「Ord」と一致するもの

Colleen 'Cosmo' Murphy - ele-king

JAPANツアー日程
11/1(金) Yuruasa presents DJ Cosmo Japan Tour 2013, Woal, 高崎
11/2(土) Mago x Devotion presents ONE ON ONE, Mago, 名古屋
11/3(日/祝前) Ø presents...Secretbox vol.3 feat. Colleen 'Coosmo' Murphy, Zero, 東京
11/9(土) If Music Be The Food Of Life...., Fillmore North, 札幌

Songs that make Cosmo Dance 10


1
Bryan Ferry - Don't Stop the Dance(Todd Terje Remix) - Vinyl Factory

2
Arcade Fire - The Reflektors - Merge Records

3
Fat Freddy's Drop - Mother Mother (Cosmodelica Remix) - The Drop

4
Land of Light - Isle of Tears (Tiago Remix) - ESP Institute

5
Pacha - One Kiss (F.O.S. One Remix) - Flying International

6
Holy Ghost! - Dumb Disco Ideas - DFA

7
Mario Biondi - This Is What You Are - Schema

8
Lonnie Liston Smith - Space Princess - Columbia

9
The Temptations - Law of the Land - Motown

10
The Isley Brothers - Inside You (Part I & II) - Epic

 さあ、きました、エレグラ最終ラインナップ! セオ・パリッシュとノサッジ・シング× 真鍋大度 × 堀井哲史 × 比嘉了というビッグなステージの情報が追加公開。1ヶ月後をわれわれele-kingチームも楽しみに待ってます!

絶大な人気を誇るデトロイト・ハウスの雄、セオ・パリッシュ出演決定!
ノサッジ・シングと真鍋大度等によるオーディオ・ヴィジュアル・ライヴが実現!



 ついに今年のエレグラのフル・ラインナップが出揃う!! 最終ラインナップに強力な2組が参戦! アタマからケツまで見どころ満載! このラインナップを一晩で体験できるのはまさに奇跡的!(タイムテーブル等は近日発表)

 まずは、もはや説明不要、絶大なる人気を誇るデトロイト・ハウスの雄、セオ・パリッシュがエレグラに初登場!
 90年代後半デトロイトのアンダーグラウンド・シーンから現れ、いまやトップ・プロデューサー/DJとして揺るぎない地位を確立。卓越したDJスキルのみならず強靭な意志と愛を注入したそのDJプレイは、オリジナル曲に加え、ダンスクラシック、ジャズ、ソウル、ヒップホップなど広範囲におよぶ黒人音楽を見事な構成力でまとめ上げ、ダンスフロアをスピリチュアルな熱狂へと導く。彼が祭主となり、濃厚でソウルフルな漆黒のグルーヴを放出し、その夜の儀式は衝撃的な音楽体験となるだろう!

「音楽に対する愛からすべてが生まれる……オープンに、また敬意とともに用いることでDJプレイはスピリチュアルな儀式に生まれ変わる。そしてその数時間の選曲をひとつの歴史に変えることができるんだ。」― セオ・パリッシュ

 LAビートとエレクトロニカ~チルウェイヴを自在に往来し、プロデューサー、リミキサーとしてフライング・ロータスやケンドリック・ラマーなど 大物アーティスト達が賛辞を惜しまない逸材ノサッジ・シング。そしてYoutubeで100万ヴューを超える彼のミュージック・ビデオのディレクションをはじめPerfumeのライブ演出を手掛けるなど、そのクリエイティヴィティーでメディア・アートから音楽、広告業界まで股にかけ、いまや世界的にその名を轟かす真鍋大度が、これまた世界的に評価を受ける堀井哲史、比嘉了とのチームで、ノサッジ・シングの音を映像演出! 今後ワールドワイドに展開していくという噂の、見逃せないスペシャル・ユニットがエレグラにて驚愕のパフォーマンスを世界初披露!


■国内最大級のエレクトロニック~ダンス・ミュージック・フェス
electraglide2013

出演:
JAMES BLAKE
2manydjs LIVE
!!!
MODESELEKTOR [DJ SET+909] with Pfadfinderei
THEO PARRISH
SHERWOOD & PINCH
FACTORY FLOOR
MACHINEDRUM
NOSAJ THING x 真鍋大度 x 堀井哲史 x 比嘉了

開催日:
2013/11/29 (FRI)

会場:
幕張メッセ国際展示場

開場:
OPEN/START 20:00

チケット:
前売 ¥8,800 / 当日 ¥9,800
※18歳未満の入場は不可、入場の際写真 付きIDの提示をお願い致します。
※お買い求めいただいたチケットは返品できません。

前売TICKET販売詳細:
チケットぴあ 0570-02-9999 [ https://t.pia.jp/ ] (Pコード:209-961)
ローソンチケット 0570-084-003 [ https://l-tike.com ] (Lコード:72626)
イープラス [ https://eplus.jp ]
tixee(スマートフォン用eチケット)
[ https://tixee.tv/event/detail/eventId/1829 ]
Confetti [ https://confetti-web.com ]
楽天チケット [ https://r-t.jp/electraglide2013 ]
ビートインク [ https://shop.beatink.com ]

店頭販売(ABC順)
BEAMS RECORDS
ディスクユニオン (渋谷Club Music Shop / 新宿Club Music Shop / 下北沢Club Music Shop / お茶の水駅前店 / 池袋店 / 吉祥寺店 / 町田店 / 横浜西口店 / 津田沼店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店 / 立川店 / 高田馬場店 / 中野店 / web shop)
GANBAN
HMV(ルミネ池袋店 / ららぽーと横浜店 / ららぽーと柏の葉店 / イオンモール船橋店)
JET SET TOKYO
more records(大宮)
大麻堂東京店
TECHNIQUE
TOWER RECORDS(新宿店 / 秋葉原店 / 池袋店 / 吉祥寺店 / 川崎店 / 町田店 / 柏店 / 津田沼店)
TSUTAYA TOKYO ROPPONGI / TSUTAYA三軒茶屋 / SHIBUYA TSUTAYA / 代官山蔦屋書店 / TSUTAYA横浜みなとみらい店 [ https://www.tsutaya.co.jp ]

他一部CDショップにて

INFO:
BEATINK 03-5768-1277 beatink.com
SMASH 03-3444-6751 smash-jpn.com smash-mobile.com
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999 doobie-web.com

