「iLL」と一致するもの

Frank Bretschneider - ele-king

 フランク・ブレットシュナイダーは東ドイツ出身の音楽家・映像作家である。1956年生まれで、あのカールステン・ニコライらとともに〈ラスター・ノートン〉の設立に関わっている人物だ(フランク・ブレットシュナイダーとオラフ・ベンダーが1996年に設立した〈ラスター・ミュージック〉と、カールステン・ニコライの〈ノートン〉が1999年に合併することで現在の〈ラスター・ノートン〉が生まれた)。

 ブレットシュナイダーは1980年代より音楽活動をはじめている。1986年にAG Geigeを結成し、1987年にカセット・アルバムをリリースした。いま聴いてみると奇妙に整合性のあるパンク/エレクトロ・バンドで、現在の彼とはまるでちがう音楽性だが、そのカッチリとしたリズムに後年のブレットシュナイダーを感じもする。その活動は東ドイツのアンダーグラウンドの歴史に大きな影響を残したという。
 そして1999年から2000年代にかけて、正確/複雑なサウンド・デザインと、ミニマルなリズム構造による「数学的」とも形容できるグリッチ/マイクロスコピックな作風を確立し、あの〈ミル・プラトー〉や〈12k〉などからソロ・アルバムをリリースすることになる。コラボレーション作品も多く、たとえば〈ミル・プラトー〉からテイラー・デュプリーとの『バランス』(2002)、〈12k〉からはシュタインブリュッヘルとの『ステータス』(2005)などを発表した(どちらも傑作!)。カールステン・ニコライ、オラフ・ベンダーとのユニット、シグナルのアルバムも素晴らしいものだった。また昨年(2014年)もスティーヴ・ロデンとの競演作(録音は2004年)を〈ライン〉からリリースした。

 2000年代中盤以降のソロ・アルバムは、おもに〈ラスター・ノートン〉から発表している。『リズム』(2007)や『EXP』(2010)などは、反復するリズム構造と、複雑なグリッチ・ノイズのコンポジションによってほかにはない端正なミニマリズムが実現されており、レイト・ゼロ年代を代表する電子音響作品に仕上がっている傑作だ。また、2011年にコメット名義でリリースした『コメット』(〈Shitkatapult〉)もフロア向けに特化した実に瀟洒なミニマル・テクノ・アルバムである。
 2013年、〈ラスター・ノートン〉からリリースした『スーパー.トリガー』は、カールステン・ニコライとオラフ・ベンダーのダイアモンド・ヴァージョンとも繋がるようなエレガント/ゴージャズなエレクトロ・グリッチ・テクノ・アルバムである。いわば「音響エレクトロ」とでもいうべきポップでダンサンブルな音響作品であり、彼の新境地を拓くものだった。

 そして、本年リリースされた新作において、その作風はさらに一転する。サージ・アナログ・シンセサイザーなどモジュラー・シンセサイザーを鳴らしまくったインプロヴィゼーション/エクスペリメンタルなアルバムに仕上がっていたのである。音の雰囲気としては2012年に〈ライン〉からリリースされた『Kippschwingungen』に近い(東ドイツのラジオ/テレビの技術センターRFZで、8台のみ開発されたという電子楽器Subharchordを用いて制作された)が、本作の方がよりノイジーである。アルバム全8曲41分にわたって、アナログ・シンセサイザーの電子音のみが横溢しており、電子音フェチ悶絶の作品といえよう。
 制作は2014年7月にスウェーデンはストックホルムのEMSスタジオに滞在して行われたという。じつはすでに2017年7月に、EMSでモジュラー・シンセを駆使する動画が公開されていたので、まさに待望のリリースでもあった。

 アルバム・タイトルはドイツ語で「形式と内容」という意味で、カオス(=ノイズ)を操作して、デザイン(形式化)していくという意味にも読み込める。ジャケットの幾何学的なアートワークや、アルバム・リリースに先駆けて公開されたMVにも、そのような「形式と内容=デザインとカオス」の拮抗と融合と反復とズレを感じることができるはずだ。

 この「フランク・ブレットシュナイダーによるモジュラー・シンセサイザーのみのアルバム」というある意味では破格の作品が成立した過程には、近年のモジュラー・シンセによるコンクレート・サウンドの流行も関係しているだろう。町田良夫からトーマス・アンカーシュミット、マシーン・ファブリックまで、サージなどのモジュラー・アナログ・シンセサイザーを用いた音楽/音響作品がひとつのトレンドを形成しているのである。
 しかし、そこはサイン派やホワイトノイズを用いて、リズミックかつ建築的なウルトラ・ミニマル・テクノを作り続けてきた電子音響・グリッチ界の「美しきミニマリスト」、もしくは「世界のミニマル先生」、フランク・ブレットシュナイダーの作品だ。「ツマミとプラグの抜き差しによるグルーヴ」とでもいうべき電子音が自由自在に生成変化を繰り返すのだが、そのフリーなサウンドの中にも、どこかカッチリとしたリズム/デザインを聴き取ることができるのである。とくにシーケンスとノイズを同時に生成させる4曲め“Free Market”にその傾向が随所だ。また、5曲め“Funkstille”や6曲め“Data Mining”などは、エレクトロニカ的なクリッキーなリズムも感じさせるトラックである。
 カオスと形式(=ノイズとリズム)に着目して聴くと、複数の音のパターンがモチーフになって変化していることも聴き取れてくる。その傾向は、1曲め“Pattern Recognition”、8曲め“The Machinery Of Freedom”に特徴的に表れている。いくつもの音のエレメントが反復・変化するモチーフとして展開していくさまが手にとるように(?)わかるだろう。
 そう、このアルバムで、フランク・ブレットシュナイダーが鳴らしている電子音は、インプロヴィゼーションであっても、どこかデザイン的なのだ。たとえば、3曲め“Fehlfunktion”のように極めてノイジーなトラックであっても、そこにデザイン化されたリズム(形式化)を聴取することが可能である。

 前作『スーパー.トリガー』における「80's的なゴージャズなエレクトロとグリッチ・ビートの融合」が2013年~2014年のモードだったすると、本作の情報量豊富なフリー・インプロヴィゼーション的電子ノイズの生成・運動感覚は、紛れもなく2015年のモードだ。もしかすると、現在のわれわれの耳は、電子音楽/音響の中にあるマシニックな形式性を侵食する音響の運動性・肉体性のようなものを求めているのかも知れない。その意味で、まさに「いま」の時代ならではのアナログ・シンセサイザー・アルバムである。現在進行形の電子音楽マニア、全員必聴と断言してしまおう。

 最後に。本作に関係する重要なプロジェクトして、フランク・ブレットシュナイダーがピアース・ワルネッケ((https://piercewarnecke.blogspot.jp/)と共同制作をした同名インスタレーション作品を挙げておこう(ふたりはベルリンで開催されたエレクトロニック・ミュージック・フェスティバル“CTM”でもパフォーマンスを披露したという)。このインスタ作品は、本作を思考する上で重要な補助線を引いてくるはずである。

SINN + FORM // Preview from Pierce Warnecke on Vimeo.


