「KING」と一致するもの

MONJU - ele-king

 紙版エレキング夏号で ISSUGI は力強く語っている。「今年、EPは絶対に出ます。それは書いてもらって大丈夫です(笑)」と。7月末にリリースされた DJ SHOE とのミックス作品には、MONJU としての新曲 “In The City” が収録されていた。これは本当に来るかもしれない──そう期待していたファンの皆さま、お待たせしました。
 心願成就。ISSUGI、仙人掌、Mr.PUGからなるトリオ=MONJU の新作EP「Proof Of Magnetic Field」が12月2日に〈Dogear〉よりリリースされる。まとまった MONJU の作品としては、2008年の「Black de.ep」以来、約13年半ぶりの新作だ。
 また、〈Dogear〉は今年で設立15周年を迎える。それを祝し、11月23日に渋谷 clubasia にてアニヴァーサリー・イヴェントが開催。MONJU によるロングセットのライヴが予定されており、「Proof Of Magnetic Field」収録曲も披露されるようだ。
 MONJU の新作EPにイヴェント、これはどちらも見逃せない。

[11月23日追記]
 いよいよ来週リリースとなる MONJU の新作EP「Proof Of Magnetic Field」から、“Ear to street” のMVが公開された。監督は仙人掌や BES & ISSUGI などの作品を手掛ける映像クリエイターの KENTARO FUJIWARA。コロナによって都市に浮上した音=スケートボードの走行音が入っているところにもシビれます。なお、本日開催の〈DOGEAR〉主催イヴェントでは新作EPのCDが先行発売されるとのこと。すでに前売券は完売、当日券の発売予定もないようだが、行ける方はぜひチェックを。

[12月3日追記]
 ついにリリースされた「Proof Of Magnetic Field」、同作の完全限定生産のカセットも予約がはじまっている。P-VINE SHOPのみでの販売、ひとり2本までとのことなので、ご予約はお早めに。

* MONJU『Proof Of Magnetic Field』CASSETTE ご予約ページ
https://anywherestore.p-vine.jp/products/pctder-001

MONJUが約13年半ぶりの新作EP『Proof Of Magnetic Field』をリリース。
11/23にはDOGEAR RECORDS主催イベントを開催、ロングセットのライブを披露。

東京を中心に活動するISSUGI、仙人掌、Mr.PUGのユニット、MONJUが最新EP『Proof Of Magnetic Field』を12月2日(木)に〈DOGEAR RECORDS〉からリリースする。MONJUがグループとしての新作を発表するのは2008年に発表したセカンドEP『Black de.ep』以来、約13年半ぶりのことだ。

グループやソロでのライブはもちろんのこと、作品リリースや客演参加、ボーダーレスなコラボレーションなどを通じて、シーンに存在感を示してきたMONJUのメンバーたち。途切れることなく活動を続け、世に放ってきた名作は数知れず。

MONJUとしては2019年11月にデジタル・シングル "INCREDIBLE" をサプライズ・リリース。同時に『Black de.ep』を約11年ぶりにリマスターしたEP『Black De.Ep RE:MASTERED』を発表した。今年2月にはKOJOEと手を組んだ “WARnin' Pt.2” をリリース、7月にはISSUGI & DJ SHOEのミックスアルバム『Both Banks』に新曲 “In The City” が収録された。

ユニットとしての活動を加速させてきたMONJUの最新作は客演ナシ、16FLIPのプロデュースによる8曲が揃う。16FLIPがアップデートを重ねてきた新たな音像のなかで、鋭く、鮮烈に言葉を焼き付ける28分のEPが完成した。CD/デジタルに合わせ、ピクチャー・ヴァイナル仕様/完全限定プレスのアナログ盤と完全限定生産のカセットテープ(P-VINE SHOPのみでの販売)も発売予定だ。

またMONJUが支柱となる〈DOGEAR RECORDS〉設立15周年を記念したイベントが11月23日(火・祝)に渋谷clubasiaで開催。MONJUがロングセットでライブし、『Proof Of Magnetic Field』収録曲も披露する予定とのこと。ほか、近年リリースを続けているYAHIKO&AIWABEATZがライブを披露、BudaMunk、DJ SHOE、ChangyuuらがDJとして登場する。

ISSUGI、仙人掌、Mr.PUGはもちろんのこと、BES & ISSUGIやKID FRESINO、BudaMunk、ILLNANDES & ENDRUN、Aru-2、CRAMらの作品をコンスタントに発表してきたレーベルの音楽をぜひ体感してほしい。

[商品情報]
アーティスト:MONJU
タイトル:Proof Of Magnetic Field
レーベル:P-VINE, Inc. / Dogear Records
発売日:
CD / 2021年12月2日(木)
LP / 2022年3月2日(水)
仕様:
CD / LP(ピクチャー・ヴァイナル仕様/完全限定生産) / デジタル
品番:
CD / PCD-20441
LP / PLP-7772
定価:
CD / 2.200円(税抜2.000円)
LP / 3.740円(税抜3.400円)

[TRACKLIST]
1. Report back
2. In the night
3. ANNA(step in black pt.5)
4. Ear to street
5. beats
6. 13 DEALS
7. And to the…
8. Incredible

all Produced by 16FLIP

[イベント情報]
DOGEAR RECORDS presents..
MONJU"Proof Of Magnetic Field" RELEASE LIVE LIMITED 200
80minutes Of Kill

11/23 (Tue) at CLUB asia
open: 17:00
Advance Ticket: ¥3500+1D / Door: ¥4500+1D

RELEASE LIVE: MONJU
LIVE: YAHIKO & AIWABEATZ
DJ: Budamunk, DJ Shoe & Changyuu

【チケット販売に関して】
10/28 18時よりzaikoにてデジタルチケットの販売を開始しております。
https://cultureofasia.zaiko.io/buy/1rwL:icU:5efd3

通常のチケット販売に関しては11/1(月)より下記の3店舗にて販売致します。
[JAZZY SPORT]
〒153-0053 東京都目黒区五本木3丁目17−7
[TRASMUNDO]
〒156-0044 東京都世田谷区赤堤4丁目46−6 香松ビル
[TREES SHOP]
https://7tree.shop/

【感染症対策】
新型コロナウイルス感染症対策として、マスクの着用の義務化、及び入場の際に検温をさせて頂きます。
ご理解とご協力のほど、お願い申し上げます。

 9月4日、イギリス海軍が建造した史上最大で最強の航空母艦、HMS(女王陛下の)クイーン・エリザベス号が横須賀港に寄港した。アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を沈めた16世紀の女王の名を冠したこの船は、旧大英帝国がかつて足を踏みならしたシンガポールにも停泊しており、象徴性と政治性を存分に誇示したアジア・ツアーを敢行したわけだ。イギリスは、この巨大な新しい船を使って軍事力を見せつけた。まるで年老いた男が、ブリティッシュ・シー・パワーのグレイテスト・ヒッツを演奏するかのように。

