「iLL」と一致するもの

我がためにある音楽は聴いた瞬間にわかるというもの
ブライオン・ガイシン

The 4000 year old Rock and Roll Band
ティモシー・リアリー/ウィリアム・バロウズ

 ブライオン・ガイシン、ウィリアム・バロウズ、ポール・ボウルズ、ブライアン・ジョーンズ、ティモシー・リアリー、オーネット・コールマン......世界のつわものを魅了してきたこの古代の響きを受け止められるだけの精神力が自分にあるのだろうか......? でも、たとえ精神的に戻れなくなってもいい、私にはその覚悟はできているんだ! 
 2012年6月、期待と不安に飲み込まれながら、私も先達と同じく、ジャジューカの魅力にとりつかれ村に吸い寄せられるように行ったひとりとなった。私の音楽観や人生観を一瞬にして変えてしまった3日間。村を後にしてからジャジューカを思い出さなかった日は1日もなかった。あれから丸一年、今年6月、私はまたジャジューカに戻ってきた。今回は友人たちとともに──。

 北アフリカ、モロッコ王国の北部、リフ山脈南に位置するアル・スリフ山にある小さな村ジャジューカ。この村で、アル・スリフ族のスーフィー音楽家たち‘The Master Musicians of Joujouka(ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ)’(アラビア名:マレミーン・ジャジューカ)によって、息子たち、甥たち、村の子供たちへと千年以上も時代を超えて守られ受け継がれてきた音楽がある。
 それは、村から1キロくらい離れた、背の低い緑が茂る緩やかな山の斜面に鎮座する大きな岩の横腹にポッカリと口をあけた洞窟、このブゥジュルード洞窟の伝説が起源になっている。


緑の山の斜面にいきなり大きな岩がある。

  昔々──、ヤギを放牧していた村人のアターが、みんな恐れて近づかなかったこの洞窟でうたた寝をしていると、どこからともなく美しい音色が聞こえてくる。ふと目が覚めると半人半獣(人間とヤギ)のブゥジュルードが自分の目の前に立っていた。そして、ブゥジュルードが村の女性のひとりを花嫁にする代わりに、他の村人に教えてはならないと約束させ、アターに笛を渡し音楽を教える。しかし、アターは約束を破り音楽を村人に伝授してしまう。村から音楽が聞こえ、怒り狂ったブゥジュルードは村に行く。慌てた村人たちは、頭がクレイジーな村の女性アイーシャを花嫁として差出し、激しい音楽で彼らを踊らせた。踊り疲れたブゥジュルードは満足して洞窟に帰り、それから毎年一度村に来て踊るようになった。それ以来、やせていた村の土地は肥え、村には健康な子供がたくさん生まれた。


ブゥジュルード洞窟の岩。『Joujouka Black Eyes』のカヴァーで使われている。

  しかし、ある日突然ブゥジュルードが洞窟から姿を消した。そして、アイーシャも村からいなくなった。心配したアターはヤギの群れを連れてブゥジュルード探しの長い旅に出る。自分のヤギを順番に食べながら旅するが見つからない。ついに最後の4匹になった時、アターはそのヤギを殺しその皮をまとい変装して村に戻る。村人は彼をブゥジュルードが帰ってきたと思い込み、少年たちにアイーシャの恰好をさせ一緒に踊らせる。それ以来、アターはこの洞窟で生涯ブゥジュルードとして生きる。彼に死が近づいてきた時、村のある若い男に自分の変装の秘密を打ち明ける。そして、彼はその少年にジャジューカが繁栄するようにブゥジュルードとして踊ることを約束させた。


洞窟の中からリフの山々を望む。

  この音楽は1週間続くイスラームの祝祭エイド・エル・カビールで子孫繁栄と豊穣のため伝統的に毎年演奏されてきた。
 ギリシャ神話の牧羊神パーンに似通っているといわれるブゥジュルードのその音楽を私が初めて耳にしたのは今から2年数か月前、2011年春のことだった。1970年代後半から電子音に魅了され、それからずっと電子音楽だけを追い続け、94年に渡英し、気がつけば私はクラブ・カルチャーの真ん中にいた。自分の音楽史にロックを通過した跡がほとんどない私は、当然ローリング・ストーンズの元リーダー/ギタリストであるブライアン・ジョーンズのアルバム『Brian Jones Presents The Pipes of Pan at Joujouka』の存在など知るはずもなかった。
 ジャジューカに魅了されたブライアンが、68年に村で現地録音したテープをロンドンに持ち帰り、フェージングやクロス・フェード・エディティングによって完成させたこの作品は、69年、彼が不慮の事故死を遂げたことによって、残念ながらリリースがペンディングになっていた。しかし、彼の死から2年後の71年、ローリング・ストーンズ自身のレーベル第一弾として発売される。このアルバムの登場はジャジューカを世界的に知らしめ、その後世界中から人びとを村に引き寄せることになる。


ブライアン・ジョーンズのアルバム。カヴァーの絵はハムリ。レコードジャケットを広げると、並んだジャジューカのミュージシャンたちの真ん中に金髪のブライアンが描かれている。

  2009年末にモロッコへ旅し現地で音楽に触れたことがきっかけで、30年以上聴き続けた電子音楽を捨てるようにアラブ諸国の音楽にどっぷりと浸かっていった私に、友人はこのアルバムを教えてくれた。チャルメラに似た高い音を出すダブル・リードの木管楽器‘ライタ(ガイタ/Ghaitaともいう)のヒリヒリとした直線的な音と両面にヤギ革を張った木製のタイコ‘ティベル’がつくる原始的なリズムはとてもパワフルで、いきなり私の心を、いや、脳を直撃した。
 何度も何度もループさせて聴きかえす。出会いから約2ヶ月間、毎晩このアルバムをかけ続けた。窓から差し込む朝日の中でふと気がつくと、いつも私は居間のスピーカー前で倒れていた。私を2ヶ月間もベッドで寝かせてくれなかったジャジューカ! 周囲の心配をよそに、私はこの不思議な力を持った音に心をつかまれ、ジャジューカの世界にのめり込んでいったのだ。

 この小さな村の局所的な音楽が世界に知られる最初のキッカケは、ジャジューカ出身の母を持つモロッコ人画家モハメッド・ハムリが、カナダ人アーティストのブライオン・ガイシンを村に連れて行った1950年代初頭まで遡る。
 ガイシンが村へ行く前に、実は彼はボウルズと一緒にこの地域のとある町の祭りで、偶然この音楽に出会っている。その時彼はこの音楽を一生聴き続けたいと思ったという。しかし、それがハムリの村の音楽だったとは、実際に村で耳にするまでは知らなかった。
  ジャジューカにすっかり魅了されていたガイシンは54年ハムリと一緒に「1001 Nights Restaurant」をタンジェ(タンジール)に開き、村のミュージシャンたちを15人交代で呼び寄せ店で2週間ずつ演奏させ、次々と西洋のオーディエンスに紹介していった。そうすることによって、同時にハムリは、戦後とても貧しかった村のミュージシャンたちの生活をサポートした。
 タンジェに住みハムリやガイシンと交流があったアメリカ人作家のウィリアム・バロウズが村を訪れることは自然な流れだった。カットアップの手法で書かれた彼の小説『The Soft Machine』(61年)の中でジャジューカの音楽を思わせる‘Pan God of Panic piping’という言葉を使い、ガイシンの作品『The Dreamachine』が登場するバロウズのショートフィルム『Towers Open Fire』(64年)ではサウンドトラックにジャジューカを起用している。
 こうして、ガイシンやバロウズを通して、ジャジューカはビート・ジェネレーションと共振し、深く関わっていった。
 そして、ガイシンとハムリが先述のブライアン・ジョーンズを村に連れて行く。60年代を通じて、ティモシー・リアリー、ミック・ジャガー他、73年には、フリージャズの巨匠のひとり、オーネット・コールマンが村に滞在し、マスターズ(ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ)とセッション。この曲「Midnight Sunrise」は76年に発売されたアルバム『Dancing in Your Head』に収録されている。
 また、80年代には、ついにザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカは3ヶ月間の長いヨーロッパ・ツアーに出た。
 このようなユニークなバックグラウンドを持つ彼らは、国内よりむしろ海外でより知られた存在になっていく。

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 ガイシン、バロウズ、ブライアンたちと同じようにジャジューカの生演奏を現地で体験できるというフェスティヴァルが、ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカと20年来彼らのマネージャー/プロデューサーを務めるフランス在住のアイルランド人、フランク・リンによってはじめられた。
 ジャジューカの音楽に“Brahim Jones Joujouka Very Stoned”という曲もあるほど彼らに敬愛されているブライアン・ジョーンズの村訪問40周年を記念して、村で行われた「The Master Musicians of Joujouka Brian Jones 40th Anniversary Festival 2008」は、ブライアンの元ガールフレンド、アニータ・パレンバーグも参加し大成功を収めた。それ以来、世界限定50人の3日間フェスティヴァル「The Master Musicians of Joujouka Festival」として、毎年6月に村で開催されている。
 このフェスティヴァルによって、年1回、村のミュージシャンたちは確実な収入をひと週末で保障され、これはハーベスト(収穫)のようになった。そのお金は、食糧や村の学校に教科書を購入したり、村を何ヶ月か維持するために使われる。このフェスティヴァルには毎年、大学教授、作家、音楽ライター、ミュージシャン、アーティスト、フォトグラファー、学生などなど、ジャジューカ音楽へ様々な入り口から辿りついたファンたちが世界各国から集まっている。
 実は、現在はもうひとつ、バシール・アッタール率いるThe Master Musicians of Jajouka(ジャジューカのスペルがJaで始まり、その後にLed by Bachir Attarなどと彼の名が続く)が対立して存在するのだが、このフェスティヴァルは実際にずっと村に住んでいるThe Master Musicians of Joujouka(ジャジューカのスペルがJoではじまる)のもので、彼らはスーフィー音楽家たちとして村にしっかりと根づき、人びとに尊敬され、今日も子供たちにジャジューカの音楽を教え続けている。このマスターズを率いるのは、村のコミュニティの中で選ばれたリーダー、アハメッド・エル・アターで、彼はミュージシャンたちのリーダーであり、部族のリーダーでもあるのだ。
 私が2012年から足を運んでいるこのフェスティヴァルの参加者たちは、タンジェから電車で約1時間半行ったところにあるクサール・エル・ケビールという駅に集合する。そこで用意されたタクシーに分乗し約20分、伝説のジャジューカ村へ着く。実はジャジューカはいくつかの村が集まるこの地域の名前でもあり、伝説の音楽が残るこの村そのものの名前でもある。そのジャジューカ村はそんなに山奥に位置するのでもなく、主要道路から斜めに入る山道を車で3分ほど上っていったところにある。村に行こうと試みて辿りつけなかったファンが日本に少なからずいるのは、単に村を示す標識のないこの山道を見つけられなかったからかもしれない。
 しかし、比較的大きな町のそばに位置しながら、電気と携帯のアンテナが同時に設置されてまだ10年くらい。舗装されて2年も経っていない山道は村の途中で突然途切れ、あとはウチワサボテンが茂る足場の悪いオレンジがかった砂利道がずっと続く。村にはモスク、小学校があり、そして、村に点在する井戸が村人の水源になっている。それを運ぶのはロバの仕事で、ポリタンクに入った水を背負ったロバがのんびりと歩いていく。