アイスランド・ミュージシャン・インタヴュー・シリーズ#2:
interview with Sindri Eldon(シンドリ・エルドン)

アイスランド・ミュージシャン・インタヴュー・シリーズ#3:
interview with Paul Fontaine(ポール・フォンティン)

アイスランド・ミュージシャン・インタヴュー・シリーズ#4:
interview with Leifur Bjornsson(レイファー・ビョーンソン)

 この2年、アイスランド・エアウエイブスというレイキャビックでおこなわれるフェスティヴァルで、アイスランドのインディペンデント・ミュージックの活き活きとしたシーンに感銘を受けた。フェスということもあって、都市自体が盛り上がっていたこともあるが、バンドのクオリティの高さ、年齢幅の広さ、国をあげてフェスをサポートする姿勢(飛行機に乗るとブローシャーが配られ、音楽プログラムには、エアウエイブスのチャンネルがある)などから、アイスランドという国にも興味が湧いた。
 初めてアイスランドに行ったときは、レイキャビック以外の郊外にも出かけたのでショックが倍だった。違う惑星かと思うくらい、厳しい自然の姿が目の前に広がる。これが日常なら、私たちは違った感覚も生まれるのではないかと思えるほど。

 ここに、アイスランド・シーンのキーパーソン3人のインタヴューを紹介する。3人とも、経済破綻に関係なく、アーティストはずっと貧乏だというが、バーに入るのに夜中の3時でも行列を作り、街で浮浪者を見たこともないし、治安も良い街では、その言葉の意味も、私たちの使っているそれとはちょっと違うのではないかと思えてしまう。
 街が小さくて、街を出て行っても、しばらくするとアイスランドに戻ってくる人が多いのもそのため?

 音楽、アートなどの文化に関しては、気候(寒くて外に出れない)、国民性(大酒呑みでフレンドリー)、アイスランドに対する批判的な意見はあるが、自分にはどうしようもない、ここに居るしかない、という一種の諦めが、創造性を掻き立て、クオリティが上げているのだろう。
 子供の頃から、文化に触れる機会が多々あることや(エアウエイヴスには親子連れに観客や18歳以下のバンドも多い)、アイスランドのイメージからは遠い、アフロ、レゲエ、ヒップホップ、ラップ・シーンまである多様性も、音楽シーンを独特にしている。それら音楽にアイスランド語が乗ると別物に聞こえる。
 平均的なアイスランド人はグローバリゼーションには関心がないようだが、シーンはとてもグローバリズムに感じる。

まず自己紹介をお願いします。

Sindri(シンドリ):僕は、あまり知られていないミュージシャンで、翻訳とソーシャル・メディアでお金を稼いでいます。

※Sindri Eldon
ミュージシャン(シンドリ・エルドン&ザ・ウェイズ)、ソーシャルメディア&翻訳家。アイスランド出身。
https://soundcloud.com/sindri-eldon

Paul Fontaine(ポール・フォンティン):僕はジャーナリスト/ライターのポール・フォンティンです。grapevine.isで僕の書いた記事が読めます。

※Paul Fontaine
ジャーナリスト、ライター。アメリカ、メリーランド州出身。
媒体grapevineで執筆。
Paulの記事はこちら: https://grapevine.is/author/paul-nikolov/

Leifur Bjornsson(レイファー・ビョンソン): 僕はレイファー・ビョンソンです。ロウ・ロアというバンドでキーボードやビート、サンプラーを担当しています。僕は、ロンドンで勉強をしていたアイスランド人の両親から生まれました。アイスランドに戻ってからは、西海岸の小さな街で育ち、怖いもの知らずの、とても自由な環境で育ちました。

※Leifur Bjornsson
アイスランドのバンドLow Roarのメンバー。アイスランド出身。
https://www.lowroarmusic.com

どのくらいアイスランド(レイキャビック)に住んでいますか。現地の生活について教えてください。

S:行ったり来たりしているけど、だいたいアイスランドに住んでいます。一番長くアイスランドから離れていたときで3、4年ぐらい。小さいときはロンドンに住んでいました。しかし、僕はアイスランドが大嫌いで、なんとか離れようとしています。頑固で頭が小さく、外国人嫌いで、貪欲な保守的な大バカ者と自己中心なスノッブが、不注意に共謀し、出来るだけ物を高く、視野を狭く、古い考えに持っていく、愚かで無意味な小さな国です。田舎は素敵ですが、それは人があまりりいないからです。

P:15年ぐらい前にアメリカからアイスランドに引っ越してきて、ここ8年はアイスランドの市民です。僕の人生のように、ここはとても快適です。

L:レイキャヴィックには高校に進学する為に引っ越し、それ以来ずっとここで暮らしています。レイキャヴィックは素敵な街ですが、小さいと感じる時が良くあります。幸運な事に、僕はバンドで、時々ここを離れる事が出来ますが、レイキャビックは、素晴らしい自然に囲まれているので、それもここに住む利点だと思います。

ポールはなぜイスランドに引っ越したのですか? アメリカからアイスランドに引っ越すのは簡単ですか?

P:僕は元々メリーランド州のバルチモア出身です(TVシリーズの「ザ・ワイア」を見たことあるならそこです)。アイスランドに引っ越したのは冒険心からです。1998年にヴァケーションで来て、国を旅行しているうちに何人かのアイスランド人に会い、同じ年の後半に、またこの新しい友だちに会いにきました。バルチモアに戻ってから、真剣にアイスランドに引っ越すことを考え始めました。何故なら……出来るときにやろうと決めたからです。もしうまくいかなかったら、戻ってきたら良いだけですし。結果うまくいったのです。ヨーロッパ以外の国から引っ越すとなるとアイスランドは難しいです。引っ越す前に、仕事と住むところが必要です(幸運にも僕には助けてくれる友だちがいました)。市民になりたいのなら、7年間は法に触れることができませんし、6ヶ月以上国を離れることは出来ません。ヨーロッパの人は、比較的簡単にアイスランドに引っ越せます。

バルチモアとアイスランド(レイキャビック)とではインディ・ミュージックシーンはどう違いますか。

P:面白い質問ですね。と言うのは、バルチモアとレイキャビックは同じようなインディ・ミュージックシーンがあると思うからです。お互いのショーに行き、サイドプロジェクトのためにメンバーを交換したり、バンドはお互いをサポートしています。ですが、アイスランドのミュージシャンは、バルチモアより世界に露出できる確率が高いと思います。

アメリカとアイスランドでは生活費などは違いますね。アイスランドは生活コストが高いですが、どの様に暮らしているでしょう。

P:アイスランドは世界で4番目に物価の高い国です。冗談じゃないです。しかも、右翼の政府は、食べ物の税を上げたばかりです。食べ物ですよ!

アイスランド語はとても難しい言語ですが、あなたはアイスランド語をはなしますか? もし話せないのであれば、そこに住んでいて疎外感など感じることはないのでしょうか。

P:僕はアイスランド語を話します。英語と同じ言語家族ですが、習得するのはかなり難しい言語です。僕は字幕のついたテレビをたくさん見て覚えましたが、この方法はオススメしません。僕もアウトサイダーの気持ちはわかります。まだ言葉を理解できない1年目は孤独でした。とにかく習えるだけ習って、移民の友だちも作り、結果たくさんのアイスランド人の友だちができました。

私は、2013/14年のアイスランド・エアウエイヴス時にレイキャヴィックに滞在し、ユニークなインディ音楽シーンと文化に魅せられました。アイスランドは、一度経済崩壊した国にも関わらず、少なくとも、同じように、経済的、将来の不安にさらされながら、活動している他の国のインディバンド達に比べて、とても元気で活発なエネルギーがあります。それはなぜでしょうか。

S:経済崩壊は、バンドの人たちに影響を与えませんでした。彼らは元々お金を持っていなかったし、崩壊しても、失うものがありませんでした。一般的に言って、この国はうまく渡っていて、ほとんどの人は借金のために働く賃金奴隷ですが、道で食べ物に困って倒れているわけではありません(いまの政府は、この10年の間にみんな貧困で死ぬように働きかけているけど)。なので、彼らは趣味でバンドをするための時間、お金、エネルギーがあります。ここの90%の音楽シーンはアマチュアが基本で、ミュージシャン、テクニシャン、ブッキング・エージェントも、本当の「仕事」を持ちながら、自分たちの音楽をサポートしています。ここにも、経済的、将来への不安はありますが、単純に、ミュージシャンでやっていける人はいないし、だから基本的に何も変わらないし、経済がどうであれ、僕たちは、やっぱり貧乏で必死にもがいているのです。

