「Ord」と一致するもの

Youth Code - ele-king

 どうやら昨年頃からその兆候が見えていた90'sリヴァイヴァルは完全にトレンドとなってしまったようだ。

 ときに野生の鹿を轢きかけるなどして肝を冷やしながら極寒の東海岸をドリフトしている昨今のわたくしですが、先日、ブルース・コントロールのふたりの運転で移動しながら連中が車内でフロント242(Front 242)をかけていたので、何でこんなん聴いてんのよと訊ねたところ、ラス曰く、だって安いじゃん。とまっとうな回答が返ってきた後、でもEBMはいま結構流行ってんだよとのこと。確かにここ数週間ブルックリンを徘徊していたかぎりそれは充分に感じられた。たしかに昨今のUSインディー・シーンにおけるキーワードはインダストリアルというよりはボディ・ミュージックなのかもしれない(三田先生は流石です)。

 コールド・ケイヴに代表されるミニマル・ウェーヴ・リヴァイヴァルはボディ・ミュージック・リヴァイヴァルに完全に移行したと言っても過言ではあるまい。ユース・コード(Youth Code)はLAを拠点に活動する超スキニー・パピーな男女ユニットである。個人的にとてもアガッているおもな理由はこの男、ライアン・ジョージ。彼はかつて燻し銀のオールド・スクール・ハードコアを聴かせてくれたキャリー・オン(Carry On)のメンバーである(このあたりのバック・グラウンドも相当コールド・ケイヴと被ってるよね。だってウェスのアメリカン・ナイトメアも同時期に限りなく同じシーンで活動してたわけだし……)。
この手のサウンドにおける看板レーベルと言える(ジェネシス・P・オリッジの再発とかも精力的にやってますからね)〈ダイス・レコーズ(Dais Records)〉から発表された彼らの初のセルフ・タイトル・フルアルバムとなる本作は完全にボディ・ミュージックとしか形容できないビシバシ系のトラックにハードコアな男女ヴォーカルが畳み掛けるハイテンションな内容だ。またこのお姉ちゃんがブルータルなんですよ。Youtubeを見る限りパフォーマンスも相当テンション高めなんで近いうちに見たいなー……

 でもヒップなDJたちにとっては良いトレンドではないでしょうか。だってEBM系のレコードはワゴン・セール出没率高いですからね。

interview with Lea Lea - ele-king


Lea Lea
Pヴァイン

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 あの手この手で続けられるM.I.A.バッシングを見ていると、マドンナが『トゥルー・ブルー』(86年)を出した頃を思い出さざるを得ない。どこか挑戦的な女を見ると無性に腹が立つ男がいるということなのかなんなのか、理由は後から取ってつけたような批判が後を絶たず、何を歌っても三流扱い、映画『シャンハイ・サプライズ』に出れば「ワースト・アクトレス」に認定と、それはもうスゴい言われようだった。「フェミニズムを10年遅らせた」という女性たちからの批判も凄まじかったし、マドンナも脇が甘いというのか、批判を寄せつけないという雰囲気からはほど遠く、むしろ呼び込んでいるような風情まであった。いまのM.I.A.にも、そうした「呼び込む」感じというのはあって、「無性に腹が立つ人たち」の琴線を刺激していることは確かなんだろうけれど、これだけ時代が経っていれば、それがマドンナと同じものであるはずがなく、格差社会やイスラム差別といったイッシューも重なっているだろうから、なかなか見えにくいとは思うものの、どこがどう変わったのか、そこが気になるところではある。M.I.A.は一体、時代の何を刺激しているのだろうか。

 ジャマイカのテリー・リンもフォロワーにたとえられたけれど、リー・リーことリー・リー・ジョーンズにもM.I.A.と重なる部分があるように思われる。彼女について考えることもひとつの方法ではないかと思い、具体的にM.I.A.の名前を出して、どこか影響があるか訊いてみたところ、これは完全にスルーされてしまった。それだけ脈があると考えればいいのか、それともぜんぜん見当はずれだったのか。ひとつ、面白かったのは、リー・リーも政治的な歌詞を過剰に歌う反面、楽園に対するイメージも強く持っていたことで、イギリスにはこれまで戦闘的なシー・ロッカーズから浮かれモードのベティ・ブーへ、あるいは、グランジ・ロックのヴードゥー・クイーンからラウンジ・ミュージックのアンジャリへと、極端な方向転換を試みたフィメール・ミュージシャンがどの時代にもそれなりにいたことで、そこには政治とパラダイスが裏表に存在しているという観念がどうしても認められてしまう。「なにも戦いたくて戦っているわけじゃないから」と、彼女たちは言っているかのようだし、M.I.A.に通じる部分もそこかなーと思ったり。

ヴォーカルのレンジとパフォーマンスと社会的なメッセージのバランスを取ろうといつも思っています。

店頭で見かけたジャケットのヘア・デザインが気になって興味を持ちました。ドクロの髪飾りは何を意味していますか?

リー・リー:昔からドクロのデザインには魅了されてきました。ヴィジュアルも美しいだけでなく、感情にもうったえかけてきます。わたしたちはみな、頭蓋骨を持っています。みな、骨格を持っていて、それはわたしたちが生存している証拠の裏にあるものですよね。

音楽をやりはじめたきっかけや、現在に至る過程を教えてください。

リー・リー:音楽家の家庭に生まれたので、子どものころから歌いはじめ、パフォーマンスしてきました。15歳のときにプロとして音楽を作りたいと気づいて、そのときはヒップホップのバンドに参加しました。18歳のときに初めてソロのリリースがありました。そのとき以来、順調に物事が進んでいますね。

派手になり過ぎない演奏やどこか覚めた雰囲気を残した歌い方だと思いましたけど、それは意識して?

リー・リー:ヴォーカルのレンジとパフォーマンスと社会的なメッセージのバランスを取ろうといつも思っています。このことを常に忘れないようにし、どの曲も慎重に考えて作りこんでいます。

曲はどうやってつくるのですか?

リー・リー:いろんなやり方があります。最初にメロディーが浮かぶこともあれば、先に詞を思いつくこともあります。キム・ギャレットとジャック・ベイカーといっしょに作曲と制作を進めてきました。型にはまった作曲方法がないので、かえってイノヴェイティブでエキサイティングなものになりました。

ホレイス・アンディとはどんな関係? 彼から学んだことはありますか?

リー・リー:アルバムのプロデューサーのジャック・ベイカーに紹介してもらいました。残念ながら、ジャマイカに行ってホレイスといっしょにレコーディングはできませんでした。まだ実際には会ったこともないのです。彼は音楽の生きる伝説で、彼の音楽からは沢山影響を受けてきました。

先行シングル『ブラック・オア・ホワイト』のリミックスにGOTH-TRADを選んだ理由は?

