「KING」と一致するもの

ZETTAI-MU springup 2011 - ele-king

 震災の影響でライヴのための東京行きが全部キャンセルになってしまった僕にとって、ZETTAI-MUは久しぶりに出向くイヴェントだった。ele-kingでも告知していたし、関西の読者で足を運んだひとも多いことだろうと思う。震災の直接的な影響がなかった関西も、やはり以前よりは沈みがちだと感じることが多い。そんななか、東京の〈ソナー・サウンド・トーキョー〉と連動する形で開催された今回のZETTAI-MUは、ele-kingのニュースにもあったように久しぶりに関西の僕たちが爆発できるイヴェントとして楽しみにしていた。野田ボスに「金曜日はZETTAI-MUに行ってきます!」と張り切ってメールをしたら、どういうわけか「次の原稿の締め切りは土曜日かな」と返信が来て、僕は「あれ......」と思ったものの必死で原稿を仕上げて名村造船所跡地に向かったのだった。
 それにしても寒い。毎年この時期近所の桜はだいぶ咲いているように思うのだけど、今年はようやく蕾が膨らみ始めたくらいだった。寒がりの僕は上下ともヒートテックを着込んで、どうにか凌ぐしかない。黒木メイサはヒートテックを手に入れて苦手だった東京の冬が平気になったそうだが、僕はそれでも大阪の冬ですら苦手だ。

 toeには間に合うかなーと思って会場に入ったら、すでにステージからは人が溢れていて中に入れなかった。彼らの叙情的なアンサンブルが外に漏れてくる......のを聴きながら指を加えて突っ立っているしかない。しかし思っていたよりも大勢の音楽好きが集まっていて、toeはちゃんと観られなかったけれども僕は嬉しかった。やっぱり、みんなパーティに飢えていたのだ。それに大阪はいま、忌々しいクラブ摘発の問題もある。風営法の改正を求める署名を呼びかける告知が、会場にもいくつか貼ってあった。もちろん署名も現実的なひとつの手だとは思うのだけれど、いっぽうで大阪のオウテカが「アンチEP」を出したり、あるいは大阪の!!!が「ミー・アンド・ハシモト」を出したりしないかなー、と非現実的な空想を僕はしてしまうのだった。なんにせよ、よくわからないままクラブが閉まっているのがすごく嫌だ。遊び場が知らない間に減っている。

 よく聞かれるんだ、「ダンスのどこがそんなにすごいんだ?」って
 俺にわかるわけない
 ああ、理解することもできない
 でも音楽が流れると音楽がすべてを支配する !!!"ミー・アンド・ジュリアーニ・ダウン・バイ・ザ・スクール・ヤード(ア・トゥルー・ストーリー)"

 僕は会場をウロウロすることにした。みんな寒いなか、酒を飲んだり騒いだり、すでに楽しそうだ。名村造船所跡地はなかなかゴキゲンな場所で、その名の通り跡地なのでちょっと廃墟めいた雰囲気を醸しているパーティ会場だ。かつてのレイヴのウェアハウスもこんな雰囲気だったのかな......とまた僕は妄想する。
 ステージに向かって、クラムボンのミトによるdot i/oを観る。テノリオン2台を交互に使って、煌びやかで色彩感のあるエレクトロニカを奏でてクラウドをうっとりさせる......かと思うと、突如インダストリアル風のビートが暴れもするから油断できない。90年代のIDMの遺産の最良の部分はフォー・テットだけに引き継がれているわけではないことを実感する。奔放で茶目っ気もある、しかし独特の美とエモーションが感じられる演奏だった。
 フライング・ロータスはベースのサンダーキャットとシンセのドリアン・コンセプトを従えて、ドラゴンボールのコスプレで現れた。「カーメーハーメーハー!!!」とクラウドに叫ばせて満足げ。みんな、ちょっと苦笑い。だけれども、演奏は本当にカッコ良かった。僕がこれまで観たなかでもいちばん刺激的だった。毎回自曲と他のアーティストの曲を織り交ぜながら、意外にアッパーなビートで沸かせるのだけど、今回はベースとシンセの(たぶん)即興の絡みがあるからとにかく有機的で、ファンキー。テンポが上下しても一貫してグルーヴィー、すごくブラックな感触だ。サンダーキャット、歌うし。かなりレイヴィーな展開もあり、当然ヒップホップもあり。フライ・ローはライヴのとき、いつも機嫌良くクラウドを煽ってみせる。ああ、いいパーティの雰囲気ってこういうのやな......と僕はちょっと泣きそうになってしまったのだった。恒例のレディオヘッドの"イディオテック"使いもあくまでコズミックに、大胆にやってのける。歓声が上がる。僕はヒートテックが暑くてたまらなくなってしまった。

 フライング・ロータスの後、DJをやっている友だちに会って乾杯する。彼はタイラー・ザ・クリエイターが使われたことに大興奮していた。まわりはさらにひとが増えて、すっかり熱い空気が出来上がっていた。
 ステージに再び向かう。フライング・ロータスとバトルスに挟まれたオオルタイチも、そのノイジーで妙なダンスホールでダンスの勢いを止めさせていなかった。本人も、歌ったり踊ったり頑張っている。僕もニヤニヤしてしまう。近くにいた兄ちゃんが「変態やな」と褒めていた。
 バトルスは本当に大人気で、後ろからどんどん人が入ってきて前に押される。もうみんな知っているだろうが、タイヨンダイが抜けて初の日本でのライヴだ。正直心配していたが、これまでの曲はいっさいやらずに新曲だけに絞り、新たな体制でのアンサンブルを見せることに徹していたのは正解だったと思う。ハードコア譲りのハードなアンサンブルと、ファニーで奇天烈な上モノ。後者はほとんどタイヨンダイが担っていたと思っていたが、それはすでにバトルスのアイデンティティの一部になったということなのだろう。シングルになった"アイス・クリーム"がしっかりとピークを作っていた。まだ未消化な部分はかなりあるし、ヴォーカル曲がサンプリングになってしまうのは(やむを得ないとは言え)やや盛り上がりに欠けるが、3人でバトルスを続けていくという気概が感じられるライヴだった。3人での体制が完成するにはまだ時間がかかりそうだが、頑張ってほしい。

 すぐにもうひとつのステージに行くと、コード9を終わりのほうだけ少し観ることができた。ダブステップだけでなくジャングルやドラムンベース、2ステップなどをBPMをきっちり合わせず大胆に繋いでいく〈ハイパーダブ〉のボスのDJは、やっぱりクールで熱い。去年マーティンと来たときはブブゼラを吹きまくっていたが、アー写からはイメージできない陽気なおっさんぶりも僕は好きだ。マフィアと労働者の間のような、見た目も好きです。
 その後は復活したドライ&ヘヴィによる、パンツがビリビリするぶっといベースと脳味噌が麻痺するスネアの高音が奏でるダブでドロドロになり、そしてDUMMUNEにも出演していたKURANAKA1945の貫禄のダブにさらにドロドロになり、僕は結局朝まで踊り続けていた。

 ステージがふたつあったし、僕と違う過ごし方をした人も多かったと思うけれど、すれ違った人はみんな楽しそうにしていた。〈ソナー〉もきっと楽しかっただろうと思う。こんなときだからこそ......いや、パーティはいつだって必要だ。ヒートテックよりも。

■こだま和文(DUB STATION)
 3月11日、仙台へ向かっていた新幹線の中で立ち往生、真っ暗闇の車窓から見えた星空がきれいでした。 黒い雪降る空の下でも自分の活動続けます。

■松村正人
 私は学生時代、仙台に暮らした。あの街のあの街並みも浜辺も、古本屋もレコード屋もライヴハウスも喫茶店も、古い友人も昔の恋人もその親兄弟や親戚も被害を免れなかったと思うと胸を衝かれる。私にできるのは、彼らに想像を働かせ、風聞に惑わず、懸命に生活するだけである。本を読んだり、音楽を聴いたりもする。そういうと不謹慎だという人もいるだろう。被災者の心情をおもんぱかると音楽など聴いていられない、音楽では腹は膨れないとその人はいうかもしれない。しかし私の知る東北の友人たちは音楽を愛する人たちばかりだ。私は音楽は、彼らだけでなく、私たちのこの息苦しい非日常性を無化できる非日常性をもっていると思う。

■赤間マユリ
 この最大級の災害の中で、見事な団結力で乗り切ろうとしている日本を誇りに思います。地震大国、台風大国、自然の大災害と共に生きて来た中で、今迄培ってきた知恵、技術、そして日本の精神性の総大勢を発揮する時です。被災地でまだ救出されていない方、現地にいる被災者、救出、復旧作業にあたっている方たち、命を顧みずに原発の対応にあたっている方達の無事を祈るばかりです。被災に合わなかった私たちは、歯がゆいばかりですが、今は募金、節電、祈り、秩序を保ち、日常を元気に過ごす事により今後の経済活動に貢献するのが一番だと思います。この惨事が少し落ちついてから、また出来る事をそれぞれしていけば良いのだと思います。今は、皆さんそれぞれ自分の身の安全を第一に考えて、健康な身体は財産ですからそれをもって、今後役立てて頑張れば良いのだと思います。
 日本は、今回身を呈して原発の危険性を世界中に知らせました。今回の災害で、すでにドイツやスイスは原発廃止に向っています。日本のこの災害がある意味、他の国を救っていると言えます。ですから、ここは色々不便があっても頑張って乗り切りましょう。必ず乗り越えられますから。日本の底力を見せましょう! 頑張りましょうね!!

■ALEX FROM TOKYO
 日本の大切な友人や家族でもある皆さんへ、
 今回の大地震で、仙台、宮城と岩手の東北の皆さんをはじめ、心から日本の皆さんに強い思いと祈りをお届けします! 皆さんがまず無事であるように祈っています。
 今回の悲劇で、皆さんが、力強く、お互いに助け合って、冷静に、前向きに動いて一つ一つ対応していることがとても素晴らしく感じていて、本当に感動しています!
 遠くNYCから自分が力とヘルプ不足であることに対して非常にフラストレーションと怒りを感じています。こういったつらい時こそ、皆さんと一緒に居たいからです。皆さんが自分の心の奥にいつもいて、決して一人でいないことを実感してもらいたいです!
 ここ数日間はとても厳しい状況が続くと見られます。確実ではない原子力発電所と放射能の問題がとても危険で気になります。準備して下さい。愛している国である日本の状況に関してとても心配です。
 直ぐに大切な家族と友人と連絡を取り合って、一緒に集まって、頑張って、くれぐれも気を付けて下さい!
 そして、現在、海外と日本からまず具体的に出来ることは東北や被災した人達が一番必要とされる募金をすることです。
 東京のTiny VoiceProduction音楽スタジオが作成した多くの日本の音楽関係の人たちが寄付しているJustgivingでの募金グループをオススメします: https://justgiving.jp/c/1729
 どうぞ皆さんの周りで広めて下さい!
 何か僕の方で出来ることがありましたら、www.alexfromtokyo.comまでメールして下さい。
 皆さんに早く会えるの楽しみにしてます。
 頑張りましょう!

 I am YOUR japanese brother forever!
 All my love from NYC

■world's end girlfriend
 抵抗と祝福を。どんなに姿形を変えながらでもあなたの夢がいつかきっと叶いますように。

■Eccy
 気が滅入るようなニュースも多いけど、みんな負けずに、またいままでのようにPartyを楽しむことを考えましょう!!! 人を責めずにいま自分が出来ることをやろう。

■Q'HEY [MOON AGE / REBOOT]
 ボクはShin Nishimuraとともに「BPM Japan - Be Positive by Music Japan -」というプロジェクトを立ち上げ、チャリティー・コンピレーション・アルバムを作ることにしました。以下が暫定的な内容です。
・日本をはじめ、世界の有志のDJ/アーティストに楽曲を提供してもらい、コンパイルする。
・迅速かつ効果的に世界にアピールすると同時に、素早く売上を回収するために、Beatportからの発売とする(CDでは売上の回収に時間を要する)。
・レーベルが受け取る売上金は、全て東北地方太平洋沖地震の被災者への義援金として寄付する。
・寄付先は精査の上決定する。金額等は流れも透明になるよう公開する。
・Beatportにもバナー設置、メーリングリストでのピックアップ等の協力を仰ぐと共に、売上金の寄付もお願いする。
・また提供していただく曲は、アーティスト本人がコピーライトをコントロールできるものに限る。
・集まった曲数によっては、PART 2、PART 3といった形で分割でのリリースしていく。
 なお、現在までに参加を表明してくれているアーティストは以下の通りです。
※海外アーティスト
Hardfoor Planetary Assault Systems Marco Bailey Mijk van Dijk Tom Hades Loco & Jam Axel Karakasis Alex Bau Monika Kruse Toktok Thomas Schumacher Cristian Varela Redhead Dave DK Dominik Eulberg Joel Mull Jerome Sydenham Frank Muller Pascal FEOS Spektre Gabriel Ananda Steve Rachmad Housemeister DJ Hi-Shock Frank Lorber Mathew Jonson Oxia   
※日本人アーティスト
Ken Ishii A.Mochi Ko Kimura Sugiurumn OMB + Tomomi Ukumori Amiga Hideo Kobayashi Dr.Shingo Akiko Kiyama Salmon
・ダンス・ミュージックで日本を元気にしよう!