P:抜け目ない観察力ですね(笑)。たしかに、とくにレイキャヴィックは、長いあいだ、とても良い揺れ動くようなインディペンデント音楽シーンがあります。最近は、競合するようになりましたが、地元のバンドはお互いを助け合っていますし、違うバンドのメンバーたちが、同じ音楽シーンから出てきて、一貫性の感覚を加えます。正直に言って、インディペンデントミュージシャンは元々貧乏で、厳しい中で繁栄しプレイし続けるので、良くも悪くも、経済が音楽シーンに影響したとは思いません。

L:ここアイスランドは、たしかに生々しく、保存された才能に溢れています。音楽コミュニティはとても小さく孤立していますが、ほとんどのミュージシャンは、いくつかのバンドを掛け持ちし、リンクしています。アイスランドの音楽シーンの人びとは、音楽やアートを作ることだけに占領されず、ラジオやメディアなど、あらかじめ決められた基準にフィットしているような気がしますが、これが物事を本物で新鮮にしているのかもしれません。経済破綻のあるなしに関わらず、アートは発見されるのです。アイスランド通貨の低下など、良い面、悪い面はありますが、アイスランドは、いままでで最高に観光地として人気で、アイスランド文化やアートへの興味がどんどん上がりました。

レイキャヴィックに、マクドナルドやスターバックスがないのはなぜでしょうか?

S:マクドナルドやスターバックスが他の国で占めているニッチな部分を、ここでは他のチェーン店が占めています。マクドナルドの支店は、10年ほどありましたが、彼らは生き残れませんでした。なぜかはわかりませんが、アイスランドの人びとは、すでにドミノピザ、KFC、サブウェイなどを食べ過ぎていたので、マクドナルドがなくても困らなかったのではないでしょうか。スターバックスについては、アイスランドには、KaffitárとTe & Kaffiというふたつの地元のチェーン店があって、スターバックスと同じような機能を果たしているからだと思います。

P:はは、その通りです! 最後のマクドナルドがアイスランドを去ったのは2008年。マクドナルドの材料を輸入するにはコストがかかりすぎで、ちっぽけな値段でしかチャージできないからだと思います(マクドナルドには、彼らが生産した物しか使わないと言う、材料に厳しい規定があります)。それにマクドナルドは、ドミノピザなどの、他のチェーン店に比べ、アメリカンフードとして、そこまで人気がでなかったです。スターバックスに関しては、ここには、Te og Kaffi(tea and coffee) という同じようなチェーン店があって、すでにコーヒー市場を占領していて、さらには個人経営のコーヒーショップもあります。スターバックスのアイスコーヒーのボトルはスーパーマーケットで見かけますが、スターバックスがアイスランドで生き残れるチャンスは少ないと思います。小さな市場にたくさんの競争相手です。

 注:アイスランドで最後に出されたマクドナルドのチーズバーガー(2008年)が、6年たっても変わらないという記事がPaulも執筆する媒体に出ている。
https://grapevine.is/news/2015/01/26/last-mcdonalds-burger-sold-in-iceland-unchanged-after-6-years/

L:アイスランドにマクドナルドは昔ありましたが、スターバックスはないです。何故だかわかりませんが、大手の企業はこんな小さな市場、たった30万人の人口から、十分な利益が出ると思わなかったのでしょう。アイスランド人はクールなので、大企業はまわりにいらないという人もいますが、そうだとは思いません。アイスランドの郊外の生活を見たらわかると思いますが、何処でもあるような光景が広がっていて、全然クールだと思いません(笑)。

アイスランドの人びとは、反グローバリゼーションを意識しているのでしょうか? またアイスランドがEUに加盟しない理由はなんでしょうか?

S:アイスランドはEU加盟国ではありません。この問題はいまも続いていて、僕が覚えている限り、熱い討論になることもあります。いまの政府は、無能なハッカーと貪欲者、操られた田舎者によって成っていて、なかにはEUへの加入についての話し合いを辞めるように、任意に決める反社会者ギリギリの人もいます。なので、いまのところEUに加盟していませんが、いままで起こっていることを総体し考えると、それが良いのかもしれません。個人的にはどちらでも良いですし、正直に言って、僕の毎日の生活がからりと変わるとは思えないし、EU加入国になったら、魚が載っている馬鹿げたコインを使わなくてよいぐらいだと思います。
 反グローバリゼーションについてはわかりません。わかっているのは、グローバリゼーションがなければ、アイスランドは存在していないでしょう。我々はほとんどの物を輸入に頼っていますし、個人的に僕は、グローバリゼーションのプロです。でも君もわかっていると思いますが、僕にはアイスランド全体のことは話せません。

P:アイスランドから見て、グローバリゼーションとEUへの加盟は別の問題と考えています。平均的なアイスランド人は、彼らがグローバルな企業から買う製品は、発展途上国で低賃金で作られた物で、未開発で危険な時もあるとは、そんなに真剣に考えていません。
 EUについては、ほとんどのアイスランド人は加盟することに反対です。ただし、反対意見にも、問題について意見を混ぜています。いまの右翼の政府は加盟に反対していますが、反対の左翼は問題に対して国民投票を望んでいます。アイスランドがEUに加盟するのは、良くも悪くも、時間の問題だと思います。

L:グローバリゼーションはアイスランドではそんなに大きな問題ではないので、人びとはあまり気にしていませんが、EUは大きな問題です。EUに加盟しないのが、良いのか悪いのかわかりませんが、一般の人びとは良いと思っているのでしょう。アイスランドは、世界で10本の指に入る物価の高い国ですが、人びとはそんなにお金を稼ぎません。問題はアイスランドが他の国と天然資源を共有しないことかもしれませんが、僕にはわかりません。

ビョークのニューアルバムが発売されましたが、ビョークはアイスランドでも特別人気があるのでしょうか? レイキャヴィックで素晴らしいバンドをたくさん見た後では、ビョークもアイスランドではごく普通なのではと思いました。

S:君はだいたい正しいと思います。ビョークは、ここではそこまで人気ではありません。ヨーロッパで人気がでるまで、彼女やシュガーキューブのことを誰も凄いと思っていませんでしたが、ここでは良くある話なのです。実際同じことは、オロフ・アーナルズやオーラヴル・アルナルズ、アウスゲイル、オブ・モンスターズ・アンド・メンに起こっています。いまでも、ここでは彼らのことを聞いている人はあまりいません。彼らは、アイスランド以外で人気があるのです。ビョークは、ここ何年かでアイスランドの顔になってきましたが、いまでも平均的なアイスランド人はそんなに彼女を聞かないし、聞くのは他の場所と同じように、アーティなオルタナティブ・キッズのみだと思っています。

P:アイスランド人は、もちろんビョークが好きですが、他の国ほど彼女に対して大騒ぎはしません。彼らは、彼女を地元ではなく、グローバルシーンにいる、一人のアイスランド人としてみています。彼女を尊敬し賞賛していますが、地元で活躍するアーティストの方に注目しているのではないでしょうか。

L:アイスランドはビョークが誰かは知っていますが、知名度はそこまで大きくはありません。僕のまわりの人たちはビョークの作品を高く評価し、素晴らしいアーティストだと思っています。しかし地元のメディアや僕のまわり以外は、そこまでではありません。一般的なアイスランド人は、ビョークが世界的にインパクトあるアーティストだと思っていないのではないでしょうか。

シンドラはアイスランドが大嫌い、ということですが、どこに住んでみたいなど、希望はあるのでしょうか。

S:いま、シアトルに引っ越そうと思っています。僕の妻がシアトル出身で素敵な都市だし、快適に暮らせると思うのです。

アイスランドの音楽に共通する特徴は何だと思いますか? 自然主義的なところはひとつあると思うのですが。

P:難しいですね。アイスランドの音楽は、他の国の同様に多種多様です。世界的に知られているとは思いませんが、アイスランドのラップ・シーンもあります。一般的に言って、アイスランドのポップ音楽はインディ・テイストに、ソフトロック、アコースティック、フォーキーな感覚が備わったものが多いと思います。Of Monsters And Menなんかは良い例です。

L:自分のまわりの自然、話す言葉の響きなど、人は自分の置かれた環境に影響を受けるので、それがアートにも表れるのでしょう。ある場所の、全ての音楽に共通点を見つけるの、難しいです。恵まれたことに、たくさん種類のアイスランド音楽がありますから。

アイスランドで好きなバンドを教えて下さい。彼らはコミュニティとして存在するのか、より独立しているのでしょうか?

