「OTO」と一致するもの

André 3000 - ele-king

 数ヶ月前、渋谷のど真んなかにある高いタワーで開催されたWeb3のイベントに参加していたとき、私は、そこにいた何人かの人びとのあいだの小さな騒ぎを感じた。目の前にはフルートを持った背の高い黒人の後ろ姿があった。世界各地において幽霊が訪れたかのごとき「目撃(sitting ) 」情報は何度か耳にしていたが、私は幸運にもアンドレ3000を目の当たりにすることができたわけだ。もっとも怖気づいた私は舌を噛むだけで、彼に何かしたわけではなかった。だいたい特段アウトキャストのファンではなかった私は、ノスタルジーからスターストラック(スターに夢中) になったわけではないのだ。彼のことを意識するようになったのは、アウトキャストの最後の2枚のリリースと、その後何年にもわたってアンドレがランダムに発表したゲスト作品がきっかけだ。まあ、いまとなってはファンかもしれない。みんなと同じように私も彼の精神状態を心配していたのだから。

 アンドレ3000の17年ぶりとなるアルバムが、パレスチナのガザで大虐殺が起こっているのとまったく同じ時期にリリースされたのは偶然の一致だろう。だが、ほんとうにそうなのだろうか? 宇宙はおかしなものだ。彼は「No Bars(小節はない)」とはっきり言っているので、この音楽のアクアティックな性質に驚く人はいないだろう。瞑想的、アンビエント、シンプル、リラックス、退屈などなど。誰も予想していなかったこのレフトフィールド作品を形容する形容詞はまこと多い。フランク・オーシャンの古典 (クラシック) 『Blonde』収録の“Solo (Reprise)”で、息もつかせぬ勢いを見せた男の作品だ。クラシック (古典) のさらにそのうえのクラシカル (古典的) なミュージシャン。

 2024年、文字通り指先ひとつでどんな音楽にもアクセスできるようになったいま、1970年代と聞いてもピンとこないかもしれない。ファラオ・サンダースの『Thembi』(1971)を彷彿させる緑色の服を着たジャケット写真は、多くの人が西洋社会の侵略に抗議するために着ていた、インドの影響を受けたスピリチュアルな服装に似ている。だが、そんなことをもう多くの人が理解しようとすることはないし、憶えていないかもしれない。フリー・ジャズやスピリチュアル・ジャズの伝説的なジャズの多くが、高次な意識に到達するためにフルートを演奏していたことを多くの人は理解していないし、憶えていないかもしれない。

 『ニュー・ブルー・サン』はラップの世界にとっては驚きだが、70年代のジャズの名人芸を排した黒人的伝統に完璧にフィットしている(インドから音楽的、精神的に影響を受けたことは注目に値する)。マイルス・デイヴィスの『In a Silent Way』を思い出せばいい。絹のようなメロディ、スローモーションのヴァイブ、リズムが飛び込んでくるまでのムーグ演奏によるゴージャスな地図。あるいは、コルトレーンの『A Love Supreme』における感情的な呪文。そして、数多のサン・ラー作品で聴ける、インストゥルメンタル神秘主義の奇妙な響き。アンドレは、経済的な状況を顧みることなく非商業的でエキセントリックな道を受け入れ、かれこれ50年以上にわたって継続されている、フォロワーたちにカーブボールを投げることを決めた黒人アーティストの系譜をたどっているのだ。

 各トラックに付けられた凝った皮肉たっぷりのタイトルは、誰もが面白がるだろう(*)。だけどジャズ・ヘッズは音楽のシンプルさにがっかりするかもしれない。しかし、それでいいのだ。皮肉屋は、この太陽の下に新しいものは何もないと言うだろう。しかし、そんなことはない。アンドレ3000のレフトフィールド・リリースは、いまのところ唯一、インスタグラムのストーリーやソーシャルメディア上で伝染していく実験的音楽だ。あたかもビートとフローがあるかのように、ほとんどビートのないニュー・アルバムにうなずくアトランタのヒップホップ・ファンのユーモアを反映したミームがインターネット上には溢れかえっているのだ。CD/レコード店の実験的ジャンルの売り場には足を踏み入れたこともない、つまりこのようなアルバムを手に取ることもないような人たちが、アンドレ3000が作ったこのチルな新世界について、友人たちに(私がそうだったように!)チェックしておくべきだと吹聴しているのは明らかな事実だ。

 ときに歴史は繰り返されるものだが、重要なのは文脈なのだ。セラピーの適切さが広く認識されるようになったいま、ブラック・ライヴス・マターであれガザ占領の終結であれ、人びとが抗議のために通りに飛び出す準備が整っているいま、自殺や深刻な精神疾患は治療や予防が可能だと多くの人が感じているいま、『ニュー・ブルー・サン』は、みんなの重たい心を休ませるために作られた、この戦争の年の最後の 鎮静剤 (レッド・チル・ピル**) であり目印である。


訳注 *たとえば1曲目は “本当に "Rap "アルバムを作りたかったんだけど、今回は文字通り風が吹いてきた”。2曲目“俗語であるプッシーは、正式表現であるヴァギナよりも遥かに簡単に舌を転がす。同意する?” /**レッド・ピル=『マトリックス』に出てくる現実が見える薬/チル・ビル=リラックス剤。


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Andre 3000 - New Blue Sun

by Kinnara : Desi La

Several months ago, while attending a web3 event in a tall tower in the center of Shibuya, I felt a small commotion among some of the people there. In front of me was the back of a tall Black man carrying a flute. Having heard the stories numerous times of these “sitings” around the world, like a ghost visiting, I was lucky enough to witness Andre 3000 myself. Intimidated, I bit my tongue and let him be. Never an OutKast fan, I wasn’t star struck from nostalgia. I came to him late with their last 2 releases and then the scattered guest drops he popped up on randomly over the years. A fan, yes but also concerned of his mental state knowing other people had similar concerns.

The release of Andre 3000`s first album in 17 years at exactly the same time as a genocide is occurring in Gaza, Palestine is a coincidence. Is it? The universe is funny that way. He's said very clearly “No bars” so no one is surprised by the aquatic nature of the music. Meditative, ambient, simplistic, relaxing, boring, etc. There are numerous adjectives that could be used to describe this left-field work that no one was expecting. This from the man that killed “Solo (Reprise)” on Frank Ocean`s classic Blonde breathlessly. A classic musician upon a classic.

2024 with access to any type of music at ones finger tips literally, heads may not connect the dots to the 1970`s. Or the jacket photo`s resemblance to Thembi by Pharaoh Sanders with green clothing similar to the Indian influenced spiritual garb that many wore to protest the aggressions of western society. Many may not understand or remember that many Jazz legends of free jazz or spiritual jazz took on the flute to reach higher consciousness.

New Blue Sun is a surprise to the world of rap but fits perfectly in the Black tradition of 70`s out Jazz minus the virtuosity (which notably was influenced musically and spiritually by India). You only need to look back at Miles Davis` In a Silent Way. A gorgeous map of silky melodies, slow motion vibes and Moog vistas before the rhythms jumps in. Or the emotional incantations of Coltrane`s A Love Supreme. Numerous Sun Ra albums too many to mention evoke the quirky side of instrumental mysticism. Andre follows a lineage stretching over 50 years of Black artists who decided to throw curve balls to their followers embracing noncommercial eccentric pathways regardless of economic fallback.

The elaborate tongue in cheek titles of each track will amuse anyone. Jazz heads may be disappointed in the simplicity of the music. But that’s ok. The cynic will say there is nothing new here under the sun. But that’s not what is happening. Andre 3000`s left field release is probably the only experimental music that is viral across instagram stories and otters social media. Memes have flooded the internet reflecting humor of Atlanta hip hop fans nodding to the almost beatless new album as if there were beats and flows. Its a clear fact that people who would never venture into the experimental aisle of a music store (if there were one) and pick up such an album are dming their friends (as happened to me!) about this chill new world made by Andre 3000 which I should check out. Though history sometimes repeats itself, the context is most important. In a time of wider recognition of therapy’s relevance, in such a time when people are ready to run out into the street to protest, whether for Black Lives Matter or the end of occupation in Gaza, in such times that many feel that suicides and severe mental illness is treatable and preventable, A New Blue Sun is a red chill pill last earmark in this year of war made to lay everyone’s heavy heart to rest.

