「KING」と一致するもの

VINYL GOES AROUND - ele-king

 〈Pヴァイン〉が、アナログ・レコードを軸にした新たなプロジェクトを展開する。中古レコードの売買をスタートするとともにエクスクルーシヴな商品も開発、将来的にはいろんなひとの集まるフォーマットの確立を目指すとのこと。
 エクスクルーシヴ商品の第一弾として、スピリチュアル・ジャズを牽引したデトロイトのレーベル〈Tribe〉をピックアップ。ウェンデル・ハリスンとフィリップ・ラネリンによる「Message From The Tribe」をモティーフとしたTシャツを販売する。これにはなんと、ウェンデル・ハリスン&ザ・トライブ「Farewell To The Welfare」のリイシュー7インチ(限定190枚、シリアル・ナンバー入り)が付属するヴァージョンもあるとのこと。 
 〈Pヴァイン〉の新たな一歩に注目だ。

Pヴァインが新たに始めるアナログ・レコードにまつわる新しい試みを中心としたプロジェクト、"VINYL GOES AROUND" のお知らせ。

超限定190枚 シリアルナンバー付き シルクスクリーン エクスクルーシズ

https://vga.p-vine.jp/exclusive

アナログ・レコードにまつわる新しい試みを中心としたプロジェクト、"VINYL GOES AROUND"。新サイトを立ち上げ、ここでしか買えないエクスクルーシヴ商品の販売を開始します。 第一弾として取り上げるのは70年代デトロイトに存在していた伝説のレーベル、Tribe Records。

中でも最重要アルバム、Wendell Harrison & Phillip Ranelin "Message From The Tribe" の柄違いのジャケットをモチーフに制作したオフィシャル・Tシャツを販売します。また、190枚限定で当時7インチのみで発売されていた Wendell Harrison And The Tribe - Farewell To The Welfare のリイシュー7インチ付き(シルクスクリーン・ジャケット、シリアルナンバー付き)も販売致します。

VINYL GOES AROUND 始動

私たちは世界中のヴァイナル・レコードの価値を高めることに貢献していきます。まずは、中古レコードの買取りと販売をスタートさせると同時にエクスクルーシヴ商品の開発をし、ここでしか買えないレアなアイテムを販売していきます。そして徐々にここに人が集まり、将来的には小さなコミュニティーが生まれ、世界中のコレクター同士が繋がる場へと発展し、レコードを手に入れやすいマーケットプレイスが形成されることを目指します。
たくさんのレコードが世界中の皆様に届くように~VINYL GOES AROUND~

株式会社Pヴァイン 代表取締役 水谷聡男
Vinyl Goes Around 事業担当 山崎真央

〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町 21-2 池田ビル 2F
Tel : 03-5784-1250 Fax : 03-5784-1251
VINYL GOES AROUND お問い合わせ先
vinylgoesaround@p-vine.jp

VINYL GOES AROUND オフィシャルサイト
https://vga.p-vine.jp/exclusive


TRIBE RECORDS
ブラック・カルチャーを常に紹介してきたPヴァインのカタログでも重要な、フィル・ラネリンとウェンデル・ハリスンによって設立されたブラック・スピリチュアル・ジャズのレーベル、TRIBE RECORDS。1972年のデトロイトで産声を上げ、洗練されたジャズをベースにしたファンクネスなサウンドや、自主で制作されたマガジンの出版など、5年間に渡ったその活動は現代においても影響力が強く全く色あせない。音、言葉、ビジュアルを通して彼らが発信してきた、「黒人が尊重される社会」を願ったそのメッセージは差別が様々な形で取り上げられる今こそ、目を向けるべきである。

アイテムはTRIBE RECORDSの中でも最重要アルバム、Wendell Harrison & Phillip Ranelin "Message From The Tribe" の柄違いのジャケットをモチーフに製作したオフィシャル・Tシャツ(S〜XXL 全9種類)。
※限定で Wendell Harrison And The Tribe – Farewell To The Welfare のリイシュー7インチ付き(シルクスクリーン・ジャケット、シリアルナンバー付き)も販売いたします。

期間限定受注精算(~7月19日まで)となります。
※受注期間が終了しましたら各デザイン一色のみの販売となります。
※発売日は8月中旬頃を予定しております。

A Message From The Tribe T-SHIRTS 01 【SEA】with 7inch VGA-1004
COLOR : WHITE / BLACK / OLIVE
6380 YEN

A Message From The Tribe T-SHIRTS 02 【EARTH】with 7inch VGA-1005
COLOR : BLACK / BLUE / PURPLE
6380 YEN

A Message From The Tribe T-SHIRTS 03 【Phil&Wendell】with 7inch VGA-1006
COLOR : WHITE / BLACK / GRAY
6380 YEN

A Message From The Tribe T-SHIRTS 01 【SEA】 VGA-1001
COLOR : WHITE / BLACK / OLIVE
4180 YEN

A Message From The Tribe T-SHIRTS 02 【EARTH】 VGA-1002
COLOR : BLACK / BLUE / PURPLE
4180 YEN

A Message From The Tribe T-SHIRTS 03 【Phil&Wendell】 VGA-1003
COLOR : WHITE / BLACK / GRAY
4180 YEN

VINYL GOES AROUND オフィシャルサイト
https://vga.p-vine.jp/exclusive

株式会社P-VINE:https://p-vine.jp/

ralph - ele-king

 ついに、だ。2017年の “斜に構える” 以降、ハードなラップで着々とその名を広めてきた ralph。昨年の彼は “Selfish” のヒットやEP「BLACK BANDANA」のリリース、「ラップスタア誕生!」での圧倒的なパフォーマンスなど、一気にステージを上げた感がある。
 そして本日6月30日、初のミックステープ『24oz』がリリースされた。おなじみの Double Clapperz や EGL に加え、〈TREKKIE TRAX〉の Carpainter もプロデューサーとして参加。ゲストもこれまで以上にスケールアップしており、AJAH、C.O.S.A.、SEEDA が招かれている。
 なお、7月6日発売の『ele-king vol.27』には、ralph と Double Clapperz の対談が掲載。新作『24oz』の話も出てきます。あわせてチェックを。

ralph が客演に SEEDA、C.O.S.A.、AJAH を迎えたミックステープ 『24oz』をリリース
全国ツアーも開催

昨年リリースしたシングル「Selfish」が Youtube で100万回再生を突破し、確かなスキルと独特の存在感でヒップホップシーンで圧倒的な支持を得るラッパー ralph (ラルフ)。ファッションブランド〈Children of the Discordance〉とのコラボレーションなどシーンの内外にも認知を広げてきた。

昨年から幅広い客演参加でシーンの話題を集めてきた ralph が、自身の作品としては1年ぶりとなる1st ミックステープ「24oz」をリリースする。2部構成となっている本作。前半では、ドリル・グライムのトラックで彼自身の持ち味でもあるハードなラップを披露。後半では自身の体験を反映した内省的な一面を覗かせる。ralph のパーソナルな世界観が作品全体で表現された意欲作となった。客演には、過去にもコラボレーションで話題を呼んだ SEEDA、名古屋知立から C.O.S.A.、さらに若手実力派シンガー AJAH が参加している。プロデューサーとしては Double Clapperz、Carpainter、EGL が参加している。

