「KING」と一致するもの

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 いきなり音楽がハード・ミニマルで始まる。映し出されているのは自然の景色。完全にミスマッチを狙ったものだろう。
 大森立嗣監督の新作『光』は音楽をジェフ・ミルズが手掛けている。数年前、ジェフの音楽は断片的でも効果的だし映画音楽に向いているんじゃないかと言ったら、「場面に合わせて音楽をつくるのは好きじゃないから、映画音楽はやらない」と言ってたのに、全編これ、ジェフ・ミルズである。ジェフ・ミルズがルーブル美術館のキュレーターを勤めていた際に大使館で大駱駝艦を紹介されたことから、その主催者である麿赤兒の長男・大森立嗣とはいつか手を組むラインが引かれていたのだろう。自分には理解できないものだから使ってみたと監督自身は話し、実際に作品を観てみるとかなり実験精神を賭けたものだということは伝わってくる。

 邦画でテクノだけが流れるというのは思ったよりも妙な体験で、大雑把にいうと、音楽の役割として邦画は叙情性、洋画は叙事性が勝ると思っていたその通り、ジェフ・ミルズの曲は誰の内面に立つこともなく、登場人物の外側でしか鳴らないことがまずは異様な雰囲気をもたらした。音楽が叙事性に徹するというスタイルは洋画では慣れているはずなのに、邦画ではやはり体に馴染みが薄く(武満徹の記憶などはとうに失われている)、近年の邦画がいかに人の心を表す上で音楽を説明的に使っているかを思い知らされたともいえる。
 ただし、「音楽がジェフ・ミルズ」という先行情報が耳に入っているということは映画を観ている上で音楽だけを過剰に意識させてしまうところがあり、僕の中ではオープニングからしばらくはひとつの作品として一体化してくれなかった。大森監督は『まほろ駅前』の2作目もそうだったけれど、僕には1カットがやや長く感じられるところがあるので、なかなかストーリーに引き込まれず、余計に映像と音楽が分離してしまう傾向にあった。音楽が流れてから、ああ、そうか、ジェフ・ミルズだったと思い出すようになるのは中盤に入ってから。「家族」ということが意識されるシークエンスで3フェイズ“ダー・クラン・ダー・ファミリエ(der klang der familie)”をアレンジしたような曲が流れたりするのはさすがでしたけれど。テクノのことはよく知らないという人には、むしろどんな体験になるのか知りたい気も。

 物語は離島の学校から始まり、黒川信之と篠浦未喜(ともに14歳)は恋仲であるかのように示唆される。10歳の黒川輔(たすく)はいつも信之につきまとい、信之が灯台にコンドームを買いに行く時もしつこく付いてくる(コンドームを売ってくれる灯台守の役はなんと足立正生)。信之が未喜にデートをドタキャンされて山をぶらついていると、未喜が宿泊所の客とセックスをしているところに出くわしてしまう。未喜の「助けて」というひと言を聞いた信之は躊躇の末、レイプではないと弁明する男を殺し、輔は男の死体を写真に撮る。その後、島は地震に襲われ、ほとんどの島民は津波に呑み込まれてしまう。誰もがここで東日本大震災のことを思い浮かべるだろう。島の名前も美浜島と名付けられているので、余計にそのことは考えたくなる。そして、25年後。
 井浦新演じる黒川信之は市役所に勤め、妻と娘がいる。鬱屈として閉塞感に満ちた団地からすぐにも引っ越したがっている妻は真面目に話を聞いてくれない信之に腹を立て、浮気をしている。そして、瑛太演じる浮気相手が溶接工場で働いていると、同僚に「客」が来ていると紙を見せられ、表に出てみるとそこには黒川信之が立っていた。浮気相手の労働者は輔で、「島を出て以来だな」と再会を喜ぶ間もなく、輔は金目当てで信之の妻を誘惑していたことが暴露される。妻が浮気していることを同僚にバラされたら困るだろうと輔は脅迫するものの、金だったら直接、妻に言えと信之はその場をさっさと立ち去ってしまう。

 大森立嗣の作品はこれまでふたりの男を中心にすえた「ブロマンス」が多かった。むしろ、ほとんどがそれだった。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)では体目当てで接触したはずのカヨちゃんを男ふたりが高速道路のサービスエリアに置き去りにして爆笑し、ヒット作となった『まほろ駅前』シリーズ(11・14)でも探偵ふたりは仲がよく、元妻はやっかいな存在、『セトウツミ』(16)では男子高校生ふたりが土手で最初から最後までダベっているだけである。この世界に男がふたりいるだけで、どれだけ幸せかと訴え続けてきた監督なのである。大森立嗣とは。それが『光』では少し様相が異なってくる。25年ぶりに再会した信之と輔は島で育った頃の関係性を喪失し、いわゆる険悪なムードで話は進んでいく。これに名優・平田満演じる輔の父が絡んでくることで映画全体のムードはどんどん絶望的なものになり、長谷川京子演じる篠浦未喜がいまは芸能界で活躍する売れっ子だということがわかってくるあたりから、しばらくすると男ふたりではなく、ついに男と女の恋愛に大森監督は乗り換えたのかというストーリー展開になっていく。意外な男女の組み合わせを題材にした『さよなら渓谷』(13)ですでに乗り換えていたのかもしれないけれど。(ここからは完全にネタバレです。公開が楽しみな人は読まないように)。しかし、信之と輔の関係は後半に入っていくと、これまでになく複雑で凝ったものだということがわかってくる。思い出したくない過去を共有しているという意味で『まほろ駅前』の「啓介と春彦」にも多少の屈託はあったけれど、「ケンタとジュン」や「想と小吉」に比べて、「信之と輔」には助けてやりたいのか邪魔なのか、憎んでいるのか慕っているのか、単純には割り切れない感情がぶつかりあう場面が多々あり、男ふたりの関係を描くという意味ではいままでのものよりもはるかに凝った心理劇を見ている思いがあった。いわゆるセックス表現もなく、ゲイの紋切り型に陥るわけでもなく、ボーイズラヴの成熟した発展形になっているのではないかと。そういう意味では音楽はジェフ・ミルズとマイク・バンクスのふたりでやって欲しかったかもしれない(ウソ)。

『光』よりも一週間早く公開されるトム・フォードの新作『ノクターナル・アニマルズ』は女性に対する否定的感情が激し過ぎて僕にはゲイの嫌な面が印象に残った作品だった。『光』にもこれと重なるところがあり、信之と輔の関係性が濃密に描かれれば描かれるほど、篠浦未喜という女が貶められていくというのか、男性たちの純粋さに水を差した存在に見えてくる。ここまで書いてきたこととは裏腹に、本来、この作品で問われているのは「暴力」であり、その起源は女性にあり、女さえいなければ男たちは島という楽園でいまでも幸せに暮らしていたとまでは言わないけれど、女さえいなければこんなことにはならなかったと言いたげな映画にはなっている。実際には黒川輔は父による幼児虐待の犠牲者で、黒川信之は14歳で人を殺す。女が具体的に暴力を振るう場面は信之の妻が娘を張り飛ばすシーンだけで、この世にあふれる暴力はほとんどが男性の手によって引き起こされている事実に変わりはない。しかし、それは表面的にそうなっているというだけであって、男たちにそうさせているのは女なのだと訴えているようなのである。パンフレットを読むと、島を襲った津波は篠浦未喜にもその爪痕を残しているという設定になっている。とはいえ、そのことはあまり時間をかけて描写されていない。秘書が言葉で説明するだけである。それはあまりに簡単すぎる。篠浦未喜にはもう少し時間をかけても良かった気がする。

