「KING」と一致するもの

 今年で設立から15周年を迎える〈ブレインフィーダー〉にとって、故オースティン・ペラルタが2011年に発表した『エンドレス・プラネッツ』は特別な存在だ。主宰者のフライング・ロータスはじめ、ヒップホップを起点とするビート・ミュージックのイメージが強い〈ブレインフィーダー〉は、それまでジャズと接点があるレーベルという認識はあまりなかったが、『エンドレス・プラネッツ』はそれを一変した。よくあるジャズの要素を持ち込んだ作品というより、エレクトロニック・ミュージックのレーベルとしては異例の純粋なジャズ・アルバムで、内容を評価する以前に驚きを与えるものだった。数か月後にサンダーキャットが『ザ・ゴールデン・エイジ・オブ・アポカリプス』でデビューし、カマシ・ワシントンが彼の名を決定づけた『ジ・エピック』(2015年)をリリースする以前のことで、彼らが登場する門戸を開いたのも『エンドレス・プラネッツ』だったと言える。『エンドレス・プラネッツ』のリリースから一年後の2012年11月21日、オースティンは22歳の若さで急逝してしまった。音楽家としてこれからというとき、ロサンゼルスのジャズ・シーンの現在のような隆盛をみることもなく、まさに早過ぎる死であった。彼がいまも生きていたら一体どんな作品を作っていたか、そんな思いを馳せながら彼の人生と『エンドレス・プラネッツ』を振り返りたい。

 オースティン・ペラルタは1990年10月25日にロサンゼルスで生まれた。父親はスケーターでドキュメンタリー映画監督のステイシー・ペラルタ、母親は映画監督のジョニ・コールドウェルという映像関係の一家の出だが、オースティン自身は5歳でピアノを弾きはじめ、すぐに周囲からピアニストとしての才を認められる早熟児だった。最初はクラシック・ピアノを学んでショパンなどを弾いていたが、10歳のころにビル・エヴァンスのレコードを聴いてジャズに目覚める。12歳のときにロサンゼルスの若手ジャズ・コンクールで優勝するなど天才ぶりを発揮し、ピアノ以外にベース、ドラムス、サックスなどもマスターするようになる。学業と並行して演奏活動もおこなうようになり、ジェラルド・ウィルソン・オーケストラなどで演奏していたオースティンだが、そんな彼の才能にいち早く目をつけたのは日本で、伊藤八十八氏が主宰する〈エイティー・エイツ〉というレーベルが、2006年にファースト・アルバムの『メイデン・ヴォヤージ』をリリースする。オースティンが15歳のときだ(録音時は14歳)。ベースが大物のロン・カーターというピアノ・トリオ編成でのこのアルバムは、タイトル曲はハービー・ハンコックのカヴァーで、ほかにマッコイ・タイナーチック・コリアジョン・コルトレーンらの作品を演奏するスタンダード中心のアルバム。レーベルとしては若き正統派のジャズ・ピアニストとして売り出したかったことが伺える。若くハンサムな男の子ということで、早速日本のジャズ・メディアから持ち上げられ、同年の東京ジャズ・フェスティヴァルにも出演し、チック・コリア、ハンク・ジョーンズらと共演している。

 その勢いで2007年に2作目の『マントラ』を発表。こちらはベースがベテランのバスター・ウィリアムスだが、サンダーキャットの兄であるロナルド・ブルーナー・ジュニア、マーカス・ストリックランドなどの新しい世代のミュージシャンも参加している。ハービー・ハンコック、チャールズ・ミンガス、ジョー・ヘンダーソン、モンゴ・サンタマリアなどをカヴァーする一方、オリジナル作品も4曲ほどやっており、作曲家としても力をつけてきたことを伺わせる内容だ。この頃のオースティンはハービー・ハンコックやマッコイ・タイナーなどの影響を伺わせる演奏スタイルで、楽曲もポスト・バップやモードに基づくオーセンティックなもの。ただ、『マントラ』というアルバム・タイトルや “アストラル・タイズ” という曲名にも見られるように、マッコイ・タイナーを経由してジョン&アリス・コルトレーンファラオ・サンダースなどの音楽観、宇宙観といったものを身につけようとしていたのかもしれない。ホレス・タプスコットが創設したパン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラに参加してフリー・ジャズやスピリチュアル・ジャズを演奏していた時期もあり、正統派のジャズ・ピアニストから次第に変容していく。アダム・ルドルフ率いるゴー:オーガニック・オーケストラにも参加し、フリー・ジャズのアルバムを制作していたのもこの時期のこと。カルロス・ニーニョやミゲル・アトウッド・ファーガソンらも参加していたこのプロジェクトでは、ピアノではなくバンブー・フルートを演奏していた。

 アルバム2枚をリリースした後はしばらく学業にも専念し、ペパーダイン大学で再びクラシックを学ぶと同時に、ジャズ・ピアニストのアラン・パスクアとジャズ・サックス奏者のバディ・コレットに師事している。アラン・パスクアはトニー・ウィリアムスのライフタイムに参加してジャズ・ロックをやっていたことがあり、バディ・コレットはラテン・ジャズ演奏もやっていたことがある。そうした人たちに師事することで、より幅広いジャズの表現力を身につけていった。学業のほかではエリカ・バドゥ、シャフィーク・フセインなどのセッションに参加していたオースティンだが、在学中の2010年にカリフォルニア芸術大学でドクター・ストレンジループとのコラボ・インスタレーションをおこなっている。ストレンジループはVJ及びエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーで、〈ブレインフィーダー〉からのリリースもおこなっている。クラシックから現代音楽、フリー・ジャズ、電子音楽などが結びついた実験的なコラボだったが、これをきっかけにオースティンと〈ブレインフィーダー〉との接点が生まれた。ストレンジループを介してオースティンの存在を知ったフライング・ロータスは、すでにでき上がっていたオースティンのアルバムノデモ・テープを聴き、〈ブレインフィーダー〉からリリースしたいと申し出る。それが『エンドレス・プラネッツ』である。

 『エンドレス・プラネッツ』はオースティンのピアノ、ハミルトン・プライスのベース、ザック・ハーモンのドラムスのピアノ・トリオを軸に、ベン・ウェンデルのテナー・サックス、ゼイン・ムザのアルト・サックスが参加し、ストレンジループのエレクトロニクスがエフェクトを加えていく(ストレンジループはアルバムのアートワークも担当)。オースティンはピアノ以外に “イントロダクション:ザ・ロータス・フラワー” でソプラノ・サックスも演奏し、最終曲の “エピローグ:ルネッサンス・バブルズ” では当時ツアー・メンバーをやっていたザ・シネマティック・オーケストラと、そのシンガーを務めるハイディ・ヴォーゲルがエレクトロニクスとヴォーカルで参加する。メンバーの中ではベン・ウェンデルがグラミー賞にノミネートされたことで知られる。プリンスからティグラン・ハマシアン、アントニオ・サンチェス、ルイス・コールらと共演し、オルタナティヴなジャズ・ファンク・バンドのニーボディーのメンバーでもある。ゼイン・ムサはアルトゥーロ・サンドバル、ロイ・ハーグローヴ、メイシー・グレイなどとの共演で知られるが、2015年に事故で他界している。プロデュースとミックスはオースティンとポール・ペスコが共同でおこない、作曲はすべてオースティンによるもの。ポール・ペスコはマドンナやホール&オーツのプロデュースなどで知られる人物だ。