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AMBIENT KYOTO 2023 - ele-king

 京都で開催中の展覧会「AMBIENT KYOTO 2023」が好評のようで、会期の延長がアナウンスされている。当初12月24日(日)までだったものが、12月31日(日)まで延長、これは年末を京都で過ごすのも手かもしれませんよ。
 また、今週末12月9日(土)にはなんと、BBCラジオにて「AMBIENT KYOTO」の特集番組が放送さされるという。コーネリアスおよびテリー・ライリーが選曲したプレイリストを中心に構成された内容になっているとのことです。

 https://www.bbc.co.uk/sounds/play/live:bbc_6music

 なお、以前お伝えしたコラボ・イベントの詳細も先日発表されています。
 ひとつは「ACTIONS in AMBIENT KYOTO」と題し、原摩利彦+中山晃子、古舘健+YPY、E.O.U.+Saeko EHARA、小松千倫+jvnpeyの計5組がパフォーマンスを披露する。
 もうひとつは「COLLABORAIONS : AMBIENT KYOTO × METRO」で、Phew+大友良英による特別なセット。
 ここへ来て勢いが増してきた「AMBIENT KYOTO 2023」──まだの方も、もう行ったよという方も、あらためて情報確認しておきましょう。

◆ACTIONS in Ambient Kyoto
日時:12月10日(日)18:00-
会場:京都新聞ビル地下1階(地下鉄丸太町駅すぐ)
出演:Marihiko HARA + Akiko NAKAYAMA、Ken FURUDATE + YPY、E.O.U. + Saeko EHARA、Kazumichi KOMATSU + jvnpey

https://interference-resonance.ekran.jp/

関連イベント PRE TALK - "MUSIC / SOUND / ART"
日程:2023年12月5日(火)19:30-
会場:京都 蔦屋書店 SHARE LOUNGE(京都髙島屋S.C.[T8]6階)
出演:古舘 健 / 日野浩志郎 / 小松千倫

関連イベント ACTIONS in AMBIENT KYOTO - AFTER PARTY
日程:2023年12月10日(日) 22:00-
会場:CLUB METRO(京阪神宮丸太町駅2番出口)
出演:Marihiko HARA / Ken FURUDATE / Ken'ichi Itoi / touzin

◆「COLLABORAIONS : AMBIENT KYOTO × METRO」
日時:2023年12月14日(木)19:00 開場 / 19:30 開演
会場:京都CLUB METRO
出演:Phew+大友良英
価格:前売メール予約 ¥3,500 ドリンク代別途 特典付、当日¥4,000 ドリンク代別途

https://www.metro.ne.jp/schedule/231214/
※AMBIENT KYOTOチケットご提示で前売料金でご入場頂けます。
※前売チケット購入、及び前売メール予約者特典として、展覧会『AMBIENT KYOTO』優待ディスカウント券(10%OFF)をプレゼントします。

interview with Waajeed - ele-king

 もしあなたがハウスやテクノといったダンス・ミュージックを愛していて、まだワジードの存在を知らなければ、ぜひとも彼の音楽に触れてみてほしい。
 ワジードは00年代にヒップホップの文脈で頭角をあらわしながら、ここ10年ほどはハウスやテクノの作品を多く送り出しているデトロイトのプロデューサーだ。2022年秋に〈Tresor〉からリリースされた現時点での最新アルバム『Memoirs of Hi-Tech Jazz』のタイトルを最初に目にしたとき、古くからのデトロイト・テクノ・ファンはこう思ったにちがいない。これはギャラクシー・2・ギャラクシーを継承する音楽だろう、と。
 たしかに、一部のシンセやジャジーなムードにはG2Gのサウンドを想起させるところが含まれている。が、本人いわく同作はとくにマイク・バンクスから触発されたわけではなく、父の思い出から生まれたアルバムなのだという。タイトルの先入観を捨て去って聴いてみると、なるほど『Memoirs of Hi-Tech Jazz』にはシカゴ・ハウスやダブの要素も盛りこまれていて、デトロイトに限らずより広く、ハウスやテクノがどこから来たのかをあらためて喚起させてくれる作品に仕上がっていることがわかる。先日の来日公演でも彼は、ブラック・ミュージックとしてのハウスを大いに堪能させてくれるすばらしいDJを披露したのだった。
 2週間後に発売となる紙エレ年末号(2010年代特集)には「BLMはUKをどう変えたのか」という記事を掲載している。音楽業界におけるホワイトウォッシュへの意識が高まったことの背景のひとつにBLMがあることはほぼ疑いないといっていいだろう。BLMはそして、デトロイトも「少なからず」変えたとワジードは述べる。音楽がコミュニティの一助となることを強調し、かつてNAACP(全米有色人種地位向上協会)が所在していたのとおなじ建物でアンダーグラウンド・ミュージック・アカデミーなる音楽教育機関を運営してもいる彼は、『Memoirs of Hi-Tech Jazz』が2020年のジョージ・フロイド事件のころ制作しはじめたものであり、BLMの流れを汲むアルバムであることを明かしている。
 といってもその音楽はけして堅苦しかったり気難しかったりするものではない。それはどこまでもダンスの喜びに満ちていて、スウィートでロマンティックな瞬間をたくさん具えている。「ジャズもテクノも、比喩表現ではなく革命のための音楽」だと言いきる彼の、美しいダンス・ミュージックをまずは知ってほしい。(小林)

(ラジオでエレクトリファイン・モジョが)いつも「玄関の灯りをつけろ!」ってMCで言うんだよ。そうするとまわりの家々が一斉に明るくなっていく。そうでもしないと真っ暗で、町が物騒な雰囲気に包まれてしまうからさ。そういう思い出から、アンダーグラウンドの音楽がいろんなコミュニティの助けになって、なにかしら変革につながるってことを俺は学んできたんだ。

日本に来るのは3回目ですよね。

Waajeed(以下W):3回以上のような気もするけど、たぶんそうだね。

日本にはどんな印象を持っていますか?

W:そりゃもう、ぶっ飛ばされてるよ(笑)。文化にせよテクノロジーにせよ。クラブではブラック・ミュージックへの感謝をいつも感じるな。すべてにおいて好きな国だ。ホームにいるよりいいかも!

あなたはデトロイトに対する愛情をいつも表現していますが、(日本とは)あまりにも違いすぎて変に感じることはないんでしょうか。

W:たしかにそうだね。デトロイトはハードな環境だし。昨日、俺は携帯をタクシーに忘れてしまって、「見つけるのは絶対無理だな」って凹んでたんだけど、タクシー会社に連絡したらあってさ。そんなことはデトロイトだとありえない(笑)。

最近の日本だと見つからないことのほうが多いと思いますよ。

W:ラッキーだったんだな。でも、やっぱり日本のことは安心できる国だと思ってるよ。

あなたが音楽シーンに認知されたのはスラム・ヴィレッジが最初で、ワジード名義の初期の作品もすごくヒップホップ色が強かったですよね。でも2010年代からはハウスやテクノに急接近していきました。そのきっかけはなんだったんでしょうか。

W:ジャンルとしてはまったく違うけど、自分の注目しているようなゾーンはつねに未来にあったんだ。スラム・ヴィレッジにいたころも、未来を見ていた。1999年ごろから、すでにテクノへの意識はあったな。

ぼくも何回かデトロイトに行ったことがあるんですが、2000年代の初頭ごろにスラム・ヴィレッジの “Tainted” が流行っていたのをいまでも覚えています。ラジオをつけるたびにかかっていて。デトロイトといえば、ヒップホップがすごくメジャーなものじゃないですか。そのなかでアンダーグラウンドな文化でもあるテクノやハウスへ接近していった理由というのは?

W:なんだっけ、(エレクトリファイン・)モジョのラジオをよく聴いてたからかな? アンダーグラウンド・カルチャーはスピーディに動いていて、つねになにかが先にはじまるんだ。だから、そこから発生するものはなんでも吸収しようとしてたな。

モジョのラジオを聴いていたのはホアン・アトキンスなど上の世代ですよね。あなたはもっと若い世代なのに、なぜ追いかけていたんでしょうか。

W:いや、ホアン・アトキンスとはそんなに変わらないんじゃないかな(笑)。

彼は50代か60代で、ぼくとそんなに変わらないはず(笑)。

W:ああ、そうなんだ。

俺のなかではジャズもテクノも、比喩表現ではなく革命のための音楽だから、そういう思いを込めた。

ちなみに、あなたはデトロイト時代にどのような少年時代を過ごしていましたか?

