「Ord」と一致するもの

Matmos - ele-king

 2018年のトピックのひとつにIDMのクィア化というのがありましたが(ソフィーロティックサーペントウィズフィートイヴ・トゥモア……などなど)、そのルーツのひとつにビョークの存在が大きくあり、そして彼女のエレクトロニカ期を支えたのがIDMシーンの愉快な実験主義者=マトモスでした。作品ごとに風変わりなコンセプトを打ち出してきたマーティン・シュミットとドリュー・ダニエルのふたりは公私ともに長く付き合っているゲイ・カップルであり、様々な意味で現在に続くエレクトロニック・ミュージックの先駆者であることは間違いないでしょう(古今東西の実在のクィアたちの“サウンド・ポートレイト”である『The Rose Has Teeth in The Mouth of A Beast』を聴き返してみましょう)。
 そんなふたりが、彼らの記念日を祝ってニュー・アルバムをリリースすることを発表しました。はたしてそのテーマは、プラスチックです!

 タイトルは『Plastic Anniversary』で、いろいろなプラスチック製品やそのゴミを鳴らした音で作り上げたものだそう。前作『Ultimate Care II』が洗濯機の鳴らす音で作ったアルバムであったことを思い出せばその連続性も窺えますが、それ以上に、本作の背景に現在世界で大問題になっているプラスチック製品のゴミによる環境汚染があることは明らかです。リリース元の〈スリル・ジョッキー〉のプレス・リリースによれば、プラスチックが持つ“環境破壊の力”について考察したものであるそうです。今年のG7サミットで発表された「海洋プラスチック憲章」ではプラスチック製品を減らすことがかなり厳格に提唱されましたが、それにアメリカは署名しませんでした。つまりこれは非常に政治的なテーマを持つ作品であり、トランプ政権への異議申し立てをこのような独創的な手法でやってのけてしまうマトモスはさすがと言うほかありません。
 アルバム制作のトレイラー映像ではプラスチックのゴミをドンドンと叩いて録音するふたりの姿が確認でき、それがマトモスらしいファンキーでファニーなIDMへと変貌していく様にはワクワクしてしまいます。

 え? G7のプラスチック憲章に署名していない国がもうひとつあるじゃないかって? そうでした。それはもちろん、日本です。だからこそ、『Plastic Anniversary』は日本の音楽リスナーも現在の社会を考える上で、あるいはわたしたちに何ができるかを想像する上で必聴のアルバムとなるでしょう。

 トラック・リストには“Thermoplastic Riot Shield”といったタイトルも見えますが、警察がデモと対峙するときに使うプラスチック製のライオット・シールドの奥でふたりがキスをしている最新のアーティスト写真も、知的かつユーモラスに示唆的で最高です。ディアフーフのドラマー、グレッグ・ソーニアもゲスト参加しているとのこと。
 毎日大量に発生するプラスチックのゴミと向き合いながら、リリースを待ちましょう。 (木津毅)

Matmos
Plastic Anniversary
Thrill Jockey
March 15, 2019

Tracklist
01. Breaking Bread
02. The Crying Pill
03. Interior With Billiard Balls & Synthetic Fat
04. Extending The Plastisphere To GJ237b
05. Silicone Gel Implant
06. Plastic Anniversary
07. Thermoplastic Riot Shield
08. Fanfare For Polyethylene Waste Containers
09. The Singing Tube
10. Collapse Of The Fourth Kingdom
11. Plastisphere

 ヨーロッパを精力的に駆け回る女性DJ、Cassyのギグが12月30/31日と大阪/東京であるのでお知らせしたい。イングランドで生まれオーストリアで育った彼女は、パリとアムステルダム、ジュネーブとベルリンのアンダーグラウンド・ハウス・シーンにコミットした。ルチアーノやヴィラロヴォスらからの賞賛とともに初期のパノラマ・バーのレジデントDJのひとりでもあった。ここ1~2年は自身のレーベル〈Kwench Records〉を拠点に12インチをリリースしている(DJスニーク、フレッドP、ロン・トレントらも含む)。
 12月30日は大阪で開催の〈The star festival 2018 closing〉、12月31日が表参道VENTに出演。間違いなく良いDJなんで、お楽しみね!

