「Ord」と一致するもの

Daniel Lopatin - ele-king

 ダニエル・ロパティンが劇伴を手がけた映画『アンカット・ダイヤモンド』(原題:『Uncut Gems』)が Netflix にて1月31日より配信開始となる。その布石として、サウンドトラック制作の背景を追ったドキュメンタリーが YouYube にて公開中だ。日本語の字幕付きで視聴できるのはありがたい。予想以上に良い内容のサントラだっただけに、どんなふうに制作が進められていったのか、気になるところです。下記、新たにコメントも到着。いわく、「すべてが美しい叙事詩のよう」。ロパティン本人のインタヴューはこちらから。

アダム・サンドラー主演/サフディ兄弟監督/A24 配給
『UNCUT GEMS』(邦題『アンカット・ダイヤモンド』)
Netflix にて1月31日より独占配信開始!
OPNことダニエル・ロパティンが手がけたサウンドトラックの制作ドキュメンタリーが日本語字幕付きで公開!

サフディ兄弟による本作は、そのストーリーと音楽によって、ニューヨークの喧騒を見事に描き出し、時には映像さえ必要ないのではないかとすら思わせる。 ──The New York Times

サフディ兄弟監督/アダム・サンドラー主演/A24配給の映画『Uncut Gems』(邦題『アンカット・ダイヤモンド』 Netflix にて1/31より独占配信開始)。世界に先駆け公開となったアメリカでは興行収入が A24 史上最高記録を塗り替え、NY映画批評家協会賞とサンディエゴ映画批評家協会賞では監督賞受賞、キャリア史上最高レベルの素晴らしい演技と評判の主演アダム・サンドラーは、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で『JOKER』のホアキン・フェニックスを抑え主演男優賞を受賞するなど、配信開始前からここ日本でも映画ファンを沸かせている本作。

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)ことダニエル・ロパティンが手がけた本作のサウンドトラックの制作背景を追ったドキュメンタリー映像が公開! 日本語字幕付きでの視聴が可能となっている(YouTube 上の設定ボタンより「字幕⇨日本語」で設定)。

ニューヨーク宝石市場を舞台とした一風変わったクライム・サスペンス作品を彩るダニエルが手がけた音楽は、緊迫した物語と絡みながら、ヴァンゲリスやタンジェリン・ドリーム、そして芸能山城組をも彷彿とさせる幻想的な音色や、まるでスティーヴ・ライヒが書き下ろしたオペラのようなミニマルでパーカッシヴな声楽曲までを幅広く表現。映画のシーンに合わせどのように音を構築したのか、そしてサフディ兄弟と互いを刺激し合いながら、いかにしてこのかつてない劇伴を完成まで至らせたのか、貴重な制作の裏側が垣間見られる内容となっている。

Behind the Soundtrack: 'Uncut Gems' with Daniel Lopatin (DOCUMENTARY)
https://www.youtube.com/watch?v=pIAvmtNIx9I&feature=youtu.be

今でもこのサウンドトラックがどういうものか説明出来ない。 なぜならすべてが美しい叙事詩のようでその瞬間その瞬間に意味があるからだ。 ──Daniel Lopatin

予告編
https://youtu.be/vTfJp2Ts9X8

『アンカット・ダイヤモンド』 (原題:『Uncut Gems』)
監督:ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ
脚本:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ、ロナルド・ブロンスタイン
製作:スコット・ルーディン、イーライ・ブッシュ、セバスチャン・ベア・マクラード
出演:アダム・サンドラー、キース・スタンフィールド、ジュリア・フォックス、ケビン・ガーネット、イディナ・メンゼル、エリック・ボゴシアン、ジャド・ハーシュ
音楽:ダニエル・ロパティン
公開:2020年1月31日 Netflix にて全世界配信開始

label: BEAT RECORDS / WARP RECORDS
artist: Daniel Lopatin
title: Uncut Gems Original Motion Picture Soundtrack
release date: 2019/12/13 FRI ON SALE

国内盤CD
BRC-625 (解説書封入) ¥2,200+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10630
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/B07ZR5G8DL

TRACKLISTING
01. The Ballad Of Howie Bling
02. Pure Elation
03. Followed
04. The Bet Hits
05. High Life
06. No Vacation
07. School Play
08. Fuck You Howard
09. Smoothie
10. Back To Roslyn
11. The Fountain
12. Powerade
13. Windows
14. Buzz Me Out
15. The Blade
16. Mohegan Suite
17. Uncut Gems

インタビュー掲載中!
ele-king: https://www.ele-king.net/interviews/007303/
──人間としての自分に近い作品に思えた

BEATINK 年間ベスト「BEATINK BEST OF 2019」キャンペーン実施中!
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10746

MAE.SUN - ele-king

 サキソフォニストにしてヴォーカリストのヘイリー・ニスワンガー率いるバンド、メイサン(MAE.SUN)がセカンド・アルバムを送り出す。彼女は、USのマルチ楽器奏者エスペランサ・スポルディングからもあつい信頼を置かれているプレイヤーで、まだ知らない方は要チェックっす(昨秋のハーヴィー・メイソンの来日公演では、マーク・ド・クライヴ=ロウとも共演)。ジャズと現代ソウルとの蜜月を教えてくれる、素敵な1枚をぜひ。

MAE.SUN
Vol.2 Into The Flow

エスペランサ・スポルディング、テイラー・アイグスティ(ケンドリック・スコット・オラクル)等とも共演を果たす、サックス奏者・ボーカリスト、ヘイリー・ニスワンガーを中心に結成された MAE.SUN (メイサン)。
コンテンポラリー・ジャズの洗練さとネオ・ソウルのフィーリングが融合し、色彩豊かな輝きを増したセカンド・アルバム!!