 アルバムは1曲目から6曲目までがライヴ録音で、曲間は大体シームレスに繋がり、その隙間をサウンド・エフェクトやエレクトロニクスが埋めていく構成。“イントロダクション:ザ・ロータス・フラワー” や “エピローグ:ルネッサンス・バブルズ”、“アルジェ” の後半部あたりではエレクトロニクスの比重が増し、ストレンジループとのコラボを彷彿とさせるところがある。そのあたりで〈ブレインフィーダー〉っぽさを感じさせるところがあるものの、基本的にはオースティンのピアノ演奏を軸とした純粋なジャズ・アルバムである。“アルジェ” は表題どおり北アフリカから中東に至るエキゾティックなムードに包まれたモード・ジャズで、マッコイ・タイナーからの影響を物語るような楽曲だ。タブラを交えたエスニックなモチーフがあり、パン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラやアダム・ルドルフとの共演を通じて得たアフリカ的な音楽観を感じさせる。5拍子の複雑なリズムとハーモニーを持つ “キャプリコーナス” でも、オースティンのマッコイ張りの力強いピアノ・タッチがあり、ベン・ウェンデルやゼイン・ムサのサックスもアグレッシヴなフレーズで対抗する。“オード・トゥ・ラヴ” でのオースティンのピアノ、ベンのソプラノ・サックスによるアンサンブルも非常にスリリングだ。

 なお、今回は〈ブレインフィーダー〉の15周年にちなんだデラックス・エディションとして再リリースとなり、2011年7月にロンドンのBBCにあるメイダ・ヴァレ・スタジオでのセッションが4曲収録される。ザ・シネマティック・オーケストラのジェイソン・スウィンスコーとハイディ・ヴォーガル、シネマティック・オーケストラにも参加していたリチャード・スペイヴン(ドラムス)やトム・メイソン(ベース)、ジェイソン・ヤード(アルト・サックス)たちとの共演で、ロサンゼルスとはまた異なる空気感を持つ。フライング・ロータスのアルバム収録曲でもある “DMTソング” のカヴァーなど、『エンドレス・プラネッツ』本編とはまた異なるタイプの演奏となっており、オースティンが持つ音楽性の幅広さを見せてくれる。『エンドレス・プラネッツ』は作曲や演奏は丹念に練られており、高度な演奏技術を要する複雑なものであるが、オースティンを含めたロサンゼルスの若いミュージシャンならではの勢いやパッションを感じさせるものである。そして、そうした楽曲と演奏がエレクトロニクスや〈ブレインフィーダー〉というレーベル・カラーと結びついたことにより、既存のジャズに基づきつつも新しさを感じさせるものとなっている。そして、そうした自由でフレッシュな精神は、サンダーキャットやカマシなどオースティンと交流の深かったミュージシャンはもちろん、〈ブレインフィーダー〉全体に継承され、いまもオースティンの魂は息衝いている、そんなアルバムだ。

P/A/D/O MASSACRE - ele-king

 オンライン上でもオフライン上でも陰惨な出来事ばかりが否応なしに目に入り込む日々が続く2020年代、僕はせめてもの救いを求めて毎週のようにクラブの扉に手をかけるようになった。
 パンデミック期──具体的には感染者が日本で最初に確認された2020年1月16日から2023年5月8日(偶然にも自分の誕生日だった)まで──に、どうやって「密かに営業していた場所」を発見したかについてはまた別の機会にいつか記すとして、僕はこの時期に人生そのものがグリッチする不思議な体験を通過し、いまはDJとライターの二足のわらじを履くワーキング・プアとして生活を続けている。
 といっても、別にそんなことは特別な話でもなんでもなく、この世界で暮らすあらゆる人がウイルスの流行を機に自身の生活や価値観を見直さざるを得なかったのがここ数年のこと。音楽とはすなわち人の血の通った、生きることと密に結びついている営みだから、シーンを取り巻く環境や価値観、それらを包括する景色も社会不安とともに一変したのが「アーリー・2020s」の混乱期だったのではないかなと思う。

 もちろん、そのなかで出会った物事のすべてが絶望的だったわけではなく、パンドラの箱の底に希望が残されていたように、鬱屈とした日々を支えてくれる出来事や人びとに何度も邂逅した。僕は希望を、幡ヶ谷の〈FORESTLIMIT〉(フォレストリミット)というクラブと、そこで毎週水曜日に開かれる〈K/A/T/O MASSACRE〉(カトーマサカー)というデイ・パーティで見つけた。2010年にディープで暖かみのある実験的なサウンドが鳴らされる場として立ち上げられたこの小箱は、インディペンデントな美学とともに粛々と営業を重ねながらつねに進化を続ける稀有な空間だ。風営法にまつわる事情でナイトライフが窮地に立たされれば深夜営業をいち早く取りやめ、コロナ禍で追い詰められれば配信スタジオにその姿を切り替え、音楽と人の営みを信じ抜き、どうにか今日も存続し続けている。

 〈K/A/T/O MASSACRE〉は、そんなフォレストリミットで2014年ごろからほぼ毎週水曜欠かさず開催されているウィークリー・パーティ。今年で10周年を迎え、その開催総数は460回超。ジャンルやシーン、国境をも問わず毎週まったく違った景色を見せてくれる、東京のアンダーグラウンドなクラブ・シーンを活性化し続ける催しだ。このパーティでは、その日デビューを飾る新人とシーンの中枢を担うアーティストがひとりの音楽を愛する人間として並列に交わり、階層のないフラットなフロアがつねに提供され続けている。今回はそんな〈K/A/T/O MASSACRE〉とアナキズムを掲げるポスト・パンク・バンド PADO のコラボレーション企画について記録していく。

 〈P/A/D/O MASSACRE〉と題された本回を主導した PADO は、ロシアン・ドゥーマー・ミュージックやポスト・パンク、ノー・ウェイヴなどの影響下にあるスリーピース・バンド。現在制作中のファースト・アルバムは「資本主義に対する無気力な抵抗」をテーマとしており、鬱屈とした社会へ明確なアゲインストを掲げている。PADOは本回を開催するにあたって掲げたステートメントのなかで、

アナキズムとは詰まるところ、「隣人が私の家の柵を修理してくれている時、隣人のためにカレーを作り、隣人がカレーを作ってくれた時は、隣人の子に本を与え物語を読み聞かせる」ことである。

 と宣言している。人と人との間にあるはずの慈愛による相互扶助を信じてみようよ、というシンプルながら力強い発信で、その意志を実践すべく当日フォレストリミットでは現金だけでなく物々交換によるグッズの取引がおこなわれていた。

