少年ナイフ Pop Tune Pヴァイン |
昨年、結成30年を迎えた少年ナイフの新作『ポップ・チューン』は、タイトルどおりのポップなアルバム。これだけではなにも言ってないか......。
どんなに浮き足立った時代にもどん底にも思える暗い時代にも、少年ナイフはいつも目の前にある現実を歌ってきた。それはいまも変わらない。おいしいもの、おかしいこと、つらいこと、ふしぎなことーーソングライターのなおこの体験や目にとまったものが、彼女独特のイマジネーションを加えて、それが少年ナイフのチューンになる。
かわいいものはただかわいいのではなく、つらいことはただつらいのではなく、おいしいものは......これだってただおいしいってだけじゃなくなる。「私たちの音楽で楽しんでほしい」と少年ナイフは言う。覚えやすいメロディとシンプルな言葉、むずかしいことなんてなにも言っていないのに、なおこの視線にはすごく醒めたところがあって、そのクールさが少年ナイフを少年ナイフたらしめ、そのロックンロールに巻き込んでゆく。
「ロマンは苦手」となおこは言う。以前のインタヴューで訊いた「命がどうしたってことにロックを感じない」という言葉は、大震災後のいまも変わらず少年ナイフの作品を支えている。へそ曲がりだけど偏屈でもシニカルでもない。そんなのは彼女たちにとっては平凡すぎて「ロックじゃない」んだろう。
新作を聴くたびにそうなるのだけど、今回もまた、少年ナイフ的「世界の見方」に笑って楽しんでドキッとして、それから(文字どおり)ハングリーでロックなーーなんというか、「暮らしの基本」のようなところに立ち返らせられてしまった。
では、インタヴューをお楽しみください!
実体験を歌にすることが多かったんですね。想像をふくらませて、想像の世界でおおきくして。ロマンじゃないんです。ロマンは苦手なので(笑)。現実主義なんで、そういう現実から少しふくらませていくんです。(りつこ)
■りつこさんとえみさんは今度のアルバムは少年ナイフとしては何作め?
りつこ:わたしは今回が3枚めです。加入してからアルバムとしては4作品めです。オリジナルとしては。
えみ:わたしはひとつ前の『大阪ラモーンズ』からですが、オリジナルとしては今回が初めてです。ライヴは一昨年からですね。4月でまる2年になりました。
なおこ:だけどもう昔からいる感じです。もう10年はいる感じ(笑)。
りつこ:わたしは何年めだったかな。数えてないんですけど......。
なおこ:5年め。
りつこ:ああ、5年めです。今回の『ポップ・チューン』では、少年ナイフというものがどういうものかということをはっきりと言えるようになったと思っていて、自分の自然体でやれました。やっぱり入ったばかりの頃は「少年ナイフ」という名前にかまえていたところもあったし、いろいろ慣れない部分もあったけど、やっとここにきて少年ナイフというものを楽しめるようになりました。もともとファンだったので、責任感というわけじゃないですけど、自分のせいで悪くなったらイヤだとか、そういうのもあるじゃないですか。そういうのからはじまって、いまになって、今回の作品はほんと、いいものができたと自負しております。
なおこ:ははは。
えみ:わたしももともと少年ナイフに憧れて、少年ナイフに入ったんで、背中に大きな看板背負ってるという気持ちはあったんですけど、でももっといいバンドにするという気持ちもあったし、今回のアルバムにはそういうのが出せたと思います。
■なおこさんから見ていまの少年ナイフはどうですか?
