「Ord」と一致するもの

#1 Bonoboとの一夜 - ele-king

アンカーソングはロンドン在住の日本人青年である。彼は音楽をやるために渡英し、働きながら活動を続けている。彼の音楽はインストゥルメンタルのエレクトロニック・ミュージックだが、実は、すでに数年前から日本では若いリスナーから幅広く支持されている(過去のミニ・アルバムはともに1万枚近くのセールスがある)。これは、アンカーソングがロンドンから送ってくれた便りである。

 ロンドン、それは世界中のありとあらゆる人種が共存する街で、週末のOxford Streetの様相は、まさに「メルティング・ポット」そのもの。その中には、世界の音楽シーンの中心地であるこの街で成功することを夢見て、海外からやって来た人びとも少なくありません。まさにそんな外国人のひとりである自分が、この街でミュージシャンとして生きる日常について、綴ってみたいと思います。

 まずは簡単に自己紹介をさせて頂きます。
 僕はAnchorsong(アンカーソング)という名前で、ロンドンを中心に音楽活動をしています。2004年に東京で活動をスタートさせ、3年後の2007年10月に、ここロンドンに引っ越してきました。現在はこの街のクラブやライブハウスを中心に、ジャンルを問わずさまざまなパーティーで演奏しています。ロンドンでは、ライヴハウスとクラブのあいだにあまり隔たりがないのですが、ここでは敢えて、前者を中心に活動するロック/ ポップス系と、DJを中心としたクラブシーンに分けて、書いてみたいと思います。


アンカーソングのライヴ風景

 まずロック/ポップス系のシーンでは、やはりオルタナティヴ/インディー系が人気です。東ロンドンに店を構える〈Rough Trade Records〉に足を運べば、スタッフによって厳選された世界中のアーティ ストによる作品の数々が、有名無名を問わず、所狭しと並べられています。なかでも現在とりわけ注目を集めているのは、いまやトレンドの発信地として認識されつつある、NYはブルックリン出身のバンドです。MGMTVampire Weekend、Grizzly Bear、それにAnimal Collective等々、メジャーで成功しているバンドのみならず、Bear In Heaven、 The Hundred In The Hands、Pains of Being Pure At Heartなど、現地でまさに人気に火が点こうとしているバンドまで幅広く取り扱っていて、流行に敏感な音楽ファンで店内は常に賑わっています。個人的には、〈XL Records〉傘下の〈Young Turks〉から新作を発売したばかりのHoly Fuck、また彼らと同じくカナダ出身のBorn Ruffiansというバンドに注目しています。

 クラブ/ダンスミュージック系のリスナーがよく足 を運ぶのは、Central Londonにある〈Phonica Records〉です。テクノ、ハウス、エレクトロ、どれをとってもまさにダンスミュージックの本場であるロンドンならではの洗練されたセレクトで、現場でプレイするDJたちにとっても欠かせないレコード屋となっています。なかでもやはり、いまもっとも勢いがあるのはDubstepのシーンで、SkreamやBengaはもちろんのこと、Burialを擁する〈Hyperdub〉を主催するKode 9ScubaIkonikaJoy Orbison等々、ユニークな才能が次から次へと登場して、シーンに更なる活気を与えています。
 個人的に注目しているのは、「Vacuum EP」のリリースで一躍脚光を浴びたFloating Points、デトロイトの新星Kyle Hall、そしてAaron Jeromeの変名プロジェクトであるSBTRKTなどです。

 レコード業界も不況の煽りを受けているというのは紛れもない事実のようですが、クラブやライヴハウスといった現場では、その事実を感じさせないほどに、連日大いに賑わっています。
 先日は〈Heaven〉にて開催された、Holy Fuckのライブに足を運んできました。ロンドンではクラブとライブハウスのあいだにあまり大きな隔たりがないというのは先に述べましたが、今回のイヴェントはまさにその事実を体現するかのような内容で、先述のSBTRKTがサポートとして出演していました。レーベルメイトであるという点を除けば、両者のあいだにはさほど共通点がないようにも思われますが、集まったHoly Fuckのファンたちはラップトップを使用したSBTRKTのパフォーマンスにもしっかり反応してい て、ロンドンのオーディエンスの懐の広さを、あらためて感じさせてくれました。生演奏とエレクトロニクスをユニークなバランスで組み合わせたHoly Fuckのパフォーマンスはとてもパワフルかつ新鮮で、満員御礼となった会場は大いに盛り上がっていました。

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 過去もいまも変わらず、音楽ファンにとってロンドンは本当に刺激的な街で、僕自身、シーンを外から見ているだけでなく、その一部になりたいという希望を胸に、この街にやってきました。
 とくに頼れそうなアテがあるわけでもなかった僕は、渡英したばかりの頃はブッキングを見つけるのに苦労した時期も、少なからずありました。当時は駆け出しのバンドらに混じって、街の小さなパブでよくライヴをしていました。ロンドンには小さなパブが星の数ほどあって、そのなかには簡易なステージを設置しているところがたくさんあるため、それだけアーティストにとって演奏する場が多いということでもあります。
 また日本とは違い、出演する上でバンドにノルマがかせられることはまずなく、それは若者たちが気楽に音楽をはじめるのを促す要因にもなっていると思います。
 ロンドンではアーティストのブッキングやマネージメントが、アンダーグランドにまでしっかりと行き渡っていて、どんな小さなパブであってもエージェントやプロモーターを通して出演するというのが一般的です。

 現在、僕はSOUNDCRASHというプロモーターにマネージメントを担当してもらっています。彼らは〈KOKO〉や〈Cargo〉といったロンドンのクラブを中心に、〈Ninja Tune〉や〈WARP Records〉のアーティストを軸にした、数多くのコンサートやイヴェントをオーガナイズしていて、僕はこれまでに、DJ Krush, Jaga Jazzist,Hexstatic, DJ Vadimなどのアーティストのサポートを務めてきました。つい先日には、収容人数3,000人を誇るロンドン市内でも最大規模の会場のひとつ、〈The Roundhouse〉にて、〈Ninja Tune〉から新作を発売したばかりのBonoboのサポートを務めさせてもらいました。

ザ・ラウンドハウス
会場となったザ・ラウンドハウス

 ロンドンのオーディエンスはとても素直で、いいと思ったときにはとても熱のこもったレスポンスを見せてくれますが、逆に退屈したときには、たとえそれがヘッドライナーのパフォーマンスであっても、冷ややかな反応を見せます。とくに今回の僕のようなサポートアクトの場合は、オーディエンスの多くが事前に予備知識を持たずに来ているため、彼らを楽しませることができるかどうかは、まさにその日のパフォーマンス次第と言えます。
 そういう意味でもソールドアウトになった今回の公演は、これまででもっともやり甲斐のあるショーのひとつになりました。開演直後は様子を伺っていたオーディエンスが、どんどん盛り上がっていくのが手に取るように見え、最初は5割程度しか埋まっていなかったフロアも、演奏を終える頃には超満員になっていて、3,000人のオーディエンスから大きな拍手と歓声を頂きました。こういうシチュエーションは、本当にいいパフォーマンスが披露できたときにだけ経験できることなので、僕にとって非常に忘れ難い夜になりました。

 そして満を持して登場したBonoboは、集まったお客さんをさらに盛り上げる、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。今回はストリングスやホーンセクションを交えた、総勢12名によるフルバンド編成での公演で、マルチインストゥルメンタリストであるBonoboことSimon Green本人はベースを中心に演奏しつつ、バンドを見事にまとめあげていました。
 また今回の公演にはFlying Lotusの"Tea Leaf Dancers"のシンガーとしても知られるAndreya Trianaが全面的に参加していて、新世代の歌姫として大きな支持を得つつある彼女が、その抜群の存在感を誇る歌声で、オーディエンスを大いに湧かせていました。終演後、いつまでも鳴り止まない歓声と拍手を前に、ステージ上のSimonはとても嬉しそうな表情を浮かべていました。SOUDCRASHのクルーも「これまでにオーガナイズしたコンサートのなかでも最高のもののひとつになった」と、大いに満足している様子でした。

Bonobo
白熱したステージを展開するボノボ

 ロンドンに来て約2年半、シーンの刺激を毎日のように肌で感じられるこの街での生活は、本当に魅力的だと思います。非常に競争率が高い業界であることは事実ですが、実力のあるアーティストが評価され、そしてのし上がっていくという古き良き体制が、この街のアンダーグランドシーンには、いまもしっかりと根付いています。
 最近、日本では海外に出たがる若者が少なくなったという話を時折耳にしますが、僕の知る限りでは、そういうった刺激を求めてこの街にやってきている日本のアーティストはたくさんいて、それぞれがさまざまな形で、その個性を表現しています。この記事を読んでくれた方が、この街で音楽をするということに少しでも興味を抱いてくれたのであれば、この上なく幸いです。

 

アンカーソングのサード・シングル「The Lost & Found EP」は〈Lastrum〉より発売中。また、アンカーソングは7月29日、ele-king@DOMMUNEに出演決定!