企画制作:BEATINK / SMASH / DOOBIE
後援:SHIBUYA TELEVISION
協賛:CA4LA / PLAYBUTTON

www.electraglide.info

Erasure - ele-king


イレイジャー
Snow Globe

Mute/トラフィック

Review Amazon

 日本で暮らすアラフォー、アラフィフ世代にとって、イレイジャーといえば「ビートUK」じゃないでしょうか。もうとにかく、イレイジャーがシングルを出すとUK1位。アルバムも1位……という感じで、ヒットし続けたのでした。『ザ・サーカス』(1987年)、『ジ・イノセンツ』(1988年)、『ワイルド!』(1989年)や『コーラス』(1991年)のようなアルバムは、まさにシンセポップのお手本です。しかもヴォーカルのアンディ・ベルはゲイとしても有名で、音を担当しているヴィンス・クラークといえば、あなた、デペッシュ・モードのオリジナル・メンバー、ヤズーの仕掛け人、つまり、〈ミュート〉レーベルはこのヴィンス・クラークという天才を発掘したがためにレーベルとして大きくなったと言える、そんなすごい人なのです。  最新アルバム『スノウ・グロウブ』は実に通算15枚目のアルバムです。5曲の新曲と8曲のクリスマス・ソング・カヴァーという構成になっています。  ファンの方々はご存じだったかもしれませんが、昨年、アンディ・ベルのパートナーだったポール・ヒッキーがエイズで亡くなられました。新作には、そんな悲しみを乗り越えるかのような、力強いさ、深いエモーションがあります。そして6歳になったヴィンス・クラークの息子を祝福するかのように、温かい電子音をバックにクリスマスの歌が歌われています。  日本で暮らすアラフォー、アラフィフにとって、イレイジャーといえば「ビートUK」じゃないでしょうか。ヴィンス・クラークと同じように小学生ぐらいのお子さんのいる方も多いはず。今年は、エレポップの天才が送るクリスマス・アルバムを聴きながら、「あのね、お父さん(お母さん)が若かった頃にね……」などと教えてあげるのもいいかもしれませんよ。


Jake Bugg - ele-king

 1枚目があれほど鮮烈なデビュー作となったからには(そしてブリテンの音楽業界人、中年文化人たちから激烈に支持されたからには)、11月発売のジェイク・バグのセカンド『Shangri-La』に大いなる期待と危惧が寄せられるのは当然のことだ。

 プロデューサーにリック・ルービンを迎えたことから、ジェイクは米国を意識した“ビッグになるため”のアルバム作りをしているという推測は、『NME』をはじめとするメディアが何ヶ月も前から書いてきたことだ。
 「俺と俺のギター」の段階は終わった。これからが本番だ。みたいなことを業界の大人たちが書き煽るなかで、若き青年ジェイクのこころは不安定に揺れたりしていないのだろうか。

 というおばはんの心配を粉砕してくれた、というか大笑いさせてくれたのが、新曲“SLUMVILLE SUNRISE”のPVである。このPVは、(遂に日本公開された『ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オブ・ストーン』でわが祖国の音楽ファンの涙腺を決壊させている)シェイン・メドウズが監督を務め、ベニー・ヒルを髣髴とさせるレトロ調ドタバタ・コメディの映像になっている。彼の代表作『This Is England』シリーズのロル(ヴィッキー・マクルアー)が“Two Fingers”のPVでジェイクの母親役を演じていたので、そのうちシェイン・メドウズも出て来るんじゃないかとは思っていた(実際、カメオ出演までしてジェイクが乗ったボートを担いでいる)が、「来たか」という感じのコラボである。

 曲の終了後、『This Is England』シリーズのスメル(ロザムンド・ハンソン)とジェイクの掛け合いがあるのだが、ジェイクはアルバム・デビュー後こそストレート・ジーンズと黒シャツ、黒ジャケットのシャープなイメージでキメているが、実際このPVのようなヤバめのジャケットを着てChav色を漂わせていた時期もあったので、どこか初心に帰った感もある。また、吃驚したのが、ジェイクが俳優としても大変な逸材であるということで、このまま『This Is England』シリーズに出て欲しいような醒めた目つきの北部のChavっぷりを見せている。

          ******

 今夏、BBCが放映したワーキングクラスの歴史を辿るドキュメンタリーを見ていたら、英国で初めてワーキングクラスがクールになった時代として1960年代の映像がふんだんに出て来た。そのなかで、英国初のワーキングクラス出身モデルだったツイッギーが大きくフィーチャーされ、それまでは上流階級の子女に独占されていたメディア、アート、ファッションといった世界にワーキングクラスの若者たちが進出を果たし、それがスウィンギング・ロンドンに繋がった60年代は、労働者階級が史上もっとも格好よかった時代だと語られていた。

 英国の現代のメディアやアート、ファッション(&ミュージック)といった分野は、60年代以前と同じようにミドルクラスの子女に独占されている。それはジュリー・バーチルなども指摘している点だ。そう考えれば時代は後退したのかもしれないが、そのなかで「恐るべき子供たち」と呼ばれているジェイク・バグやストライプスといった若者たちが60年代を髣髴とさせる音を奏でているのは興味深い。

 が、しかし、60年代のクールなワーキング・クラスが英国に蘇ることはない。なぜなら、現代のワーキング・クラスは社会に忌み嫌われるアンダークラスに変貌を遂げているからだ。アンダークラスやChavは、英国の「クールでないもの」のすべてを象徴しているため、ジャージを着て公営住宅地をふらふらし、妊娠中の女と居間に座っている無職の青年をPVで演じて見せるアーティストなどいない。そんな低みにまでロック・ミュージシャンが降りていってはいけないのだ。なぜなら、ロックとはクールで高尚でアーティスティックで地べたの人間など反映しないものでなくてはならないからだ。

 What the fuck are you talking about?(クソふざけんな)

 という爽快な一撃をこのPVには感じた。わたしが大笑いしたのはその点である。喜ばしいことに、ジェイク・バグのセカンド・アルバムを心配する必要はまったく無さそうだ。

Forest Swords - ele-king

 2000年代において「ウィッチなもの」はまずフリー(ク)・フォークの周辺に姿を現した。森ガールからさかのぼること5年前後。たとえばジョアンナ・ニューサムを、たとえばココロージーを取り巻くウィッチな――オカルトチックな雰囲気は、世を離るための装置として強烈な印象を持っていた。森へ、森へ。戦争のさなかでもあったアメリカ内部では、それはひとつの逃走でもあり闘争でもあっただろう。ドリーミーなどと甘いものではない、時期は少し後のものになるが、『イース』(2006年)の異様な肖像画に浮かんでいるのは、この世をつめたく切り離す微笑ではなかっただろうか。
 フォレスト・ソーズの音楽は、すこし、その頃のドロドロとして危なげな森とウィッチネスを思い出させる。

 UKはリヴァプールのプロデューサー、マシュー・バーンズによるユニット、フォレスト・ソーズ。2010年にリリースされた前作EP『ダガー・パース』を覚えている方も多いことだろう。ポカホーンテッドのようにずぶずぶなダブとギター・サイケデリック、クラムス・カジノの亡霊じみたスクリュー、またハウ・トゥ・ドレス・ウェルのR&Bやそのシミのように抜けにくく忘れ去り難い音像、などなどの印象に重なって、バーンズの音の世界はよどみ、滞り、ひたひたと現実の感触を腐食させていく。呪術的で間の多いビートとヴォーカル・サンプルもあわせて考えれば、ウィッチ・ハウスの傍流としてとらえられても当然だろうし、ファースト・フル・アルバムとなる今作は〈トライ・アングル〉からのリリースである。この線で現在もっとも充実したかたちを提示するための条件をずらりと揃えている。

