「iLL」と一致するもの

Chart by JET SET 2011.12.28 - ele-king

Shop Chart


1

MUNGOLIAN JETSET

MUNGOLIAN JETSET SCHLUNGS »COMMENT GET MUSIC
大反響に終わった"Smalltown Supersound Japan Tour 2011"では、フロアに渦巻く宇宙を構築した圧巻のライブ・セットも最高だったノルウェー・ディスコ・シーンの重鎮、Mungolian Jetsetによる1stオリジナル・アルバム。待望のアナログ盤が到着です!

2

WELCOME BACK TO THE UNDERGROUND

WELCOME BACK TO THE UNDERGROUND WBTTU ANTHEMS »COMMENT GET MUSIC
デトロイト・ハウス調のスモーキーかつエッジーなミニマルハウス・ツールのA面2作品に加え、St. Echo Mixの爆発的ヒットでも御馴染みとなったAfrican Head Charge "Stebeni's Theme"ネタのミニマルハウス・エディットB-1、大名盤「Perfect Angel」の翌年'75年にリリースされたMinnie Riperton傑作アルバム表題作"Adventures In Paradise"をスローモー・ディスコ化したB-2と、4作品いずれもDJ/フロア・ライクに仕立てられたブラックネス・トラックス。見逃せない一枚です。

3

LINKWOOD

LINKWOOD SECRET VALUE »COMMENT GET MUSIC
Vakulaによる3作連続のリリースに続く"Shevchenko"新作4番は、本家"Firecracker"オーナーによる珠玉のディープ・ナンバー3作品。クリアヴァイナル/重量盤にて限定リリース!!

4

DJ JUS-ED

DJ JUS-ED VISION DANCE »COMMENT GET MUSIC
USアンダーグラウンドシーンの重役、DJ Jus-EdによるMule Electronicからの2011年発世界デビュー・アルバム"Vision Dance"。自身が運営する"Underground Quality"から8楽曲を抜粋したファン待望となるアナログ2枚組(クリア・ブルーヴァイナル仕様)がリリース。

5

OLIVIER DAY SOUL & KRYSTAL KLEAR

OLIVIER DAY SOUL & KRYSTAL KLEAR NEVER THOUGHT YOU WOULD GO »COMMENT GET MUSIC
『Tried For You Love』が各所で絶賛のアイルランド新鋭Krystal Klearと、ワシントンDCのソウル・スターことOlivier Day Soulがまさかのタッグ! 美麗な音色とボーカルに骨抜きにされます!

6

MURO

MURO DIGGIN' HEAT WINTER FLAVOR 2011 »COMMENT GET MUSIC
過去の名作タイトルが続々とリマスター化されコンパイルされたかと思いきや、何と! ファン念願のシリーズ新録ミックスが登場です!

7

CMT

CMT OMA »COMMENT GET MUSIC
チル・アウト色強めの前作『ZONAZONA』から相反する本作はDJ、CMTの真骨頂ともいえるエグいくらい強力なグルーヴを携えた60分強のミックスを収録。

8

5LACK

5LACK BLACKSMOKECAR »COMMENT GET MUSIC
スムースでメロウな選曲はナイト・クルーズを促進させ、夜霧のような煙を纏いながらアスファルトの上を流れる。都市生活者のためのサウンドトラック。

9

STUPID HUMAN

STUPID HUMAN STAR IN THE GHETTO / SOMETHING SPECIAL »COMMENT GET MUSIC
Bill Brewster(DJ History.com)、DJ Cosmo等が絶賛した前3作もカルト・ヒット。大好評を博したUKからの新たなるリエディット達人、Stupid Humanによる待望の新作4番が到着。

10

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN EDITS VOL.6 »COMMENT GET MUSIC
好感のネタ捌きとフロア・ライクなエディットで毎リリースが爆発的ヒットを記録している、イスタンブールのOnur Enginによるセルフ・レーベル第6弾。山下○郎ネタの前作5番、"Summer Madness"ネタのG.A.M.M.新作に続くグレイテスト・リエディット3楽曲収録!!

vol.25:リー・ラナルドは青春ロック! - ele-king

リー・ラナルド(ソニック・ユース)、レ・ボン・オム(ディアフーフ、元レイナーマリア)、コ・ラ(エクスタティック・サンシャイン)@グラスランズ 12/16(金)
Lee ranaldo(sonic youth), les bonhommes(mem of deer hoof, Rainer Maria), co la (ex. Ecstatic sunshine) @ Glasslands dec.16 (fri)

 〈グラスランズ〉はアートスペースかつ音楽会場。ポップ・ガン(ブッキング・エージェント)のホリディ・パーティが前日にあり、次の日、ジョナサン・トウビィンのベネフィット・ショー(ポートランドのホテルで信じられない事故が起こった=詳しくは→https://www.brooklynvegan.com/)。
 とにかくこの時期の〈グラスランズ〉はイヴェントが目白押しだ。この2日に挟まれた金曜日12月16日にはソニック・ユースのギタリストとして知られるリー・ラナルドのショーがあった()。同日、やや北の広い敷地内で開催される〈ブルックリン・バザー〉にてLCDサウンドシステムやクリスタル・アークのショーがあったり、隣の〈285 kent〉でダンス・パーティがあったり、人は分かれたようだが、〈グラスランズ〉は人でいっぱいだった。
 Co -aを見逃してしまい(残念!)、次は、グレッグ(ディア・フーフ)とビル(元レイナー・マリア、プロサイクス)の新しいバンド、Les Bonhommes(=人間という意味。以前はOut Fighting。www.outfighting.com)だった。グレッグがギター/ヴォーカル、ビルがドラム、そしてベースのトリオ。ローファイでパンクで、ちょいスカスカ系。グレッグがやると全部スカスカなんだけど。
 曲の半分ぐらいには歌詞がない。「アー」とか、「I will meet you」とか。メンバーのノリもまだぎこちないけど、それぞれの個性が合わさって、パンチあるケミストリーが生まれている。個人個人がしっかりしていると,何をやっても形になる。グレッグは緑のTシャツ、緑のスニーカー、スカイブルーのパンツ、ストライプの靴下とカラフルな出で立ち。対するビルは全身真っ黒。前のバンドでもそうだったので、これが彼の普段着なんだろうけど、髪型も以前とまったく一緒。ベース・プレイヤーは、何処かのバンドで見たことがある、デロン・プーレィ。何だか運動会を応援している気分になった。
 それからしばらくして、リー・ラナルドが登場。サーストンのソロ・ライヴは良く見ているが、リーははじめて。サーストンのソロもそうだが、エクスペリメンタル、ノイズなイメージがあったのだが、この日はチープ・トリックやソニック・ユースなど、少年的なギターリフが特徴的な、少し青春、甘くノイジーなロックンロールな演奏を披露した。メンバーはソニック・ユースのドラマーのスティーヴ・シェリー、ギターにトニックなどでプレイしていたアラン・リーチ、ベースは名前は知らないが、ベーシストな感じの男性、そしてリーがギター/ヴォーカル。みんなおじさんだが、プレイするのは甘い青春ロックンロールで、なんだか微笑ましかった。ハング・アップスをもっとロックにした感じ。演奏は凄腕。
 歌っているリーを見ていて誰かに似ているな......と思っていたら、ナダ・サーフのボーカル! 歌の雰囲気といい、格好といい(チェックのシャツ)、髪型といい、彼(マシュー)が少し年をとったらこうなるのだろう。曲ごとに、6本のエレキ・ギターを持ち替えていた。プラス、ギターと同じ色のペダルなど意外にこだわり屋なのかしら。
 観客はドレッドのお兄さんやハイヒールにドレスのお姉さん、アランがプレイしているからか、ノイズ・エクスペリメンタル系の人たちなど、普段のインディ・ショーにいなさげな人たち(年齢層高め)が目立った。バンドに共感できる幅広い年齢層が多く集まり、バンドが期待していることを与えてくれる。だから、これだけ人が集まったのだろう。
 
※サーストン・ムーアとキム・ゴードンの離婚で解散が言われているソニック・ユースだが、まだ公式の解散宣言はしていない。が、解散を思ってきているオーディエンスも少なくなかった。ただ、リー自身は今後のソニック・ユースを楽観的に見ていると言っている。

Chart by UNION 2011.12.21 - ele-king

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1

CV313

CV313 Standing Still ECHOSPACE / US / »COMMENT GET MUSIC
echospace[detroit]から、ROD MODEL(Deepchord) & STEVEN HITCHELL(Intrusion/Soultek)のユニット・CV313のニューアルバム『Dimensionalspace』のリリースに先駆けてのアナログカット。徹底的にロウを攻めるAサイド"Standing Still"、ダブ・アンビエント系のセミ・ノンビートトラックのBサイドと、旋回しながら音色をジワジワと変化させていくシンセと鋭いリフ、ダビーに鳴り響くベースラインの絡みが見事な、深い音世界。ゆったりとフロアメイクする浅い時間はもちろん、フロアユースなトラックに合わせロングプレイで重ねることで無限大のエッセンスを注ぐパーツへと変貌を遂げるドローン・キラー!

2

OMAR S & KAI ALCE

OMAR S & KAI ALCE Jive Time (Unreleased Beats) NDATL MUZIK / US / »COMMENT GET MUSIC
FXHEからリリースされ話題をさらったOMAR S + KAI ALCEによるシングル"Jive Time"から、ビートを抜き出し新たにアレンジを加えたスペシャルな限定7"が登場! シカゴハウスの流れを汲むボックストラックにクラップ、ドープなキー&カウベルのシンプルな構成。コードが無いのでどのようなトラックにミックスさせても十分な溜め~インタールードとして効果絶大!トラックの骨格を剥き出しにしたロウでディープな質感がたまりません!

3

CMT

CMT Oma SBM RECORDINGS / JPN / »COMMENT GET MUSIC
様々な場所、時代、そしてジャンルを超え一つの物語を紡いだチルアウトMIX "ZONAZONA"、イーブンキックグルーヴの狭間に零れ落ちた異形のダブステップ、エレクトロニカをクールに展開し、玄人筋に絶大な支持を得たスペー スドアウト・ミニマルミックス"HIELO"以来、CMT 2011年最後のリリースとなるピュア・テクノMIX作品"OMA"がSBM recordingsよりいよいよ到着。

4

CANYONS

CANYONS See Blind Through (DJ Harvey Mix) MODULAR / AUS / »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYによるフロアでの鳴りを強化させたキラーリミックス!!!!RUNAWAY主宰のON THE PROWLやDFA、MODULARをリリース元にシドニーを拠点に活動するLEO THOMASONとRYAN GRIEVEによるユニットCANYONSによる初期DFAマナーな80'sサウンド/ニューウェーヴを消化したアンダーグラウンド・ハウス"See Blind Through"をDJ HARVEYがリミックス!!マシンビートを走らせ、サイレン等のサンプル類が散乱する中、Voフレーズのループで展開を持たせ突如ブレイクへ突入。トリッピーな鳴り物とともにピークタイムへと上昇するキラーリミックス!!

5

ANDY STOTT

ANDY STOTT Passed Me By,We Stay Together MODERN LOVE / UK / »COMMENT GET MUSIC
UKマンチェスターのミュージック・セレクトWEBストアBOOKMAT運営、独自の実験的・ディープなダブ・テクノ路線で一線を画す孤高且つ極北のダブ・テクノ~ミニマル/エレクトロニカ・レーベル・MODERN LOVEから、今年相次いでリリースされた所属アーティスト代表格・ANDY STOTTによる限定アナログ・リリース作品「Passed Me By」「We Stay Together」の2つがなんとボーナス・トラックを追加し初のCD化。共に市場からは一瞬で姿を消した傑作でHARD WAX~BASIC CHANNELからOSTGUT、SANDWELL DISTRICT等の各国のアンダーグラウンド・テクノは勿論、シャックルトンやアクトレス等とも共鳴するビートダウン/ミニマル/ダブ・ステップを通過した今最もエッヂの効いたダブ・テクノ・サウンド。

6

TIMELINE

TIMELINE Greystone Ballroom UNDERGROUND RESISTANCE / US / »COMMENT GET MUSIC
G2Gの主要若手メンバーで再構成された新生TIMELINEによる1枚。。G2Gのフロント・マン DESEAN JONES(Sax)、同じくG2Gのメイン・キーボーディスト JOHN DIXONに、親分MAD MIKEによるプロデュース作品は、一言で言うなら『ジャズ・テクノ』。抑えめのビートにフィルタリングが怪しげな空気感を作り、その中に忍び込んでくる生のサックスが印象的なA-1、そして、JOHN DIXONのジャズ・キーボード・プレイが冴えるB-1等。

7

CONFORCE

CONFORCE Escapism DELSIN / JPN / »COMMENT GET MUSIC
HARD WAXクルーやMARCEL DETTMANNもレコメンドする逸材CONFORCEが名門・DELSINから放つ渾身のセカンド・アルバム。オランダ・シーンの中心的レーベルRUSH HOURから2007年にデビュー、その後CURLEやDELSIN、CLONEなど現在のシーンに欠かすことのできない良質レーベルから次々とシングルをリリースし、HARD WAXクルーやMARCEL DETTMANN等のレコメンドで一躍脚光を浴びたCONFORCE。しなやかに脈打つタイトなハットとキック、幻惑的なシンセリフでリスナーを鷲掴みにしてしまうダブ・テクノやSANDWELL DISTRICT周辺を想起させるミステリアスな雰囲気に身震いするタイトル・トラック、OSTGUT-TON勢にも比するソリッドなミニマルを展開する"Ominous"など、モダン・テクノの必要条件を全て満たすかのような強力なトラックがラインナップ。

8

AZYMUTH

AZYMUTH Meu Mengo (Mark E Remixes) FAR OUT RECORDINGS / UK / »COMMENT GET MUSIC
MARK Eによる仕事を3トラック収録した話題の1枚!!!!先日のTHEO PARRISHによるFAR OUT MONSTER DISCO ORCHESTRAのリミックスでも注目を集めたFAR OUTからブラジルのラテン・バンドAZYMUTHが35年振りに復活を遂げた作品「Aurora」から"Meu Mengo"をMARK Eがリミックス!!真骨頂でもある細かく刻まれたフレージングのループでのテンションキープでビルドアップするビートダウンハウスA-1、そこに"トビ"の要素を加えたB-1の"Dub"、視覚的でファットなキックでアーシーに展開されるB-2。全てのバージョンで完璧な仕事を行うMARK Eによる傑作仕事集!!

