「KING」と一致するもの

1 はじめにドラムありき - ele-king

 ある事情から、ドラムを叩くのではなくて、ドラムのことを書かないといけないことになって、つまりドラムのことを考えないといけなくなったら、少しドラムが上手くなった気がする。
 これは意外なことだった。当たり前と言えば当たり前だけど、僕は書いている最中、つまり考えている最中、ドラムを叩く時間が少なくなっていることと、文章が全くものにならないことへのストレスに苛まれているだけだ、と思っていたのに、ドラムセットの前に座ると不思議と力が抜けて、クリアしたいと思っていたことや、今まで気付かなかったことができるようになっていたりする。時間を置くことによって、知らず知らずのうちについていた変な癖が自然となくなるということもあると思うが、考えること、それから、聴くことがこんなにも影響するのか、わかっていたつもりだが再確認させられた。

 今までは、仮説を立ててそれを実践していくということが多かった。どんな仮説か大雑把に言うと、自分の平坦なリズムも、育った環境から鑑みると致し方ないこととし、ドラムを叩く前にパーカッションを叩きリズムの成り立ちに少しでも触れた後、ドラムに孵化させれば、ワールドワイドなリズムの感覚と、嫌でも付きまとう日本らしさが、ちょうどいいところに落とし込まれて、ちょっと違うドラマーになれるのではないか、と言ったところだ。10代の終わりから20代をフルに使っての実践の成果は当たらずとも遠からずといったところで、結果から言うと、いろんな打楽器をやってきてよかったけど、そんなに固く考えなくてもいいんじゃないか、というところ。そこまで、やっと来た。それは、これまでの否定ではなくて、段階だ。考えなくても、平坦でありきたりのドラムはもう叩けなくなった。それは嬉しいことだけど、それだけのことだ。これも仮説というか、妄想に近いが、やっと海外かどこかの子供くらいにはなった、といった感じ。J-POPのことなんて忘れ去ってしまいたかった。
 そう思い返してみたものの、やっぱり今までだって聴くことに重きを置いていた。機材と同じ程には……いや、機材なんて学生時代に一生懸命集めたからバンドでもなんとかなったようなもので、レコードばかりに僅かのお金をはたいて来た。レコードはなかなかどうして、いい。アイデアが、逡巡の傷跡が、その時にしかなかったものが、密かに刻まれている。そのことを思ったら、自分なんて音楽に隠れてしまわないといけない。どうせ顔を出すときは出す。

 所謂ドラマーとしての基礎を飛ばしてきてしまったので、少しは迷惑かけないようにしていかないといけないし、そこはそれこそ考えることでクリアしていかないといけないのだが、まだこんなことばかり思っている。最近は、USインディーのドラムが面白い。リズムの間が豊かで平坦ではないことはもちろん、アイデアが詰まっていて、聴いていて面白い。ステラ・モズガワ嬢、ジャスティン・サリヴァン、いいリラックス具合にシンプルに音楽を昇華させるようなアイデア、ジェイ・ベルロウズ、自由自在、断トツな実力を凌駕する湧き出るアイデア、やや、挙げるとキリがないのだが、リズムが大切にされている上でのアイデアという感じで面白い。ジョン・フェイヒーのリズムへの意志が伏流水のように上がってきたかのような浪漫も感じる。フリート・フォクシーズの新譜なんて音楽がドンと提示されまくっていて楽器のことなんて一回聴いただけでは覚えていません(A,B面でお腹いっぱい。長く聴いていくことが出来そう、というか必要……)。ハットがなくて、他の楽器がキープしているような、理に適った形のアレンジも多くて、聴きやすいし、かといって物足りなくない。
 そういう音楽に触れていると創作欲求を刺激される。これからは仮説じゃなくて、実験だ。仮説を元にやったことは考え過ぎなくてよくなったから、考えるウエイトを少しアイデアに移すことができる。岡田のソロ・アルバムがもうすぐ出るはずだが、彼は僕のドラムのことをよく知っている上で、アイデアを投げてきたり、引き出させたりする作業が面白かった。僕には浮かばないこれをやらせたらどうなるかとか、こういう曲では僕はどうやるだろうかとか、「いままでやってきたことを全部忘れて」なんて言われて叩いた曲もあった。「やってやろうじゃないか」と奮闘するも、そこそこのところ以上は意識しても簡単に消えるものでもない。そこもバレていたのかどうか、まぁいいや。

 今までやってきたことを止めるわけではない。まだ「どこかの子供」レベルだ。大分に拠点を移してからは、地元のアフリカンチームの練習に参加して、ジェンベやドゥンドゥンを叩くのが毎週の楽しみになっている。アフリカ帰りの大ちゃんに刺激ビンビン、できないとすごく悔しくて、質問攻めを食らわせるのが毎回だけど、とにかく楽しい。向こうも楽しそうだ。
 忘れるということは、覚えること以上に難しい。やっと、忘れることじゃなくて覚える段階に来たような気がしている。

interview with Shingo Nishinari - ele-king


SHINGO★西成
ここから・・・いまから

昭和レコード

Hip-Hop

Amazon

 般若率いる昭和レコードの3本の矢(般若、ZORN)の1矢、SHINGO★西成が『おかげさまです。』以来3年半振りとなる5thアルバム『ここから…いまから』がリリースされた。名の通り大阪・西成、釜ヶ崎は三角公園界隈がフッドの、日本のヒップホップ・シーンでも突出した存在感を放つ屈指のラップスターである。
 もう10年以上前の話だが、SHINGO★西成の取材で初めて西成を訪ねた際に目にした、茶色く錆びた新今宮の鉄路やそのとき食べた100円のモツ煮込みの屋台の光景は、強烈だった。
「なんや、なんかの取材か」
「お兄ちゃん、なにやってるん?」
 カメラマンと共にSHINGO★西成にフッドを案内される道中、屋台の前でコテコテの“釜”のおっちゃんたち(もちろんワンカップ片手)が口々にそんなことを言う中、SHINGO★西成を知っていると思しきおっちゃんの一人が、「あれやろ。黒人の河内音頭やな」とヒップホップを説明したのは、奇妙なヤラレタ感として今も自分に残っている。
 このおっちゃんの一言のように、SHINGO★西成をインタヴューするのは楽しい時間だし、同時に真理を喝破される怖さを感じさせられる時間でもある。それこそが筆者の感じるゲットーの味というものなのだが……。3年半振りのインタヴューだが、もちろんそこには変わらぬSHINGOさんがいた。
 アルバムについて、変わりゆくフッド西成について、ゆっくりと話を聞いた。

毎日怒ってるんちゃう? 毎日怒ってるし、毎日落ち込んでるし……やなぁ。毎日爪噛んでるよ。だから、その取り方も全然間違いじゃない。前より怒ってるかもしれない、前より愛してるかもしれない。

3年以上ぶりのリリースということですが、この間は、どういった3年半でしたか?