 この映画のもうひとつの主役は自然である。津波のように具体的に襲いかかるものでなくても、自然は常に人間にのしかかってくるものとして描写され、断片的なイメージが細かくインサートされる。真っ暗な木の祠や汚く汚れた花びらのアップ。自然を美しいものとして撮らなければいけないというルールがあるわけではないし、これはひとつの撮り方である。もっと突き詰めてもいいかもしれない。そして、このような自然描写は前にどこかで見たことがあるなと思った僕は、大森立嗣も役者として出演していた故・荒戸源次郎の傑作『赤目四十八瀧心中未遂』(03)のことを思い出した。小説を書くことに行き詰まった男とソープに売り飛ばされる運命の女が自殺の名所、三重県の赤目四十八滝に向かう話である。『光』にはあのクライマックスで描かれた滝の風景がどこかでこだましているのではないか。


shrine.jp × Daniel Miller - ele-king

 地域密着文化フェスティヴァル、(( ECHO KYOTO ))。6月にジェシー・カンダを迎えて開催された同イベントですが、2回目となる今回は、京都の電子音楽レーベル〈shrine.jp〉の20周年記念企画。しかもスペシャル・ゲストとして、なんと〈Mute〉の創始者であるダニエル・ミラーの参加も決定! これはなんとも気になる組み合わせです。12月3日はぜひとも京都METROまで足を運びましょう。なお、〈shrine.jp〉は20周年を記念した全国ツアーも開催するとのことで、詳細は下記をご覧ください。

[11月29日追記]
本日、(( ECHO KYOTO ))のタイムテーブルが発表されました。こちらからご確認ください。また、イベント直前の12月1日(金)には、ダニエル・ミラーがDOMMUNEに出演することも決定(20:00~21:00)。弊誌編集長の野田努も出演します。お見逃しなく!

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(( ECHO KYOTO )) にMUTE創始者ダニエル・ミラーの出演が決定!
shirine.jp 20周年記念 × ダニエル・ミラー(MUTE)
2017.12.3 (Sun) @METRO
特別先行早割チケット、本日23日より発売開始!

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(( ECHO KYOTO ))
shirine.jp 20周年記念 × ダニエル・ミラー(MUTE)

12月3日(日)に京都METROで行われる (( ECHO KYOTO )) に、〈MUTE〉レーベル創始者のダニエル・ミラーの追加出演が決定した。なおダニエル・ミラーは、TOKYO DANCE MUSIC EVENT(11月30日~12月2日)にてカンファレンスへの登壇とWOMBでのDJ(12月1日)を行うことが決定している。

電子音楽界のパイオニアにしてゴッドファーザーであり、過去40年の音楽世界史における最重要人物のひとりであるダニエル・ミラーと、糸魚健一主宰の京都を代表する電子音楽レーベル〈shirine.jp〉20周年を記念してレーベルゆかりのアーティストが出演! 京都と世界の電子音楽が会場のMETROから京都盆地にこだまして、脈々と続く京都の電子音楽史にまた新たなページが加わることでしょう!

また本日23日(月)より2週間限定で特別先行早割チケットを発売する。

今年6月に行われた第1回目の (( ECHO KYOTO )) は、ビョーク、Arcaなどのビジュアルを手がけるジェシー・カンダによる「クラブを寺院化する」というコンセプトのインスタレーションが行われ大きな成功を収めた。今回が2回目の開催となる。

■公演概要
(( ECHO KYOTO ))
shrine.jp 20周年記念 × ダニエル・ミラー
2017/12/3 (Sun) @METRO
Open/Start 18:00
ADV ¥3,800 / DOOR ¥4,300 (共にドリンク代別途)

LINEUP:
ダニエル・ミラー (Daniel Miller)
Acryl (dagshenma + Madegg)
Hideo Nakasako
HIRAMATSU TOSHIYUKI
kafuka
Ken'ichi Itoi
masahiko takeda
TOYOMU

*出演者プロフィール詳細 https://trafficjpn.com/news/ek

★2週間限定!特別先行早割チケットを発売!!
 ¥3,300 ドリンク代別途
[受付期間:10/23 12:00~11/6 09:59] ←枚数限定!
※『特別先行早割お申し込み方法』→タイトルを「12/3 ECHO KYOTO 早割希望」として頂いて、お名前と枚数を明記して 宛でメールして下さい。

・・・11/6 10:00より発売開始・・・
ローソン Lコード:54946
ぴあ Pコード:348-946
e+ https://eplus.jp/
※前売りメール予約:
上記早割チケット期間以降は、前売予約として、ticket@metro.ne.jpで、前売料金にてのご予約を受け付けています。前日までに、公演日、お名前と枚数を明記してメールして下さい。前売料金で入場頂けます。

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世界有数の文化都市 京都、その豊かな文化土壌において、真のアーティストによる比類なき地域密着文化フェスティヴァルを開催し、日本国内、そして世界へ発信する。
ECHO/ 廻向(えこう):参加アーティストと地域が作り出す卓越した表現がこだまし、広く人々に廻らし向けられる。
https://www.facebook.com/ECHOKYOTOECHO/
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「MUTEは偉大なレーベルのひとつだが、その偉業はポップと実験の両立のなかでなしえたもので、ことエレクトロニック・ミュージックの発展においてはもっとも重要な役割を果たしている。1978年に創設されたインディペンデント・レーベルが、いまだに刺激的で、いまだに冒険的で、そして相変わらずポップであるということは、偉業というよりも、もはや奇跡といったほうが適切かもしれないが、しかし、それこそがMUTEというレーベルなのだ」--- 野田努 (ele-king)
https://mute.com/
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shrine.jp (シュラインドットジェイピー)
shrine.jpは、京都在住の電子音楽家 糸魚健一によるエレクトロニック・エクスペリメンタル・レーベルである。1997年に音楽への可能性への探究心を表現する為に発足された。これまでデザインとプロダクトを利用したメディア実験ともとれるリリースを繰り返してきている。
また、ダンスミュージックに特化するサブレーベルMYTHがある。shrine.jpが社、形あるもの、すなわちコンテンツ(内容)を主体とし、MYTHは話=コンテクスト(文脈)あるいはコンジャクチャ(推測)を示す。
www.shrine.jp

shrine.jpは20周年を記念し全国ツアーを行う。
日程は以下の通り。

shrine.jp 20th Anniversary Tour
12/2 shrine.jp 20th Anniversary Exhibition& Reception Party
@FORUM KYOTO

