「Ord」と一致するもの

スプリング・ブレイカーズ - ele-king

 『スプリング・ブレイカーズ』は冒頭、EDMに合わせて水着姿で乱痴気騒ぎを繰り広げる大学生たちを映し出す。と、書くと、あなたは嫌な顔をするだろうか。
 では、ハーモニー・コリンの2007年作『ミスター・ロンリー』まで遡ろう。マイケル・ジャクソンのモノマネをして暮らす青年がマリリン・モンローのモノマネをして暮らす女性と出会い、彼らと同じようにモノマネをして暮らす人びととスコットランドの古城で生活をする......。久しぶりの長編でコリンが描いていたのは変わらず、この世に自分自身として生きる場所が見つけられない子どもたちだった。彼らの実存を、あるいは彼らの見落とされた生を......ただそこに「在るもの」として見つめ、そしてその感情を掬っていた。
 『スプリング・ブレイカーズ』でもそれは変わらないが、基本的には頭の悪い女子大生がビキニ姿でハシャいでいるだけの映画という点で、よりハーモニー・コリンが現在身を置く場所をはっきりさせた作品である。そのサウンドトラックにあまりにもEDM、というかスクリレックスがピッタリで、彼のこんな発言を思い出す......「みんな僕を嫌ってる」。愚かな嫌われ者の子どもたちの傍にこそコリンはカメラを置き、一切の皮肉を介在させずに彼女たちの「スプリング・ブレイク(春休み)」を刹那的に映し出す。

 退屈を持て余す女子大生4人組は、春休みにフロリダに旅行に行く計画を立てているがカネがない。そこで思いつきでやった強盗で資金を得て、まんまと成功、フロリダでハメを外しまくる。そしてそこでエイリアンと名乗るギャング(ジェームズ・フランコ)と出会い、強盗にも加わるようになる......という物語は、さして重要でもない。コリンは「銃を持ったビキニの少女たちのイメージから話を膨らませていった」と語っているが、本当に少女たちはひたすらビキニ姿で画面にいる。彼女たちが「そこにいる」ことだけが、この映画である。
 春休みに大学生たちがフロリダなどのリゾート地に赴きハメを外す伝統がアメリカでは70年代からあるらしく、それは60年代の理想主義の行き詰まりの後日譚としてはあまりに皮肉めいた話だ。そして本作では、その後アメリカで起こった安っぽいカルチャーの様々な要素が合流している。ビッチたちとして出演するのはディズニー出身のポップ・アイコンである元子役たちで、大学生たちは音楽よりもドラッグとアルコールが重要なレイヴで盛り上がり、ギャングスタたちは拝金主義にまみれている。良識的な大人であれば眉をひそめるモチーフを、しかしコリンは義憤でも代弁でもなく、本当に彼らの感傷を知る手がかりとして使う。ブリトニー・スピアーズのバラードを、「銃を持ったビキニの少女たち」に歌わせるシーンで画面を満たすエモーションは、紛れもなく本作のハイライトになっている。チージーさが奇を衒って祝福されているわけではなく、本当になにかポエティックなものとして出現しているのである。そしてまた別のシーンでは、グルーパーのアンビエントを流しながらブノワ・デビエの美しい撮影で彼女たちを静かにとらえる。スクリレックスとブリトニーとグルーパーとウィーケンドが同時に使われる映画など、ハーモニー・コリン以外にあり得るだろうか。



 フロリダでの非日常を謳う彼女たちのバックグラウンドには当然、途方もなく退屈で、未来もなく、安っぽくて愚かな日常と人生がある。だからこそコリンはビキニ・ギャルの春休みを「映画」にする。その一瞬を封じ込めるために。ビキニ・ギャルが銃を持って戦うシーンはノワール映画をかすめながらも、敵のギャングが撃つ銃弾は都合よく彼女たちをよけていく。なぜなら、これは未来のない彼女たちの幻だから。それが終わりゆくものであることは、コリンも彼女たちもわかっている。「スプリング・ブレイク、フォーエヴァー! ビッチーズ!」......終わりのほうでその文句はリフレインとなる。だが、春休みは終わり、彼女たちはまた世界から忘れ去られてゆくだろう。

予告編

ANYWHERE STORE OPEN !! - ele-king

→ANYWHERE STORE

ストア開店予告が昨年末でしたから......"やるやる詐欺"感も担当スタッフの周りを包み込み、やがては切迫感の実をつけるまでに四季の経過を感じている今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。"振り込め詐欺"の新名称が"母さん助けて詐欺"に決定された事に感化され(悪い意味で)、シンプル・イズ・ベストなANYWHERE STORE、遂に開店させて頂きます!!