更には、名古屋を皮切りに全国7箇所を回る「24oz Tour」を開催。
圧倒的なライブ力を是非体感していただきたい。

『24oz Tour』
2021年7月17日(土) at 名古屋 JB’S (NIGHT)
2021年7月24日(土) at 仙台 SHAFT (NIGHT)
2021年8月9日(月) at 横浜 THE BRIDGE (DAY)
2021年8月13日(金) at 京都 Chambers (NIGHT)
2021年8月22日(日) at 福岡 STAND-BOP (DAY)
2021年9月19日(日) at 大阪 JOULE (DAY)
2021年10月3日(日) at 東京 Contact (DAY)

*詳細は各会場まで

Release Information

Artist : ralph
Title : 24oz
リリース日 : 2021年6月30日

各種配信サービスにてリリース
https://linkco.re/bp1CzPvv

Tracklist :
01. Intro
02. Zone
03. Roll Up
04. WIP feat. SEEDA
05. skit
06. Window Shopping
07. D.N.R feat. AJAH
08. RUDEBOY NEEDS
09. Villains feat. C.O.S.A.
10. Outro

参加アーティスト: AJAH、C.O.S.A.、SEEDA


Artist bio


ralph/ラッパー

2017年に SoundCloud で発表された「斜に構える」が注目を集めたことをきっかけに、アーティスト活動を開始。2020年6月にリリースされた2nd EP「BLACK BANDANA」のリリースでその地位を確固たるものにし、同EP収録の「Selfish」は Youtube で100万再生を超えた。さらに Abema TV から配信された「ラップスタア誕生」(RAPSTAR2020)で優勝し、ヒップホップシーンからの期待を一身に担う存在となった。2021年6月にキャリア初のミックステープ「24oz」をリリース、夏には全国ツアーを予定しており、今後の活動にも注目が集まる。

Twitter:https://twitter.com/ralph_ganesh
Instagram:https://www.instagram.com/ralph_ganesh/

追加訂正 - ele-king

interview with Midori Takada - ele-king

 前世紀、西洋音楽ひいては音楽そのもののあり方をとらえなおすにあたって打楽器が重要な役割をはたしたのは楽音をになうのに五線譜の外の世界と響き合う特性をもつからであろう。ヴァレーズ、クセナキス、シュトックハウゼンら欧州生まれの前衛音楽家たちはむろんのこと、カウエル、ケージ、ハリソンら米国実験音楽の先駆者たちにも打楽器は幾多の霊感をもたらし、本邦の戦後音楽史も基本的にはその後追いだが、思考と方法と実践の蓄積により、やがて模倣や援用にとどまらない表現がしだいにあらわれはじめる、その全体像はおりをみて考察したいが、そこでは高田みどりという打楽器奏者の存在は欠かせないものになるであろう。複雑な現代曲をこなす打楽器演奏の呼び声を皮切りに、ライヒらが端緒をひらいたミニマル・ミュージックの探求をすすめる他方で、ジャズやワールドミュージックにも活動の場をひろげる、高田みどりの軽々とした身のこなしは現代音楽の言い換えとしての「コンテンポラリー」の範疇にもとよりおさまるものではなかった。というよりむしろ、83年のソロ作『鏡の向こう側』が動画共有サイトで口コミ的な評判を呼び、いまもなお再評価の声が止まないながれをみれば、彼女のあり方こそことばの真の意味での「contemporary(同時代的)」といわねばならない。


ボッテガ・ヴェネタ 表参道フラッグシップ
東京都渋谷区神宮前5-1-5
営業時間 11:00-20:00
電話番号 03-5962-7630

 高田みどりとの対話もやはりこの作品の話題からスタートする。取材したのは表参道のボッテガ・ヴェネタ旗艦店の上階、高田みどりはその前日、おなじ建物の一角でショーケース的な演奏をおこなっていた。そこでは方形の空間の対角線上に、響きの異なるシンバル類を列状に配置し、動線上にウォーターフォン、ドラムセットとタムタム、壁沿いを移動した上手側にはマリンバを配置し、それらの楽器間を移動しながら、最後にホラ貝の音具を手にその場を去るまで、おそらく30分にもみたなかったはずだが、音楽は演奏者の身体の現前と観衆の存在もふくめて、その場その時間のなかにあるという、強烈な一回性を喚起するものだった。

変化がないと音楽として成立しない、というときの変化はコードや様式や音色や音量における変化をさしています。それよりも同じ音を延々とくりかえすことのほうがどれほどむずかしいか。

ele-kingの読者には高田さんの作品の熱心なリスナーも多いと思います。

高田:私はリスナーの方といってもどのような方が聴かれているかよくわかっていないのですよ。音楽業界にうといものですから。

ここ数年で高田さんの音楽を聴く若いリスナーも増えたと思います。『鏡の向こう側』の再評価はお耳に入っているとは思いますが。

高田:まあそれはおどろくべきことでした。というのはね、『鏡の向こう側』は83年に出ましたよね。その当時は、むしろ私よりご存じかもしれませんが、評価というのも入ってこないし、すこししかプレスしていないものですから。当時の日本はバブルの初期段階で景気がよくて、私のような実験音楽的なものにもレコードをつくってくださるというようなところがありました。ジャズやロックの世界でも前衛的な音楽をつくっている方がたくさんいた時代で、なにかを壊しつつなにかをつくるというような、世の中にも文化全体にもそういう風潮がありました。活気があってあたらしいものにも挑戦的な時代でしたよね。また企業もそういうものにお金を出してくれるところも多かったですよね。セゾン財団ですとか、毎年のように大きな現代音楽のフェスティヴァルを開催したり、東京だけじゃなくて軽井沢のセゾンがもっている美術館などでも文化的なイベントを行っていました。

開館イベントではデュシャンやケージが来日しました。

高田:美術界でも、キース・ヘリングやバスキアが世に出た時代ですよ。それがまた再評価されているじゃないですか。

キース・ヘリングやバスキアはここ数年で大規模展が相次ぎましたね。

高田:ええ。(『鏡の向こう側』の再評価にもつながる)動きがなにかあるのかな、とは思います。ただそういう美術の再評価のような動きが目立つ前に『鏡の向こう側』がなにか海外でたくさん若いひとたちに聴かれ出しているというのを耳にしたので、それにたいしては「へー」って、ぜんぜんピンとこなかったです。創ったときにはまったく反応がなくて、いってみれば売れない。でも実験的なものだから売れるかどうかということはレコード会社もあまり気にしていなかったと思いますよ。売れたほうがいいにきまってますけど。私の音楽はジャンルがわからなくて、私自身もジャンルを自分でいっていないんですね。じっさいに盤ができてお店に並べるとき、どこに並べるか、みんなとても困ったと思うんですね。ジャズでもロックでも、フュージョンでもない。結果的に現代音楽、クラシカル・コンテンポラリーの棚になってしまう。でもクラシカル・コンテンポラリーというと、作曲家としての評価がある方たちが音楽の古典からのながれのなかで、ヨーロッパを中心にして、あたらしい「前衛」という時代を切り拓いたその先にあるものです。だから実験音楽とはちがうんですね。コンテンポラリーといったときは「前衛」というものがはっきりと意識されていて前衛はヨーロッパのクラシカルなラインとつながったものだったわけです。私はキャリアの初期にそういうこともやっていたものですから、レコード・ショップでどこに入れるかわからないときに現代音楽に入ってしまった。そうしたらまったく反応ながなかったんです(笑)。