Official HP: https://www.ringstokyo.com/maesun

ネオソウル以降の音楽シーンに新たな息吹を与える MAE.SUN。率いるのは女性サックス奏者ヘイリー・ニスワンガー。十代でリーダー作を発表してジャズの世界で認められた気鋭のプレイヤーであり、その実力はエスペランサ・スポルディングからも厚い信頼を得ている。だけど、MAE.SUN での彼女はもっと抜きん出てた才能を発揮する。自らヴォーカルも取り、真にグルーヴィーでマインドフルな音楽を追求する姿勢が、このアルバムから伝わるはずだ。 (原 雅明 rings プロデューサー)

アーティスト : MAE.SUN (メイサン)
タイトル : Vol. 2: Into The Flow
発売日 : 2020/2/19
価格 : 2,400円+税
レーベル/品番 : rings (RINC64)
フォーマット : CD (日本企画限定盤)

Tracklist :
01. Awaken
02. Change
03. Bond (feat. Amber Navran)
04. Cycle
05. Ritual
06. Ascension (feat. Kate K-S)
07. Acceptance
08. Free

Banter × Thomas Fehlmann - ele-king

 大ヴェテラン、トーマス・フェルマンが2月15日に来日する。会場は表参道の VENT。今回のパーティは、Moss と SITH のふたりから成るオーディオ・ヴィジュアル・ユニット Banter による初の作品「THER」のリリース・パーティとして企画されたもので、同作にフェルマンがリミキサーとして参加したことがきっかけになった模様。目も耳も思うぞんぶん楽しめる一夜になりそうだ。

リビング・レジェンド、Thomas Fehlmann が Banter 初作品のリリースパーティーに登場

デトロイト~ベルリンの架け橋としてベルリンのテクノ・シーンの礎を築き上げ、The Orb の長年のコラボ・メンバーとしても活躍してきたリビング・レジェンド、Thomas Fehlmann (トーマス・フェルマン)。Banter の初のリリース作品にリミキサーとして起用された Thomas Fehlmann と共に、リリース・パーティーを2月15日に開催!

Thomas Fehlmann は、79年に Holger Hiller や Moritz Von Oswald と共に伝説のニューウェイヴ・バンド Palais Schaumburg を結成。バンド解散後、ソロ活動を開始してからは、盟友 Moritz Von Oswald とのプロジェクト 2MB、3MB でデトロイト・テクノのオリジネーター Blake Baxter や Eddie Fowlkes や Juan Atkins と邂逅、デトロイトとベルリンの架け橋としてベルリンのテクノ・シーンの礎を築いた人物と言って過言ではないだろう。その後、The Orb の長年のコラボレーション・メンバーとして積極的にリリースに関わる。ソロ作品は〈R&S〉や〈Tresor〉、〈KOMPAKT〉などの名門レーベルからリリースし、多くの映像作品用にも楽曲を提供してきた。

今回のパーティーを仕掛ける Banter は、サウンド・プロデューサーの Moss と VJ の SITH aka So In The House が2017年に結成したミニマルでアシッドなオーディオ・ビジュアル・ユニットだ。Moss が生み出す緻密なサウンドに SITH がビジュアルをシンクロさせ、オーディエンスの聴覚と視覚を揺れ動かしてきた。Banter 初のリリース作品「THER」がこの度リリースされることになり、リミキサーとして Thomas Fehlmann が起用されている。

静逸なアンビエントからミニマル&テクノまでを自在に操り、ドイツのクラブ・シーンに非常に大きな貢献を残した Thomas Fehlmann と、日本発のアップカミングな才能である Banter が、共に創り出した作品のリリースパーティーで相見える一夜は注目に値するだろう!

[イベント概要]
- Thomas Fehlmann at Banter Vol. 7 -
DATE : 02/15 (SAT)
OPEN : 23:00
DOOR : ¥3,600 / FB discount : ¥3,100
ADVANCED TICKET : ¥2,750
https://jp.residentadvisor.net/events/1373267

=ROOM1=
Thomas Fehlmann (Kompakt, DE)
Banter - Audio & Visual Live Set (Moss / Sith)
RAHA (Beat In Me)
SAYA SATURN (Banter)
VJ DRAKHMA

=ROOM2=
BLACK NICO (L...deep)
erica
STONEVIBES
MAL

※ VENTでは、20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いております。ご来場の際は、必ず写真付身分証明書をお持ち下さいます様、宜しくお願い致します。尚、サンダル類でのご入場はお断りさせていただきます。予めご了承下さい。
※ Must be 20 or over with Photo ID to enter. Also, sandals are not accepted in any case. Thank you for your cooperation.

Thundercat - ele-king

 前作『Drunk』でも大成功を収めたベーシスト、サンダーキャットが3年ぶりとなるニュー・アルバムを〈Brainfeeder〉よりリリースする。フライング・ロータスとの共同プロデュースで、さらに信じられないくらい豪華なゲストたちが大勢参加している。現在スティーヴ・レイシーとスティーヴ・アーリントンを迎えた新曲 “Black Qualls” が公開中なので、まずはそちらをチェック。

[2月18日追記]
 4月に来日公演も決定しているサンダーキャットが、待望の新作より新たに “Dragonball Durag” を公開。曲名どおり、『ドラゴンボール』からインスパイアされた曲である。「俺にはドラゴンボールのタトゥーがある……ドラゴンボールは全てをつかさどるんだ。ドラゴンボールは人生だ、という格言もあるんだぜ」とのこと。プロデュースは本人とフライロー、演奏にはカマシも参加。なお、来日公演のチケットの一般発売はいよいよ今週末22日から。こちらをチェック。

[2月28日追記]
 くだんの “Dragonball Durag” のMVが公開されました。サンダーキャットのコメントと、歌詞の一部も翻訳されています。

この世界には2種類の人間がいる。ドゥーラグをしている奴と、ドゥーラグが何か知らない奴だ。ドゥーラグにはスーパーパワーがあるのさ。スワッグ(イケてる度)を上げるためのな……ドゥーラグには効果があるんだ、自分を変えてくれるっていう効果が。クローゼットに一つあれば、今夜していこうかと考える。でも何が起こるか分からないからドゥーラグがはずれちまうことだってあるかもしれないぜ。 ──Thundercat

俺のビデオゲームとか漫画とか、別に好きにならなくていいよ/ベイビー・ガール、俺のドゥーラグ似合ってるかな?/うまく結べてる?/そのドレス、俺だけのために着てくれたの?/なぜなら俺はそのドレスを引きちぎろうとしてるから/ベイビー・ガール、俺は自分のドゥーラグにブチ込むよ/それしかないから ──“Dragonball Durag” の歌詞より

[3月18日追記]
 まもなくリリースを控えるニュー・アルバムより、新たに新曲 “Fair Chance” が公開されました。タイ・ダラー・サイン、リル・Bが参加。国内盤CDの特典も決定していますので、下記をチェック。

4月3日リリースの最新作『It Is What It Is』より、
タイ・ダラー・サイン、リル・B参加の新曲 “Fair Chance” を公開!
国内盤CD各種購入特典も決定!

