「KING」と一致するもの

THE GIRL, TADZIOほか - ele-king

 DOMMUNEで「GOTH-TRAD特集」をやった翌日の晩、筆者はブルックリンのライヴハウスにいた......というのはもちろん嘘だが、沢井陽子さんが本サイトでレポートしているようなイヴェントにいた。2月14日、いわゆるヴァレンタインのチョコレートには縁のない筆者と小原泰広は、小雨の降るなか、3組のガールズ・バンドが出演する新代田の〈FEVER〉に向かった。「BATTLE AnD ROMANCE」という名前のイヴェントで、筆者のお目当てはタッツィオである。
 7時になると最初のバンド、THE EGLLE が登場。ヴォーカル&ギター、ベース、ドラマーの3人組のガールズ・バンドで、「グッド・イヴニング」という英語の挨拶からはじまった。音は初期のキュアやデルタ5といった感じで、気だるいミニマルなビートとぺらぺらのギターが暗いムードを誘い、(オーディエンスとコミュニケーションをはかるというのではなく)引きこもりを思わせるヴォーカルが際だっている。〈4AD〉リヴァイヴァルとも重なっている雰囲気もあって、興味深い演奏だった。

 この日の主宰者はきくりんと呼ばれていた21歳の青年で、長州ちから(28歳)という名前のパートナーと一緒にセット・チェンジの合間のDJとMCも担当していた。歌謡曲をかけたり、ヒップホップをかけたり、ハードコアをかけたり、意味がわからなかったが、とにかく陽気で、バカみたいにご機嫌な連中だった。ちょっとオタクっぽくも見えたが、絶えずツイッターをやっているようなタイプではなかったし、どこか20年前の小林を彷彿させた。「BATTLE AnD ROMANCE」の主題は? と訊いたところ「クロスオーヴァーであります」と21歳は語気を強めていたが、それは多くの自由時間をPCの前で過ごしているSNS世代への反発とも受け取れなくもない。

TADZIO

 7時半を過ぎて、ステージにはタッツィオのふたりが登場する。いきなりラウドなノイズ・ギター、そのすぐ横ではドラマーがしっかりとリズムをキープしている。ルックス、そして演奏にもポップとノイズが衝突しているが、実に感覚的なこのバンドが素晴らしいのは、言葉に酔うことを拒むかのような衝動、その威力、その勇気にある。「ブス」「こんにちわ」......闇雲にわめき散らしている彼女たちを観ていると、微笑みがこみ上げてくる。説明よりもノイズが先走る。言葉を口から出す前の、そのうまく言えないもどかしさを音は突き抜けていく。そう、いい感じです。新曲の"3939"は素晴らしいドライヴ感を持った曲で、演奏は後半のほうが良かった。何度もライヴを観ている人に訊いたら、その日の出来は60%ぐらいだったとか。

TADZIO

THE GIRL

 8時を過ぎると日暮愛葉率いるTHE GIRLが出てくる。THE EGLLE と同様に3人組のガールズ・バンドで、ヴェルヴェッツの"フー・ラヴズ・ザ・サン"をBGMに演奏ははじまった。そしてTHE GIRLは......ロックンロールのジェットコースター、ドラムとベースが創出するグルーヴは素晴らしいうねりとなって、オーディエンスをすっかり魅了する。彼女たちの演奏は否応なしに身体を揺らすもので、気持ちをどんどん上げていく。
 THE GIRLを訊いていると筆者は13歳のときにラジオで大貫憲章さんが紹介した"シーナ・イズ・パンク・ロッカー"すなわちロックンロールというものを初めて聴いた夜の気持ちを思い出すことができる。音楽を聴いて、生きていることにわくわくしてくる。それはいつまでも変わることのないファンタジーであり、ロマンスであり、永遠なのだ。