W:モジョを聴いてた子どものころは、母親がやんちゃな兄貴のことを心配してたな。銃声なんかもバンバン聴こえるしさ(笑)。だから、ラジオをかけて気分を落ち着かせようとしてたんじゃないかな。モジョのラジオ・ショウにチューニングすると(彼の番組の)「ミッドナイト・ファンク・アソシエイション」が聴けるんだけど、彼はいつも「玄関の灯りをつけろ!」ってMCで言うんだよ。そうするとまわりの家々が一斉に明るくなっていく。そうでもしないと真っ暗で、町が物騒な雰囲気に包まれてしまうからさ。そういう思い出から、アンダーグラウンドの音楽がいろんなコミュニティの助けになって、なにかしら変革につながるってことを俺は学んできたんだ。

ラジオDJが社会的不安の支えになり、街の治安を守っていた、と。すごいエピソードですね。話は戻りますが、〈Dirt Tech Reck〉というあなたのレーベルについて教えてください。

W:ダーティ・テクノ、つまりはそういうこと!

(笑)。どんなコンセプトではじめたんでしょうか?

W:もちろん、ダーティなテクノだよ(笑)。コンセプトはエクスペリメンタルでありながら、ダンス・ミュージックでもあることかな。2013年にニューヨークからデトロイトに戻ったタイミングで立ち上げたんだ。

ニューヨークにいた時期があるんですね。どのぐらいの期間ですか?

W:むちゃくちゃ長いよ。2005年から2013年まで、8年間だ。

エレクトリック・ストリート・オーケストラという名義でアルバムを2枚出していますよね。面白いコンセプトで。すごくアシッドでいろんな要素が入り混じっていて、まさにダーティなテクノで。

W:自分だけのプロダクションではなく、ほかのプロジェクトに関わることで、外から見られている自分のステレオタイプを潰すようなコンセプトがあったかな。ブーンバップだったり、そういうことではない、違うことに挑戦したかった。

なるほど。ちなみにあれは2枚で終わりなんですか? 次を楽しみにしていたんですが。

W:まあね(笑)。基本的には俺は別のプロジェクトは、2枚ぐらいで終わらせるんだ。

ではアルバムについての質問を。『Memoirs Of Hi-Tech Jazz』、これはURに捧げたものなんでしょうか。

W:そうなのかな、たぶんそうじゃない(笑)。あまり関係ないかな。基本的には、亡くなった俺の父親との思い出がコンセプト。ちなみに、今日は彼の誕生日なんだ。親父は俺が小さいころ、ウィードを吸いながらライトを消して、ジャズをよく聴いていたな。グローヴァー・ワシントン・ジュニアとか、ハービー・ハンコックとか、ジョージ・デュークとか。俺の少年期は、家の片側からは親父のジャズが聞こえてきて、もう片側ではモジョのラジオが流れているような状況で、それが音楽の知識になっていった感じだな。初期衝動的なね。そういったことがアルバムを形作っている。だからURの影響下にあるわけじゃないんだ。もちろんマイク(・バンクス)のハイテック・ジャズもいいと思うけど、直接的なつながりはないね。

シングルのリミックスをURが手がけていますが、UR側からタイトルについてなにか言われなかったんでしょうか。

W:いや、だからリスペクトも込めて、URにリミックスを頼んだんだよ(笑)。名前についてはまったく訊かれてないかな。

まさにギャラクシー・2・ギャラクシーの続きを聴いているようなアルバムだな、という感想を最初は抱きました。

ポスト・ギャラクシー・2・ギャラクシーということですね。

W:おお、それはいい表現だ。

なので、直接的には関係がないという話を聞いて驚きました。ところで3曲目の “The Ballad of Robert O’Bryant” というのは、だれのことを指しているんでしょうか。

W:俺だね。父の名前でもあるし、そのまた父の名前でもある。俺は3世なんだ。亡くなった親父に向けたバラードだよ。俺が1989年、ハイスクールに通っていたころ車で親父が学校へ送ってくれてたんだ。俺はバック・シートでよく居眠りしてたんだけど、そういう思い出を込めた曲さ。たぶん、車のなかではURとかテクノ、ジャズなんかが流れてたんじゃないかな。

サイレンの音からはじまる曲なので、なにか事件などと関係があるのかなと思ったんですが。

W:ああ、この曲は2020年のコロナ禍のはじまりのころ制作しはじめたんだけど、その時期にジョージ・フロイドの事件があっただろう。あのときに起こったプロテスト、つまりBLMの流れを汲んだドキュメンタリーでもあるんだ。俺のなかではジャズもテクノも、比喩表現ではなく革命のための音楽だから、そういう思いを込めた。

制作中にあの事件が起きて、BLM運動がはじまっていったとのことですが、それ以降デトロイトの状況は変わりましたか?

W:ああ、少なからずは。(事件を機に)なぜ自分は音楽をつくっているのかということも考えるようになったし、同じブラックたちの抗議活動の重要性もあらためて認識した。けど、実際に抗議活動に参加するのもいいが、やはり俺の仕事は外に出るより、スタジオで音楽をつくることなんだ、とも思ったね。そういうスピリットをあらためて実感したよ。彼らが抗議活動に行くように、俺は音楽をつくる。それはおなじことなんだ。

他方であなたはアンダーグラウンド・ミュージック・アカデミーという音楽教育機関をやっていますよね(https://www.undergroundmusicacademy.com/)。あれはどういうコンセプトのプロジェクトなのでしょうか。

W:コロナイズド、植民地化されたブラック・ミュージックや黒人文化をディゾルヴ(克服)するためのプロジェクトだね。ただバシバシとやってるだけのダンス・ミュージックを、もう少しオリジンへ、つまりデトロイトが培ってきたものへと戻すためのものだ。


アンダーグラウンド・ミュージック・アカデミーのサイトより。

日本に来るといつもあらゆる場所がきれいに整理されていて、完璧な状態が保たれている。でも、デトロイトはもう少しロウな感じなんだ。物騒で、汚れていて。だから、自分がなにをしたいかをはっきりと意識して自分を強く保たないと、生きていけないんだ。なにをするにも大変な街だけど、だからこそ人びとは生き生きとしている。(日本と)完全に真逆だよな(笑)。

ディフォレスト・ブラウン・Jr. のことを知っていますか?

W:ああ、もちろん。美しい青年だ。

すごく彼の考え方と似ているな、と思って。テクノをブラックの手にとりもどす、という。

W:そうだね。音楽のつくり方やDJのやり方を教えるだけじゃなくて、真実を教えるための場所さ。

ブラック・ミュージック・アカデミーは、むかしNAACP(全米有色人種地位向上協議会)があったのとおなじ建物を使っているのですよね。

W:キング牧師も来たことがある場所だし、俺たちもエレクトロニック・ミュージックでおなじことをしようとしてるから、深い意味合いがあるんだ。16歳ぐらいのころにも行ったことがあったな。3階建てで、1階はマイクが借りててミュージアムになってるんだ。アフロ・フューチャリズムについてのね。2階はレコード屋。DIYでペンキを塗ったりしてな(笑)。

アルバムではデトロイト・サウンドと同時に、シカゴ・ハウスやダブの要素もブレンドされていました。それはやはりサウンド面においてもブラック・ミュージックの歴史を継承していく、というような意志があったのでしょうか?

W:いや、そういうわけではなく、音楽的にそうなっただけ。ただ、自分の方向性や興味は、過去のものを継承して新しいものをつくりだしていくことにあるのは間違いない。けっしてシカゴ・ハウスやダブをつくろうと思って完成させたわけではないんだ。そういった要素はもちろんブレンドされているけどね。

なるほど。では最後の質問です。あなたが感じるデトロイトの文化的なよさとは、なんですか? 