 一方、往時のブルックリンの実験主義的なムードに含まれていたようなトライバル志向も、バーンズの音楽にとって重要な要素だ。なかでも近世~近代日本の表象が好んで用いられていることは、彼のなかのトライバリズムを大きく特徴づけている。日本趣味というよりも小泉八雲趣味というか、逝きし世の面影に寄せる興味のようなもので、前作と今作のジャケットに色濃いのは、芸者富士山ネコミミではなくて、開国ののちさまざまに失われていこうとする、あるいは開かれていこうとする、小さく、あわれ(あはれ)な存在や風俗である。ウィッチはウィッチでも、名も無き髷の日本女性を立てたところに、なんとなくではあるけれどもバーンズの問いかけがある。大きなちからの陰に、あるいは大きな時代の流れの陰に消えていくものへまなざすことが、彼のサイケデリック・ミュージックでありウィッチ・ハウスの芯ではないだろうか。“オンワード”の乾いた打撃音を、その隙間の反響音を聴いていると、知らないはずの郷愁と、それがあるはずの、ここではない世への思慕に胸がしまってくる。そして“ギャザリング”で反復されるヴォーカル・サンプルが、どこか木挽き歌のような掛けあいを生みながらピアノの旋律とキック音を招じ入れるとき、彼のアルバムは架空の風土記のように、この世のネガとして光を透過させる。

ジャパニーズ・ハウス・ライジング - ele-king

大衆音楽の世界において、外国人にとって日本といえば、YMOやテクノの印象が強い。しかし、この10年で、日本の90年代ハウスが再評価されているということをあなたは知っているか。在日フランス人DJがジャパニーズ・ハウスの魅力をいま語る!

 僕はもともとはヒップホップを聴いていたので、白人ゲイが好むハウスやテクノとは絶対一緒されたくなかった。若い頃は自分のアイデンティティを作る時期なので、余計にオープンマインドじゃないんですよね。
 もっともそれは少年時代の話で、もうちょっと年とったときには、ハウスやテクノは僕が持っていたイメージと全然違うことを知るようになる。とくにヒップホップとハウスのルーツが実はそれほど離れてないってことを知ったときは衝撃だったな。じょじょに興味を持って、そして自分のなかのハウスやテクノのイメージが変わっても、日本にハウス・シーンがあることをまったく知らなかった。僕にとってハウス=アメリカ(80%)とヨーロッパ(20%)だった。それ以外の場所にハウスやテクノは存在していなかったんです。

 ジャパニーズ・ハウスの存在を知ったのは、2005年~2006年、初めて日本に来たときだった。渋谷のディスクユニオンに通って、ジャパニーズ・ハウスのレコードを偶然手にした。でも……それは正確な言い方ではないね。正確に言えば、僕が初めてジャパニーズ・ハウスと出会ったのは子供の頃だったんだと思います。当時はまったく意識はしていませんでしたが、日本のビデオ・ゲームが大好きで、ゲームでよく遊んでいた僕は、自然にゲーム音楽を聴いていたんですね。それがいま思えば、ジャパニーズ・ハウスの原型だったように思う。SEGAの「Sonic 2」, 「Bare Knuckles 2」などのBGM音楽はまさにジャパニーズ・プロト・ハウスです。
 みなさん、是非「Sonic 2」の“Sky Chase Zone”という曲を聴いてみてください! ChordsがシカゴのLarry Heardを彷彿させる、気持ちいい曲なんです。そして「Bare Knuckles 2」の“The park”, “The Bar”,“The opening streets”といった曲も。ゲームのBGMなので音のクオリティはよくないんですが、言いたいことが伝わると思います。つまり、僕はその頃から、ジャパニーズ・ハウスのVibeに染められていたのです。

 ディスクユニオンに戻りましょう。僕は、ちょうどその頃、90年代NYハウスにハマっていたんです。とくにBLAZEが好きだったな。ある日ディスクユニオンで見つけた小泉今日子の「Koizumix Production Vol. 1 - N.Y. Remix Of Bambinater」という12インチ・レコードに、“BLAZE remix”と書いてあったんです。早速、試聴した。それがジャパニーズ・ハウスとの最初の出会いです。
 BLAZEだからジャパニーズ・ハウスじゃないじゃん! って思う人も当然いるだろうけど、僕にとってヴォーカルが日本語だったので、それだけでも充分面白くて、ジャパニーズ・ハウスだったんです。日本語のヴォーカルがハウスにMixされている、これだけでとても衝撃的だったんです! 格好いい! って思ったんですね。ヨーロッパでプレイしたら、絶対にクラバーやDJたちは「なにこれ? なにこれ??!!」ってなると思ったんですね。もう、聴いた瞬間、とてもわくわくしました。
 そして、このレコードの“Sexy Heaven (King Street Sound Club Mix)”という曲で、初めてジャパニーズ・ハウスのことを意識した。
 同じ頃、Masters at Workの曲を必死探していたおかげで、MONDO GROSSOのことも知った。“Souffles H (King St.Club Mix)”という曲に出会ったことも嬉しかったな。まあ、MAWのプロダクションだから日本Vibeがあんまりないんだけど、一応バンドが日本人なので(笑)。BIRDがヴォーカルをやっている“Life (Main)”というMONDO GROSSOの曲もよかった。
 こうして僕は、じょじょにジャパニーズ・ハウスのこと知っていった。しかし、実を言うと、不満も感じていたんです。これ全部アメリカ人のプロデュースだったり、アメリカのレーベルの出版だったりしていたからです。
 でも、正直、見つけたばかりの頃は、そんなことよりも「日本でも国内のシーンがあったんだ!」という驚きと興奮が強く、「アメリカとのコラボいろいろあったんですね!」という感じでした。シーンとしてのジャパニーズ・ハウスのことはまだ意識していなかったです。本格的にジャパニーズ・ハウスを意識するのは、2008年、日本に戻ったときでした。

 当時渋谷にはYELLOW POPという中古レコード店がありました。僕がよく通っていたお店のひとつです。最初はハウス・セクションしか見ていなかったのですが、たまに時間つぶしでJ-POPセクションも見ていました。そこで見つけたのがPizzicato Fiveの『Pizzicato Free Soul 2001』です。
 Pizzicato Fiveのことは当時すでに知っていたけれど、僕は渋谷系のバンドとしてしか認識してませんでした。ただし、その盤は「Remixes」という言葉をアピールしています。で、クレジットを見たら、富家哲さん、Tei Towaさんなどの名前があります。リリース日付を見たら93年。90年代ハウスの大ファンである僕にとって必須な1枚です。
 そして、A2の“Catchy (Voltage Unlimited Catchy)”でものすごい刺激をうけたんですね。鳥肌が立ったんです。曲がやばいから鳥肌が立ったのではない。「日本でも僕が大好きな90年代ディープ・ハウスを作っていたプロデューサーがいた! アメリカみたいに、当時の人気POPバンドのハウス・リミックスを作っていた! そんなシーンが存在していたんだ! だったら絶対Digしてやる!」と思ったからです。探してもいなかった宝物が見つかったという感じです。当然、その“Catchy”という曲がすごい曲だからっていうのもありました。ディープなガレージ・ハウスにPizzicato Fiveのリード・ヴォーカルの甘い声が最高の組み合わせでしたからね。