なおこ:もう最高にいい状態だと思います。最初のオリジナル・メンバーのときは原初的な狂気もはらんでいたかなとも思うし、そのあとに参加してくれたメンバーやサポートの人たちもそれぞれの持ち味があって、そのときは面白かったけど、いまのメンバーというのはすごく、りつこさんもさっき言ったけど、自然に合わせて、そうしたらそれがすごく相性のいい演奏になると言うか、そういうことが自然にできるメンバーなので、いまのメンバーはいまの少年ナイフとして最高じゃないかと思います。
■去年、たくさんのライヴをこのメンバーで回ったということですが、その時のことを聞かせてください。
なおこ:去年は日本でもたくさんやったし、北米とヨーロッパ・ツアーと2回大きなツアーをやりました。やっぱり1回大きなツアーに行くと、それでバンドのグルーヴができるというか、まとまりが出てくる。えみさんが入ってからも海外のツアーを4回、一昨年には中国や台湾にも行ったし、去年は1ヶ月以上のツアーを2回もできたんで、それがバンドにとってすごくよかったですね。
えみ:年間80本くらいはやってると思いますよ。
りつこ:国内でもそこそこやってて、海外には1回行けば30本くらいはやりますから。
■少年ナイフとしてはそんなにハードにやる年ばかりではなかったですよね。
なおこ:ははは。そうなんですよ。4月に大阪の難波ベアーズっていうライヴハウスで少年ナイフ結成30周年記念イヴェントをやって、1部がライヴ、2部がトークだったんですけど、そのトークショーのために昔の資料を調べて日記とかを見てたら、1年目は10数本、2年目3年目になったら年間24回ライヴやった、というときもあれば、年に4回しかしなかったこともあった。海外ツアーに関しても、1989年に初めてアメリカに行って1回だけライヴをやって、2回目は91年にアメリカの4都市で、同じ年にニルヴァーナの前座でイギリスに行った。そのあたりから急に増えたけど、98年から2002年はぜんぜん海外は行かなかったりして......。ものすごくたくさんやってる年とやってない年があるんだなあと......。ただ、えみちゃんが加入してからは一昨年も去年もアメリカ・ツアーやヨーロッパ・ツアーがあるから、ものすごく密度が濃いと思います。
りつこ:えみちゃんが加入して間もない頃に750回だったんですよ、たしか。ほら、高知で712回目だって言ってませんでしたっけ?
なおこ:そうだ。高知で。
りつこ:そこからでもずいぶんやってるから、もう800回になってるかもしれない。
えみ:ええ、わたしも200回はかるく超えてる気がします、あれよあれよという間に。
りつこ:ここ数年でめっちゃライヴ増えたね。
■ツアーの思い出と言えば?
なおこ:そうですねえ。やっぱり食べ物がおいしかった。スペインの食べ物がおいしかったなあとか。
えみ:よく食べて、私は前回のアメリカ・ツアーで5キロ太りました。
りつこ:ははは。今回は太らへんと言いながら途中で崩壊していくんですよ。
えみ:ピザ7切れ食べました。
りつこ:ちょっとえみちゃんやりすぎよ、って言って。
■ははは。やっぱりお腹すくんだ。
えみ:すきますねえ。
■体力いるわけで。
えみ:ええ、やっぱりいるんでしょうね。いるということにしておきましょう(笑)。
りつこ:ははは。そう言っときましょ。
なおこ:でも車ばっかりですから、歩かないんですけどね。
えみ:そうなんですよね。
なおこ:あと、おととし中国に初めて行ってすごく面白かった。
■中国のどこですか?
なおこ:北京と上海と、台湾の台北の3本で大きめのライヴハウスでやったんですけど、「わあ!」となりましたよ。しかもお客さんが若かったんです。北京は中国人でしたが、上海は白人のお客さんばっかりで、ここはどこなんだろうって感じでした。もちろん初めて行くし、お客さんがどんな感じかまったく分からなかったんですけど、ステージに上がった途端、びっくりした。しかもみんなナイフを待ってたっぽい感じだったし。ナイフは中国でCDのリリースはないのにどうやって手に入れるのかはわからないんですよ。
りつこ:ここがいちばん印象的、というのはないんですけど、どこの国に行ってもナイフを待っててくれるお客さんがいるというのがつねにありましたね。
■むかしと変わった印象はありますか? わたしは92年に初めてニューヨークで拝見したんですが、楽しそう、というか、すごく笑ってるお客さんが多かったですね。
なおこ:そうですか。いまもおんなじですね。お客さんけっこうにこにこして笑ってくれてる人が多い。それは日本でも外国でも。それでこっちも元気を与えられて。
[[SplitPage]]北京と上海と、台湾の台北の3本で大きめのライヴハウスでやったんですけど、「わあ!」となりましたよ。しかもお客さんが若かったんです。北京は中国人でしたが、上海は白人のお客さんばっかりで、ここはどこなんだろうって感じでした。(なおこ)
少年ナイフ Pop Tune Pヴァイン |
■30周年ということであらためて感じたことはありましたか?