P:お恥ずかしいことに、そんなにたくさん「いま」のアイスランドの音楽を聴いていないのですが、僕がアイスランドのミュージシャンで好きなのは、100,000 Naglbitar、とくにアルバム『Vögguvísir fyrir skugguprins』、Emiliana Torriniのアルバム『The Fisherman's Wife』、Ragnheiður Gröndalのモノならなんでも。彼女の声は素晴らしいです。『Rokk í Reykjavík』のサウンドトラックや、Mammút、友だちのシンドリも、とても良い作品を作ります。

L:すでにレコードを出しているアーティストなら、Múm, Sin Fang, Sóleyなど。新しい物なら、Mr. Silla のニュー・アルバムは楽しみです。今日はいつも素晴らしいと思う、スロウブロウというアイスランドの古い音楽を聞いていました。新しい物、古い物、どちらも良い物がたくさんあります。

Eccy - ele-king

どもです!エクシーです。

2月も半ばになりましたが、2014年のアルバムチャートを発表したいと思いますー!!

今年はCandleさんとFollow The White Rabbitというヒップホップユニットを組んだので、アルバム出します。その他もまだ発表出来ないプロジェクトなどもあるので、お楽しみに!

10 Best Albums Of 2014

愛国と狂気を見つめる - ele-king

アメリカン・スナイパー
監督 / クリント・イーストウッド
出演 / ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー 他
配給 / ワーナー・ブラザース映画
2014年 アメリカ
©2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2月21日(土)より、全国公開。

 『アメリカン・スナイパー』劇中、ある海兵の葬儀の場面では弔砲が鳴らされ、トランペットの高らかで悲壮な演奏が響く……日本に住んでいる僕たちでも、この儀式は知っている。なぜならば、何度もその場面をアメリカ映画のなかで目撃してきたからだ。そう、何度も何度も……そこで広がっていくアメリカ映画的としか言いようのない叙情。だけど僕たちは、どうして繰り返し兵隊たちの死を見届けているのだろう?

 イラク戦争で160人を射殺したクリス・カイルを取り上げ、予想を遥かに上回る大ヒットとなっているイーストウッドの新作は、「殺戮者を英雄視する、コンサバティヴな映画」との批判も受けつつ、まさにいまもっともコントラバーシャルな一本としてアメリカを揺らしている。立場的には共和党支持者である(実際は中道に近いとも言われるが)イーストウッドへの色眼鏡もあるのだろう、とくにリベラルを自認するメディアからは疑問の声も多い。オバマ政権の行き詰まりに際して、ブッシュ政権時の「英雄」を浮上させる試みなのではないか、と。
 しかし、たとえばキャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』(2008)を「戦意昂揚映画だ」とするひとがいたときも、自分にはどうも、そんなふうには思えなかった。戦時下のイラクの張り詰める死の匂いのなか、地雷処理という命懸けの作業に向かって行くジェレミー・レナーは大義もないままただ「処理」としての戦争に向かいつづけるアメリカの呪われた姿の化身にしか見えなかったのである。たしかにそこに立ち向かっていく兵士たちは勇壮にも見える。が、イラク戦争においてはそれがいったい何のための勇ましさか見えなくなっていたのは誰もが多かれ少なかれ気づいていたことで、だからそこには剥き出しの映画的反復のみが残っていたのだろう。『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーも自宅とイラクの戦場を往復するなかで壊れていくが、それでも戦地で遥か彼方の敵に銃を向ける。そうしないと生きる理由を見失う、とでも言うかのように。
 だからこれはイーストウッドが繰り返し描いてきた、トラウマを抱えた男の物語であるだろう。そしてその傷痕は、紛れもなくアメリカの歪みが生んだものである。『ミスティック・リバー』(2003)の頃には「良心的な」アメリカのリベラルたちは「この国にいるのが恥ずかしい」と言っていた。だが、ラストで償いようのない罪を背負うことになるショーン・ペンを思い返すとき、そこに横たわっていたのはイーストウッドからの「それを負え」という重々しい念のようなものだった……かつてひとを殺しまくっていたダーティハリーだけがあのとき、そのことを告げていたのだ。

 『世界にひとつのプレイブック』(2012)でも怒りをコントロールできなくなったブラッドリー・クーパーは、ここでは「レジェンド」と讃えられるいっぽうで精神に混乱をきたし、父であることも剥奪されている。強い父になることがアメリカのかつての理想だったとして、太平洋戦争における『父親たちの星条旗(Flags of Our Fathers)』(2006)、すなわち「父たちのアメリカ」と、イラク戦争における「アメリカの狙撃手」であることには大きな隔たりがあるようなのだ。彼を所有するのはあくまで国家であり、個人であることは後回しにされている。イーストウッドはこれまでも――とくに21世紀の作品において――二分される政治的立場を超える倫理的葛藤を問いつづけてきたが、舞台がイラクであることで、フィルム自体が混乱しているようにも見える。クリス・カイルは英雄か被害者か? ではなく、同時にそのどちらでもあることが起こってしまっている。
 映画ではクリス・カイルが志願したきっかけはテロのニュースを見たからだとされているが、そこで「国のために」と迷いなく宣言する姿を理解することが僕にはできない。しかし理屈ではない何か強烈にエモーショナルな迸りがそこにはあり、だとすれば、それは「政治的立場」なんてものよりも遥かに恐ろしいもののように思える。愛国という狂気の下で、クリス・カイルは英雄の自分と被害者の自分に引き裂かれていった。ただそのことが痛切だ。

フォックスキャッチャー
監督 / ベネット・ミラー
出演 / スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ 他
配給 / ロングライド
2014年 アメリカ
© MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2月14日(土)より、全国公開。

 ベネット・ミラー『フォックスキャッチャー』もそのような愛国の下で熟成される狂気を見つめる一本である。映画は財閥の御曹司がレスリングの金メダリストを殺害するまでを張り詰めた空気で映し出すが、スティーヴ・カレル演じる御曹司ジョン・デュポンは経済力によってチャニング・テイタム扮するレスリング選手の疑似的な父親になろうと試みているように見えなくもない。が、それはけっして達成されないまま、関与した人間たちの運命をひたすら狂わせていくことになる。
 それはデュポン自身の内面の問題であったからなのか、母親との確執のせいだったか映画では明示されないが、しかし「強いアメリカ」を標榜する彼の目は宙を泳いでいるようだ。それが「ありもしないもの」だったことが証明されたのがこの四半世紀ないしは半世紀だったとして(映画の舞台は30年前)……しかし彼らはなおも、諦められないのだろうか? 映画はそして、「USA!」の大歓声で幕を閉じる。

 愛国心にまつわる問題をアメリカ映画や、あるいはスプリングスティーンの作品などに見出してきたとき、ヘヴィなものだと認識はしつつもそれでも「よそのこと」だと感じていたのだと僕はいま認めざるを得ない。なぜなら、ここに来て日本に住む人間にとってもそれが急激に生々しいものとして立ち上がってきているからだ。「強い国家」「美しい国」が幻であると、うすうすそのことに気づいていたとしても、熱狂は止められないのだろうか? だとすれば、それはいったいどこに向かっているのだろうか?

