「OTO」と一致するもの

Kumo No Muko - ele-king

 君はAlixkun(アリックスクン)を覚えているかい? 歴史に埋もれた掘り出し物をを求め、ほとんどの休日を関東圏のあらゆる中古レコード店めぐりに時間とお金を費やしている、日本在住のフランス人DJであり、正真正銘のディガーだ。Alixkunの最初の探索は、日本のハウス・ミュージックの発掘からはじまった。そしてその成果は、まったく美しいコンピレーション・アルバムへと結実した
 Alixkunの次なる冒険は、80年代の日本で録音されたアンビエント&シンセポップだった。綿雲のうえを歩くようなサウンドに彼は取り憑かれ、そしてレコードの狩人となって来る日も来る日も探求を続けた。そして出会った小久保隆、井上敬三、渡辺香津美、坂本龍一、井野信義、宮下富実夫、小山茉美、鈴木良雄、Dip in the Pool……彼は舐め尽くすようにレコードの1曲1曲を聴き続け、吟味して、それがいよいよコンピレーション・アルバムとなって発売される……
 タイトルは『雲の向こう A Journey Into 80's Japan's Ambient Synth-Pop Sound』。発売は6月27日だが、HMVのホームページにて予約を開始した。アートワークも最高だし、内容も素晴らしい。ぜひチェックして欲しい。

■V.A.『雲の向こう A Journey Into 80's Japan's Ambient Synth-Pop Sound』
CAT NO.:HRLP108/9
FORMAT:2枚組LP
発売日:2018年6月27日(水)発売

[収録曲]
A1. Underwater Dreaming / Takashi Kokubo
(Music by Takashi Kokubo)

A2. Kitsu Tsuki / Keizo Inoue
(Music by Kazumi Watanabe)

A3. Window / Nobuyoshi Ino
(Music by Kazumi Watanabe)

B1. A Touch of Temptation / Masaaki Ohmura
(Music by Masaaki Ohmura)

B2. Kuroi dress no onna -Ritual- (English Version) / dip in the pool
(Music by Masahide Sakuma / Words by Miyako Koda)

B3. Silver Snow Shining / Shigeru Suzuki
(Music by Shigeru Suzuki)

C1. Obsession / Chika Asamoto
(Music by Kazuo Ohtani)

C2. Love Song / Mami Koyama
(Music by Masanori Sasaji / Words Yuho Iwasato)

C3. In The Beginning / Fumio Miyashita
(Music by Fumio Miyashita)

D1. The Mirage / Yoshio Suzuki
(Music by Yoshio Suzuki)

D2. Watashino Basu / Yumi Murata
(Music by Akiko Yano)

D3. Itohoni / Chakra
(Music by Bun Itakura / Words by Bun Itakura / Mishio Ogawa)

Alva Noto & Ryuichi Sakamoto - ele-king

 アルヴァ・ノト(カールステン・ニコライ)と坂本龍一によるコラボレーションの最新作である。リリースはカールステン・ニコライが運営する〈noton〉から。
 二人が手掛けた『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品)の映画音楽から、彼らの音楽/音響は、どのような「響き」へと至ったのか。もしくは何が継続しているのか。それを知る上で非常に興味深いアルバムであった。
 彼らは音の美や透明性、その自律性にはこだわりがあるが、しかし「音楽」を固定的な形式性としても考えていない。それゆえ「サウンド・アート」的な作品を、驚きに満ちた「音楽」として、まずもって捉えているのだ。音楽は自由であり、その美意識は結晶である。

 本作『グラス』はアメリカのモダニズム建築を追求した建築家フィリップ・ジョンソン(1906年7月8日~2005年1月25日)による20世紀の名建築「グラスハウス」での二人の演奏を記録したアルバムである。演奏は、2016年にジョンソンの生誕110周年、およびグラスハウスの一般公開10期目を記念して公開された草間弥生のインスタレーション《Dots Obsession - Alive, Seeking For Eternal Hope》展示時のオープニング・パーティで披露されたものだ(ちなみに客席にはビョークがいたらしい!)。本アルバムは36分59秒に渡ってこの日の音響音楽を収録している。

 「グラスハウス」はコネチカット州にある1949年に建てられた四方をガラスで囲まれたミニマムなデザインの個人邸宅で、ジョンソンのパートナーであったアート・コレクターであるデイヴィッド・ホイットニーと自身のために設計・建築されたもののひとつだ。
 坂本龍一とカールステン・ニコライは、この「グラスハウス」の特質を存分に利用した方法論で本作のサウンドを産みだした。コンタクト・マイクを「グラスハウス」のガラスに付けて坂本龍一はゴムのマレットでガラスの表面を擦る。いわば「グラスハウス」全体を楽器のように音に鳴らしている。「グラスハウス」という環境・建築・空間それ自体が音響発声装置なのだ。
 むろん、彼らのまわりにはラップトップ、シンセサイザー、ミキサー、シンギング・グラス・ボウル、クロテイルなどの多くの楽器(音響生成のためのモノたち)が置かれている。坂本はキーボードを鳴らしつつ、シンギング・グラス・ボウルを擦り、微かな音を発生している。カールステンはラップトップに向かうと同時にクロテイルを弓で演奏する。それら「モノ」たちが音を発する様は、美しく、儚い。当日の演奏の模様はインターネット上で映像作品としても発表されているが、それを観ると「演奏者二人も含めたインスタレーション」のように思えるし、音響彫刻のようにも見えてくるから不思議だ(演奏は100%即興だという)。

 坂本は、2017年にリリースした新作『async』において「非同期」というコンセプトを聴き手に提示し、それに伴うインスタレーションを「設置音楽」と名付けた。「音響」ではなく、「音楽」なのだ。となれば2016年に披露された本アルバムの演奏もまた「非同期」であり、一種の「設置音楽」ではないかと想像してしまう。
 本作においても重要な点は、サウンド・アート的であると同時に「音楽」である点に思えてならない(ノイズ/ミュージック)。音響は、かすかなノイズや具体音が鳴り響きつつも、それらは「音楽」として緩やかに、大きな流れの線を描く。演奏の後半においては「旋律の前兆」のような響きも鳴り響く。ここにおいてノイズとミュージックが、それぞれの領域に清冽な空気のようにミックスされていく。

 それらすべてを包括するかたちで「グラスハウス」という場所が機能しているように思えた。音楽と場所。音響と空間。現代のようにインターネット空間において無数の音楽に解き放たれている時代だからこそ、ある限定された場所/空間における音楽の重要性や影響もまた大きな意味を持ち始めているのではないか。むろん、それはどこでも良いというわけではなく、コンセプトへの共振が重要に思える。
 その意味で「グラスハウス」=フィリップ・ジョンソンの「新しいものへの進化」、「モダニズムの追求」、「普遍性との共生」のコンセプト(概念)への共振は重要ではないか。個と社会、モダンとポストモダン、人工と自然。その両方を考えるということ。
 なぜなら坂本龍一やカールステン・ニコライもまたそのような20世紀以降のモダニズムの問題を音楽やテクノロジーの側面から追求してきたアーティストだからだ。となれば彼らが「グラスハウス」という「場所」にインスピレーションを受けて、素晴らしい音響を生成し、新しく普遍的な「音楽」の演奏を行ったことは必然だったのかもしれない。
 本作はこの二人の「音楽家」としての本質を知る上でとても重要な記録録音/音響音楽ではなかろうか。耽美的で「美しい」音響であっても、湿ったナルシシズムとはいっさい無縁だ。まさにガラスのように「透明な音楽」である。

Klein - ele-king

 これは昂奮せずにはいられません。『Only』で圧倒的な存在感を示し、昨年は〈Hyperdub〉との契約~EPのリリースも話題となったクラインが、来る3月23日、ついに初来日を果たします。OPNやアルカの登場から時代がひと回りし、新たなエレクトロニック・ミュージックの機運が熟しはじめている昨今、ele-king編集部内でも「次の10年を決定づけるのは誰か」という議論が日々盛り上がっておりますが、その最右翼のひとりがクラインです。彼女の魅力を説明するのに、コード9でさえ言葉を失うほど。つまり、今回の来日公演は絶対にスルーするわけにはいかないということです(当日は〈PAN〉のフローラ・イン=ウォンやセーラーかんな子らも出演)。いやしかし去年のチーノ・アモービといい先日のニガ・フォックスといい、《Local World》はほんとうに良い仕事をしますな~。