時代をさきどりしていたのかもしれませんね。

高田:前後してミニマルというものが米国で出てきはじめたころでした。(ミニマルは)日本でも認識されていましたが、当時日本ではあくまで現代音楽のあたらしい潮流のひとつで、同じことをくりかえすことの重要性やそれがもたらすものについて根本的な検証はなかったと思います。もちろん何人かの先鋭的な意識をもっていたひとたちは真面目にうけとっていましたが、演奏家にそういう例はほとんどなかったですね。なぜかというと、演奏家にはクラシカル・コンテンポラリーのように技術を披露する、ひじょうにむずかしい譜面を再現することに価値を置いていた時代だったんです。クセナキスやシュトックハウゼンのような人間の身体能力の限界をいく前衛の作品に、ひとびとが意識を向けていた時代だったと思うんですね。ミニマリズムはもともと美術のことばですが、音楽ではみずからミニマル・ミュージックを称した作品はないんですね。ジャンルに分類するさい、美術のミニマリズムと同じような構成や価値観という共通項のなかで、しだいにミニマル音楽という呼称が定着していったのだと思います。そういう時代の流れのなかで、私はミニマル・ミュージックとしてやっていたわけでも環境音楽やアンビエントをみずから謳ったこともありません。研究してはいましたが。

具体的な研究対象はどのようなものだったんですか。

高田:ブレインウェーヴ・ミュージックなどです。身体の変化、生体内における変化、脳の変化とマインドの結びつきにとても興味があったものですから。カナダのデヴィッド・ローゼンブームやアルヴィン・ルシェ等、ブレインウェーヴ・ミュージックをやっていらっしゃる方がひとりふたりいらっしゃって、ミニマルというならあれらこそ究極のミニマルであって、脳と生態系の変化という観点からは複雑系でも視野に入ってきますね。結局ミニマル・ミュージックと呼ばれている音楽はひとつのことを延々とつづけていきますよね。そうすると生体内にある変化が起きてきます。いうなれば「無意識化」してくるのです。演奏家の脳では身体には音の動きを把握するためベータ波が働いていますが、私はその対極にある精神状態、アルファ波を出しながら音楽ができないか、半瞑想的な状態のなかで音楽ができないかと考えていました。

訓練(ディシプリン)でそのような状態に到達するのですか。

高田:どのような訓練をすべきか、まず考えます。私はそれまで、クラシカル・コンテンポラリーの作品で、たくさんの楽器をつかったり図形譜を読み解いたり、点描的な演奏で非拍節、非旋律的な演奏をおこなっていました。そのような作品を演奏するには何度となく練習をくりかえさなければなりません。また非拍節、非旋律的な作品には、当時は「インプロヴィゼーション」ではなく「偶然性」といっていましたが、偶然性をもちいるものもあります。ところが偶然性といいながら、同じことを何度も練習しなくちゃならない(笑)。あまりにもむずかしい譜面を何度も訓練する——そこにはすごく大きな矛盾があります。音楽がひとつの哲学であるときにそれで成立すると思うんだけど、音になるとき、演奏するときにはものすごく大きな矛盾をはらんでくる。そこを、私は離れたい、と(笑)。それまでコンテンポラリーのなかでやっていましたが、もっとちがう身体とマインド、音にする段階で身体内の変化に着目しなければならない、と思いました。のちにミニマル・ミュージックになっていくものにたいしては(コンテンポラリーに限定できない)大きな可能性を秘めていると感じていました。だけど日本では技術的に、簡単なんでしょ、と思われてしまったんです。

単純なフレーズをくりかえしているだけだ、と。

高田:ええ。変化がないと音楽として成立しない、というときの変化はコードや様式や音色や音量における変化をさしています。それよりも同じ音を延々とくりかえすことのほうがどれほどむずかしいか。変化、変化、変わらなきゃ、変わらなきゃで、音楽も日本の社会もずっときていますよね。変化を止めた途端に怠惰になるのではないかという強迫観念があるのかもしれません。だけど変化をしないことによってなにがゆたかになるかというと、身体の内部なんですね。そういう状態を受動する身体の変化がものすごく大きいんですけど、そこにいたる前にミニマル・ミュージックの時代は終わってしまった。ポスト・ミニマリズムというような時代がありましたけど(すこし間をおいて)……みんな苦しいんだと思いますよ。日本の音楽家も西洋の影響をどうやったら抜けられるんだろう、西洋から学ぶことと日本古来のもの、雅楽や邦楽の語法を一所懸命追究して西洋音楽の(脈絡の)なかに位置づけよう、と先達の方たちが途方もない努力をされてきた時代でもありました。一方でミニマル・ミュージックというものがポンとアメリカから入ってきた。アメリカのひとたちもアフリカ、インド、インドネシアなど、芸術音楽という位置づけではなかった場からいろいろなフレームをかりうけています。

西洋音楽の限界を感じて、高田さんもアフリカや、非西欧圏のリズムの探究に入っていかれた?

高田:私自身はその流れでした。

名人芸的な方向はすでに頭打ちであるという認識があったということでしょうか。

高田:現在もヴィルトォーゾを求める風潮はありますよね。それをもとめるのは一種のスポーツに似た、アスリートにも似た快感ではあるとは思いますよ。それはだれもが一度は通過することではあると思います。

高田さんのおっしゃる身体性はスポーツとはちがう身体性ですよね。

高田:ええ。私はまず技術の改革としてやりはじめたのは、動かずに同じ音を出しつづけるということでしたが、それをはじめた80年代は音楽にもデジタル化の波がおとずれて、苦労して身体をつかうなんてことをしなくとも、スイッチひとつでずっと同じことをやっていてくれる時代になってしまった(笑)。身体というものがなくなれば、それ(デジタル的なミニマリズム)は原理的には可能だけれども、文化というものと身体というものはきりはなせないとも思うのです。それを忘れて、便利だとか早いということでデジタル音源にはしってしまうと、こんどは脳に返ってくるわけです。脳が前頭前野でうけとめる音楽と、思考としてしっかりととらえる音楽はまったくちがう脳の働きですから。デジタル音は刺激であって、興奮させることはできますが、しかしそれは材料を与えてもらって脳が興奮しているだけです。音楽はもっと瞑想にちかい深い感動であるとか記憶であるとか、身体を治していくものとか、そういうものに役立ったはずだと思うんですけどね。そこがいま、不経済なものとみなされている。

私はいろいろな文化をイコールにみていかなければならないと思っています。どこかによりそうというよりも、まったく同等にみていく、そこが私は大事だと思いますし、ひとつの音楽をつくる原動力にもなっています。

昨日演奏を拝見しまして、生の演奏にふれること自体パンデミック下ではひさしぶりだったんですが、演奏者と同じ空間に身を置き、響きを感じることも高田さんのおっしゃるデジタルではない音のあり方だと感じました。