開店記念として、DOWN NORTH CAMPソラくんからお花代わりに彼らのコーチジャケットを頂きましたので、大盤振る舞いさせていただきます!!非常に貴重なアイテムの数々を巡り大混雑も予想されます、どなたか知人にDJポリスさんがいらっしゃいましたら是非ご紹介くださいませ。
最後にele-所長のお言葉をどうぞ。

ele-kingは無料サイトなので、モノを売って、資金にするしかないのであります。ANYWHERE STOREでは、ele-kingで仕入れた優れものを売りますので、本サイトの存続に少しでも協力したいという寛大な気持ちをお持ちの方、自分の好きなモノが売っていることにお気づきの方は、どうぞよろしくお願い申し上げます。第一弾は、ロンドンの名門〈オネスト・ジョンズ〉(Honest Jon's Records)の格好いいデザインのTシャツとトートバックです。

 〈オネスト・ジョンズ(正直者のジョン)〉は、ロンドンのレーベルであり、レコード店。ロンドン中心のやや西側、ポートベルロードで1974年にオープンしたレコード店(開店は1974年)にはじまっている。
 ポートベルロードあたりには、ラフトレードの一号店もあるし、また、レゲエのレコードを売っているお店もいくつかあった。この通りの屋台で売られているワッキーズ(NYの伝説的なルーツ・レゲエ)を買ったこともあるし、この通りでリトル・テンポの土生剛と偶然会ったこともあった。言うまでもなく、カリブ系移民の祭、ノッティングヒル・カーニヴァルでも知られているエリアで、また、70年代はホークウインが住んでいたヒッピーの町、パンクの時代にはザ・クラッシュのメンバーが住んでいた町としても知られている(僕もロンドンで泊まるときは、ノッティングヒル地区が多かった)。
 そんな音楽的に深いエリアにある〈オネスト・ジョンズ〉は、ベルリンの〈ハードワックス〉と仲がよい。コアなレゲエ・リスナーだったマーク・エルネストゥスは、80年代、レコードを探しにロンドンにやって来ると必ず立ち寄った店のひとつが〈オネスト・ジョンズ〉だった。話しているうちに仲良くなったと聞いたことがある。それがいまやモーリッツ・フォン・オズワルドの作品のリリースやマーク・エルネストゥスのシャンガーン・エレクトロ・プロジェクトへと発展しているわけだ。
 実際この店は、最初はレゲエが充実していていることで音楽ファンのあいだで名前が通っていたが、90年代半ばになると、店のジャンルは、ソウル、ジャズ、ラテン、アフロ、そしてテクノへと幅を広げている。90年代後半、店に入るとベーシック・チャンネルのバックカタログやデトロイト・テクノが揃っていたことも憶えている。

 〈オネスト・ジョンズ〉のレーベル活動のほうは、00年代にはじまっている。デイモン・アルバーンのサポートを得ながら、トニー・アレン(アフロ・ビートの父)のアルバム、ムーンドッグ(トクマル・シューゴやパスカル・コムラードの先輩)のSP盤を中心とした編集盤、50年代のカリプソのコンピ、NYのソン(キューバ音楽)の編集盤などといった玄人好みなリリースを展開しつつ、そのいっぽうではベルリン・ミニマル・ダブの巨匠、モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオ、UKベース・ミュージックの奇才、アクトレス、ダブステップの大物ふたりの共作、ピンチ&シャックルトン、南アフリカのエレクトロ、シャンガーン、コロンビアのインディ・ロック・バンド、ラス・マラス・アミスタデス、そしてトニー・アレンとデイモン・アルバーンのロケット・ジュース&ザ・ムーン......などなど最新のとんがった音源もリリースしている。今年は、好評だったカリプソのコンピ『London Is The Place For Me』の新しい編集盤を2枚同時に出している。 

(野田努)

