7月から全17作のリイシュー・プロジェクトが進行中のカン、このクラウトロックの巨星をまるごと1冊特集した『別冊ele-king カン大全──永遠の未来派』、監修=松山晋也による文字どおり入魂の1冊が無事校了となりました。
カンの歩みを詳細に追った巻頭「カンの物語」を筆頭に、カンが生まれた背景を探るべく、当時の戦後ドイツの状況やヨーロッパのフリー・ジャズ・シーン、シュトックハウゼンの存在などを掘り下げる論考も掲載。主要メンバー全員の貴重なロング・インタヴューに、カン本体だけでなくメンバーのソロ作品、さらにはカンの影響を受けた作品まで網羅した究極のディスクガイドもあり。
全240ページ、1冊ぜんぶカン特集というのは日本初の試みであり、おそらく海外でもそうあるものではないでしょう。カンにかんする情報が凝縮されまくった濃厚な内容、今後もう二度と実現できないだろうクオリティ、まさに決定版と呼ぶべき仕上がりだと自負しています。
発売は10月31日。ご期待ください。
最後にこの場を借りて、松山さんにお礼を申し上げます。この1週間、レコードや書物に囲まれた部屋のなかで、床に横になることもなく、また食卓につくこともなかった松山さん、心おきなく寝袋で休んでください。またバイクを二人乗りして鎌倉の海を飛ばしましょう。
【執筆者一覧】
明石政紀、岸野雄一、小林拓音、小柳カヲル、小山哲人、崎山和弥、柴崎祐二、竹田賢一、野田努、ジェイムズ・ハッドフィールド、東瀬戸悟、福島恵一、松平敬、松村正人、松山晋也、三田格