9

XHIN

XHIN Sword STROBOSCOPIC ARTEFACTS / GER / »COMMENT GET MUSIC
FREAKS VILLAGEで初来日を果たした鬼才・LUCY率いるSTROBOSCOPIC ARTEFACTSから、シンガポール出身のプロデューサー・XHINのサード・アルバムが登場。これまでIBADANのサブレーベル・APOTEKやCHRIS LIEBINGのCLRなどからリリースを重ね、STROBOSCOPIC ARTEFACTSにおいてもLUCYと並ぶ中心アーティストとして活躍してきたXHIN。本作ではあえて4/4ビートを封印しごつごつとした硬質なブレイクビーツを展開し、 緊迫感溢れるシンセリフに心拍数が上がるM-3やインダストリアルな重量級ビートに叩きのめされるM-7、地底深く潜るかのようなヒンヤリとしたサウンドスケープが圧巻のM-9など、広がりのある世界観が堪能できる秀作になっています。

10

MIKE PARKER

MIKE PARKER Pulse Trader EP PROLOGUE / GER / »COMMENT GET MUSIC
PROLOGUE最新作はMIKE PARKERのニュー・シングル。DONATO DOZZY主宰のAQUAPLANO、自らが主宰するGEOPHONE等、アンダーグラウンド・シーンの最重要レーベルからの一連のリリースで気を吐くNY最奥のミニマリスト・MIKE PARKERが、ドイツ発の優良アンダーグラウンド・ミニマルレーベル・PROLOGUEに再登場。期待を寸分違わぬドープ&反復の嵐の地底ミニマルで、しなやかにドライブする低音が強力なA-1、より地底に叩き落す様なキックが奥底で振動するダビーなA-2等を筆頭に、ノン・ビートのエクスペリメンタル・トラックB-2に至るまで一貫したアンダーグラウンド・サウンドを展開しています。マスト!!

DJ YOGURT - ele-king

 自分のお気に入りのDJを紹介できるというのは光栄なものだ。もうかれこれ3~4年前の話だが、その晩僕はひどく落ち込み、うちひしがれ、死にそうだった。ナイトライフを過ごせるような精神状態ではなかったが、約束があったので、僕は重たいドアを開けた。
 ブースのなかにはヨーグルトがいた。彼は......すでにアッパーだった。「おいおい、何時だと思っているんだ」と僕は思った。「まだ11時だぜ」、フロアには10人いるかいないか。こちとら死にそうなほど落ち込んでいるというのに、この寂しいフロアにアッパーなテクノかよ......やれやれ参ったな。
 しかもその飛ばし屋のプレイはそこにいる10人を完璧にロックしていた。落ち込んでいる人間がこういう光景に出くわしたとき、通常ならますます落ち込んでくるものだが、DJヨーグルトのプレイにはどこか無邪気なものがあった。ドラッギーだが、リー・ペリー的というか、ドロドロした感覚がないのがDJヨーグルトの個性だ。トランシーだが、アーシーなセンスがあるからなのだろうか、デーモニッシュな方向にはいかない。DJ saved my lifeという有名な言葉があるけれど、DJヨーグルトのグルーヴは、その晩の僕を助けてくれたかもしれない。

YOGURT&KOYAS
SOUNDS FROM DANCEFLOOR

UPSET RECORDINGS

Amazon

 2001年にDJ Uとのアップセッツとしてデビューして、3枚のアルバムと数枚のシングルを発表すると、2008年には〈ラストラム〉からDJヨーグルトとしての過去の作品集『Singles&Remixes 2005 To 2008』、そして2010年にはDJヨーグルト&コヤスとして『CHILL OUT』と『SOUND OF SLEEP & MEDITATION』の2枚をリリースしている。
 DJヨーグルト&コヤスとしての3枚目となる最新作『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』 は、それまでの2枚のアンビエント・アルバムとは打って変わって、いまどきこんなに無邪気な、ケレンミのない、ピースでトランシーなダンス・ミュージックがあるのかといった趣だ。この10年は、90年代とは違って愛情を欠いたダメなクラブも目に付くようになったが、それとは別の場所ではピースなパーティが続いていることを『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』は我々に教えてくれる。取材には相方であるコヤスも同席してくれた。

バンド仲間でアジアを旅するのが流行りはじめて、「3万あれば1ヶ月滞在できるよ」って言われて、カネは無かったけど時間は余っていたし刺激を求めていたので、じゃあ俺も行こうと思って。で、何度か日本と海外を往復しているあいだに91年にゴアでたまたま野外パーティに出会ったんですよね。

最初に知ったのは、ヨーグルトが渋谷のシスコ店で働いているときだったね。店長の星川慶子さんから「三田さんのファンです」って紹介されたんで、すごくよく覚えているんだよね(笑)。

ヨーグルト:そうですね、三田さんが来店するとずーっとしゃべってるという。

で、「どれどれ、どんな服を着てるんだ?」と思って(笑)。

ヨーグルト:それはもう、三田カジェアルですよ(笑)。冗談はともかく物書きの人のなかで三田さんはほんとに昔から気になる存在だったんですよ。

レコード店で働くまではインドを放浪しているようなトラヴェラーだったんだよね。んで、いつまでも漂泊できないっていうことで、飯食うためにレコード店に入ったんだっけ?

ヨーグルト:ですね。インド~ヨーロッパの旅から帰ってきて、よくクラブで一緒に遊んでいる仲間のなかに初期の〈イエロー〉の店員のジュリアって人がいたんですよ。その彼が星川さんと仲が良かったんですよね。もともと僕はディスクユニオンで働きはじめて、ロックやジャズとテクノの新譜と中古を担当してて、このままユニオンで働いていくか悩んでいた頃にシスコのテクノ店がオープンして、「こういうテクノの新譜だけで成り立つ店ならいいな」と思って星川さんに自分のことをその友だちに紹介してもらったんですよ。ちょうど佐久間さんとシャッフルマスターがテクノ店を抜けるタイミングでテクノ店に入りました。

しかしね......その頃の若さでなんでゴアに行くようなヒッピーになったんですか? 

ヨーグルト:ヒッピーって自覚はなかったですけどね(笑)。もともとクラブ好きでしたよ。ゴアに行く前も東京のクラブにもよく行ってたし、地元にいるときはたまに地元で遊んでました。

どこの出身?

ヨーグルト:愛媛の松山です。地元が盛り上がっていたわけではないですけど、東京に来たのが88年ですね。当時はクラブに人は入ってて盛り上がっていたんですけど。もっとむちゃくちゃでもいいんじゃないか、もっと盛り上がってもいいと思ってましたね。いまひとつ物足りなさを感じていました。

92年ぐらいから東京もむちゃくちゃになってましたけどね。

ヨーグルト:たしかにすごいパーティが東京でもあったと思うんですが、自分は出会わなかったんですね。その後のゴアとかロンドンで見たときに「俺が求めた解放感や自由な雰囲気を含んだパーティってこれだ!」と思いましたよ。

目覚めてしまったんですね。

ヨーグルト:89年ぐらいは俺、バンドやってたんですよ。でもバンドの練習で同じ曲を何度も演奏するのに飽きてしまって、歌や演奏が飛び抜けて上手いわけでもなかったのでバンド活動は2年ほどで終息して。ちょうどそのバンド仲間でアジアを旅するのが流行りはじめて、「3万あれば1ヶ月滞在できるよ」って言われて、カネは無かったけど時間は余っていたし刺激を求めていたので、じゃあ俺も行こうと思って90年に初めてインドに行きました。で、何度か日本と海外を往復しているあいだに91年にゴアでたまたま野外パーティに出会ったんですよね。まだトランスが根付く直前だったので、UKレイヴものからイタロ・ハウス、アシッド・ハウス、打ち込みのニューウェイヴ、ボディ系の音までいろいろかかっていました。でも音楽を聴きはじめた頃は打ち込みの曲はそんなに好きじゃなかったんですよ。

ヨーグルトのルーツって何になるの?

ヨーグルト:10代前半は60年代から80年代のUKのロックやパンク、ニューウェイヴ、10代後半の頃はレゲエとかブルースですね。

レゲエが好きなのは、アップセッツっていう名義にしてるぐらいだからね。

ヨーグルト:レゲエは好きでしたね、レゲエを好きになったきっかけは、ストーンズやクラッシュがカヴァーしていたレゲエだったりするので、10代後半の頃好きだったのはロック流れのレゲエやロックステディですね。ラスタとかは正直わからないこともいろいろあります。で、ゴアでは打ち込みが苦手な自分がパーティの熱気に巻き込まれて、そしてメチャクチャ踊れるじゃないですか、それで「これすごいな」と思って、もっと探求したいと思ったんです。テクノとか全部エレクトリックな音で構成されてる音楽って、独特のフィーリングがあるじゃないですか。

ある種の麻薬性みたいなところに惹かれたんだね。

ヨーグルト:う~ん、そうですね、苦手だったぶん、より惹かれたってことですかね。

多くのレゲエが好きな人って、けっこうテクノを苦手とする人が多いんだよ。

ヨーグルト:けど、もうバッチリで。テクノで踊った後は歌ものレゲエよりもダブを聴くことが格段に増えて、90年代半ばだとマッドプロフェッサーがマッシヴ・アタックをリミックスしたやつとかを愛聴してました。

コヤス:僕、はじめ『ノー・プロテクション』ぜんぜんわかりませんでした。

一同:ええーー(驚)!!

コヤス:そのうちわかるようになりましたけど。

コヤスくんはヨーグルトと何歳はなれてるの?

コヤス:5歳です。

けっこう離れてるね。

コヤス:95年に交通事故で足をケガして、そこから3年ぐらいまったく遊んでないです。

ヨーグルト:コヤスくんはけっこう卓球さんファンで。

コヤス:最初は卓球さんでしたね。

日本で打ち込みの音楽やっている人で、もともとは卓球ファンっていう人は本当に多いよね。

コヤス:最初の入りはデジタル・ロックだったんですよ。

なんだっけ、デジタル・ロックって?

コヤス:ケミカル・ブラザーズとかプロディジーとか。

ああ、そうだったね。

コヤス:もともとバンドやってたんですよ。僕の場合交通事故にあって足をケガして立って楽器を弾けなくなっちゃって、そのときにケミカル・ブラザーズを聴いて、これならひとりでもできると思ってサンプラーを買って、曲を作りはじめました。

そのとき何歳だったの?

コヤス:22~23です。

そうなんだ。コヤスくんも......運命というか、よりによってヨーグルトといっしょにやるとはね......。当時からヨーグルトは謎だったよ。「彼はいったい何者なんだろう?」っていつもレコードを選びつつ横目でちらっと見つめては思ってたもん。

ヨーグルト:シスコ・テクノ・ショップのいち店員ですけどね(笑)

あの頃はCDを担当してたよね?

ヨーグルト:そうですね、CDの担当だとテクノという概念に含まれる音楽なら何でも全ジャンルやれるのが良かったです。ドローンや民族音楽系の作品も扱っていました。

あの頃CDで発売されるものって〈ファックス〉とかのアンビエントが多かったじゃない。それでアンビエントが好きなのかなって思ってたんだよ。

ヨーグルト:そうですね、90年代にちょっとテクノに疲れちゃった時期があって。90~93年ぐらいまでは無邪気に遊んでましたけど、94年ぐらいにガックリ疲れて、4つ打ちをもう聴きたくないってときにアンビエントにのめりこんでいきました。

あの頃はヨーグルトや星ちゃんの口車に乗ってずいぶん散財したよ(笑)。

ヨーグルト:はははは。お世話になりました!

もし自分もレコード店で働いていたら、同じことしたと思うけど。

ヨーグルト:お客さんが買おうとしている作品にはダメだししにくいですね(笑)。でも、俺はわりと無理には勧めないほうでしたけどね。

コヤス:僕はアルタのシスコでアベさんの当時の楽曲制作の相方だったDJユーに勧められていろいろ買わされて、家帰ってから「なんでこんなの買ったんだろう?」ってことよくありましたね(笑)。

ほら!

ヨーグルト:まあ、そのあたりが難しいとこですよね。自分の好きなものだけ売って成り立つんならいいですけど、塩梅がね。当時だとアンダワールドはとにかく売らないといけないみたいなのあるじゃないですか。でもそこでレコード店でバイヤーの経験を積むことで幅広い視点を持つ勉強にはなった気がしますね。

それは重要だよね。ところでヨーグルトを名乗った理由はなんなんですか?

ヨーグルト:本名でも良かったんですけど「DJアベとかDJシュウジとか名乗って覚えられるかな?」と思って、「俺は覚えられない」と思って(笑)。いっぱいいそうだし。あとムードマンとかコーネリアスとか、名前以外を名乗る人がいたんで。

なんでヨーグルトなの?

ヨーグルト:う~ん、それが覚えやすいのと意味合いですかね。

精子のメタファーなんだよね。やっぱそこでエロティシズムをほのめかしている。

ヨーグルト:アメリカではそうみたいですけど、英語圏以外では違うらしいですよ。トルコ語では撹拌するとかゆっくり混ぜるという意味があると聞いたことがあります。柔らかいイメージと、身体のなかに取り込んで変化するみたいな意味合いもあるんですね。音楽もそうだし。

便通も良くなるしね。DJをやるようになったのはいつなんですか?

ヨーグルト:たぶん〈マニアック・ラヴ〉で「スローモーション」の一番手をやるようになったのがきっかけですね。レギュラーでやるのはそれが最初です、それまでは友だちのパーティでやるぐらいでしたから。「スローモーション」はディープ・ハウスのパーティで、野田さんもたまに来てましたよね?

あれは楽しかったよね、客はいなかったけど。ムードマン、3E(蓑田+三田)、ヨーグルト、あとたまにゲンイチだっけか。96年か97年ぐらいだよね。フレンチ・ディープ・ハウスが流行りはじめた頃だったね。

ヨーグルト:モーターベースがすごい人気でて、そのあとダフト・パンクがブレイクして。

「スローモーション」が火付け役だったからね。

ヨーグルト:えー、そりゃわかんないですけど(笑)。いち部の人たちのあいだでじゃないですか?

エチエンヌ・ド・クレイシーとイアン・オブライエンに関しては確実に「スローモーション」でしょ? 俺が来るとどや顔でベーシック・ソウルをかけていたもんな。「マッド・マイクみたいだろー」って感じで(笑)。

ヨーグルト:そうですかね。三田さんが『エレキング』で頻繁に書いていた印象は強いですね。しかしまさかここまでダフト・パンクがブレイクするとは、当時まったく思ってなかったです。

それでムードマンがムーディーマンとセオ・パリッシュだったね。

ヨーグルト:「スローモーション」って、ちょうど自分の耳がジェフ・ミルズなんかのミニマル・テクノに疲れちゃったときにはじまったパーティなんです。ウェザオールもちょうどディープ・ハウスをやってるときで、「これはもうやるしかない」って思いましたね。俺も最初は客として行ってたんですけど、いいコンセプトだなと思ってDJやらせてくださいってオーガナイザーの蓑田くんにお願いしました。三田さんに「疲れました」って言ったら、「だろ!」って言われて(笑)。ちょうど三田さんもジェフ・ミルズからフィッシュマンズにシフトした時期でしたね。そんな原稿を三田さんが『エレキング』に書いてました。

あー、覚えている。ジェフ・ミルズのDJ聴いて、家に帰ってフィッシュマンズを聴いたっていう原稿あったよね!

