「You me」と一致するもの

Actress × London Contemporary Orchestra - ele-king

 ここ日本からは想像しにくいかもしれないが、海の向こうにおいてアフロフューチャリズムは一定の文化的地位を獲得している。たとえば昨秋アテネでは、世界各地から多くのアーティストを招いたアフロフューチャリズムのフェスティヴァルが開催されており、サン・ラー・アーケストラを筆頭に、ドップラーエフェクトやア・ガイ・コールド・ジェラルドといったヴェテラン、ムーア・マザーやンキシといった新世代がパフォーマンスを披露している(アブドゥル・カディム・ハックやオトリス・グループなどもゲスト・スピーカーとしてレクチャーを担当)。アクトレスことダレン・J・カニンガムもそのフェスティヴァルに出演していたひとりだ。
 自らをホアン・アトキンスの系譜に位置づけるアクトレスがデトロイトのエレクトロ~テクノから多大な影響を受けていることは間違いない。けれども彼はそのサウンドをあからさまに模倣することはせず、むしろ他のさまざまな音楽を参照し、それらの要素を独自に結び合わせ、まったくべつのものとして提出してきた。そのあり方にこそダレン・カニンガムのオリジナリティが宿っていたわけで、ようするに彼は物真似をしないということ、すなわち己自身の想像力を研ぎ澄ませるということをこそURやドレクシアから継承したのだろう。
 そのアクトレスの新作『LAGEOS』は驚くべきことに、オーケストラとの共作である。これまでさまざまな趣向でリスナーを唸らせてきたアクトレス、彼はいま、どのような想像力をもって自身の可能性を押し広げようとしているのだろうか。

 今回アクトレスの相方を務めているロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ(以下、LCO)は、2008年にヒュー・ブラントとロバート・エイムスによって立ち上げられたアンサンブルで、近年ではレディオヘッド『A Moon Shaped Pool』への参加や、あるいはリン・ラムジー監督作『You Were Never Really Here』やポール・トーマス・アンダーソン監督作『Phantom Thread』といった映画のスコアなど、ジョニー・グリーンウッドとの絡みで注目されることが多い。
 他方で彼らはこれまでマトモスやミラ・カリックスといったエレクトロニカ勢ともコラボしてきており、その経験が良き蓄えとなっているのだろう、エレクトロニクスと器楽が手を取り合うと、それぞれの歩んできた歴史の長さが異なるためか、往々にして音色/音響面で後者の支配力が大きくなってしまうものだけれど、本作においてLCOの面々はアクトレスの本懐を削がないことに苦心している。そのために彼らがとった方法は、それぞれの楽器を可能な限り器楽的な文法から遠ざけるというものだ。その奮闘ぶりは「RA Session」の動画を観るとよくわかるが、たとえばチェロのオリヴァー・コーツ(最近〈RVNG〉と契約)もコントラバスのデイヴ・ブラウンも、自身の相棒を打楽器的に利用している。

 そのようなLCOのお膳立てのおかげで、ダレン・カニンガムには大いなる想像の余白が残されることとなった。彼の卓越した編集術はまず、冒頭の表題曲に素晴らしい形で実を結んでいる。か細いパルス音をバックに、ヴァイオリンとヴィオラが独特の酩酊をもたらす2曲目“Momentum”では、ゆったりとヴィブラートをかけることによって紡ぎ出された妖しげな揺らぎが、カニンガムによるエディットを経由することで何かの声のような奇妙な響きを獲得している。3曲目“Galya Beat”では、跳んだり跳ねたりする低音とノイズの背後で弦がドローンを展開しようと試みるものの、途中で弓を折り返さねばならないからだろう、持続は完遂されず、ここでも不思議な揺らぎが生み出されている。ミニマルに反復する高音パートを少しずれた間合いで低音がかき乱していく4曲目“Chasing Number”も、グルーヴという曖昧な概念をメタ化しようとしているようでおもしろい。
 後半もよく練り込まれていて、パンダ・ベアからインスパイアされたという“Surfer's Hymn”では鍵盤とノイズがじつにスリリングなかけ合いを繰り広げているが、そこにさりげなくエレクトロのビートを差し挟まずにはいられないところがアクトレスらしい。「器楽インダストリアル」とでも呼びたくなる“Voodoo Posse, Chronic Illusion”も聴きどころ満載だけれど、キャッチーさで言えば、昨年シングルとして先行リリースされた“Audio Track 5”に軍配が上がる。坂本龍一がラジオでかけたことでも話題となったこの曲は、機能的なビートがひゅーう、ふゅーうとさえずるストリングスと手を組むことで、素晴らしい陶酔を生み出している。

 とまあこのように、『LAGEOS』はカニンガムのたぐいまれな編集センスを堪能させてくれるわけだけれど、本作にはその逆、つまりLCOが既存のアクトレスの楽曲を再解釈したトラックも収められている。『Splazsh』の“Hubble”と『R.I.P.』の“N.E.W.”がそれで、いずれもまったくべつの曲へと生まれ変わっている。LCOの面々も負けていない。
 アフロフューチャリズムがSF的な想像力を駆使することによって現実を捉え直したように、つまりは逃走することによって新たな闘争を実現したように、既存のテクノからもオーケストラからも遠ざかることによって未知の音楽の可能性を開拓した本作は、アクトレスとLCO双方のキャリアにとって画期となるのみならず、テクノとオーケストラとの、エレクトロニクスと器楽との共存のあり方をも更新している。これはもう素直に、LCOの寛容さ・柔軟さと、ダレン・カニンガムの冒険心を讃えたい。コラボたるもの、かくあるべし。


Krrum
Honeymoon

37 Adventures / ホステス

SoulElectronic

Amazon Tower HMV iTunes

 2017年のアップル・ウォッチのCMを見た人はいるだろうか? 「ゴー・スウィム」というシリーズの第2弾で、時計をつけたままプールで泳ぐというフィルムなのだが、そのバックに流れていたのがカラム(綴りはKrrumで、発音的にはクラムが近い)というアーティストの“イーヴル・ツイン”という曲である。近年のアップル社のCM曲に起用されたUK勢には、ハドソン・モホーク、サム・スミス、ムラ・マサなどがいるのだが、旬の人だったり、またはこれからブレイクしそうな人だったりと、人選がいいところをついている。これらCM曲は、エレクトリックな佇まいを感じさせながらも、どこかソウルフルで人間的、温かみだったり、可愛らしさだったりを感じさせる作品が多いのだが、カラムの“イーヴル・トウィン”もそうした1曲である。なお、この“イーヴル・ツイン”のミュージック・ヴィデオもあって、何かのオーディション会場にマイケル・ジャクソン、ボーイ・ジョージ、ニッキー・ミナージュ、ブリトニー・スピアーズのソックリさんが現れるのだが、彼らはみな年季の入った太めのLGBTという感じで、重たそうな体でキレのないダンスを繰り広げるコミカルなものだ。そして、カラム自身も審査員役で登場している。

 カラムはプロデューサー/シンガー・ソングライターのアレックス・キャリーによるプロジェクトで、英国のリーズを活動拠点とする。長い山羊髭に黒縁のロイド眼鏡と、ファッションもなかなかユニークでキャラが立っている。彼はダービーシャー州のダーク・ピークスという田舎町出身で、13才の頃から作曲を始め、地元のスカ・バンドでトランペットを演奏していた。その後、リーズの大学に進学して音楽制作を学び、その頃にゴリラズからボン・イヴェールなどいろいろな音楽の影響を受け、吸収していった。2016年1月に同じアパートに住む友人のハリソン・ウォークと“モルヒネ”というシングルを発表し、この曲や“イーヴル・ツイン”を含む初EPを同年3月にリリース。Shazamやハイプ・マシーンのチャートを賑わせた後、前述のように“イーヴル・ツイン”がアップルCMに使用され、さらに話題を呼んだのである。その後、楽曲制作と並行してピッチフォークやBBCなどが主催するフェスティヴァルにも参加し、人気を伸ばしていったカラム。そして、“イーヴル・ツイン”ほか、“ハード・オン・ユー” “スティル・ラヴ” “ムーン”などのシングル曲を含むファースト・アルバム『ハネムーン』が満を持して発表された。盟友のハリソン・ウォークがソング・ライティングで参加しているが、彼もギタリスト兼シンガー・ソングライターで、ニック・マーフィー(元チェット・フェイカー)を彷彿させる味のあるヴォーカルだ。基本的にアレックスがトラックを作り、ハリソンが歌うというのがカラムのスタイルである。そして、ミキサーにはアデル、ベック、アルバート・ハモンド・ジュニアなどの作品に携わるベン・バプティ、そしてトゥー・ドア・シネマ・クラブ、ムラ・マサなどを手掛けるティム・ローキンソンが参加。また、コリーヌ・ベイリー・レイの楽曲を手掛けたジョン・ベックとスティーヴ・クリサントゥが、それぞれ“フェーズ”と“ハニー、アイ・フィール・ライク・シンニング”でソング・ライティングに加わっている。

 カラムは『ハネムーン』について、ややシニカルな見方をしている。「たいていハネムーンというと、ポジティヴなとらえ方をする人が多いけど、その反面、子供でいることや自由であることが終わりを迎えたという時期を意味するのではないのかな」ということで、このタイトルをつけたそうだ。物事に対して客観的で斜に構えた見方をしており、たとえばラヴ・ソングの“スティル・ラヴ”も「恋愛関係を前進させたい思いが強いけれど、踏みとどまってしまう自分がいる。なぜなら直感的に、その関係より先に進めなくてもいい、妄想で終わらせてもいいと思っている自分がいるから」という思いを表現している。“フェーズ”は「あなたは私の人生の通りすがりの男だから」と、自らを言い聞かせて関係を断ち切るという切ないラヴ・ソング。“ムーン”は「好きな人と関係性を結ぶためには、通らなくてはいけない告白という儀式がある。でも、その引き金を引くと、自分が思いもよらなかった結果が待ち受けていることがある」という具合に、彼の歌にはどこか鬱屈した感情が見受けられる。“アイ・ソート・アイ・マーダード・ユー”や“ハニー、アイ・フィール・ライク・シンニング”などの曲名も意味深だ。このように屈折したフィーリングをデジタル・プロダクション主体のサウンドに乗せるスタイルで、基本的にはエレクトリック・ソウル~オルタナR&B系のシンガー・ソングライターと位置づけられるだろう。そして、シニカルでクールに物事を俯瞰する視線は、とてもイギリス人らしいと言えそうだ。