CHART by JET SET 2010.06.07 - ele-king

Shop Chart


1

ALTZ VS DJ NOBU

ALTZ VS DJ NOBU MARIANA »COMMENT GET MUSIC
現行二大巨頭によるマスト・アイテム入荷致しました。遂に自身のレーベル"Altzmusica"を始動させた鬼才Altzによるサイケ・パーカッシヴ・トラック。加えてDJ Nobuによるトライバル・リミックスを収録した豪華コラボ・ワーク。さすがの完成度!!

2

ZACKY FORCE FUNK & KUTMAH

ZACKY FORCE FUNK & KUTMAH FUKK »COMMENT GET MUSIC
Zack Force Funk & Kutmahによる危険すぎるダーティー・ディスコ!オランダはCloneのサブ・レーベル、Clone Crownからの新シリーズ第2弾EPが登場!

3

MARBERT ROCEL

MARBERT ROCEL A PARROTS YELLIN »COMMENT GET MUSIC
☆特大推薦☆生音多用のレフトフィールド・ミニマル・ポップ・ハウス特大傑作!!HerbertとDani Sicilianoファンを即魅了した傑作"Beats Like Birds"でデビューを飾った当店直撃Compostトリオが絶好調Fenouから!!

4

DJ KOZE

DJ KOZE RUE BUMOUNT »COMMENT GET MUSIC
DJ Kozeが素晴らしいシングルをドロップ!!Dixon、Ellen Allien、Ryan Crosson、Michel Cleis、dOP,Ewan PearsonそしてBen Wattらがプレイ、サポート!!

5

SLUM VILLAGE

SLUM VILLAGE FANTASTIC VOL.2.10 »COMMENT GET MUSIC
ファン待望!"Fantastic Vol.2.10"がアナログ2LPでも登場です!"We Be Dim"、"We Be Dim Part.2"、"Get It Together"、と2.10版のみの収録曲もしっかり搭載しています! やはり彼らの音は2枚組でじっくりと聴きたかったです。

6

HEY-O-HANSEN - WE SO HORNY

HEY-O-HANSEN - WE SO HORNY SERIOUS PLEASURE RIDDIMS »COMMENT GET MUSIC
☆大推薦☆ホーン全開のオリエンタル・レフトフィールド・ポップ大傑作!!ダブステップを消化して独自の奇形チャーミング・ポップへと到達した鬼才Hey-O-Hansenが、名門Pingipungからホーンを前面にfeat.した傑作アルバムをお届け~!!

7

TRENTEMOLLER

TRENTEMOLLER INTO THE GREAT WIDE YONDER »COMMENT GET MUSIC
■'10年ベスト・アルバム候補■グレーゾーンのポップ・センスを一手に引き受けた特大傑作!!デンマークのレフトフィールド・ポップ/ディスコ/ミニマル巨匠Trentemollerが、Pantha Du PrinceやFour Tetに呼応(+α)した特大傑作アルバムを完成!!!

8

V.A.

V.A. FUTURE DISCO CITY HEAT SAMPLER »COMMENT GET MUSIC
Just Be Good to Me待望のフル・ヴォーカル・ヴァージョンが遂にリリース!!Sean Brosnan監修のコンピレーション/ミックス・アルバム『Future Disco Vol.3 - City Heat』からのアナログ・サンプラー。人気沸騰のThe Revengeを筆頭に期待大のアクトが集う好内容!!

9

MUSHROOMS PROJECT

MUSHROOMS PROJECT TROPIKAL MUSHROOMS »COMMENT GET MUSIC
ファン必聴のMark E, Phoreskiによるリミックス収録です!!早くも第11弾のリリースとなったJisco Musicクルー手掛ける人気レーベル"Under The Shade"最新作。"Is It Blearic?"からのスプリットでも相当ヤバい楽曲を披露していたイタリアン・デュオ"Mushrooms Project"が登場!!

10

MOP

MOP FLY FIRE LTD EDITION »COMMENT GET MUSIC
ここ最近一番アツイ、ブーティー・ハウスメーカーMOPがまたもやってくれました!!ナント今回はあのBasement Jaxxの90"s大ヒット曲"Fly Life"をブーティー・ミックス!!Richie HawtinやRicardo Villalobosらもパワー・プレイ中のあのヴァージョンが遂に登場です!!

CHART by DISC SHOP ZERO 2010.06.07 - ele-king

Shop Chart


1

V.A.

V.A. JAHTARIAN DUBBERS VOL.2 JAHTARI / GER / 2010.5.3 / »COMMENT GET MUSIC
ドイツはライプツィヒのラップトップ・レゲエ集団JAHTARIのコンピ・シリーズ第2集。堂々とした貫禄さえ感じる内容で、外部参加も含めた彼らの音への美意識が凝縮。

2

KAZAMATSURI KENTA

KAZAMATSURI KENTA ALTITUDE IMPROVING MIX RUDIMENTS / JAP / 2010.5.11 / »COMMENT GET MUSIC
"遅れてきた若手"最重要DJのひとりによるDJ MIX。世界各地の標高高めの音楽から独自のセンスで選ばれた多幸感に溢れたナイスなトリップ。6/11のリリパ(https://bit.ly/bYiW80)も大注目!

3

RAMADANMAN

RAMADANMAN GLUT / TEMPEST HEMLOCK / UK / 2010.5.8 / »COMMENT GET MUSIC
"ポスト・ダブステップ"注目の才能。808のブーミンなサブ・ベースとチャカポコ・リズムが最高!な、RAMADANMAN流エレクトロ~ゲットー・テック1。キック&ベースがテック・トライバル感を倍増させる2も◎。

4

MENSAH

MENSAH UNTITLED FUTRURE FUNK EP HENCH / UK / 2010.5.22 / »COMMENT GET MUSIC
所謂"紫御三家"とも交流あるブリストリアン。ヒップホップ/R&B感の強い黒いビートにレトロな風合いのシンセのメロディが不思議な中東感の1、ファンキーとブレイクスがレイヴの下で混ざり合った疾走グルーヴ2、など全3曲。

5

AKIO NAGASE

AKIO NAGASE DUBPLATE-R #2 : BLUE BEE DUB RUDIMENTS / JAP / 2010.5.4 / »COMMENT GET MUSIC
現在の日本でも最も注目すべきレーベルのひとつから提案されたシリーズの2作目。現場にも即対応できるトラックも素晴らしいが、こういう作品をフットワーク軽くリリースできる姿勢も素晴らしい。

6

ROOMMATE / NIBE

ROOMMATE / NIBE DREADER THAN DREAD / GUAVA RUM (VON D GINGER REMIX) LUTETIA DUBZ / FR / 2010.5.8 / »COMMENT GET MUSIC
1は文句無しのレゲエ・ダブステップ。2はジャングルなブレイクビーツからの血を感じるスネアが印象的なリズムに、メロウな上モノ、女性ヴォイスが絡むリミックス。

7

PROFESSOR SKANK

PROFESSOR SKANK OUTER SPACE / DUBWISE CHAMP RENEGADE / GRE / 2010.5.15 / »COMMENT GET MUSIC
70年代末~80年代にリリースされ埋もれていった実験的ダブにも通じるナゾなスペイシーさがあるダブ。 2はリミックス提供経験のあるZION TRAIN直系のホーンが活きたトラック◎。

8

CONQUEST & HARRY CRAZE

CONQUEST & HARRY CRAZE REAL LOVE EP BREAK THE HABIT / UK / 2010.5.22 / »COMMENT GET MUSIC
シャッフルするリズムがUKファンキー的な跳ねにも聴こえる1。生っぽいドラムと自然音のSEが清涼感ありつつメロウな空気を生むドラムンベース2。J.B.「FUNKY DRUMMER」を新たに組んだようなスロウなドラムの3。いずれもアーバンな夜の感触が◎。

9

TOKIMONSTA

TOKIMONSTA COSMIC INTOXICATION EP RAMP / UK / 2010.5.8 / »COMMENT GET MUSIC
L.A.の女性プロデューサー。エレクトロなサウンドが前面に出たブレイクビーツなんだけど、どこか人肌というか人間の持つ"エラー感"のような味が滲み出ていて、不思議とアコースティックな感触。