■Gold Panda
Just to say that the world is closely watching and we're all very worried here about you but sending you our love and wishes.

■三田 格
 ひと駅違いで計画停電のエリアに組み込まれ、朝になって電池を探しに行ったものの、もはやどこにも見当たらない。しばらく歩いてみたら、普段は使ったことがないスーパーマーケットがちょうど店を開け、沢山の人が詰めかけてきた。もしかして電池が......と思って僕もなかに入ってみると、人々が保存食を中心にありとあらゆるものを買い漁っている。ついでだと思って僕も少しばかり夕飯の買い物をする。そして、長蛇の列に並ぶ。僕の2人前にいたお婆さんは小さなパンとキャベツしか買っていない。それ以外のほとんどの人は商品を山のように盛り上げて列に並んでいる。この人たちはきっと自分も被災地にいるような気分にひたっているだけだろう。興奮が捻じ曲がっている。後から店に入ってきた人たちはその様子を見てパッと顔を輝かせる。興奮が興奮を呼んでいく。
 理路整然とした日本人の行動は各国から賞賛を浴びている。暴動もなければ店の打ち壊しもない。誰かをぶん殴りたい衝動にかられている人もいたかもしれないし、誘導などの不手際があれば怒りをぶつけたい人もいなかったとは思えない。しかし、メディアを見る限り、難民と化した人たちは感情さえ自由に発露させているとは思えない。耐えている。受け入れようとしている。あるいは泣き声を殺している。
 東京で食料品を買い込んでいる人たちは、それだけのことができる経済力を有している人たちなのだろう。彼らは暴動を起こしたわけではないけれど、お金に猛威を震わせることで似たようなことをしているとしか僕には見えなかった。買って、買って、買い倒していく。もう少し物資が少なければ誰かをぶん殴り、店員に怒りをぶつけだす人も出て来たに違いない。これを見て日本人の行動が各国から賞賛を浴びるとは思えない。それともレジには整然と並んでいたので、やはり賞賛されるのだろうか。彼らのなかには被災地に募金をしている人もいるだろう。心からの同情でそのようにした人もいるだろう。それとこれとは別なのだろう。多額の募金をすることも、沢山の食料品を買い込むことも、どちらも僕にはできない芸当だということでしかない。そのようなことができるように僕はいままで鍛錬を積んでこなかったと思うしかない。
 もしも自分には何もできないといって落ち込んでいる人がいたら、僕はこう言ってあげたい。何もできなくて当たり前だよと。できることがあるという人はそれだけで素晴らしいと思うけれど、何もできない人がやれることは「何もできない」と強く思うこと、そして、何もできなかった自分と生きていくことぐらい。仕方がないよ。何もできなかったことは自分だけの秘密にしておけばいいのさ。
(追記 でも、頭を使うことはできるよね。僕がひとつ考えたのは日本中の自動販売機を全部、使用禁止にすること。日本にある自動販売機をすべて動かすためには原子炉がちょうど一基分、必要だと聞いたことがあり、欧米にそれがほとんどないのは組合が労働力を守っているからだという。つまり、缶ジュースなどをすべて手売りにすることで雇用も増えるはずだし、外国で水などを買う時には何か会話をしないといけないように街中でのコミュニケーションが増えるという利点もついてくるのではないかと。考えなければいけないのはいままで自動販売機を製造していた工場などに仕事がなくなってしまうから、その人たちが代わりに何をつくったらいいかを考えること。それは次の人が考えて下さい......もう計画停電の時間になってしまうから......)

■QN from SIMI LAB
冷たさを知らなければ温かさを解らない。
痛さを知らなければ安らぎを味わえない。
悲しさを知らなければ喜びを感じられない。
この震災がたくさんの人に冷たさ、痛さ、悲しさを与えたのなら、
それ以上にたくさんの人がたくさんの温かさ、安らぎ、喜びを感じれる事を祈ります。

■Brendan A. (Eskmo)
To the people of Japan, all of you are in our thoughts over here in the US. Those of us who can help are sending money and constant prayers to the families effected by the recent events. The video of you working together, staying strong and looking to the future is very inspirational to us out here.
Blessings,

■DJ WADA
 震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 亡くなられた方のご冥福を深くお祈りします。
 今私たちは大変な時期を迎えています。
 みんなの愛で新しい復興のイメージを作っていきましょう。

■DE DE MOUSE
 きっと美しい花が咲きます。

■NOBU
 日本国民が助け合い苦しみを分かち合い新しい価値観で再出発する時がきたと思います。
 みんなの気持ちひとつひとつが本当に大切なものです。そして早くみんなが笑えるように!

■EYE
 こういう状況で待ってました! とばかりに踊りだすんが不安、恐怖の類い。勘違いして、そのパーティに行かへんように。常薄氷上、謙虚失即氷裂更広。人和謝。

■Jeff Mills
 I've been to Sendai many times; it is a beautiful place and it is sad to know this is happening there. Japan has been supporting me throughout my career and I like to offer my support in return in this difficult time.
My sincere prayers go out to all those that have suffered and are affected by this natural disaster. I'm are confident that Japan will rise above and surpass this crisis. Stay strong.
 「仙台には何度か(プレイしに)行ったことがあります。美しい街なのに、このような被害にあって残念です。日本の人たちは僕のキャリアを通してずっと僕を応援してくれています。今度はこの大変なときに僕ができるかぎりのサポートをお返ししたい。今回の震災で被害にあったすべての方たちに心からお見舞い申し上げます。日本はこの危機を乗り越えて復活していくと信じています。Stay Strong」

■PUNPEE
 今、日本中が不安の下で暮らしていると思います。でもそれでネガティヴになれば不安は大きくなるばかりです。自分に出来ることを考えて前向きに今、かんじてる気持ちは一生忘れずにポジティヴに。
 あと被災者の方々や周りの友達を心配におもうのはもちろんです。ですが自分のからだにもあまり無理はしないでくださいね。
 自分は音楽に人生を助けられてきました。なのでそれを使って不安な人を元気にさせられたらと思うっす。

■水越真紀
 3月11日の夜、あたしはひとりで都心を歩いていた。
 外国のメディアでは日本人の節度や道徳心やらが賞賛されていて、テレビや新聞は誇らしげにそれを紹介しているけれど、あの夜同じ道を歩いていた人たちからは、たくさんの外国語が聞こえていた。むしろ元気に話しながら歩いてる人達の言葉の多くは外国語だった。賞賛あるいは驚きは、「日本人」ではなくて、これだけたくさんのいろんな人達が暮らしていて、私も住んでいるこの社会に対してのものなのだと、街にいる人達は知ってる。新橋から本駒込まで。全然たいした距離を歩いたわけではなかったけれど、歩いている最中も歩き終わってからも、たくさんの職業的使命感や見知らぬ言葉で笑う声や人間的な思いやりに、心細く歩いていた私は助けてもらってた。
 翌日家についてから、「なにもできない」という思いがたくさん呟かれてるのを見た、聞いた。「なにもできない」「なにもできない」――助けてもらった私の中にも繰り返し渦巻いてた。そして繰り返すうち、「なにもできない」は「なにかをしたい」と同じ意味だって分かってくる。
 「なにもできない」から弾ける「なにかをしたい」があちこちで飛び跳ね始めてる。「したい」という欲望こそ生きる力だ。そして「できない」という苦しみはその卵たちだ。
 不安はたくさんあるけれど、みんなできっと生き残ろう。「できない」と「したい」を行ったり来たりしながら。きっと生き残って、助けてもらったことを誰かに話したいと思っている。

■Mad Mike 040 UR
In times of great trouble and despair when i need my spirit lifted i listen to Marvin Gaye & Tammi Terrel "Aint no Mountain high Enough" this music gives me the strength to carry on. Find your favorite song and ask it for the strength to carry on and realize the true power of music. It will when everything else cant.
also this is a quote from Electrifying Mojo that i use all the time for trouble times!! "When you feel you are nearing the end of your rope, dont slide off, just tie a knot and hang on. And remember aint nobody bad like you!!!" *wisdom for survival taken from "The Mental Machine" Electrifying Mojo
 とてつもない困難と絶望に直面する時、オレは自分を元気づけるために、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルが唄う「エイン・ノー・マウンテン・ハイ・エナフ(越えられない山はない)」を聴く。この曲が、オレに、前を向いて進み続ける力をくれる。ぜひ、みんなも、自分自身を鼓舞してくれる音楽を見つけてください。そして、他の何物にも代え難い、音楽の素晴らしい力に気付いてください。
 そして、これは自分がつらいときに助けてもらっている一節、敬愛するエレクトリファイン・モジョの引用です。『キミを支えるロープの終わりが近くなってきた感じたときは、滑って手を離さなくてもいいように、小さくてもいいから結び目を作って、しっかり持ちこたえるんだ。そして、自分より悪い状況の奴なんかいないと(前向きに)思い出してがんばるんだ !!!』

■Chuck Gibson a.k.a Perception 041 UR/ Hitechfunk
To all my Japanese friends and families, my heart hurts with grief. Each person that has lost someone, mother, dad, son, daughter, uncle, auntie, gran, grandad etc, I'm thinking of you praying that you will find some comfort knowing that this our world is all behind you and your families. Loving prayers and healing energy to all in Japan. Words are simply not adequate enough. I will see you soon. Love.
 日本にいるすべての友人と家族のように親しく思う人々へ、今、僕の心は悲しみに溢れています。みんながそれぞれの大事な人、お母さん、お父さん、子供たち、おじさん、おばさん、おじいさん、おばあさんを亡くされたと思うといたたまれない。ただ、ただ、みんなが少しでも気持ちが安らぐように、この世界全体が、世界の人々みんなが、今、あなたたちのために祈っていることを知って欲しい。愛の祈りと、癒しの力を日本にいるみんなへ。言うのは簡単で、決して十分ではないのだろうけれど...。近く、みんなに会える日を楽しみにしています。

■ Lenny and Lawrence Burden / Octave One
To our friends and family in Japan, our love and thoughts are with you. We are hoping for better days for all of you. We shall return again to see you soon and we share our love with music again. Regards,
 日本にいる友達と家族へ、僕らの愛と心は、みんなと共ににあります。みんなに良き日々が、少しでも早く訪れますように。近い将来、きっと、みんなの元に駆けつけて、愛と音楽に溢れた時間を再び持てますように。

■Santiago Salazar / ICAN Productions.
to all the victims in Japan. My heart goes out to you. I hope and pray that  日本の被災者の皆さんへ、僕の心は、あなたたちと共にあります。皆さんの日常が、少しでも早く、元のように戻りますように。神のご加護を。

※Mad Mike 、Chuck Gibson、Octave One、Santiago Salazar からのメッセージはUnderground Galleryから転載させていただきまました。

■E-JIMA(DISC SHOP ZERO)
 みなさん、元気ですか?
 僕も不安は大きいですが、自分の子供たちに支えられながら(子供たちのなんと無邪気なことか!)、家族と日々を送っています。多くのレコード・ショップもそうでしょうが、僕のDISC SHOP ZERO(東京・下北沢)も、いくつかの商品は陳列棚から落ちたりはしたものの、大きな被害はありませんでした。現在、店はひとまず明るい時間帯はつとめて営業しようと考えています。(店頭だけでなく、通販のご注文でも)「店」という場所が、レコードを売るだけでなく、音楽を介して人と交流できる場所なんだなと、当たり前のことを強く実感して、逆に勇気づけられています。
 この週末に東京と大阪でギグをする予定だったSMITH & MIGHTYのROB SMITH a.k.a. RSDから、日本、そして東京・東北の皆さんにメッセージが届きました。彼は今、大阪にいます。 https://discshopzero.blog63.fc2.com/blog-entry-796.html
 ZEROは13時から、外が明るい時間帯は営業をしています(詳細はお問い合わせを)。もし、独りでいるのは不安だという人(僕もです)、無性に音楽を聴きたいという人はどうぞ店に足を運んでください。最新入荷は「スマイル(0円)」です。髭面の坊主のオッサンですが。
 keep Good Energy, then things Go In A Good Way....

■二木 信
 まったく言葉が浮かんでこない。なんと言えばいいのだろうか。不安と恐怖でうろたえている。どこかに逃げ出したい気持ちで、いても立ってもいられない瞬間がある。自分の弱さを痛感している。昨夜、地震が起きてからはじめて友だちと会って酒を飲んで、焼き鳥を食った(この自分が酒を飲むことすら忘れていたのだ!)。家に帰って来て、音楽を聴きながら、明け方までああでもない、こうでもないと語り明かした。久々に酔っぱらった。答えは出なかったけど、ああ、大丈夫だ、この感じだ。戻ってきた。やっと動き出せるぞ。

■長谷川賢司(gallery / 音楽実験室 新世界)
 被災された方々へ、心よりお見舞い申し上げます。

 今、ele-kingをご覧の皆様へ
 謹んでメッセージを送らせていただきます。

 音楽好きはみんなで力を合わせよう
 音楽好きが音楽からもらった
 果てしない力を伝えよう

 ライフ イズ ミュージック

 音を発し、音を感じ
 楽しい夢の続きを描いていきましょう。

 音楽があるから
 音楽とともに

■Jonny Nash (Discossession)
I am deeply shocked and saddened by recent events in Japan. My thoughts and prayers are with everyone in this difficult time.

