『樹液すする、私は虫の女』(84)、『戸川純のユートピア』(87)、『JUN TOGAWA AS A PIECE OF FRESH』(88)、『戸川純全歌詞解説集 疾風怒濤ときどき晴れ』(16)、『ピーポー&メー』(18)、『戸川純写真集 ジャンヌ・ダルクのような人』(20)。


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TSUBAKI FM - ele-king

 インディペンデントで良質な音楽を届けるインターネット・ラジオ、TSUBAKI FM が名古屋と京都をまわるミニ・ツアーを開催する。名古屋は11/21に、今年オープンしたばかりの club GOODWEATHER にて。11/22の京都はおなじみの CLUB METRO で、ストリーミングもあり。東京から Midori Aoyama、Souta Raw が参加。お店の感染対策に従って楽しもう。詳細は下記より。

時代を反映する新旧ベニューで彩る秋のミニツアーを開催

東京発、インディペンデントミュージックを発信する音楽プラットフォーム「Tsubaki fm」。今夏から新たにマンスリープログラムを開始した名古屋、京都の2都市をまたぎ秋のミニツアーを開催。初日の名古屋公演は新栄に誕生した新しいヴェニュー club GOODWEATHER にて、ローカルに根差した独自の活動を展開してきた名古屋レジデンツと共に。そして京都は今年30周年を迎える古豪ヴェニュー CLUB METRO にてストリーミング配信も含む複合イベントを開催。東京からは Midori Aoyama、Souta Raw の2人も駆けつけ充実のラインナップで至極のミュージックジャーニーをお届けする。

TSUBAKI FM
https://tsubakifm.com/


▶︎NAGOYA
2020/11/21/SAT
club GOODWEATHER
Open: 22:00 / Entrance: ¥2,000
愛知県名古屋市中区新栄1丁目14−24 第3和光ビル2F
https://www.goodweather.org/

MIDORI AOYAMA
SOUTA RAW
AGO
MUSICMAN
SAMMY the RIOT
S.O.N.E.



▶︎KYOTO
2020/11/22/SUN
CLUB METRO
Open:21:00 / Entrance: ¥2,000 inc.1 Drink
京都市左京区川端丸太町下ル下堤町82 恵美須ビルB1F
https://www.metro.ne.jp/

MIDORI AOYAMA
SOUTA RAW
MASAKI TAMURA
YOSHITO KIMURA
SOTA × KUWABARA
soO

FOOD: 明ヶ粋ヶ

TALK LIVE :
TSUBAKI FM × soO × OFF LINE

Park Hye Jin - ele-king

 2018年に「If U Want It」をリリースし、今年〈Ninja Tune〉からの12インチ「How Can I」が話題となったソウルのプロデューサー/シンガーのパク・ヘジン(박혜진)、この9月には〈Domino〉からブラッド・オレンジとの共作 “CALL ME (Freestyle)”も発表している彼女の緊急来日公演が決定した。12月18日@渋谷CONTACT、12月19日(土)@大阪BLACK CHAMBER。今後どんどん成長を遂げていくだろう彼女の現在を、この耳で確認しておくチャンス。しっかり感染対策しつつ、ぜひ会場へ。


世界が注目する新鋭パク・へジンの緊急来日が決定!
前売(限定枚数)の先行発売を開始!

박혜진 Park Hye Jin
and more

TOKYO | 2020/12/18 (FRI) CONTACT
OSAKA | 2020/12/19 (SAT) BLACK CHAMBER

今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのパク・ヘジンの緊急来日が決定!
2018年のデビュー以降、ベルリンのベルグハイン/パノラマ・バー、イビザのDC-10でのプレイ、そしてプリマベーラ・サウンドへの出演や〈88rising〉主催のフェスティバル『HEAD IN THE CLOUDS FESTIVAL』、さらにジェイミー・エックス・エックスとのロンドンでの共演など、瞬く間に活躍の場を世界へ広げていったDJ、ラッパー、シンガーソングライターとして活躍するパク・へジン。その後〈NINJA TUNE〉と契約し、今年6月にリリースした最新EP「How can I」は発売されるや否や世界中で完売店が続出。最近では、ブラッド・オレンジとのコラボ曲が発表されるなど、その勢いは止まることをしらない。主要音楽メディアやファッションメディアから称賛され、大きな注目と期待を集めている。これは見逃せない!

今回の緊急来日に合わせて、海外で制作され SOLD OUT となっていた「How can I」EPのジャケ写Tシャツを数量限定の再生産が決定! 本日より BEATINK オフィシャルサイトにて、受注受付スタート。商品は12月上旬より順次発送される予定。

How can I T-shirt のご予約はこちら
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11565

박혜진 Park Hye Jin - Can you (Official Video)
https://youtu.be/WUiapHwpEdc

Blood Orange & 박혜진 Park Hye Jin - CALL ME (Freestyle) (Official Video)
https://youtu.be/wPr8zRCQV10

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【東京】
公演日:2020年12月18日(金)
会場:CONTACT TOKYO (https://www.contacttokyo.com)
OPEN / START 22:00
前売:¥3,300 (税込) | 当日:¥4,000
※ 20歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。写真付き身分証をご持参ください。
※ You must be over 20 with photo ID.
INFO: BEATINK 03-5768-1277 [www.beatink.com] / CONTACT 03-6427-8107 [https://www.contacttokyo.com]

【大阪】
公演日:2020年12月19日(土)
会場:BLACK CHAMBER (クリエイティブセンター大阪 https://www.namura.cc/)
OPEN / START 15:00
前売:¥3,000 (税込) | 当日:¥3,500
※ 別途1ドリンク代金¥600必要
INFO:CIRCUS OSAKA https://circus-osaka.com

チケット発売:
先行発売:11/11(水)正午12:00〜
◆BEATINK (https://beatink.zaiko.io/e/ParkHyeJinJP2020)

一般発売:11月14日(土)〜
◆イープラス (https://eplus.jp/)
◆BEATINK (https://beatink.zaiko.io/e/ParkHyeJinJP2020)

企画制作:BEATINK

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