「iLL」と一致するもの

KENJI IKEDA (NDD TOKYO,ECHOPARK) - ele-king

NDD TOKYO'S SELECT BEST 10 - 2012/0301


1
Jon Gorr - It's No Life - Ppu

2
Yazz - Finetime - Big Life

3
Howard Jones - Hide&Seek - Waner

4
Char - Shinin You,Shinin Day - Canyon

5
Jerry Willams - Easy On Yourself - Ghost Town

6
Lenny Kravits - Thinking Of You(Salsa Version) - Virgin

7
Sergio Mendes - Magic Lady - Warner

8
Jorce Montana - Feeling Good - Tomato

9
Alex&Tr - Time Warp3 - Timewarp

10
Mixed By Steppers - Slow Beat Dub2 - Steppers Records

Chart by Underground Gallery 2012.03.02 - ele-king

Shop Chart


1

PORTER RICKS

PORTER RICKS Biokinetics (Type / 2lp) / »COMMENT GET MUSIC
THOMAS KONER & ANDY MELLWIGによる伝説的ミニマル・ユニットPORTER RICKSが、[Chain Reaction]から1996年にリリースし、今では完全廃盤の為、入手難となっていた、ミニマル・ダブの歴史的名盤「Biokinetics」が、遂にヴァイナル2枚組にて再発! 独ドローン / エレクペリメンタル界の大ベテランTHOMAS KONERと、DUBPLATE & MASTERINGの技師でもあるANDY MELLWIGによる重要ユニットPORTER RICKS が、[Basic Channel]への連鎖反応として設立されたミニマル・ダブのパイオニア的レーベル[Chain Reaction]から、記念すべきアルバム(CD)一作目として1996年にリリースしたダブ・テクノの金字塔が待望の再発。低音の音塊、複雑なエフェクトによる音響工作、グルーヴ、空間性、どれをとってもパーフェクト!これを聞かずにダブテクノは語れない、そんな一枚です。

2

PSYCHEMAGIK

PSYCHEMAGIK Dance Hall Days (Psychemagik / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYプレイでお馴染みのWANG CHUNG「Dance Hall Days」をPSYCHEMAGIKがリミックス! UKの人気バレアリック・デュオ PSYCHEMAGIK新作は、"DJ HARVEY's Play Classic" として、あまりにも有名な、84年リリースのエレクトロ・ポップ/ロック古典、WANG CHUNG「Dance Hall Days」のリミックス。 同バンドのメンバーJUCK HUSSも参加し、オリジナルのポップな雰囲気はそのままに、PSYCHEMAGIKらしい、バレアリックな要素を注ぎ込んだ渾身のリミックスを披露。楽曲が楽曲なだけに、コレは間違いなく大きな話題を集める事でしょう~!さらにカップリングには、アシッディーなダブ・ディスコ・トラックに、変態的なヴォイス・サンプルを交えた「Beauty & The Bass」を収録。

3

V.A

V.A Vanguard Sound Volume 3 (Vanguard Sound / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
昨年は大きな飛躍の年となったN.Yブルックリンの地下ハウス・レーベル[Plan B]周辺の注目アーティスト達が参加したコンピレーション12インチ! このコンピレーション・シリーズ、第一弾はHAKIM MURPHY主宰[Machine Dreams]から、そして前作の第二弾はDJ SPIDER主宰[Plan B]からと、毎回レーベルを変えながらリリースしていくようで、今回の第三弾は[Vanguard Sound]なる、このコンピレーションの為に設立されたと思われる新レーベルからの登場。アブストラクトにうねるアシッディーなベース・グルーヴでグイグイ引っ張るAMIR ALEXANDER、サイバーに発振するアシッドSEがヤバイCHRIS MITCHELL、ノイズ塗れの超キラーのパーカッシブ・ダブ・テックを披露したDJ SPIDERなど、全曲、お世辞抜きにオススメ!

4

LINDSTROM

LINDSTROM Quiet Place To Live (Smalltown Supersound / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
LINDSTROMの新作を、大御所ロック・アーティスト TODD RUNGRENがリミックス! 良作品が続く [Smalltown Superworld]新作は、同レーベルの看板アーティストとして活躍する、ノルウェーの天才 LINDSTROM。 約4年ぶりとなる最新アルバム「Six Cups of Rebel」からの先行12インチ・カットとなる今作。もちろんオリジナルは当然の如く◎ではあるのですが、それよりも注目すべきなのがB面に収録されたリミックス!!何と手掛けているのは、70年代から活躍を続ける大御所ロック・アーティスト TODD RUNDGRENなんです!自身の長いキャリアにおいても初めて他人の作品をリミックスしているという事なのですが、共に美しいメロディーワークを信条とするこの2人、相性が悪い訳がありませんよね。

5

DELANO SMITH

DELANO SMITH An Odyssey (Sushitech / 3x12inch) / »COMMENT GET MUSIC
デトロイト伝説のDJ、KEN COLLIER最初の弟子の1人として、古くからデトロイトのハ ウス・シーンを支えてきた大ベテランDELANO SMITH、3枚組フルアルバム。 シカゴで生まれ、デトロイトで育ち、Jeff Mills、Eddie Fowlkes、Mike Grantなど を"生徒"に持つ事でも知られる、KEN COLLIERの最初の弟子の1人として、ディスコや ファンクDJとして、70年代後半から活躍する、デトロイトの歴史をする、大ベテラ ンDELANO SMITHが、活動開始から20数年を経て、待望の1stアルバムをリリース!

6

CAGE & AVIARY

CAGE & AVIARY Migration (Smalltown Supersound / 2LP) / »COMMENT GET MUSIC
カルト・レーベル[Dissident]、[Astro Lab]、さらには人気レーベル[Dfa]からも作品を残すロンドンのデュオ CAGE & AVIARY 1stアルバムがPRINS THOMASの[Internasjonal]から!レイドバック感溢れるダビーなギターリフが心地よい、極上バレアリック・チューン A1「Giorgio Carpenter (Director's Cut)」から幕をあけ、2008年に[Astro Lab]、2010年の自身の[The Walls Have Ears]からリリースされたヒット作「Friday The 14th」の未発表ヴァージョン「Part.4」、今では入手困難な、2007年リリースの 1stシングル「Television Train」(後に[Dfa]からもライセンスリリースされました)、ロッキンなワウギターが◎な「Good Eg,Bad Apple」、初期シカゴ~アーリー・ディスコ・ライクな「Migration」など、圧巻の2枚組 全9トラックを収録! 収録作品、そのいずれもが、12インチでリリースされても、不思議ではない、圧倒的な仕上がりです。間違いなく2012年を代表するアルバムとなることでしょう~。DJ HARVEYやPRINS THOMAS、TIM SWENNY、BRENAN GREENらのプレイも確実!ディスコ方面の方は絶対にチェックしておいて下さい。大・大・大推薦!