■Chee (Discossession)
 とてつもない悲しみとやり場のない怒りで、今も頭の中はぐちゃぐ ちゃです。まともに音楽を聴く気にもならなかったけど、仕事がら 聴かないわけにもいかず。でも、いざ聴いてみると、いつもどおり 心に響いてきました。気持ちを落ち着かせてくれました。正直、今 の自分に何ができるのかよくわからないけど、自分が正しいと思っ たことをしたいと思います。被災された方々の一刻も早い救済と復 興を願っています。

■鴨田潤(イルリメ)
 被災にあわれた方々が今も被害や不安と向き合い頑張っている事や、被災地に行方不明者や家族、親戚、恋人や友人がいる人の辛さ、不安な情報ばかりが入ってきて暗くなってる人、周囲を監視する過敏な雰囲気に鬱屈している人、様々な人の心身を考えると頭がいっぱいになり悲しくなりますが、いやいや被害の少なかった自分がそんな事でどうするんだ、だからこそやらなきゃいけ無い事があるやろ、と奮いたたせながら今これを書いています。
 95年1月17日の阪神淡路大震災で被害にあった街が復興される過程や「がんばろう神戸」とスローガンを掲げて再び同じ場所で生活するんだと生きる姿に励まされた自分はこのカクバリズムのこれからと共に、被災地と長く向きあう事が出来れば思います。勿論個人で出来る事もしていこうと思ってるので皆さん頑張って下さい!
 ほとんど毎日聴いていた曲が今、聴けない事態になり、そういえばと探して聴くと改めていいじゃないかと思ってる曲「ウキウキWACHING」それがまた何時か、何時もの様に何時もの時間で皆が、当たり前の様、聴き流せる日常が来る時、それを再び取り戻せる様、頑張りましょう!
 きっと明日はいいトモロー。
https://www.kakubarhythm.com/ysigblog/archives/...

■Kihira Naoki
 みんなのエネルギーは地震や原発よりも強し! 未来はその無害なみんなのエネルギーで作ろう。

■Monika Kruse

■タケイ・グッドマン
 世田谷区砧公園付近に暮らしています。
 各地で震えてる人、希望を信じて 救助や復旧活動にあたって下さってる勇敢な方々、胸が張り裂けそうな思いでここ砧公園から応援していますよ!
 ここから見える東名高速道路を通っておそらく北上していく数百台(!!)もの緊急救急車両達の大行列が通るたび思わず家族全 員で精一杯 無事を祈って声援を送っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 3/18_AM9:00
「ニコニコしながら街歩き運動」実施。
 さきほど早朝から ガラ縲怎骭€......となったここ世田谷/砧公園 をこの時期にあえて散歩。すれちがった近所の(別々の)お年寄り3人と世間話をしてきました。みなさんこのご時世話の種は尽きませんね。しかしさすが幾多の御苦難を乗り越えてきたご年配方しっかりしてらっしゃる。それぞれみなさんとても元気でした。でも普段はお互い会釈程度の朝の散歩ですがみんなやっぱ不安なのかな......しゃべるしゃべる。「江戸っ子の屁の突っ張り」っていうんですかね、東京の人のそういう「照れ隠し」みたいな感覚がチャーミングで好きです。安心させようとしたこっちが安心させられてしまった。
......こんな状況ならではのひとコマでした。
------------------------------------------------------------------------------
 西日本に在住の方々へ
 あなたがたひとりひとりの最大限の救済の手や心がいたるところで必要とされています。今こそ日本中の人たちが無償の愛を実らせるときです。ひとつになれれば希望の光がより早くはっきり見えてくる事だけは 間違いありません。ひとつになれれば......。
 All Together Now!

■Steve Hillage & Miquette Giraudy - System 7
We love Japan and we love the Japanese people. You have been a great inspiration to us for many years and you are a great inspiration to us now in the way you are dealing with extraordinary crisis. We give you our maximum positivity and support 竏驤€ with special wishes to our Japanese friends and family. Please keep strong.

■G.RINA
 被災地で力を尽くしているひと、苦難に耐えているひと、かわらぬ日常を歩もうとしているひと。哀しみや無力感、それを克服しようとすること。この日々にもたのしみをみつけていこうとすること。すべての営みが良い未来へつながるよう祈っています。
 どんな困難なときも、つねにこの美しい厳しい自然とともに歩んできたわたしたちには、わたしたちにしか創造できない未来があると思うのです。元通りの絵にはなりようがない。自然に逆らうこともできない。でも経験に学ぶこと、より住み良い世界がどんなものであるか手を携えて想像し続けることが、生きているわたしたち全員に託された仕事だと感じています。

■Likkle Mai
 今回の震災で被災された方々に慎んでお見舞い申し上げます。
 私の故郷岩手県宮古市も壊滅的な被害を受けました。
 事の甚大さを痛感し胸が締め付けられる思いです。

 しかし下を向いてばかりではいられません。
 被災地から離れた私達はもはや被害の当事者です(放射能汚染の危惧、経済的被害など)。
 覚悟を決めて責任ある行動をとる必要があります。

 私はRoots Reggaeから生きる力を与えられ、この世の本質・真理を学んだ人間。
 このような状況にこそ、より響く音楽です。
 私もRoots Reggaeのシンガーとして1人でも多くの方を支え励ましたいと思います。
 Roots Reggaeの名の下に......「諦めるな、立ち上がろう!!」

■五所純子
 絶えることなく漏電しよう、自らの躊躇と無力と想像を。
 そうしてあなたもあたしも滅びることなく。
 うろたえよう、端然と。
 生き残ろう、堂々と。

■手塚るみ子(MusicRobita主宰/プランニングプロデューサー)
 まずは今回の震災で被害に遭われた方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 あまりにショッキングな出来事が次々と起こり、その衝撃に翻弄され、心打ち砕かれ感受性と三半規管がおかしくなっています。けれどそれでも狂わずに心を強くもち、生きようとしている皆がいること。日本人であることが、何より「誇り」であり、大きな力を生み出していると思います。
 子供の頃から、父の漫画を読んで育った自分は、今あらためて『火の鳥』に描かれた人間へのメッセージを感じています。火の鳥は私たち人類の愚行を強く何度も断罪します。滅亡の果て、絶望の淵にある人間の前に現れ、さらに追い討ちをかけるように、別の次元で生きなければならない。また一歩を踏み出さねばならないことを強いるのです。「これでもまだ生きろというのか?!」と、打ちのめされた人類にとって、それは惨い仕打ちかもしれません。けれどたとえ人類が苦しもうとも、火の鳥はそうしてくり返し、新たな道へ進む機会を与えるのです。厳しいながらも、火の鳥は最後まで人類に希望をもっています。見捨てず、むしろ僅かでも期待をもっているのです。たったひとつの生命がある限り、世界は終わらない。いつの日か、やり直せることを願って、私たちを信じているのです。
 火の鳥は燃え盛る炎に身を投じて蘇ります。その身を一度焼いて、再び新たな活力に満ちた鳥となって蘇るのです。『火の鳥』の作中に、赤い炎のなかで、小さな赤い鳥が生きる悦びに溢れ、舞い踊る姿がありました。おそらく今、日本中の誰もが、心のなかに赤い小さな鳥をもち、再び目覚め踊り羽ばたく時を待っているんだと思います。そして今日は明日の為に、明日は未来の為に、くり返しくり返し、生きる。生きていきましょう。

■野田 努
 ここ数日で恐怖の対象は地震から原発へと変わった。福島原発から200キロも離れて、僕のように東京で暮らしている人でさえもその恐怖に晒されている。
 UKでは、ヒップホップ/R&Bのことをときとしてアーバン・ミュージックというタームで括る。アーバン(urban)の語源は、ラテン語のurbs(ウルブス)から来ている。ウルブスとは都城ないしは城郭都市を意味する。つまり何らかの政治的な力によって囲まれたエリア。すなわちアーバン・ミュージックとは、何らかの理由があってそこにとどまらざるをえない者たちが作る音楽。
 3月20日日曜日の夜、ele-king TV@DOMMUNEはアーバン・ミュージックを放映する予定。

■ECD
 生き残ったことへのうしろめたさに押しつぶされることのないように。

■tomad
 まだ状況は良くわからないし、把握できてない。
 だから不安になるのはしょうがない。
 けどそこから少しずつ進んでいくために
 僕らの少しの音楽が役に立つならば幸いです。

■Dave(2562)
When I saw the first images on the news last week I couldn't believe this was happening live, let alone in Japan where I had experienced another wonderful visit only two months ago, with nothing but positivity from so many sweet people I met. My thoughts are with you, I wish everyone in Japan who's going through rough times right now all strength and spirit needed to overcome this. Much love,
 先週のニュースでの映像を初めて見た時、僕はそこで起きていることを信じることが出来なかった。たった2か月前、たくさんの人と会って、みんなポジティブで素晴らしい滞在をしたばかりなのに......。いつも君たちのことを思っています。今つらい時を過ごしている日本のみんなに、この時を乗り越える力と魂を祈ります。

■Greg G(7even) & Yusaku Shigeyasu
 This earthquake brought incredible tragedy to a lot of people. Nothing compare to this but when we were in tragedy, we have been healed by power from people' gathering in great music. The more people gather, the more power. Now a lot of people are sending huge power to you. Everything is gonna be alright soon. /
 今回の地震は多くの人に信じられないほどの悲劇をもたらした。比較にもできないけど、つらい時、僕らは素晴らしい音楽を通じて集う人たちの力に何度も救われてきた。多くの人が集まれば、その力も強くなる。今、多くの人がみんなに力を送ってる。きっとすぐによくなる。

■Kuranaka 1945 (Zettai-Mu)
 昇らない太陽が無いように
 来ない春が無いように
 この雲の隙間から陽がさすのを
 踏まれても踏まれても
 上を向いて咲くタンポンポンの花のように
 待ちたいと思う

 人はそれぞれだから、全然、万人には当てはまらないけど
 今は、自分は、なるべく普段通りの生活をしようと思う

 そして、今後迎えるだろう変革の中
 既存の利権に纏わりつく奴らはこれ迄以上に必死になるだろう

 新たなギミックや巧妙な手法にも欺かれる事無く
 必要以上の欲を駆り立てられる事無く
 今抱える不満や怒りは薄れる事無く

 耳をすまし目を懲らして
 プライドを持って共存出来る
 未来を考え歩みたいと思う

 犠牲者の方々に心からの追悼の念と
 被災者の皆さまには心からのお見舞いを、
 救援救援に務められている方々の努力には深く敬意を
 京都より、心より、

■Charles/ Technasia
I am truly devastated by the event that occurred in the north east region of Japan. I shed many tears when watching those terrifying images rotating on every TV channels: desolation, chaos, which left the inhabitants of the affected areas in such emptiness and despair... My heart and thoughts go indeed first to the family and friends of the victims.

Japan has faced and overcome many tragedies throughout its history, and it will prevail over that one as well, because Japanese people are strong and stand together, and because in every tears lies hope.