SHINGO★西成:現場にはずっとおったし、もちろんアンテナも張ってた。自分が見たり感じたり信頼ある仲間からの情報で、この3年くらい生活してるかな。兄弟分である同じレーベルメイトの般若でありZORNであり、いつも俺のことを気にしてくれるNORIKIYOであり。近くにこういうイケてるやつがおるから、そういう刺激をもらいながら、兄弟や直の仲間がしないことで逆に俺がやりたいと思ったらやったり。“絶句☆ニッポン”……New Jack SwingはZORN作らないでしょ。

そうですね(笑)。“絶句☆ニッポン”は新鮮でした。

SHINGO★西成:誰もやれへん……やろ? ああいうの。

はい。このノリは……と言って良いですかね。僕も今度のアルバムで1、2番目に好きな曲でした。10年前だったらそう思ったかはわからないですが、まさに今こういう気分だぜという感じがしましたね。この前の曲の“鬼ボス”からの流れが、もうイケイケで。

SHINGO★西成:ほんまその通り。俺も、New Jack Swingの時代のラップが逆に今気分的にもバッチリやなと思って、で、客演にTAK-Z&KIRA。近くにおって、いつも刺激くれてるあいつらにやろうや言うて、もうほんまに即答でやってくれた。“鬼ボス”の客演のJ-REXXXもそうやし、あんなにイケてる伸び代が半端ないアーティストがやってくれて、ありがたいよな。

ただ、ここで重要なのはイケイケでノリノリの曲だから、単純に=気分はノリノリでイケイケということではないと思うんですよね。上手く説明するのが難しいのですが、例えば“絶句☆ニッポン”に関して言えばNew Jack Swingのビートの奥にある感情から起ち上がった言葉というんですかね。ただノリをサンプリングしてノリノリになっているわけではないというか、表面をなぞるだけでは本当のパワーは生めないと言えばいいのか。

SHINGO★西成:まぁ知らないままにスッとできた曲なんかはないなぁ。例えばNew Jack Swingのあの格好良さを表現したいなとか、そういう作りたいテーマはあってんけど、1ヴァースできても次のヴァースができないということはあった。逆にこういうのが作りたいというテーマがはっきり決まってるほど、上澄みだけをとったらあかんから。聴きちぎったからな、もうほんまに。その分、言葉のチョイスや構成もしっかりしたって感じかな。

これは最近、割とどのインタビューでも聞いてることなのですが、フリースタイル・バトルのブーム然り、現行のHIP HOPのメインストリームがTRAPを経由したものだったり、表現の即興性が増している気がするのですが。そういったことは、SHINGOさんは……どういう言い方をすればいいんですかね。その、どんな感じですか?

SHINGO★西成:どんな感じ? ……いやなんとなく気を遣ってアバウトにしてくれたのはわかるで(笑)。それはエキサイティングって答えたらあかんの? 俺はエキサイティングなもの、自分の予想を超えている人が好きやから。結局、自分のできないことをできてる人は相変わらず好きになってしまうな。それはより素直に、いいもんはいいって言えるようになった。自分とスタイル違うちゃうからノーじゃない。それはなんかわかるでしょ?

はい、もちろんわかります。

SHINGO★西成:そのなかでちゃっちぃけどキャッチぃ、耳触りのいい、思わず言ってしまうフレーズは、そういうTRAPというかのテイストも入れつつ、こう、古き良きもちゃんと入れたくて、“絶句☆ニッポン”や“あんた”を作った感じかな。

“あんた”は、まさに“古き良き”テイストの曲ですね。このテイストを日本でHIP HOPのアルバムで表現できるのはSHINGOさん以外いないと思います。

SHINGO★西成:こんだけ歌謡曲っていうか演歌っていうか溢れてる街のなかで育って、なんか、まぁまぁ、“にしなりあほじん”……やしきたかじんさんじゃなくて……みたいなんを作りたいというか、ストリーテリングみたいな曲を作りたいと思って作った。夢を追っかけてる男を好きになってしまった、幸の薄い女を演じて自分が書くというか。たかじんさんが死んで、あの人の歌がパッと聞こえてきた時に、すごい……女の人の気持ちを歌ってんねんな。でも、歌っているのはやっぱり男やし、男にとって都合のええこと多いなと思ったり。けど、男ってそういうこと考えがちやなって思って、それを突き詰めたら曲になった。

ここまで少し伺っただけでも色々なヴァリエーションの曲があるのがわかりますが、どうやってできていった曲たちなんですか?

SHINGO★西成:うーん、もうほんま生活から出た言葉、やで。

はい。それはもちろんそうだと思うのですが、すいません、僕の聞き方が悪いですね。3年半の中でコンセプトやテーマがあってそこに向かっていったのか、あるいは自然とできていった曲をアルバムとしてパッケージしたのかというか。

SHINGO★西成:いままでずっとライヴしたり、出会った人から刺激を受けて、こういう曲になったり、言葉のチョイスになったり、行動になったり。とにかく自分の足らないことを出したっていうことやけどな。だから、自然なことなんじゃないの? 