ジャジューカ村。向かって左にある角柱の塔はモスク。

  こののどかな村は、15世紀末に村に辿り着き生涯をここで過ごしたスーフィー(イスラーム神秘主義)の聖者・シィディ・アハメッド・シェイクのサンクチュアリーがあり、人びとの巡礼の地でもある。この聖者はここの音楽には治癒の力があると感じ、平穏、心の病気の治療、平和と調和を促進する精神的な目的として彼らに曲を書き、音楽を治癒のツールとして使った。村のミュージシャンたちは彼からバラカ(恩寵)、精神的なパワーをもらい、スーフィーである彼らが演奏することによってバラカはライタ自身の中に入り、したがってライタはバラカを持っているとされ、楽器で患者に軽く触れることで治癒することもできるという。この治癒の音楽はフェスティバルでは演奏されないのだが、約500年前から今日も続く聖者が起源の音楽が存在し、ジャジューカ全体にはバラカがかかっているとされるのだ。
 巡礼の地ではあるが、ここはいわゆるガイドブックに載る様な外国人向けの観光地ではない。小さなキオスクが2軒と地元の人たちが集う(彼らはカフェと呼んでいる)場所があるだけで、当然ホテルのような宿泊施設などない。フェスティヴァルの間、参加者たちはそれぞれマスターズの家にホームステイする。つまり、マスターズのコミュニティに入り彼らと一緒に音楽漬けの濃厚な3日間を過ごすのだ。
 今年の参加者は約40名。その2割は私を含めリピーターだ。日本人は全部で5名、その他、ガイシンの「ドリームマシーン」をジャジューカの生演奏で体験しようと、大きな「ドリームマシーン」のレプリカを担いで来たカナダの若者もいた。結局壊れていて使い物にならず、「The most Dreamachine experienceだったのにー!」という彼の悲痛な叫びとともに実験は失敗に終わった。
 村にはマスターたちがいつも集まる場所が村の広場から少し先に行ったところにある。ここがフェスの会場で、半分テントで覆われ片側が開いた半野外のその場所には赤い絨毯が敷いてあり、前方にはリフ山脈の美しい緑の山並みが目線と同じ位置に見える。普段も彼らはここに集いおしゃべりをしたり演奏したりして過ごす。マスターたちに憧れる子供たちはこのような環境の中で、マスターたちから音楽を教わる。


昼間のセッション。音楽に合わせて踊る村の少年たち。


バイオリンが入る昼間のセッション。

 フェスティヴァルではもちろんアンプもスピーカーも通っていないマスターズの生の音を昼夜聴き続ける。タイムテーブルもなく、マスターズの周りで参加者たちはゆったりとしたジャジューカ時間を過ごす。昼間に演奏される音楽はジベルという山の生活や民族的なテーマを歌った伝統的な民謡が主で、宗教的なものや恋心を歌ったラヴソングもあり、バイオリン、ダラブッカ(ゴブレット形太鼓)、ティベル、ベンディール(枠太鼓)、リラ(笛)などで演奏される。その他、ブゥジュルードの音楽のリラ・バージョンや「Brahim Jones Joujouka Very Stoned」のようにゲストが来た時に作られた比較的新しい曲も存在する。
 マスターズの数人が楽器を手にして音を出しはじめると、他のマスターたちも楽器を持って集まってくる。私は2回目だからもちろんわかるが、村のおじさんたちも私服のマスターズに交じっているので、楽器を持つまで誰がマスターかはっきりわからない。他の村人と全く変わらないこの男たちがひとたび楽器を持つとたちまちあの伝説のマスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカに変身する。今でも音楽だけで生活する彼らにとって音楽は生活の一部であり、演奏することがとても自然なのだ。


リラが中心の昼間のセッションで踊るマスター。

 そんな感じでゆるくはじまる1曲30分近くの音楽は、10分を過ぎたころからじょじょに盛り上がりグルーヴが出てくる。これでもか! とあおるようにじょじょにリズムも早くなり、ダラブッカを打つ手が腫れるのではないかと聴いている方が心配になるほどリズムも激しく音も大きくなって、「アイワ! アイワ!」(そうだ、そうだ! いいぞ!)の掛け声が飛ぶ。そんな掛け合いのコミュニケーションの中でグルーヴが生まれるのだと感じる。マスターズや村のおじさんたちに手を引かれ一緒に踊ったりしている中、ある者は散歩に行ったり、ある者はおしゃべりしたり――。こうして、地元の甘いミントティーでまったりしながらとても自由で贅沢な1日がゆっくりと過ぎていくのだ。


会場のテントからリフ山脈を眺める。

 マスターズの妻たちが会場の裏手にある家で作る新鮮な地元野菜をふんだんに使った家庭的なモロッコ料理、タジン、クスクス、サラダ、スープなどどれも優しい味でとても美味しい。モロッコは6回目だが、やはり私にとってジャジューカでの食事が一番美味しい。朝食は各自宿泊先の家庭でいただき、昼食と夕食は会場でみんな一緒に食べる。しかし、妻たちは一切表に出てこない。女の子供たちまでも入ってこないのだ。そんなジャジューカの女性たちにも実は彼女たちの音楽があるのだが、フェスティヴァルでは聞くチャンスはない。


北アフリカの伝統料理のひとつ、クスクス。


地元野菜のサラダ。

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 この時期の昼間は日差しが強く暑いジャジューカも夜になると涼しくなる。辺りもすっかり暗くなりテントに裸電球がいくつか灯る中、遅い夕食をとる。食事が終わり少ししてから夜0時頃、ブゥジュルード音楽の演奏のため準備がはじめられる。この音楽は、既述した木管楽器ライタとタイコのティベルのみというシンプルな楽器編成で演奏され歌はない。
 昼間は私服でいるマスターズは全員、この演奏のために一変して黄色のターバンを頭に巻き、カラフルなボンボンが付いた茶色の分厚い生地の正装ジュラバに着替え、向かって右側にティベル奏者が4人、その横から左側に7人のライタ奏者が、横一列に並んだオレンジ色のパイプ椅子に座る。
 演奏がはじまる前は期待でいつも緊張する。自分の目の前にあのザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカが勢ぞろいしているのだ! と、夢のような現実をもう一度自分に言い聞かせる。これからブゥジュルード伝説の音楽が目の前ではじまるのだ!   
 横一列に揃ったマスターズは数分間みなそれぞれライタで少し音を出した後、みんなの準備が整ったタイミングを見計らって、リードのライタ奏者がちょっとしたメロディでスタートの合図を出す。そのとたん、他の6本のライタと大小4台のティベルが続き、いきなり演奏がはじまる。そして、待ったなしの音のローラーコースターに乗った私たちはディープな世界へと連れていかれるのだ。
 ジャジューカをCDやレコードで聴くと、残念ながら何本ものライタ音は一本の大きな束になって平たくなってしまう。当たり前のことだが、ボリュームを上げればその束は大きくなりうるさくなる。しかし、生の演奏を目を閉じて聴くと、各ライタの直線的な音は一本一本きちんと分かれていて、それらがそれぞれ一直線状に額から飛び込んでそのまま脳をまっすぐ突き抜ける。今どこのライタの直線が脳を突き抜けたかがわかり、それはとても立体的で、耳で聴いているというより、他の感覚を使って音を捉えているとしか思えない。ライタ音は信じられないくらいにパワフルな音を出す。ところが、もの凄い大きさの音にもかかわらず、とても澄んでいて美しくまったくうるさくないのだ。
 循環呼吸で演奏するライタ奏者たちは向かって左にドローン、真ん中にメロディ、右にリードと三つのセクションに分かれ、ヒリヒリとした直線的なライタの高音が上をすべるように走る。その下を二台の小さいティベルが高速で回転するようなリズムを刻み、二台の大きいティベルが地に響く低音の力強いリズムでしっかりとテンポをキープしていく。そして、今度はティベルの真正面で目を閉じてみると、それぞれのタイコが生み出す複雑かつ立体的で跳ねるようなリズムがライタ音の前にググッと出る。ライタの前に立つかティベルの前に立つかで、また聞こえ方が変わる。


ライタを演奏するマスターズ。

 中央に座っているリードのライタ奏者が他のライタ奏者を目で伺いながら、次の曲に入る合図らしきメロディを出す。曲を移行させるのはティベルではなくリードのライタなのだ。リードのライタ奏者の合図に従い、他のライタ奏者たちが続く。それと同時にティベル奏者たちがリズムを変え、一瞬にして曲が変わる。曲は次の曲へとシームレスに変わり、一回のセッションに5〜6曲演奏される音のジャーニーはすべるようにノンストップで続いていく。
「現地で実際に体験しないとこの音楽の本当の凄さはわからないよなぁ......ガイシンやブライアンがハマったのがわかる......」なんて遠い思考の中でぼんやりと思うのだが、次々と押し寄せるライタの線の嵐にすぐにかき消されてしまう。そのうち、ライタのパワフルな音とティベルの原始的なリズムはさらにパワーを増し、私の思考を完全に破壊していく。私は目を閉じたまま意識の向こう側へ、意識を超えた感覚だけの世界へ深く入っていく。弾むようなティベルのリズムと待ったなしに次から次へとすべるように走り抜けるライタが織りなすグルーヴの中で、私の脳と身体は自由自在に音の世界を泳いでいく。