12/3 shrine.jp 20th Anniversary Tour in Kyoto
meets (( ECHO KYOTO ))
@METRO

12/21 shrine.jp 20th Anniversary Tour in Fukuoka
meets MIND SCAPE
@Kieth Flack

12/24 shrine.jp 20th Anniversary Tour in Sendai
Emotional electronic music for X’mas
@CLUB SHAFT

12/30 shrine.jp 20th Anniversary Tour in Tokyo
Grand Tour Final!
@KAGURANE

Jessica × Mizuha Nakagawa × Prefuse 73 - ele-king

 近年ジェフ・ミルズカール・クレイグなど、エレクトロニック・ミュージックのビッグ・ネームたちがクラシカルへの接近を試みているが、どうやらその流れはデトロイトに留まるものではなかったようだ。この度、株式会社パブットが起ち上げたレーベル〈good umbrella〉が、クラシカルの新たな再生プロジェクト『RE-CLASSIC STUDIES』シリーズを始動することが発表された。
 その記念すべき第1弾となる作品の題材は、ドビュッシーやラヴェルへと至る道を切り拓いたフランスの作曲家、ガブリエル・フォーレ。個人的にはティッサン=ヴァランタンによる演奏がお気に入りなのだけれど、今回そのフォーレの楽曲に挑んだのは、Ngatariとして〈PROGRESSIVE FOrM〉からもアルバムをリリースしているヴォーカリストのJessicaと、ピアニストの中川瑞葉、そしてなんとプレフューズ73ことスコット・ヘレン(!)の3組。さらにマスタリングはオノ セイゲンが担当しているとのことで、いったいどんな化学反応が起こっているのやら……期待の『RE-FAURÉ』は11月20日発売。

Jessica × Prefuse73 『RE-FAURÉ』

きたる11月20日、クラシックの新たな再生プロジェクト『RE CLASSIC STUDIES』シリーズ、第1弾『RE-FAURÉ』をリリース致します。
シリーズ1作目は、19 世紀のフランス作曲家、ガブリエル・フォーレの歌曲を現代の音楽として翻訳。 日本人として初めてGeorge Crumbの音源をリリースした中川瑞葉をピアニストとして迎え、Prefuse73ことスコット・ヘレンの参加により実現した『RE-FAURÉ』。
美しい和声と、流麗 な旋律を持つフォーレの「歌」は、ヴォーカル音源の破壊と再構築の先駆者であるスコット・ヘレンにより、特異なストーリー性を植え付けられ、今までにない現代の「クラシック音楽作品」となりました。
マスタリングはオノ セイゲン氏が担当。

【コメント】

例えば千年前に書かれた文章は多くの人にとって、「むずかしい」「わからない」。
なぜならいまは使われない言葉や言い回しが使われていたり、もっと言うと読めない字があったりするから。
でもその点をあれこれ工夫して、翻訳、して出したら大抵の人が爆笑してくれた。
なぜならそこには、いつまでも変わらない人の心、文学の神が住んでいるから。
そして音楽も同じであるということをこの度知りました。
美しく精妙でありながら俗情も刺激する歌声に肺腑を抉られました。やられました。
――町田康(小説家・ミュージシャン)

音楽が流れると、私の周りを囲む樹々がより深くなった。それはタイの雨季の終わりを告げる素敵な子守歌のようだ。
このような音楽を聴く機会を作ってくれたことに、感謝したい。
――アピチャッポン・ウィーラセタクン(映画監督)

このプロジェクトの歌を聴いたとき、Jessicaは、本当に美しい声を持っていると感じたんだ。実際、それはとてつもない衝撃だった。
――スコット・ヘレン(Prefuse 73/ミュージシャン)


■Jessica
メジャー・レーベルよりキャリアをスタートさせ、3枚のアルバムと4枚のシングルを発表。その後、Ngatariのヴォーカリストとして、〈PROGRESSIVE FOrM〉よりアルバムをリリース。様々なコンピレーション・アルバムへの参加や、テレビ/ラジオの出演、番組のエンディング曲を担当するなど活動は多岐に渡る。『坂本龍一トリビュート』に楽曲を提供した際には、坂本氏本人より賛辞を贈られた。今回は10年振りのJessicaソロ名義の作品となる。


■Mizuha Nakagawa
桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業後、渡仏。パリ・エコール・ノルマル音楽院ピアノ科及び室内学科のディプロマを取得。2013年、George Crumbの「Makrokosmos Vol.2」をオノ セイゲンの録音にてリリースするなど、様々な分野を横断し、活動している。


■Prefuse 73 (Guillermo Scott Herren)
ギレルモ・スコット・ヘレン aka Prefuse 73は、21世紀を代表するエレクトロニカのアーティスト。ヴォーカル音源をズタズタに分解し、トラック上で再構築するという画期的な手法を生み出し、エレクトロニカ・ヒップホップの先駆者として、多くのフォロワーを生んだ。深く、鋭利なビートと、重層的な美しい音のレイヤーによって、深淵なグルーヴを構築する。イギリス〈ワープ・レコード〉の先鋭的な音楽家として、また数々の名義(Savath & Savalas、Delarosa and Asora、Piano Overlord、Ahamad Szabo)を使い分けながら、多彩なアルバム/EPをリリースし続けている。〈イエロー・イヤー・レコード〉主宰。

発売日:2017年11月20日(月曜日)
アーティスト:Jessica(ジェシカ)
タイトル:RE-FAURÉ(リ・フォーレ)
発売元:good umbrella
販売元:BRIDGE INC.
規格番号:GDUS-001
価格(CD):税抜本体価格¥2,200
収録曲数:20曲
JAN:4582237839517

[Track Listing]
01 Interlude I
02 Clair de lune
03 Après un rêve
04 Interlude II
05 Chanson d'amour
06 La feé aux chansons
07 Mandoline
08 Interlude III
09 Le secret
10 Une Sainte en son aur éole
11 Mai
12 Interlude IV
13 Au bord de l'eau
14 The Fragments of Au bord de l'eau [Prefuse73 remix]
15 Interlude V
16 Tristesse
17 Interlude VI
18 La Lune blanche luit dans les bois
19 Interlude VII
20 Pie Jesu (Requiem)

Prefuse73 tracks - 01, 04, 08, 12, 15, 17, 19 (14 - Prefuse73 Remix)

good-umbrella.com/ja/refaure/

Clark - ele-king

 は、早い……。4月にアルバム『Death Peak』を、5月にコム・トゥルーズとのスプリット盤「Bobbie Caris」を、そして9月に「Rellik EP」をリリースしたばかりのクラークが、12月1日に新たな12インチを発売する。先行公開された新曲“Honey Badger”はアルバムのムードを引き継いだ非常にダンサブルかつ複雑な展開を見せるトラックに仕上がっているが、しかしクラークさん……少しは休んでもいいのよ。

〈WARP〉を代表する多作家、クラークが新曲“HONEY BADGER”を公開!
最新12”は12月1日リリース

4月に3年ぶりのオリジナル・アルバム『Death Peak』をリリースし、フジロックにも初出演、TVドラマのサウンドトラックや、劇作品、オーケストラにも楽曲を提供するなど、〈Warp〉きっての多作家であり、近年はレーベルを牽引する存在にまで成長した鬼才プロデューサー、クラーク(Clark)が、新たに新曲“Honey Badger”を公開!