Various Artists - ele-king

 アルバム単位で聴いているだけで、ダンス・ミュージックをわかった風に語ってはいけない。それは間違っている。ダンス・ミュージックとは12インチ・シングルとともにあるからだ。10インチでも、7インチでもかまわないのだが、八百屋のようにコツコツとシングルを入荷する店とともにある。ぱっと聴いてぱっと買う。思いすがるような気持ちで、忍耐強くアルバム単位で聴く音楽とはわけが違う。
 などと、偉そうなことを言うほど昔のように大量に聴いているわけではないのだが、それでもまだまだ聴いているぞ。URが何枚アルバムを出しているか考えてみるがいい。ルーズ・ジョインツに何枚アルバムがある? ダンスはいつでも12インチ・シングルのものだ。それが、この音楽が切り拓いてきた歴史だからだ。アルバムというフォーマットは、所詮は利益率優先主義がもたらした形式に過ぎない。優れたポップ・ミュージックがシングル単位であるように、生気をもったダンス・ミュージックもシングル単位でリリースされているのだから、まずはその時点で聴かれるべきなのだ。
 フローティング・ポインツ(サム・シェパード)は、そのことをよくわかっている。少しばかり話題になったからと言って、すぐにアルバムをリリースしてしまう尻軽女とはわけが違う......と、ここまで書いて1ヶ月以上も放置したままだった。

 そして、1ヶ月ぶりに続きを書きながら、多少の商魂は持っている僕は、結局8曲もフローティング・ポイントの曲が入っているのだから、彼の作品集を1枚でまとめれば良かったと思う。しかもこの小生意気な若者は、2012年の「Faruxz / Marilyn」のうち"Faruxz"を未収録にしやがった。本気で"Faruxz"を聴きたければ、レコードを探せと、そういうことだろう。Yutubeで聴けてしまうのだが、そんなのは最初から相手にしない。アートワークは可能な限り、贅沢にする。
 彼のような上から目線の復古主義がダブステップに内包されていたことは重要だ。無料で音楽をばらまく? それでは俺たち音楽家はどうやって食えばいい? こうした当たり前にして当たり前の生活レヴェルでの疑問がしっかり具現化されている。
 〈エグロ〉は見つけたらレーベル買いしている。それは、フローティング・ポインツという、20年前のカーク・ディジョージオやイアン・オブライアンに匹敵する才能がレーベルの主宰者のひとりであることも大きいが、ベース・ミュージックの世代がいかにしてジャズ/ソウルのエッセンスをダンス・ミュージックに取り入れるのかというよりも、彼らの明快なレーベルの態度が気に入ったからである。

 しかもこのレーベルには、スウェーデンのR&B歌手ファティマ、そしてビートメイカーのミズ・ビーツという、どう考えても素晴らしい女性アーティストがふたりもいる。アシッド復興運動家のファンキネヴン(Funkineven)による303系のうねりが耳障りだが、まあ、許そう。賢明な彼らは、過去に目を奪われるあまり現在を受け入れない高級なクラブ・ジャズの繰り返しをしないよう、先手を打っているのかもしれない。
 今年に入ってリリースしたストレンジ・Uの12インチは、初期のアンチコンを彷彿させる幻覚性の強いヒップホップだった。〈ディープ・メディ〉出身のミズ・ビートも、ダブステップからガラージ/ヒップホップに向かっている。そもそもこのアルバムのはじまりが、フローティング・ポイントによるインスト・ヒップホップ曲"Radiality"なのだ。

 『Eglo Records Vol.1』は、2009年からはじまった〈エグロ〉にとって最初のコンピレーション・アルバムとなる。さあ、これでフローティング・ポインツやファティマがいつアルバムを出しても驚かない。ファンはそれを待っているし、ボノボやシネマティック・オーケストラとは別の可能性を探ってもらいたいと思っている。

世界はまたノー・エイジ! - ele-king

 2000年代末のLAのD.I.Y.なアート・シーンに起こったことを知りたいなら、「シットゲイズ」と呼ばれた感性がこの時期のガレージ・サウンドをいかに輝かせたのか確かめたいなら(そう、ゴミが妙な価値転倒によってではなくただキラキラと光ってみえた)、ノー・エイジの『ノウンズ』(2008年)を聴くしかない。いったいどちらをニュースにすればよいものやら......『ノウンズ』再発か、それとも新譜リリースか、ノー・エイジがまた動き出す!