ライタを演奏するドローン・セクションのマスターズ。

 音のローラーコースターがどんどん奥に進んでいき、観客がうねるようなグルーヴにのみ込まれ興奮も最高潮に達しはじめたころ、急に電気が消え、テント前の芝の真ん中で火が燃え上がる。火は見る見るうちに真っ暗な空に向かって大きくなっていく。子供たちや村人たちも集まっている中、建物の横で隠れるようにみている村の女性たちの姿が炎で照らし出される。みんなが大きく燃え盛る焚火に釘づけになっていると、突然、黒いヤギの毛皮をまとい麦わら帽子をかぶった伝説のブゥジュルードがオリーブの枝を両手に持ち現れる。暗闇に立ちのぼる原始的な火をバックに、ブゥジュルードは狂乱したように踊る。オレンジ色の荒々しい炎に激しく揺れるブゥジュルードの黒いシルエットが重なる。


焚き火の前で踊るブゥジュルード。

 アイーシャに変装した3人の少年たちも現れ、腰を振りながら乱舞する。私たちも押し寄せるグルーヴの中に身をゆだね、踊る、踊る、踊る。音に操られるように全身が激しく動いていく。自分がどこの誰かなんて関係ない、今がいつなのかもどうでもいい。この音を全身に浴びて裸になった自由な精神があることだけで十分なのだ。


マスターズとブゥジュルード。

  最後の一音がバンッと大きく鳴り、音旅の終わりを告げる。パワフルな音の刺激とうねるグルーヴの大きな波にのみ込まれて、私は完全に圧倒されていた。大きな拍手が沸き起こる中で、私は「アズィーム ジッダン!」(とても素晴らしい!)と叫び、村人も何か叫びながらマスターズを称える。やがて拍手が止むと、辺りはいつもののどかな村の夜の顔に戻る。ぼわ~んとなった私の耳に人びとの話し声と虫の音がぼんやり聞こえてくる。夜露で湿った絨毯や自分の服の重たい感触に気づく。そして、腕時計をのぞいてみる。
 夜0時くらいにはじまった演奏が終わったのは夜中2時半過ぎだった。私たちは約2時間半の間、ノンストップでぶっ飛ばされ続けたのだった。息つく暇もないくらいに「もの凄かった!」としか言えないくらいもの凄かった......! としか言えない......。そして、マスターズの信じがたいタフさにもただただ感服するのだ。その凄すぎた世界からしばし出られずまだ余韻を引き摺って座っていると、あっという間に私服に着替えた私たちの宿泊先のマスター、ティベル奏者のムスタファが、テント前の芝から私たちを目で呼ぶ。そして、ついさっきまで2時間半休みなくティベルを叩き続けていた彼と一緒に真っ暗なオフロードを、彼の家までトボトボと15分くらい歩いて帰る。そして、寝るのは毎晩夜中の3時過ぎ。この生活が3日続く。

 繁栄や豊穣のための祭りや儀式で演奏されてきたこの音楽は、ブゥジュルードを踊らせる、つまり生粋のダンス・ミュージックであり、ダンス・ミュージックの源泉、そして、本物のトランス・ミュージックなのだと感じる。この音楽は耳で「聴く」のではなく、全身で「体験」する音楽なのだ。
 ふだん私は淋しいような切ないようなメロディを持つ曲を聴くとネガティヴな思い出とくっ付いて悲しい気持ちになることがある。私はメロディに自分の感情をコントロールされるのがあまり好きではない。記憶という時間軸に縛られているようで鬱陶しく、感情にわざとらしく訴えかけてくるようなおせっかいなメロディの音楽に心地良さをあまり感じない。
 しかし、ブゥジュルードの音楽は、感情に訴えかけてくるようなメロディを持っていない。この音楽は、「感情」の向こう側の時間軸を外れた「今」だけが連続する精神にダイレクトに届くような気がするのだ。だからこそ、この音楽は私の精神を自由にさせ、精神が自由になるからとても気持ちいいのかもしれない。そして、時間軸に縛られていないからこそ、この音楽は千年以上経った今でも常に新しく、どこの時代で切り取っても、ジャジューカの音楽は永遠に「今」の音楽なのだ。

 現在この村で音楽を守り続けているのは、ブライアンが村に来た時まだ11歳だったリーダーのアハメッド・エル・アター率いる最大で19人、普段は10〜12人のミュージシャンたちである。その他にもミュージシャンになるだろうと思われる10代半ばの少年が何人かいて、また、20代の少年たちも地域にいるが、マスターズの基準に達するにはまだまだ時間がかかるようだ。
 大きなセレモニーでは大きなグループで演奏し、比較的小さなセレモニーでは4~5人が2~3のグループに分かれ交代で演奏することも可能で、地元の生活のすべての宗教的な機会、大きな地域では、割礼、結婚式などのセレモニー、地元の公式なセレモニー、そして、ロイヤル・セレモニーで演奏する。
 昔ジャジューカのマスターたちはある王朝のスルターン(君主)に音楽を気に入られ、長い間に渡り援助を受けながら専属の音楽家として、セレモニーや軍の一部として戦場へ行き演奏していたこともあった。しかし1912年、モロッコがヨーロッパ列強の保護領になりスルターンからの援助が打ち切られた。
 過去には65人いたこともあったというザ・マスター・ミュージシャン・オブ・ジャジューカは、村がスペイン領だったときに兵士としてスペインへ内戦及び第二次世界大戦に連れて行かれた者たち、モロッコの近代化に伴い村を出て行った者たちなど......その他、時代のいろいろな困難を乗り越えて生き残ってきた。
 世界が目まぐるしく変化していく中で、伝統を継続させることはとても難しい。ここモロッコのジャジューカも例外ではない。
 マスターになるのは職人のようなシステムで、マスターたちについて訓練して訓練して、その後ティベル奏者なら半ドラマーになって、ライタ奏者なら半ライタ奏者になって、パンを取りに行ったり店に飲み物を買いに行ったりと、日々のマスターズのタスクをこなしながら一人前になっていく。そして、まず何よりも第一に音楽のために全てを犠牲にできるほどジャジューカの音楽を十分に愛していなければならない。しかし、全員が最終的にマスターになれるわけではない。マスターズの一員になるには、彼らに受け入れられ永遠に行動をともにし、仲間として仲良くやらなければならない。この音楽は集合体として連結しながら演奏されることからもわかるように、彼らは仲間同士の信頼と強い絆が必要なのだ。
 マスターになるのは決して強制ではない。だからこそ、子供たちや若者たちがジャジューカの音楽に魅力を感じ、この音楽の素晴らしさを理解し、そして、「マスターになりたい」と自発的に思うことが大切だ。そのために、マスターズは子供たちや若者たちが尊敬し憧れる存在であること、また音楽家として音楽で生活ができることを示し、伝統を継続させる大切さを自らみせることが必要なのだ。そうでなければ、若者たちは村を出てタンジェの工場に働きに行ってしまうだろう。しかし、フェスティヴァルでリズムに乗って激しく楽しそうに踊る子供たちをみると、この子たちの身体の中には確実にジャジューカの音楽の血が流れていることがわかる。どうかこの子供たちが大きくなったらマスターズになってジャジューカの伝統を担って欲しい、そして、どうかこの素晴らしい音楽が絶えることなくいつまでも続いて欲しいと切実に願う。

 2011年には、ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカはイギリスの野外音楽フェスティヴァル「グラストンベリー・フェスティヴァル」に出演。メインステージであるピラミッド・ステージにてオープニングを飾った。演奏していることが日常で自然な彼らはステージ以外の場所でも何度も演奏していた。それを聴きつけたクスリでぶっ飛んだ連中がマスターズの周りに集まってくる。そして、エレクトロニックのダンス・ミュージックで踊るように、この古代からのダンス・ミュージックで踊るのだった。

 今年6月初旬には、イギリスのDJ・エロル・アルカンも出演したイタリア・ローマのVilla Mediciで開催された「Villa Aperta 2013 IV edition」に招かれ、ダンス・ミュージックのオーディエンスからも喝采を浴びた。

 そして、今年2月6日DOMMUNEで配信された「21世紀中東音楽TV2 ジャジューカNOW!!」でサラーム海上氏と一緒に、今まで日本では詳しく明かされていなかったジャジューカについて語り、トークの最後に2012年のフェスティヴァルで録音してきたブゥジュルードの音源をスタジオの電気を消し暗闇から放送。視聴者は延べ2万5千人を超えた。

 現在のザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカはジャジューカの伝統的な音楽スタイルを忠実に守りながらも、ダンス・ミュージックという入り口から新しいオーディエンスを魅了し始めているようだ。ビート・ジェネレーションやブライアンとの出会いがそうだったように、ジャジューカにとってまた新しい何かがはじまろうとしているのかもしれない。

 精神の音楽を演奏し続ける素朴なマスターズに心打たれ、その純粋な音に自分の魂をすっかり裸にされた。私の音楽観や人生観までも変えてしまったジャジューカに、私は来年もまた行く。

赤塚りえ子

ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ公式サイト
https://www.joujouka.org/

ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ・フェスティバル 2014
日程:2014年6月20日~22日
フェスティヴァルの申し込みはこちらから
https://www.joujouka.org/the-festival/more-about-the-festival-and-booking/

ディスコグラフィー
『Joujouka Black Eyes』(1995年/Sub Rosa)

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『Boujeloud』(2006年/Sub Rosa)

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しくじるなよ、ルーディ  - ele-king

「日本のヒップホップを知りたければこれを読もう!105%RAP!」ゼロ年代以降のこの国のラップ・シーンを追いながら、未来に向かって笑って生きる、ヒップでホップな日本のバカヤローの初評論集、ついに登場!!!! 20歳から原稿を書いてきた二木信が、この10年間、見て、聴いて、会ってきた音楽の記録。過去の原稿のベスト・セレクション、スラックやシーダをはじめ、キラー・ボングや田我流など、10本以上の貴重なインタヴュー記事のほか、書き下ろし原稿も収録! 日本のヒップホップを知りたければこれを読もう!!00年代以降の日本のヒップホップ重要作品60枚、書き下ろしレヴュー付きです。