7

GENE HUNT

GENE HUNT Then & Now Ep (Hotmix Records / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
80年代から活動するシカゴのベテランGENE HUNTの新作12インチ!808 STATEの「Pacefic」ライクなA2、GINO SOCCIO「Dancer」ネタのB2など。 MARCELLO NAPOLETANOを筆頭に、CARL BIASやJOE DRIVEなど、良作をリリースしてきた、SIMONCINOが主催するイタリアの注目プトロ・ハウス・レーベル[Hotmix]の新作は、言わずと知れたシカゴ・レジェンドGENE HUNTによる新作12インチ。 往年の[Relife]レーベル辺りの作品を思わせるような、叩きつけるようなゲットー・シカゴなリズムに、アトモスフェリックなシンセ・シークエンスを走らせたA1、どことなく808 STATEの「Pacefic」に似た透明感と爽快感のあるパッド・シンセが浮遊するA2、定番ディスコ・クラシックGINO SOCCIO「Dancer」を大胆にサンプリングしたB2など、シカゴ節全開の4トラック!流石ベテラン、いぶし銀な1枚です

8

V.A

V.A Love And Money / On The Run (Moton Records Inc. / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
既に IDJUT BOYS、HORSE MEAT DISCOらがプレイ中。DJ HARVEYもリリースを残す UKの老舗リエディットレーベル[Moton]久々の新作!! DJ HARVEYの[Black Cock]と並ぶ、UKの最重要リエディット専科[Moton]久々の新作。今回はレーベル代表 DIESEI & JARVIS、さらには[G.a.m.m]の THE REFLEXが参加した1枚。 まずA面には、HERB ALPHERTの "Loft"/"Deep Space"クラシック「Rotation」に、妖しげな男女混合のヴォイス・サンプルが絡みつく「Love & Money」、B面には [TK Disco]的なトビ感のある、ダヴィーでトロピカル・ムードなパーカッションを鳴らした、ミッド・テンポな女性ヴォーカル・ディスコ「On The Run」を収録。

9

JAMES MASON

JAMES MASON Nightgruv / I Want Your Love (Rush Hour / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
77年にリリースした 自身唯一の作品にしてレアグルーブ史に残る名作「Rhythm Of Life」でもお馴染み、ROY AYERS UBIQUITYの名盤「Lifeline」にギタリストとして参加していた事で知られる JAMES MASONによる、超レア楽曲でもあり、THEO PARRISHが頻繁にプレイする事でもお馴染みのダンス・クラシックス「I Want Your Love」、「Nightgruv」が、アムスの名門[Rushhour]から12インチ復刻! 11分を超えるスローモー・ソウルな「I Want Your Love」、ミニマルなシンセ・リフと、黒いベース・グルーヴが◎な、ディープ・ハウス風サウンド「Nightgruv」、どちらもTHEO PARRISHのプレイする事でもお馴染みの楽曲です。

10

NICHOLAS

NICHOLAS MORNING FACTORY / Looking (X-Master/ 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
イタリアのNICHOLAS、オランダのMORNING FACTORYという、これからのシーンを担って行くであろう注目の新世代ハウサー2組による キラー・ボム!! [No More Hits]、[Quintessentials]、[Dikso]を筆頭に様々なレーベルから作品をリリースし、日に日に注目度の増す、イタリアの NICHOLAS、[2020 Vision]や[Yore]、[Royal Oak]などからリリースを残す、オランダのデュオ MORNING FACTORYが、新レーベル[X-Masters]より新作をリリース。間違いなくダブルA面と言っても過言ではない今作、まずA面に、淡く幻想的なコードや、艶やかな女性ヴォーカルをフィーチャーした、90年代中頃のN.Yディープ・ハウス作品を彷彿とさせるNICHOLAS、B面には力強くグルーヴィーなディープ・ハウスを披露した、MORNING FACTORYの作品を収録。どちらもホント最高です!

(((さらうんど))) - ele-king

 聴いていると耳が忙しくなる音楽、というのがある。いち時期流行った言葉を使えば、要は情報量が多い、ということだが、イルリメの場合、エレクトロからヒップホップ、ハードコアまでをも自由に乗りこなすそのアヴァンな音楽性はもとより、躁的ともいえるラップがそのせわしなさを加速させていた。筆者が初めてイルリメの音楽に出会ったころ、ECDとの共作『2PAC』(2005)、あるいは『www.illreme.com』(2004)のせわしなさを前に、思わずたじろいでしまったことを覚えている。それは、ラップ・ミュージックの人力性におけるひとつの達成だったといまでは思う。
 しかし、同作収録の"トリミング"が放った異彩を、私は忘れることはなかった。写真の切出し加工をモチーフに、胸いっぱいの愛を、言葉にも音にも落とし込めないもどかしさを、だからこそ肯定するような、メランコリックなエレクトロ・ポップ。それは紛れもなく、先のディケイドに産み落とされたJ・ポップのひとつのクラシックだった(同曲を『360°SOUNDS』(2010)に再録したイルリメ自身も、相当の感触を得ていたのだろう)。

 そして、おそらくは多くの人と同様に、私が彼に対する認識をほぼ完全にあらためるのは、『二階堂和美のアルバム』(2006)での全面的な楽曲提供、プロデュースであった。そこで、私はイルリメを鴨田潤として、覚え直すことになる。
 とはいえ、表面的なイメージでしか彼のことを知らない私のような人間からすれば、それは、結ばれるはずのない二点が、隠されたたくさんの補助線で知らぬ間に繋がれてしまったような気がして、いまひとつ納得できないのもまた事実であった。が、それが決して大掛かりなトリックではなかったことが、その後、"トリミング"の変奏ともいえる"さよならに飛び乗れ"(2009)、イルリメが変装を忘れて鴨田潤の楽曲を歌ってしまったような"たれそかれ"(2009)、そして、鴨田潤名義での小細工なしの弾き語りアルバム、『』(2011)で少しずつ明かされていくことになる。鴨田は、そこで歌っていた。「思い出のあの場所は今も残っているだろうか/明日、春の風が吹いたら/久しぶりに帰ってみようか」"はるいちばん"

 そんな風にして、やや無軌道に蛇行しながらも、アッパーなヒップホップから、人懐こいポップスの保守本流へとじょじょに旋回していったイルリメは、本作『(((さらうんど)))』において、新たなキャラクターの獲得を果たしている。彼はイルリメとしても、鴨田潤としても振る舞い、過剰なアッパーさも、対極にある無装飾も、結局は1枚のコインなのだと受け入れ、そのギャップを最高のかたちで埋め合わせているのだ。両者のあいだを取り持つのは、端的には80年代のシティ・ポップであり、シンセサイザーであり、山下達郎のロマンティシズムである。K404とCrystalによるエイティーズ・マナーのプロダクションは、決して作りこまれ過ぎることなく、音のニュアンスが読み取れる程度の干渉にとどまり、クリーントーンで鳴るキーボードやシンセサイザーは、透明度の高いアンビエンスを提供している。
 資料なし・目隠しの状態で聴いたとしたら、どの曲も古いアニメ・ソングに思えるほど、言い様によっては馴れ馴れしいまでの親しみを携えている。アルバムのハイライトである高城晶平(cero)との共作"タイムリープでつかまえて"は、時を遡る能力を手に入れ、人生を自由に微調整しながら、だからこそたくさんの人と、そしてかけがえのない"あなた"ともすれ違っていく少女の、二度と訪れることのない夏を描いた『時をかける少女』(細田守監督、2006)に捧げられたかのよう。