Clark - Honey Badger
https://youtu.be/I70Apni9Coc

『Death Peak』ツアーのハイライトとなっていたダンスフロア志向の2曲を収録した新作「Honey Badger / Pig」は、12月1日に12インチ・ヴァイナルとデジタル配信でリリースされる。

label: WARP RECORDS
artist: CLARK
title: Honey Badger / Pig - Single
release date: 2017/12/01 ON SALE

label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: CLARK
title: DEATH PEAK
release date: 2017/04/07 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-543 定価 ¥2,200(+税)
初回限定生産盤デジパック仕様
ボーナストラック追加収録 / 解説書封入

対談:MIKUMARI x OWLBEATS - ele-king

OWLBEATS ( 以下OB ) :煙草吸いすぎじゃない?

MIKUMARI ( 以下M ) :メンソールだですーっとするでなあ……


MIKUMARI x OWLBEATS
FINE MALT No.7

RCSLUM RECORDING

Hip Hop

Amazon Tower WDsounds

 こんな普通の会話のように、気がつけばOWLBEATSのビートもMIKUMARIのラップも、自然に積み上げられたCDのなかにあり、当たり前のように2人でライヴをする姿を見ていた。2人のライヴを初めて見たのは、中目黒でみんなで馬鹿みたいに飲んで、MIKUMARIが酩酊しながらOWLBEATSの奏でるビートのなかで酔いどれた夢を見せてくれたときだと記憶してる。その記憶は正しいのだろうか?
 RCslumの中核をなすルードボーイ・ラッパー、MIKUMARI。RCslumの多くの作品にトラックを提供、アルバムもリリースする鹿児島のドープ・ビートメーカーOWLBEATS。「裏」サイドの共作を経て、リリースとなったオリジナル・アルバム『FINE MALT No.7』は“「酩酊」という感覚を教えてくるヒップホップ”という、誰かにとってベストでワーストな瞬間を再生してくれる。そして、誰かにとっては、未知の世界を疑似体験させてくれる。そんな作品だ。もちろんVRの機材なんていらない。再生するのに難しいことはない。

狭いっす。もう8畳くらいの1ルームで、ソファーがあって、そこが来た人の寝床で、俺は下に布団敷いて寝てる。(MIKUMARI )

今回のアルバムは最初どういうやりとりで作りはじめたの?

M:なんか何曲かやろうかって言ってて、その流れでトラックが色々入ったCD-Rをもらってて。

それって2人で会ってるときに?

M:OWLBEATSがしょっちゅう来るもんで、会ってるとき。

場所は名古屋ですよね? どれくらいのペースで来てるんですか?

OB:今年やばいっすね。いまのところ7回くらい行ってて(*このインタヴューは9月末に行ってます)。

名古屋ではどこに滞在してるのですか?

M:俺んち。

MIKUMARIの家は広いの?

M:狭いっす。もう8畳くらいの1ルームで、ソファーがあって、そこが来た人の寝床で、俺は下に布団敷いて寝てる。

俺の場合は俺の方がソファーなんですけど、前にYUKSTA-ILLとそういう合宿みたいの俺の家でしてた(笑)。
(*YUKSTA-ILL「TOKYO ILL METHOD」ときもWDsoundsオフィスというかPRESIDENTS HEIGHTSと言われていた自分の家も6畳、2畳の1Kでした。)

OB:もともと自分が住んでいた家が間取りが一緒なんで落ち着くなっていう(笑)。

CD:それは鹿児島のOWLBEATSの部屋ってことですよね?

OB:そうですね。ほとんど同じような構成で。自分はレコードがばーってあって、MIKUMARIはCDがばーってある。

M:ギャングスタ・ラップはCDの方が多いんだよね。レコードはシングルカットとかしかないやん。

レコードよりCDの方が高いものが多いイメージです、ギャングスタ・ラップ。

M:CDでしか出てないっていうのがあるじゃないですか。LPは出てないっていう。

たしかに。レコード屋もCDメインですもんね。じゃあ、名古屋でそのトラックが入ったCD-Rの受け渡しがあったと?

OB:そう。でも、結構前だよね。本格的にやろうってなったのが1年くらい前。ちょうどATOS (*RCslumのオーナー。TYRANT / M.O.S. / INFAMIY FAM)が鹿児島に来ているとき。

M:そう。レコーディングしに行くわ~って言ってそのとき、鹿児島行ったんですけど、何も録らずに帰ってきて。

OB:ちょっと俺怒るみたいな。ずっとご飯しか作らないから(笑)。

鹿児島だとレコーディングはどこでしてるんですか?

OB:LIFESTYLE(鹿児島を代表するハードコア・バンド)の久保さんっているんですけど、その人がやってるスタジオがあって。そこで大体録ってる。

M:名古屋のときは鷹の目のところ(STUDIO NEST)ですね。

RCslumのアルバムもあったり、客演も多いからずっと作ってる印象あるんですけど、前のアルバム( MIKUMARIの1stアルバム『FROM TOP OF OF THE BOTTOM』)のリリースって3年前くらい?

M:2013年すね。リリースしたのが。REMIX(*MIKUMARIのアルバムをOWLBEATSがすべてREMIXした『URA BOTTOM』)が2014年ですね。

その『URA BOTTOM』はアルバムがリリースになって、OWLBEATSの方からオファーして作ったんですか?

OB:そうですね。アルバムにトラック提供したギャラはいらないから、アカペラくれって言ってそれで作ったんだよね。

M:それで、1曲新しい曲を入れたいって話して。じゃあ、OWLBEATSのアルバム(*OWLBEATSの1stアルバム『?LIFE』)に入っているビートでやりたいって曲録って逆にREMIXみたいな感じ。

『?LIFE』は?

OB:2012年。

他にOWLBEATSの名義のリリースって?

OB:ブートでMIXはガンガン出してますね。月に1、2本作ってそれをライヴで売るっていうのをやってます。


 MIKUMARIとOWLBEATSを軸にした作品やライヴはすごく自然に存在していて。そこに世界が広がっている。先述したお互いのファースト・アルバムが交差する線上にあるというよりは、交差した後に生まれたより立体的な空間のなかに生まれた曲たちがある。「酩酊」という自由な空間を通してでしか説明できないように、このアルバムは説明できない必然で生まれたと感じる。熟成されたと感じるけれど、間隔は空いていない。


すごく自然な組み合わせだと思うんですけど、このタイミングで今回2人でのオリジナル・アルバムというパッケージでのリリースにしたのは?