 これだけの圧倒的なステージのあとに出演するバンドは、ちょっと気の毒だった。杏窪彌(アンミン)は台湾人の女性ヴォーカルをフィーチャーしたバンドで、相対性理論を思わせた。MCは中国語と日本語だった。トリを飾ったバンドは、男ふたり組のGAGAKIRISEで、ライトニング・ヴォルトを思わせた。それぞれ個性的なパフォーマンスだったし、GAGAKIRISEは迫力満点の演奏によって、今後おそらくもっともっと知名度を上げていくだろう。
 しかしこの晩に限って言えば、誰が何と言おうとチャンピオンはTHE GIRLだ。久しぶりにロックンロールで踊り、筆者は彼女たちのロックンロールにプラトニックな恋に落ちたのである。

THE GIRL

Chart by STRADA RECORDS 2012.02.14 - ele-king

Shop Chart


1

ROCCO & C.ROBERT WALKER

ROCCO & C.ROBERT WALKER I LOVE THE NIGHT-LOUIE VEGA REMIXES FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
スマッシュ・ヒットしたディープで大人っぽいこの男性ヴォーカル・ハウスにナントLOUIE VEGAによるリミックスが登場!

2

FUDGE FINGAS

FUDGE FINGAS MASS X REMIXES FIRECRACKER(UK) »COMMENT GET MUSIC
Prime NumbersからもリリースしていたFudge FingasがFirecracker Recordingsからまたまた限定盤をドロップ!しかもVakulaとJuju & Jordashが片面ずつリミックスを手掛けた豪華な内容!メロディアスなヴァイブやスペイシーなシンセが絡み合う洗練されたディープ・ハウスのVakulaサイド、やはり遅めなBPMでダビーに展開してきたJuju & Jordashサイド共にさすがの出来!オーダー数がショートしての入荷なのでお見逃しなく!

3

A SAGITTARIUN

A SAGITTARIUN CARINA EP ELASTIC DREAMS(UK) »COMMENT GET MUSIC
第1弾の前作もクオリティーが高かったこのレーベルからの第2弾!ファンキーなブレイクビーツ・ハウス的なビートで始まり、デトロイト・テクノ風なディープなシンセが加わるA1が鳥肌モノのカッコ良さ!ディープ&スペイシーなテック・ハウスのA2もグッド!

4

5 KING'S

5 KING'S GIRL YOU NEED A CHANGE OF MIND AMOUR(FR) »COMMENT GET MUSIC
Marvin Gayeのハウス・リミックスが大ヒットした第1弾も記憶に新しいこのレーベルからの第2弾が入荷!Eddie Kendricksによる名クラシック「Girl You Need A Change Of Mind」を筆頭に、ナントKenny Dixon Jr. のレア曲「Lt 1」やJames Brownネタのエディットまで収録!

5

DISTANT PEOPLE

DISTANT PEOPLE UNCONDITIONAL LOVE(feat.NICKSON) SEASONS LIMITED(FR) »COMMENT GET MUSIC
Sole ChannelやLargeといったレーベルから数多くの作品をリリースしているUKのクリエイターJoey SilveroによるプロジェクトDistant Peopleが男性ヴォーカルものをリリース!グルーヴィーなオリジナル・ミックス、A2のディープめのリミックスあたりがオススメ!

6

TENDERNESS

TENDERNESS GOTTA KEEP ON TRYING-DJ HARVEY EDIT RCA (US) »COMMENT GET MUSIC
オリジナルはレアなこの曲が、オリジナル・ヴァージョンに加えナントIdjut BoysのレーベルNoid RecordingsからリリースされていたDJ Harveyによるリエディットも収録してのミラクル復刻!ソウルフルでパワフルな極上女性ヴォーカルものです!オリジナルの中古もですがHarveyのエディットの方も相当レアだっただけにこれはビックリです!

7

OOFT!

OOFT! MEMORIES FOTO(UK) »COMMENT GET MUSIC
Instruments Of Rapture等からもリリースしているUKはグラスゴーの2人組OOFT!が自身のレーベルから登場!まったりウォーミーなビートダウン・ハウスと、硬質でカッコいいテック・ハウスをカップリング!

8

MAM

MAM MODERN HEAT EP FINA(UK) »COMMENT GET MUSIC
20:20 Vision傘下の注目レーベルFina Recordsからの注目盤!Wolf + Lamb主宰のW+L Blackレーベルからの「Mam Edits」が当店でも売れたMamによる、80'sダンス・クラシックスをネタに使用したグルーヴィーで上質なブギー・トラックス!