リー・リー:GOTH-TRADとは共通の友人を通して数年前にロンドンで知り合いました。すぐに意気投合したのです。いっしょに仕事をしたいとずっと思っていました。『ブラック・オア・ホワイト』のリミックスを誰にしようか考えたときに最初に浮かびました。光栄にも彼は引き受けてくれて、あのリミックスはお気に入りのひとつです。



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殴られて、めった刺しにされて、残酷に苦しめられてから生き埋めにされるより、「AK-47」で瞬時に撃ち殺してほしいとその女性は懇願しているのです。それは寛大な処罰の象徴であり、選択の余地のない世界からの現実逃避において間違いを引き起こすものでもあります。


Lea Lea
Pヴァイン

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クラブにはよく行く方ですか? どこで音楽を聴くことが多いですか?

リー・リー:そこまで頻繁にクラブへ行く方ではありません。むしろライヴハウスにバンドを見に行ったり、温かい雰囲気で盛り上がっているようなバーでDJプレイを見ている方が好きですね。こういうところで新しい音楽を聴くのは大好きで、いろんな影響を受けます。

歌詞がわからないのでタイトルから内容を想像するだけなのですが、“アパルトヘイト”や“ブラック・オア・ホワイト”は人種差別だとして、“デッド・ガール・ウォーキング”は死刑制度に関する曲ですか?

リー・リー:どちらも人種差別についてではありません。

あ、違うんですか。

リー・リー:“アパルトヘイト”は経済的な隔離がテーマです。不正を生み出し、世界中のコミュニティは分裂させられています。“ブラック・オア・ホワイト”は判断(ジャッジメント)や、さまざまなイデオロギー/パーソナリティー/文化に対してオープンになれないことについて歌っています。両方とも社会問題が根底に強くあるので、そこからの波及効果で人種差別に関しても読み取れるのかもしれませんね。“デッド・ガール・ウォーキング”も死刑制度に関する歌ではなく、わたしたちは必ず死ぬ運命にあることをテーマにしています。

なるほど。ドクロに繋がるテーマなんですね。アメリカでいま、もっとも人気があると言われている“AK-47”ではおそらく自動小銃の残酷さを訴えていると思いますが……



リー・リー:“AK-47”はアメリカとの国境近くに住んでいるメキシコ人の女性の視点で書かれています。麻薬戦争の起きている過酷な地帯のことです。殴られて、めった刺しにされて、残酷に苦しめられてから生き埋めにされるより、「AK-47」で瞬時に撃ち殺してほしいとその女性は懇願しているのです。メキシコの国境付近に住む人々にとってはこのような恐ろしいことが日常なのです。この場合には「AK-47」は寛大な処罰の象徴であり、選択の余地のない世界からの現実逃避において間違いを引き起こすものでもあります。

“ブラック・オア・ホワイト”のヴィデオで日本刀を振り回しているのは?

リー・リー:あの刀に暴力を助長する意味はありません。自由意志のヴィジュアル的なメタファーとして使いました。自分と他人を守り受け入れるためにも使えますし、傷つけるためにも使えるものです。

フェミニズムがバックラッシュの憂き目にあって以来、女性ミュージシャンの書く歌詞は社会や男性に期待しなくなり、女性から女性に向けられたものが増えました。日本では「女子会コミュ」とか言うんですが、音楽ではその最大の成果がケイティ・ペリーやアメリカのハイヒール・モモコと化しているニッキー・ミナージュだと思います。あなたはそういった流れに属するよりはM.I.A.やジャマイカのテリー・リンに近い立場を選択したと考えてよいですか? そうだとしたら、そのようにしようと思った理由は?

リー・リー:わたしの興味は社会問題について歌って、音楽を作ることです。人権や男女間のことなどにも触れますね。

『モーヴァン』や『ハッピー・ゴーラッキー』、あるいは最近の『フィッシュタンク』といったイギリス映画を見ていると、イギリスの若い女性たちは異様なほど追い詰められているというか、ほとんど全員テロリスト予備軍に見えてしまいますが、実際はどうなんでしょう? 最近の映画であなたがいいと思った作品があったらそれも教えて下さい。『アリス・クリードの失踪』なんかはイギリスらしくていい作品だと思いましたけど。

リー・リー:正直に言うと、これらの映画は見たこと無いのです……。でも女性のメイン・キャラクターがステレオタイプではない役をするような映画は大好きです。『ハンガー・ゲーム』でのカットニス・エヴァディーンは最高でしたね!

ああ、めちゃくちゃ強い女性像ですね。アメリカ型というか。あ、イギリスにも『タンク・ガール』があったか。ちなみにイギリス以外の国で暮らすとしたら、どこがいいですか?

リー・リー:タイ~カリフォルニア~ハワイの順番に住みたいです。基本的に暖かくてビーチが近くて、時間がゆっくりな感じのところならどこでも言ってみたいですね。

現時点での目標はなんですか?

リー・リー:当面の目標は世界ツアーをすることです。日本にも行ってぜひパフォーマンスしてみたいです!

ひとりだけ死者を蘇らせることができるとしたら、誰にしますか?

リー・リー:マリリン・モンローです。女性の中でももっとも美しく、知性があって、創造性に溢れるエネルギッシュなひとだからです。

あれー、僕といっしょですね。理由もほとんど同じだなー。へー。

泳ぐサウンドシステム! - ele-king

 ラッパーのルミがオーガナイズする船上パーティ〈BASSBOAT〉が12月22日(日)に開催される。横浜の海をクルーズする船の上にどでかいサウンドシステムを積んで、ベースをブンブン鳴らしてしまおうというこの気合いの入ったパーティは2012年からはじまり、今回で3回めとなる(出演者は下の情報欄でチェック!)。さすが、スーパーAKY(あえて空気読まない)、ルミ! やることが大胆だ。すでに病みつきになっている人が続出という〈BASSBOAT〉のルミ船長に、メールでこのパーティについて訊いてみた!

なぜ、船上でパーティを企画しようと思ったんですか?

ルミ船長:2011年にクロアチアの〈OUTLOOK FESTIVAL〉を体験したのがきっかけです。年に一度でも最高のシチュエーションを共有できる夢のようなパーティがしたいと思ったから!

〈BASSBOAT〉の醍醐味を教えて下さい!

ルミ船長:船ですので、出航したら最後、後からは誰も乗れません。音量制限もありませんので〈eastaudio soundsystem〉でブンブンに鳴らしますよ。そして視界は360度横浜の夜景!乗組員も粒ぞろい、満潮です。

〈BASSBOAT〉は今年で第3回目になります。2回の経験から、船上で楽しむために、初めて遊ぶ人にアドヴァイスを!

ルミ船長:遊ぶのにアドヴァイスなんている? とりあえずチケット買って港まで来てください、あとは最高の世界へお連れしますので。強いて言うなら、暖かくしてきてっていうのと、トイレは非常に混み合いますので乗船前に出し切り願います。

今回の見所を教えてください!

ルミ船長:なんといっても今回は“in Christmas mood”☆ 装飾もクリスマス仕様だし、スピーカーも前回より増量してます! 〈BASSBOAT〉から見る景色、ライヴは毎回全員で恋に落ちるような瞬間を生みます。あと何回できるかわからないし、もしかしたらこれで最後かもしれないです。是非〈BASSBOAT〉へ! お待ちしております。

 う~ん、これはかなり楽しそうだ。17時出航で20時にはパーティが終わるので、船を降りたあとに横浜の夜の街に繰り出すという遊び方もできてしまう。みなさん、〈BASSBOAT〉は要チェックですぞ。(二木)


■BASSBOAT in Christmas mood
2013/12/22(SUN)

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船上でメリークリスマス!
陸を離れて大海原へ出かけましょう!
BASSBOAT、出航します!!