 彼らの活動拠点であるロサンゼルスのアート・スペース〈ザ・スメル〉や、ディーンが運営する〈ポスト・プレゼント・ミディアム〉は、当時のLAのアンダーグラウンドなシーンを支え、ブルックリンのアーティなインディ・シーンにまったく引けをとらなかった。エイヴ・ヴィゴーダやミカ・ミコやラッキー・ドラゴンズ、シルク・フラワーズやハイ・プレイシズ、〈ザ・スメル〉であればギャング・ギャング・ダンスやミランダ・ジュライまでを繋げる一大アンダー・グラウンド・サークルである。

 音ばかりでなくアートワークもわすれがたい。『ノウンズ』のパッケージは、グラミー賞にて「Best Recording Packaging」部門にノミネートされたものだし、前作の『エヴリシング・イン・ビトウィーン』は、フォールドアウトのミニポスターが貼り付けられた特殊な紙ジャケット仕様。今回ももちろん特殊仕様だから、ダウンロードするよりも実際にパッケージを買うことをおすすめしたい。

 多数のライヴをこなす彼らだが、全米各地のアート・ギャラリーで演奏することも多い。2009年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)でパフォーマンスを行っており、このことはラフでノイジーなガレージ・サウンドがアーティな佇まいを宿すことを端的に示している。

 さあ、今作は? 新曲"カモン・スティムング"(C'mon Stimmung)のストリーミングが開始された。フル・アルバムまで時間ありすぎ! 1曲じゃ我慢できないけど、聴いてみよう。



■新譜リリースだ!

オブジェクト
発売日: 8月7日(水) 日本先行発売(US:8/20)
定価: スペシャル・プライス 2,200円(税込) 
品番: TRCP-123
JAN: 4571260582132
特殊パッケージ仕様
ボーナス・トラック収録

トラックリスト:
1. No Ground
2. I Won't Be Your Generator
3. C'mon, Stimmung (リード・トラック)
4. Defected
5. An Impression
6. Lock Box
7. Running From A-Go-Go
8. My Hands, Birch and Steel
9. Circling With Dizzy
10. A Ceiling Dreams of A Floor
11. Commerce, Comment, Commence
+ボーナス・トラック収録

All songs written by No Age
All songs produced, recorded,and mixed by F. Bermudez
and No Age at Gaucho's Electronics.
Isaac Takeuchi plays cello on"An Impression"
Designed and packaged by Brian Roettinger with No Age

(p) & © 2013 Sub Pop Records

バイオグラフィー:
ロサンゼルスのインディー・ロックの聖地として現代版CBGBとも言えるユース・アート・スペース、ザ・スメル(The Smell)。そのThe Smellを拠点DIY精神に貫かれた活動を続けるバンドが、ディーン・スパント(ドラムス&ヴォーカル)とランディー・ランドール(ギター)によるノー・エイジである。英ファット・キャット・レコーズからリリースされ好評を博したシングル・コンピレーション・アルバム『Weirdo Rippers』に続くセカンド・アルバムである『Nouns』をサブ・ポップから2008年春に発表。米ピッチフォークでは9.2と破格の評価を獲得、同サイトの年間アルバム・チャート3位にも選出された。更にSPIN、ROLLING STONE、NMEなど有名主要メディアでも軒並み高評価を得て、2008年の "ロックの新しい音" を代表する1枚となった。レディオヘッドのメンバーやコーネリアスがノー・エイジのTシャツを着用するなど、話題に事欠かない。

彼らは、2005年に前身バンドのワイヴズで登場し、やがてノー・エイジとしての活動を始めると、LAのDIYなアート・パンク・シーンを守る存在として世界的に知られるようになった。その中心地点が、ザ・スメル(TheSmell)であることはいまや有名な話だが、それは、アートと生活もしくは音楽と生活がひとつになって、クリエイティヴな運動やアティチュードを喚起し、世界中の同じような考えを持ったパンク・ミュージシャンやアーティストの豊かな表現の場となったクラブハウスである。