 ジェイムズ・ブレイクやサム・スミスの成功以降、UKの男性シンガー・ソングライターにはジェイミー・ウーン、クワーブス、クウェズ、サンファなど逸材が多い。今年ブレイクした筆頭のトム・ミッシュほか、ジェイミー・アイザックやプーマ・ブルーなど、若く才能のあるシンガー・ソングライターが続々と登場している。カラムもこうした中のひとりであるが、たとえばトム・ミッシュあたりと比較するとプロダクションはずっとエレクトリック寄りである。トム・ミッシュがギター・サウンドを主体とするのに対し、カラムの軸となるのはシンセ・サウンドで、そこにホーン・サンプルとオート・チューンなどで加工したコーラスを加えていく。“イーヴル・ツイン” “ウェイヴズ” “スティル・ラヴ”がこうしたプロダクションの代表で、“アイ・ソート・アイ・マーダード・ユー”あたりに顕著だが、全体的に1980年代風のエレクトロ・テイストを感じさる点も特徴だ。“ユー・アー・ソー・クール”のようにポップで爽快感を感じさせる曲も魅力的だが、“ブレッシング・イン・ア・ドレス”や“ドーム・イズ・ザ・ムード・アイム・イン”などヘヴィーなヒップホップ系ビートの骨太の曲、“イフ・ザッツ・ハウ・ユー・フィール”のようにオルタナ感満載のベース・ミュージック寄りの曲と、いろいろとヴァラエティにも富んでいる。そして、どの曲からもポップなセンスが感じられる。アップル繋がりではないけれど、ムラ・マサの楽曲や、そのアルバムにも参加していたジェイミー・リデルの作品に通じるところも見受けられるし、クワーブス、ソン(SOHN)あたりに近い部分も感じさせる、というのがカラムの印象だ。“ハード・オン・ユー”のようにソウルフルなフィーリングとエレクトリック・サウンドの融合が、彼の真骨頂と言えるだろう。


COTTON DOPEの手記 - ele-king

MC KHAZZ x DJ HIGHSCHOOL “WHITE GIRL”

 「I'M YA BOY E.P」 いつもいるやつ。
 そう題されたEPのリリースされる前。人に会うたびに「HIGHSCHOOLとMC KHAZZの聴いた?」と興奮気味に聞かれた。BUSHMINDやDJ HOLIDAYがPLAYしていてフロアで聴きながらテンションが上がった。血湧き肉躍るサイケデリックなHIP HOPは確実に2018の音楽をアップデートしたと言える。先日リリース前に行われた池袋BEDでのライヴでは空気を一変させ、CLUB内の空間が沸騰して歪みながら上がった。
 DJ HIGHSCHOOL。東京のDJ集団、SEMINISHUKEIに所属。DJ、トラックメーカー。BUSHMINDやSTARRBURSTとのトリオBBHとしても活動。ERA、O.I.、STARRBURSTとのグループD.U.O TOKYOではラッパーとして活動。DJ HIGHSCHOOL、BBHともにSTRUGGLE FOR PRIDEの2ndアルバム「WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE」に参加している。
 MC KHAZZ。東海のHIP HOP集団、RCslumに所属。ラッパー。同じく東海のラッパーMIKUMARIとの与太BROS、RCslumのボスATOSONE、MIKUMARIとのM.O.S. (MARUMI OUTSIDERS ) で不定期なグループ活動も展開。「WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE」にもコーラスで参加している。
 交差しそうで交差しない路もあれば、交差しなそうで交差する路もある。とても普通で数奇に満ちた日常の出来事。「いつもいるやつ」同士であるDJ HIGHSCHOOLとMC KHAZZの話。

 「I’M YA BOY」というタイトルはどこから来たのだろうか?

DJ HIGHSCHOOL:I’M YOUR BOY。いつもいるやつっていう。お互いのクルーでの立ち位置っていう。そういう意味ですね。

 横でMC KHAZZがうなずく。出会いのきっかけを聞けばみんながうなずくはずだ。

H : MC KHAZZの存在が一番強く意識されたのは、ATOSONEの店 ( STRANGE MOTEL SOCIAL CLUB ) の前で全員溜まってて、ちっちゃいテーブル出して、赤と白のSOPRANOSテーブルクロスの上に、ブートのDVDを出して、カズオくんが帽子すごい被り方して売っていて。

MC KHAZZ : あれなんなんでしょうね?  あ、バカがいる笑?

H : 勝手に占拠してた時期ありましたよね。売ってたのブートですよね?

K : うんブート。

 肯定するわけではないけれどHIP HOPにはブートを売る文化がある。路上にはブートを売る文化がある。というのはまぎれもない事実だ。何気ない会話が続いていく。

H : MOPのご近所紹介ビデオで、ブート売ってるやつを袋に入れて叩き割るっていう。

K : ありましたねー。

H : 文化的にあれすごいなっていう。

K : お前おれのブート売ってんじゃねーよ。の下り、笑

H : あれやらせでしょ。

K : バッド持ってうろついてますよね。

 ブートビデオのくだりは、人が集まってる時にみんなでうなずいたり、あーでもないこーでもないという話で盛り上がるんじゃないだろうか?実際、この記事を書くために集まってもらった時にDJ HOLIDAYや THE TORCHESのメンバーもいて、話が広がっていった。

 DJ HIGHSCHOOLはCAMPANELLAのアルバム『vivid』にトラックを提供。自身の1stアルバム『MAKE MY DAY』ではCAMPANELLA, TOSHI MAMUSHI, NERO IMAIを東海より招き楽曲を制作している。DJ BISONとのDJユニット「FOOT CLUB」では名古屋でRCslumが開催するパーティー「METHODMOTEL」に多数出演しており、東海との交流が深い。
 MC KHAZZはMIKUMARIやATOSONEと共にフライヤーにクレジットされていなくともクラブで騒ぎ、ステージの上に飛び乗り、飛び降りスピットする。
 お互いの横では東京と東海の仲間が大きな声で笑い騒ぐ。彼らのいるパーティーに行ったことのあれば、お馴染みの上がる光景だ。自然過ぎて二人も出会いの瞬間を忘れていた。

H : 名古屋で会ってると思うんですよ。FOOT CLUBで出た時に。

 出会いに関しては、彼等の「YA BOY」も覚えてないようで、色々な説がある。「YA BOY」があげるエピソードはことごとく二人に違うって言われるのが興味深い。
 MC KHAZZとDJ HIGHSCHOOLはどのようにしてこのEPを作るに至ったのだろうか?この答えは二人とも明確に答えてくれた。

H : 名古屋で MC KHAZZの車に乗ったんですよ。それでMC KHAZZのアルバム「SNOW DOWN」のSTART ME!!を聴かせてもらって。

K : 出来上がってHIGHSCHOOLにもトラックを提供してもらってたので、聴いてもらおうと思って。

H : そしたら公園に着いてて。MC KHAZZが「ここでタイマンはったんすよ」ってぶっこんできて。

K : タイマン公園笑
 ほんとにたまたまっす笑

H : 気づいたら流れてる音楽がDIPSETに変わってた笑

好きなアーティスト、曲から話が広がって行く。

H : SNOWDOWN」があってその中の曲を(NYのBOBBY SHUMUDAのHOT NY SHIT)「HOT NIGGA」のオケでライヴでやってるの観て、熱いってなって。「SNOW DOWN」はBOOM BAP的な所もあるんで、そことの間になるような曲を作りたいと思って始めました。ライヴ映えすることを意識してる。

THE TORCHES:CHILLな要素もあるよね。現行のCHILL。今のLAとNYのCHILLの間

 的確な言葉を仲間が当てはめて。みながうなずく。EPの話に自然と流れて行く。

H : DIPSETが好きなのもそういうのがあって。南部のノリ入ってるじゃないですか?(DIPSETはHARLEMだけじゃなくてSOUTH出身のメンバーもいる)

K : 自分的にはSANTANAとFABOLOUSなんですよね。設定としては。

H : ラッパー同士ってどういうこと?トラックメーカーとラッパーのアルバムなんだけど、、、!

THE TORCHES:現行のCITY SOUNDだよね。トラップでもなくまた新しいもの。

H : BPM的にトラップのように遅くなりすぎないっていうのは意識して作ってます。

K : 短期間で作ってて、レコーディング自体が一ヶ月くらいで終わってるんですよ。

H : レコーディングしたものをこっちでEDITして、名古屋でMIXとMASTERINGをしてもらってますね。

 距離がある中でのレコーディングも「YA BOY」はスムーズに進める。「YA BOY」だから合流したくもなる。EP収録のHIGHSCHOOLのラッパー名義であるOS3が印象的なHOOKを歌う「CLOUDIN‘ AT KITCHEN」のエピソードを話してくれた。

K : HIGHSCHOOLの家でタバコ吸う場所がキッチンなんですよ。で、キッチンで一緒にやろうってなって。 HIGHSCHOOLの家のキッチンで炊くっていうそのままの曲なんですよね。

H : あれ、ERAくんに機材持ってきてもらって自宅でレコーディングしてるんですよ。MAX B(DIPSETのメンバーで現在超長期間で刑務所に収監中のOGラッパー)を意識してます。今も突っ込まれたっすけど、MAX Bって言うと全員違うと言われるんで違うかもしれないですね笑

 PVになっている「WHITE GIRL」は分かりやすい。かもしれない。

K : 綺麗な表現です。わかってますよ笑 露骨な表現というか、、、笑

H : 最近良くある誇示する感じではないんですよね、、、答えにくい笑 汚らしくはないと思います。

K : なるべくクールな表現をしたいっていうのはあるんすよね。$NOWPY…ユーザーラップ!