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16:15集合→17:00出航(~20:00)

※16:30までに受付をお済ませください。
※当日に何らかの変更が合った際はSanagi Recordingsツイッターアカウント(@sanagirecording)にてお知らせいたします。

■TICKET
前売券 ¥4,000 / 当日券 ¥5,000
sanagi.jp限定トリオチケット ¥10,000

※前売販売が乗船限度人数に達した場合、当日券の販売はありません。

■MUSICIANs&DANCERs
ILL-TEE
K-BOMB
KEN2-D SPECIAL
LIL'MOFO
MaL from PART2STYLE
Militant B
三島 a.k.a.潮フェッショナル
ONE-LAW
RUMI
SKYFISH
TANiSHQ
WOLF24
YODEL

■Soundsystem
eastaudio soundsystem

■FOOD
虎子食堂

■TICKET
TICKET店頭販売
渋谷:虎子食堂
新宿:ドゥースラー
東高円寺:GRASSROOTS
下高井戸:トラスムンド
中野:HEAVYSICK ZERO
下北沢:DISC SHOP ZERO
ディスクユニオン(クラブミュージックショップ):[渋谷店][新宿店][下北沢店][横浜西口店]

※TICKET通信販売は締め切りました。

■ACCESS

MAP


・横浜大さん橋埠頭ビル前発着所への道順
みなとみらい線日本大通り駅3番出口(県庁・大さん橋)より徒歩8分。
みなとみらい線日本大通り駅の3番出口を出て右方向。
次の大さん橋入口交差点を左方向へ。
そのままみちなりに直進。
大さん橋に向かう1本道に入り、大さん橋の一番手前になる建物が大桟橋ふ頭ビルとなります。

■諸注意

・飲食物持ち込みは固くお断りします。
・天災地変等やむを得ない事態が発生した場合、出航を見合わせる場合があります(基本雨天決行です)。
・専用の駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください。
・未成年の方もご乗船いただけますが、酒類の販売はいたしかねます。
・船酔いが心配な方(酔い止め)、大音量に弱い方(耳栓)は各自対策の上ご乗船ください。
・海上は気温が下がります。ストーブ等用意しておりますが、暖かい服装でお越し下さい。

お問い合わせ:party@sanagi.jp
運営:Sanagi Recordings


Katie Gately - ele-king

 総勢14名から成るフィールド・レコーディング・オーケストラ、シアトル・フォノグラファーズ・ユニオンに途中から参加したらしきケイティ・ゲイトリーによる初ソロ(from LA)。これがフォークにもインダストリアルにも聴こえる不思議な感触を放つサウンドで、OPNが切り開いた地平の深さを見せるというのか、USアンダーグラウンドがまだ未知数にあふれていることを実感させてくれる。どこから聴いても、誰のマネでもなく、戸惑うばかりの新感覚である。

 アコースティック・インダストリアルとでもいうような彼女のサウンドは一体、どこから来たのだろう。ゼロ年代前半に地下で蠢いていたマルシア・バセットのノイズ感覚と、最近だとメデリン・マーキーのような透明度の高いドローン・サウンドが同居しているのも奇跡的に感じられるし、インダストリアル・サウンドに憎悪ではなく、美的センスが感じられるところも素晴らしい。もしかしてアンディ・ストットの影響はあるのかもしれないけれど、それをフェミニンな変奏として示すだけでも充分にチャレンジングだし、そうだとすればそれは本当に成功している(アンディ・ストット・ミーツ・FKA・トゥィッグスというか)。インダストリアル=鉄槌感だという人には申し訳ないけれど、インダストリアルでありながらまったく重さも感じさせない。

 本人の言葉に左右されて音楽を聴くという態度はあまり好きではないんだけど、どうしてもそういうことが気になるという人はインタヴューをどうぞ。「美」に関してはやはり意識的なところがあるようで、音楽に深く入り込むようになったのは去年の夏から。きっかけはドクター・アクタゴンと来た。クール・キースがダン・ジ・オートメイターと組んだサイケデリック・ヒップ・ホップの快作である。もちろん、彼女の作品とは似ても似つかない。最近のお気に入りはマイルズ・ウィットテイカーにデムダイク・ステアー。アンディ・ストットではありませんでした……。

 サウンドクラウドで聴ける音源はこれよりも古いものなのか、時に重く、あるいは痛く、全体に洗練されていないニュアンスが残っている。つまり、はじめから独自のサウンドを有していたわけではなく、試行錯誤の末に現時点へと辿り着いたことが推測できる。あるいは、アルバムを先に聴いてしまったせいか、ここに上がっている曲はまるでデトックスのように感じられる。毒を吐き出して、後に残ったものの、なんと美しかったことというか。

 https://soundcloud.com/katiegately

 つーか、なんでファーマコンの音源がアップされているんだろう??

flau night in tokyo 2013 - ele-king

 2013年は、クーシーイケバナマサヨシ・フジタなどのリリースで、着実にファンを増やしている〈flau〉が、レーベル設立6周年を祝して、レーベル・ショーケース・イベントを開催する。12月22日、場所は原宿VACANT。IDM、アンビエント、ドローンの流れを汲みながら、フォークやドリーム・ポップとも接続するのが〈flau〉で、IDMを通過したチェリー・レッドというか、僕は、このレーベルが今日的なネオアコの新潮流になるんじゃないかと思っている。 まだ暑かった頃、イケバナのライヴを下北の教会で見たのだけれど、立ち見が出るほどの盛況だったなぁ。そのイケバナ、そして今年アルバムを出したクーシーをはじめ、今回の出演者は、以下の通り。

■ flau night in tokyo 2013

2013年12月22日(日)
@VACANT (渋谷区神宮前3-20-13)
open 16:00 / start 16:30
adv. 3,000yen / door 3,500yen
(共にドリンク代別途)

LIVE: IKEBANA, Cuushe, Sparrows, Twigs & Yarn, Black Elk (Danny Norbury+Clem Leek+Ian Hawgood)

PA:福岡功訓 (Fly sound)
SHOP:Linus Records
装飾:kotoriten office
FOOD:川瀬知代(粒粒)

前売りチケットメール予約 event@flau.jp
件名を「flau night in tokyo」とし、
お名前・連絡先・枚数を明記の上、上記のアドレスまでご送信ください。
3日以内にご予約確認の返信メールをさせていただきます。

ご予約のお客様にはスペシャル・プレゼントもご用意していますので、こちらもお楽しみに!

イベント詳細ページ:
https://www.flau.jp/events/flaunight_tokyo2013.html


まだイケるか?まだイケるぜ! - ele-king

 「プライマルは、いま何と闘っているのだろうか。」
――6年ぶりの新作『Proletariat』の背景にあるものを解きほぐすインタヴューを読み返して、この年末、あらためて本作を聴きかえしたくなった。折も折、豪華なゲストを多数迎えてのリリース・パーティの報が舞い込む。見ておくべきステージがまたひとつ増えた。



PRIMAL
プロレタリアート

Pヴァイン

Review Interview iTunes Tower HMV

傑作『Proletariat』を発表したPRIMALのアルバム・リリース・パーティが〈LIQUID ROOM〉にて開催決定! MSCをはじめ、豪華ゲスト陣が出演予定!!