M:俺もOWLBEATSとリミックスでなくてオリジナルで1枚というのは作りたいと思ってて。

前作やいままでのMIKUMARIのラップのイメージってすごくリリカルにトピックをラップするイメージなんだけど、今作はすごく音 / ビートに乗っているっていうのがまず第一に感じてすごく2人で作ってるって思って。単純に載せてるとかじゃない何かを感じました。

M:それはあります。ビートもいままでよりも、民族的なビートが多かったと思ったし。うん。あんまり意識はしてないんですけど、ビートに見合うようなやり方でラップするっていうのは考えた。

それって、スタジオで色々と試しながらって感じですか。このビートでラップするっていう前提でアルバムは作ってるんですか?

OB:うーん。打ち合わせしながらやってるのもある。数曲ボツになったりもしてるし、そもそも、俺のやる気が削がれたり(笑)。

さっきも話してましたね。制作期間はまあまああるんですよね?

M:うん。さっき言った通り、俺も、レコーディングしてなくて怒られたりしてるでね笑 制作は1年くらいで、本格的にやりだしたのは今年の3月からでそこからはタイト。

自分のイメージとしては、最初遊びはじめたときはもっとバカなことばっかしてて、その延長で音楽を作ってるような感覚だったんですけど。『URA BOTTOM』までは。でも、そうじゃなくなってきた。さらに先に行ったというか。(OWLBEATS)

 この2人の組み合わせにはシンプルな表現が多い。細かい部分は曲で伝わってくる。瞬間で作ってるようでもあり、時間がかかってるようでもある。8月に行われたRCslumのイベント「METHOD MOTEL」で会ったときに、MIKUMARIがJEDI MIND TRICKS (*PHILLADELPHIAのハードコア・ヒップホップを代表するグループ)のTシャツを着ていて、意外なようでしっくりきて話したのがすごく印象に残っていて、その事実は個人的にはこのアルバムを聞く中で重要に感じた。


少し話変わるんだけど、JEDIとかARMY OF PHARAOHSとかそういうHIP HOPのイメージを今作で少し感じたんだけど。このあいだMIKUMARIがTシャツ着ててそういう話になったのもあるけど(笑)。なんて言えばいいかわかんないんだけど。意識はしてない?

M:多少は作ってる期間に、新譜が出たとか。その時だと、LA COKA NOSTRAとかVINNY PAZとか。その間にもHORACE ANDYとかレゲエも買ったりして、そういうのを聴いてかっこいいなと思って。多少あるのかなと。

MIKUMARIはギャングスタ・ラップの影響も多いけど、いま言ったようなヒップホップのAPATHYとか、そういうイメージに近いのかなと個人的に最近勝手に感じてる。

M:好きですね。

ちょっと気持ち悪い俺の勝手な思いを話しちゃってすいません(笑)。あらためて、音的なアプローチのイメージに関して聞いていい?

M:そういう最近買ったCDをOWLBEATSにも聴かかせたりして「良いでしょう?」みたいな。

OB:前より、MIKUMARIがギャングスタラップ的な表現と変わってきてるのも感じて、自分なりにも感じた方向にアプローチしてみたのはありますね。

ラップが上手いっていう印象より全体として曲が立ってるように感じました。

M:広がったよね。ビートに交わるようにっていうのは意識した。

OB:自分のイメージとしては、最初遊びはじめたときはもっとバカなことばっかしてて、その延長で音楽を作ってるような感覚だったんですけど。『URA BOTTOM』までは。でも、そうじゃなくなってきた。さらに先に行ったというか。

今回は「DOPE MUSIC」って表現が頭に浮かびました。

M:まあ、言葉とかも昔はチャキチャキしてたと思うすけど、少し緩くなったと思うすね。

そうですか? 緩くとは思わないんですけど変化を感じます。

M:一貫性があると思いますね。

感じます。では、どういうタイミングで曲を完成と区切ってますか?

OB:そんな話し込む感じで作ってないですね。

M:レコーディングが出来たものを送って、それで、OWLBEATSが音を足してきて。

OB:難しい感じじゃなくて、これでOKって。お互い来たもんで対応する。2人でこれを作ろうというよりは送ったトラックに録ったものを聞いて、それを編集して。作ってる。

M:お互いを信用してる感じだよね。

その作り方ってトラック提供だったり、声を吹き込んでもらったりの一回一回のやり取りとは違ったりしますか?

OB:他のアーィストと 俺は違うかな。MIKUMARIの場合は、複雑なんだけど、どこかでわかりやすいリズムがあるイメージで。他のラッパーだったらずらしたりするんだけで、MIKUMARIはドンピシャで頭でキックとって歌う。あくまでそれはずらさない。

M:やってくうちに今回こういうのきたか? って感じでレベルが上がっていくんだよね。

一番レベル高いと思ったのは?

M:うーん。最後かあれ、与太ルードボーイ。頭から乗せるとダラダラするやん。だから裏で合わせたみたいな。そういうのなかったってもんで、だから、気に入ってる。良くできたというよりは、考えたっすね。

OB:MIKUMARIには難しいことあんまりしないですね。他の人にはすごく複雑にしたものを渡したりするんですけど。

M:そういうのも最初もらったりしてたんですけど、そういうのは選ばない(笑)。これは違うぞ。

OB:最初はドラムンベースでやってもらおうとかあったんですけど。

やったら面白そうですよね。

M:面白そうなんだけど……タイミングってのもあるし。今回みたいなものにはならないかな。あとVOODOOは上出来だったな。

いま話聞いてて、音源聞いた感じではセッションしてるイメージだったんですけど、実際はお互いで作ってるのに驚きました。

M:基本、名古屋で録って、どうするこうするっていうのは一緒におるときに話して。そんなに細かい話はしてないですね。

OB:友だちの感覚もあるんで、ガッチリやると時間がかかるかもしれないってのは

ありそうですね

OB:終わらないかもしれない。

M:あるかもしれんねえ(笑)。遊んじゃったーとか


「遊びながら作る」それはスタジオでアーティストが作って生まれる曲だったり。トラックを受け取ったラッパーが、好きに曲を書いたり録ったり。アカペラを受け取ったトラックメーカーがリミックスを作ったり。いろいろな方向や可能性がある。今作品は、いままで聞いたように、トラックメーカーとラッパーが2人で作りあげてきた遊びから生まれたコミュニケーションから、アルバムを作るというシンプルな発想にたどり着いたように感じる。OWLBEATSの『?LIFE』はビートアルバムだ。MIKUMARIの『FROM TOP OF THE BOTTOM』は多数のゲストが参加したラップアルバムだ。2人で作る今作は決定的に何かが違う。


今回ゲストアーティストは絞ってると思うんですが(MC KHAZZとハラクダリ)、それは2人で決めた?