 それぞれの1stアルバムは「YA BOY」が親交の深い地域から集結した作品に対して今作はトラック、ラップ共にゲストはいるものの1ON1を意識した作品だと2人が口を揃えて言う。どんなシュチュエーションで聴くのがオススメだろう?

H : 車で聴いてほしいですね。

K : 夜ですね。春夏の夜の週末というか、

H : 首都高の湾岸ですかね。お台場ら辺。その先行くといつも混んでる所あるから。

K : 名古屋高速。環状ラインですね。

 違う街でも共有できるシュチュエーションに話は仲間を巻き込みながら盛り上がって行く。トピックを変えながら、回っていく。自然とEPリリース後の話へと進んで行く。

H&K:ツアーをやりたい。お誘い待ってます。

各地の「YA BOY」に未来の「YA BOY」が待っている。HIP HOPの重要なメッセージである「UNITY」が「YA BOY」達が遊んでる光景を見て伝わる日が色濃く盛り場に浮かんだ。

MC KHAZZ live at UNIT


MC KHAZZ x DJ HIGHSCHOOL (MC カズ xDJ ハイスクール)
I'M YA BOY E.P (アイム・ヤ・ボーイ・EP)
RCSLUM RECORDINGS RCSRC017

CD (国内盤)
1,800 円(税抜) + 税

R+R=Now - ele-king

You can't help it. An artist's duty, as far as I'm concerned, is to reflect the times.
by Nina Simone

 「時代を反映させることはアーティストの責務である」とは、女性ジャズ・ピアニストでシンガーのニーナ・シモンによる名言のひとつである。彼女自身も1960年代の公民権運動に参加し、人種差別や女性差別などと闘ってきたのだが、そうした姿勢に影響を受けたアーティストは同じ黒人女性シンガーでもエリカ・バドゥ、ローリン・ヒル、ビヨンセなどジャズ界にとどまらず多い。そして、ニーナ・シモンのこの言葉に触発されて新たなプロジェクトが始まった。「Reflect+Respond=Now」、すなわち「R+R=Now」というのがこのプロジェクトの名前で、そこに参加するのはロバート・グラスパー(キーボード、ローズ)、テラス・マーティン(サックス、ヴォコーダー、キーボード)、クリスチャン・スコット(トランペット)、デリック・ホッジ(ベース)、テイラー・マクファーリン(キーボード、エレクトロニクス)、ジャスティン・タイソン(ドラムス)の6人。ロバート、デリックはロバート・グラスパー・エクスペリメント(RGE)で長らく共に活動しており、エスペランサ・スポルディングのアルバムにも参加してきたジャスティンは、最近になってそのRGEに加わったばかり。テイラーはジャズ・シンガーのボビー・マクファーリンの息子で、ヒューマン・ビートボクサー兼トラック・メイカーとして知られる。彼のアルバム『アーリー・ライザー』(2014年)にはロバートも参加したという間柄だ。ケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』(2015年)の共同プロデュースで名をあげたテラスは、学生時代からロバートとは知り合いで、彼のソロ・アルバムにもロバートはたびたびゲスト参加している。ロバートにとってLAシーンの橋渡しとも言える存在だ。クリスチャンはニューオーリンズ出身で、昨年はジャズ生誕100周年にちなんだ『ルーラー・レベル』『ディアスポラ』『ザ・エマンシペーション・プロクラスティネーション』という3部作を発表した。作品に政治・社会的なメッセージを持ち込むことがしばしばあり、トム・ヨークのアトムズ・フォー・ピースやXクランのツアーにも参加するなど、ジャズ・ミュージシャンでありながらオルタナティヴな活動も行っている。

 こうした面々が一同に集まったのは、昨年開催されたSXSWフェスティヴァルのこと。そのときのロバート・グラスパー&フレンズという名前のセッションが発展し、R+R=Nowへと繋がっていった。ロバートは2015年にニーナ・シモンのトリビュート・アルバム『ニーナ・リヴィジティッド』をプロデュースしており、そこにはローリン・ヒル、コモン、メアリー・J・ブライジなどが参加して、ジャスティンもドラムを叩いていたのだが、そうした流れが本プロジェクト名に繋がっているとも言える。また、昨秋から今年にかけてロバート、コモン、カリーム・リギンズによるオーガスト・グリーンというユニットが生まれ、「ブラック・ライヴズ・マター」にも繋がるアルバムを出していること、そしてテラスやロバートも参加した『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』から、クリスチャン・スコットによるミクスチャーな要素の高いコンテンポラリー・ジャズなど、そうした一連の動きを集約したアルバムと言えるのが『コラジカリー・スピーキング』である。6人のメンバーのほかにも、シンガー・ソングライターのゴアペレ、ムーンチャイルドの紅一点のアンバー・ナヴラン、モス・デフ改めヤシーン・ベイ、ラッパーのスターリーなどが参加している。

 サウンド面を見ると、テラス・マーティンがヴォコーダーを披露する“チェンジ・オブ・トーン”や“アウェイク・トゥ・ユー”を筆頭に、大まかにはRGEの延長線上にあるアルバムであるが、随所にクリスチャン・スコットだったり、テイラー・マクファーリンだったり、メンバーのカラーが生かされている。“チェンジ・オブ・トーン”はロバート・グラスパーのピアノ・ソロもフィーチャーされており、ロバートとテラスがプロジェクトの両輪を担っていることが伺える。ただし、中間からテイストが変わってアンビエントな展開を見せるところは、テイラー・マクファーリンのエレクトロニカ的な楽曲の要素も強いなと感じさせる。“アウェイク・トゥ・ユー”の方もメロウでアンビエントなテイストが強いのだが、サンダーキャットや〈ブレインフィーダー〉の諸作に通じるLA風味を感じさせるのは、テラスならではというところだろう。そうしたアンビエントな雰囲気を引き継いで始まる“バイ・デザイン”はインスト曲だが、全体のムードとしてはムーンチャイルドやキングあたりのジャジーなネオ・ソウルに近いかもしれない。リズム・セクションの面白さでは“レスティング・ウォリアー”があり、デリック・ホッジとジャスティン・タイソンによるスリリングな変拍子が冴える。クリスチャン・スコットのエフェクトをかけたトランペットの音色もクールで、RGEにはトランペットが無いだけに、また異なった魅力を放っているだろう。全体的にジャズ・ロック的な曲調となっているが、そんなところもクリスチャンらしいオルタナ感覚の表われである。“ニーディッド・ユー・スティル”はメロウなマナーのトラックにヴォコーダーを乗せ、途中でオマリ・ハードウィックのラップ・スタイルのヴォーカルもフィーチャーされる。この曲やスターリーをフィーチャーした“リフレクト・リプライズ”は、コモンも参加するオーガスト・グリーンに近いタイプの曲であり、ヒップホップ作品にも多く関わるテラスとグラスパーらしさが表われている。

 アルバム全体を通じてテラス・マーティンのヴォコーダーが印象に残り、“カラーズ・イン・ザ・ダーク”もそうした1曲。テラスにしろ、ロバートにしろ、1970年代後半のハービー・ハンコックからの影響が強いことを感じさせると共に、後半にかけてのジャスティンのエキサイティングなドラミングも聴きどころ。“ザ・ナイト・イン・クエスチョンズ”はグナワ音楽のようなリズムに、クリスチャンのエキゾティックなトランペットをフィーチャー。彼の次のアルバムにも収録予定の楽曲だそうだ。デリックのベース、テラスのシンセにアマンダ・シールズのラップを乗せた空間的な“ハー=ナウ”を挟み、“レスポンド”でもデリックのベースがメロディアスな旋律を奏でる。この曲はロバート抜きの演奏で、デリックのベースとクリスチャンのトランペットが主役となっている。そして、“ビーン・オン・マイ・マインド”は浮遊感に満ちたアンバー・ナヴランのヴォーカルが印象的。幻想的な音処理がされたこの曲に顕著だが、RGEやテラス、クリスチャンなどのソロ作などと『コラジカリー・スピーキング』との違いを上げるなら、本作にはアンビエントな音響空間作りの意識が強いということになるだろう。そうした点で、RGEの『ブラック・レディオ』などからまた進化し、今の新しいジャズの空気感を反映させたのが『コラジカリー・スピーキング』である。

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN 2018 - ele-king

 

OUTLOOK FESTIVAL 2018 JAPAN LAUNCH PARTY
開催日時:2018.8.10 (FRI/Before Holiday)
会場: clubasia + VUENOS (2Venue circuit ) , Tokyo  www.clubasia.jp
開催時間 : 21:00 OPEN
料金 : 前売 3,000円 / 当日 4,000円
clubasia : 東京都渋谷区円山町1-8 1F&2F
+ VUENOS : 東京都渋谷区道玄坂2-21-7 1F&B1F
TEL. 03-5458-2551

ベース・ミュージックとサウンドシステムの世界的祭典「OUTLOOK FESTIVAL」 の 「JAPAN LAUNCH PARTY」 
2018年8月10日(金/祝前) 東京 渋谷 clubasia + VUENOSの周遊4フロアー!!!
ラインナップ発表!!

毎年9月にクロアチアの半島を貸し切って開催される世界最大のベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャーのフェスティバル『Outlook Festival』
ヨーロッパで数々のフェスティヴァル・アワードを受賞する超人気フェスで毎年5万人を超えるオーディエンスが世界各地からクロアチアの半島に集まり、ローマ時代のコロシアムや城塞の遺跡、ビーチ、船上パーティといったアドリア海に面した奇跡的なロケーションで行われる巨大イベントだ。 11周年を迎える今年も既に強烈なラインナップがアナウンスされており100都市近くのクラブ・パーティーと連携し世界中でワールドツアーとして開催されるローンチ・パーティの日本版が「OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTY」である。中でも規模・クオリティ共に本場ヨーロッパまで噂が轟いているのが日本版ローンチ・パーティであり、日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結しアジア最高峰のサウンドシステムでプレイする“アジア最強の都市型ベース・ミュージック・フェス"として世界中から注目を集めている。
さらに世界中で話題沸騰中の「レッドブル・カルチャークラッシュ」の日本版とも言える「OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH」や コンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN」のファイナルラウンドも見どころであり各フロアに設置される日本屈指/最強のサウンドシステム、レーベル毎のショウケース等、普段のクラブ・イベントでは見れない企画で満載だ。2013~14年 AgeHa/Studio Coast、2015年 Sound Museum Vision、2016年には代官山 UNITビルを丸ごと使用した3フロアー、2017年より clubasia + VUENOS の2 Building 周遊 4 Floor ナイトタイムでの開催!!! 
 