2013年ベスト・アルバムの一枠に喰いこむであろう傑作セカンド・ソロ・アルバム『Proletariat』をリリースしたPRIMALのアルバム・リリース・パーティが恵比寿〈LIQUID
ROOM〉にて開催決定! 自身の所属する伝説的なクルー、MSCをはじめ、同作にも参加していたRUMI、PONY、OMSB(SIMI LAB)、DJ MARTIN、DJ BAKUらの出演がまずは決定しています! シークレット・ゲストもあり!!

■MUJO RECORDS PRESENTS 「零 GRAVITY」
まだイケるか?まだイケるぜ! PRIMAL「PROLETARIAT」RELEASE PARTY

日程:2013年12月27日
会場:恵比寿LIQUID ROOM
OPEN / START18:30 / 19:30
ADV / DOOR¥2,800(税込・ドリンクチャージ別)
LINE UP:PRIMAL / MSC / DJ MARTIN / DJ BAKU / RUMI / PONY / OMSB / and
SECRET GUESTS

TICKET:
チケットぴあ [218-466] / ローソンチケット [74057] / e+ / LIQUIDROOM / DISK UNION(新宿クラブミュージックショップ・渋谷クラブミュージックショップ・下北沢クラブミュージックショップ)、11/30 ON SALE

協賛:P-VINE RECORDS
協力:9sari group, TOKYO UNDERGROUND GEAR, MUSHINTAON, Sanagi
Recordings, 松生プロダクション, BOOT BANG ENTERTAINMENT, BLACK SWAN INC

INFO:LIQUIDROOM 03(5464)0800


 高畑勲監督のジブリ最新作映画『かぐや姫の物語』、ご覧になりましたか? 人目もはばからずふわわとあくびをし、カエルの真似をしてケロケロ這う無邪気な乳幼児時代のかぐや姫、激萌えでした。少女に成長してからも粗末な衣服を着て泥だらけで野山を駆け回っていた彼女は、翁からプレゼントされたピンクの薄衣を見るや目を輝かせ、衣を羽織って大喜びで家中を飛び回ります。ピンクの服、そしてお姫様として与えられた大きなお屋敷にときめくかぐや姫の気持ちは、きっと純粋なものだったはず。しかしそこからはじまる、欲望の客体「女」としてひたすら自我を殺すことを強要されるかぐや姫の怒りと絶望の描写には、娘を育てる身として大変心が痛んだものです(求婚しにきた浮気男を試すために本妻と入れ替わるという『ロンドンハーツ』みたいなドッキリには笑いましたけど)。

 純粋な気持ちでピンクやプリンセスに憧れているうちに、「客体として生きよ」という世間からのメッセージを刷り込まれる。狭苦しい「女」の領域から抜け出したいと願っても、世間との軋轢は免れ得ず、いつしか自我を手放して価値観を世間に同化させてしまう。最後まで抵抗しながらもすべての記憶と感情を失って月に帰ったかぐや姫は、こうした女性たちのあり方を暗示しているようにも見えます。この問題意識はアメリカの女性たちにはなじみ深いものであるらしく、問題解決のためのさまざまな試みが女性自身の手でなされているようです。

Girls.
You think you know what we want, girls.
Pink and pretty it's girls.
Just like the 50's it's girls.

ガールズ
私たち女の子が欲しがるものが何か、わかってると思ってるでしょ
ピンクにカワイイもの、それが女の子
まるで50年代みたい

You like to buy us pink toys
and everything else is for boys
and you can always get us dolls
and we'll grow up like them... false.

みんなピンクのおもちゃを私たちに買い与えたがる
それ以外のおもちゃはみんな男の子のもの
いつだって女の子には人形を与えておけばいい
そうすればお人形さんみたいに育つだろうってね
……なわけないし

It's time to change.
We deserve to see a range.
'Cause all our toys look just the same
and we would like to use our brains.
We are all more than princess maids.

今こそ変わるとき
女の子も広い選択肢を知る価値がある
女の子用のおもちゃはみんな同じに見えるけど
女の子だって頭を使いたいの
私たちはただのプリンセスのメイドじゃない

Girls to build the spaceship,
Girls to code the new app,
Girls to grow up knowing
they can engineer that.

宇宙船を造る女の子
新しいアプリをコーディングする女の子
女の子にだってそういうものが設計できるって
学びながら成長する女の子

Girls.
That's all we really need is Girls.
To bring us up to speed it's Girls.
Our opportunity is Girls.
Don't underestimate Girls.

ガールズ、それが女の子に本当に必要なこと
私たちにスピードを
女の子であることが、私たちのチャンス
女の子を見くびらないで


 これは女児向けのエンジニアリング玩具「Goldieblox」のプロモーション動画。音楽好きのみなさんならすでにお気づきのとおり、これはビースティ・ボーイズ“ガールズ”のパロディです。「皿を洗う女の子、俺の部屋を掃除する女の子、洗濯する女の子、俺たちが女の子に本当に求めてることはそれだけ」というヤンチャな歌詞が、見事に真逆の意味に入れ替わっています。

「Golodiebox」は大資本の企業が販売している玩具ではありません。スタンフォード大学でエンジニアリングを学んだデビー・スターリング(Debbie Sterling)というひとりの若い女性のアイディアから生まれたもの。小さな女の子にもエンジニアリングの楽しさを伝えるおもちゃが必要だと考えた彼女は、クラウドファンディング・サービス「Kickstarter」で目標額15万ドルをはるかに上回る28万ドルを獲得し、2012年10月に会社を設立。トイザらスと全国流通契約を結んだときに制作された、ピンクまみれの女児玩具コーナーを女児3人組が襲撃するというプロモーション動画がセンセーショナルだったこともあり、一躍ネットの注目を集めたのです。小さな女の子は、女児向けのカラーリングを施された玩具以外はすべて男の子向けだと考える傾向があると言われています。そのため、組み立て系の玩具が置いてあるコーナーに多くの女児は寄りつかないとも。そこで「Goldieblox」はピンク、ラベンダー、水色という定番の女児玩具カラーと、いるかのバレリーナや気の強いネコといったキャラクターを採用し、女児向けであることをわかりやすくアピール。さらにかわいい絵本風のブックレットも付け、物語に没入する感覚で組み立て玩具を楽しめるようになっています。

