「iLL」と一致するもの

MIPITIX (ODlounge / fab-space ) - ele-king

地下発狂実験室TOP10


1
Cycheouts a.k.a. Cycheouts Ghost - Lum'n'Bass - Romz

2
UTEROZZZAAA - B.B.KILLOurBabys mixed By Shaka-Itchi - vagina sewing

3
Gabbenni Amenassi - Inglourious Basterds - Sociopath Recordings

4
K-bomb x Olive Oil - 666 - Black Smoker Records

5
Pizza Circus - Weed Boulevard For Rasta Heart - Sociopath Recordings

6
DoN29 - Libble Rabble Bass

7
Ove-NaXx - Kita Low Rimix

8
Numb'n'dub - Blink-182 feeling this NMDB Breakcore remix

9
Muraqmo - 後ろの正面 - Trefoil Productions

10
Rivak - 1200 Mashed Pills - Rus Zud Net Label

Chart by JETSET 2010.11.22 - ele-king

Shop Chart


1

KUNIYUKI

KUNIYUKI DANCING IN THE NAKED CITY »COMMENT GET MUSIC
「Walking In the Naked City」から1年。早くも4thアルバムが登場!ダンス・フロアにフォーカスした、前作とは対をなす本作。既にHenrik Schwarz、Timo Maasなど世界各国のDJ達が多くの賛辞を寄せるトラックを多数収録。

2

CANYONS

CANYONS MY RESCUE »COMMENT GET MUSIC
DFAなどからリリースしてきたオージー・ユニット、CanyonsがModularから放つ、インディ・ダンス・ブギー+トライバル・サイケ+ニュー・ディスコな1枚

3

DJ SHADOW

DJ SHADOW THE 4-TRACK ERA LIMITED EDITION BEST OF THE ORIGINAL PRODUCTIONS(1990-1992) »COMMENT GET MUSIC
キャリア初期の軌跡をコンパイルした『4-Track Era』から待望のアナログ・カット!常にその動向に注目を集める存在として、DJ Krush等と共にかつてMo'Waxレーベルの人気を決定付けたDJ Shadowによるキャリア初期の貴重な音源全9曲を収録した限定ヴァイナル。

4

SNOOP DOGG FEATURING MAYER HAWTHORNE

SNOOP DOGG FEATURING MAYER HAWTHORNE GANGSTA LUV (MAYER HAWTHORNE G-MIX) »COMMENT GET MUSIC
自らがヴォーカル・パートを担当する、話題のMayer Hawthorne Remixが7"で登場!!ジャジー・ソウルな生演奏をバックに自ら歌い上げた、Snoop Dogg"Gangsta Luv"の大感動リミックス!!全世界限定300枚限定で、日本国内は100枚のみの流通です。

5

DOP

DOP L' HUPITAL, LA RUE, LA PRISON »COMMENT GET MUSIC
レジェンドHerbertリミックスを搭載した前作"3 Suitecases"もヒット中のフレンチ・ミニマル鬼才トリオdOP。エキゾでジャジーでシネマティックな大傑作を完成です!!

6

VAKULA

VAKULA NEMA »COMMENT GET MUSIC
期待の3rd StrikeからVakulaによる新作EP!!Firecracker, Best Werksからのリリースも記憶に新しいポスト・ビート・ダウン期待の才人Vakulaによるファン待望の新作5トラックス。

7

KVBEATS

KVBEATS THE RESUME »COMMENT GET MUSIC
黄金期のクラシックスに魅せられたクリエイターがデンマークにも!ゲストにSlum Village、Royce Da 5'9"、Prince Po、Oddisee、Mic Geronimo等、耳を疑うほど豪華なメンツが集結!

8

SOMMERSTAD

SOMMERSTAD NESTE STOPP MORRA DI »COMMENT GET MUSIC
オスロFull Puppキャンプからまたしても期待のニューカマー!!なんといってもB-1"Opptur Med Sopptur"における、てらいなくポジティヴで美しい、ニューエイジ的ですらある旋律が素晴らしい!!こんなにストレートに朗らかな曲を書けるなんて、どんな素晴らしい環境で育ったのでしょう...ちょっと嫉妬したくもなる青年達です!!

9

ALOE BLACC

ALOE BLACC YOU MAKE ME SMILE »COMMENT GET MUSIC
大好評『Good Things』からの2ndシングルは極上エモ-ショナルな2曲!B面にはアルバムの最後を飾った"Politician"をカップリング収録。サウンドは勿論Leon MichelsとJeff Silvermanのコンビが担当!