W:真実と情熱に満ちあふれていて、正直さがあることかな。それはほかにはないものだ。たとえば、日本に来るといつもあらゆる場所がきれいに整理されていて、完璧な状態が保たれている。でも、デトロイトはもう少しロウな感じなんだ。物騒で、汚れていて。だから、自分がなにをしたいかをはっきりと意識して自分を強く保たないと、生きていけないんだ。なにをするにも大変な街だけど、だからこそ人びとは生き生きとしている。(日本と)完全に真逆だよな(笑)。デトロイトは剥き出しの街なんだ。そこが俺は好きなんだ。

Ryuichi Sakamoto - ele-king

 現在AMBIENT KYOTOでもインスタレーションが展示中の坂本龍一。その大規模個展が開催されることになった。会場は東京都現代美術館で、会期はおよそ1年後の2024年12月から。大型インスタレーションを紹介する、日本では初めての規模の個展になる模様。詳細についてはこれから順次発表されていくと思われるので、続報を待とう。

アート作品を包括的に紹介する、日本初となる大規模個展
坂本龍一展(仮)
2024年12月21日~2025年3月30日 開催決定

東京都現代美術館では、来年2024年12月から音楽家・アーティスト、坂本龍一(1952―2023)の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展を開催いたします。坂本は多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切り拓いてきました。2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考/実践しました。今回の展覧会では、生前坂本が本展のために構想した新作と、これまでの代表作を美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開し、クロニクル展示を加えて、坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどります。

展覧会概要
■展覧会名:坂本龍一展(仮)
■会 期:2024年12月21日(土)~2025年3月30日(日)
■会 場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F(東京都江東区三好 4-1-1)
■主 催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
■お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
■展覧会ウェブサイト:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/RS/
※観覧料、休館日等詳細は決定次第ウェブサイト等で公開します。

坂本龍一 (さかもと・りゅういち/音楽家)
1952年、東京都生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「Yellow Magic Orchestra」結成に参加し、1983年の散開後も多方面で活躍。映画『戦場のメリークリスマス』(83年)の音楽では英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。環境や平和問題への取組みも多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行った。1980 年代から2000年代を通じて、多くの展覧会や大型メディア映像イベントに参画、2013年山口情報芸術センター(YCAM)アーティスティックディレクター、2014年札幌国際芸術祭ゲストディレクターを務める。2018年 piknic/ソウル、2021年M WOODS/北京、2023年M WOODS/成都での大規
模インスタレーション展示、また没後も最新のMR作品「KAGAMI」がニューヨーク、マンチェスター、ロンドン、他を巡回するなど、アート界への積極的な越境は今も続いている。2023年3月28日、71歳で逝去。

Zettai-Mu “KODAMA KAZUFUMI Live in Osaka 2023” - ele-king

 長きにわたり KURANAKA a.k.a 1945 が大阪でつづけてきたパーティ《Zettai-Mu》。その最新イヴェントになんと、こだま和文が登場する。関西公演はおよそ5年ぶり、パンデミック後としては初とのこと。バッキングDJは KURANAKA が務める。ほか、メインフロアにはDUB LIBERATION、Tropic Thunder、motokiらが出演、セカンド・エリアにも関西クラブ・ミュージック・シーンを代表するDJたちが集結する。12月16日(土)、スペシャルな一夜をぜひ NOON+Cafe で。

interview with Shinya Tsukamoto - ele-king

 生まれて初めてNHKの朝ドラを観ている。笠置シズ子にも興味はあったけれど、塚本晋也の新作で主人公を演じる趣里が朝ドラでも主役を張っていると知り、その振り幅にまずは興味が湧いた(ついでに『東京貧困女子』も最初だけ観た)。内覧会で一足先に『ほかげ』を観ていたので、朝ドラで歌劇団のルーキーを演じる趣里がとても幼く感じられ、『ほかげ』では生活に疲れて先の見えない人物像がしっかりと造形されていたのだなと改めて趣里の演技力に感心した。『ほかげ』は戦後の闇市を舞台にした作品で、居場所のなくなった人々が暗中模索を続ける群像劇。前半と後半で異なる主題を扱い、戦争によって滅茶苦茶になった日本の心象を様々な視点から洗い出す。誰もが無表情のままで、喜怒哀楽のどこにも触れないのは塚本作品の本質が剥き出しになっている気がする。


©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

 『鉄男』シリーズや『六月の蛇』といったカルト作品のイメージが強かった塚本晋也が8年前に『野火』でいきなり政治的な話題に首を突っ込んだ時はけっこう驚かされた。とはいえ、政治的なテーマばかり撮り続ける「専門家」よりもアレックス・コックスやアダム・マッケイのようにアホなことばかりやっていた人が自分たちの領域を政治に侵された途端、一気に作風が変わり、自分たちがやっていたことを守るために政治的になるという姿勢が僕はとても好きなので『野火』には喝采を叫んだし、同じ衝動に突き動かされている『ほかげ』にも同じように拍手を送りたい。そして、ブレインフィーダー別冊で取材した際に「塚本晋也に会いたい!」と吠えていたフライング・ロータスのCDをごっそり携えた野田努と共に塚本晋也が待つユーロ・スペースに向かうのであった。渋谷の街はそろそろハロウィンの気運が高まっていた頃である。

戦争が終わったら「終わったー」といってみんな伸び伸びするというイメージがあったんですけど、『野火』をつくってから、戦争が終わっても、ぜんぜん戦争は終わってないと思っていた人たちがたくさんいたことがわかったんですね。

(フライング・ロータスについて少し説明してから)40年前に1週間ほど熊野の山のなかで水木しげるさんとご一緒する機会があったんですね。

塚本:おう、おう。

『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた人だということぐらいしか僕は知らなかったので、水木さんに片腕がないことも知らなくて。驚いてしまって。その1週間で、戦争の話をたくさん聞かせてくれたんですね。で、東京に戻って水木さんの戦記物を全部読んだんです。変わった話もいろいろあったんですけど、それまで考えてもみなかったのが復員兵の話で。戦争に行った兵士が日本に帰ってきて居場所がないなんてことがあるとは想像もしなかったんですね。で、日本の映画をいろいろ思い出して見たんですけど、復員兵の話なんてあったかなあと思って。スケキヨぐらいしか思い当たらなかったんです。(*スケキヨ=『犬神家の一族』の登場人物)

塚本:(笑)ツボにはまりますね。世代が似てる。

『ほかげ』には大雑把に言って3パターンの復員兵が出てきますけど、どうしてあの3パターンにしようと思ったんですか?

塚本:子どもの主観でそれぞれの復員兵には出喰わしてるから、ひとりひとりの背景はわからないんですね。その3つが合わさると何があったかということが浮き彫りになって、どうしてみんなこんなことになってるんだろうと、みんなに共通の歴史があったんだということがわかるようになっています。確かに、その3つを関係づけないで観ちゃうと「なんで?」となっちゃいますよね。でも、どうしても結びつけるとは思うんですよ。最初の復員兵が夜中にわめき散らして、どうしてあんなことになってるのか、最初はわからないと思うんだけど、彼に何があったかは最後でわかると思うんです。最初にあの3パターンを考えたわけではなくて、頭から脚本を書いていって、自分で納得がいくように進めていった結果なんです。シンプルな構造が最初にできたので、自然にああなったんですね。

座敷牢に閉じ込められていた復員兵はどの段階で?

塚本:わりと最初からいましたね。

短いですけど、強烈な印象が残りました。

塚本:そうですね。俳優さんが素晴らしく演じてくれて。セリフがないわけですから、演技にかかってるところがありますよね。とても存在感を感じさせてくれました。

彼らはみな『野火』の戦場から生きて戻ってきた人たちと考えていいんですよね?

塚本:そうですね、僕はそのつもりです。

戦争の後始末というか、戦争が起きた後のことをどうするんだという意識ですよね?