10

SRC

SRC GOIN OUT EP RWINA / DEN / 2010.5.22 / »COMMENT GET MUSIC
レトロな8bitフレイヴァとニュースクールなグライムの感覚が混ざり合った面白い1枚。4はまさにゲーム音楽のジャンプ音のようなサウンドを多用したキラめくリズムに、タメの効いた8ビート調のリズムが面白いグルーヴ。

[Drum & Bass / Dubstep] by Tetsuji Tanaka - ele-king

1. Alaska / Mesozoic Era | Arctic Music -drum & bass/ambient jungle-

 実は筆者の友人でもあるUKのナショナル・クラブ・シンガー、カースティ・ホークショウ(Kirsty Hawkshaw)に「必ずあなたが参加しているこのニュー・アルバムを紹介するよ。」と約束したので、トップで紹介させて頂く......知り合い云々でなくとも、必ず紹介していただろうが......"純粋"に、ただ素晴らしいコンテンポラリー・アートコアと位置づけられる傑作なのだから当然である。
 00年代に入り、すっかり馴染みが薄れてきたアンビエント/エレクトロニカを基調としたドラムンベース。90年代後半から爆発的にフロア思考が全盛を極め、多数の若手プロデューサーがそこに辿り着くよう目指していったので、そのような風潮になったわけだ。そのなかにあって当時、抽象表現的アンビエント/アブストラクトな作品を頑なに貫くアーティストが若手ながら存在した。その先駆者であるLTJブケム率いる〈グッド・ルッキング〉からのリリースによって名を馳せたパラドックス(Paradox)、そしてその変名アラスカである。アラスカ名義では実に4年ぶりのアルバムとなる今作は、2000年~2006年~2010年と紡いだトリロジーの最終章としてコンプリートされる。その集大成というわけだ。
 凍てつく地域で創造される音が、まったくもってここに表現されている。その感覚に触れるべく、まずは聴いて欲しい作品がこの「メソゾニック・エラ」だ。現在では懐古的になってしまった"アンビエント・ジャングル"だが、この作品の大半と言うか......レーベル〈アークティック・ミュージック〉のカラーである全体像が"それ"というわけだ。
 
 カースティとの繋がりもあって、以前、彼女から筆者にも紹介してもらったアラスカ/パラドックスことデブ(Dev Pandya)は、レーベルのディレクターも務めながら、〈Paradox Music〉〈Esoteric〉〈Arctic Music〉〈Outsider〉といった4つのレーベルを巧みに使いわけている。デブは、現代でも稀なドラムンベース・フィロソフィストである。
 さて、本作はちまたのドラムンベースで流行しているディープでミニマでいたってシンプルな作品とはまた一線を画したサウンド・スケープで、より音楽的で音響要素に富んだオリジナル・プロジェクトである。パラドックス名義の作品に顕著なアブストラクトなミニマル・フィロソフィック・アプローチとは、オポジットに位置している。凍てつくように、そして研ぎすまされた"北"の感性がメインラインとしてスケッチされ、盟友セバ<(Seba)との共作にも共通する北欧的アンビエント・コラージュが広がる。カースティとの共作「Sundog」のサブタイトルに(ー20 MIX)と加えられてるイメージ通りのサウンドである。
 ちなみにトラック/ジャケット・デザイン双方がこれほどアーティに連動している作品はドラムンベース界では希有で、エレクトロニカ/ポスト・ロックの感性にも近いとも言える。もしかしたら......これが......"ポスト・ジャングル/ドラムンベース"なのかもしれない。

2. Heist / Continental Drift | Metalheadz-drum & bass/darkcore-

 以前パーティ・リポートでお届けした今年2月の〈DBS〉で、ゴールディが自身のユニット、ラフィージ・クルー(Rufige Kru)の名曲"ビーチドリフタ"(Beachdrifta)をラストにスピンしたのだが......そのラフィージ・クルーのエンジニア/マニュピレーターがハイストである。ハイエナジーなジャンプアップ・サウンドをメイン・プロダクションとしながら、〈カリプソ・ミューザック〉(Calypso Muzak)、〈コーラボ・レコーディングス〉(Co-Lab Recordings)、〈ガンジャ・レコーズ〉などからリリース。さらにディープ・プロダクションでは、〈ホライゾンズ・ミュージック〉や〈インテグラル〉(Integral)などから数々のリリースによって活躍しているマルチ・プロデューサーだ。現在はゴールディの片腕としてメタルヘッズ全開のダーク・ベース・サウンドを受け継いでいる。
 先述した往年の名曲"ビーチドリフタ"の続編的な傾向が強い今作"コンチネンタル・ドリフト"は、ときを経てより繊細で滑らかなタッチで描かれたストリングス・アンサンブルである。叙情性を拡大し、幻想的に思い浮かべる浜辺をひた走る......そんな陶酔感覚を抱かせる。他にカップリングされている3曲も秀逸で、メタルへッズを地でいく代表的サウンド・ディレクション"ダークコア/ディープコア"が、現在のトレンドとともにオブラートに包みこまれ、混合したあと、生み出されているといったところだ。メタルヘッズはいまもなお衰え知らず"健在"である......。いや、"暗躍"と言ったほうが適切か......UKを代表するあのダーク・スター、ゴールディ主宰のレーベルなのだから。

3. Davip & Encode / Vamonos/High Technology |
Breed 12 Inches
-drum & bass/electric cyber-

 昨年、多様なアーティストのリリース・ラッシュを果たしたロシアからまたニューカマーが現れた。〈ホスピタル〉からの大ヒット・コンピレーション・アルバム『フューチャー・サウンド・オブ・ロシア』も記憶に新しい。エレクトロソウル・システム、サブウェイヴ、ボップ等々、寒い土地柄もあってか、北欧的感覚のディープ/エレクトロニカよりな作風を志すアーティストが多かった。が、今度はダンスフロア直系のエレクトリック・サウンドだ。彼ら、ダヴィップ&エンコードのようなサウンドがロシアでも台頭してきたのである。
 
 ブレイクスを主に扱うマッシュアップ・レーベル〈カット&ラン〉からのリリース(正確にはダヴィップのみのプロダクション)でも話題の彼らだが、今回は、ニューロ・ファンクをリードするクリス・レネゲード(Chris Renegade)主宰のレーベル〈リフテッド〉(Lifted)傘下となる〈ブリード・トゥエルブ・インチーズ〉からのリリースだ。このレーベルは、若手や新進気鋭のアーティストの受け皿的なレーベルと言ってよいだろう。現在のドラムンベース・シーンの動向から、まったく正反対の音楽性(サイバー/テック/エレクトロ・ステップ等々......)を貫いているこのレーベルに新たな期待を抱きたい。このようなサウンド、つまりロッキン・エレクトリック・サイバーは、先駆者ペンデュラムの成功が賛否両論を生んだにせよ、大いなる可能性があるサブジャンルであることに変わりはない。

 筆者がDJを務めた4月15日の〈DOMMUNE〉でこのような曲をプレイしたとき、率直に考えさせられたことがある。プレイ中の前半、つまりニュースクール・ドラムンベースをスピンしたのだが、正直、いまの進化したメインストリーム・ドラムンベースをどのように日本のクラブ・リスナーは捉えているのか、個人的にも非常に興味深かったのでトライしたのだが、賛否両論と言わざる終えない状況になった。その多くは懐古的ジャンルとして捉えられているのか、良くも悪くも、現在のドラムンベースの置かれてる状況が公の場ではっきり知ることができ、身をもって体験したことで勉強になり感謝したい。が、個人的見解で言えば、00年代に突入してからドラムンベースの取り巻く状況は、刻々と変化し、枝分かれしていった先、よりストイックでマニアックなものになっていった。そのことが日本のドラムンベース層が徐々に薄れていったひとつの原因ではないかと推測される。この時点で、各々のサブジャンルのコミュニティができあがり、他のジャンルの層と噛み合なくなったと言えるかもしれない。筆者はそのような日本でのドラムンベースの状況を「ドラムンベース失われた"00年代=ディケイド"」と呼んでいる。<DOMMUNE>での後半クラシック・ジャングルをプレイして反応が非常に良かったあたり、多くがそこで止まっているのだ。このことについては、また今後も触れていきたい。とにかく、シーンの活性化上、新しい世代にもどんどん聴いてほしいジャンルであり、我々がその素晴らしさを伝え続けなければならないと感じている。