高田:ありがとうございます。つまりね、音というのはヴァイブレーション、空気振動なんですね。空気振動というのは皮膚を動かすものですから、たとえば19ヘルツぐらいの低い音は遠くで聞こえる祭の太鼓の振動周波数がそれぐらいなんですけど、それっていうのは皮膚をやさしく撫でられるのと同じ振動周波数だともいわれています。遠くから聞こえてくる音と人間の身体はかつてひじょうに密接にかかわっていました。位置を確認する道具でもあったんです。

アフリカの太鼓によるコミュニケーションみたいですね。

高田:もっといえば350万年前のアウストラロピテクスもそうですよね。あのひとたち、あのひとたちって知り合いじゃないんですけど(笑)。

(笑)そうだと思います。

高田:彼らも楽器をもっていました。鳥の骨に穴を開けただけの原始的なものですが、それを吹いていたのはわかっています。そこから、楽器を手にすることがどういう意味をもつのかということを考えます。森のなかで骨の笛を吹くとどういう精神状態の変化が起こるかと想像するんですね。そうするとまず、音というのはそのひとが安全であるということ、生命を維持するために必要だということ、つまり自分が居る場所を仲間に教えることにつながります。これはまず生命の維持には不可欠です。そういう音を聴くことで空間というものを測ることもできます。響きの返りですね。響きを聴きとる能力というのが生命の維持に役立つはずなんです。生命の維持装置としてまず音があったにちがいない。それがデジタルになってしまうとイヤホンのなかで鳴るものになり、外界を遮断するものになってしまった。
 私は今回はミラノのファッションブランドBottega Venetaのお仕事でこういう場所で、ほんとうにひさしぶりに生演奏をしたんですけど、服も同じ効果をもっていると思っているんですね。服というのは人間の皮膚の次に得られる、身体にたいする空間だと思うんです。その役割は身体を保護すること、命を守ることです。ネアンデルタール人も毛皮を着るという点で服飾文化をもっていましたが、服というのは着飾るものであると同時に命を守るものでもあります。皮膚の次の空間、いちばん心地よい、命を守るための部屋として服があり、その外に屋根のある部屋のような空間があり、町や国がある。それもまた安全でなければならないと思うんです。音楽もまた、人間が服を着るのと同じように、空間をつくることで安全で命を守る、命を守るというのは原初的な感覚ですが、そういうものでなければならないと思うんです。

きのうの演奏で印象にのこったのも、高田さんの空間の捉え方でした。空間の特性を考慮し、響きを重視されている印象がありました。

高田:響きもそうですし、お客さんの耳にどのようにとどくかを意識します。音が移動してちかづいてくるという距離感は生でないとできないんですよ。会場にスピーカーを置いてLRから出すだけでは空間がこわれてしまいます。空間を音の響きでとらえることはアウストラロピテクスの命の音と同じ意味をもつと思います。

場が決まってはじめて楽器の配置などが決まってくるんですね。

高田:はい。

コンサートホールのような会場ならまだしも、高田さんはふつうの演奏に適さない空間も数多く経験されてきた気がします。

高田:もちろんです。それはたいへんですよ。どのような場所であっても、そこで精一杯という場合は尊重して演奏しますよ。そこにみんな集まって、サウンドを聴くことで、マインドを守ることができる。特定の空間における人間に、最適の音の状態を考え、原理や原則に基づいた音楽を提供するのが私の仕事だと思っています。場所という点では、訪れたなかにはコンサートという概念がない国や地域もありました。西アフリカでは演奏中に電源が落ちて会場が真っ暗になったこともあります。しばらくして、ようやく私の周囲だけ、発電機もってきて電灯で照らし出して演奏したこともあります(笑)。

アフリカのどちらですか。

高田:ガーナやコートジボワールです。コートジボワールはフランス領だったこともあるので、西洋化されたスペースもありますが、そういうところに行きますと、現地のひとたちが駐留しているひとたちのサービスのために雇われている現状がありまして、そういう西洋社会がつくってきたアフリカとのかかわりなどを如実に感じることもありました。

そのような状況にアンビバレンスを感じることはありますか。

高田:つねに感じていますよ。そこが歴史であり経済の格差でもあります。だからこそ私はいろいろな文化をイコールにみていかなければならないと思っています。どこかによりそうというよりも、まったく同等にみていく、そこが私は大事だと思いますし、ひとつの音楽をつくる原動力にもなっています。

西洋と非西洋を対立的に考えるのではないということですね。

高田:西洋は西洋でネアンデルタールのひとたちが毛皮を着ていたところにはじまる歴史をもっています。その足音のようなものをつねに共有していたいと思うんです。アンチ=ヨーロッパということはまったくなくて共有していたい。さいきんは西洋の象徴ともいえる美術館とか教会などの場所での演奏の依頼を受けることも多くなりました。いまハンブルクの教会の鐘の音をつくるプロジェクトにとりかかっているんですよ。37ヵ国から移民が集まっている、ハンブルクのなかでもとくに貧しい地域で、プロテスタントの教会なんだけれども、イスラムのひとたちも集ってイベントをやることもあるそうです。移民の癒しの場になっている教会の鐘の音をつくって一ヶ月間ながすというプロジェクトなんですね。お金は出ないんだけれども、といわれて、いいですよって(笑)。

〈参考作品〉

高田みどり - 鏡の向こう側 RCA Red Seal / 1983


全曲多重録音によるファースト・ソロ。4曲入りで、10分を超える長尺曲2曲で全体を挟み込むアーチ構造をとっている。冒頭の「Mr. Henri Rousseau's Dream(アンリ・ルソー氏の夢)」にいうアンリ・ルソーとはジャケットにもみえるフランスの素朴派の画家で、その奇妙に均衡を欠いた作風と、熱帯的なアンビエントのとりあわせが、夢幻的なひろがりをもたらし、2曲目の「Crossing」はライヒ風のマリンバをもちいたクロスリズム、「騙し絵」の意の仏語のタイトルを冠した「Trompe-l'œil」ではアウストラロピテクスが吹くリコーダーを思わせる音を奏でたかと思えば、ドラムスが登場する「Catastrophe Σ」でゆっくりと上昇線を描き幕を引く、端的だがきわめて高度な構想と内実をもつ傑作。

ムクワジュ・アンサンブル - Mkwaju Better Days / 1981


作曲家久石譲のグループを起点にした打楽器アンサンブルで、高田のほか定成庸司、荒瀬順子からなる。2作あるうちのこちらはファーストで、すべての曲を久石が作曲し、キーボードで演奏にも加わっている。グループ名にもなった冒頭の「Mkwaju(スワヒリ語でタマリンドの樹の意)」はじめ、基調はミニマル・ミュージックだが、ニューウェイヴやポップスにも通じる、サバンナのようなみはらしのよさをおぼえるのは作曲者の資質によるものか。間をおかず発表した2作目の『Ki-Motion』では久石は離脱し、ワハハの千野秀一がプロデュースを担当。高田の手になる「Wood Dance」「Ki-Motion」をふくめ、前作よりも陰影の増した空間性を展開している。