 そのひと月前、バンド、British Sea Power(ブリティッシュ・シー・パワー)は、バンド名をより合理的なSea Power (シー・パワー)に縮めることを発表した。彼らは慎重に言葉を選びながら、“ブリティッシュ”を切ることは、イギリスそのものへの嫌悪を意味することではないと強調し、イギリスに限らず世界的な流れとしての、“ある種のナショナリズムの台頭による孤立主義や、敵対的なナショナリズムと混同されるリスクを回避したい”ということを理由にあげた。
 実際、そのようなナショナリズムの傾向は、イギリスでも明らかに問題となっている。「21世紀のヨーロッパのフェスティヴァルに参加した若者がプログラムを見て、“パワー”という言葉の横に“ハンガリアン”とか“ロシアン”という言葉を含むバンド名を目にした時に、どのようなことを連想するのかを考えてみてほしい」という彼らの問いかけは、“ブリティッシュ”という言葉も同じように不愉快で、暴力的なイメージを呼び覚ましてしまうかもしれない可能性を示唆している。イギリスのストリートや報道機関の多くが、ヨーロッパや外国人全体に対して敵意をむき出しにする雰囲気を増長させ、ポスト・ブレグジットに拍車をかけてしまっているのだ。

 20年前、バンドがブリティッシュ・シー・パワーという名前を選んだときには、それは道理に反してはいるが、コミカルなばかばかしさとして受け止められていたことは明らかだ。“ブリティッシュ・シー・パワー”は、侵略者に対する英雄的な戦いや、過ぎ去りし日の帝国の華やかな虚栄の古い物語だった。彼らのファースト・アルバム『ザ・ディクライン・オブ・ブリティッシュ・シー・パワー』(2003)は、取返しがつかぬほど変わってしまった場所から過去を振り返る、ノスタルジックで皮肉な声明だった。
 そのアルバムには、ある意味、戦後の大英帝国の衰退と、その誕生の際の産声がロックンロールだった新しいイギリスとが交錯していた。ザ・ビートルズの1964年の映画、『A Hard Day's Night (ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!)』では、彼らと同じ鉄道の車両に乗り合わせて閉じ込められた男が、「私はお前たちのような人種のために戦争で戦ったんだ」と叫び、敬意を要求したが、「でも勝利を後悔しているだろう?」とリンゴに反撃されている。その数年後には、ビートルズは『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で、イギリス軍の過去のイメージをとりあげ、ノスタルジーと時代錯誤的なばかばかしさを混ぜ合わせて、サイケデリックの領域に攻め込み、ザ・フーは、イギリス国旗とRAF(英国空軍)のラウンデル(円形の紋章)をポップ・アート・デザインのモチーフにしてしまった。

 ザ・キンクスは、アルバム『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』(1969)で、新世代ブリティッシュ・ロックの消えゆく過去への陶酔を、あからさまに、力強く表現した。一方、1990年代初頭には、ブラーなどのブリットポップ・バンドが過去のイギリスの皮肉でセンティメンタルなイメージ(シングル「フォー・トゥモロー」のジャケットに描かれたスピットファイア戦闘機や、アルバム『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』(1993)の蒸気機関車など)を利用し、60年代のブリティッシュ・ロックの栄光の日々と同時に、大英帝国の過去に対するブリティッシュ・ミュージックの奇妙に相反する、ノスタルジックでシニカルな姿勢の両方を描いてみせた。ブリティッシュ・シー・パワーというバンド名は、まさにこの壮大さ、喪失感、プライドと自虐的でドライなユーモアを想起させるのだ。

 しかし、このイメージが物語っているのは、内向きな、白人世界のイギリスの姿に過ぎない。1990年代はブリットポップの時代であったかもしれないが、同時にトリップホップ、コーナーショップのようなバンドやドラムンベースなど、イギリスの植民地時代の過去に連なる移民の2世や3世が、さまざまな経験や異なる文化的な視点から、イギリスらしさを再構築していたのだ。

 ブリットポップが使用していたノスタルジックで愛国的なイメージは、もとは社会批判が発端となっていたかもしれないが、すぐに、人びとが過去の大英帝国の郷愁に浸り、その皮肉が暗示する意味合いを完全には受け入れずにすむ、保護膜のような働きをした。やがてそのイメージがナショナリズムの象徴として常態化し、列車のなかの尊大な男が、ビートルズの騒々しいロックンロールを忌み嫌ったように、多文化の共生する現代国家に憤る人びとの、称讃の的となった。その結果、ブリティッシュ・シー・パワーのような名前に込められていた皮肉は効力を失ったのだ。ナショナリストたちは皮肉には取り合わないし、若者は皮肉を偽善的な行為を覆い隠すものとして疑ってかかる傾向が強まっている。

 そのような時代において、かつて帝国が支配した海を、国旗を振りかざしながら巡回し、何世紀にもわたる軍の戦いに敬意を表して付けられた名を持つ軍艦とは異なる種類のパワーを、バンドがEP「Waving Flags」(2008)のように定義しなおしたことは、正しかったのだろう。イギリスのように、どこにいても海岸から100キロ以内しか離れていないような場所では、海が強力な必然性を持ち、国民は天気や気候を左右する気まぐれな海に翻弄されて生活している。海は潮の入り江を行き来し、餌を与えたり、打ち付けたり、唸ったり宥めたりしながら、一定の島のシンフォニーを奏でているのだ。それは、国を世界から切り離すものであると同時に、どことでも繋がるものであり、その意味では、“Sea Power”は“Britain”(ブリテン=イギリス)という言葉で騒ぎ立てることを、ほんの小さな心配事にしてみせることに成功している。


'The changing meanings of "British Sea Power"'


Ian F.Martin

On September 4th, the aircraft carrier HMS Queen Elizabeth, the largest and most powerful warship ever constructed for Britain’s Royal Navy, docked at the port of Yokosuka. Named after the 16th Century queen whose navies sank the Spanish Armada, the ship had earlier stopped at the old British Empire stomping grounds of Singapore, so there was plenty of symbolism and politics on display in this Asian tour. Britain was using this huge new ship to flex its military muscles: an old man performing the greatest hits of British sea power.

A month earlier, the band British Sea Power had announced that their name would be shortened to the more streamlined Sea Power. They were very careful in their choice of words, stressing that cutting “British” didn’t signify any dislike of Britain itself, and placing their reasons in the global context of “a rise in a certain kind of nationalism in this world – an isolationist, antagonistic nationalism that we don’t want to run any risk of being confused with” rather than anything specific to the UK.