サウンド システム カルチャーを牽引する世界屈指のSOUND SYSTEM『eastaudio SOUNDSYSTEM』 SOUNDSYSTEM AWARDS"Highest Sound Quality"2013年度受賞。
サウンドスラッガーやOUTLOOK JAPAN LAUNCHでその実力は実証済みの『MAXTONE HI-FI 』 BACK TO CHILLに照準を合わせたサウンドシステムとして洗練された重低音を再生するシステムとして鍛え上げられてきた『BROAD AXE SOUND SYSTEM』の 3 SOUND SYSTEM!!
  そして JP出場権をかけたコンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018」接戦となったセミファイナルを制した『savo』『kaito komori』『Nishiura』の3組がこの日、当日「FINAL ROUND」現場で決戦!! 
そして『OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH』 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ『SHORT-ARROW & NINETY-U』!!   TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなる『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!? どんなゲストアクトがステージに登場するのか!? ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦!意地とプライドを賭けた音の戦い!
全てが見逃せない夜がまたやってくる!!


:: FULL LINE UP ::
JONNY DUB (LEVELZ) from UK
PART2STYLE SOUND 
KURANAKA1945
TREKKIE TRAX CREW
PK Brako from UK
CRZKNY
RED-I from MANILA
D.J.Fulltono
食品まつり a.k.a FOODMAN
ShioriyBradshaw
DJ WILDPARTY

 ※ 以下 A to Z
Amps
CHANGSIE
FELINE
HELKTRAM & CITY1 from Back to Chill 
iSOP
Ja-ge George
K8
KEN & SATOSHI from HANGOVER
Madkosmos
maidable 
MIDNIGHT ROCK
NATURAL VYBZ
ONJUICY
SAKO
STGM
SYNDROME & MC STONE
Tribal Connection
VIBES MAFIA
Vibes Only Crew
And more!!!

[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

[ ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018 FINAL ROUND ]
savo from SHURISQUAD 
vs 
kaito komori 
vs 
Nishiura

:: SOUND SYSTEM ::
eastaudio SOUNDSYSTEM
MAXTONE Hi-Fi
BROAD AXE SOUND SYSTEM

:: FOOD ::
新宿ドゥースラー

 >>> https://outlookfestival.jp/lineup



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[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

>>> https://outlookfestival.jp/soundclash

「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる『OUTLOOK.JP SOUND CLASH』 日本を代表するベース・ミュージックの代表格3組が激突するあの熱い戦いが今年も繰り広げられる!一点モノのオリジナル・キルチューン(ダブ・プレート)をプレイしあう音楽の戦争、サウンドクラッシュ! 

 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ!!  TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなるグライムプロデューサー・デュオ『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!?どんなゲストアクトがステージに登場するのか!?ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦 全てが見逃せない夜がまたやってくる!!

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毎年恒例 OUTLOOK_JPの出演権を賭けたDJコンテスト
[ ROAD TO OUTLOOK JP 2018 FINAL ROUND ]
savo fr.SHURISQUAD vs kaito komori vs Nishiura

毎年ジャンルの壁を越えた猛者が集う異種格闘技コンテスト『ROAD TO OUTLOOK JP』 昨年のファイナリストは、首都圏/関西の実力者、ニューカマーらを抑え、 札幌、福岡 地方都市の Bass Music系パーティーでプレーする豊富な現場経験を持つDJらが勝ち上がり、 初の本祭現場での決戦をダブ・プレートを駆使した NoB が勝利! 過去のチャンピオンには、大阪のPaperkraft、Drum and Bass Producer/DJのDJ MASA、福岡在住iSOP、Back to Chill等で活動するYuittyらが名を連ねる。 本年度もセミファイナルを勝ち抜いた3組による 8/10 OUTLOOK JP 当日現場でファイナルジャッジ!!! 

最終投票結果(いいね!の数)
1位 savo fr.SHURISQUAD - 405票
2位 kaito komori - 370票
3位 Nishiura - 340票

すべての応募者、投票していただいた皆様にRespect!!
上記3組が8月10日(金/祝前)OUTLOOK JP 当日現場で開催されるファイナルに進出します!
次はファイナルの会場で皆さんのジャッジをお待ちしております!!

>>> https://outlookfestival.jp/contest

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Outlook Festival 2017 JAPAN LAUNCH PARTY PHOTO HIGHLIGHT 公開!
>>> https://outlookfestival.jp/photogallery

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Outlook Festival 2017 Highlights
>> https://youtu.be/PWSYi6vQRxg

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[ WHAT IS OUTLOOK? ]
OUTLOOK FESTIVALとは? 毎年9月にクロアチアで開催される世界最大の“ベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャー”のフェスティバルである。UKではフェスティバル・アワードなどを受賞する人気フェスで、オーディエンスが世界各地から集まり、400組以上のアクトが登場。このフェスのローンチ・パーティは、世界各国100都市近くのクラブ/パーティと連携して開催され、その中でも本場UKまで噂が轟いているのが、日本でのOUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYである。 

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYは 日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結し、アジア最高峰のサウンドシステムでプレイする、いわばアジア最強のベース・ミュージックの祭典である。さらに世界中で話題沸騰中の「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる「OUTLOOK.JP SOUNDCLASH」も見どころのひとつであり、他のクラブ・イベントでは見れない企画が満載。

KATE NV JAPAN TOUR 2018 - ele-king

うー、午前3時間の試合は生活のリズムが狂いますなー。しかし、泣いても笑っても今週までです。
で、ロシアといえば、じつは今週から来週にかけて、モスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクトKate NVが単独としては初の来日ツアーをしています。

2016年に〈Orange Milk Records〉からリリースしたファースト・アルバム『BINASU』がシンセ・ポップ傑作として各所で絶賛され、その類い稀なるセンスは現代エクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベル、 〈RVNG Intl.〉の目にとまり、契約を果たし、ぐっとミニマルなエレクトロニック~アンビエント・ミュージックへアプローチしたセカンド・アルバム『для FOR』を6月に発売予定。さらにはAngel Deradoorianとの共作でも注目を集める中、絶好のタイミングでの来日となります。

今回の来日公演では、シンセポップ的な『BINASU』セット、ミニマル〜アンビエント寄りの『RVNG』セットの両方を披露する予定です。是非ご来場ください。


https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/news/kate-nv-japan-tour-2018/





PLANCHA 10th Anniversary Vol.2

KATE NV JAPAN TOUR 2018

7/16(月・祝): 大阪 @SOCORE FACTORY (BINASU / RVNG mix set)
7/19(木): 東京 @KATA (RVNG set)
7/20(金): 東京 @KATA (BINASU set)
7/21(土): 新潟 @木揚場教会 (BINASU / RVNG mix set)



 

大阪公演
Kate NV Japan Tour 2018
Osaka Supported by POW




日程:2018年7月16日(月・祝)
時間:開演/16:00
会場:大阪 @SOCORE FACTORY [https://socorefactory.com]
料金:前売2,500円(1ドリンク込) / 当日3,000円(1ドリンク込)

LIVE:
Kate NV [BINASU / RVNG mix set]
テンテンコ
CVN

DJ:
BIOMAN
souj
miharu
POW (zico, BABY)

※チケット予約は『POW 前売り予約フォーム』からご予約が出来ます
【https://goo.gl/forms/TN3VpYTumsyQHTU42】
お名前、メールアドレス、枚数をご記入のうえ送信ボタンを押してください。

主催:POW
https://popowpowpow.tumblr.com/


 

東京公演①
Kate NV Japan Tour 2018
Tokyo Day 1 [RVNG set]



日程:2018年7月19日(木)
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿 @KATA [https://kata-gallery.net/]
料金:前売3,000円(別途1ドリンク代) / 当日3,500円(別途1ドリンク代)
(Day 2にもご来場の方は500円のキャッシュバック)

LIVE:
Kate NV [RVNG set]
dip in the pool (Special Guest)
角銅真実

DJ:
Shhhhh

主催:PLANCHA


 

東京公演②
Kate NV Japan Tour 2018
Tokyo Day 2 [BINASU set]



日程:2018年7月20日(金)
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿 @KATA [https://kata-gallery.net/]
料金:前売3,000円(別途1ドリンク代) / 当日3,500円(別途1ドリンク代)
(Day 1にもご来場の方は500円のキャッシュバック)

LIVE:
Kate NV [BINASU set]
Aya Gloomy
emamouse

DJ:
青野賢一(BEAMS RECORDS)


主催:PLANCHA


 

新潟公演

experimental room #28
Kate NV Japan Tour 2018
Niigata



日程:2018年7月21日(土)
時間:開場 17:00 / 開演 17:30
会場:木揚場教会(新潟市中央区礎町通上一ノ町1957/TEL 025-229-1870)
料金:前売 3000円/当日3500円/県外2500円/18才以下無料

LIVE:
Kate NV [BINASU / RVNG mix set]
NYANTORA
LIVING ROOM

DJ:
IXALODS

SHOP:
OOHATA COFFEE

◯前売券メール予約ご希望の方は件名を
「7/21チケット予約」としてinfo@experimentalrooms.comまでご氏名・枚数をお送り下さい。

主催:experimental rooms
https://www.experimentalrooms.com
info@experimentalrooms.com

 


KATE NV:
ロシアはモスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。また、同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらと平行してソロとしてNVを始動させ、2014年にジャパニーズ・ポップスやニュージャックスウィング、90’s R&Bなどの影響を感じさせるEP『Pink Jungle』を発表し注目を集め、同年、Red Bull Music Academy Tokyoで初来日を果たす。2016年に待望のソロ・デビュー・フル・アルバム『Binasu』を2016年にGiant ClawとSeth Graham主宰の重要レーベル、Orange Milkからファースト・アルバム『BINASU』をリリース。各所で絶賛され、世界各国をライヴで飛び回る。その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、同レーベルからセカンド・アルバム『для FOR』のリリースが決定した。

Soundcloud
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Artist: Kate NV
Title: для FOR
Cat#: ARTPL-104
Format: CD / Digital

※解説:館脇悠介
※日本のみでCD化
※ボーナス・トラック:食品まつり a.k.a foodman Remix収録

Release Date: 2018.06.15 ※日本先行発売
Price(CD): 2,000 yen + 税

ロシアはモスクワをベースに活動する才女Kate Shilonosova(ケイト・シロノソヴァ)によるソロ・プロジェクトが名義をNVからKate NVに変更し、エクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.に移籍しての新作『для FOR』を完成。

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Artist: NV
Title: Binasu
Cat#: ARTPL-081
Format: CD
解説: Dirty Dirt
※歌詞・対訳付き
※日本のみでCD化
※ボーナス・トラック2曲収録

Release Date: 2016.11.02 ※タワーレコード先行(10/19)発売
Price(CD): 1,900 yen + 税

ロシア発!ポストGrimes的シンセポップ超新星NVが遂に日本デビュー!
ボーナス・トラックにDeradoorianとの共演曲「Konicchiwaa (ft. Deradoorian)」収録!