■植本一子(フォトグラファー)
 私は今、子ども達と一緒に広島へ帰省している。「働けECD」には、実家に戻った事をすぐに書くべきか迷っていた。東京が混乱しているのは身をもって感じていたので、少なからず読む人に悪い影響があるのではないかと心配があった。もちろん、私達がどう思われるか不安も。帰省して次の日、石田さんがYouTubeに新曲を上げた。その曲に偽りは一つも無かった。自分が恥ずかしかった。改めて、この人とまだまだ一緒に生きていきたい、そう強く思った。

■坂井田裕紀(POPGROUP代表取締役)
 このたびは東北関東大震災により、被害に遭われた皆様には、心からお悔みならびにお見舞いを申し上げます。特に上手な文章をかける訳ではないのですが、僕/POPGROUPの思いを文章にしてみました。伝わりづらい所があるかも知れませんが、最後まで読んで頂ければ幸いです。

 3.11から色んな事を考えながらUSTREAMを見たりツイッターで最新の災害の動きを確認しながら、通常の業務をおこなっています。色々な意見/情報が飛び交う中、自分がどういう行動をとればいいのか、色んな考えがぐるぐると行ったり来たりを繰り返しています。
 とは言え、僕らは生活するのに何も問題なく元気です。食事も睡眠もしっかりとれる。そんな自分が何も行動しないのは、被災者の方々の事を何も考えていない、ただ怯えているだけだと思いました。僕は甘え過ぎ。
 過酷すぎる環境で、死を現実として覚悟する環境にいる人達の事を考えると、今僕らができる事は、音楽の力を信じて希望を持って、止まらず前に進む事しかないと思いました。

 "HOPE"
 希望を持つ事
 あきらめない事
 進む事
 止まらない事
 1人ではない事
 未来がある事
 助け合う事
 信じる事

 大変なのはこれからです。希望をもって少しづつでいいから前に進む事、決して止まらない事が微力だけど僕らのできる大切な事です。
 POPGROUPのリリースは、予定を変更する事なく下記のリリースを延期させる事なく進めます。
 3/23(水) DJ BAKU『POPGROUP Presents, KAIKOO "Human Being"』
 4/20(水) 環ROY『あっちとこっち』
 5/18(水) あらかじめ決められた恋人達へ 『CALLING』
 来週よりPOPGROUP × TOWER RECORDSの、KAIKOOの5周年を記念しての3ヶ月連続キャンペーンも開催します。こういう時にこそ、音楽の力を信じ、音楽で精神的にも経済的にも被災地の方々を助ける事ができればと思っています。
 売上げからの募金も考えております。音楽活動で生計を立てている僕らにとっても、CDのセールスの減少は避ける事のできない事実だと思っています。その為、小額の寄付にはなってしまう可能性はありますが、できる限り最大限の寄付をしようと思います。アーティスト達とも色々話しをしました。みんな前向きです。お互い助け合って止まらず進んでいく覚悟でいます。基本的にリリース日は変更しませんが、プレス業者/印刷業者/配送業者さんの被災の影響で、リリーススケジュールが遅れる可能性もあります。最新情報はオフィシャルサイトにアップしますのでご覧下さい。
 一歩一歩進めて行きましょう。出来る事からすこしづつ。続けましょう。

■坂本慎太郎
 コメント、難しいです。
 言葉にするとすべて何か違う気がして......。
 以下、昨年5月に作った歌詞ですが、今の自分の心境に一番近い気がするのでコメントの代わりに、転記させていただきます。

 「続きを」

 もう朝 夜は あっという間 あける
 さあ まだ まだ やってみよう
 今から おきる ありとあらゆる現実を
 全部見て 目に 焼き付けよう

 ただの空 ただの雲 ただの見慣れた町
 ただの路地 ただの角 すべてがなぜかまぶしい

 続きを あなたと
 続きを もっと見たい
 続きを 最後まで
 続きを 見とどけたい

 涙の 日々は たった今終わる
 さあ 来て 来て やってみよう
 今目の前の わけのわからぬ現実を
 全部そのまま 受け入れよう

 なぜか空 なぜか雲 なぜか見慣れた町
 なぜか路地 なぜか角 すべてが意味を持ち出す

 続きを あなたと
 続きを もっと見たい
 続きを 最後まで
 続きを 見とどけたい
 続きを たとえば
 続きを 悲劇でも
 続きを あ~
 続きを 目をそらさず

■ロベルト・カルロス・ラング(エプステイン/ヘラド・ネグロ)
Japan brothers and sisters. My heart goes out to you and im here if you need anything.

■七尾旅人
義援金募集のために配信サイト、
DIY HEARTSを立ち上げました。
https://www.tavito.net/
僕たち音楽家に何が出来るのか?
容易に答えは出ないでしょう。

音楽は無力です。
でも音楽は片時もここを離れません。
空気をふるわせ、存在し続けます。
一曲ごとに、一小節ごとに、一拍ごとに、一秒ごとに、
全ての皆さんへ、
絶え間ない幸運が、注ぎますように。

■Abdullah Qadim Haqq
In times of tragedy and despair, the best elements of humanity come out. Sympathy, mercy, grace and hope are all felt and shared among the people. Instead of spirits becoming dim and being blown out, they shine, becoming brighter than ever before.

May your spirit shine in the midst of this disaster.

I hope this is okay. Let me know what you think.
I hope you and your family are doing okay. Please let me know your situation.

Heiwa,

■三毛猫ホームレスから
失われたものも、我々も、生き続けるに決まってるじゃないか。此処か其処かの違いしかない。

■Hell
My heart is bleeding when i follow the news- every day.i hope that Japanese people will overcome this tragedy in the very near future.
Power to people from the land of the rising sun.
Love

■テツジ・タナカ
 とてつもない悲しみや苦労が渦巻いたこの二週間で、局面は原発と食品汚染へ。被災した福島の弟がさらに心配になる。日々、信じられない報道が繰り返されるなか、命懸けで救済している人たちに心から敬意を評します。失われたものは、もう帰ってこない。だが、祈り、希望を持ち、1日1日、今日よりも良くなる事を強く願っている。また東北にポジティヴな音楽の輪が広がるまで....。
 最後に、福島のLOUD HAILERクルーや東北のジャングリストたちへ 「JAPANESE JUNGLIST'S NEVER DIE !!!」

※disk union渋谷クラブ・ミュージック・ショップなど各店で東日本大震災の募金箱設置しております。ご来店の際は、義援金のご協力お願い申し上げます。

■掟ポルシェ
 先日、東京を離れるか家族と相談しました。自分が出した答えは、NOでした。嫁の実家の福岡は全くと言っていいほど被害がなく、我々を受け入れてくれると言ってくれています。お父さんお母さんもとても心配してくれています。でも、東京に住み続けようと決めました。何故なら、この土地を愛しているからです。生まれ育った北海道よりも長く住み続けたこの街はもう自分にとって故郷も同然で、捨て置くことなど考えられないのです。生まれ育った土地と同様に、もしかしたらそれ以上に、東京への郷土愛のようなものを持っていたことに、今回の震災で気付かされました。

 それは、今回の被災で住処を失った皆さんにとっても同じことだと思います。受けた被害が大きければ大きいほど、「この街が以前の姿を取り戻すまで離れるなんて出来ない」「この街が以前のように安全が保証されなくても住んでいたい」という気持ちになっているのではと思います。生まれ育った街が波に流され、瓦礫の山となってしまっても、捨てて出て行くことなんて出来ない。その心が意地でも復興させてやろうと人々を奮い立たせている。人間の意志の力の偉大さに涙が出ます。

 既に眼に見えない二次災害が襲ってきています。片時、いや、しばしの間、愛する土地を離れなければならないかもしれません。でも、生まれ育った町や村を愛する気持ちがあればきっとまた、戻ってくることが出来るはずです。避難生活を余儀なくされている方へ。きっとまた、戻ってこれます。人間には生き抜く力があります。きっと大丈夫です。

■湯山玲子(著述家、ディレクター)
 ツイッターを見る限り、本や映画で見知っていた、第二次世界大戦中の国民反応が、すべからく出揃ったのには驚いた。加えて、土地との抜き差しならぬ深い関係、村八分の恐怖、同調圧力など、そこを回避する生き方を選んだはずの個人も、この災害下には、それらに否応なく巻き込まれてしまうことに恐怖を感じた人も多かったのではないか。
 ひどく落ち込んだ時、悲惨な状況にあるときに、音楽が救いになる、というのは半分本当で半分は嘘。個人的にマックスだったときには、全く音楽を拒否していた耳も、今はもう普通に戻った。
 その端境期に何が心に浸みたかというと、お恥ずかしいがレゲエのロックステディとカウント・ベイシーのビッグバンド。前者はご存じあのジャンルのキモである、心臓の鼓動グルーヴの本気の効能、後者は、何というか、圧倒的に"光量"があって、「ええじゃないか、ええじゃないか」と、大音量のホーンアンサンブルに心を全身指圧されている気がしたものだった。(そして、ちょっと泣いた)
 今後の問題としては、言うまでもなく、原子力発電。
「日本は変わる」というスローガンを、観念的なものではなく、原子力発電からの離脱(すぐではなく順番でもいい)、という困難な具体でもって実現することはできないのか。経済損失を避けたいという経済評論家は、その損失の内容を示すべき。ユートピア発想やイデオロギーからではなく、もう、こっちはいろいろと体験中のリアルな問題なのだからさ。

■戸川純
 わたしは女優・歌手の戸川純という者です。
 この度の大震災における被災者の皆さん、東京にいて今のところ無事であるわたしにとって皆さんの悲しみ苦しみ不安は計り知れなく、またテレビで悪いほうへと刻々と変わり行くようなニュースを見ていると、自分がいかに非力であるかを思い知らされ、悔しいばかりです。右翼的発言と誤解されるのを恐れずに言えば、わたしは本来美しい海や森や山や畑などで彩られたこの国が大好きです。島国だから一丸になりやすいところもです。何年かかっても、またわたしの愛する、静寂も好む美しく平和なこの国は(本来、運動のような共同体意識は苦手だったのですが)一丸となって、必ずや復興を成し遂げると心から信じていますし、成し遂げなければならないと思っています。被災地の方々と被災地に対して、その他の都市部や地方の人が皆きっとそう思っていると思います。復興以前に、まずは今避難なさっている方々に、お悔やみとエールをお送りしたいです。わたしのような非力な個人でも、激しい危機感を持っています。今を乗り切ってどうか頑張ってください。わたしは、何の力もないくせにと自分が社会的なコメントをすることも、名前を出してのボランティア的なことをすることも、自分がなんだか偽善的で売名行為的なことをするようで避けてきたのですが、そんな人間でもこの度のことは「自分でも何かできないか」と思われるほど特別な重いことと受け止めているくらいだから、必ず日本中の人がなんとか力になりたいと思っているはずです。海外の各国の人たちも、今回のことでわたしたちにとてもやさしいですよ。将来的な利害関係のことを期待してとの見方もできますが、そういう意味であっても、世界にとってわたしたちの国は必要とされているのです。わたしは右翼的というより逆に、過去にこれほどインターナショナルな対象の国があっただろうかという驚きさえあるのです。被災地の皆さん、被害はこれからおさまっていくのか、今もこれからも被害がどうなっていくのか正直わたしにはさっぱりわからず、また正直わたしも地震と津波と原発についてはまだまだ不安ではあります。このように、かえって皆さんの不安を煽るようなことを言ってすみません。でもわたし自身注意を怠らないようにしているのです。皆さんもそうしていらっしゃると思いますが、体と心の健康を心よりお祈りしております。こういうコメントでよく外タレが使うわたしの苦手な締めくくりかたがあります。この度は本気と勇気を持って、その締めくくりかたをさせてください。押し付けがましく、うざかったらごめんなさい。ただの非力な個人ですが→愛してます。

■佐藤大(脚本家/ストーリーライダーズ)
 言葉をなくすというのは、こういうことなんだ。言葉で伝えられること、その無力さに打ちのめされた数週間でした。一瞬の圧倒的な力で失われた言葉。そんな時でも僕たちには音楽がありました。言葉で伝えることが難しい気持ちを音楽なら包み込んでくれる。そして物語として語るべき言葉は、まだまだずっと先にやってくるものだとも思います。そのときに力となるのは言葉。いま言葉は無力だけど、人が語ること知ること感じることでのちに大きな力となる。あの日、なくした言葉をいつの日か集めるため。言葉を使って声を出し歌うことや踊ることをあきらめないでいきたいと思います。何も遅すぎることはない。これからも日々の生活は続くのだから。

■DJ BAKU (POPGROUP)
 このたびは東北関東大震災により、被害に遭われた皆様には、心からお悔みならびにお見舞いを申し上げます。  僕は地震の1週間前に、はじめて福島のいわき市にDJで訪れました。地震発生から何日かして共演者の無事を確認しましたが、その時はいわきは避難の対象にはいっていなかったようなのですが、その後原発の避難範囲も広がり、今非常に心配です。仙台のお世話になったClub関係者、友人達とはmailですが安否を確認することができました。「みんな無事ですよ、家のないやつ続出!ですが友達の家で泊まったりしていますよー」なんていう内容ももらって思っていたよりも少し安心しました。今回の出来事は皆の人生を大きく変化させる重大な出来事だと思います。
 POPGROUPのWEBでも発表されましたが、3月中のDJ EVENT 5箇所は全てキャンセルとなりました、楽しみにしてくれていた方々には大変、申し訳ありません。EVENTの件で何人かから、連絡ももらいました、ごめんね、ありがとう数日、今何ができるのかを色々と考えましたが 僕は曲を作ることにしました。DJ KENTAROと共に様々なARTISTに声をかけているところです。完成はまだですが皆に届けばいいな、と思っています。
 様々な情報もいまだにとびかっているかと思いますが、もしも、たとえ、東京に放射能が広がっていったとしても東京で、頑張ろうと思います。気付くと、僕はあまりにも東京に思い入れがありすぎました。東京が好きだったことに気付きました。

■Dubfire (Ali Shirazinia)
My thoughts and prayers are with those who are suffering in the aftermath of the recent earthquake, tsunami and the alarming nuclear crisis which poses a potential long-term impact. The Japanese people deserve our support and financial aid so that they can begin to heal their people and rebuild their lives. They have shown such enormous hospitality on my every visit that I am compelled to return their kindness by pledging a donation, and I ask all of my peers to do what they can to help.