Local 6 World Klein
2018/03/23 fri at WWWβ

時代を研ぎ澄ますアフロ最前衛の結晶 Klein 初来日! “フリーク・アウトR&B”とも形容される、サイケデアリにまみれたナイジェリアン・ルーツのミュータント・ソウル・シンガー/プロデューサーをロンドンから迎え、本ディケイドの電子音楽を革新する〈Hyperdub〉と〈PAN〉、そして中国、韓国、アイルランド、日本など、様々な背景が入り混じるエクスペリメンタル・クラブ・ナイト。

圧倒的にオリジナルな作品で時代を駆け抜けるアフリカン・ルーツの女性プロデューサー Jlin (Planet Mu)、Nidia Minaj (Principe)、Nkisi (NON Worldwide) などと同時期に、R&B/ソウル/ゴスペルを軸にサイケデリックかつゴシックなテイストでノイズ、インダストリアル、トラップ、UKガラージをコラージュで紡いだ怪作『Only』〈Howling Owl 2016 / P-Vine 2017〉で現代電子音楽の最前線へと躍り出し、昨年〈Hyperdub〉からデビューを果たし、Laurel Halo の最新作にも参加したサウス・ロンドンの異端 Klein が、ローカルかつワールドな躍動を伝える《Local World》第6弾へ登場。共演には元『Dazed』のエディターとしても活躍し、現在ベルリンの〈PAN〉の一員としても働く、ロンドン拠点のプロデューサー/DJ Flora Yin-Wong、ネット・カルチャーから現れ、新旧のアンダーグランドなクラブ・ミュージックと日本のサブカルチャーのセンスが入り混じる特異な存在 Sailor Kannako (セーラーかんな子)、日本とアイルランド双方にルーツを持ち、複数の言語と独自のセンスでその世界観を表現するプロデューサー/シンガー ermhoi、ロンドンの〈BBC AZN Network〉やアジアンなクリエイティヴ・コレクティヴ Eternal Dragonz にミックスも提供する韓国は釜山生まれ、現在は東京を拠点とする Hibi Bliss が登場。拡張されるアフロやR&B、躍進するアジア、そして女性アーティストの活躍など、今日のエレクトロニック/クラブ・ミュージックの躍動とモードがミックスされた最旬のエクスペリメンタル・クラブ・ナイト。

Local 6 World Klein
2018/03/23 fri at WWWβ
OPEN / START 24:30
ADV ¥1,500 @RA / DOOR ¥2000 / U23 ¥1,000

LIVE:
Klein [Hyperdub | Nigeria / London]
ermhoi

DJ:
Flora Yin-Wong [PAN | London]
Sailor Kannako
Hibi Bliss

https://www-shibuya.jp/schedule/008823.php

※未成年者の入場不可・要顔写真付きID / You must be 20 or over with Photo ID to enter.


■Klein (クライン) [Hyperdub | Nigeria / London]

ナイジェリアのバックグランドを持つサウス・ロンドン拠点のアーティスト。シアターやゴスペルのファンであり、楽曲制作の前に趣味でポエトリーを書き、Arca の勧めにより本格的にアーティスト活動を始動。自主で『Only』(国内盤は〈Pヴァイン〉より)と『Lagata』を2016年にリリース、UKの前衛音楽の権威である『The Wire』やレコード・ショップ Boomkat から大絶賛され、一躍シーンの最前線へ。2017年には Kode9 主宰の〈Hyperdub〉と契約を果たし、リリースされたEP「Tommy」は『Tiny Mix Tapes』や『Pitchfork』といった媒体で高い評価を受け、最近ではディズニー・プリンセスにインスパイアされたファンタジー・ミュージカル『Care』のスコアとディレクションを手がけ、ロンドンのアート・インスティテュートICAにてプレミア公開。
https://klein1997.bandcamp.com/

■Flora Yin-Wong [PAN | London]

ロンドン生まれのプロデューサー、ライター、DJ。「|| Flora」としても知られ、フィールド・レコーディング、ディソナンス、コンテンポラリーなクラブ・カルチャーを下地とした作品やミックスを発表。これまでにベルリン拠点のレーベル〈PAN〉の一員としてベルグハインやBlocのショーケース、アジアや欧州を軸に様々な場所でDJをプレイ、Boiler Room、NTS、Radar Radio、BCRといったショーへも参加。プロデューサーとしてはNYCの〈PTP〉からEP「City God」をテープでリリース、〈PAN〉のアンビエント・コンピレーション『Mono No Aware』、その他 Lara Rix-Martin の〈Objects LTD〉、Lolina (Inga Copeland) や IVVVO も参加の〈Caridad〉のコンピレーションへ楽曲を提供、Celyn June (Halcyon Veil) のリミックスやミランの〈Haunter〉やロンドンの〈Holodisc〉とのトラック共作を手がけている。
https://soundcloud.com/floraytw

■Sailor Kannako(セーラーかんな子)

1992年広島生まれ。2012年ごろから、ネット・カルチャーを軸にしたパーティ《Maze》に参加。現在は幡ヶ谷Forestlimit など、都内を中心にDJしたりしなかったり。SoundCloudでミックス音源をときどき更新中。
https://soundcloud.com/onight6lo0mgo

■ermhoi

日本とアイルランド双方にルーツを持ち、複数の言語と独自のセンスで世界観を表現する、プロデューサー/シンガー。2015年ファースト・アルバム『Junior Refugee』を〈salvaged tapes records〉よりリリース。以降イラストレーターやファッションブランド、演劇、映像作品への楽曲提供や、千葉広樹をサポートに迎えてのデュオ、吉田隆一と池澤龍作とのトリオの nébleuse、東京塩麹のゲストボーカル、TAMTAM やものんくるのコーラスなど、ジャンルに縛られない、幅広い活動を続けている。
https://soundcloud.com/ermhoi

■Hibi Bliss

DJ HIBI BLISS a.k.a Princess Samsung

https://soundcloud.com/hibi-bliss

 ブルックリンに住んでいると、タイムス・スクエアに行くことは滅多にない。夜でも昼のような電光の明るさ、多くの迷える観光客の多さ──ニューヨークの代表観光地だが文化の匂いはない。しかし、今回はミッキーマウスやクッキーモンスターの着ぐるみたちの写真攻撃を避けながら(チップを請求される)、タイムズ・スクエアにある映画館、AMCエンパイア・マルチプレックスにやって来た。3日間のイベント「インターファレンスAVフェス」、実験的ヴィデオアート、ライヴ・ミュージック……。しかも、ジェイリン、ライトニング・ボルト、サン・ラ・アーケストラが出演すると来たら、行かないほうが不思議である。
https://www.facebook.com/events/912546688904186/

 主催は、1972年からNYで現代アートをサポートするための実験的アート・プラットフォームを作って来た先駆者、クロック・タワーと公共のアート機関のタイムズ・スクエア・アーツ。こんな場所にこんな機関があったとは初耳だが、新世代のスタッフが繋げたのだろう。
 ヴィデオ集団のアンダーボルト&CO、ピーター・バー、サブリナ・ラッテがVJを担当、ロビーではザ・メディア、サフラゲット・シティ、ムーディ・ローズ・クリストファー、エトセトラ、ウィアード・ベイベズ・ジンなどが出展するジン・フェアも開催。ピザやプレッツェルを食べながらのゆるーくDJもいる。