And yet those nationalist trends clearly are a problem in the UK. When the band ask us to imagine “a youngster at a European festival in the 21st century looking at the programme and seeing a band name including the word ‘Hungarian’ or ‘Russian’ alongside ‘Power’” and then think about what sort of images and associations might run through their head, they’re implying that the word “British” could raise similarly uncomfortable and possibly violent images — ones that the increasingly hostile atmosphere on some of Britain’s streets and in most of its press towards Europe and foreigners in general will have only encouraged post-Brexit.

When the band chose the name British Sea Power twenty years ago, it seemed obvious that the name was comically absurd: “British sea power” was an old story of heroic battles against invaders and the pomp of an imperial past long gone. Their first album title, “The Decline of British Sea Power” was a statement both nostalgic and ironic, looking back at the past from a place that had irrevocably changed.

In a way, the postwar decline of the British Empire is intertwined with a new Britain whose birth screams were the sound of rock’n’roll. “I fought the war for your sort,” was the pompous demand for respect of a man trapped in a railway carriage with The Beatles in their 1964 movie A Hard Day’s Night, only for Ringo to fire back, “I bet you’re sorry you won.” A couple of years later, they used Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band to take military-edged imagery from Britain’s past and push its mix of nostalgia and anachronistic absurdity into the realm of the psychedelic, while The Who turned the national flag and Royal Air Force military roundels into pop-art design motifs.

The Kinks expressed the rising generation of British rock’s fascination with the fading past most explicitly and powerfully in their album Arthur (Or the Decline and Fall of the British Empire). Meanwhile, in the early 1990s, Britpop bands like Blur seized on ironically sentimental images of Britain’s past (the Spitfire fighter planes on the cover of their For Tomorrow single, the steam train painting on the cover of the album Modern Life is Rubbish) in a way that both both referenced the glory days of 60s British rock and the peculiarly ambivalent attitude of British music to the nation’s imperial past, both nostalgic and cynical. The band name British Sea Power evokes just this mix of grandeur, loss, pride and self-effacing dry humour.

But it’s still an inward-looking and distinctly white version of Britain that this imagery speaks to. The 1990s may have been the generation of Britpop, but it was also the era of trip-hop, bands like Cornershop, drum’n’bass — music born from second- and third-generation immigrants with connections to Britain’s colonial past, that was reshaping Britishness once more out of a very different set of experiences and cultural reference points.

The nostalgic and patriotic images that Britpop had used may have begun with an edge of social criticism, but that irony soon became a protective coating that allowed people to bask in the nostalgia of an imperial past without accepting its full implications, and eventually the imagery became normalised as nationalistic symbols, celebrated in a way every bit as resentful of the multicultural modern nation as the pompous man in the train carriage was to the noisy rock’n’roll of The Beatles. As a result, the irony embedded in a name like British Sea Power loses its bite: Nationalists don’t deal in irony or nuance, and young people seem increasingly suspicious of irony as a cloak for insincerity.

In such times, perhaps the band are right in framing a different sort of sea power — one removed from warships named in honour of centuries-old military battles “Waving Flags” on a tour through seas the Empire once ruled. In a place like Britain, where you are never more than a hundred kilometres from the coast, the sea is a powerful inevitability and the nation lives subject to its whims, defining the weather and climate, as it rushes back and forth up tidal inlets, feeding and battering, roaring and soothing in a constant island symphony. It’s both what cuts the country off from the rest of the world but also what connects it to everywhere, and in that sense, “Sea Power” makes any fuss over a word like “Britain” rather a small concern.

Squid - ele-king

 スクイッドって、やっぱり良いバンドですね。素晴らしい! なぜなら彼らの新しいリミックス・シングルのリミキサーがロレイン・ジェイムズコージー・ファニ・トゥッティなのだから。
 この、なんとも心憎いリミックス盤を出したばかりのUKのバンドのインタヴューは、年末号のエレキングで読めます。こうご期待。
 
 https://brightgreenfield.squidband.uk/remixes

Local World x Foodman - ele-king

 夏に新作『Yasuragi Land』を〈Hyperdub〉からリリースした食品まつり。当初は8月・9月に予定されていたものの延期となってしまっていたリリース・パーティが、あらためて開催されることがアナウンスされた。
 11月13日、同日営業再開となる下北沢 SPREAD と HANARE にて開催。計12時間にもおよぶ特大のパーティとなる。前売特典はオリジナルのサウナ・タオル。100枚限定のようなのでお早めに。

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021

世界で最もピースな電子音楽家Foodmanの〈Hyperdub〉からの最新アルバム『Yasuragi Land』を祝し、Local Worldとのデイとナイトを合わせた計12時間に及ぶ特大コラボ・パーティへ変更&開催。
リリース記念品として前売特典にオリジナル・サウナ・タオルが付いてきます!

土着、素朴、憂い(潤い)をテーマに南は長崎、北は北海道、これまでFoodmanにまつわるアーティスト含む全国各地からフレッシュな全20組が集まる、デイのコンサートとサウナと水風呂の2会場のフロアに別れたクラブ・ナイトの2部構成、計12時間に及ぶロングラン・リリース・パーティ。

The world's most peaceful electronic musician Foodman's release party featuring his latest album "Yasuragi Land" from UK's finest label Hyperdub will be held at SPREAD Tokyo as a collaboration with Local World, a club and mode adventure party. With the themes of Indigenous, honesty and melancholy, the event, a total 12 hours long-running release party will consist of two parts: a daytime concert and club night divided into two venue floors, a sauna and a water bath with a total of 20 fresh artists and DJs from all over Japan from Nagasaki in the south to Hokkaido in the north including artists related to Foodman. A limited original sauna towel will be given as a special gift for ADV ticket purchasers.