 『アメリカン・スナイパー』のエンド・クレジット、そこで流れる映像にはただうなだれるしかなかった。それはたぶん、これからもその場面を繰り返し見なければならないという予感が的中しているからだろう。

『アメリカン・スナイパー』予告編

『フォックスキャッチャー』予告編

 1月末、NYでは「史上最大の暴風雪に見舞われる」との警報があり、住民をあたふたさせた。地下鉄などの交通機関が止まり、食料調達も十分(スーパーマーケットに入るのに長い行列!)「危険なので、家にから出ないように」など住民に呼びかけ、万全で暴風雪に備えた。が、結局、史上最大ではなく、よくある雪の1日で終わった。
 みんなが悶々していた暴風雪警報が出た月曜日の夜、ほとんどのショーがキャンセルの中で、勇敢にもショーを行ったのがゾラ・ジーサス(https://www.zolajesus.com)だ。予定より早めに行われたショーの途中で、彼女は「ついてきて」、トロンボーン・プレイヤーを率い会場の外に出て、1曲「Nail」をアカペラで歌いだすなど、雪ならではのパフォーマンスを披露した。車も通らない、ガランとした雪のストリートにこだまする彼女の声と、それをあたたかく見守るオーディンス。大停電や台風の時といい、ニューヨーカーは災難時でも、エンターテインメントの心を忘れない。因みに、彼女はウィスコンシン出身、雪には慣れたものだったのかもしれない。
https://www.brooklynvegan.com/archives/2015/01/zola_jesus_perf.html



 暴風雪騒ぎから1週間経った今日2月2日も雪は降っていて、外はマイナス10度の世界。雪が降ろうが槍が降ろうがイベントは普通にある。昨日2月1日はスーパーボウル、フットボールの決勝戦。個人的に興味ないが、周りが盛り上がっているので、いやでも目に入ってくる。行き着けのバーに行くと、この日だけは大きいスクリーンを出し、みんなが大画面でスーパーボウルを鑑賞している。お客さんはもちろん、店員も仕事そっちのけで画面を熱く見守っている。点を入れなくても、何か好プレイ珍プレイをするたびに、「おーー!!!」や「ノーーー!!」や、「ぎゃーーー」などの奇声が飛び交うので、ドリンクもうかうかオーダー出来ない。一緒に行った友だちは、接戦の最後の5分は「もう心配で心配でしかたない!!!」と、私の手をぎゅっと握り、自分の事のようにハラハラドキドキしていた。
 結果、ニューイングランドのペイトリオッツが勝利(10年ぶり)。ルールがわからない著者にも、周りの気迫で好ゲームだったことが伝わってくる。
 スーパーボウルで注目されるのは、ハーフ・タイムショー。過去に、マドンナ(w/M.I.A.,ニッキー・ミナージュ)、ビヨンセ(w/ディスティニー・チャイルド)、ブルノ・マーズ(w/レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)などが出演しているが、今年はケイティ・ペリーとレニー・クラヴィッツ、ミッシー・エリオット。旬なのか、古いのかわからないラインナップだった。
 そういえば、テロリスト(?)に揺すられ、公開中止になりかけた、問題の映画『インタビュー』のなかで、主役のセス・ローガン(役名アラン)が、北朝鮮の最高指導者の金正恩の戦車に乗った時に、流れてきた曲を聴いて一言「あんた、ケイティ・ペリー聞いてるの?」。著者は、それで初めてケイティ・ペリーを知った。それだけ、彼女が「いま」の大衆音楽を表している。ハーフタイム・ショーの彼女も見事だった。レニー・クラヴィッツもミッシー・エリオットも貫禄抜群だったが、今年の顔はケイティ・ペリーで万場一致。

 ケイティ・ペリーは、メイクやポップなファッションが特徴で、一見今の時代どこにでもいるような女の子。歌がこの上なくうまいとか、ダンスが飛び抜けて上手とかではなく、格好を付けようとせず、素で勝負しているところが、同世代からの共感をかっているのだろう。下積みも長く、所詮ポップスなのだから流通しないと意味がないと、堂に入ったあきらめ感もあるし、彼女のキャラクターや世界観は、見る人を素直にハッピーにさせてくれる。プライヴェートもさらけ出し、ポップスターにも悩みはあるのよと、オーディエンスに近い感覚が現代のスーパースターのあり方なのだ。
 楽曲も親しみやすく耳に残り、カラオケに行ったらみんながシンガロングで歌いたくなるつぼを抑えている。ハーフタイムショーの1曲目に演奏した「ロアー」は聴いているとヴォリュームを上げたくなってしまう。映画で流れた「ファイア・ワークス」も、ヘリコプターを爆破するシーンに使われたが、周りの雰囲気を壊すことなく、シーンにぴったりとはまっていた。実際、彼女の曲は人の生活のなかに入って来ても邪魔しない。そこが現代的で彼女が支持されている理由なのだろう。

 ファイア・ワークスと言えば、スーパーボウルの1日前の1月31日に、ウィリアムスバーグの北の川沿いで大規模な火災があった。N11とケントアベニューの4F建ての貯蔵施設シティ・ストレッジから発炎し、200人以上の消防士が出動し、寒い中消火にあたった(制服に氷柱がしたたっていた)。一駅離れた著者の家の周りさえも灰が飛んできたり、こげた臭いが充満し、窓を開けることが出来ない。周辺の住人お店やレストランは、避難したり休店したり、暴風雪よりも大きい被害を被っている。完全鎮火には1週間ほどかかる見込みだそうだ。ドミノ・シュガー・ビルディングなど周辺ビル/コンドミニアムの契約書類が保管されていたのだが、無残にも焼かれてしまった。ここは、デス・バイ・オーディオやグラスランズなどの音楽会場を閉店に追いやった、ヴァイス・オフィスの真近くでもある。実はあまり報道されていないが同じ頃、グリーン・ポイントでも火災があったのだが、このふたつの火災の関係は? ウィリアムバーグの家賃高騰に対する嫌がらせだと言う噂も飛び交っているのだけれど……。

 スーパーボウルの日、誰もが家でピザやバッファローウィングを食べながらテレビを見ると思われたが、著者がスタジオをシェアしているバンドは「今日ショーがあるんだ」と雪のなか揚々と出て行った。雪+スーパーボウルという悪条件で「人は来るの~?」と思われたが、「友だちがたくさん来てくれた」とご機嫌に話してくれた。彼らは20代前半で、「スーパーボウルなんて、ピザしか食べない年寄りの見る物」と思っているらしい。
 彼らが演奏したのは、トラッシュ・バーという、ウィリアムスバーグの音楽会場。こちらも他の会場と同じく、リースが継続できず(家賃が4倍(!)になると言われたらしい)、3月の閉店が決まった。閉店後は、ブッシュウィックに移る予定らしいが、既にブッシュウィックはヒップスターの聖地、どうなることやら。
 また、元ウィリアムスバーグにあったガラパゴスという音楽会場は、ダンボで数年営業した後、来年ニューヨークを飛び出し、デトロイトに移ることを決めた。NYの小さなアパートメントと同じ値段で、デトロイトでは10,000スクエアフィートの湖つきの会場が手に入るらしい。ガラパゴスはウィリアムスバーグ時代は、ガラス張りの外から見える会場にある湖がトレードマークだった。ダンボに移った時点で、会場に湖なんて夢のまた夢と忘れられていたが、デトロイトで初心に戻るのだろう。ゴーストタウンと言われるデトロイトだが、そろそろ移住してもいいかもと思えるようになったのは新たな希望だ。アメリカの地方都市がこれからなるべき姿なのかもしれない。もちろんいまもNYは特別で、人が集まりたい場所であることは否定できない。が、ウィリアムスバーグの家賃問題は深刻極まりないし、火事も起こる(!)。地価問題と戦いながら、バンドは残されたところで演奏して行く。露出されなければ意味がないが、転がっているチャンスを、掴むことも可能な場所だから……。