M:それは俺が決めました。常にいる長いやつとやるっていうのは俺の決まりで。ハラクダリに関しては、作ってくれって話が結構前からあって、それがこの2人でっていう曲で、あれが一番時間かかったなあ。

OB:あんとき、ハラクダリいなかったんだよね。

最初の方でハラクダリのエピソードがリリックで出てきて、でもその曲にはハラクダリは参加してなくて、後半の曲で参加してるじゃないですか? 自分、それがツボで、聴くたびに、「あ、この曲じゃないんだよな、ハラクダリ入ってるの」って、曲の終わりくらいでいつも思うっていう。

OB:それは狙ったっす。わかってくれて嬉しいっす。

じゃあ、曲順は2人で決めてるの?

OB:ほぼ自分が決めました。

全部曲が揃ってから?

OB:そうですね。

M:それで並べたものを送ってもらって、この曲とこの曲は順番変わってる方がいいなーとか、そういう話をして。

CD:その全曲が揃ってこれをパッケージングしてアルバムにしようっていうその判断はOWLBEATSが決めたの?

OB:はい。そこは元々はDJなんで、その感覚で曲を並べて自分の色を出すのもいいなと思って。

できた曲を聴きながら、流れを作っていく?

OB:そうですね。これとこれはこの順番がいいとか。自分は鹿児島なんで、目の前に桜島があるんですよ。出来た曲を海とかでぼーっと聴いたりして。街中なんですけど、すぐに海があって。そこで聴いて、流れ的なものを考えて。1曲変えると暗くなったりもするし。

M:最初、考えとった曲順とは変わったよね?

どのあたりが?

M:最初は自分の予想通りだったけど、真んなかあたりはOWLBEATSらしさを感じて。後半はイメージにあって。5~10のあたりの曲はすごく癖を感じた。

全体としては30分強で14曲ってかなりコンパクトに作られていると思って。すごく好きなんです。長さは意識しましたか?

M:自分でも丁度いい長さかなって。最初は、できた段階で長さこれしかないって言ってたけど。途中で入っているスキットも含めて全体はバッチリで。

スキットはアルバム収録曲のレコーディングが終わってから作ってるの?

OB:1曲は元々あった曲でこの曲入れたらって思ったものもあれば、作ったものもある。イントロもアウトロもそんな感じ。

すごく自然に作ってるんですね。

M:うん。作ってる段階で、あれ入れようか、これ入れようかって話しながら自然に。

OB:スキットも何回かかえてるもんね。

今回のアルバム聴いてほしいなってすごく思うんですよ。すごくDOPEな作品だと思って。でも、そういう音楽を作っている人って自分で完結していて、リスナーを必要としない人たちもいるじゃないですか? OWLBEATSはどういうタイプ? 変な質問なんだけど。人に聴いてほしいかというか……

OB:インスト基本でやってるんで。インストに関しては歌っているというか自分ですごく個性が出せてると思うんですよ。人と関わることによって、斜めな見方というか、「ラップ乗りそう」とか意見があることによって俺も発見になるんで、知って取り入れて作るみたいな形なんですけど。いまはインストと人の声が乗るものは分けますね。

その基準っていうのはありますか?

OB:音数ですね。音の位置というか、曲ごとで題があるんですけど。ハイハットが前とかそういう。レイヤーですね。

今作はすごく息が合っていると思うし、このために作ったという所が強いと思うんですけど、インストだと考えて作ると違う?

OB:そうですね。歌わせない! というか。その感覚。

 この後に聞いた話も最高に面白かった。でもここでインタヴューを終わらせるのが最高だと勝手に思った。このアルバムには余白がある。詰まっているんだけれど余白がある。
 いま、RCslumのインタヴューをするどんなライターより自分は彼らを知っている。こうした記事を自分が書くことが不適切と言われるくらいに。以前の作品ではリリースにも関わっている。その不公平性をここでしっかりと公言しておく。そんな独白を読んでも、このインタヴューは成り立つ。
 MIKUMARIとOWLBEATSが作るこの作品にある余白は2人だけのものだ。どんな知識や経験よりも勝る感覚がここにある。聴けば聴くほどに「現在のHIP HOPだ」と感じられるこの作品は聴けば聴くほどに聴く者の感覚に委ねられる。「生きたHIP HOPだ」

New Order - ele-king

 おおお、これは……。フッキーの脱退劇を経つつも2012年に復活を遂げ、2015年にはアルバム『Music Complete』を発表したニュー・オーダー。昨年、じつに29年ぶりとなる単独来日公演を行ったかれらですが、今度はなんとライヴ盤をリリースするそうです。タイトルは『NOMC15』で、2015年11月にブリクストン・アカデミーで行われた公演を収録。発売日の12月1日が楽しみですね。

ニュー・オーダー、ライヴ盤『NOMC15』を12/1に発売!
2015年11月、ブリクストン・アカデミーで行われたライヴをフルパック!
ジョイ・ディヴィジョンからニュー・オーダーまで、ベストの選曲、ベストのパフォーマンス!

ニュー・オーダーは、誰も到達することのできないエレクトロ史上最高の名曲で光り輝き、ひとたび求められれば、その曲で聴くものすべてに最高な夜を届けたのであった。
――The Guardian ✶✶✶✶✶

英『ガーディアン』紙で5つ星を獲得するなど、大絶賛を浴びた2015年11月に行われた英ブリクストン・アカデミー公演のライヴ盤(2枚組CD)が12月1日に発売される。本作は今年5月にバンドのネット通販サイトで限定販売されていたが、フィジカルとデジタル含め一般発売されることとなった。

最新作『ミュージック・コンプリート』(2015年)から5曲、“ブルー・マンデー”をはじめとする代表曲から“ユア・サイレント・フェイス”といったファンにはたまらない名曲まで、そしてジョイ・ディヴィジョンの“ラヴ・ティア・アス・アパート”など、まさに前身のジョイ・ディヴィジョンから現在のニュー・オーダーまでのベストが詰め込まれたライヴ盤だ。またアートワークは、ワーグナーの「ラインの黄金」で始まる感動的なオープニングに合わせて映し出された映像から使用されている。

日本において、最新作『ミュージック・コンプリート』はオリコン総合チャートで初のトップ10入りを果たし、翌2016年には実に29年ぶりの単独来日公演が行われ、本作品同様、熱狂のライヴとなった。

[商品概要]
・アーティスト:ニュー・オーダー (New Order)
・タイトル: NOMC15(NOMC15)
・発売日:2017年12月1日(金)
・価格:2,500円(税抜)
・品番:TRCP-224~225
・JAN:4571260587335
・解説:油納将志/歌詞対訳付

[Tracklist]
CD-1
1. Introduction: Das Rheingold – Vorspiel (Wagner)
2. Singularity
3. Ceremony
4. Crystal
5. 586
6. Restless
7. Lonesome Tonight
8. Your Silent Face
9. Tutti Frutti
10. People On The High Line
11. Bizarre Love Triangle

CD-2
1. Waiting For The Siren’s Call
2. Plastic
3. The Perfect Kiss
4. True Faith
5. Temptation
6. Atmosphere
7. Love Will Tear Us Apart
8. Blue Monday

[amazon] https://amzn.asia/8r0yG2K
[iTunes/Apple Music] https://apple.co/2hLFsdn

■最新作『ミュージック・コンプリート』(2015年)まとめ
https://bit.ly/1FHlnZJ

■ニュー・オーダー バイオグラフィ
https://trafficjpn.com/artists/new-order/

Jah Shaka - ele-king

 ジャー・シャカ初の日本ツアーから早20年……長年にわたり唯一無二の存在として尊敬を集めてきた御大が、いまふたたびこの極東の地を訪れます。今回のツアーは東京を皮切りに、名古屋、大阪、福岡を巡る予定で、東京公演にはジャー・シャカのサウンド・システムを日本で継承するJah Iration Sound System + Jah Rising Sound Systemがフルで導入されるとのこと。これは本場UKスタイルのパフォーマンスを体験する絶好のチャンスですぞ。

祝! 来日20周年!!