Kakraba Robi & Midori Takada - African Percussion Meeting CBS/Sony / 1990


一柳慧の招きで83年にはじめて日本の地を踏んだガーナの至宝との共演作。87年のサントリーホールでのライヴ録音で、幾多の打楽器を即興的にあやつりリズムの交感をこころみるが、聴きどころは現地でコギリと呼ぶアフリカ・マリンバを使用したパートとなろうか。はげしく交錯する音列がポリリズムなる穏当な言い方ではおいつかない酩酊的をもたらす音の波と化している。

高田みどり、佐藤允彦 - Lunar Cruise Epic / 1990


やはり再評価の対象となった90年作。佐藤と高田は韓国のサックス奏者姜泰煥をふくむトリオ「トン・クラミ」でも継続的な活動をおこなうなど、即興音楽の分野でも重要な足跡をのこすが、初期の協働の記録となる本作ではフュージョン〜クロスオーヴァーを換骨奪胎したかのような方向性で、映像喚起的な作品世界をかたちづくっている。細野晴臣がフレトレスベースを手にする「Madorone」など、小品だがピリリとした楽曲多し。

ボッテガ・ヴェネタ 表参道フラッグシップ
東京都渋谷区神宮前5-1-5
営業時間 11:00-20:00
電話番号 03-5962-7630

Dry Echoes (田中光 × FKD) - ele-king

 独特のスタンスで良質なヒップホップを追求してきた、OLIVE OILPopy Oil 率いる〈OILWORKS〉。同レーベルに新たなラインナップが加わることになった。
 千葉出身のふたり、LAシーンに影響を受けたビートメイカーの FKD と、テクニカルなフロウで魅せるラッパーの田中光が、Dry Echoes として初のアルバムをリリースする。発売は7月28日。チェックしておきましょう。

2018年末、中目黒Solfaでの邂逅直後からセッションを重ねてきた田中光×FKD。
これまで数々の楽曲を発表してきたが、2021年 共作名義 “Dry Echoes” を掲げついに初のアルバム『Narratge』を〈OILWORKS Rec.〉よりリリース!

クリエイティブ集団「VIBEPAK」の主宰でもあり、〈OILWORKS Rec.〉からもアルバムのリリースを残すビートメーカー FKD と、ポエトリー・リーディングやMCバトルでも戦歴を残している田中光によるフル・アルバム!
『Narratge』で描かれているのは雑踏とネオン、夢と泡沫、エゴと資本主義。
断片的に切り貼りした都市生活者の詩集であると同時に約40分間を映画的に魅せるハイクオリティなビート集でもある。言葉の情景が耳と心にも響く、秀逸な楽曲が収められた1枚です。
アートワークは Popy Oil が担当し、初回盤はスリーブ仕様&歌詞ブックレット付き!

artist : Dry Echoes (田中光 × FKD)
title : Narratage
label : OILWORKS Rec.
cat : OILRECCD027
price : 2,500yen (IN TAX 2,750yen)
release : 7/28 (水)
バーコード : 4988044864917

Track List
01. Story
02. Kogarashi
03. a night
04. Journey
05. Ressurection feat Kzyboost
06. nakameguro
07. rumble fish
08. taxi driver
09. NOTFORSALE
10. Leaving
11. Ward
12. endless
13. feel (freestyle)
14. ainiku
15. chiba
Bonus Track
16. Riyuu (RAW-Remix)

Words by 田中光
Beats & Mixed by FKD
Album Mastered by Hiroshi Shiota
Design & Layout by POPY OIL
Featuring by Kzyboost

■プロフィール

▼FKD
千葉県千葉市出身、beatmaker/DJ。幼少期よりストリートダンスを始め、USの00年代のHipHopやR&Bに影響を受け16歳からDJをスタート。 その後 J Dilla や LOW END THEORY を初めとしたLAの音楽シーンに出会い大きな影響を受け、制作活動を開始。HipHop、Jazz、Bass Music を筆頭に様々な音楽要素を踏襲したグルーブと感性、そして「踊れる音楽」を強みに beatmaker として活躍の幅を広げる。2019年の〈OILWORKS Rec.〉からのアルバム『EGO TRIP』のリリースを皮切りに、自身のレーベル〈PubRec〉でのプロデュース活動や様々なアーティストへの Remix 提供、また、楽曲制作だけでなくイベントプロデュースやアートディレクション等多岐にわたった活動を続けている。東京を中心に活動するゆとり世代クリエイティブ集団「VIBEPAK」の主宰者。

▼田中光
千葉県館山市出身のラッパー。叙情的なリリックとチョップスタイルを駆使したテクニカルなフローを持ち味とする。2000年代中期から活動を開始し、UMBや戦極MC BATTLEといった大会での優勝によって、シーンにその名を知らしめた。2011年リリースのアルバム『PROOF』に続き、2016年には、LIBRO、BUGSEED、Meiso らを迎えたソロ・アルバム『ECHO CHAMBER』を発表。その後もEP「Round About Midnight」のカセットテープ・リリース、showmore や FKD をはじめとする多様なアーティストとの共演も話題に。ステージ上では、サンプラーとエフェクターを用いて、自らの曲を分解・再構築。楽曲とフリースタイルを織り交ぜた唯一無二のスタイルがオーディエンスの心を掴んで離さない。

Sound Patrol - ele-king

ロボ宙 - TODAY
Last Moments - Last Moments NOW (edit)
Search of MANY

EL-QUANGO(元キング・オブ・オーパス)が立ち上げた新レーベルより、Sigh Society(90年代から活動しているベテランのテクノ・プロデューサー、ハゼモト キヨシ)の曲をネタにしたという、2曲を収録した7インチ。1曲はベテラン・ラッパーのロボ宙をフィーチャーしたグルーヴィーな“TODAY”、もう1曲はLast Moments名義でのインスト。90年代初頭の明るいフィーリングのベースとビートがたっぷりで、とくにLast Moments名義の“last moments NOW (edit)”は夏にぴったりのトロピカル・サウンド。オススメです。


DJ Yoda featuring Nubya Garcia and Edo G - Roxbury
Lewis Recordings


https://djyoda.bandcamp.com/album/roxbury-instrumental

ロンドンのスクラッチDJのヨーダとUKジャズを代表するサックス奏者ヌバイア・ガルシアによるコラボ作で、これまた90年代初頭のグールーあたりを彷彿させるジャジー・ヒップホップ・スタイル。ガルシアのソロ演奏もハマってて格好いいです。


TSVI - Sogno
Nervous Horizon


https://nervoushorizon.bandcamp.com/album/tsvi-sogno-ep

ダンスホール・テクノの話題盤。ロンドンのレーベルからイタリア出身の主宰者による5曲入り。削ぎ落とされた音数とリズムで、かなりのところまで連れていってくれる。NYのパイソンに似ているかもしれないけれど、こちらにはグライムが入ってますね。


PYTKO - Save My Day
Phantasy Sound


https://pytko.bandcamp.com/album/save-my-day

ポーランド生まれロンドン在住のPYTKOのデビューEPは、パイソンのリミックスを収録。とはいえこのヴァージョンは、レゲトンでもダンスホールでもない、無重力のダビー・ドリーム・ポップ。これが後期フィッシュマンズを蒸留したかのようなサウンドで、日常に戻るのが嫌になります。オリジナル曲からして徹底してドリーミー。