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大阪公演出演者

 


テンテンコ:

1990年8月27日生まれ。北海道出身。身長142cm。 2013年BiSに加入し、2014年の解散とともにフリーランスとして活動を始める。 2016年にTOY’S FACTORY / MIYA TERRACEとマネージメント契約。 「90年代からの日本の”インディー霊”を全て背負っているといっても過言ではない、ヴァリエーションに富んだアヴァンギャルド表現者」と人は彼女を評し、オーバーグランドとアンダーグランドを自由に行き来し、朝から真夜中まで型にはまらない聖域なき活動を行っている。

WEB : https://tentenko.com
Twitter : https://twitter.com/tentenko_ooo?lang=ja
Blog : https://tentenko142.blogspot.com

 


CVN:

Grey Matter Archives主宰

Orange Milk, Where To Now?, Angoisse, CNDMM, Solitude Solutionsなどから作品をリリース

https://greymatterarchives.club/
Soundcloud : https://soundcloud.com/cvntrack

 


BIOMAN:

奈良県出身、大阪市在住。DJ、デザイナー、イラストレーター。音楽関係を中心にデザイン及びアートワークを多数手掛ける。DJではアートプログラムからクラブイベントまで幅広い分野に出演。DJ集団、風工房’98の一員でもある。所属する“青春ビザールディスコバンド”neco眠るではシンセサイザーを担当、2014年に発売された2ndアルバム『BOY』ではメインコンポーザー及びジャケットデザイン・ディレクションを務める。2015年にはイラストレーターの沖真秀との二人展「赤ちあん」を開催。

BIOMAN info : https://bio-man.net
Soundcloud : https://soundcloud.com/bio_man
Facebook : https://www.facebook.com/bio.man.37

 


souj:

dark jinja主宰

Soundcloud : https://soundcloud.com/user-656605415

 


miharu:

京都市在住20歳。幼少期より音楽に親しむ。高校生の時に作った和モノセレクト集「和モノ high school mellow」や「日本メロウ大学」がネットレーベルAno(t)raksより配信。現在は「Light Mellow West」「木菟燈籠」「City」等に出演し、関西を中心に活動している。

Twitter : https://twitter.com/rinpa1120 

 

東京公演①出演者

 


dip in the pool:

1983年に作/編曲を担当する木村達司(track)と、作詞担当の甲田益也子(vo)が結成したデュオ。独特の音楽センスとファッショナブルなヴィジュアルが話題を呼び、86年にイギリスはROUGH TRADEよりデビュー。国内では86年MOON RECORD(現在はワーナーミュージック内のレーベル)よりデビューアルバムをリリース。過去にレコーディング参加したミュージシャンは、佐久間正英、清水靖晃,、窪田晴男、富家哲、トニー・レヴィン、ミノ・シネル、モーガン・フィッシャー、ピーター・シェラー(アンビシャス・ラバーズ)、といった個性豊かな実力者ばかりであった。
マイペースな活動と並行して、甲田益也子が89年に映画『ファンシイダンス』で役者としてもデビューし、映画『白痴』では主演をつとめた。木村達司は他アーティストのプローデュース、アレンジやCM、映画音楽制作等、個々の活動も多彩に展開している。
一時期の活動休止を経て2011年に本格的に再始動、14年ぶりになるアルバム「brown eyes」をリリース。
2013年には木村達司がモーガン・フィッシャー、安田寿之と共にアンビエント・エレクトロニカ・アルバム「Portmanteau」をリリース。甲田益也子がゲストボーカルとして4曲参加している。
2015年1月に伊藤ゴロー、古川初穂らをゲストに迎えた10枚目のアルバム『HIGHWIRE WALKER』をリリース。
2016年にアムステルダムに本拠を置き世界中に多くのファンを擁する復刻レコード専門レーベルMusic From Memoryから89年に発表した「On Retinae」が12 inch・シングルとしてリイシューされ世界的に再評価される。
2017年にはアメリカのアンビエント・デュオVisible Cloaksからの依頼を受けシングルを共作リリースし、来日イベントでは共演も果たしている。
2018年6月には初のオーストラリア・ツアーを行う。

https://dipinthepool.com

 
photo by Tatsuya Hirota
角銅真実:

音楽家 打楽器奏者
マリンバをはじめとする色々な打楽器、自身の声、身の回りの気になるあらゆるものを用いて、インスタレーションやアートプロジェクトでの制作、ダンスや映像作品、CMへの楽曲提供、制作など作家としての自由な表現活動を国内外で展開中。
2017年Basic functionより初のソロアルバム”時間の上に夢が飛んでいる”を発表。ドラマーの石若駿のEP”Song book1,2”ともに歌詞と歌唱で参加。
また、2016年よりバンドceroのパーカッション・コーラスでのライブサポートやアルバム制作に関わるほか、
2018年ポーランド ワルシャワ のKrolikarnia 美術館で展示されたインスタレーション形式の映画、Square/Karolina Bregla の音楽を担当した。

https://manamikakudo.wordpress.com/
https://twitter.com/kakudouma

 


Shhhhh  (El Folclore Paradox):

DJ/東京出身。オリジナルなワールドミュージック/伝統伝承の発掘活動。フロアでは民族音楽から最新の電子音楽全般を操るフリースタイル・グルーヴを発明。
13年に発表したオフィシャルミックスCD、『EL FOLCLORE PARADOX』のコンセプトを発展させた同名レーベルを2017年から始動し、南米からNicola Cruz、DJ Spaniolらを招聘。ブラジルのパーティ/アートコレクティブ集団、VoodoohopのコンピレーションLP『Voodoohop Entropia 1.5』のプロデュースなど。
dublab.jpのレギュラーや、オトナとコドモのニュー・サマー・キャンプ”NU VILLAGE”のオーガナイズチーム。
ライナーノーツ、ディスクレビューなど執筆活動やジャンルを跨いだ海外アーティストとの共演や招聘活動のサポート。
全国各地のカルト野外パーティー/奇祭からフェス。はたまた町の酒場で幅広く活動中。

https://soundcloud.com/shhhhhsunhouse
https://twitter.com/shhhhhsunhouse
https://www.facebook.com/kanekosunhouse

 

東京公演②出演者

 


Aya Gloomy:

Aya Gloomy(アヤ・グルーミー)1994年生まれ、 東京都出身。 高校生の頃から曲を作り始め、 作詞作曲アートワーク全て自身で行っている。

2017年2月、 初のデビューEP『Ennui Ground』を原宿のレコード・レーベル BIG LOVE Records の新レーベル「STBO Records」からリリースした。

2018年4月25日にファースト・アルバム『陸の孤島/RIKU NO KOTŌ』を発売。

https://twitter.com/aya_gloomy
https://soundcloud.com/ayagloomy

 


emamouse:

現代アート的電波アイドル風ハードコア調シンガー・トラックメイカー。
現実逃避で没入したゲームの世界(仮想空間)を、仮装することで現実世界とアイデンティファイしている。
つまり皮膚という設定のマスクを被って2015年よりLIVE活動を開始。自身をモチーフとしたイラストレーションや、実際には無いゲームのサウンドトラックを制作。
Psalmus Diuersae、Visual Disturbances、Gauss PDF等のレーベルから音源をリリース。
2018年、NZのトラックメイカーyeongrakの曲をRemixしたアルバムをQuantum Nativesからリリース。同作にてTiny Mix TapesのEUREKAを獲得。

https://emamouse.bandcamp.com/
https://twitter.com/emamouse

 


青野賢一(BEAMS RECORDS):

個人のソフト力を主に社外のクライアント・ワークに生かす「ビームス創造研究所」に所属するクリエイティブディレクター。音楽部門〈ビームス レコーズ〉のディレクターも務める。また、ファッション、音楽、映画、美術、食といった文化全般を横断的に論ずる文筆家としても活躍。『CREA』(文藝春秋)、『ミセス』(文化出版局)などに連載を持つ。DJとしては1987年より活動開始。現在のクラブでのレギュラーイベントは山崎真央、ANGELYUKA(水原佑果)、最高の夏と行っている「SUNDAY DISCO SESSION 日曜日が待ち遠しい!」(青山zero)。

https://twitter.com/kenichi_aono

 
 
 

新潟出演者

 


Nyantora:

ナカコーのアンビエント・プロジェクト「Nyantora」。ナカコーの中で最長キャリアのプロジェクト。2001年、「99-00」(2001年5月9日)をリリース。その後、「COSMOS」(2003年4月2日)、「夜を忘れなさい/97-03」(2006年1月27日)、「この作品はフェードインフェードアウトで構成されています 音があらわれては消えるその繰り返しただそれだけ」 (2009年12月1日)、「White EP」(2011年5月18日)、「duenn feat. Nyantora」(2012年1月12日)をリリース。そして、完全受注版「High Strangeness」(2013年10月30日)をリリースした。コンスタントにリリースをしていたものの、特にライブ活動はなかった。しかし、2014年6月にプライベートでも親交のあるduenn氏のイベントより、待望のライブ活動をスタートさせた。長きにわたり多種多様な音楽を作リ出すナカコーの、音響に精通した世界観が遂に体感できるようになった。FUJI ROCK、RISING SUN ROCK FESTIVAL、OTO TO TABIなどのフェスや、トリエンナーレ、更にはロック・アーティストとの対バンまで幅広く出演している。また、Nyantora+duennのライブ音源が日本人としては、前人未到のベルギーのエクスペリメンタル・レーベル『Entr’acte』からリリースされるなど、海外でも評価がひろがり始めている。そして2018年6月20日Nyantoraとしては、7年振りとなる全国流通版のCD「マイオリルヒト」を発売する。

KOJI NAKAMURA
KOJI NAKAMURA soundcloud
MELTINTO (JP label)
SLOWDOWN (JP label)
ENTR’ACTE (BE label)
DUENN (JP label)
NOON (JP label)
SUPAERCAR
LAMA

 


Living Room:

Tatsuya Saitoによるソロプロジェクト。主に現行のエレクトロニックミュージックに影響を受け、2015年より活動。ジャパンレーベル「Solitude Solutions」のコンピレーションアルバムに参加。DJとしても活動。

LIVING ROOM soundcloud
SOLITUDE SOLUTIONS (JP label)

 


Ixalods:

国内外の先鋭的なアーティストを招聘し、アート・エキシビションやクラブ・イベントなどを行うイベント・プロジェクト、red race riot!を主宰し、またDJとしても活動するjacob(ヤコブ)と、電子音響+映像ユニットのmikkyozとしての展示やパフォーマンス、またソロとしてもライヴやDJを行うle(レ)のふたりによるDJユニット。

RED RACE RIOT!
MIKKYOZ

Interview with JACOB
Interview with MIKKYOZ

ゲッベルスと私 - ele-king

 撮影時この物語の主人公ブルンヒルデ・ポムゼルは103歳だった、と『ゲッベルスと私』の監督のひとりであるクリスティアン・クレーネスはふりかえる。撮影は2014年に開始し2016年に映画が完成するまでのあいだ、クレーネスはじめ、ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションの4人のメンバーは2度の撮影機会に都合30時間のインタヴューを敢行した、この映画はそれらをまとめたものであり、原題を『A German Life』といい、訳すると「ドイツ人の生(活)」となるこのドキュメンタリーは極限の状況下でひとはだれしもおなじ行動をとる可能性があり、過酷であればあるほどそれはひとがひとたる条件を剥ぎとり、人口という数値のなかに裸にする、そのことを歴史上もっとも苛烈に体現したのはいうまでもなく第二次世界大戦である。ナチの宣伝相の名称を題名にした『ゲッベルスと私』の背景はいうまでもなくこの時代の第三帝国だが、いたずらにセンセーションに逃げはしない。1933年、22歳で、思想的な理由からというより生活のためにナチ党に入党し、42年にヒトラーの片腕であるヨーゼフ・ゲッベルスの秘書となったごくふつうのドイツ人女性の記憶と語りをこの映画はたよりにする。

  「第二次大戦というテーマは手垢がついたものでもあるわけです。いまさらこれか、もうすべてあきらかになったではないか、映画もテレビ番組もうんざりするほどあるじゃないか」。クレーネスの傍らにすわるフロリアン・ヴァイゲンザマーは本作の資金調達がかならずしも順調でなかったことを淡々とのべる。「スタイルとしてドキュメンタリーという方法を採る、さらに映画というメディアをもちいる、この点について理解を得るのは至難の業でした。はじめのうちはなかなか資金が集らなかった。結果からいえば、そのために強制力がかからず、自由に撮ることができたのですが」。

  結果映画は当事者だけがかもしだす息のつまる緊張感と、子どものころ昔話に耳を傾けた祖父母たちがそうだったように、私たちの目の前にことばと身ぶり、彼女の存在そのもので時間をつみあげていく。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはそれを強調するかのようにモノクロームを基調の色に選ぶ、というより画面から色彩をおいはらうことで、そこに映る老嬢は無人の地にたたずむ一本の樹木のようになる。深い皺の一本一本は年輪のようでもあり、大地から十分な養分を吸いとれず立ち枯れたようでもある。映画はほとんどの時間を彼女の語りについやす、冒頭で彼女は彼女自身にしずかに問いかける。「私のやっていることはエゴイズムなのか」と。その内省はどこからきたのか、それ以前に彼女の「やったこと」とはなにか。ポムゼルは上述のとおり、第二次大戦がはじまって3年目の1942年にゲッベルスの秘書となった。ヒトラーはすでに国家元首として第三帝国のあまねく空間にその身体を浸透させていた。ゲッベルスは総統(フューラー)の側近としてあらゆるメディアをとおしたプロパガンダで国民の内面をあやつる国家の頭脳というより感情だった。作中でポムゼルはエレガントなスーツを着こなすものごしやわらかな上司であったゲッベルスがひとたび壇上に立つと激越な扇動者に豹変したのをおののきながら回想する。秘書の職に就いてまもない1943年2月18日、ベルリンのスポーツ宮殿で、ポムゼルはゲッベルスの演説に、彼の妻マクダのすぐうしろの席で耳を傾けていた。直前のスターリングラードの攻防戦に敗れ、やがて窮迫する状況を、ゲッベルスは国民を結束させてのりきろうともくろんだ。彼らを束にするのは感情である。スポーツ宮殿のゲッベルスの、のちに総力戦演説と呼ばれるスピーチでゲッベルスはボリシェビキへの不安を最後にはユダヤ人へとむすびつける。おそらくそこには1933年、首相に任命されたヒトラーがただちにとりかかったユダヤ人の公職追放、その2年後のニュルンベルク法、さらにその3年後の1938年11月のポグローム、すなわち「Kristall-nacht(ガラスの夜)」で決定的に奈落の底へ転がり落ちていくユダヤ人政策がもとはアーリヤ民族主義とシオニズムとの相対化をふまえ仮構した合意のもとにたちあらわれたことに由来するのではないか。おそるべきオーセンティシティが裏打ちする運命のようにとどめようもない状況。ポムゼルは彼女のユダヤ人の友人であるエヴァの暮らしぶりをとおしてそのことを、皮膜一枚とおした向こうに感じながらも目を瞑りつづける、この不作為こそ彼女のいうエゴイズムの正体だとすれば、それは当時のドイツ人だれしも例外的でなかったことも、「A German Life」の原題は暗示している。

  ある日「夜明けに店を開くやいなや、どの通りの入口も武装した者たちに占められている」(カフカ「一枚の古文書」池内紀訳、白水社)のにも似た状況がふってわいたように出来するが、気づいたときに彼らは「すでに堂々と居すわって、みたところ日ごとに数がふえていく」「彼らはわれわれの言葉を解さないし、そもそも彼は言葉というものをもたぬらしい」――ユダヤ人カフカは原稿用紙数枚の掌編にこのようにしたためるが、むろんナチを意図したものではない。「しかし、外からやってくるこの死は、内から立ち現れてきた死でもある」とドゥルーズとガタリはカフカのこの小説を評していう(『アンチ・オイディプス 上』、宇野邦一訳、河出文庫)。内とは共同体の内側であるとともに個々のひとびとの内面でもあり、ハンナ・アーレントが喝破した「悪の陳腐さ」をもたぐりよせる。いやたぐりよせる必要さえない。それらはもとからそこにあったものなのだ。

 あとはほんのすこし刺激するだけでいい。ゲッベルスはポムゼルが彼の秘書になる前、すでに地ならしを終えていた。ナチはガラスの夜の一年前、37年7月にミュンヘンで「大ドイツ美術展」と「退廃美術展」と題したふたつの展覧会を開催している。前者はドイツに冠たる芸術を集めたもので後者はそれとあいいれない「狂気、厚顔無恥、無能の産物」(「退廃美術展」開催時のアドルフ・ツィーグラーの開催の辞)作品を集めておりカンディンスキー、クレー、オットー・ミュラーなどもふくんでいるこの展覧会は終戦から半世紀経った1995年、その4年前にロスで開催した企画展を再編するかたちで日本でも「芸術の危機――ヒトラーと退廃美術展」として巡回したはずだ。私はたしかこの展覧会を当時通っていた学校のそばの宮城県立美術館に、題名に惹かれてみにいったのに、展示していたのが20世紀モダニズムを代表する作品の数々であったのに衝撃を受けた。もっとなんというか、ヒエロニムス・ボス風ないしソドムとゴモラ風の人間の退廃を描いた作品がならんでいると思いきや、うきぼりになっていたのはそれらの作品を「退廃」と名づけた思考の退廃だった。とはいえそれはナチに特有のことではないし芸術の政治利用という単純な構図におさめるべきものでもない。真正性は瑕疵を認めず、ツルツルの球体のような空間から基準を満たさない者は徹底的に排除する。開戦前に多くの芸術がドイツの地を去った。むろん去ることさえかなわない無数の市民がいた。利口にふるまえる者ならのりきることもできただろうか。そのときアートや文化に携わる人間はどのような行動をとるのか。とるべきか、という教条的な正義ではなく、どのようなことが思考できるのか、私はクリスティアン・クレーネスとフロリアン・ヴァイゲンザマーに以下のように問いかけた。

 ナチは、ゲッベルスは文化を巧みに操作しました。なかでも映画は彼(ら)にとってもっとも有効なプロパガンダの道具でした。たとえばフリッツ・ラングはゲッベルスにナチ映画の制作の打診を受け、アメリカに亡命しました。『意志の勝利』や『オリンピア』を撮ったレニ・リーフェンシュタールはそのかわりをつとめたといえるかもしれません。ところが彼女はアートによる美学の追究を戦争責任と切り離し、スーザン・ソンタグもそれを1964年の『反解釈』所収の「様式(スタイル) について」などで擁護しています。映像ないしアートを制作する側の倫理についておふたりは『ゲッベルスと私』の制作をとおしてどのように考えましたか。