■THE STAR FESTIVAL 2018 CLOSING
12/30(sun)

line up :
Peter Van Hoesen(Time to express/Brrlin)
Cassy
Kode 9
yahyel
Metrik(Hospital records/uk)
EYヨ(Boredoms)
AOKI takamasa-live set-
BO NINGEN
Tohji (and Mall Boyz)
環ROY
SEIHO
D.J.Fulltono
YUMY

OPEN AIR BOOTH :
YASUHISA / KUNIMITSU / MONASHEE / KEIBUERGER / AKNL / MITSUYAS / DJ KENZ1 / 81BLEND / RYOTA / GT /SMALL FACE

open 21:00
adv:¥3500 door:¥4000
group ticket(4枚組) : ¥12000

チケットぴあ P-CODE(133-585)
ローソンチケット L-CODE(54171)
イープラス https://eplus.jp
Peatix : https://tsfclosing.peatix.com/


■Cassy at N.Y.E
12/31 (MON)

=ROOM1=
Cassy
Moodman
K.E.G
Koudai × Mamazu

=ROOM2=
Sotaro x EMK
EITA x Knock
Genki Tanaka × Toji Morimoto
SIGNAL × TEPPEI
JUN × UENO


OPEN : 21:00
DOOR : ¥4,000 / FB discount : ¥3,500
ADVANCED TICKET:¥3,000
https://jp.residentadvisor.net/events/1185424

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※当日エントランスにて参加画面をご提示ください。 
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※VENTでは、20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いております。ご来場の際は、必ず写真付身分証明書をお持ち下さいます様、宜しくお願い致します。尚、サンダル類でのご入場はお断りさせていただきます。予めご了承下さい。
※Must be 20 or over with Photo ID to enter. Also, sandals are not accepted in any case. Thank you for your cooperation.
URL : https://vent-tokyo.net/

Felicia Atkinson/Jefre Cantu-Ledesma - ele-king

 本作は、フランスにおいてエクスペリメンタル・ミュージック・レーベル〈シェルター・プレス〉を主宰し、自身も気鋭の電子音楽家であり、2017年にリリースしたソロ・アルバム『Hand In Hand』も話題を呼んだフェリシア・アトキンソンと、イギリスの老舗音響レーベル〈タイプ・レコード〉よりリリースされた『Love Is A Stream』(2010)、ニューヨーク・ブルックリンのインディー・レーベル〈メキシカン・サマー〉から送り出された『A Year With 13 Moons』(2014)などをはじめ、多くのシューゲイズ/アンビエントな作品を多く発表してきたサンフラシスコを活動拠点とするジェフリー・キャントゥ=レデスマのコラボレーション作品である。

 このアルバムは、極めて現代的なアンビエント音楽だ。ノイズと音楽が互いに矛盾することなく(もしくは矛盾のまま)、同居している。私はこの『Limpid As The Solitudes』を一聴し、その密やかさと解放感が同居する音響構築に惹き込まれた。空間的で映画的。音楽的で音響的。構造的で快楽的。アトモスフィアなアンビエント・サウンドのアップデート。

 とはいえ2人のコラボレーションは本作が初ではない。2016年に〈シェルター・プレス〉からリリースされた『Comme Un Seul Narcisse』についで2作目である。むろん前作『Comme Un Seul Narcisse』も素晴らしい音響空間を生みだしていたが、本作のシネマティック・サウンドは前作を超えたアンビエンスを展開していた。ひとことでいえば「映画的」なのである。
 音による光景と光景の接続、シネマティック・アンビエント……?その意味では旧来の意味での「アンビエント・ミュージック」とはいえないかもしれない。じじつ本作には「音楽的」な要素が音響的要素と融解するように導入されているのだ。音のむこうに「音楽」が立ち現れ、そして溶け合って消えていく。そして微かな痕跡が残る。音楽的要素が豊穣でありながら、それでいて騒がしくない。この感覚こそ(本作に限らず)2010年代的な「新世代」のアンビエント・ミュージックの特徴ではないかと私は考える。00年代以降、アンビエント・ミュージックはブライアン・イーノが提唱した古典的な概念からさらに変化を遂げた。つまり環境を満たす意識されない音楽として存在するだけではなく、この騒がしい世界の中での静謐さを摂取するための音響による音楽作品としての自律性を高めてきたのだ(そこにおいてはドローン音楽のアンビエント化も大きい)。音響の音楽化ではなく、音楽の音響化が実践されているというべきだろうか。
 アルバムには全4曲収録されている。フェリシア・アトキンソンのヴォイスがボーカルのように音響空間を舞うような曲もあれば、不意にベースのような低音が断片的に鳴る曲もある。そのうえ記憶の残響のようなピアノが素朴な旋律を奏でる曲もある。ドローンは楽曲のそこかしこで生成し、ノイズの粒子が音を立てサウンドのアトモスフィアを形成するだろう。世界の光景を描写するかのようにシネマティックな環境音がエディットされてゆき、まるで映画のような1シーンのように音楽と音響が編集される。音と音楽を交錯・融解させることで、映画的・映像的ともいえる持続と音響空間を織り上げているのだ。そこに不思議な鎮静感覚が生れているわけである。
 とくに17分に及ぶ4曲め“All Night I Carpenter”は圧倒的だ。音、ノイズ、音楽、声の欠片によって、音と音楽が時間の中に溶け合うようなサウンドスケープを生成しているのだ。不意にアピチャッポン・ウィーラセタクンの映画や坂本龍一『async』を思い出しもした。ちなみにマスタリングはお馴染のダブプレート&マスタリング(ヘルムート・エルラー)が担当している。
 すでに名の知れた電子音楽家2人のコラボレーション作品だが、フェリシア・アトキンソン『A Readymade Ceremony』(2015)や『Hand In Hand』(2017)や、ジェフリー・キャントゥ=レデスマ『On The Echoing Green』(2015)などとも異なる「新しいアンビエント音楽」を聴きとることができた。何より、音楽が、音が、これほどまでに心身に染みる音響作品も稀ではないか。「孤独のように卑劣な」という意味を持つアルバムだが、その密やかな気配によって鎮静を与えてくれる緻密なモダン・アンビエント音楽である。