 こうして僕はジャパニーズ・ハウス・シーンから離れられなくなっていました。日本に来る前にはジャパニーズ・ハウスなんてまったく知らなかったくせに、もうそれ以来、ジャパニーズ・ハウスの80年代~90年代のプロダクションを探すに必死になっています!
 そして、僕のなかで、日本でのハウス・シーンのイメージがアバウトに出来上がっていきました。大きく分けるとふたつのグループ頭のなかにあります。
 ひとつ、100%国内プロダクション(日本人のハウス・プロデューサーが単独で曲を作ったり、国内の人気ポップ・アーティストのリミックスなど)。
 もうひとつ、海外DJが日本のポップ・アーティストをリミックスした曲(主にアメリカのNYCのハウス・プロデューサー。MAW, Kerri Chandler, Blaze, Pal Joey, Mood II Swingなどなど)。
 不思議なことに海外ポップ・アーティストをリミックスしたジャパニーズ・ハウス・プロデューサーほとんどいない(富家さんはDef Mixに入っていたから、例外です)。このふたつの大きいグループを合わせて、日本のハウス・シーンが成立していました。後者はもちろんですが、前者も音的にアメリカに影響を受けていました。91~93年の福富幸宏さん、寺田創一さんなどのプロダクションを聴くとわかりやすい。

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 僕は日本の音楽のさまざまなジャンルが好きです。そして、どんなジャンルにおいても、アメリカからの影響を感じます。90年代のジャパニーズ・ハウスも例外ではないですね。70年代、80年代、90年代でDJ活動をはじめた日本人の多くがアメリカに滞在しています。長い旅をしたことがあります。たとえば福富さん、寺田さん、Tei Towaさんたちはその道を歩いて、日本に戻ったときに、アメリカのディープ・ハウスに影響された音を生み出している。有名な〈KING STREET〉を作ったのも日本人石岡ヒサさんです。
 ちなみに何故〈KING STREET〉という名前を選んだか、知っていますよね? 伝説のクラブ〈PARADISE GARAGE〉の住所が「KING STREET 84」だったからです。クラブ・ミュージックのはじまり、伝説のスタートポイントです。Larry Levanがレジデントだったクラブです。
 40代~50代の日本人のクラブ関係者/DJと話していて気がつくのは、Larryを神様みたいな存在として思っていることです。さて、この先は僕の個人的な仮説です。多くの日本人が70年代~90年代初頭にLarryにあこがれて、聖地巡礼に出るようにアメリカに行った。その現象がおそらく日本のクラブ・シーンに大きいな影響を与え、シーンの展開を可能にさせたのではないかと。
 90年代初頭、日本リリース限定(場合によって日本限定ではなかったが)のアメリカ人DJによるJ-POPアーティストのハウス・リミックス版がたくさんあります。しかし、それらが日本限定のリリースだったので、長いあいだ世界はそれらレコードの存在を知らなかった。そのひとつの例が、先述した「Koizumix Production Vol.1」収録のBLAZEミックスですね。


 他にも、僕が見つけた曲にはこんなものがある。山咲千里の「SENRIMIX」に入っているKERRI CHANDLERのミックスとか、露崎春女の「Feel you」のMood II Swingリミックスとか、SNK ゲーム「The King Of Fighters」のLIL LOUISによるハウス・リミックス……。リストにきりがないですね。実はいま現在、こうしたレコードは欧米でも知られるようになっているんですね。みんな必死に探していて、「SENRIMIX」や「KOIZUMIX」みたいなレコードは、海外ではかなり高値で取引されていますよ!

 これも先述しましたが、音的にはアメリカに大きく影響されています。当時のNYガレージ・ハウス・サウンドからの影響はとくに大きかったと思います。福富さんの“It’s about time”という曲を試聴しましょう。福富さんは自分のVibeも注いでいるから、結果としてはクオリティの高い新鮮な出来になっています。ただの真似ものではないんですね。
 少しマイナーな例ですが、関西のプロデューサー、TAKECHA(Takeshi Fukushima)が90年代にたくさんのディープ・ハウスな曲を作っています。そのなかに“Respect To Pal Joey”という曲がある。インスピレーションの元をはっきりさせているわけです。
 TAKECHAのレコードはとてもレアで、僕も3枚しかもっていないんだけど、曲を聴くと、たしかに Pal Joeyからの影響を感じます。しかも、しっかり自分のVIBEを仕込んでいる。TAKECHAっぽい音になっているんです。
 最後にもうひとつ例をあげましょう。東京出身のTORU.Sというプロデューサーです。90年代のTORU.SのプロダクションはNYよりのディープ・ハウス・サウンドです。TAKECHAのようにインスピレーションの元もはっきりしています。97年の「Final story the night」というEPに“Message 1 Thank You Joe”という曲があります。当然、Joe Clausselへのメッセージです。
 Toru Sの当時プロダクションを聴くと影響がはっきりわかるけれど、とくにその曲はJoe Clausselが作ったかのように聴こえます。本人Danny Tenagliaも好きなようで、そのEPの裏面には「Danny Tenaglia...Thanks thanks thanks...I wanna say this hundreds times. Oh Danny! I’m here for you」などと書いてある。ラヴレターみたいですね。TORU Sさんの場合はアメリカにも住んでいるから、また特別なパターンかもしれない。アメリカで作っているので、ほかの国内プロデューサーとはまた環境が違っているんですが。

 他に似たような例がいくつかあるけれど、全部載せられないので、今回はここまで。とにかく、ジャパニーズ・ハウス・シーンが世界ではまだまだよく知られていないのに(実は国内も含めて)、世界中で大人気だったアメリカのシーンと強くつながっていること。アーティストのコラボレーションもそうだし、プロダクションへの影響もそう。アメリカと日本の200年前からの歴史をみると、つねに不思議な関係にあることがわかる。力を使って喧嘩したこともたくさんありました。1854年、アメリカの海軍軍人ペリーは江艦隊を率いて鎖国していた日本にやって来た。その出来事は文化的に大きな影響となった。そして、第二次世界大戦で日本がアメリカに負けた後、アメリカ文化の影響はさらに広がった。アメリカに対して強い抵抗があったはずなのに、ポピュラー・カルチャーに関して日本はアメリカに憧れ、影響されることを拒まず、影響を主張している。それはハウス限定の話ではない。他のジャンルでも同じ現象が確認できる。いずれにしても、アメリカと日本の文化関係は外国人の視点からみると、とても面白いのです。

