「KING」と一致するもの

 超オススメのイベントです。なんと、2015年1月、ジュリアナ・バーウィックが初来日します。
 彼女がどんな人なのかは、過去の記事を参照してください。

Julianna Barwick- The Magic Place
Julianna Barwick & Ikue Mori- FRKWYS Vol. 6
Julianna Barwick- Sanguine
Julianna Barwick- Nepenthe
Julianna Barwick- Rosabi

 とにかくライヴが楽しみでなりません。詳しくは、https://foundland.us/archives/956をチェックしましょう。





1/23(金)東京・品川教会(品川区北品川4-7-40)
adv./door 4,000/4,500yen
open 18:00/start 19:00

1/24(土)新潟・新潟県政記念館(新潟市中央区一番堀通町3-3)
adv./door 3,500/4,000yen(県外3,000yen/18歳以下無料)
open: 16:30 / start 17:00
w.福島諭+濱田潤一、青葉市子

1/25(日)神戸・旧グッゲンハイム邸(神戸市垂水区塩屋町3-5-17)
adv./door 3,500/4,000yen
open 17:30/start 18:00

1/26(月)大阪・島之内教会(大阪市中央区東心斎橋1-6-7)
adv./door 3,500/4,000yen
open 18:30/start 19:00

企画・招聘:flau, HUTU


ザ・フィールド - ele-king

 シューゲイザーとテクノが好きな君が年明けに行くべきは、このパーティだ。00年代に人気を博した、ドイツのザ・フィールドが来日。他に、〈コンパクト〉サウンドの日本代表とも言えるKAITO、2014年は、ele-kingの12インチ・シリーズにて森は生きているのリミックスを手がけてくれたGONNOも出演。ツアーにはベルリンのDJ、BARKERも同行。トランシーな夜になること間違いないでしょうね。

THE FIELD(KOMPAKT) & BARKER(Ostgut-Ton, Leisure System)
緊急来日公演決定!

 シューゲイズ・テクノと称されエクスペリメンタル・ロックの要素を取り入れながらさらなる進化し続ける THE FIELD。最新作『CUPID'S HEAD』ではソロ・プロジェクトへと原点回帰を果たし、レコーディングで使用したハードウェアで作り上げた画期的なライヴ・セットはループ・サウンドの匠が新境地を切り開いたことを証明してみせた。過去3回の単独来日公演、そしてロック・ファンも巻き込んだフジロックや朝霧ジャムで実証済みの中毒性に溢れた圧巻のパフォーマンス、お見逃しないように! 祝・再来日!
 さらに、Berghain/ Panorama Bar で行われているパーティ(兼レーベル)Leisure System, Ostgut-Ton からのリリースで知られる Barker & Baumecker の BARKER がツアーDJとして同行、我が国で〈KOMPAKT〉と言えばこの人 KAITO こと HIROSHI WATANBE、日本のテクノ~ハウス・シーンの次世代を担う才能として希有な存在感を示す GONNO も出演。
 

2015.01.16 fri @ 代官山 UNIT
Live: THE FIELD(KOMPAKT)
DJs: BARKER(Barker & Baumecker, Ostgut-Ton, Leisure System), HIROSHI WATANABE aka KAITO(KOMPAKT), GONNO(WC, Merkur, International Feel)

Open/ Start 23:30-
¥3,500(Advance), ¥4,000(Door)
Information: 03-5459-8630(UNIT)
www.unit-tokyo.com

Ticket Outlets: LAWSON(L: 75759), e+(eplus.jp), disk union CMS(渋谷, 新宿, 下北沢), TECHNIQUE, Clubberia Store, RA and UNIT

THE FIELD(KOMPAKT) https://www.kompakt.fm/artists/the_field
テクノ・ファンの間ではボーダー・コミュニティー以降の新しいオーガニックなテクノ・サウンドとして、ロック・ファンからは同郷のスウェーデンの人気バンド、120デイズや〈WARP〉のバトルス、トム・ヨークとの交友で注目を集めたKOMPAKTを代表するアーティスト、ザ・フィールド。2007年にリリースされたファースト・アルバム『From Here We Go Sublime』が『ピッチフォーク』でBest New Album(9.0)として高評価を獲得し、同年のベスト・テクノ・アルバムとして世界中で高い評価を獲得、そのサウンドは〈KOMPAKT〉らしいミニマルなビートにメロディアスでオーガニックなシンセ・サウンド、細かくフリップされたボイス・サンプルを多用しテクノ・ シーンでも異彩を放つ彼独特のサウンドで世界中の音楽ファンを魅了した。2009年にはセカンド・アルバム『Yesterday & Today』をリリース、バトルスのドラマー、ジョン・スタニアーが参加、前作以上に生楽器を取り入れオーガニックでメロディアスなテクノ・サウンドを展開しながら、サウンドの幅が広がった進化したサウンドを披露した。ザ・フィールドのサウンドはアンダーグラウンドなミニマル・テクノのサウンドとエクスペリメンタル・ロックの垣根を取り払い、双方のファンにアピールする新しいテクノ・サウンドを生み出して世界中で注目を集め続けている。2011年10月にサード・アルバム『Looping State Of Mind』を発表。別名アンビエント・プロジェクト、ループス・オブ・ユア・ハートでもループ・サウンドの可能性を模索。2012年、フジロックでは深夜のレッドマーキーで壮大なライヴ・サウンドを披露しオーディエンスを熱狂させた。2013年、バンド・スタイルでのライヴ活動に一旦終止符を打ち、ソロ・プロジェクトに立ち返った最新アルバム『Cupid’s Head』をリリース。相変わらず、『ピッチフォーク』からBest New Album(8.7)として高評価、その他各メディアから軒並み大絶賛されている。

BARKER(Barker & Baumecker, Ostgut-Ton - DE) https://ostgut.de/booking/artist/barker-baumecker
ベルリンのBerghain/ Panorama Barで行われている四半期パーティーLeisure Systemを主宰するBarker & Baumecker。Ostgut-Tonからリリースされた2枚のEP「Candyflip」「A Murder Of Crows」で注目を集め、フル・アルバム『Transsektoral』を2012年にリリース。その年のベスト・アルバムとしてJuno Plus, Resident Advisor, XLR8Rなどでランキングされた。ミニマルを基軸としながらアブストラクトな装いを兼ね備える独自のビートとウワモノが絡み合ったサウンドは、テクノ/エレクトロニカの双方のリスナーから高いプロップスを獲得している。今回は、THE FIELDたってのリクエストによりBARKERがツアーに同行することが決まった。