 それにしてもCV&JAB『Thoughts of a Dot as it Travels a Surface』、マイヤーズ『Struggle Artist』、トーマス・アンカーシュミット『Homage to Dick Raaijmakers』、イーライ・ケスラー『Stadium』など、今年の〈シェルター・プレス〉のリリース作品は重要作ばかりだ。そのうえスティーヴン・オマリーとピーター・レーバーグ(ピタ)によるKTL『The Pyre: versions distilled to stereo』のアルバムまでリリースされてしまった。個性的なラインナップとクオリティ。いま、もっとも勢いに乗っているエクスペリメンタル/電子音楽レーベルのひとつといえよう。

 日本のアンダーグラウンド・テクノ・シーンで、つねに尖っている音をスピンするDJのひとり、KEIHINが自ら立ち上げたレーベル、〈Prowler〉からファースト・シングル「Esoteric Communication」をリリースする。UKの〈Whites〉あたりとも共振するベース・ミュージックおよびインダストリアルを通過したテクノ・サウンドがここにある。デトロイティッシュな響きもあり、格好いいので、ぜひチェックしてみて欲しい!



Artist : KEIHIN
Title : Esoteric Communication
Cat: PROW001
Label: Prowler

Track List:
A1:Dawn
A2:Dawn(Katsunori Sawa Remix)
B1:Rust
B2:Stiff
※ダウンロードパス付き


【レーベル資料より】
日本のアンダーグラウンドシーンでDJ NOBU達と共にキャリアを積んだDJ、KEIHINが自身の音楽性をより深く掘り下げる為のレーベル〈Prowler〉を始動。第一弾として彼自身による、ブレイクビーツやベース・ミュージック、インダストリアルを非イーブンキックのミニマル・テクノに落とし込んだ様な、それぞれコンセプトは違いながらも1本筋の通った3曲に、10LABELやWeevil Neighbourhoodからのリリース、YUJI KONDOとのユニットSteven PorterやAnthoneとのユニットBOKEHでもお馴染みのアーティストKATSUNORI SAWAによるRemixを収録した1st EP“Esoteric Communication”をリリースします。今後も彼やその仲間による、シーンの多様性を拡張するリリースを予定しております。

tamao ninomiya - ele-king

 2018年は新鋭ネットレーベルのリリースに大きな刺激を受けた1年だった。なかでもele-kingにも寄稿する捨てアカウント氏が主宰する〈Local Visions〉と、tamao ninomiyaの主宰する〈慕情tracks〉はその象徴的存在だろう。前者はvaporwaveの第二次ブームとも言えるような現在の状況と密接にリンクしつつ、優れた国内作家の作品を積極的に紹介しているし(僭越ながら私自身も「俗流アンビエント」という概念をこさえて、DJミックスをリリースさせてもらった。その話はまたどこかに書きたい)、後者は様々な宅録作家の紹介を行いつつ、芽生えつつある新しいインディー・ポップをネット空間を通して可視化するような役割も演じている。音楽性という面で言えば似つかわしくない両レーベルであろうが、ポストインターネット性という点でどこか符合する美意識を感じるし、単に「新しい」「古い」という進歩主義的時間尺度から逸脱した先端性を強く発散している点でも共通していると思う。
 そして、私見ではその〈慕情tracks〉が今年頭にBandcampで公開した、アンダーグラウンドな(とポジティヴな意味で呼称するにふさわしい)宅録作家による楽曲をコンパイルした『慕情 in da tracks』は、こうした動きの発火点という意味でも非常に意義深い作品だったと思う。新たな才能との出会いにわくわくする一方、ここに登場するクリエイターたちはおそらく私より圧倒的に年若だろうに、どこか現況に倦み疲れているようにも聴こえる。しかし同時に、ひと昔前のインディー音楽界にはびこっていた「本当の自分を素のままに表現してみました」式の偽造された清廉さも無く、産業化された「新しいシティ・ポップ以降」の欺瞞に安易に乗ることは(当たり前のごとく)避けられている。