僕の思考と祈りは、潜在的に長きにわたり影響するであろう最近の地震、津波と切迫した核危機の余波で苦しんでいる人たちととにある。日本の人たちは、癒され、そして彼らの一生が立て直されるための援助を受けるに値する。彼らは僕が来日するたびによくしてくれたし、つねに歓迎してくれた。僕は彼らを援助し、そして彼らを助けるように僕の仲間すべてにお願いしている。

※なお、DOMMUNEでは義援金募集しています。→https://justgiving.jp/c/4443

(今後もコメントは、新しく届き次第、発表していきます)

Hype Williams - ele-king

 〈ノット・ノット・ファン〉に続いて〈メキシカン・サマー〉もダンス・レーベルをスタートさせるらしい。そのA&Rを務めるのがゲームス(OPN)で、彼らのヒット作をリリースした〈ヒッポス・イン・タンクス〉がハイプ・ウイリアムズの3作目を獲得です。なるほどです。ペース、早いです。
 ひと言でいえば、なかなかヴァージョン・アップされている。ダブというフォーマットを使ってドローンをディスコ化するという無理なトライアルのなかでは意外な成功を収めている人たちといえ、ドローンとディスコのいいところを融合させようという目的だけで共感できるし、それがなぜかダブステップとシンセ-ポップのクロスオーヴァーと表面的には似たものになってしまうところも面白い。逆に言えばドローンやディスコ・カルチャーといったジャンルにこだわりたい人たちにはスカムもいいところで、実際、サンプリング・ソースのくだらなさはその印象を倍加して伝えるところがある。A6"ドラゴン・スタウト"やB3"ミツビシ"などアンビエント・タイプの曲ではOPNに通じるニュー・エイジ風味も耳を引き、フリー・インプロヴァイゼイションに無理矢理ドラム・ビートを叩き込んだようなB4"ジャー"も独創的(A7"ホームグロウン"の元ネタはもしかしてマッド・マイク?)。
 ライヴなどではマスクで顔を隠し、インタヴューもほとんど受けないらしく、一応、正体不明などといわれてきたけれど、『ピッチフォーク』などではロイ・ブラント(ロイ・ンナウチ)とインガ・コープランドがその正体だと暴いている(でも、それは誰?)。クラウトロックとダブの出会いといった紹介のされ方も半分ぐらいは納得で、OPNやジェイムズ・フェラーロに対するイギリスからの回答という表現はいささかクリシェに過ぎるだろうか。もうしばらくの間、何をやっているのかよくわからない人たちであり続けて欲しいというのが正直なところではあるけれど。前作に関しては→https://www.dommune.com/ele-king/review/album/001561/

 セルジュ・ゲンズブールをアシッド・フォーク風に演奏してきたフランスのエル-Gが新たにジョー・タンツと組んだオペラ-モルトの正式デビュー・アルバムもエレクトロニクスを前面に出したせいか、ハイプ・ウイリアムズと同じくレフトフィールド・ポップへの意志を感じさせるアルバムとなった。とはいえ、全体の基調はあくまでも初期のスロッビン・グリッスルを思わせるレイジーなエレクトロニック・ポップ=プリ・インダストリアル・ミュージックで、英米の動きとはいつも多少の距離を感じさせるフランスらしい作風といえる。だらだらとして快楽の質には独特の淀みが含まれ、けっしてシャープな展開には持ち込まない。80年代前半のフランスに溢れた傾向と何ひとつ変わらず、近年、『ダーティ・スペース・ディスコ』やアレクシス・ル-タン&ジェスによる『スペース・オディティーズ』が掘り起こしつつあるライブラリー・グルーヴとも一脈で通じるものも。フランス実験の重鎮、ゲダリア・タザルテと組んでミュージック・コンクレートにも手を出すような連中なので、そんな風に聴かれたいかどうかはわからないけれど。
 チルウェイヴをダフト・パンクの影響下にある音楽だと解する僕としては、このようなオルタナティヴなヴァリエイションは次世代に向けた必要なポテンシャルとして過大に評価したい。あるいは単純に"アフリカ・ロボティカ"が好きだなー。この曲はきっとアンディ・ウェザオールを虜にするだろう。

interview with Yoshinori Sunahara - ele-king


砂原良徳 / liminal
キューンレコード E王

Amazon

 取材したのが3月10日、つまり東北地方太平洋沖地震が起きる1日前というタイミングだった。ゆえに以下に紹介する取材のやりとりは震災前の世界でおこなわれていたもの。そしてこの原稿を書いている現在(3月24日)もなお、放射性物質の漏洩は止まることを知らないようで、もっとも危険だと評判の三号機は煙をあげている......。やだなー、恐いなーと思っても、逃げ場がない。
 原発事故によっても命が奪われ、多くの人が避難を迫られ、環境汚染がはじまり、そして節電を強いられている。僕はアンプに電流を通して毎日音楽を聴いている。『リミナル』は、震災前に聴いたときも強いものを感じたが、いまも変わらずよく聴こえている。むしろより共感している。
 以下のインタヴューを読んでいただければわかるように、『リミナル』は彼にとってのおそらく最初の抽象音楽である。が、砂原良徳のディテールへの執着......いや、執念のようなものがこのアルバムに収録された8曲すべてにある。それは聴覚体験においてスリリングで、そして、決して上昇することのないこの音楽――10年ぶりにリリースされる『リミナル』のリアリティは、いまの僕にはより圧倒的な存在感をもって響いている。
 「サブリミナル」のときにも書いたが、『リミナル』は僕のなかでは、コード9やブリアルの音楽の延長線上で聴こえている。僕は薄暗い都内の駅のホームで、iPodでこの作品を繰り返し聴いた。ひっそりとした電車のなかで、あるいは灯りの消えた青山通りで聴いた。奇しくもアルバムは、2011年のサウンドトラックとなった。

『ラヴビート』の頃はあらかじめテーマがあって、イメージがあって、それに沿ってやっていったんだけど、『リミナル』に関しては社会を生きながら感じたものをダイレクトに出してみようっていう。あんま考えずに出してみようっていうね、そこがいつもと違っている部分で、そうなると自分がどういう風にどうやってやったという説明がうまくできない。

素晴らしいアルバムができたましたね。

砂原:いや、そんなことないんですけどね。まあ、いちおうできたっていうね。

いまはどんな気持ち? ほっとしている感じですか?

砂原:けっこうね、次を作りたいというのが強いですね。

なるほど。

砂原:ラヴビート』を作ったときは、次のことを考えられなかったけど、いまは次に何をやるのかってことばかり考えていますね。

そうかぁ。発売日が3月30日(注:その後、震災の影響で4月6日に延期)じゃない? それで、最初に池ちゃん(ソニーの担当者さん)から4曲入りのダイジェスト版のサンプルが送られてきたのが2月の初旬だったかな。そして、最終的な音源が送られてきたのが3月に入ってからだったでしょ。3月30日発売のCDでこのスケジュールは通常はあり得ないと思ったんだよね。舞台裏が相当にバタバタだったんじゃないかと推測したんだけど。

砂原:ハハハハ。

ギリギリまで粘っていたの?

砂原:まったくその通り。27日にあがってますから。異常だよね。

異常だよね(笑)。最初にダイジェストが来てから、わりとすぐに完成盤が来ると思っていたんだけど、けっこう時間がかかった。その間に何があったんでしょう?

砂原:『ラヴビート』のときは自分のスタジオで録音していたので、直そうと思えばすぐに直せたんだけど、今回は外のスタジオを使っていたんで、最終的に曲の足並みを揃えるのに時間がかかってしまったんだよね。

とにかく時間ギリギリまで。

砂原:それはいつもだけど。

それにしても本当にギリギリだったね。

砂原:そうだね(笑)。

このドタバタ感が、この作品の内容にも関係している?

砂原:しているね。あとね、前回の「サブリミナル」の延長線上でやっていこうと思っていたんだけど、途中から別の要素が入ってきて、別のことをはじめてしまったんだよね。それが(このスケジュールにとっては)大きかったね。

当初考えていたものとは違う方向にいった?

砂原:そうそう。

去年の夏に取材したときは、「半年以内に絶対に出る!」って断言していたからね(笑)。

砂原:だから野田さんが言った通りになったんだよ。『ラヴビート』って2001年の3月だったから、ほんとに10年後に次が出た。スゲー、予言者だよ。

あれは適当に言っただけだから。

砂原:ハハハハ。

それで『リミナル』なんだけど、俺はすごく激しいものを感じたんだよね。

砂原:そうですか。

いままでのアルバムにはまったくなかったモノを感じたんですよ。激しい何かを音楽から感じて、それにまずは驚いた。

砂原:そうですか。世のなかの切迫した感じが出たのかもしれないけど、こうしてやろうと思ったわけじゃない。ハードにしようと思った作ったわけじゃないんだけどね。自然にこうなったっていうか。

前回の取材で話したときに、物事をなるべくロジカルに捉えているように思えたんだけど、音楽を聴くとずいぶんとエモーショナルな作品だと思ったし......。

砂原:そうですか。

理詰めで作ったというよりも、エモーショナルに作ったっていう感覚が......。

砂原:『ラヴビート』の頃はあらかじめテーマがあって、イメージがあって、それに沿ってやっていったんだけど、『リミナル』に関しては社会を生きながら感じたものをダイレクトに出してみようっていう。あんま考えずに出してみようっていうね、そこがいつもと違っている部分で、そうなると自分がどういう風にどうやってやったという説明がうまくできない。だから自分でやっていることが口で説明できなくなってきてますね。だけど、説明できなきゃいけないのかというと、そうじゃないなと。自分がやっていることを何から何まで説明してしまうのは逆につまらないなって。

聴いているほうにしてみても、作者に何から何まで説明されてしまうとつまらないっていうのもあるんだよね。想像力が使えなくなるから。

砂原:そこが音楽の面白い部分でもあるからね。

[[SplitPage]]

いまの世界が問題山積みなのはわかるけど、それを解決するのに何がいちばん良い方法なのかっていうのが自分のなかではまだはっきりしないところがあるから......もちろん、争いや暴力がなくなるのが良いに決まっているんだけどね。


砂原良徳 / liminal
キューンレコード E王

Amazon

それで、聴いて思ったのは、「まりん、何を怒ってるの?」っていう。

砂原:怒ってるかな?

"ビート・イット"とか怒ってるよ。

砂原:問題意識はあるけど怒っては......いや、わからないね。自分でもそこがわかならいのかも。実は怒っているのかもしれないし。

自覚はなかったんだ?

砂原:まったくなかったね。

"フィジカル・ミュージック"についても?

砂原:社会全体の問題がどんどん山積している感じはずっとしているけどね。日本もそうだし、世界もそうだし、人類の問題がどんどん増えていってるという感じはするしね。

パブリック・エネミーやURみたいに意識していたわけじゃないんだね。

砂原:ただ、リアリズムに基づいて音を出すという意味では、デトロイトのそうした連中のことはすごい理解できるし、自分もそれはそうだと思う。

『ラヴビート』の前後は、「ファンク」ってことをよく言ってたよね。「次はファンクやりたい」とか。ファンクって表現は、怒りとも関係あるじゃない。だからね、「まりんのファンクとはこういうことだったのか」と思ったけど。

砂原:昔はファンクって、リズムが気持ちよく流れていく感じだと思っていたけど、ファンクっていびつさだと思うようになって。いびつさこそファンクじゃないかと。

いや、今回のアルバムはそれがもっとストレートに出ているよ。それが怒りというものに思えてならないんだけどね。

砂原:そうかもしれない。自分でもよくわかならないんだよね。『ラヴビート』だって最近だからね、ちゃんと聴けるようになってきたのって。でもね、『ラヴビート』のときのほうが怒ってたかもしれない。

『ラヴビート』はまだ、メロディがある。アプローチしやすいじゃん。

砂原:構造もわかりやすい。

今回はメロディやメロウネスといったものを排除しているでしょ。

砂原:してるね。

それで、ささくれ立った感覚が際だっているんだよね。

砂原:それは意識的にやったかもね。

そういう意味では『ラヴビート』の対岸に飛んだというか。

砂原:そうかもね。でも軸足は『ラヴビート』のときから変わっていないんだけどね。でも、世のなかも変わるし、自分も変わるし、そうなると表現も変わってくるよね。

それで90年代のまりんの音楽を聴き直すと......。

砂原:ぜんぜん違うでしょ。

ぜんぜん違うし......。そもそもパンクに親しんでいた過去があるわけではないでしょ?

砂原:うん。

テイク・オフ・アンド・ランディング』の頃はぜんぜん違うもんね。娯楽に徹していたし、作り方もサンプリング主体だし、ドリーミーだし。

砂原:パンクは通っていないけど、初めてアート・オブ・ノイズを聴いたときはパンク以上にパンクだと思ったけどね。ピアノをぶっ壊した感じとか、歪んだドラムとか......。

あれはアートフォームにおけるパンクでしょ。

砂原:戦略的なこともあったからね。ただ、パンクのスピリットというのは、昔から自分のなかにあったことはあったんだけどね。

だけど、パンクに対して斜に構えて見ていたほうでしょ。

砂原:まあ当時はね。

だいたいまりんはP-モデルだからね。

砂原:そうね。

でも、P-モデルはパンクだよね。

砂原:P-モデルはパンクだよ!

