ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Terry Riley - In C & A Rainbow In Curved Air | テリー・ライリー
  2. Whatever The Weather ──ロレイン・ジェイムズのアンビエント・プロジェクト、ワットエヴァー・ザ・ウェザーの2枚目が登場
  3. VINYLVERSEって何?〜アプリの楽しみ⽅をご紹介①〜
  4. Columns ♯9:いろんなメディアのいろんな年間ベストから見えるもの
  5. Félicia Atkinson - Space As An Instrument | フェリシア・アトキンソン
  6. interview with Shuya Okino & Joe Armon-Jones ジャズはいまも私たちを魅了する──沖野修也とジョー・アーモン・ジョーンズ、大いに語り合う
  7. Doechii - Alligator Bites Never Heal | ドゥーチー
  8. COMPUMA ——2025年の新たな一歩となる、浅春の夜の音楽体験
  9. Columns Talking about Mark Fisher’s K-Punk いまマーク・フィッシャーを読むことの重要性 | ──日本語版『K-PUNK』完結記念座談会
  10. FRUE presents Fred Frith Live 2025 ——巨匠フレッド・フリス、8年ぶりの来日
  11. interview with Iglooghost 「カワイイ」を越えて荒れ地を目指す | ——若き才人、イグルーゴーストへのインタヴュー
  12. Tashi Wada - What Is Not Strange? | タシ・ワダ
  13. Masaya Nakahara ——中原昌也の新刊『偉大な作家生活には病院生活が必要だ』
  14. Whatever The Weather - Whatever The Weather  | ホワットエヴァー・ザ・ウェザー
  15. Fennesz - Mosaic | フェネス
  16. ele-king vol.34 特集:テリー・ライリーの“In C”、そしてミニマリズムの冒険
  17. Africa Express - Africa Express Presents...Terry Riley's In C Mali  | アフリカ・エクスプレス、デーモン・アルバーン
  18. Wendy Eisenberg - Viewfinder / Caroline Davis & Wendy Eisenberg - Accept When
  19. interview with Primal 性、家族、労働  | プライマル、インタヴュー
  20. P-VINE ──スマートフォン向けアプリ「VINYLVERSE」と次世代レコード「PHYGITAL VINYL」をリリース

Home >  Regulars >  Random Access N.Y. > vol.127:いろいろ動き出したNYの今日この頃

Random Access N.Y.

Random Access N.Y.

vol.127:いろいろ動き出したNYの今日この頃

沢井陽子 Jun 18,2020 UP

 6/8から、NY市は第一段階のビジネスが再開した。第一段階とは建設業、製造業、卸売業、一部の小売店、農業、林業、水産業である。それと同時にレストラン、バーは外で飲むのは大丈夫と、たくさんの人がバーでテイクアウトのドリンクを買って、バーの前でたむろしている。が、レストランの外でのダイニングプランは第二段階(6月下旬を予定)で、まだである。が、レストラン側はその準備として外にテーブルを置きはじめ、それでたくさんの人たちがバーの前でたむろしはじめた。クオモ州知事は「これでまたコロナ感染者が増えたら、ロックダウンを考える」とご立腹である。段階的な再開計画に準拠していないビジネス、とくにバーやレストランについて州全体で25000件もの苦情があったと語り、規則に違反しているバーやレストランは、酒類免許を取り上げるということである。まだまだ慣れないことなので、手探りでやっている。
https://gothamist.com/food/photos-new-yorkers-are-trying-day-drink-away-pandemic
https://gothamist.com/news/coronavirus-updates-june-14-2020

 とはいっても、この暖かい陽気で外に出る人は止まらない。最近は、みんなマスクをしているだけで、パンデミック前とほとんど変わらなくなっている。10人以上の集まりも大丈夫になり、5月末から続いている抗議活動もまだ継続している。ソーシャルディスタンスはほとんどないし、NYでは禁止されている花火も毎日のように上がっているし(どこで調達しているのだろう)。ニューヨーカーは、そろそろ気が緩んできたらしい。

 パンデミックでNYを離れた知り合いも徐々に戻ってきている。ライヴ活動はまだできないが、スタジオでジャムったり、ルーフトップでアンプラグドでライヴをしたり、個人的な集まりで音を出しはじめている。ライヴストリームはもう恒例化しているが、インスタグラムだと必ず音が遅れるので、残念ながら、なかなか見ようという気がしない。向こうは、だいたい家でやっていて、こっちが家でパジャマ姿で見ていても、なんだか気分が上がらないし、やっぱり現場でのライヴ感が恋しい。
 と思ったら、9月のUKバンドのライヴのチケットを取ったという友だちがいて、9月にライヴが再開するのか? UKのバンドがNYに来られるのか? と訝しげだが、そろそろライヴ活動が戻ってくるか。

 そのライヴストリームだが、このパンデミックのなかで、きちんとマネタイズできている例もある。音楽会場のエルスホエアはルーフトップの季節になり、毎週金曜日7~10時、ルーフトップからのライヴストリームをはじめた。その名もサン・ストリームス(https://www.instagram.com/p/CBTy-YZgjxW/)。
 このイベントでは、その日のアーティストがもっとも関心を持っている組織に集めたお金を寄付する。抗議活動に行かないならここに寄付して、ということである。前回のイベントminecraftでは、$6500を集め、すべてをBlack lives matterに関する国家保釈基金に寄付をした(https://elsewither.club/)。
 会場やレーベルがオーガナイズしてくれると、たくさんのバンドが一気に見られるし、知らないバンドももれなく見られるので、見甲斐がある。バーガーレコーズたちが企画したメモリアルディのイベント(https://www.facebook.com/events/548428185822225/)は50弱バンド、DJが参加で、12時間のライブストリームをやっていた。

 NYのライブストリームのリスティングはここで見られる。https://www.ohmyrockness.com/features/15570-concert-livestreams

 まだ第一段階だが、NYは再開し、地下鉄も通常本数に戻り、普通に戻ってきている。第二、三、四と順調に再開してくれることを願う。

Random Access N.Y. - Back Number

Profile

沢井陽子沢井陽子/Yoko Sawai
ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

COLUMNS