 この『忘れた頃に手紙をよこさないで』は、今年10月にデジタルリリース、先月11/28にカセット・テープとしてリリースされた、先述の「慕情tracks」主宰tamao ninomiyaによる初のフル・アルバム作品だ。これまで様々なユニット名義での音源リリースや、〈Tiny Mix Tape〉の記事翻訳、川本真琴への歌詞提供などの幅広い活動を行ってきた彼女だが、本作は宅録作家tamao ninomiyaとしての集大成というべき作品になっている。
 自らの音楽を「lo-fi chill bedroom pop」と標榜するように、その手触りは相当にインティメイトだ。ジョー・ミークやブライアン・ウィルソンを祖とする一大ジャンル「内省ポップス」の系譜に耳慣れたリスナーにとっても、この「鋭利なインティメイト」にはたじろいでしまうかもしれないほどに。それでも、かねてより彼女がネット上にアップしていた楽曲にあった剥き出しの内向からすると、やや外向的になったともいえるかもしれない。実際に、入江陽hikaru yamadaといったアーティストがゲストに迎えられていることからもそういった色彩は感じられるだろう。しかしながらその「外向」は、ベッドルームに敷き詰められた厚い布地を通して吐出される息吹のように、強い密室性によって曇らされ、内燃する体温を帯びている。
 現代において「宅録」とは、主にDAW上での打ち込み制作を指す訳だが、初期の理解において、そのような制作法はいわゆる「人間性」とかいうものを表現するには冷徹に過ぎる手法だと思われていた。いまだにそのような見方が残存する(とくに「ロック」はそこに最後の生存領域を見出そうとしている)一方で、むしろそういったプライベートなDTMこそが、濃密に個的でヒューマニックな作品を作りうるということ、そのことを過激なまでに突き詰めているのがtamao ninomiyaなのではないだろうか。夜中2時、パジャマ姿でPCとMIDIコントローラーを弄り、デスクトップ画面に現れる波を切ったり貼ったりする。そういう行為を通してしか固着されない音楽があるということを、我々は音を通して彼女の寝室を覗いてしまったような焦りとともに知る。
 かねてより90年代の忘れ去られたJ-POPのディガーとしても知られていた彼女らしく、ある種の歌謡曲的クリシェを大胆に取り入れながら、まったくもってドリーミーなポップスをあたらしく作り上げる。一方で、様々なリズムアプローチやアヴァンギャルド音楽への造詣も伺わせる各種ノイズ処理など、個別に現れる音楽要素の多様さからは、彼女がサウンドクリエイターとしてと同じくらいリスナーとしても非常に鋭敏な感性の持ち主であることを物語る。かといって、音楽ディレッタント的な印象を抱かせることは決してせず、あくまで表現者としての人格と個性が前景化する。
 そして、たんに「ウィスパーヴォイス」というワードではその色調を捉えることは難しいであろう、ゆらゆらと去来するヴォーカルの魅力。夢の中で歌う歌のように、音符を撫でて消え入るその声。有り体な表現になってしまうけれど、これは、どこでも聴いたことのないような音楽、だけどどこかで聴いたことのあるような音楽……。

 そう、いま思い出した。今年11月3日、東京・大久保の「ひかりのうま」で行われたダンボールレコード主催の「Dry flower’s」というイベントの冒頭、「休日はいつもブックオフの280円コーナーを漁ってるシティ・ポップ好きのディガー集団」こと「light mellow部(彼らの存在も2018年のある局面を象徴するものだったと思う。いずれどこかで論じたい)」の一員として彼女がトーク出演し、そこで昔からの愛聴盤として銀色夏生の『Balance』というCDを紹介していたのだった。
 当時の女子たちから絶大な人気を誇った詩人・銀色夏生が全作詞・監修を務め、一般公募で選ばれたNanami Itoというアマチュアの女子高生がヴォーカルを取る作品なのだが、『忘れた頃に手紙をよこさないで』は、1989年に産み落とされたこの不思議なアルバムと呼応する魅力を宿していると思う。J-POPというにはオブスキュア過ぎるトラック、儚げな歌唱、ここでないどこかを希求するような詩情……。斉藤由貴、伊藤つかさ、もっと遡ってシャンタル・ゴヤなど、そういう系譜上に、Nanami Itoと、そしてtamao ninomiyaの歌声を位置づけてみると(両者がローマ字表記だというのも嬉しい符合だ)、その魅力を理解しやすくなるかもしれない。
 「こうではなかったかしもれない」パラレルワールドを、独りベッドルームで夢想する少女による歌。その夢想はポップス対アヴァンギャルドという歴史的且つ父権的見取り図を超えて、様々な表象としてまろび出てきた。いまから30年前、Nanami Itoと銀色夏生が僥倖によって偶然に表現し得た夢想に通じる何か。tamao ninomiyaはいまその夢想を、それをブーストし、同時に純粋化してくれるインターネットという装置を通じて、鮮烈な形で我々に届けてくれているのではないだろうか。