塚本:それはありました。戦争が終わったら「終わったー」といってみんな伸び伸びするというイメージがあったんですけど、『野火』をつくってから、戦争が終わっても、ぜんぜん戦争は終わってないと思っていた人たちがたくさんいたことがわかったんですね。

高齢の方にたくさん取材をされたと聞いたんですが。

塚本:それは『野火』の時ですね。皆さん、80歳を越えられてたんで。資料も少ないし、実際の声を聞いとかなきゃと思って。今回は資料がかなりあったので、そこまではしませんでした。

そうなんですね。

塚本:戦争孤児の資料はかなりあったんですよ。でも、復員兵の話はほぼないんです。本当の「加害性」について書いてあるのは。ベトナム戦争に比べるとほんのちょっとだけしかない。

ベトナム戦争だと『ディア・ハンター』だとか『シザーハンズ』だとか映画もわりとありますよね。ストレートなのはウイリアム・ワイラーの『我が生涯の最良の時』ですか。

塚本:ああ、それ、観てないです。

え、意外ですね。それこそ3人の帰還兵の話でPTSDに苦しめられる話です。タイトルも皮肉です。

塚本:それは観よう(と、タイトルをメモする)。

『我が生涯の最良の時』はリアリズムで、『ほかげ』もそれに近いし、『野火』もそうですけれど、塚本作品に期待する荒唐無稽さとは違いますよね。

塚本:前は戦争が迫ってるとか、そういった危機感を感じないでつくってたし、それどころか『マトリックス』が出た時に、ああ、先にやられちゃったと思ったぐらいで(笑)。

あー(笑)。

塚本:どちらかというとヴァーチャル・リアリティの世の中に生きている自分がいて、暴力もファンタジーとして描いてたんです。人間のなかには暴力性があるんだし、観たいんだから、観ればいいし、それがガス抜きになって、実際に(暴力を)やる人も減るだろうという方便をつけていたんですけど、『野火』の3年ぐらい前から戦争を身近に感じるようになっちゃって。ファンタジーとして描くには暴力があまりに近づいてきたと思って、むしろ近づきたくないという思いがあったんですね。こんなに嫌なものに近づきたくないよっていう表現なんです。

逆の印象ですけどね、『野火』は。

塚本:どっちにしろ暴力描写は出てきちゃうんですけど(笑)。以前とは使い方が違います。

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©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

いまは変態性がなくなっちゃったんです(笑)。変態の時は、人間の肌は鉄みたいな硬いものに接している時にフェティシズムが香り立ってエロが際立っていたんですけど。

なるほど。黒沢清さんの『トウキョウソナタ』は、当時観た時、最後に天才的なピアニストが出てきて問題が全部解決しちゃうという安易な終わり方に思えちゃったんですけど、安倍政権になってから見直したら、ぜんぜん印象が変わって、日本人がそんな奇跡みたいなものにしかすがるものがなくなっているという皮肉に観えたんですよ。息子がアメリカ軍に入隊するというエピソードも安倍政権が安保法制を強行採決した後だと、もはや予言みたいだったなと。実際にいま、自衛隊は米軍の傘下にいるようなものですからね。黒沢さんは早かったのかなって。

塚本:黒澤監督はそこまでお考えになってつくったんですね。

……と、思いましたけど。塚本監督が『野火』を撮らなくちゃと感じたのも同じ流れだったということですよね?

塚本:時期は合いますよね。急に近づいた気がして。安倍政権がもう一回、戻ってきちゃった時ですね。前の内閣の時も嗅覚的にはあったんですが、心配な感じは。きっと一回、引っ込んでいる間に設計図をしっかりつくったんでしょうね。早く憲法を変えてとか。どういう段取りでやるか決めて、復活してから着実にやってたんでしょう。『野火』をつくった時も、世の中的にはまだそれほどの危機感はなかったんですよ。だから、つくってはみたものの響かない可能性もあるかなとか、すぐ(上映も)終わっちゃうかもなとは思ってたんですよ。でも、公開してる時に、その時は戦後70年の年だったんですけど、その年にちょうどキナ臭さを感じる人が大勢出てきたので、その人たちの琴線に引っかかったと思うんです。『野火』を上映してる時に、いろんな法案が強行採決されていって。

僕は日本は本気で戦争をやる気はないと思いますけど、それこそ中国軍200万人に対して自衛隊は18万しかいないし、いますぐに10倍にしようという気配もないし。ただ、戦争が近づいてくるというムードだけで塚本作品のようなエロ・グロ・ナンセンスは最初に取り締まられると思うんですよね(笑)。

塚本:そうですよね、気配はありますよね(笑)。そうなったらめちゃくちゃやられるんじゃないですかね。

『野火』で作風を変えたにしても、塚本作品には武器に対するオブセッションがずっとありますよね?

塚本:そうですね、(武器に対する興味が)もっとあれば、もっと複雑で映画も面白くなると思うんですけど、これが案外、嫌いだったんです(笑)。こんなにヤなものなのに、武器が大好きで、頬ずりしたいというのだったら、映画がもっと複雑になると思うんですけど、案外嫌いなんで、どっかあっさりしちゃうんですよ。

なるほど。

塚本:でも、僕の映画で武器をペロペロしたりすると喜ぶ人がいるんで、実感としてちょっと薄い癖に、そのテーマに惹きつけられているという感じがあって。『鉄男』は当時、僕は変態だったので……

いまは違うんですか?(笑)

塚本:いまは変態性がなくなっちゃったんです(笑)。変態の時は、人間の肌は鉄みたいな硬いものに接している時にフェティシズムが香り立ってエロが際立っていたんですけど。

実感を込めて『鉄男』はつくっていたわけですね(笑)。でも、『斬、』の刀も同じじゃないですか?

塚本:あの頃になると、そうですね、あれも『鉄男』なんですけどね、SFじゃないだけで。

そうですよね。

塚本:刀という鉄と一体化するまでの話ですからね。武器はもうヤだと思っているのに、自分でも変態性を思い出すために奮い立たせたんですよ。

そういう感じだったんですか。なるほど。そのヤだと思っているものを今回の『ほかげ』では子どもに持たせましたよね? いまの話の流れでいくとロクなことをしてませんよね(笑)。

塚本:そうですね、いま、あまりに大事なことなので、どこからいえばいいかな。たとえば宮崎駿さんとかも戦争大っ嫌いだと言ってるのに零戦の映画つくったり、けっこう皆さん、戦争は嫌いなのに武器が好きな人は多いから、難しいところなんですけど。えーと、『2001年宇宙の旅』の最初で、猿が木の棒で別な猿を叩き殺して欲しいものを勝ち取った時に人類の夜明けが始まって、その木を空に投げると宇宙船になってピューっと落っこってくるというシーンが全部を物語っているというか、あれは木でしたけれど、人って、こう、鉄と出くわした時に、恋愛がそこから始まっているので、いくらそこから鉄とか武器が憎いものになっても別れようとはならないんですね。憎くても切り離せない。人間と武器はどうしても切り離せないというのが自分のテーマにはなっています。

世界中のあらゆる国家が捨てませんよね。どうしても武器は持ってる。

塚本:そう、みんな鉄が大好きだから、交通事故が多くても自動車を止めようとはならないし、機械と恋愛しているというのがまずはあります。『鉄男』もそうだし、『斬、』の刀をピュッと空に投げると『野火』の世界になって戦車やらなにやら爆発的な量の鉄になるんです。自分の映画では自分というものと鉄の歴史を描いていたんですけど、自分と都市やテクノロジーの関係が、『野火』をつくった頃から、年齢のせいもあると思うんですけど、ついに自分よりも次の世代のことが心配になって、心配で心配でたまらなくなって、あえて子どもに一番恐ろしい武器をもたせちゃったんだなって、いま、言われて気づいたので、それを子どもがどう扱うのかなという話を無意識につくっていたんだなと思いました。

『トウキョウソナタ』で息子がアメリカ軍に入る話と少し重なるのかもしれませんね。『斬、』の時には核武装の話も出ていたので、一般の人にも刀を持つ気持ちになれますかというメッセージに受け取れたんですよ。

塚本:はい、そういう話ですね。

武装する覚悟はありますかと。選挙権を持つような人には『斬、』の問いも有効だと思うんですけど、でも、もっと小さな子どもが武器を持ってしまうと、そのレベルではないですよね。いままでの武器と見せ方も違うし、『ほかげ』の子どもも隠して持っていたし。

塚本:そうですね。無意識ですね。最後に趣里さんが自分の映画にしては珍しくストレートなことを子どもに言うんですけど、すごいじわっと来るのは、やっぱりそういうことがあったからなんですね。また趣里さんがすごいはっきり言うんですよ。あれは感動しましたよ。

確かに。

塚本:趣里さん、ありがとうって。よくぞそこまではっきり言ってくれたって。

塚本監督が書いたセリフなんですよね。

塚本:そうなんですけどね。

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©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

前は映画をつくるのは楽しくてやってたんですけど、戦争映画はやらなきゃいけないという感じなんです。あと1本でやめますけど。そのあとは変態に戻りたい。変態が生きられる世の中にしないといけませんよ(笑)。

現場ではアドリブなんかもあったんですか?