HIROSHI WATANABE aka KAITO(Kompakt)
https://www.hiroshiwatana.be
ドイツの人気レーベル〈Kompakt〉唯一の日本人アーティスト。1stアルバム『Special Life』に収録された「Intension」がFrancois K.のミックスCDに収録されるなど瞬く間に大反響を呼び、10年以上が経過した現在も色褪せることのない名曲として語り継がれている。また、Kaitoのオリジナル・アルバムでは常に対になるビートレス・アルバムも制作され、繊細かつ美しい旋律により幅広い音楽ファンに受け入れられている。Hiroshi Watanabe名義でも自身最大のセールスを記録した1stアルバム『Genesis』に続き、2011年に『Sync Positive』を発表。リスナーを鼓舞させる渾身の作品となっている。2013年には〈Kompakt〉の20周年を記念して制作された二枚組DJミックス『Recontact』をリリースし、更にKaito名義では4枚目となるオリジナル・アルバム『Until the End of Time』を発表。新生Kaitoとも言える壮大なサウンドスケープが描かれている。

GONNO(WC, Merkur, International Feel) https://www.facebook.com/pages/GONNO/235886486469829?fref=ts
次世代ハウス/テクノDJの旗手としてこれまでに日本のレーベル〈WC Recordings〉を初めとした数々の国内外レーベルより作品を発表、同時にDJやライヴ・アクトとしても、アシッドでメロディックなテクノを基調としながら幅広くストーリー性溢れるプレイが話題となり各地でプレイする。2007年~2009年には続けてベルリン公演を敢行、またその間にレーベル〈Merkur Schallplatten〉との親交から3枚のアナログ限定リリースも担当した。2011年、ウルグアイの〈International Feel Recordings〉からリリースされたシングル 「Acdise #2」が、ロラン・ガルニエやジェームス・ホールデン等にプレイされ話題を集め、発売後およそ1週間でソールドアウト。2011年ベスト・テクノ・レコードのひとつと言えるヒットを記録、フランソワ・ケヴォーキアンやDJエンマによるミックスCDにも収録された。現在も各方面で勢力的に活動をする中、昨年にはジェフ・ミルズの新作 「Where Light Ends」にリミックスを提供、またティム・スウィーニー主宰のBeats In Space Recordsから12インチ「The Noughties EP」、ALTZとのスプリット・シングル等、Calm別名義K.F.のリミックスを発表、一昨年、昨年と2年連続ドイツ/フランス/イギリス等を渡るEUツアーを敢行、BOILER ROOMにも出演を果たした。


はっぴいえんど - ele-king

彼は「見る前に飛べ」と言いぼくは茶化して「飛ぶ前に見る」と言ったことがあった。それは単なる笑い話に終わらず、ぼくはぼくなりに「風を集めて」と言う作品にして、それをまとめてみた。
松本隆『微熱少年』(1975年)

 先日、1年ぶりに顔見知りの中古盤屋に入って「最近は何が売れているんですか」と訊いたら、「和ものが強いっすね」と言われた。たしかにそのお店の日本の音楽のコーナーを見ると、1年前に比べて1/3は減っている気がした。実際そのとき──平日の夕方だが、「日本」コーナーではひとりの若い女性が熱心に掘っていた。そのお店では、90年代以降と80年代以前とで分けているのだが、減っているのは主に80年代以前で、「70年代」は入荷するとすぐに売れてしまうという。

 日本において、はっぴいえんど(の解散間際のアルバム)をはじめとする、1972年~1973年あたりのベルウッド・レーベル諸作について、僕がここで上塗りするのもおこがましい話であるのだが、なんでこんなにも70年代初頭のはっぴいえんど系が求められているのかと言えば、もはやリヴァイヴァルなどではなく、年々評価を高めているという事実はさておき、ひとつには、知的で洒落ていながもその温かいサウンドが良いのだと思う。フォーキーだがリズムとアレンジも凝っているし、言葉もユニークだし、アコースティックな音空間も繊細かつエレガント。ポップにおけるミキシング主流の時代を先取りもしているので、いまも音は古びない。すべては最終的に聴き心地の良い音楽へと落とし込まれている。とかくピリピリしている最近の日本において、それはひとつのシェルターになっているのかもしれない。
 そもそも今日は、消費文化の世界では、チープな打ち込み音楽が氾濫している。だいたい世のなか超アメリカンでアッパーな、そして薄っぺらいEDMだし、ああ耳も気持ちも痛い……となれば、アコースティックな響きの、アナログ録音の良さが滲み出ている生演奏の音が価値を高めるのも自然の流れで(ベックの2014年のアルバムもそういうカウンター的なものを内包していただろうし、この日本だって、EDM的なるものへの「ノー」として、いまに知的なギターポップが来るで)、日本語で歌われている格好いい音楽を求めるなら、さて、どこの時代に手が伸びていくのかは言わずもがだ。

 ちょうど同じ週、ひとと待ち合わせのために僕はまた別の街の中古盤店に入った。まだ明るい時間帯だったが、同じように日本の音楽のコーナーには人が張り付いている。そのうちひとりは30歳ぐらいの外国人で、彼は、Hのコーナーから20分は離れなかった。『レコード・コレクターズ』も最新号では「はっぴいえんど」特集をしているが、なるほど、各社再発しているのだ。いろんな意味でタイムリーだと思う。

 3年前、アメリカのTMTというピッチフォークへのカウンター的なマニアックなサイトで、はっぴいえどに関する記事が公開された。この手のメディアで、強烈なエキゾティズムを持っている日本人が取りあげられることは、90年代以降は珍しいことではないけれど、エキゾティズムとはほど遠いはっぴいえんどへの賞賛とは意外な話となる。どうやらアメリカでは、ここ数年、日本に生まれ、日本を生きながら、しかし日本との微妙な距離の、戦後=オキュパイド・ジャパン以降に生じた複雑なアイデンティティへの理解がはじまっているようなのだ。
 面白いのは、TMTのライターが、自分=アメリカ人の耳に、この音楽が「紛れもなくfamiliar」であることにショックを受けていることだ。それは、70年代初頭の日本のロック・バンドが、今日の若いアメリカ人が忘れかけている音楽の物語(魅力)をアメリカに教えているからなのかもしれない。が、しかし、はっぴいえんどのラスト・アルバム『HAPPY END』の最後に収録された“さよならアメリカさよならニッポン”(ヴァン・ダイク・パークスとの共作)という曲名が暗示するように、彼らはアメリカン・ポップスの単純なファンだったというわけではない。ときにはアメリカ支配からも、同時に日本支配からも逃れようとしたきのねじれのなかので、この音楽は鳴っている。はっぴいえんどが日本のロック/ポップス史における大いなるターニング・ポイントだったとしたら、重要なことはそれがバッファロー・スプリングフィールドの優れた翻訳ということではなく、当時みんながやってはいけないと思わされていたことをやったことにある。この音楽の心地よさの背後には、当時支配的だった文化への拒絶の意志があるのだ。
 ……とまあ、そこまで理屈にこだわらなくても、世界のレアグルーヴ愛好家にとって日本が最後の秘境と言われている話は、もうすでに何回か書いてきた通りである。僕たちは、フランス人のハウスDJの耳を鈴木茂のギターが魅了している時代に生きている。