 もちろん、言うまでもなくクラブの運営やパーティの開催という営みは、それがどのような形であっても「資本主義の内側」でおこなわれる。本当の意味で(資本主義の)「外側」に達しうる音楽の営みは、フリー・エントランスもしくはドネーションを頼りに無許可でおこなわれるスクワット・レイヴぐらいだろう。それでも、どうにかして資本主義という壁の外側を目指すことはできないのか? という挑戦的な意志が明確に示されていて、僕はその姿勢に賛同を示す意味でも手元のドリンク・チケットを物販のライターと交換してみたりした。エントランスの横にはフリー・物々交換ブースもあり、こちらには最初何冊かの本やアクセサリーが置かれていたが、終わりごろには数枚のレコードなどに変わっていた。それは美しい移ろいだと思う。

 今回の出演者は PADO のほか、ライヴに東京で血の匂いとともに独立独歩の活動を続けるハードコア・パンク・バンド moreru を迎え、DJにはコレクティヴ〈XPEED〉のファウンダーを努め、コロナ禍のユース・レイヴ〈PURE2000〉を手掛けるなど2020年代シーンの潮流をいち早く形成した AROW(亜浪)、インドア・クィア・レイヴ〈Ximaira〉や脱構築ネオ・ゴスパーティー〈魑魅魍魎〉などを主催する deadfish eyes、クィアネスに連帯するレイヴ〈SLICK〉を運営する Mari Sakurai、「Trance cult gov-corp」を自称するレイヴ・クルー〈みんなのきもち〉が出演した。「レイヴ」「自主性」「孤立」などのエッセンスを共通項として集った面々の多くはフォレストリミットとも縁深い存在であり、幡ヶ谷の地下室に自然と集まるうちに気づけば自身がDJブースに立っていたという出自を持つ、パンデミック世代の表現者たち。明確な意思表示はなくとも、現状への異をそれぞれが唱えているようなラインナップが集う、記録的な日となった。

 オープンを飾ったのは deadfish eyes の90分セット。BPMこそハイだがつねにダウナーでゴシックな空気感が漂っており、本回への強い想いを感じさせるアクトだった。鬱屈とした怒り、美学、信念がロング・セットのなかに凝縮されたような。
 続く AROW はハイピッチなBPMを引き継ぎつつ、徐々に自身のメイン・フィールドであるダブ・テクノ~ベース・ミュージックへとフロアを引きずりこんでいく。各アクトがコロナ禍以降のユース層からたしかな支持を得ていることもあり、前衛的で粘り気の強いサウンドとダークな雰囲気に反し次から次へと人が押し寄せてくる。

 60分後、moreru のアクトに切り替わったタイミングでは会場のドアが閉まらなくなるほどギャラリーで溢れ返り、もはやライヴを鑑賞するというより熱気の渦に飲まれるしかない状況に達していた(2010年代の中頃、高円寺スタジオドムに200名以上が集っていた GEZAN 主宰のイベント〈セミファイナルジャンキー〉の匂いを思い出すような)。平日のデイタイムにここまでの熱狂が自然と生まれる、という意味でもやはりマサカーは特別な場所だと改めて感じた。
 moreru の出番が終わり、カオティックな熱狂を引き継ぐのは、アンダーグラウンドに軸足を置きつつオーヴァーグラウンドな領域にもその手腕で自由に行き来するDJ・Mari Sakurai。テクノを軸にさまざまなジャンルを横断してきた東京のクラブ・シーンを彩る才人であるが、とくに2020年代以降始動した〈SLICK〉などを入口にユースからの厚い支持も集めている。根底にパンキッシュなマインドを持つ氏はテクノを主軸にゲットーの香りが漂う危険なエレクトロなどを織り交ぜ、一旦人の引いたフロアのムードを巧みに再構築していき PADO のライヴへとバトンを渡す。

 主役である PADO のライヴは硬質なサウンドに怒りや悲哀を忍ばせつつ、あくまでも粛々と演奏を続けることに徹していたことが印象的だった。エンタメ的な仰々しさ、演じることをあえて廃し、それでもなお立ち現れる情感を表現しているように。そもそもドゥーマー・ミュージックとはインターネット・ミームから生まれた概念で、そこにはDOOM=破滅、死、悲運といった抑鬱的なニュアンスが横たわっている。絶望感をもってして、それでも希望を伝えていくために必要なのは虚像ではなく、フロアや日常生活と地続きである、という実像をさらけ出すことなんだろうか。
 そして、ラストを飾ったのは〈みんなのきもち〉によるロング・セット。今回は複数の構成員のなかから、主導者・Ichiro Tanimoto と新鋭・Shu Tamiya の2名によるB2Bが4時間以上にわたって披露された。かつて、僕はさまざまな電子音楽を「トランス美学」的な解釈で届ける彼らにただひとつ欠けているものがあるとすれば、それはユートピアでもディストピアでもない「ただの現実」と向き合うための生々しさだろうな、と密かに思っていたけれど、ユースは加速度的に成長する。〈みんなのきもち〉という集団は、すでにヴァーチャルな世界観に収まりきる存在ではないことを、長尺のなかで自然と証明するような地に足のついたプレイだった。ストロボライトの眩い光のなか、トランシーな音像のテクノを主としたセレクトでフロアの身体性を呼び起こし、最後にはユーフォリック、あるいはエピックなトランス美学へと立ち返っていく。

 と、いう流れで音が止まったのは翌日木曜、午前4時過ぎごろのこと。音楽が止めば後は朝食でも摂りながら始発を待ったりするのが普通のことだろうけど、それでも残った数十人は決して帰ろうとしない。それこそが〈K/A/T/O MASSACRE〉、観客もアーティストも極限まで消耗し、あとに残るのはボロボロになりながらも音楽を笑顔で求める幸せなフロア・ゾンビたち。結局、僕を含めた数名のDJによってパーティは2回戦、3回戦とおこなわれていき、すべてが終わったのは朝7時半ごろだった。ラストこんな夜が人知れず平日にずっと繰り返されていて、数えきれないほど多くの人びとになにかを与え続けている。そして、なにかを与えられた我々も、次に訪れる人びとへバトンを渡し続ける。音楽は人の血が通った営みであり、それはどれだけ巨大であろうと、どれだけ微細であろうと同じなはず。そう信じていたい、という人は、ぜひ一度フォレストリミットへ足を運んでほしい。この場所こそが真にフラットなダンスフロアである、ということは、ドアを開けたらわかるはず。

Mount Kimbie - ele-king

 前作『MK 3.5: Die Cuts | City』から早2年。カイ・カンポスのほうは同年末の来日公演で非常にかっこいいエレクトロニック・ダンス・ミュージックを楽しませてくれましたが、それぞれのソロ・アルバムのカップリングというその形式から「解散するんじゃないか?」とちょっぴりはらはらしていたのも事実だったり。そんなわれわれの不安をきっちり追い払ってくれるニュースの到着です。マウント・キンビー、通算4枚目のオリジナル・アルバム『The Sunset Violent』のリリースが4月5日に決定しています。アルバムごとに変化を遂げるかれら、今回はどんなサウンドに仕上がっているのでしょう。まずは新曲 “Fishbrain” をチェック。