■ インタヴュー収録
s.l.a.c.k./SEEDA/Killer-bong/田我流/環ROY/鎮座Dopeness/haiiro de rossi/MIC JACK PRODUCTION/SHINGO☆西成/MSC/DERELLA/PRIMAL/YAMAAN/DUTY FREE SHOPP.×カクマクシャカ

interview with OORUTAICHI - ele-king


OORUTAICHI
僕の楽しい仕事

Pヴァイン
(8月7日発売予定

Amazon

 この厳しいご時世に、あまりにも無邪気なオオルタイチのリミックス・アルバムである。『僕の楽しい仕事』だと~、何を言ってやがるんだいと思いつつ聴いてみると本当に楽しいのだ。彼の音楽を僕なりに説明すると、ドリルンベース時代のエイフェックス・ツインとEY∃との幸福な出会いと言えばいいのだろうか。いや、しかし、彼は誰にも似ていないからこれでは説明になっていない。発想が自由だし、カリブーやNHK Koyxenやゴールド・パンダのように、特定のスタイルに囚われない、クラブと言うよりはライヴハウスのりのダンス・ミュージックである。
 オオルタイチは、イルリメの『イるreメ短編座』や名盤『Live 08/Feb/2003』を出していた〈Moroheiya Records〉から2003年、アルバム『Yori Yoyo』を発表、2004年には〈ROMZ〉のコンピレーション『Summer Tracks』に参加、岸野雄一が主宰する〈Out One Disc〉からシングルも出している。2007年にはセカンド・アルバム『Drifting My Folklore』を自身が主宰する〈Okimi〉からリリース。そして、2011年に〈Out One Disc〉からリリースされた『Cosmic Coco, Singing for a Billion Imu's Hearty Pi』によって、いっきにファンを増やしたこの変人(最大の褒め言葉)は、その宇宙語と独創的なダンス・サウンドによってアメリカ進出も果たし......
 そしてこのたび、彼が手がけたリミックスをまとめたアルバム『僕の楽しい仕事』が出る。どんなアーティストがこの変わり者にリミックスを依頼している(もしくは依頼されている)のかと言えば──トクマルシューゴ、ボノボ、ムーンライダーズ、neco 眠る、ムイムイチキチ、WRENCH、MaNHATTAN、ディック・エル・デマシアド(アルゼンチン)、アイアム・ロボット・アンド・プラウド(カナダ)、ファナ・モリーナ(アルゼンチン)、デリケート・スティーヴ(アメリカ)、ラッキー・ドラゴンズ(LA)。アートワークもかなり凝っていて(ジャケの内側を広げるとわかる)、手がけているのは金氏徹平や梅佳代といった売れっ子を擁するアート集団「HAJIMETEN」。

インプロで声を出すっていうのは普通にしてたんです。だからそこはもともとあったんですけど、そこから打ち込みになったのはダンスホール・レゲエの影響が大きくて。

はっきり言って、とても楽しいアルバムだと思いました。

オオルタイチ:ありがとうございます。

オオルタイチというと宇宙語(と勝手に筆者が呼んでいる)とブレイクビーツというイメージがあって、トクマルシューゴとかボノボとかみたいに日本語で歌ってる曲も入ってるじゃないですか、それがオオルタイチ・サウンドになっているのがまず新鮮だったし、で、ユーモアがあって、コズミックな感じもあって、こんなに楽しいアルバムを聴いたのは久しぶりだなと思って。リミックスについてはどのような考えがあって、実際にどのように取り組んでいますか?

オオルタイチ:それがどんなオリジナル・ソングであっても、リミックスしたものは自分の満足いくものでありたいし、基本的に依頼されてするお仕事なので、アーティストの人にも喜んでもらえるものっていうふたつを両立できないかなっていう考えはありますね。

リミックスって一般的にはにクラブ系のアーティストがやるものじゃないですか、そういう意味でオオルタイチの音楽ってダンス・ミュージックだとは思うけど、決してクラブって感じでもないでしょ? だからこんなにリミックスの依頼をされてたんだっていう驚きがあったんだけど。

オオルタイチ:そうですね。すごいありがたいことですけどね。

今回の収録曲のなかで、いちばん古いのってどれ?

オオルタイチ:トクマルシューゴですね、このアルバムでは、トクマル君がいちばん古いですね。

そうなんだ。

オオルタイチ:なんというか、リミックスというよりも、楽曲の良さをまた違う形でもう一度"リ・コンポーズする"みたいな意識がけっこう強くて、とくにこういう歌ものの曲とかは違うアレンジを貰った素材でしてみる、みたいな。

リミックス自体は面白いですか?

オオルタイチ:面白いと思う瞬間が来るまでが大変ですね。自分がやりたいイメージと元の曲が持ってるイメージがうまく合わさってきたら早いんですけど、それまでごにょごにょする長い時間があって(笑)。

すぐにできた曲と、すごく苦労した曲ってどれ?

オオルタイチ:パッとできたのはディック・エル・デマシアドとかですかね、勢いで作ってしまったんですけど面白いものができたかなと思ってます。あとムーンライダースも意外と早かったですね。でも締め切りが1週間くらいしかなくて大変でした。

はははは。リズム感というか、リズムの癖みたいなものがやっぱりほとんどオオルタイチになってるんで、まずそのへんは変えてるんだろうなって思ったんだけど。

オオルタイチ:そうですね、やっぱりリズムは変えちゃいますかね。

せっかくなんで、オオルタイチ君のこれまでの簡単な経歴みたいなところでの質問をさせて欲しいんだけど。

オオルタイチ:はい。

いかなる経緯でもって、打ち込みをバックに宇宙語で歌うスタイルに行き着いたんですか?

オオルタイチ:最初は宅録みたいな感じでひとりでインプロみたいな音楽をやってたんです。即興を何本も重ねるみたいな多重録音をしてて。

機材は何を使ってたの?

オオルタイチ:MTRの安いのとか使ってました。ちっちゃいシンセとかギターとかコンパクト・エフェクターに繋いで自分で弾いたりして。友だちのミュージシャンと即興で遊んだりすることが多かったんです。そこのなかで、もうほとんど歌詞じゃないんですけど、インプロで声を出すっていうのは普通にしてたんです。だからそこはもともとあったんですけど、そこから打ち込みになったのはダンスホール・レゲエの影響が大きくて。

ドラムンベースっぽいとは思ってたんだけど、ダンスホールだったんですね。

オオルタイチ:はい。ジャングルは好きでしたね。ああいうもうちょっと洗練されたドラムンベースってあるじゃないですか? 4ヒーローとか、それよりもM・ビーとかラガ・ジャングル、ああいうものにハマってた時期に打ち込みになりましたね。

なるほどね。

オオルタイチ:ダンスホールのパトワ語ってなまってるじゃないですか? それがめっちゃ新鮮やって、この響きだけでけっこう自分もできそうやなって思って、インプロで自由にやってきた曲とかをもっと曲っぽくしようと思ってやったんやと思います。まぁでもただの思いつきなんですけどね(笑)。

それは何年前ですか?

オオルタイチ:もう14年くらいまえで、自分が20歳くらいのときですね。

ジャンル分けがしづらいオリジナルなスタイルだし、いろんな反応とか受け捉えかたをされてきたと思うんですけど。リスナーからの予想外のリアクションとかあったでしょう?

オオルタイチ:うーんそうですね、たぶんあったと思いますけど...(笑)。

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打ち込みって音楽的な素養がなくても感覚である程度できるじゃないですか、自分なりの妄想のオーケストレーションじゃないですけど(笑)。ひとりで世界を作り込めるっていうのが自分にあってたんでしょうね。

最初はどんな場所でライヴをやってたの?

オオルタイチ:大学の友だちがけっこう同じ音楽を聴く子たちで、その子らが夜な夜なクラブ・イヴェントを定期的にやりだして、そこで「君もやったら?」みたいな感じでやらせてもらえることになったんですけど、まあでも最初はライヴやるたんびに落ち込んでましたけどね(笑)。

ははははは

オオルタイチ:まぁでも皆めちゃくちゃな人らばっかで。

そこの場所はクラブ?

オオルタイチ:ロケッツっていう場所で、すごい面白いイヴェントだったんですけど。

他にはどんな人が出演してたの?

オオルタイチ:Ove-NaXx(オブナクス)っていうジャングルとかをMPCでやったりする人とか。

じゃあジャングルのイヴェントだったんだ?

オオルタイチ:いや、ノー・ジャンルでした。打ち込みの人も出れば、ゲストでルインズ呼んだりとか。ドッドド(DODDODO)とかも出演していたと思います。

関西って本当に面白い人が多いよね。

オオルタイチ:ドッドドはサンプラーと歌みたいな感じなんですけど、まぁ面白いミュージシャンは本当にめちゃめちゃいますね。

お客さんがついてかないだけだよね、関西は。

オオルタイチ:でもそのイヴェントもコンスタントにやってたから毎回お客さんは入ってましたよ。

オリジナリティが強すぎるがゆえに、活動場所が定まらなかったんじゃないですか?

オオルタイチ:やっぱり当時場所はいろいろでしたね。クラブもあるし、ライヴハウスもあるし。

それでも自分を貫いたのが本当に立派だなと思います。

オオルタイチ:あ、ありがとうございます(笑)。でもそれしかできないってのがあったんだと思うんですけど。

インプロから楽曲に変わっていったのは自分のなかでどういった変化があったの?

オオルタイチ:打ち込みって音楽的な素養がなくても感覚である程度できるじゃないですか、自分なりの妄想のオーケストレーションじゃないですけど(笑)。ひとりで世界を作り込めるっていうのが自分にあってたんでしょうね。

言葉じゃない歌みたいなものを歌うのって逆にすごく難しいことだと思うんですけど、練習みたいなものはしてた?

オオルタイチ:それもきっと即興の面白さを知ってたからやと思うんですよ。すごい影響を受けのが山塚アイさんと大竹伸朗さんがやってたパズル・パンクスで、すごいな~って思いながらよく聴いてたんですけど、あれも全部即興でやってて。即興でやってると自分の予期してないことがいっぱい起きて、自分が作ったものじゃない感覚とかがあるんです、でもなんかいいものができてしまったみたいな快感もめっちゃあって。

山塚アイからの影響はぷんぷん匂ってますね。

オオルタイチ:そうですね。影響はすごい多いと思いますね。

はじめて観たのはボアダムスですか?

オオルタイチ:はい。『チョコレート・シンセサイザー』の頃です。

山塚アイのどんなところが好きなの?

オオルタイチ:あの人は出してくるものがすごく感覚的やけど、毎回答えになってるというか、確信に満ちてて、無駄もなくて、うん。

好きなのはパズル・パンクスの作品?

オオルタイチ:いやでも全部好きですね。DJ光光光とかも好きです。いつでも新鮮な感覚を音楽として貰えるというか。

ボアダムスは影響力が海外でもあるけど、日本では、オオルタイチほど影響を露にしてるアーティストはいないような気がするけどね!