Kodama And The Dub Station Band -
もうがまんできない / STRAIGHT TO DUB (DUB VERSION)
Pヴァイン

夏だ、レゲエだ。怒りの夏だ。ライヴでお馴染みの名カヴァーがついにスタジオ録音されてヴァイナルでリリース。みごとな録音と演奏です。それにしても、世論調査で小池支持が半数以上とはなんたることか。がまんできないと思っている人がこの事態においても少数派だとしたら、日本の未来は明るくはないね。

 ファッション・ブランド〈C.E〉からまた新たなカセットテープの登場だ。
 今回はゴースト・リーマズ・オブ・マダガスカル(Ghost Lemurs Of Madagascar)なる2人組による昨年10月のライヴ音源を収録した「Blue Moon (Cav Empt Tape)」。このグループを構成するひとりは、これまでズリジェシー・オズボーン=ランティエなどをリリースしてきたレーベル〈Haunter〉を主宰し、自身もハイス(Heith)として活動するダニエル・グェリーニ (Daniele Guerrini)。もうひとりは、カリーム・ロフティ(Kareem Lofty)。ちなみに、名前が似ているがカリーム・ロトフィ(Kareem Lotfy)とは別人だそう。
 今回も〈C.E〉のウェブサイト(www.cavempt.com/)にて試聴可能です(右上の再生ボタンをクリック後、カセットを選択)。ぜひチェックをば。

アーティスト:Ghost Lemurs Of Madagascar
タイトル:Blue Moon (Cav Empt Tape)
フォーマット:カセットテープ
収録音源時間:約83分(片面約40分)
価格:1,100円(税込)
発売日:発売中
販売場所:C.E
〒107-0062 東京都港区南青山5-3-10 From 1st 201
#201 From 1st Building, 5-3-10 Minami-Aoyama, Minato-ku, Tokyo, Japan 107-0062
問合せ先:C.E www.cavempt.com/

Sunroof - ele-king

 〈Mute〉の創始者ダニエル・ミラーとガレス・ジョーンズの2人の超ベテランによるモジュラー・シンセサイザー作品が〈Mute〉からリリースされた。
 ふたりが初めて一緒に作業したのは1982年のデペッシュ・モードの『Construction Time Again』のときで、以来、ガレス・ジョーンズは、パレ・シャンブルグ、ファド・ガジェット、アインシュツルテンデ・ノイバウテン、ダイアマンダ・ギャラス、ワイヤー、イレイジャー、そしてイルミン・シュミット……などなどの、〈Mute〉や〈Some Bizzare〉などの諸作に関わっている、テクノ/インダストリアルの分野では高名なエンジニアだ。
 2人はそして、大のシンセ好きでもあり、2019年から限られた数チャンネルを使ってセッションをはじめて、サンルーフ名義による今作を制作した。
 ガレスによれば「マーティン・ゴアとクリス・カーターのやり方にインスパイされた」そうだが、長年エレクトロニック・ミュージックに関わり、しかもモジュラー・シンセには一家言を持つ2人による共作なだけに、奥深い、アブストラクトでアンビエントな作品になっている。ちなみにサンルーフはすでに、CAN、クライドラー、トゥ・ロココ・ロット、MGMTなどのリミックスをしている。

収録曲1.1- 7.5.19 (Edit) (Official Visual)


Sunroof
Electronic Music Improvisations Vol. 1

Mute/トラフィック

Khruangbin - ele-king

 クルアンビンのサード・アルバム『モルデカイ』のリミックス盤が8月6日に出ます。タイトルは『MORDECHAI REMIXES(モルデカイ・リミクシーズ)』。これが予想通りの気持ちよさ。ハウシーで、トライバルで、ときにダビーで。まさにsoud of summerの1枚です。ためしに1曲聴いてみましょう。

Khruangbin - Pelota (Cut a Rug Mix) - Quantic Remix

 全リミキサーは以下の通り。
 Kadhja Bonet(LAの女性シンガー/マルチインストゥルメンタリスト)、Ginger Root(カリフォルニア出身のインディ・ロッカー)、Knxwledge(LAのプロデューサー/ビートメーカー)、Natasha Diggs(NYをベースとするDJ/プロデューサー)、Soul Clap(マサチューセッツ州ボストン出身のモダン・ハウスDJデュオ)、Quantic(イギリスのDJ/プロデューサー)、Felix Dickinson(UKアンダーグラウンド・ダンス・シーンの実力者)、Ron Trent(シカゴ・ハウスのレジェンド)、Mang Dynasty(UKディスコ・シーンを代表するDJ/プロデューサー/リミキサー、Ray Mangとイギリスの作家/ディスクジョッキー、Bill Brewsterによるユニット)、Harvey Sutherland(メルボルンのクラブミュージックシーンで注目を集めるアーティスト)

 2021年8月6日にデジタル、10月29日にLPでリリース。CDは日本のみでのリリース。

KHRUANGBIN(クルアンビン)
MORDECHAI REMIXES(モルデカイ・リミクシーズ)

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ


■収録曲目:
1. Father Bird, Mother Bird (Sunbirds) (Kadhja Bonet Remix)
2. Connaissais De Face (Tiger?) (Ginger Root Remix)
3. Dearest Alfred (Myjoy) (Knxwledge Remix)
4. First Class (Soul In The Horn Remix) (Natasha Diggs Remix)
5. If There Is No Question (Soul Clap Wild, but not Crazy Mix) (Soul Clap Remix)
6. Pelota (Cut A Rug Mix) (Quantic Remix)
7. Time (You and I) (Put a Smile on DJ's Face Mix) (Felix Dickinson Remix)
8. Shida (Bella's Suite) (Ron Trent Remix)
9. So We Won’t Forget (Mang Dynasty Version) (Mang Dynasty Remix)
10. One to Remember (Forget Me Nots Dub) (Harvey Sutherland Remix)

interview with Hiatus Kaiyote (Paul Bender) - ele-king

「誰もが大きな試練を乗り越えてきた。これを作り上げるために、僕らは泥の中を突っ走ってきたような気がする。そしてこの勇敢(valiant)で誇らかな感覚が、嵐の中から穏やかな海に流れ出した。サウンドの響きと感情の奥行きに誇りを感じる。この辛い毎日に、人々にちょっとした安らぎを届けることができたらと思う」
──ポール・ベンダー(アルバム・インフォメーションより)

 ハイエイタス・カイヨーテが6年ぶりにアルバムを引っさげて帰ってきた。あのパンク・ロックっぽいアートワークでネオ・ソウルなヴァイブスを奏でる前作『Choose Your Weapon』はギャップも含めかなりのインパクトがあったし、ジャズやソウル、ロックやポップスなどの絶妙なバランスを縫ったサウンドとヴォーカルのネイ・パームが放つ独特の雰囲気と歌が、ジャンルの垣根を超えた日本のオーディエンスにもバッチリ支持されている証拠だろう。
 新作『Mood Valiant』はなんとブラジリアン・サウンドの「生ける伝説」とも言えるアルトゥーロ・ヴェロカイとのコラボレーションが実現。そして引き続き飛ぶ鳥を落としまくっている〈ブレインフィーダー〉からのリリースということで、僕らの期待をいい意味で裏切ってくれたと思う。しかしながらアルバム・リリースまでの道のりは決して順風満帆ではなく、メルボルンの4人組バンドはここ6年間で様々な出来事に直面してきたのである。世界中を飛び回るハードなツアー・スケジュール、過去に母親を同じ病で亡くしたヴォーカル、ネイ・パームの病気が発覚、そして誰もが予想だにしなかったコロナ禍を乗り越えて……。

