「Ord」と一致するもの

Luke Wyatt & Dani Aphrodite - ele-king

 ファッション・ブランド〈C.E〉の2022年春夏コレクション(明日1月14日(金)ローンチ)を記念し、ヴィデオが公開されている。
 ディレクターを務めるのは、トーン・ホーク(Torn Hawk)名義で〈L.I.E.S.〉や〈Valcrond Video〉、〈Rush Hour〉といったレーベルから音楽作品を送り出してきたルーク・ワイヤット(Luke Wyatt)と、ヴィデオ・アーティストのダニ・アフロディーテ(Dani Aphrodite)。ディストピックでストレンジな雰囲気の映像に仕上がっている。
 音楽を担当しているのは、Rezzett としての活動でも知られ、アクトレスの〈Werkdiscs〉からアルバムを出している Lukid(2019年のシングル「Drip」も素晴らしい1枚でした)。ヴィジュアルも音も、要チェックです。

C.E Spring Summer 2022 Video
Video: Luke Wyatt and Dani Aphrodite
Music: Lukid
https://000.cavempt.com/

dj honda × ill-bosstino - ele-king

 2021年の日本のヒップホップ・シーンの中でも、かなり攻めたリリースを行なってきた THA BLUE HERB 率いるレーベル、〈THA BLUE HERB RECORDINGS〉(以下、〈TBHR〉)。そのひとつが5月に発表された O.N.O の全曲プロデュースによる YOU THE ROCK★のアルバム『WILL NEVER DIE』で、YOU THE ROCK★と THA BLUE HERB との過去の歴史を知る人びとにとっては大きなサプライズであり、かつ内容的にも非常に充実した素晴らしい作品であった。その半年後にリリースされたのが、dj honda と ILL-BOSSTINO (以下、BOSS)という、世代を超えた2大巨頭のコラボーレーション・アルバム『KINGS CROSS』であり、個人的には『WILL NEVER DIE』以上のインパクトを与えてくれた作品となった。

 現在、共に札幌を拠点に活動している dj honda と BOSS であるが、それぞれ通ってきた道は全く異なる。80年代からDJとして活動を開始し、90年代半ばから2000年代にかけてはNYを拠点にメジャー・レーベルのもとでUSヒップホップの最前線にいた dj honda。一方で BOSS は O.N.O と共に結成した THA BLUE HERB の一員として、90年代の東京中心であった日本のヒップホップ・シーンの中で孤軍奮闘し、作品のリリースやライヴを重ねながら、いまやシーンの中で確固たる地位を確立している。それぞれ世界と日本を相手に戦ってきた彼らであるが、同じヒップホップというカテゴリーでありながら、これまでほとんど重なる部分がなかったというのが紛れもない事実だろう。正直なところ彼らのコラボレーションがどのような形になるのか個人的にも全く想像がつかなかったが、このアルバムを聞けば、そんな心配は一発で吹っ飛ばされる。90年代のUSのヒップホップを聞いて衝撃を受けた BOSS のラップと、90年代のUSヒップホップ・シーンのど真ん中にいた dj honda のサウンドの相性の良さというのは、冷静に考えれば当然のことなのかもしれないが、良い意味での驚きが本作には詰まっている。

 誤解を恐れずに言えば、dj honda は間違いなくヒップホップ・シーンのレジェンドであるが、彼のいまの活躍を知らない人にとってはすでに過去の人となっている。しかし、例えば2015年リリースの B.I.G. JOE とのジョイント・アルバム『UNFINISHED CONNECTION』や2018年リリースの紅桜とのジョイント・アルバム『DARK SIDE』を聞けば、プロデューサーとして彼がいまだに現役であることは明白だ。サンプリングによる90年代と同じプロダクション・スタイルを用いながら、サウンドのクオリティは完全にアップデートされており、何よりも彼のトラックに漂うどこか昭和を思わせるような空気感は B.I.G. JOE や紅桜、そして、もちろん BOSS のようなタイプの日本語ラップには見事なまでにハマる。いま現在も毎日スタジオにこもってトラックを作り続けているという dj honda であるが、バラエティに富んだ本作全16曲のトラックを耳にすれば、いまが彼にとっての全盛期にすら思える。