1997年、当時奇跡と言われたJAH SHAKAの初来日公演から20年が経過する。その間、彼の伝道とも呼ぶべき活動によって日本各地にサウンドシステム・カルチャーが伝播し、ルーツ・ミュージックの発展に貢献してきた。今年2月にはJARIA(Jamaica Reggae Industry Association)のHONOUR AWARDSを受賞し、故国ジャマイカに凱旋した。今も地元UKでJAH SHAKA SOUND SYSTEMは定期的に開催され、ポジティヴなメッセージとスピリチュアルなダブ・サウンドの真髄を伝え続けている。

11/2(木・祝前日)代官山UNITでは日本屈指のJAH IRATION SOUND SYSTEM + JAH RISING SOUND SYSTEMをUNITフロアにフル装備。
JAH SHAKAオンリー! 本場UKスタイルのオールナイト・セッションが遂に実現!
Roots Rock Reggae, Dubwise!
"LET JAH MUSIC PLAY"

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King of Dub
JAH SHAKA
DUB SOUND SYSTEM SESSIONS
- An all night session thru the inspiration of H.I.M.HAILE SELASSIE I -

Norhern Soul - ele-king

 個人的には今年のベスト映画はこれ。『ノーザン・ソウル』。本国イギリスでは2014年の上映だが、有志による日本語字幕付きのほとんど自主上映の形で、「ほぼ丸ごと未公開!傑作だらけの合同上映会」(https://nbsff2017.wixsite.com/nbsff2017)の1本として上映される。

 簡単に言おう。『さらば青春の光』『ビギナーズ』『トレインスポッティング』『24アワー・パーティ・ピープル』『THIS IS ENGLAND』──以上のなかから2つ以上好きな映画がある人は必見である。
 さて、ノーザン・ソウルとは何であるか。今日のダンス・カルチャーには3つの源流がある。1.DJのミックス技術を生み、発展させたNYのディスコ・カルチャー。2. オリジナルを何度も何度も再構築するヴァージョン文化を生んだジャマイカのサウンドシステム。そして3つめが、「レア盤」文化を促し、レイヴ・カルチャーの青写真となったひと晩限りのアンダーグラウンド・ダンス・パーティを醸成させたUKのノーザン・ソウル、である。
 音楽産業とは隔離された、イギリス北部の工場で働く労働者階級を中心に盛り上がったノーザン・ソウルのシーンは、長いあいだミステリーでもあった。ノーザン・ソウルの「ノーザン」とは、音楽が作られた場所ではなく、その音楽が人気だった場所を指す。ノーザン・ソウルとは完璧にリスナーの文化である。しかもそれがロンドンではなく、シェフィールドとかブラックプールのような、パっとしない地方都市のリスナー文化であり、労働者階級による自発的なパーティ文化だった。音楽メディアも手が及ばない。

 映画『ノーザン・ソウル』でぼくたちは音楽史最大の謎のひとつをようやく知ることになる。ストーン・ローゼズの“アイ・アム・リザレクション”がモータウンのビートであった理由もね。英国アカデミー賞のデビュー賞にもノミネートされたこの映画、物語も音楽もファッションも最高だが、ひとつだけ気をつけなければいけないのは、この映画を見終わったあとではスリムのデニムなんて履けなくなること。
 それにしても、この映画を情熱だけで日本上映までもっていったスタッフの方々には頭が下がる。そのアティチュードもまさにノーザン・ソウル。いまのところたった1回の上映だが、はっきり言って最低3回は観たい映画だ。

※上映日時は、12月2日(土) 14時30分~会場はユーロライブ(https://eurolive.jp/

ザ・サークル - ele-king

 産業革命以降、二酸化炭素の排出量が増えたとされるように、このところ「書き言葉」の量も飛躍的に増えた気がしてならない。ちょっとスマホを見るだけでも同じ内容の案件が繰り返し書き込まれていて「書き言葉」は放射能のように漏れ出してくる(この文章も「書き言葉」だし)。「書き言葉」の歴史はわずか5000年である。人類は鉄道がなかった時代(たかだか200年ぐらい前)にも戻ることはできないだろうけれど、「書き言葉」がなかった時代までリセットすることも不可能だろう。それ自体はいい。つい最近まで代書屋という職業があったぐらいで、文字が書けなかった人の方が多かった時期よりも、いまはきっと何かが良くなっていると思いたいし(一方で日本の識字率は下がりつつあるらしい)。しかし、それにしても文字量が多過ぎる。ここまで何もかも文字にする必要があるのだろうか。人類にとって適正な食物の量というものがあるならば、「書き言葉」にも同じく適正の量が想定されてもいいような気がしないではない。「書き言葉」が増えに増えて、そして、二酸化炭素がオゾン層を破壊したとされるように、いつしか過剰な「書き言葉」も人類の何かを破壊したりはしないだろうか(J・G・バラードなら、ここで言語掃除機を取り出すか)。
「書き言葉」が飛躍的に増えたと感じたのはSNSの影響が大きい。単に体感でそう思っているだけなので、本当かどうかはわからない。100万部に近いベストセラーが立て続けに出たりして出版不況などという言葉がなかった時代の方が印刷された文字数自体は多かったりするのかもしれない。人の目にはふれない日記というものもあっただろう(いまもあるか)。そんなことはSNSの監視に余念がないCIAあたりが毎年の文字量をカウントでもしてくれない限りわからない。SNSが増やしたのは明らかに発信する人の数だから、「多過ぎる」と感じるのは、「書き言葉」そのものよりも、どこに向かって放たれてるのかわからない「書き言葉」のあり方が乱雑すぎて過剰に感じられるというだけのことかもしれないし。もう、ぜんぜんわからない。キングコング西野に至っては文字数を単位とした仮想通貨「レターポット」などという新たな信用経済の構想をぶち上げてくるし。うがー。