スーパーボウル
https://www.nfl.com/superbowl/49
https://www.billboard.com/articles/events/super-bowl-2015/6458199/katy-perry-super-bowl-xlix-halftime-show-review

ウィリアムバーグの火事
https://bedfordandbowery.com/2015/01/photos-six-alarm-fire-on-williamsburg-waterfront/
https://bedfordandbowery.com/2015/02/photos-epic-warehouse-fire-enters-day-2-in-williamsburg/

トラッシュバー
https://www.thetrashbar.com

ガラパゴス
https://www.galapagosartspace.com

スワンズ/Swans - ele-king

 私は島崎藤村『破戒』の丑松のように机に手をついて告白したい気持ちに駆られている。
 わかっていなかったのだ。
 「新生スワンズ」なる文句を書きつけたのも一度や二度ではなかった。私自身、そのことばを納得して書いていたつもりだったし、あろうことか前回の二十数年ぶりの再来日公演を観てまでそんなことをいっていた気もするが、マイケル・ジラがスワンズのめざす音がどんなものか、今回のライヴを観るまでたぶん腑におちていなかった。情報はときに目を曇らせる。曇るといえば、ジラは前回のインタヴューで新作『To Be Kind』を「音の雲」に喩えていた。時々刻々変化する音の態様をジラは雲と呼び、私はその意味を忖度しながらも、まるで土手に寝転んだ父親が息子に空を指して、「ほらご覧、あの雲スワンズみたいだね」というように、ある種の形状を指してスワンズだと、つまり変化よりは不動性が主眼だった。ノーウェイヴ、インダストリアルないしはオルタナティヴの大立て者たるかつてのスワンズの陰々滅々たる音像の残像にひっぱられていたわけだが、それさえ本来は反復のもたらす変化をさしていたというのに。不思議である。もっとも当時といまでは反復の質はちがう。鈍重さはそのままに、ジャンクからロックへ鈍重の原料が変わった。ロックのコンボ・スタイルにペダル・スチール、ハンマー・ダルシマーやヴァイオリンといった各種小物を加えた編成の合奏からは濁りは濾過され音響はクリーンになりその分音量は倍加した、しかし耳を聾する音の壁ではない。舞台上のオレンジ・アンプの壁からPAを経由してO-EAST場内をみたす音はそれはそれはたいそうでかく、バースペースでグラスを傾けて小粋な会話を楽しむどころではなかった。しかしながら音の壁というより粗い目に織りあげた膜を幾重にも重ねたようにブ厚いそれの通気性は高い。この感じは前回公演にはなかった。いや私が気づかなかっただけなのかもしれない。前回と会場がちがったからハタと膝を打った。収容人数もちがえば(前回は400人の限定だった)天上も高い分、音の粗密がわかりやすい。もちろんエンジニアの腕にもよるのだろう。スワンズが『To Be Kind』以降、数枚のライヴ盤を出しているのはジラはスワンズのライヴ音響にひとつの完成をみた、と考えたのは『To Be Kind』所収の「A Little God In My Hands」のようなリズム隊とギター群がユニゾンしない曲のときで、ベースとドラムの刻む硬質のリフにつづき、ジラが悩ましげにワンコーラス歌い終えるとギター、ペダル・スチール、パーカッションがいっせいに雪崩れこむ。音は膨れあがり、場内を埋めつくしたお客さんの間を浸していくのだけれども、耳の焦点を変えながら音の階層を降りていくと、轟音の底でさきほどのリフレインが定期的に脈打つのがわかる。音が迫り来る。しかしほとんど解放的である。まったく自由である。しかしこれはフリージャズやフリーミュージックといったときの音楽の自由ではない。かつてケージがブランカの音楽に嗅ぎとった(といわれる)ファシズムの匂い、それを構造への意思と読み換えれば、ロックの形式を崩さないスワンズはブランカの側に立つ(歴史的にも音楽的にも)がしかし、一拍ごと一音ごとにたちあがる音はその前の音とまったくちがい新しい。ケージをアナーキーとみなすとき、そこに不確定の動態の謂いをこめているのだとしたらブランカのそれもまた静的な動態であり、逆に記号化し流通するアナーキーにこそダイナミズムは宿らない。ケージやベイリーは注意深くそれを回避し、ジラは彼らと同じ場所へ逆方向からにじりよる。建築の美を「凍った音楽」になぞらえることは音楽の反復不可能性の美を捨象しているがゆえに音楽は構造のみに収斂するものではない。

 むくつけき野郎どもが六人、舞台中央でうごめくさまは存分に威容だった。「荒野の六人」というよりペキンパー的な視角的要素ともあいまって、ノイズの配分はむかしよりすくないのにますます野卑に音はなってくる。むろんむかしのほうがもっとノイジーだった。アーバンでもあった、というと異論はあるだろうが、『Swans Are Dead』(1998年)で一度死ぬ前のスワンズが都市の喧噪を体現していたように、いまの彼らの体現するものを米国の広大な非都市部、もっといえばそれは自然だといってみるとそれは新生スワンズをスピリチュアルだといっているようにみえるかもしれないがそうではない。なにせジラは以前のインタヴューで新生スワンズの宗教性について訊ねた私の質問を言下に否定した――が、2010年以降の『My Father Will Guide Me Up A Rope To The Sky』や『The Seer』それに〈Young God〉なるレーベル名にいたるまで宗教性は微塵もないとでもいうのだろうか。もちろんインタヴューですべてをさらけださなければならない法はないし、それはとてもナイーヴなことだ。ジラは誤解を招くのをおそれたのかもしれないが、百歩譲ってそこには宗教的ニュアンスはないとしてもそれはあたかもコーマック・マッカーシーが『越境』でカラマーゾフの大審問官を借り受け、メキシコの辺境の教会に隠遁した人物に語らせたような不在のなにかに対する否定/神学ではあっただろう。そう考えると舞台の上の六人はペキンパーより『ブラッド・メリディアン』のインディアンの頭皮狩り隊のほうが似つかわしい。そしてマッカーシーが国境の南を失われたアメリカというより架空の無法地帯とみなしつづけたように、ジラはアメリカーナにルーツではなくアナーキーをみていた。それはノスタルジーとは無縁の世界であり、彼はデベンドラ・バンハートやアクロン/ファミリーの背後にすでにその光景をみていたのかもしれない。と思い、舞台中央のジラに目を向けると、ギターをさげたまま彼は両手をあげ、音を操るように手首をくねらせる。奄美で六調と呼ばれ沖縄ではカチャーシーというフリースタイル・ダンスの手の動きとよく似た動きである。それによくみるとジラは私の島の実家の裏に住むオバさんにどことなく似ている。ジラの身ぶりにしたがい音は巨大化する。そしてさらにうねりを増す。もし私に息子がいようものなら、渋谷円山町に突如湧きあがった目にはみえない音の雲を指してこういっていたことだろう。
 「ほらご覧、あれがスワンズだよ」(了)