9

CHUBBY DUBZ

CHUBBY DUBZ DIRECT EXPERIENCE LOUNGIN (UK) »COMMENT GET MUSIC
Moodymannネタの「DOIN' YA THANG」で大注目されたOliver $絡みのユニット!ディープ&スペイシーなB1、ウッド・ベースがジャジー且つ濃厚な雰囲気を演出しているB2が◎!

10

BUCIE

BUCIE GET OVER IT FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Black Coffeeの大ヒット曲「Superman」でヴォーカルを務めていたBucieのソロ作が人気レーベルFolliageから登場!リミキサーにはEzelが参加しており、メロディアスで洗練されたトラックにあの可憐な歌声が乗った極上な仕上がりとなっています!

SND, NHK JAPAN TOUR 2012 - ele-king

 エレクトロニック・ミュージックのさまざまな局面で、IDM/アブストラクトの波がふたたび訪れている今日、1990年代末に高校生で〈ミル・プラトー〉からデビューしたコーヘイ・マツナガ......自らをNHKyxと名乗るこの青年こそ、UKの〈スカム〉、ベルリンの〈ラスターノートン〉などから素っ頓狂な作品を発表し、つい先日は英『ワイアー』誌にも記事が掲載され(その翻訳は次号の紙エレキングに掲載されます)、そして〈ラフトレード〉の新しいコンピに参加したり、センセーショナル(元ジャンブラ、ラッパー界におけるリー・ペリー)との共演を出したり、故コンラッド・シュニッツラーと共作したり......と、つい先頃はSNDとの共作を〈PAN〉から発表したりとか、大阪とベルリンを往復しながら作家活動をしている、いまもっとも勢いのあるエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーです!
 コーヘイ・マツナガが3月初旬、シェフィールドのミニマル/IDMの大御所、SND(名作『Stdio』などで知られる)といっしょに日本ツアーをやります! コーヘイは......いまもっともユニークなIDMの作家であり、自由奔放な活動を展開する、ミステリアスな青年です。
 ツアーは3月2日の名古屋から出発。大阪ではアルツのレーベルから素晴らしいアルバムを出したaSymMedley、東京公演には〈ラスターノートン〉のレーベル・メイトでもあるAOKI Takamasaも出演する。

SND, NHK JAPAN TOUR 2012

■名古屋
3月2日 @ Club Mago
Open-22:00/End-05:00
ADV-2500 / Door3000
Live:SND、Mark Fell、 NHK、Araki
Dj:Tomoho (IWY)、Vokoi (ARch)
VJ:Vokoi
https://arch-project.com
https://i-want-you.jp

■福岡
3月3日 @ Blackout
Open-21:00 (50人限定)
Live:SND、Mark Fell、NHK、Kouhei Matsunaga、sho nakao
https://popmuzik.jp

■広島
3月5日 @ Club Quattro
Open-18:00/Start-19:00
ADV-2500 / Door3000
Live:SND、NHK、Stabilo (speaker gain teardrop)、Skip club orchestra、Hideride (pausemo)
DJ:AVOAVOA (aka kenji yamanaka)

■京都
3月7日 @ Club Metro
Open-19:00/ End-25:00
ADV/Door-TBA
Live:SND、NHK、SPsysEx
Dj:Tsukasa、Tatsuya
https://www.metro.ne.jp

■大阪
3月9日 @ Nuooh
Open-19:00 End-25:00
DOOR/3000
Live:Mark Fell、Kouhei Matsunaga
SOUND ACT:aSymMedley (ALTZMUSICA/Childisc/REPHLEX)、 NUEARZ (Skam Records)、Yuki Aoe (-:concep:-)、hypotic inc
VISUAL ACT: Ken Furudate (ekran/The SINE WAVE ORCHESTRA)、Kezzardrix (Bias Records)、Kazuhisa Kishimoto、イケグチ タカヨシ (haconiwa)
https://officials.tank.jp/concep