フロリアン 倫理については映画、ことにドキュメンタリー映画については大きな問題です。リーフェンシュタールのいう美学が優先するという言い方は一面では正しいかもしれない。ところが映画はつねにべつな面をもっています。簡単にいえば、だれのためにつくっているのか、なぜつくるのか、それがなんの役に立つのか、どういう方向を向いているのか、それも映画の重要な構成要素です。リーフェンシュタールの美学が優先するということばはポムゼルさんのことばとも重なります。

――そのとおりです。

フロリアン 自分は自分のやるべきことを追求した、と彼女は当時の彼女の行為を正当化しています。ポムゼルさんについていえば世俗的な意味での利益が優先され、モラルを越えてしまったのです。ポムゼルさんはナチの行為をみないことで利益を優先した。リーフェンシュタールの問題が大きいのは、ポムゼルさんのように秘書の立場ではなくて、積極的に働きかける映画をつくってしまった、プロパガンダの一翼を担ってしまった、それは大きな問題です。子どもがとる姿勢を考えてみれば、おわかりになると思います。子どもは父親に叱られると耳をふさぎます。叱りつける声を遮断することでそれが存在していないと考えようとします。そういうようなところがポムゼルさんにあったようにリーフェンシュタールもおなじことをしたのではないかと私は思います。

クリスティアン リーフェンシュタールの場合はいろんな意味で功績もありました。その一方で彼女がつくりあげたナチ的なスタイルは日和見主義者の行為であり、彼らに捧げたもののなかでも最悪の部類に入るものです。

――ときに私たちがそういった状況にまきこまれたとき、私たちはどのように行動できるでしょうか。おふたりはリーフェンシュタールと同じ立場に立たされたとき、それを断る勇気はありますか。

クリスティアン 正直にもうしあげて、私がそのような立場に置かれるとき、どのように行動するかわかりません。目をそむけるかもしれない。おそらくそのようなことはないであろうと自分に期待はしていますが。大事なのは映画をつくるにあたり、そのようなことがあるかもしれないと観ているひとたちにつきつけることだと思います。それにたいしてみなさんも考えてください。正解はありませんが、考えて思いをめぐらせること、自分に問うてみてください。これがいちいばん大事だと思います。

フロリアン 私もまったく同じように考えます。大切なのは自分に正直であること。かなうならただしい判断ができるよう自分自身をよく観察しなければなりません。ポムゼルさんの時代は戦争という巨大な状況がありましたが、状況はかならずしも大きなものである必要はありません。現在の自分にたいしてそれを問う、日々それを考えているかが大切なのではないでしょうか。きょうはパーティだから考えるのをやめてそっちに行こう、それもまた現実です。大きなことばかりではなく、日常の細々したところにそういった考えをおよぼすことが大切なのではないでしょうか。

 『ゲッベルスと私』をみて、最初におぼえ、みおえてからみじかくない時間がたったいまあらためて感じるのはその誠実さである。むろんショッキングな場面も少なくない。ポムゼルの語りのあいまには当時記録された幾多の映像をさしはさんでいる。ニュース映画、プロパガンダ映像ばかりではなくプライベート・フィルムもふくむ、戦時の日常を思わせる断片と目を背けたくなる凄惨な映像が背中合わせに、20世紀中葉の数年の人類史においても特異というほかない現実を伝えてくる。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはこれらの映像をアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館所蔵のスティーヴン・スピルバーグ・フィルム&ビデオ・アーカイヴ・コレクションから未公開のものを引いてきたという。私は原稿のアップがおくれにおくれてしまったことをお詫びしつつ、公開期日もなかばをすぎ、それでもこれからこの映画をはじめて目のあたりにする、願わくは、より若い世代の方々のために、詳述は避けるが、数々のアーカイヴ映像と、昨年1月106歳でこの世を去ったブルンヒルデ・ポムゼルがのこした語りを前に、ひとはときに想像を絶する悪に手をそめる、というよりむしろ、悪において想像は逆向きに跳躍するが、逆流をのりきる術を私たちはまだ学びきっていない、そのようなことを、ナチが開発したサリンを地下鉄にまいた事件の首謀者が死刑になり、73回目の終戦の日を迎えようとしている東京のはやすぎる夏に思った。
(通訳=上田浩二)

予告編


ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションのクリスティアン・クレーネス(左)とフローリアン・ヴァンゲンザマー

Throbbing Gristle - ele-king

 去る2017年、デビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』の発売40周年を記念し、リイシュー・プロジェクトが始動したスロッビング・グリッスル。その後クリス・カーターソロ・アルバムが発表されるなど、徐々にTG熱が高まってきておりますが、ここへきてリイシュー第2弾となる3作品の発売がアナウンスされました。
 今回復刻されるのは、1980年と81年のライヴ盤2作『ヒーザン・アース』『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と、TG最後のスタジオ録音作となった1982年の『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』。いずれも紙ジャケにて、9月14日にリリースされます。

 なおその前々日、9月12日にはele-king booksよりコージー・ファニ・トゥッティの自伝『アート・セックス・ミュージック』が刊行予定。あまりにも赤裸々な内容が綴られております。こちらもお楽しみに!

スロッビング・グリッスル、リイシュー第2弾となる3作品を9/14に発売!
収録曲公開! 日本盤はHQCD仕様。

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、いまなお現在の音楽シーンのみならず、カルチャー/アート・シーンにまで絶大な影響を与え続けているスロッビング・グリッスル、彼らの伝説のカタログ3作品が9月14日に発売されることとなった。

昨年発売されたデビュー・アルバム発売40周年を記念したリイシュー第1弾は、往年のファンのみならず、現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンも巻き込んで大きな話題となった。今回はリイシュー第2弾となる。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品『ヒーザン・アース』、第1期最後のパフォーマンスを収録した『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』、そして、最後のスタジオ録音作品となった『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』の3作品が発売される。また『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』は、新たにリマスターが施され、2009年以来のCD発売となる。

今回はその中から『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』収録曲“Persuasion U.S.A.”の音源が公開された。
https://youtu.be/9tlAO-IZLwY


◆商品概要(9月14日発売/3タイトル)

■『ヒーザン・アース』(1980年発売作品)

1980年2月16日、ごく少数の招待された観客の前で演奏されたスロッビング・グリッスルによるライヴ・ドキュメンタリー作品。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品であり彼らの“遺言”として存在している作品。8Pブックレット付き紙ジャケ仕様。発売当時のライヴ音源やシングルなど全11曲収録のボーナス・ディスク付きの2枚組CD。

・タイトル:ヒーザン・アース (Heathen Earth) 2CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,650円 (税抜)
・品番:TRCP-231~232 / ・JAN:4571260588066
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2ughxcA

[amazon] https://amzn.to/2KHsZbX
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m2utir
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』(1981年発売作品)

1981年5月29日、サンフランシスコのケザー・パヴィリオンで行われた、スロッビング・グリッスル第1期最後のパフォーマンスを収録した作品。このアルバムのリリースに続いてスロッビング・グリッスルによって発表された「今回のミッションは終了した」との声明によって、このバンドの伝説がスタートし様々な世代にもその後影響を与えていくことになる。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ミッション・オブ・デッド・ソウルズ (Mission Of Dead Souls) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-233 / ・JAN:4571260588073
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KJejJx

[amazon] https://amzn.asia/9RWW7B0
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m3cgRV
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』(1982年発売作品)

1981年の3月、ローマにあるイタリア国営ラジオ局RAIのためにアート作品のひとつとしてレコーディング。
これがスタジオ録音としてはスロッビング・グリッスル最後の作品となる。レコーディングは5日間にわたって行われ、一曲を一日単位で録音していった。どのトラックもその後再録音や追加録音などされていない。それぞれ録音後すぐにトラックダウンをおこなった。全てのトラックにおいて事前の録音準備など行われずぶっつけ本番で行われ直接テープに収録されていった。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ジャーニー・スルー・ア・ボディ (Journey Through A Body) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-234 / ・JAN:4571260588080
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KYBFKv

[amazon] https://amzn.asia/eZxRp3H
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2J6bBbj
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9


◆関連作品
・スロッビング・グリッスル リイシュー第1弾3作品
https://bit.ly/2JioArF
・クリス・カーター(オリジナル・メンバー)のソロ作品
https://trafficjpn.com/news/cc/


◆スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

クリス・カーター(Chris Carter)
ピーター・クリストファーソン(Peter 'Sleazy' Christopherson / 2010年11月逝去)
コージー・ファニ・トゥッティ(Cosey Fanni Tutti)
ジェネシス・P・オリッジ(Genesis Breyer P-Orridge)

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンに絶大な影響を与え続けている伝説のバンド。バンド名は直訳すると「脈打つ軟骨」、男性器の隠語。1969年から1970年代のロンドンのアンダーグラウンドにおいて伝説となったパフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッション(Coum Transmission)を母体とし、1975年にバンドを結成。彼らのライヴは、クーム・トランスミッションから発展したパフォーミング・アートが特徴で、イギリスのタブロイド紙でも取り上げられるほど過激なパフォーマンスを繰り広げた。1977年、衝撃のデビュー作『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』を発売。その後彼らの代表作『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(3rdアルバム/1979年)を発売するなど精力的に活動をしていたが1981年に一度解散。その後、各メンバーはサイキックTVやクリス&コージーとして活動するも、2004年に再結成し2010年10月まで活動を続けた。同年11月、ピーター・クリストファーソン逝去。