 歴史の話はそこまでにしましょう。ジャパニーズ・ハウスにおけるアメリカからの影響は誰も否定できない。Vibe的に、NYCディープ・ハウス・サウンドにとても近いものがある。しかし日本Vibeも混入されている。
 え、その日本Vibe、ジャパニーズVibeというのはなんですか? と訊かれても答えづらいんですけど、たとえばChordsは日本の雰囲気を表現していると思います。バブルやポスト・バブルの日本の雰囲気が音に出ているように思います。ハウスではないのですが、Jazzやヒップホップをプロデュースしている宇山寛人さんの“Summer81”や“Oneday(Prayer For Love And Peace)”といった曲を聴きましょう。日本の伝統な心が含まれているように感じます。独特の雰囲気があります。これは外国人である僕にとって、日本の心の一部がそのトラックに練りこまれているように感じるのです。

 それこそが私にとってとても魅力的に思えたところです。そここそがジャパニーズ・ディープ・ハウス・シーンの面白いところなのです。アメリカの音を真似てはいるけれど、真似るだけではない、ちゃんと自分のVibeも練り込まれている。やっぱ違うんです。ジャパニーズ・ハウスになっているんです。
 もうひとつ面白いところを挙げます。どういう理由からか、そうした多くのプロダクションが日本の外に出なかったという事実です。ジャパニーズ・ハウスは、長いあいだ国内にとどまっていたんです。
 ヨーロッパでもアメリカの音からインスパイアされて、曲を作っている人は当然少なくないですよね。Laurent Garnier、Grant Nelson、Bob Sinclar……、イタリのUMMとか。ただしヨーロッパの場合、そのアーティストが世界中に普及していった。
 日本のプロダクションの出来がよくない? いや、全然そんなことはないです。実は、逆にレベルが高かったんです! しかし、誰も注意を払わなかっただけ、というのが僕の結論なのであります。
 さらに僕がびっくりしたのは、ジャパニーズ・ハウスに注意していなかったのは外国だけではなくて、国内のクラブ音楽が好きな人たちからも無視されていたというか、気づかれていなかったということ。みんな当時の人気アメリカDJに夢中で、自分の国でもクオリティの高いディープ・ハウスがあるということに気づいていなかったのかもしれませんね。
 本当に、本当にみなさんにもっと自分の国のハウス・シーンの素晴らしさを知って欲しい! 誇りを持って欲しい! 僕がこの原稿を書いた理由はそれだけです。


FORGOTTEN JAPANESE HOUSE TOP 10

1 Flipper’s Guitar - Big Bad Bingo (Big bad Disco)
1990 (Yukihiro Fukutomi)
激レアプロモ版に乗っている14分のマスターピース

2 Pizzicato Five - Catchy (Voltage Unlimited Catchy)
1993 (Tei Towa)
ディープやダークの最強の組み合わせ。

3 Soichi Terada & Shinichiro Yokota - Shake yours
1991
なぜか聞くと懐かしくなる、ディープな1曲

4 Manabu Nagayama & Soichi Terada - Low Tension
1991
強いベースがあるのに、非常にディープ。寺田さんの音を定義する1曲。

5 Yukihiro Fukutomi - It's about time
1994
完璧なクラブ向けジャパニーズ・ハウス。ディープなキーズで旅をさせてくれる。

6 Wono & GWM - Breezin' part 1
1996 (Satoru Wono & Takecha)
ゲームBGMっぽいとても陽気、すっごく気持ちのいいハウス曲です!

7 Kyoko Koizumi - Process (Dub’s Dub)
1991 (Dub Master X)
シカゴ・ハウスっぽいとてもBouncyな小泉さんのハウスリミックス。

8 Pizzicato Five - 東京は夜の七時 The night is still young; One year after
1994 (Yukihiro Fukutomi)
原曲とても好きだったが、この福富さんによるミックスは最高です。最後の3分間はディープな旅に出る。

9 Toshihiko Mori - I got Fun
1991
Jazzadelicの半分であった森さんによる最強のNYディープ・ハウスっぽい曲。もうちょっとランキングあげればよかったこれ……

10 Katsumi Hidano - Thank you Larry
1993
Larry Levanへの感謝の言葉ですが、音的にLarryっぽくなくてNU GROOVEに近いNYディープ・ハウス系の気持ちいい曲。

土曜日はダブとレゲエとラップだ - ele-king

 明日10月26日(土)、〈リキッドルーム〉に行く人も多いでしょう。僕も行きます。〈THE HEAVYMANNERS meets SCIENTIST 『EXTERMINATION DUB』RELEASE PARTY〉がありますから。あのサイエンティストがヘビーマナーズのサウンドをダブ・ミックスした、強靭かつ繊細なダブ・アルバム『EXTERMINATION DUB』は当然素晴らしいわけですが、ヘビーマナーズの圧倒的なレゲエを〈リキッドルーム〉のサウンドシステムで体感できるというだけで、それは特別な体験になり得る。鼓膜と体が揺さぶられ、床と壁が軋む音がいまから聴こえてきています。スタッフも出演者もかなりの気合いが入っていることでしょう。DJ 光、SIMI LAB、DOWNSHOT RIG(KILLER BONG×田我流)、Likkle Mai& The K、RUMIという布陣も強力です。サプライズ共演も期待したいところです……。

 そして!!! 終電前まで〈リキッドルーム〉で遊んだ方はもちろん、遊ばなかった方も深夜に向かうべき場所はひとつ! 〈吉祥寺WARP〉でおこなわれるDOOOMBOYSのファースト・アルバム『#DOOOMBOYS』のリリース・パーティであります。DOOOMBOYSは、THINK TANKのBABAとWRENCH のドラマーとして広く知られているMUROCHINが組んだユニット。BABAはラップとトラック・メイキングとダブ・ミックスを担当している。
DOOOMBOYSは、乱暴に言ってしまえば、ハードコア・ダブ・ラップ・ミュージック(うわ、なんかむちゃくちゃだ)……いや、でもダブステップやインダストリアルの要素もあるし、当然ヒップホップが核にある。そうだ、デス・グリップスに血がたぎってしまうあなたは絶対に生で観ておくべきバンドだと言いたい。
 AUDIO ACTIVEのギタリストCUTSIGHもアルバムのオリジナル曲の大半に参加し、リミックスも1曲やっている。この日もステージに登場する。これが何を意味するのか? つまり、90年前後から連綿と受け継がれてきた東京のダブ/レゲエの遺伝子が異種交配をくり返して、さあ、2013年にどんな音になったのか? という、その一端を見せつけてもいるわけです。

 僕はDOOOMBOYSのライヴをまだ2回ぐらいしか観ていないので、今回も行きます。Skillkillsも素晴らしいバンドだし、いま若手でレゲエをスピンしていてヤバいのはこの二人でしょ! というLIL' MOFOとOG from Militant Bも心地良い空間を作ってくれることだろう。給料日後の人たちも多いでしょう、がっつり遊びましょう!(二木信)


■DOOOMBOYS 1st album『#DOOOMBOYS』release party

2013年10月26日(土)
@吉祥寺 Warp
OPEN / START 24:00
ADV 2000円 / DOOR 2500円+1DRINK

[live]
DOOOMBOYS feat. Cutsigh(AUDIO ACTIVE)
THE LEFTY
skillkills
NEPENTHES

[DJ]
VIZZA CASH MONEY

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vol.10 『The Last of Us』 - ele-king

 