4. Kyle Hall / Kaychunk/You Know What I Feel | Hyperdub -dubstep/detroit-


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 コード9が仕掛けるレーベルのポリシーは実に素晴らしい。カテゴリーに拘らず、つねに新しい音を追求しているからだ。自身のダークかつダビーなガラージで、ブリアルのような幻想なアンビエント・ダブステップ、はたまた、ゾンビーのような奇怪なダビー・エレクトロ、ビーツ界の巨人フライング・ロータス等々、このレーベルのヴァリエーションの豊かさはハンパない。そしてここにデトロイトからの新たなサウンドを〈ハイパーダブ〉に加わる。カイル・ホールである。

 カイル・ホールは、2007年デトロイトのアンダーグラウンド〈FXHE〉レコーズからの「プラスティック・アンバッシュ」でデビューしている。当時若干17才というから恐れ入る。2008年には早くも、自身のレーベル〈ワイルド・オーツ〉を立ち上げ、立て続けにデトロイト・ディープ・ハウスの傑作を送り出している。新世代のプロデューサーらしく、徐々にヨーロピアン・ナイズされたビートニクスやファンキーにも着手し、2009年リミキサーとしてダークスターの"Aidy's Girl Is A Computer"をリミックスする。美しくも繊細なハウスにディープ・ファンキーを掛け合わせたようなメランコリックな秀作となり、それで今作「 Kaychun k/You Know What I Feel」で〈ハイパ ーダブ〉からのシングル・デビューを飾ったのである。エレクトロ色が踏んだんなハイパーダブ・カラーを生かしつつ、デトロイト的宇宙観を前衛的に捉えたファンキー志向ビーツである。デトロイト経由から届いた〈ハイパーダブ〉、次は何処から届けられるのか楽しみである。

5. DJ G / Avoid The Noid/Duality | Pushing Red -dubstep/atmospheric/dub-

 サンフランシスコのダブステッパー、DJ Gだが、聴くたびに筆者のツボを付かれるプロデューサーだと思う。ミステリアスで空間系アトモスフェリックに展開したかと思えば、スライトリーなダビー色やスモーキーなハウスの要素を加えたプロダクションを出したり、あるいはトライバル・テッキーでミニマル・ライクなシリアス・ステップであったりと、とにかくパーカッシヴで重厚なダブステップをリリースしている。今回はアメリカのテキサスを拠点としている〈プッシング・レッド〉からのリリースで、テック・インフルーエンスなアトモスフェリック・ダブステップとディープ・ダブのカップリングとなった。〈プッシング・レッド〉と言えば、レーベル1番にリリースされた、サンフランシスコのジャス・ワンも素晴らしい。彼はディープ・ガラージや2ステップ色が強く、UKサウス・ロンドン志向の新世代ニュー・ガラージを提唱するひとりと言える。ジャイルス・ピーターソン主宰〈ブラウンズウッド〉からのジャズ・シンガー、ホセ・ジェームスの「Warrior」をサブトラクト(SBTRKT)とともにリミックスしている。今後もサンフランシスコから発信されるこの個性的なサウンドをこう位置づけよう。ローファーが語っていたこと、これが「ポスト・ダブステップ」であると。

6. Scuba/Dissident / Tense[D BRIDGE RMX]/Social Of Silver Skeletons [HEADHUNTER RMX] | Hotshore -dubstep/drum&bass/drumstep-

 ドラムステップ<DRUMSTEP>と言う新たな潮流が生まれつつあるのは、ご存知だろうか? ローファーは"ポスト・ダブステップ"について語っていたが、そのことはダブステップに限らず、ドラムンベースやUKガラージなどのリアル・アンダーグラウンド・ミュージックにも当てはまる。そこで先述したドラムステップだ。ちょうど、ドラムンベースとダブステップの中間のBPM、ビート・プログラミングなのだが、いかんせん、現時点では存続するかいなか、疑い深いくらい中途半端感が否めない。そのサポートしている中心にいるのが、〈テクニーク〉などからリリースしているダブ・ファンデーションやD・ブリッジ、コンシーケンスなどだ。
 今回、スキューバの〈ホットフラッシュ〉とDJクレバーの〈オフショアー〉が融合した〈ホットショアー〉から、D・ブリッジがスキューバの名曲"Tense"をドラムステップ風にリミックスし、カップリングにディシデントをヘッドハンターがリミックスするという豪華内容になっている。ドラムステップが、今後どのような道程を歩むのか非常に興味深く見守っていこう。そしてまたすぐUKから新たなサブジャンルが世界中に送り込まれるだろう。

7. Calibre / Tenopause/Discreet Dub | Deep Medi Musik -dubstep-

 ジョン・ケージを敬愛するカリバー。奇抜なインダストリアル・センスをサウンドデザインするプロデューサーで、すでに多くののドラムンベースの名曲を送り出している。昨年はドミニク・マーティン名義でのインディ・ロックやシネマティック音響/現代音楽を融合したアルバムを披露し、シーンに衝撃を与えている。
 
 カリバーもまたダブステップに度々足を踏み入れている。これはマーラの〈ディープ・メディ・ミュージック〉から2作目となるシングルなである。そのきっかけは、2008年9月20日の〈DBS〉、カリバーとマーラの初共演ではないだろうか。あの来日がカリバーのダブステップ制作のはじまりになったのである。これはなんとも嬉しい話だが、音のほうもサウンド・フィロソフィストでもある彼の才能が、ダブステップと言うフィルターを通しても違和感なく発揮されているというところがすごい。というか、彼の感性はダブステップのほうがより適合していると思うくらいだ。
 この12インチにおいてカリバーは、ドラムンベースでは踏み入れられなかった未解の領土を切り開いたようである。現在多様化が加速するダブステップのなかで、〈ディープ・メディ・ミュージック〉が持っている変わらない本来のダブステップの姿(サブベース主体のきわめてパワフルでシンプルなダビー・サウンド)が、ここに来て再認識されてきているようだ。
 いろんなものを吸収してきたハイブリッドなダブステップに、いま、転機が訪れてきているのは間違いない。そうしたシーンの動きのなかで自身のレーベル・カラーや音楽性を貫いているDMZクルー(マーラ、コーキ、ローファー)は、やはり格が違うと言うべきだろう。

DJ NOBU @ Berghain - ele-king


浅沼さんから送られてきたベルリンののどかな風景。

 「ノブ君を〈ベルグハイン〉にブッキングするまで帰って来ないから!」、ベルリンに引越す直前、ノブ君にそう言った。別にノブ君に頼まれたわけでも何でもなかったが、私は勝手にそれをひとつの目標としていた。〈ベルグハイン〉に初めて行ったときにから、「ここでDJノブが聴きたい」と思っていたし、私が知っている日本のDJでは、ノブ君以上にここにハマる人は他にいないと思った。

 私がベルリンに引越した最大の理由は〈ベルグハイン〉である、と言っても過言ではない。そんなことを言うとどんだけ頭のおかしい女かと思われるだろうが、それほど衝撃的なクラブだった。そのクラブに毎週通いたいからというわけではなく、こんなクラブが存在し得る街、こんなクラブを作り上げることができる人たちがいる街は魅力的な場所に違いないと思ったのだ。

 ひと言でいうと「完璧」なクラブ。理想のクラブかと問われれば、私の理想とは少し違う。音楽的な好みなども加味すると、個人的な理想はもっと別のところにあるように思う。ただ、実在しているクラブとしては「完璧」であり、完成された、ひとつの究極であることは間違いがない。

 客がフロアでセックスしているとか、「ダークルーム」ではもっとすごいことが繰り広げられているとか、そういうスキャンダラスな側面は正直、私にとってはどうでもいい。クラブの「怪しげ」な雰囲気を演出している要素でしかない。ただしそれは、このクラブ内独自の圧倒的な解放感、「各々が好きなように、好きなやり方で楽しめばいい」というアナーキーさの表れであり、それがこの場所の特別なところだ。

 自由奔放な雰囲気と、プロフェッショナリズムに徹した超ストイックな設備とスタッフと音楽。それがここまで高い次元で共存している場所は世界中見渡しても絶対に他にない。あり得ないと思う。

 ベルリンのクラブは、いまだにレジデントDJを大事にしているところが多い。それぞれのクラブには何人か「ハコ番」のDJがいて、彼らがそのクラブの雰囲気を代弁し、守っている。〈ベルグハイン〉はとくにそこにこだわっているクラブだ。マルセル・デットマン、ベン・クロックが現在もっとも高い人気を誇るツートップと言えるが、他にもレン・ファキ、アンドレ・ガルッツィ、DJピート、マルセル・フェングラー、ノーマン・ノッジ、シェッド、フィーデル、ボリス、アンディ・バウメカーといった面々のいずれかが、土曜日(日曜日)は必ずプレイし、パーティの運命を決める。