 この度、キングレコードから創設者三浦光紀の監修によって、180グラムのアナログ盤として限定リリースされる初期のベルウッド・レーベルの10枚。中古盤でも高値が付けられているものばかりの作品なので、探している人は、値段が上がらないうちに手に入れた方がいいかもしれない。煽るわけじゃないけど、本当に、中古市場でも人気ある。カッティングに関しては、和田博巳(元はちみつぱい)の監修のもとで丁寧におこなわれ、アナログ盤らしい温かい音質になっている。
 外国でも通用するサウンドなどという(褒め)言葉は本当に意味がない。僕は、子供の頃に洋楽ファンから「所詮日本のロックなんかさ~」と言われてきた不幸な世代だ。他方で邦楽ファンは洋楽を聴かないという状況にあった。そうした対立軸がいまだにあるのは残念なことだが、しかしその対立軸を越えたところで、はっぴえんどは聴こえているはずだ。僕が小学生の頃は、アントニオ猪木やジャイアント馬場が外国人レスラーをばったばった倒しては人が拍手していた時代である(しかも何故かドイツ人レスラーは味方だった)。もう、そんな単純で、欺瞞的なメロドラマは繰り返されないだろう。萩原健太は、1983年の著書『はっぴいえんど伝説』の最後を「ほんとうの『伝説』はこれから生まれるのかもしれない」という言葉で結んでいる。たしかにその通りになった。大きな大きなハッピー・エンドである。

その代わりはっぴえんどは、受け継がれてきた否定を否定することによって、現存する歴史や記憶の形態を突破しようとした。
──マイケル・ボーダッシュ(奥田祐士訳)『さよならアメリカ、さよならニッポン』

Bellwood LP Collection

大瀧詠一 / 大瀧詠一 1972年

なんてロマンティックな音楽だろうか。この時代にしては先駆的な、巧妙なミキシングの、全曲およそ3分〜2分というポップスが夢の劇場を立ち上げる。萩原健太いうところの「永遠の3分間」の集合体。リアルタイムでは売れなかったという、大瀧詠一のファースト・ソロにして初期の最高傑作。この盤のみ1月発売予定。


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大瀧詠一 / アーリー大瀧詠一 1982年

不毛なこの人生で恋とポップスが夢の続きを可能にする。フィル・スペクターやビートルズやモータウンは、そして大瀧詠一は、そうしたどきどきする思いを音の大聖堂のなかで鳴らすことができた。レーベル10周年のときにリリースされたベスト・アルバム。


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はっぴいえんど / HAPPY END 1973年

僕たちの現在がもう過去には戻れないハイブリッドな文化として揺らいでいることは、いまとなっては常識だが、70年代初頭を思えば、それはそれでラジカルな態度表明だったに違いない。日本のポップ・ミュージックにとって歴史的な起点となった作品。


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はっぴいえんど / CITY、はっぴいえんどベスト・アルバム 1973年

はっぴいえんどを起点とする「はじまり」から広がった地平には、実に多くのものがあった。そのなかには80年代の「シティ」との親和性もあった。「シティ」はつねにアンビヴァレンツな記号だ。その空虚さは現代を生きる我々の骨身にしみているが、松本隆にとってのそれはアイロニーでもあったはず。パンクに心酔していた中高生の僕は、はっぴいえんどに端を発したニュー・ミュージック的なるもの(実はまったく別の展開として商用されたもの)に抵抗があったのだが、しかし、松本隆の『微熱少年』(装丁の絵がますむらひろしのほうです)は、稲垣足穂とともに重要な1冊だった。


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はっぴいえんど / ライブ!!はっぴいえんど1974年

1973年のライヴを収録。知的で、情熱的で、皮肉たっぷりの“はいからはくち”のライヴ演奏は感動的……というか、録音物では(ロックのヴォーカリスト中心主義に抗うがごとく)感情を制御していたこのバンドが、しかしライヴでは実にエモーショナルだったということを知ることができるだけでも貴重な記録。“抱きしめたい”のライヴ・ヴァージョンは涙もの。風都市主催のコンサート「CITY-Last Time Around」がおこなわれたのは1973年9月。オリジナル盤のライナーノーツは北中正和。


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はっぴいえんど / シングルス・はっぴいえんど 1974年

はっぴいえんど時代のメンバーのソロ作品集。『大瀧詠一』と『HOSONO HOUSE』と『HAPPY END』がさてどんなものなのか知りたい人には便利な編集盤。


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あがた森魚 / 乙女の儚夢 1972年

60年代が好んだ覇者アメリカへの対抗としての「日本」とリンクしたであろう林静一の絵を抜きにこのアルバムは語れない。大胆に引用される大正時代のデカダンスは、「戦後」という圧倒的に支配的な歴史観と抗するかのように、戦前大衆文化を訴える。バックを務めるのは、はちぴつぱい~ムーンライダースの面々。僕は、70年代のあがた森魚の諸作を本当によく聴いた。自分がどこから来たのかを知りたがる20歳ぐらいの僕には、大正ロマンはアイデンティファイしやすかった。UKのポストパンクが19世紀ゴシックにアプローチするのと似ているのかしれない。“赤色エレジー”が数十万のヒットだったいうのは、いまでは信じられないけれど。


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細野晴臣 / HOSONO HOUSE 1974年

細野晴臣の最初のソロ作品で、年を追うごとに評価を高めているのも納得できる、ソフトな感触の心地よいフォーク・ロック。「異邦人でいること」、細野晴臣はかつて自らのコンセプトをそう語っている。アメリカでも日本でもない、文化の反射板のあいだで研磨された音楽のもっとも牧歌的な結実と言えるかもしれない。周知のように、彼はその後、エキゾティック・サウンドのパロディのような音楽を試みているが、その文脈でからは「テクノ」とは別YMOが見えるだろう。


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はちみつぱい / センチメンタル通り 1973年

鈴木慶一、かしぶち哲郎らを擁した、はっぴいえんどとともに時代を切り拓いたバンドの唯一のアルバム。ドライなはっぴいえんどに対して、こちらは情緒的で、タイトルが言うように感傷的で、プログレッシヴ・ロックめいた展開もある。


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高田渡 / ごあいさつ 

谷川俊太郎、山之口貘、吉野弘といった詩人の言葉を音楽に混合する。ポリティカルだがユーモラス。黒人詩人ラングストン・ヒューズの木島始による日本語詩は、はっぴいえんど演奏するブルースをバックに歌われている。いま聴いてもモダンに感じる。


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お待たせしました! 『ザ・レフト──UK左翼列伝』刊行記念の筆談。衆議院選挙をはさんでの後編です。それではみなさん、よきクリスマスを。

→前編はこちら

『ガーディアン』電子版の読者コメント欄に「私が会った多くの日本人が、この選挙では意志的に投票したい党がなかったと言っていた。『既存の党以外』という選択があれば投票したと言った人がたくさんいた。自民党は日本で起きている不快な現象を利用して勝った。それは日本の人々はアンガーを感じるのではなく、撤退してしまっているということだ」という意見があって、うーむ。となりました。──ブレイディみかこ