10

ERNESTO FERREYRA

ERNESTO FERREYRA EL PARAISO DE LAS TORTUGAS »COMMENT GET MUSIC
Rebootに続いてCadenzaが猛プッシュするのはこのErnesto Ferreyra!!Mutek_Rec、Cynosure、Themaからのリリース、そして当店ハウス・コーナー的には昨年Lomidhigh Organicから発表したキラーEP"Midnight Sun"の大ヒットでお馴染みのアルゼンチン出身の新進気鋭による待望のデヴュー・アルバム!!

SCANDAL (BEATPOP / 酔人) - ele-king

SCANDAL AVENTURE 10


1
Edward - Vivien's Therme - Giegling

2
Pantom Ghost - The Shadow - Dial

3
Stereociti - Cosmoride - Mojuba

4
Yapacc - Coral Garden - Wir

5
Glimpse - Fine A Way - Leftroom

6
Krakatoa - P&D (Prais Connwction Remix) - Krakatoa

7
Smallpeople&Rau - Life Aquatic - smallville

8
Brendon Moeller - Sweetspot - Echocord

9
Mr Bizz - Jantra - Mono

10
Dave DK - Sweet Yellow - Moodmusic

Chart by UNION 2010.11.22 - ele-king

Shop Chart


1

MARK ERNESTUS VS. KONONO NO 1

MARK ERNESTUS VS. KONONO NO 1 Masikulu Dub CONGOTRONICS / GER »COMMENT GET MUSIC
自作機材&リサイクル・ジャンクな手作り楽器を用いて生み出す猛烈な電子アフロ・グルーヴで知られるコンゴ出身のストリート・ダンス・バンドKONONO NO1とMARK ERNESTUS(BASIC CHANNEL/RHYTHM & SOUND)による凄まじき邂逅!!!

2

MAYDAY

MAYDAY Relics Sampler RUSHHOUR / NED »COMMENT GET MUSIC
伝説のレーベル・BUZZより92年に発表されたTRANSMATのコンピレーション「RELICS」から、18年の時を越えオフィシャルでMAYDAYのスペシャルEPが登場! アルバムはCD/LP共に中古でも入手困難なだけにこれはマニア垂涎の作品でしょう! LTD 1000・アナログオンリー!

3

JAMIE 3:26

JAMIE 3:26 Basement Edits Vol.2 PARTEHARDY / US »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrishのパワープレイもあり異例のロングセラーを記録しているJamie 3:26のBasement Editsの第2弾リリースはこれまでに様々なアーチストが手がけてきた屈指の名曲BLUE MAGIC「Welcome To The Club」 とFATBACK BANDの「Wicky Wacky」のリエディット。シカゴディスコシーンで古くから鳴らされてきた2曲がこの1枚に!

4

SHACKLETON

SHACKLETON Man On A String Part 1 & 2 WOE TO THE SEPTIC HEART / GER »COMMENT GET MUSIC
SKULL DISCOでの出世作を皮切りにPERLON、SCAPEと活動の粋を益々広げるシーン最大のダーク・ヒーローSHACKLETONの新レーベル???『WOE TO THE SEPTIC HEART!』の第一弾リリース!!両面恐ろしいドープっぷり、SHACKLETONにしかできない異形のアングラ・トラック!!必聴!!!!!!

5

PLASTIKMAN

PLASTIKMAN Slinky MINUS / CAN »COMMENT GET MUSIC
話題沸騰! MINUS首領・RICHIE HAWTINによるPLASTIKMAN名義の新作! 95年の「Nostalgik.2」以来実に5年ぶりとなる新曲を収録したファン感涙の1枚! この後リリースが予定されているBOX SET「ARKIVES」に入る予定のA面"Slinky"と、このアナログ盤オンリーのB面"Monkee"!

6

MATTHEW HERBERT

MATTHEW HERBERT Globus Mix Vol. 5 - Letsallmakemistakes TRESOR / JAPAN »COMMENT GET MUSIC
ドープな音の質感とリズムで唯一無二のダンストラックをクリエイトするRadio BoyやWishmountainなど明確なコンセプトを持たせた名義を平行して走らせ、2000年に辿り着いたのがこのミックスCD。「これはテクノか?ハウスか?」という問いを一蹴するかのような独創的な選曲と展開、そして何よりこのジャンルにおける最も大事な「リズムが持つ力」の大切さをリスナーへ楽しく伝えてくれる。