 〈ベルグハイン〉は基本的に、土曜~日曜にかけてはつねにハード・テクノが流れている(金曜日にはたまに少し趣向の違うパーティが開かれる。ダブステップのSub:stanceなど)。そこから大きくブレることはない。毎週豪華なゲストDJ/アーティストがブッキングされているが、ここで力を発揮する人と、クラブの個性の強さに負けてしまう人がいる。初めて行ったときにプレイしていたルーク・スレーターなどは、レジデント並みに場に馴染み、客をコントロールしていた。クリス・リービングも他では(私は)聴く気はしないが、ここでは輝く。逆にフランソワ・Kは彼のスタイルの持ち味が映えなかったし、デリック・メイも(私はプレイを聴いていないが)まったく合わなかったと自分で言っていた。というか、まったく彼の好みではなかったようだ。

 ......以上の話は全部ノブ君には事前に伝えていた。思っていたよりもずっと早く実現してしまったノブ君の〈ベルグハイン〉出演。私と、ノブ君を呼ぼうと言ってくれたマルセル・デットマンだけが、「ノブ君なら間違いない」と確信していたが、当然ベルグハイン関係者を含むベルリンの人は誰もDJ NOBUなんて名前すら聞いたこともなければ、彼がどんなスタイルのプレイをするのか、どの程度スキルがあるのか、どれだけ経験を積んでいるのか、全く知らなかった。それでもマルセルの「呼ぼう!」の一言でブッキングは決定。「マルセルが太鼓判を押すなら心配ない」、「リリースがあるかどうか、有名かどうかは全く関係がない。プレイがいいかどうか、ただそれだけ」と、当たり前のようにブッキング担当者は言った。

 この話もノブ君に伝えた。そう、プレイがすべて、本番がすべてだと。最高の舞台であると同時に、絶対に失敗できないチャンス。私は意識的にプレッシャーをかけまくった(笑)。本人には迷惑な話だが、私はノブ君がプレッシャーに強く、窮地に追い込まれたときに馬鹿力を発揮すると信じていたから! 〈ベルグハイン〉は、いちどのチャンスを掴まなければ、二度と呼ばれないと。ノブ君が日本人で初めてあそこでDJするんだから、日本のヤバさをベルリンの連中に見せつけてやってくれと。

 逆に「ハウスはかけないほうがいいか」、「こういう曲はかけてもいいか」等々、ノブ君からの相談にも乗った。なんせノブ君は〈ベルグハイン〉を見たこともなければ、フロアで踊ったこともない。ただ去年千葉の〈フューチャー・テラー〉で聴いたマルセルのプレイと、〈Ostgut-Ton〉や〈MDR〉のレコードの音から、来る日の夜をイメージしていたのだ。だから私はできる限り言葉であの独特のノリと雰囲気を説明した。(説明し切れないけども。)

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マルセルも「グレート!」を連発。ブース目の前に陣取ってるうるさ方の常連さんらもみんな笑顔。「後ろのほうまですごい盛り上がってるよ!」とノブ君に伝 えると、ガッツポーズ! 完全に「オン」になった! 

 アイスランドの火山灰騒動でノブ君のフライトがキャンセルになり、いちどは今回は諦めて何ヶ月後かに仕切り直した方がいいんじゃないかという話も出たほど、直前は大混乱となった。でも結局、ノブ君が少し自腹を切ってでも、航空券を買い直して今回のパーティに出たいというので、慌ててパーティ前日である金曜日に到着する便を手配することになった。本来はローディーも兼ねたふたりの友人と一緒に来るはずだったが、彼らのフライトもキャンセルになったのでノブ君ひとりで来ることになり、重量制限があるので3時間のプレイぎりぎりのレコードしか持って来れなくなってしまった。だから直前、ものすごく慎重に選曲をしてきたようだ。行ったこともないクラブで、他はシェッド、マルセル・デットマン、ベン・クロックというレジデントのみのパーティ。ノブ君は普段から、どんなパーティでもすごくその場所やお客さんのノリ、自分の出番や役割を考えて綿密に選曲をしていることを私は知っている。だから今回などは、本当にいろいろ考えと想像と妄想をめぐらせたに違いない。

 正直、私も不安がなかったわけではない。ノブ君の実力は誰よりも評価しているけど、「あそこ」でそれが発揮できるのかどうか、そしてそれがベルリンの客に伝わるのかどうか。日本全国いろんなパーティを経験したノブ君でも、ベルリンの客を相手にやった経験はない。日本でやっていることをそのままやっても、客が違うので伝わらないかもしれない。でも、逆にベルリンのノリを意識しすぎてノブ君の個性や持ち味が出せなかったら意味がない。そのバランスをどう取ればいいのか、私もわからなかった。ノブ君には、「あとは現場でお客さんの反応を見て判断して」としか言えなかった。

 パーティ当日の夜のノブ君は、いままで見たことがないほど緊張していた。呼ばれた出演者との夕食会も両脇にマルセルとベン、向かいに〈Ostgut-Ton〉のレーベル・マネージャーであり当日〈パノラマ・バー〉のほうでプレイすることになっていたニック・ホップナー、その隣にはレジデントDJでありブッキング・マネージャーであるアンディ・バウメカー、シェッドを含む〈ハードワックス〉のスタッフ、そんな彼らと個人的に仲がいいライアン・エリオット、〈Ostgut〉のブッキング・スタッフ、とイカツイ面子がずらりと揃っていて、私ですら緊張した(笑)。ノブ君の出演時間である3時よりもだいぶ早めに、1時頃には会場に入った。夕方じっくりサウンドチェックもしたが、やはり営業時間の雰囲気、音の鳴りはその場に行ってみないとわからない。

 トップバッターだったシェッドがプレイしていたが、フロアはがらがらだった。普段から客足は遅い方だが、それにしても人が少なかった。火山灰騒動で多くの格安航空便がキャンセルになり、観光客が少なかったからだと思われる。これほど人が少ないのは予想外。シェッドも淡々とウォームアップをしている感じ。ノブ君は緊張顔でソワソワ。ところが交代30分前くらいになって、シェッドがピッチもボリュームも上げ出して、いっきに客も踊りはじめた。そして急激にテンションを上げ切ったところでノブ君に交代。それでもガチガチに顔がこわばっているノブ君(あんな顔見たことない!)に、「いつものノブ君らしくやれば、絶対大丈夫だから!」と最後に言った。心なしか、お客さんもこの無名の日本人DJがどうくるのか、好奇心をもってこちらを見ているようだった。いつの間にかマルセルやその友だちの常連さんたちがブースの前に集合していた。

 ノブ君のプレイがはじまった。最初の30分は、恐る恐るという感じが伝わって来た。でも〈ベルグハイン〉の客にはなじみ深い〈Ostgut-Ton〉のレコードをノブ君のセンスでプレイし、お客さんも少し安心したようだった。明らかにフロアに人が増え、みんなが踊っていた。最初の30分が問題なく過ぎたので、ブースから出てフロアを偵察しに行った。バッチリ。後ろのほうのお立ち台上のマッチョのゲイたちもがっつり踊っている! この人たちを踊らせたら、〈ベルグハイン〉のフロアは制したも同然。ブース内のマルセルも踊りまくっている! 「みんな踊ってるよ!!」とノブ君に言いにいくと、少し緊張が解けたような笑顔になった。開始1時間で、このクラブの要領とお客さんのノリは掴んだようだった。さすが。

 〈ベルグハイン〉のノリは掴んだようだったけど、まだノブ君らしさは発揮されていなかった。まだ硬かった。いつもの伸び伸びとした感じがない。せっかく日本から来てるのに、「他の〈ベルグハイン〉のDJたち」と同じことをやっても仕方がない。〈ベルグハイン〉の世界観を理解しながら、そのなかでどれだけ自分らしく遊べるかどうか。そう考えるとやはりDJにとって難しいハコだと思う。しかし4時を過ぎた頃から、フロアは満員、がっつりと客がついてきている手応え。マルセルも「グレート!」を連発。ブース目の前に陣取ってるうるさ方の常連さんらもみんな笑顔。「後ろのほうまですごい盛り上がってるよ!」とノブ君に伝えると、ガッツポーズ! 完全に「オン」になった! そこで1回、「やったね」の硬い握手をしたのを覚えている。そこからは、いつものノブ君。とくに最後の1時間は本当に楽しそうにプレイしていたし、それがフロアにも伝わって最高潮の盛り上がりを見せた。一緒に夕食を食べた面々も、納得の表情。この夜の主賓であるマルセルがめちゃくちゃ楽しそうに踊っていたことが、何よりの証拠だった。