MOUNT KIMBIE
待望のニュー・アルバム『THE SUNSET VIOLENT』を発表!
新曲「Fishbrain」のミュージックビデオを解禁
盟友キング・クルールも参加のアルバムは4月5日発売

UKのインディー・エレクトロニック・シーンで確固たる地位を築き、メンバーのドム・メイカー参加曲がグラミー賞にノミネートされたことも記憶に新しいマウント・キンビーが4枚目となるスタジオ・アルバム『The Sunset Violent』を〈Warp〉からリリースすることを発表した。アルバム発表に合わせ、新曲「Fishbrain」がミュージックビデオと共に解禁されている。

Mount Kimbie - Fishbrain
YouTube >>> https://youtu.be/-YDoLuPm6Qk

最新作『The Sunset Violent』は、前作のスタジオ・アルバムである『Love What Survives』(2017)の方向性を引き継ぎながら、現代のインディー・サウンド、シューゲイザー、エレクトロニカをシームレスに融合させ、今やロンドンのシーンを代表する存在となったマウント・キンビーの特異性と先進性の両方を見事に反映させている。

本作は、ロンドンでの仕上げ作業の前まで、カリフォルニアのユッカ・バレーという西部の田舎町で制作された。砂漠に囲まれた赤褐色の色調と寂れたアメリカーナの風景が、アルバム全体に漂い、一つ一つの楽曲の抽象的なストーリーテリングとモダンなソングライティングに完璧にマッチし、ここにマウント・キンビーの新たな名盤が誕生した。

ドム・メイカーとカイ・カンポスを中心に、長年のコラボレーターであるアンドレア・バレンシー・ベアーンとマーク・ペルが加わり4人体制となったマウント・キンビーは、ジェイムス・ブレイクとともにポスト・ダブステップという潮流を作り出し、シーンに影響を与える作品群を15年近くにわたって発表してきた。2010年のデビュー作『Crooks & Lovers』(Pitchfork、Mixmag、Resident Advisorを含む30以上のメディアで「Best Albums of the Decade」リストの上位にランクイン)以降、UKエレクトロニック・ミュージックの伝統を引き継ぎながら、現代のインディー・バンドの先駆的存在としての役割も果たしてきた。その評価をあらためて決定づけた前作『Love What Survives』にはキング・クルール、ミカチュー、ジェイムス・ブレイクらが参加、また2022年にはカイとドムそれぞれの才能を突き詰めた意欲作『Die Cuts | City Planning』をリリースしている。カイが、DJとしてのキャリアを成功させると同時に、ドムは、トラヴィス・スコットやシザ、メトロ・ブーミン、ジェイムス・ブレイクらのトラックを手がけるプロデューサーとしても活躍し、プロデュースしたジェイムス・ブレイクの「Loading」はグラミー賞にもノミネートされた。

マウント・キンビー待望の最新作アルバム『The Sunset Violent』は、4月5日(金)にCD、LP、デジタル/ストリーミング配信で世界同時リリース。国内盤CDにはボーナストラックが追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)のほか、限定盤(オレンジ・ヴァイナル)と初回生産限定日本語帯付き仕様盤(オレンジ・ヴァイナル)も発売される。

label: Warp Records
artist: Mount Kimbie
title: The Sunset Violent
release: 2024.04.05
CD 国内盤:解説・歌詞対訳/ボーナストラック ¥2,600+税
CD 輸入盤:¥2,000+税
LP 輸入盤:¥4,000+税
LP 限定盤:数量限定/オレンジ・ヴァイナル ¥4,000+税
LP 国内仕様版:数量限定/オレンジ・ヴァイナル/日本語帯付き/解説書封入 ¥4,300+税

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13900

TRACKLISTING:
01. Right This Way
02. Home Alone
03. Lucky
04. The Princess
05. ice (ft. They Hate Change)
06. Test It
07. ooh
08. Believe It
09. Anxious
10. Ex-Girlfriend (ft. Shygirl)
11. Toxic
12. My Day Off
13. Twice (ft. Blood Orange)
14. Someone

Micro Ambient Music Festival - ele-king

 企画は伊達伯欣。「マイクロ・アンビエント・ミュージック・フェスティヴァル」と題された催しが2/23~25の3日間にわたっておこなわれる。なかなか豪華な面子が集っている点も目を引くが、リスニング・スタイルにも趣向が凝らされているようで、通常のフェスとは異なる特別な体験を味わうことができそうだ。詳しくは下記よりご確認ください。

Micro Ambient Music Festival
2023年4月の坂本龍一の訃報から間もない、7月13日から期間限定でウェブ上に公開・販売された『Micro Ambient Music』。

自身がアーティストでもある伊達伯欣(ダテトモヨシ)によって集められた、晩年の坂本と関わりや影響のあった国内外の41アーティストによる39作品が、4時間にわたり収録された追悼コンピレーション・アルバムです。

現在進行形の音響/アンビエントミュージックシーンを概観できるこのアルバムは2023年、ドイツ国内の権威ある音楽批評家賞”German Music Critics Award” Electronic & Experimental部門を受賞しました。

今回、東京都新宿区のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]にて、企画展「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」に関連し、この「Micro Ambient Music」をライヴ・イヴェントとして体験するコンサートを3日間にわたって開催します。

◆開催概要◆

イベントタイトル:
Micro Ambient Music Festival

開催期間:2024年2月23日(金・祝),24日(土),25日(日)

各日とも3セッション(合計9演奏)開催
各セッションの公演時間はタイムテーブルにてご確認ください.

時間:開場11:00閉場20:00予定
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]内3会場
入場料:1セッション(3演奏)4,500円(※学生3,000円),
1日通し券(3セッション9演奏券)10,000円[各日20枚限定]
定員:各セッション100名

*第二会場のベッドは先着予約40名様になります。
 それ以降の方は座布団などになる予定です。
*学生料金の方は当日会場での受付時、学生証をご提示いただきます。

チケット購入方法や販売開始日時など、最新情報はICCのウェブサイトなどでお知らせします.

<第一会場 生音スペース>

秋山徹次・大城真・石川高・田中悠美子・Shuta Hasunuma・Minoru Sato・すずえり・池田陽子・Chihei Hatakeyama

<第二会場 ベッドスペース>

中村としまる・Christophe Charles・Christoper Willits・SUGAI KEN・Yui Onodera・Ken ikeda・Sawako・Tomotsugu Nakamura・小久保隆
PA:大城真

<第三会場 音響スペース>

Filament(Sachiko M、大友良英)、網守将平、角銅真実
ASUNA・Chappo・The Factors
ILLUHA・HAM・Opitope
PA:ZAK

主催:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、つゆくさ医院
企画:伊達伯欣
協賛:西川株式会社

◆イベント詳細◆

 日本初となる3日間の屋内型アンビエント・ミュージックのフェスティヴァルとして、総勢27組のアーティストが、下記の通りそれぞれ音響の異なるセッティングが用意された「3つのスペース」で演奏を行います。今回出演するアーティストの方々は、世界的な評価も高い日本を代表する錚々たる音楽家の方々です。