 上記の“ガールズ”パロディ動画は瞬く間にネットに広がり、700万回以上も再生される人気動画となりました。そして今年11月、「Goldieblox」の知名度をさらに高める出来事が起きました。ビースティ・ボーイズ側が、楽曲の使用許可を得ていないことを問いただすクレームをGoldiebloxに送ったのです。そしてこれを受けたGoldieblox側が、実際に訴えられる前に「著作権侵害ではない」とする先制攻撃的な訴訟を起こすという斜め上の展開に。このユニークな騒動は各メディアで取り上げられ、「Goldieblox」は多くの人の目に触れることとなりました。問題の動画がステレオタイプなジェンダー観を批評するパロディ作品と認められるのか、それともただの著作権侵害と判断されるのか、法律に疎い私はわかりません。ただ、LAタイムスの記事によれば、SNS上の反応は圧倒的にGoldieblox側に好意的だとのこと。だいたいにおいてフェミニスト的な主張は笑いものになって終わることが多いのですが、ひとりの女性の奮闘で世間の空気が変わるという事態に勇気づけられずにはおれません。訴えたわけでもないのに一方的に悪者にされてしまったビースティ・ボーイズはお気の毒ですが……。

※訴訟を起こされた後にビースティ・ボーイズが発表した公開書簡では、Goldiebloxへのリスペクトを表明しつつ、あくまで商品の宣伝に自分たちの楽曲を使わせないという従来からのバンドの方針を強調しています。この方針が昨年亡くなったビースティ・ボーイズのメンバー、アダム・ヤウクの遺志によるものであることを知ったGoldiebloxは著作権侵害を指摘された動画を取り下げ、ビースティ・ボーイズと和解する姿勢を見せました。なお、メンバーのアドロックことアダム・ホロヴィッツの奥さんは、筋金入りのフェミニストバンド「ビキニ・キル」のキャサリン・ハンナ。

「女の子は、“さすが〜”“知らなかった〜”“すご〜い”“センスいい〜”“そうなんだ〜”だけ言っていればいいんだよ」というような言説は、いまでも少なくありません。「ほ〜うまいことあいうえお作文にまとめたもんだね〜」と感心する気持ちもあるのですが、同時に女の子を育てるのが怖くなることがあります。「わたしこんなことできたの!」と報告されるたびに褒めて励まして自尊心を育むこと、これが将来生きていく上で全部裏目に出てしまうのではないかと。でも世間はうつろいやすく、知恵と技術とプレゼン能力さえあればほんの少しずつでも変えることができる、変えるのは、未来を生きる女の子自身。そう考えれば、女の子を育てることに希望がわいてきますし、自分にだって何かできることがあるのではないかと思えてきます。

 もしもかぐや姫に翁が与えたものが、ピンクの衣に大きなお屋敷ではなく、ピンクの大工道具だったら? はたまた自由にアプリをコーディングできる開発環境だったら? 無数に存在する幼いかぐや姫たちの、そのはつらつとした自我を守るためにできることを考えるのが、翁・媼サイドたる私たちの務めなのかもしれません。



ギークマム 21世紀のママと家族のための実験、工作、冒険アイデア
(オライリー・ジャパン)
著者:Natania Barron、Kathy Ceceri、Corrina Lawson、Jenny Wiliams
翻訳:星野 靖子、堀越 英美
定価:2310円(本体2200円+税)
A5 240頁
ISBN 978-4-87311-636-5
発売日:2013/10 Amazon

Bathsの素敵な12月 - ele-king

木津:やってまいりました、ゆうほとつよしのアラサー女子力対決「とびっきり素敵な12月」のコーナー。

橋元:勝てる気がしませんね。

木津:闘いましょうよ(笑)! 年末といえば来年の星占い記事とクリスマスでしょう? 橋元さん、クリスマス・ケーキもう決めました? それと自分へのごほうび♡

橋元:木津さんはあれでしょう? ジャスティン・ヴァーノン(ボン・イヴェール)の痛ケーキ。……あ、ちがうわ。お得意の〈ピエール・エルメ〉ね!

木津:だってこの美しさですよ! 今年の僕のケーキは「エラ」です。あー、ワインも買っちゃおうー。

橋元:「エマ」じゃないんだ。それにしても、いずれ劣らぬご褒美価格。「エラ」の赤い艶はとくにラグジュアリーですね。その点はシャアザク・ケーキもいい勝負なんですがね。

木津:オ、オタクリスマス……。まあ、クリスマスを楽しまないと年越せないですよ。締めくくり、せっかくなんで満喫しましょうね!

橋元:もちろんです。SNSが普及してから、年中行事の果たす役割が急に大きくなったように思いますね。それはいいとして、何か素敵な12月のプランはありますか?

木津:クリスマス・マーケットは行くとして、ライヴや音楽イヴェントも満喫して年を終えたいですねー。

橋元:そう、12月は本当に楽しそうなイヴェントがたくさんあります。今日はそのなかから、13日(金)にスタートするLAのビートメイカー、バス(Baths)くんの来日ツアーについてお話しましょうか。バスのセカンド・フル『オブシディアン』は、木津さん、どうでした?


左・Cerulean(2010)/ 右・Obsidian(2013)

木津:いや、前作(デビュー・フル『セルリアン』)のイメージがけっこうクリーンな感じ、やわらかな感じだったので、今回の陰影にはビックリしました。が、ある意味しっくりもきて。ダークで烈しいモチーフになってますけど、なんていうか、汚くはけっしてないんですよね。思春期的な潔癖性というか。

橋元:そうそう。前作のモチーフが「天上」のイメージなら、今作は「地獄」ですね。実際に『セルリアン』という色には天上のイメージがあったといいますし、『オブシディアン』は黒死病(ペスト)を題材にした中世の絵画からインスピレーションを得たといいます。1枚めから2枚めであまりにあからさまに天から地下へ直滑降しているんですが、その直滑降っぷりが本当に思春期的で潔癖的。
彼自身はハタチを過ぎているんですが(笑)、あのアンファン・テリブルな雰囲気というのはずっと失われないですね。ドリーミーだけれども攻撃的。14才の攻撃性です。それは両作ともそう。

木津:ドリーミーというキーワードは健在ですね。ゴシックなモチーフに惹かれる感覚、っていうのはある種の暗さの夢想ですし。ノイジーなんだけど聴いている感覚としては、すごくふわふわできるというか。

橋元:わかります。暗さがそのままロマンティシズムに結びついていますよね。「闇落ち」のドラマツルギーみたいなものがあって、『オブシディアン』はそういうものが根本に持つロマンチックでドラマチックな感覚があふれていると思います。もちろん無意識なんですけど。

木津:前作がチルウェイヴからの距離で測れた作品だったとすれば、『オブシディアン』はインダストリアルな感触もあって、すごくいまっぽい。天然かもしれないけど、感性もアンテナも鋭いですよね。

橋元:きっと天然ですね。インダストリアルを方法として意識しているとは思えないですし、あるいは今作でちょっと顔を覗かせているブラックメタル的な感覚も、「わりとそういう気分だった」というところだと思います。
でも“アース・デス”とかびっくりしました。そもそもはデイデラスに見初められて、〈ロウ・エンド・セオリー〉でDJを務めたりというキャリアがあるわけですけど、そういう「LAビート・シーン」を引っぱろうというような意識はすでに微塵もなさそうですね。ファーストのあの跳ね回って錯綜するビートが姿を消しつつあります。

木津:たしかに。でも、確実にシーンの重要なキャラクターでもあるのがおもしろいですね。僕がいちばん最近にバスくんの名前を見たのは、気鋭の23歳トラック・メイカー、ライアン・ヘムズワースのアルバムのゲストでです。彼はカナダ人ですけど、やっぱりLAビート・シーンに足を突っ込んでるひとで。僕はその「思春期的なムード」を彼にも感じ取ったんですけど、あの界隈ってそういう叙情性と親和性のあるところなのかも、じつは。ノサッジ・シングなんかもですけど。

橋元:そうですね、ティーブスとかもそう。恐れることなく叙情しますよね。それはやっぱり、彼らの音楽の基本がビートにあるなんだと思います。ドリーミーなモラトリアム感覚はチルウェイヴにも通じるんだけど、チルウェイヴの方がちょっと苦くて、かつぼんやりしていて、方法的にも甘い。適当な言い方だけど20代の甘さみたいなものを感じます(笑)。対するにバス勢の(10代的な)攻撃性は、テクニックとファンタジックな想像力に支えられたものだと思いませんか?