 巨大SNSを扱った映画だというので『ザ・サークル』に興味を持った。しかし、結論から言うとSNSがテーマの作品というよりは、SNS批判がトレンド化している現在にあって、その危険性を面白がるエンターテインメント作品であった。文字量=人数という捉え方でSNSを把握し、数の暴力に作品のテーマは絞られている。集合無意識は必ずしも善ならずというような。
 主演はエマ・ワトソン。普段からファンとセルフィーは撮らないと公言し、ツイッターで「HeForShe」や「FemnistBookClub」を呼びかけたり、地下鉄を舞台に様々なアクティヴィストぶりを発揮する彼女がSNSを批判する役回りというのはあまりに……あまりに整合性があり過ぎる。一方、SNS企業のトップにいて悪役を務めるのはトム・ハンクス。メールのやり取りに慰めを見出していた相手が実はビジネス上の敵だったという『ユー・ガット・メール』(98)の役柄がそのまま肥大化し、スケール・アップした感じ。エマ・ワトソン演じるメイ・ホランドは苦情処理の仕事から巨大IT企業、ザ・サークルへ転職を果たす。ツイッターとかフェイスブックがぐちゃぐちゃに混ざったようなアカウント・サーヴィスを提供するザ・サークルが新たに提供しようとするのは小型の監視カメラで、目的はリベラルな政治活動を支援すること。これにホランド自身が命を救われることになり、ホランドは以後、自分自身に監視カメラをつけて行動し、24時間、自分の生活を実況放送することになる。ところがホランドと一緒にいると自分のプライヴァシーまで奪われると感じた親や幼馴染はみな彼女と距離を置くようになり、SNS上のフォロワー以外、彼女はあらゆる人間関係を失ってしまう。そこに小型カメラに託された真の目的を探っている活動家が現れて……。

 すぐに思い出したのは『エドTV』(99)である。マシュー・マコノヒー演じるエド・ペカーニは24時間、自分の生活をケーブルTVで放送し続ける。彼は自分のすべてを誰かに観られることが楽しくてしょうがなく、やることなすこと過剰になっていく。要するにリアリティTVのパロディである。ストーリーの大筋は『エドTV』も『ザ・サークル』も大して変わらない。個人情報をさらけ出せば出すほどいいことがあるとしても、それによって失われるものを秤にかけた時点で話の流れは変わっていく。たとえば自らの身体情報をさらけ出しておくことで早期に病気が見つかるとしても、それでも知られたくないことはあるというようなことが話の潮目になる。そうした倫理観は2作とも同じだった。しかし、無名の一般人が多くの人に注目されたいという欲望を持っていることを暴き出した『エドTV』と、公共の利益をたてに個人情報を流出させようとする『ザ・サークル』では欲望の主体がまったく逆である。ここに政治家に期待される「透明性」だとか、様々な理屈が『ザ・サークル』では積み上げられていく。あなたの個人情報はあなたにはうまく管理できないから国が管理してあげた方がいいでしょうということになる(実際にイギリスではビッグ・データから個人の寿命を割り出せるので、あなたは○○歳で死ぬから年金はいくら納めて下さいという制度にすることも可能だけど……その方が平等なので……でも、さすがにそれはやらないんだとか)。話はそこまで急進的にはならないけれど、アメリカでは親が子どもを育てられないと判断すればソーシャル・ワーカーが親から子どもを取り上げてしまうように、個人から個人情報を取り上げていくような未来が待っていると『ザ・サークル』は示唆する。物語はそのようなことになったら怖いでしょうというSNS批判のトレンドにのって収束し始める。奇しくもいまアメリカではハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ騒ぎが引き金となって#WomenBoycottTwitterが巻き起こっている最中である。そう、SNSはよっぽど社会全体の負担になっていたのだろう。それも峠を越したから、こうしてエンターテイメント化され、スリラー映画として楽しめるのである(怖いという意味では同じエマ・ワトソン主演の政治劇『コロニア』はまったく別種の怖さだった)。

 SNSが個人情報を流出させるという危惧(「いいね!」のプロファイラーという職業もあるらしい)というのはいまは完全に反転してしまい、たとえば芸能人たちがTVで見せる「プライヴァシー公開芸」のようなポテンシャルにすり替わってしまった(気がつくと視聴者は誰かと誰かが飲みに行ったという話を延々と聞かされているだけだったりする)。80年代ならば「それ以上はプライヴェートなので」といってお笑い芸人でさえも口を閉ざすことができた領域をビジネス・チャンスと捉え、すべてをさらけ出しているフリをするのである。芸能人をやっているその人に共感するとか、消費者から見た対象の位置が変わっている現在、プライヴェートがどのようなものであるかを想像させることができない芸能人はもはや売れないのだろう。これはいわばリアリティTVの常態化であり、差し出すものがあるから得るものがあるという構造をどうコントロールするかにその人のセンスがかかっているといえる。こういった仕組みを批判的に捉えたのが『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)で、同作は俳優のホアキン・フェニックスがラッパーに転じるというフェイク・ニュースを流し、プライヴェートを捏造しきったモキュメンタリー作品だった。それと同じことを、もっと薄く、現在の芸能人たちはやっている。改めて思うのは、人々は、では、何を買っているのだろうということだけれど、物語の消費欲求は『ザ・サークル』ぐらいでは止めようがないことだけは確かである。

 もうひとつ気になったこと。グーグルの宣伝映画でしかなかった『インターンシップ』(13)もそうだったけれど、『ザ・サークル』も現在のサンフランシスコを過剰にユートピアのようなところとして描く傾向がある。メイ・ホランドが転職してきてすぐに会社の中を案内され、しばらく歩いていると中庭で本物のベックがコンサートをやっていたりと、どこもかしこもサブカルチャーの天国かと思うような仕様なのである。実際にそういった面もあるのだろう。しかし、現実にはアマゾンなどに多くの社員が勤め出したことにより、地元の交通状況は混乱の一途を増している上に、全米からホームレスが集まってきたためにカリフォルニア州には2年前から非常事態宣言が出されている(アマゾンは社屋のひとつをホームレスに開放している)。60年代にヒッピーが集まってきた時もサンフランシスコの住民はいい迷惑だったかもしれないけれど、似たような歪みがあることはまったく触れられていない。それなりにIT企業を主役として描いているわけだから、ユートピア性ばかりでなく、少し引いた視点も織り交ぜてくれないかなあと思うばかりである。

 ちなみに『エドTV』は、その前年に公開された『トゥルーマン・ショー』(98)に対するブラック・アンサーと評された作品だった。同じようにリアリティTVから発想したとしても、自分の人生が世界中の人に視聴されていることを知らずに暮らしている『トゥルーマン・ショー』はどちらかというと「自分は神に見られている」という宗教的な観点を持った作品で、その主題は当時から統合失調症を予感させるものであった。そういう意味では『トゥルーマン・ショー』に対してアンサーを返した作品は『エドTV』ではなく、僕はウィル・フェレルが珍しくシリアスな演技に徹した『主人公は僕だった』(06)だったと思う。『エドTV』は『ザ・サークル』との対比でようやく現代性を発揮できるようになったのではないかと。


Zodiak - ele-king

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