唯一無二のキャラクターで多くの音楽ファンを虜にし、アーティストやセレブリティーからも熱い視線を集めるアーティスト、サンダーキャット。LAの人気姉妹バンド、ハイム、R&Bシンガーのカリ・ウチス、コメディアンのクインタ・ブランソンが出演した “Dragonball Durag” (ドラゴンボール・ドゥーラグ)のミュージックビデオの公開も話題となった彼が、4月3日発売の最新作『It Is What It Is』より新曲 “Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)” を公開!

Thundercat - Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)
https://www.youtube.com/watch?v=IoFOXgIme9M

楽曲にはファンク・バンドのメンバーとして活動していた父と、アイズレー・ブラザーズのメンバーとして活躍する叔父を持つという、サンダーキャット同様に音楽一家で生まれ育った人気シンガー/プロデューサーのタイ・ダラー・サインと、いち早くアンビエントやニュー・エイジを取り入れたノン・ビートのプロダクションでラップをするなど、アヴァンギャルドな作風で注目を集めるラッパー、リル・Bが参加している。

これはマックについての曲なんだ……。彼が逝った時、周りのアーティスト達はみんなショックに陥った。タイはタフな奴だよ、彼が曲を聴いた時、それがどうあるべきか既にわかっていた。俺は彼がレコーディングしているときに一緒に居たんだ。俺たちはそのことについて話し合ったし、彼は自分自身が正しいと感じたことをやって、俺もそれを気に入ったんだ。 ──Thundercat

THUNDERCAT
『Drunk』より3年、サンダーキャット待望の最新作『It Is What It Is』が遂に完成!

フライング・ロータスとサンダーキャットが共同プロデュースした本作に、超豪華アーティストが再び集結!

チャイルディッシュ・ガンビーノ|スティーヴ・レイシー|スティーヴ・アーリントン|カマシ・ワシントン|リル・B|タイ・ダラー・サイン|バッドバッドノットグッド|ルイス・コール|ザック・フォックス

伝説のファンク・バンド、スレイヴのスティーヴ・アーリントンと、若き天才プロデューサー、スティーヴ・レイシーが参加した新曲 “Black Qualls” を公開!

国内盤にはマイケル・マクドナルド参加のボーナストラックを追加収録!
Tシャツ・セットの発売も決定!

サンダーキャットが待望の新作をひっさげて帰ってきた! その年を代表する傑作として名高い2017年の『Drunk』で、超絶技巧のベーシストから正真正銘の世界的アーティストへと飛躍を遂げた以降も、フライング・ロータスの『Flamagra』やトラヴィス・スコットの『Astroworld』、故マック・ミラーの『Swimming』への参加、ここ日本でもフジロック、サマーソニックへの出演や、渡辺信一郎が監督を務めたアニメ『キャロル&チューズデイ』への楽曲提供、さらにフライング・ロータス来日公演に飛び入りで参加するなど、常に注目を集めてきたサンダーキャットが、遂に待望の最新作『It Is What It Is』を4月3日(金)にリリースすることを発表! あわせて、新曲 “Black Qualls (feat. Steve Lacy & Steve Arrington)” を公開した。

Black Qualls (feat. Steve Lacy & Steve Arrington)
https://thundercat.lnk.to/it-is-what-it-is/youtube

ザ・インターネットの中心メンバーで、ソロ・デビュー作がグラミー賞ノミネートを果たしたスティーヴ・レイシーと、伝説のファンク・バンド、スレイヴのヴォーカル、スティーヴ・アーリントンが参加した本楽曲は、自身の持つ音楽の血統に焦点をあて、インスピレーションの源となったミュージシャンたちに敬意を表したいという、サンダーキャットの思いを具現化した楽曲となった。アーリントンが十代の終わりに作った作品を発見し、たちまち夢中になったサンダーキャットは「ベースのトーンや、彼の感じ方、動き、それがおれの全身に響き渡ったんだ」と語る。また楽曲誕生のきっかけはスティーヴ・レイシーとのセッションだったと明かし、レイシーを「オハイオ・プレイヤーズが一人の肉体に宿った化身。心底ファンキーなヤツだね」と評している。

盟友フライング・ロータスとサンダーキャット自身による共同プロデュースで完成した最新作『It Is What It Is』には、スティーヴ・レイシーとスティーヴ・アーリントンの他にも、チャイルディッシュ・ガンビーノ、カマシ・ワシントン、リル・B、タイ・ダラー・サイン、バッドバッドノットグッド、ルイス・コール、ザック・フォックスら、超豪華アーティストが勢揃い! 国内盤には前作の大ヒット・シングル「Show You The Way」でも共演したマイケル・マクドナルド参加のボーナストラックも追加収録決定!

このアルバムで表現しているのは、愛、喪失、人生、それに伴う浮き沈みだ。 皮肉っぽいところもあるけど、誰だって人生のさまざまな時点で、必ずしも理解できるとは限らない出来事に遭遇する…… そもそも理解されることを意図していないこともあるしね。 ──Thundercat

待望の最新作『It Is What It Is』は4月3日(金)に世界同時リリース! 国内盤CDにはボーナストラック “Bye For Now (feat. Michael McDonald)” が収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。また数量限定でTシャツ付きセットも発売決定。アナログ盤は、レッド・ヴァイナル仕様、クリーム・ヴァイナル仕様、特殊パッケージ入りクリア・ヴァイナル仕様、特殊パッケージ入りピクチャーディスク仕様の4種類が発売される。

label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: It Is What It Is
release date: 2020/04/03 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-631 ¥2,200+税
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説書・歌詞対訳封入

Tシャツ付きセットも発売決定!
詳細は後日!