塚本:あんまりないですね。遊んでるシーンぐらいかな。遠足ごっこで。

上官の家に向かっている時に男の子が鼻を啜り上げるシーンがすごくよかったんですけど、不思議な感動があって。

塚本:観てますね(笑)。あれは演出ではないです。自然な成り行きで、そのまま使わせてもらいました。

あの子は動きだけで表現しますよね。感情がすり切れちゃってるというか。

塚本:親が死んでるところから始まってますからね。

とはいえ、あの子が報酬を受け取らないのはさすがに大人っぽすぎると思ったんですけど。

塚本:あの年代になると、もう自意識はあるので、人を撃った行為でお金を受け取ることはできないと思いますよ。

そうですか。

塚本:あるいは直感的にイヤだと思ったか。

塚本監督の視点はあの子に一番近いんですか? 銃だけ持っていて、どうやって生きていくのかなとか考えちゃうんですけど。

塚本:あの子に近いのかもしれないですね。戦争孤児のエピソードにもすごい共感があったんですよ。

戦後、実際に見かけたわけではないですよね。

塚本:そうですね。資料から浮かび上がって来るものです。自分が戦争孤児だったことは、皆さん、隠してるんですよ。戦争孤児だというといじめられたみたいで。


©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

ああ。国というのは、戦争はするけど、まったくケツを拭いてないというか、後ろにいろんなものを残したまんまなんですね。

塚本:本当にそうなんですよ。戦争後遺症になった人はいなかったということにしたみたいなんです、日本は。大和魂で片づけられちゃったみたいで。戦争で気分が悪くなるような奴は日本にはいないと。いないって言われると家族は隠さないといけないし、国は実際には後遺症の研究はしてたみたいで、資料もたくさん残ってるんですけど、戦争が終わった途端に研究もやめちゃったんですね。

研究をしてたこと自体は最低限の良心があったように感じますけど。

塚本:いや、良心というよりヤベエっていう感じじゃないですか。みんな、こんなんなっちゃってるよーとか。でも、そういう人がいると認めたら賠償もしなくちゃいけなくなるから、なかったことにしたんでしょうね。

そうか。

塚本:そういう人たちは、その後、高度成長期の時は仕事をしていて忘れられたんだけど、定年になってから、夜、悪夢が蘇ってきて死ぬまで続いたそうです。

『野火』と『ほかげ』を足すと、やっぱり『ゆきゆきて神軍』を思い出しますよね。

塚本:戦争は調べれば調べるほど人間のどうしようもなさが露呈してくるんですよ。あともう一発は作らないといけないと思うんですけど、調べているとうんざりしますよ。

やらなきゃいけないって(笑)。

塚本:前は映画をつくるのは楽しくてやってたんですけど、戦争映画はやらなきゃいけないという感じなんです。あと1本でやめますけど。そのあとは変態に戻りたい。

(笑)。

塚本:変態が生きられる世の中にしないといけませんよ(笑)。

どうして高校生の時に『野火』を読もうと思ったんですか?

塚本:偶然なんですよ。日本の文学に目覚めてあれこれ読んだんです。薄いわりに濃密そうだなと思って。『野火』とか『黒い雨』とか『砂の女』とかシンプルなタイトルで、濃密そうだと惹かれるんです(笑)。

『万延元年のフットボール』とかダメなんですね。

塚本:それは未読でした。外国の本も読めなかった。登場人物の名前が長いのもダメだったんです(笑)。

『ほかげ』はそれ以前に誰にも名前がついてないですよね。「女」とか「復員兵」とかもはや記号ですよね。

塚本:僕ね、3人以上出るとダメなんです。4人、5人になると、もう分かんなくなるんです(笑)。

『ほかげ』は前半と後半で視点が変わるし、人数が多いというほどではないですけど、塚本作品にしては複雑ですよね。

塚本:複雑ではないけど、パタッと様変わりするのは珍しいですね。

最近は都市よりも自然を撮りたいということでしたし、後半はほとんど自然の風景でしたね。

塚本:前半のシチュエーションで行くのもストイックでいいんですけど、自分のなかでは黒澤明監督の『天国と地獄』のパロディの気分があるんですよ。

ああ。でも、塚本監督は自然を撮っていても、『斬、』なんか密室みたいでした。

塚本:そうですね。

開放感がまったくない。武器と同じで塚本監督には抜け出られないものがあるというか。

塚本:ああ。密室も嫌いなんだけど好きというか。『HAZE』とか撮ってますから。(*『HAZE』=狭い空間に男が閉じ込められた短編)

閉所恐怖症でしたよね、そういえば。僕もそうなんですけど。

塚本:僕は金縛りにしょっちゅう会うんですけど、あれが閉所の極限です。

いまでも?

塚本:いまでもしょっちゅうですね。子どもの時からずっと恐怖です。


『ほかげ』にちらっと出てくる傷痍軍人は僕も当時、見たことがある。大島渚『日本春歌考』の冒頭にもちょっと出てくる。しかし、戦後すぐの闇市はさすがに見たことがない。塚本監督も実際に体験したわけではないものの、その痕跡に惹かれて、最初は短編のつもりで撮り始めたのが『ほかげ』だったそうである。それが思いの外、長い作品になってしまったと。「(闇市は)憧れだったんですね。ヤクザとか愚連隊とかテキ屋とかパンパンとかオカマとか、そういう人たちが活躍していて、もうカオスで」と塚本監督は話していた。『ほかげ』が闇市だけの作品にならなかったのは、やはり『野火』のインパクトがまだ監督のなかで衰えていなかったからだろう。そして、もう一本、戦争映画を撮るつもりだとは本文中にあった通り。これも覚悟して待つこととしたい。『ほかげ』の試写を観た夜、帰りに渋谷の道玄坂を下りながらメイド服の女の子がズラっと並んでいるのを目にして、闇市のエネルギーはまだ続いているのかもしれないと僕は思った。

『ほかげ』

11月25日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

監督・脚本・撮影・編集・製作:塚本晋也
出演:趣⾥、森⼭未來、塚尾桜雅、河野宏紀、利重剛、⼤森⽴嗣
助監督:林啓史/照明:中⻄克之/⾳楽:⽯川忠
⾳響演出:北⽥雅也/ロケーションコーディネート:強瀬誠
美術:中嶋義明/美術デザイン:MASAKO/⾐装:佐々⽊翔/ヘアメイク:⼤橋茉冬
製作:海獣シアター/配給:新⽇本映画社
2023年/⽇本/95 分/ビスタ/5.1ch/カラー
配給:新日本映画社
©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
https://hokage-movie.com/#about

AMBIENT KYOTO 2023最新情報 - ele-king

 好評開催中の「AMBIENT KYOTO 2023」、最新情報のお届けです。会場ごとに撮りおろした参加アーティストの作品動画が本日より公開となります。坂本龍一+高谷史郎、コーネリアスバッファロー・ドーター山本精一の4組分、2023年末までの限定公開です。

 あわせて、イベント情報も発表されています。12月10日(日)、坂本高谷作品が公開されている京都新聞ビル地下1階にて、原摩利彦+中山晃子、古舘健+YPY(日野浩志郎)、E.O.U.+Saeko Ehara、小松千倫+jvnpeyによるパフォーマンスが披露されます。その後京都メトロにてアフターパーティも予定されているとのこと。ぜひ足を運んでみてください。

AMBIENT KYOTO 2023
-撮り下ろし作品 スペシャルムービーを2023年11月20日(月)より期間限定公開
-コラボレーションイベント ACTIONS in AMBIENT KYOTO 12月10日(日)開催決定
会期:2023年10月6日(金) - 12月24日(日)

2023年10月6日(金)より12月24日(日)まで、京都の2会場を舞台に開催されている、アンビエントをテーマにした音・映像・光のインスタレーション展「AMBIENT KYOTO 2023」より最新情報をお送りします。

参加アーティスト 坂本龍一 + 高谷史郎、コーネリアス、バッファロー・ドーター、山本精一 の作品動画を、会場ごとに撮り下ろし、11月20日(月)より2023年末まで、期間限定で公開いたします。