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021
SAT 13 NOV 18:00 - 06:00 12H at SPREAD + HANARE
ADV ¥2,850+1D@RA w/ special gift: Yasuragi Land sauna towel *LTD100
DOOR ¥3,000+1D / U23 ¥2,000+1D

[前売リンク] https://jp.ra.co/events/1474555

DAY CONCERT@SPREAD 18:00 -

LIVE:
7FO
cotto center
Foodman
NTsKi
Taigen Kawabe - Acoustic set -

DJ:
noripi - Yasuragi Set -

18:00 (60) noripi - Yasuragi set -
19:00 (20) cotto center LIVE
19:20 (20) Taigen Kawabe LIVE
19:40 (15) set change noripi - Yasuragi set -
19:55 (30) NTsKi LIVE
20:25 (30) 7FO LIVE
20:55 (15) set change noripi - Yasuragi set -
21:10 (30) Foodman LIVE
21:40 END

CLUB NIGHT - SAUNA FLOOR@SPREAD 23:00 -

LIVE:
Foodman
JUMADIBA & ykah
NEXTMAN
Power DNA

DJ:
Baby Loci [ether]
D.J.Fulltono
HARETSU
Midori (the hatch)
バイレファンキかけ子

23:00 (60) バイレファンキかけ子
24:00 (60) Midori (the hatch)
01:00 (60) JUMADIBA & ykah LIVE & DJ
02:00 (20) Power DNA LIVE
02:20 (20) NEXTMAN LIVE
02:40 (30) Foodman LIVE
03:10 (50) Baby Loci
04:00 (50) HARETSU
04:50 (70) D.J.Fulltono
06:00 END

CLUB NIGHT - COLD BATH FLOOR@HANARE* 22:00 -

LIVE:
hakobune [tobira records]
Yamaan
徳利

DJ:
Akie
Takao
荒井優作

22:00 (50) Yamaan LIVE
22:50 (30) 徳利 LIVE
23:20 (80) 荒井優作
24:40 (80) Akie
02:00 (50) hakobune LIVE
02:50 (70) Takao
04:00 END

artwork: ssaliva

- 前売特典*100枚限定: やすらぎランド・サウナ・タオル *会場にて受け渡し / ADV special gift *Limited to 100: Yasuragi Land sauna towel *pick up at the venue
- 再入場可 *再入場毎にドリンク代頂きます / A drink ticket fee charged at every re-entry
- HANARE *東京都世田谷区北沢2-18-5 NeビルB1F / B1F Ne BLDG 2-18-5 Kitazawa Setagaya-ku Tokyo

食品まつり a.k.a foodman

名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、2016年の『Ez Minzoku』は、海外はPitchforkのエクスペリメンタル部門、FACT Magazine、Tiny Mix Tapesなどの年間ベスト、国内ではMusic Magazineのダンス部門の年間ベストにも選出された。その後Unsound、Boiler Room、Low End Theoryに出演。2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。Bo NingenのTaigen Kawabeとのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」としても活動。独自の土着性を下地にジューク/フットワーク、エレクトロニクス、アンビエント、ノイズ、ハウスにまで及ぶ多様の作品を発表している。

《最新作リリース情報》食品まつり a.k.a foodman - Yasuragi land [Hyperdub / Beatink]
https://open.spotify.com/album/1160ly60lfUV9CpGOKLVhI?si=K2HictdARNuA9tfsvs5hxw&dl_branch=1

Local World

2016年より渋谷WWWをホームに世界各地のコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージックのローカルとグローバルな潮流が交わる地点を世界観としながら、多様なリズムとテキスチャやクラブにおける最新のモードにフォーカスし、これまでに25回を開催。

Local 1 World EQUIKNOXX
Local 2 World Chino Amobi
Local 3 World RP Boo
Local 4 World Elysia Crampton
Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
Local 6 World Klein
Local 7 World Radd Lounge w/ M.E.S.H.
Local 8 World Pan Daijing
Local 9 World TRAXMAN
Local X World ERRORSMITH & Total Freedom
Local DX World Nídia & Howie Lee
Local X1 World DJ Marfox
Local X2 World 南蛮渡来 w/ coucou chloe & shygirl
Local X3 World Lee Gamble
Local X4 World 南蛮渡来 -外伝- w/ Machine Girl
Local X5 World Tzusing & Nkisi
Local X6 World Lotic - halloween nuts -
Local X7 World Discwoman
Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM
Local X9 World Hyperdub 15th
Local XX World Neoplasia3 w/ Yves Tumor
Local XX0 World - Reload -
Local XXMAS World - UK Club Cheers -
Local World x ether

https://localworld.tokyo

SUPER DOMMUNE Presents「DJ IN THE MIRROR WORLD 3」 - ele-king

 もうすぐ投票日だ。同10月31日はハロウィーンでもある。今年も渋谷区は「バーチャル渋谷」への参加を呼びかけている。「バーチャル渋谷」って何? それは、「cluster」というプラットフォームで体験することができる “ミラーワールド”。簡単に言ってしまえば、現実の渋谷をスキャンすることによって生み出された仮想世界だ。
 ということで、昨年のハロウィーンから「DJ IN THE MIRROR WORLD」という刺激的な試みを実践してきた “メタヴァースの使徒” SUPER DOMMUNE が今年もスペシャルな企画を用意してくれた。
 第1回ではエレン・エイリアン、サージョン、ケン・イシイ、ダーシャ・ラッシュが、第2回ではニーナ・クラヴィッツ、Rebekah、Licaxxx が出演している同企画だが、今回の「3」では、なんと、満を持して石野卓球が登場! 石野卓球がアヴァターとなり仮想のスクランブル交差点でDJ、これはかつてないイヴェントになるだろう。
 ちなみに10月29日発売の『ele-king臨時増刊号 仮想空間への招待──メタヴァース入門』では、SUPER DOMMUNE を主宰する宇川直宏氏のインタヴューを掲載しています。めちゃくちゃおもしろい内容のインタヴューですので、ぜひそちらもチェックしていただけると嬉しいです。
 10月31日、投票を済ませたら「バーチャル渋谷」へGO(参加方法などは下記を)。

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DJ IN THE MIRROR WORLD 3
実 施 概 要

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名 称:SUPER DOMMUNE Presents「DJ IN THE MIRROR WORLD 3」
日 時:2021年10月31日(日)22:30-24:00
DJ:石野卓球(電気グルーヴ)
VJ:DEVICEGIRLS
VRDJ:DJ SHARPNEL
VR STREAMING:UKAWA NAOHIRO(DOMMUNE)

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バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021
実 施 概 要

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名 称:バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021
日 程:2021年10月16日(土)~10月31日(日)
場 所:渋谷区公認配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」
主 催:KDDI株式会社、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会
後 援:渋谷区
協力パートナー:東急株式会社、東急不動産株式会社、東京メトロポリタンテレビジョン株式会社、株式会社SHIBUYA109エンタテイメント、株式会社 ローソンエンタテインメント、ChargeSPOT、アドビ株式会社

公式サイト:https://vcity.au5g.jp/shibuya/halloween2021
公式SNS:<Twitter>‎@shibuya5g
<Instagram>@shibuya5g
<YouTube>渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト

参加方法:
バーチャル渋谷は、VRデバイス、スマートフォン、PC/Macからご参加いただけます。
clusterの無料アカウント作成と、ご利用されるデバイス用のclusterアプリのインストールが必要です。
clusterアカウント作成:https://cluster.mu/
clusterアプリダウンロード:https://cluster.mu/downloads