■東京
3月10日 @ WWW
Open-23:00
ADV-3000/Door-4000
Live:SND、NHK、Aoki takamasa + More more
https://bridge.tokyomax.jp/

3月11日 @ Soup
OPEN/START ???
Door-2500
(Reservation Required. Send your details to: ochiaisoup@gmail.com)
Live:Mark Fell、Kouhei Matsunaga、Miclodiet、Jemapur、Vegpher (Keiichi Sugimoto)
DJ:Nobuki nishiyama
www.sludge-tapes.com

■SND

SND

SNDはUK シェフィールド出身のMARK FELLと MAT STEELによるデュオ。 1998年に結成。"click&cuts現象"とまで呼ばれたシーンの中心となるアーティスト。 Mille Plateauxからアルバムを3枚, raster-notonからの2009年4thアルバムをリリース。 プログラマーでもある彼らの音楽は、ミクロに練り込まれたグリッチ音をミニマルかつ緻密に構成しながらも、常に躍動感を保持し続ける独自のミニマル・エクスペリメンタル・サウンドを展開している。
無機質でいて脈打つ自然のような、計算されている一方でバグと戯れるような、不思議なグルーヴ感とリズム、そして絶妙の間。今回、2008年以来4年ぶりの日本でのLIVEとなる。
www.makesnd.com

■Mark Fell
近年 "Edition Mego""raster-noton"から立て続けにアルバムをリリースし注目を集めているMark Fell。2008年にはバルセロナで開催されている世界最大級の音楽フェス"Sonar"へも出演。実験性と複雑さとシンプルが共存し、ユーモラスかつエンターテイメント性を持たせた絶妙なバランス感覚の上に成り立ったその音楽は、美しくマイクロスコピックなミニマルサウンドで空間性、歪なリズム、時間感覚を表現している。
また、アーティストエンジニアとして巨匠と呼ばれる人達の作品を影で支えている人物でもある。意外にもソロでの演奏は日本初披露となる。
www.markfell.com

■NHK
2006年, マツナガ・コウヘイとムネヒロ・トシオにより大阪で結成。 
2008年、ドイツraster-notonからデビュー作"Unununium"を発表の後、国際的に作品発表を続け、ヨーロッパを中心に活動している電子音楽ユニット。即興性の高いリズムアプローチにより型に嵌らない歪なダブ・テクノビートを展開している。
www.nhkweb.info

■Kouhei Matsunaga

Kouhei Matsunaga

フランクフルトの音響派レーベル Mille Plateauxから1998年に1st を発表後、ヨーロッパ・アメリカを中心とした前衛的なシーンにおいてジャンルの枠を超えた音楽活動を続ける中、Conrad Schnitzler, Merzbow, Sensational, AutechreのSean Booth, Mika Vainio, Anti Pop Consortium等をはじめとするアーティスト達とのコラボレーションを行なう傍ら近年はNHK名義でダブ・テクノ・ブレイクビーツを展開している。
www.koyxen.blogspot.com

Chart by JET SET 2012.02.06 - ele-king

Shop Chart


1

KEN ISHII PRESENTS METROPOLITAN HARMONIC FORMULAS

KEN ISHII PRESENTS METROPOLITAN HARMONIC FORMULAS MUSIC FOR DAYDREAMS »COMMENT GET MUSIC
Mr Fingersのハウス史に名を残す名曲"Can You Feel It"や、Alex From Tokyo率いる、Tokyo Black Starとのコラボ楽曲など名実共に十分の1枚です。

2

IFAN DAFYDD

IFAN DAFYDD TREEHOUSE / TO ME »COMMENT GET MUSIC
あのJames Blakeの覆面プロジェクトとも噂されたAmy WinehouseとUsherのホワイト・リミキシーズが爆裂ヒットしたウェールズの美麗UKベース超新星が遂に待望の正規デビューです!!