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10772

TRACKLISTING
01. Lost In Space / Great Scott / 22-26
02. Innerstellar Love
03. I Love Louis Cole (feat. Louis Cole)
04. Black Qualls (feat. Steve Lacy, Steve Arrington, & Childish Gambino)
05. Miguel's Happy Dance
06. How Sway
07. Funny Thing
08. Overseas (feat. Zack Fox)
09. Dragonball Durag
10. How I Feel
11. King Of The Hill
12. Unrequited Love
13. Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)
14. Existential Dread
15. It Is What It Is
16. Bye For Now (feat. Michael McDonald) *Japanese Bonus Track

Sefi Zisling - ele-king

 ベーシストとトランペットの両アヴィシャイ・コーエンやシャイ・マエストロ、オメル・アヴィダルなど、現在のコンテンポラリー・ジャズ界ではイスラエル出身のミュージシャンが高い評価を集めている。彼らの多くはニューヨークを拠点に活動し、世界的に有名なプレイヤーとなっているのだが、近年のイスラエルでは新しいミュージシャンもいろいろ出てきており、ジャズに限らず様々な分野の音楽シーンで活躍している。たとえばネオ・ソウルやR&B方面で注目されたJ・ラモッタ・スズメ(彼女はもともとジャズ・トランペッターでビートメイキングもおこなう)、ジャズと民族音楽、ソウルとビート・ミュージックを融合したバターリング・トリオ、そのメンバーのリジョイサーことユヴァル・ハヴキンほか、ピアニストのニタイ・ハーシュコヴィッツ、ドラマーのソル・モンクことアヴィ・コーエンらが結成した新ユニットのタイム・グローヴなどは日本でも話題になったアーティストだ。そのタイム・グローヴにも参加していて、ほかにもいろいろなプロジェクトで多彩な活動を行なうトランペット奏者、セフィ・ジスリングも近年の注目株のひとりである。

 テル・アヴィヴ出身でテルマ・イェリン芸術学校に学んだセフィ・ジスリングは、同校出身のリジョイサーや彼が主宰するレーベルの〈ロウ・テープス〉周辺で活動してきた。昨年デビュー・アルバムをリリースしたリキッド・サルーンもこの周辺から生まれたアフロ・ジャズ・バンドで、セフィとドラマーのアミール・ブレスラー、キーボード奏者/プロデューサーのノモックことノアム・ハヴキンが組んでいる。ほかにもソウル/ファンク・バンドのメン・オブ・ノース・カントリーやファンケンシュタイン、ロックやサイケ、ブルースやカントリーなどのミクスチャー・バンドのラミレス・ブラザーズといろいろなバンドで演奏しているが、彼の音楽の大きな柱となっているのがジャズとファンクとアフロで、リジョイサーをプロデューサーに迎えて〈ロウ・テープス〉からリリースしたファースト・ソロ・アルバム『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』(2017年)は、そんな彼の資質にビート・ミュージック的なエッセンスや抒情性も交えた好作品となっていた。それから2年半ぶりの新作『エクスパンス』はUKの〈トゥルー・ソウツ〉からのリリースということで、彼の注目度が世界的に増していることが伺える。

 演奏メンバーはセフィのほかにノアム・ハヴキン(キーボード)、オムリ・シャニ(ベース)、トム・ボーリング(ドラムス)、イダン・カッペバーグ(パーカッション)、ウジ・ラミレス(ギター)、ヤイル・スラツキ(トロンボーン)、ヤロン・オウザナ(トロンボーン)、ショロミ・アロン(テナー・サックス)、アイヤル・タルムディ(テナー・サックス)、ノアム・ドレムバス(アルト・サックス、パーカッション)、サチャル・ジヴ(フレンチ・ホルン)など、『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』及びリキッド・サルーン、ファンケンシュタイン、ラミレス・ブラザーズなどで共演してきたミュージシャンが参加。またヴォーカルでバターリング・トリオのケレン・ダンや、ジャスミンとライラのモアレム姉妹が参加するほか、イスラエル出身のDJ/マルチ・ミュージシャンとして世界的に有名なクティマンもヴィヴラフォン、パーカッション、キーボードでゲスト演奏をおこなっている。

 『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』に比べて、『エクスパンス』は1960年代のジャズ・ファンクのようなオーガニックな音色が前面に出ていて、より生音らしいアルバム作りがおこなわれている。変拍子のアフロ・キューバン・ジャズの “ハイ・ライド” がその筆頭で、セフィのトランペットはじめホーン・セクションやキーボードなどが作り上げる重厚で迫力のある演奏を楽しめる。最近はこうした1960年代風のサウンドを聴くことが少なくなっていたので、逆に新鮮でもある。ケレン・ダンとジャスミンとライラのモアレム姉妹を配した “ザ・スカイ・シングス” は、アフロの要素の入ったジャズ・ファンクにソフト・サイケとムード音楽が結びついたような妖しいコーラスが異彩を放つ。クティマンの参加した “ハッピー・ソウル・リターン” はもっともアフロビートの色合いが強い曲で、演奏者全員が作り出すグルーヴが素晴らしい。ほかにもスロー・ナンバーの “オンゴーイング・モーニング” での哀愁に満ちた深遠な演奏、“エピローグ” でのフリーフォームなインプロヴィゼイションとさまざまな魅力が詰まったアルバムとなっており、イスラエルの新しいジャズ・シーンを知るのに最適な一枚と言える。


King Krule - ele-king

 きっと今年は音楽の風向きが変わる。キング・クルールことアーチー・マーシャルのニュー・アルバムは、おそらくその最初ののろしになるだろう。たとえばアメリカのフランク・オーシャン同様、時代のアイコンとも呼ぶべき存在、じつにイギリスらしいサウンドにのせて独特のことばを吐き出すこの若き才能は、来るべき3枚目(本名名義を含めると4枚目)のアルバム『Man Alive!』でいったいどんな世界を描き出すのか。発売は2月21日。心して待とう。

[2月6日追記]
 まもなくリリースされる新作からのセカンド・シングル、“Alone, Omen 3” のMVが公開された。「君は独りじゃない」というメッセージがこめられているようで、監督はアーチーの友人であるジョセリン・アンクイーテルが担当、脚本はアーチーとジョセリンのふたりが手がけている。チェック。

[2月19日追記]
 いよいよ明後日に発売となる最新アルバム『Man Alive!』より、新曲 “Cellular” が公開された。MVのアニメを制作したのは、過去にアーチーと “Vidual” でコラボしたことのあるジェイミー・ウルフ。リリースまであと2日!