また、「AMBIENT KYOTO 2023」とのコラボレーションイベントとして、「ACTIONS in AMBIENT KYOTO」の開催が決定しました。12月10日(日)には、「坂本龍一 + 高谷史郎 | async - immersion 2023」作品が展開されて いる京都新聞ビル地下1階にて、ライブ・パフォーマンスが行われます。
その他、「Farmoon x Miu Sakamoto "wonder" X AMBIENT KYOTO 2023」が開催されるなど、会期終了まで様々 なコラボレーションイベントも実施する予定です。

会期も折り返し地点を迎えた「AMBIENT KYOTO 2023」をさまざまな角度からお楽しみください。

◉会場: 京都新聞ビル地下1階
坂本龍一 + 高谷史郎 | async - immersion 2023

動画リンク: https://youtu.be/6TzTRUlqb9A

坂本龍一が2017年に発表したスタジオ・アルバム『async』をベースに制作 された高谷史郎とのコラボレーション作品の最新版。京都新聞ビル地下の広 大な空間を使い展開するサイトスペシフィックなインスタレーション。

作品詳細・アーティストコメント
https://ambientkyoto.com/exhibition

◉会場:京都中央信用金庫 旧厚生センター
Cornelius、Buffalo Daughter、山本精一 3組のアーティスト作品

動画リンク: https://youtu.be/70Y0hRh3EjM

Cornelius : QUANTUM GHOSTS / TOO PURE / 霧中夢 -Dream in the Mist-
Buffalo Daughter : Everything Valley / ET(Densha)
山本精一 Silhouette

詳細は下記よりご覧ください。
作品詳細・アーティストコメント https://ambientkyoto.com/exhibition
作品&アーティスト概要資料 https://www.how-pr.co.jp/pressrelease/2023_AmbientKyoto_works.pdf

【コラボレーションイベント】
ACTIONS in AMBIENT KYOTO

京都新聞本社ビル地下1階の坂本龍一+高谷史郎による「async - immersion 2023」のために設置された横幅20mを超えるLEDスクリーン、そして、30台以上のスピーカーを活用した4組のコラボレーション・ライブ・パフォーマンスを開催します。広大な空間にエクスペリメンタルな音響が漂います。終演後にはmetroにてアフターパーティーを開催予定。詳細は、下記ウェブサイトをご覧ください。
https://interference-resonance.ekran.jp/

開催概要 日時:12月10日(日)
会場: 京都新聞ビル地下1階

ライブパフォーマンス
・原摩利彦と中山晃子が初のコラボレーション。
・古舘 健とYPYこと日野浩志郎によるオーディオビジュアルのデュオパフォーマンス。
・近年、クラブ/レイブシーンで大きく注目を集めるE.O.U.のパフォーマンスに、AIとジェネラティブアートを組み合わせたビジュアル作品を発表しているSaeko Eharaが映像で参加。
・現代美術と音楽の間で活動する小松千倫と新進ビジュアルアーティストであるjvnpeyによるコラボレーションパフォーマンス。

公式ホームページ. https://ambientkyoto.com
X.  https://twitter.com/ambientkyoto
Instagram. https://www.instagram.com/ambientkyoto
Facebook. https://www.facebook.com/ambientkyoto

仙人掌 & S-kaine - ele-king

 ソロMONJU、〈DOGEAR RECORDS〉の一員として東京を中心に活動を続けているラッパー、仙人掌。その新作は、大阪の若きラッパー/ビートメイカー、S-kaine との共作アルバムだ。『82_01』というタイトルにあらわれているように、82年生まれと01年生まれによるこのタッグは、地域のみならず世代も超えたコラボとなっている。
 配信ではすでに聴くことができるが、1曲追加収録曲のあるCD盤は11月20日にリリースとのこと。チェックしておきましょう。

11/20 (MON) より全国CDショップにて販売開始予定

82年生まれ、東京のHIPHOPをリードするMC・仙人掌の久々のまとまったリリースは、01年生まれ、大阪は西成で育った次世代のHIPHOPを担うMC/ビートメイカー・S-kaineとガッツリ組んだジョイント作、その名も『82_01』だ。場所も世代も越えて絡み合う二頭の龍が耳元で火を噴けば、彼らが見つめた街の景色、フロアで踊る友達や仲間の姿......痛みや救いの混じり合った、たくさんの夜の記憶がすぐさま鮮明に立ち上がる。とりわけ目を見張るのは、仙人掌とS-kaineの両者が刺激し合い、それぞれのラップに新たなフィーリングを宿らせていることだ。成熟した仙人掌のラップはより深く街の声に呼応して軽快に躍動し、若きS-kaineは自身の存在をHIPHOP史へとさらに色濃く書き記すようにドープな夜を鋭くライムしている。そう、『82_01』は彼らが夜の街へ繰り出し、繋がり、お互いのこれまでに触れて、それぞれが自らを更新したことの証明なのだ。そうして生まれた、このみずみずしく強靭なグルーヴは、再生するたびに強度を増して、あなたの身体に染み付いた夜の痕跡を、何度でも明日の希望へと書き換えていくだろう。ここにある可能性を、その耳でたしかめて欲しい。

Title : 82_01
Artist : 仙人掌 & S-kaine
Release Date : 2023/11/20 (MON)
Format : CD
Price:¥2.500- (税別)

■Track List

01. STEEL ATTITUDE Prod By ENDRUN
02. SWITCH ON Prod By ENDRUN
03. BIRDS (feat. CHAKRA) Prod By GWOP SULLIVAN
04. STRANGE LENS Prod By LAF
05. 残党2023 (feat. MC Spirytus) Prod By Juda
06. UNDER THE MOON Prod By DJ GQ
07. RETURN TRIP (feat. SEDY NEZZ) Prod By Juda
08. WISH Prod By Juda
09. OUR MUSIC Prod By Juda
10. 82_01 TO CONTINUE Prod By Juda

All Produced By 82_01
Track 3,4 Cuts By DJ K-FLASH
Mix&Mastered By TAKANOME
Design&Layout By SPECDEE
Photo By CAYO IMAEDA
Recorded By J.Studio Tokyo,BMJ Studio Fukuoka,WMI Studio Osaka,103LAB.

[仙人掌 & S-kaine プロフィール]

東京を中心に活動するMONJU / DOGEAR RECORDSの一員であるラッパーの仙人掌と、大阪の次世代を担う気鋭のラッパー/ビートメイカーのS-kaine。
82年生まれと01年生まれという場所も世代をも超えて、HIPHOPという共通言語のみで繋がり生まれたスペシャルジョイント。

Coucou Chloe & Meth Math - ele-king

 音楽を中心としたプラットフォーム〈AVYSS〉が立ち上げから5周年を迎え、11月18日(金)の深夜に渋谷WWW Xにて「AVYSS X」を開催。今回はロンドンよりクク・クロエ(Coucou Chloe)、メキシコよりメス・マス(Meth Math)が来日する。国内からはAVYSSに所縁のあるアーティストを中心に30名以上が集結。5年間をそれほど総括せずに、現在と少しの未来を噛み締めたり見据えたりしつつ、出来る範囲で未知のもの(X)に向き合いたい気持ちを込めたアニヴァーサリー・パーティ。

 クク・クロエは、フランス出身でロンドン拠点に活動するシンガー/プロデューサー/ダーク・ロマンティック・アイコン。以前はセガ・ボデガとのユニットY1640としても活動し、セガ・ボデガやシャイガールとともにレーベル〈NUXXE〉を立ち上げたひとり。近年ではレディ・ガガのリミックスを手掛け、コブラ(COBRAH)やアースイーターと共作もおこなっている。

COUCOU CHLOE – DRIFT (Official Video)

 メス・マスはメキシコ・ソノラ州の州都エルモシージョ出身、パンクとレイヴのシーンで育った音楽家。その音楽性は「ラテン・ミュージックのインディ悪魔解体」「デモニック・ネオペレオ」などと呼ばれ、ウィッチ・ハウス以降のモードとラテン・ミュージックがユニークなバランスで溶け合う。これまでにセガ・ボデガ、Dinamarca、マシーン・ガールなどとコラボレーションを果たした。現在デビュー・アルバムの制作が進行中とのこと。

Meth Math - Mantis (Official Video)

 また、AVYSS Xのフライヤーヴィジュアルを反映したゲーム「X散歩」が公開。Windowsのみ対応。〈みんなのきもち〉のKazuma Watanabeが手掛けたヴィジュアルをもとに、JACKSON kakiがゲームプログラムと映像を制作。BGMとして流れる音楽を〈AVYSS〉ファウンダーの音楽家・CVN(ex. Jesse Ruins)が手掛けた。