7

RECLOOSE / リクルース

RECLOOSE / リクルース Early Works MUSIC 4 YOUR LEGS/RUSHHOUR / JPN »COMMENT GET MUSIC
カール・クレイグに見出され、インナー・ゾーン・オーケストラにも参加。ジャザノヴァのリミキサーを努め、ジャイルス・ピーターソンにもヘヴィーローテーションされた才能の持ち主リクルースの素晴らしさをあらためて知る1枚。強烈なアブストラクト感覚溢れるデトロイトハウス「MYM230 (R.I.P.)」は今なお輝きを失っていない。

8

SOUND STREAM

SOUND STREAM All Night SOUND STREAM / GER »COMMENT GET MUSIC
出ました!!『SOUND STREAM』の5番!!SMITH 'N' HACKのHACKの方!SOUNDHACK a.k.a. FRANK TIMMの別名義SOUND STREAM最新作!!最近では『OSTGUT TON』の5周年コンピにも参加。久しぶりの今作でも変わらぬ仕事を披露。ディスコ・サンプルを切り貼り、切り貼り!!

9

DELANO SMITH

DELANO SMITH Mix CD 2 MIXMODE / US »COMMENT GET MUSIC
下北沢クラブミュージックショップオープン記念・独占入荷!ディープかつマイナーコードで淡々とリズムを体へと染み込ませてくる前半、そして中盤からはベテランならではのあの「グルーヴ」に乗せられ突き動かされるヴァイヴ、この約80分間という限られた中で最大限で披露した「溜め」と「疾走」の反復は終盤まで飽きることなく、音に浸かり続ける快楽そのものを教えてくれる。

10

BILL HARDY

BILL HARDY Disco Conspiracy PARTEHARDY / US »COMMENT GET MUSIC
Ron Hardyのオリジナルエディット音源をリリースするParte Hardy主催にしてRon Hardyの実の甥Bill Hardy、自信初となる12インチ。シカゴMusic Boxで幾度と無くプレイされTheo ParrishもUgly EditにてピックアップしたMade in USA "Never gonna let you go"、そしてJacksons" Living Together"という2曲をリエディット。オープンリールのカット&ペーストを彷彿とさせるオールドスクールなループが響き渡る1枚!

KABUTO(LAIR) - ele-king

LAIR CHART


1
Sit - Year 3000 - Jesus loved you

2
Red Rack'em - How I program - Bergerac

3
Shakarchi & Straneus - Macedonia - Geography

4
Rondenion - In one's mind - Bosconi extra

5
Rills - Peep show - All inn

6
Signor Andreoni - Soul Burner - T-Bet

7
Lowtec - Use Me(Laid mix) - Laid

8
TT ENSEMBLE - Fiul Risiptor - Yojik ConCon

9
Jus-ed - Shit - Underground Quality

10
Delano smith - I Fly - Undertones

Hot Warm House and Disco!


1
Giom and Derek Dunbar - Poulet Gauffre Original Mix - Amenti

2
Lenoardus - D.I.S.K.O. - Guesthouse

3
Go Go Bizkitt! - StutterFunk - Deepfunk Records

4
Groove Junkies & Joi Cardwell - What's Freedom (GJ's Classic Vox Mix) - More House

5
Andrew Chiable - Lincoln & Pennsylvania - Salted

6
Blackjoy - Jenny's Disco With Aqueel - Blackjoy

7
Gayle Adams - Baby Don't Make Me Do It - Unidisk

8
Artie Flexs - Sweet Nightfall (Get Up) (Original Mix) - Stilnovo Music

9
Mike Disco - Lifestyles Mark Farina Remix - Full Flavor Music

10
Ed Mazur featuring Alexandra Lojek - It's All About Laron a.k.a. Swan remix - House On The Hill

PeaceMusicFesta!辺野古2010 - ele-king

 10月29日の夜、〈リキッドルーム〉でのSEEDAのライヴを観終わったあと、興奮冷めやらぬまま急いで家に帰り、荷造りをして、慌しく早朝の飛行機に乗って沖縄に向かった。那覇空港に着くと、僕はまずパーカーを脱ぎ、Tシャツになった。沖縄に来るのは5年ぶりと久々だが、陽光の眩しさと南国の熱気には、否応なく気持ちを上げられる。睡眠不足の疲労などあっという間に吹き飛んでしまった。さあ、ビールでも飲みながら、流浪のロックンローラー、ヒデヨヴィッチ上杉の借りたレンタカーで、いざ辺野古へ! と言っても、ただ浮かれているわけにはいかない。今回の、4泊5日の旅の目的ははっきりしている。やることはたくさんある。そのひとつがここでレポートする〈PeaceMusicFesta!辺野古2010〉(以下、PMF)の取材である。