“Lovely Bloodflow”(『Cerulean』収録)

 このMVは『もののけ姫』のイメージだったそうなんですけど、じつに構築的というか、コンセプトの根幹がしっかりしている。ドリーミーというよりもファンタジックというほうがハマると思うんです。ぼんやりしているんじゃなくて、積極的に夢を見にいっている。彼らの複雑でアブストラクトなビート構築というのは、こういう想像力と噛み合って存在しているものだと思います。

木津:なるほど。ファンタジックというのはわかります。『セルリアン』は子どもの空想が元気よく暴れている、無邪気さゆえの危なさ、みたいなものも感じましたね。

橋元:あと、彼らがその意味で大人にならないのかなるのか問題は興味があります。映画は詳しくないんですけど、『テッド』とか? 大人になりきれない成人のグダグダをおもしろく描きつつも、アメリカの映画は、最後は何らかのかたちで彼らが社会的な責任を引き受けるという成長譚になりがちだってききます。
その功罪は措くにしても、「大人になったからつまんなくなった」とか「子どもを突き通しているからおもしろい」とかそういう短絡を拒絶する「なんだかスゴイ展開」をバスの少年性には期待したいです。

木津:成長譚、なりがちですねー。音楽ではアニコレ以降、その境目がどんどんぼやけていったけど、ただ映画でもアメコミ原作ものなんかは、そういう感覚にも抵触してるかもしれないです。その辺りの思春期性の「揺れ」に注目ですね。

橋元:ダイナミックに「揺れ」てますよねー。さて、バスくんのパーソナリティなんですが、先ほどの〈ジブリ〉の影響を指摘するまでもなく、かなり日本のカルチャーには親しみを持っているみたいですね。

木津:おお、OTAKUですか。

橋元:モラトリアム云々という話を置いておくにしても、かなりのポケモン好きらしいですし。

初来日の際に真っ先に向かった〈ポケモンセンター〉前でのもの。

木津:はははは。でもポケモンっていうのがほんと、男の子感あっていいですねー。変にエグい方向ではなくて(笑)。

橋元:そういうところもキュートなんですけど、その表出がけっこうアートっぽかったりするところもミソですね。ツイッターなんかには自分のイラストも投下するし、自身の全身タイツ姿をとってもイマジナティヴに撮ってアップしたりね、多才だと思います。

木津:クリエイションもするんですね。ビョークが好きだというのもなんだか頷ける。

橋元:そうそう、ビョークすごく好きみたいですね。お父さんがテレビ・ドラマとかの脚本家で、お母さんが画家だったかな。お家の環境から受けた影響も少なくないでしょうね。彼に実際に会うと感じるんですけど、すごくタレンテッドなというか、「お隣の兄ちゃん」って感じはさらさらないんですよ。変人でも変態でもないんだけど、天才型な雰囲気をバンバン出してます。


Baths / Pop Music / False B-Side / Tugboat(2011)
Bサイド集。ジャケットの絵はBaths本人のもの

木津:橋元さんはインタヴューされてますもんねー。『イナズマイレブン』のノートを見てすごく喜んでくれたとか……。あと、バスくんが描いたキュートすぎる絵も強烈に覚えてますよ。

橋元:そうですよね。彼のツイッターなんかを見ていると、無邪気にオジサン好きに見えるんですが、あれって無邪気に見えちゃうほど複雑な感覚が隠れていたりするんですかね?

木津:たぶん複雑な回路は彼のなかにあると思うんですけど、アウトプットを無邪気にしている時点で、僕にはひとつの態度表明に思えますね。たしかに僕は、男が好きな男ということを異化できるひとの表現にほうにより興味はありますけど、あの無邪気さっていうのは、知恵なんだと思うんですよね。つまり、社会的なアングルを一切廃した場所で、自分の感情(とリビドー)が正しいんだ、という。やっぱりオタク少年っぽいんですよ。そういう意味では理解はできますよ。でもバスくん、キレイなマッチョが好きなんですねえ……。

橋元:キレイなマッチョ(笑)。彼のまわりのオジサンにはデイデラスがいますけど、木津さんはデイデラスのヒゲはどうです?

木津:僕が好きなヒゲは、順に髭(口ヒゲ)、髯(ほおヒゲ)、鬚(あごヒゲ)なんですけど、口ヒゲがないのは大きくマイナスですよねえ……独自のセンス出しすぎ……。

橋元:はは。わっかんねー……。

木津:でも、奥さんとラブラブなのはいいです。奥さんを大事にしているオーラのある男のセクシーさってありますよね~。ともかく、知的にぶっ飛んだひとですよね。ヒゲはイマイチでも、存在は大好きです。

橋元:なるほど、奥さんのローラ・ダーリントンとは付き合いも古そうな感じが素敵ですね。ジェントルがネタなようでいてとても本気っていうのも好きです。キマってます。

木津:ライヴ、僕は観たことないんですけど、どういう感じですか? 音源を聴く感じだと、歌が重要なんじゃないかなという予想があるんですけど。

橋元:はい。ライヴはとにかくエネルギーに満ちていて。それこそデイデラスが華麗にサンプラーのパッドやツマミをいじるように、ヴィジュアル体験としてもかなり充実したものがあります。京都はseihoさんも出演されますが、彼との競演というのはちょっとすごいと思いますよ。アルバムのヴァージョンの何割増の音数、ノイズ。音圧ももちろん比べ物にならないですし、当然のこと、彼のライヴの本懐は音源の再現・再生にはありませんね。

木津:へえー! ノイズばりばりっていうのはいいですね!