3

JAMES MASON

JAMES MASON NIGHTGRUV / I WANT YOUR LOVE »COMMENT GET MUSIC
James Mason傑作にして唯一のアルバム『Rhythm Of Life』から約20年後にリリースされたUK"Mighty Fine Records"に遺される貴重作。未発エクステンド・エディットを追加収録、ポートレートが描かれたオリジナル・ジャケット仕様にて待望の復刻です!!

4

MACHINE DRUM

MACHINE DRUM SXLND EP »COMMENT GET MUSIC
同名門LuckyMeからの限定ホワイト・リミキシーズ・プロモ12"や、ジュークを消化したPlanet Muからの傑作アルバム『Room(s)』もヒットを記録した絶好調男Machinedrumの新作が登場!!

5

ANGO

ANGO ANOTHER CITY NOW EP »COMMENT GET MUSIC
ご存じHudson MohawkeやTOKiMONSTAら時代を代表する才能を続々と輩出してきた『Red Bull Music Academy』出身の要注目新鋭が絶好調LuckyMeから遂にデビューです!!

6

COS/MES / RONNY & RENZO

COS/MES / RONNY & RENZO NARUTO (RONNY & RENZO TAKOTSUBO TAKE TEN) / TABOO »COMMENT GET MUSIC
ベルギーのカルト・レーベル"King Kung Foo"から既に大きな話題となっている10"+7"仕様のスペシャル・パッケージが世界限定100枚でリリース。10"へはCOS/MES「Naruto」のRonny & Renzoによるニュー・リミックスを、そして7"へは新録「Taboo」を収録。

7

TERRENCE PARKER

TERRENCE PARKER LOST TREASURES VOL.2 : LOVE'S GOT ME HIGH »COMMENT GET MUSIC
デトロイトハウス御大Terrence Parkerによる'95年名作「Love's Got Me High」のリミックス10"シリーズ、大好評頂いた第一弾の続編Vol.2がリリースされました。

8

K. ALEXI SHELBY

K. ALEXI SHELBY FINEST CUTS LEGENDS »COMMENT GET MUSIC
Marvin Gayeクラシック・エディッツ第一弾がロングラン・ヒットとなったフランスの新興レーベル"Amour Records"発、Mr. K Alexiによるリエディット・シリーズ待望の第二弾が到着。

9

MARVIN BELTON

MARVIN BELTON FIND A WAY »COMMENT GET MUSIC
Scott Fergusonが指揮する"Ferrispark"からのEPリリースやTheo Parrish率いるThe Rotating Assembly、さらにはJoy Of Sound Productionsでの活躍でお馴染みのヴォーカリスト、Marvin Beltonによる待望の"Mahogani Music"ソロ・デビュー作が登場。

10

UNION

UNION ANALOGTRONICS »COMMENT GET MUSIC
Talib Kweli&Sly Johnsonを迎えた"Time Leak"で既にクオリティの高さは実証済であるUnionが、これまたもの凄い客演陣を迎えた一発をリリース! ※ダブル・クリアバイナル、ダウンロード・コード付。

Hostess Club Weekender - ele-king

 〈ホステス〉といえば、〈ドミノ〉〈XL〉〈4AD〉、あるいは〈マタドール〉や〈カーパーク〉、あるいは〈アクシデンタル〉......といった欧米の人気インディ・レーベルの作品を日本に紹介している会社で、インディ・ミュージックのリスナーなら1年のうちに何枚かは〈ホステス〉のCDを手にしているはず(昨年でいえば、ボン・イヴェール、レディオヘッド、アークティック・モンキーズ、あるいはSbtrkt、ゾンビー、ハーバート、タイラー・ザ・クリエイター......キリがない......)。その〈ホステス〉が自ら主催するイヴェントが「Hostess Club Weekender」です。ele-kingとは1990年代から長い付き合いの、実はクラブ系出身の会社なのでこんな名前にしているかな。
 その第一回目がもうすぐ開催される。ロンドンのザ・ホラーズ、マンチェスターのウー・ライフ、カナダのオーウェン・パレット、ベテランのスピリチュアライズド、そして今日のUSインディを代表するアトラス・サウンド、チルウェイヴ代表のトロ・イ・モア、そし目下ele-kingが注目している新人、ユース・ラグーンやパフューム・ジニアスなど豪華なメンツ。私たちも行くつもりです。チケット残りわずからしいっすよ。