 PMFについて簡単に説明しておこう。今年で5回目を迎えるこの音楽フェスは、2006年に沖縄のレゲエ・ミュージシャンがスタートさせ、2007年からソウル・フラワー・ユニオンの伊丹英子と沖縄のミクスチャー・ロック・バンド、DUTY FREE SHOPP.の知花竜海が実行委員に加わり、規模を拡大していく。昨年は宜野湾市で開かれ、UAや加藤登紀子やオゾマトリらが出演している。

 今年の会場は、沖縄本島北部の東海岸に位置する名護市の辺野古である。周知のとおり、普天間飛行場の移設候補地だ。小さな漁村のすぐ隣には、米軍の海兵隊基地、キャンプ・シュワブがある。会場となったビーチには、驚くほど低い、乗り越えようと思えば乗り越えられるほどの有刺鉄線が張られ、そこから向こうはアメリカ領だ。この国でいまもっとも政治的にデリケートな集落のひとつである。会場近くの電柱には、幸福実現党による「賛成!! 辺野古移設」のポスターの下にPMFの案内が貼ってあって思わず立ち竦んでしまったが......それはひとつの例としても、地元住民のなかに基地移設をめぐって賛成派と反対派が混在する一筋縄ではいかない土地である。そこで平和を訴える音楽フェスを果敢にも開催してしまう気概にまず率直に恐れ入る。しかも、今回の出演者はフェスのコンセプトに賛同して基本的に渡航費含めすべて自腹だったという。
 実際に現地で、「基地の移設の問題が先にあって、音楽は二の次でしょ」という主張を僕に力説する若い女性と出会った。少なくない時間と情熱をこの問題の解決のために傾け、最前線である辺野古の浜辺で座り込みをしたり、辺野古移設反対を訴えている人たちの切実さを考えれば、(それがすべての意見ではないにしろ)当然の主張だろう。それはリアルな政治の話である。僕はその話を真剣に聞き、受け止めていた。しかし、心のなかで、「音楽にしかできないことがあると信じているから東京からここまで来ているんだよ」と呟いていた。「とにかく観てみようよ、彼らのライヴを!」ということなのだ。ここで伝えたいのは、PMFでいくつもの素晴らしいライヴがくり広げられたということである。そう、PMFは熱気に満ちた素晴らしいフェスだったのだ!

 台風も過ぎ去り、天候にも恵まれた1日目。まず驚いたのが、ステージの音響設備の充実ぶりと、屋台や本部やPAブースに使われているテントに沖縄各地の地名が記されていたことだ。おそらくあちこちからかき集めたのだろう。そして入場料が安いこと。大人で前売り2500円、当日3000円、高校生は前売り1000円、当日1500円、中学生以下は無料である。こういうところから主催側の熱意とインディペンデント・スピリットは伝わってくるものだ。
 この日の空気を最初に変えたのは、昼の早い時間にアコースティック・ギター1本で登場した元・犬式の三宅洋平だった。彼の虚飾のないストレートなギター・プレイとヴォーカルは、まだ人がまばらな会場を静かに扇動していた。フェスの宣言のようなメッセージを勇ましくラップした沖縄のラッパー、カクマクシャカも砂浜の温度を上げていた。1日目のトリのソウル・フラワー・モノノケ・サミットの祝祭的なライヴは老若男女のオーディエンスの期待に文句なしに応えるものだったが、僕にとって最大のハイライトであり、喜ぶべき発見はRUN it to GROUNDという沖縄のスクリーモ・ロック系のガールズ・バンドだった。ギター・ヴォーカルの女性の、地獄の底から発するようなシャウトに、泡盛を飲んで夕涼みをしていた僕はびっくりしてステージに駆け寄った。彼女たちをもっと早く知っていれば、ele-kingの執筆者らと着手している『ゼロ年代の音楽 ビッチフォーク編』(仮)でなんらかの形で紹介したかった。数十分のライヴを観ただけだが、そう言いたくなる特別な何かを感じた。

 ところで、僕がPMFのどのライヴにもっとも注目していたか。その答えは、2日目に登場したMISSION POSSIBLE(THA BLUE HERB×OLIVE OIL×B.I.G. JOE)と七尾旅人のライヴである。残念な話だが、いまだに「音楽と政治を結びつけるな」という野暮な難癖をつけてくる心の狭い音楽リスナーに対しては、「どーも、すいません! 俺は音楽オタクじゃないんでね!」と仕方なく答えるようにしている。まあ、ともあれ、彼らがこの状況、この現場にどのように切り込むのか、どんなパフォーマンスを見せ、どんな音と言葉を発するのかを楽しみにしていた。結論から言うと、彼らのライヴは会場に集まった多くの人が見過ごすことのできないものだった。詳しくはあとで書くが、いまのこの国の音楽シーン......、いや、音楽に"音楽以上の何か"を求めている人びとから信頼されている意味がさらに深く理解できる素晴らしいライヴだった。