ヨーグルト:そうそう、それで俺、三田さんに誘われて野音にフィッシュマンズ見に行ったら、三田さんがいちばんガン踊りしてました(笑)。

あー、それ俺も行った。バッファロー・ドーターが出たやつじゃない?

ヨーグルト:たしかそのときはバッファッロー・ドーターはいなくて、ワンマンでしたよ。ザックさんがPAやってました。ザックさんのPAがものすごくて、歌が聴こえないぐらいベースが出てて、「こんなアヴァンギャルドなミックスやるんだ」って驚きました。ON-Uを見ているような感覚でしたね。ほんと声がわかないぐらいディレイとEQがかかるのが良かったんです。佐藤さんのヴォーカリストとしてのエゴが感じられないライヴでしたね。そこが音楽的にはとても良くて、その日からフィッシュマンズの大ファンになりました。

とにかく、それで「スローモーション」でヨーグルトはデビューしたわけだけど、「スローモーション」が終わってから、さらに音楽活動が活発になっていくじゃない。90年代末にいっかいクラブが落ち目になったときがあって、その頃からヨーグルトは制作のほうもやるんだよね。すごいなーと思ってたんだけど、アップセッツ名義でプロダクションをやるあたりの経緯はどうだったんですか?

ヨーグルト:98年頃からMPCで楽曲制作をはじめて、エレクトロニカ的なビートものを制作しつつ、アンビエントにハマっていた時期に考えたアイデアをどこかで音にしないとすっきりしないって思ってたんですよね。90年代だと作りたいと思っても、まだパソコンの性能がそこまで良くなかったから、ある程度のミュージシャンじゃないと頭のなかで作り上げた構想はなかなか実現できなかったんです。で、2000年半ばにMPC叩いて作ってたスタイルからパソコンに全部移行したんですよ。そこでやるようになったら当時自分が考えていたことが具現化できることがわかって、2001年に『サウンド・オブ・スリープ』の1枚目としてリリースしました。実際は2000年にはもう出来てましたね。そのファーストCDはアンビエントだったんですけど、ファースト・12インチ・シングルはサイケデリックなハーバートみたいな曲でそれは700枚ぐらい売れました、いまより売れてる(笑)

知ってますよ。「アンコンヴェンショナルEP」(2001年)だっけ? 真んなかにアップセッツって書いてあるやつでしょ。レヴュー書いた覚えがある。

ヨーグルト:あれはハーバートと60年代のサイケデリック・バンドのレッド・クレイヨラとリー・ペリーをミックスさせたらどうなるか? っていうアイデアから生まれた楽曲なんです。

つねにサイケデリックだよね、つねに。

ヨーグルト:つねに(笑)、ってわけじゃあ......。

ヨーグルトのDJも本当にアシッディだしね(笑)。

ヨーグルト:あんまりあからさまじゃなくて出汁のように利いてる感じじゃないかと自分は思っているんですけど(笑)。コンブの出汁みたいな。

それでゼロ年代途中でジェット・セットに職場を変わって。でもバッサリやめて音楽活動に専念するんだよね。

ヨーグルト:ジェット・セットでは3年ぐらい働いてました。でもDJの活動が忙しくなってきたので思い切って仕事やめて音楽に専念したかったんです。

やっぱ売れてたんだね。

ヨーグルト:スタートが低いから売れてきているように感じているっていうのもありましたけどね。自分のスタートはフロアには誰もいない「スローモーション」のオープニングでしたから。

はははは。まあそれで、サイケデリックというコンセプトをヨーグルト&コヤスでもさらに展開していると?

ヨーグルト:その前にもいろいろあって、アンビエントも追求しつつ、快楽主義も忘れず、でもわりと生真面目に試行錯誤してたんですよ(笑)。ヒカルくんと2002年に出会ったのも大きかったんです。彼も出演した「FORESTED OVA」って野外パーティで自分のDJを聴いて気に入ってもらえて、自分もヒカルくんのDJを聴いてこれは!というモノを感じたので、「いっしょにやろうよ」ってことになって、2003年からヒカルくんのレギュラー・パーティにときどき参加するようになりました。当時からヒカルくんには熱心なファンがいましたね。20~30人ぐらいは来ることも多くて、それで平日でもパーティがガンガン盛り上がる時間帯があるんです。自分はそれまではラウンジやメインフロアの早い時間とかでいろんなタイプの音楽をかけることが多かったんですけど、ヒカルくんとやるとひと晩にふたりで2~3回交替しながら回すことが多くて、そうするとヒカルくんのDJでダンスフロアが大盛り上がりした後にDJするわけですよ、それが自分にはすごくいい経験になりました。面白かったし、そのドンチャン騒ぎを維持しつつフロアを作る技術というか、メインフロアのピークタイムのフィーリングを多少なりとも学んだのは彼のおかげですね。それまでは前座しかやれませんでしたからね。

やっぱDJも縦社会だからね。でもそれは仕方がないよ。だってジェフ・ミルズが客入れやるわけにはいかないし。

ヨーグルト:そうなんですよね、だからちょうどDJとしての活動が煮詰まってたときにヒカルくんに会ったんですよ。90年代に国内外の先輩DJたちから良いところを吸収して、ゼロ年代に入ってヒカルくんや自分らがワイルドに爆発させたってところがあるかも、ですかね、熟成させたっていうか。

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単純にサマー・オブ・ラヴだってわけではないです。その良質な部分をアピールしたいっていうか、レイヴ・トラックにもひどいのもあるじゃないですか。セカンド・サマー・オブ・ラヴのスピリットが埋もれてしまっているんじゃないかなって残念に思うことがあるので。

そうだね。アップセッツからはじまってどんどん自分を音楽生活にシフトさせていくじゃない、その上での大きかったことってなにかある?

ヨーグルト:いろいろな要因があるんですが、ヒカルくんとやってて、「ドッカンドッカン盛り上がっている局面でDJがプレイしてそこで通用する曲をつくらないと」って思ったことは大きなキッカケになったかもしれないです。当時はまだDJユーと曲作ってて、たまたまヒカルくんまわりにゼロっていうジャム・バンドがいたんですけど、彼らとスタジオでセッションして、それを再構築して、ダンス・トラックを作って、〈トライエイト〉からリリースしたのが2004年ですね(『グルーヴ・オン』)。そこからのシングル曲「エスノ」をDJケンセイくんがリミックスしてくれて、2005年に12インチでリリースされてそれが2500枚売れたんですよ。それが大きかったですね。

ヨーグルトがアンビエント寄りのものからアッパーな方向に行った背後にはホントにヒカルくんがいたんだね。

ヨーグルト:あとはそのときのケンセイくんのリミックスですね。ケンセイくんとはそれ以前から仲よかったんですよね。で、そのシングルが日本中で売れたんで地方に呼んでもらえるようになりました。

そこからまたドラッギーな旅がはじまるわけですね。

ヨーグルト:そうですね、90年代のいちばんてんやわんやな時代のノリに戻ったというか。

はははは。

ヨーグルト:で、2007~8年あたりに、それまでの00年代前半の自分のDJプレイは生音と電子音を融合させた音が多かったんですけど、どんどんテクノ化が進みましたね。現場で受ける音がどんどんテクノっぽくなったんです。「フューチャー・テラー」とかも、00年代前半はわりとダンス・クラッシックとかもかかってたと当時遊びに行っていた人たちから聞いたんですけど、どんどんテクノが流れる時間が長くなっていって。

僕が初めて行った頃も、まだソウルフルなディープ・ハウスが多かったね。

ヨーグルト:で、自分も自分なりにそっちの方向へ向って、ジェブスキっていうムーチーとネクサスってバンドをやってた彼といっしょにテクノ・トラックを作って、12インチ・シングルを〈トライエイト〉や〈ジェット・セット〉、〈ローズ〉から出したりしたんです。で、テクノへ本格的にシフトするあたりでコヤスくんと出会うんですよ。彼と話してみると卓球さんが好きだったりして。ジェブスキはソロ活動を開始するタイミングでもあったので、2007年頃からコヤスくんと共作する機会が増えていきました。

ヨーグルトも卓球好きなの?

ヨーグルト:めちゃ好きですよ(笑)。元旦に東京にいる時はリキッドに挨拶にいってます。卓球さん、俺たちの曲聴いてくれていて「『チル・アウト』いいよ」って伝えてくれたときは嬉しかったですね。あの卓球さんの快楽主義を貫く姿勢は尊敬しますよ、簡単にできることじゃあないじゃないですか。

快楽主義も良いけど、レイヴのあとの空しさったらないよ。二日酔いの翌朝の空しさもたまらないけどね。「なにやってんだろう、俺?」ってね。

ヨーグルト:俺もそんな気分を味わったことがあるのでわかりますよ。だけどそこで帰っていままで聴いてなかった音楽とか聴いて、それまで聴いても良さがわからなかった音楽がわかるようになってんじゃん、みたいなこともときにありますよね。「あれ? この曲やけにいい聴こえかたする」とか。そういう微妙だけど確実に何か変わっていることに気がつくと空しさも薄れるんじゃないですかね? レイヴを体験して感覚が変容することで、音楽だけじゃなく映画などアート全般に対する理解力が上がってそれまで以上に人生が楽しくなった人もいると思うんですよね。

ですかね。でもさ、たとえばトランスってドラッギーで入りやすいけど、空虚な音楽でもあるよね。ぶっ飛ぶためだけにあるから。心は満たされないっていうか、それがトランスの格好良さなんだけどね。

ヨーグルト:トランスの受け止め方も人それぞれで何とも言えないんですけどね。自分はトランスのパーティに漂う解放感は好きです。90年代のパーティ・カルチャーは自由を目指して、より自由にって爆走していたと思うんですけど、良いことだけでなくいろいろ問題も発生して、熟成期に差し掛かってきたのがいまなんじゃないですかね。

レイヴの自由って幻覚じゃない?

ヨーグルト:いやいや、すごいパーティで感じた体験はそう簡単には風化しないですよ。毎週のようにまあまあのパーティに行ってると空しさが爆発するかもしれないですが。どうしても空しさを感じたくないなら、DJやパーティを絞り込んで狙って、3~4ヶ月に1回行けばいいんですよ。一度や二度空しさを感じて、そのあとまったくパーティに行かなくなるのももったいない気がします。

はははは、たまには幻覚ぐらい見ないとね(笑)。俺も3~4ヶ月に1回は行きたいですよ。そういえば、ゼロ年代以降は、小バコの時代だったとも言えるよね。

ヨーグルト:〈グラス・ルーツ〉が盛り上がったり。

〈グラス・ルーツ〉って行ったことないんだけど、たとえば静岡だったら〈ラディシャン〉が居心地が良かったりするよね。小さいながらもスピリットを感じるっていうか。人と人との距離も近いから、話しやすいし。

ヨーグルト:でかい場所で何千人って人と同じ曲聴いて盛り上がるっていうのもありだと思いますけど。小バコだともっと音楽好きが集まって音楽性が高まる気がしますね。

まあ、敷居が低い分、音楽性は高くはないかもね。

ヨーグルト:いろいろな小箱があるから何とも言えないですけどね。俺は〈グラス・ルーツ〉でダメ出しされたこともありますよ(笑)。「キミはいろんな曲かけてるけど、ほんとに全部すきなの?」って言われて。好きな曲しかかけてないですけどね。そういう感じのコミュニケーションがあるのは小バコならでは気がしますね。ダンスフロアとDJブースが近いからこそ生まれる雰囲気はあると思います。

でも大人数のときの興奮はまた別のすごさがあるよね。

ヨーグルト:大人数で盛り上がるすごさにあらためて目覚めたのは去年のフジロックですかね。あのメインステージの音がムチャクチャよくて、あそこで考えが変わりましたね。なんですかね、あそこで1万人以上で盛り上がるのは......衝撃でした。ただ音が良いだけではない部分があると思いましたね。あの音に感動してPA業界に入る若者とかいるんじゃないかと思いますよ。

DJとしてのポリシーは?

ヨーグルト:新譜と旧譜をバランス良くプレイすることや、なるべく他のDJと選曲が被らないことは意識しています。「こんな選曲のDJは初めて聴いた」と言われたいです。その夜来てくれた人が「また来たい」って思いながら帰ってもらえたら嬉しいです。

先日ゴス・トラッドに取材したときに彼が言ってたんだけど、日本と欧米との違いは日本では曲を作るDJがまだまだ少ないってことだと。たしかにダブステップ世代のDJって、みんな曲作っているんだよね。むしろ曲作りが先で、それをプレイするためにDJしているんだよ。とはいえ、テクノが盛り上がった90年代なかば以後は日本でも曲を作る人がいっきに増えたよね。田中フミヤや瀧見憲司以降っていうか、ヨーグルトもそうだし、アルツとかノブくんとか、みんな作ってる。

ヨーグルト:作曲とDJがどんどん同じになってきてるのかもしれないですね。そんな流れのなかでオリジナリティを出すのはほんとに大事だと思います。自作の曲やエディットを作ってかけたり、スクラッチなんかをしたり、やり方はなんでもいいと思いますけど、DJプレイにおいてその人にしかできないことをやるのはこれからいままで以上に求められてくるでしょうね。自分はウェザオールが"ローデッド"をリミックスしたときからそれは感じてました。「DJってこんなに自由にやっていいんだ」ってね。

目標としているDJっている?

ヨーグルト:ミックスマスター・モリスは昔から好きです。

あー、昔からずっと好きだよね。

ヨーグルト:いま〈R&S〉傘下の〈アポロ〉のA&Rやったりしてて、視野がほんと広いんですよね。そこでジェームス・ブレイクとかをきっちりチェックしつつ......。歳とっていくと視野が狭くなる人が多いじゃないですか。でも、ミックスマスター・モリスはいまでも現役というか、しっかり新譜の動きをおさえているんですよね。すごくアナーキーなところもあるし......。コヤス・スタジオにデモ曲を制作するために泊まりにきたこともありました。
 他には、ニック・ザ・レコードも好きですね、あの人はお約束以外のディスコをうまくかけるじゃないですか。ズブズブのディスコを素人にはわからない感じでかけるのがすごい。何時間でも聴いていられる面白さがあります。

僕は今回のアルバムも『チル・アウト』も、聴いてつくづく思ったんだけど、基本的にはサマー・オブ・ラブの人だよね、ヨーグルトは。

ヨーグルト:根底にあるのは間違いなくそうですね、でもいろいろありつつですね。

それはいまは素直に受けとれないと?