 そして1日目のジェイリン。ステージに上がった瞬間から、もう彼女の世界。個人的に今回いちばんの衝撃。紙エレキングの年間ベストの3位に選ばれていただけあって、フットワークの鬼才と言われる彼女の音楽は、音を畳んだり曲げたり、ダークな音の粒が会場を弾け回る電子音楽。音とぴったりシンクロするヴィデオ・プロジェクションも素晴らしい。ロープが人間に、幾何学模様に、映像だけでも見る価値ありのAVフェスなので、音楽とコラボレートすると効果はさらに倍増。席のある映画館でありながら、人びとの体は揺れまくった。最後の曲は「インターネット、コンピュータ、ソーシャル・メディアで生活をめちゃくちゃにされた人びとに捧げる」。さすが。
https://www.brooklynvegan.com/jlin-sadaf-played-the-interference-a-v-festival-at-amc-empire-25-pics/

 2日目のライトニング・ボルトは人数制限で入れず、何度も見ているので写真参照。変わった会場でプレイするのが得意な彼らでさえ、タイムズ・スクエアの映画館でプレイするとは想像つかなかったであろう。
https://www.brooklynvegan.com/lightning-bolt-played-the-interference-a-v-festival-at-amc-empire-25-pics/#photogallery-1=2

 3日目はサン・ラ・アーケストラ。スウェーデンのゴートを思い出させる、きらきらの民族衣装に身を包んだ音楽集団総勢16人は、サックス、トロンボーン、チューバ、フルート、チェロ、コントラバス、ドラム、打楽器他で、ポリリズミックなジャズ・アンサンブルを奏で、そこに楽器の役割に近い、女性ヴォーカルが入る。御歳93(!)のマーシャル・アレンはアーケストラ唯一のオリジナル・メンバーで、サン・ラの音楽的指針を引き継ぎ、新アーケストラ音楽を展開させている。彼の指揮は、演奏者を、次! 次! ハイ次! と指差し、かなり強引でファンキー。音楽が膨らんだり萎んだり、自分のサックス・ソロも忘れない所がお茶目だが、サイケデリックな映像と合体すると、色の刺激が強すぎて、トリッピンな気分になる。客席をそぞろ歩きしたり、ステージでブレイク・ダンスをしたり、自由な精神の集団は、今回もっとも華やかで、会場からは拍手が鳴りやまなかった。
https://www.brooklynvegan.com/sun-ra-arkestra-played-the-interference-a-v-festival-at-amc-empire-25-pics/

 このイベントは全米からのアートへの寄付や、NYの公的資金、NY州立法機関などで提供されているが、NY市のアートへの支援愛が伝わってくる。文化イベントはだいたいダウン・タウンかブルックリンで行われるものだが、観光地のど真ん中で開催されるのはアンダーグラウンド文化が大衆と交差することを表しているのではとポジティブになる。NYは夜の市長も誕生する予定で、2018年はNYのアンダーグラウンド文化がどのように成長するのかが興味深い。

Yoko Sawai
2/22/2018

C.E meets PLO Man - ele-king

 Skate ThingとToby Feltwellが率いるファッション・ブランド〈C.E〉のイベントでは国内外のカッティング・エッジなアーティストたちを迎えてきた。3月2日(金)、CIRCUS Tokyoにて開催される今回のイベントにその名を連ねるのは、ベルリンを拠点にミステリアスなリリースを続けるレーベル〈Acting Press〉の主宰者、PLO Man(ピーエルオー・マン)だ。
 〈Acting Press〉はアンダーグラウンドで精力的に活動している謎多きレーベルで、リリースされる12インチ・シングルは毎回すぐに売り切れてしまう。PLO Manは約1年ぶりの来日で、2月24日(土)には今回のイベントに先駆け大阪NOONでもDJを行うとのこと。
 また今回のイベントにはインダストリアル・ミュージック・デュオのCARREと、ここ最近精力的な活動を見せているMori Raも出演予定。来週金曜日は迷うことなく会場へ足を運びましょう!

C.E presents PLO Man

PLO Man
CARRE
Mori Ra

開催日:2018年3月2日金曜日
オープン/スタート:11:00 PM
会場:CIRCUS Tokyo https://circus-tokyo.jp
料金:2,000YEN

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため顔写真付きの公的身分証明書をご持参願います。(Over 20's Only. Photo I.D. Required.)

■PLO Man
インディペンデントでアンダーグラウンドなエージェンシー/音楽レーベル〈Acting Press〉の代表としてワールド・ワイドな展開の指揮を執る、ドイツはベルリンを拠点とするアーティスト/DJ。2015年の発足以降、Acting Pressはじっくりと着実に、一貫した姿勢を崩すことなく、ヨーロッパをはじめ世界中のアンダーグラウンドで活動を続け、有形文化財的な価値すら見出せるような、経年劣化にも耐え得る強靭な作品を世にリリースし続けています。
https://soundcloud.com/plo_sound
https://berlincommunityradio.com/PLO_RADIO

■Carre
インダストリアル・ミュージック・デュオ。
NAG : RHYTHM MACHINE, BASS MACHINE, SYNTHESIZER
MTR : BOX, OSCILLATOR, GUITAR
https://mindgainminddepth.blogspot.jp/

■Mori Ra
TV/ラジオのレコーディングスタジオで培ったオープンリールEDITのスキルとレコーディング知識を武器に大阪を拠点に活動するDJ。 オブスキュアでレフトフィールドなダンスミックスを軸にあらゆるジャンル、年代から独自のコンセプトを基に構成するミックスを得意とし、15年以上続くパーティーPURMOOONを主催する。
2015年からヨーロッパを中心にオーストラリア、韓国など海外DJ公演も多数経験。海外に和モノを知らしめた Japanese Breeze MIXの他、Mori Ra、Oyama Editの名義でEDITをリリース。まもなく、ドイツCockTail d'Amore から12"EP、スペインHivern DiscsからJohn TalabotとのSplit10"がリリース予定。

Discography:
Mori Ra - The Brasserie Heroique Edits Part 3 (Berceuse Heroique,UK,2017)
Mori Ra - Akebono (Balearic Social Records,2017,UK)
Mori Ra - Tasogare (Balearic Social Records,2017,UK)
Mori Ra - Trapped In The Sky (Tracy Island,UK,2017)
Mori Ra - Jongno Edits Vol 4 (Jongno Edits,South Korea,2017)
Mori Ra - Oriental Forest (Forest Jam Records,US,2016)
Mori Ra - Passport To Paradise (Passport To Paradise,2016,UK)
Mori Ra - Sleeping Industry (Macadam Mambo,FRA,2015)
御山△EDIT( Oyama Edit ) - Ghost Guide 12”EP (Most Excellent Unlimited,US,2015)
Mori-Ra & ASN/Tokyo Matt / - Balearico Cosmico Editsu 12”EP (Macadam Mambo,FRA,2014)
Oyama Edit / Sad Ghost – Edits 12”EP (Rotating Souls Records,US,2013)
Various - Magic Wand Vol 5, 6, 8 (12”)

Mika Vainio + Ryoji Ikeda + Alva Noto - ele-king

 2002年9月23日。英国のニューキャッスルにあるバルティック・センター・フォー・コンテンポラリー・アーツにて、ミカ・ヴァイニオ、池田亮司、アルヴァ・ノト(カールステン・ニコライ)らによる最初で最後の競演が行われた。今から16年も前の出来事である。しかし、その音響は明らかに「未来」のサウンドだ。今、『Live 2002』としてアルバムとなったこの3人の競演を聴くと、思わずそう断言してしまいたくもなる。
 この『Live 2002』には、音響の強度、運動、構築、逸脱、生成、そのすべてがある。11のトラックに分けられた計45分間に及ぶ3人のパフォーマンスを聴いていると、00年代初頭のグリッチ・ノイズ/パルスを取り入れた電子音響は、この時点である種の到達点に至っていたと理解できる。強靭なサウンドで聴き手の聴覚を支配しつつも、無重力空間へと解放するかのような音響が高密度に放出されているからだ。このアルバムのミニマル・エレクトロニック・サウンドは、00年代初頭の電子音響・グリッチ・ムーヴメントの最良の瞬間である。
 2002年といえばカールステン・ニコライはアルヴァ・ノト名義で『Transform』を2001年にリリースし、いわゆる「アルヴァ・ノト的なサウンド」を確立した直後のこと。池田亮司も2001年に『Matrix』をリリースしそれまでのサウンドを総括し、翌2002年には弦楽器を導入した革新的アルバム『op.』を発表した時期だ。ミカ・ヴァイニオも Ø 名義で2001年にアルヴァ・ノトとの競演盤『Wohltemperiert』を、ソロ名義で2002年にフェネスとの競演盤『Invisible Architecture #2』を、パン・ソニックとしてもバリー・アダムソンとの共作『Motorlab #3』、翌2003年にはメルツバウとの共作『V』もリリースしており、コラボレーションを多く重ねていた。
 つまり彼らは、これまでの活動の実績を踏まえ、大きく跳躍しようとしていた時代だったのではないか。逆に言えばそのサウンドの強度/個性はすでに完成の域に至っていた。そう考えると『Live 2002』の充実度も分かってくる。3人の最初の絶頂期において、その音が奇跡のように融合したときの記録なのだ。この種の「スーパーグループ」は単なる顔合わせに終わってしまうか、今ひとつ個性がかみ合わないまま終わってしまう場合が多い。しかし本音源・演奏はそうではない。以前から3人が競作していたようなノイズ/サウンドを発しているのだ。