C.R.A.C. - ele-king

 このところ安部政権の好戦的な態度ばかりを見せつけられているせいか、戦意も失せるふぬけた音楽とユーモア(ないしは平和的エスニック・ジョーク)に飢えている編集部に、代官山ユニットから熱いメールが……。
 以下、そのメールです。

2015年、東京に全く新しいパーティーが誕生する。

伝説のCLUB VENUSのオーガナイザー久保憲司、そしてShufflemasterとTASAKAという2人のDJたち。
彼らの共通点は、2013年以来東京の路上を侵食しようとした極右排外主義デモに対抗してきた対レイシスト行動集団、C.R.A.C.(Counter-Racist Action Collective)のメンバーだということだった。

デザイナー、写真家、ライター、ミュージシャン、アーティスト、建築家、など多岐にわたる才能を内包し、東京の路上文化に多大な影響を及ぼしてきたC.R.A.C.が、満を持してパーティ”CLUB CRAC”をオーガナイズする。

レジデントはDJ Shufflemaster、DJ TASAKA、そしてDJ NOBUの3人。第1回のゲストにはECD+ILLICIT TSUBOI、MC JOE、ATS、AKURYOといったヒップホップ勢に加え、東京ハードコア・シーンからはPAYBACK BOYSが盟友BUSHMINDと共に参戦。さらに狂気のノイズ・アーキテクトENDON、スクリューのAIWABEATZ、そしてC.R.A.C.のメンバーでロゴのデザイナーでもあるDJ=1-Drink(ex.キミドリ/ILLDOZER/JAYPEG)が、真夜中のUNITを反ファシスト闘争の最前線へと変える。

ビジュアル面では、最近ではほとんどVJパフォーマンスをやらないDOMMUNEの宇川直宏がC.R.A.C.のために重い腰を上げるほか、The RKP(a.k.a. rokapenis)、映画『堀川中立売』の監督・柴田剛など強力すぎる面々が、音楽、文化、政治、そして路上の思想が交錯する未曾有のパーティ体験をもたらしてくれるだろう。

あいつらが論文を書いていたとき、俺たちはピットでモッシュし、フロアでダンスしていた。ナイトクラブで培われた身体の知性が、2月7日、代官山UNITに結集する。

Strictly Antifascist.
Music is The Weapon of The Future.


CLUB CRAC

DATE & TIME: Feb 7th (sat), 2015
DOOR OPENS at: 23:00
VENUE: UNIT (https://www.unit-tokyo.com)
FEE: 2000 yen in adv / 2000 yen with Flyer / 2500 yen at door / 3800 yen with T-shirt
TICKET: https://peatix.com/event/68703(通常前売)
       https://peatix.com/event/69652(Tシャツつき/1月19日発売)

LIVE PERFORMANCES:
 ECD+ILLICIT TSUBOI
 PAYBACK BOYS
 ENDON
 MC JOE
 C.R.A.C. (ATS, AKURYO, G.R.)

DJs:
 DJ NOBU
 BUSHMIND
 DJ Shufflemaster
 DJ TASAKA
 1-Drink
 AIWABEATZ

VJs:
 Ukawa Naohiro from DOMMUNE
 The RKP a.k.a. Rokapenis
 Shibata Go

FOOD:
 True Parrot Feeding Service

https://crac.club


The Best 5 Reissue 2014 - ele-king

01 Lewis Baloue / Romantic Times / Light In The Attic


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 アメリカでは近年、プライヴェート・プレス(いわゆる私家版)の発掘が進んでいる。文字通り、商業的な流通には乗せず、「仲間内に配って終わり」みたいなやつで、アンビエント・ミュージックだとそれらをまとめた『アイム・ア・センター』が決定的だったりする。そのようなプライヴェート・プレスには、当然、どんなものがあるのか想像もつかなかったりするわけで、昨年、最も話題を集めたのがルイス『ラムール』の再発だった。同作はカナダの大富豪が恋人のために1983年に吹き込んだアシッド・フォークというかなんというかで、これが2013年にEベイでいきなり20万円近くで落札され、それを受けてフリー・デザインやベティ・デイヴィスの再発を手掛けてきたシアトルの〈ライト・イン・ジ・アティック〉が正式に再発。簡単にいえば、あまりの音痴に世界は笑いの渦に巻き込まれた。そして、それで終わりかと思ったら、ルイスには2作目があり、『ロマンティック・タイム』(85)はシンセ-ポップにサウンドも様変わり。またしても切々と歌いかけるトーンには笑いが止まらなかった。後半でちょっと歌が上手くなる曲があって、その時だけ少し白けるものの、全体として見れば、世界を少しばかり平和な気分にしてくれたことは確かでしょう。この騒ぎのさなか、ルイス本人もイタリアの避暑地にいるところを発見され、再発されたレコードを手渡されたらしいのだけど、本人からは「で?」という返事が返ってきただけだったとか。(オリジナルは83年)

02 Tom Dissevelt / Fantasy In Orbit / Sonitron


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 実は『テクノ・ディフィニティヴ』のオープニングにしたかったオランダのパイオニア的シンセサイザー奏者(2年前にはキッド・バルタンとのジョイント・アルバム『ソングス・オブ・ザ・セカンド・ムーン』しか再発されていなかった)。『セカンド・ムーン』がまさにそうだけど、随所にエイフェックス・ツインを思わせる面があり、裏を返していえば、エイフェックス・ツインにはこの種の音楽がまだ黎明期に表現していた「驚き」を表現する素朴さが備わっているとも言える。ミュージック・コンクレートにありがちな生硬さもなく、時期的にまだニュー・エイジのようなスピリチュアリズムに陥るわけでもなく、単純にスペース・エイジの電子版をつくりあげている。インドネシアに演奏旅行に行き、現地で出会った歌姫と結婚し、シュトックハウゼンに興味を持って電子音楽に乗り換え…という彼の人生を映画化して欲しいかも。(オリジナルは63年)。

03 / Psychedelic Sanza 1982 - 1984 / Born Bad Records(Beans)


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 2011年に編集盤『アフリカン・エレクトロニック・ミュージック 1975-1982』が話題を呼んだカメルーンのギタリストによるサンザ(親指ピアノ)の演奏を集めた『アフリカ・サンザ』(82)と『アクワアバ:ミュージック・フォー・サンザ』(84)をパックした2枚組。サンザだけでメディテイティヴな空間を創出したり、ベースを加えてダンサブルな曲調を展開したり。同じカメルーンのマヌ・ディバンゴがエレクトロに走った時期だけにその差が際立つというか、ローカルに徹したことで現在に再生する余地があったという感覚はそれだけで示唆的。「サイデリック」というより「アトモスフェリック」ではないかと。

04 Berto Pisano, Jacques Chaumont / Kill ! / The Omni Recording Corporation


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 イタリア映画のOST盤。どんな映画かぜんぜんわかりませんけど(ジーン・セバーグの遺作らしい)、初期のカーティス・メイフィールドに憂いを含ませたようなスパイ音楽と甘く切ないストリングスのヴァリエイションがたまらない(菊池俊輔作曲『非情のライセンス』っぽいという か)。最後でいきなりドロス・トロイが歌い出す。(オリジナルは72年)。

05 The Topics / Wanted Live! By A Million Girls / Jazzman(P-Vine)


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 国内盤のライナーノーツを読むと、同じモダン・ソウルで同じ時期に同じ名前のグループが存在し、そちらの方が有名らしい。そこまで詳しくはないので、単純にこれだけを聴くと、それこそシティ・ポップスの元ネタみたいなサウンドがぎっしり。マインドデザイン(Mndsgn)が去年、アップしたミックスを聴くと、D/P/Iにジェリー・ペイパー(新)やシャラマー(旧)に混じって佐藤博や間宮貴子の曲もミックスされていて、70年代をどう聴くかということではもう同じなんだなーということがよくわかる。(オリジナルは78年)。