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石野卓球(電気グルーヴ)
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1989年にピエール瀧らと"電気グルーヴ"を結成。1995年には初のソロアルバム『DOVE LOVES DUB』をリリース、この頃から本格的にDJとしての活動もスタートする。1997年からはヨーロッパを中心とした海外での活動も積極的に行い始め、1998年にはベルリンで行われる世界最大のテクノ・フェスティバル"Love Parade”のFinal Gatheringで150万人の前でプレイした。1999年から2013年までは1万人以上を集める日本最大の大型屋内レイヴ"WIRE"を主宰し、精力的に海外のDJ/アーティストを日本に紹介している。2012年7月には1999年より2011年までにWIRE COMPILATIONに提供した楽曲を集めたDisc1と未発表音源などをコンパイルしたDisc2との2枚組『WIRE TRAX 1999-2012』をリリース。2015年12月には、New Orderのニュー・アルバム『Music Complete』からのシングルカット曲『Tutti Frutti』のリミックスを日本人で唯一担当した。そして2016年8月、前作から6年振りとなるソロアルバム『LUNATIQUE』、12月にはリミックスアルバム『EUQITANUL』をリリース。2017年12月27日に1年4カ月ぶりの最新ソロアルバム『ACID TEKNO DISKO BEATz』をリリースし、2018年1月24日にはこれまでのソロワークを8枚組にまとめた『Takkyu Ishino Works 1983~2017』リリース。現在、DJ/プロデューサー、リミキサーとして多彩な活動をおこなっている。
https://takkyuishino.com

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DOMMUNE
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現代日本のアートシーンの中でも際立った存在感を放つ宇川直宏が、ソーソャルストリームの時代を見据えた新たな文化の発信拠点として、2010年に開局させた日本初のライブストリーミングスタジオ『DOMMUNE』!! SNSの夜明けと言われた時代に「ファイナルメディア」として忽然として現れ、百花繚乱のライブストリーミング番組の中でも、圧倒的な番組の質とビューワー数を誇り、開局以来、世界各国から様々なゲストが来日のたびに出演する唯一無二の文化プラットフォームとして存在し続けている。あのロンドンを拠点とするミュージックチャンネルBOILER ROOMにも影響を与え、BOILER ROOM TOKYOの日本支局もDOMMUNEが担当している。このように『DOMMUNE』は現在世界に溢れているサウンド&アートストリーミング、また、カルチャーストリーミングのほとんど全ての雛形を作ったと言っても過言ではない。現在まで9年間にわたって配信した番組は約4000番組 / 約7000時間 / 150テラ、トータル視聴者数一億を超え、従来の「放送」や「出版」そして「広告」という概念やそのフォーマットが破綻していく現代において、ライブにおける動画配信の実験を重ね、新たな視覚コミュニケーションの可能性を日夜革新的に炙り出し続けている。今もなおその影響力は衰えず、開局10周年を第二章とし、最前衛テクノロジーと共にUPDATEを図り、ファイナルメディア『DOMMUNE』の進化形態『SUPER DOMMUNE』へと展開した。2021年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
https://www.dommune.com/

Damon and Naomi - ele-king

 80年代末から90年代にかけてのUSインディにおける伝説のバンド、ギャラクシー500から派生したデュオ、デイモン&ナオミ、このデュオが6年ぶりのアルバムをリリースする。ヴェルヴェッツ直系のロック・サウンドとドリーム・ポップが入り交じり、儚さと優しさが交錯する魅力たっぷりのそのサウンドは、日本でも大いに愛されている。新作でもデイモン&ナオミの柔らかくフォーキーなサウンドとメロウな歌の澄み切った作風は健在。
 しかも今回は、日本のインディ・シーンで大活躍の〈キリキリヴィラ〉からの日本盤。歌詞対訳は彼らの同胞とも言えるSugar Plantの正山千夏が担当しています。いや、素晴らしいです。

https://store.kilikilivilla.com/product/receivesitem/KKV-123

DAMON & NAOMI with Kurihara
A SKY RECORD
キリキリヴィラ

※12月15日発売
歌詞対訳付き
KKV-123
税込定価 2,500円

DEADKEBAB & PSYCHIC$ - ele-king

 新顔を紹介します。かつて一瞬世界を賑わせたバンド、トリプル・ニップルズのヴォーカリストだったDEADKEBABとトラックメイカーのPSYCHIC$、そしてDJのALEX(アレックス・フロム・トーキョーではない)の3人からなるラップ・グループ、デッドケバブ&サイキックス。いま巷話題です。
 で、彼らの7インチが11月3日、限定300枚でリリースされる。ジャケットのアートワークはヴィジュアル・アーティストとしても活動するDEADKEBAB。かなりポップでストレンジで、面白いです。わずか300枚なので、どうぞお早めに。
 
DEADKEBAB & PSYCHIC$ - HUSTLER

DEADKEBAB & PSYCHIC$ - Pussy Cat(screwed) teaser



DEADKEBAB & PSYCHIC$
Hustler / Pussy Cat

フォーマット:7インチシングル

レーベル:Paik’n Pô Productions

購入はこちらまて→ https://deadkebab.theshop.jp

Primal Scream - ele-king

 「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」のように、たった1枚のレコードが世界の見方を変えてしまうことがポップ・ミュージックの世界では起こりうるが、プライマル・スクリームの「ローデッド」もそんな1枚だった。世界の見方、見えはじめた景色、考え方、これから聴きたい音楽、これから着たい服、そして行きたい場所、そういったものすべてを変えてしまった。イギリスだけの話ではない。日本においてもまったくそうだった。若者文化を決定的に変えてしまった、これほどパワフルな曲はそうあるものではない。そして、それに続いた壮大な「カム・トゥギャザー」は、いまが変革の季節であることを、念を押すかのように言い聞かせた。ソウルフルな「ドント・ファイト・イット・フィール・イット」は同じようにアンセムとなり、「ハイヤー・ザン・ザ・サン」のサイケデリアに誰もが昇天した。こうした一連の奇跡的なシングルのリリースを経て、『スクリーマデリカ』は1991年9月にリリースされた。レイヴ・カルチャーの時代のまったく新しいサイケデリア、いわば90年代の『ペット・サウンズ』、つまり時代の金字塔である。
 しかしながら、そのデモトラック集が出ると聴いて、正直なところとくに気持ちが上がったわけではなかった。なにせ、まあデモ集なのだ。収録されているアンドリュー・ウェザオールによる“シャイン・ライク・スターズ”のふたつのリミックス(ひとつはまったくの未発表)は聴いてみたいけどねと、そんなようなたいした期待もなく『デモデリカ』を聴きはじめたわけだが、ひとことで言えば、もうすっかり感動してしまった。ここにあるのは『スクリーマデリカ』に収録された曲のいわば青写真であり、それらの多くは、あのアルバムの高揚感を思えば意外なほどメランコリックで、内省的だったことがよくわかる。『スクリーマデリカ』の中心部にあるのは、決して単純な多幸感でもわかりやすい連帯感でもなかった。また、バンド演奏によるそれらの最初の姿からは、それぞれの曲に込められた元のアイデア(ゴスペルだったり、カーティス・メイフィールドだったり、Pファンクだったり、シーズだったり、ビーチ・ボーイズだったり)がよくわかる点も面白い。こうした聴き方は『スクリーマデリカ』をすでに愛聴した経験があるから可能なわけで、この時期のプライマル・スクリームに思い入れがある人には声を大にして推薦したい。完成品はもちろん逸品だけれど、ウェザオールたちに加工される前の生々しいその姿もまた魅力的だった。
 ブックレットにはジョン・サヴェージによる長いライナーノーツ(日本語訳)があり、また、メンバーによる詳細な全曲解説(ボーナストラックは除く)もある。これらも充分一読に値します。
 