Stormzy - ele-king

 Stormzy の『Gang, Signs & Prayers』以来の2年ぶりのニュー・アルバム『Heavy Is The Head』が届けられた。前作リリース時には Spotify とのパートナーシップで、アルバム・カヴァーが街中に貼られ、彼自身もTVトークショーに出演するなど、一般人にも広く存在が広まった。この2年でも “Vossi Bop” や Ed Sheeran への客演でヒットを飛ばしてきた。

 待望の本作のアルバム・カヴァーには、UKの有名音楽フェスティヴァル《Glastonbury Festival》のヘッドライナーを務めた際に着用していた Banksy 制作の防刃ジャケットを見つめる若きラップスターが映されている。防刃であることがイギリスの都市で問題となっているナイフ犯罪へのアンサーであるだけでなく、ブラックで描かれたユニオンジャックはイギリスにおける「黒人」のあり方を問いかけるなどさまざまな意味を含んでいる。国旗をモチーフにしたアルバム・カヴァーという意味では、昨年リリースされたUKラップの傑作 slowthai 『Nothing About Britain』を思い出させた。

 ブラス・サウンドで幕を明ける本作。1. “Big Michael”はこの2年で成し遂げた功績を紹介するような1曲で、フェスティヴァルのヘッドライナーとして出演したことや、出版社ペンギンブックスとのパートナーで自身の出版レーベルを立ち上げたことを曲で誇っている。UKドリルのトップ・アーティスト Headie One を迎えた 2. “Audacity” では、Stormzy のストレートなフローと直接的なリリックに対して、Headie One は有名人や歴史上の人物を比喩に取り上げながらリリカルに展開し、勢いに乗る Headie One が一本取ったようだ。

 3. “Crown” ではアルバム・タイトルの「Heavy is the Head」の意味が、世間からの期待や止むことのない批判や重圧へのオマージュであることが明かされる。特に抜粋したラインは Stormzy の「優等生」を期待する声や批判への応答である。

Heavy is the head that wears the crown
王冠を被っている頭が重いんだ……

They sayin’ I’m the voice of the young black youth,
And I say “Yeah Cool” then I bun my zoot And I’m...

あいつらは俺が「黒人の若者の声」だって
だから俺は「あぁ、いいね」って言った後にズートに火を付ける

I done a scholarship for the kids, they said it’s racist
That’s not anti-white, it’s pro-black

俺はキッズのために奨学金を作ったのに、
やつらはそれを人種差別だって言いやがる
これは「アンチ・ホワイト」じゃなくて、「プロ・ブラック」なんだ

“Crown”

 静かに意見を表明する曲は続く。4. “Rainfall” では、アメリカの警察の黒人に対する暴力事件として知られ、後の Black Lives Matter 運動のきっかけとなった射殺事件の被害者トレイボン・マーティンへ哀悼の意を示し、「鎖につながれない黒人がどうなったか」を示したと再提起している。自制的に淡々と意見を表明していくラップには、かえって「静かな怒り」を感じる。アルバム中盤は家族などの身の回りの人々へ送る曲が並び、コーラスワークや弦楽器使いが光っている。姉へのリスペクトや家族とのストーリーを歌った 5. “Rachel’s Little Brother” に続き、J Hus の Snapchat をイントロに用いた 6. “Handsome” も実の姉でDJの Rachael Anson へのリスペクトを送る1曲で、彼のラップスキルが光る。7. “Do Better” は元彼女の Maya Jama へ送るラヴソングにも聞こえる。

 インタールードを挟み、アルバム後半ではシンガーの H.E.R を迎えた 9. “One Second” で物怖じしない姿勢でメンタルヘルスの問題を取り上げたり、テレサ・メイ前首相への痛烈な批判を加えたりする。マンチェスター出身の MC Aitch を迎えた 10. “Pop Boy” ではトライバルなダンス・トラックに乗せて、「ポップスター」であるという批判にクレバーに応答し、Ed Sheeran と Burna Boy というスターを迎えた 11. “Own It” でそのヒットメイカーぶりをまざまざと証明する。終盤は再びハードなチューンが並ぶ。グライム・チューンとしてヒットとなっている 12. “Wiley Flow” では、Wiley と自分を重ねるようにして、むしろグライムの「生みの親」の Wiley を持ち上げる1曲だ。しかし、アルバム・リリース後に Wiley と Stormzy の間にビーフが勃発した後で、Stormzy はこの曲をどのように思っているのだろう。邪推だが、Wiley は 13. “Bronze” で Stormzy が自身を「King of Grime」と名乗ったのが許せなかったのかもしれない。

Wiley へのディス曲 “Still Disappointed”

 ビーフの内容は脇に置くとして、数字面だけを見れば Stormzy の人気は圧倒的だ。アルバムを締めるダーティなクラブ・チューン 16. “Vossi Bop” は公開10ヶ月で YouTube で7000万回以上に達している。淡々としているが単調にはならないラップは唯一無二のスキルである。音楽的にはトラップやグライムだけでなく、中盤のピアノと弦楽器を基調としたトラックもあり、ゴスペルの要素も彷彿とさせる。家族や友人、人種や政治といった問題に応える Stormzy の良いサウンドトラックになっている。本作は商業面での期待に応えながら、自分に向けられた批判に直接的に応答する形で問題を提起する。そのふたつのバランス感が彼らしい、ユニークな一作だ。

NYクラブ・ミュージックの新たな波動 - ele-king

 ホームNYのみならず、世界中のダンス・ミュージック・フリークから注目を集める野外レイヴ・パーティ「Sustain-Release」の国外初となるサテライト・イベント「S-R Meets Tokyo」がいよいよ今月25日(土)に開催される。「Sustain-Release」を主宰するDJ/プロデューサーの Aurora Halal をはじめ、前編・中編にわたって紹介してきた DJ Python や Beta Librae、Galcher Lustwerk ら“NYサウンドの新世代”が東京・渋谷「Contact」に一堂に会す。これだけは冒頭でちゃんと述べたいが、もし今のクラブ・シーンを見にNYへ行ったとしてもこれほど旬なラインナップのパーティなんてそうそう出合えない。それほど「S-R Meets Tokyo」は、スペシャルなのである。

 2014年にスタートしてから今では1000人限定の“特別なパーティ”となるまでに大成した「Sustain-Release」は、今年で開催7回目。参加者の友人1人まで招待できる完全招待制という崇高なシステムを導入していながらもチケットは毎度たった10分でソールドアウト、オンラインメディア「Resident Advisor」の月間「Top 10 Festivals」において4年連続で1位を獲得するほど、多くの人々がそのドリームチケットを羨むような新時代のレイヴだ。

©Raul Coto-Batres

 そんなビッグ・パーティを成功させた Aurora Halal は、毎週世界のどこかでプレイする人気DJとしてアメリカとヨーロッパで知られているものの日本ではまだまだミステリアスな存在。だからこそ、今のNYのダンス・ミュージック・シーンにおいてキーパーソンである彼女のバックグラウンドを紹介したい。