 とはいえ3人揃っての競作・競演はないものの、カールステン・ニコライと池田亮司はCyclo.としてファースト・アルバムを2001年にリリースしていたし、ミカもカールステン・ニコライ=アルヴァ・ノトと共作『Wohltemperiert』を2001年にリリースしているのだから、すでに充実したコラボレーションは(部分的にとはいえ)実現していた。
 ゆえに私はこの『Live 2002』の充実は、才能豊かなアーティストである3人がただ揃っただけという理由ではないと考える。そうではなく2002年という時代、つまりはグリッチ以降の電子音響が、もっとも新しく、先端で、音楽の未来を象徴していた時代だからこそ成しえた融合の奇跡だったのではないか、と。
 むろん『Live 2002』を聴いてみると、このパルスは池田亮司か、このノイズはミカ・ヴァイニオか、このリズミックな音はアルヴァ・ノトか、それともCyclo.からの流用だろうか、などと3人のうちの誰かと聴き取れる音も鳴ってはいる(M4、M5、M6、M10など、リズミック/ミニマルなトラックにその傾向がある)。
 しかし同時にまったく誰の音か分からないノイズも鳴っており(クリスタル・ドローンなM7、強烈な轟音ノイズにして終曲のM11など)、いわばいくつもの電子音の渦が、署名と匿名のあいだに生成しているのである。それは3人が音を合わせたというより、この時代に鳴らされた「新世代サウンド、ノイズ」ゆえの奇跡だったのではないか。グリッチ電子音響時代の結晶としての『Live 2002』。

 90年代中期以降に世界中に現れたグリッチ的な電子音響音楽は、グリッチの活用による衝撃というデジタル・パンクといった側面が強かったが(キム・カスコーン「失敗の美学」)、00年代初頭以降は、それを「手法」として取り込みつつ、電子「音楽」をアップデートさせる意志が強くなってきたように思える。つまり電子音響が、大きくアップデートされつつある時期だったのだ。彼ら3人の音もまたそのような時代の熱量(音はクールだが)の影響を十二分に受けていた。先に描いたようにちょうどこの時期の3人のソロ活動からその変化の兆しを聴きとることもできるのだ。
 膨大化するハードディスクを内蔵したラップトップ・コンピューターや独自のマシンによって生成された電子音響/音楽/ノイズは、和声や旋律、周期的なリズムなど「音楽」的な要素を持たなくとも、その多層レイヤー・ノイズやクリッキーに刻まれるリズムによって聴き手の聴覚を拡張し、音楽生成・聴取の方法までも拡張した。90年代以降の電子音響は、21世紀最初の「新しい音楽」であったのだ。
 そのもっとも充実した時期の記録が本作『Live 2002』なのである。このアルバムは2017年に亡くなったミカ・ヴァイニオへの追悼盤ともいわれているが、〈ラスター・ノートン〉からの「分裂」(という言い方は正しくはないかもしれない)以降、カールステン・ニコライが主宰する新レーベル〈ノートン〉のファースト・リリースでもある以上、単に過去を振り返るモードでもないだろう。「追悼と未来」のふたつを、21世紀の最初の新しい音響/音楽に託して示しているように思える。
 じっさい『Live 2002』を聴いていると、そのノイズ音響は明晰で、強靭で、もはや2018年のエクスペリメンタル・ミュージックにしか思えない瞬間が多々ある。2002年という「00年代電子音響の最初の充実期」において、ミカ・ヴァイニオ、池田亮司、カールステン・ニコライの3人は2018年に直結する刺激と破格のノイズを鳴らしていた。16年の月日を感じさせないほどに刺激的な録音である。

 2002年、電子音楽には未来のノイズが鳴っていた。そして2018年、その過去との交錯から今、電子音楽/音響の歴史が、また始まるのだ。


GEIST - ele-king

 昨年出た YPY 名義のアルバムも記憶に新しい日野浩志郎。バンド goat の牽引者でもある彼が2015年より続けている大所帯のオーケストラ・プロジェクトをさらに発展させた公演が、3月17日と18日、大阪の名村造船所 BLACK CHAMBER にて開催される。イベント名は《GEIST(ガイスト)》。マルチチャンネルを用いた音響により、空間全体を使って曲を体験できる公演となるそうだ。ローレル・ヘイロー最新作への参加も話題となったイーライ・ケスラー、カフカ鼾などでの活動で知られる山本達久らも出演。詳細はこちらから。

GEIST

Virginal Variations で電子音と生楽器の新たなあり方を提示した日野浩志郎(goat、YPY)の新プロジェクトは、自然音と人工音がいっそう響き合い光と音が呼応、多スピーカー採用により観客を未知なる音楽体験へと導く全身聴取ライヴ……字は“Geist

島根の実家は自然豊かな場所にあって、いまは、雨が降っている。その一粒一粒が地面を叩く音をそれぞれ聞き分けることはもちろんできないから、広がりのある「サー」という音を茫と聞く。やがて雨があがり陽が射すと、鳥や虫の声が聞こえてくる。家の前の、山に繋がる小さな道を登っていけば、キリキリキリ、コンコン、と虫の音がはっきりしてくる。好奇心をそそられ、ある葉叢に近づくと音のディテイルがより明瞭に分かる。さらに、たくさんのほかの虫の声や頭上の風巻き、鳥の声、葉擦れ衣擦れなどを耳で遊弋し、小さな音を愛でる自分の〈繊細な感覚〉に満足、俄然興が乗り吟行でもせんかな、いや、ふと我に返る。と、それまで別々に聞いていた音が渾然となって耳朶を打っていることに気づきなおしてぼう然する。小さな音が合わさって、急に山鳴りのように感じる。……。「〈繊細な感覚〉なんてずいぶんいい加減なものだ」と醒めて、ぬかるんだ山道で踵を返す。きっと、あの時すでに“Geist”に肩を叩かれていたのだ――。

【日時】
2018年 3月17日(土)
昼公演 開場:13:30 開演:14:00
夜公演 開場:19:00 開演:19:30

2018年 3月18日(日)
昼公演 開場:13:30 開演:14:00
夜公演 開場:19:00 開演:19:30

【会場】
クリエイティブセンター大阪(名村造船所跡地) BLACK CHAMBER
〒559-0011 大阪市住之江区北加賀屋4-1-55
大阪市営地下鉄四つ橋線 北加賀屋駅4番出口より徒歩10 分
https://www.namura.cc

【料金】
前売り2500円 当⽇3000円

【ウェブサイト】
https://www.hino-projects.com/geist

【作曲】
日野浩志郎

【出演者】
Eli Keszler
山本達久
川端稔 (*17日のみ出演)
中川裕貴
安藤暁彦
島田孝之
中尾眞佐子
石原只寛
亀井奈穂子
淸造理英子
横山祥子
大谷滉
荒木優光

【スタッフ】
舞台監督 大鹿展明
照明 筆谷亮也
美術 OLEO
音響 西川文章
プロデューサー 山崎なし
制作 吉岡友里

【助成】
おおさか創造千島財団

【予約方法】
お名前、メールアドレス、希望公演、人数を記載したメールを hino-projects@gmail.com まで送信ください。またはホームページ上のご予約フォームからも承っております。