 個性的なサウンドが彼らを反映するように、「ユニーク」な時間を大事に制作に取り組んだそう。「“Mood Valiant” というふたつの単語は、“二重性”、“双対性” を表現した言葉なんだ。“ポジティヴ” と “ネガティヴ”、“陰” と “陽”。物事や人間には全てはふたつの面があるからね」と語ってくれたポール・ベンダーは、数多くのネガティヴなシチュエーションを忍耐強く乗り越えたポジティヴなアンサーを僕らに届けてくれた。

〈Brainfeeder〉とすでにけっこう繋がっていたんだ。だから、僕たちにとっては自然の流れだったし、まあそうなるだろうねって感じだった。

アルバム制作に6年かかったと伺いました。前作『Choose Your Weapon』がリリースされてほぼすぐのタイミングだと思いますが、そのときからすでに次のアルバムを作ろうと思っていましたか? それとも、ライヴやツアー、新しい曲の制作の過程で自然な流れになったのでしょうか?

PB:『Choose Your Weapon』のツアーのあとは少し休んだんだ。けっこうツアーがハード・スケジュールだったから、ちょっと休みたくてね。皆でスタジオに集まるまでには時間は多少かかったけど、アルバムのなかには、その前からずっと存在していて今回のアルバムで使うことにしたアイディアや曲なんかもある。そういった昔のアイディアと新しくできあがったもので新作は成り立っているから、ピンポイントでいつアルバム作りをスタートさせたかを断定するのは難しいんだ。僕たちの場合、いつも自然の流れに任せているから、何がきっかけだったかを考えるのは毎回難しいんだよね(笑)。ハイエイタスのアルバムってのは作るのが本当に難しい。メンバーそれぞれのこだわりが強いから、それを全て落とし込むとすごく複雑になる。だから時間がかかるんだ。

アルバムのタイトル『Mood Valiant』にはどんな思いやコンセプトが込められていますか?

PB:ネイ(・パーム)の母親が、ネイが子どものときに白と黒のヴァリアント(クライスラーの車)を持っていて、その日のムードによってその2台を乗り分けていたんだ。学校にネイを迎えにくるとき、もし母親が黒いヴァリアントに乗っていたら、その日は母親に逆らわない方がいいという意味だった(笑)。同じ車でも、ムードによって変わる。つまり、同じ人、物でも様々な情緒状態を持っていて、様々な面があるということ。“Mood Valiant” というふたつの単語は、“二重性”、“双対性” を表現した言葉なんだ。“ポジティヴ” と “ネガティヴ”、“陰” と “陽”。物事や人間には全てふたつの面があるからね。

インタヴューの前に曲それぞれの解説を読ませていただきました。ネイ・パームの作詞や曲に対するアプローチが本当に独創的だなと感じました。ユニークなサウンドを作るためにバンドとして心がけていることはありますか?

PB:メンバーの誰かがユニークなアイディアを持ってきて、最初からそのアイディアを元にユニークなサウンドを作りはじめるときもあるし、シンプルなサウンドができあがってから、そのなかで何かユニークなことをしようとするときもある。でも僕らの場合、4人それぞれが異なるアイディアを持ってくるから、それを組み合わせる時点ですでに十分ユニークなものが自然にできあがることが多いと思う。セッション・ミュージシャンたちのなかには、直感を大事にするミュージシャンも多い。でも僕たちは、もしシンプルなものができあがったら、それをもう少し追求して、掘り起こしていくタイプなんだ。

例えば他のバンドのメンバーがネイの歌詞に何かリクエストや書き換えをお願いしたりすることもあるんでしょうか?

PB:いや、それはないな。僕たちはメンバーそれぞれの役割を尊重しているから、お互いにあまりリクエストをすることはない。まあときどきはあるけど。ネイが歌詞を書いたら、それがその曲の歌詞ということは決まってる(笑)。それは彼女の仕事だから、僕らは立ち入らない(笑)。

“Get Sun” がリリースされたときアルトゥール・ヴェロカイとのコラボレーションは正直驚きました。彼との出会いのキッカケを教えてください。

PB:アイディアを出したのはネイなんだ。曲ができあがったとき、ネイがその案を出したら、全体の意見としては「それが実現したら最高! でもまあ無理だろうな」っていう感じだった(笑)。そこでマネージメントに連絡をとってもらったんだ。いきさつはそれだけ(笑)。僕らがただ彼の音楽の大ファンで、アプローチしたのさ。彼だったらパーフェクトだと思ってね。彼が乗り気になってくれるかはわからなかったけど、人生一度きりだし(笑)。ダメもとで頼んでみるしかないと思って連絡したんだ。そしてブラジルへ行く1週間ほど前にメールをもらって、そこに短く「この曲にはすでにかなりの種類の楽器が使われているようだし、これ以上何をすればいいのか考えあぐねている。健闘を祈る」と書いてあって。実際彼からは事前に何も送られてこず、初めて彼が書いたものを聴いたのは実際にリオのスタジオに行ったときだったんだ。アルバムがほぼできあがりそうなギリギリのタイミングだったのに、そこからさらにアルバムがぐんと進化したんだ。あのセッションで、シングル級の作品が新たに生まれたんだよ。

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失恋したり、病気になったり、誰かが亡くなったり、大変な状況に置かれているときは、音楽の意味が増すと思う。いまはコロナやその他様々な複雑なことが世界では起こっている。だから、アートのなかには美しさを増している作品もあるんじゃないかな。

アルバムで “Stone Or Lavender” がいちばん好きなんですが、このストリングスもアルトゥール・ヴェロカイが弾いたものですか?

PB:そう。そのトラックのためにブラジルに行ったわけではなかったけど、ブラジルでのレコーディングで運良く時間があまったから、彼に弾いてもらったんだ。

ブラジルでの制作活動はいかがでしたか? 地元メルボルンのスタジオとはまた違ったテンションになると思いますが、制作の雰囲気など具体的なエピソードがあれば教えてください。

PB:素晴らしい経験だった。あのセッションは、いままでの活動のなかでも最高のセッションのひとつだね。もともとの目的は “Get Sun” のホルンとストリングスのレコーディングだったし、実際にブラジルに行かなくてもどうにかなったんだろうけど、経験のために実際あの場にいられて本当に良かったし、すごくエモーショナルになった。実際にやってみるまで何が起こるか想像もつかなかったけど、いざはじまると、彼の演奏が本当に素晴らしかったんだ。皆ものすごく興奮して、勢いで延長してその日の残りの時間もスタジオを借りることにした。その時間でレコーディングしたのが “Stone Or Lavender” と “Red Room”。あの2曲はあの場で本当にサッとできあがった。最初のレコーディングでそれくらい興奮したし、活力を得たからね。

通訳:何か具体的なエピソードはあったりしますか?