みなさんこんにちは。NaBaBaです。いまさらですが今年はゲーマーにとっては凄い年です。何といってもPlayStation 4とXbox Oneの二大次世代ゲーム機の発売が迫り、いよいよ次の時代がはじまろうとしています。

しかし今世代機も負けておらず、これまでの集大成的大作が相次いで発売されています。前々回のレヴューで取り上げた『BioShock: Infinite』や、つい先日発売された『Grand Theft Auto V』がその筆頭でしょう。そして今回取り上げる『The Last of Us』もまた、今世代を締めくくる大作のひとつと言えます。

さて、近年の大作ゲームはほとんどすべてが何らかの形で映画を意識して作られています。例えばアクション映画のようなスペクタクルをゲームとして体験出できるようにしたい。『Half-Life 2』をはじめ、この連載で取り上げてきた多くのゲームがそうした目標を持っていたでしょうし、今世代は言わばゲームが映画的表現力を獲得していった時代とも言えます。

しかし映画はなにもアクション・スペクタクルなものばかりではないのですが、ゲームが目指す映画的な表現というものは、どうもこうした要素に偏重しがちなのも事実です。

そんななか『The Last of Us』は今世代が培った技術力を最大限に駆使しながらも、上述したステレオタイプとは別の意味で映画的な表現を目指したゲームです。そしてその成果はひとつの時代の締めくくりにふさわしいと同時に、次世代への期待も膨らませる見事なものでした。

■テーマは父と子の人間関係

『The Last of Us』を開発した〈Naughty Dog〉は歴史ある名門スタジオ。かつては初代PlayStation時代に、日本でも有名なクラッシュバンディクーを開発したことで知られています。また今世代に入ってからは『Uncherted』シリーズで再び一斉を風靡したことも記憶に新しい。インディ・ジョーンズもかくやと言わんばかりの冒険活劇で、まさに今世代のアクション映画的ゲームの代表作であります。

そんなスタジオの最新作である本作は、『Uncherted』シリーズからさらにテイストを変え、徹底してトーンが抑制された、渋い作風のアクション・ゲームです。ジャンルとしてはポストアポカリプス、ゾンビ物に属しますが、いまだに派手さを競ってばかりの現代の映画的ゲームのなかでは一見すると地味。

しかし抑制されたトーンであっても、それを裏打ちしているのはいままでの映画的ゲームが蓄積してきた技術的ノウハウに他なりません。フォトリアルなグラフィックスやゲームプレイとインゲーム・シネマティックの自然な融合、リアルなフェイシャル・アニメーション等、〈Naughty Dog〉は今回も最高級の技術を見せてくれています。

 
フォトリアル路線のグラフィックスは間違いなく今世代最高クラス。

本作がいままでの映画的ゲームと比較してもっとも特徴的なのは、その研ぎ澄まされた技術で『Uncherted』シリーズのようなスペクタクルを表現するかわりに、主人公JoelとヒロインEllieの人間関係を描き出すことに一貫して注力した点です。

世界の崩壊と同時に娘を失って以来心を閉ざしていたJoelが、訳あってEllieとともに旅をし彼女を守っていくなかで、第二の親子とも言える関係を育んでいく。本作のコンセプトはこの一点であり、崩壊した世界やふたりを襲う困難の数々、極端な話ゲームプレイさえもが、あくまでもこれを引き立てるためのディテールに過ぎないのです。

 
仕事として旅をはじめた二人だが、やがて掛け替えのない関係を築いていく。

その意味で、本作の質を決定づけているのは技術に加えて脚本と言えます。『ザ・ロード』や『28日後…』等と比較するのはおこがましいかもしれませんが、このジャンルにおける一流映画と肩を並べられる力強い物語であると個人的には感じました。

技術力と違い、脚本に関しては、ゲームは映画と比べて全体的にまだまだ劣っていますが、本作の成功は今後映画的ゲームに求められる脚本の水準を一段と引き上げたに違いありません。

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■プレイヤーにとっての他者としての主人公

ゲームで映画的な物語や体験を描くことが困難なのは、何よりも物語にプレイヤーを参加させなければいけないという、ゲームが本来持つ特性に起因しています。

とくにプレイヤーとゲームの主人公との関係性は、ゲームにどのような立場で参加させるかを決める重要な要素です。例えば映画的ゲームのはしりである『Half-Life』シリーズでは、主人公のパーソナリティは極力排除されていて、主人公=ありのままのプレイヤー自身という構図が明快でした。

しかし描こうとする物語の高度化に伴い、プレイヤーと主人公の関係もかつてのシンプルさはほとんど見られなくなりました。FPSなのに主人公が喋ったり、しかもそれが酷く独善的であったりする。果たして主人公はプレイヤーなのか他人なのか、混乱させられることもしばしばです。

この点『The Last of Us』では、主人公のJoelはまったく完全な他者として描かれており、『Half-Life』とは逆の意味で単純明快です。何よりも三人称視点であるし、Joelの人生観はプレイヤーと同一化できるものでもありません。またJoelが下す物語上重要な決断にもプレイヤーは関与することができないのです。

 
Joelは時に迷い、弱さも見せる、等身大の人格を持ったキャラクターだ。

なので、本作の遊び心地は映画や小説を鑑賞している感覚により近く、プレイヤー自らが主体的に物語を動かすという意味でのゲームらしさは希薄です。むしろ本作のゲームとしてのインタラクティヴ性は、主人公を赤の他人とした上で、彼の感情や意思をプレイヤーに拡張して伝える装置として機能していると感じました。

つまり主人公が負った傷に苦しみながら歩いたり、敵を倒すために試行錯誤したりする過程を操作させることで、その瞬間の主人公の悲喜交々を、より拡張して共感させてくれるということです。そしてこれこそが優れた映画的表現と、他者なりに共感できる優れた脚本の賜物なのです。

とくに敵と戦闘する場面でもこの機能が果たされているのが素晴らしい。まず本作はアクション・ゲームとしては大変システマチックで、達成すべき目標や、攻撃があたった外れた、敵を倒した倒されたの判定が常に明快です。高難易度でいながら、理不尽さがなく、とても攻略のし甲斐がある。この時点ですでに他の競合作より遥かに出来がいい。

ですがJoelとEllie、また敵となる感染者や人間兵の生々しい挙動の数々は、単に出来のいいゲームを攻略する以上の感情移入をプレイヤーに促してきます。シチュエーションの設定も常に秀逸で、戦闘を単なるゲームとしての遊びではなく、Joelたちの必死のサヴァイバル、つまり物語の一部として描けているのです。

 
敵も味方もとにかく必死。この上なく泥臭い戦いが展開される。

これは前々回の連載で取り上げた『BioShock: Infinite』が、戦闘を映画におけるミュージカル・シーンのようなものとして努めてお約束化したこととは極めて対照的です。体験の統一感や感情移入度という点で本作の方に分があるのは言うまでもありません。

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■複数視点で描かれる物語

本作のゲームとしてのインタラクティヴ性は、主人公の感情や意思を拡張して伝える装置であると、前項で述べました。この点についてもうひとつ象徴的な事例をご紹介したいと思います。