彼らの2007年のデビュー・アルバム『ウィアード・リッパーズ』(FatCat Records)のリリースに始まり、サブ・ポップからの『ナウンズ』(2008年)、『エヴリシング・イン・ビトウィーン』(2010年)を経て今に至るまで、ノー・エイジは、ピッチフォークからザ・ニューヨーカー誌(2007年11月19日の記事「Let It Up」)まで、驚くほど幅広い筋から熱狂的な評価を得てきたし、グラミー賞にノミネートもされた(アルバム『ナウンズ』のアートワークに対して2008年の「Best Recording Packaging」部門)。
ノー・エイジは汗まみれの地下室でのライヴやアート・ギャラリーでのパフォーマンスから、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の壁を爆音で揺らしたり、地元や海外の別を問わず、型にはまらない様々な場所で演奏したりするようにまでなった。

https://www.subpop.com/artists/no_age
https://noagela.org/
https://trafficjpn.com


■2000年代のマスターピース 再発決定!

ノウンズ / Nouns
発売日: 8月7日 (水) 
スペシャル・プライス: 1,800円(税込) 
品番: TRCP-124
JAN: 4571260582163
ボーナス・トラック収録




REFUGEE MARKET - ele-king

 2013年もアッという間に前半が過ぎようとしている。新年早々、東京が記録的な白化粧に見舞われ、真新しい和服を粧し込んだ新成人がバレリーナのように駅前を行き交う下北沢にて「REFUGEE MARKET」のPOP UP STOREが開催された事も大分昔の記憶に感じる......

 今年上半期だけでも怒濤のリリースを見せた〈DOGEAR RECORDS〉所属アーティストが集合するイヴェントが、今週16日の日曜日デイタイム、代官山UNITにて開催される。ISSUGI、Mr.PUG、KID FRESINO、仙人掌、白昼夢のスペシャル・ライヴを中心に、Bullpen(ブルペン)と称された、それぞれの客演者や日頃から親交を温める友人たちが登場するそうだ。
 DJは、BUDAMUNK, PUNPEE, YODEL, GONZ&CHANGYUU, MASS-HOLEがエントリー。それぞれが持ち込む映画映像がDJプレイと連動してスクリーンにて放映予定らしい。
 スペシャル・ゲスト・ライヴには、仙人掌や白昼夢の客演でお馴染みのCHIYORIがバンド・セット、LOSTRAINSにて登場、名古屋からもCAMPY&HEMPYが参戦が決定している。
 メインであるライヴフロア外でも「REFUGEE MARKET」が開かれている。ゴロー・コサカの写真展示、アジアン屋台イクチャムの飲食ブース、DNCのブランニュー・アイテムの販売が予定されている。
 セレブ指数ハイエストな代官山にて、どんなパーティになるのか楽しみでしょうがない! 日曜の昼下がり、様々な人間模様が交差する鎗ヶ崎スクランブルの地下、DNCによるカルチャー全部乗せイヴェントに乗っかるほかないだろう。

6/16 (SUN)
DOGEAR RECORDS x P-VINE RECORDS Presents
REFUGEE MARKET at 代官山UNIT
OPEN/START:15:00 (※開演時間が変更になりました)
ADV:2,500yen / DOOR :3,000yen (共にドリンク代別)

【Special Live】
ISSUGI, Mr.PUG, KID FRESINO, 仙人掌, 白昼夢
【Special Guest Live】
CHIYORI with LOSTRAINS, CAMPY & HEMPY (CAMPANELLA & TOSHI蝮)
【Special DJ's】
BUDAMUNK, PUNPEE, MASS-HOLE, YODEL, GONZ & CHANGYUU

INNA (Life Force) - ele-king

Life Force / mixer / the Ozeki! @MORE / 一夜特濃 @天狗食堂

6月はLifeForce x Anton Zapのパーティが2本あります。
6/14 Life Force "From Russia With Dub" @Seco (Shibuya)
6/22 Life Force Alfrescorial @Panorama Park Escorial (Hakone)

https://lifeforce.jp

Inna "On Repeat" June2013 Chart  2013.6.7


1
Archie Pelago - Sly Gazabo EP - Archie Pelago Music
https://soundcloud.com/archiepelago/avocado-roller

2
Co La - Moody Coup LP - Software
https://soundcloud.com/experimedia/co-la-moody-coup-experimedia

3
Frits Wentink - Barry Tone EP - Triphouse Rotterdam
https://soundcloud.com/triphouse-rotterdam/frits-wentink-barry-tone-ep