 1日目のプログラムが20時過ぎに終わったあと、体の熱が冷めない僕は沖縄市まで足を運び、嘉手納基地の近くにある通称・ゲート通りにくり出すことにした。少し話は横道に逸れてしまうが、その町の夜の猥雑さは凄かった! 車で送ってくれた地元の女性も「外国じゃん!」と驚くほどだった。ハロウィンというのもあって、路上ではど派手な仮装をして酔っぱらった若い米兵らが大騒ぎしていた。爆音のヒップホップに釣られて、ふらっと入ったクラブはさらに異世界だった! 白人、黒人、スパニッシュ、日本人、韓国人らしきグループが入り乱れて、乱痴気騒ぎの真っ只中だった。バー・カウンターにはポールがあって、そこではセクシーな格好をした......というか半裸に近いあられもない姿の日本人の女性たちがポールに食いつくように腰をくねらせ、足の踏み場もないフロアではファンキーな黒人のカップルがエロティックにダンスしているではないか! 目を丸くする僕に、隣に座った常連らしき日本人のお姉さんは「毎週末、これなのよ」と呆れ顔で呟いていたが、そこでかかっていたドレイクやR・ケリーは、間違っても"聴く"ためではなく、もちろん踊るための、もっと言えば、男と女の出会いを演出するボディ・ミュージック以外のなにものでもなかった。
 僕は異文化が衝突することで生まれる乱痴気騒ぎを大いに楽しみ、「これも沖縄の魅力なんだよなぁ」と興奮していた。4、5日いただけでわかったようなことを言うつもりはないが、夜の歓楽街の熱気や息遣いを肌で感じてしまうと、基地の問題が一筋縄ではいかないことにまた別の角度から思いをめぐらしてしまう。"沖縄"や"基地"という単語を聞いたときに、本土の人間は必要以上にびびったり、怯んだりしてはいけない。ポスト・コロニアリズム的観点から真剣に物事を考えることだって大切だけれど、沖縄をロマンティックに語ったり、ナイーヴに受け止めたりするところから離れて、もっと無邪気に考えたり、行動することもときには必要だろう。妖しさ、下品さ、猥雑さがぐちゃぐちゃに混在する悪場所に人間は吸い寄せられ、そこでなにかしらの行動と思索の契機を掴むことだってあるのだ。僕はビールを飲み、屈強な米兵の集団にちょっかいを出されてもめげずに、まあ性懲りもなくそんなようなことを頭の片隅で考えていた。そして深夜、僕は敗残兵よろしく、ひとりゲスト・ハウスに帰って寝たのだった......。

 PMFの初日のステージには、実際に70年代前半のコザ(現・沖縄市)のライヴ・ハウスでベトナム戦争の過酷な戦場に送られる米兵たちを相手に過激なパフォーマンスを展開した、伝説のロック・バンド、コンディション・グリーンの元ヴォーカル、通称・ヒゲのかっちゃん(川満勝弘)が立っていた。南国のジョージ・クリントンのようなワイルドな風貌の彼は、"ホテル・カリフォルニア"のむちゃくちゃな日本語カヴァーを酔狂に演じ、笑いと歓喜の風を運んでいた。あとから考えれば、ヒゲのかっちゃんの年季の入ったトリックスター的な振る舞いも沖縄の混交的なアンダーグラウンド・カルチャーで鍛え上げられたものなのかもしれない。僕は彼を観ていてとても愉快な気持ちになれた。

MISSION POSSIBLEのライヴで会場は最高潮を迎えた。


 そんなこんなで、初日にバカみたいに飲んでしまった僕は、次の朝を二日酔いで迎えた。前日より晴れ渡った天気のなか、夕方まで波と戯れたりしてのんびりと過ごしていた。僕を最初にステージに向かわせたのは、美しくメロウなアコースティック・ギターの調べと夕方の空気を包み込むふくよかなヴォーカルをそっと差し出してくれた直江政広(カーネーション)だった。ああ、なんて素敵な演奏だろう。大それたメッセージなどなかったが、彼の音楽は雄弁に平和への祈りを奏でているように思えた。それまで我慢していたコロナ・ビールを買ってしまった。そこから、沖縄民謡とロックを力強くシェイクする知花竜海×城間竜太、ファンキーでソウルフルなレゲエ・バンドを従えて大御所の貫禄を見せるPAPA-U GEEが、解放的な雰囲気を作り出していく。この時間帯の流れはフェスのひとつのハイライトだった。そして、ここで登場したOLIVE OILのDJが一気に音圧を上げた。