それは最初のプロローグ。 ここではほとんど歩くか走るかの操作をするに過ぎないのですが、この行為のなかだけでも キャラクターが怯えたり必死になったりといった感情が、操作するときの感触としてフィードバックされてきます。
しかもここでは若きJoelと娘のSarahの両者を操作することになるのがより重要な点です。守り守られるふたりを操作させお互いの立場を共感させた上で、最終的にSarahとの死別のシーンに繋がっていく。

たとえ一瞬でも体験を共有したキャラクターが死ぬのは、映像として一方的に見せられるより遥かにショックだし、もうひとりの操作したキャラクターの悲しみも同様に共感できてしまう。わずか20分にも満たないシーンでありますが、凡百のゲームや映画を越える感動を表現できていると感じました。

 
物語の導入としても完璧。Joelというキャラクターの本質を瞬く間に理解できる。

物語後半でもEllieを操作するという形で再び味わうことになる、この操作キャラクターのザッピングは、主人公を他者としてプレイヤーから突き放すという構図の延長線にある表現でしょう。とは言え操作キャラクターのザッピング自体は過去に例が無かったわけではありません。海外では『Heavy Rain』という作品が正に複数主人公による群像劇だったし、国内では『Bio Hazard 6』や『龍が如く』シリーズ、『SIREN』シリーズといった例がある。

しかしそれらより本作の方が感動的だと感じたのは、隣にいるパートナーが自分のことをどれだけ大事に思ってくれているのかという、誰もが気になる普遍的な関心ごとを、JoelとEllie、あるいはSarahという関係に置き換えて覗き見させてくれるからでしょう。

プロローグの場合で言えば、JoelもSarahもお互い軽口をたたく時もあるが、内心はとても大事に思っている。しかしそれを伝えきれないまま、または知らないまま死別してしまう。プレイヤーだけが特別にその事実を知ることができますが、主人公たちに伝える術がない。しかしこうしたもどかしさが寧ろ胸を打ち感情移入させてくれるのです。

 
Sarahが渡し忘れた父への誕生日カード。Joelが受け取ることは遂に無かった。

ゲームにおける物語は、未だにプレイヤーが主人公になりきったり、またプレイヤー自身が主人公に成るものが大半を占め、複数視点で描くことに関してはまだまだ未成熟です。しかし他のメディアの場合ではひとりの視点に縛る物語の方がむしろ特殊な部類であり、より複雑で高度な物語を描こうと思ったら、今後ますます複数視点の重要性は増してくるでしょう。

折りしもつい先日発売された今年最大級の大作『Grand Theft Auto V』は、まさに複数主人公のザッピングを大々的なフィーチャーとしていますが、本作はそれに先んじてこの物語手法の可能性を感じさせてくれました。

■まとめ

冒頭でも触れましたが、この時期のゲームは集大成とか総決算と言った印象を受けるものが多いです。『The Last of Us』に関してもそれは一部同様で、本作が駆使しているテクニックの数々は今までの積み上げを大変実感させられるものです。

しかし将来の可能性を感じる点で本作は集大成以上のもの。パーソナルな人間関係を描いた物語や複数の操作キャラクターのザッピングは、単体で見ても完成度が高かった上に、大いに伸び代を感じさせてくれるものでした。

満足感がとても高く、かつ今後のゲームの進化も楽しみにさせてくれる大変にお薦めできる作品です。



John Grant - ele-king

 僕がジョン・グラントの音楽を聴くことになったのは、ジャケットの彼と目が合ったからである。なんとなく海外のレヴュー・サイトをウロウロしているときに一際鋭い視線に捕らわれて、ついクリックしてレヴューを読んでみたらば、彼はゲイで、HIVポジティヴであることをカミングアウトしているという。思わずぎょっとして再びジャケットを見てみる……髭面のいかつい男は相変わらずこちらを睨んだままだ。それがたしか、5月のこと。気がつけば、この年僕はこのアルバムをもっとも繰り返し聴いている。

 ジョン・グラントはフォーク/カントリーを基調としたバンド、ザ・シーザーズの元ヴォーカリストであり、本作『ペイル・グリーン・ゴースツ(青緑色の幽霊たち)』がソロの2作目。2010年のソロ・デビュー作『クイーン・オブ・デンマーク』は評論家の間でそこそこ高く評価されたらしいが、僕は知らなかった。恐らくゲイ・シーンの繋がりでヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアとツアーを回ったこともあるそうで、HIVに関してはそのツアーのときに発表したそうだ(ゲイのオーディエンスを意識した上での決断だったのだろう)。
 サウンドは70年代シンガーソングライター風バラッドとフォーク、80年代ニューウェイヴをほどよく交配したよく出来たものである。ちなみに、シネイド・オコナーがパートナーのように3曲でコーラスとして参加している。ゲイ・アーティストで言えば……ルーファス・ウェインライトとジョン・マウスとヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアの間のどこかにいるような。近年のモリッシーのソロ作を聴く感覚とも遠くはないだろう。冒頭を飾るタイトル・トラックは仄かにダークで攻撃的な、ニューウェイヴ調のシンセ・ポップだ。その上でグラントがバリトン気味のよく伸びる声で朗々と歌う。続く“ブラック・ベルト”はややディスコ調のダンス・トラック。ヴァースごとにサウンドをガラッと変えるオールドスクールなマナーも気が利いている。続く“GMF(グレイテスト・マザーファーッカーの略)”はフォーキーなバラッド……普通に聴いていれば、良い声を持った40代のシンガーソングライターによる、影響元を上手く消化したソングブックとして楽しめたのかもしれない。
 だが、このアルバムでグラントが隠さないネガティヴな言葉と感情を耳と頭が探り当ててしまったとき、もう簡単に聞き流すことはできなくなってしまう。続く優雅なバラッド“ヴェトナム”では彼の元恋人、もちろん男の恋人に、「お前の沈黙は兵器だ/まるで核弾頭のような/ヴェトナムで使われた枯葉剤のような」と断罪の言葉を浴びせる。ヴィデオも象徴的だ。白黒の映像に映るのはグラントそのひとで、そして彼はよくあるMVのように口ずさみもせずに、ひたすら画面の向こうからこちらを見つめ、ときどき視線を外す。そしてまたこちらを睨みながら、こう告げるのである。「俺を慰めるただひとつのことは、お前がこの先誰といようが、お前はいつも孤独だろうってわかることだよ」……とても、穏やかに、深い声で、美しいストリングスとアナログ・シンセの和音に乗せて、そう歌うのだ。画面の前で、僕はただ彼と見つめ合うことしかできない。