そうだよ(笑)。

砂原:だいたいパンクって言った瞬間に終わる。アートもそうなんだけど、言った瞬間に終わるっていうのがあると思ってて、俺が見たときにはパンクってできあがっていたから。それで直接的にパンクのほうにはいかなかったんだと思うけど。でも、スピリットは強いと思うね。だいたい電気グルーヴのなかにいたってこともあるし......あのバンドはパンキッシュだったでしょ。

石野卓球にはあるよね。

砂原:いや、瀧にもあると思うし、そういう影響はあると思うね。

でも、もともとは世のなかに対して腹を立てている音楽はかっこ悪いと思っていたほうでしょ?

砂原:そんなことはない。やっぱ、ニューウェイヴってパンクの変形みたいなところがあるじゃないですか。P-モデルなんかはまったくそうだと思う。中学生のときはYMOにハマっていたんだけど、高校生ぐらいのときからじわじわとP-モデルにハマっていったんだよね。

坂本龍一の『B-2ユニット』なんかは?

砂原:あれもそうだね。ああいう感覚をYMOが取り入れたんだろうね。それを言ったら俺は『テクノデリック』や『BGM』にもパンクを感じるけどね。あと、ヤン(富田)さんにすごくパンクを感じるんだよね。そう、俺はああいうスタンスにパンクを感じることが多いかな。ギター持って、ベース持って、ドラム叩いて、Tシャツ着てジーンズ穿いてって、俺はスーツ着て、ネクタイ締めて、小型無線機を持って電車に乗り込むサラリーマンといっしょだと思ってるから(笑)。それといっしょじゃん。それよりも、俺、池田亮司にもパンクを感じるから。

『ラヴビート』以降は、とにかくこうした公の取材で社会問題について話すわけだけど、社会と音楽との関わりみたいなところでは、何か声明を出していきたいとは思わない?

砂原:いまの世界が問題山積みなのはわかるけど、それを解決するのに何がいちばん良い方法なのかっていうのが自分のなかではまだはっきりしないところがあるから......もちろん、争いや暴力がなくなるのが良いに決まっているんだけどね。

何かこう、メッセージを言うって感じではない?

砂原:そういう感じではない。それを言うことで、どこかにしわ寄せが来るのが嫌だし。

[[SplitPage]]

あれはメッセージはメッセージなんだけど、あのなかに出ているCO2がどうたらこうたらとか、ああいうの、俺、CO2を無くしたいからああいうこと言ってるわけじゃないのね。CO2が環境にどれだけ悪いのかという証明を誰かが出したのか、これは我々は騙されているんじゃないのかという、そういう投げかけなんだよね。


砂原良徳 / liminal
キューンレコード E王

Amazon

"サブリミナル"のPVを見たけど、あれすごいじゃない。レディオヘッドみたいだと思ったよ。

砂原:あれはメッセージはメッセージなんだけど、あのなかに出ているCO2がどうたらこうたらとか、ああいうの、俺、CO2を無くしたいからああいうこと言ってるわけじゃないのね。CO2が環境にどれだけ悪いのかという証明を誰かが出したのか、これは我々は騙されているんじゃないのかという、そういう投げかけなんだよね。

CO2に限らず、グローバリゼーションの問題とか、資本主義経済の問題とか、いろいろな数字を地図にダブらせて、暗示させているよね。

砂原:そう、いろいろ出している。あれはけっこう踏み込んでやっているから。

あれは何?

砂原:あれはプロテストというわけでじゃない。「こういう情報とどうやってつき合っているんだ?」っていう問いかけだよ。まあ、時間が経ったから言うけど、「CO2を無くしていきましょう」とか、そういうことを言いたかったわけじゃなくて、「震度5でこの建物は崩壊します」と言う、しかし「その情報は本当にあっているのか?」、「怪しいヤツが来て、税金集めて、何に使われているのかわからないんじゃないのか?」、そういうことを考えて欲しいというのが意図としてあったんだよね。

惑わされるなと。

砂原:たとえば発展途上国の開発だって本当に現地の人たちのためにやっているのか利潤のためにやっているのかわからないと思うんだよね。「Win-Winの関係」って経済用語としてよく言われるじゃないですか。これをこうすることによって、お互いに利益がいくって。たとえば俺がいまここで水を飲める技術を提供してやれば、「おまえらも水が飲めるし、俺は金が儲かる」っていう。でも、「それって本当なのかな?」と思うんだよね。

なるほど。そういういま社会で公然とおこなわれていることに対する疑問符みたいなものだね。

砂原:そうだね。俺、ぜんぶ経済に取り込まれている気がするんですよね。昔だったら、家に赤ん坊がいればそれを見てくれるお婆ちゃんがいた。でも、いまはいないからそういうサービスに電話する。それで金が取られるじゃないですか。資本主義が......進化なのか退化なにかわからないけど、いろんな価値観がどんどん経済に飲み込まれてるってことです。そういうシステムに飲み込まれずに自分を成立させるのがひじょうに難しいと思うんだよね。「俺は金なんかいいよ」と言っても、そうやって生きられない。自分の価値観を持って生きていくことがより困難になってきていると思うんですよ。

それは『ラヴビート』以降、ずっと考えていることでしょ?

砂原:『ラヴビート』のときはもっと衝動的だったし、甘かったんですよ。『ラヴビート』のときのほうがはっきりモノを言えたと思うんだけど、当時の考えでいま有効ではなくなっているものも少なくないと思うんだよね。だから、『リミナル』のほうがよりはっきり言えなくなっている。

その「はっきり言えない」感じは音にもすごく出ているね。

砂原:そう、はっきりは言ってないんだけど、(実は何かを)言ってるっていうね。

去年会ったときには、「プログレみたいなアルバムになるかもしれない」って言ってたじゃない(笑)?

砂原:ちょっとはあるでしょ。ない?

正直言って、まったくないと思う。

砂原:ああ、そう(笑)!

良い意味でね。

砂原:ああ、そう。

プログレになったらどうしようかと思っていたから。

砂原:俺としてはちょっとあるんだけどね。

まあとにかく「サブリミナル」を発表した時点にあった構想からずいぶん変変更があったと。

砂原:あったね。初めて踏み込む領域があって、そこに入っていったら気がついたと思うんだよね。"サブリミナル"をリアレンジして入れようと思っていたんだけど、実際にできたらアルバムに馴染まなくてはじいちゃったんだよね。そういうことがあったりとか......、あと、アルバムのなかばの曲とか抽象的だと思うんですけど......。

はいはい、"ナチュラル"とかすごいもんね。

砂原:うん、そういうところにも出ている。自分が具体的に表現しにくくなっているんです。

そういう意味では『リミナル』はわかりづらいアルバムだよね。

砂原:そうかもね。

曲名もわかりづいらい。

砂原:そう。

わかりやすくしようとは思わなかったの?

砂原:わかりやすくできるんだったらしたほうがいいと思うけど、ただ、わかりやすくすることで......たとえば『ラヴビート』というタイトルがあったとしたら、そのキャッチフレーズに合わせて世のなかを理想的に見ようとしたときに、どこかに副作用があったらこれはもうダメだと思うようになってしまった。それで言葉をちょっとぼかすようになってしまったんだよね。

正義というものがますます相対的になっているっていう感じ?

砂原:誰かが理想を掲げても、その理想の裏には悲しむ人がいるんじゃないかって。そういう副作用ができるようなマニフェストだったらはっきりしていないほうがいいと思うようになったんだよね。文明が物事を解決しようとして進んでいって、しかしそこには副作用が起きて、結局、堂々巡りのようになっているんじゃないかと思ったんだよ。何を解決しようと思ってもしわが寄る。それを強く感じていますね。

まりんのディスコグラフィーだけを追っていくと、『ラヴビート』で急に社会に目覚めたように見えてしまうんだけど、いまあらためて訊くと、『ラヴビート』にいたるまでに何があったんだろうか?

砂原:『サウンド・オブ・70'S』をやっているときに「変わる」ってことを強く感じたんだよね。世のなかの秩序が変わるだろうと。

あの当時、環境問題について強く話してくれたのはよく覚えているんだよね。

砂原:まあ、そういうこともあったかもしれないね。とにかく、『ラヴビート』をやっているなかで気づいたんじゃなくて、『サウンド・オブ・70'S』をやっているときに感じたことだったんだよね。「こりゃ終わりだな」と。98年ぐらいかな。

『サウンド・オブ・70'S』までは、まりんのなかで自分の音楽がエンターテイメントであることにプライドを持ってやっていたと思うんだよね。

砂原:まだ若かったし(笑)。それに90年代なかばの音楽業界はお祭り騒ぎみたいだったから。

ちょっとした黄金時代だったかもね。

砂原:そのなかにいて、気がつかなかったことがあったんだよね。だけど、いろいろやってくなかで無視できなくなってきた。あと、他の音楽からの影響もあったよね。『ラヴビート』をやる前にACOのプロデュースをしたんだけど、彼女が書いてきた曲が時代にすごくマッチしていたりとか......。ア・トライブ・コールド・クエストの『ラヴ・ムーヴメント』のような、自分にとって決定的なアルバムが出たりとか......あのアルバムを聴いたとき、自分が「変わるな」と感じていたことがそこにあるように思ったんだよね。ああ、ひょっとしたら音楽に最初に教えられたのかもしれないな。それでもっと現実を見ようと思ったのかもね。

まりんほど大きく変化を遂げたミュージシャンも珍しいと思うんだよね。

砂原:そう? 中学校のときの友だちに会うと、「おまえ、インタヴュー読んだけど、まったく変わらねぇーなー」って言われるよ(笑)。

やっぱ、でも......、昔の話になっちゃうけど、電気グルーヴ時代は、電気グルーヴのなかのまりんという役柄を引き受けていたところもあったんでしょ?

砂原:前半はとくにね。『ビタミン』以降は自然になっていったと思うけど、それまではやっぱ、勝手にそういうイメージができていて、それをなぞっていかないといけないのかなというのはあった(笑)。それまで俺、インディーズでやってきてて、それが突然、大きなステージに立って、たくさん取材を受けて、たくさん写真を撮られて、初期はすごく混乱していたからね。しかも、瀧が俺の足を持ってがーっとかふりまわしたら、それで何かが成立しちゃうから。

ハハハハ。

砂原:もう何もやらなくていいわけ(笑)。

ハハハハ。電気グルーヴはアイドルだったからね。

砂原:『ビタミン』以降は変わったけどね(笑)。やっぱあの頃はふたりの影響が大きいよ。

インパクトが強すぎるからね(笑)。話を戻すと、そういう意味では『ラヴビート』というターニングポイントがあって、それで今回の『リミナル』ではさらにまた違うところに行こうとしているってことだよね。そこに迷いはなかった? 

砂原:なかったね。むしろの次のステップに行きかけていると感じていたから。そう、だから、本当は、そう感じるよりも前に、1枚のアルバムをまとめてしまったほうがわかりやすかったのかもしれないね。けど、もう(次のステップに)行きかけているから。で、全体的にグラデーションがかかってしまってるのかな。まあ、できたばかりかだから、まだ自分でも(『リミナル』の全体像が)わからないところもあるんだよ。

なかなか客観的になれない。

砂原:何回か通して聴いたんだけど、「まだわかんねーや」っていう。

[[SplitPage]]

聴いている人が楽しめないものにしたいわけじゃないないから、もうちょっと楽しめる要素で、自分がそれを妥協しないで受け入れることができるものがあるなら、それは取り入れたいなと思うんですよ。いつもそう思ってやってます、これでもね。


砂原良徳 / liminal
キューンレコード E王

Amazon

手法的な話だけど、90年代はサンプリングという手法にこだわっていたじゃない。それを『ラヴビート』でやめてしまった。それでも『ラヴビート』にはそれまでの砂原良徳の音楽の魅力のひとつであるメロウネスがあったと思うんだよね。『リミナル』の驚きというのは、自分の音楽の魅力であるメロウな感覚をも削いだってことなんだけどね。それがすごいなと思ったんだよね。

砂原:音楽って、曲って、人から人に対するコミュニケーションじゃないですか。でもね、人が言ってることとか、個人が出すものとか、もう白々しいし、限界があるなと思ったんですよ(笑)。それを考えたときに「音楽のはじまりってどうだったのかな?」、「人から人に向けたものが音楽のはじまりだったのかな?」と、「いや、そうじゃないだろう」と思ったんだよね。風の音を聞いてなんかいいなと思ったり、波の音を聞いてなんかいいなと思ったり、あるいは動物の鳴き声であったりとか、そういうものが音楽のはじまりなんじゃないかと思ったんだよね。で、風の音や波の音のような意識的なものではない要素を自分の音楽に取り入れたいと思ったんだよね。でも、意識的に取り入れないと音楽にならない。で、意識と無意識のグラデーションとか考えているうちに、メロディとかそういう人が作ったものではない領域に踏み込みたいと思ったんだよね。それがメロディが少なくなった理由です。

ふーん、すごい話だなぁ(笑)。まあ、とにかく削ぎ落とそうと思ったわけではないんだね。

砂原:違う。削ぎ落とそうというのは、基本的に毎回やっていることだし。そうではなくて、もっと無意識の音というか。

ただ、まりんの音楽はエレクトロニック・ミュージックであり、そういった風や波の音とは違う次元の音じゃない。

砂原:いや、でも、突き詰めていくと、意外と近かったりするかもしれないんだよね。たとえばコンピュータで乱数的なプログラムを作って音を鳴らすと、風鈴の音と近かったりとか、つまり次にどういう風に鳴るのかっていうことが予測できない。そういうことはコンピュータでも作り出せるから。

もともとまりんの音楽は、良い意味でサーヴィス精神に溢れていたと思うのね。腕の良いコックが......