 そんな dj honda に対しての尊敬の念とある種の緊張感が BOSS のラップからは強く感じられる。dj honda のこれまでの活動の歴史を綴った “A.S.A.P.” などはその筆頭であるが、さらに BOSS 自身の過去にもリンクして、まるで初心に戻ったかのようにも感じられる瞬間も多々ある。かと思えば、“GOOD VIBES ONLY” のようなポジティヴなマインドを全開にした曲もあったりと、dj honda のトラックに誘発されるかのように、THA BLUE HERB や BOSS 自身のソロ・アルバムとも異なる視点や感情が存分に引き出されている。個人的には “REAL DEAL” のようなどストレートなヒップホップ・トラックであったり、逆に “'CAUSE I'M BLACK” や “SEE YOU THERE” のようなノスタルジー漂うトラックに乗った BOSS のラップも最高に痺れる。

 『WILL NEVER DIE』と同様に本作もサブスクでのリリースを一切行なっていないというのがまた〈TBHR〉らしいが、こんな最高なアルバムを聞き逃すのは本当に勿体ないと思う。

DJ NOBU - ele-king

 パンデミック以降、海外のDJやアーティストの入国が困難になっているが、逆に言えば、国内の良いDJやアーティストのライヴを見れたりもする。コロナがなければ世界を飛び回っていたであろうDJ NOBUもそのひとり。1月の毎週金曜日はDJ NOBUのスペシャルな夜が待っています。

1/14(金)
Trilogies - DJ NOBU - episode 1
———————————————
Open 10PM
¥1000 Under 23 / Before 11PM ¥2000 Advance ¥3000 Door
【前売】 https://contacttokyo.zaiko.io/_buy/1rWT:Rx:70e21
【お得な3日通し券】https://eplus.jp/sf/detail/3555380001-P0030001P021001?P1=1221
———————————————
Studio:
DJ Nobu (Future Terror | Bitta)
Occa (Archive)

Contact:
Tasoko (DRED Records)
Yuzo Iwata (Butter Sessions | Sound Metaphors)
machìna
Qmico (QUALIA)
———————————————

『盟友との相乗効果が誘う次の深淵』

DJ Nobuが自身のパーティFuture TerrorやGONG、NTS Radioのプログラムで度々招いていたOccaがシリーズ第1回、Studio Xでの共演に決定した。札幌に拠点を置くOccaからも、自身のPrecious HallでのパーティArchivにDJ Nobuを招致しており、お互いに音楽の交差を重要視する関係にある。その相乗効果は、互いの刺激を深化から深化へと発展させる、エレクトロニックミュージックの更新と最深部の模索であり、オーディエンスの観点からみると、最高から次の最高への移行の連続が起こる狂気的なまでの高揚を目の当たりにすることになる。Contactフロアでも電子音楽の深化は絶え間なく、昨年、同じく沖縄をルーツにもつIORIが立ち上げた〈VISIONARY〉からのEPや、John Osbornが主宰する〈DRED Records〉からのアルバムなど制作面でも注目されるTasokoや、ベルリンでの滞在や海外レーベルからのリリース、Cocktail d’Amore等の著名なヴェニューに出演してきたYuzo Iwata。さらに、Bicepのトラック「Hawk」への参加や〈Tresor〉のコンピレーションへの楽曲提供をする、世界的なプロデューサーとなったmachìna、QUALIAを主催するQmicoなど、クリエイター気質のラインナップがメインフロアとは異なる色鮮やかさと疾走感をともなう緻密さでデザインされる。
Trilogies DJ Nobuは、モダンなサウンドと、アーバンなグルーヴが交錯する、ハイクオリティのダンスで開幕される。

===============

1/21(金)
Trilogies - DJ NOBU - episode 2
———————————————
Open 10PM
¥1000 Under 23 / Before 11PM ¥2000 Advance ¥3000 Door
【前売】 https://contacttokyo.zaiko.io/_item/345829
【お得な3日通し券】https://eplus.jp/sf/detail/3555380001-P0030001P021001?P1=1221
———————————————
Studio:
DJ Nobu (Future Terror | Bitta)
YAMA

Contact:
悪魔の沼
AKIRAM EN
0120
Torei (Set Fire To Me)
———————————————

『ダンスミュージックの理想郷の幻影』

第2夜の共演は、BOREDOMSの∈Y∋とともに伝説パーティeepのオーガナイズや、語り継がれるレジェンダリーパーティFLOWER OF LIFEへの出演、大阪のクラブ、聖地MACAOのクロージングパーティのトリを務めるなど、拠点の大阪はもちろん全国のパーティフリークスに、カルト的な人気を博すYAMAの登壇が決まった。Future Terrorを始め、CDリリース時のコメントの提供などDJ Nobuとは度々活動を共にしている。DJ Nobuとともにハウスセットでの共演というまたとない今回の機会は、紛れもなく何かが起こる儀式的なまでの危険で甘美な予感をほのめかしている。そのカルティックなフロアメイクはもう一方のフロアでも徹底されており、Contactに久しぶりの登場となる悪魔の沼や、AKIRAM ENによる、知覚とダンスの活性を誘う深いリスニング・デバイス。AI.UとEMARLE、双方の高い音楽性が深層で交わるDJユニット0120、そして、ビートや展開に対して他とは全く異なるイマジネーションを持つToreiなど、高い次元でのエクレクティックなサウンドの交錯が、アヴァンギャルドな情景を描く。
Trilogies DJ Nobu episode2はシリーズで最も現実から離れ、ダンスミュージック・ファンの理想に最も近づく可能性を秘めている。