Aurora Halal のセルフレーベル〈Mutual Dreaming〉のEP「Liquiddity」。
収録された “Eternal Blue” には Wata Igarashi のリミックス・ヴァージョンも

 Aurora Halal がダンス・ミュージックに打ち込むようになったのは、まだ大学生だった2004年ごろのこと。地元ワシントンD.C.を拠点に00年代後半から活動するDJユニット Beautiful Swimmers の Andrew Field-Pickering がペンシルバニアにあるゲティスバークの森で開いていたハウス・パーティがきっかけだった。そこで流れる「Paradise Garage」のようなクラシックなディスコや、当時「Cybernetic Broadcasting System(CBS)」と呼ばれていたオランダの「Intergalactic FM(IFM)」のようなコズミック・ディスコ、 Newworldaquarium こと Jochem Peteri、Arthur Russell などのジャンルにとらわれないギークでおもしろいサウンド、そして何よりそのパーティでの体験が、のちに「Sustain-Release」となる前身のパーティ「Mutual Dreaming」へと発展させることに。
 大学を卒業してからブルックリンへ移り住んだ Aurora Halal は2010年、かつてイーストウィリアムズバーグにあったクラブハウスのような独特な雰囲気のスペース「Shea Stadium」でパーティをスタート。あえてクラブでなく、これまで一度もダンス・パーティが開催されたことのないようなスペースをその時々で選んでは、借りてきたスピーカーを持ち込んで、ブースを設置。さらに当初は、彼女が集めていた70年代のビデオアートがライティングの代わりに投影された。一から十までくまなく手がかけられた「Mutual Dreaming」は、「自分たちと同世代がやりたいことをやれるような場所が当時のNYには少なかった」と話す、Aurora Halal 自身が行きたいと思うパーティのカタチをDIYで組み立てていったのだ。


Mutual Dreaming 2011 Flyer

 そうやって手探りで始めたパーティはトライアンドエラーを繰り返しながらも、新しいスタイルを求めていたオーディエンスをはじめ、パーティに必要不可欠なサウンドシステムやライティングのチーム、Beautiful Swimmers や〈L.I.E.S. Records(以下、L.I.E.S.)〉のファウンダー Ron Morelli、Traxx、Steve Summers、DJ Sotofett を筆頭とするプレイヤーなど、さらなるレベルへと押し上げる多くの人々の協力を得ることでより新鮮で強いエネルギーを放つコミュニティへ成長。それは、ちょうど「Bossa Nova Civic Club」がオープンしたばかりで、〈L.I.E.S.〉や〈White Material〉などのレーベルが軌道に乗り始めたころと同時期だった。NYのファンジン『Love Injection』のインタヴューで当時のことを Aurora Halal はこう語る。「私のコンセプトは、自分が考えていることの可能性を実行し、リアルなパーティを作ることだった。〈L.I.E.S.〉や〈White Material〉などのアーティストは、それまでにあったNYのダンス・ミュージック・シーンの一部ではなかったし、その一部になりたいと望んでもいなかった。だから、ブルックリンに新しいタイプのカルチャーが生まれたの。それがこのシーンの始まりで、そのころの記憶にある強烈な新鮮味と情熱はいまだに忘れられない」。

©Raul Coto-Batres

 それから2年が過ぎた2014年。「森のなかで、もっと大きな『Mutual Dreaming』をやりたかった」と話す彼女は、ついに「Sustain-Release」を実行する。ここでもう一度言うならば、「Sustain-Release」は、いわゆるヨーロッパの花形“フェス”でなく、 Aurora Halal を初心にかえさせるゲティスバーグの森に強くインスパイアされた“レイヴ”だ。「Freerotation」というイギリスのフェスに何年も通っていた初期のチームメイト Zara Wladawsky と初めて会った2013年から一緒に空き地を探し始め、ようやく見つけたロケーションで、500人限定の最初の「Sustain-Release」をローンチ。2016年にはNY市から車で2時間ほどの場所にある現在のキャンプ場「Kennybrook」に開催地を移し、2017年には Zara Wladawsky から Ital や Relaxer などの名義で知られる Daniel Martin-McCormick が共同ディレクターへ。毎年、回を重ねるごとに少しずつマイナーチェンジを行い、9月の週末を大自然に囲まれたアップステートの野外で快適に過ごすことができる現在の環境を作り上げた。

©Raul Coto-Batres

 これまでの出演者を振り返ると、ヨーロッパからは DJ Sprinkles、Lena Willikens、Optimo、PLO Man、Helena Hauff、LEGOWELT、DJ Stingray、DVS1、Vladimir Ivkovic など、日本からは DJ Nobu、Wata Igarashi、POWDER など、ホームNYからは Aurora Halal をはじめ、Anthony Naples、Huerco S.、 DJ Python、Galcher Lustwerk、Umfang、Beta Librae、Hank Jackson、DJ Healthy などそうそうたるラインナップだ。こうやって出演者を羅列するとめちゃくちゃ豪華に感じるけれど、各年にフォーカスすると一概に「豪華」というにはかなり語弊がある。なぜなら、彼女が本当におもしろいと思えるプレイヤーを「Sustain-Release」ならではの審美眼で選んだユニークなラインナップだといえるからだ。


Sustain-Release YEAR SIX flyer


©Raul Coto-Batres
The Bossa stage

 過去4年間、キャンプ場にある屋内競技場を利用したメインステージはテクノが中心の巨大なレイヴ・パーティのヴェニューに、「Bossa Nova Civic Club」にちなんだ半屋内の「Bossaステージ」はブルックリンのローカルDJを中心にハウスやトリッピーなダンス・ミュージックがかかるワイルドなフロアに変わる。もちろんここにあるのはダンス・フロアだけじゃなくて、野外の森には、落ち葉とウッドチップが重なり合うフカフカの地面に敷いたマットに寝そべりながらアンビエントやエクスペリメンタル、リスニング・ミュージックを聴けるチルな「The Groveステージ」も。

©Raul Coto-Batres
The Grove stage

 さらに敷地内にはバスケットボールコートとプール、小さな湖があって、開催初日の昼はバスケットボールトーナメント、土曜の昼はプールサイドで1日限りの「Saturday Pool Party」を開催。踊り狂うもよし、プールで泳ぐもよし、カヌーに乗るもよし、疲れたら昼寝するもよし、大自然のなかで人々の声欲(しょうよく)を満たすプログラムが62時間にわたってしっかり組み込まれているのだ。