なおこ:そうですねえ。いままでぜんぜんうしろを振り返ったりしなかったんですけど、かといって未来を考えてああしようどうしようということもなくて、とにかく目先のこと目先のことしか見てなくて、なんにも反省もしないし、なまけものなのか計画性もなくやってきたんで、だから30年っていう感覚はないんです。「いま」が積み重なるばっかりで。それで「いま」がつみ重なるとだんだん過去が消去されていく。上書き上書きになってる状態。
■いつも新鮮な気持ちで。
なおこ:ええ。そうしてます。
■今作はどんな作品ですか?
なおこ:今回のアルバムはポップな感じにしたいと思っていたんです。前のアルバムは『大阪ラモーンズ』でちょっとパンクで、その前の『フリータイム』というアルバムもパンキッシュな曲が多かったんで、今度はポップな感じにしたかった。なんでポップかというと、メンバーみんなポップな音楽が好きで、いちばん好きなジャンルとか音楽がポップだったんです。たとえばポール・マッカートニーみたいな世界とか。バンドによってはハードコアが好きな人のバンドの中心はハードコアになるように、少年ナイフの中心はポップだなあと思って、つぎは30周年やし、少年ナイフもはじまりはポップやと思うし。
■なおこさんはふだんの生活の中で少しずつ書きとめていると以前うかがいましたが。
なおこ:そうですね。ふだんからネタ帳に例えば単語だけ書きとめたりしてて、いざ曲を書こうという時に、それを歌詞にしつつ曲をつけていったりするんですが、まあ1ヶ月に1曲ずつでも地道に作っていけばあわてなくてすむけど、わたしはそうでなくてレコーディングのスタジオを予約した段階であわてて曲を書くんです。今回も3月からスタジオで、曲は1月に書きはじめました。
■そういう日常生活のなかで作られる少年ナイフの曲はかなり具体的なエピソードがもとになっているんですよね。今回はどんなエピソードがあったのか教えていただけますか?
なおこ:はい。1曲目は"ウェルカム・トゥ・ザ・ロック・クラブ"で、日本だとライヴハウスっていうけど、アメリカとかだとクラブ。この曲はライヴでお客さんに楽しんでほしいなあと思う曲で、どっちかというとアメリカのライヴ会場をイメージしてできた曲ですね。ツアーのことを思い出して......。
■日本のライヴハウスとなにが違うんですか?