いま仰っていた自分の足りないところを出すということについてもう少し具体的に伺いたいです。

SHINGO★西成:ライヴで失敗したら、こういう失敗したな。だから、こういう曲が欲しいなとか。普段でも、こういう経験して、なんか、こういう時はこうしたいなとか。ライヴ前に聞きたいなとか……“GGGG”とかはそうやな。ちゃんとそのピースが揃ったからアルバムにしたって感じかな。そのピースが足らなかったら出してないかもしらんし。レコーディングすべてを自由にさせてもらってるから。そういうフリーな、その時のヴァイブスを大胆にそのまま使うっていうことは相変わらずしてるけど。刺身で出せる魚は刺身で出すし、片面は焼いときますね、ほぐしてお茶漬けにできるようにしときますねとか。一匹のSHINGO★西成がいろんな味になってる。それが和洋折衷いっぱいあるって感じ? “Fuck you, Thank you ほなさいなら”は黒七味みたいな。そういう風に思ってもらえたら。

  まずはイメージする自分はどうなりたいか?
  すべきことは何か? 未来どうありたいか?
  痛いダルい嫌い言うな気合や気合や
  やるかやられるか要は自分次第や
“GGGG”

  身内だけの馬鹿騒ぎ 他人の粗探しはもうやめた
  楽しく飲んでたのに もう輩とカスが来て酔い冷めた
  なにイキってんねん、なに気取ってんねん、
  なにスカしてんねん おい
  見透かしてんねん バレてんねん 
  おまえ年末までには消えてんねん ポイ
“Fuck you, Thank you ほなさいなら”

SHINGO★西成:だから前のアルバムを出してから作りたいと思っていた、前回のアルバムを出す前から作りたいと思っていたもの、次のアルバムはこういうなんを作りたいっていうものまで含んで、それをこの3年の間に全部考えた曲という感じかな。例えば「KILL西成BLUES」は、もともと「「ILL西成BLUES」(『SPROUT』収録。2007年リリース作品)を作っている時には、もう考えていた曲だから。

それは、リミックスみたいな楽曲を作るということをですか?

SHINGO★西成:いや、ちゃうちゃう。感情として。結局、変わらんやん。いつも文句だけ言うて逃げるやつ。いまだったらTwitterとかの書き込みでも、一方通行でひどいこと言って、嫌な思いしてる人、世のなかいっぱいおるやんか。芸能人は思わず、それをテレビで言ってしまうとか。普通につぶやいて炎上してまうとか。炎上するのがわかってて、なんでそんなとこに行くのとか思ったり、でも感情が止められへんかってんなとか。俺やったら作品にしたらええんやなっていうか。

怒っていますか? アルバム全体で「逆襲」を感じたんですよね。正確ではない表現かもしれませんが。

SHINGO★西成:毎日怒ってるんちゃう? 毎日怒ってるし、毎日落ち込んでるし……やなぁ。毎日爪噛んでるよ。だから、その取り方も全然間違いじゃない。前より怒ってるかもしれない、前より愛してるかもしれない。

愛してるから怒るんですもんね。

SHINGO★西成:それは前提かな。それを踏まえた上で聴いて欲しいって感じ。そうやなかったら言えへんよ。言う価値無いものに対してはもう言えへんよ、うん。だから怒りが多いと言われても、たしかに怒り多いかもなと思ったりするし、すげえ愛に溢れてるなぁって曲は、もっと愛に溢れた、愛100%の曲にもできたし。なんか、ほんまに寄せ集めたっていうんじゃなくて、喜怒哀楽をテーマにしてたら、喜怒哀楽は全部揃ってたらいいなぁとか。それが喜怒哀だったら楽を作らなあかんなとか。“ここから…今から”、“一等賞”があるから、“Fuck you, Thank you ほなさいなら”“KILL西成BLUES”があるという感じかな。

  めぐり合い励まし合い 
  ぶつかり合い見つめ合い笑い合いそれが愛 
  守りたいなあの娘のスマイル 
  繋いでいきたいな色んなスタイル
“ここから…今から”


まぁまぁまぁ、固定せんと相変わらず、一生懸命アホしますから。ドがつくアホで。大がつくバカで、大バカでいきますんで。俺の失敗してるとこも成功してるとこも見てくれたら。で、「ほんまアホやなぁシンゴ!」言うてくれたら最高の褒め言葉やね。

前作のインタヴューをさせてもらったときに聞いたお話で、浮き足立っていたらちょっと待てと一旦足を止めさせて考えさせるもの、また前に行きたいのに行けない時に背中を押すようなもの、その時、SHINGO★西成さんは自分が表現したい音楽についてそういうことを仰っていて、それがとても印象に残っています。今回は、聞いていてそれは変わらず、さらに感情の深掘りをされているのを感じました。

SHINGO★西成:おおきに、やで。その上でよりシンプルに伝えた方がいいなというので、言葉のチョイスをわかりやすくしたり、日々そういう心がけはしてるけど。でも、ここは言うといた方がいいっていう時には、いきなり“ナイフ”みたいな言葉を出すけど。でもその前後を聞いてもらったら、そういう言葉も出るのやろなっていう。

あった方がいい言葉はあった方がいいですよね。現実に“ナイフ”はあるわけで。

SHINGO★西成:あるやんか、やっぱり。信頼ももらった代わりに裏切りももらったし、経験もしたし。なんか色々あったからこそ……じゃあ“おおきに”って言ったり“いらっしゃいませ”って言うにしても、なんかこの人“いらっしゃいませ”というのもちゃんと言ってはるなとか、感情入ってるなとか、そんなんと一緒で。「ありがとう」一言、「おおきに」一言、「すんまへん」一言……言葉一言でもその人が乗り移るじゃないけど。その人の人生観が見えるときがあってもいいなと。そう思うからこそ、表現者としてそういう時はちゃんと出せるようにやろうと。そのまま「おーきに」「やっといてー」とか、そのシチュエーションに応じたやり方というんかな。ほんま感謝してる人には感謝してる思いで、ちゃんと言葉を言おうかなと今回は更に思った。前のアルバムよりそこは増したかな。例えば路上でライヴをしている人が10秒間、20秒間、目の前を通る人になんかをメッセージを残したいからやってるわけやんか。止まってる人前提に歌ってるわけじゃないやん? 俺もそのスタンスは変わってないから。パッと聴いたやつとか、有線でたまたまかかった曲、たまたまお店でかかってた俺の曲のパンチラインとかで、なんやこれ? って。そう言ってもらえるように、色々作ったつもりやけどね。だからアルバム単位で聞いてくれたら嬉しいなと思ってる。