オオルタイチ:ははははは!

『恐山のストゥージズ狂』とか。

オオルタイチ:あれは本当にすごかったですよね!

どこがそんなに好きなの?

オオルタイチ:ボアダムスに関していうと、メンバー全員が凄いと思うんですよ。でもアイさんに関しては、毎回新しいところに連れてってくれるっていうか、こういうやりかたとか合わせかたがあるんやって。DJミックスとかもすごいじゃないですか、あらゆるところから自分の感覚でまとめるみたいな。

発想の自由さ、みたいな?

オオルタイチ:まさにそうですね。

それに影響を受けてるから自分も型にはまらないようにしてるみたいな感覚はある?

オオルタイチ:どこまで自由になれるかっていうのはありますけどね。

デイダラスと仲がいいっていうのが意外だったんですが。

オオルタイチ:仲がいいっていうわけじゃないんですけど(笑)。来日したときに神戸でイヴェントを組んだりしてたんですけど、その繋がりでリミックスを。

オオルタイチっていう名義は本名ですか?

オオルタイチ:いや違うんですけど(笑)、とくに意味はなくて、タイチは本名なんですけどね。

オオルにはどういう意味があるの? 「すべて」っていう意味?

オオルタイチ:最初はそうだったんですけど、ダサイんで、名前っぽくしようと思って(笑)。

「すべてタイチ」っていいじゃないですか!

オオルタイチ:なんか1日だけそんなバンドを遊びで組んだこともありましたね(笑)。

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ブルックリンのシーンがすごい面白いし、自分と通じるところがあるなと思ってたんで、アメリカに行きたいなと思ったんですけどね。まぁ行ったところでお客さん全然入らへんで大変でしたけど。


OORUTAICHI
僕の楽しい仕事

Pヴァイン
(8月7日発売予定

Amazon

オオルタイチが目指す音楽は、言葉で説明するとどんなものなんですか?

オオルタイチ:それもだんだん変わってきてるんです。このアルバムもそうなんですけど、自分のイマジネーションみたいなものを詰め込みすぎてて、それをもっと自然に、たとえそれが全然引っかからない音楽だとしてもどんどん出していきたいと思ってて、今はあんまり自分の想像を加えないほうがいい気がしてます。

えー! オオルタイチの音楽はオオルタイチの妄想で成り立ってるじゃない!

オオルタイチ:でもやっぱり妄想にも限りがあるというか...(笑)

はははははは!

オオルタイチ:考えてみると、自分の妄想にこだわって作業を進めるときってあんまり気持ちいい状態じゃないなっていうのに最近気づいて。

ある種、自分の精神状態が制作に反映する?

オオルタイチ:それはありますね。

すごくハイトーンで歌ってるけど、あれは意図的なものですか?

オオルタイチ:そうですね、なんか普通に(笑)。

上がっていくイメージの曲が多いと思うんだけど、その上がっていくっていうところがいまここで語られた妄想だとしたら、もしかしたら平行的な曲もこれから生まれるんじゃない?

オオルタイチ:自分のいまの精神状態が反映されてると思うんですけど、いまはほんまにミニマルなことがしたいかもしれないですね。すごく平坦なこととか。

『Cosmic Coco~』に比べると、たしかにちょっと角度が平行に近づいてるのかなって気はしますね。

オオルタイチ:うん。

アメリカ・ツアーはどんな経緯だったんですか?

オオルタイチ:去年行ったときは、ニューヨークでアートをやってるおじさんがいるんですけど、その人がフェイスブックで僕の音楽を発見してくれて、もし機会があったら呼びたいって言ってくださったんで。ただ、それだけでは渡航費がカヴァーできなくて、ジャパン・ソサイエティっていうニューヨークにある日本文化を紹介するような施設があるんですけど、ヒカシューとかあふりらんぽとかもライヴをしてた場所で、そこの人と知り合いになって、もし良かったらって話したら実現できたですけど。

アメリカでは何回ライヴをしたの?

オオルタイチ:ニューヨークは2回、あとはサンフランシスコとかロスをまわって。

アートをやってるおじさんはどんな人なの?

オオルタイチ:キュレーターなんですけど、聞くところによると、バスキアとかを見つけて最初に個展なんかを開いた人みたいで、アート・リンゼイともすごい交流があるおっちゃんなんですけど、その人といつも仕事してる日本の方がいて、その人が具体的なところはいろいろケアしてくれたんですけど、面白かったです。そのおっちゃんの繋がりで、チボ・マットの羽鳥さんとデヴェンドラ・バンハートらとイヴェントをやったり(笑)。

それはすごいね!(笑)

オオルタイチ:ちょうどハリケーンがニューヨークを襲って、めちゃくちゃなときにチャリティーをやろうっていうことでやったんですけど、すごい面白かったです。

アメリカですごい評判だったって聞いてたけど。

オオルタイチ:いやいやそんなことないですよ! まぁでも1回目よりはだいぶ良かったですけど。

そのまえにもう1回行ってるんだ。

オオルタイチ:1回目は難しかったですね(笑)。2009年に行ったんですけど。

そのときはどうして行ったの?

オオルタイチ:そのときは無理矢理行ったって感じだったんですけど、自費で。

なんでヨーロッパではなくアメリカだったんですか?

オオルタイチ:そのときはブルックリンのシーンがすごい面白いし、自分と通じるところがあるなと思ってたんで、アメリカに行きたいなと思ったんですけどね。まぁ行ったところでお客さん全然入らへんで大変でしたけど。

そのときもツアー? 

オオルタイチ:そうですね。向こうに行って、「ツアーしたいんやけど、西海岸のイヴェンター知らないですか?」ってその場でコンタクトとって次のライヴの場所決めるみたいな感じでした(笑)。

それすごいね(笑)!

オオルタイチ:最終的にSXSWにも出ました(笑)

それ全部自分で?

オオルタイチ:自分でやりましたね(笑)。

無鉄砲というか、勇気があるね!

オオルタイチ:無鉄砲でしたね(笑)。まぁでも楽しかったですけどね。

そのときはどれくらいアメリカに滞在したの?

オオルタイチ:かれこれ1ヶ月くらいいましたね。

お客さんポカーンとしてたでしょ。

オオルタイチ:ヨーロッパもそうですけど、やっぱり反応はいいときはいいですよ。逆にこっちが負けそうになるときもあったり。白人の方って独特なのかもしれないんですけど、発狂に近い感じなんですよ、踊るんじゃなくって。

はははははは

オオルタイチ:ダンスとは呼べない感じの(笑)。

でもそれはオオルタイチの音楽がなにかしら作用したんじゃない?

オオルタイチ:かもしれないですね。そうなったら楽しいですけどね。

デザインを含めて、全体的にある種の子供っぽさみたいなものを感じるんですが、それは意識してますか?

オオルタイチ:それもさっき言ってたのと同じで、前作はすごいこだわって作ったんですよ、例えばジャケットもそうだし、そのかわり深くは言えないんですけど失うものも多くて、作業していくなかで大変やったんですけど、それはやっぱり違うんじゃないかと思って。自分のなかに特になにもないのに大げさなタイトルをつけるのも違和感あるなーって思ったし、ほんまに素直なままでいいなと思って。

素直なっていうのは子供っぽさみたいなものとは違うの?

オオルタイチ:子供っぽさというか、流れるままにというか(笑)。

「素のままでいいや」みたいな感覚って、ある種大阪の人の特徴だったりするんですか?

オオルタイチ:飾らない感じはありますね。

アートワークとかのカラフルな感じっていうは山塚アイに共通する感覚だと思うけど、このカラフルさっていうのは自分のなかで今回意識したの?

オオルタイチ:アート・ワークは、HAJIMETENの人たちに任せました。でも自分の音楽も派手なんで、その感じには合ってると思います。

これまでの話を聞く限り、次の作品では音数が減ってきそうだね。

オオルタイチ:そうですね、打ち込みの要素はかなり減る気がします。最近打ち込みのサウンドを生楽器のバンドでやってるんですけど、どっちかというとそういう世界をやっていきたいのかなぁと。

リミックスを依頼されたアーティストにヴァリエーションがありますがそれは意図的なものですか?

オオルタイチ:それはたまたまです。neco眠る、ファナ・モリーナなんかに関しては僕からお願いしたんですけど、他は全部依頼されたものなので。

それがゆえにすごくオオルタイチのオリジナリティを表してる感じがするんですけど、それぞれリミックスを依頼するアーティストがばらばらなのも面白いよね。

オオルタイチ:そうですよね(笑)。

自分の音楽と社会は接点があると思いますか?

オオルタイチ:あると思ってます。たぶん音楽がないと自分は外の世界と関わりがなかったと思うので、そういう意味では社会性はあると思ってるんですけどね。

自分の音楽を人に紹介するときはなんて紹介してますか?

オオルタイチ:ダンス・ミュージックっていうことが多いかもしれないですね。前のアルバムがけっこうそういう意識のなかで作ってたんで。いまお客さんもすごく踊ったり楽しみに来てくれてる人が多いと思うので。

まあ、さっきも話に出たけど、ダンスホールがここまで変形したのかっていう感じはありますけどね。

オオルタイチ:ダンスホールに関しては、文化全体から影響を受けたので。サウンド・クラッシュとかノイズの世界じゃないですか、怒鳴ってるだけだったりとか。ケイプルトンっていうシンガーがめっちゃ好きなんですけど、その人とか歌ってるときに盛上がりすぎてキレて、ステージ脇に走ってって(笑)、「この人なにキレてるんやろ」みたいな、そういう意味分からん感じとかすごい好きで。

ジャマイカの音楽は、そういう意味では独自のものを自分たちで作ってるよね、ダブとかも発想が自由だし。

オオルタイチ:キーとか外れててもおかまいないですもんね。

次のアルバムも楽しみにしています。

オオルタイチ:すごい時間が掛かりそうですが......(笑)。

え? まだ全然できてないんですか?