なおこ:アメリカは地方の町にでも何軒かロック・クラブがあって、人があんまり住んでないようなところでも、夜な夜な人が集まってきて、横にレストランやバーが併設してあるから、そこでゆっくり飲みながら、ビリヤードの台が置いてあるのでそういうのもやりながら、で、時間になるとライヴがはじまるので今度はそこに見にいって、という具合に、そこで半日遊べるような施設が多くて、それがすごい楽しい。日本はわりと土地がせまいからバーとステージもひとつの部屋のなかに限られてるし、ライヴが終わったら「もう出て行ってください」みたいな感じだけど、アメリカだとライヴが終わっても好きなだけ飲んで飲んでという感じなんです。レストランもあるからお腹いっぱいになってからライヴを見たり。やっぱり土地があるから、あとよく飲む人が多いというのもあるのかも。
■でも車で来てるんですよね。
えみ:うん、そうですね(笑)。
なおこ:ああ、そうだね。そのへんがどうなってるのかは、わたしたちにはわからない。来てる人の年も幅広い。日本ってだいたい30代か40代かな。
■少年ナイフはわりと広いですよね。
りつこ:広いです。日本でも広いですけど、海外はもっと広い気がします。
なおこ:それこそ親子三代みたいなね。おばあちゃん、息子、孫って。
■それは楽しそうな場所ですね。そういう場所で『ポップ・チューン』とつながるんですね。
なおこ:ええ。音楽を楽しもうと。で、ちょっと最後のところに「政治家もいらないし、心配もいらない」って、ちょっとそういうのも入れといて。
■そこ、少年ナイフらしい言いかたですよね。最後の2曲にも、この1年のいろいろな日本の困難な事態や気分に対しての歌かなあと感じたんですが......。
なおこ:最後の曲を作ったのは2年くらい前なんです。
■あ、そうなんですか。
なおこ:ええ、だからほんとに関係ないんですけど(笑)。スポーツで金メダルをとろうって。
■ああ、金メダルってどういう意味だろうなあと思ってたんですけど、ストレートな意味なんですね(笑)。
なおこ:自分もテニスをするので、うまくなれたらいいなあと思って書いたんです。
■じゃあ最後から2曲目の"サンシャイン"は? わたしは寒そうな避難所の光景を思い出したりしたんですが。
なおこ:無意識のうちにそういう影響はあるかもしれないですけど、日本で大震災があったからどうのっていうようなことはとくにないです。聴く人がいろいろ感じてくれたら嬉しいなあと思いますけど。地震があったことに、少年ナイフとして曲をとおしてなにかしなければ、ということは考えないです。個人的に募金したりというのはありますけど。
■すごくあったかくて、でもクールでもあって、大きなできごとのなかでも日常生活から離れずにいるというようなところが少年ナイフらしいと感じたんです。
なおこ:やれることは、音楽を演奏して、それが誰かが楽しくなってくれたらうれしいなあと思って。
■この"サンシャイン"はりつこさんが歌ってるんですよね。
りつこ:たぶんわたしは、自分は雨女だと思ってて、なおこさんがあたし向けに曲を作ってくれたときに、そういう歌になったんだなあと思いました。だから歌ってるときはそういうことはなにも考えませんでした。ただ私はビートルズのような雰囲気の曲やなあと思って。このアルバムのなかであったかい色あいを出せたらいいなあと思って歌いました。
[[SplitPage]]日本で大震災があったからどうのっていうようなことはとくにないです。いろいろ感じてくれたら嬉しいなあと思いますけど。地震があったことに、少年ナイフとして曲をとおしてなにかしなければ、ということは考えないです。個人的に募金したりというのはありますけど。(なおこ)
少年ナイフ Pop Tune Pヴァイン |
■なるほど。ところでえみさんもヴォーカルを担当している曲がありますね。
えみ:ええ。"サイケデリック・ライフ"(笑)。
なおこ:あははは。
えみ:なんで笑うんですか(笑)。
なおこ:ははははは。歌詞はギャグで書いたもんで。えみさんは、サイケな服とかいつも着てはるから、ばっちりだよねと思って。ペパーミント・ティーも飲んでるし。
えみ:瞑想もするし。はははは。
りつこ:ボヘミアンチックな服で。
■ああ、ちょっと不思議な歌詞なんですけど、事実そのままということなんですね(笑)。話が最後の曲に飛んでしまったんで、"大阪ロックシティ"にもどりたいのですか......。
なおこ:これはロビン西さんが原作の『ソウル・フラワー・トレイン』という映画の主題歌を少年ナイフにやってほしいということで、面白そうだから作ったんです。舞台が大阪だからこういう歌に。自分ら通天閣とか大阪城とか好きだから、アメリカやヨーロッパでもリリースがあるし、外国の人にも大阪の魅力を知ってほしいと思って。
■わたしはつぎの曲が頭にこびりついてしまったんです。「食べ放題のレストラン」なんですが。
三人:(ざわめく)
なおこ:これは、去年、アメリカ・ツアーに行ったときに車で移動中に昼ご飯の時間になったので「ここが美味しいよ」と連れていってもらった店のことです。ゴールデン・コーラルという店なんですが、そこに行ったら、チョコレート・ファウンテンもあるし、ミートローフみたいな巨大なハンバーグもあったね。
りつこ・えみ:あったあった。
えみ:食べ過ぎました(笑)。
なおこ:日本ではいま食べ放題がたくさんあるけど、アメリカで食べ放題といったらラスベガスのバフェみたいなとこしかなくて、「こういう店もあるんだ」と感動してばくばく食べて。
えみ:おいしかったね。
なおこ:それで作った。食べ放題にいくときは、先にお皿を持って順番に取っていくよりも、まず全体を見渡してから選ぼうということを言いたかった。
■美味しいんですか?