ブレイディみかこ
ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝

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水越 総選挙が終わり、テレビは与党大勝とか言ってますが、自民党の議席は減りました。とは言え絶対数で話にならないので、国会はあまり変わらず、ただ安倍政権の任期が延びただけ。「だけ」ではあるけれど、これこそが安倍首相が求めていたことですからね、満足過ぎる結果ということでしょう。「史上最低の投票率」については、政権側のあまりにも強引で用意周到なシナリオを前に結果が見えすぎていましたから、それこそよく5割を維持したといってもいいくらいかもしれません。選挙日程にしても運動のやり方にしても、第二次安倍政権は徹底して戦略好きというか長けていることを何より思い知らされたと言うか……。結果としては大筋予想どおりではあったものの、次世代の党がほとんど壊滅して、組織票とは言え公明、共産、さらに最低に不甲斐ない民主党という比較的リベラル寄り勢力が増えたことから、全体としては極右・タカ派路線は拒否されたということにはなるんでしょうか。給料を上げてくれるなら多少のタカには目を瞑るけど、それが欲しいわけではないって感じかな。かと言って、現実的には「自民より右」の次世代の党が一掃されたことが今後の安倍政権のタカ派っぷりを抑制するとも思えない。極右がおとなしくなることで、経済政策も安保法制化もかえって伸び伸びできるってことになるかもしれません。
 この選挙は『ガーディアン』なんかでもけっこう報道されていたようですが、どんな論調になっていましたか?

ブレイディ  英メディアも「大勝」ってのと「微妙な勝ち方」の両方があり、『ガーディアン』はやはり左寄りなので、「勝った途端に憲法改正のことを言いだした」、「ウーマノミクス(何が舐めてるってこのPR用語の激烈なひどさが一番国民を舐めてる気もしますが)はどうなった」みたいな記事も出てきて。ズバッとは書いてませんけど、憲法改正以外はどれもあんまり本気でやる気がないんじゃないか(経済も含めて)。矛盾だらけだし。みたいな感じが行間から零れています。あとBBCの東京駐在記者が「ブロークン・ジャパン」という表現を使っててちょっと動揺しました。
 『ガーディアン』電子版の読者コメント欄に「私が会った多くの日本人が、この選挙では意志的に投票したい党がなかったと言っていた。『既存の党以外』という選択があれば投票したと言った人がたくさんいた。自民党は日本で起きている不快な現象を利用して勝った。それは日本の人びとはアンガーを感じるのではなく、撤退してしまっているということだ」という意見があって、ちょうど「私たちは『怒れない』から選挙にいけないのかもしれない」という若いお嬢さんの文章をポリタスで読んだばかりだったんで、うーむ。となりました。
 『ザ・レフト』を書いてた間は本を読む暇がなかったので、ようやく今年出たジョン・ライドンの自伝を読んでるんですが、それは「Anger Is An Energy(怒りはエネルギーだ)」というPiLのファンならよく知っている言葉がタイトルなんです。ライドンは冒頭で、「アンガーは必ずしも暴力的でネガティヴなものではない。非常に前向きな力になり得る」と書いていて、たしかにアンガー問題はあるよなあと思って。
 「なんでアタシらだけこんなに貧乏なのよ、おかしいだろ」とか「なにが戦争だ。俺は死にたくねえ」とかいちいち怒る人は、やっぱ強力な指導者とか「この道しかない」とかいう方向には行けませんよね。『ザ・レフト』とは、アンガーの人なのかも。あーこれ、本が出る前に考えときゃよかった。この線で書けた人もいる(笑)。

水越 米大手紙の結果分析では軒並み、安倍晋三の歴史修正主義的思想が推進しやすくなったのではないかと危惧されていたようですね。私もめんどくさい人と話してるときに使っちゃうし、おおかた日本の左派はこんなとき、外国、とくに欧米からのガイアツをもち出す癖があります。でも「外国はこう言ってるぞ」って、最低ですよね。ある時期までの日本人には説得力を持っていた方便だけど、怠惰で不真面目な上に安直なこの癖が、稚拙なナショナリズムをますます燃え上がらせてしまったという意味で自分のクビを締めてる。でも「ブロークン・ジャパン」とはっきり言われると、逆に気が強くなる気がします。最近、大日本帝国とかフランコ政権下とかピノチェト政権下とかで生きた人たちは何を考え、どんな生活をしてたんだろうとか考えることがあります。私ならそういう時代をどう生きられるだろうなんて。そんなときには「怒り」は縮んでいますが………。たとえば「ウーマノミクス」には「怒り」を感じますが、でも「怒り」より無力感の方がもっと強い。国民国家の“庶民”はしょせんは国民国家運営のための駒とか道具であって、人権なんて取り繕いでしかないんだという宣言みたいだもの。
 でも、ポリタスのその記事を読んで、若い世代の多くが言ってる「投票しても自分たちには見返りがない、自分のために政治は何もしてくれない」とは、私は若い頃に思ったことなかったなあ。もちろん私の1票が何かの力になるとも思ってなかったし、まして「政治家が自分たちの世代のために何かしてくれる」なんてことは頭をよぎったことすらなかったのはいつの時代も変わらないとは思うけど。まあ、いまのように若年層が絶滅危惧種ではなかったし、金権政治が大問題だった当時、野党もマスメディアもいまとは比べ物にならない「怒り」を表現していたようには思います。若い私はそういう社会全体にあった「怒り」のエネルギーを、さらにはサブカルチャーが素朴な形で表出していた「怒り」のスタイルを自然に吸収して、「政権交代はあり得ない選挙」にも諦めないことを自分に言い聞かせながら投票していました。だから、いまの若い人たちが自分の生活や将来と政治を結びつけて考えた上で、無力感を抱いているのだとすると、私が若い頃よりも政治は若い人たちにとって身近なものになっているということではないでしょうか? だた、身近なだけに、その記事にあるように、「社会に貢献する」とかってことにやたら生真面目になっていて、短絡的な怒りに到達しないのかもしれない。「怒り」にもロールモデルが必要なんでしょう。いまのように、大学受験や就職活動でボランティア経験が評価の対象になったり、それこそ子どもを生んでいないことに自責を感じさせるようなキャンペーンがあったりするうちに、「怒り」は仕舞い込まれてしまうのかも。解消され得ない世代間闘争を考えると、「若者よ、投票所へ」運動より先に、「年寄りよ、社会へ」運動が必要ですよ。
 ところで「怒りの人」ってたとえばどんな人ですか? そういえば、ジュリー・バーチルと対立したこともあるというジョン・ライドンは『ザ・レフト』では取り上げられてませんね。ブレイディさんならまずはジョン・ライドンだろうなんて思っていたんですが……(笑)。あと、自由民主党党首ニック・クレッグのアドバイザーになっていたブライアン・イーノのことも気になります。イーノのイスラエル支持のアメリカ人に対する手紙には怒りを感じました。