砂原:気の効いた料理を(笑)。

そう、気の効いた料理を、見た目も華やかにデコレーションしてテーブルまで持ってくる感じがあったんだけど、そういう観点で言っても、もう『リミナル』はその対極とも言える作品だよね。俺は、まりんの本来の資質は、アヴァンギャルドというよりもポップのほうにあると思っているんだけど、『リミナル』を作っているときに、自分のなかにあるポップの価値観みたいなものとのせめぎ合いみたいなものもあったわけでしょ?

砂原:それはあるね。

"ブルーライト"や"ボイリング・ポイント"みたいな曲はポップとは言えないと思うんだよね。

砂原:ぜんぜん言えない(笑)。

それでもこうした曲を収録しなければならなかったわけだよね。

砂原:メロディやコード、キャッチーと言われるものって、ある文化圏において前提のものとに鳴らされている音だと思うんですよ。たとえばいま日本でヒットしている音楽をアフリカ大陸で生活している人のところにもっていってもわからないかもしれない、でも、ビートは違うだろうと。ビートにはそれはないだろう。そう考えたんだよね。だから、それ以外のもの(メロディやコード)がなくなっても、それはある前提のものであって、そうではないところまで音楽を戻すって言うのかな、そういうことをしなきゃならなかったんですね。

ビートね。

砂原:そう、ビートは違うんじゃないかって。

ビートがコンセプトだっていうのはよくわかる。

砂原:コンセプトというよりも、共通言語として成立するんじゃないかと思った。

なるほど。で、ノイズが断片的に聴こえる"ナチュラル"はひとことで言えば暗い曲じゃない。

砂原:明るくはないよね。

個人的には大好きな曲だけどね。それで、"ブルーライト"~"ボイリング・ポイント"と続いて、"ビート・イット"に来ると、これはもう怒っているとしか思えないんだよね(笑)。

砂原:ハハハハ。いや、ていうか、聴いている人が楽しめないものにしたいわけじゃないないから、もうちょっと楽しめる要素で、自分がそれを妥協しないで受け入れることができるものがあるなら、それは取り入れたいなと思うんですよ。いつもそう思ってやってます、これでもね。

そういう意味で言えば、『リミナル』は曖昧ではないと思うんだけど。よりクリアになっている。

砂原:意識はクリアになった。ただ、クリアになった分、はっきりしたことが言えなくなった。

ナチュラル"から"ビート・イット"までの展開って、アルバムの大きなポイントだと思うんだけど、今日、話を聞いていて思ったのは、やっぱ感情の赴くままに作っていたんだね。

砂原:そうなの。今回はそこがいままでとは違うんだよね。とくの、いま曲名を挙げたアルバムの中盤にある曲に関しては、日頃、生活しているなかで感じている世のなかの雰囲気や気分をそのまま出してやろうと思ったんだよね。で、それは必ずしも説明しなければいけないことではないと思ったんだよね。

なるほどね。俺はね、繰り返すけど、『リミナル』からは怒りを感じたのね。で、このところ、音楽から怒りを感じることがあまりなかったので、それが新鮮だったの。とくに、いまのような斜に構えたネット社会では、怒るってことはすごくエネルギーを使うし、大変だと思うわけですよ。怒りっていう感情が出しづらい世のなかになっているんじゃないかと思ってるんですよ。

砂原:そうだね。俺も、自分では意識してなかったけど、怒りっていうのはあるのかもね。

悲しみに同調するって感じでもないじゃない。

砂原:はははは、そうだね。

『ラヴビート』と聴き比べるとすごくよくわかるんだけど。

砂原:完成してからまだ『ラヴビート』聴いてないな。

ライヴではやっているじゃない。

砂原:やってるね(笑)。ただ、間違いなく問題意識は強くなっていると思うよ。

『リミナル』のデザインを手掛けているムーグ山本さんなんかも、そういうタイプの人だよね。

砂原:そう。ムーグさんとはそういう話、すごくいっぱいする。

似てるかもね。

砂原:興味の矛先がすごく近いと思う。

エモーショナルところとかも似てるよ。

砂原:ムーグさんはエモーショナルだよね。一時期、ヘルメット被ってビラ配ったりしていたもんね。

ハハハハ。言っておくけど俺もエモーショナルだよ。俺は右で左でもないもん。ノンポリだから。

砂原:俺は右翼が来たら左翼と言って、左翼が来たら右翼と言っちゃうタイプだな。

ハハハハ。それはただの喧嘩好きってヤツじゃないの。

砂原:いや、違う。中立であるってことをヤツに伝えたいというか、気づかせるというかね。

なるほどね(笑)。まあ、とにかく『リミナル』からはそういう激しいもの、何か強い気持ちを感じたのはたしかだよ。ところで、最初に「次を早く作りたくなった」って言っていたけど、要するに、もうそれは見えているんだ。

砂原:しっぽを掴んだというかね、そんな感じだけど。その先に何かあるかもしれないという。そのしっぽを引っ張れば何か出てくるかもしれないっていう。

そのしっぽは何なの?

砂原:それはまだわからない。引っ張ってみないとね。何もないかもしれないし。

なるほど。最後に、これから先の音楽人生っていうものをどういう風に考えていますか?

砂原:まったくわからないね。音楽業界もこういう状況だし、いつまで続けられるかわからないなと思ってやっているよ。10年後のことなんかぜんぜん考えてない。ただ、いまを詰み重ねていくしかないんだよね。

SOUL AID: music for japan - ele-king

 音楽が大好きな日本の皆さんを、何とか元気に出来る方法はないかと考えた、私なりの精一杯の支援方法です。音楽を楽しんでもらい、少しでも気持ちが明るくなったり、軽くなってくれたら......。これからもっと楽曲が増えていきますので、楽しみにしていて下さい!(浅沼優子)

日本支援プロジェクト
SOUL AID: music for japan

東北大震災とそれに伴う様々な被害や問題を受け、音楽の力で日本を支援するウェブサイトを立ち上げました。

URL: https://soulaid.org

アーティストたちに楽曲を「寄付」してもらい、それをメッセージと共に公開し、無料でシェアするというシンプルなプラットフォームです。

このサイトの最大の目的は日本の音楽ファンの方々に、日本でも人気の高いアーティストたちの心のこもった音楽と真摯な想いを届けることで、心理的・精神的にサポートし、元気を出してもらうことです。

二次的な目的は、この音楽の交流を通して国際的な音楽コミュニティに募金を呼びかけ、深刻な被害に苦しんでいる方々のための支援活動に少しでも金銭的な貢献をすることです。

募金はJustGiving を介して、全額を現在気仙沼市を中心に活動を展開している災害支援NGO、Civic Force に寄付します。

現在サイトにはThomas Fehlmann、Alexkid、International Feel、Nico Purman、Barker & Baumecker、Charles Webster、DJ Cosmo、Miss Kittin によって提供された8曲がアップされていますが、今後さらに増えていきます。

詳しい情報は、サイトの説明ページをご覧下さい。

ご意見、ご質問はこちらまで:
浅沼優子/ SOUL AID
soulaid.org@gmail.com

Chart by UNION 2011.03.28 - ele-king

Shop Chart


1

THEO PARRISH

THEO PARRISH Feel Free To Be Who You Need To Be SOUND SIGNATURE / US »COMMENT GET MUSIC
遂にリリースされたデトロイト・ハウスの至宝THEO PARRISHのニューアルバムからのシングルカット! コラボレーション・アルバムも発表しているギタリスト・DUMINIE DEPORRESをフィーチャー!THEO自身の言葉をそのまま借りるならば「このアルバムにおいて最も重要な2曲」である。尽きることの無い実験性を土着的なリズムへと流し込んだ2トラック!

2

BUBBLE CLUB

BUBBLE CLUB Goddess + Quiet Village Remix INTERNATIONAL FEEL / URG »COMMENT GET MUSIC
HARVEY、ROCHA、HUNGRY GHOSTなど通を唸らせるラインナップでシーンを席巻するINTERNATIONAL FEELの12番は、DAN KEELINGによるプロジェクト・BUBBLE CLUB! ポジティブなヴァイブに溢れたバレアリック・フィーリンなオリジナルと、QUIET VILLAGEによるマッド極まりないダブ・リミックスという好対照な2トラックを収録!

3

MOODYMANN / ムーディーマン

MOODYMANN / ムーディーマン Private Collection WHITE / US »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANN関連の中で最も入手困難な作品として知られるKEMのリミックス音源を収録した1枚がホワイト盤で再発決定。不穏なシンセの揺らめき、どこまでも切ないKemの歌声......ホワイト盤のリリースだけにしておくには余りにも、もったいない至高の音源!ホワイト盤ですがこれは絶対にオススメします!

4

RICK WILHITE

RICK WILHITE Limited Japan Promo #1 STILL MUSIC / US »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrish、Moodymannと並ぶデトロイト・ハウス最強のユニット3 Chairs「第3の男」Rick Wilhiteがキャリア15年を経て放つ待望の1stアルバム「ANALOG AQUARIUM」からの限定プロモ盤。こちらにはRick Wilhiteの才能を強烈に感じさせる土着的なベースラインとミステリアスなシンセが鳴り響く「Cosmic Jungle」を収録!

5

RICK WILHITE

RICK WILHITE Limited Japan Promo #2 STILL MUSIC / US »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrish、Moodymannと並ぶデトロイト・ハウス最強のユニット3 Chairs「第3の男」Rick Wilhiteがキャリア15年を経て放つ待望の1stアルバム「ANALOG AQUARIUM」からの限定プロモ盤!こちらには現在Theo Parrishが各地でプレイしているフィリーテイストが魅力のトラック「In The Rain」を収録!

6

SIRIUSMO

SIRIUSMO Mosaik MONKEYTOWN / JPN »COMMENT GET MUSIC
ギミック満載のエレクトリック・サウンドが各方面で話題となりDAFT PUNKやSOULWAXからも大絶賛される等、今最もアツいフレンチ以降の"ポスト・エレクトロ"最右翼SIRIUSMOが、遂に1stフル・アルバムをドロップ!!!なんと17曲入り(!)

7

MORITZ VON OSWALD TRIO

MORITZ VON OSWALD TRIO Horizontal Structures HONEST JONS / UK »COMMENT GET MUSIC
MORITZ VON OSWALD(BASIC CHANNEL)、MAX LODERBAUER (NSI/SUN ELECTRIC) AND SASU RIPATTI (VLADISLAV DELAY/LUOMO)によるスーパーグループ、MORITZ VON OSWALD TRIOのセカンド・アルバムが遂にリリース!! ブルージーなギターや緊張感溢れるメタルパーカッション、繊細なエレクトロニクスが自由度の高い演奏を繰り広げるダイナミズムに満ちた傑作の誕生です!

8

FRIVOLOUS

FRIVOLOUS Meteorology CADENZA / JPN »COMMENT GET MUSIC
LUCIANO、REBOOT、MICHEL CLEISらを擁し、ミニマル・シーンの最先端を突き進むCADENZAから、2011年のキックオフを飾るに相応しいアーティストとして送り出すのがこのDANIEL GARDNERことFRIVOLOUS!これまでにANDY VAZのBACKGROUNDやSUB STATICのサブレーベル・KARLOFF、そしてPOLE率いるSCAPEから作品を発表し、そのいずれもが高評価を得てきた才人FRIVOLOUSのNEWアルバムが登場!

9

AREA

AREA Tenderness EP KIMOCHI / US »COMMENT GET MUSIC
ANTON ZAP率いるロシアの要注目ディープハウス・レーベルETHEREAL SOUNDや、BEAT PHARMACY主宰STEADFASTなどに印象的な作品を残し、今後CV 313とのコラボレーションやWAVE MUSICからのアルバム・リリースを控える俊英・AREAが、セルフレーベル・KIMOCHIよりNEW EPをドロップ! ノイズに包まれた幻想的なシンセが空間を漂う至高のアンビエント・ダブテクノ"Bed Vertigo"、地中深くどこまでも潜り込む様なディープ・ダブ"So Many Fireflies"、フィールド・レコーディングスを薄くまぶしたノンビートのチル・アンビエント"Cheap Warmth"と全3トラック驚異的なクオリティー!!