 ほかにも、すでに配信・公開済みである、本作の名刺代わり"サマータイマー"、もっとも歌謡テイストの強い"冬の刹那"、暖かいアルバムのムードを引き締めるアンビエント・バラード"Gauge Song"、そして、佐野元春の打ち込みカバー、"ジュジュ"(1989)も最高の仕上がりだ。さらには、いまどき珍しいほどに吟味された(であろう)完璧な曲順からは、3人がこのアルバムにかける思いを想像することができる。
 また、プロモーション用のCDをこの1ヶ月アイフォーンに忍ばせ、日々の生活のなかで繰り返し聴いていたのだが、ふと、すべての曲のすべての歌詞が無理なく聞き取れることに、驚いた。もちろん、イルリメ時の高速ラップでもその滑舌の良さは際立っていたが、とにかくいち音にいち字、メロディに丁寧に言葉を乗せ、ときに軽いビブラートを利かせながら、きわめて中立的な発声で淡々と歌うこの男を、きっとあなたは知らないと思う。その分、リリックの内容は、リスナーが言葉を無意識に追いかけても決してプロダクションの景観が損なわれない、人工的な、一人称の主語に負荷をかけないフィクショナリー・ポップとなった。

 そう、彼ら(((さらうんど)))は、ポップのクラシックスが保証する伝統の半径を一歩も侵していない。全10曲、ランニングタイム40分で駆け抜ける『(((さらうんど)))』は、批判を恐れずいえば、新たなディケイドにおけるポップ・ミュージックとして、なんらスリリングではない。ラディカルさをあらかじめ放棄した、とも言える。それを、居直りや開き直りと切り捨てるのは簡単だ。が、おそらくは彼らが思春期の原体験として持つポップ・ミュージックの残像を、なんとなくいちど、真心でもって直視してみたかった、という気持ちが、私はわからないでもない。
 本作は3月7日にリリースされるが、初めて聴く際、隅々にまで調整が行き届いたある種の潔癖さを前に、なにか警戒してしまう人もいるだろう。が、ポップ・メロディに対するこの実直さは、並大抵ではない。言うなればこれは、ポップスの馴れ合いに対する愛ある警告だ。それは、単なるノスタルジー以上の価値を持つ。気付けば繰り返し聴いてしまうよ。なんの皮肉でもなく、『ミュージック・マガジン』では10点でないとおかしいと思うが、内容的にも、過干渉なメッセージがますます氾濫するいま、こうしたポップスの人工性、虚構性は貴重だ。ますますイルリメのことがわからくなったよ。

Chart by JET SET 2012.02.28 - ele-king

Shop Chart


1

KEN ISHII PRESENTS METROPOLITAN HARMONIC FORMULAS

KEN ISHII PRESENTS METROPOLITAN HARMONIC FORMULAS MUSIC FOR DAYDREAMS EP »COMMENT GET MUSIC
DJユースな"Can You Feel It

2

MAMA GUITAR

MAMA GUITAR MAMA GUITAR SINGS MAMA GUITAR »COMMENT GET MUSIC
坂本慎太郎が全曲ベースで参加!2006年のライブを最後にシーンから遠ざかり、長い間沈黙していた彼女たちが、1年以上のレコーディングの末「Mama Guitar Sings Mama Guitar」を完成させました!!

3

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN MUSIC UNDER NEW YORK »COMMENT GET MUSIC
セルフ・レーベルやG.A.M.M.、Plimsollから傑作リエディットを量産してきたイスタンブールの才人リエディターOnur Enginによるキャリア初のアルバム作品が到着。

4

LINDSTROM

LINDSTROM QUIET PLACE TO LIVE »COMMENT GET MUSIC
先日リリースされたばかりのLindstrom最新アルバム『Six Cups Of Rebel』のCD盤にボーナス・トラックとして収録され大きな話題となっていた、Todd Rundgren (Utopia)によるキャリア初と思われるリミックス・ワークを12"化!!

5

ROXY MUSIC

ROXY MUSIC LOVE IS THE DRUG (TODD TERJE DISCO DUB) / AVALON (LINDSTROM & PRINS THOMAS VERSION) »COMMENT GET MUSIC
Todd Terje & Quiet Villageの2組によるリミックスEPも即日完売となったBryann Ferry率いるUKロックバンド、Roxy Musicによるクラシック2タイトルの限定リミキシーズ!!

6

POGUES

POGUES CELTIC SKA EP »COMMENT GET MUSIC
Joe Strummer~Ian Duryと続いてアイリッシュ・トラッド・パンクスPoguesが登場です!!勿論、全編スカ・アレンジによる超最高の4曲を収録。

7

V.A.

V.A. BLACK GOLD »COMMENT GET MUSIC
世界500枚限定プレス。ダンスホールDJにも大推薦のUKベース超強力コンピです!!

8

SOFTWAR

SOFTWAR THIS TIME AROUND »COMMENT GET MUSIC
当レーベルからリリースされたMitziやMario & Vidis作品にてリミックスを披露していた、Myles du Chateau & Jeremy Lloydからなるシドニーの新星ユニットSoftwarによる最新EPが登場。

9

EARTH WIND&FIRE / SPLENDER

EARTH WIND&FIRE / SPLENDER HAPPY FEELIN / CARNIVAL »COMMENT GET MUSIC
【LTD300】前二作が即完売となった、Danny Krivitによる完全日本独占エディットシリーズ第三弾。本作は、Earth Wind & Fire / Happy Feelingと1979年リリースSplender / Carnivalをリエディット。

10

RON TRENT FEAT. ROBERT OWENS

RON TRENT FEAT. ROBERT OWENS DEEP DOWN »COMMENT GET MUSIC
ジャーマン・ディープハウス・レーベル"Foliage Records"から、Robert Owensをフィーチャーした2008年名作のニュー・ミックスが登場。Mr. FingersことLarry Heardによるリミックスで再帰した珠玉作です。