ブレイディ ガイアツに関しては、日本人って異様なほど海外からの目線を気にしますからねー。大きなニュースがある度に第二報はもう「海外の反応」だし。だから海外から物を書くにしても、「海外では日本はこう見られてるぞ」「海外から見たらそんなの変だぞ」というのをやった方が、本当は楽に話題になれるしPV稼げる。でも、わたしは「人の目なんか気にすんな」というのがどうしてもこう、染みついていて、やっぱ思春期に聴いた音楽が良くなかったと思うんですけど(笑)、それはしたくないんです。英国で何が起きているかを書きたいし、この国には日本の人たちが考えるネタになることが転がっているような気がする。それは単に「俺らもそうなんきゃ」とスタンダード視する材料ではなくて。スタンダードなどどこにもないですから。
 「アンガーの人」は、『ザ・レフト』で書いた人みんなそうだと思います。各章の最後の囲みのなかの名言(ファシャヌだけ違うんですが)だけ読み返したら、みんな怒ってますよね。静かにストイックに怒ってる人もいるし、もはやアートと言えるような熟練の怒り技を見せている人もいるし、アンガーを前向きな力に変えてマラカスふってる人もいる。わたしは外国人だから多種多様な考えの人たちを「レフト」として見れると仰ってましたよね。あれから考えてたんですけど、それはたぶん、底辺生活者をサポートする施設でヴォランティアした経験が大きいと思います。あそここそ、もうアナーコなんちゃらとか組合系レフトとかいろんな考えを持つ人たちが毎日派手に口論になったりややこしいことになったりしながら、それでもなぜかコミュニティを形成していた。最終的にはなんか「でも俺らはここに集まる人」みたいな共有する 認識がありました。みんな「これじゃいかん」というアンガーがあって。かなり心の許容範囲を拡大しなければ受け入れられないような人々もいましたし、けっしてラヴリーな場所ではなかったですけどね。
 ライドンについては、わたしが書く本は陰の主役は彼だと前に指摘されたことがあるんですが、今回は、カレーで言えば福神漬け、うどんでいえば七味のような役で出てもらいました。日本も、世界の真ん中で咲き誇りたがらずに、この本のライドンのような脇役になれたらクールじゃないかと思います。ブライアン・イーノはちょっと考えました。ガザ問題ではたしかにアンガーがありましたし。でも、わたしはニック・クレッグがダメなんです。チャールズ・ケネディ党首が好きでした。スコットランド人らしいレフト性が根底にある人で。アルコール問題で破滅しましたけど(ここら辺も他人事じゃないし)。

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20世紀の「勝ち取る」左翼ではなく、「取り戻す」左翼の時代なんだなあということです。前衛ではなく、最後衛で振り落とされる者たちを守ることを考えなきゃならない左翼。咲き誇る革命ではなく、地味で辛気くさい「地べた」で……。そういうことを思うとき、それでも笑っちゃうドタバタに励まされたりもする。そして考えてみると、ああ、いまの日本にもこういう人はけっこういる、あの人やあの人も、似てるじゃんと思えて来ます。日本版でもこれ、できそうかもしれません。 ──水越真紀

水越 外国で暮らしている日本人が日本語で書くものには、その外国と日本を比較して日本をやたら褒めるものと、逆に「だから日本はダメだ」というものの二種類が多くて、時流でどっちかが流行りますね。いまは「日本を褒めるもの」が受ける。どっちにしてもたぶんそういう話って頭のなかで発展していかない。瞬間的な癒しで終わって「考えるネタ」になっていかないんですね。この「ザ・レフト」に限らず、ブレイディさんのお書きになるものは、直接的な比較という視線はありませんが、日本で起きていることを意識されてるということがすごく伝わってくる。日本でこれを読む読者の思考は単純な彼我の比較でなく、文化の違いや歴史などを総動員して複雑に展開していく。知識を得るだけの読書じゃなくて、頭のなかで本が膨らんでいくんです。
 ブレイディさんのヴォランティア時代の話は、前作『アナキズム・イン・ザ・UK』でたっぷり読めますね。まさにカオスでアナキーな体験ですが、『ザ・レフト』にあるブレイディさんの視線は変わっていません。80年代初頭に、宮迫千鶴さんが「イエロー感覚」で、輸入文化で育って、日本の伝統文化を“外国人の視点”で見てしまうが、どっか心身に染み込んでるところもある、といったような文化的国籍不明の「在日イエロー」という立場を標榜しました。当時、コスモポリタンとか流行りはじめていたんですが、そういうかっこいいものでもなくて……。生まれた国に住み続けながら、国民ではなく「在日者」として生きるというアイディアに私は非常に共感しましたが、ブレイディさんの視線にはそれに通じる ものを感じます。ところで私はブレイディさんのブログのかなり前からの読者だったんです。ソーシャルワーカーに子どもをとられそうになっている母親とのやり取りがアップされていた頃で、最初に見つけたときには朝まで夢中で読んでました。で、もったいなくて誰にも秘密で読んでたんですが、ロンドン五輪開会式の話でついに我慢しきれず「これこれ!」と吹聴するに至った。そのブログをはじめたきっかけやその頃の日本との精神的距離感などについて教えていただけますか?

ブレイディ 実は、はじまりは「John Lydon Update」というサイトでした。ライドンが2004年に「I’m A Celebrity Get Me Out Of Here」というB級セレブを集めたリアリティー番組に出たんです。日本の人たちはこれを知ってるんだろうか?とネット検索してみたら、日本では「そんな番組に出るなんて彼も終わった」とか「パンクの生き恥」という意見が多かったので、「何言うとんじゃ、見てもおらんくせに。これこそパンクじゃろうがー(って急に菅原文太になる必要もないですが)」と思い、毎日、情熱的に彼のアナキーな言動を文章で中継してました。
 で、そうなってくるとライドンのファンサイトの様相を呈して来て(掲示板もありました。すぐやめたけど)、そういうのはあんまりやりたくないと思い、サイトのタグ打ちも面倒だったんで、個人的な日記ブログに切り替えました。でも、その頃はただダラダラ書いてただけで、底辺生活者サポート施設の託児所で働くようになってから書く内容が変わったと思います。あの頃は、もうただ自分のために書いてました。夜中に酒飲みながら。いつも酔ってたので翌日読んでみるとたいてい最後のほうの文章は書いた覚えがない。貧困層の子供たちとか、多種多様なアナーコ族やアンダークラス民の喧嘩とか、書いたものを読むと笑えますが、実際にそのなかに身を置くのは精神的にきつかったんだと思いま す。やっぱああいう場所にいると気持ちが落ち込みますし。ひどいアンガーも感じました。その頃の文章は前作の後半に入っていますが、正直、いまでも書いた覚えのないものがあります(笑)。
 あの頃はあまり日本のことは意識してなかったです。日本との精神的距離というのは考えたことなかったですけど、でも日本もいろんな人がいて、それこそ様々な階級とか(昔はないことになってましたが)あるので、どこのどの辺との距離なのかってのもあると思いますが、わたしは一億ファッキン総中流時代に大変居心地の悪い思いをした家庭の娘だったので、英国の労働者階級のほうが、違和感なくスッと入っていけました。わたしは福岡出身ですが、昔はよく某党の関係者が選挙前に現金を封筒に入れて持って来てて、うちの親父は中卒の肉体労働者ですが、「選挙というのはそげなもんやなか」とすごく怒って封筒を突き返してました。土建屋のくせに自民党嫌いで(だから貧乏なのかも)。昔は本なんか読んでる姿も見たことなくて、ディスレクシアっぽいのかと思ってましたが、最近やたら本や新聞を読んでて、政治を語ってます(笑)。そういう貧乏な老人も日本にはいるようです。
 そういえば、わたしのブログは3.11以降にPVが増えました。日本の人たちとわたしの書くものにあまり距離がなくなったのかもしれないと思います。