 縦横に時間を駆け巡り、時間を圧縮し加速させ続ける中で、我々はいよいよもって慕情を求める。その慕情とは、過ぎ去った過去へのほの甘い憧憬であるとともに、起こらなかった「いま」へ憧憬であり、そして、誰しもに無限として広がる未来への不安と蠱惑であるのかもしれない。自分が存在する以前の時代の方が、少なくともいまより幸福な時代だったに違いないという確信めいた何か。見知らぬものへ向かう、決していまは満たされることのない慕情。不透明な未来の愛らしさ、憎らしさ。これらの圧倒的な切なさを日々眼前に突き出され続ける2018年の我々にできることは、独り音楽を聴いてまどろむことぐらいなのかもしれない。
 物事が目まぐるしく動けば動くほどに、ベッドルームに篭って、眠るようで眠らずに、ラップトップが発する朧気な明かりを浴びる。私が『忘れた頃に手紙をよこさないで』を無性に聴きたくなるのは、現代の誰しもが遭遇するであろうそんな時間だ。

山下敦弘監督『ハード・コア』 - ele-king

 ハロウィーンに関する報道は、つい数年前まで「経済効果」のことだけで、「若い人」がどのように楽しんでいるかということも関心が薄かったのに、このところの話題は「道徳」ばかりとなっている。金を使ってくれる間は良い子で、経済活動の範囲に収まらなければすぐにも悪い子扱いとは、社会が子どもをお金としてしか見ていないことはあからさまだし、かつて竹の子族から沖田浩之や哀川翔といったタレントが生まれたように、来年あたりは芸能事務所が暗躍する気配も濃厚である。かつてマルカム・マクラーレンは「キャッシュ・フロム・カオス」をスローガンにパンク・ムーヴメントを仕掛け、いまではアントレブレナーの先駆として評価されているけれど、あれだけの人数が渋谷に押し寄せて、何事もなくみんな無事に帰りましたという方がむしろ気持ち悪いと思うのは僕だけであろうか。ハロウィーンを楽しんでいる「大人」はまったく視界に入らず、痴漢が多いというのは本当に呆れてしまうけれど。

 山下敦弘監督が昨年初めに亡くなった狩撫麻礼の劇画原作を5年越しで映画化した『ハード・コア』はハロウィーン騒ぎを横目で睨む右翼青年、権藤右近(山田孝之)の苦々しい表情からスタートする(狩撫麻礼というペンネームは、カリブ海のボブ・マーレーに由来。パク・チャヌクが映画化した『オールド・ボーイ』が最も有名か)。自分と同じ気持ちでハロウィーンに不快感を示していると思っていたバーの女(松たか子)があっという間にハロウィーン騒ぎと同化してしまうところを目撃し、右近はさらに人間不信になっていく。オープニングのこのシーンだけで、僕は大袈裟なことにウォーレン・ベイティが『世界を揺るがした10日間』を映画化した『レッズ』を思い出してしまった。ロシア革命が起きたという報を聞いて現地に向かうジャーナリストのジョン・リードはその直前、『アンダルシアの犬』を観ながら笑いこける映画館の観客に違和感を感じている。『アンダルシアの犬』は1929年にフランスで公開された当時も右翼によって映画館ごと焼き払われるという憂き目に会っているけれど、退廃と右翼はどうしてもソリが合わない。消費社会が成熟度を増すたびに、その狂騒状態から取り残される若者が右翼に向かうという図式は常に有効なようで、日本でも80年代には『狂い咲きサンダーロード』、ゼロ年代には『凶気の桜』がそれぞれカルト的な人気を博し、つい最近も『孤高の遠吠』で不良たちと右翼は当然のように結びつけられていた。そしてそのどれもが右翼団体を実際には崇高な目的のために活動している組織ではなく、若者の真面目さを利用しているだけという悲劇的な性格のものとして捉え、一足飛びに言ってしまうと「真面目な奴はバカを見る」という話が何度も繰り返されているともいえる。『ハード・コア』はこうした図式に多少ともでも揺さぶりをかけ、結果的に喜劇として見せたところが新鮮だった。そしてなによりも暴力描写を排除したことで右翼活動と身体的な欲求不満を切り離し、精神性にフォーカスしたところが潔く、言わば文科系のための右翼映画をここでは試みたということになるのだろう。山下敦弘はデビュー作となる『どんてん生活』では金がなくてもそれなりに楽しく生きていけることを(初期衝動として?)描いていたので、『ハード・コア』ではその思想がスケール・アップされ、「持たざる者」を救ってくれるのはほんのちょっとしたファンタジーであり、それさえあれば人間の存在価値を示せるのではないかと示唆しているようにも思えた。そのファンタジーの中核をなすのが、しかも、AIなのである。