 来場者は3つのスペースをセッションごとに移動する形で、各会場の特性を活かしたアーティストによる演奏、音環境の変化を堪能していただけるイベントになっております。

第一会場(約50㎡)

生音や単一スピーカーによるアコースティックな響きを体感するスペース。笙や三味線、ギター、創作楽器などの独奏(ソロ)による40分

第二会場(約144㎡)

暗闇の中、ベッドに横たわりながら16chのスピーカーから立ち上がる音楽体験をする、アンビエントミュージックの本懐とも言えるスペース。

第三会場(約315㎡)

現代最高峰とも目されるドイツ「musik electronic geithain」のスピーカーによる音響と2009年より坂本龍一のPAを務めたZAKによる音づくり。テクノロジーによって増幅された「音」をバンドパフォーマンスで体感するスペース

タイムテーブル

downt - ele-king

 ポスト・パンデミックのライヴハウスから新しい風が吹いている。2021年結成、以後精力的にギグを重ね、リリースされるEPは次々と即完、徐々にその存在感を増しつつある東京の3ピース・バンド、downtがついにファースト・フル・アルバムを送り出す。題して『Underlight & Aftertime』、3月6日発売。今後新たなオルタナティヴ・ロックの道を切り拓いていくにちがいないかれら、その大いなる第一歩をしっかり頭に焼きつけておきたい。
 なお、昨年の紙エレ夏号には彼らのインタヴューを掲載しています。ぜひそちらもチェックをば。

downt 1stフルアルバム『Underlight & Aftertime』の発売が3/6に決定!
先行デジタル・シングルとして本日より「Whale」の配信もスタートいたしました。

オルタナ、エモ、インディーロック、もはやカテゴライズはいらない存在感でジャンルの境界線を風通しよく越えて拡がり続けるdownt。2024年遂に1stフルアルバムリリース決定! 精力的なライブ活動や海外アーティストとの共演を経て、大作『13月』で見せた新機軸をさらに深化・アップデートさせた、世界基準のバンド・サウンドが今ここに!

今新作には、終わりからの始まりを告げるような推進力を持った先行シングル曲「Whale」(ウェイル)、そして、儚さと揺るぎのない力を秘めたバンドとしてのあらたな新機軸と確かな予感を感じさせた8分を超える大作シングル『13月』に加え、その先に向かうバンドの新たなステージを見せつける新曲たち、さらに、処女作『downt』に収録の「111511」「mizu ni naru」「AM4:50」といった、ライヴでは既に定番となっている曲も新たに録音し収録。2023年を通じて行ってきた精力的なライヴ活動、そして数多くの海外アーティストとの共演を経て、シーンにおける存在感を急上昇させてきたdownt。バンド初となる待望のフルレングス・アルバムをもって、日本、そして世界の音楽シーンに殴り込みをかける!

2021年の結成以来東京のライブシーンを中心に活動し、一躍エモ、オルタナのライブハウスシーンにて注目を集める存在になったdownt。『SAKANA e.p.』のリリースやFUJI ROCK FESTIVAL ’22“ROOKIE A GO-GO”への出演、UKのレーベルDog Knightsからの編集盤レコード『Anthology』のワールドワイドでのリリース(即完売)等、その名を各所に響かせた2022年。そしてSYNCHRONICITYやMINAMI WHEELといった大型サーキットへの出演、ゲシュタルト乙女(台湾)、Grrrl Gang(Indonesia)、Pswingset(US)、deathcrash(UK)といった多くの海外アーティストとの共演、バンドとしての新機軸を見せた大作『13月』のリリースとその活動にさらに広がりを見せた2023年。年月と共に着実にステージを上げてきた彼らの待望となるフルアルバム『Underlight & Aftertime』が、ついに3月にリリース決定。

downt / Underlight & Aftertime
■1st Full Album:2024.03.06
Release 品番:PCD-25384 / 定価:¥2,750(税抜¥2,500)

[Track List]
01. underdrive
02. Whale
03. AM4:50
04. prank
05. Yda027
06. 煉獄ex
07. mizu ni naru
08. 8/31(Yda011)
09. 紆余
10. 111511
11. 13月

[LIVE INFO.]
〈ツアー〉
"downt Release Show"

03.22(金)東京・新代田LIVE HOUSE FEVER
03.30(土)名古屋・新栄シャングリラ
03.31(日)大阪・心斎橋LIVE HOUSE Pangea

〈フェス〉
SYNCRONICITY’24
4.13(土)& 4/14(日)渋谷(都市型フェス)
*downtの出演は4/13(土)

[Profile]
2021年結成。富樫ユイ(Gt&Vo)、河合崇晶(Ba)、Tener Ken Robert(Dr)の3人編成。 東京をベースに活動。
緊迫感のある繊細且つ大胆な演奏に、秀逸なメロディセンスと情緒的な言葉で綴られ、優しく爽やかな風のようで時に鋭く熱を帯びた歌声にて表現される世界観は、風通しよくジャンルの境界線を越えて拡がりはじめている。
同年10月1st「downt」をリリース(CD&CT共に完売)。 翌年6/22に新作EP「SAKANAe.p.」をリリース、そして7/21より東・名・阪のリリースツアーを開催し全公演SOLD OUTに。7/22には1stとEPの編集盤レコード「Anthology」をリリース(即完)。
2022年夏は、初の野外フェスとしてFUJI ROCK FESTIVAL ’22“ROOKIE A GO-GO”のステージをはじめ各所の野外フェスへも出演し、大勢の初見のオーディエンスを前に、強く印象づけるライブパフォーマンスにてそれぞれの会場を沸かし虜にさせた。
2023年1月より自主企画「Waste The Momonts」をスタート。第一回目は1/15(日)下北沢 SHELTERにて明日の叙景、第二回目は3/25(土)にSubway Daydream、そして6/7にバンドとしての新機軸となる8分半超の大作「13月」を含む、今年初の新作『III』をリリースし、リリースに併せ自主企画・第三回目は6/10(土)下北沢SHELTERにてDENIMSを迎え開催し3公演チケットは全てSOLD OUTに。
春より、IMAIKE GO NOW、SYNCHRONICITY、hoshiotoなど各地サーキット、野外フェスへも出演、夏に向けてもYATSUI FESTIVAL、そしてGFB‘23 つくばロックフェスほかへの出演。Pswingset(US)、Football, etc.(US)、soft pine(Thailand)、ゲシュタルト乙女(台湾)、Grrrl Gang(Indonesia)はじめ、deathcrash(UK)、motifs(singapore)など海外アーティストとの公演も精力的に行っている。

2024年3月1stフル・アルバム「Underlight & Aftertime」リリース決定。3月より東名阪をまわるツアー「downt Release Show」開催予定。

downt official:
https://twitter.com/downtband
https://www.instagram.com/downt_japan/

bar italia - ele-king

 当初は正体不明の謎めいたバンドとして登場してきたロンドンのバー・イタリア。ディーン・ブラントが自身のレーベルから送り出したという点でも注目しないわけにはいかない彼らだが、その後〈Matador〉からのリリースで徐々に顔を見せていくようになる。昨年は『Tracey Denim』『The Twits』と2枚もアルバムを発表、高評価を受けたことは記憶に新しい。さまざまなロックへのオマージュやパスティーシュによって織りなされるその魅力的なサウンドから、「いまいちばんイケてるバンド」なんて声もあったり。初来日公演は5月29日@渋谷WWWX。そなえましょう。

bar italia

伝説を目撃せよ!!!
ロンドンの最注目新人バンド、
バー・イタリアの初来日公演が
遂に決定!