4
JJ Mumbles - Boxes and Buttons (U.YO LOVE remix) - WotNot Music
https://soundcloud.com/wotnotmusic/boxes-and-buttons-u-yo-love

5
Ex-Pylon - Shakes/Helmet - Studio Barnhus
https://soundcloud.com/studiobarnhus/sets/barn014

6
Arthur Boto Conley's Music Workshop - Clifford Trunk - Travel By Goods
https://www.youtube.com/playlist?list=...

7
Hugh Pascall - Joy Padding - Disconnected
https://soundcloud.com/daisydisconnected/joy-padding-by-hugh-pascall

8
Blludd Relations - Blludd Relations LP - Deek Recordings
https://deekrecordings.bandcamp.com/album/blludd-relations-lp

9
Jesse feat. Jimi Tenor - Terminator (Randy Barracuda’s Macic Wand Mix) - Harmonia / Haista
https://soundcloud.com/harmonia/sets/hrmn-21-hst5

10
Alex Burkat - Shower Scene EP - Mister Saturday Night
https://soundcloud.com/mistersaturdaynight/sets/alex-burkats-shower-scene-ep-1
- Cosmo D - Cello Improvisations + Beats Vol.1 CD" (Archie Pelago Music / Observatory)
https://soundcloud.com/cosmoddd/sentiments

pAradice (△/DUNE/Life Force) - ele-king

新旧 ジャンル もろもろ問わず、最近レコードバックに入れたくなるお気に入り10選です

DJ schedule
6/21 (Fri) amate-raxi 6th Anniversary "LIFE"
https://mitibikijinsei.com/log/
6/22 (Sat) Life Force @ Escorial "Ashinoko Panorama Park" (Hakone)
https://lifeforce.jp/
more schedule & info
https://palalog.blog103.fc2.com/

好きなやつ 2013.6.10


1
TRI ATMA WITH KLAUS NETZLE - Microcosmos - Fortuna Records
https://www.youtube.com/watch?v=7r47j1EesyU

2
BATTEAUX - TELL HER SHE'S LOVELY - Columbia
https://www.youtube.com/watch?v=bbGG1Wm7XIc

3
FONDA RAE - HEOBAH(Hey-O-Bah) - Posse Records
https://www.youtube.com/watch?v=K4OVmmv55mQ

4
BONAR BRADBERRY - Lip Service(Maxxi Soundsystem Yeh Yeh Remix) - Needwant
https://www.youtube.com/watch?v=YHXFsOAZpW0

5
SPACED OUT FAMILY - Cover girl - Squaring The Circle.
https://www.youtube.com/watch?v=W-tHDuywo0Q

6
HARMONIOUS THELONIOUS -A.O. - ITALIC Recordings
https://soundcloud.com/italic/harmonious-thelonious-a-o

7
REDSHAPE - ATLANTIC - Running Back
https://soundcloud.com/mixmag-1/red-shape-atlantic

8
Spinnerty - noel's dream - Record Breakin'
https://www.youtube.com/watch?v=9c1oDzK4PpY

9
COWBOY RYTHMBOX - SHAKE - Comeme
https://www.youtube.com/watch?v=cNKGfEpLdYM

10
Archie Pelago - Subway Gothic - Well Rouded Individuals
https://www.youtube.com/watch?v=PbTFZW-YQXk

DJ MINODA (SLOWMOTION) - ele-king

6月14日金曜日 Test Groovin’ @ 神保町試聴室
https://shicho.org/2013/06/1event13061/

6月15日土曜日 HOUSE OF LIQUID @ LIQUID ROOM
https://www.liquidroom.net/schedule/20130615/14701/