Primal Scream
Demodelica

Columbia‏‏/ソニー
※日本盤は10月27日発売

進化するクァンティックの“ラテン” - ele-king

 2000年代初頭より長い活動を続けるクァンティックことウィル・ホランド。当初はジャジーなブレイクビーツを操るDJ/ビートメイカー的なスタイルだったが、次第にソウルやファンクなど生音を重視したサウンドへと移り、さらにラテンやレゲエなど中南米音楽に傾倒していく。2007年には生まれ故郷のイギリスを離れて南米のコロンビアへ移住するが、それはクァンティックのラテン音楽への情熱が本物だったという証しだろう。
 UK時代もラテンを取り入れたダンス・トラックはいろいろ作ってきたが、2008年にリリースしたクァンティック&ヒズ・コンボ・バルバロ名義の『トランディション・イン・トランジション』は、コロンビアのラテン音楽系ミュージシャンたちと作った本格的なラテン・アルバムであった。さらにブラジルが生んだレジェンドのアルトゥール・ヴェロカイと彼のオーケストラも参加するという非常にゴージャスな内容で、もちろんDJ的なセンスが注入された作品であるものの、クラブ・ミュージック・シーンにとどまらず一流の音楽家としてのクァンティックの名前を決定づけた傑作と言えるだろう。

 その後2014年にアメリカへ移り、現在はニューヨークを拠点とするクァンティックだが、コロンビア時代から引き続いてラテン音楽への探求意欲は衰えていない。2019年にリリースした『アトランティック・オシリレイションズ』は、ニューヨークで久々にクラブ・イヴェントやパーティーなどをやっていく中で作られたこともあり、かなりダンサブルなテイストの強いアルバムとなったのだが、この度リースした新作の『アルマス・コネクタダス』は一転して伝統的なラテン音楽の作法に則ったものとなっている。
 『アルマス・コネクタダス』はクァンティックとニディア・ゴンゴーラとの共作で、このコンビでは2017年の『クルラオ』に続く作品である。ニディアはコロンビア南西部のティンビキ出身のシンガーで、彼女がリード・ヴォーカルを務める伝統音楽集団のグルーピ・カナロンの作品をクァンティックが聴き、その歌の素晴らしさに感銘を受けたところからふたりの共演がはじまった。

 ニディアについてクァンティックはこう評価する。

彼女の声は個性があって本当に素晴らしい。すごく美しい声だし、彼女はライターとしての力も持っている。両方が素晴らしいというそのコンビネーションは、彼女の武器だと思うね。彼女のライフ・ストーリーもすごくユニークだし、彼女のお母さんもパフォーマーだったから、彼女は多くの伝統的なシンガーのパフォーマンスも目にしてきた。彼女はかなりディープなヴォーカル文化の中で育ったからこそ、彼女の音楽は唯一無二になるんじゃないかな。コロンビアの伝統音楽であるクルラオやアフロ・コロンビアンの民謡なども理解しながら、彼女は常に新しいアイデアも取り入れている。それも素晴らしい部分だと思う。 (オフィシャル・インタヴューより。以下同)

 ニディアは『トランディション・イン・トランジション』のほか、2014年の『マグネティカ』などクァンティックのいろいろなアルバムに参加し、そうしてふたりの関係性が強まっていく中で『クルラオ』は作られた。伝統的なクルラオとニディアの歌唱に対し、クァンティックのエレクトリックなアプローチが融合したとても画期的なアルバムと評価できるだろう。

 そうした『クルラオ』に対し、『アルマス・コネクタダス』はオーセンティックなラテン音楽色がより強まっている。こうした作風の変化についてクァンティックはこう述べる。

前回のアルバムのサウンドは、もっとダンスっぽくエレクトロだった。コロンビアの、特に太平洋側の民族音楽の新しい解釈で、そういった音楽をエレクトロのサウンド・パレットの上で表現したものだったんだ。ほかにそれをやったことがある人があまりいなかったし、あれは新しい経験だった。一方、今回のアルバムはそれを既に一作目で成し遂げたから、これといって新しいアイデアはなかった。一緒に作品を作ることが一番の目的で、あまり特別なことは意識してなかったね。だから、ダンスフロアにとらわれることはなかったし、前ほどパーティー・レコードには仕上がっていないと思う。今回のアルバムでは色々なものが混ざっていて、軽快な曲もあれば、長い曲も、詩的な曲もあるんだ。どちらかというと、自由さがこのアルバムの方向性だったと思うね。ニディアに宿題として渡したのは、リズムのアイデアと曲の略図的なもの。そこから自由に曲を作っていったんだ。

 ニディアへの宿題とのことだが、基本的にニューヨークにあるクァンティックのスタジオ〈セルヴァ〉でレコーディングはおこなわれている(ちなみにクァンティックは〈セルヴァ・レコーディングス〉も主宰するが、『アルマス・コネクタダス』については長年クァンティックの作品を発表する〈トゥルー・ソウツ〉からのリリースとなる)。事前にコロンビアにいるニディアへデモ音源やいろいろな資料を送って聴いてもらい、彼女がニューヨークに来た際にヴォーカルを録音した。2年ほど前からアルバム制作ははじめられ、コロナによるパンデミック前にレコーディングは完了した。