橋元:ご指摘のように歌(メロディ)は重要で、とにかく声量もすごい。あのファルセットは吠えるように出てきます。なんだかそういうことも含めてマンガっぽい存在というか、けっこう規格外ですね。

木津:ああ、エクストリームな感じになっちゃうんですね。それはすごく理に敵ってる感じしますね。

橋元:ただ、今作は音楽的にずいぶんと装いが変わっているので、どんなかたちになるのか楽しみです。カラオケ状態ってことはないと思いますが、さらに歌に重点が移っているとも考えられますよね。

木津:今年は歌の年でもありましたし、声とメロディを聴きたい気分ですよね。バスくんの歌心を発見できたら、まさにドンピシャなんですけどね。

橋元:彼にはビートを跳ねて暴れまわらせる、本当に奔放でやんちゃな天使といった佇まいがあるんですけど、ビートを抑圧する展開があるとすれば、彼はその分のエネルギーをどうやって放出するんだろう……。

木津:抑圧があるってことは抑揚があるってことですから、その分ビートが暴れる展開のカタルシスはあるのかのしれない。あとはやっぱり、何よりも彼のエモーショナルな部分を僕は見たいですね。

橋元:その点はもう、エモーションの塊ですよ! 12月の空からね、バスのエモーションがキラキラ降ってきます。そういうことがやれちゃう個性、やれちゃう音ですね。
 ちなみにバスは4月16日生まれということなので牡羊座ですけれども、牡羊座ってどんな感じなんです? 相性ですとか。

木津:えっ、橋元さんとの相性ですか(笑)? 牡羊座も獅子座も火の星座だからバッチリですよ! ちょっと暑苦しい相性ですね。牡羊座は猪突猛進で、直感を信じるタイプです……バス、そんなところありますね。ちょっと納得しましたよ。

橋元:ははは! わたしとの相性はまあおいといて(笑)。じゃあ獅子座の人は運命の出会いになるツアーかもしれませんね。

 11月といえばホリディ。今回はホリディ前後のイベント・レポートをお届けします。

■11/23 (Sat)
 ホリディ1週間前の週末は、NYから約4時間北のロードアイランド州のプロヴィデンスへ遠征。今までたくさんの伝説を作ってきたロフトビル’ビルディング16’の最後のショーが行われた。昔ライトニング・ボルトが住んでいたフォート・サンダー(コンタクトレコーズからの『u.s. pop life vol.11 トリビュート・トゥ・フォート・サンダーCD』に日本語で詳しく解説)の現在版とも言えるこのビルディング16。このショーを最後に、このビルは(も)立ち退きになる。住所は掲載していないのに、どこから集まったのかプロヴィデンスのキッズたちで大混雑。バスルーム近くに真っ赤な棺桶があり、ビルディング16にメッセージを書いて、カードを棺桶に入れるようになっている。ショーのクライマックスは、ハウス・バンドのワット・チアー・ブリゲイト。ボリウッド、バルカンズ、ニューオリンズ、サンバ等々をミックスした19人(!)のブラス・バンドで、子供から大人までを巻き込むお祭りバンドである。ステージに入りきらないので、フロアやスピーカーの上にもメンバーがいるし、観客が天井によじ上ったりするのは当たり前で、メンバーが観客にダイブし、ドラムごとドラマーを持ち上げたり、観客とバンドの盛り上がりの半端ない事。フィナーレでは、バンドがビルディング16の棺桶を、外に持ち出しマーチング(バンドは、外でもプレイを続ける)、観客はひとりひとり花火を渡され、棺桶に火をつけ燃やしてしまう。火力は相当強いし火事にならないのかと心配したが、勢い良く燃えて形がなくなって行く棺桶を見て、ぐっと心に突き刺さる物があった。長い間お疲れさま。これがプロヴィデンスのパーティ・スタイルのようだ。


ラストショーの写真集
https://everydayilive.com/bands/building16farewell/

Building 16

■11/25 (Mon)
 NYに戻ると、少し前から噂されていたロンドンのレコードショップ、ラフトレードのNY店がウィリアムスバーグ/グリーンポイント・エリアにオープンした(https://www.roughtradenyc.com)。元々HBOの倉庫だった場所(イースト・ロンドンの本店より3倍大きい)は、レコード店兼カフェ(byファイブ・リーヴス)、ギャラリー、音楽会場などの多目的スペース。初日(11/25)は、スカイ・フェレイラ(フリーw/CD購入)、チャールス・ブラッドリー(フリー)のインストアがあった。スカイはきっぱり諦め、チャールス・ブラッドリーを目指して行く。先に行った友だちは、ワンブロック以上の行列ができて入れなかったと言っていたが、タイミングよく前に5人ぐらい待っていただけで5分ぐらいで入れた。遅めに着いて正解。
 新譜100%の店内は、まだ空いている棚が多かったが、1階が新譜レコード/CD、メインドラッグが展開するギア・コーナー。2階には本&雑誌コーナー、ロンドンとNYをつなぐデジタル・ニュース、ガーディアンによるブース、アートギャラリーなどの分かれた小さいセクションがある。店内の作りがタワーレコード的、と思ったのはメガストアだからか。アートギャラリーの最初のキュレーターは、チルディッシュ・ガンビノで、彼は12/8でここでショーも行うのだが、ブライアン・ロッティンガーによるアート作品、ドナルド・グローバーのベッドルームの再現(サイケデリック・レインボウのライト・デザイン)が展示されていた。
 音楽会場は250人を収容、イスも設置されたバルコニーがあり、バワリーボールルームの縮小版のようだった。2階の後ろにはピンポンテーブルが2台設置されていた(チケット制のショーの時にはないとの事)。
 ジェイムス・ブラウンに影響を受けたというチャールス・ブラッドリーは、ステージにいるだけでカリスマ性があり、独特のソウルフルで無敵の動きを惜しげなく披露。彼を見ていると思わず笑顔になるし、バンドもとても楽しそうだ。近くで見れること自体がレアな、64歳の彼をオープニング・ナイトに持ってくるのは、さすがラフトレード。ショーの後も、追い出される事なくバーでハングアウトしたり、レコードを探しに行ったり、2階でピンポンしたり、ここはアミューズメント満載。ダニー・ブラウン、マシュー・E・ホワイトのフリーショー、ソールドアウトのテレヴィジョンのショーが終わり、12/3はジョン・グラント(フリーw/CD購入)、12/6はアンドリュー・バード(ソールドアウト)、12/6はアララス(ソールドアウト)、12/7はダイブ(ソールドアウト)、12/8はニック・ロウ(フリーw/CD購入)、などのフリー&チケット制のショーが続く。ブッキングを担当しているのがバワリー・プレゼンツなので、納得のラインナップである。
 キャプチャード・トラックスの記事でも書いたように、最近グリーンポイントエリアに、レコード店が密集している。
https://www.thelmagazine.com/TheMeasure/archives/2013/07/30/greenpoint-is-becoming-the-best-record-store-hood-in-brooklyn
 2013年にレコード店をオープンするという事自体が大胆だと思うが、それぞれのインディ・ショップは自分たちのカラーを売りにし、それに対抗するラフトレードは、長年の歴史もあり、レコードセレクションの特徴(ラフトレード限定版の物を多数扱う)と、多目的スペースにすることで、レコード店という場所の定義を変えるかもと期待が高まる。

https://www.roughtradenyc.com
https://www.brooklynvegan.com/archives/2013/11/some_very_initi.html
https://www.brooklynvegan.com/archives/2013/11/sky_ferreira_pl_3.html