オオルタイチ:なんとなく構想とかはあって、数曲ですけど作り出してはいます。

これからだっていうときだと思うので、頑張ってください。

オオルタイチ:はい、ありがとうございます。頑張ります。

Illuha - ele-king

 来週26日に書店に並ぶ『AMBIENT definitive 1958-2013』では、その年々にリリースされた代表作に選定された1枚だけが大きく扱われているのだが、2011年度のそれは、伊達伯欣の『Otoha』だ。同じく2011年には、伊達伯欣+コーリー・フラーによるイルハのデビュー・アルバム『Shizuku』も〈12k〉から出ているので、そちらにするべきだったかもしれないが、こういう選択は監修者(=三田格)に委ねられる。
 『Shizuku』は、リリース当時は欧米ではいきなり評判となった作品で、いまではダウンロードでしか聴けないのが残念と言えるほど、いわゆる非日常的なサイケデリックではない側のアンビエントとしての質が高い。『ミュージック・フォー・エアポーツ』が好きな人が好む作品だろう。まる1ヶ月、アンビエントを聴いて書くために部屋に籠もっていた三田格も舌を巻いたように、イルハは何か持っている。何を持っているのだろう......。僕が彼らの音楽に触れたのは、2012年4月21日の養源寺だったが、たしかに印象に残っている。最初の音が鳴ったその瞬間から、何の説明もなく、音は聴き手の気持ちを押し広げる。すると、イルハの音響を特徴付ける多彩な音の断片(ピアノ、チェロ、ギター、あるいは自然音や具体音等々)が、まさに音の「しずく」となって、いろんな角度から聴こえるのだ。

 『Shizuku』は、米国北部ベリングハムの古教会での録音を東京で編集した作品で、チェロの生演奏を活かし、モダン・クラシカルな感性が東洋的な間の宇宙に注がれている、最高に美しいアルバムだったが、それは「音楽が聴こえる」「音が鳴っている」というよりも、具体音やフィールド・レコーディングを効果的に使った、「音のしずくが舞っている」感じなのだ。『Interstices』には、僕が本堂の畳の上で聴いたライヴの前日の演奏が1曲目に収録されている。『Shizuku』のクライマックスとなっている、和歌を詠む"聖夜"は2曲目に収録。それぞれ長尺の全3曲はライヴ演奏ならではの......というか、イルハのライヴならではの、細かい音々が、心地よい夜風に吹かれながら、散りゆく花びらのように舞っているのである。七尾旅人はかつて「ゆれている/ゆれている」と歌ったが、音は舞い、景色はゆれて、現実世界が官能的に見える、こんな気分にさせる音楽はなかなかない。彼らの新しいアルバムが楽しみだ。

PROM (AVERY ALAN + SEM KAI) - ele-king

2012年に設立されたアーティストコレクティブPROM。国内外のシーンの繋がりを目標に、東京を軸に様々な企画を手がけている。PROM主宰のパーティ「PROM NITE」ではこれまでにNEON INDIAN、LE1F、HEEMS (DAS RACIST)などのアーティストを召還。次の「PROM NITE」は8/2に代官山ユニットでLAのレーベル〈FADE TO MIND〉よりR&BシンガーKELELAとDJ、TOTAL FREEDOMを招いて開催決定。

■PROMオフィシャルWEB 
https://www.tokyoprom.com

■ele-king内関連ページ
https://www.ele-king.net/interviews/003100/
https://www.ele-king.net/news/003201/



Ynfynyt Scroll - Butch Queen (AiR DJ Remix) -#FEELINGS
Baauer - Harlem Shake (MikeQ x Jay R Neutron QB Remix) - Queen Beat
Rihanna - Diamonds (Dj Sliink Remix)
Destiny's CVNT - Nuclear (Cmore Edit by CUNT TR4XXX)
Tempa T - Next Hype (50 Carrot's A Day Keeps The Doctor Away Remix)
Bok Bok - Silo Pass - Night Slugs
Rabit - So Clean (Drippin' Remix) - #FEELINGS
Mike Jones feat. Slim Thug and Paul Wall - Still Tippin' - Swishahouse
Marcus Price & Carli - Flaska & Bas (Ben Aqua Remix) - #FEELINGS
Rizzla - Church - Fade To Mind
Fatima Al Qadiri - Hip Hop Spa (Nguzunguzu Remix) - UNO NYC
Usher - There goes my baby (Chopped & Screwed by Dj Michael 5000 Watts & Swishahouse) - Swishahouse
Hint - Lock The Door (feat. Zed Bias) - Tru Thoughts Records
Lil Silva - Venture - White Label
French Fries - Space & Smoke (Justin Martin Remix) - DIRTYBIRD
Jam City - Her - Night Slugs
Tony Quattro & Doctor Jeep - Forth & Seek (feat B. Ames) - Trouble & Bass Recordings
KW Griff - Bring in the Katz (feat. Pork Chop) - Night Slugs
Cakes Da Killa - Rapid Fire (feat. Dai Burger) - DTM Records

8月最初の週末を、電子音楽とともに - ele-king

 中原昌也、浅野忠信、FourColor、ダエン、そしてDJにMichitoki KTを迎える福岡の電子音楽フェス〈ex〉が8月2日に開催される。

 主催するのは、福岡を拠点に「アンビエントの自己解釈」というコセンプトでカセット主体のリリースを展開している〈ダエン〉。これまでに白石隆之、RIOWARAI、NYANTORA、MERZBOW、YOSHIMI(ボアダムズ)ら電子音楽家のカセット音源を手掛けてきた一方で、USB対応のポータブルのカセット・プレーヤー「CHILL OUT」をリリースするなど、オンライン時代のアナログ・メディアの楽しみ方を包括的にサポートしてくれるレーベルだ。

 電子音楽というジャンルに良質な音楽が存在することをひとりでも多くの人に知ってもらいたい――このイヴェントをはじめるきっかけは? との問いに、主宰のダエン氏が答えてくれた。

「ジャンルは違うんですが、〈山形国際ドキュメンタリー映画祭〉のような。ドキュメンタリー映画の聖地といえば"YAMAGATA"と認知されているように、電子音楽の聖地といえば"FUKUOKA"と認知されるように取り組んで行きたいです」

 なかなか大きく、そして夢のある目標だ。そしてこの目標とは一見矛盾するようだが、彼らは「大きくなる」ことを望んでいない。次に掲げるのは彼らのイヴェント運営理念だが、じつにいまらしく、クリティカルなポイントを突いている。

「ご来場いただいたお客様に対して、痒いところに手が届くようなきめ細かいサービスを目指しています......と書くと少し堅苦しいですが、ひとりでも多くのお客様に楽しんでいただくために次の事項を遂行します。

1. 出演アーティストは4組前後。今回は限定150人とかなり小規模なフェスです(出演者を厳選することで22:00過ぎにはイヴェントを終了させる予定です。終電前には帰宅できるので明日の学校や仕事に備えてください)

2. 1フロアで行うのでお客様がステージ間を移動することもありません。もちろんトイレ休憩有です(快適な状態で鑑賞なさってください)。

3. すべての時間を圧縮することで、短時間に濃縮された各アーティストのパフォーマンスを堪能できます(皆さまの大事な時間をいただき、拘束する以上、量より質を追求していきたいです)。」

 ここには、規模の拡大によって失われてしまうものへの、細かな配慮が働いている。かたちはまるで異なれど、〈月刊ウォンブ!〉とも通じる、現在形のイヴェント運営をめぐるリアリティと挑戦が見えてこないだろうか(https://www.ele-king.net/interviews/003001/)。

「このイヴェントに関して、少人数のスタッフで運営していくというスタンスは変えないつもりです。毎年動員数を右肩上がりに増やす方向ではなく動員数が常時200~300人の規模で、できるだけ長く続けていきたいと考えております」

 小規模で、質を守り、長く続ける。かくも明確に打ち出されたコンセプトには、先の10年を牽引してきた大規模イヴェントへの2013年からの回答とも呼ぶべき視点が感じられる。「帰宅」を保証することで、非日常ではなく日常と折り合うスタイルを模索するかのような姿勢にも、いまでこその批評性が働いていると言えるだろう。

「今回開催する〈アクロス福岡円形ホール〉という場所は、福岡市の公共施設で、"天神"という九州有数の繁華街のなかに位置します。会場の目の前には天神中央公園という市民の憩いの場があり、ちょっと歩くと遅くまで営業している屋台やラーメン屋なども見つかります。昼間でしたらアート系のギャラリーや、こだわりを持ったセレクト・ショップなども多数開いていますので、県外から来られた方は、これを機会にぜひ福岡の街も散策されてみてはいかがでしょうか」

 東京から気軽に参加というわけにはいかないが、未来の電子音楽の街"FUKUOKA"に期待したい。

「招聘したいアーティストが数多くいるので、来年以降は2日間にわたっての開催を検討しております。それには今回のイヴェントに皆さまご来場いただかないことには計画が計画で終わってしまいますので(笑)、ご来場を心よりお待ちしております! 今後このイヴェントが皆さまにとっての大事な行事になりますよう祈りつつ」


■日時 
2013.8.2 (fri) OPEN 18:30 START 19:00

■場所 
アクロス福岡円形ホール(福岡市中央区天神1-1-1)

■料金 ADV/3800 DAY/4300

■TICKET
e+

enduenn@gmail.com

*チケット購入希望の方は件名にex-fesと書いて住所・氏名・枚数をお教えください。

■公式サイト
https://exfes.tumblr.com/

■アーティスト情報

ASANO TADANOBU
73年生まれ、横浜出身。映画を中心に国内外問わず数多くの作品に出演し日本を代表する国際的俳優。同時に、溢れるイマジネーションを形にするアーティストでもある。監督作品に、DVD「TORI(トーリー)」の他、ドローイング・ペインティングの展示から作品集の出版等、ハードコアバンドsafariやPEACE PILLの活動、Tシャツ・デザイン、ソロアルバム"CRY&LAUGH"では10年以上前から書きためてきた曲から、21曲をアコースティックギターとマイク1本で収録する等、溢れるイマジネーションを自由に表現している。ここ数年はダンストラックを制作。コンパクトなシーケンサーをリアルタイムで操作し極限まで研ぎ澄まされたミニマルなテクノをフロアに響かせる。その唯一無二なパフォーマンスはクラブ、野外イベント、レセプションなど幅広い分野から絶賛・注目を集めている。

中原昌也
小説、映画評論など文筆活動の傍らで前世紀末より継続されている中原昌也による音楽プロジェクト。テーブル上にぎっしり並べられた夥しい量の機材(発振器、エフェクター、サンプラー、リズムマシン、アナログシンセetc)を同時にあやつる剛胆さと聴衆の前に提示されるその音の複雑さ/繊細さにより、行為としての即興演奏を更新し続けるヘア・スタイリスティックスのありかたは、ノイズ・ミュージックの文脈のみならず多分野からの注目を集め、熱心なリスナーを獲得している。boidからの月刊ヘアスタや自主制作100枚シリーズなど、Hair Stylisticsとしてのリリース作品はきわめて多数。