ぜひ、音楽好きな人、悩んでいる人も、楽しいことが好きな人にも、いろんな人に聴いて欲しいです。それでは最後に、これからのSHINGO★西成さんについて伺いたいです。

SHINGO★西成:うーん、どうなるか決めてないからこそのワクワクドキドキ感はあるけど。なんかこうしたいとか、逆に変に固まるの嫌やから。やることやったらなるようになると思ってるし。今はやることやったからなるようになれっていうか。ただ、このアルバムを聴いてくれて、ええなと思ってくれる人が多い土地には行きたいな。まぁまぁまぁ、固定せんと相変わらず、一生懸命アホしますから。ドがつくアホで。大がつくバカで、大バカでいきますんで。俺の失敗してるとこも成功してるとこも見てくれたら。で、「ほんまアホやなぁシンゴ!」言うてくれたら最高の褒め言葉やね。

ありがとうございます。アルバムのインタヴューは以上ですが、最近西成の坂の上の方(天王寺駅周辺)はアベノハルカスもできて風景が激変しました。SHINGOさんの音楽は名前と同様、西成と不可分な表現なので伺いたいのですが、最近の西成の日々は、何か変わりましたか?

SHINGO★西成:暖かくなってきたからようわからんおっちゃんおばちゃんが仰山表に出てきてるわ。虫みたいなおっちゃんおばちゃんもおるし、お花畑みたいなおっちゃんおばちゃんもおるから食物連鎖でいいんちゃう? なんか生きてる。共生してる街やからね。なんていうかな。なんかこう、都会はお互いをわかってるからこそ、あんな人がいる交差点でもぶつからないやん。西成も独特の、なんかあんねんな、会話が。なんかこう、人の心を掴むっていうか、きっかけをちゃんと持つとか。変わってないよ。変われへんと思うよ。根本は。最近はしゃあないと思うようになったのか変化を受け入れざるを得ない感じやね。俺らが西成WAN(西成ウォールアートニッポン。SHINGO★西成を総合プロデューサーとして、アーティストと地域が協力して街へアートを描くことで、西成のイメージアップと、来訪者の増加を目的としたアートプロジェクト)をやったときも、年齢をとればとるほど新しいことって嫌だったりするやん。いまのこの形でいいやんみたいな。相変わらず変わって欲しくないと望んでいる人も多いけど、その町が変わっていかざるを得ない現実をちょっと納得してきてくれるというか。少しずつ受け入れてきてくれているのは感じてるかな。やっとやで。黒人のことクロンボ言うてるからね。クロンボ歩いたって。アカンよソレは言うたら絶対。この間は白人のこと、トム・クルーズ3人歩いてたって言っとったからね。なんや、その会話って。トム・クルーズは1人やって。俺にはミッション・インポッシブルっす。

最高ですね(笑)。ありがとうございました。

Mount Kimbie - ele-king

 ポスト・ダブステップの臨界点を突破した『Crooks & Lovers』から7年、〈Warp〉へと移籍してポスト・ポスト・ダブステップを探究した『Cold Spring Fault Less Youth』から4年……ようやくである。ドミニク・メイカーとカイ・カンポスからなるデュオ、マウント・キンビーが3枚めのアルバムをリリースする。その新作には、かつてマウント・キンビーのライヴ・メンバーであったジェイムス・ブレイクも参加している。00年代末期、マウント・キンビーもジェイムス・ブレイクもそれぞれに固有の方法で、それまでのダブステップを過去のものにしてしまったわけだが、ときの流れは恐ろしいもので、それからもう8年の月日が過ぎ去っている。それはつまり、かつて彼らの音楽に衝撃を受けたティーンネイジャーたちが、新しい音楽の作り手へと成長を遂げているということだ。そんな“いま”マウント・キンビーは、いったいどんなサウンドを届けてくれるのか。リリースは9月8日。

label: BEAT RECORDS / WARP RECORDS
artist: Mount Kimbie
title: Love What Survives

release date: 2017/09/08 ON SALE
BRC-553 ¥2,200(+税)
国内盤特典:ボーナス・トラック追加収録/解説・歌詞対訳付き

label: BEAT RECORDS
artist: yahyel
title: Iron

release date: 2017.06.23 FRI ON SALE

WWWβ - ele-king

 昨年オープンしたWWW Xに続き、新たな「場」が誕生する。クラブPAのワールドスタンダードであるファンクション・ワンを導入し、完全リニューアルしたB1FのWWWラウンジが、「WWWβ(ダブリューダブリューダブリューベータ)」に改称、深夜のクラブ・イベントを軸に新たなプログラムを発信していく。RP・ブー、ボク・ボク、エリシア・クランプトン、インガ・コープランド、インフラ、と、すでに決定している8月のラインナップもじつにアンダーグラウンドかつ豪華な顔ぶれだ。「テスト版」を意味する「β(ベータ)」をコンセプトに、今後もコンテンポラリーでカッティング・エッジなエレクトロニック/ダンス・ミュージック/ヒップホップが展開される「拡張の場」を目指していくとのこと。これは楽しみ!

WWW最深部!

新スピーカーの導入によって完全リニューアルしたWWWラウンジがWWWβ(ベータ)に呼び名を改められ、現代の多様なサウンドを紡ぐ“クラブ・オルタナティブ”をテーマに8月より新装スタート。各イベントの詳細は後日発表。

WWW Lounge completing the renewal with new speakers will be renamed “β” and launch in Aug on the theme “Club Alternative” as the deepest part of WWW spinning a variety of the contemporary sounds. The detail of each event will follow later.

WWWβ | Place to βe in Shibuya

WWWβは渋谷のライブ・スペースWWW / WWW Xにてコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージック/ヒップホップを軸にプログラムされ、“クラブ・オルタナティブ”をテーマに多様なサウンドを紡ぐ、“拡張”の場です。

WWWβ is an extended place programing mainly contemporary Electronic / Dance Music / Hip Hop at WWW and WWW X, Live / Club venues in Shibuya Tokyo, spinning a variety of the sounds on the theme “Club Alternative”.