■Hostess Club Weekender

日時: 2012/2/18(土) & 19(日) 
OPEN 13:00/START 14:00
会場: 恵比寿ガーデンホール
出演:
2/18 - THE HORRORS / OWEN PALLETT / WU LYF / ZULU WINTER / YOUTH LAGOON
2/19 - SPIRITUALIZED / ATLAS SOUND / TORO Y MOI / ANNA CALVI / PERFUME GENIUS

前売り券
1日券: 各日 7,900yen(税込/1ドリンク別)
  → チケットボード、各プレイガイドにて絶賛販売中!
2日通し券 ※完売: 13,900yen(税込/各日1ドリンク別)
  → 1月21日(土)の朝10時から、チケットボードにて100枚限定追加発売決定!
公式サイト: www.ynos.tv/hostessclub

interview with Zola Jesus - ele-king


Zola Jesus
Conatus

Pヴァイン

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 エミール・ゾラは19世紀末のパリを生きた作家で、日本でも『居酒屋』や『ナナ』といった小説で広く知られる。下層階級出身の美しい娼婦ナナがブルジョワ階級を破滅してきたさまを描いた『ナナ』という物語に、ゾラ・ジーザスがどのような共感を抱いているのかまでは話してもらえなかったが、噂に聞こえる彼女の博学、そして理知的な側面はかいま見れたかもしれない。彼女の場合は一風変わった生い立ち、そして飛び級で進学したほどの才女ぶりが、黒く濃いアイラインの音楽よりも語られがちで、作品よりも存在のほうが目立ってしまっている。
 それでもゾラ・ジーザスは、2010年のセカンド・アルバム『ストリドラム ll(Stridulum ll)』とLAヴァインパイアとの共作「LA Vampires & Zola Jesus」が欧米ではすこぶる評判となって、まあ、彼女の望まないトレンドかもしれないが、スージー&ザ・バンシーズからリディア・ランチ、そしてコクトー・ツインズといった暗黒世界の女の系譜、つまり最近で言えばコールド・ケイヴやグライムスに代表される"ダークウェイヴ"の盛り上がりのなかで、それはさらにまた広まった。昨年リリースされた3枚目のアルバム『コナトゥス』は、Discogsを見ても多くの人の2011年のベスト・アルバムのリストに挙げている。
 『コナトゥス』をウィッチ・ハウスのカテゴリーに入れたくなる人もいるかもしれない。恐怖を誘発するかわりに、アルバムにはダンス・ミュージックが多分に含まれている。彼女の鍛えられた声は音程を滑らかに駆け上がり、そして感情的なうねりを走らせる。切なさは際だち、力のこもったバラードは夜にとけ込む。残念ながら「なぜ"ヒキコモリ"という曲を作り、歌ったのか」については答えてくれなかったけれど、22歳の売れっ子は、なかなか面白い話をしてくれた。

音楽は社会に対して神経質な、傷つきやすいような人の観点から作られていると思うの。みんな苦しんでる。経済的にも、社会的にも、感情的にも。人の大きな流れのたったひとりという現実、違う方向に自分を推し進めようとしている大きな「社会」という力に、どう対抗していいのか悩んでる。

100エーカー以上の森のなかで育っていうのは本当なんですか? 1990年代のアメリカだというのにTVもインターネットもない場所で暮らしていたというのがまず興味深い話ですよね。

ゾラ:田舎で育ったことで、自分の想像力や、実際興味を持ったものに対して、より時間をかけて追求することができたと思っている。

ソローの『森の生活』のような感じですか?

ゾラ:(笑)。そこまでじゃないわ。もう少しモダンで文明化していたよ。

7歳でオペラ・トレーニングをはじめたといいますが、どういう経緯であなたがオペラを歌うことになったんですか?