ヨーグルト:けっこう世のなかの流れってかわるんですよね。まあ、基本的にはそこが大事なところですけど。どちらにしても『チル・アウト』と『サウンズ・フロム・ダンスフロア』は素直にやったというよりは微妙に批評性はあると思いますよ。

自分がここ数年ダブステップ系ばかり聴いていたからかな。なんて無邪気だろうって思ったんだけど。

ヨーグルト:セカンド・サマー・オブ・ラヴの頃に生まれた楽曲って勢いでやっちゃてるものが多い気がするんですが、自分でやっているものは、もっと落ち着いて見直して、セカンド・サマー・オブ・ラヴの頃に生まれた楽曲のどこが良かったかって考えてやってます。余計なものをそぎ落としたというか、むやみに意気込んでるわけではないですね。単純にサマー・オブ・ラヴだ、フリーダムだってわけではないです。その良質な部分をアピールしたいっていうか、セカンド・サマー・オブ・ラヴといってもレイヴにもひどいのもあるじゃないですか。そういうよくわからないレイヴにセカンド・サマー・オブ・ラヴのスピリットが埋もれてしまっているんじゃないかなって残念に思うことがあるので。

ヨーグルトの場合は、ゼロ年代に曽我部恵一を聴いているような若いリスナーのあいだで広まっていったよね。実際、ヨーグルトが好きっていう20代のロック・リスナーに何人か会ったことあるよ。

ヨーグルト:嬉しいですね! 最近では、大阪の奇妙礼太郎トラベルスウィング楽団のヨーグルト&コヤスリミックス(「機嫌なおしてくれよ」)が評判になって、10代から20代の人も聴いてくれてるみたいです。自分もロックを聴いててダンスに入っていったんで、ロックのリスナーにはシンパシーがあるんです。インディ・ロックを聴いているような子たちにダンス・ミュージックの魅力を伝えたいっていうのはあります。曽我部さんも「そういうことやりたいよねっ」て言ってくれているんですよね。

いま、どのくらいの割合でDJやってるの?

ヨーグルト:平均すると月に6~7本ぐらいですかね。

さすがですね。

ヨーグルト:でもヒカルくんとかノブくんとかケンセイくんはもっとやってますからね。

みんなすごいよね。

ヨーグルト:俺もこれからの『エレキング』に期待したいですね。

もう『エレキング』にはクラブ・ミュージックについて書きたいって人がいなくなってるからね。

ヨーグルト:萎縮してるんじゃないですか? それかブログやツイッターなんかで自分の思いを文字にして満足している人が多いのかもしれないです。

五十嵐とか暇を見ては手伝ってくれてるけど、大人でコンスタントに書いているのは僕と三田さんぐらいで、松村や二木なんかもたまに、1年に1~2回ぐらいは磯部も書いてくれているけど、他は20代なんですけどね。2012年はライターを増やしたいっていう目標があるんだ。

ヨーグルト:俺も書きますよ!

それは嬉しいな。ヨーグルトも昔の『エレキング』でもよくレヴュー書いてくれたよね。でも、やっぱもう言葉を必要としていないってところもあるのかな? テクノやハウスに関していえばもう充分過ぎるほど語られているから。

ヨーグルト:もしかしたら語るよりも体験しようって人が多いんじゃないですか。娯楽文化でもあるし、ヨーロッパではドラッグ文化のいち部でもあることが日本では書く人が少ない原因かもですよね。

関西なんてそれどころじゃないだろうしね。そういう意味ではね、今回のアルバムのアートワークが思いっきりダンスフロアを主張しているでしょ。このわかりやすいヴィジュアルをいまやるところにヨーグルト&コヤスの強い気持ちを感じたんですけど。

ヨーグルト:『チル・アウト』、『サウンド・オブ・スリープ&メディテーション』と2枚のアンビエント・アルバムを続けてリリースしたあとなので、今回は方向性が変わったことを明確にアピールしたかったんです。もちろんダンスフロアへの愛情をストレートに表現したタイトルでもあるんですが。ま、これは昔の『リミックス』も関係あるというか、それが原因みたいなものですよ(笑)。

というと?

ヨーグルト:2004年にさっき言った〈トライエイト〉から『グルーヴ・オン』っていうアルバムを出したら、それがどういうわけか『リミックス』誌の2004年の「アンビエント・アルバムNo.1」に選ばれて(笑)。「自分にはアンビエントってイメージが強くあるからなのか?」と軽く悩みました(笑)。これはマジで、もっとわかりやすくしないと音楽系のライターにすら通じないのに、一般の人たちにはまず通じないなと心の底から思って(笑)。それ以来、ダンスものはダンスものらしく、曲名もヴィジュアル的にもわかりやすくしています。

ひぇー、それはごめん。すいません!

ヨーグルト:河村さんがそうしたということをあとから知りましたけどね(笑)。それがトラウマでこうなってるんですよ。

え、じゃあ、まさか河村の影響で?

ヨーグルト:このタイトルなら誰もアンビエントだと間違えないでしょう。

重たい話になっちゃうかもだけど、ゼロ年代以降は店員の態度が悪いクラブも出てきたでしょ。疲れて階段で座っているだけで注意するような。入口で財布の中身まで見るとか。あれがクラブ初体験だったらリピーターにはならないと思ったことあるんだよね。〈イエロー〉や〈マニアック・ラヴ〉の時代は、お店のスタッフもみんな「こちら側」っていう感じだったけど、やっぱこの10年で好きでやっていた人たちが作っていったものと、商売ありきではじめた人たちとの差が出てしまったかなと思って。

ヨーグルト:〈イエロー〉や〈マニアック・ラヴ〉の店員の人たちの雰囲気はほんとによかったですもんね。クラバーがそのまま店員になった感じで。でも全国いろいろまわってるとナイスな店員さんに出会うこともあるし「こんなところにこんなクラブが!」ってこともありますよ。

気持ちのこもったクラブっていまでもあるんだろうけど、客の側から見てちょっとギブかなっていうのも混じってるからややこしいんだよね。たぶんヨーグルトやノブくんみたいな人たちはそういう場所を巡業しているんだろうし、だからこういうアルバムが生まれるんだろうし。ちなみにこのアルバムに込められたメッセージは?

ヨーグルト:ダンスフロアにはマジックがあるんだってとこですかね。


■all time to 10 albums by Yogurt
1. RED CRAYOLA / Parable Of Arable Land (International Artist)
2. MILES DAVIS / Bitches Brew (Columbia)
3. BOB MARLEY&WAILERS / Catch a Fire (Island)
4. ROLLING STONES / Black&Blue (Atlantic)
5. KING SUNNY ADE / Juju Music (Island)
6. SPACEMEN 3 / Dream Weapon (Fierce)
7. PRIMAL SCREAM / Screamadelica (Creation)
8. BASIC CHANNEL / Basic Channel (Basic Channel)
9. IRRESISTIBLE FORCE / It's Tommorrow Already (Ninja Tune)
10. BLAST HEAD / Head Music (Free Hand)

1/7(土) @八王子Shelter
1/12(木) @西麻布Eleven
1/14(土) @江ノ島Oppa-La
1/20(金) @中野Heavy Sick Zero
1/27(金)@渋谷Vision
1/27(金)@代官山UNIT/SALOON
1/28(土) DJ YOGURT Open To Last 6Hours@代官山Saloon
(The FieldがUnitに出演する日です)

他の出演予定の確認はこちらで
https://www.myspace.com/djyogurtfromupsets/shows

My Favorite Christmas Songs - ele-king

 2011年も残すところ数週間。先日も街を歩いていたら、レディ・ガガとビヨンセの歌う"クリスマス・ツリー"が流れてました。中古レコード店に入るとこんどはソロモン・バークの渋い"プレゼンツ・フォー・クリスマス"です。コンビニに入れば、ワム!の"ラスト・クリスマス"、セリーヌ・ディオンの"ブルー・クリスマス"、山下達郎の"クリスマス・イブ"......世のなか、ほとんどクリスマスだらけになります。
 独り身の方には、ザ・フォールの"ノー・クリスマス"のような曲もありますし、喧嘩中の方にはラモーンズの有名な"メリー・クリスマ"があります。
 僕はフィル・スペクターの『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー』がいちばん好きです。あのアルバムは世界でもっとも夢見がちなプロデューサーが作った最高に素敵なファンタジーではないでしょうか(周知のように彼は、ジョン・レノンと小野洋子の"ハッピー・クリスマス"のプロデューサーでもあります)。
 コクトー・ツインズの"フロスティ・ザ・スノーマン"も名曲です。いまどきのチルウェイヴやネオゴシックを追っている若いリスナーにはオススメです。スレイドの"メリー・クリスマス、エヴリボディ"はちょっと上級者向けかもしれません。ジョン・フェイヒィのクリスマス・アルバムはそれと反対の意味で上級者向けですが、クリスマスの曲は来る者を拒まないのが良いところです。フェイヒィの狂ったような技術によるクリスマス・ソングの演奏は、その日がクリスマスであることをも忘れさせるでしょう。
 僕は若い頃は、ザ・ポーグスの"ファーリー・テール・オブ・ニューヨーク"をよく聴いていました。この曲は僕のような賢くない人間にとっては本当に最高のクリスマスのファンタジーです。ぜひ歌詞を読んでみてください。もしもザ・ストリーツがクリスマス・ソングを作っていたら、こんな曲を書いていたでしょう。
 以下、ele-kingによる「30 classic songs」を思いつく限り、ざっと選んでみました。あ、レゲエのクリスマス・カヴァーを忘れてました。たくさんあり過ぎるのですが、僕は〈トロージャン〉から出ているボックスをいつも聴いています。
 高名な音楽評論家の湯浅学さんがクリスマス・ソングの蒐集家で、それだけで2000枚もあるそうです。現在、ライターの方々をはじめ、レーベルの方々、いろんな方々に「My Favourite Christmas Song」についてアンケートしています。お返事が来れば、発表します。お楽しみに!
 なお、読者の方のなかにも、以下のチャート見て、自分の「Favourite Christmas Song」が入ってないじゃないかという方は、ぜひこちらにメールください(ele-king@dommune.com)。お名前(匿名)、アーティスト名/曲名+コメントでお願いします。火曜日(20日)に締め切らせていただきます。



■30 classic songs by ele-king
1. The Ronettes - Sleigh Ride
2. The Pogues - Fairytale of New York
3. The Ramones - Merry Christmas (I Don't Want To Fight Tonight)
4. John & Yoko And The Plastic Ono Band - Happy Xmas (War Is Over)
5. John Fahey - Silent Night, Holy Night
6. Cocteau Twins - Frosty the Snowman
7. Slade - Merry Christmas, Everybody
8. Jackson 5 -Santa Claus is Coming to Town
9. Booker T & the MG's Jingle Bells
10. Yello - Jingle Bells
11. St Etienne feat. Tim Burgess - I Was Born On Christmas Day
12. Manic Street Preachers - Ghost of Christmas
13. James Brown - Go Power At Chirstmas Time
14. Ray Charles - That Spirit of Christmas
15. Wedding Present - No Christmas
16. Donny Hathaway - This Christmas
17. Bright Eyes - Blue Christmas
18. Miles Davis - Blue Christmas
19. The Kinks - Father Christmas
20. The Yeah Yeah Yeahs - All I want for Christmas
21. The Fall - No Xmas for John Quays
22. Johnny Cash - I Heard The Bells On Christmas Day
23. Stevie Wonder - -Christmas Time
24. The Supremes - My Christmas Tree
25. The Beach Boys - Little Saint Nick
26. Duke Ellington - Jingle Bells
27. XTC-Thanks For Christmas
28. Tom Waits & Peter Murphy - Christmas Sucks
29. The Only Ones - Silent Night
30. The Ventures - Christmas Album

●鴨田潤(イルリメ)

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
4年前、MXテレビの「5時に夢中」を見てたらエンディングテーマとしてこの曲が流れ初めて知り、好きになりました。シンセの音色が何というか、家庭的で良いです。

●大久保潤(大甲子園/Filth/メディア総合研究所)

Wizzard - I Wish It Could Be Christmas Everyday
Slade - Merry Christmas, Everybody
Gary Glitter - Another Rock 'n' Roll Christmas
T.Rex - Christmas Bop


一番好きなクリスマスソングは断然少年ナイフの「Space Christmas」だし、先日のライヴ・レポートにも書いたように「Sweet Christmas」も大好きなのだけれど、ちょっと違うのを挙げて見ます。シャッフルと相性がいいのか、グラム・ロックにはいいクリスマスソングが多いのでその中から4曲。ウィザードは定番中の定番ですね。すかんちがやってたカヴァーもよかった(まあコピーですが)。スレイドはサビのシンガロングがライヴだとさぞ大合唱であろうこれまた定番曲。ゲイリー・グリッターはシャッフルではなくロカビリー調なのだけど、軽快にスウィングせずにドタバタしたノリになるのがこの人の味。そしてT.Rexはたしかマーク・ボランの生前にはリリースされなかった曲。「T.Rex'mas」というフレーズも決まった楽しい曲です。

●タバタミツル(ZENI GEVA, ACID MOTHERS TEMPLE, LENINGRAD BLUES MACHINE、e.t.c...)

Caetano Veloso - In The Hot Sun Of A Christmas Day
実は今週の17日〆切りで「きよしこの夜」をソロで録音し、とあるポルトガルのネット・レーベルに送らなアカンのですが、まだ一音も録音していません! パニックなう! ホンマやったらそれを推したいところですが、まだ存在していないものを推す訳にはいきません(笑)。というワケで、「私の好きなクリスマス・ソング」はこれです。ブラジルは南半球で季節が逆ですから、こういうタイトルになったのでしょうね。ロンドン亡命中のアルバムの曲なので、望郷の念もあるのかもしれません。嗚呼、一度でいいから真夏のクリスマスを体験してみたい。サンタの格好でサーフィンしてやる。

●五十嵐慎太郎

James Brown - Funky Christmas(Album)
ワムや山下達郎等は今でも聞きますが、偉大なSOUL of GODの命日でもあるので上記のアルバムを選ばせてもらいました!

●鎌倉慎治

スチャダラパー - Santaful World
クリスマスと聞いて思い出すのはこの曲くらいです。この時期にちょっと聞きたくなって家の棚を探すけど、なかなか見つからないのが恒例で、持ってなかったということに毎年気づかされるのです。

●ひろぽん(某レーベル)

Mariah Carey - All I want for Christmas is You
「Last Christmas」と迷いました。直観的には大嫌いな類の音楽のはずなのに、実際にこの曲を聴くと年の瀬の実感が湧き、師走の中にも幼少のクリスマスの良き思い出と共に平穏と幸福感がナゼか訪れる。

●三田 格

レジデンツ - ダンボ、ザ・クラウン(フー・ラヴド・クリスマス)
これは初めて聴いた時から耳に入り込んで心臓に達してしまいました。レジデンツは「サンタ・ドッグ」を何回もレコーディングし直してるし、何かこだわりがあるとしか思えませんなー。「戦場のメリークリスマス」やシュガーキューブス「バースデイ(クリスマス・リミックス)」も好きですけど。

●西岡由美子(Americo)

飯島愛 - あの娘はハデ好き
聴くたびに泣いてしまう曲です。歌詞はご本人のペンによるもの。この曲が収録されたアルバム『なんてったって飯島愛』はクリスマスをテーマにしたファーストにしてラストアルバム。モータウン歌謡、ボッサ歌謡、モノローグ...愛さんの臆病さと果敢さが入り混じったヴォーカルがかっこいいです。

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●world's end girlfriend (Virgin Babylon Records)

Bing Crosby & David Bowie - Peace on Earth / Little Drummer Boy
1977年、テレビのクリスマス特番でBing Crosby とDavid Bowieが共演し、あまりの評判の良さにシングル化されたもの。唯一無二の声を持つ二人の唄が絡み合う瞬間、互いの個性が打ち消し合うことなく奇跡的に共鳴し神聖な空気に充ちる。

●DJ YOGURT(UPSET REC)

Keith Richards - Run Rudolph Run
Chuck Berryのオリジナルよりキースのカバーの方が好き。PoguesのFairytale Of New Yorkとどちらを挙げるか迷ったけど、Poguesの方は誰かが挙げると思ったし、2011年はキースの読み応えたっぷりの自伝「LIFE」も出たことだし、でキースの78年リリースシングル曲をチョイス。マライアキャリー等が歌っているような典型的なXmas Songに漂う華やかさは嫌いじゃないけど、自宅でPoguesとKeith以外のXmas Songのレコードを聴くことはほとんど無いかも......