PB:ホルンとストリングスが完成したとき、僕は感動してコントロール・ルームで泣いてしまったんだ(笑)。あの瞬間は本当に素晴らしかった。どんな瞬間とも置き換えられない特別な経験だったからな。

〈Brainfeeder〉との契約もサプライズでした。レーベルとの出会いのキッカケはなんでしょうか?

PB:〈Brainfeeder〉のメンバーとは、数年かけてだんだんいろんな人と出会っていった。Timeboy こと John King は僕たちのライヴのステージ・デザインを手がけてくれているから近い存在だし、サンダーキャットとはたくさんのショウやフェスティヴァルで共演する機会があって親しくなった。フライング・ロータスも同じ。テイラー・マクファーリンはずっと昔に僕たちの音楽を広めてくれたし、ミゲル・アトウッド・ファーガソンは前回のレコードでストリングスを担当してくれた。そんな感じで、僕らは〈Brainfeeder〉とすでにけっこう繋がっていたんだ。だから、僕たちにとっては自然の流れだったし、まあそうなるだろうねって感じだった。バンドにすごく合うレーベルだと自分たちも感じているし、彼らの一員になれてすごく嬉しいね。

通訳:〈Brainfeeder〉とサインしたことで変化したことや、プラスになったことはありますか?

PB:〈Brainfeeder〉のクルーは、皆すごく前向きで自分たちがやりたいことを応援してくれる。最高のレーベルだと思う。インスパイアもされるし、こっちの方から自分たちの活動にぜひ関わってほしいと思える存在。彼らは真のクリエイティヴ・コミュニティだと思う。彼らと一緒に仕事ができるなんて夢みたいだよ。

6年間もかけて1枚のアルバムを作る作業は途方もない作業のように思えます。制作の過程で「途中でアルバムを作るのを辞めよう」と挫折するような瞬間はありましたか? 約10年近くに及ぶハイエイタス・カイヨーテの活動のなかで、バンドが継続していける秘訣のようなものがあれば教えてください。

PB:どうだろう。波はもちろんあったけど、僕ら4人が一緒に曲を作るというのは、自分たちが楽しめる瞬間だし、何かユニークなものが生まれる時間でもある。僕らはいまや家族のような存在だし、すでに様々なことを一緒に乗り越えてきている。だから挫折するということは特になかったし、意識しなくても自然と続けたいと思えるんだ。僕たちはそれぞれ全く違う人格だから、ときには複雑な場合もある。でも、だからこそスペシャルなものができあがるんだと思う。自分にできることは、自分の役目以外は人に任せて自分は自分の仕事をきちんとこなすこと。長く活動していれば波があるのは当たり前だし、それに流されず自分が提供できるクリエイティヴィティを提供し続けていけばいいんだと思う。流れのなかで自分はとにかく創作を続け、それを皆が合わせたいときに一緒に合わせればいいんだと思うね。バンドの音楽活動は、大変だけどそのぶん大きなやりがいも感じる。必要なのは忍耐とパッションを持ち続けることさ。

コロナの影響を受けて、フェスティヴァルやイヴェントの形や、音楽の聴き方や存在自体が変化していますね。皆さん自身は今回の期間を経て行動や音楽に対する価値観が変わりましたか?

PB:人生のなかで、より大変な状況に自分が置かれているときは、自分にとっての音楽の意味が増すと思う。例えば、失恋したり、病気になったり、誰かが亡くなったりしたときは、これまで以上に意味と繋がり、美しさを感じるようになると思うんだ。いまは、コロナやその他様々な複雑なことが世界では起こっている。だから、アートのなかには美しさを増している作品もあるんじゃないかな。

ネイ・パームを除いた3人でのトリオ Swooping Duck や、最近インスタグラムで見かけた Space Boiz (!?)などいろんなプロジェクトも進行してますね。Patreon でも積極的に活動してますが、今回のアルバム以降の活動の予定を教えてください。

PB:まだわからないんだよな。8月にシドニーのフェスに出演することは決まってる。国内のショウはいくつかありそう。いまはショウのための準備をしている感じだね。あとは、タイニー・デスクの出演も決まっていて、それはもうすぐ収録なんだ。個人的には、リリースの予定はまだないけど、自分のソロ・アルバムのミックスを終えたところ。今年のどこかでリリースできたらいいんだけど。僕が初めて歌っている作品なんだ。本当に悲しいハートブレイクのレコード。すごく良い作品に仕上がったと僕は思ってる。誇りに思えるし、とりあえず世に送り出してみたい。それは僕にとっての大きな予定だな。

日本ではまだ Patreon が浸透していないのですが、ハイエイタス・カイヨーテとして利用してみていかがでしたか? 良いプラットフォームであればぜひ日本のアーティストにもオススメして欲しいです。

PB:良いと思う。メンバー全員が気に入ってるし、素晴らしいプラットフォームだと思うよ。舞台裏でも他のプロジェクトでも何でも、自分が載せたいものを載せられるんだ。そのページのファンクラブの会員みたいなものになるために、ファンの皆が月額で会費を払う感じだね。それに入ると、他の人には見られない特別な作品を見ることができる。そんな仕組み。僕とサイモンがたくさんのシンセにプラグを差し込んでクレイジーなジャムをしているビデオだったり、僕がチェロで即興をやったり、舞台裏の様子だったり、本当になんでもあり。面白いと思うよ。チェックしてみて。

昨年、今年と立て続けにオーストラリアのアーティストやバンドが活躍しています。もしご存じであれば地元メルボルンでぜひ注目して欲しいアーティストはいますか?

PB:レニアス(Laneous)をチェックしてみて。特に『MOSNTERA DELICIOSA』っていうアルバム。僕がプロデュースしてるアルバムで、作品のなかで演奏もしてる。すっごく良いアルバムなんだ。作業していていちばん楽しかったレコードのひとつ。バンドキャンプやスポティファイで聴けるから、ぜひ聴いてみて。

日本にももう何度も来日されてますね。19年はフジロックにも出演されましたが来日時に特に記憶に残る思い出はありますか?

PB:買い物した。けっこう面白いものを買ったんだ。ギラギラのシルクのガウンとか、クラゲの柄のショーツとか、フラミンゴ柄のシャツとか(笑)。めちゃくちゃ派手な服ばかり(笑)。日本で買い物するのって本当に楽しいんだよね。あと、言うまでもないけど食事も最高。日本に行くときは毎回良い時間をすごしてる。ただ歩き回って、レコード屋や服屋で買い物をして、ハイボールを飲みまくる(笑)。

聴く人それぞれに解釈はあると思いますが、ハイエイタス・カイヨーテが『Mood Valiant』を通してオーディエンスやリスナーへ伝えたいメッセージはありますか?

PB:アルバムを聴いて、素晴らしい時間を過ごしてくれたら嬉しい。アルバムの音楽が必要な感情を引き出して、皆がそれに浸り充実感を感じてほしい。何か必要なものがあるとしたら、それを僕らのアルバムのなかで見つけてもらえたら最高だね。

通訳:今日はありがとうございました!

PB:こちらこそ。またね。

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