2017年、デビュー・アルバム発売40周年を記念としてリイシュー第1弾3タイトルを発売し、往年のファンから現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンまで大きな話題を呼んだ。2018年9月、リイシュー第2弾3タイトルを発売。またクリス・カーターは、2018年3月にソロ・アルバム『ケミストリー・レッスンズ Vol.1』を発売。

www.throbbing-gristle.com
www.mute.com


Beach House - ele-king

 数字の「7」には、何か特別な意味がある気がするのは何故だろう。

 ラッキーセブンという、7を幸運の数字とする西洋思想は既に日本でも定着しているし、聖書の預言者アブラハムの宗教的伝統を受け継ぐとされる三宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)では、天国は7つの階層で出来ており、第七の天国(7th heaven)はその最高位といわれている。その一方で、キリスト教の西方教会、おもにカトリック教会には「七つの大罪」という用語もあるし、紀元前2世紀の書物が発祥とされる「世界の七不思議」というフレーズは、あまりにも有名だ。自然界に目を向けてみると、1週間は7日に区切られ、虹は7色で構成されており、この惑星には7つの大陸と7つの海がある。もちろん、これらは全て人間がカテゴライズしたもので、私たちは昔から「7」という数字を特別視してきたわけだ。

 映画『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』、『華麗なる賭け』などのサントラを手がけたフランスのピアニスト、ミシェル・ルグランを叔父に持つヴィクトリア・ルグランと、米国メリーランド州ボルチモア在住のアレックス・スカリーによって結成されたビーチ・ハウス。彼らが〈Sub Pop〉(英国では〈Bella Union〉)より今年5月にリリースした通算7枚目のアルバムは、その名も『7』である。彼らもまた、「7」という数字に並々ならぬ思いがあったようで、とりわけ「数秘術」における、「1と7は共通の見た目を持っているため、7はリスタートして機能する」という考え方には強い感銘を受けたようだ。2004年の結成から14年にして、クリエイティブの「7th Heaven」にいた彼らは、この7枚目のアルバム制作を機に、自らの音楽性を「リスタート」させることを決意した。もちろん、去年バンドのBサイドやレアトラックスを集めたコンピレーション・アルバム『B-Sides and Rarities』をリリースし、過去の自分たちと区切りをつけたことも、「リスタート」のよい契機となったことは言うまでもない。

 本作のレコーディングを通して辿り着くゴールを、自らの「rebirth and rejuvenation(再生と若がえり)」とするため、これまでの制作方法を2人はすべて見直した。すなわち、「ライヴでの再現性」を度外視し、必要とあらばギターやキーボードを幾重にもレイヤーするとともに、それ以外の楽器も重ねる。とくに印象的なのは、コーラスワークがこれまで以上に多重的、立体的になっていることだ。例えば“L'Inconnue”では、ルグランの声を多重録音した美しいクワイアから楽曲はスタートする。また、アルバムに先駆け2月にリリースされた、シングル曲“Lemon Glow”における反復するシンセ(?)の音や、“Black Car”でのダーク・ファンタジーの世界へと迷い込んでしまったようなエレクトロ・サウンドなど、音響的な実験も随所に散りばめられている。これまでは、費用的な問題からスタジオでの作業時間も限られていたが、今回はボルチモアにある自らのホーム・スタジオで、たっぷりと時間をかけながら曲の骨子を組み立て、その後はコネチカット州スタンフォードのCarriage House Studiosと、ロサンジェルスのPalmetto Recording Studioで最終的な仕上げを行なっている。

 およそ11ヶ月にも及ぶレコーディング・セッションは、長年のプロデューサーだったクリス・コーディーの元を離れ、代わりにソニック・ブームことピーター・ケンバーと共に行われた。ピーター・ケンバーは、スピリチュアライズドの司令塔ジェイソン・ピアーズとともに、スペースメン3を結成していた人物。現在は、ソロ・プロジェクトであるスペクトラムとしての活動をマイペースに続けながら、MGMTやパンダ・ベアー(アニマル・コレクティヴ)のプロデュースなどを行なっているUKサイケデリアの重鎮である。なおミックスダウンには、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』や、ライドの『Going Blank Again』、ナイン・インチ・ネイルズの一連のアルバムを手がけるアラン・モルダーが起用された。

 ルグランによれば本作は、「闇と対峙した時に生じる美」「集合的なトラウマが育てる共感や愛」「拒絶ではなく、受け入れることでたどり着く場所」といった、3つの大きなテーマが掲げられている。とくに、ここ1、2年の間に議論の的となった女性問題(社会的役割や、課せられるプレッシャー)は、楽曲を作る上での大きなモチヴェーションになったという。ただし、歌詞のなかでそうしたテーマやトピックを直接扱っている曲は、ほぼ見当たらない。「あなたは愛されていい 少女よ、あなたは愛されるべきなの」と歌われる“L7lnconnue”や、「脱ぐために服を着て 気を引くために鬱ぎ込む 一晩中 テレビをつけて 皆見たいのよ、私が 破滅する姿を」と綴る“Girl Of The Year”などからは、上記のニュアンスを汲み取ることもできるが、あくまでもモチーフであり聴きようによっていくらでも解釈可能だ。

 何よりも驚かされるのは、やはりサウンド・プロダクションである。バンド史上、最速といっていいかもしれないガレージ・サイケな“Dark Spring”で幕を開ける本作は、続く“Pat No Mind”で一気にギアを落とし(この繋ぎ方が最高にカッコいい)、殺伐としたスロウコアを展開する。サビの男女混成ヴォーカルや、コード進行に対するメロディの乗せ方が、どことなくピクシーズを感じさせるのも興味深い。 マイナー調の“Drunk In LA”では、クレジットによればソニック・ブームがアコーディオンで参加しているようだが、それがどのフレーズだかわからないくらい加工されている。ひなびたオルガンに導かれ、ゆっくりと始まる“Dive”は、聴き進むうちに次第に熱を帯び、最初にいた場所とはまったく違う境地へ。ダイナミックなドラミングを披露しているのは、2016年からバンドのサポートをしている元テニスのジェームス・バロン。彼を加えたアンサンブルが、本作をこれまで以上に有機的にしているのは明らかだ。

 本作中、もっとも「ビーチ・ハウスらしさ」をたたえる“Lose Your Smile”、C-F-Gのスリーコードを繰り返す90年代ギターポップ調の“Woo”などを経て、“Last Ride”で幕を閉じる。美しく、どこかオリエンタルなピアノのフレーズが徐々にテンポアップしながらカオティックな様相を呈するこの7分の大曲は、トライバルなドラミングといいヴェルヴェット・アンダーグランドの“Heroin”を思わせる。

 果たして2人は「再生」し、「若返る」ことができたのだろうか。それは、今後行われるはずの本作を提げたツアーや、本作を経て作られる新たな作品の中にも、きっと答えはあるのだろう。いずれにせよこの『7』が、ビーチ・ハウスにとってひとつの到達点であり、最高傑作であることは間違いない。

編集後記(2018年7月9日) - ele-king

 プレイという言葉には、競技をするという意味のなかに、遊ぶ、ふざけるというニュアンスも含まれている。ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』ではないけれど、遊びの要素があるからこそフットボールはスポーツとして世界中に広がったのだと思う。もっともスポーツがプロ化すると、まずは敗北しないことが優先されるので、遊びやふざけの要素は軽減されて、たとえば官僚制のようなスタイルのフットボールが横行したりする。
 そういうなかにあってブラジルは、つねに遊びの要素を保持する国だった。フットボールの母国はイングランドであるが、それをまったく別の視点で再定義したのがブラジルだった。フェイントという相手を欺くテクニックを真似ることは、ぼくは静岡出身なので、子供が遊びでやるときは、それがひとつフットボールをやるときの楽しさだったけれど、歴史的にいえばこのフェイントなるテクニック/スタイルは、社会的弱者のブラジルのアフロ・ディアスポラが支配階級からの暴力をかわすため/おちょくるために磨き上げてきたものだったと言われている。彼らはゲーム(試合)をプレイしている。そして最高潮のときのブラジルは、それはスポーツというよりもアートであり、優れたフリー・インプロヴィゼーションになるんだけれど……まあ、そんなうんちくはともかく、単純な話、見ていて楽しいのがブラジルのフットボールなのだが、そのチームがベスト8でいなくなったのは、なんとも寂しいものである。(しかも、中原仁さん監修の『21世紀ブラジル音楽ガイド』を校了したその日の晩に!)
 もっとも今回はVARという、監視カメラみたいなものが採用されたかどで、ネイマールはさんざんな非難を浴びている。マラドーナの「神の手」を繰り返さないよう、今後のW杯はこのヴィデオ装置とともに歩むことになるわけだ。
 また、いまでは南米の主要選手のほとんどがヨーロッパのエリート・リーグでプレイしていることを考えれば、政治経済と同じようにフットボールもひとつの大きな転換期をのなかにいるのだろうが、ぼくとしてはこの競技からフェイントの文化がなくならないことを祈るばかりだ。
 仕方がない。ここはマルコス・ヴァーリの「平和とフットボール」を聴こう。

Marcos Valle - Paz e Futebol

 日曜日はGonnno & MasumuraのCD発売記念ライヴが代官山ユニットであった。ヨーロッパ的なテクノのミニマリズムとアフロが再定義したドラミングとの激突、融合、混合がおよそ1時間にわたって繰り広げられたわけだが、最初はぼーっと立っていたオーディエンスも最後には踊って、良いヴァイブレーションのなかで演奏は終わった。はじまったばかりのこのプロジェクトはいまも進化の途中にあるが、その旅が楽しみの旅であることはライヴを見るとよくわかる。
 しかしなー、ついに4強入りを果たしたイングランドを報じるガーディアンの見出しに、イングランドの狂乱(delirium)という言葉があった。「デリリウム」は、レイヴ・カルチャーの時代にさんざん使い回された言葉で、クラブの名前にもなった。このままクロアチアに勝ってしまったら、ただでさえフットボールに熱狂的なイングランドはどうなっちまうんだろうか。
 ぼくが初めて見たときのW杯は、出場国がまだ24カ国の時代だった。1998年に日本が初めてW杯に出たときの放映権は、現在の100分の1だった。FIFAの強欲さはこれまでもたびたび指摘されていることだが、インターネットとスマートフォンが普及してからのW杯は、たしかになんかいままでにはない「デリリウム」を生んでいる。

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