●太田真司(Hostess)

R.E.M. - Christmas Griping
今年、惜しまれつつも解散してしまったR.E.M.。僕の青春のバンドです......。実は毎年ファン・クラブ会員向けにクリスマスに彼らのお気に入りのクリスマス・ソングをプレゼントしていたのですが、1991年に初めてオリジナルのクリスマス・ソングを発表したのがこれ。ファンになった当初は、聴く術も無かったのですが、今では進みまくったNET文化のおかげで、過去の貴重な音源を聴くことも簡単に。『Out Of Time』と『Automatic For The People』のリリースの間の、超人気絶頂期だった当時のR.E.M.。そんな彼らが、メンバーの家族やマネージャーも参加させて、かなりリラックスして作りつつも、歌詞は彼ららしい皮肉の効いた楽曲です。
曲はこれ↓ 

●三船宏志(恵比寿リキッドルーム)

TICA - WONDERFUL CHRISTMAS TIME
JINTANA & EMERALDS - Last Christmas

ともに良いカヴァーです。

●シュンタロウ

Big Star - Jesus Christ
ギターフレーズが降らせる雪の中で、アレックス・チルトンが消え入りそうな声で「Jesus Christ was born today.」と歌う。たまんねーっす。アメリカの田舎でひっそりと過ごすクリスマスって感じです。

戸張大輔 - 無題6(ドラム)
日本の感受性豊かなニートのクリスマスです。大学生受けが良さそうです。

The Flaming Lips - Christmas at the Zoo
頭のおかしい奴の最高にハッピーなクリスマスっす。

●WHY SHEEP
「以下、ホワイ・シープの"クリスマス・ソング講座"」

David Sylvian & Ryuichi Sakamoto - Forbidden Colours

つまり「戦メリ」なんだけど、原曲もいいがやっぱりこっちのほうがいい。David Sylvianと教授は本当に良い組み合わせだと思う。この曲は真の意味でのコラボで上に乗せた歌の旋律は全部David Sylvianが作ってるわけで、この単純なコード進行の上にこれだけ豊穣な旋律を乗せていることを聴き取って。

The Three Wise Men (Aka XTC) - Thanks For Christmas

XTCってアンディー・パートリッジのことばっかり語られるけど言ってみれば彼はbeatlesにおけるジョン・レノンであって、旋律を作る才能はコリン・モールディングのほうが格段に上。つまりマッカートニー。

Band Aid - Do They Know Its Christmas
これによって「音楽って本当に世界を変えられるかも?」と思わせてくれた。今となっては音楽やってるどうかもわからない人も参加してるけど。ハイライトはBonoとStingのかけあいでしょうやっぱり。まだ覚えてるけど高校生のときに発売日に茅ヶ崎のレコード屋に開店前かけつけて買った。ちなみに12 inchにのみ収録されたいたExtend Mixは参加アーティストのインタヴューが収録されていて、参加してもいないのにDavid BowieとPaul McCartneyのコメントが入っていた。あいつら大御所すぎて当時は斜陽だったBob Geldofなんか相手にしてなかったんだろうな。後で後悔したことだろう。Bowieは天才に間違いないが偽善者だと思う。参加してないくせにあのコメントはない。

David Bowie - When The Wind Bolws
原爆アニメ映画「風が吹くとき」のタイトルトラック。どうしてクリスマス・ソングとして扱われているかというと、映画の原爆が爆発した日がクリスマスだから。プロデュースはピンク・フロイトのロジャー・ウォーターズ。クラシカルな曲調に声帯ブルブルのBowieのテノールがよく合ってる。311以降1ヵ月はずっとこの曲を聴いてました。映画もお勧め。自分と同じ庶民というのはどれだけ情報統制下にあるのかということを思い知らされる。

David Bowie and Bing Crosby - Little Drummer Boy - Peace On Earth
当時イケイケだったBowieが大御所Bingに対等に挑んでるところはすごいと思う。もともとテレビの企画でやったもので、寸劇の中でやったものが素晴らしい出来なのでレコードになったもの。フル・ヴァージョンはそのドラマセリフもついてます。近所に住んでるBowieがピアノの音が聞こえたというのでBingの家をいきなり訪問したという設定。会話も洒落てます。

John Lennon - Happy Christmas
たぶんこれが20世紀に作られたクリスマス・ソングではナンバーワンなんだろうな。早くこの詩が歌ってるような世界になりますように。それ以上は、この曲については語ることがないというより語りたくない。

Chris Rea - Driving Home For Christmas
名曲とまでは言えないけど、いいよねこういうホームランを狙わない謙虚さ。クリスマス休暇に合わせて家に車を飛ばす中年男の気持ちを歌ってる曲。PVもそれに合わせて作ってた。彼の中ではOn The Beachの次にヒットした曲じゃないかな。

Billy Joel - Nobody Knows But Me
彼の作ったたぶん唯一のクリスマス・ソング。クリスマスに関することは曲中一切言ってないけど。後もう1曲、「She's Right On Time」ってのがあるんだけどこっちはそこそこ。、『n Harmony 2』Iというクリスマス企画盤にのみ収録された曲です。レコードでしか出てないはず。持ってることが自慢。なぜいいかって? billyだから。

The Pogues - Fairytale Of New York
これもタイトルにはクリスマスはないけど詩の内容でクリスマスの情景とわかります。男声女声のかけあいがいい。Irishな感じもいい。

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
ジョン入れたらこれ入れないわけにはいかないよ。名曲であることは間違いない。ジョンと対照的に何の思想もないところがPaulらしくてかえっていいのかも。

Paul McCartney - All Stand Together
これもPaulらしさ全開。名曲とまでは言えないが、全編、オーケストラと動物の鳴き声だけというのはすごい!

The Beatles - Christmas Record (1963-1969)
Beatlesって公式のクリスマス・ソングはないと思うのだけど、これはBeatlesがファンクラブの為に毎年出していた限定レコード。曲というよりコント劇なんだけど、1968のヴァージョンの冒頭は「Christmas Time Is Here Again」という、「All Together Now」に似た曲を披露してます。どの年のか忘れたが皆でべろべろに酔っぱらって「Yesterday」のパロディーやってるのがハイライト!!!

佐野元春 - 聖なる夜に口笛吹いて-Christmas Time in Blue
佐野さん入れないわけにいかないでしょう。やはり元代理店だけあって、マーケッティングを考えすぎてるところは今考えると残念だけど曲は良い曲です。ジョン・レノンへのオマージュです。

山下達郎 - Christmas Eve
なんだかんだ言って、日本人の作った最高のクリスマス・ソングはこれだと思う。途中のコーラルのパートがなかったら違うかもだけど。そういう意味では日本人版のボヘミアン・ラプソディーだ。つまり誰にもカバーできないってこと。

ぷっちモニ - ぴったりしたいX'mas
つんく♂を侮ることなかれ。冒頭の「素敵な人出会いますように!」が「サンタが街にやってくる」の引用であることにどれだけの人が気づいただろう?そしてキャンディーズへのオマージュ。感動はしないが良くできた曲。モー娘はAKB48よりずっとおもしろかった。

ここからはスタンダード・トラック
Wynton Marsalis - O Come All Ye Faithful 神の御子は今宵しも
Wyntonはトランぺッターですが、これはピアノだけ。スタンダードだけど、この曲の一番好きなヴァージョン。一人でイヴを過ごす人はこれを聴いてください。

Little Drummer Boy - Silent Night
Auld Lang Syne /Jimi Hendrix-Silent Night
腐っても鯛。ラリっててもジミヘン!素面で弾いてるわきゃない!!!

Lauryn Hill - Little Drummer Boy
スタンダードのクリスマスソングを自己流に解釈しているという点においてこの曲はいままでで最高でした。時代は過ぎても色あせないアレンジ。そして歌唱法。

Stevie Wonder - Ave Maria (Someday At Christmas)
これは自己流の解釈というよりアフロ・アメリカンにどうしてもなってしまうんだろうけど、シューベルトが聴いたらどう思うんだろうか。僕は子供の頃から聞かされすぎて意味はまったくわからないのにラテン語でソラで歌えますが、スティーヴィーのこれを聴いたときはぶっ飛んだ。素直に負けを認めるしかない?

Eagles - Please Come Home For Christmas
これも名曲。ずっとEaglesのオリジナルと思ってたら違うらしいんだけど、ほとんどオリジナルみたいになっていて、再結成コンサートでイントロが流れた途端オーディエンスが狂喜していた。アメリカ大陸に渡ったクリスマス。切ない曲です。

Why Sheep? / Somewhere At Chrismas
最後に持説を。クリスマス・ソングというのは一人のアーティストが一生に一回だけ作っていいものなんだ。本当に優れたアーティストは2回ぐらいまではやっていいけど。つまりそれだけ満を持して、渾身の一作を作らないといけない。手前味噌でなんですが...自分がいままで作ったメロディーの中でもっとも美しいメロディーだったのでクリスマスソングにしました。Why Sheep?ならではのWorld Musicの果てにあるクリスマス・ソング。レヴィ=ストロースに捧ぐ。次のアルバムの収録予定だけど、クリスマスだけこれを読んでくれた人に限定公開します。
https://soundcloud.com/why-sheep/somewhere-at-christmas/s-r8jFf

(補足)
大切なことを言うのを忘れてました。
いいかい。君がもし敬虔なクリスチャンじゃなくて、恋人もいなくて、家族からも離れてて、クリスマスもイヴも一人っきりですごさなきゃいけないと しても、だからってファック・オフ・クリスマス! なんて思わないでほしいんだ。たとえば日本のバレンタイン・デーが製菓メーカーが都合よくでっちあげた イベントだって話がある。なるほどそうかもしれない。だけどそれがどうだっていうのさ? 便乗して金儲けしたいやつらには今のところはさせておけばいい。
日本のバレンタイン・デーは日本人みたいなシャイな連中がきっかけつけて愛を告白できる日じゃない。クリスマスも同じことなんだ。しかもクリスマ スは恋人限定じゃない! クリスチャンかどうかなんてことは関係ない。ジョンだって誰にも当てはまるように歌ってるじゃない。人間だから、どんなにがん ばっても許せない人がいてもおかしくない。それが人間ってもんだ。
だけど、1年のうち1日だけは全部許す日があってもいいじゃない。次の日からまた憎らしくなるとしてもきっと以前よりなにかが少し変わってるはずなんだ。

●Anchorsong

モグワイ - クリスマス・ステップス" (from "Come On Die Young")
クリスマスの華やかさと一切無縁の男臭さがいいかなと。

●YODA (HORIZON / SLYE RECORDS)

The Kinks - Father Christmas
クリスマスソングといえばパンクの嵐が吹き荒れてた1977年リリースのこの曲、もうすっかり大人になってしまったレイ・デイヴィスが若者にむけたクリスマス・ソング。でもちょっとひねってあるところがキンクスです。この曲はシングルのみの発売でB面のタイトルは『Prince Of The Punks』。

Furyo - Kayashi
そして1998年以降からずーっと12月1日から12月24日までの間でDJがある時にかけているのがこの曲。今はなきAdditiveというレーベルから、多分ドイツの人による戦メリのカバーです。Furyoというアーティスト名もKayashiという曲名もまったく意味不明だったのですが、調べたら映画『戦場のメリークリスマス』の英語タイトルがFuryoでした、これは俘虜ってことですね。なるほど。

●鷲巣功(静岡ロックンロール組合/首都圏河内音頭推進協議会議長/高校の先輩)

 お前、なに今頃こんなことやってんだ。こういうのは10月校了、11月中の発売だぞ。その昔、バッドニューズから「ベスト100クリスマス・レコード」というのを出した事があった。内容はかなり自信があったけど、出来上がったのが12月20日頃で、当然売れなかった。売る期間がなかったのである。FMディレクター時代にも「わたしのトップ・テン」という番組でクリスマス盤の特集を企画した。パイド・パイパー・ハウスの紹介で杉本ユキコという人に来てもらって、奇盤、珍盤ほかを紹介した。確か一位が大瀧詠一の「クリスマス音頭」だったはず。この時、彼女に一緒についてきたのがまだ世に出る前の湯浅学だったと記憶している。
 さて、わたしのはチップマンクス クリスマス・チップマンクス(東芝EMI TOCP-67281)だ。クリスマス物はノヴェルティ・レコード収集の第一段階だ。いろいろと思い出深い物がたくさんあるが、今日はこれにしておこう。この時期になると、シャイ・ライツの「ハヴ・ユーン・シーン・ハー」と「北風の中で」を聞きたくなる、という現象もなぜか起こる。さあ、もう2012年だ。

●二木 信

井上陽水 - お願いはひとつ
「ジキル、ハイドまでがクリスマスプレゼントを買う/野外音楽場の外で/子供達の歌う賛美歌にも賛美されない」 こんなシュールな歌詞を意味もわからず歌いまくってた小学生の頃から、クリスマスになると、この曲が頭の中をループしてウキウキします。この曲が入ってる『LION&PELICAN』は音も歌詞もかなりユニーク。宮沢賢治を皮肉る「ワカンナイ」も面白いし、沢田研二のために作った「背中まで45分」のセルフ・カヴァーなんて極上のアンビエント。カラオケ行きたくなってきた~。

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●ママケーキ(静岡県)

K Foundation - K Cera Cera (War Is Over If You Want It)
エレキングと言えばKLFでしょう!イスラエルのレーベルからシングルが出てて中身はマッシュアップの合唱という謎盤。youtubeでしか聞いたことない

Captain Sensible - One Christmas Catalogue
ニューウェーブの可愛らしいクリスマスソングだけどビデオ見たら意味深だった。ポーグスももちろん好きですが。一昨年くらいにバンプオブ某というバンドが丸パクリしててその元曲とかけ離れたキレイ事っぷりに心底腹が立ちました。

●Photodisco

Darlene Love - All Alone On Christmas
映画『ホーム・アローン2』挿入曲。子供の頃、映画『ホーム・アローン2』を観て知り、毎年この季節になると聴いているクリスマス・ソングです。バブルが愛おしいです。

●田鹿 健太( リトルテンポ、GOMA & The Jungle Rhythm Section )

Omara Portuondo & Chucho Valdes"OMARA & CHUCHO"
今年10月、僕が18年間お供しているラテン歌手、よしろう広石の歌手生活55周年記念コンサートがあった。その時のスペシャルゲストが、ブエナビスタソシアルクラブのディーバ、オマーラポルトゥオンド。この日のためにキューバから駆けつけてくれた。
僕は幸運にも、彼女とは三度目の共演。いつも自由かつグルーヴィ。とてつもなくおおらかでありながら、オチャメで乙女な彼女にいつも感動させられる。この日も、ステージを観たみんなを虜にしたに違いない。
そんな彼女の歌が堪能できる、僕が一番好きなアルバムがこれ。イラケレのリーダー、チューチョのピアノと二人きりで録音されたこの作品。喜び、怒り、哀しみ、出逢い、別れ......。彼女の生きざまがのりうつったかの様な歌を、ぜひ聴いてください!