rough trade nyc

■11/28 (Thu)
 音楽関係の仕事や、自営業をしている限り、ホリディと言っても、いつもと変わらずなのだが、アメリカ人は自分の田舎へと帰って行くため、ホリディNYは静かで、仕事をするには実はもってこい。夜になると、観光客と何処にも行けない移住者が集まりだし、ささやかにパーティをするのである。今年の著者のサンクスギヴィングは、ウィリアムスバーグ・ファッション・ウイークエンドを主催するアーサーの仕事場兼のロフトでパーティ。来ている仲間はアーサーのアシスタントをはじめ、ファッション、音楽関係者達なので華やか。サンクスギヴィングと言えばターキー(=七面鳥)なのだが、探究心あるアーサーは今年はグース(=ガチョウ)に挑戦。ガチョウの首でスープを取ったり料理はこなれた感じ。付け合わせのスタッフィング、クランベリー・ソース、グレイビー、マッシュ・ポテト、ビーン・キャセロール、温野菜のグリル、特製のフレッシュ・ペストソースはすべてアーサー作。ゲストは、オックステイル・シチュー(絶品!)、ビーツ・サラダ、マック・アンド・チーズ、ポテト・サラダ、更にスナックなど、これでもかというぐらいのごちそうが振る舞われた。5時に集合をかけたが、みんなの料理&集合事情でディナーが始まったのは結局9時過ぎ。サンクス・ギヴィング・ディナーには良くある事で、料理が出来上がる頃には、つまみ食いをしすぎてお腹いっぱい。ディナーが終わると、来ていた別の友だちの家に移動。そこは、お手製チーズケーキ(プレーンw/ラズベリーソース&チョコ)、コーヒー&サイダー、そしてダンス・パーティと、別の天国が待っていた。月に3、4回ショーもホストする場所なので、パーティの用意は完璧。ディスコボールが周り、サウンドシステムも完備。チーズケーキのあまりのおいしさに倒れそうになり(おばあちゃんのレシピらしい)、ホストの自家製フレッシュミントをインフューズしたウィスキーなど、キャラクターのあるドリンク&楽しい仲間で、サンクスギヴィングという名目のパーティは夜な夜な続いた。この場所はワイルド・キングダム。ウエブサイトはないが、NYに来たら、目の前の高架を通る電車に野次をとばしながら、ベランダでハングアウトするには最高の場所である。

https://williamsburgfashionweekend.com
https://www.ele-king.net/columns/regulars/randomaccessny/001412/

thanks giving dinner

■11/29 (Fri)
 11月からはじまっているブルックリン・ナイト・バザーに参加。2011年からはじまったこのイベントは、ウィリアムスバーグのホリディショッピングの強い見方で、ホリディ時期になると、いろんなエリアに出没していた。今までは、毎年場所を移動していたが、今年はグリーンポイントにようやくパーマネントの場所を見つけ、1年を通してオープンする(夏には、アウトドアのビアガーデンがオープン!)。アジアン・マーケットの雑多な感じをモデルにしたというマーケットは、100ものアーティスト&クラフトショップ、20のフードベンダーなどがすらりと並ぶ。一角には、地元の媒体がオーガナイズするライブショーがあり(ベンダーがない時には1800人収容できる、ブルックリンで2番目に大きい会場となる)、ピンポン・テーブル、インドア・ミニゴルフ、WIFIもあり、仕事できるスペースもある。ラフトレと同じ多目的仕様。去年は、著者の大好きなパックマンのイヤリングを発見したのだが、今年は、キャラクター物はあまり見られず、ジュエリー、洋服からiPhoneケース、タオル・ヘアバンド、古本をベースにした時計、アート・レギンスなどアーティなお店が並ぶ。著者のお勧めブランド、RHLSも出店していた。この日のバンドは、ア・プレイス・トゥ・バリー・ストレンジャー、ドーン・オブ・ミディ、ポンティアック、ウッズマン。ショッピングに夢中になり、ア・プレイス・トゥ・バリー・ストレンジャーしか見れなかったが、映像とスモークで、ほとんどバンドが見えなかった(後で聞いたらスタイルのようだが)。毎週のようにバンドが見れ(オウ・レヴォワール・シモーヌ、ティーン、マーク・デマルコなど)、アーティストの作品が随時入れ替わり、アミューズメントもありで、ハングアウトリストがまた増えた。そして、今日はキャサリン・ハンナのパンク・シンガーの上映会へ。Q&Aやライヴもあるらしい。
https://bkbazaar.com

brooklyn night bazzar

Baths、オフショット! - ele-king

 いよいよツアーは来週から!
 バスは最初の来日の折からラップトップとサンプラーを駆使するスキルフルなライヴを行っていたが、あのドリーム感の裏側に、デイデラスに見初められ、〈ロウ・エンド・セオリー〉でのDJを務められるスキルがあるということは重要なポイントだ。もしかすると、セカンド・フル『オブシディアン』から聴きはじめたファンは、彼のそうした側面をあまりご存知ないかもしれない。ぜひ、ライヴ映像なども探してみるといいだろう(https://www.tugboatrecords.jp/)。
 そして見応えある彼のショウをさらに楽しむために、彼の愛すべきキャラクターもあわせてご紹介しよう。


初来日の際に真っ先に向かった〈ポケモンセンター〉前でのもの。
バスは日本のアニメが大好き!
来日の際は〈三鷹の森ジブリ美術館〉にも執着するとのこと。
Lovely Bloodflow”は『もののけ姫』の世界のイメージなのだとか。

2度めの来日では、奈良の鹿が見たかった――。
シカ耳は新しかったね。
ご当地キャラ感も出ています。


今回のヨーロッパツアーを終え、休暇中の写真。
温泉にいったようです。
ちょっと痩せたのかな?

来日情報はこちら。
各公演のゲストも注目アクトばかりだ。
SeihoとBaths対決@京都も、編集部はみんな観にいきたかった! Madeggまで観られるんだから、行ける人はぜひこの機を逃さないように! 放射される熱量が強すぎてハコが発火してしまうんじゃないだろうか。

LAが誇る若きビートメーカーBaths来日公演!!
Tugboat Records presents Baths Live in JAPAN 2013

■12/13(金) 名古屋池下CLUB UPSET
OPEN / START 24:00
ADV ¥4,200 / DOOR ¥4,700(共にドリンク代別)
Act:Baths, DE DE MOUSE + his drummer (Akinori Yamamoto from LITE)
DJ: I-NiO, sau(otopost), LOW-SON(しろー + オクソン)
VJ: Clutch
[Buy] : 9/7(土曜)〜
チケットぴあ(P: 211-365)
ローソンチケット(L: 41184)
e+(https://eplus.jp)
※名古屋公演はオールナイト公演ですのでIDをご持参下さい。

■2013.12.15(日) 京都メトロ
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV¥4,000(+1Drink)/DOOR¥4,500(+1Drink)
Act:Baths,Seiho,Madegg
[Buy] : 発売中
チケットぴあ(P: 208-539)
ローソンチケット(L: 59065)
e+(https://eplus.jp)
前売りメール予約→ticket@metro.ne.jpでも受け付けています。
前日までに、公演日、お名前と枚数を明記してメールして下さい。
前売料金で入場頂けます。

■2013.12.16(月) 渋谷WWW
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV¥4,500(+1Drink)/DOOR¥5,000(+1Drink)
Act: Baths,Taquwami,Sodapop (anticon. Label Manager)
[Buy] :発売中
チケットぴあ(P: 208-502)
ローソンチケット(L: 79947)
e+(https://eplus.jp)


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