噂のbar italiaがとうとう日本にやって来る!
奇才ディーン・ブラントのレーベル〈World Music〉から2枚のアルバムリリースを経て、ロンドンで最もエキサイティングなバンドとして大注目を浴びる中、昨年2023年3月に〈Matador Records〉と電撃契約を発表、その後は怒涛のように1年に2枚のアルバム『Tracey Denim』を5月に、『The Twits』を11月にリリース、英CRACK誌の表紙を飾り、異例とも言えるヴォリュームで大特集され、年末には多くの主要年間アルバムチャートに選出されるなど大きな注目を集めた。ここ日本でも、インディーズ音楽の発信源として世界中から支持を集め、多くの海外アーティスト達も訪れるBIG LOVE RECORDSの年間アルバムチャートの第1位を獲得した。

メンバーは、アート界隈でも活躍してきたイタリア人女性ニーナ・クリスタンテと、ヴィーガン(Vegyn)のレーベル〈PLZ Make It Ruins〉から作品をリリースしていたダブル・ヴァーゴとしての活動でも知られるサウス・ロンドン拠点のジェズミ・タリック・フェフミとサム・フェントンの3人、そしてベースとドラマーを加えた5ピースバンドでライブを行って来た。2022年以降、彼らは自身のヘッドライン公演に加え、ピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァル、コーチェラをはじめ多くのフェスからも引っ張りダコで、世界中のインディ・リスナーから大きな注目を集めている。そんな彼らの一夜限りの初来日公演! これは見逃し厳禁だ!

【bar italia 来日公演】
bar italia
SUPPORT ACT: TBC

2024.05.29 (WED)
渋谷 WWWX
OPEN:18:00 / START:19:00
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13898

【TICKETS】
前売¥7,200(税込/オールスタンディング)
※別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可

先行販売
●BEATINK主催者先行:2/8 (thu) 10:00~
[https://beatink.zaiko.io/e/baritalia]
※先着/Eチケットのみ
●イープラス・プレイガイド最速先行受付:2/10 (sat) 10:00~2/14 (wed) 23:59
[https://eplus.jp/baritalia/]

一般発売:2/23 (fri) 10:00~
●イープラス [https://eplus.jp/baritalia/]
●ローソンチケット
●BEATINK [https://beatink.zaiko.io/e/baritalia]

企画・制作 BEATINK: http://www.beatink.com/
INFO BEATINK: http://www.beatink.com/ E-mail: info@beatink.com

label: Matador / Beat Records
artist: bar italia
title: The Twits
release date: Now On Sale

Beatink.com:
https://beatink.com/products/detail.php?product_id=13700

tracklist
01. my little tony
02. Real house wibes (desperate house vibes)
03. twist
04. worlds greatest emoter
05. calm down with me
06. Shoo
07. que suprise
08. Hi fiver
09. Brush w Faith
10. glory hunter
11. sounds like you had to be there
12. Jelsy
13. bibs

label: Matador / Beat Records
artist: bar italia
title: Tracey Denim
release date: Now On Sale

CD:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13377
LP:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13378

tracklist
01. guard
02. Nurse!
03. punkt
04. my kiss era
05. F.O.B
06. Missus Morality
07. yes i have eaten so many lemons yes i am so bitte
08. changer
09. Horsey Girl Rider
10. NOCD
11. best in show
12. Clark
13. harpee
14. Friends
15. maddington

ザ・ビートルズ vs ジェームズ・ボンド - ele-king

お決まりの美辞麗句に飽き飽きしている大人のための
読み応えたっぷりの、ビートルズ/ジェームズ・ボンドの物語

21世紀の現在も圧倒的な人気と影響力をほこる、
20世紀のイギリスが生んだ二大ポップ・カルチャーを挑発的に描き、
英各メディアから絶賛された、画期的なノンフィクション

1962年10月5日、まったく同じ日にビートルズのデビュー・シングルは店頭に並び、007シリーズの映画一作目『ドクター・ノオ』が封切られた。まったく同じ日に登場した英ポップ・カルチャーの二大巨頭は、かたや「愛」、かたや「殺しのライセンス」、かたや「労働者階級」、かたや「上流階級の作者によるフィクション」、かたや「モップヘアー」にかたや「七三分け」、何から何まで正反対だった……しかし意外なことに、この両者は交わってもいた。

ボンドとビートルズが、階級、特権、暴力、男らしさ、英国人らしさに対する異なる態度を体現していることは明らかだ。しかし、ヒッグスはさらに踏み込んで、彼らがある種の永続的な「(英国)文化の魂をめぐる闘争」に従事していると主張したいのだ。
──『ガーディアン』書評より

A5判/ソフトカバー/592頁

目次

第一部 秒読みを開始せよ
一九四五 雨の日には話し相手もいない
一九五二 自身のうちなる闇のすべて
一九五六 成長を見守ることができていたなら
一九六〇 悪名高き娼婦の聖地
一九六一 恥も外聞もなく快楽と金のため
一九六一 積載過剰

第二部 爆轟させよ
一九六二 ビートルズよりすごいんじゃね?
一九六二 ショーン・コネリー(一九三〇~二〇二〇)
一九六三 真理があの叫びにひそんでいた
一九六四 イアン・フレミング(一九〇八~一九六四)
一九六四 四人の長髪の間抜け野郎どもの映画
一九六五 ほかのすべてをもろとも吹き飛ばして
一九六五 ジェームズ・ボンドほどすごくはない
一九六五 部分の総和以上のもの
一九六五 すべてはイングランドのため
一九六七 ではなにを伝えればいいか
一九六七 現実よりもさらなる広がり
一九六七 007(シャンティ・タウン)
一九六七 呪術でこっちを支配しようと
一九六八 ガンジス河のほとり
一九六八 ヨーコとビリー
一九六九 ジョンとポールとジェームズの結婚
一九六九 ジョージ・レーゼンビーの髪型
一九六九 ポールはもう死んでいる

第三部 余波
一九七〇 答え:ノーだ
一九七〇 「マザー」か「ラヴ」か
一九七〇 最高
一九七〇 フィルとアラン
一九七〇 愛が素敵だなんてたわごとは否定しなければ
一九七三 クリストファー・リー(一九二二~二〇一五)
一九七三 問題はボンド
一九七四 イン・ザ・マテリアル・ワールド
一九七七 娯楽のため命の危険さえ顧みなかった
一九八〇 無印
一九八〇 ジョン・レノン(一九四〇~一九八〇)
一九八一 真の芸術家にとっては生き様こそが作品