水越 ああ、たぶんそれも読んでました。ジョン・ライドンがリアリティー番組に出たということだけは伝わって来たけど、中身が分からなくて、ちょっと遅れて探した記憶があります。あれ、ブレイディさんが書いてらしたんですねー。
 前作にもたくさん出てくるサポート施設の託児所の子供たちの描写には、共感とか親愛の底にやりきれない無力感のようなものが貼り付いていて、でもだからこそ、そこは明るくて逞しい場所のように思えて来ます。ドライでやけっぱちなのに情緒を呼び起こされてしまう、そういうところに、私はジョン・ライドンを感じます(笑)。
 『ザ・レフト』を読んで、とくに印象に残ったのは、ケン・ローチ、J・K・ローリング、ジュリー・バーチルが、自身の“いま”があるのは、英国社会が整備して来た教育や福祉制度や緩和しつつあった階級流動性のおかげであるということを踏まえた発言をしていることでした。私の祖父は病弱なのに山っ気のある人で、子どもを10人も産まされた祖母は一時期、生活保護で子供たちを育てました。つまり私が生まれてこられたのもこの国の福祉のおかげとも言えるわけなんです。小泉政権以降、社会の高齢化現象のひとつでもあるのかもしれませんが、「恵まれなかった私は努力して成功したのだから、君たちも努力すれば出来る」と考える大人が目立っていました。ローチらが危機感を抱くように、そうした社会は過去のものになっているという意味で、20世紀の「勝ち取る」左翼ではなく、「取り戻す」左翼の時代なんだなあということです。前衛ではなく、最後衛で振り落とされる者たちを守ることを考えなきゃならない左翼。咲き誇る革命ではなく、地味で辛気くさい「地べた」で……。そういうことを思うとき、それでも笑っちゃうドタバタに励まされたりもする。そして考えてみると、ああ、いまの日本にもこういう人はけっこういる、あの人やあの人も、似てるじゃんと思えて来ます。日本版でもこれ、できそうかもしれません。ブレイディさんの人を見る視線に、私はいちばん刺激を受けました。
 最後に、ちょっとプライヴェートなことにずかずか踏み込んでみたいのですが、パートナーとの出会いはどういうものだったんですか? とか、やはりパンクのつながりで? とか、お酒は実際どのくらい飲んでるんですか? なんてことを……。

ブレイディ えっ。いきなりそう来たかとちょっと動揺しましたが、連合いとは飲み屋で会いました。何も面白くないです(笑)。彼は76年と77年はイスラエルのキブツでバナナを作っていたらしいので、パンクつながりとは言えないかもしれません。彼はたぶんThe Whoが一番好きなんじゃないかな。近年だとマニック・ストリート・プリーチャーズのPVを見てこっそり泣いているのを目撃しました(笑)。
 わたしの酒量は、休肝日を作りなさいと医師に数回言われた程度です。はっ。いま気づいたのですが、わたしがいろんな考え方の人を「まあよかたーい(博多弁)」と大雑把にレフトと呼んでしまうのは、もしかしたらわたしが酒飲みだからなのかも……。
 『ザ・レフト』なんて本を書いておいて何ですが、わたしは保守派の言い分もわからないこともないし、ライドンも実はけっこう保守っぽいことを言う(でも最近、『保守党に投票することがあると思いますか?』と質問されたら、『ははははは。そら絶対ない』とあの鼻声で笑ってましたけど)。保守党って英語ではConservativeで、それはConserve(保守する、保全する)人の党の意ですから、二大政党制でそれにカウンターをかける政党だったらInnovator(革新する人の党)でも良さそうだし、リベラル党でも良さそうですが、英国の場合はLabour(労働党)なんですよね。伝統や現状のなかに含まれる自分の権益を保守・保全しようとするエスタブリッシュメントに、地べたで働く人間(+地べた民の側につこうとする上層民。これとても大事)がカウンターをかけるという構図がいままで続いてきた。でも、ここんとこ労働党がそれをちゃんとやってないから、ケン・ローチやベズのような人たちがそれにカウンターをかけようとしている。
 日本版『ザ・レフト』といえば、スコットランド独立投票のときに井上ひさしの『吉里吉里人』を思い出していたのですが(正確には作者と題名が思い出せなくて、筒井康隆だったっけーとか思ってたんですが)、菅原文太があれを映画化しようとしていたと知って、ほーと思いました。『ザ・レフト』は無名の人編だってアリですよね。いまの日本は海外在住のばばあが書店の中和化を図りたくなるぐらい世のなかが一方的になっているようですが、高齢化を極めるにつれ、女性を活かすとか移民を受け入れるとかしないと現実に回って行かなくなる国には、仰るとおり「最後衛の左派」が育つことはクルーシャルと思います。ブロークンというのは、最後尾に立つカウンターがいない状態かもしれませんしね。でも、逞しいカウンター勢力が育つには時間が必要ですから、ひどい時代というのは、じっくり考えたり何かをオーガナイズしたりする時間を与えてくれているのかもしれない。
 わたしも貧乏な老人をふたり残して来ているので、他人事ではありません。失望とアンガーと、そしてある種の期待をもってブライトンから祖国を見ています。
 

vol. 68:変わりゆくウィリアムスバーグ - ele-king

 年の終わりは、何かとバタバタする。たくさんのホリディ・パーティが催され、大量のギフトを交換し、飲んで食べて、この1年はどうだった? などと1年を振り返る。ランダムなパーティに行くと、最近会っていない知り合いに会ったり、ホリディだからとNYに遊びに来ている友だちがいたり、たくさんのサプライズがあるのも、NYと感じる。