ゾラ:どういう経緯かははっきり覚えてないの。でも歌うことが大好きで、オペラというものはその欲求をいちばん自然に、そして率直に満たしてくれるようなものだと感じたんだと思う。

しかし、そんなあなたはどうやってニューヨークの〈Sacred Bones Records〉から作品を出すことになるのでしょうか? あなた自身はどうやってポップ・ミュージックやインディ・ミュージックのシーンと出会うのですか? 

ゾラ:音楽はずっと好きだったわ。作るのも、聴くのも。新しい音を探すのも大好きだったし、つねに好奇心旺盛だったと思う。自分の音楽を発表するようになってから〈Sacred Bones Records〉が私を見つけてくれた感じだったわ。

あなたが自分で音楽制作に向かう際に、あなたを勇気づけた音楽があったら教えてください。たとえばスージー&ザ・バンシーズとかコクトー・ツインズは聴きましたか?

ゾラ:他の音楽からインスピレーションを得ることはないわ。すごく制限されている感じがするの。自分は心のなかから湧き出るものをベースに音楽を作っている。他のアーティストにインスピレーションを求めると、自分独自の声を妥協している気がするの。

エミール・ゾラのどんなところが好きなんですか? 

ゾラ:リアルに対しての彼の熱心なところ。とても素直な人で、世界をありのままの姿で見つめるのを怖がらなかった人ね。

やはり作品的には好きなのは『ナナ』でしょうか? だとしたらあの物語のどんなところに惹かれますか?

ゾラ:彼の本でいちばん最初に読んだものね!

ほかに文学作品であなたに大きな影響を与えたものは何でしょうか?

ゾラ:フィリップ・K・ディック、ジョルジュ・バタイユ、太宰治、アンナ・カヴァン。

名前になぜジーザスを名乗ったのでしょうか? 神聖なモノへの冒涜のような趣も含まれているのでしょうか?

ゾラ:たんに名前の響きを気に入ったの。ジーザスという言葉に新たな角度を持たせられるかな、と。みんなジーザスという名に恐怖心を持ちすぎていて、もっと気軽に使える名にしたかったという意味もあるかな。

最初のアルバム『The Spoils』はどのように作られたのですか? 

ゾラ:自分のベッドで、安い、低質な機材を使って、たくさんの好奇心を合わせて4トラックで作ったわ。

あなたをゴシックというタームで形容する人がいますが、あなた自身としてはそれを受け入れられますか? 

ゾラ:この言葉は何かやすっぽいと思う。自分はその言葉は建築を指すこと以外使わないわ。

実際、あなたの初期の作品の主題には厭世的な暗闇の世界、"Devil Take You"のような、ある種の暗黒世界のようなものを感じるのですが、いかがでしょうか? あなたのゴシック趣味はどこから来ているのでしょうか?

ゾラ:個人的に人生のなかでも辛い時期で、『The Spoils』を一種のカタルシス(浄化)として利用した部分があるの。いろんなことを乗り越えるために役立ったわ。

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ダブステップはまぁまぁ。正直あまり聴いてきてないかな。でもエレクトロニック・ミュージックは大好き。IDMやブレイクコアやミニマル・テクノはね。初期のクラッシックなエレクトロニック・ミュージックも。


Zola Jesus
Conatus

Pヴァイン

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デカダンスに惹かれますか?

ゾラ:チョコレートであれば......。

LAヴァンパイアズのアマンダといっしょにコラボレーションしていますが、それはどういう経緯で生まれたプロジェクトだったんですか?

ゾラ:良き友人で、いつか一緒に何かやりたいよねって話してたの!

〈ノット・ノット・ファン〉やアマンダがやっていることのどういうところに共感を持てますか?

ゾラ:〈ノット・ノット・ファン〉には憧れるし、尊敬している。大好きよ。

『コナトゥス(Conatus)』は、初期のローファイなサウンドからだいぶ変化したように思います。シンセサイザーとループ、そしてパーカッションが前面に出ていますね。時おり挿入されるストリングスも効果的ですよね。今回の音楽的な方向性はどのようにして決まったのでしょうか?

ゾラ:ソングライター、ミュージシャン、プロデューサーとしても成長してきたと思うし、新たに自分が何できるかを常に挑戦している感じだから、自分にとっては自然な進化だったと思う。

メンバーもみんな若いと聞きましたが、どうして集まったのですか?