第四部 成長せよ、007
一九八三 自由主義世界の本物の価値の象徴
一九八四 真っ赤なお顔でグッジョブサイン
一九九五 いい時間があまりにも続き過ぎ
一九九九 デスモンド・リュウェリン(一九一四~一九九九)
二〇〇一 ジョージ・ハリスン(一九四三~二〇〇一)
二〇〇二 画素たちがそれからどうなろうと
二〇〇三 ほらプーチンさんも御一緒に
二〇〇八 ストロベリー・フィールズの死に様
二〇一二 一つの目的を目指す共通テーマ
二〇一五 世界の新たなる巨悪とは
二〇二一 死んでいる暇
二〇二一 リンゴとポール
二〇二二 次回作でお会いしましょう

著者 ジョン・ヒッグス/John Higgs
イギリスの作家、小説家、ジャーナリスト、文化史家。1971年ラグビー生まれ。テレビ番組のディレクターを経て作家になる。とくに有名なのは、2013年の『The KLF ハウス・ミュージック伝説のユニットはなぜ100万ポンドを燃やすにいたったのか』(中島由華訳/河出書房新社)、2016年の『人類の意識を変えた20世紀:アインシュタインからスーパーマリオ、ポストモダンまで』(梶山あゆみ訳/インターシフト刊行)。未訳だが、詩人ウィリアム・ブレイクを論じた2019年の『William Blake Now: Why He Matters More Than Ever』も賞賛されている。『ガーディアン』『インディペンデント』『デイリー・ミラー』といった新聞、音楽誌では『モジョ』にも寄稿。本書『ザ・ビートルズvsジェームズ・ボンド(原題:Love and Let Die: Bond, The Beatles and the British Psyche)』は、2022年にWeidenfeld & Nicolson社から刊行され、大いに絶賛された。現在ヒッグスは、ブライトンで家族と暮らしている。

訳者 浅倉卓弥/Takuya Asakura
作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン――トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット――デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

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Turn On The Sunlight - ele-king

 LAのマルチ楽器奏者/プロデューサー、ジェシー・ピーターソンがカルロス・ニーニョとともに始動したプロジェクト、ターン・オン・ザ・サンライト。かつてレイ・ハラカミともツアーをまわったことのある彼らは、2010年代をとおしてすでに5枚のアルバムを送り出している。
 3月20日にリリースされる新作『Ocean Garden』にはララージはじめ注目すべきゲストたちが多く参加しているが、とくに目を引くのは70年代スピリチュアル・ジャズの重要レーベル〈Tribe〉創設者のひとり、フィル・ラネリンだろう。これまでもビルド・アン・アークなどで若い世代とコラボし、最近は「Jazz Is Dead」シリーズにも登場している彼をフィーチャーしたシングル曲 “Tune Up” は、2月28日にデジタルにて先行配信。楽しみです。

Turn On The Sunlight『Ocean Garden』
2024.3.20 CD / LP / Digital Release

LA音楽シーンで多くのミュージシャンに愛されるジェシー・ピーターソン。彼の呼びかけによって豪華メンバーが集まったオーガニックコレクティヴ、Turn On The Sunlight(ターン・オン・ザ・サンライト)の新作『Ocean Garden(オーシャン・ガーデン)』が、CD/LP/Digitalにて全世界同時リリース!! CDにはジャメル・ディーンらが参加したボーナストラックも収録。

Carlos Niño / Phil Ranelin / 金延幸子 / Josh Johnson / Photay / Fabiano do Nascimento / Randal Fisher / Dwight Trible / Laraaji / Mia Doi Todd / Sam Gendel他、豪華アーティスト参加!!

もしブライアン・イーノとジョン・フェイヒーが出会ったら──そんな妄想を抱いて、ジェシー・ピーターソンがカルロス・ニーニョとスタートさせたターン・オン・ザ・サンライトの長い旅は、このアルバムで素晴らしい場所に到達した。LAの信頼すべき才能ある仲間と築き上げたコレクティヴの軌跡が美しく刻み込まれている。かつてビルド・アン・アークという奇蹟のグループが成し得たことを、ジェシーは継承して前へ進めてもいる。素晴らしいミュージシャンたちが奏でる音と自然音が織り成す有機的な音の広がりは、深く驚異的だ。(原 雅明 ringsプロデューサー)

暖かくて、魅惑的な音に祝福される感覚。心地よい音のテクスチャーと快適なリズム。常に喜びと高揚感を与えてくれる作品です。(ララージ)
このアルバムは、暖かい日差しが頬に触れる感覚と、私たちを想像の世界へと導いてくれる。素晴らしいアルバムです。(金延幸子)

ターン・オン・ザ・サンライト
マルチインストゥルメンタリスト、作曲家、プロデューサーのジェシー・ピーターソンは、ターン・オン・ザ・サンライトの中心人物であり、絶えず続く糸である。5枚のアルバムとその他のさまざまなコラボレーションを通じて進化し続けるグループのサウンドは、結成時から変わることなく高揚への希望に根差している。友人のカルロス・ニーニョとともに、ジェシーは妻のミア・ドイ・トッドをはじめ、ララージ、ルイス・ペレス・イクソネストリ、カバーナ・リー、パブロ・カロジェロ、SKカクラバ、サム・ゲンデル、ファビアーノ・ド・ナシメント、ヒロ・マキノ、リカルド・ディアス・ゴメス、デクスター・ストーリー、アンドレス・レンテリアなど、長年にわたって音楽仲間である彼らに、彼らの魔法で力を貸してくれるよう呼びかけてきた。

【リリース情報】
アーティスト名:Turn On The Sunlight(ターン・オン・ザ・サンライト)
アルバム名:Ocean Garden(オーシャン・ガーデン)
リリース日:2024年3月20日
フォーマット:CD / LP / Digital
レーベル:rings / plant bass
オフィシャルURL:https://www.ringstokyo.com/turn-on-the-sunlight-ocean-garden/

[CD]
品番:RINC118
JAN:4988044097605
価格:¥2,860(tax in)
販売リンク:https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008787482
[LP]
品番:RINR16
JAN:4988044097636
価格:¥4,400(tax in)
販売リンク:https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008787495

『哀れなるものたち』 - ele-king

 またしても閉じ込められた女性。いくらなんでもパラノイアックすぎる。これだけ繰り返されると監督にとってはセラピーの意味でもあるのかと思ってしまう。ヨルゴス・ランティモスはこれまでに『籠の中の乙女』(09)、『ロブスター』(15)、『女王陛下のお気に入り』(19)と、場所の移動を制限された女性ばかり描き、少し毛色が異なる『聖なる鹿殺し』(17)でも娘のキムは急に歩けなくなり、移動が困難になる(その原因と考えられるマーティンも椅子に縛りつけられて動けなくなる)。様々な設定を駆使して多様な物語を生み出しているようでいて、実際にはランティモスは自由に動くことを許されない女性の苦しみをあれこれと映し出しては喜んでいる変態ではないのか。スタンリー・キューブリックに団鬼六が憑依し、『コレクター』のリメイクばかり撮り続けている変質者ではないのか。現実の世界で女性を監禁したい。しかし、それは許されない。だから映画をつくることでその欲を満たしているのではないかと疑いたくなる。