10

LUCY

LUCY Wordplay for Working Bees STROBOSCOPIC ARTEFACTS / JPN »COMMENT GET MUSIC
セルフレーベル・STROBOSCOPIC ARTEFACTS、LUKE SLATER主宰・MOTE-EVOLVER、そしてDOMMUNEにも出演したCIO'DORやDONATO DOZZY作品で今やミニマル最深部を担う存在となったPROLOGUEなど重要レーベルから軒並み12"作品を発表、またCHRIS LIEBINGのCLR PODCASTやコアな情報で支持を得ているブログMNML SSGSでのMIXにより、耳の早いDJ/リスナーを中心に人気の高まるLUCYが、いよいよアルバム・リリース!

Chart by JET SET 2011.03.28 - ele-king

Shop Chart


1

クボタタケシ

クボタタケシ CLASSICS »COMMENT GET MUSIC
正真正銘のザ『クラシックス』。遂にあの伝説のミックステープ・シリーズが初CD化!!こだわりの箱スリーヴ・ケース付2枚組仕様で登場です。

2

INNER SCIENCE

INNER SCIENCE END OF THE BEGINNING E.P. »COMMENT GET MUSIC
シリアルナンバー付き、Ltd.300!Inner Scienceの『Elegant Confections』のアナログ・カット最終章!4年ぶりのリリースとなったオリジナル・アルバム『Elegant Confections』が大ヒットのなか、アナログ未発表音源3曲を収録した12インチが到着。

3

THEO PARRISH

THEO PARRISH FEEL FREE TO BE WHO YOU NEED TO BE »COMMENT GET MUSIC
フリーキーかつ叙情的な唯一無二の世界観が相変わらず凄い2トラックス。どちらも本当に素晴らしいです。いつまで入手出来るかわかりませんので、どうかお早めに!!

4

QUANTIC AND HIS COMBO BARBARO

QUANTIC AND HIS COMBO BARBARO CALIVENTURA REMIXES EP »COMMENT GET MUSIC
Cut Chemist、Deadelus、DJ Day、J-Boogieによる超極上リミックスEP!!Cut Chemistによる人気曲"Un Canto a Mi Tierra"激キラー・ラテン・ブレイクスB-2を筆頭に、US西海岸代表の4人が凌ぎを削る爆裂マスト盤!!

5

NITE JEWEL

NITE JEWEL IT GOES THROUGH YOUR HEAD »COMMENT GET MUSIC
ブルックリンの最重要インディ・レーベルMexican Summerから、全世界1000枚限定ナンバリング入りEPが緊急入荷しました(ダウンロード・コード付)!

6

BOTTIN

BOTTIN DISCOCRACY REVISITED »COMMENT GET MUSIC
Eskimoデビュー作"Discocracy"のリワーク4トラックスを収録!!イタリアン・ディスコ・ヒットメイカーBottinによるEskimoデビュー作"Discocracy"収録の2楽曲をMunk, Hannulelauriがリミックス。さらにはBottin自身もハイエナジー・リモデルを披露した鮮烈なインパクト盤!!

7

BARON ZEN & TEKBLAZER

BARON ZEN & TEKBLAZER ELECTRIK SURGERY »COMMENT GET MUSIC
P.B.W.の盟友Sweet Steveが制作を行うBaron Zen待望の新作は、Tekblazerとの共作EP!客演にはCoown Crownからのリリースでお馴染みZackey Force Funkが3トラック、Stones ThrowからKoushikが1トラックに参加。

8

MR RAOUL K

MR RAOUL K RAINNING LOVE »COMMENT GET MUSIC
故郷マリに伝わる伝統楽器群の素朴な音色を使って、驚くほどモダンに、トランシーに鳴り響かせる天才Mr Raoul K。今回もその卓越したスキルには些かの曇りは無し!!大推薦します。

9

EXILE / FREE THE ROBOTS

EXILE / FREE THE ROBOTS LOS ANGELES 10/10 »COMMENT GET MUSIC
遂にシリーズ最終章となる本作、ラストはExileとFree The Robotsによるスプリット!Plug Resaerch所属の西海岸きってのビート職人EXileによる4トラックと、最近ではRhettmaticとの10インチで才能を如何なく発揮していたFree The Robotsによる3トラックの計7トラック収録!

10

RADIOHEAD

RADIOHEAD THE KING OF LIMBS »COMMENT GET MUSIC
突如発表され話題騒然となったニュー・アルバム。US流通アナログ入荷です!!"In Rainbows"に続く8th.アルバム!!ダウンロード・クーポン封入。

Detroit Loves Japan - ele-king

 まず、3月11日に発生した東北関東大震災により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。3月18日、日本から1万km以上離れたデトロイトにおいて日本救済チャリティイベント"Detroit Loves Japan"が開催されました。Diviniti、Pirahnahead、Rick Wilhiteらが中心となり、Mike Clark、Delano Smith、Norm Tallyらビートダウン・ブラザーズ、Los HermanosのGerald Mitchell、Urban TribeのKemetrixらが参加し、$1000以上の義援金を募ることに成功しました。

 これを受けて日本でも当日の音源が聴けるサイト"Detroit Loves Japan Website" を立ち上げました。イベント当日に現地で録音されたDJ Mix、日本への想いを綴ったコメントなどをお楽しみいただけます。現在までにPirahnahead、Mike Clark、KemetrixのDJ Mixがアップされています。今後、Gerald Mitchell、DJ MinxらのMix音源を随時更新していきます。

 さらに当日のイベントには参加できなかったアーティストたちも、次々と賛同&協力を表明してくれています。3月27日にはJeff Millsが今回の震災のために制作した"Phoenix" (The Rising) for Japan Relief MissionのPV、Free MP3ダウンロード、そしてコメントを提供してくれました。またTerrence Parkerも日本のためのDJ Mix、そして「人生の厳しい局面に対峙したときに聴く音楽」としてゴスペルの曲を選んでくれました。今後、Claude Young Jr.などの参加が予定されています。

 みなさんもご存知のとおり、復興には時間がかかります。Detroit Loves Japan Websiteでは継続的に義援金を募っていきたいと考えています。本サイトにおける義援金の受付はDOMMUNEも採用しているCIVIC FORCEという団体を通じて被災者へと届けられます。寄付に関わる手数料などがかからないので、100%全額が被災者へ渡るシステムです。ぜひご協力をお願いします。(決して海外のイベントに送金して、まわりまわって日本へ、、というシステムではありません!)

 本サイトに収録されている、すべてのビート、すべてのサウンドには、日本への「愛」がこめられています。私は震災直後の東京で余震や原発に怯えながら、何をすればいいのかもわからない、ショック状態の中で、彼らの音楽を聴きました。そして、本当に強く励まされました。 前向きな気持ちを、元気を、希望を、少しずつ抱くことができるようになりました。 このような状況下で、音楽に関わる自分は無力感に襲われました。しかし、音楽には力があると信じることができました。デトロイトの音楽を紹介してきた自分にできることは限られています。それは微力かもしれません。でも、萎縮しあきらめてしまっては無力になってしまいます。そして、彼らの音楽を日本の皆さんにシェアしなければいけないと強く思い、このサイトを立ち上げることにしました。たったひとりでは「微力」でも、この想いに共鳴してくれる人々の「微力」が集まれば、「大きな力」にすることができます。皆さんのご支援、ご協力を宜しくお願いします。

ZETTAI-MUで爆発しよう - ele-king

 原子炉から煙など冗談じゃねー。俺たちが望むのはダンスフロアの爆発......4月1日金曜日、ZETTAI-MUが〈名村造船所跡地〉 で開かれます。しかも今年は〈ソナー・フェスティヴァル〉と手を組んでの開催です。出演者は、待望の新作の発表を控えているバトルズをはじめ、フライング・ロータス、コード9、モードセレクターといった豪華な海外勢、そして国内からは再結成されるドライ&ヘヴィーを筆頭に、toe、O.N.O 、Michita、KIHIRA NAOKI......そして主宰者であり、先日のDOMMUNEで魂のこもったプレイをみせてくれたKURANAKA 1945......などなど。
 ソールドアウト必至の前売券は枚数限定、発売日や販売場所などお見逃しなく!!



ZETTAI-MU springup2011

2011.4.1 (Fri)  OPEN : 20:00
TICKETS :
¥5,500(1名) ¥20,000(4名グループ券)
★先行チケット発売中!!
オフィシャルサイト
チケットぴあ(P:CODE 132 541)
ローソンチケット(L:CODE 54835)
イープラス(e+)

CCO 名村造船所跡地
(STUDIO PARTITA&BLACK CHAMBER&RED FLAME ARENA&ETC)
〒559-0011大阪市住之江区北加賀屋4-1-55
TEL 06-4702-7085
https://www.namura.cc/
https://www.zettai-mu.net/s11/access.html

★ ZETTAI-MU 2011春 "Sprinup" 特設サイト
https://www.zettai-mu.net/s11

★ ソナーとは? → https://www.zettai-mu.net/s11/ws.html
★ Sonar Sound Tokyo → https://www.sonarsound.jp/en/
★ Sonar 2011 → https://2011.sonar.es/en/programa.php

★「 CINRA.NET 」 - 注目ニュース 週間ニュースランキング"1位"! https://.cinra.net/
★ clubberia - https://www.clubberia.com/events/...
★ iflyer - https://iflyer.tv/namura/event/...
★ FACE BOOK - https://www.facebook.com/
★ springup2011 YOUTUBE Trailer - https://www.youtube.com/

Chart by JET SET 2011.03.21 - ele-king

Shop Chart


1

DJ AGEISHI & ACKIN'

DJ AGEISHI & ACKIN' RAIN PARADE »COMMENT GET MUSIC
ディスコ時代から現役続行中の重鎮らしいスキルと、たゆまぬ探究心で常にフロア・コントロールの第一線に活躍するDJ Ageishiと、プロダクションをサポートするAckin'のデュオが遂にPrins Thomas主宰Internasjonalからデヴュー!!

2

HERCULES & LOVE AFFAIR

HERCULES & LOVE AFFAIR MY HOUSE »COMMENT GET MUSIC
現在最も注目を集めているロンドンの新鋭DJ、Stopmakingmeによるキラー・リミックスA-1を特大プッシュ!!Andy Butlerによるセルフ・リミックスも最高です。

3

T&W

T&W GIRLS LIKE BOYS »COMMENT GET MUSIC
Tiger & Woods匿名トラックが緊急リリース!!昨年暮のRAポッドキャスト・ミックスにて使われていたBritney Spears"Boys"リエディットが限定500枚でアナログ・カット。間違いの無いT&Wクォリティです。お早めにどうぞ!!

4

SUPERLOVER

SUPERLOVER SUPERLOVER EP »COMMENT GET MUSIC
瀧見さん激押しのキラー・ディスコ・リコンストラクト・ハウスがこちら、ベルリンAutist Records発Superloverの第1弾。Bee Gees"Love You Inside Out"ネタA面"Romance"を筆頭にピークタイムを彩るキラーが3発の大推薦盤。元気が出ます。

5

V.A.

V.A. DEEP, RAW AND REAL PART 4 / »COMMENT GET MUSIC
ポスト・ビートダウン全世界中継基地、UK発Quintessentials発コンピEP、第4弾!!一昨年に出たパート1/2に続く第3弾に間髪置かずの第4弾には、Rekidsを筆頭に多作のToby Tobias、日本からヴェテランNo Milk、伊の注目株Marcello Napoletano、Neroliからの近作"Peace And Strength EP"も素晴らしかったシカゴのRicardo Mirandaが参加。

6

DJ VADIM PRESENTS THE ELECTRIC

DJ VADIM PRESENTS THE ELECTRIC LIFE IS MOVING »COMMENT GET MUSIC
才人DJ Vadimのニュープロジェクトthe Electricが遂にアルバムを完成!彼らが昨年末にリリースしたシングルも好評だった本プロジェクトのアルバムが遂にリリース。Vadimの音楽的進化が垣間見れる傑作1stアルバムです!

7

AGORIA

AGORIA IMPERMANENCE »COMMENT GET MUSIC
最もディープで最も透明感に満ちたエレクトロニック・ミュージックがここに!!

8

POOLSIDE

POOLSIDE DO YOU BELIEVE »COMMENT GET MUSIC
今年1月のBBC Radio 1でのAeroplaneによるミックスで初披露されるや、YouTubeに挙げられたPVが一週間で1万ビュー越えという、LA在住コンビによる 1st.シングル。バレアリックなピアノとアシッド・ラインがイイ味出てる105bpmの哀愁サマー・ディスコ。

9

BUDZILLUS

BUDZILLUS DER UNTERGANG REMIXES »COMMENT GET MUSIC
モントリオール系スウィンギン・ミニマル絶対要注目レーベルからの第5弾。こちらも当店大人気Stil Vor Talent主宰O. Koletzkiリミックスも収録です!!

10

ACHTERBAHN D'AMOUR

ACHTERBAHN D'AMOUR YOUR LOVE (IN A JAM) »COMMENT GET MUSIC
注目のカルト・シリーズ"Acid Test"最新作はIdjut Boys Remixを収録!!Sudden Dropからのスプリットが印象深いIron Curtisと、ドイツのEdit Piafraによる共同プロジェクト第一弾。思わぬダーク・サイドを披露したIdjut Boys、さらにはRashad, Dubplates & Masteringもクレジットされています。
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443