なおこ:ええ、おいしいですよ。
■アメリカのレストランって......。
三人:あー(笑)。
なおこ:ヨーロッパは好きですよ(笑)。
■どこが好きですか?
りつこ:スペインが...。
なおこ:スペインのごはんは好きです。
えみ:ヨーロッパはどこ行ってもおいしいです。
なおこ:おいしくないことの方が少ない。でもわたしが行ってた最初のころのイギリスは、たとえばサンドイッチにマヨネーズがかかってなくて、パサパサのパンにハムが挟んであるだけで、イギリスに行くときはいつもマヨネーズを持っていってたくらいなのに、最近、ちゃんと味がつけてあって、日本のコンビニのサンドまではいかないけど、まあおいしいです。
りつこ:チーズとかバターとかパンはおいしいですよ。
■手をかけなければ...
なおこ:2、30年前のイギリスだと、スパゲティは柔らかく茹でてあって、缶詰のミートソースをかけたみたいのしかなかったのに、最近は日本のイタリアンで食べるようなものがパブで出てきたりとか、フィッシュ・アンド・チップスの店なんかも......。
■やっぱり食べ物の歌は重要ですね。そしてアルバムではさっきの"サイケデリック・ライフ"から"ミスターJ""ゴースト・トレイン"とちょっと不思議な曲へとつづいていくんですが。
なおこ:"ゴースト・トレイン"というのは、家の近所を電車が走ってて、最終電車が行ったあと、回送列車が車内灯をつけずに走ってくるんですね。先頭のライトだけついててあとは真っ暗なのでおばけの列車みたいなんです。それにインスパイアされました。"ミスターJ"は、地下鉄の駅のベンチにいつもおじいさんが座ってはって、携帯をいじったりしてるんです。ほんとにいっつもいるの。
■ああ、実在の人なんだ。一日中、そこに座っているんですか。(笑)全曲に渡ってありがとうございました。少年ナイフの曲って、こうやって種あかしを聞いても、それに影響されずに聴けるのでつい聞きたくなってしまうんです。
三人:ははははは。
■なおこさんがインスパイアされたというもとの体験がとても楽しいし、おもしろいんですよね。ささいなできごとなんだけど、それがこんな歌になるんだって。
りつこ:いっしょに体験していることが、歌になって出てくるときに、すごく感動します。
えみ:ほんとにそうですね。
りつこ:「あの時の歌」というのは聞いてないけど、そこにいた人間ならわかる。「ああ、チョコレート・ファウンテンおいしいゆうてはったなあ、おいしいおいしいって食べてはったなあ」って。そういうのが、聞かなくてもわかる。
■ああ、なるほど。だから、そこにいなかった人も、そこでの話を聞いてから歌を聞くともっと楽しくなるんですね。
なおこ:昔から、実体験を歌にすることが多かったんですね。想像をふくらませて、想像の世界でおおきくして。
■ロマンじゃないんですよね。
なおこ:ああ、ロマンじゃないんです。ロマンは苦手なので(笑)。現実主義なんで、そういう現実から少しふくらませていくんです。