 『哀れなるものたち』がこれまでと少し異なるのはエマ・ストーン演じるベラ・バクスターが造物主の比喩である父親と対立して(以下、ネタバレ)屋敷の外に出て移動の自由を楽しむこと。『籠の中の乙女』では家父長によって頑なに監禁状態は解かれなかったのに対し、そこはあっさりとクリアして、ベラは屋敷を飛び出して世界を旅し、食を楽しみ、性を解放し、労働する。文字通り外の世界を自由に動き回る。ただし、ベラはこれまでの作品とは異なり、胎児の脳を母体に埋め込まれたタブラ・ラサとして設定されている。身体は成熟した女性だけれど、脳は赤ちゃんに等しく、いわば社会的に初期化された存在である。社会と相対峙するのではなく、ただ吸収していくだけ。幼児が世界を把握していくプロセスと似たような体験を積み重ね、絶えず食べ物を吐き出して(=アブジェクション)成長し続けていることを印象付け、これが面白おかしく感じられると同時に、幼児化した女性の振る舞いはただのバカにしか見えない場面も少なくない。既存の社会に対して批評的な価値を持つでもなく、がに股っぽい歩き方はどことなく都会に連れて来られたキング・コングを思わせる。それこそ純粋無垢であれば女性という存在はインパクトを持つというか、イノセントな女だけが社会で有効というのはとんでもない幻想だし、裏を返せば女性は社会化されてしまうと魅力がないと訴えているようなもので、女性を社会の外側に立たせることで活躍することを可能にした『ワンダーウーマン』(17)と構造的には同じである。社会的に初期化されれば、それこそ『ネル』(94)のように言葉も通じないというのが普通だとは思うのだけれど……(シニフィアンを混乱させた『籠の中の乙女』はある意味、その原理に沿っていた)。

 もっといえば日本のTVドラマでよく見かける「空気を読めない女性の主人公」も似たり寄ったりで、エキセントリックなキャラなら女性たちは社会に出ても肯定されるという設定にも通じるところはある。どうしてこのようなエフェクトをかけないと女を社会化された存在として認識できないのだろう。移動の自由や男たちの管理から解き放たれて、ベラ・バクスターは一見、様々な主体性を得たかのようだけれど、実際には社会の周縁へと押しやられているだけではないのか。そう、これまで何度も女性を監禁し続けたランティモスがそう簡単に女性を解放するわけがない。むしろランティモスは女性を社会から浮いた存在として固定し、観念的な文脈に閉じ込め直したのである。『籠の中の乙女』や『女王陛下のお気に入り』が部屋ごと空間を移動しただけで、前半は定住しない旅行者、後半は売春婦と、ベラが生きる場所はいわゆるオーソドックスな社会ではない。リドリー・スコット(『テルマ&ルイーズ』『最後の決闘裁判』)や80年代の深作欣二(『火宅の人』『華の乱』)が描く社会的な身体を持つ女性たちとは異なり、主役である女性と社会の距離は1ミリも縮まらず、彼女の声が社会に届くことはない。

 社会的に初期化された身体を持つ男性の作品は何かあったかなと考えていたらターザンの誕生を描いた『グレイストーク』(84)や『フォレスト・ガンプ』(95)が思い浮かんだ。どちらも周縁から社会のヒーローへとポジションを移動させ、無知であるがゆえに社会をシェイクする作品である。『哀れなるものたち』にそうしたフィクショナルな飛躍はない。ベラ・バクスターは旅を終えて、かつて自分が飛び出した屋敷へと戻っていく(放蕩娘の帰還?)。そして、自分を生み出したウィリアム・デフォー演じるゴッドことゴドウィンの死を看取り、外に出て行ったことがなにひとつフィードバックされることなく、初めからそこに居ればよかったという雰囲気で幕を閉じていく。旅の途中で出会った男たちがすべてどうしようもない存在だったという認識が残ったぐらいで、『籠の中の乙女』で外に出られた姉妹が自分たちの意思でもう一度、家のなかに戻っていくような終わり方である。ベラの成長はただゴドウィンとの関係を肯定するために、それだけのために必要なことだった。どうしても人はそこを肯定したいし、それこそファザコンの人には突き刺さる話なのだろう。むしろ僕には、どんな人でも自分が誰かの子どもであるということがすでに牢獄だと思える作品だった。

 『哀れなるものたち』で素晴らしいのは圧倒的に美術。ある種の美意識を徹底していれば、その中に閉じ込められていることに女性たちは気がつかないと言わんばかりの装飾美にあふれ、人生の舞台装置だと勘違いさせるスティームパンクの造形はどこまでも幻惑的。また、「サタデー・ナイト・ライヴ」の準レギュラーとして、すっかりコメディエンヌの座に収まったエマ・ストーンの演技はコメディの先へ進もうとする気迫を感じさせ、メタ・レヴェルの感動を呼び起こす。原題は「Poor Things」で、「哀れ」というより「空振り」とか「外れ」みたいなニュアンスではないだろうか。そう思うと、もしかして最近になって世界的な評価を得ている『嫌われ松子の一生』(06)に影響を受けたりして。

 なお、『哀れなるものたち』の音楽はジャースキン・フェンドリックスのレヴューに詳しいです。ところで途中でベラが音楽と出会い、涙を流すシーンがあるけれど、幼児が美しいメロディを聴いてわけもなく泣いたりするとは思えず、ここはフランケンシュタインのエピソードをあまりに考えずに重ねてしまった気が。

Janis Crunch - ele-king

 熊本出身のシンガーソングライター/ピアニスト、ジャニス・クランチを紹介しよう。
 モダン・クラシカルな作風を特徴とする彼女は2011年にファースト・アルバム『I just love the piano』を発表、同年にはシンガポールの(近年は冥丁の作品で知られる)〈KITCHEN. LABEL〉から、haruka nakamuraとの共作『12 & 1 SONG』を送り出してもいる。ともに近年LPでリイシューされており、注目のほどがうかがえよう。
 それから12年。長い期間を経てセカンド・アルバム『xaoc(ザオック)』がリリースされることになった。独特のヴォーカルとピアノに加え、ストリングスをフィーチャーした新作はすでに1月12日より配信がはじまっている。フィジカルも準備中とのこと。
 ちなみにリリース元は〈YUUI〉。2022年に設立されたレーベルで、今回のジャニス・クランチのアルバムが第1弾作品にあたる。今後も「古い/新しい」の二項対立にとらわれず、「美しさ」に焦点を絞りながら、再発も含めてさまざまな音楽を手がけていく予定だ。
 ジャニス・クランチと〈YUUI〉、ともに注目しておきましょう。

artist: Janis Crunch
title: xaoc (読み:ザオック)
label: YUUI
release: 12 January, 2024

tracklist:
01. Requiem (Dear My Grandma)
02. 悲しき狼のワルツ
03. きらきらブルー
04. melancholic magic
05. POISON APPLES
06. Mass in E
07. Time won't come back
08. エターナル
09. ほんの少しの
10. The last song
11. The Lullaby of Itsuki

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