 右翼構成員として街宣活動などに従事している右近と牛山(荒川良々)は偶然にも最新式のAIを搭載したロボットを見つけてしまう。彼らが所属している右翼組織は資金を確保するために群馬の山奥で埋蔵金を堀り続け、これが一向に見つからない。ないかもしれないものを「掘り続ける」ということはおそらく天皇崇拝のパロディなのだろう、この場面がしつこく、しかも滑稽に畳み掛けられるのは人間の力には限界があることを示すためで、ロボットがいとも簡単に埋蔵金を見つけてしまう辺りから、この映画は角川映画としての本領を発揮し始める。それこそ『狂い咲きサンダーロード』と『セーラー服と機関銃』を同時に観ているような痛快さ。リアリティがあるはずもないのに、誰ひとりとして正義を言える立場にはないということが明瞭になってくる辺りから、むしろ奇妙なリアリティが立ち上がってくるような気さえしてしまう。牛山に童貞を捨てさせようとするエピソードや右近が幹部の娘に誘惑されたりと、色恋沙汰が絡みまくるところは暴力描写を省いても身体性そのものを無視しているわけではないという代替表現になっており、結論から逆算して思うに、あまりにもくだらないエピソードの数々はこの世に対する未練や執着を可能な限り積み上げることで、そうしたものの一切と無縁になっていくエンディングを際立たせることになったといえる。右近自身も含めてこの世界はわけがわからなければわからないほどこの世らしくなってくるのであり、そういった社会との明確なパイプ役ともいえる弟の左近(佐藤健)をエリート・サラリーマンという設定にすることでロボットの価値を見抜く役目に当てただけでなく、消費社会に同調している人間も実はこの社会に違和感があるという二重否定の要素として機能させているところも上手いとしか言えない。それは勝ち組が負け組に惹かれていくプロセスという、これもまた現実味に欠ける展開で、それを具現化していくために右近と左近が酒場で議論し合うシーンは出色の場面だと思ったのだけれど、これは原作にはないそうで、未見の方はできればこのシーンを楽しみにしていただきたい。結論にも、そして、まるっきりリアリティがない。ある意味、『シェイプ・オブ・ウォーター』と同じで、この社会に弱者の居場所はない、いらない人間は出ていけばいいということでしかない。なのにこの作品には夢がある。『セーラー服と機関銃』ならば荒唐無稽ななかにも家父長制度を絶やすという時代なりのサタイアが潜んでいたように、『ハード・コア』ではAIによってお払い箱とされるかもしれない負け組がAIと共に夢を見ているという強烈な皮肉が込められ、現在進行形でしか成り立たない毒気に満ち溢れている。なるほど生産性を高めたいと考える社会がAIを導入しようとする動機だけでなく、それによって切り捨てられる側がAIを駆使するという発想はどこにもなかった。貧者の核爆弾ではないけれど、そう思うとこの作品はカウンター・カルチャー的なんだなということがわかってくる。少なくともそれを想像している作品だということは間違いない。

『ハード・コア』予告映像

Yves Tumor - ele-king

 この秋、サプライズでアルバム『Safe In The Hands Of Love』をリリースし話題を集めたイヴ・トゥモア、その来日公演が急遽アナウンスされました。エレクトロニック・ミュージックにおけるロック的展開を担うイヴ・トゥモア、ヴィジュアル面にも力を入れているアーティストだけに、ライヴではいったいどのようなパフォーマンスが繰り広げられるのか、要注目です。12月20日はコンタクトへ。

Yves Tumor "Safe In The Hand Of Love" release tour
12/20 (木) Open 18:30 Close 23:00
¥2500 (別途1D ¥600) Door
¥2000 (別途1D ¥600) Advance / Before 19:30
【前売取扱】 Resident Advisor / clubberia / iflyer / e+

Studio:
Yves Tumor (Warp | US) -Live
machìna -Live
Aya Gloomy -Live
SINSENSA -Live

Contact:
Compuma
Mari Sakurai
and more


■ Yves Tumor
ダーク・ポップ界のカリスマ Yves Tumor は、電子音楽を軸に多彩なジャンルを掛け合わせることからエレクトリック・ミュージック界の冒険家と称され、アーティスト/作曲家としての評価は高い。
彼のサウンドはダークでゴシックな一面を持ち、グロテスクさの中に耽美さを調和させる音楽性は、他を寄せ付けないほどに孤高的である。一方で彼のライヴは、先鋭的なノイズからクラシカルなサウンドまで、万華鏡を覗き込む様に音の変化を体感できる。
先鋭的音楽を追求するレーベル〈PAN〉からリリースしたデビュー・アルバム『Serpent Music』で Yves は、'70sソウルのエッセンスとエクスペリメンタルがサイケデリックに邂逅したような新次元の音楽を披露し、Arca や Brian Eno 等と並んで、2016年の Pitchfork エクスペリメンタル・アルバム・ベスト20に選出されている。
今年、〈Warp Records〉から初となるアルバム『Safe in the Hands of Love』をリリースし、彼の活動からますます目が離せない。

Yves Tumor 『Safe In The Hands Of Love』
[BRC-584 Warp Records ¥2400 +tax in stores]

時代を切り拓く謎の先駆者となるのか?
〈WARP〉移籍で話題を読んだイヴ・トゥモアが突如フル・アルバムをリリース!