Chart by UNION 2012.2.24 - ele-king

Shop Chart


1

EDDIE PALMIERI

EDDIE PALMIERI Mi Congo Te Llama FANIA / US / »COMMENT GET MUSIC
HAMMOCK HOUSE AFRICA CARIBEでもピックアップされたサルサ・ピアノの巨人EDDIE PALMIERI"Mi Congo Te Llama "JOE CLAUSSELLミックス。元ネタからのパートは部分的に活かしているもののボトム・トラックはJOE自身によるもので、ほぼオリジナルに近い構成。傑作"With More Love"にサルサの要素を盛り込んだかのようなドラマティックな仕上がりで、ピークタイムを意識したダイナミックさとブレイクはロングプレイする程にこの楽曲の良さを引き出してくれます。

2

FLIGHTS OF FANCY

FLIGHTS OF FANCY Volume One INTERNATIONAL FEEL / URG / »COMMENT GET MUSIC
INTERNATIONAL FEEL2012年最初のリリースはニュー・プロジェクト、FLIGHTS OF FANCYの第1弾!コズミック・シンセを大胆にフィーチャーした80'sフィールなA-1、ギターの旋律が心地よく響くレイドバック感に満ちたB-1をフリップサイドに収録した2トラック。すでにTODD TERJE、SOFT ROCKS、MAX ESSAに、GOLF CHANNELクルー等が絶賛する1枚!!

3

GEOFFREY ORYEMA

GEOFFREY ORYEMA Kei Kweyo (Joaquin Joe Claussell Remixes) WHITE / US / »COMMENT GET MUSIC
かつてBRIAN ENOがプロデュースしたことでも知られるウガンダ出身のアーチスト・GEOFFREY ORYEMAの作品をJOE CLAUSSELLがリミックスした1枚。オリジナルヴォーカルを活かしたA-1は太いベースラインにリムやドラムといった一つ一つのパートがしっかりした輪郭を伴い絶妙なバランスで組まれた、力強いグルーヴを伴うアフロハウス。無数のドラム/打楽器が多方面から交差し独特なトリップを醸しだすB-1も秀逸!

4

DELANO SMITH

DELANO SMITH Odyssey (LP) SUSHITECH / GER / »COMMENT GET MUSIC
DERRICK MAY自らが「最も影響を受けたDJ」として名を挙げ、JUAN ATKINSの憧れの存在でもあったデトロイト・アンダーグラウンド・シーン最後の大物、DELANO SMITHによるキャリア初(!)となる待望の1stアルバムがCDに先駆け3枚組LPで到着。彼のDJスタイルを象徴するかのような、ロウでありながらしなやかにハメる心地よいグルーヴ、体へ染み渡るミニマルなリズムを抜群の構成力でディープ/ハウシーに聴かせる数あるデトロイト・ハウスの中でも圧倒的に抜きん出た仕上がり。

5

FUMIYA TANAKA

FUMIYA TANAKA I Can Tell You Of Course I Know It Was PERLON / GER / »COMMENT GET MUSIC
ベルリンに移住したFUMIYA TANAKAが、旧知の関係であるご存知ドイツの名門PERLONから遂にアナログ・デビュー! ヴォイス・サンプルを散らしたクールなトラックA-1、『Wire 11 Compilation』に収録されていたB-1"I Can Tell You Of Course I Know It Was"を収める1枚。中毒性のかなり高いミニマル・ハウス作品。

6

PUBLIC LOVER

PUBLIC LOVER Broken Shape Of You THESONGSAYS / JPN / »COMMENT GET MUSIC
BRUNO PRONSATOとそのパートナーNINCA LEECEによるユニット・PUBLIC LOVERのデビュー・アルバム。これまでのシングルで垣間見られた軽やかで気負いのないミニマル・ハウス+シンセポップと形容できる独自のサウンドが、柔軟なリズム・プロダクションにアンニュイでどこかセンチメンタルなヴォーカルを加えるというスタイルを基本にアルバムフォーマットを取ることで更に豊かな音楽性を獲得。何度でも聞き込みたくなる味わい深い作品へと結実しています。

7

OMAR S PRESENTS AARON

OMAR S PRESENTS AARON "FIT" SIEGEL FEAT L'RENEE Tonite FXHE RECORDS / US / »COMMENT GET MUSIC
デトロイト地下でFIT DISTRIBUTIONを主催する一方、レーベル、DJとしても活躍するAMERICAN APPARELがOMAR Sとの共同プロデュースという形でリリースするFXHE最新作。全編にしっとりとしたヴォーカルがフィーチャーされた、ミシガンのミッドナイトが似合う、アーバンでウェッティなディープハウス。90's回帰なサックスとキーボードを押し出しパーティの終盤が似合う哀愁漂うクラシカルな仕上がりのB-1もGOODです!

8

DJ SURGELES

DJ SURGELES Something In The Sky Mix SOMETHING IN THE SKY / US / »COMMENT GET MUSIC
JEFF MILLSによるコンセプト・シリーズ最新作の新章「TAKEN (拉致)」のリリースに合わせ、一連の"Something In The Sky"作品群のMix CD(R)が入荷。JEFFが認めた謎のオランダ人アーティスト、DJ SURGELESによる全編60分、Something In The Skyコンセプトの回想録。AXISから、JEFF以外の、しかもJEFFが認めたDJによる、オフィシャル・Mix CD(R)のリリースは異例中の異例。好奇心と期待が増幅される1枚。LTD300プレス!

9

ROXY MUSIC

ROXY MUSIC Love Is The Drug (Todd Terje Remix) / Avalon (Lindstrom Remix) VINYL FACTORY / UK / »COMMENT GET MUSIC
ROXY MUSICのクラシック・タイトルをTODD TERJEとLINDSTROMがリミックスした超限定プレスの1枚がUKのVINYL FACTORYから登場!1975年の"Love Is The Drug"をまるでTHE CLASH"Rock The Casbah"に仕上げたディスコダビーなTODD TERJEサイド、裏でかすかに響くコーラスも怪しげな、クラウトロックを消化しスロートラック化したLINDSTROMサイドと見逃せない限定盤です。

10

PORTER RICKS

PORTER RICKS Biokinetics (LP) TYPE / UK / »COMMENT GET MUSIC
BASIC CHANNEL傘下CHAIN REACTIONの記念すべきアルバム第1作、THOMAS KONERとANDY MELLWIGによるプロジェクト・PORTER RICKSによる、ダブテクノ/ミニマルダブの歴史にその名を刻むファースト・アルバムが5年の時を超え遂に再発! 深く深く沈みこむリヴァーヴ&ディレイ・シンセがもたらす瞑想的なアンビエンス/ミニマリズム、CHAIN REACTIONのレーベル・イメージを決定付けたマスターピースといえる1枚。

Chart by TRASMUNDO 2012.02.21 - ele-king

Shop Chart


1

SEMINISHUKEI presents ERA

SEMINISHUKEI presents ERA"3 WORDS MY WORLD"REMIX ALBUM 3 WORDS HIS WORLD (FREE DOWNLOAD) / »COMMENT GET MUSIC

2

BUSHMIND

BUSHMIND Killa Killa Inside Me (7inch) / »COMMENT GET MUSIC

3

DNT


4

THUGMINATI(T.O.P.&DJ 8MAN)