●松村正人

Roland Kirk - Christmas Song
 このメル・トーメのカヴァー曲は晩年期だけあって、往年のこってりした感じと較べると精彩を欠くが、カークらしい茶目っ気は健在である。二歳で 盲目になって、この二年前に脳溢血よる半身不随から復活した。私はこの時期どうしてもローランド・カークを聴きたくなるのは、その生命力に鼓舞され、たん に黒人音楽としかいいようのない昂揚感が南国うまれには寒すぎる冬をあたたかくするからかも。カークはどれもクリスマスにぴったりだと思うんですけど ねー。

●加藤綾一

GOING STEADY - 銀河鉄道の夜
彼らにとってのクリスマス・ソングと言えば、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』的な敗者のロマンティシズムがむせ返るほど充満している「惑星基地ベオ ウルフ」がそれに当たりますが、でも今回はこちらをセレクト。銀杏BOYZのスロウなヴァージョンも、続編となる「第二章~ジョバンニに伝えよここにいる よと」もすごくいいんですけれども、GOING STEADY時代のこちらのヴァージョンは、コーラス部分で松任谷由実の「守ってあげたい」のメロディをモロになぞっていて、ぐっときます。特にクリスマ スについて歌っているわけではありませんが、間奏のギター・ソロはかのバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」からの引用だったりしますし、(僕はクリスチャ ンという訳ではないですけれども)便乗して、この曲を聴きながら誰かに想いを馳せるというのも悪くないんじゃないかなと思います。あとは仕事帰りに売れ残 りのケーキとビールでも買えれば御の字です。

●沢井陽子

The Music Tapes Covered Louis Armstrong - Is Zat You Santa Claus」
Natalia paruz - HARK! An angel sings
John zorn -ツ黴€ Dreamers Christmas

クリスマスソングは、このあいだのミュージック・テープスのキャロリングで、最後にプレイしていた、面白いサンタ・ソングがあり、それが好きだっ たので、曲名を聞くと、「Is Zat You Santa Claus?」。ルイ・アームストロングのバージョンに影響を受けたらしい。
アメリカにいると、日本ではあまり知らない、本場(?)のクリスマス・ソングがたくさん聞けて楽しい。先日、アザーミュージックというレコード店 に行って、店員に「クリスマス・ソングでオススメある?」と訊いたら、うーん、としばらく考えた後、「シンギングソウでクリスマス・ソングをプレイしてい る素敵なアルバムがあるよ」と言われたので、「もしかしてこのあいだ見た、ミュージック・テープス?」と期待したら、ナタリア・パルズという女の人だっ た。「このクリスマスアルバムは、ほとんどが誰でも知ってるクリスマス・ソングをカバーしている、僕が好きなのは1、2、3番目と......彼女はすごいよ」と 熱っぽく説明してくれた。
今年出たクリスマス関連リリースは、アザーミュージックではジョン・ゾーンの7インチしか見つからなかった。定番だしもうネタがないのかな......。クリスマスだからって、クリスマス・アルバムを出す時代が終わったのかな。

●YYOKKE / ODA / NITES / TSKKA (CUZ ME PAIN)

Nite Jewel - All I Want For Christmas Is You
NITE JEWEL、まさかのマライアをカバー。2010年の暮れには誰もが予想してなかったと思われるこのギャップ感は心踊ります。7インチのみ収録というところが特別感があって更に良いですね。

●NHK'KOYXEN (SKAM/RASTER-NOTON/PAN)

Martin Neukom - Studie 18.9 - (Domizil 2007/2008)
好きなクリスマスソングとか、わからなかったですが......。

●木津 毅

The Flaming Lips - White Christmas
以前年下の女の子に「何歳までサンタクロースを信じてました?」と聞かれたとき、「いまでも信じてるよ!」と元気良く答えたら「ああー」と気の毒そうな顔をされたことがありますが、恰幅のいいヒゲのおじさんが愛を届けにやって来る......と信じたいのは本当です。
そういうわけでクリスマスに(サンタに)オブセッションがある僕は大抵のクリスマス・ソングは好きなのですが、それはザ・フレーミング・リップスの影響かもしれません。彼らほどクリスマスを繰り返しモチーフにしているバンドもいないと思うのですが、それは「サンタクロースを信じる心」と彼らのサイケデリアの哲学がよく似ているからでしょう。彼らならではの頭のネジが数本吹っ飛んだような"ホワイト・クリスマス"はライヴでよく披露されますが、ヘロヘロで感傷的で優しく、あまりにドリーミーで泣きたくなります。フロントマンのウェイン・コインが中心に作った自主制作映画『クリスマス・オン・マーズ』もすごくて、前半はほとんど悪夢のようなバッド・トリップのイメージの連続。でも、そこにこそサンタクロースはやって来るんです! エイリアンですが。
今年も僕はサンタクロースを待つことにします。良いクリスマスを!

●宍戸麻美(Qetic)

戸川純 - 降誕節(84年Yenレーベルコンピ「We Wish You A Merry Christmas」より)
クリスマス・ソングというテーマに意外と苦戦......ということでカバーーソングで考えてみました。正直、John Zorn クリスマスコンピにあるマイク・パットンが唄う"The Christmas Song"と迷ったのですが、やはりここは女性脳で考えて戸川純さんの"降誕節"かなと! クリスマス賛美歌の"荒野の果てに"をカバーしているのですが、イノセントワールド全開な戸川さんの少女声(ボーカル)と途中にはいってくる打ち込みのリズムが単なる賛美歌カバーとは思えない。病みつきになる1曲です!

●金沢俊吾

Vaughn Monroe - Let it snow
ロマンチックで甘く切ないクリスマスのイメージが築かれるのに、クリスマスソングは大きな役割を果たして来た。その中でも、元祖のひとつであり数多くのヴァージョンが存在する"Let it snow"だが、リリックに直接「クリスマス」といったワードは出てくることはない。描かれているのは、雪の降る夜に暖炉を挟んだ男女の甘い駆け引き、それのみだ。
だが、これは僕に取ってクリスマスソング以外の何ものでもない。なぜなら、そのメロディとブラス、そして軽やかと物鬱げの境界線に立ったボーカルが、「ロマンチックで、甘く切ない」クリスマスのイメージを、そっくりそのまま映しているからだ。映画『ダイ・ハード』でパーティーのシーンにこの曲が使われるのも、季節がクリスマスなのだと誰もが一瞬で感じ取ることが出来るからに他ならない。「クリスマス」というリリックや、ベルサウンドなんか無くても、この曲はどんなクリスマスソングよりも強く、僕の脳内にクリスマスのイメージを流し込んでくる。

●野中モモ(Lilmag)

Sparks - Thank God It's Not Christmas
Pet Shop Boys - It doesn't often snow at Christmas


「ポピュラーな日、ポピュラーなやりかた
それは選ばれし者のためのもの
僕や君のためじゃない あきらかにね」(Thank God It's Not Christmas)
35年以上前の曲ですが現在も古びずロマンティックですね!

「クリスマスのメッセージなんてとっくの昔に消え去った
いまじゃショッピングと何がいくらするかの話ばかり
善意もあるけど作り物のお楽しみ、
クリスマス・ナンバーワンがどの曲か
クリスマスに雪なんて滅多に降りゃしない
本来そうあるべきなのに
でも僕はクリスマスに胸が熱くなるのさ
だって君といっしょだから」(It doesn't often snow at Christmas)
イギリスではクリスマスの週のヒット・チャートが、言ってみれば日本における紅白歌合戦のように大きな注目を集めます。賭けの対象になったりして。2000年代半ばからテレビのオーディション番組の優勝者がクリスマス・ナンバーワンを攫う年が続きました。これを阻止すべくレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがSNSを利用したキャンペーンを張り、2009年に見事"Killing in the Name"をナンバーワンに送り込んだのを記憶しているかたもいらっしゃるのでは。あの年、ペット・ショップ・ボーイズもクリスマスEPをリリースしていたのでした。失われたクリスマスの意義、失われたブリティッシュ・ポップの輝き、でもほらこうして生きているじゃない。残念ながら40位という結果に終わってしまいましたが、俗で安っぽくて貴くて私は大好きです。

●橋元優歩

ベンジャミン・ブリテン作曲『キャロルの祭典』より"ゼア・イズ・ノー・ローズ(There is no rose)"

名演をユーチューブで見つけることができませんでしたが、この曲については少年少女による演奏が好ましいというのが私見です。声変わりする前に歌いたかったクリスマス・ソング。けれどTranseamus/Alleluia/Resmiranda/Pares forma/Gaudeamus/Transeamusというラストのくだりなどは、もし今やるならジェイムス・ブレイク以上に似つかわしいアーティストはいないでしょう! ぜひこの曲にビートを入れてほしいです。

●渡辺健吾

鈴木さえ子 - I Wish It Could Be Christmas Everyday
キリストより1日早く生まれたけど、まぁガキの頃からそのおかげでクリスマスなんてめんどくせぇ! とかしか思えなかった。だから、クリスマス・ソングなんてものも、煩いだけであった。唯一好きで繰り返し聴いたのは、鈴木さえ子のデビュー盤『毎日がクリスマスだったら...』(83)のタイトル曲、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」。デビュー当時の鈴木さえ子は素人っぽいキュートな声と宝石箱のなかで遊んでるようなキラキラしたサウンド(当時の夫、鈴木慶一との共作)の融合がとってもフレッシュでファンタスティックだった。アルバム全体を通して偏執的な凝った音作りとポップさのバランスがすばらしいんだけど、少し強迫的なリズムで次々表情変えながらもリリカルさを失わないこの曲は、特にサイコーなんである。去年のクリスマスに、ご本人が「クリスマスの日には世界の戦争も休止するのです。私なりの反戦歌なのです」とツイッターでつぶやいていて、かつて子供なりにこの不思議な歌詞の世界には何が隠されてるんだろうなんて思ってたわけだけど、そういう背景だったのかとかなりびっくり。同時に、リリースからこんなに時間がたってるのに、アーティスト本人からこんな裏話を聞けるなんてインターネットすげぇ! なんて無邪気に喜んでしまいました。

●SUMMIT

山下達郎 - クリスマス・イブ
メロディが好きですね。
色々考えましたがこれが一番です。

●Lil MERCY (PAYBACK BOYS / Los Primos)

CRACKS BROTHERS - BAD SANTA (cracks christmas)
今年の冬はこの曲をもらってから、ずっと聴いてました。あとは知らないってこと。CRACKS "MF" メリークリスマス SHIT。

●安孫子真哉(銀杏BOYZ)
 
浜田雅功と槇原敬之 - チキンライス
しんしんと雪が降り積もる東北のクリスマス。古い木造の一軒家。
不似合いなクリスマスケーキに照り焼きチキン。ブラウン管からドリフ大爆笑。
家族と静かに過ごす。サンタさんに欲しいおもちゃなんか書いた手紙に十円玉をのせて布団に入る。
翌朝、目が覚めるとそこにはおもちゃは無く、赤と白の靴下の形をした箱にお菓子が入ってる。
子供の頃のクリスマスは大体いつもそんな感じ。
相変わらず大人になってもクリスマスは出来るだけ街の喧騒には入らず家で静かに過ごしたい。
そんな時頭の中でふと再生されるBGM。

●チン中村(銀杏BOYZ)
 
the ピーズ - クリスマス
最初に浮かんだのがこの曲でした。
「終電 線路にヒトが落ちる」からはじまるこの曲が僕にとっては
東京のクリスマスにしっくりきます。
なんかギリギリで、やさしいです。

●ハヤカワ(KIRIHITO、高品格、Jajouka)

ARB - ブラッククリスマス
高円寺のレンタルビデオ屋で"さらば相棒"借りて観ようかな...。

●DJ END(B-Lines Delight/Dutty Dub Rockz)
 
RSD - SNOWMAN
クリスマス・ソングを意識する粋な習慣は全くなく悩んだあげく、Bass的にコレを(ソングじゃなくてすいません)。昨年冬にRSD師がおすそ分けしてくれたクリスマス・スペシャル・ダブ! 今年はプレイ出来そうにないですが、いつかこんなトラックをカッコよくプレイしてみたいもんです。

●山田蓉子
 
Zooey Deschanel and Leon Redbone - Baby It's Cold Outside
大好きなおバカ・クリスマス・ムービー「エルフ-サンタの国からやってきた」の中でズーイー・デシャネルがシャワー・ルームで歌っているところに、歌につられて侵入してきたウィル・フェレルが歌をかぶせてきてズーイーちゃんに「出て行けスケベ!」と怒られるシーンで使われてました。ウィル・フェレル作品にしては心温まるヌルいラストは別にして、なかなか笑えるし、ズーイーはかわいいし、「サウンド・オブ・ミュージック」と対極をなす私のお気に入りのクリスマス・ムービーです。サントラではレオン・レッドボーンとの渋さ倍増デュエットで収録されてます。

●Alex from Tokyo (Tokyo Black Star, NYC)
 
Coati Mundi - No more X'mas blues (Rong music)
NYCの伝説バンドKid Creole and the CoconutsのCoati Mundiによる「今年こそはサンタを捕まえていいX'masを迎えるぞう!」的なお笑いクリスマス・ディスコ・ソングです!  2009年のX'masにリリースされてから毎年プレイしている大好きなヒューモラスなパーティX'mas ディスコです。

●Eccy(Slye Records / Milk It)

Jun Kawabata - Equinox
友達が5年前くらいにユニオンでなんとなく買ったこのCD、アーティストの情報も全く分からないし、音も激悪いんですが、個人的な思い出がつまってる曲です。

●YOHEY

Mark Mothersbaugh - Joyeux Mutato
毎年必ず聴いている1枚です。大好きなクリスマス・ソングは他にもたくさんありますが、音色に関してはこのアルバムが一番理想のクリスマス!