©Raul Coto-Batres


©Raul Coto-Batres
バスケットボールのコートサイドでプレイする DJ Python

 ロケーションやサウンド、プログラムのほかに、「Sustain-Release」においてライティングも重要なパートのひとつ。森の木々を幻想的に照らし出すブルーやパープル、ピンクなどのカラーライト、ダンス・フロアの天井に張り巡らされた光のライン、時折視界に射し込んでくるレーザーの強い光線。「Sustain-Release」での体験をより印象的なものにするライティングには、電気工学を学び、数々のライブパフォーマンスやイベントデザインを手がけてきた Michael Potvin 率いる団体「NITEMIND」と、彼らが輩出したアーティストの Kip Davis が任されている。

©Raul Coto-Batres Instagram: @rl.ct.btrs
The Main stage

 「NY」とか「新しい世代」とか「レイヴ・パーティ」とか、やっぱり日常的になじみの薄い言葉を字詰めするとただの夢物語に感じさせるかもしれない。そして、できることなら現地の「Sustain-Release」に遊びに行ってもらいたいのだが、東京にいながらこのシーンの一部を体験できるのが「S-R Meets Tokyo」だ。いろいろ考えてみても、文化の水準が違う日本で、アメリカと同じように自由なクラブ・シーンは生まれにくいだろう。だけど、少なくとも東京とNYにいる人たちの交流を通じて文化をシェアしていけたら、これから日本やアメリカで始まる新しい何かにつながるかもしれない。

Sustain-Release presents “S-R Meets Tokyo”

2020年1月25日(土)東京・Contact
OPEN 22:00
出演
Aurora Halal (NY)
Galcher Lustwerk (NY)
Wata Igarashi (Midgar | The Bunker NY)

DJ Python (NY)
Beta Librae (NY)
AKIRAM EN
JR Chaparro

Mari Sakurai
Ultrafog
Kotsu (CYK | UNTITLED)
Romy Mats (解体新書)
Celter (Eclipse)

OFFICIAL GOODS
Boot Boyz Biz (NY)×葵産業

NEON ART
Waku

料金
BEFORE 11PM ¥2500 | UNDER 23 ¥2500 | ADVANCE ¥2500 | GH S MEMBERS ¥3500 | W/F ¥3500 | DOOR ¥4000
詳細:https://www.contacttokyo.com/schedule/sustain-release-presents-s-r-meets-tokyo/

tiny pop sound cloudガイド - ele-king

 2020年が明けてまもなく、tiny popにフォーカスしたコンピレーションアルバム『Here’s that tiny days』が発売されました。このCDの発売をきっかけに、tiny popというジャンル名がさらに 多くの人に届いたように思われます。
 tiny popとは、インターネット普及以降に音楽を始めた世代を中心にした、あらたなポップス の潮流について何とはなしにつけられた呼称です。それは宅録によるパーソナルな表現でありつ つ、過去の歌謡曲やポップスの構造をどこか継承してもいるという特徴をもっていますが、それ ぞれのアーティストの表現の仕方や、めざす音像などはさまざまで、はっきりした定義があるわ けではありません。
 この記事ではネット上に公開されている、そんなtiny popと呼べるような曲をいくつか紹介し ていきたいと思います。今回は国内にかぎらず国外の曲も選んでいます(今回の選曲はフランス にやや偏ってしまいましたが......)。2020年もたくさんのtinyな出会いがありますように! enjoy !

・九丁目/はんてん
どろうみのメンバーであるセキモトタカフミ氏の曲をカバーしていたことから知ったアーティス ト。自身のルーツが反映されているというこの曲は、60年代前後の歌謡曲を思い浮かべるこっ てり系メロディーと打ち込みサウンドの組み合わせが面白い。

https://soundcloud.com/hantenattayo/ho146dmmmapk

・今日だけじゃなくて/nagahori25
nagahori25は、2012年8月から作曲を始め、主にsoundcloud上で曲を発表している。 どこか浮遊感のあるトラックに、親しみやすいメロディが合わさる不思議な魅力。サンクラ上に は大量の作品がアップロードされており、どの曲も新鮮で聴いていて楽しい。今回紹介したアカ ウント以外にもう一つアカウントがあり、そちらの名曲「全部ゆめ」も必聴。

https://soundcloud.com/nagahori25_part2/kyoudake

・東京無料配布中/フリーダム昼子
フリーダム昼子は東京を拠点に活動しているアーティスト。 東京へのラブソングというこの新曲は、メロディラインはポップでありつつも、曲の展開やト ラックの構成の進行が予想外で面白い。

https://soundcloud.com/fdhk_you/take_tokyo_for_free

・北京の水夫/ナントカズ
ナントカズは長野県を拠点に活動するアーティスト。 歌謡曲というより民謡風のメロディと最小限の楽器(テノリオン・カオシレーターなど電子楽器 とギターや鉄琴などの生楽器を使用しているらしい)で構成された伴奏から、そこはかとないサ ウダージを感じる。いくつかアップされているライブ音源もいい。

https://soundcloud.com/nantokas/9yszkmkgrzhy

・アマリリス/dodo
dodoはうちだあやこと不知火庵による2人バンド。このライブ音源は、uccelli、ごとうはるかの 2名がサポートに加わった4人体制のもの。 この曲は2019年8月の大阪ライブで聴いて衝撃を受けました(特にサビの手前「時の流れは激し いもので」の箇所の流れは何度もくりかえし聴きたくなる)。アマリリスは不知火氏が作曲した もの。うちだ氏作曲の「なにもかも」もおすすめ。「水泳」も名曲です。

https://soundcloud.com/dododododododododo/amaryllis-live-at-nanahari-on-20190331

・最後の约会/馬渕モモ
馬淵モモは京都のポップデュオHi, how are you?のメンバー。 アップロードされている曲の日付はどれも今年のものばかり。強風に吹き飛ばされてしまいそう なほどに控えめでチャーミングなボーカルによって歌われる歌謡曲。70~80年代アイドルソン グ風の一曲「メロウ・サマー」も一押し。

https://soundcloud.com/user-57665187/htsufkjp3tce

・恋はパキパキ(架空アイドル)/kumaki & yuki
yukifurukawaはポーコスなどのバンドで活動するアーティスト。この曲はyukifurukawaの別名義 (?)のkumaki & yukiのものと思われる。 シップスクラークか!シップスクラークか!という箇所は一度聴くと病みつきに。この一曲は他 にアップされているものとは異なるポップなサウンドとなっている。ポーコスの音源も素晴らしい。