 後半はあっという間に過ぎて、気づけばもう6時。マルセルと交代の時間だ。交代前に、この日にリリースされた『Dettmann』アルバムの3枚組LPをマルセルが持って来てノブ君に渡した。そしてノブ君最後の1曲が終わるといちど音を止めて、お客さんに紹介するようにノブ君に拍手を送った。あっという間に、私のひとつの「夢」だった"DJ NOBU @ Berghain"は終わっていた。ぶっちゃけ、終わる頃には相当酔っぱらっていた(笑)。だから、その後のことはあまり覚えていない。後は遊んだだけ。ノブ君もめいっぱい遊んでいた。何人かが私のところに、「NOBUがすごく楽しそうにフロアで踊ってるよ!」と言いに来たほどだ。プレイを終えて初めて、ノブ君は〈ベルグハイン〉の客の感覚をフロアで味わっていた。最強のレジデント、マルセル・デットマンとベン・クロックのプレイを彼らのホームグラウンドで体験していた。

 さすがに昼くらいで帰るだろうと思っていたのだが、結局午後3時過ぎ、〈ベルグハイン〉の音が止まるまでいてしまった。上階の〈パノラマ・バー〉は、まだまだそこから夜中まで続くのだが、〈ベルグハイン〉を味わい尽くしたところでこの日は満足。ほとんど〈パノラマ・バー〉をチェックしにも行かなかったが、どうやら〈ベルグハイン〉のほうに客が集中していたようだ。昼くらいまでいた私の友人は、「NOBUのときがお客さんの入りも盛り上がりもピークだった」と言っていた。私はそれ以降の記憶があやふやなのでどうだったか判断できないが、ノブ君が「〈ベルグハイン〉のためのDJ NOBUセット」を絶妙なバランスでプレイし、それが読み通りの反応を得たことはたしかだと思う。ノブ君のセットの終盤、私は酔っぱらいながら「this is one of the happiest moments of my life!」といろんな人に言いまくっていたことも記憶している。本当に鼻が高かったから!

 ありがとう、ノブ君。
 そして、またやりましょう!

浅沼優子

DJ Nobu Current Chart

  • Juju & Jordash / Deep Blue Meanies / Dekmantel
  • Mirko Loko / Tahktok (Villalobos Hilery's Chant Remix - Edit) / Cadenza
  • Claro Intelecto / Back In The Day / Modern Love
  • Marcel Dettmann / Dettmann / Ostgut Ton
  • Mike Parker / GPH14 / Geophone
  • Dasha Rush / Sonic State / Sonic Groove
  • James Kumo / Kumomusic Vol.1 / Delsin
  • Crue-L Ground ohcestra / Endbeginning(NOBU'S DUB) / Crue-L
  • Peter Van Hoesen / Entropic Minus Six / Time To Express
  • ??? / Desperation / Do Not Resist Beat!

CHART by JETSET 2010.05.31 - ele-king

Shop Chart


1

WALTZ

WALTZ BLENDMIX - WALTZ EDIT VOL.3
»COMMENT GET MUSIC
毎回好評の「Waltz Edit」の第3弾が登場!カップリングにはHikaru(Blast Head)とタッグを組んだニュー・ユニット、Blendmix名義での作品を収録。

2

MADLIB

MADLIB MEDICINE SHOW VOL.5 - HISTORY OF THE LOOP DIGGA 1990-2000 (LIMITED DELUXE VERSION) »COMMENT GET MUSIC
あの頃君は若かった・・・でも、とてつもなくビートはドープ。まずは早い者勝ちのDX限定盤!Medicine Showシリーズ第5弾は、1990年から2000年までのMadlibの過去を紐解くデモ音源集全44曲(34曲+ボーナス10曲)!

3

SEAHAWKS

SEAHAWKS ASTRAL WINDS
»COMMENT GET MUSIC
素晴らしい。コズミックとシューゲイズが海の底で溶け合うトリッピン・シンセ・サウンドスケープ!!最高のリリースが続くStatic Caravanより。Fuck Buttons meets Washed Outな絶対注目の1枚!!7"とは別内容の7曲入りCDが封入された限定盤です。

4

RAAH PROJECT

RAAH PROJECT REMIXES
»COMMENT GET MUSIC
☆特大推薦☆どこまで天才なんだBlue Daisy!!年間ベスト10"候補です。イタリアの新興レーベルから当店直撃のリミックス10"が。Gilles Petersonにフックアップされた新鋭ユニットをお馴染みBlue DaisyがリミックスしたA1が壮絶です!!

5

MARCUS PRICE & CARLI

MARCUS PRICE & CARLI MAT BIRA KVINNOR WEED EP
»COMMENT GET MUSIC
☆爆裂大推薦☆これが'10年型ダーティ・ビーツ x 新型UKG/ベース最強リミキシーズ!!ダーティ・ビーツ系US最強ブログが主宰する同名レーベルが遂にヴァイナル・リリースを始動。当店激推しNight Slugsポッセからも2組がリミキサー参戦しておりますっ!!

6

ALDO CADIZ

ALDO CADIZ SHE MOVED
»COMMENT GET MUSIC
Basti Gru主催、Hohenreglerからの新作!!同時期にDesolatからBasti Grubとのコラボ作品をリリースし注目を集めたチリアン・プロデューサー、Aldo Cadizによるソロ作品が登場!!

7

MICKEY MOONLIGHT

MICKEY MOONLIGHT LOVE PATTERN EP
»COMMENT GET MUSIC
無限大マスト★天才Mike Silverによるトロピカル・シンセ・ユニット、遂に2nd.シングル登場!!2008年の"Interplanetary Music"が未だ売れ続けるMickey Moonlight。待ちに待った第2作がEd Bangerから到着!!今回も絶対間違いなし、メチャクチャ最高です!!

8

TARAS 3000

TARAS 3000 GALAXIS
»COMMENT GET MUSIC
AN-2に続くロシアン・ニュー・ディスコ大推薦盤!!Move Dを皮切りに本作で3枚目のリリースとなるモスクワ発Shanti Records.今後はRick Wadeのリリースも予定されていたりと大変に楽しみなレーベルです。

9

RICCIO

RICCIO DESIRE EP
»COMMENT GET MUSIC
ますます目が離せなくなってきたBosconiのディスコ部門"Bosconi Extra Virgin"!!The Revengeがリミキサーに起用された前作Jaffa Surfa"Disko Z"に続くは、Super ValueおよびHidden Historyからのリリースで御馴染みのLTJ X-Perience一派Riccioという言うまでも無くゴキゲンな一枚!!

10

ALEX DOLBY & SANTOS

ALEX DOLBY & SANTOS SOUND TRAFFIC E.P.
»COMMENT GET MUSIC
フロアヒット確実のトライバル・テックハウス!!Adam Port & Santeによる"Own EP"で一気に注目を集めたRockets & Poniesからのニュー・シングルはtaloboyz, Dubfire, Paul Ritchもプレイ、サポートの強力パーカッシヴ・チューン!!

Shop Chart


1

NABOWA

NABOWA S.T. MOGIE / JPN / 2010/5/12 »COMMENT GET MUSIC
数々のライブを経験し、たくましく成長したNABOWAがお届けする渾身のセカンド・アルバム「NABOWA」が遂にリリース!いままで以上に表情が豊かになったヴァイオリンとバンド・サウンドのアンサンブルを軸に、大都会や街中から、海、空、草原、はたまた近所の河などの自然、更には過去から現在、そして素晴らしき未来まで期待させるような、場所と時間と感覚のミュージカル・ジャーニー。未発表ライブ映像を収録した特典DVDR付き!

2

DUFF DISCO

DUFF DISCO SHAKE THAT LEG EP DUFF DISCO / UK / 2010/5/27 »COMMENT GET MUSIC
絶好調DUFF DISCO第3弾!A面"GIMME SOME BUCKS"はJB'Sによる大クラシック"YOU CAN HAVE WATERGATE~"というドFUNKな一曲をお得意のファットなミッド・ブギー・トラックへとリエディットさせた、斬新な好ワークス!そしてB面にはファンク/ロック/ディスコ/レアグルーヴと幅広い層から人気を集めるUKカルト・ロック・バンドSTRETCHによる名曲""WHY DID YOU DO IT?"をこちらも極太ブギー・ロック/ディスコへと再構築!