AUG17’

8.04 fri RP Boo - Local 3 World -
8.10 thu Bok Bok w/ Friends - a2z - *before holidays
8.12 sat Elysia Crampton - Local 4 World -
8.23 wed Inga "Lolina" Copeland - TBA - *daytime event
8.26 sat インフラ INFRA


Kutmah - ele-king

 LAのコレクティヴdublabでDJとして活躍し、イベント〈Sketchbook〉を主宰することで後の〈Low End Theory〉や〈Brainfeeder〉が登場する下地を作ったLAビート・シーンの立役者、クートマことジャスティン・マクナルティ。グラフィック・アーティストにしてビート・メイカーでもある彼は、これまで〈Hit+Run〉を中心に多くのミックステープやミックスCDを発表してきたが、このたび遂にそのデビュー・アルバムのリリースが決定した。発売日は7月28日、レーベルは〈Big Dada〉。現在、先行シングルの「Bury Me By The River」と「Cooler Of Evidence」が公開されているが、なんともダーティでロウファイなこの質感……ガスランプ・キラーゴンジャスフィのファンは必聴。

Kutmah
L.A.ビート・シーンの立役者クートマが、
ゴンジャスフィ、ジョン・ウェイン、ネイチャーボーイ・フラコ、タラーク、ジェレマイア・ジェイら豪華ゲストが参加したデビュー・アルバムをリリース!
また先行シングル「Cooler Of Evidence (feat. N8NOFACE)」を公開!

「いよいよ世界中の人々が、ビート・ムーヴメントで最も影響力のあるDJのひとりによるデビュー・アルバムを聴くことになると思うと、嬉しくてたまらない」
フライング・ロータス

「クートマは、穴を掘って首を切るような世界のために、光を灯し続けている。彼はこれを20年近く続けていて、その音楽は常に、我々が愛してやまないヒップホップの基盤にその署名を施してきた。そしてDJとしての数々の予想外な瞬間が、物語にいっそうの彩りを加えている」
ガスランプ・キラー

「自分の目指す方向性に合わせるために、これまでにないタイプの音楽を見つけなくてはいけなかった。型破りなビートと抽象的なライムこそが、おれの探していたものだった。そして、〈Jazz Fudge〉、〈Mo Wax〉、〈Asphodel〉、〈Fondle 'Em〉といったところと並んで、〈Big Dada〉は注目していたレーベルだった」
クートマ

長い間待望されていたクートマのデビュー・アルバム『The Revenge Of Black Belly Button!』(『TROBBB!』)が、7月28日に〈Big Dada〉からリリースされる。本作はゴンジャスフィ、ジョン・ウェイン、ネイチャーボーイ・フラコ、タラーク、ジェレマイア・ジェイ、ゼロ、ザッキー・フォース・ファンク、N8NOFACE、サッチ、アケロ・G・ライト、DJクリス・P・カッツといった豪華ミュージシャンが参加しており、禅僧が瞑想を実践するかのような実験的なサウンドを形成するに至っている。風変わりな鋭いビートと抽象的なラップがあり、その音楽はあからさまなパンクやノイズだけでなく、フォークやブルースまでをも網羅している。
また先行シングルとしてN8NOFACEが参加した「Cooler Of Evidence (feat. N8NOFACE)」が公開された。

Kutmah - Cooler Of Evidence (feat. N8NOFACE)
https://kutmah.lnk.to/trobbb/youtube


Kutmah
The Revenge Of Black Belly Button!
Big Dada

2017/07/28 FRI ON SALE

アルバム・プリオーダー(iTunes)
https://kutmah.lnk.to/trobbb/itunes

戸川純 with Vampillia - ele-king

 昨年末リリースされた戸川純の歌手活動35周年記念作品『わたしが鳴こうホトトギス』。その興奮冷めやらぬなか、年明けに開催されたリキッドでのライヴは胸に迫るものがあった。そんな戸川純 with Vampilliaは今夏、フジ・ロック・フェスティヴァルに出演することが決定しているが、このたび大阪と広島でワンマン・ライヴが開催されることが発表された。会場は、東心斎橋CONPASS (9月2日)と広島CLUB QUATTRO(9月29日)。詳細は下記より。

戸川純 with Vampillia ワンマンライブ開催が大阪、広島で決定。

FUJI ROCK FESTIVAL '17の出演も決定している、戸川純 with Vampillia ワンマンライブが、2017年9月2日、9月29日に、東心斎橋CONPASSと広島CLUB QUATTROで開催される。

戸川純 with Vampilliaは、Vampilliaによるアレンジ&演奏に、戸川純の今の唄声を乗せる編成である。アーティスト画は、『HUNTER×HUNTER』、『幽☆遊☆白書』等で知られる冨樫義博が手がけている。

『戸川純 with Vampillia ワンマン LIVE』

●2017/9/2 (土) @東心斎橋CONPASS
OPEN 18:00 START 19:00
ADV ¥4,000 / DOOR ¥4,500 (前売、当日券ともに1drink ¥600 plus)
出演: 戸川純 with Vampillia
チケット発売日未定

●2017/9/29 (金) @広島CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 START 19:30
ADV ¥4,000 / DOOR ¥4,500 (共にdrink別)
QUATTRO WEB先行: 7/22 (土) 12:00~7/27 (木) 18:00
https://www.club-quattro.com/
チケット一般発売: 7/29 (土)
ぴあ、ローソン、e+、エディオン広島本店プレイガイド、タワーレコード広島店、QUATTRO店頭、通販


■戸川純

女優、歌手。映画、ドラマ、舞台、CMなど出演作多数。CM『TOTOウォシュレット』(1982年から1995年)、映画『釣りバカ日誌』(1作目から7作目)、映画『いかしたベイビー』(1991年。監督・脚本・主演)、二人芝居『ラスト・デイト』(2006年)など。戸川純ソロ名義、ヤプーズとして音楽活動も行っている。作品に『玉姫様』(1984年)、『好き好き大好き』(1985年)、『昭和享年』(1989年)、自選ベスト3枚組『TOGAWA LEGEND』(2008年)など多数。2016年、歌手生活35周年を迎え記念アルバム、戸川純 with Vampillia『わたしが鳴こうホトトギス』、『戸川純全歌詞解説集――疾風怒濤ときどき晴れ』を発表。