https://soundcloud.com/ykfrkw/ezrz8qsg6ccm

・誰かが捨てた夢/pikonosuke
pikonosukeは東京で活動するアーティスト。 #Latinというタグのとおり、サンバ風のチャカポコサウンドが魅力的な一曲。展開に大きな高低 差のないことが、かえってメロディーの良さを引き立てている。

https://soundcloud.com/pikonosuke/album-version

・秘密の扉/素敵な回路
素敵な回路はいしいともや氏による1人ユニット。 なんど聴いてもその慎ましさに感じ入ってしまうこの曲は、suppa micro pamchoppプロデュー スのアルバム『回路』に収録されているもの。水滴のようにも聞こえる電子音が気になるが、ど んな機材を使っているのだろうか。

https://soundcloud.com/sutekinakairo/qho8s1rbi2qv

・Combien de mondes/Gajeb
フランスのアーティスト。1人ユニットなのかと思い込んでいたが4人グループらしい。 電子楽器をベースとしたトラックに、あまりエフェクトのかかっていない、独り言のようなボー カルがいい。
この曲が収録されているアルバム『Gajeb et ses ami.e.s reprennent des chansons de Jean-Luc le Ténia』はGajeb以外にも複数のアーティストが参加しているようだが、フランスのtiny popコ ンピレーションアルバムなのかというくらいどれも素晴らしい。

https://soundcloud.com/gajeb/combien-de-mondes

・bandcamping/maison carton
フランスのアーティスト。 子供の声のような気がするが、詳細不明(bandcampのアーティスト写真も2人の子供の写真が 使われている)。キーボードがメインかと思って聴いていると突然いかついギターソロが入って くる曲もあり驚いた。フランスではライブもしているらしいが、どんなライブなのだろうか...... 。この曲につけられた#loose musicというタグには納得させられた。

https://soundcloud.com/maisoncarton/bandcamping

・port-royal/Laura Madeleine Juliette
フランスのアーティスト。アップされている中でもメロディがはっきりとしたものを選んだが、そのほかにもラップ調のも の、インストなど色々ある。とくにこの曲はtiny pop好きのセンサーが反応してしまう一曲なの ではないかと思い選んだ。
ベルギーの“Musique Muscle”というレーベルから出ているコンピに一曲参加しており( https://soundcloud.com/user-597893369/13-laura-madeleine-juliette )こちらのコンピも全曲tiny popでおすすめ。

https://soundcloud.com/laura-mad-ju-818895703/port-royal

・Ya me voy a mi Lanalhue/dadalu
チリのアーティスト。最近はラップの曲が多いようだが、この曲のようなメロディアス系tiny popも複数ある。間奏の センチメンタルなシンセのメロディが良い。Chica king kong (https://soundcloud.com/chicakingkong)というグループのメンバーでもあるらしいが、こちら もキュートなナンバーが揃っておりおすすめ。

https://soundcloud.com/dadalu/ya-me-voy-a-mi-lanalhue

gummyboy - ele-king

 Mall Boyz として発表した “Higher” が大きなヒットを飛ばし、Tohji とともに一躍2019年を代表する存在となったラッパーの gummyboy。昨秋は Mall Boyz の全国ツアーも開催し、まさにいまノりにノっている彼が、本日、新曲 “f***in' boy” をリリース。同時にMVも公開されている。今年はさらなる飛躍を遂げるだろうこの新星、まだ知らない人はしっかり注目しておいたほうがいいですよ。

Tohji と共に Mall Boyz を率いる gummyboy がニュー・シングル「f***in' boy」をMVと共にリリース。

2019年を象徴する楽曲となった “Higher” のリリースや、観客を圧倒する数多くのショーケースで、いまジャンルを超えて東京で最も注目されている存在の Mall Boyz。Tohji と共にクルーを率い、ソロ活動での飛躍も期待される gummyboy の新作が待望のリリースとなる。

本作「f***in' boy」は2020年2月リリース予定の新作ミックステープからの先行シングル第一弾。 内省的でエモーショナルな楽曲の印象が強い gummyboy だが、“f***in' boy” はアッパーなトラックの上に、新しいフローが乗った印象的な楽曲となった。

ミュージック・ビデオのディレクターは、同年代ラッパーのビジュアルやビデオを多く手がけ、アナログテープやカメラを多用した作風で注目を集める lilsom を起用。これまで見ることのできなかった gummyboy の新しい側面が、独特の質感でアグレッシブに表現されている。

全国ツアーの開催、O-East や LIQUIDROOM といった大きなステージでのパフォーマンスなど、飛躍の年となった2019年を経た gummyboy の第二章がこのシングルから始まる。

「f***in' boy」MV
https://www.youtube.com/watch?v=rkYBpGM9tnc

リリース情報
アーティスト:gummyboy
タイトル:f***in' boy
リリース日:2020年1月10日

gummyboy bio

guumyboy / アーティスト

2018年末、1st EP「Ultimate Nerd Gang」をリリース。直後 Tohji と共に Mall Boyz として「Mall Tape」を発表。収録された “Higher” が大ヒットとなり、2019年のヒップホップを代表する曲となる。Tohji と共に超満員の O-East や LIQUIDROOM、また Ultra Korea への出演を果たし、その人気を確固たるものとした。

2nd EP「pearl drop」では、gummyboy の魅力である叙情的なリリックとキャッチーなメロディが遺憾無く発揮され、典型的なヒップホップとは一線を画すそのアーティスト像がより洗練された。2020年2月には自身初のミックステープのリリースを控えており、いまもっとも勢いに乗るラッパーの一人。

lilsom bio

1995年生まれ。ディレクター、フォトグラファー。

2017年、jinmenusagi “BEAUTiFULL” のMVでディレクターとしてデビュー。その後ヒップホップを中心に、Tohji、TRASH ODE、ACE COOL など同世代アーティストのMVやアーティスト写真を撮影している新進気鋭の作家。

映像、写真共にアナログテープやフィルムによる実験的なアプローチを好み、独特の質感で印象的な作品を残し続けている。

またこれまでのキャリアを生かし、スタイリングやヘアーのディレクションも行うことが多く、全体的なクリエイティブ・ディレクションを得意とする。

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