 当日は会場内でAVYSS X記念Tシャツを販売。ホワイトとブラックの2色展開(サイズ:L/XL)。イベントのメイン・ヴィジュアルを発展させたデザインは、引き続き〈みんなのきもち〉のKazuma Watanabeが手掛けている。さらに入場者には先着でAVYSS X蓄光ステッカーをエントランスで配布(なくなり次第終了)。

 なお、XフロアでのDJとVJの組み合わせを含めたフロア分けやタイムテーブルはAVYSSのSNSにて後日発表される。

イベント詳細

公演タイトル AVYSS X -5th Anniversary-
日時 11月18日(土)
会場 WWW X + 4F https://www-shibuya.jp/
OPEN 23:30

TICKET https://t.livepocket.jp/e/20231118wwwx
ADV: ¥4,000+1d

Live
COUCOU CHLOE
Meth Math
+
BBBBBBB feat. aeoxve, 徳利(video)
CVN feat. DAFTY RORN, Milky, π
cyber milkちゃん
Emma Aibara
skeleton538
UNIT KAI
Yoyou

Shot Live

lllllilbesh ramkooo!!!!
safmusic
Saren

DJ
cityofbrokendolls
divine oracle (Yurushite Nyan×in the pool)
Lily Fury
みんなのきもち
music fm
noripi and seaketa
okadada
Shine of Ugly Jewel
SxC Loser (NordOst×YONEDA)
tomodachi100
Uztama

VJ
fantaneruran
不吉霊二
JACKSON kaki
naka renya

Video
Kenji

POP-UP
MOTHER

FOOD
駒澤零
投擲 food team(anymo, atri, kappa, munéo, Ranz Jigoku, 鬼車, 水母娘娘, 星山星子)

(A-Z)

Staging : yoh
Photo shoot : マ
Staff : yoen
Flyer : Kazuma Watanabe
Direction : CVN

Over 20 only・Photo ID required
20歳未満入場不可・要顔写真付ID
公演詳細はこちら

Road Trip To 全感覚祭 - ele-king

 GEZANが主宰するレーベル〈十三月〉による野外イヴェント、「Road Trip To 全感覚祭」が急遽開催されることになった。これまで「全感覚祭」は入場フリーの投げ銭制という独自のアイディアで運営されてきたフェスだが、パンデミックをはさみ、あらためて「Road Trip To 全感覚祭」としてひさびさに敢行される。
 会場は川崎のちどり公園。今回はチケット制で、明日8日より発売開始。GEZANのほか渋さ知らズ、ゆるふわギャング、踊ってばかりの国などなど、出演者30組も発表されている。マヒトゥ・ザ・ピーポーによるメッセージとともに、下記からご確認ください。

GEZAN主宰レーベル・十三月が主催する野外イベント『Road Trip To 全感覚祭』、開催地詳細や出演者30組を発表! (※マヒトゥ・ザ・ピーポーよりコメントあり)

GEZAN主宰レーベル・十三月が11月18日(土)深夜に開催する野外イベント『Road Trip To 全感覚祭』の現時点での詳細が明らかになった。今回発表されたのはライブアクト15組、展示やマーケットなどで参加する作家/アーティスト16組の計31組で、更なる追加発表も予定されているとのこと。

【全感覚祭】は十三月が “面白さの価値は自分で決めてほしい” というコンセプトで入場フリーの投げ銭制で開催してきた野外フェス。2019年以来、コロナ禍を経て久々となる今回は『Road Trip To 全感覚祭』と題しての緊急開催。
開催地は全感覚祭では初となる川崎・ちどり公園。20時オープン21時スタート、全感覚祭ならではの濃厚ラインナップが明け方まで展開される。

また今回は投げ銭ではなく、金額別のチケット制となることも併せて発表された。チケット金額については先着順で来場者が選べる形となっている。
来場予定の方は特設サイトに掲載されている『Road Trip To 全感覚祭』に向けてのマヒトゥ・ザ・ピーポーからのステートメント、そして注意事項を熟読の上で明日、11月8日(水)21時からPeatixにて販売されるチケットを申し込んでほしい。

――

Road Trip To 全感覚祭

act :
GEZAN
渋さ知らズ
ゆるふわギャング
踊ってばかりの国
切腹ピストルズ
moreru
鎮座DOPENESS
Glans
やっほー
KOPY
abos
penisboys
高倉健
YELLOWUHURU
THE GUAYS
and more…

artist :
STANG
飯田団紅
Masahiro Yoshimoto
Teji
高橋盾(UNDERCOVER)
harune.h
とんだ林蘭
前田流星
ソノダノア
北山雅和
YUICHIRO TAMAKI
佐藤円
NAZE
蝉丸
名越啓介
池野詩織

2023.11.18 saturday midnight
Chidori Park, Kawasaki
open/start 20:00/21:00

Ticket : Peatix 【 https://zenkankakusai2023.peatix.com
A : ¥3,000 / B : ¥5,000 / C : ¥7,000
11/8 wed. 21:00 ON SALE

※18歳未満のお客様は保護者様同伴の上ご来場ください。保護者様がいらっしゃらない18歳未満のお客様の入場はお断りいたします。
※23時~4時の間は18歳未満のお客様は会場内に滞在出来ませんので必ずご退場お願いいたします。
※会場受付にてIDチェックを行います。顔写真付き身分証明書をご持参ください。
※チケットを複数枚ご購入される方は、ご入場時必ずチケット分の人数が揃った状態でご入場ください。

info : zenkankaku@gmail.com

ビジュアルとアーティストと作家の第一弾を公開しました。
2023/11/18、Road trip to 全感覚祭を川崎ちどり公園で20:00から日の出にかけて開催します。期間の限られた中でチーム一丸、火ついた矢のごとく駆け抜けています。
来場する方は下にある注意事項やステートメントを必ず読んでからエントリーお願いします。

会場のキャパは2000人になります。この人数以上は来場できません。
販売方法はPeatixで¥3000¥5000¥7000のチケットを11/8(水) 21:00より販売します。チケット枠にはそれぞれ限りがある購入制で当日はこれにプラス、投げ銭を募集し、2000円以上で全感覚手ぬぐいを手に入れられます。
今日までに事前投げ銭やTシャツなどサポートしてくれた方、本当にありがとう。できることできないこと、たくさんの気持ちがありますが今祭はもちろん、このRoad tripを来年の全感覚祭につなげていきます。

駐車場は使用できないので車は原則禁止です。渋谷駅からJR川崎駅まで約30分、川崎駅よりタクシー 約10分、バスで約20分でこれるアクセスのいい場所になります。都内からタクシーでも8000円くらいでこれるので、相乗りしてくるのも推奨です。

アーティストの告知してから10日前後で本番という興行目線をぶっちぎった開催で、人が集まるのか、集まったとて予算がはまるのか、無事走り切れるのか、億万の不安はありますが全集中力を総動員していい時間をたぐりよせる。
会場で必要な資材やは準備がギリギリなのもあってコストがあがってしまった。とにかく背伸びせずに今やれることの全力をやる。

祭りをはじめると当たり前のことなんて何一つないんだと実感する。ステージ一つ、音響一つ、ゴミ箱一つ、演者や裏方の気持ち一つ、何一つ当たり前のことなんてないのだと気づく。
出演してくれる演者も二つ返事でのってきてくれたアーティストばかりで、同調ではなく同時代を並走する気概に心あおられる。

11/18 レーザーで祭壇をつくろうと思ってる。先日出演したfrueでも色んな人とたくさんOLAibiの話をした。祭りでそんな風に話すことは健全だと思う。距離が近かった人も遠い人もいるだろうけど、音楽を生きてきた人はピュアな意識を世界に溶かしてきたのだから、友達とお客さんも境界もないし、さよならのためじゃない花をそなえたい。きっと笑ってくれると思うんだな。

ルールはルールで、それ以上にその場所その瞬間で想像力と思いやりが交錯するところをイメージしています。
2023年、終わりに向かっていく今、わたしたちがやり残したこと、Road Trip To 全感覚祭よろしくお願いします。

(マヒトゥ・ザ・ピーポー)

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