 著者は、バンド活動他、アーティストの取材やアテンド、NYのガイドブックを作ったり、地道な執筆作業を続けた1年だった。そして、毎週欠かさず行っていたのがブルックリン•ナイト•バザー。今年から年中オープンしていたので、ショーもたくさん見た。ハイライトは、マック•デマルコ、メン、ザ•メン、ハニー、サイキックTV辺りだろうか。毎週行っているので、ヴェンダーにも知り合いがたくさんできた。先週見に行ったRatkingでは久しぶりに列に並んだ! Run The Jewels(El-P & Killer Mike)とツアーをした、いまブルックリンで大人気のヒップホップ集団である。
 著者は、ヒップホップには詳しくないので、大きなことは言えないが、Todd Pがサマー・スクリーンでブックしていたのを見たとき、これぞ新世代バンド! と目をつけていた。
 この日はヴェンダーもぎゅうぎゅうで、ホリディギフトショッピングが飛び交うなか、誘惑を潜り抜け、ステージ横へ。すごい人である。メンバー3人だったのが、サックスプレイヤーが入ったり、トータル5人ぐらいがステージをウロウロしていた。相変わらずカジュアルで、客からのサーフィンが起こっていた。面白かったのが客層。2/3は褐色男20代前半。外で並んでいるとき、隣にいた人たちと喋っていたら、ニュージャージーから来たやら、ブロンクスから来たなど、「ブルックリンに来たの初めて!」という感じの人たちばかり。「ウィリアムスバーグに15年住んでる」と言ったら、途端に尊敬の眼差しで見られ「ブルックリンはどんなところ?」とガンガン質問されてしまった。

 そうなのである。著者が遊んでいた層や世代は、いまはウィリアムスバーグにはほとんど残っていないのである。いるのは、最近コンドに引っ越してきたリッチキッズやヤッピー。まわりのレストランもハイエンドで、最近行った日本食レストランSalt + Charcoalやゼブロンの跡地に出来たThe Heywardはいまのウィリアムスバーグを象徴している。今年は1月から285 Kentがクローズする〜と大騒ぎし、デス・バイ・オーディオ、グラスランズ、スパイク・ヒルのクローズで閉められた、ウィリアムスバーガーにとっては辛い1年だった。

 著者のまわりは、すでに西海岸やクイーンズに引っ越し、新たなコミュニティと共存しはじめている。とは言っても、NY、ブルックリンは広い。人も多いし、若い世代が、いまも違う形で新しい物を作り出しているのだ。

 実は、住んでいる場所について考えることがある。こんなに劇的に変わってしまった近所だが、いまでも大好きである。マンハッタンに行くことを考えたら、ウィリアムスバーグというアクセスの良さに勝るものはない。が、地価の高騰ぶりは半端ないのが現実である。

 さて、ホリディは、ウィリアムスバーグに、一体どんな層が出歩いているのか。新しい発見があることを願って。

 最後に、2014年もお世話になりました。


ラリ・プナだって! - ele-king

 〈Morr Music〉を筆頭に、「あの頃のエレクトロニカ」にもふたたび光が当たりつつあるのかもしれない。ラリ・プナの再来日が10年ぶりというのは、その背後にさらにいろいろなものの“10年ぶり”をしたがえているように思えてならない。あのあたたかくつめたい音を、ある人々はなつかしく、ある人々は新鮮に聴くことになるだろう。
 来年2月の来日は一夜限り。逃すのはもったいない機会だ。

■LALI PUNA Live in Tokyo 2015
with special guest TRAMPAULINE

 ドイツのMorr Musicの看板アーティストとして、2000年代初頭のエレクトロニカ・ブームの寵児とも言える存在だったラリ・プナだが、その後も寡作でマイペースな活動ぶりながら一作ごとに新たな顔を見せ、ヴァレリー嬢の唯一無二のヴォーカルも相俟って、その作品群はいま聴いても全く色褪せていない。日本初となる単独公演では、新旧の楽曲を織り交ぜたロングセットで、定評があるライブ・バンドとしての魅力も余すところなく伝えてくれるだろう。そして、2015年1月にラリ・プナのドイツ・ツアーでサポート・アクトをつとめることになった韓国のエレクトロ・ポップ・バンド、トランポリンが東京公演にも特別出演決定! 2012年の初来日公演でも絶賛を浴びたクールで熱い彼女たちのパフォーマンスも見逃せない。

■公演詳細
2015 年 2 月 11 日(水・祝)
代官山 UNIT
開場 18:00 /開演 19:00
前売 4,800 円/当日 5,300 円
チケット取扱: e+, ローソンチケット
お問い合わせ:
代官山 UNIT TEL:03-3464-1012 https://www.unit-tokyo.com/
DUM-DUM LLP 03-6304-9255
https://dum-dum.tv
チケット一般発売: 12/ 28( 日 ) 10:00 ~
◎先行予約 ; 12 月 20 日(土)18:00~ 12 月 23 日(火)23:00

■ヴォーカル、ヴァレリー・トレベルヤーからのメッセージ
「久しぶりに東京に行って演奏できることをとても楽しみにしています。前回東京に行ったのは4年前、高橋幸宏さんが私をゲストシンガーとして招いてくださった時でしたが、2005年に初めて東京と大阪、それに京都を訪れた時、私たちはすっかり日本の虜になりました。ラリ・プナの一員として再び日本で演奏できることを嬉しく思います。そして、トランポリンとのコラボレーションもとても楽しみです。彼女たちのヴィデオをYouTubeで観て、私は即座に彼女たちの演奏に魅了され、ラリ・プナとの相性もいいだろうと確信しました。そして、実際にそうだと分かりました。私たちは2曲を一緒に作ることにした
のですが、とてもうまく行ったんです。」──ヴァレリー・トレベルヤー(ラリ・プナ)

■ラリ・プナ(Lali Puna)
1998年初頭、ドイツ・ミュンヘンにて、ヴァレリー・トレベルヤーのソロ・プロジェクトとして始動。間もなく、ザ・ノーツイスト(The Notwist)やタイド&ティクルド・トリオ(Tied & Tickled Trio)のメンバーとしても知られるマルクス・アッハーが加入。同年8月にHausmusikより7インチ・シングルをリリースした後、レコーディングのみならずライブ演奏も志向していく過程で、ドラムのクリストフ・ブランドナーとキーボードのフロリアン・ツィマーも加わり、4人組のバンド編成となる。1999年9月、まだ設立後間もないベルリンのレーベル、Morr Musicよりデビュー・アルバム『Tridecoder』をリリース。2001年9月に発表したセカンド・アルバム『Scary World Theory』は、歌ものエレクトロニカの可能性を押し広げた作品として絶賛を浴び、ラリ・プナのみならず、Morr Musicの人気とレーベル・カラーを決定づける作品にもなった。2002年秋には初のUSツアーを敢行するが、その数ヶ月後に、フロリアンが、自身のプロジェクト、Iso68に専念するためバンドを脱退、後任としてクリスチャン・ハイスが加入。2004年4月には、ギターを多用し、ロック色を強めたサード・アルバム『Faking the Books』をリリース。2005年5月には、ドイツのエレクトロ/インディーポップ寄りのアーティストが多数集結して東京と大阪で行われたイベント「Soundz from Germany 2005」で初来日。2010年4月、長いブランクを経て、6年ぶりの新作『Our Inventions』を発表し、これまで以上に精緻で研ぎ澄まされたエレクトロ・ポップを聴かせた。バンド名の「ラリ」はヴァレリーの幼少時のあだ名、「プナ」は彼女の出生地である韓国のプサンのことを指している。