■Vampillia

真部脩一(集団行動、進行方向別通行区分)、吉田達也(ruins)、竜巻太郎(turtle island)らも擁する真のジャンル越境音楽。国内では、大阪を中心としたライブ・イベント「いいにおい」シリーズを主催。また、様々な国内外のアーティストと共演している。現在、日本はworld's end girlfriend率いる〈Virgin Babylon Records〉、海外はエンペラー、opethをリリースする〈candlelight records〉と契約。過去エクスペリメンタル音楽の名門〈important records〉からも数作リリースするなど世界中のレーベルから作品を発表。2014年ben frostプロデュースでアイスランドにて制作されたアルバムをリリース。Nadja、The Body、Lustmord,Attila Csihar(Mayhem)、Sunn O)))らとコラボ作品を発表。2015年にはMogwai、The Pop Group、65days of staticと並びアデレード・フェスティヴァルでヘッドライナーをつとめ、2016年のアデレード・フェスティヴァルではGodspeed You! Black Emeperorと2マン。SXSWやヨーロッパ、オーストラリア、アメリカなどで数多くライブを行う他、東京女子流主演映画の音楽や、『Pitchfork』での高得点の獲得、lady gagaの衣装を手掛けるchristian dadaのショー音楽を手掛けることでも知られる。現在Pete Swanson(ex. Yellow Swans)、Extreme Precautions(Mondkopf)らと共にアート・ブラックメタル・テクノ・プロジェクトVMOを結成、1stアルバムがCONVERGEのレーベル〈Deathwish〉傘下の〈Throatruiner〉より発売。また、戸川純歌手生活35周年を迎え、戸川純 with Vampilliaとして記念アルバム『わたしが鳴こうホトトギス』を発表。

shotahirama - ele-king

 先日のインタヴューで音楽に対する情熱を大いに語ってくれたshotahiramaだが、彼の最新アルバム『Maybe Baby』のリリース・パーティが7月16日に中目黒solfaにて開催される。なんと、新作『Maybe Baby』を東京にてフルセットで披露するのは今回が初となるそうだ。それに加え、先日タワレコ渋谷店のインストア・ライヴで繰り広げられた生ドラムを擁するインプロ・セッションも披露される予定とのこと。なお今回のイベントは、実験的な試みを探究するプラットフォーム「nonlinear-nauts」の一環でもあるため、他の出演者たちのパフォーマンスも見逃せない。詳細は下記をチェック。

nonlinear-nauts [exp.011]
shotahirama “Maybe Baby” Release Party

電子音楽/音響~クラブ・サウンドを軸に実験的な取り組みや尖端的なスタイルを追求するアーティストのプラットフォームとなる「nonlinear-nauts(ノンリニアノーツ)」が中目黒solfaにて、ニューヨーク出身の電子音楽家 shotahirama の最新CDアルバム『Maybe Baby』のリリース・パーティとして開催。

日付:2017年7月16日 (日)
時間:open- 16:00 / close- 22:30
場所:中目黒solfa
https://www.nakameguro-solfa.com/schedule/nonlinear-nauts-exp-011-shotahirama-maybe-baby-release-party/
チケット:door- 3,500円(w/f- 3000円)
ゲスト・ライブ:shotahirama band set (Electronics: shotahirama, Drums: Masashi Okamoto)
他出演者:Yaporigami (Detroit Underground / Hz-records / +Mus / Stray Landings), HIRAMATSU TOSHIYUKI (shrine.jp / Hz-records / White), Distra (Electric Pressure), KENTARO HAYASHI, Yoshitaka Shirakura (conflux), Yusuke Takenouchi, STL (nonlinear-nauts), NASAA (nonlinear-nauts)

主催:nonlinear-nauts
https://www.facebook.com/events/464676243902136


■リリース情報
アーティスト: shotahirama
タイトル: Maybe Baby
レーベル: SIGNAL DADA
https://www.amazon.co.jp/dp/B06XY81N1N/
https://tower.jp/item/4485246/
https://www.hmv.co.jp/artist_shotahirama_000000000453324/item_Maybe-Baby_7894375

Mr. Mitch - ele-king

 かつて〈Big Dada〉が編んだコンピ『Grime 2.0』にトラックが収録され、その後〈Planet Mu〉からアルバムをリリースしたMr.ミッチ。やはりマイク・パラディナスの嗅覚は鋭いというべきか……いや、もはやそんな枕詞を添える必要はないのかもしれない。MC主体のグライム・シーンに対し「インスト」というオルタナティヴを呈示したパーティ/レーベル〈BoxedLDN〉をスラックらとともに主宰するこの才能がついに初来日を果たす。今回まわるのは、東京(7月22日)と大阪(7月29日)の2箇所。Double Clapperz(東京)や行松陽介(大阪)など、サポートの面々も強力なラインナップとなっている。いやこれ、行きたいっす……鬼のように溜まっている仕事をほっぽり出して、行きたいっす。


東京・大阪にMr. Mitchが初来日
-Boxedから羽ばたくインスト・グライムの才能-

ロンドンのアーティスト、Mr. Mitchが初来日を果たす。
彼自身はグライム、R&Bといったジャンル・リズムに囚われすぎず、ゲーム・ミュージックを彷彿とさせるメランコリックな音を実験的に拡張してきた。Yamanekoとのコラボ・ユニット、Yaroze Dream Suiteでは珠玉のシンセ・ミュージックをリリースしてきた。

そして、5月にはアルバム『Devout』をリリース。
アルバムのメロディはポップで忘れられないものが多く、いわゆる「クラブ・サウンド」を意識しすぎない世界観も独特である。

Album『Devout』試聴 - https://smarturl.it/devout

-Boxed -
ロンドンのインスト・グライムを代表するレーベル/パーティ〈Boxed〉(ボックスド)から羽ばたいたMr. Mitch。
Boxedは、それまでMCが主体だったグライム・シーンにおいて、Wileyをはじめとするグライム・クラシックの音楽性に注目し、それを拡張する新世代のアーティストとともにインスト・グライムを打ち出した。
いまや、ロンドンで不定期で開催されるパーティ〈Boxed〉は、400人以上を集めるパーティとなっている。

Rinse FMの〈Boxed〉でのレジデント番組

そんなMr. Mitchが初来日!