【プロフィール】

日野浩志郎
1985年生まれ島根出身。カセットテープ・レーベル〈birdFriend〉主宰。弦楽器も打楽器としてみなし、複合的なリズムの探求を行う goat、bonanzas というバンドのコンポーザー兼プレイヤーとしての活動や、YPY 名義での実験的電子音楽のソロ活動を行う。ヨーロッパを中心に年に数度の海外ツアーを行っており、国内外から様々な作品をリリースをしている。近年では、クラシック楽器や電子音を融合させたハイブリッドな大編成プロジェクト「Virginal Variations」を開始。

Eli Keszler
Eli Keszler(イーライ・ケスラー)はニューヨークを拠点とするアーティスト/作曲家/パーカッション奏者。音楽作品のみならず、インスタレーションやビジュアルアート作品を手がける彼の多岐に渡る活動は、これまでに Lincoln Center や The Kitchen、MoMa PS1、Victoria & Albert Museum など主に欧米で発表され、注目を浴びてきた。〈Empty Editions〉や〈ESP Disk〉、〈PAN〉、そして自身のレーベル〈REL records〉からソロ作品をリリース。ニューイングランド音楽院を卒業し、オーケストラから依頼を受け楽曲を提供するなど作曲家としても高い評価を得る一方で、最近では Rashad Becker や Laurel Halo とのコラボレーションも記憶に新しく、奏者としても独自の色を放ち続けている。

山本達久
1982年10月25日生。2007年まで地元⼭⼝県防府市 bar 印度洋を拠点に、様々な音楽活動と並行して様々なイベントのオーガナイズをするなど精⼒的に活動し、基本となる音楽観、人生観などの礎を築く。現在では、ソロや即興演奏を軸に、Jim O'Rourke/石橋英子/須藤俊明との様々な活動をはじめ、カフカ鼾、石橋英子ともう死んだ⼈たち、坂田明と梵人譚、プラマイゼロ、オハナミ、NATSUMEN、石原洋withFRIENDS などのバンド活動多数。ex. 芸害。青葉市子、UA、カヒミ・カリィ、木村カエラ、柴田聡子、七尾旅人、長谷川健⼀、phew、前野健太、ヤマジカズヒデ、山本精⼀、Gofish など歌手の録音、ライヴ・サポート多数。演劇の生伴奏・音楽担当として、SWANNY、マームとジプシーなど、主に都内を中心に活動。2011 年、ロンドンのバービカン・センターにソロ・パフォーマンスとして招聘されるなど、海外公演、録音物も多数。


Event details - English -

Following “Virginal Variations”, a project which explored a new way of merging electronic and acoustic sounds, Koshiro Hino (from goat and YPY) presents his latest composition, titled “Geist”. Set in an immersive environment with interacting sounds and lightings, “Geist” invites audience to a new world of live music experience which people listen sounds with their whole body.

My home in Shimane is located in a nature-rich environment, and now, it’s raining outside. Needless to say, I cannot hear each of the raindrops hitting the ground, so I hear the rain’s “zaaaaa” sound that spreads in space. Soon after, the rains stopped and sunshine began to pour, and I started to hear the sounds of birds and insects. As I walk up the small path that connects from my home to the mountain, those insects’ buzzing and creaking sounds became more clear. As I get closer to the trees, the sound details became more distinct. With my ears, I observed closely a myriad of sounds from other insects, the wind blowing above, birds, rustling leaves and my own clothing. I enjoyed my ‘delicate sensibility’ that appreciates those little sounds, thinking, “Maybe I suddenly get excited and start composing a poem…” But soon later, I came back to myself. And suddenly, I got stunned, realizing that the sounds I heard separately now forms a harmonious whole and hits my ears. Those little sounds became one, and I hear it as if the mountain is rumbling... “The ‘delicate sensibility’ is so unreliable. “ I recalled myself and walked back the muddy path. — And by then, I now believe that I had already made my encounter with “Geist”.

[Date / Time]
Saturday, March 17, 2018
Day time performance Open: 13:30 Start: 14:00
Night time performance Open: 19:00 Start: 19:30

Sunday, March 18, 2018
Day time performance Open: 13:30 Start: 14:00
Night time performance Open: 19:00 Start: 19:30

[Venue]
Creative Center Osaka (Old Namura Ship Yard) BLACK CHAMBER
4-1-55, Kitakagaya, Suminoe Ward, Osaka City, Osaka 559-0011
https://www.namura.cc

[Price]
Advanced ¥2500 Door ¥3000

[Website]
https://www.hino-projects.com/geist

[Composed by]
Koshiro Hino

[Performers]
Eli Keszler
Tatsuhisa Yamamoto
Minoru Kawabata (*only on the 17th)
Yuuki Nakagawa
Akihiko Ando
Takayuki Shimada
Masako Nakao
Tadahiro Ishihara
Nahoko Kamei
Rieko Seizo
Shoko Yokoyama
Koh Otani
Masamitsu Araki

[Staff]
Stage direction - Nobuaki Oshika
Lighting design - Ryoya Fudetani
Stage art - OLEO
Sound engineering - Bunsho Nishikawa
Co-direction - Nashi Yamazaki
Production - Yuri Yoshioka

[Supported by]
Chishima Foundation for Creative Osaka

[Reservation]
To reserve your seat(s), please send an email to hino-projects@gmail.com with your name, your contact, number of people, and the performance date you wish to visit.

 おかげさまで大好評の『バンドやめようぜ!』。そのリリース・パーティが決定しました。2月5日下北沢THREE、入場料は無料! 
 なので、ぜひ、ぜひ、イアン・マーティン推薦のインディ・バンドの演奏とDJをお楽しみください!
 

■Call And Response Indie Disco presents:
『バンドやめようぜ!』リリース・パーティ

PLACE: 下北沢THREE
DATE: 2/5(月)
TIME: 19:30 open/start
CHARGE: FREE
LIVE:
・The Fadeaways
・(m)otocompo
・JEBIOTTO
DJs:
・Fumie (Bang The Noise)
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interview with Kojoe - ele-king


KOJOE - here
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 Keep on movin’、動きつづけることで存在を証明していく。曲をつくりウェブにアップし、CDやレコードというフィジカルを制作し、ライヴをこなす。とにかく動きつづけていないとあっという間に忘れられてしまう。特にいまのヒップホップの世界は目まぐるしい。そんなシビアな世界でKojoeはエネルギッシュに動き、自身の表現を更新しつづけてきたアーティストのひとりだ。そして、今年の11月に最新作『here』を完成させた。

 Kojoeについて少し説明しておきたい。彼はラッパーであると同時にシンガーであり、ビートもつくる。プロデューサーでもある。そんな彼は10代のころにNYクイーンズにわたり、2007年にアジア人としてはじめてNYのインディ・レーベル〈ローカス〉と契約を交わしている。2009年に帰国後は日本を拠点に活動を展開してきた。SEEDAとともに参加した、5lack(当時はS.L.A.C.K.)『我時想う愛』収録の“東京23時”で彼をはじめて知った人も多いかもしれないが、タリブ・クウェリやスタイルズ・P、レイクウォンらとの共演曲も発表している。その後、『MIXED IDENTITIES 2.0』、『51st State』といったソロ・アルバムをリリースする一方で、OLIVE OILAaron Choulaiとの共作も制作してきた。

 日本語ラップとブラック・ミュージックとしてのヒップホップをいかに折衷するか。『here』には、そんな問いへのKojoeなりの現在の答えがあると僕は感じた。日本とアメリカというふたつのホームに引き裂かれていたアイデンティティを統合した結果が『here』ではないか、というのはあくまでも僕の解釈だが、多彩なゲストで構成された全18曲にはハードコアでソウルフルでエモーショナルなKojoeの多面的な魅力があふれている。