===============

1/28(金)
Trilogies - DJ NOBU - episode 3
———————————————
Open 10PM
¥1000 Under 23 / Before 11PM ¥2000 Advance ¥3000 Door
【前売】 https://contacttokyo.zaiko.io/_item/345828
【お得な3日通し券】https://eplus.jp/sf/detail/3555380001-P0030001P021001?P1=1221
———————————————
Studio:
DJ Nobu (Future Terror | Bitta)
Kotsu (CYK | UNTITILED)

Contact:
Kabuto (DAZE OF PHAZE)
k_yam
Akie
discopants
———————————————

『DJ Nobuによる音楽の歓喜の解放』

シリーズ最終章、ワンフロア、ツーマンでは初となるCYK Kotsuとの共演は音楽の快楽を余すことなく味わう祝宴になりそうだ。2020年、拠点を京都に移してからもその活躍は全国に響いており、昨年末までに国内14都市からの招致を受けている。本来主体としていたハウスを概念として膨らませながらオーディエンスのハートに確実にヒットさせる卓越したスキルと発想は、DJ Nobuとのどのような化学反応を起こすか期待を抱かざるをえない。
Contactフロアには、スペシャリストKabutoを筆頭に繰り広げられる、国内テクノ/ハウスの、進化形でシーンの現到達点とも呼べるフロアデザインが施された。さらに、自身のパーティのREMEDYの卓越したキュレーションや、トラックのクオリティの高さ、DJでのイマジネーションの飛躍など層の厚い世代の中でも際立つk_yamがラインナップ。discopantsのハウスとエレクトロニクスの刺激的なクロスオーバーや、Akieのオルタナティブなハウスサウンドも、大阪の聖地newtone recordsの出身を感じさせる情感とエレクトロニクスの複層的な交わりをみせる。人の熱をもったファンクネスやUKマナーを独自のイメージで鳴らしてきたオリジナリティが、ダンスミュージックのハードリスナーをもノンストップで踊らせうるエレクトロニック・ジャーニーを展開させる。
Trilogies DJ Nobu 最終章は、episode 1, 2とはさらに違う面でのDJ Nobuの解放を味わう、音楽桃源郷で幕を閉じる。

どんぐりず - ele-king

 いまどんどん注目を集めている群馬は桐生の2人組、どんぐりず。その独創的な音楽を堪能する絶好の機会がやってきた。
 1月27日(木)東京・恵比寿 LIQUIDROOM と2月5日(土)大阪・味園ユニバースにて、「どんぐりず Presents "COME ON"」と題したライヴ・イヴェントが開催。福岡の新世代バンド yonawo と 神戸のラップ・デュオ Neibiss も出演する。これはマッチョな現行ラップ・シーンに風穴を開けるイヴェントになるかも!? 期待大です。

■東京
2022/1/27(木)
恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:どんぐりず / yonawo / Neibiss

■大阪
2022/2/5(土)
味園ユニバース
OPEN 17:00 / START 18:00
どんぐりず / yonawo / Neibiss

TICKET INFORMATION
https://www.creativeman.co.jp/event/dongurizu_2022/



どんぐりず
ラッパー森、トラックメイカー・プロデューサーのチョモからなる二人組ユニット。音源、映像、アートワークに至るまでセルフプロデュースを一貫。ウィットにあふれるグルーヴとディープなサウンドで中毒者を続出させている。