FourColor
FilFla、Vegpher、Minamoの名義でも活動するサウンドアーティスト/コンポーザー杉本佳一によるソロプロジェクト。調和不調和、曖昧と明瞭、デジタルとアナログ、必然と偶然、これら相反する物を同次元で扱う事でユニークな音楽を生み出す事を目指している。杉本の作品はニューヨークの「12k」をはじめ、ドイツ「TOMLAB」、日本の「HEADZ」など国内外の音楽レーベルから発表されており、英「THE WIRE」誌ベ スト・エレクトロニカ・アルバムに選出されるなど、海外での評価も非常に高い。また、数多くの映画/映像、演劇、エキシビジョンへの楽曲提供・制作や、CMをはじめとする広告音楽を手掛け、担当作品がカンヌ映画祭・監督週間「若い視点賞」、フランス・エクスアンプロヴァンス映画祭「オリジナル映画音楽部門賞」を受賞するなどの実績も残している。
最新作は2011年12kレーベルより発表した「As Pleat」。
https://www.frolicfon.com/
https://vimeo.com/27304187

ダエン
福岡を拠点に「アンビエントの自己解釈」というコセンプトでカセット主体のリリースを展開している「ダエンレーベル」主宰。これまでに白石隆之、RIOWARAI、koji nakamura a.k.a NYANTORA、MERZBOW、YOSHIMI(ボアダムズ)らのカセット音源のリリースを手掛ける。自身の制作及びLIVE演奏ではROLAND SP-404一台というミニマムな環境でどこまで表現できるかを追及している。エキソニモ主宰IDPW正会員。

Michitoki KT
道斎(みちとき)KT。実験ターンテーブリスト。数台のターンテーブルを楽器として用い、「音と空間のコラージュ」という自身の奏法を追究し続ける。2013年6月duenn labelよりリリースのsuzukiiiiiiiiii×youpy/dnn012にリミキサーとして参加(Canooooopy・NH-Trio+・Yaporigami)。

■主宰・問い合わせ
duennlabel (enduenn@gmail.com)

PS. exではイベントの趣旨に賛同頂き文化的な活動に関心及び既に取り組まれてる企業様や団体(個人でも可)様の協賛を常時募集しております。詳しくはenduenn@gmail.comまでご連絡下さい。宜しくお願い致します。

duennlabel



Tungsten fuse - ele-king

 1984年生まれの新進気鋭、三宅唱が監督した35ミリのモノクローム、映画『Playback』と、stillichimiyaのMMMが監督した田我流とEVISBEATSのメロウ・アンセム"ゆれる"のミュージック・ヴィデオが、いずれも2011年の6月ごろに、つまりあの震災の発生からそう間を置かないタイミングで撮影されているというのは、偶然とはいえ興味深い、そして重要な事実だと思う。
 当時、いまだ収まることを知らない余震が、非・被災圏に残された平穏を脅かしつつも、どうしたって心のどこかではその回復を覚悟するほかなかった、あの日常という怪物の足音を遠くに感じながら、しかし彼らは堂々と日常を、そしてその総和である「人生」を描いている。そう、震災のわずか数ヶ月後に。少なくとも、前もって計画されていたそれらの撮影を、彼らはそのまま決行した。あるいは、それを取り戻すために。
 MMMは、「何も起こらない一日」のなかで揺れるひとりのラッパーを。三宅唱は、「ありえたかもしれないもうひとつの人生」という深い溝に落ちたひとりの俳優を、撮った。ラッパーは「揺れる」という深く傷ついた言葉をあえて拾い、俳優は地震で砕かれたアスファルトの上でスケートボードを蹴る。そこには、他者の苦痛へのまなざしが挿入されながらも、いま引き受けなければならない己の人生への普遍的な問いがあった。

 では、2013年、僕らはどんな歌に、音楽に、映像に出会うのだろうか。

 タングステン・ヒューズは、あの震災になにか巨大な影響を受けたことを認めながら、しかし実際的にはなんら致死的な影響を被ることなく続く自らの人生に潜り、さらにはリスナーの人生に――それが言い過ぎなら、何かしらの決断の前のちょっとした感情の揺れに――少しでも音楽の、そして言葉の波紋を届けようとしているように思える(歌詞カードは言葉で溢れ返っている)。
 それがポップの普遍性なのか、はたまたある種の不感症なのかは、聴いた人がそれぞれ判断すればいい。だが例えば、バレアリックな美しい光沢のなかで夢の終わりを歌う"ストレリチア"のような曲が、ともすれば野暮ったくなりそうな過量の言葉を擁しつつも(それはラップとポエトリーリーディングの交差点から発せられる、とてもフラットなフロウで)、シンセを纏ったダンス・ビートがその光沢を失わないとすれば、そこにいま、人生を歌うことの後ろめたさが感じられるからだろう。
 彼ら自身も、おそらくは分かっているのだ。もっと大きな物事にコメントする選択だって、あり得るのだということを。そしてそれが、いま、絶好のフックになるということも。

 タングステン・ヒューズは、しかし、それでも内に向かう。社会の存在は言葉の枠外に留保されたまま。偽悪的に言うなら、随所に登場する「闇」や「光」といったごく一般的で、抽象的な語彙が、リスナーの内にめり込んでいくような暴力的なまでの重量を得ているかと言えば、そこに疑問符を付されるのを完全には免れないだろう。だが、震災そのものではなく、その何かしらの反映を人間のなかに見出そうとするような言葉の捜索は、自身らのキャリアに対する誠実さの賜物なのだと思う。
 ドラスティックな変化を施したのはむしろトラックの方で、これまでのノイジーなミニマル・ロックのプロダクションはほぼ全面的に撤回され、マシン・ビートと電子音で滑らかにシンセサイズドされている。それは何かを我慢するように、整然と鳴っている。(彼ら自身はポスト・ロックを標榜しているようだが、媒体によっては「ラウド/パンク」とか「ブレイクビーツ/テクノ」とか「アンビエント・パンク」などと称されており、すでにその枠は無効だろう。)
 僕は互いに喧嘩し合うような、どうにも相反する複数の立場が混在している表現が好きだが、藤原伸哉の作るトラックと西垣朗太の発する言葉がいい意味で掛け違いになっているところにこのデュオのポテンシャルがある気がする。前述の"ストレリチア"や、"100匹目の猿"といった曲の透明度の高いダンス・トラックは、それらのギャップをさらに広く取ることに成功していると思う。

 だが......いや、だからこそ、先に述べたような語彙の細かい選択が、個人的には惜しい。ストレリチアの花言葉は「輝かしい未来」らしいが、文学的なスペーシングよりは、リスナーの平常心とぶつかり合うような、一線を踏み越えた緊張度の高い言葉を聞きたかった。向光性の精神は頼もしいが、シリアスな物言いがメランコリックな雰囲気のなかで差し出されると、僕はやはり身構えてしまう。きっとこのデュオはもっと美しく壊れられる。

Mac Miller - ele-king

 インディで活動しながらもファースト・アルバム『ブルー・スライド・パーク』でいきなりビルボード200制覇を成し遂げた奇跡の21歳、マック・ミラー。その輝かしい経歴とは裏腹に、ここ日本ではいまいち知名度が低い。そんな彼が先ごろセカンド・アルバム『ウォッチング・ムーヴィーズ・ウィズ・ザ・サウンド・オフ』を発表した。しかしJ・コールの『ボーン・シナー』とカニエ・ウェストの『イーザス』と同週発売ということもあり、前作同様話題にならないような予感......。

 まずマック・ミラーとはどのようなアーティストか? それを知るには彼が18歳のとき、2010年に発表したミックステープ『K.I.D.S』を聴く必要がある。タイトルからもわかるとおり、この作品はラリー・クラーク監督、ハーモニー・コリン脚本による同名映画にインスパイアされて制作されている。ここからわかることは、彼が90年代のスケーター・カルチャーをバックグラウンドに持っているということ。そして同作からのヴィデオ・クリップ"シニア・スキップ・デイ""ノック・ノック""クール・エイド&フローズン・ピッツァ"などを観れば、彼(や取り巻く人々)の尋常ならざるセンスの良さを感じることができるだろう。

 さらにマック・ミラーの強みは、メロディ・センスの高さだ。彼は2012年にラリー・ラヴシュタイン&ザ・ヴェルヴェット・リヴァイヴァル名義でミックステープ『ユー』を発表しているが、この作品ではラップではなくジャズ・ヴォーカルを披露。『ユー』という作品がどこまで本気なのかはさておき、今作でもフライング・ロータスやファレル、クラムス・カジノらが手がける曲でメロディメイカーとしての力量を発揮している。またラリー・フィッシャーマン名義のセルフ・プロデュース曲"リメンバー"では、ジ・XX"スウェプト・アウェイ"をサンプリングしているあたりも非常に興味深いところだ。

 前述のような面々がサウンドをクリエイトしている場合、高い確率でコンシャスな作品に仕上がるものだが、客演のメンツを眺めているとなかなかどうして一筋縄ではいかないラッパーたちが名を連ねており、コンシャスというよりはどうしても『K.I.D.S』を想像してしまう。その『K.I.D.S』つながりでは、OFWGKTAからアール・スエットシャツとタイラー・ザ・クリエイター(ボーナストラックのみ)、さらに米『XXL』誌企画による「フレッシュマン・クラス2013」に選出されたスクールボーイ・Qやアクション・ブロンソン、Ab-ソウルといった注目株も参加している。黒人のプロップスも高いユダヤ教徒の白人ということで、ビースティ・ボーイズの面影を彼にみるのはわたしだけではないはず。

 ここまでつらつらと書いてきたが、つまるところ言いたいのはマック・ミラーの新作は前作同様、非常にイケているということだ。アメリカではJ・コールとカニエ、そしてこのアルバムが同日発売されたそうだが、その事実に「常に供給過多」という異常事態を維持しつづける本場のヒップホップ・ゲームの凄みを感じずにはいられない。しかもマック・ミラーは21歳、THE OTOGIBANASHI'Sの1コ上なのだ。


巻紗葉 編著『街のものがたり』 本日発売!

■2010年代のヒップホップ・アーティスト9人のインタヴュー集。
ルードでも閉鎖的でも教条的でもない、自由で新しいフィーリングを持ったラッパーたちが、いまのびのびとヒップホップの歴史を塗り替えようとしている!