 贔屓目に見なくとも、MISSION POSSIBLEのライヴの注目度は高かった。B.I.G. JOEがステージに勢いよく現れると、そこはもう彼らの独壇場だった。彼は挨拶代わりに自身のドラッグ・ディーラーとしての過去を物語化した"D.D.D. -DRUG DEALER'S DESTINY-"をやった。夕方の黄昏時にこんなハードボイルドな曲からはじめるなんて! しかし、僕の目の前では仮装したジャージ姿の女子高生たちがラップの真似をしながら大騒ぎしているではないか。僕は彼のちょっとした遊び心にニヤニヤしていた。が、B.I.G.JOEが「基地の米兵に届けるつもりでやる」というようなMCから、"WAR IS OVER"を英語でラップすると会場からは大きな歓声が上がった。座り込みの現場で見かけた女性たちも体を揺らし、たしかに声を上げていた。なんというか、それは理屈ぬきに美しい光景だった。そして、ILL-BOSTTINOがステージに登場して、"MISSION POSSIBLE"のファンキーなビートが疾走しはじめると、彼らの凄まじい説得力にやはり圧倒されてしまった。
 THA BLUE HERBのライヴの頃には、砂浜に弧を描くようにその日いちばんの人だかりができ、ひとつの小宇宙が完成していた。普段、ビールや焼酎ばかり飲んでいる俗の極みのような自分が柄にもなく、そんなスピリチュアルな気分に浸ってしまうほどだった。ILL-BOSTTINOは リリックにアレンジを加えながら、"ILL-BEATNIK"や"未来は俺等の手の中"をその場に確実に届く言葉でラップしていた。ILL-BOSTTINOは辺野古でライヴをやることの意味を魂の深いレヴェルで感受して、政治的領域ではなく人間の領域でオーディエンスのひとりひとりに向けて全力投球していた。コモンのソウルフルなトラックを使っていたのも印象的だった。これまで何度かTHA BLUE HERBのライヴを観ているが、それまでにない種類の、崇高な魂の叫びを感じる思いだった。勇敢な愚直さだけが切り拓ける領域とでも言えようか。彼は最後に、「沖縄のことを全世界に伝えてください」とオーディエンスに丁寧な口調で語りかけ、帽子を取り、深々と頭を下げた。そして、拍手の嵐が吹き荒れた。

熱い演奏を繰り広げるソウル・フラワー・ユニオン。

 さすがの七尾旅人も彼らのライヴのあとではやりにくかったんじゃないだろうか。しかし彼は嵐のあとの静けさと暗闇が覆いはじめた海辺の幻想的なシュチュエーションを味方につけて、これまた素晴らしくコズミックなライヴを見せてくれた。僕は喫煙所の椅子に腰掛けて、じっと音に耳を傾けた。七尾旅人は最近ではお馴染みのアコースティック・ギターとサンプラーによるライヴを披露していたが、いつもと違ったのは虫や波や木々の織り成す自然のハーモニーが彼をバックアップしていたことだ。そんななか、七尾旅人は"どんどん季節は流れて"や"Rollin` Rollin`"をやった。どこかエロティックで魅惑的な演奏に多くの人が酔い痴れていた。いつもより冗談も少なかった気がする。彼は多くの言葉を語らなかったように思えた。それで充分だった。その頃には、何か濃密な空気が会場を覆っていた。
 そしてフェスのクライマックス、ソウル・フラワー・ユニオンから沖縄の陽気なサルサ・バンド、KACHIMBA DXへと続く有機的なリズムの渦のなかで、僕はアホみたいに気持ちよくなっていた。ピース系のイヴェントにありがちな、ある種の品行方正な平和の訴えに流れず、最後を情熱的なダンス・ミュージックでぶち上げる精神に僕は共感した。ここでこれ以上あれこれ書くのはとりあえず止めておく。来年もあれば、行きたいと思わせるフェスだった。そう、あそこに集まった1000人近くの人たちはわかっている。PMFにはたしかに音楽のマジックがあったということを――。僕はそのあと、沖縄でやることをやって、飲んで遊んで、心地良い余韻に浸りながら帰路についたのだった。