yonawo
荒谷翔大(Vo)、田中慧(Ba)、斉藤雄哉(Gt)、野元喬文(Dr)による福岡で結成された新世代バンド。
2018年に自主制作した2枚のEP「ijo」、「SHRIMP」はCDパッケージが入荷即完売。地元のカレッジチャートにもランクインし、早耳リスナーの間で謎の新アーティストとして話題に。2019年11月にAtlantic Japanよりメジャーデビュー。
2020年4月に初の全国流通盤となる6曲入りのミニアルバム「LOBSTER」をリリース。
そして、11月には、Paraviオリジナルドラマ「love⇄distance」主題歌オープニング曲「トキメキ」や、史上初となる福岡FM3局で同時パワープレイを獲得した「天神」を収録した待望の1stフルアルバム「明日は当然来ないでしょ」をリリース、全国5都市で開催された初のワンマンツアーは全公演チケット即完売。
2021年1月に配信シングル「ごきげんよう さようなら」、3月に配信シングル「浪漫」、5月に冨田恵一(冨田ラボ)プロデュースによる配信シングル「哀してる」を、7月に亀田誠治プロデュースによる「闇燦々」をリリース。そして、8月11日(水)には2ndフルアルバム「遙かいま」をリリースし、直後に「FUJI ROCK FESTIVAL ‘21」へ出演。また、メガネブランド「Zoff」の「Zoff CLASSIC Summer Collection」のモデルも務める。



Neibiss
兵庫・神戸を中心に活動するラッパー・hyunis1000とビートメイカー / DJ / ラッパー・ratiffによるヒップホップユニット

Ian Wellman - ele-king

 イアン・ウェルマンは、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするサウンド・アーティスト、プロダクション・サウンド・ミキサー、フィールド・レコーディング・アーティストである。
 この『On The Darkest Day, You took My Hand and Swore It Will Be Okay』は、2021年12月に〈Room40〉からリリースされたウェルマンの新作だ。同レーベルからリリースされたロバート・ジェラルド・ピエトルスコ『Elegiya』と同じく薄暗い空気と微かな光のようなアンビエント・ドローン作品に仕上がっている。
 もちろん『Elegiya』と『On The Darkest Day, You took My Hand and Swore It Will Be Okay』は異なる作品だ。シネマティックなムードは共通しているが、『Elegiya』は幽玄な質感のドローンであり、『On The Darkest Day, You took My Hand and Swore It Will Be Okay』は、ノイズ音楽や生体音響学などに影響を受けたというイアン・ウェルマンらしいノイジーなうごめきに満ちたアンビエント/ドローンである。
 ウェルマン本人のライナーによると「怒り、不安、希望の間で揺れ動き、通常はディストーションやノイズに変化し」「世界中で起きている出来事に意味を見出そうとする試み」であったという。加えて「行き詰まった人生に対する私自身のフラストレーションを癒す方法」でもあったとも書いている(https://ianwellman.bandcamp.com/album/on-the-darkest-day-you-took-my-hand-and-swore-it-will-be-okay)。不穏な社会や不安定な個人を反映するかのようなサウンドであるのはこういった背景があるからだろうか。
 インターネットや現実で引き起こされる多くの社会問題や社会情勢はアンビエント・ドローン作品のような抽象的な音楽にも深く影響を与える。つまり時代が暗ければサウンドの質感にダークなものが増えるというわけだ(反対に過剰に癒しを放つものも増えてくる)。社会の無意識を写す鏡のような現代アンビエントだ。ちなみに現代アンビエント・ドローンの名手とはいえばヤン・ノヴァクであり、彼の霧のような美麗ドローンをまず思い出すが(彼の音響は本当に美しい。まるで空気を浄化するようなアンビエントなのだ)、イアン・ウェルマンの諸作品は、ヤン・ノヴァクのアンビエントとは異なる魅力を発している。
 イアン・ウェルマンのアルバムを聴いていると、世界の不安や不穏をスキャンしたサウンズの波を感じてしまうのだ。彼は社会/世界、世界の変化や状況にとても敏感かつ鋭敏な感性を持っている音楽家なのだ。尖っていて不安定な感覚があるのだ。音もセンシティヴである。この感覚は精神の沈静を追求するアンビエントの音楽家の中では稀だ。不意にリリース・レーベル〈Room40〉を主宰するローレンス・イングリッシュの音楽性を思わせもする。
 2018年にヤン・ノヴァクが主宰する現代アンビエント・レーベルの名門〈Dragon's Eye Recordings〉からリリースした『Susan's Last Breath Became the Chill in the Air and the Fog Over the City's Night Sky』、2019年に同じく〈Room40〉からリリースした『Bioaccumulation』もそのような世界の不穏さを反映していたように思う。
 2021年にリリースした本作『On The Darkest Day, You took My Hand and Swore It Will Be Okay』では、これまで以上に、不穏なアンビエンスに聴こえた。やはりコロナ以降の世界の反映だからだろうか。