6月22日土曜日 SLOWMOTION @ 旧グッゲンハイム邸
https://www.nedogu.com/blog/archives/7091

8月12日月曜日 THE CAMP 2013 @ Nakadaki Art Village
https://the-camp.info/

スロモクラシックにしたいなとおもってる10曲 2013/06/06


1
Rene Bourgeois - Je Danse feat. Elke Brauweiler (Mollono.Bass Remix) - Acker Records

2
Slow Down Orchestra - Take Me Out - Manuscript Records Ukraine

3
Deymare - Origins - Booth Trax

4
Pal Joey - Life feat. Teddy G. - Cabaret

5
Alvaro Ernesto - For Yiannis - Kapa Music

6
Martin Greenland - Papaya - Seta Label

7
Biscuit - 2 Days Of Contemplating - Nightphunk Recordings

8
Ernesto - Love Comes Round Food For Thought (Dub Remix) - Rakkaus Records

9
Rene Breitbarth - Volplane - Deep Data

10
Savile & Olin - Horizon - Wazi Wazi Music

Washed Out / It All Feels Right - ele-king

 ウォッシュト・アウト、取材しました。興味深かったです。とくに面白かったのは、新作の重要なインスピレーションが、アイルランドの偉人、ヴァン・モリソンの傑作『アストラル・ウィークス』(1968年)、他にはフォークトロニカ時代のフォー・テットだったという話。フォー・テットに関しては、昔からずっと好きだったそうです。で、久しぶりにフォークトロニカ時代の作品を聴き直したらやはり良かったと。そう考えると、ああしたドリーミーな音色はこの20年のあいだ、実は、ベッドルーム・テクノ~ボーズ・オブ・カナダ~フォークトロニカ/アニマル・コレクティヴ~などなどといった具合に、つくづく受け継がれていってるんだなと思います。
 セカンド・アルバム『パラコズム』というタイトルは、発達心理学の言葉で、言うなれば「順宇宙」、夢想による世界のこと。現実を直視できず、現実と隔絶するという意味においてはネガティヴに用いられるこの言葉を、ウォッシュト・アウトは敢えて肯定的に使ってみせます。彼は100パーセント、逃避主義を受け入れると言い切ります。そして今作を、昼間に聴ける音楽として作ったと説明しました。各楽曲の歌詞は、より鮮明に、大いなる逃避を謳っています。これは先行シングル「イット・オール・フィールズ・ライト」のPVです。

The Stone Roses : Made of Stone - ele-king

 シェーン・メドウズとストーン・ローゼズの両者に並々ならぬ愛情を抱く人間としては、ひとり静かに見たい映像だった。が、スキンヘッドの恰幅の良いおっさん3人組がビールを片手に隣に座って来やがったときにはわが身の不運(いつものことだが)を呪った。上映5分前。場内を見渡してみる。おアート系映画専門映画館の客層は、明らかに通常とは違っている。
 まず、当然ながら年齢層が高い。目つきの悪い中年スキンヘッズや、クリエイター系のお仕事についておられそうな品の良いおっさんたち。若い頃はインディー好きだったのよー、みたいなミドルクラスのカップル。といった年寄りに混じって、バンドマン風の青年や、音楽オタク風のティーンがひとりで来ている。という感じ。
 隣のガラの悪そうなおっさんたちが、上映前からがんがんビールを飲んでいるので、演奏シーンでラウドに歌い出したりしたら嫌だなあ。と不安に思った。が、いったん上映がはじまると、隣人たちは妙に静かになった。肘掛けから腕がはみ出すほどふんぞり返ってこちらに迷惑をかける、というようなこともない。大の男が、体を縮めて、直立不動で映画を見ているのだ。どうしたのだろう。と脇を見てみると、隣のおっさんは、冒頭から眼鏡の下に指を入れて涙を拭いていた。