*次点でペレス・プラドーと名前が同じ弟によるイタリアン・ファンクの『ラヴ・チャイルド』(73)かな。レシデンツの5枚組とかウイリアム・オニバーの9枚組は面白そうだけど、さすがに外しました。

Bob Marley - ele-king

 ele-king booksでは、2月6日、ボブ・マーリーの生誕70周年(彼は1945年2月6日生まれ)を祝して、藤田正と菅原光博による評伝+写真の本を刊行します。
 1979年の伝説の来日時の写真をはじめ、70年代のジャマイカ現地の写真ほか、マーリーの生きた時代の空気がいっぱい詰まった写真が満載です。とくにドキュメンタリータッチで展開する来日時の写真は迫力満点で、ボブの息づかいすら伝わってきます。ドライ&ヘビーが影響を受けたジャマイカ最強のリズム隊、バレット兄弟もばっちり掲載しています。
 そして、藤田正による評伝「ボブ・マーリーの一生」は、レゲエ黎明期からその音楽を追い続けたジャーナリストにしか書けないであろう、精密でありながら強い気持ちのこもった素晴らしい文章です。ボブ・マーリーは、私たちがつねに立ち返らなければならない大きなアーティストのひとりですが、もうすっかり知っていた気になっている人も、この評伝を読めば、あらためその大きさに感情が揺さぶられると思います。
 ぜひ、書店、CDショップでみかけたら、手にとって見て下さい。

菅原光博
写真家。1949年生まれ。北海道上川郡愛別町出身。60年代の中学生の頃からラジオでソウルやビートルズ等を聴き始め、その後モダン・ジャズに傾倒。72年3月にジャズ・カメラマンの夢を抱いてヒッチハイクで上京した。以後40数年間、『スイングジャーナル』『ミュージック・マガジン』などを中心にソウル~ブルース~レゲエ~ブラジル~アフリカン~ワールド・ミュージックを撮り続ける。

藤田正
評論家、プロデューサー。1953年生まれ。富山県出身。明治大学在学中から月刊『ミュージック・マガジン』編集部に在籍しカリブ海ほか世界の黒人系音楽、日本の伝統音楽などを担当した。著書に『竹田の子守唄 名作に隠された真実』など。編纂CD多数。近著に『ブルースの百年』。NPO法人・日本子守唄協会理事。


藤田正 (著), 菅原光博 (写真)
ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド

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■『ボブ・マーリーよみがえるレゲエ・レジェンド』発売記念展

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。収録された菅原光博氏の写真の展示のほか、ボブ・マーリーを敬愛する作家によるトリビュート作品を展示致します。

参加作家:安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

2015年1月31日(土)~2月15日(日) 月曜休み
@ビリケンギャラリー
〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
TEL.03-3400-2214 FAX.03-3400-2478
https://www.billiken-shokai.co.jp
OPEN 12~19時 月曜休


 世界でもっともユニークなレコード店のひとつ、世界でもっとアンチ・ハイプなレコード店のひとつ、東京のロスアプソンが20周年を迎える。その祝祭(宴会?)のため、我らがコンピューマをはじめ、多くのDJやアーティストが花を添える。スペシャル&豪華なメンツが揃っています。ちなみにフライヤーは五木田智央、そのデザインは、紙エレキングの若きADの鈴木聖。リキッドルームに集合して、酒飲んで踊って、寒さなんか吹っ飛ばしましょう(なんて……)。

 バブルも弾け、大震災を経験し、不況の真っ直中をサーフ続行中のレコード屋、ロス・アプソンが20周年を迎えました。西新宿から幡ヶ谷へと移転し、新奇一転?フレッシュなバイブスを発見/発掘するべく躍起となり、未開の音楽をディグり楽しみ奔走してきた20年……って、んなもん最初から気持ちは何も変わっていないのですよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ということで、やっちゃいます!(唐突だなぁ……)黄金狂乱突破イベント「GOLD DAMAGE」の10周年復活祭!!!!!!!!!! そんでもってタッグを組むのは、リキッドロフトの名物イベント「COMPUMA 7HOURS LOFT」の主で旧友、DJコンピューマ!正に鬼に金(魔羅)棒の境地であります。突破ファイティングなライブ&DJ陣をバッチリ配置し、サンフランシスコ・アンダーグラウンドからは電子妖怪!?ラバー・オー・セメントを呼んだり、伝説のラジカセ屋TURBO SONICがドドドーン!とラジカセサウンドシステムを積んだり、そこでROBO宙さんがMCったり、PA担当はDOMMUNEのPAもやったりしているNancyだったり、トビトビ・レーザーライティングのYAMACHANGがいたり、美味しいフードを充実させたり、充実のラインナップで前売券はこのお値段だったり、さらに前売券購入者特典もあり(詳しくは○○○をみてね)で、まさにお得! 当日入場者にもゴルダメ・ステッカー付き!…というようなモリモリ盛りだくさんなあれこれを、2015年初頭の恵比寿リキッドルーム1階にて、あの頃のプリンス様よろしく“Let's Go Crazy”にブチ上げる所存ですっ!!!!!!!!!! は、は、這ってでも遊びに来てねぇ~~~~~~~~~~。
(山辺圭司/LOS APSON?)

LIVE:
INCAPACITANTS
RUBBER O CEMENT (from San Francisco) feat. 宇川直宏 (DOMMUNE)
KIRIHITO feat. 中原昌也 (HAIR STYLISTICS)
KEN2D SPECIAL SPECIAL
DOWNSHOT RIG[田我流 & KILLER-BONG]
藤井洋平 with Mr.MELODY & KASHIF

DJ:
DJ NOBU (FUTURE TERROR / Bitta)
HIKARU (BLAST HEAD)
BING (HE?XION! TAPES)
1-DRINK
Shhhhh
Q a.k.a. INSIDEMAN (GRASSROOTS)
DJ 2741
LIL' MOFO
威力

GOLD DAMAGE Deejay's: ヤマベケイジ/五木田智央/COMPUMA

MC: ROBO宙

FOOD: なるきよ/虎子食堂/南風食堂
SOUND SYSTEM (1F LOUNGE): TURBO SONIC ラジカセSOUND SYSTEM
PA: Nancy
LIGHTING: YAMACHANG

ARTWORK: 五木田智央/鈴木聖

2015.1.30 friday night
at LIQUIDROOM
open/start 23:59
adv (12.13 on sale!!!)* 2,500yen
door 3,500yen (with flyer 3,000yen)

*チケットぴあ[Pコード:250-935]/ローソンチケット[Lコード:74492]/e+/ディスクユニオン(渋谷CLUB MUSIC SHOP/新宿CLUB MUSIC SHOP/下北沢CLUB MUSIC SHOP/吉祥寺店)/JET SET TOKYO/Lighthouse Records/LOS APSON?/TECHNIQUE/虎子食堂/LIQUIDROOM

前売券購入者には特典としてMIX CD「How To GOLD DAMAGE」をプレゼント!特典は会場にて当日お渡し致します。

MIX CD「How To GOLD DAMAGE」とは…
2004年にごく少数配布販売された、GOLD DAMAGEレジデントDJのヤマベケイジ/DJ卍(五木田智央)/コンピューマの3人に、BLAST HEADのHIKARUを加えた4人による、リレー方式のハウ・トゥ・ゴルダメな幻のミックス!10年ぶりに復活します!

※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参ください。
*You must be 20 and over with photo ID.

info
LIQUIDROOM
03-5464-0800
https://www.liquidroom.net/

more info
LOS APSON?
03-6276-2508
https://www.losapson.net/


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