★収録アーティスト
・OMSB
・THE OTOGIBANASHI'S
・PUNPEE
・AKLO
・MARIA
・田我流
・ERA
・宇多丸
・Mummy-D
3.11以降、若いラッパーたちは何を思い、何を感じたのか......。

生活のこと、これまでのこと、未来のこと、じっくりと語りおろした珠玉のインタヴュー9編。街のリアリティから生まれる力強いメッセージがここにある。

■街のものがたり
著者:巻紗葉
判型:四六判/256ページ
価格:税抜き1900円
発売日:2013年6月28日
ISBN:978-4-907276-01-0

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DUM-DUM PARTY - ele-king

 今週土曜日の6月29日、渋谷O-WEST BUILDING(O-WEST・O-nest・7th FLOOR 三会場同時開催)、「DUM-DUM PARTY」がいよいよ開催されます。何度も言いますが、3時開場のバーベキューありです。しかも、早割制度もあり!
 追加の出演者の報告もあります。高田馬場のジョイ・ディヴィジョン「トリプルファイヤー」内田万里(Vo.Key.)、石井竜太(Gt.)、安西卓丸(Ba.Vo.)からなるただのJ-POPバンド、ふくろうず。昨年YouTubeにアップされた楽曲"RUFF"、そしてアルバム「Where are you going?」で、シーンから大きな注目を集めてきた若きヒップホップ・グループ、LowPass。公募枠では、狂気の出演が決定しました。最終のメンツはこちらでご確認を。はっきり言って、今後あり得ないほど、かなりすごいメンツです。

 また、中目黒の激ウマチリドッグ「Chillita」も出店。そして、最上階7thFLOORで繰り広げられるBBQをとり仕切る焼き奉行 aka長州ちからも突如焼き肉リハを敢行。 https://www.youtube.com/watch?v=HZqAxn6Ri_0

 以下、「DUM-DUM LLP」からややこしいメールです。
 ややこしいですが、3時から5時までだけ見たい人は、早割制度を使いましょう。帰るときにリストバンドを返せば良いだけです。
 しかも、3時に入場して、最後10時まで見ていった生存者には「お疲れ様」の500円キャッシュバックもあります。
 また、安く見たければ、高円寺の「DUM-DUM LLP」(https://www.dum-dum.tv/)でチケット買うことです。
 それでは、皆様、開場でお会いしましょう!

■HAPPY HOUR! !制度
15時~17時の出演者しか都合で観れないのに~という方に朗報です。
15時~17時でお帰りの方はリストバンドと引き換えに¥4,000キャッシュバックします
(注1※17:00~17:15分まで会場リストバンド交換所でお返しします!)
(注2※ひとまずは¥6,300か¥5,250のチケットをご購入ください!!その後のキャッシュバックになります。)

■最上階7thFLOORで開催のBBQ大会
15時~16時まではBBQ担当:長州ちからくんの振舞いBBQ(無料)します。
16時~18時までは有料制のBBQとなります~!
※振舞いBBQに関しては量を求められても困ります。お裾分けの精神で捉えて頂けたら!

■最初から最後まで観たら¥500キャッシュバックに挑戦したい方へ!
リストバンドは14時から引き換え開始します。15時目安で引き換えお願いします!
何故なら15時~O-WESTは15時開演となりますので、、、。渋家から盛り上がりましょう?





 東京の幡ヶ谷にある異空間「LOS APSON?」が恵比寿リキッドルームの〈KATA〉で、大々的にTシャツ販売大会を実施する。これがとんでもないメンツだ。日本のストリート・カルチャー/アンダーグラウンド・シーンの総決起とも言えるような内容になっている。本格的な夏に向けて、Tシャツを買うならいましかない。そして、少数しか作られない格好いいTシャツを探すなら、ココに行くしかないでしょう。坂本慎太郎のzeloneのTシャツから五木田智央、ヒップホップのWDsoundsやBLACK SMOKER RECORDS、COMPUMA等々、「LOS APSON?」から送られてきた以下の資料をじっくり読んで、その参加者の膨大なリストに驚いて欲しい。

(以下、資料のコピペです)

 白い~マットのジャングルにぃ~、今日もぉ~嵐が吹き荒れ~るぅ~♪ということで、おまんた?アゲイン!!! 今年2013年も"T-SHIRT! THAT'S FIGHTING WORDS!!!"の季節が、遂にやってまいります! 回を重ねるごとに出品参戦者も続々と増え、闘魂バトル・デザイン壮絶!あの手この手のアイデア空中殺法!Tシャツのみならずの場外乱闘!十六文キックに卍固め、サソリ固め、ラリアットに、バックブリーカーに、スピニング・トーホールド、そしてマイナーな?決め技、人間風車まで飛び出す始末!!!(なんのこっちゃ...暴走しすぎ。。。) そんな、ストロング・スタイルから金網デスマッチまでをも網羅したような総合格闘Tシャツフェアが、この"T-SHIRT! THAT'S FIGHTING WORDS!!! 2013"なんですっ!!! そして今年は、なんと!なんと!あの革新邁進画家!大竹伸朗氏(宇和島現代美術)が、バ・バ・バーーーンと遂に参戦決定!!! Tシャツ虎の穴から大本命現れる!みたいな感じで、オジッコちびりぞぉーーー!!! Tシャツフェア参戦者達をゾクゾク・ビンビンに震撼させています! 我がロスアプソン・チームは今回、開店当初からお付き合いさせて頂いているSAMPLESSさんにデザインを入魂オーダー!めちゃんこカッコイイ(自我自賛!)3パターンのTシャツを取り揃えました!!! こりゃ、Tシャツフェア史上における記念メモリアルイヤーになりそうです!!! さあ~それでは、そんな特濃3日間に無くてはならないDJミュージック・プレイヤー達を紹介してまいりましょう! 初日は「GRASSROOTSな夜ぅ~」と題して、"ミュージック・ラバー・オンリー"を掲げるGRASSROOTSのオーナーINSIDEMAN a.k.a. Qと、MIX CD「Crustal Movement Volume 02 - EL FOLCLORE PARADOX」も好評のワールド・パラドックス・ハイブリッド・ミキサーShhhhh、そして女性アーティスト集団WAG.からオヤG達をも唸らせる選曲ムードを醸すLIL' MOFOが参戦! 中日は、酔いどれトロピカル・ハウス・パーティー「細道の夜ぅ~」で、Tシャツフェアでも毎年大人気!お馴染みの373&DJ DISCHARGEと、ALTZのレーベルALTZMUSICAからリリースしたMIX CDが早々に完売したマジカル・オーガニック奥様bimidoriの細道トリオが集結! そして、最終日は異種格闘バトルよろしく、トリップ・ストレッチングMIX「UNWOUND MIX」が大ロングセラー中のBING、ぶっトバしにかけては現在最高峰のDJ!アシッド夢芝居テクニシャンのKEIHIN、キュートなサイケデリックHIP HOPにファン急増中のDJ Highschool、そして私ロスアプソン店主ヤマベの4人にて、一時間ごとにムードがガラリと変貌するミル・マスカラス的?異空間を楽しみながら、Tシャツ争奪に参戦して頂ければ幸いです!!! 3日間の会期中はTime Out Cafe & Dinerスペースにて、お食事&喫茶&お酒を飲んだり出来るのですが、最終日には、ロスアプソン西新宿店時代に毎日モニターで流していたPOP実験映像、'80sブレイクダンス、レア・ベルベッツ、あるバンドの解散コンサートetc.を収録した伝説の?7時間ビデオの特別上映もありますので、お買い物参戦に疲れたらダラリとそちらの方も鑑賞してみて下さい。さあ!さあ!さあ!ゴングが打ち鳴らされる時が迫っています! 今からしっかりと準備万端、走り込み&うさぎ跳びなどをして体力をつけて、ご来場下さいませっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(山辺圭司/LOS APSON?)

2013.6.28 (fri) ~ 30 (sun)
at KATA
(東京都渋谷区東3-16-6 LIQUIDROOM 2F)
https://www.kata-gallery.net/
open 15:00 close 22:00
Entrance Free!!!

〈参加アーティスト/ブランド〉
LOS APSON?, 宇和島現代美術(大竹伸朗), 五木田智央, SAMPLESS, zelone records, SEMINISHUKEI, Vicinity, DJ Discharge, 373, KIZM, GRASSROOTS, KLEPTOMANIAC, JOJI NAKAMURA, 86ed, BLACK SMOKER RECORDS, HE?XION! TAPES, THE GODS ARE CRAZY, SONIC PLATE, COLORgung, DMB PRODUCTION, DREADEYE, PARANOID, COSMICLAB, COMPUMA, hentai 25 works, MANKIND, Ackky, 威力, TACOMA FUJI RECORDS, TARZANKICK!!!, TOGA, TRASMUNDO, BOMBAY JUICE, BREAKfAST, BATH-TUB OffENDERS, MGMD KRU, 2MUCH CREW, chidaramakka by syunoven, 大井戸猩猩, 植本一子, VINCENT RADIO, WACKWACK, WDsounds, WENOD RECORDS, WOODBRAIN/水面花木工, word of mouth, Akashic, BLACK SHEEP, 4L, chill mountain, DEATH BY METAL / galeria de muerte, ESSU, ExT Recordings, FEEVER BUG, 2YANG, 37A, FORESTLIMIT, GEE, KEN2-DSPECIAL, MAGNETIC LUV, MidNightMealRecords, MOWHOK ART SHOP, nightingale, noise, SLIMY MOLD HEAVENS, SpinCollectif TOKYO, STRANGER, SUMMIT, TUCKER, LIQUIDROOM and more!!!

〈追加アーティスト/ブランド〉※6月22日現在
コトノハ, dublab.jp, STRUGGLE FOR PRIDE, INDYVISUAL, ヨロッコビール, DogBite, amala, 前田晃伸, RWCHE, SWOW Backshelter Lab.

〈DJ Time/17:00~〉
6.28 fri
「GRASSROOTSな夜ぅ~」
DJ: INSIDEMAN a.k.a. Q, Shhhhh, LIL' MOFO

6.29 sat
「細道の夜ぅ~」
DJ: 373, DJ DISCHARGE, bimidori

6.30 sun
「異種格闘でバトルな夜ぅ~」
DJ: BING, KEIHIN, DJ Highschool, ヤマベケイジ

more information
https://www.losapson.net/tshirtfair/
https://twitter.com/losapson



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