              ************

 これはシェーン・メドウズにしか撮れなかった。と思うのは、ウォリントン・パー・ホールに集まるファンたちのシーンだ。バンドのメンバーや著名な関係者ではなく、無名のファンの映像をこれほど長時間見せるロック・バンドのドキュメンタリーは前代未聞だろう。
 バンド側が当日午後にいきなり発表した「ストーン・ローゼズが今日16年ぶりのギグを行う。ホール前に集まれ。チケットは早い者勝ち」という告知を受け、ファンが続々と集まってくる様子をメドウズは丁寧に追う。ネクタイを締めたまま血相を変えて走って来るオフィス・ワーカー。学校に子供を迎えに行ってその足で来たのだろう、制服姿の娘を引き連れたおやじ。汚れた格好で駈けてくる塗装業者。スーパーの買い物袋を下げて子連れで走ってくるお母さん。
 「上司に『姑が心臓発作で倒れた』と言って早退してきた」、「ベビーシッターの手配とか、一瞬そういう考えが全部ぶち飛んだ」と、口々に庶民たちは語る。メドウズの映画に出て来そうな人々が大勢いる。世間的にはルーザーと呼ばれる、ヤバめの男女。社会的にサクセスしているらしい自信に溢れた人。不満を抱えながら底辺で働く労働者。ひとりひとりの顔や身なりや言葉から、彼らの人生が透けて見える。このウォリントンのシーンは、ここだけで一本の映画を見たようだ。伝説のバンドの再結成というのはよくある話だが、そのときのファンの心情を描いた映画はいまだかつて無かった。シェーン・メドウズは、それを撮ったのだ。タイトルを付けるなら『This Is England 2012』。ストーン・ローゼズのメンバーたちも、このウォリントンのシーンがいちばん気に入ってるという。

             *************

 ツアーのリハーサルのシーンでは、カメラは各メンバーの顔だけを追う。リズム隊のマニとレニが顔を見合わせて笑う。イアンとレニがコーラスしながら頬を緩ませる。クールに職人然としてギターを弾いていたジョン・スクワイアが、曲の最後ににっこりと微笑む。
 20年近く前に派手に喧嘩別れした男たちが、再び笑い合っている。その絵が呼び起こすセンチメントは、セックス・ピストルズの再結成でメンバーたちが揃ってステージに立っている姿を見た時の感傷にも似ていた。隣のおっさん、いよいよ泣いてるんじゃないか。と思ってちらりと脇を見、わたしは度胆を抜かれた。
 スキンヘッドの大男が、にやにや笑っていたからである。いい大人が、何を嬉しそうに、だらしなくにやにやしているのだろうか。
 しかし、そのようなフィールグッドな映像もそう長くは続かない。彼らはストーン・ローゼズだからだ。アムステルダム公演で、アンコールを前にレニが先に帰ってしまい、「あのドラマーはCUNTだ」とステージで言い放つイアン。
 そこでメドウズはいっさいの撮影を止める。並みの映画監督なら、もっとも撮りたいところだろう。バンド内紛の内幕はドキュメンタリーの見せ場になるからだ。しかし、メドウズはそれを撮らない。『This Is England 2012』にはそんなシーンは要らないと彼は決めたのだ。
 「俺は撮影を停止して、イングランドに戻る」とメドウズは宣言する。そして暗転。
 隣の席のおっさんが、ごくり。とビールを飲む音がした。

            *************

 場面は唐突にマンチェスターのヒートン・パークの凱旋コンサートに切り変わる。
 最後のシーンは、"Fools Gold"の演奏を最初から最後まで撮っただけの、シンプルな映像だ。ここまでは友人としての親密な視線(実際、メドウズはかなり前からメンバーと交友があり、イアンは『This Is England 86』にカメオ出演もしている)で撮ってきたメドウズが、最後には"人生を変えられたバンド"を見ているファンの目線に戻る。
 それは圧巻の演奏映像だった。
 勇姿。としか言いようのないストーン・ローゼズの姿。
 メンバーたちはもはや笑っていない。再結成は単なる同窓会ではなかったのだ。各人がそれにはっきりと気づき始めた顔をしている。
 「ヒートン・パークの"Fools Gold"は、インディーズがダンスに移行するエピックな瞬間だった」
 と、メドウズはインタヴューで語っていた。が、それに付け加えるなら、驚くほどどっしりと骨太になったローゼズの、はっとするような新鮮なグルーヴがあの演奏にはあった。
 メドウズは彼らの新曲を聴いたことはないと言っているが、本当にそうだろうか。と思う。彼には、登場人物たちの未来に繋がるヒントを残して映画を閉じる癖があるからだ。

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 館内が明るくなり、隣のおっさんたちが立ち上がった。もう泣いてもいなければ、にやにやしてもいない。新譜はいつだ。と言わんばかりの切羽詰った表情で誰もが出口へ向かっている。
 いい大人が七面相みたいに、まったくバカなのかと思う。
 だが、そんな気持ちにさせられるバンドのひとつやふたつ持ってない音楽ファンを、というか人間を、わたしは信じない。


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