ベルリンの最先端を行く実験的レーベル〈PAN〉からの前作『Serpent Music』が、アルカやブライアン・イーノらと並んで、米Pitchforkの【The 20 Best Experimental Albums of 2016】に選出されるなど、最高級の評価を獲得し、注目を集めたイヴ・トゥモア。昨年には〈Warp〉との電撃契約が発表され、同年12月には、坂本龍一のリミックス・アルバム『ASYNC - REMODELS』に、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、アルヴァ・ノト、コーネリアス、ヨハン・ヨハンソンらと共にリキミサーとして名を連ねた。そして今年7月、移籍後第一弾シングル「Noid」をリリースすると、さっそくPitchforkで【Best New Music】を獲得。その後立て続いて「Licking An Orchid」をリリースし、今週には Beat 1 の看板DJ、ゼーン・ロウの番組で「Lifetime」が解禁(こちらもPitchfork【Best New Music】を獲得)。そして本日、それらを収録したフル・アルバム『Safe In The Hands Of Love』がデジタル配信限定でリリースされた。合わせて、ボーナストラックが追加収録された国内盤CDも10月12日にリリース。

WWW New Year Party 2019 - ele-king

 今年も渋谷のヴェニュー WWW が新年パーティを開催します。なんとW、X、βの3フロアがフル・オープンとのことで、気合い十分。ダニエル・ベルのほか、Yoshinori Hayashi、STEREOCiTI、ハウィー・リー、ニディア食品まつり a.k.a foodmanYousuke Yukimatsu、LIL MOFO、E.L.M.S. と、強力かつ豪華な面子が目白押し。これは素敵なカウントダウンを迎えられること請け合いです。イベントに先がけてプレイリストが公開されていますので、これを聴きながら予習しておきましょう!

WWW 2019年のニューイヤーパーティがW、X、βの3フロア・フル・オープンで開催決定! 上下に分かれた各レギュラー・パーティを“静なるミニマル”と“動なるオルタナティブ”とし、“パラレル・ダイナミクス”をテーマに現代のエレクトロニック/ダンス・ミュージックのダイナミズムを描いた新たな幕開けを迎える。

Swindle - ele-king

 先日のDBSで圧倒的なパフォーマンスを披露したUKアンダーグラウンドの雄=スウィンドルが、年明け1月25日にニュー・アルバムをリリースする。D・ダブル・EやP・マネーなど、おなじみのグライム勢に加え、なんと、いまをときめくヌバイア・ガルシアやマンスール・ブラウンといったUKジャズの精鋭たちも参加しているとのこと。そんな大胆な横断ができるのはスウィンドルならではですね。公開中の新曲“What We Do”はこちらから。

SWINDLE

UKアンダーグラウンド・ミュージックのリアルなヴァイブを伝える男、スウィンドルのニューアルバム『No More Normal』が2019年1月25日にリリース決定! ヌビア・ガルシア、ユセフ・デイズらサウスロンドン・ジャズ・シーンの面々も参加した今作からの新曲、“What We Do (Feat. Rider Shafiq, P Money, D Double E & Daley)”が公開!

ヌビア・ガルシア、ユセフ・デイズといったサウスロンドン・ジャズ・シーンのメンツに加え、D・ダブル・E、P・マニーらグライム・シーンを代表する面々が参加したスウィンドルのニュー・アルバム『No More Normal』が2019年1月25日にリリース決定! その中から、新曲“What We Do (Feat. Rider Shafiq, P Money, D Double E & Daley)”が公開となった。

試聴リンク:
https://brownswood-recordings.lnk.to/swindle-whatwedo

それぞれに独立していながら実は密接な関係があるという複数の音楽シーンがあるとき、そこに橋を架ける行為が新たな可能性を広げることがある。『No More Normal』において、スウィンドルはイギリスの音楽シーンが持つ様々な側面を、確信を持って捉えている。常にジャンルの限界を押し広げようとしているグライムやダブステップの世界にルーツを持つことを誇りにしながら、ロンドン育ちのプロデューサーは自らの音楽に対する視野を拡大し、このアルバムによってそこに次の一歩を印している。スウィンドルが結びつけたのは、創作について同じ基盤を共有する仲間たち、つまりUKジャズ、グライム、ヒップホップというジャンルに挟まれた創造性豊かな領域に集うグループだった。