New Years Eve Party - ele-king

 年末年始といえばパーティ。都内のいろんな会場では気合いのはいりまくったイヴェントがあるようです。みなさんは2012年をどこで迎えますか? ハシゴする強者もいますよね。リキッドルーム→恵比寿ガーデンホール→明治神宮で初詣というタフな年末年始は若さの特権ですよ。ぜひ、挑戦しましょう。
 以下、恵比寿リキッドルーム、リキッドロフト、そして恵比寿ガーデンホールの年末年始パーティを紹介します。ほかにも渋谷のヴィジョンではデリック・メイ+ジェフ・ミルズなんていう贅沢なパーティもあります。
 迷う必要はありません。自分がいまもっとも好きな音楽が聴けそうな場所に行くべきです。それが最高の年明けです。


■liquidroom presents 2012LIQUID

 東京のカウントダウン・パーティは数あれど、ここまで徹底的に日常から遠く離れたところまで続いて行くパーティはない。そう断言してしまおう。これはカウントダウンにかこつけて開催される"ショーケース・コンサート"ではない。100%混じりっけなしの、1年で特別な日を遊び尽くすための"パーティ"だ。
 大晦日の夜から、その年の初めての太陽が完全にその姿を消す頃までテクノの重いキックがリキッドルームのメインフロアには降り下ろされ続ける。巨大モニターには、宇川直宏をはじめとするVJたちによる映像がスパイスのように明滅する。カウントダウンは前後はもちろん、その年はじめての太陽がしっかりと顔を出す時間になっても、他のダンスフロアを閉め出された遊び足らない人々、もしくはこれから参戦する人々が、初詣へ行く人々をすり抜けてゾンビのように集まってくる。気合いの入ったパーティ・ピープルたちは自分の限界を試すかのように終着地として遊び続ける。試しに通常のパーティが終わるぐらいの明け方に家に帰り、少々の睡眠を取って午後にもう一度来てみるとイイ。おそらく、まだまだパーティは終わることなど微塵も感じさせずに続いているはずだ。もう、新年を祝うのか、どこでなにをしているのかよくわからない、そこまでくると、年をまたいだ狂乱のカウントダウンもはるか昔のことのように思える。もはやそこに日常はない。フロアには、どん欲にその場を楽しもうとする膨大なエネルギーが渦巻いている。それを作り出すテクノのビート。そして2FのLIQUID LOFTでは、今年も宇川直宏のdommuneが仕切る、東京のクラブ・シーンのオールスターたちのプレイも聴くことできるはずだ。もう、どうしようもない。クレイジーにも程がある。
 ほぼまる1日にわたる祝祭のメインフロアを司るのは、石野卓球、田中フミヤ、DJ NOBUのたった3人。さまざまな豪華ゲストが1時間前後で入れ替わり出演するカウントダウン・パーティが主流のなかで、ロングプレイを中心とするこのスタイルは、昨年からDJ NOBUが加わった以外は、新宿歌舞伎町時代の後半から10年以上も続けられている。彼らのプレイは1ヶ月か2ヶ月、東京で過ごせばいつでも聴けるDJたちだ。しかし、ひとびとその場所で鳴らされる彼らのDJを求めて集まってくる。それだけこのパーティは特別で、ある意味で儀式めいた魅力を放っているとも言える。そこに行けば、毎年のように、なぜここまで人を吸い寄せる、ここまでの狂った宴が繰り返されるのかわかるはずだ。(河村祐介)

featuring Artists
Takkyu Ishino
Fumiya Tanaka
DJ NOBU (FUTURE TERROR)

VJ:
DOMMUNE VIDEO SYNDICATE
[宇川直宏+KRAK+DVIDEGIRLS+AKIYOSHI MISHIMA+HEART BOMB]

■LIQUID LOFT x DOMMUNE presents
「HOUSE OF LIQUIDOMMUNE 2012!!!!!!!20HOURS!!!!!!!」
C:O:U:N:T:D:O:W:N & C:O:U:N:T:U:P Special !!!!!!!!!!!!
(※配信はありません)

featuring Artists:
MOODMAN (GODFATHER)
砂原良徳
DJ WADA (Co-Fusion)
NORI (GALLERY)
川辺ヒロシ (TOKYO No.1 SOUL SET)
DJ TASAKA
A.Mochi (Figure)
瀧見憲司 (CRUE-L)
KURUSU (FUTURE TERROR)
HARUKA (FUTURE TERROR)
DJ YAZI (THINKTANK)
TWIN PEAKS
KURI (BLACKFOREST)
RYOSUKE
KABUTO
Shhhhh (NRBKJ / SUNHOUSE)
KEIHIN (ALMADELLA)
COS/MES
根本敬
agraph[※LIVE]
LUVRAW & BTB[※LIVE]
サイプレス上野とロベルト吉野[※LIVE]

SOUND SYSTEM:
DOMMUNE天変地異ZOUNDSYSTEM!!!!!

HOST:
宇川直宏 & DOMMUNE Crew

2011.12.31 - 2012.1.1
at LIQUIDROOM
access→https://www.liquidroom.net/access/
open/start 21:00 *2F LIQUID LOFT start 23:00
door only 4,000yen *2012.1.1 AM5:00~→2,000yen!!

LIQUIDROOM 03-5464-0800
https://www.liquidroom.net/
https://www.liquidroom.net/schedule/liquidloft/
Twitter @LIQUIDROOM
DOMMUNE
https://www.dommune.com/
twitter @DOMMUNE


■ELECTRONIC TRIBE YEBISU NEW YEAR'S PARTY 2012
supported by MONSTER

fearuring
FRANCOIS K. (WAVE MUSIC/DEEP SPACE/USA)
DJ KENTARO (Ninja Tune/JPN)
Y.SUNAHARA (JPN)
RSD a.k.a. ROB SMITH (Smith & Mighty/UK)
ATAK Dance Hall (Keiichiro Shibuya + evala/JPN)
NICK THE RECORD (Life Force/UK)
GOTH-TRAD (DEEP MEDi MUSIK/Back To Chill/JPN)
RIGHTEOUS (Yabe Tadashi & DJ Quietstorm/JPN)
aus (flau/JPN)
TOWA TEI (JPN)
VJ: SO IN THE CLOUD (JPN)、100LDK (JPN)、LIKI (JPN,HKG)

2011.12.31(Sat) - 2012.01.01(Sun) ALL NIGHT
OPEN 20:30 / START 21:00

YEBISU THE GARDEN HALL/ROOM
東京都目黒区三田1-13-2

¥5,800 (前売券)
¥7,000 (当日券)
¥26,500 (グループ券5枚組セット/枚数限定)※
¥48,000 (グループ券10枚組セット/枚数限定)※
※グループ券はclubberia Online Store限定取扱

https://www.electronic-tribe.com

Chart by JAPONICA music store&cafe bar 2011.12.19 - ele-king

Shop Chart


1

CHOCOLAT'S

CHOCOLAT'S EL CARAVANERO (JOE CLAUSSELL EDITS) UNKNOWN / US / 2011/12/15 »COMMENT GET MUSIC
77年名門<SALSOUL>よりリリースされたアルバム「KINGS OF CLUBS」に収録の約10分にも及ぶ長編トライバル・ディスコ・ファンク"EL CARAVANERO"をボトムのリグルーヴに、オーヴァーダブ、そしてイントロ/ブレイクの長尺化でDJユースフルにリエディット!自身も長年愛着を 持ってプレイしてきた一曲なだけに随所でのキメ細かなエディット・ワークが効いた逸品に。

2

STEEL AN' SKIN

STEEL AN' SKIN STEEL AN' SKIN EM / JPN / 2011/12/17 »COMMENT GET MUSIC
オールドスクール・ブレイク古典"HEAVEN & HELL"で有名な20TH CENTURY STEEL BANDのメンバーを核に、70年代のロンドンで活動したアフロ・ カリビアン系グループ=STEEL AN' SKIN。活動当時に残された数少ない音源はいずれも少量プレスのため入手困難を極め、08年の同じく<EM>からのCD盤復刻、続いて<HONEST JON'S>からのセレクト12"シングルもその内容の高さから即廃盤となっていたところ遂に全編収録のLP仕様にて完全復刻!

3

NUEL

NUEL TRANCE MUTATION FURTHER / US / 2011/12/14 »COMMENT GET MUSIC
ジャケットアートワークのように太古のエジプトを思い起こさせる民俗調の様々な打楽器演奏にオリエンタリーなアコースティック・ギターの絡み、そして壮大なコズミック感覚でのシンセ・ワークによる味付け、そんな魅惑のサウンドの数々をムーディーなダウンビートで纏め上げた全7トラック。

4

GROOVEBOY

GROOVEBOY GROOVEBOY EP4 UNKNOWN / JPN / 2011/12/15 »COMMENT GET MUSIC
ドラマーGENE DUNLAPのブギー・ディスコ・ナンバー"TAKE MY LOVE"をネタにラグドで肉厚なディスコ・ハウス・グルーヴで再構築した"LET ME LOVE YOU"、そしてSADE"KISS OF LIFE"を定番ブレイクEDWIN BIRDSONG"RAPPER DAPPER SNAPPER"使いのビートダウン・グルーヴにのせファットなミディアム・ダンス・トラックへとリワークした"KISS OFF"をカップリング!45回転カッティングの高音質、限定プレス!

5

HERVE SAMB & DANIEL MORENO

HERVE SAMB & DANIEL MORENO KHARIT SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2011/12/15 »COMMENT GET MUSIC
PHAROAH SANDERSやHARBIE HANCOCKといったレジェンド・クラスのアーティストのサポート・プレイヤーとしても腕を鳴らしてきた凄腕ギタリスト=HERVE SAMBと古くからJOE CLAUSSELL諸作品にパーカッショニストとして参加してきたDANIEL MORENOのタッグによる初となるサウダージ感放ちまくり極上アコースティック・アルバム2LPが<SACRED RHYTHM>より到着!

6

ONUR ENGIN

ONUR ENGIN SWEET POWER / SUMMER MADNESS G.A.M.M. / SWE / 2011/11/29 »COMMENT GET MUSIC
フロアでは勿論、ミックス作品にも未だ引っ張りだこなレアグルーヴ古典中の古典JAMES MASON"SWEET POWER YOUR EMBRACE"のタイトなブギー・グルーヴで敷き直したリワーク、そしてこちらもど定番KOOL & THE GANG"SUMMER MADDNESS"のループ・エディットを程よく盛り込んだダウンビート・リメイクをカップリング!DJならずとも反応してしまう大ネタ使いの反 則級一枚。

7

JARAMILLO & BASTIEN

JARAMILLO & BASTIEN CANDOMBE / LOS LOCOS EP LIMONADA / FRA / 2011/12/7 »COMMENT GET MUSIC
南米エクアドル出身のプロデューサー・デュオJARAMILLO & BASTIENによる一枚。ウルグアイの伝統音楽様式カンドンベをモチーフにしたテックハウス(その名も)"CANDOMBE"は途中"生"音、つまりカ ンドンベ様式へと完全に移行する粋なブレイク仕掛けの激ナイスな一発◎

8

DJ JUCO

DJ JUCO THE HAWK / THE TIGER HT / JPN / 2011/12/14 »COMMENT GET MUSIC
アフリカンな土着パーカッション・ブレイクを下地に妖艶なヴィブラフォン・フレーズがフィーチャーされる"THE HAWK"、クンビア調のブレイク・グルーヴに抜けの良いパーカッション、そしてFELA KUTIライクな声ネタ等もアクセントに展開していく灼熱アフリカン・ファンク"THE TIGER"をカップリング!いつも以上に土着色強めの一枚。

9

MASAMATIX

MASAMATIX MOVIN' EP LIQUID / ULTRA-VYBE / JAZZY SPORT / JPN / 2011/11/23 »COMMENT GET MUSIC
極上ダビー・ディスコ/ハウス推薦盤!大御所MAURICE FULTONリミックス搭載!国内ダブ・サウンドの草分けAUDIO ACTIVEのフロントマン=MASAMATIXによる確固たるダブ精神を根底に多彩なダンス・ミュージックへとアプローチを試みた先頃リリースの傑作ソ ロ・アルバム「MOVIN'」から12"EPが登場!

10

MIND FAIR

MIND FAIR KERRY'S SCENE INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/11/21 »COMMENT GET MUSIC
最近ではTHE RHYTHM ODYSSEY名義でも知られるCHICKEN LIPSのメンバー=ベテランDEAN MEREDITHとUK/バーミンガムのディスコ・ユニットTHE MAIN STEMの片割れBEN SHENTONから成る新生ユニットMIND FAIR。フォーキー・サイケ・ディスコ/チル・トラック極上作!THEO PARRISH&LEGOWELTリミックス収録。

Mike Paradinas - ele-king

Mike Paradinas Top 30 2011
マイク・パラディナス「2011年トップ30」


1
Kuedo - Severant (Planet Mu)

2
DJ Diamond - Flight Muzik (Planet Mu)

3
Machinedrum - Room(s) (Planet Mu)

4
Hype Williams - One Nation (Hippos In Tanks)

5
James Ferraro - Farside Virtual (Hippos In Tanks)

6
Various - Bangs & Works Vol.2 (Planet Mu)

7
Burial - Street Halo (Hyperdub)

8
Ekoplekz - Fountain Square EP (Mordant Music)

9
Anti-G - Kentje'sz Beatsz (planet Mu)

10
The Miracles Club - Light Of Love (Cutters)

11
Ital - Culture Clubs (Lovers Rock)

12
Xeno & Oaklander - Sets & Lights (Wierd Records)

13
Oneohtrix Point Never - Replica (Mexican Summer)

14
Rustie - Glass Swords (Warp)

15
Cooly G & Simbad - Landscapes (Hyperdub)

16
Protect-U - World Music (Future Times)

17
Maria Minerva - Cabaret Cixous (Not Not Fun)

18
Hudson Mohawke - Satin Panthers (Warp)

19
Slugabed - Moonbeam Rider (Ninja)

20
Clams Casino - Rainforest (Tri Angle)

21
Various - Gene Hunt Presents Chicago Dance Tracks (Rush Hour)

22
FaltyDL - You Stand Uncertain (Planet Mu)

23
Floating Points - Faruxz (Eglo)

24
Blawan - Getting ME Down (Unknown)

25
Darq E Freaker - Cherryade (Oil Gang)

26
Zomby - Dedication (4AD)

27
Ayshay - Warn-U (Tri Angle)

28
Roly Porter - Aftertime (Subtext)

29
Teengirl Fantasy - Cheaters (Hivern)

30
Krampfhaft - Makin' Magic EP (Rwina)

Chart by Underground Gallery 2011.12.15 - ele-king

Shop Chart


1

TIMELINE

TIMELINE The Greystone Ballroom (UNDERGROUND RESISTANCE / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
JEFF MILLSとの奇跡の競演が話題となった初来日から7年、思えばあの時が、日本で「Hitech Jazz」が初めて演奏された瞬間でした。後のISFバンドの原型とでも言える演奏者としては最強の布陣であったオリジナルTIMELINE。発表された作品は1枚だけでしたが、所謂、「Hitech Jazz」縲怐uKnights Of Jaguar」の流れにある強く美しいものでした。その伝説のユニットが、再来日を前に、G2Gの主要若手メンバーで再構成され、新生TIMELINEとしてシングルを発表します。 G2Gのフロント・マン DeSEAN JONES (Sax)、同じくG2Gのメイン・キーボーディスト JOHN DIXONに、親分 MAD MIKEによるプロデュース作品は、一言で言うなら『ジャズ・テクノ』。「Hitech Jazz」とは違うのか?「Hitech Jazz」のコズミック感から、ストリートに降りてきた感じとでも申しましょうか、きっと今の20代前半のアーティストにはMAD MIKEの世代よりも、ジャズとテクノの融合は自然なものであって、いちいち"Hi-tech"などと言わずに、自然体でセッションしている、そんな感じの楽曲です。オススメは、抑えめのビートにフィルタリングが怪しげな空気感を作り、その中に忍び込んでくる生のサックスが印象的なA1。そして、JOHN DIXONのジャズ・キーボード・プレイが冴えるB-1。