NDENDEKI - ele-king

野外でデカイシステムで爆音で聴きたいレコード TOP10


1
Muff & Tantrum-Suss,Year of the Pig-Dead Pig

2
Crystal Distortion-Wigger-Labrat Audiochemical

3
69db-How to get from here to now- Perce-Oreille

4
Subjex-Supersonic Mezze-In Vitro

5
Crystal Distortion-Labrat Audiochemicals 1998-Perce-Oreille

6
Seio-8bit Gaming Zone-Freeshuffle

7
Charles Tox & Krak In Dub-Sound Control-Galletas calientes

8
Subliminal Criminal-Funny in the head-nocturnalstate

9
MSD-Swinger-WAR

10
Les Boucles Etranges-T-Ozore Age

※こちらで全て購入できます >>> https://www.toolboxrecords.com/

■ライヴ・スケジュール
2010年12月10日(金)Reezent(Sunga&Ndendeki)
@新宿ANTIKNOCK https://www.nitro-x.net/

2011年2月11日@高円寺 STUDIO DOM
∞REEZENT/ME∞prezents 1st A
[LIVE]TEKNOIST / REEZENT
[DJ]DOPPELGENGER / BiYONBON /∞mugeME∞
[VJ]Digital Chakra
[DECO]COLUR GUNG vs アナスイ vs 先

https://corehead.main.jp/
https://corehead.blog66.fc2.com/blog-entry-65.html
https://universalmarginalradio.blogspot.com/2010/10/um-radio-006-aaaaaahmbient-ndendeki.html
https://www.discogs.com/MSD-2-Ndendeki-Vs-Mat-Weasel-Japanese-Teknival/release/1311857
https://www.discogs.com/Frazzbass-Hardcore-Inferno-Vol-1/release/1742730

Chart by JETSET 2010.11.15 - ele-king

Shop Chart


1

MOEBIUS & NEUMEIER

MOEBIUS & NEUMEIER ZERO SET 2 RECONSTRUCT PT.1 (RECONSTRUCT BY RICARDO VILLALOBOS) »COMMENT GET MUSIC
国内先行カットされたDJ NOBUに続き、Villalobosによる『Zero Set 2』リコンストラクトも待望のアナログ・カット。両面併せて33分超えのウルトラ・ディープ・トリップ。

2

V.A.

V.A. TIMELESS: SUITE FOR MA DUKES »COMMENT GET MUSIC
Mochilla主催の奇跡のコンサート『Timeless』シリーズ第3弾はJ Dilla!Slum Village"Fall In Love"、De La Soul"Stakes Is High"、Dwele"Angel"、ソロ作も含む全15曲!

3

MOEBIUS & NEUMEIER

MOEBIUS & NEUMEIER ZERO SET 2 RECONSTRUCT PT.2 (RECONSTRUCT BY PRINS THOMAS) »COMMENT GET MUSIC
国内先行カットされたDJ NOBUに続き、Prins Thomasによる『Zero Set 2』リコンストラクトも待望のアナログ・カット。今年の春に発表された1st.ソロ・アルバムの延長線上にある傑作ミックス!!

4

HOUNDS OF HATE

HOUNDS OF HATE HEAD ANTHEM »COMMENT GET MUSIC
Salem + Gold PandaなUKサイキック・インディ・シンセ最前線!!Hype Williamsの友達というだけでもヤバすぎるロンドンの3人組、Hounds of Hate。ダブステップ以降のエレクトロニカにサイキックなオカルト趣味を山盛りにした、凄まじく最高のサウンド!!

5

DASO

DASO WHY TRY »COMMENT GET MUSIC
名門My Best Friendからのデビュー作"Daybreak"でシーンに旋風を巻き起こしたキラメキ込み上げテックハウサーDaso。伝説の1st.越えとなる大傑作を完成です!!

6

在日ファンクとサイプレス上野

在日ファンクとサイプレス上野 BAY DREAM ~FROM課外授業~ »COMMENT GET MUSIC
ハマケン率いる在日ファンクの3ヶ月連続コラボ・シングル。第2弾はサイプレス上野がライドン!!なんと"Bay Dream"のカヴァー!!サ上とロ吉の横浜クラシックが在日ファンク流に蘇ります!さらにカップリングも"担当者不在"カヴァー。当然サ上もマイクを握っております!

7

A.MOCHI

A.MOCHI PRIMORDIAL SOUP III »COMMENT GET MUSIC
WIRE10への参戦やヨーロッパでのツアー等、2010年は大きく躍進した一年となった日本人クリエイターA.Mochiによる3連続リリース・シングルの最終章。ヨーロッパのクラウドをうならせたファットな出音と空間演出に長けたサウンド・メイキングが今作でも炸裂しています!!