 アルバムには全13曲が収録されている。どの曲も微かなノイズが刺すように鳴り、一方で溶け合っていくような持続音を聴かせてくれる。しかもトラックには4分台の曲多い(1分ほどの曲もある)。この種のアンビエント作品は一曲が長いものが多いのだが、その点からしても異質な作風である。
 本作は長い音の持続にじっくりと耳を澄ますタイプの作品はなく、ノイズのフラグメンツ(断片の数々)を摂取するようなアルバムなのだ。この断片性は聴く物に独特の不安感(と心地よさ)を与えてくれる。
 じじつ、このアルバムを聴くと気候変化や社会問題、事件、事故などが混じり合った、いまこの時代特有の集合的無意識を聴取するような独特の不安感があるのだ。ほぼ同時期にリリースされた『I Watched The World Burn Without Leaving My Home』と合わせて聴くと、さらなる孤立感や時代の無意識を感じることができる。いわば「社会」「世界」に抵抗しつつ溶け合っていくような聴取体験があるのだ(『I Watched The World Burn Without Leaving My Home』はどうやら世界各地の火災問題を扱っているようだ)。ノイズという厳しい現実と平穏というアンビエントが交錯し、彼の音楽として総体を形作っている、とでもいうべきか。
 そう、『On The Darkest Day, You took My Hand and Swore It Will Be Okay』は、まさに心と体と世界の境界が融解/溶解するようなアンビエント/ドローンなのだ。1年のはじまりに(でなくとも良いのだが)心身を調律するように聴き込みたい。

年明けのダンス・ミュージック5枚 - ele-king

 新年あけましておめでとうございます! 2022年も音楽についてたくさん書いていきたいと思います。2021年は、僕の力量不足ゆえ(単に怠けている日もある)に書けなかった作品がいくつもあった。今年は全て書く勢いでやるということで、そこを抱負に精進します。ということで新年一発目のサウンドパトロール、よろしくお願いします。


SW2 & Friends - Hither Green Glide / For The People | GD4YA

 EL-B の運営する〈GD4YA〉は、UKガラージのダークな側面を好む人ならチェックすべきレーベル。彼自身、90年代からいくつかのレーベル(Not On Label のホワイト盤も多数)からアングラでダークなUKガラージを提供してきたDJ。もちろん、〈GD4YA〉のサウンドはその焼き回しではなく、現代版へきちんとアップデートされており、さらにハズレもあまりないときた。今作は、〈Rhythm Section International〉などからリリースを重ねる FYIクリス、エズラ・コレクティヴの鍵盤奏者として知られるジョー・アーモン=ジョーンズなどが参加。あのダークなUKガラージの音(〈Tempa〉の『The Roots Of Dubstep』を聴くと良し)を踏襲しつつ、南ロンドンにおけるハウスとジャズの視点も加えている。かなり面白い。

Instinct – PAUSE LP | Instinct

 「UKガラージのダークな側面」なんて書いたので、こっちも紹介しないわけにはいかない。バーンスキ(Burnski)による、UKガラージ専用のインスティンクト名義でリリースされたフルレングス。連番でいくつかの12インチを出しており、それらをまとめたのが『PAUSE LP』。5番に当たる「Pstolwhip」は最高にオシャレなUKガラージで大好きだけど、今作には未収録……。流行り(?)の音数少なめでカラッと乾いた質感のUKガラージ・ビートがずっと続く、素敵な10曲入りLP。ベースは効いていてダークさはあるけど、なぜか凄くオシャレに聴こえる。個人的ベスト・トラックの “Apache” はサンプリングかと思うが、実弟によるヴォーカルのピッチをいじったもの。12インチの集成なのでそれぞれのツール感は否めないが、それでも聴きやすくまとまっていると感じた。

WILFY D & K–LONE - VITD004 | Vitamin D Records

 K-ローンといえば、ファクタと運営するロンドンは〈Wisdom Teeth〉でよく知られている。が、Wilfy D とコラボレーションした今作は、言ってしまえばらしくない、スイートでソウルフルなUKガラージに仕上がっている。“Str8 Up” なんて最高なチャラ系UKガラージでかなりのお気に入り。そもそも、90年代におけるUKガラージというジャンルにはかなり売れ線の曲もあって、そこそこチャラい側面があることを思い出させられる。ちなみに Wilfy D のほうは、自身の〈Vitamin D Records〉や〈Dansu Discs〉などでリリースしつつ、ブリストルのレコード店&レーベルの〈Idle Hands〉のスタッフとしても働いている模様。いま挙がったのは全てUKにおける現行のレーベルで、全てかっこいいので合わせてチェックしよう。