ニディアとは新しいレコードをまた作りたいとずっと思っていたんだけれど、僕がコロンビアからニューヨークに引っ越してしまったから、実現するのが難しかったんだ。でもあるとき彼女がニューヨークに来ることになったから、そのために材料を集めることにした。それを彼女に送って、ニューヨークに来るときまでにやってもらう “宿題” を渡したんだ。で、彼女は5日間ニューヨークに滞在したんだけど、そのうちの2、3日で超特急でレコーディングしたんだよ。レコーディングはパンデミックの前だった。彼女のヴォーカルをその数日間で録音して、そこから僕がアレンジや他の作業を進めて行ったんだ。ニディアは曲を作るのが本当に早くて、歌詞に関しても素晴らしい歌詞をサッと書ける。ニューヨークに来る前に彼女が前もって書いていた曲もあったし、ニューヨークに来てから一緒に書いた曲もあるんだ。

 楽曲の制作プロセスからも、今回のアルバムが持つ方向性が見て取れる。いわゆるビートメイカー的なアプローチでトラックを作るのではなく、メロディやハーモニーを作っていく昔ながらの作曲方法によるもので、そこからオーセンティックなラテン音楽が生み出されていく。

曲の多くがギターとベースでデモを録音したものからはじまった。コード重視で、曲のヴァイブを捉えたもの。ニディアに送ったのは、多分10~15曲だったと思う。そこから彼女がお気に入りのものを選んで曲にしていったんだ。そこに彼女が声をのせたものを送ってきて、大体こんな感じになる、というイメージがわかった。そして、そこからまた二人で曲を作っていったんだ。遠距離だから、ライティングはリモートだった。で、ニディアがニューヨークに来たときには、僕が既にいくつかの曲をパーカッショニストとレコーディングしていたから、それに彼女が声を乗せて出来上がったものもあるし、二人でまた作業をして納得がいくまで仕上げていったものもある。曲は全てアナログでレコーディングしたんだ。コンピューターは一切使わず、全部テープ・マシンで録音したんだよ。今回は、前回の時よりもお互いのことをよく知っていたからそれが良かったと思う。お互いをもっと信頼できていたから、より作業がスムーズだったと思うね。

 ほかの録音メンバーはニューヨーク在住のラテン系ミュージシャンたちで、コロンビア、パナマ、ブラジル出身のプレイヤーたちが集まっている。これまでもクァンティックの作品に参加してきた馴染みのメンバーもいる。さらに、以前のアルトゥール・ヴェロカイのオーケストラとの共演が蘇るように、大幅なストリングスの導入が『アルマス・コネクタダス』のポイントに上げられる。

ストリングスは今回のアルバムの中の一つのテーマだったと思う。シンフォニックなサウンドというか、ストリングをより使ったサウンド。アルトゥール・ヴェロカイと一緒に作業をした経験などを通して、ストリングスのことを以前より学んだからね。ブラジルのミュージシャンのストリングスは本当に美しい。ミルトン・ナシメントもそうだし、1960年代のブラジル音楽にはヴォーカルにオーケストラのサポートがついていて、美しいハーモニーがヴォーカルを包んでいるのが特徴だと思うんだけど、今回のレコードではそれをやってみたかったんだ。

 ニューヨークにも独自のラテン・ミュージックの文化があり、サルサなどは現代にアップデートしながら進化してきた音楽である。『アルマス・コネクタダス』のストリングスやオーケストレーションの使い方などをみると、そうしたニューヨーク・ラテンの影響を受けた部分も見られる。たとえばホーン・セクションがゴージャスな “エル・アヴィオン” は1950年代のティト・プエンテ楽団あたりを聴いているようだ。そうしてみると、『アルマス・コネクタダス』はコロンビアとニョーヨークのラテン・カルチャーが融合したものという見方もできる。

 そのほかコロンビアでお馴染みのクンビアに基づく “バラダ・ボラーチャ”、スペイン移民によりキューバから広まったグアヒーラの “エル・チクラン”、キューバ発祥のダンス音楽であるチャチャチャの “アディオス・チャコン” などがあり、“マクンバ・デ・マレア” ではアフロ・ブラジリアンのリズムであるマクンバを用いている。マクンバはアフリカを起源とする南米諸国に根づく民間信仰で、その宗教儀式の際に用いられる音楽のリズムのことも指す。ニディアが生まれ育ったコロンビア南西部の太平洋岸沿いは特にこうした文化背景が強いところでもあり、“マクンバ・デ・マレーナ” はそうした文化、宗教、音楽がバックボーンとなっている。つまりコロンビアやキューバ、さらにブラジルなどアフリカを源流とする幅広いラテン・カルチャーのエッセンスを詰め込んだのが『アルマス・コネクタダス』である。

今回のレコードには大まかに二つのリズムが存在している。その一つがマクンバ。ブラジルのアフロ・ブラジリアンの宗教のリズム。マクンバは僕が好きなリズムで、それをニディアに聴かせて、ブラジル出身のパーカッショニストであるメイア・ノイテと一緒にレコーディングしたんだ。ニディアに勧めたのは、マクンバはニディアの出身のブラジルの太平洋側のクルラオに近いから。だから、それをやってみたらクールだなと思ったんだ。あと、コロンビアではマクンバというのは「クール!」という意味でも使われる言葉でもあるし(笑)。僕はあのリズムが大好きなんだけど、ポップ・ミュージックやヴォーカル曲で使われることがほとんどないから、それをやってみたら面白いんじゃないかと思ったんだ。僕はマクンバのリズムはヴォーカル曲にもすごく合うと思うよ。

 『アルマス・コネクタダス』では様々な風景や世界観が描かれる。ニディアが亡くなったいとこに捧げた “バラダ・ボラーチャ” は、いとことニディアの弟がティンビキの酒場で飲んだくれ歌ったり、踊ったりしている姿を綴ったもので、下町に暮らす人びとの日常的な風景が描かれている。それに対して “アドラル・ラ・サングレ” は、西欧社会のカトリックから植え付けられた宗教とアフリカからコロンビアへ継承された文化の関係性についての曲で、テーマに沿ってサウンドもコロンビア太平洋岸沿いのアフロ・ラテン音楽とアメリカ南部のブルースやゴスペルがミックスしたものとなっている。
 ほかにもティンビキの川で少年が溺れた水難事故を描いた “アディオス・チャコン” などがあり、『アルマス・コネクタダス』には宗教や哲学的なテーマもあれば現実社会の風景や事件が並列されて描かれていて、とてもユニークなものとなっている。これに関してはニディアの歌詞の世界が作り出す部分が大きい。ニディアがティンビキで育んできた精神性や宗教観がいままで以上に色濃く反映されたアルバムであるが、彼女の持つスピリチュアリティについてクァンティックはこう述べる。