8

JAY KING & MACK ONE / D'LUX BEATS

JAY KING & MACK ONE / D'LUX BEATS 48 HOURS / KOTB / LAZY »COMMENT GET MUSIC
あの『Secondhand Sureshot』の元ネタ企画(!?)からの初リリースがコチラ!!20ポンド以内の予算でロンドンのレコ屋を巡ってネタ盤を掘り、各々が1日の期限で組み上げたビートで競い合う企画『King Of The Beats』の産物が7"化!

9

TOM TRAGO

TOM TRAGO VOYAGE DIRECT (FS GREEN REMIXES) »COMMENT GET MUSIC
ダーティ・ビーツとニュービーツを操る超新星FS Green現る!!注目のテックハウサーTom Tragoによる1st.アルバムからのリミックス・カットとして届けられた本作。実質的には天才新星FS Greenによる特大傑作1st.12"なのです!!

10

SLUGABED / GHOST MUTT

SLUGABED / GHOST MUTT DONKEY STOMP »COMMENT GET MUSIC
天才Slugabedと直系新星Ghost Muttによるカラフル・スプリット!!要注目新興レーベルDonky Pitchからの第1弾。スクウィー勢との交流も深める天才Slugabedと、オランダのLowridersからデビューを飾ったGhost Muttによる極上盤です!!

oOoOO - ele-king

 チルウェイヴやグローファイ、シットゲイズなど、欧米を中心としたインディ・スノッブなローファイ・ミュージックは、ここ1年での狂騒を経て、いまではすっかり様式化したと言える。録音環境がローファイで、さらにシンセサイザーやエレクトリック・ギターなどの上モノの楽器の音色/エフェクトに頼る部分が多いため、それっぽい音を鳴らせば、それなりにそれっぽく聴こえる。ウォッシュト・アウトの夢見心地なブリージング・サウンドに思わずまどろみながらも、その後の多くの二番煎じを聴いて、ウンザリしてしまった方も多いのではなかろうか。とはいえ、現在USで話題となっているブロガー・ロックのまた新たなトレンドであるウィッチ・ハウスの旗手として期待される、サンフランシスコ出身のoOoOO(オー)の最初の音源を聴くと、このシーンにまた新たな可能性を感じる。

 ウィッチ・ハウスには、チルウェイヴと共通する部分が多い。穏やかでメロウなシンセ、ウィスパリング・ヴォイス、甘酸っぱいフィードバック・ノイズ、アニマル・コレクティヴゆずりの深いリヴァーブ......、さらそこにダブステップやブロークン・ヒップホップ、モダンR&Bなどの最新鋭のビート・ミュージックを取り入れているエキセントリックな音楽である。その名(魔女のハウス)の通りおどろおどろしく、ダークで、奇妙なゴシック・ホラーの世界観をダウンテンポで描いているのが何より特徴だ。EPの1曲目"ムンバイ"での故障したサンプラーから連続再生されたかのようなウォンキーじみたビートは、そのウィッチ然りとしたメランコリックな音色と聖女系の声の組み合わせからは、まるで古いモノクロ映像を走るノイズのように、不気味なものを感じさせる。

 ウィッチ・ハウスからは、レフトフィールド・ダブステップのビートを取り入れたトム・ヨークの『イレイザー』からの影響を強く感じ取る。元を辿れば、彼がその当時好んで聴いていた(そして件の『イレイザー』にも大きな影響を与えた)ヴァリアス・プロダクションが撒いた種とも言えるが、その影響がUSインディ・シーンの意外なところに拡大している。ローファイなムードが続く現在のシーンにおいて、インディ・バンド/アーティストたちがビートに関心を持ちはじめたという点も興味深い。
 チルウェイヴやグローファイがインディ・ディスコから派生したものなので、作り手もビートに関心がなかったわけではなかったが、そのローファイなプロダクションゆえに、DJの現場では貧弱に響いてしまうのが致命的だった。しかし、このoOoOOや、ウィッチ・ハウスのもうひとつの代表格であるバラム・アカブ(このoOoOOのEPは彼らのレーベルからのリリース)、そして僕がチルウェイヴ/グローファイ・シーンのなかでのベスト・アクトだと思っているトロ・イ・モアなどは、そのユニークなビートを用いて、聴き手にステップを踏ませることに意識的に取り組んでいる。

 ところで、「ウィッチ・ハウス/チルウェイヴ・ネーム・ジェネレイター」というサイトがある。ウィッチ・ハウスやチルウェイヴっぽいバンド/アーティスト名を自動で作り出してくれる、何とも皮肉なサイトだ。冒頭にも書いたように、様式化しつつあるのはたしかだ。しかし、実はまだ誰もフル・アルバムのリリースが果たされていない、生まれたばかりのシーンなのだ。期待していいのではないだろうか。

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