Joy Orbison - red velve7 | TOSS PORTAL

 2021年の個人的なハイライトのひとつ、それはジョイ・オービソンの『Still Slipping Vol.1』だった。本当にカッコ良かった。サウンドがカッコ良いのは当たり前だけど、何よりも「そこにい続けて……、もちろんいまもそこにいる」その姿勢がカッコ良いのだ。この曲は、ジョイ・Oによって突如ドロップされた未発表曲のうちのひとつ。ジャケは彼の祖母で、西ロンドンで音楽系のパブを祖父とふたりで経営していた方なのだそう。曲のリリースに際したインスタのポストによれば、「まだ始まったばかり」だと。これからも彼の動向には目が離せない。

Blawan - Woke Up Right Handed | XL Recordings

 相変わらず、〈XL〉のこのシリーズは良いリリースが多い。去年は LSDXOXO による猥雑なゲットー・ハウス「Dedicated 2 Disrespect」が最高だったし、その前だとジョンFMの「American Spirit EP」も良かった。そしてブラワンからの「Woke Up Right Handed」も、これまた半端じゃない一撃だった。数あるフライト(2019年は340回もあったそう!)に嫌気がさし、いまは拠点とするドイツで酪農により多くの時間を割いているそう。このEPから出てくる音がそんな生活から生み出されたものなんて……。“Under Belly” のホラーめいた異様なサウンドが酪農生活によるものだとは、にわかには信じかたいよね。

Pip Blom - ele-king

 たとえばそれはサッカーのリズム良く回るパスだったり、野球の糸を引くようなアウトローのストレートだったり、よどみなく喋る実況や会話のテンポのよい合いの手だったり、小気味よいと感じるものが世の中にある。小気味よさとは「痛快な感じがあり、胸のすっとするような快さを感じるさま」だとググった先の辞書が教えてくれたけど、「つまりそれってピップ・ブロムの音楽みたいなやつだよね?」とヘッドフォンをした僕は思う。
 オランダはアムステルダムのピップ・ブロムという名前の女の人がはじめたバンド、その名もピップ・ブロム(そのままズバリ)。イギリスの名門レーベル〈Heavenly〉と契約して2019年に1stアルバムをリリースして、そうして2021年の11月に『Welcome Break』というタイトルの2ndアルバムがやっぱり〈Heavenly〉から出た。ジャンルはインディのガレージ・ギター、あるいはギター・ポップと呼ばれるようなもので、かき鳴らされるギターの音とピップ・ブロム(つまりはバンドではない方の彼女のことだ)の快活でそれでいて少しメランコリーを感じさせる声が何度も「小気味よさ」を運んでくる。ピップ・ブロムのギターのリフは爽やかでセンチメンタルであり、塩気の効いたパンのように少しそっけなく、それがもうたまらなく病みつきになってしまう。それはよそ行きではない日常に潜む快感で、これこそがまさにインディ・ギター・バンドに求めている音だとそんな気分にだってさせてくれる。