7/22 (土) - Mr. Mitch Asia Tour in Tokyo @ CIRCUS TOKYO
7/29 (土)- merde feat. Mr. Mitch @ COMPUFUNK RECORDS

初来日パーティはCIRCUS TOKYO、COMPUFUNK RECORDSの2ヶ所で開催。
東京はDouble ClapperzとVOIDからSkyfish、Gyto、Azel、Tumがサポート。
大阪は行松陽介、satinko、YOUNGANIMALらが共演、
Mr. Mitchと各地の色濃いアーティストが繰り広げる。

ele-king vol.20 - ele-king

特集1:ザ・XX最新ロング・インタヴュー/UKメランコリック・ポップ
特集2:クラブ・ミュージック大カタログ──アンダーグラウンドの乱泥流を聴け!

 ele-king「vol.20」は、ダンス・ミュージック/エレクトロニック・ミュージックの大大特集!
 ここ数年のシーンをトピックごとに分けて解説。要チェックの、50枚以上のパワフルなレコードも掲載しています。
 さらに、インターナショナルな活躍が目覚ましい22人の日本人プロデューサーも彼らの主要作品を交えながら紹介します。
 インタヴューでは、注目のメルボルンからハーヴィー・サザーランド、ロンドンからフローティング・ポインツ、デトロイトからマーク・フラッシュ、イタリアからはクラップ!クラップ!、そして日本からはGONNO。パウウェル(ロンドン)とコーヘイ・マツナガ(日本)の対談もあります。
 これを読めば、ここ2~3年の動向がわかる!

 また、フジロックのために来日するザ・XXが表紙&巻頭ロング・インタヴュー。彼らの記事と併せて、ニック・ドレイクからマッシヴ・アタックやベリアルにいたる、UKメランコリア・ポップの系譜を読み解くという試みもあり。


■目次

008 特集1:The XXとUKメランコリック・ポップの輝き
010 インタヴュー:ジェイミー(The XX)
014 インタヴュー:ロミー&オリヴァー(The XX)
018 ブリティッシュ・メランコリック・ミュージックの推移
020 憂鬱な田園──ウィリアム・ブレイクからニック・ドレイクへ
022 メランコリック(クラシック)ディスク 12枚
024 メランコリック(カレント)ディスク 12枚
026 ザ・XXを誰がどうリミックスしてきたのか

028 特集2:クラブ・ミュージック大カタログ──アンダーグラウンドの乱泥流を聴け!
文:飯島直樹、佐藤吉春、高橋勇人、デンシノオト、松原裕海、山崎真、小林拓音、三田格、野田努ほか

030 SUMMER OF NOTHING──この夏は「ラヴ」でもなければ「ジョイ」でもない?
036 Drum’n’Bass 1──〝ジャングル・ウォー〟がきっかけだった
038 Drum’n’Bass 2──ニューロ・ホップと荒野の景色
040 Drum’n’Bass 3──ジャマイカから切り離されたダンスホール
042 Grime 1──南ロンドン・ムーブメント
044 Grime 2──グライムのアウトサイダーたち
046 Afrobeat / Tribal──アフロビートの増大と応用
048 World Music──ワールド・ハイブリッド・サウンド
050 対談:パウウェル×コーヘイ・マツナガ(NHK)
054 Black Electronica──ブラック・エレクトロニカ
056 New Style Electro──ブレイク×エレクトロ×ミニマル・ハウス
058 Body Music Revival──増殖するボディ・ミュージック
060 Neo Trance──ネオ・トランス
062 Post Glitch──ポスト・グリッチ
064 Post Industrial Technoise──インダストリアル・テクノイズ
066 Dub Techno──変容していくダブ・テクノ
068 Post Romanian Minimal──ルーマニアン・ミニマル
070 Hard Minimal Not Dead──次世代ハード・ミニマル
072 Nordic Sound──北欧の現在
074 Deep House 1──欧州辺境におけるディープ・ハウス
076 Deep house 2──「ニューエイジ」と「バレアリック」
078 Deep House 3──メルボルンからディープ・ハウス
080 インタヴュー:ハーヴィー・サザーランド
084 Fusion House──フュージョン・ハウス
086 Raw House──ロウ・ハウス
088 Disco──ブギ・リヴァイヴァル以降
090 インタヴュー:フローティング・ポインツ
094 「レイヴの死」を越えて──ケアテイカーについて
105 インタヴュー:クラップ!クラップ!
113 日本の次世代プロデューサーたち(テクノ+ハウス編)
Gonno / Mori-Ra / Inoue Shirabe / Foodman / Shinichi Atobe /Jun Kamoda / Keita Sano / Yoshinori Hayashi / Sugai Ken / Iori /Katsunori Sawa / Wata Igarashi / Akiko Kiyama / So Inagawa / Ryo Murakami / Stereociti / Kouhei Matsunaga / Takuya Matsumoto / Takashi Himeoka / Cos/Mes / 外神田deepspace /Kuniyuki
114 インタヴュー:ゴンノ
134 インタヴュー:マーク・フラッシュ(UR)
142 DJアゲインスト共謀罪:行松陽介