THUGMINATI(T.O.P.&DJ 8MAN) NEW WORLD MURDER THE MIXTAPE »COMMENT GET MUSIC

5

TAMU

TAMU SLOW START »COMMENT GET MUSIC

6

DJ PACO

DJ PACO CHICANO LOVE »COMMENT GET MUSIC

7

373

373 HURT... »COMMENT GET MUSIC

8

DJ FUNKACE

DJ FUNKACE DANGEROUS R&B MIX »COMMENT GET MUSIC

9

T2K a.k.a.Mr.Tee

T2K a.k.a.Mr.Tee TOKYO RULES »COMMENT GET MUSIC

10

OYG

OYG NOW...THEN、again »COMMENT GET MUSIC

Chart by STRADA RECORDS 2012.02.21 - ele-king

Shop Chart


1

STING

STING INSIDE-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS REMIXES TIMMY ADAM / WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
昨年度よりTimmy Regisford自身がプレイを重ねてきた話題作が日本先行でヴァイナル・リリース!2003年リリースのアルバム「Sacred Love」のリード・トラック「Inside」をハウス・リミックスした本作、StingのパワフルなヴォーカルとShelter直系のシンセが絡み合う強力なピークタイム・チューン!世界に先駆けて日本先行リリースとなりますので是非この機会をお見逃しなく

2

STEVIE WONDER

STEVIE WONDER LATELY-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS REMIXES TIMMY ADAM / WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
昨年度よりTimmy Regisford自身がプレイを重ねてきた話題作が日本先行でヴァイナル・リリース!Stevie Wonderの言わずもがなの超名曲「Lately」をハウス・リミックス!パーカッシヴなトラックにメロディアスなピアノ&ヴォーカルが最高で、中盤以降の盛り上がるパートには新たにシンセが加わり、これまた強力なピークタイム・アンセムに仕上がっています!世界に先駆けて日本先行リリースとなりますので是非この機会をお見逃しなく!

3

JOUBERT SINGERS

JOUBERT SINGERS STAND ON THE WORD FAVORITE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Larry Levan、David Mancuso、Francois K、Danny Krivitらもフェイヴァリットな超レア盤が遂に!中古市場でも万超えの人気盤がフランスのレーベルFavoriteから正規再発!ピアノが印象的なトラックと、子供達によるゴスペル調のヴォーカルに心動かされる85年リリースの超人気曲!重鎮Tony Humphriesもミックスに参加!これはマスト!

4

VA

VA SOULMATES EP SHARIVARI(FR) »COMMENT GET MUSIC
DERRICK MAYのミックスCD「Mix Up」にも収録されていた96年リリースの大人気曲House Proud People「Lonely Disco Dancer」を収録したEPが登場!途中でSUSAN CLARK「DEEPER」のサンプリングが飛び出すグルーヴィーで盛り上がる傑作!中古市場でも値段が高騰しているのでこれは嬉しい収録!他にもNDATLレーベル主宰のKAI ALCEの作品等を収録!

5

VEDOMIR

VEDOMIR VEDOMIR EP SOUND OF SPEED(JPN) »COMMENT GET MUSIC
ウクライナの気鋭Vakulaが初となる変名プロジェクトVedomirでEPをリリース!生々しいベースやパーカッションにヴィブラフォンやピアノ、シンセが絡む極上インスト・ハウスのA1を筆頭にクオリティーの高いジャジーなインスト作品を計3曲収録!既にMark Eら様々なDJ/アーティストが賛辞を寄せプレイ・サポートの強力盤です!

6

FLIGHTS OF FANCY

FLIGHTS OF FANCY VOLUME ONE INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
【Todd TerjeやChris Coco, Soft Rocks, Max Essaらも絶賛!】ファンキーなベースにグルーヴィーなギター、さらにスペイシーなシンセ・ソロがフィーチャーされた極上バレアリック・ブギー・インスト!スローでバレアリック度がさらに高いB面のカップリング曲も最高!いつもの通り初回プレス分のみアートワーク・ジャケット付き重量盤仕様ですのでお見逃しなく!

7

MK

MK THE MKAPPELLA(10inch) DELSIN (EU) »COMMENT GET MUSIC
人気レーベルDelsinの復刻シリーズX-DSRにMKことMARC KINCHENのレア作品が登場!91年にリリースされた「The Mkappella」は、川の流れる音や小鳥のさえずりをミックスしたディープなアンビエンス・ハウス的作品!B面にはLUKE SLATERが94年にTHE 7TH PLAIN名義でリリースしたアルバムに収録されていた人気曲「Lost」をカップリング!どちらもオリジナル盤はレアですのでこの機会をお見逃しなく!

8

BEN WESTBEECH

BEN WESTBEECH SOMETHING FOR THE WEEKEND D:VISION(ITA) »COMMENT GET MUSIC
Gilles Petersonが発掘したブルー・アイド・ソウル・シンガーBen Westbeechのアルバム収録曲が嬉しいシングル・カット!温かみのあるトラックにソウルフルでエモーショナルな彼のヴォーカルが最高!途中のトランペットのソロも◎!

9

ROBERT COTTER

ROBERT COTTER TIMELESS(LP) DERBY(UK) »COMMENT GET MUSIC
イタリアのレーベルDerbyからリリースされていた80年産の激レア盤がオリジナル仕様で再発!ディスコ、AOR、アーバン、トロピカル・・・と幅広い音楽性が見事に1枚のアルバムに集約された好盤!お見逃しなく!

10

BUCIE

BUCIE GET OVER IT FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Black Coffeeの大ヒット曲「Superman」でヴォーカルを務めていたBucieのソロ作が人気レーベルFolliageから登場!リミキサーにはEzelが参加しており、メロディアスで洗練されたトラックにあの可憐な歌声が乗った極上な仕上がりとなっています!