 そしてその音はどこか誰もいない放課後の夕暮れの教室を思わせる。どうしてこんな風に感じるのかと少し考えると、それはおそらくピップ・ブロムがキャリアの初期に〈Nice Swan Records〉からリリースした「Babies Are A Lie / School」の7インチのタイトルとオレンジ色したジャケットに引っ張られているせいだろう(このジャケットはお気に入りで見えるようにして部屋に飾っている。手にとって眺めてもやっぱり良い)。ついでだからとそのままその頃のピップ・ブロムの事をちょっと考える。この7インチにしてもそうだし、ピップ・ブロムはオランダのバンドだけどなんとも最近のUKシーンのバンドみたいな動きをしている。最近のUKシーンのバンドというのはつまりブラック・ミディスクイッドブラック・カントリー・ニュー・ロード、あるいはピップ・ブロムと〈Nice Swan〉でレーベルメイトだったスポーツチームのことで、彼らはみんな新興のインディレーベルから素晴らしい7インチ・シングルあるいは12インチのEPをリリースした後、アンダーグラウンドにとどまることなく大きなレーベルに移って、その姿勢を保ったまま活動の幅を広げていった。この動きはサウス・ロンドン・シーンとして知られる最近のUKバンドの特徴のひとつだけれど、オランダのピップ・ブロムはこれらのバンドに先駆けてこの道筋をたどっていったのだ。ホテル・ラックス、コーティング、イングリッシュ・ティーチャーなどと契約し最近また勢いに乗っている〈Nice Swan Records〉のレーベル第4弾としてピップ・ブロムのレコード「Babies Are A Lie / School」はリリースされた。スポーツチームやデッド・プリティーズより前にリリースされているということからもピップ・ブロムの特殊性がわかるかもしれない。これは2017年に7回にも渡るUKツアーを敢行したということと無関係ではないだろう。当時のイングランドはまさにサウス・ロンドン・シーンが勃発し勢いを増し広がり続けているまっただ中で、野心を持ったレーベルも素晴らしいバンドと契約すべくこぞってライヴハウスに足を運んでいた。そんな中でピップ・ブロムはUKのバンドと肩を並べ自身の魅力を放っていたのだ。
 だから僕はピップ・ブロムのことを広義の意味で、サウス・ロンドン・シーンのバンドだとも捉えている。ゴート・ガールシェイム、ソーリー、ブラック・ミディ、スクイッド、数多くのサウス・ロンドン・シーンのバンドのアーティスト写真を撮っているロンドンの写真家 ホーリー・ウィタカがピップ・ブロムの “Babies Are A Lie” のビデオを撮影したのがまさにその証拠だろう。このビデオは2017年当時のシーンのドキュメンタリー・ムービーみたいなもので、マット・マルチーズが登場しソーリー、ゴート・ガール、シェイムのメンバーがバンド活動を通して友情を育んでいく姿が描かれている(余談だがこのビデオは後々サウス・ロンドン・シーン初期から中期にかけての空気を知るという資料的価値が出てくるのではないかと思っている。そのサウンドトラックがオランダのバンドの曲なのはなんとも奇妙な話ではあるが、しかしそれこそがこのシーンの特徴であったようにも思える。インターネットを通じそのアティチュードは国を超えて共有されていったのだ)。人が集まり、そこで音楽が鳴る、いまのこの日常、流れる時間がかけがいのないものだとわかっている、ピップ・ブロムの音楽はそこにぴったりハマるようなそんな魅力がある。

 そしてこの2ndアルバム『Welcome Break』はまさにそのかけがいのない特別な日常感に溢れたアルバムだ。小気味の良いギターのリフ、さりげないが気の利いた気持ちの良いコーラス、快感の裏側に潜んだセンチメンタリズム、それらが曲ごとにバラバラに入っているのではなく同じ曲の中に混在しているというのがこのアルバムの素晴らしいところだ。1stアルバム『Boat』と同じ路線ではあるが、曲の強度がグッと上がり、そして混ぜ合わされるセンチメンタリズムのバランスが絶妙でピップ・ブロムの持つ魅力が遺憾なく発揮されている。正直に言うと「Babies Are A Lie / School」の素晴らしい調合のバランスが『Boat』では少し崩れ、快活さはあっても感傷が足りてないと感じていたので、これこそが求めていたピップ・ブロムだとこの2ndアルバムを聞いて嬉しくなってしまった。“Keep It Together” では澄み切った空のようなギターが海辺を走る自転車みたいな快感をもたらして、そして若さの裏側にあるほんの少し感傷を覗かせる。“I Know I'm Not Easy To Like” は不機嫌なキンクスのように進行し、フラストレーションを解放し、それと同時に小さな後悔を滲ませる。“I Love The City” では感傷を前面に出すことで、その裏側に潜む快感が下地からにじみ出してくるような曲に仕上がっている。アルバムを通して響き渡るのは青春映画のあの感覚で、特別なイベントなどなくとも日常が特別になりうるということを教えてくれる。小気味よく、その中で静かに情熱が胸にくすぶり続けているようなバランスがきっとその空気を作っているのだろう。ピップ・ブロムの2ndアルバムは一筋縄ではいかない味わい深さとシンプルな快感が両方あって、だからいつだって聞く度に胸を小さくドキドキさせてくれる。それがなんとも小気味よく感じるのだ。

MURO - ele-king

 ご存じディガー中のディガー、あの宇川直宏もリスペクトしてやまないキング・オブ・ディギンこと MURO の最新ミックスが発売される。
 今回は〈Pヴァイン〉手がける “GROOVE-DIGGERS” シリーズの膨大なカタログのなかから、珠玉のレア・グルーヴをセレクトした内容。そのままミックスを楽しんで欲しいとのことで、収録曲は明かされていない(商品には記載)。タワレコ限定盤のため、お早めにチェックを。

hyunis1000 - ele-king

 神戸の新世代ラッパー hyunis1000 (ヒョンイズセン)がファースト・アルバムをリリースする。彼は相棒の Ratiff とともにラップ・デュオ Neibiss を組んでいて、一見脱力的だけど真剣というか、ユーモアとメッセージを両立させた素敵な音楽をやっているのだ(まずは YouTube で「Neibiss」と検索してみて)。
 紙エレ夏号でも取り上げたように(p137)、hyunis1000 はソロとしても配信でEPをリリースしてきたわけだけれど(おすすめは “ダメ人間” や “お先真っ暗やね!元からやけど(^_^;)” などを収録した『1001』)、このたびついにアルバムが完成したとのこと。題して『NERD SPACE PROGRAM』。リリースは年明け1月26日。いまから楽しみです。

hyunis1000
"NERD SPACE PROGRAM"