3

MOODY a.k.a. MOODYMANN

MOODY a.k.a. MOODYMANN OL' DIRTY VINYL KDJ / US / 2010/5/9 »COMMENT GET MUSIC
「DET.ROIT」、「ANOTHER BLACK SUNDAY」に続くMOODY名義での第三弾!所々に出没するチリノイズ風(?)演出がアナログ感むき出しで◎なファンキー・ブラック・ハウス"OL' DIRTY VINYL"、90年代後期に制作された蔵出し音源となるジャズ/ソウル・ナンバー"WE DON'T CARE"、そしてキーボードにAMP FIDDLERを迎えロンドンで制作されたジャズ/ファンク・ハウス"IT'S 2 LATE 4 U AND ME"等、計5トラック収録!どれも格別の黒さ!やはり"ホンモノ"は違います!

4

BISON

BISON SOUP FICTION CLAREMONT 56 / UK / 2010/5/27 »COMMENT GET MUSIC
好調なリリースを重ねるPAUL MURPHYことMUDD主宰の<CLAREMONT 56>より、CANのHolger Czukay、シンガーのUrsa Major、そしてレーベル主宰Paul "Mudd" Murphy とSmith & MuddのBenjamin SmithによるNewユニットBISONによるセカンド・シングル!前作でも見せたマッドなロック・グルーヴ全開、さらに今回はLIQUID LIQUIDのオリジナルメンバーSAL Pをボーカルに起用、より強力でダーティなオブスキュア・スローモー・ロック・ディスコ傑作となってます!

5

ERDBEERSCHNITZEL

ERDBEERSCHNITZEL COTTON 3RD STRIKE / UK / 2010/5/27 »COMMENT GET MUSIC
ソロ・デビュー作となった新設レーベル<3RD STRIKE>からの前作「4 MONTHS」も大好評だったドイツの新鋭ERDBEERSCHNITZELによる新作が早くも登場!今作はブギー・ディスコ・テイスト強めな楽曲から KDJ/THEO PARRISH等にも通じるソウル/ジャズのエッセンスを散りばめたブラック・ハウス、そしてもちろん<JISCO>クルーのフックアップも頷ける極太ビートダウン・サウンドまで、ずば抜けたプロダクション・センスの光る漆黒トラック計4本収録!!

6

DJ NATURE

DJ NATURE THIS SIDE OF HEAVEN / IT'S OVER GOLF CHANNEL / US / 2010/5/19 »COMMENT GET MUSIC
リヴィング・レジェンド、DJ MILOによるダンスミュージック・ラインでの別名義プロジェクトDJ NATURE新作!こちらは二種同時リリースの第一弾!土着的なヴォイス・サンプルや鳴物を散りばめパーカッシヴ・ビートを主体としたミニマル・グルーヴで展開する"THIS SIDE OF HEAVEN"、ジャジーなリフレインが心地良く響き渡るビートダウン・トラック"IT'S OVER"とどちらも隙の無い完璧な仕上がり!!

7

DJ NATURE

DJ NATURE WIN LOSE AND DANCE / DESTINY REPRISE GOLF CHANNEL / US / 2010/5/19 »COMMENT GET MUSIC
リヴィング・レジェンド、DJ MILOによるダンスミュージック・ラインでの別名義プロジェクトDJ NATURE新作!こちらは二種同時リリースの第二弾!持前の黒さを発揮したジャジーなエレピ・リフに土着的グルーヴを織り交ぜ展開するビートダウン・トラック"WIN LOSE AND DANCE"、そしてソウルフルなヴォイス・サンプルを配しビルドアップしていくファンクネス度高めなブラック・ハウス"DESTINY REPRISE"と両面共にこちらも完璧!!!

8

NABOWA

NABOWA キッチンへようこそ / SUNPEKO MOGIE / JPN / 2010/5/12 »COMMENT GET MUSIC
インストルメンタル・バンド・シーンにおいて今年最大の話題作になるであろうNabowaのセカンド・アルバムより、限定7インチが到着!『悦びに咲く花』やDragon Ash『Grateful Days』の大ヒットで知られ、昨年より本格的に活動を再開したACOをヴォーカルに起用した会心のポップチューン『キッチンへようこそ』、軽快なバンド・アンサンブルに、表情豊かなヴァイオリンが高揚感を加速するNabowa流ポストロック・ナンバー『sunpeko』の2曲を収録!

9

MAXXI AND ZEUS

MAXXI AND ZEUS THE STRUGGLE / THE CELLl INTERNATIONAL FEEL / URY / 2010/5/22 »COMMENT GET MUSIC
毎度完売!人気レーベル<INTERNATIONAL FEEL>新作!ハードディガー/コレクターであるJOEL MARTINと世界で最も多忙なDJ/プロデューサーのひとりRADIO SLAVEことMATT EDWARDSによるユニットQUIET VILLAGEの別名義プロジェクト=MAXXI AND ZEUSでのディープ・チルアウト・トラック!ASHLEY BEEDLE、MIXMASTER MORRIS、GILES PETERSON、SOFT ROCKS等実に幅広いDJ/クリエイター陣からも大絶賛中の本盤、毎回ですが限定プレスのためお早めに~!

10

KENNETH BAGER EXPERIENCE

KENNETH BAGER EXPERIENCE THE KBE DUBS MUSIC FOR DREAMS AMERICA / US / 2010/5/25 »COMMENT GET MUSIC
A面には89年リリースのテクノ・クラシックDR.BAKER/KAOSのダビーなリミックスを収録!そして注目はやはりC/Wに収録の "FRAGMENT EIGHT (DJ DISCO DUB MIX)"で、レーベル・メイトでもあるDJ DISSEによる"FRAGMENT EIGHT"を激ダビーなディープ・トラックへとリミックスした逸品!レゲエ・サイドはもちろんディスコ、ブレイクビーツ・ファンにもオススメできる振り幅の広いナイス・トラックです!

Shop Chart


1

SHOES

SHOES Shoes Your Illusion Vol 1 & 2 SHOES / US / »COMMENT GET MUSIC
再入荷!MOODYMANN"SHADES OF JAE"を始め、JB、AL GREEN、MILES DAVIS、BILL WITHERSなど名だたるクラシックをRE-EDITしてきたSHOESが初のCDリリース!GARAGE系ならずとも、一度はフロアで聞き覚えのあるクラシックを料理してきた、CHICAGOのRE-EDITレーベル。12"で再発する予定はないので、2枚組でのCD化は嬉しい限り!

2

MAXXI AND ZEUS

MAXXI AND ZEUS Struggle/Cell INTERNATIONAL FEEL / BEL / »COMMENT GET MUSIC
絶好調!INTERNATIONAL FEELです!RADIO SLAVEも参加するQUIET VILLAGEの新プロジェクト"MAXXI AND ZEUS"による12"!60年代の野外でのフェスを思わせる、あまりにサイケ、あまりにドラッギーなブルースを鳴らすA面。コラージュ的な要素で圧倒的な世界観を作りこんだ極上のチルアウト・ナンバーのB面。PSY高すぎる一枚!

3

TODD TERJE

TODD TERJE Remaster Of The Universe PERMANENT VACATION / GER / »COMMENT GET MUSIC
切った張ったのRE-EDIT業界において今最も旬な男、TODD TERJEによる初のRE-EDIT集をリリース!初CD化音源のみ収録のDISC 2と、DJ MIXされたDISC 1の2枚組。SIMON BAKER、JOSE GONZALEZ、FELIX LABAND、DOLLE JOLLEなどヒットした音源が多数、CHAZ JANKELやM"POP MUZIK"などのクラシックも多く八方敵なし!

4

MASOMENOS

MASOMENOS Orange Balloon WELCOME TO MASOMENOS / GER / »COMMENT GET MUSIC
リリースラッシュの止まらないフランスを代表するアーティスト、MASOMENOSによる風船シリーズ「オレンジ」。GROOVE感重視のトラックに、様々な趣向をこらした個性的な4 TRACKS。コメントでは伝えづらいのですが、じっくりと聴けば、彼らのセンスが分かります。個人的にもオススメ!

5

REBOOT

REBOOT Rambon EP CADENZA / GER / »COMMENT GET MUSIC
間もなくリリースされる1STアルバムからの先行12"カット!LUCIANO REMIX!!!CADENZAのレーベルカラーを写し込んだような、美しい中域と細身のパーカッションは、レーベル50番を飾るに相応しい内容。LUCIANO REMIXは、肩の力が抜けた低音重視のドープなTECH MINIMAL。

6

TECHNASIA

TECHNASIA Espercance TECHNORIENT / HK / »COMMENT GET MUSIC
「POPSODA」以来4年ぶりとなるNEW ALBUM「CENTRAL」からの先行12"カット!とてもポジティヴでシンセの音色の「気持ちよさ」を表現した、まさに"TECHNASIA SOUND"と言えるテクノ・トラック!MINIMALや、DEEP HOUSEが主流となった現在のテクノシーンにおいて、CHARLESの作るストレートなテクノ・サウンドは一際魅力的に映るでしょう!