duenn feat. Nyantora - ele-king

どんな音でも受けて入れてしまえ文:野田 努

 カセット・レーベルがこの日本でも増えている。東京の〈コズ・ミー・ペイン〉をはじめ、〈クルックド・テープス〉、そして福岡の〈ダエン〉......〈コズ・ミー・ペイン〉は昨年に欧米進出を果たしつつ、〈クルーエル〉からビューティが12インチをリリースし、〈クルックド・テープス〉はロサンジェルスの〈ノット・ノット・ファン〉などとの協調しながらリリースを重ね、そして福岡の〈ダエン〉はレーベルとしての第二弾を発表した。それが今回の中村弘二によるニャントラ名義の作品。100本の生産らしいが、こうした超限定盤を土台としながら、今日USアンダーグラウンドが盛り上がっていることを思えば、当たり前の話、ちょっと期待してしまう。日本国内でのカセット・テープの生産は終了したというから、それなりに強い気持ちがないと継続はできない。
 もっともUSのインディ・レーベルがアナログ盤とカセットのみのフィジカル・リリースに至った理由も、昔は良かった的なノスタルジーというよりも、実利的な観点に立ったときの前向きさにあるんじゃないだろうか。CDでリリースしても勝手にダウンロードされてしまうわけだし、だったら数は少なくなくても買ってもらったほうがいい。ボロ儲けたい人には向かないが、経済活動と芸術活動を両立させるうえではひとつの可能性だと言える。
 ここ数年、USのカセット作品を買いまくっていたという中村弘二にとっては、こうしたリリースは望むところだったに違いない。この作品は、アンビエント・テイストが際だっていた過去のニャントラ名義のどの作品とも違っている。作り方としては、ジェームス・フェラーロやOPN、ハイプ・ウィリアムスなんかと近いと思われる。音の断片を集め、それを編集していく。ナカコーらしく、まったくもって感覚的な作品だが、ひとつ思うのは、一時期のトーマス・ケナーのようにこの音楽には多くの静寂があるということだ。ケナーはかつて自分の音楽を「ふだんは聴こえない音を聴く」行為だと定義しているが、ニャントラのカセットもそれと似た謙虚さからはじまる。デヴィッド・リンチの映画のように一瞬だけ暴力的な世界に引きずり込みはするが、すぐにまた柔らかい電子の海へと戻してくれる。
 ナカコーらしく、まったくもって感覚的な......と僕は先に書いたが、彼の音楽においてもっとも重要なことは、彼が音に対してオープンであるということである。年を経るごとにどんどん開かれていく。多くの時間を空想に費やすであろう彼だが、部屋に引きこもるだけではなく、彼はアルヴァ・ノトのライヴにも石野卓球のDJにも出かけ、灰野敬二と同時にガムランの響きにも耳を傾ける。彼の鼓膜はつねに好奇心を帯びている、そうだ、どんな音でも受けて入れてしまえ。
 本作は、そういう意味では様式(スタイル)を持たない印象的音楽(アンビエント)で、中村弘二の自由の断片を聴くことができる。スーパーカーのファンの期待から逃れながら、販売戦略の文脈には乗らないこの音楽性がカセットで発表されるということも、まあ、微笑ましいと言えば微笑ましい。本当に聴きたければ聴けばいいし、手続きが面倒であるのならそれだけの話。

文:野田 努

»Next 竹内正太郎

[[SplitPage]]

素直に楽しめない作品では、あるが...... 文:竹内正太郎

いつかは君と本当の空を飛べたらなぁって、それだけさ
スーパーカー"CREAM SODA"(1997)

 本当じゃない空を走る、真っ白なひこうき雲。成熟に対する拒絶と、未熟に対する拒絶を同時に抱えながら、反抗という社会性をなんら帯びなかったそのバンドの思春期は、シューゲイジーなギター・プロダクションと、倦怠をはらんだ歌唱、そして何より、言葉に落とし込まれた過敏な十代の感性によって、世の典型さや平凡さを斜めに断裁しながら、あっという間に過ぎていった。癖になった意味のないため息、うんざりするような馴れ合い、不必要に甲高い連中の笑い声、ありふれた虚栄、虚飾、駆け引き、出し抜き、気持ちの悪い上昇志向、そして、それらをシニカルに見つめる自分の凡庸さ。『スリーアウトチェンジ』(1998)は、およそ十代という罪深い幻の季節を、コンパクト・ディスクの許容値ぎりぎりまで使い、ギター・ロックのエチュードとして録音している。

 1995年、青森県八戸市にて結成。どう考えても遅すぎる出会いだったが、私は彼らの解散がアナウンスされた後、初めてその車に乗った。従前のギター・プロダクションにエレクトロニクスが屈託のない表情で交わる『JUMP UP』(1999)は、作品のバランスという点で、彼らの早熟さをもっとも端的に捉えている。ウォーク・スローリー。しかし、この時期のシングルB面で、ドラムンベースの試験的導入や、憂鬱なダウナー・ポップを披露せずにはいられなかった彼らにとって、そうした思春期性はもはや足枷でしかなかったに違いない。ろくにトリートメントされていないようなロウなミックスで過去を一括清算した『OOYeah!!』『OOKeah!!』(1999)を経て、彼らはトランス・ロックの加速度でもってゼロ年代の始まりを一気に駆け抜ける。『Futurama』(2000)は、レイヴ・ミュージックへの憧憬を、ロックの文脈においてヴァーチャルに昇華させた意欲作だった。

 ところで、良くも悪くも独りでは曲を作れないという点に、団体音楽の大きな魅力がある。密室で顕微鏡をのぞくような、省察が行き届いた孤独なベッドルーム・ミュージックにはない、共同体の中でのある種の運動(ときに競争原理)が働くことによって、バンドのポップ・ポテンシャルが大きく引き出される例を、私たちはよく知っている。『HIGHVISION』(2002)は、互いの方向性に違和を感じ始めた彼らにとって、ポップ・バンドとしては最後の結実だった。益子樹や砂原良徳らとの合流、テクノの跳躍力、電子音の煌めき。全反射するような"愛(I)"は光の伝送路で無限に増幅され、ひこうき雲が消えた本当じゃない夜空に、"Strobolights"を何本も突き刺す。終盤、勝井祐二のバイオリンが外界の光を閉じていくそのアルバムは、バッド・トリップ気味に暗い示唆をまき散らしながら終わっていく。

消えてしまったストーリー
出番を独り待っている
静かに 静かに ただ静かに 夢を見ている
スーパーカー"LAST SCENE"(2004)

 そして、最後の妥協点を探るように作られた『ANSWER』(2004)は、ポップ・バンドとして結成された彼らが、かつて拒絶していた成熟(少なくとも高度化や洗練)を受け入れ、セミ・ポップの領域へと踏み出したことを如実に物語る。音の装飾よりも空間のニュアンスを重視した、メロウなプロダクション。散文的な歌詞。ミニマルな展開。その削ぎ落とされた妥協点は、逆説的に彼らの飽和でもあった。翌年、バンドは解散を選ぶ。これ以降の4人の物語と、私はなぜか一定の距離を保ってきた。個人的にもっとも親しみをもって追いかけたのは、リミックス・ワークを通じてTV・オン・ザ・レディオやデイダラスら海外のオルタナティブ、そしてボーカロイド文化とも前向きに交わってきたフルカワミキであるし、一般的にもっとも成功した存在として認知されているのは、ロック・バンドのプロデュースからK・ポップの作詞まで手掛ける、いしわたり淳治であろう。