「これは2018年のクラス写真なんだ。みんながこの写真に収まっていてほしい」という新作についてのスウィンドル自身の言葉が示す通り、本作に参加しているのは、まさにオールスターと言うべきメンバーだ。活況を呈すサウスロンドン・ジャズ・シーンからユセフ・デイズ、ヌビア・ガルシア他、ラッパーのコージェイ・ラディカル、D・ダブル・E、P・マニー等々、総勢10名以上のロンドンを代表するアーティストが参加。現在のUKのクラブ・ミュージックとジャズ・シーンのクロスオーバーを象徴する一枚となっている。

"『No More Normal』というのは、俺たちは自分たちのことを自分たちの流儀でやって、そこにはルールも限界もないという思想なんだ。グライムの影響を受けているのと同じようにジャズの影響を受けている。ロサンゼルスの影響を受けているのと同じようにロンドンの影響を受けている。俺はD・ダブル・Eともヌビア・ガルシアとも作品を作ることができるし、そうしてできたレコードは、僕の想像力を音楽という枠組みの中で現実化させたものだ" - Swindle

スウィンドル待望のニュー・アルバム『No More Normal』は2019年1月25日(金)世界同時リリース。国内盤CDにはボーナストラックが追加収録され、解説書が封入される。iTunes Storeでアルバムを予約すると、公開中の“What We Do (Feat. Rider Shafiq, P Money, D Double E & Daley)”、“Coming Home (Feat. Kojey Radical)”、“Reach The Stars (Feat. Andrew Ashong)”の3曲がいち早くダウンロードできる。

label: Brownswood / Beat Records
artist: Swindle
title: No More Normal

国内盤CD BRC-588 ¥2,400
ボーナストラック追加収録/解説書封入

[ご予約はこちら]
Beatink:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10006
Tower Records: https://bit.ly/2QC4P5a
HMV: https://bit.ly/2AI7vUI
Amazon: https://amzn.asia/d/33HCCXy
iTunes: https://apple.co/2zDqZtQ
Apple Music: https://apple.co/2KNl8Xf

U_Know - ele-king

 2016年の『Word Of Words』が話題となったコンビ、福岡のビートメイカー=Olive Oil と、BLAHRMY の一員でもある藤沢のMC=Miles Word によるユニット、U_Know が再始動! 去る11月21日にニュー・アルバム『BELL』をリリースしたばかりの彼らだが、昨日新たに収録曲“In A Row”のMVが公開されている。映像を手がけたのはもちろん Popy Oil。まだ聴いていない方は要チェック。

U_Know [Olive Oil × Miles Word] - BELL

あの奇跡のコラボレーションはまだ序章に過ぎなかった……
Olive Oil × Miles Word [BLAHRMY] 再び!!!

2016年11月に発表された Olive Oil と Miles Word のジョイント・アルバム『Word Of Words』。福岡と藤沢、音楽が繋げた数奇な出会いは、このアルバムを聞けば必然であったことは疑いの余地がなかった。あれから2年、Olive Oil は全国でのライヴはもちろん、5lack や Wapper とのジョイント・アルバムなど、止まらずに楽曲を世に送り出し、Miles Word は仙人掌、I-DeA のアルバム他、ソロ、そして SHEEF THE 3RD との BLAHRMY として、ライヴ、客演などでその存在感を高めてきた。そんな、前作発表時よりもさらに進化した2人が帰ってきた。先行シングル的に夏に MV が解禁、7インチで限定発売(ジャケも最高◎)された、哀愁あるホーンと変則的なドラムが鳴り響くビートと、三拍子すらも、江ノ島の波の如くさらりと乗りこなすラップが極上だった“Sunny”をはじめ、前作を経たことでよりぶつかりながら融合するビートとライムは極上。いまだにある場所に安住せずに数々の挑戦と実験を繰り返して進み続けるふたりの新たな挑戦であり提示だ、しかと受け止めてほしい。

ARTIST : U_Know [Olive Oil × Miles Word] (オリーヴオイル × マイルス・ワード)
TITLE : BELL (ベル)
LABEL : DLiP Records × OILWORKS Rec.
発売日 : 2018年11月21日(水)
CAT NO. : DLIL-0008
FORMAT : CD (デジパック) / DIGITAL
税抜価格 : 2,500円 / TBC
バーコード : 4526180463832

収録曲
01. Sonnnatoko
02. XX
03. Free Jazzz
04. Sunny
05. BACK AGAIN
06. オドラニャ
07. Nice
08. Stylee
09. ONEDAY
10. In A Row
11. Guess What
12. A SHIT A
13. マタフユ -Winter Again-
14. Midnight
15. Bell Remixx feat. DLiP

All Tracks Produced by Olive Oil
Mixed & Mastered by NOAH

■U_Know [Olive Oil × Miles Word] (ユーノー[オリーヴオイル × マイルス・ワード])
福岡(FKC)を拠点に活動する Olive Oil (OILWORKS Rec.)と湘南・藤沢(Moss Village)を拠点に活動する Miles Word (DLiP Records/BLAHRMY)によるユニット。2016年に発表したアルバム『Word Of Words』から2年、再び動き出す。

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