 このインタヴューは、Kojoeがホストを務める番組「Joe’s Kitchen」(〈Abema TV / FRESH!〉で毎週木曜に放送)の放送後に、その日のゲストであるPUNPEE、GAPPER、WATTERらが見守るなか、彼のスタジオ〈J STUDIO〉でおこなわれた。Kojoeはすでに2時間しゃべりっぱなしだ。だが、まだまだいける。Keep on movin’、彼の体力を舐めてはいけない。




俺は俺のようにしか歌えないという気持ちで良い意味で力抜いてる。本気なんだけど本気出してないから本気が出せた、みたいな。それを今回見つけた。


『blacknote』(2014年)リリースのときのAmebreakのインタヴューで次のように語っていましたね。「例えば向こうのヤツに聴かせて『スゲェ良い』って言われるような、ブラック・ミュージックとして認められるようなモノが、逆に日本では全然分かってくれなかったりとか、そういうフラストレーションはスゲェあるよね」。僕なりに要約すると、日本語ラップとブラック・ミュージックとしてのヒップホップのあいだで葛藤していた、ということかなと思います。そして、日本に移り住んでから数年間の経験を経て、『here』でKojoeさんなりのいまの答えを見つけたのかなという感想を持ちました。

Kojoe(以下、K):作っているときにそれをねらったり意識していたわけではなくて、それよりも意識したことのひとつは、俺の経験や葛藤を歌ったり、メッセージを訴えることはいままでやってきたから、このアルバムではこういう曲をこういう面子でやったら聴く人が喜ぶだろうなとかブチ上がるだろうなとか、いたずらを仕掛ける子供のような視点で作ったね。だから、日本語ラップとブラック・ミュージックの両方を良いバランスに混ぜてみようとかは考えていなかった。いま言われて逆にうれしいっていうか、そういう風に受け取られるんだって実感してきてる。

ゲストのラッパーやシンガーも多いですよね。たとえば“Prodigy”というフックなしのマイクリレーの曲がありますけど、このラッパーたち(OMSB, PETZ, YUKSTA-ILL, SOCKS, Miles Word, BES)のマイクリレーは他では聴けないですよね。

K:うん。TR-808でビートを鳴らして、ベースも強いトラップはやっぱり魅力があって人の心をつかむと思う。いまのヒップホップの流行のひとつのトラップを俺も好きだし、そういうモノと90年代のサンプリング・ヒップホップを合わせたらかっこいいんじゃないかって思ってこの曲を作った。BPMも90ぐらいだから、ブーム・バップが得意なラッパーはいつも通りフロウすればいいしね。MilesとかYUKSTA-ILL、BESくんとか、こういうビートで歌わなさそうなラッパーと、いまのトラップでもラップするPETZやSOCKSにマイクリレーしてもらったら面白いと思った。混ざらなさそうで、結果的に混ざったよね。

それと、これだけ充実した、制作/録音環境が整った〈J STUDIO〉ができたのも、ゲストが多数参加する『here』を作る上で大きそうですね。多くのラッパーがここで録音しましたか?

K:それはいろいろだね。ただ、このスタジオができたのはデカいよ。1月から作りはじめて3月ぐらいに完成した。それからAaronとの自主制作のやつ(ピアニスト/作曲家/ビート・メイカーのAaron Choulaiとの共作『ERY DAY FLO』)をスタジオのテストランも兼ねて作って、「ここで録れるな」と確認した。で、今回のアルバムを作りはじめた。ここに常に人が集まるようになったから、作っている途中で俺以外の人の耳に聴かせて反応を見たりできるようになった。いろんなヤツに「これどう?」って聴かせて感想をきいたりしてた。それもけっこう大事だった。

18曲と曲数も多いですし、ヴァリエーションも豊富ですよね。ハードコアな“KING SONG”からはじまり、“Prodigy”のようなマイクリレーがあり、またKojoeさんがラップだけじゃなく歌も歌う“PPP”のようなソウルフルな曲も際立っています。

K:良い意味で力を抜けた結果だと思う。運動するときも力が入っている状態だと動きって鈍いじゃん。それと似てるんじゃないかな。『51st State』に入ってる“無性に”みたいな曲は「歌手にも負けねぇぐらいに歌いてぇ!」という気持ちで歌い上げていた。もちろん今回もそういう情熱がないわけじゃない。ただ俺は当然、アンダーソン・パックやBJ・ザ・シカゴ・キッド、ダニー・ハサウェイのようには歌えない。だから、たとえば“PPP”とか“Cross Color”とかのソウルフルな曲も、俺は俺のようにしか歌えないという気持ちで良い意味で力抜いてる。本気なんだけど本気出してないから本気が出せた、みたいな。それを今回見つけた。そういう力の抜き方でヒントをもらったのはそれこそ(インタヴューの場にいたPUNPEEに視線をやりながら)PUNPEEや5lackだよね。あいつらには、「わざと力抜くのかっこよくないすか?」みたいな感じがあるじゃん。PSGとかも歌のメロディがすっげぇイケてるけど、いい感じに力が抜けてる。それが逆に研ぎ澄まされて、すごいソウルフルに聴こえる。

そうですね。わかります。

K:ある程度スキルを求めて動いたヤツにしかたぶんできないことなんだろうけどさ。俺も自分にたいしてそうやって楽しみな、みたいな気持ちになれたんだろうね。

Kojoe“Cross Color feat. Daichi Yamamoto”

俺がどの土地にいて、どこに立っていようと、音楽でつながっている場所が俺の居場所だって気づいた。音が居場所なんだって。だから、『here』というタイトルになったんだよね。

そういう力の抜き方によってソウルフルに歌うというのをPUNPEEや5lackから受け取ったのは面白いですね。ラッパー、シンガーという側面だけでなく、ビート・メイカー、プロデューサーとしてのKojoeさんの個性がより際立っているようにも感じました。

K:そこはちょっと意識したかもしれない。ただ、曲順に関してはそこまで深く考えず、ここ以外は置く場所はないっていうところに曲を入れていった。序盤はゲストのラッパーがたくさんいて、スピットしまくってるラップを並べて、途中で女性について歌う“Mayaku”とか“PPP”なんかを持ってくる。そうやってセクションを分けて、最後は自分について歌って終わる。そういう構成になってるね。ビート・メイキングは、ニューヨークにいた17年前ぐらいにMPC2000XLを手に入れてはじめた。ちゃんとしたビート・メイカーみたいにコンスタントに作り続けてきたわけじゃないけど、ずっと好きだったからいままでに3、400曲ぐらいは作ってると思う。前の嫁がラッパーだったからさ。

アパニー・Bですよね。

K:うん。彼女がプレミアとか俺の超憧れのいろんなビート・メイカーからビートをもらってて。そういうビートを横で聴いていたから自分のビートがダサ過ぎると思ってたね。でもこのスタジオを作ったときに、2000年ぐらいから作っていた自分のビートのCDがいっぱい出てきて久々に聴き直したら、「あれ?! けっこうイケてんじゃん!」って。2周ぐらいしてMPCで作ってたイナたいビートがすごいいいなあって。いちばん最後のRITTOとやってる“Everything”で11、2年前ぐらいに作ったビートを使ってる。

レゲエ・シンガーのAKANEと今年大躍進したラッパーのAwichを客演にむかえた“BoSS RuN DeM”(12月11日に5lack, RUDEBWOY FACE ,kZmが参加したリミックスがYouTubeにアップされた)もKojoeさんがビートを作ってますよね。この曲は突き抜けていますね。かなりの自信作なんじゃないですか?

K:超好きだね。ヒップホップよりヒップホップで、トラップよりトラップで、レゲエよりレゲエで、いろんなジャンルの人が「おわ~!」とブチ上がってくれるんじゃないかな。クラブのソファで女にセクシーな格好をさせて、男が彼女たちをはべらかしてる、みたいなMVは日本のヒップホップにも多いよね。でも俺は強い女のほうが色気があると思うし、そういう強い女性を見せたかった。“ボスって”、頭張ってやってる男と女を両方鼓舞するような歌にしたかった。「みんなボスれー!」って。そういうコンセプトはできていて俺が先にサビも録っていた。で、俺がいまいちばんイケてる女性で、俺が一緒に曲をやりたいと思うAKANEちゃんとAwichに声をかけた。イケイケなAKANEちゃんを見られたし、Awichもすごいハマってくれた。

Kojoe“BoSS RuN DeM Feat. AKANE, Awich”

Kojoe“BoSS RuN DeM -Remix- Feat.5lack, RUDEBWOY FACE, kZm”

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世界でも日本人の英語のラップがかっこいいって言われる時代が絶対来るってことなんだよね。たとえばジャマイカのパトワみたいに日本人の発音の英語がかっこいいって50年後ぐらいにはなると思う。









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このアルバムで大フィーチャーされていると言えば、18曲中6曲のビートを作っているillmoreですね。どういう方ですか?