 中村弘二(以下、ナカコー)はといえば、アンダーグラウンドを好み、端的にはiLLを名乗ってレフトフィールドの開拓を試みてきた。テクノ、アンビエント、グリッチ、ドローン、ストーナー・フォーク、チェンバー・ポップ、ひと回りしてのロック、あるいはスーパーカーの再考、そしてLAMA。そうした変遷の先に、いつの間にか復活させたNYANTORA(ニャントラ)名義によって、ナカコーは相変わらずの実験趣味(と孤独趣味)を爆発させている。〈ダエン〉からのリリースとなった、レーベルの代表アーティストでもあるダエンとのコラボレーション『duenn feat nyantora』は、相当時間の無音部・微音部を含む、実に抽象的な作品となっている。カセット・テープなので、スキップもできずにとりあえずは黙って聴いているしかないわけだが、音も鳴らないし、あー、眠ってしまおうか、と、忘れたころに浮かび上がる音。かと思えば、あれ、いつから音、鳴ってないんだっけ、と、気付いたら霧散している音。鳥のさえずりもあれば、心地よいグリッチ、耳をかすめる程度のノイズもある。
 正直にいえば、一応、遅れてきたスーパーカー世代である筆者としては、素直に楽しめない作品では、ある。私はまだ音楽に加速度を欲しているし、ポップのある意味での下品さを必要としている。とはいえ、狭く聴かれることと、広く聴かれないことを同時に望んできたナカコーの立場からすれば、本作は完全な匿名性をまとうことに成功した作品ではある(いま、無条件でカセット・テープを聴ける人はそう多くないはずだし、ネット上で聴くこともできない)。というか、不況だ、不況だと言われて久しい昨今の音楽業界にあって、内容的にも外装的にも、"あえて広がり過ぎない音楽"をアナログ・メディアでリリースすることを、私は贅沢なことのように思う。DIY文化のプライドか、LAMAとのバランスか。いずれにせよ、小さな承認を大仰に分け合う、繋がりすぎた私たちのネットワークを断ち切るように、聴き手の受動性を拒絶するアンダーグラウンドの精神は続く。

文:竹内正太郎

Chart by JET SET 2012.02.20 - ele-king

Shop Chart


1

LINDSTROM

LINDSTROM SIX CUPS OF REBEL »COMMENT GET MUSIC
Mungolian Jetsetによる傑作シングル/アルバムやDJ Harvey Remixを収録したDiskjokke新作12"など人気作のリリースが相次いでいる"Smalltown Supersound"から、天才Lindstromによる話題の最新アルバム「Six Cups Of Rebel」がアナログ2枚組で登場。

2

PITCHBEN

PITCHBEN STAND UP »COMMENT GET MUSIC
昨年"Compost"からデビューしたドイツの新鋭Ben Pitchによるデビュー・アルバム『Pitchslap』から、シーン屈指の人気を誇るRunawayとTiger & Woodsの2トップによる強力リミックスを収録した話題の12"カットが待望の入荷!!

3

EDDIE C

EDDIE C ALL I WANT »COMMENT GET MUSIC
昨年リリースされた待望の1stアルバム『Parts Unknown』をはじめ、"7 Inches Of Love"シリーズも大好評頂いた、カナディアン人気アクトEddie Cによる新録4楽曲。

4

RAY MANG

RAY MANG LOCK & POP / VIVA LAS VEGAS »COMMENT GET MUSIC
Dr. Dunksによる前作22番がビッグ・ヒットとなった"Disco Deviance"最新作に、UKディスコ・シーンの才能Ray MangによるダブルサイダーEPが登場。

5

GANG COLOURS

GANG COLOURS FANCY RESTAURANT »COMMENT GET MUSIC
Gilles Petersonが絶賛する逸材、Gang Coloursの会心の1曲。柔らかいピアノに切なく響く歌声、優しく刻まれる裏打ちから滲み出る最新モード。文句なしのスウィート・メロウ・キラー!!

6

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO

QUANTIC & ALICE RUSSELL WITH THE COMBO BARBARO LOOK AROUND THE CORNER »COMMENT GET MUSIC
Rotary Connection「Les Fleur」直系の鮮やかなストリングスとソウルフルなコーラスが、キューバのリズムに乗って感動的な歌声を盛り立てる特大名曲!!

7

LAPALUX

LAPALUX WHEN YOU'RE GONE »COMMENT GET MUSIC
大人気KorelessやSeamsらのリリースでお馴染みPictures Musicからのカセット・リリースでデビューを飾った美麗ウォンキー新星Lapaluxが満を持してのヴァイナル・デビュー!!

8

NEW AGE STEPPERS

NEW AGE STEPPERS MY NERVERS (PUNK) »COMMENT GET MUSIC
まさかの最新作『Love Forever』に収録のテイクとは別ヴァージョンの7インチ。アルバムver.よりも危ない雰囲気が増していて、相当ヤバイです!!

9

GEORGIA ANNE MULDROW & MADLIB

GEORGIA ANNE MULDROW & MADLIB SEEDS »COMMENT GET MUSIC
更に制作力を増し続ける鬼才MadlibとGeorgia Anne Muldrowがコラボした話題の楽曲が、ニューレーベルSomeOthaShip Connectより限定500枚でリリース! クリア・バイナル仕様。

10

VEDOMIR

VEDOMIR VEDOMIR EP »COMMENT GET MUSIC
Eddie C、Luke Vibertのリリースが大好評を博したブギー・ディスコ・シリーズ"Kerrier District"に続く、Jazzy SportとSound Of Speedによるコラボレート企画最新作。

Chart by Underground Gallery 2012.02.17 - ele-king

Shop Chart


1

JEFF MILLS

JEFF MILLS Taken (Taken / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
2011年、活発なリリースだったJEFF MILLSが、2012年一発目に発表するのは 「Something In The Sky」から派生した「Taken」(拉致)なる新シリーズからの 新作12インチ! 「Something In The Sky」シリーズ直系と言える、危機迫るような、スリルのあるシンセ・シークエンスを軸にした、スペーシーなサイエンス・フィクション・テクノが4トラック。レーベルからの詳細が一切無く、ミステリアスな「Taken」シリーズ、どんなコンセプトなのか、今後のリリースで明らかになっていくことでしょう

2

SECRET CIRCUIT

SECRET CIRCUIT Nebula Sphynx / Parascopic Rope (Beats In Space / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
TIM SWENNYによる話題の新レーベル[Beats In Space]第2弾!今回は、[Whatever We Want]からもリリースを残す LAUGHTING LIGHT OF PLENTYの EDDIE RUSCHAによるプロジェクト SECRET CIRCUIT! RUB'n TUG、MAP OF AFRICAで御馴染み、THOMAS BULLOCKとのライブプロジェクト LAUGHTING LIGHT OF PLENTYや、同じく、[Whatever We Want]からもリリースを残す、 FOOD OF THE GODS名義での活躍で知られる EDDIE RUSCHAが、新プロジェクトを始動させ、TIM SWENNYによる話題の新レーベル[Beats In Space] 第2弾として登場!ドープなアシッド・グルーブに、アナログ・シンセやトリッキーなサンプルを散りばめた。ディープ・エレクトロ・コズミック2トラックを披露。