7

KUNIYUKI

KUNIYUKI Remixed Vol.2 MULE MUSIQ / JPN / »COMMENT GET MUSIC
RE-STOCK品入荷!北の至宝、KUNIYUKIの音源をCOBBLESTON JAZZとA MOUNTAIN OF ONEがREMIXしたオススメの一枚!COBBLESTONEらしい、エネルギッシュなベースラインと原曲のエレガントさを損なわないレベルでダンサブルにしたA面。アウトドアでナイトライフな、極上のチルアウトを約束するB面。A.M.O.O REMIXはNOBUさんもMIX CDに収録してました。

8

MARTINEZ

MARTINEZ Paradigm Shift MOON HARBOUR / GER / »COMMENT GET MUSIC
近年どこからのリリースでも、外れを引くことがなかったMARTINEZのサード。引き締まったリズム・トラックとアトモスフェリックなウワモノが絶妙にブレンドされた"Soralis"はじめ、ミニマルハウスがさらに洗練され、ディープハウスの最新形とも言えるサウンドへと昇華された傑作アルバム!

9

SLAM

SLAM Maffaking DRUMCODE / SWE / »COMMENT GET MUSIC
自身のレーベル・PARAGRAPHからのリリースに顕著に表れているダークでエクスペリメンタルなミニマル路線を突き詰めた一作。ブーストする低音、脳を揺さぶるドラッギーなシンセリフがたまらない極悪なトラック! B面はグルーヴを重視したバウンシーなミニマルで、こちらもフロアで威力を発揮するキラー・チューン!

10

JOAQUIN JOE CLAUSSELL

JOAQUIN JOE CLAUSSELL Sacred Rhythm Music and Cosmic Arts Promotional Sampler / »COMMENT GET MUSIC
7月リリースのレーベルコンピからの先行アナログカット。先日のBody&SOUL終盤でもプレイされた軽快なインストA1、イーノ的なピアノ・アンビエントB1、得意のドラムをバッチリ重ねドープなダブ処理が素晴らしいB2と異なったテイストの楽曲を3曲収録。限定500枚カラーヴァイナルでリリース。(Y)

CHART by STRADA RECORDS 2010.05.27 - ele-king

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1

MASSIVE ATTACK

MASSIVE ATTACK PARADISE CIRCUS-GUI BORATTO REMIX WHITE (US) / »COMMENT GET MUSIC
MASSIVE ATTACKのアルバム「Heligoland」収録曲を、KOMPAKTなどからのリリースでもお馴染みのブラジル生まれのクリエイターGui Borattoがリミックス!メランコリックなディープ・ハウス ・リミックスで、繊細なバック・トラックに可憐な女性ヴォーカルがグッとくる最上級の仕上がり!DOMMUNEでDJ AGEISHIさんがプレイしてました!

2

MAXXI AND ZEUS

MAXXI AND ZEUS THE STRUGGLE INTERNATIONAL FEEL(EU) / »COMMENT GET MUSIC
大人気レーベルINTERNATIONAL FEELからナントQUIET VILLAGEの変名MAXXI AND ZEUSが12インチをリリース!両面ともハイクオリティーなアンビエント系サウンドで、Chris Coco、Phil Mison、Prins Thomas、Pete Herbert、Mixmaster Morris、Mountain of One、Max Essaといったチルアウト~バレアリック系DJはもちろんAshley Beedle、Tom Middleton、Horse meat Disco、Jimpster、Soft Rocks、Brendon Moeller、Nick Chacona、DFAらも絶賛!

3

JEPHTE GUILLAUME

JEPHTE GUILLAUME DEJA VUE(feat.WILTRUD WEBER) TET KALE (US) / »COMMENT GET MUSIC
100枚限定のプロモも話題だったこの曲が遂に正規リリース!SPIRITUAL LIFEやIBADANからのリリースで知られるJEPHTE GUILLAUMEが久々に自分のレーベルから放つ強力盤で、彼らしいパーカッシヴなハウス・トラックに伸びやかな女性ヴォーカルがフィーチャーされたシリアス且つカッコイイ作品!

4

BAYARA CITIZENS(JOE CLAUSSELL etc)

BAYARA CITIZENS(JOE CLAUSSELL etc) SONG FOR AFRIKA SACRED RHYTHM (US) / »COMMENT GET MUSIC
ここ最近のJOE CLAUSSELLのプレイでも注目を集めていたこのアフロ・ハウスがようやくリリース!グルーヴィーなアフロ・パーカッションに浮遊感のあるシンセ・ソロがフィーチャーされたディープなインスト・チューン!

5

JOE CLAUSSELL

JOE CLAUSSELL THE SACRED RHYTHM MUSIC SAMPLER-FAR EAST SACRED RHYTHM (US) / »COMMENT GET MUSIC
SACRED RHYTHMからリリース予定のコンピレーションからの先行サンプラー・シングル!Mental Remedy名義での清々しいインスト・チューンをはじめ、アンビエント調のB1、アフロなドラムが炸裂するBayara Citizens名義のB2という充実の内容!

6

SLAM MODE

SLAM MODE APPAKETA-JEFF MILLS REMIXES SPIRITUAL LIFE (US) / »COMMENT GET MUSIC
休眠状態(?)だったSPIRITUAL LIFEから突如12インチがリリース!同レーベルからのコンピレーション「New Birth」に収録されていたJEFF MILLSによるリミックスを、更に今回JOE CLAUSSELLがオーヴァーダブを施した初お目見えの新ヴァージョン!JEFFらしいドラムにエスノなヴォーカルが舞うぶっ飛んだテック・ハウス!何かと使えるアカペラの収録も嬉しい!

7

TOMMY BONES

TOMMY BONES RAW BASICS EP WONDER WAX (US) / »COMMENT GET MUSIC
WAVE MUSICやREALTONE等からリリースしているTOMMY BONESがDJ SPINNAのレーベルWONDERWAXから12インチをリリース!ミニマルで図太いディープ・インスト・ハウスで、そのままプレイしてもロング・ミックスに使ってもバッチリな即戦力盤!DJ SPINNAによるミックスも収録!

8

FERDI BLANKENA

FERDI BLANKENA SEANCE WOLFSKUIL(EU) / »COMMENT GET MUSIC
Darko Esser等のリリースで知られるレーベルWolfskuilの限定シリーズ!小気味良いパーカッション・トラックにディープなシンセがジワジワと入ってくるカッコいいインスト・チューン!これはハマる!OsunladeやBrothers' Vibe、Luke Solomon、Michel Cleis、Marc Romboy、SIS、Laurent Garnierらもプレイ!

9

THE NATHANIEL X PROJECT

THE NATHANIEL X PROJECT THE RESURRXION E.P. MY LOVE IS UNDERGROUND(FR) / »COMMENT GET MUSIC
現代のものとは思えないこのサウンド・・・!しかしこれが新譜だから驚き!それもそのはず94年に懐かしのMUSIC STATIONレーベルからリリースした以来となる超久々の作品で、バリバリ90'sハウスな仕上り!タフなビートにバウンシーなベースが踊らせてくれます!

10

MAYNARD FERGUSON

MAYNARD FERGUSON PAGULIACCI-JOE CLAUSSELL REMIX COLUMBIA (US) / »COMMENT GET MUSIC
JOE CLAUSSELLはもちろんFRANCOIS K.らのプレイで人気の超絶ジャズ・ファンク系クラシック「PAGULIACCI」がJOE CLAUSSELLによる絶妙なエディットが施され12インチ・リリース!ちなみに滅多にお目にかかれないオリジナルUS12インチはプロモ・オンリーで中古市場でン万円で取引されています!以前JOEセレクトのコンピにもこの曲のエディットが収録されていましたが、今回は初お目見えのロング・ヴァージョン!これはマストです!

CHART by TRASMUNDO 2010.05.27 - ele-king

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1

H.FUTAMI PRESENTS『CONSCIOUS BLUES』 »COMMENT

2

ECD『TEN YEARS AFTER』»COMMENT

3

HIRAGEN from TYRANT『CASTE』 »COMMENT

4

RAMB CAMP『Ramb Camp』 »COMMENT

5

BING『HOMENAJE A LA MUSICA COLOMBIANA』 »COMMENT

6

STARRBURST『INSTRUMENTALS』 »COMMENT

7

SEMINISHUKEI PRESENTS『WISDOM OF LIFE』 »COMMENT

8

SFP BRAND NEW Tee »COMMENT

9

PAYBACK BOYS BRAND NEW Tee »COMMENT

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blahmuzik『ABNOIZ』 »COMMENT
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