ニディアは本当にスピリチュアルな女性で、多くの彼女のアイデアや歌詞にもそれが映し出されていると思う。それが音に出ているときは、他の人たちはそれに触れてはいけない(笑)。ニディアが生み出すその要素は素晴らしいものだし、それを自分の手を加えることで台無しにしてはいけないんだ(笑)。彼女の歌声だけでその素晴らしさが成り立っているから、それを汚さないようにしないと。今回は長い曲もいくつかあり、曲により大きな空間が存在し、彼女の声もより深く楽しめるようになっていると思う。リスナーにも彼女の声が誘う素敵な旅を楽しんで欲しいね。歳を重ね、より多く経験を積んでいることで、彼女の声はよりディープになったとも思うしね。

 アルバム・タイトルの『アルマス・コネクタダス』とは『コネクティッド・ソウルズ』、すなわち『魂の繋がり』を意味する。宇宙のエネルギーの相互関係を示す言葉であり、非常にスピリチュアルなテーマを持つ言葉だ。同時に離れた場所にいる人たちの繋がりを示す。

このタイトルはニディアのアイデア。遠距離で曲を作っていたニディアと僕とか、曲のアイデアを繋げることとか、バラバラの場所に住んでいる人たちが繋がっていることとか、そういったコネクションを意味しているんだと思う。

 コロナによって以前よりも距離をおいた関係性が求められるいま、そんな我々に対する言葉でもある。

Grouper - ele-king

 Shade=物陰、リズ・ハリスらしいタイトルだ。彼女の音楽はつねに、太陽より月光、月光より月影、そして石よりも水、外的ではなく内的な動きにおけるさまざまなヴァリエーションだった。ハリスの作品は、ぼくがこの10年、ずっと追いかけている音楽のひとつで、今朝、待ち焦がれていたその新作がようやく届いた。先行発表されていた2曲を何度も聴いていたので、いつものこととはいえ今回のアルバムもきっと素晴らしいだろうと思っていた。で、いざじっさい聴いてみるとやはり間違いなかった。
 
 2005年の自主リリースされたCDrがリズ・ハリスの最初の作品だった。タイトルの「Grouper」とは、彼女が育ったサンフランシスコの、ゲオルギー・グルジェフに影響されたカルト・コミューンの名前から取られている。突然両親が変わることさえあったという「Grouper」では、子供はいわば実験対象だった。カルト内では虐待や抑圧も多々あったというが、こうした特殊な生い立ちがハリスの音楽にまったく影響していないと考えるほうが不自然だろう。
 ハリスは、彼女の自我に深く傷を残したであろうそのコミューン名をしかし自らのプロジェクト名とし、2008年にUKの〈Type〉からリリースされた『死せる鹿を丘に引きずりながら(Dragging a Dead Deer Up a Hill)』によって一躍脚光を浴びた。これは彼女の出自がまだ知られていなかった頃の話で、エーテル状の音楽性からコクトー・ツインズと比較されたそのアルバムのスリーヴには、魔女めいた服装をした少女時代のハリスがいる(ぼくは長年別の人物と思っていたのだが、どうやら本人らしい。本当かな?)。それはともかく、音楽はいわゆるゴシックでもシューゲイザーでもない。フォークがその基盤にあることはたしかだが、それは人間の攻撃性をいっきに解除するかのような、繊細でどこまでも静的なフォークなのだ。
 それからハリスは、2011年に自身のレーベル〈Yellow Electric〉から連作『 A I A : Alien Observer』と『 A I A : Dream Loss 』をリリースする。これらはより実験色が強く、歌としての輪郭は滲むようにぼやけ、洞窟の奥深くで演奏しているかのようなその独特な響きゆえにドローン・フォーク/アンビエント・フォークなどと形容された作品だった。ぼくがグルーパーのファンになったのもこの2枚から
 
 繰り返そう。グルーパーの音楽は、どんな作品であれ、極めて静的で、言葉が主張するものではない(彼女は言っている。「歌は、言葉がわからなくても伝えることができる」と)。が、これほど強く、みごとと言っていいほど「ひとり」を感じる音楽をぼくはほかに知らない。たとえ夕刻時の銀座線のホームの人混みのなかであろうと、イヤフォンを通じてこの音楽がぼくの鼓膜を振動させた途端に、ぼくは瞬く間に「孤独」になる。それは不快ではないが快感でもない。憂鬱でも不幸でもない。ただただ、そうなることを知覚する。2013年の『ボートで死んだ男(The Man Who Died In His Boat)』、そして「政治的な怒りと感情的な残骸のドキュメント」と彼女自身が説明した2014年『Ruins』にも、ハリスにしか表現できないその独特な感覚から広がる音響工作のヴァリエーションが試みられている。
 こうした流れとは異なる路線を見せたのが、2018年の『Grid Of Points』だった。ここでは、それまで頻繁に採用していたフィールド・レコーディングや抽象的なエレクトリック・ノイズなどの音響実験を排して、シンプルにピアノをバックに歌っている。最新作の『Shade』もその延長にあるわけだが、作品でフィーチャーされている楽器はピアノではなくギターで、前作以上に飛び抜けてシンプルなフォーク・アルバムとなっている。グルーパー史上、もっともポップな作品と言ってもいい。

 オレゴン州のポートランドで長年暮らしてきたハリスは、昨年は同地のブラック・ライヴズ・マターに積極的に関わっていたが、いろんな事情があって引っ越したようだ。最近のWireに掲載されたインタヴューによれば、彼女が精神不安を抱えているとき、いまもポートランドに住んでいる友人のマリサ・アンダーソンから言われた「水を探しなさい」という言葉を頼りに、ハリスは太平洋沿いの海の近くに移住した。録音の半分はカリフォルニアのタマルパイス山という海から離れた場所でおこなわれているが、作品は、ハリスの説明によれば、いま住んでいる土地の海岸の風景と繋がっている。たしかに、アルバムの冒頭は“海を追って(Followed The Ocean)”とある。それはホワイト・ノイズがミックスされ、過剰にエフェクト処理された昔ながらのグルーパー・サウンドで、この曲が終わって2曲目の“Unclean Mind”がはじまると、どこか別の世界に瞬間移動したかのように場面はいっきに変わる。以降の曲のほとんどは、おおよそアコースティック・ギターと歌だけで構成されている。しかもメロディや歌よりもギター演奏の運指の音量のほうが大きいという、いままで以上に静的な瞬間がたびたびある。また、10年前の作品からにじみ出ていたような不安と悲しみは、この新作のどこかにはあるのかもしれないけれど、しかし『Shade』には、なにかしら清々しさが混ざっているように感じるのだ。もちろん、いまこの作品を聴いているぼくは「ひとり」だ。しかし同時に、心のざわめきには風通しのよい、そう、たしかに水を見つけたときのささやかな喜びがある。
  アンビエントめいた音響実験に関しては、2019年から着手したNivhek名義にて、今後も継続されていくのだろう。

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