3

MODEL 500

MODEL 500 Control (R&S Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
デトロイト・テクノのパイオニア、JUAN ATKINSが、MODEL 500名義にて新作12インチ をリリース! 前作はMIKE BANKSと元URのMARK TAYLORが制作をサポートしていましたが、今作 はJUAN ATKINS自身が、スタジオに籠って創り上げた完璧なソロ作品。 緊張感のあるリズムとダークなベースライン、そしてデトロイト・シンセにヴォーカ ルがのった、古くからのファンにはお馴染みのMODEL 500節炸裂のAサイド、浮遊感漂 うシンセとラフ・ビートの疾走感溢れるムーディーなトラックのBサイドの2トラック。

4

BOB CHANCE

BOB CHANCE Wild It'S Broken/It'S Broken (Emotional Rescue / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEY、RUB'n TUG、SOFT ROCKS等がプレイする、BOB CHANCEのレア・ロック・ディスコが、UK [Emotional Rescue]より 7インチにて、嬉しい再発! カリフォルニアのマイナー・レーベル[Morrhythm]よりリリースされた、コンポーザー/プロデューサー/シンガー、BOB CHANCEの80年作。ロカビリー、コズミック、ディスコを巧く融合させた、ファンキーなディスコ・ロック・ナンバー。オリジナルは本当にレアな作品なだけにコレは絶対に見逃せません!

5

MITSUAKI KOMAMURA

MITSUAKI KOMAMURA Vintage Moon Ep (Weedis / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
カナダのモノ・ミニマル・レーベル[Relolver]からのリリースで知られる、東京在住 のトラックメイカーMITSUAKI KOMAMURAが主宰する[Weedis]レーベルの第二弾! THEO PARRISH や MARCELLUS PITTMANにも通じる、LO-FIで黒味のあるマッド・アシッ ド・ハウス! MIKE INKが[Profan]でやっていたようなアシッド感に、ローファイなのに立体的な音 響処理を施したキックとハットが絶えず表情を変えながら展開していく、その様が、 月の満ち欠けを表現しているというA1「Sorcery In Eclipse」、ローファイでヒプノ テックなリズムに、太くてファンクを感じさせるベースが絡む、シカゴ・ハウス・ラ イクな「Tribe On The Moon」、ジャズ・ベーシストのウォーキング・ベースのような フレーズを軸に、シンプルなベース・ラインとローファイなリズムがコンビとなって 展開する「Bunny hopper」は、デトロイトのTERRENCE DIXIONに捧げたい、そんな1曲。 マスタリング及びマスターカットは、レーベル1番に引き続きMONOLAKEやHARDWAX関連 のリリースに携わるベルリン「Dubplate & Mastering」にて、CGB竏・によるアナログ感 満載で太く暖かみのある音に仕上がっている。

6

MARVIN BELTON

MARVIN BELTON Find A Way (Mahogani Music / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANN主宰、[Mahogani Music]の新作はTHEO PARRISH率いるTHE ROTATING ASSEMBLYのメンバーであり、同レーベル前作JOY OF SOUND PRODUCTIONSのプロデューサーでもあるMARVIN BELTONによるスモーキーでソウルフルなデトロイト・ディープ・ハウス! しっとりとした、アダルトなムードが漂うハウス・グルーヴに極め細やかなアルペジオ・シンセが旋回する「I Believe」、デトロイトらしいLO-FIなアフロ・パーカッシブ・ハウスの「Back To Africa」など、全4曲、[Mahogani Music]らしいソウルフルでスモーキーなディープ・ハウスばかり!

7

ANDRES

ANDRES New For U (La Vida / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANNが主催する[KDJ]や、[Mahogani Music]からのリリースでもお馴染み、Slum Villageのメンバーとしての肩書きも持つ、DJ DEZ aka ANDRESが自身のセルフレーベル[La Vida]をスタートし、新作12インチを発表! ヒップホップで培われた、サンプリング・センスが光る、デトロイト・マナーな漆黒のディスコ・グルーヴを軸に展開される3トラックを収録。限定盤。

8

HARDWAY BROTHERS

HARDWAY BROTHERS MANIA THEME (Is It Balearic? / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
[History Clocks]や[Luna Flicks]、[I'm A Cliche]、[Astro Lab]など、UGでも一押ししている、人気レーベルから多数の傑作を生み出してきた、HARDWAY BROTHERSが、COYOTE主宰[Is It Balearic?]より新作をリリース。 今回は、スローモーなディスコ・ダブ・グルーブに、サイケデリックなシンセや、スペーシーなキーボードを響かせた、コズミック・トリッピーなサイケ・ジャムのA1、カップリングには、最近リリースラッシュが続く、番長 ANDREW WEATHERALLによる ドープ・スローモー・エレクトロ、心地良く伸びやかに広がるメローなスペース・シンセを響かせ、原曲のドープな雰囲気を一転させる、北欧ムードなディープ・スペーシー・ハウスへリミックスしたTOBY TOBIASなど、どれも本当に良い楽曲ばかり。

9

ROBERT OWENS

ROBERT OWENS Sacrifice (Ndatl / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
LARRY HEARDがプロデュースした、ROBERT OWENSのアルバム『ART』に収録されていた 「Sacrifice」を、デトロイトのKAI ALCEがリミックスした話題作。 現在、デトロイトで最も勢いのあるレーベルと言っても過言ではない、KAI ALCE主 催[NDATL]新作は、シカゴの大ベテラン・シンガーROBERT OWENSが初登場。昨年リリー スしたアルバム『ART』に収録されていたLARRY HEARDプロデュースによる楽曲 「Sacrific楽曲を、レーベル主宰KAI ALCEが4ヴァージョンのリミックス。初回プレス のみの限定盤ですので、お早めに

10

DISCO DEVIANCE PRESENTS

DISCO DEVIANCE PRESENTS Ray Mang Edits (Disco Devience / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
THE REVENGE、SOCIAL DISCO CLUB、ONUR ENGIN、ERIC DUNCAN aka DR.DUNKSと好調なリリースが続く[Disco Devience]新作は、意外なことに今回が初登場となる RAY MANG。 今回は、80年代の鮮やかなディスコ作品を使用。A面、B面ともに、パーカッシブでトライバルなブギー・ディスコを下地に、オリジナルの甘くソウルフルな女性ヴォーカルを巧く引き立てた、ナイスなリワークを披露。どちらも本当最高ですね!既に ERIC DANCAN、AL KENT、THE REVENGE、LEO ZERO、JACQUES RENAULT、TODD TERJE、FAZE ACTION、OOFT、CRAZY P、RAYKO、COSMIC BOOGIEらを筆頭に、錚々たる著名DJ陣がサポート中!
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196