 これも同様に、かつて愛した人間を「心配するフリなんかしなくていい/思ってもないことなんて言わなくてもいい」と責める“ユー・ドント・ハフ・トゥ”もなかなか強烈だ。「ひと晩中ファックしたのを覚えてるか?/俺も覚えてない、いつもへべれけだったから/痛みを扱うのにたくさんの酒が必要だったんだ」……。だが、サウンドはどこかファニーですらあるシンセ・ポップ。そもそも歌い出しからして、「犬を連れて、寄り添って公園を散歩したのを覚えてるか?」と言いながら、すぐさま「ま、俺たち犬なんて飼ったことないし、いっしょに公園も行ったことないんだけど」とオチをつけずにはいられない。しかしながらこの皮肉は、彼の傷痕から血が吹き出るのをどうにか抑えるための苦肉の策のようでもある。“センチメンタル・ニュー・エイジ・ガイ”におけるパーカッシヴなディスコ・トラックで、なかばやけっぱちにおどけて歌うグラントはしかし、そうして理性をと保とうとする。
 続く“アーネスト・ボーグナイン”(グラントが尊敬するという性格俳優)はHIVポジティヴだと発覚した心境についての歌だという。「医者は俺を見ずに、きみは病気だと言った」。ここで、どうして彼がジャケットからこちらを真っ直ぐに見つめていたかがわかる。グラントは目を逸らされたくないのだ。自らのみっともなさからも気まずさからも卑小さからも。混乱はある、が、錯乱はしていない。「俺はこのクソのような町が大嫌いだ」と軽やかに歌い、過去との訣別を宣言する。そしてラスト・トラックの“グレイシャー”で誇らしげに鳴らされるピアノの高音はそのことを自ら祝福するかのようだ。グラントはそして、アイスランドへと移住したという。
 僕にとってこれは穏やかな精神状態で聴ける作品ではないが、しかしそれなりの覚悟を持って向き合いたいと思える音楽だ。ジョン・グラントはありったけの憎悪と皮肉と悲哀をこめて、愛を歌っている。ユーモアも忘れずに。だから僕は、ジャケットの彼と睨み合いを続けようと思う。

Sound Patrol - ele-king

Paisley Parks - Cold Act Ill EP
Shinkaron


Bandcamp

 ペイズリー・パークスとはプリンスのレーベルではない。日本で生まれたジャパニーズ・ジュークのプロジェクトで、TMTも大絶賛、海外ではすでに人気に火がついている。ところで、つい先日、筆者はKESが〈ダブソニック〉やWOODMANのレーベルから作品を出していたことを知って衝撃を受けた。その初期作品(カセットテープ・リリース)を聴くと、たしかにジュークの青写真とも言えるゲットー・サウンドなのだ。つまり、10年前からやってきたことが、いま、たまたまシカゴと共振したということか。
 ドミューンでのライヴも格好良かった。「F」ワードが乱発される音楽が特別好きなわけではないけれど、この3人組からあふれ出るパンキッシュなエネルギーに降伏したので、早速CD-Rを買った。ブレイクコアのときと似ているのかもしれない。ペイズリー・パークスにしろフードマンにしろ、ジュークは日本との親和性が高いことを証明している。

Juke Footwork

Tiny Hearts - Stay EP
Dirty Tech Records


Amazon iTunes

 〈ダーティ・テック〉は、デトロイト・ヒップホップのキーパーソン、ワジード(スラム・ヴィレッジのオリジナル・メンバーおよびPPPで知られる)が昨年立ち上げたレーベルで、〈サブマージ〉もどこまで関わっているのか定かではないけれど、それなりにサポートしているんじゃないかと思わせるレーベルだ。それほどのポテンシャルはある。昨年1枚、今年1枚出ている2枚のepは、彼のエレクトリック・ストリート・オーケストラ名義の作品だったが、マイク・バンクス、セオ・パリッシュ、アンドレスなどテクノ/ハウスの大物も参加している。
 その2枚も、まあ悪くはなかったのだが、この〈ダーティ・テック〉の第3弾には痺れた。ワジードのR&Bプロジェクトのデビュー作で、初期のスラム・ヴィレッジを彷彿させるメロウなヴォーカルとタイトなビート、そして分厚いシンセのリフが素晴らしい。実験的だがポップで、まさにフューチャーR&Bと言いたくなるような……。これは注目しよう。

R&B Pop

Hilaru Yamada And The Librarians - The Rough Guide To Samplin' Pop
CD-R


https://ekytropics.blogspot.jp/

 カットアップ/サンプリング・ミュージックで、インナーにはネタが表記されているわけだが、そのネタの選び方が面白い(そのセンスはコーネリアス的だ)。洒落が効いていて、カラフルで、チャーミングなドリーム・ポップとして成立している。大昔、ちょうどこれと同じ方法論で、砂原良徳がブートを作ったことがある。推薦です!

Musique Concrete Cut Up Mash Up Dream Pop

Duppy Gun - What Would You Say About Me?
Stones Throw


STONES THROW

 サン・アロウとロブドア、そしてマシューデイヴィッド、LAの3人のジャマイカ旅行、第3弾。迫力ゼロのビートにふにゃふにゃのエフェクト。ジャマイカのディージェイ、Fyah FlamesとI Jahbarが勇ましい声を上げている。ディプロのへなちょこヴァージョンとでも言えばいいのか。格好いいポスターが付いているので、見つけたら買うことをオススメする。

Dancehall Experimental Dub

Jay Daniel - Scorpio Rising EP
Sound Signature


Detroit Report

 待っていた人も多かったでしょう。沈没していく街とは裏腹に、デトロイトらしい上昇する感覚を兼ね備えたジェイ・ダニエルのデビュー・シングル。デリック・メイ的とも言えるタフなリズムとシンセリフの“No Love Lost”も良いが、母であるナオミ・ダニエルの歌う“スターズ”のインロ(大本はラリー・ハードの“スターズ”だが)を微かに使った“I Have No Name”が最高。ついに未来のクラシックが登場したね。

Deep House

Audio Tech - Dark Side
Metroplex


iTunes

 これも聴くのをずっと楽しみにしていたんですよね。ホアン・アトキンスとマーク・エルネストゥスというふたりの先達のコラボ作。モーリッツ・フォン・オズワルドとの共作のミニマリズムとは打って変わって、こちらはエレクトロ。ホアン・アトキンスは歌っている。B面ではマックス・ローダーバウアとリカルド・ヴィラロボスのコンビが12分にもおよぶ幻覚性の高いリミックスをしているが、オリジナルとの関連性は見られない。

Electro Techno

Archie Pelago - Hall Of Human Origins
Styles Upon Styles


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 太陽のスタンプでお馴染みの、NYのアンソニー・ネイプスと〈Mister Saturday Night Records〉は今日の90年代ハウス・ブームの主役のひとりだが、昨年末に同レーベルからリリースされたアーチー・ペラゴ(ブルックリンの3人組)のシングル「The Archie Pelago EP」は、ジャズ・ハウスとしては実に幅広い層にアピールしたヒット作となった。その後の「Subway Gothic / Ladymarkers」では、実験的なアプローチも見せて、最近出た「Hall Of Human Origins」でも、IDMの領域にも手を出しているし、下手したらジュークさえも自分たちの養分にしようとしているのかもしれない。ラテンのリズムも冴えを見せ、サン・ラーの雄大なブラスをも引用しているのでは……。いつアルバムが出るのでしょう。

Electronica Jazz Broken Beat

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