■トランポリン(Trampauline)
韓国・ソウルにて、チャ・ヒョソンのソロ・プロジェクトとして始動。2008年にフォーキーなエレクトロニカを換骨奪胎したような清新なサウンドが光るデビュー・アルバムを発表。2011年には、ギタリストのキム・ナウンをメンバーに迎え、ヒョソンの独特な英語詞の歌い回しとクセのあるエレクトロ・ポップが見事に融合したセカンド・アルバム『This Is Why We Are Falling For Each Other』を発表。同年の韓国大衆音楽賞で2部門にノミネートされる。2012年6月には、IRMA Records Japanよりセカンド・アルバムの日本盤がリリースされ、同年9月には初来日、VOGUE JAPAN誌主催のファッションイベントの一環としてagnes bの表参道店にてライヴを行い、渋谷O-nestでも公演した。2015年1月には、ドイツでラリ・プナと3公演を行う他、2月には韓国のソウルとプサンでの共演も決定している。ヴォーカル/シンセサイザーを担当するヒョソンを軸としたバンド編成は流動的だが、現在はキム・ナウンとベースのチョン・ダヨンを加えた3人を正式メンバーとして活動している。


時代はジェフ・ミルズです。 - ele-king

 時代はジェフ・ミルズです。たとえば、〈PAN〉から出ているリー・ギャンブル、ピンチのコールドのコンピレーションを聴いてみてください。サージョン・リヴァイヴァルとも言えるかもしれないけど、シーンは、確実にジェフ・ミルズとリンクしているじゃありませんか。アントールドもカレント・ベストにジェフのアルバムを挙げていたし、素晴らしいことに、ジェフ・ミルズは新しい世代に受け継がれています。
 そんな折りに、フランスで作られた、ジェフ・ミルズ主演のドキュメンタリー映画がDVDとなってリリースされます。「テクノとは何のために存在するのか」、この大きなテーマと向き合っている映画です。ぜひ、ご覧下さい。

 2014年2月、パリのルーブル美術館オーディトリアムでのワールド・プレミアを皮切りに、日本を含む各国で上映され話題を集めた、ジャクリーヌ・コー監督、ジェフ・ミルズ主演のアート・ドキュメンタリー・フィルム『MAN FROM TOMORROW』。ジェフ・ミルズ書下ろしのサウンド・トラック収録CD+DVDで発売となった。

 通常のドキュメンタリーとは一線を画したノン・ナラティブな手法、アーティスティックでエクスペリメンタルな映像と音楽で構成された本作品は、ジェフの初主演作品。彼の考えるテクノのあり方や音楽制作の過程、彼の想像する未来などが凝縮して織り込まれ、テクノ・ミュージックの醍醐味をDJイベントとは異なった形で表現する試みでもあるという、ジェフの創造性・実験的精神をあますところなく体現する作品となっている。

 「なぜ彼が音楽を作るのか、テクノとは何のために存在するのか、という疑問の答えを解き明かす映像による旅路」(コー監督)というこの作品。スタイリッシュな映像と音楽を通じてジェフの宇宙が凝縮されたこの作品をぜひ体験して欲しい。

 また、12/20 (土)には、これまで国内テクノ・シーンの歴史の一端を担ってきたageHa随一の人気テクノ・パーティー“CLASH”のファイナル・パーティに、DERRICK MAY、KEN ISHIIらと共に出演することも決定している。

 ジェフ初主演映像作品とともにこちらも見逃せないラインナップとなっているのでぜひチェックを。

 ジェフ・ミルズ初主演映画作品『MAN FROM TOMORROW』は、U/M/A/Aより本日発売される。


JEFF MILLS『MAN FROM TOMORROW』
生産枚数限定日本仕様

XECD-1132(CD+DVD)
価格:\3,900(+税)
発売日:2014年12月17日
【限定特典のJEFF MILLSサイン入りポスター付き!】

Amazon

[CD]
1. The Occurrence
2. Multi-Dimensional Freedom *
3. The Event Horizon *
4. Gravity Drive *
5. Star Marked *
6. Us And Them *
7. Sirius *
8. The Man Who Wanted Stars *
9. The Source Directive
10. Actual
11. The Watchers Of People *
12. Searching *
13. The Warning *
14. Light-like Illusions *
15. Star People *
16. Utopia
(合計:71分)
* 未発表曲
All music are written and produced by Jeff Mills

[DVD]
ドキュメンタリー映画・本編 40分(オーディオ:英語/字幕:日本語、フランス語)
ブックレット解説: 門井隆盛/ジャックリーヌ・コー(英文+和訳)


ele-king vol.15 - ele-king

表紙&ロングインタビューは「坂本慎太郎」
第1特集:坂本慎太郎と邦楽の詩人たち
第2特集:2014年、エレキングが選ぶ年間ベスト・アルバム30枚     他
電子書籍版へのアクセスキーがついています

お隣の県のOGRE YOU ASSHOLE - ele-king

 山梨のラッパー、田我流が、国道20号線をたどって「お隣の県にお住まいの」オウガ・ユー・アスホールを訪ねるロード・ムーヴィ……ではなくインタヴュー・ヴィデオが届けられた。これは12月20日(土)に甲府Convictionにて開催される〈国道20号線〉第4弾を記念しての特別企画だ。取り合わせとして意外な印象もある2組(田我流×出戸学)が、田我流を訊き手としながらもくだけた雰囲気で語りあう12分の動画は、ドキュメンタリー・フィルムのような編集が施され、ここに映し出されているような心地のよい音楽の場所がおそらくイヴェントにおいても生まれるのだろうということを予感させる。
 どちらかのファンの方も、どちらのファンでもない方も、この清々しくぬくもりあるコラボレーションに、思わず興味をかきたてられるだろう。
 イヴェントにはゲストとして「東京の」KILLER BONGも登場する!



■田我流 presents 「国道20号線 Vol.4 」
& OGRE YOU ASSHOLE 「ニューアルバム・リリースツアー "ペーパー・クラフト"」

出演:
田我流 (Band Set)
OGRE YOU ASSHOLE
KILLER BONG

日時:
2014/12/20(土)
OPEN/START 18:00/19:00

会場:
甲府Conviction 山梨県甲府市朝気2丁目4-1

前売:
3,000円/当日3,500円(税込み/ドリンク代別)

チケット発売日:
2014年10月18日一般発売開始

チケット取り扱い:
ローソンチケット [73742] / ぴあ[243-380] / e+ / 甲府CONVICTION / 桃源響RECORDS

お問い合わせ:
甲府Conviction 電話055-236-0661
info@officeconviction.com

https://event.maryjoy.net/article/105457152.html


IORI (DJ / producer from Okinawa,Japan.Based Berlin) - ele-king

最近、家で良く聴く曲達。

https://www.residentadvisor.net/dj/iori
https://www.clubberia.com/ja/artists/3317-IORI/

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