K:こいつはもともと大分の人間で、OLIVEくんがすごい薦めてくれたビート・メイカーなんだ。〈OILWORKS〉のイベントか何かでいっしょの現場になって、ビートが超ヤバかった。他の若いビート・メイカーもいたけど、illmoreは突出していた。超真面目なくせにドープな音も作るし、耳がすごく良くて器用でどんなタイプの曲でも作れちゃう。EDMもトラップもブーム・バップも作るし、超オシャレなジャジーな曲も作れる。ゴリゴリの“KING SONG”みたいなビートも作れるからさ。あと、ベースの乗せ方が上手い。BUPPONとやってる“Road”のネタはMFドゥームも使ってるから(MFドゥームとマッドリブが組んだマッドヴィレインのある曲と同ネタ)、そこってビート・メイカーにとって勝負どころじゃん。他のビート・メイカーと同じネタ使っているからにはフリップしたり工夫しないといけない。その上でこのビートはすげぇ良かった。

“Cross Color”に参加しているDaichi Yamamotoさんはどういう方ですか?

K:京都生まれのジャマイカ人のお母さんと日本人のお父さんがいて京都で育ったヤツで、大学のあいだ3年半から4年ぐらいUKに行ってたんだけど、最近また日本に戻ってきた。いまAaronともいろいろ作ってるし、JJJとやったり、水面下でいろんなヤツとつながってるね。


フックアップの意識はあったりしますか?

K:そういうのはない。俺、フックアップは絶対しないもん。瞬発的に良いタイミングに出くわしてノリが良かったからやっちゃうっていうのはあるとしてもヤバいと思うヤツとしかやりたくない。illmoreは仕事がすごいできてビートが超かっこよかったし、Daichi Yamamotoもそう。俺はイケてりゃ何でもいいかなって思う。

なるほど。ところで、『here』っていうアルバムのタイトルに込められた想いについても語ってもらえますか。

K:俺はガキのころからずっと転校とか多かった。で、10代でニューヨークのクイーンズに行ったから俺の人生でクイーンズがいちばん長くいた場所なんだ。だからニューヨークのクイーンズが地元っていう感覚もあったけど、こっちに戻ってきて7年ぐらい経つから、もちろんいままで自分がいた場所はレペゼンしていきたいけど、クイーンズをレペゼンするのもちょっとナンセンスだなって思うところがあった。居場所を探していたのもあったし、日本に戻ってきて『MIXED IDENTITIES 2.0』(2012年)を出したときは、「ここはけっきょくアメリカじゃねぇかよ!」って文句を言ってみたりもしていた。

自分のアイデンティティについての葛藤みたいのがあったということなんですね。

K:うん。そうだろうね。無意識に苛立ちがあったのかもしれない。そういうのが落ち着いてきたから、『here』というタイトルにした。俺がどの土地にいて、どこに立っていようと、音楽でつながっている場所が俺の居場所だって気づいた。音が居場所なんだって。だから、『here』というタイトルになったんだよね。

やっぱりそれは、5lackやOLIVE OIL、Aaron、このアルバムに参加しているラッパーやビート・メイカー、アーティストたちとの出会いも大きかったのかなって感じます。

K:デカい、デカい。面白いヤツは世の中にはいっぱいいるけれど、そいつの音楽をリスペクトできて、さらに人間も面白いヤツとなると少なくなるよね。俺は運良く素晴らしいアーティストたちに出会って、そういう人間が周りにいてくれるから、多少、自分が開けた部分は絶対あるよね。

最初の僕の感想に戻してしまうんですけど、Kojoeさんが日本のラップ、ヒップホップとニューヨーク、クイーンズで体験してきたブラック・ミュージックとしてのヒップホップのあいだで産み落とした作品なのかなという気がします。

K:俺が10年以上前から言っているのは、世界でも日本人の英語のラップがかっこいいって言われる時代が絶対来るってことなんだよね。たとえばジャマイカのパトワみたいに日本人の発音の英語がかっこいいって50年後ぐらいにはなると思う。日本人の発音のままフロウやリズムに関してはケンドリックだったり、(ブルーノ・)マーズだったり、レイクウォンみたいにできるようになっていく時代が来ると思う。いつになるかわかんないけど、最近の10代とか20代前半のヤツのほうがやっぱ敏感で、昔の日本語ラップみたいにこうじゃなくちゃいけないみたいなのがなくなってきて、日本語と英語が混ざったりしててもオッケーみたいな世代がやっぱり出て来てるから。そういうヤツらが逆に俺の音楽を聴いて、「ヤベェ!」って思ってくれたら面白いと思ってる。若いヤツの耳も脳みそも進化してるよね。受け皿が広いというか、柔軟というかさ。いずれにせよ、世界中のヤツらが日本のヒップホップがヤベェっていう時代はいつになるかわからないけど来ると思うよ。

『here』はとにかくオープンな、開けたアルバムだなって今日の話を聞いてさらに感じましたね。

マサトさん(KojoeのA&R/JAZZY SPORT):この作品はKojoeくんが日本のシーンにたいしてフラットでいられる環境で作れたのがいちばんデカいと僕は思います。日本に帰ってきてから数年は周りからの“英語を使う日本人のラッパー”という先入観も強かっただろうし、いろんな意味でコンプレックスもあったと思う。ここ数年は徐々に変わってきてるけど、日本語だけじゃないとサポートされない土壌が日本にはあったと思うので。それがいろんなアーティストとの出会いを通じてKojoeくんがフラットになってきたのがやっぱり大きい。

なるほど。それは僕も感じました。今後の予定はどうですか?

K:うん。とりあえず、来年1月13日の安比高原でやる〈APPI JAZZY SPORT〉でのライヴを皮切りに、1月後半、2月ぐらいからがっつりツアーをはじめようと思ってる。来年はツアー以外でもできるだけライヴはやっていこうと思ってるね。こんな感じで大丈夫?

はい、番組のあとで疲れてるでしょうし、ばっちりです。

K:俺の体力ディスってんの?

いや、ははは。それ、使わせてもらいます(笑)。今後のライヴ、楽しみにしてます!


[イベント情報]

J presents 『bla9 marke2 #4』
日程:12/29 (Fri)
会場:中野heavysick ZERO
OPEN:23:00
¥2,000+1D
W.F ¥1,500+1D
24:00まで ¥1,000+1D


SUMMIT Presents. AVALANCHE 8
日程:12/30 (Sat)
会場:代官山UNIT
OPEN:23:30 / START:23:30
ADV ¥3,000
Diagonal & AVALANCHE 8通し券 ¥4,800
DOOR ¥3,500


DJ Nigga Fox - ele-king

 きました! これは嬉しいニュースです。リスボンから世界中にポリリズミックなアフロ・ゲットー・サウンドを発信している〈プリンシペ〉から、なんとDJニガ・フォックスが来日します! 〈プリンシペ〉のドンであるDJマルフォックスはすでに来日を果たしていましたが、かのシーン随一の異端児が初めてこの極東の地でプレイするとなれば、これはもう足を運ばないわけにはいきません。2018年1月26日に渋谷WWWβにて開催される今回のパーティは、《南蛮渡来》と《Local World》とのコラボレイションとなっており、東京のThe Chopstick Killahz(Mars89 & min)と〈Do Hits〉/〈UnderU〉のVeeekyも参加、さらにKΣITOがゴムのセットを披露する予定とのこと。いやはや、これは年明けから一気にテンションぶち上がりそうです。ドゥ・ノット・ミス・イット!

Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox

リスボンのゲットーからアフロ新時代を切り開く〈Príncipe〉の異端児DJ Nigga Foxが初来日! 加えて中国の新星Howie Lee率いる北京拠点の〈Do Hits〉からVeeekyと目下テクノウルフでも活躍するKΣITOが暗黒の南ア・ハウスGqom(ゴム)のライヴ・セットで参加、The Chopstick Killahzによるポスト・トライバルな《南蛮渡来》と世界各国のローカルの躍動を伝える《Local World》のコラボレーション・パーティにて開催。

ジャマイカからダンスホールの突然変異Equiknoxx、ナイジェリアの血を引くアフロ・ディアスポラの前衛Chino Amobi、シカゴ・フットワークの始祖RP Boo、アイマラ族の子孫でありトランス・ウーマンの実験音楽家Elysia Cramptonをゲストに迎え開催、インターネットを経由し急速な拡散と融合を見せながら、多様化するジェンダーとともに新たなる感性と背景が構築される現代の電子音楽における“ローカル”の躍動を伝えるパーティ《Local World》。その第5弾は“ポスト・トライバル”を掲げ、新種のベース・ミュージックを軸にエキゾチックなグルーヴを追い求める東京拠点の若手Mars89とminのDJユニットによるパーティ《南蛮渡来》をフィーチャー。ゲストにリスボンの都市から隔離された移民のゲットー・コミュニティでアフリカ各都市の土着のサウンドと交じり合いながら独自のグルーヴを形成、DJ Marfox、Nídia Minaj、シーンをまとめたコンピレーション・アルバム『Mambos Levis D'Outro Mundo』のリリースや〈Warp〉からのEPシリーズ「Cargaa」を経由し、国際的な活動へと発展したアフロ新時代を切り開くリスボンのレーベル〈Príncipe〉からアシッディーなサウンドで異彩を放つシーンの異端児DJ Nigga Foxが初来日、さらには中国の新星Howie Lee率いる北京拠点の〈Do Hits〉のヴィジュアルを手がけ、地元台北で世界各地のベース・ミュージックに感化され独自のローカル・サウンドを創り出すコレクティヴ〈UnderU〉のコア・メンバーVeeekyが登場。国内からは目下テクノウルフのメンバーとして活躍する傍ら、ジューク、ヒップホップ、ゴムなど先鋭的なビートを常に取り入れ、サンプラーを叩き続けるKΣITOがゴムのライヴ・セットで参加。ポップス、アンダーグランド、土着が“何でもあり”なポストの領域で入り乱れる現行のエクスペリメンタル・クラブ・シーンでも注目のバイレファンキやレゲトン、メインストリームとなったトラップ含めいつも“サウス”から更新される最新のビートが混じり合う逸脱のクラブ・ナイト。

Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
2018/01/26 fri at WWWβ

OPEN / START 24:00
ADV ¥1,500 @RA / DOOR ¥2,000 / U23 ¥1,000

DJ:
DJ Nigga Fox [Príncipe - Lisbon]
The Chopstick Killahz [南蛮渡来]
Veeeky [Do Hits - Beijing / UnderU - Taipei]

LIVE:
KΣITO *Gqom Live Set*

※20 and Over only. Photo ID Required.

https://www-shibuya.jp/schedule/008652.php

【記事】
リスボンのゲットー・サウンド@Resident Advisor
リスボンの都市から隔離されたゲットーのベッドルームでは、アフリカの音楽を取り入れた刺激的で新しい音楽が、10年ほど前から密かに鳴っていた。しかし今、〈Príncipe〉という草分け的レーベルの活動を通し、この音楽が徐々に国境を越え、世界で鳴り響き始めている。
https://jp.residentadvisor.net/features/2070

【動画】
リスボンのアンダーグラウンド・シーン@Native Instruments
ここ数年、リスボン郊外を拠点とするプロデューサーやDJの小さなグループが、未来のサウンドを創造しています。彼らはアンゴラ、カーボベルデ、サントメ、プリンシペなどのポルトガル語公用語アフリカ諸国出身で、彼らの作り上げた音楽には、激しい切迫感、荒削りなビート、恍惚感のあるグルーヴ、そして浮遊感が集約され、その結果アフリカのポリリズムにテクノ、ベース、ハウス・ミュージックを組み合わせた唯一無二のハイブリッドなサウンドが誕生している。

■DJ Nigga Fox [Príncipe - Lisbon]

アンゴラ出身、リスボンを拠点とするプロデゥーサー/DJ。2013年にリリースされた12" 「O Meu Estilo」でデビュー、ポルトガル郊外のゲットー・コミュニティで育まれた特異なサウンドをリスボンから発信するレーベル〈Príncipe〉の一員としてアフロ・ハウスの新しい波を世界へと広めている。続く2015年の12" 「Noite e Dia」は『Resident Advisor』、『FACT』、『Tiny Mix Tapes』といった電子音楽の主要メディアに取り上げられ、同年〈Warp〉からリリースされたシーンのパイオニアと若手をコンパイルしたEPシリーズ「Cargaa」にも収録され、国際的な認知を高めながら《Sonar》、《CTM》、《Unsound》といった有力な電子音楽フェスティヴァルにも出演、Arcaのブレイクで浮かび上がったエクスペリメンタル・クラブの文脈の中で、同性代の土着のローカル・サウンドを打ち出した〈N.A.F.F.I.〉、〈NON Worldwide〉、〈Gqom Oh!〉といったレーベルやコレクティヴとともにシーンのキーとなる存在へと発展。2016年の〈Príncipe〉のレーベル・コンピレーション『Mambos Levis D'Outro Mundo』と最新作「15 Barras」はアシッドなサウンドを強め、これまでのクドゥーロのアフリカン・スタイルを飛躍させ、よりハイブリッドで強烈なサウンドとグルーヴを披露、他ジャンルとの交流や融合を交え新時代のアフロ・ハウスの拡散と拡張に大きな貢献を果たしている。

https://soundcloud.com/dj-nigga-fox-lx-monke

■The Chopstick Killahz (Mars89 & Min) [南蛮渡来]

ポスト・トライバルを掲げ、奇妙なグルーヴと無国籍感を放つパーティー《南蛮渡来》のMars89とminによる東京拠点のDJユニット。

https://soundcloud.com/thechopstickkillahz

■Veeeky [Do Hits - Beijing / UnderU - Taipei]

現代社会の問題をテーマとし、ヴィジュアル・アートや音楽で伝える台北拠点のアーティスト。Howie Lee率いる北京の〈Do Hits〉と台北の〈UnderU〉のコア・メンバーとして活動。現代社会で起こっている問題に多くの関心を持ち、これらのテーマをヴィジュアル・アートや音楽に伝え、微妙な文化のシンボルや物語、デジタル/オフライン作品のコラージュを用い、コンピュータ・アートに加工した鮮やかなヴィジュアル・パフォーマンスを披露し、〈Do Hits〉ではヴィジュアル担当として、レーベルのユニークなヴィジュアル言語を作り出している。主に北京と台北の異なる場所の文化/音楽シーンを行き来しながら、ソロでは2017年末に台北にある洞窟のギャラリーで『sustainable data 1.0』展示会を開催、最新のアートワークとヴィデオを発表する。来年にはクリエイターの友人とともに、社会主義の真の価値とその調和を世界へ広げることを目指した、新しい服のブランドを立ち上げ、アジアの各都市でポップ・アップ・ショップの展開を予定している。

https://www.veeeky.com

■KΣITO

トラックメーカー/DJ。2013年に初のEP「JUKE SHIT」をリリース。ジューク/フットワークの高速かつ複雑なビートをAKAIのパッドを叩いて演奏するスタイルでシーンに知られるようになる。2016年、HiBiKi MaMeShiBa、ナパーム片岡などとともにレーベル〈CML〉を立ち上げ、Takuya NishiyamaとのスプリットEP「A / un」をリリース。ソロ活動に加えテクノウルフ、Color Me Blood Black、幡ヶ谷ちっちゃいものクラブなど、複数のユニットに参加、様々なミュージシャンとのセッションを重ねている。

https://keitosuzuki.com

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