142 現代アナキズム考──平井玄×森元斎×二木信

149 REGULARS
ブレイディみかこ / 水越真紀 / 戸川純

ele-king vol.20 - ele-king

 いま人類は「グーデンベルグ」ないしは「産業革命」以来のパラダイム・シフトを生きていると、ある識者がそう解説するような時代を生きている。シフトの主要素は金融化とイーターネットだが、ひと昔前なら民主的希望のごとく楽観されたデジタル情報社会の現在の姿──いわく「終わりなきエンターテイメント」、いわく「24時間体制の資本主義への貢ぎ」、いわく「無限に続くポルノ閲覧という究極の個人主義」、いわく「女嫌いの新男根主義(manosphereと呼ばれる)」、いわく『インターネットなんか大嫌い』(←昨年アメリカで話題の現代版ヴォネガットと評された小説)……こうした社会背景も、現在のヴァイナル・レコード回帰に少なからずリンクしているのではないかとぼくは思っている。
 そんなわけで紙エレキングの最新号「vol.20」は、総力特集「クラブ・ミュージック大カタログ」。ダンス・カルチャーは、奪われたものを取り戻そうとする。つまり、「外に出ること」「歩くこと」「待つこと」「踊ること(身体を動かすこと)」「汗かくこと」「ナンパすること」「失敗すること」そして「音楽にどっぷりハマること」──。

 そんなわけで、ele-king「vol.20」は、ダンス・ミュージック/エレクトロニック・ミュージックの大大特集です。
 ドラムンベース、ブラック・エレクトロニカ、フュージョン・ハウス、ニューロ・ホップに新世代ハード・ミニマル、ポスト・ルーマニアン・ハウス……などなど(下の目次を参照)、ここ数年のシーンをトピックごとに分けて解説。要チェックの50枚以上の“パワフルな”レコードを掲載しています。
 さらに、デジタルをしっかり使いながらインターナショナルな活躍が目覚ましい22人の日本人プロデューサーも彼らの主要作品を交えなが紹介(まあ、これを読めば、ダンス・カルチャーがグローバリズムへの新反動系保守とはほど遠いことがわかりまっせ)。
 インタヴューでは、注目のメルボルンからハーヴィー・サザーランド、ロンドンからフローティング・ポインツ、デトロイトからマーク・フラッシュ、イタリアからはクラップ!クラップ!、そして日本からはGONNO。パウウェル(ロンドン)とコーヘイ・マツナガ(日本)の対談もあります。
 これを読めば、ここ2〜3年の動向がわかる!

 また、フジロックのために来日するザ・xxが表紙&巻頭ロング・インタヴュー。彼らの記事と併せて、ニック・ドレイクからマッシヴ・アタックやベルアルにいたる、UKメランコリア・ポップの系譜を読み解くという小特集もある。

 ちなみにこの号の編集中のぼくのBGMはこれでした。
https://www.youtube.com/watch?v=7l1tbZxcX_Q
 
 ね、わかるでしょ。1964年にモータウンのマーサ&ザ・ヴァンデラスが歌ったように、「夏だ! ストリートで踊るには良い季節」なのです。発売は7月14日(金)です。

>Amazon

■目次

008 特集1:The XXとUKメランコリック・ポップの輝き
010 インタヴュー:ジェイミー(The XX)
014 インタヴュー:ロミー&オリヴァー(The XX)
018 ブリティッシュ・メランコリック・ミュージックの推移
020 憂鬱な田園──ウィリアム・ブレイクからニック・ドレイクへ
022 メランコリック(クラシック)ディスク 12枚
024 メランコリック(カレント)ディスク 12枚
026 ザ・XXを誰がどうリミックスしてきたのか

028 特集2:クラブ・ミュージック大カタログ──アンダーグラウンドの乱泥流を聴け!
文:飯島直樹、佐藤吉春、高橋勇人、デンシノオト、松原裕海、山崎真、小林拓音、三田格、野田努ほか

030 SUMMER OF NOTHING──この夏は「ラヴ」でもなければ「ジョイ」でもない?
036 Drum’n’Bass 1──〝ジャングル・ウォー〟がきっかけだった
038 Drum’n’Bass 2──ニューロ・ホップと荒野の景色
040 Drum’n’Bass 3──ジャマイカから切り離されたダンスホール
042 Grime 1──南ロンドン・ムーブメント
044 Grime 2──グライムのアウトサイダーたち
046 Afrobeat / Tribal──アフロビートの増大と応用
048 World Music──ワールド・ハイブリッド・サウンド
050 対談:パウウェル×コーヘイ・マツナガ(NHK)
054 Black Electronica──ブラック・エレクトロニカ
056 New Style Electro──ブレイク×エレクトロ×ミニマル・ハウス
058 Body Music Revival──増殖するボディ・ミュージック
060 Neo Trance──ネオ・トランス
062 Post Glitch──ポスト・グリッチ
064 Post Industrial Technoise──インダストリアル・テクノイズ
066 Dub Techno──変容していくダブ・テクノ
068 Post Romanian Minimal──ルーマニアン・ミニマル
070 Hard Minimal Not Dead──次世代ハード・ミニマル
072 Nordic Sound──北欧の現在
074 Deep House 1──欧州辺境におけるディープ・ハウス
076 Deep house 2──「ニューエイジ」と「バレアリック」
078 Deep House 3──メルボルンからディープ・ハウス
080 インタヴュー:ハーヴィー・サザーランド
084 Fusion House──フュージョン・ハウス
086 Raw House──ロウ・ハウス
088 Disco──ブギ・リヴァイヴァル以降
090 インタヴュー:フローティング・ポインツ
094 「レイヴの死」を越えて──ケアテイカーについて
105 インタヴュー:クラップ!クラップ!
113 日本の次世代プロデューサーたち(テクノ+ハウス編)
Gonno / Mori-Ra / Inoue Shirabe / Foodman / Shinichi Atobe /Jun Kamoda / Keita Sano / Yoshinori Hayashi / Sugai Ken / Iori /Katsunori Sawa / Wata Igarashi / Akiko Kiyama / So Inagawa / Ryo Murakami / Stereociti / Kouhei Matsunaga / Takuya Matsumoto / Takashi Himeoka / Cos/Mes / 外神田deepspace /Kuniyuki
114 インタヴュー:ゴンノ
134 インタヴュー:マーク・フラッシュ(UR)
142 DJアゲインスト共謀罪:行松陽介

142 現代アナキズム考──平井玄×森元斎×二木信

149 REGULARS
ブレイディみかこ / 水越真紀 / 戸川純

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