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MARK FLASH

MARK FLASH The King Of Light (UNDERGROUND RESISTANCE / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
まさかの台風で中止となった2011年の"メタモルフォーゼ"。そこでは、数々の伝説的なステージングが予定されていました。中でも、G2GとMOODYMANNの共演は、幻に終わりましたが、もうひとつ残念だったのは、G2Gの新曲がほとんど演奏されなかったこと。急遽、別のイベントとして渋谷"WWW"にて開催された公演では、会場や機材の都合から演奏リストの変更を余儀なくされたのです。その新曲の中から、MARK FLASHによるプロデュース作品がシングル・カットとなりました。まさにG2Gでの、バンド演奏で聴いてみたくなるようなA-1。ラテンのフレーバーを持ちながら、「Knights Of Jaguar」などのティストとは違ったストリングス・ワークが聴きごたえのあるB-1。そして、一番のオススメは、B-2。これは、まるで「Knights Of Jaguar」の続編かと思うようなドラマチックでロマンチックな展開の...あぁ、そうか...だから「KNIGHTS」の次で「THE KING」なのか?いや、とにかく、タイトルが如く「暗闇を切り裂く強い光が差し込んでくる」ような楽曲です。オススメ!

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CANYONS

CANYONS See Blind Through (DJ HARVEY Remix) (Modular / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
ここ数年のDJ HARVEYの作品の中でも 最もフロアー・キラーなトラックではないでしょうか!? オーストラリアのエレクトロ/ディスコ系レーベル[Modular]新作は、[Dfa]や[On The Prowl]からリリースを残す、同地のデュオ CANYONSによる1枚。今回は、間もなくリリースが予定される 1stアルバム「Keep Your Dreams」からの「See Blind Through」が12インチ・カット!やはり注目せざるを得ないのは、B面に収録された DJ HARVEYリミックス!! ドープなマシンビート・グルーブを軸に、アシッディーなリフや、ダヴィーな処理が危険なヴォーカル、さらに ハメ系のヴォイス・ループ、サイレンなどのSEを交え サイケ & トリッピーに展開させていき、中盤過ぎからは、意表をつくようなブレイク・パートへと展開する、かなりトリッキーにぶっ飛んだキラーなリミックスを披露! コレ、ここ数年のDJ HARVEYのリミックスワークの中でも、一際ド肝を抜かされた、かつ、最もフロアー・キラーな仕上がりと言っても過言ではないのではないでしょうか!?本当にヤバイです

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DREXCIYA

DREXCIYA Journey Of The Deep Sea Dweller I (Clone Classic Cuts /Cd) / »COMMENT GET MUSIC
今尚、世界中に大きな影響力を持ち、多くのフォロワーやコレクターが存 在するデトロイト・ディープ・サイドの象徴と言える伝説のエレクトロユニッ トDREXCIYAが、[UR]時代に発表した、超レア・トラックをコンパイルした究極のベスト・アルバムがリリース!1992年にJAMES STINSONとGERALD DONALDによって結成されSubmerge系列[Shock Wave]レーベルから「Deep Sea Dweller」でデビュー、その後は、[UR]を中心に、 [Somewhere In Detroit]、[Warp]、[Rephlex]といった名門レーベルから数多くの作品 をリリースし、APHEX TWINことRICHARD D.JAMESを筆頭に、世界中のDJやプロデューサーなど、特に音楽関係者から「デトロイト・ディープ・サイドの象徴」とまで、形容さ れるほどに、絶大なリスペクトを集めたエレクトロ・ユニットDREXCIYA。2002年にメンバーのJAMES STINSONが突然の心臓発作で他界し、その後は、デトロイトの伝説として語り継がれてきたDREXCIYAが、[UR]時代に残した数多くの名作群を、新たにコンパイルした究極のベスト・アルバムが今作。

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SEAHAWKS

SEAHAWKS Invisible Sunrise (Ocean Moon / LP) / »COMMENT GET MUSIC
自身主宰[Captain Log]からの数タイトルで、一躍シーンの中心へと上り詰めた UKの新世代バレアリックデュオSEAHAWKS待望のセカンド・アルバムが完成! デビューアルバムで魅せたニュー・エイジ感溢れるアンビエンスたっぷりのシンセ・サウンド、先日リリースされたミニ・アルバムでの、スティールパンやパーカッションなどアコースティック色が強くなった、トロピカルなバレアリック・ディスコ、さらに今作では その二つのエッセンスにAOR的なムードも漂わせ、過去、現在、未来が交差させたノスタルジア・ワールドを披露。この、ありとあらゆる要素が凝縮され、それを巧く昇華される事に成功した、上質なチル・アウト・ミュージック、もはや他の追随を許さない、唯一無二なモノだといえるでしょう!ホント、素晴らしいの一言です!(e-z)

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ARTTU FT JERRY THE CAT

ARTTU FT JERRY THE CAT Nuclear Funk (Clone Royal Oak / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
アナロジカルでLO-FIな、グルーヴィー・アフロ・チューン![Futuredub]、[Philpot]といったレーベルからリリースを重ねてきたLUMPことARTTUと、THEO PARRISHやMOODYMANNの作品への参加でお馴染みのデトロイトのパーカッショニストJERRY THE CATのコラボレーション! シカゴ・ハウスとも、ベルリン・テクノとも、またひと味違う、モノトーンなハウス・グルーヴに、JERRY THE CATによる、黒々したヴォイスとパーカッションでビルドアップするように展開するA面「Nuclear Funk」が、文句なしにオススメ!リズムの打ち込みも完璧!アシッド風味のB面「Get Up Off It」も、時折リバースする展開が懐かしく新鮮で◎

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HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel Ep (Asafa / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
[Diskant]レーベルからの作品がDJ PETE(HARDWAX)などのプレイもあり、一部コアなファンの間でカルト・ヒットした、ANTONELLIやRHYTHM MAKER等々の名義で知られる才 人STEFAN SCHWANDERのソロ・プロジェクトHARMONIOUS THELONIOUSの新作12インチ! 怒涛のアフロ・ドラムが、4/4グルーヴと絡み合い、凄まじ渦を巻き上げる、強烈な一 枚!全曲ヤバイです...。入荷枚数が少ないので、気になる方がお早めに

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MARVIN DASH

MARVIN DASH Workshop 14 (Workshop / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
ベルリンの"ロウ"ハウス・レーベル[Workshop]の新作はベテランMARVIN DASH! 本当にハズレの無い、素晴らしいリリースが続いているベルリンHARDWAXが送る、ロウ・ハウス・レーベル[Workshop]の新作は、LOWTECと共に、90年代から活動するベテラン、MARVIN DASHによる、アンダーグラウンド・ハウス集![Workshop]レーベルらしい、スモーキーでロウなグルーヴは、中毒性あります...

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MAURICIO MAESTRO Feat NANA VASCONCELOS

MAURICIO MAESTRO Feat NANA VASCONCELOS Upside Down (Far Out / lp) / »COMMENT GET MUSIC
ブラジリアン・ミュージック、超優良レーベル[Far Out]新作は、同レーベルからもリリースされた JOYCEとの 76年作「Vision Of Down」という超名盤でも知られる MAURICIO MAESTROと NANA VASCONCELOSの最強コンビが、ヴォーカルに男性シンガー KAY LYRAを迎え、前述の「Vision Of Down」の続編とでもいうべき、暖かなブラジリアン・ソウル・ワールドを展開させた、最高に気持ちよすぎる1枚をドロップ!これからのブラジル音楽史において確実にその名を残し続けることになるであろう今作、ブラジリアン・ミュージックが好きな方には絶対に押さえておいてもらいたいです! 一家に1枚級の家宝モノ!

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JON GORR

JON GORR It'S No Lie (Peoples Potential Unlimited / 12inch) / »COMMENT GET MUSIC
カルト & オブスキュアーなディスコ再発で話題を呼ぶ[PPU] 第32弾。今回は、80年代に活躍した ニューイングランド系レゲエバンド THE I-TONESのキーボード奏者 JON GORRが、83年にリリースしたソロ名作「It's No Lie」。なんとも言いようのない、フュージョンテイストな鍵盤と甘い歌声が印象的な ラヴァーズ風モダン・シンセ・ディスコなオリジナル Side-Aがまず最高過ぎる今作ですが、さらにカップリングには、原曲をいい感じに壊してくれた、心地の良い脱力感が◎な 極上ダブミックスを披露。毎度のことながら若干値段は高めではあるのですが、コレは絶対にその価値あります!! 原盤は絶対に出てくることないと思いますので、この機会に必ずゲットしておいて下さい。オススメ!!

Feist - ele-king

 MOR(middle of the road)というのは、欧米のロック系のメディアではときに軽蔑的に使われるタームだが、僕はMORが嫌いではない。以前、チルウェイヴはMORすれすれだと書いたことがあるが、MORになるならとことんなるべきだと思っている。トロ・イ・モワはなりそうで、まだなりきれていない。MORに必要とされる最低限のプロデュースがまだ行き届いていない。商品としての完成度が足りていないのだ。
 MORとは、たとえばアバ、たとえばバート・バカラック、たとえばカーペンターズ、たとえばイージー・リスニング、たとえば多くのディスコ・クラシック......と、まあ、トゲのない大人向けのポップス全般を指す。ロックだろがジャズだろうが、まずは商業音楽として求められる要素を満たし、そして適度な心地良さを誘うポップスでなければいけない。マンチェスターの中年がオアシスの歌に夢を託すのとは、ある意味正反対のニュアンスだ。
 が、DJカルチャー以降はこうした通俗性も使い方次第では思いも寄らなかった輝きを見せることが実証されている。むしろMORをジョン・レノン級のメッセージに転換してしまってこそ、真のハイブローと言えるだろう(たとえばレイヴの明け方にカーリー・サイモンをかけて、それが大受けするとか)。そういえばチルウェイヴを聴いている子たちがいまAORを探しているなんて話も聞くが、それも理にかなっている。MORはAORのもとだ。

 ファイストは、現代における、いわばMORの女王だった。歌がうまいわけではないが魅力的な声を持ち、容貌も悪くない。ジェーン・バーキンのように長髪の彼女は、スタイリッシュでエレガントなポップスを歌う。多少の捻りはあるものの、10代の頃にピーチーズとパンク・バンドをやっていたというのが信じられないほど彼女の音楽は無害で、プロデュースが行き届いていた。"マッシャブーム"や"アイ・フィール・イット・オール"や"1234"のような曲は、ふわふわの布団が似合うお上品なポップスで、人生に引っ掻き傷を残すようなものではない(だから売れたし、だからMORなのだ)。
 そういえば前作『ザ・リマインダー』が出たとき、「完全試合を果たしたピッチャーを観ているようだ」とまで『ヴィレッジ・ヴォイス』は絶賛しているのだが、まったくいい加減なものだ。良くも悪くも、そして前向きに言って、ファイストは軽い。彼女のチームメイトのゴンザレスもモッキーも、そして前作まで参加していたジェイミー・リデルも軽いほうが得意そうだし。それにファイストを聴いて、「それじゃあ」とブロークン・ソーシャル・シーン(彼女も参加しているトロントのアート・ロック・コミュニティ)に手が伸ばしているリスナーが多くいるとは思えない。

 『メタルズ』は「川とダムと湖の景色」にインスパイアされたというが、アートワークにも荒涼とした自然が描かれているし、クローザー・トラックがその情景描写となっている。彼女は、『レット・イット・ダイ』や『ザ・リマインダー』までとはまったく違った方角を向いている。100万枚以上も売れたという商業的な成功がいかに空しいことだったかを訴えているかのように、4年ぶりの4枚目のアルバムとなる『メタルズ』はアートワークが暗示するように孤独なアルバムなのだ。その点においては、ビョークにおける『ホモジェニック』に位置づけられる。が、このアルバムには流行の音への気配りはまったくないし、そのことが『メタルズ』を強いものにしている。
 アルバムの真価は6曲目の"The Circle Married The Line(円は線と結婚した)"から最後の"Get It Wrong, Get It Right(間違えて、正して)"までの7曲にある。たとえばクリスマス前の感傷的なこの季節にお似合いなのは......、"The Circle Married The Line"もそうだが、"Bittersweet Melodies(苦甘いメロディ)"も心温まるメロディを持っている。この2曲には商業音楽に求められる要素すべてを持っている上に、さらに何かを訴えているようだ。とくに"The Circle Married The Line"などは、険しい山道を登り切って360度見渡せるような場所にたどり着いたかのような、胸の透くような感動がある。目の前に地平線が見えるようなワクワクした感覚があるのだ。『NME』が彼女のことを「ミステリー作家」と形容しているように、説明をはぶいた歌詞も『メタルズ』を特徴づけているが、しかしヴォーカルには感情がともなっているので気持ちはなんとか伝わる。
 最後の3曲の流れも印象的だ。フォーキーな"Cicadas and Gulls(セミとカモメ)"で彼女は、孤独を楽しんでいる。同じようにフォーキーな"Comfort Me(慰めて)"で彼女は、他人を微妙に拒んでいる。そしてクローザー・トラックの"Get It Wrong, Get It Right"では、あたかも日本の短歌のような象徴的な言葉が繰り返され、自然と心の描写が美しいメロディとともに展開される。
 そんなわけで35歳のレスリー・ファイストはMOR王国から脱したと僕は思っている。もっとも『ザ・リマインダー』を「パーフェクト・ゲーム」だと評価した人を落胆させるレヴェルにまでは至っていないのは、結局のところ彼女の音楽はあまりにも上品なのだ。これ、貧乏人のひがみじゃないよ。前向きな意味で、クリスマス前の素敵な夜にどうぞと言っている。

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