2000年生まれ、神戸を中心に活動する新進気鋭のラッパー、hyunis1000の待望のファースト・フル・アルバム『NERD SPACE PROGRAM』がリリース!!
瑞々しい類い稀なセンスが本作によってシーンに衝撃を与える!!

この作品は2022年のラップ・ミュージックの最前線の一つのあり方を提示する。ゲーム音楽、健全な上昇志向とメイク・マネーの願望、ある種のインディ・ロック的な感傷、ラッパーの必須条件である安定感のあるヴォイスとフロウ、複数のビートメイカーによる多彩なビート。本作の背景に、豊饒なエレクトロニック・ミュージック、ヒップホップ、実験、ダンス・カルチャー、ネット文化、その他さまざまな経験と現場があることは想像に難くない。聴けば間違いなくその一端に触れることができる。
『NERD SPACE PROGRAM』というタイトルは、hyunis1000が所属するコレクティヴの名でもある。悪ふざけとナンセンスと繊細さと純情の絶妙なバランスをふくめ、NSPの音楽と表現には未来への可能性しかない。

あの作品の内側には地図があって、そこにはまだ何も記されていなかった。結局のところ、ヤンキーとオタクは極地という点で似通っているように思う。初めて出会った彼の精神と身体の釣り合い方はとても Strange に見えた。約束は、たかが口約束かもしれないけど、果たすことで確信が深まる。早くてもいいことばかりじゃないけど、急ぎたくなるのは何故なのか。彼らはいま新しいところに向かっている。確かに全てはタイミングなんだけど、今回そのタイミングは必然に思えた。完璧に近かった。"走り続ける限り青春は死なない" 誰に審査されずとも輝き続ける存在がここにいる。確信がなければ、誰が何を言ってても無駄だ。このアルバムは hyunis1000 への信用を更に確固たるものにするだろう。
by NGR (CLUTCH TIMES)

アーティスト:hyunis1000 (ヒョンイズセン)
タイトル:NERD SPACE PROGRAM (ナード・スペース・プログラム)
レーベル:RCSLUM RECORDINGS
品番:RCSRC026
フォーマット:CD
バーコード:4988044869950
発売日:2022年01月26日

ソングリスト
1. Intro by ratiff
2. RUN (prod by 残虐バッファロー)
3. Highway (prod by Ballhead)
4. Kobe young zombie (prod by Uokani)
5. 2020薔薇 (prod by caroline)
6. ドッペルゲンガー (prod by ratiff)
7. Skit by ratiff
8. khao nashi (remixed by ratiff)
9. Student (prod by DJ HIGHSCHOOL)
10. Sad rain (prod by UG Noodle)
11. Angel (prod by caroline)
12. IDC (prod by caroline)
13. hyunis1000 in Earth (acappella)

【hyunis1000 プロフィール】
2000年生まれ、神戸を中心に活動するラッパー。2018年から活動を開始し、トラックメイカー/DJ/ラッパーのRatiffとのユニットNeibissや、同世代のコレクティブNerd Space Programのメンバーとしても活動中。コンスタントな楽曲リリースと、年間100本ほどのLIVEを行うなか、Shibuya PARCO ANNIVERSARY FESTIVALへの出演や、Neibissとしてアルバム『HELLO NEIBISS』(2020)、『Sample Preface』(2021)をリリースするなど、着実に実績を積み重ねていく。SPACE SHOWER TV『BLACK FILE』でのインタビュー動画の公開やRed Bullが企画するマイクリレー『RASEN』への抜擢など、いま一躍注目を集めている。

liquidroom presents NEW YEAR PARTY 2022 - ele-king

 LIQUIDROOMの年越しパーティが2年ぶりに開催される。うっぷんをはらすかのように、これがまたじつに強力なラインナップなのだ。
 1Fでは石野卓球、Seiho、Licaxxx が、2Fではいま注目のユニット=どんぐりずをはじめ、釈迦坊主、Maika Loubté、gato が2021年の終焉と2022年の開始をサウンドで包み込む。これは行くしかない。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431