ゾラ:ストリングスとは一緒にやりたいと思っていたから、アルバムの共同プロデューサーが良いヴァイオリンとチェロ奏者を見つけてくれたの。

ダブステップからの影響はありますか? ジェームズ・ブレイクとか、ブリアルとか? たとえば"Vessel"みたいな曲はビートが強調されてますよね。

ゾラ:ダブステップはまぁまぁ。正直あまり聴いてきてないかな。でもエレクトロニック・ミュージックは大好き。IDMやブレイクコアやミニマル・テクノはね。初期のクラッシックなエレクトロニック・ミュージックも。

"Ixode"や"Seekir"は4/4ビートのダンス・ミュージックですよね。とくに"Seekir"はアップリフティングな曲ですが、あなたはクラブ・カルチャーに関してどのように考えているのでしょうか?

ゾラ:クラブ・カルチャーは好きじゃないわ。でもダンス・ミュージックは好き。全身で感じれるところがとくにね。独特の高揚感があるのもね。

"In Your Nature"はドラマティックな曲ですが、何を主題にしているんですか?

ゾラ:何をやったとしても、自分自身の核、本当の自分は変えられない、ということかな。

"Skin"はバラードというか、ピアノの伴奏とあなたの歌によるとても美しい曲のひとつですね。同じようにこの曲の主題についてお願いします。

ゾラ:"Skin"は疎外感とかについて。このアルバムを作っているときに、ロサンゼルスでの生活に慣れようとしていて、密度の濃い街で孤独感や疎外感をよく感じていたからね。

"Collapse"もタイトルからして気になるのですが、何が"崩壊"していると感じているんですか?

ゾラ:んー、はっきりわからないけど......ギヴ・アップするか、このまま行くか、がかな。

『Conatus』というタイトルは何を意味しているのでしょうか? どうしてこの言葉をタイトルにしたのですか?

ゾラ:自分がすごく頑張って働いてたし、まじめにより良いものを作ろう、前進しようとしていたから、"Conatus(意欲/自存性)"という言葉はまさにそれを表現してくれていたと思ったから、付けたの。

あなたの音楽は社会の動きとどのように関係がありますか? それとも社会や政治とはまったく無関係でいたいというものでしょうか?

ゾラ:音楽は社会に対して神経質な、傷つきやすいような人の観点から作られていると思うの。みんな苦しんでる。経済的にも、社会的にも、感情的にも。人の大きな流れのたったひとりという現実、違う方向に自分を推し進めようとしている大きな「社会」という力に、どう対抗していいのか悩んでる。

あなたの音楽から聴こえる悲しみにはそうした背景があるのですね。

ゾラ:でも根底ではみんな一緒なの。私はひとりの人間だし、あなたもひとりの人間。ひとりの人間としてあることをどう受け入れるかに加えて、社会という大きなものの小さないち部であることもどう考えればいいのか。でも、ただ生きてるだけで多くの責任があって、それが精神的に我々にどういう影響を与えているにもっと目を向けるべきなんじゃないかな、とも思うわ。

なるほど。いま誰かの曲をカヴァーするとしたら、何を歌いたいですか?

ゾラ:言えないわ、実はもうそれに向けていま頑張ってるから!

最後にあなたから見た日本ってどういう風に見えますか?

ゾラ:日本は大、大大好き! 早く行ける日を楽しみにしているわ。長年の夢なの。

Chart by Underground Gallery 2012.02.02 - ele-king

Shop Chart


1

MADTEO

MADTEO Bugler Gold Pt. 1 (Hinge Finger / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
UG推薦盤!JOY ORBISONが新レーベルをスタート!第一弾を飾るのは、[Workshop]や[Morphine]からのリリースで知られるブルックリンの奇才MADTEO!話題の作品が遂に入荷しました。 JAMES BLAKEに次ぐ才能?として、本国UKはもちろん、ヨーロッパ全土で大きな話題を集めているダブステップ/ベース・ミュージック、注目の若手JOY ORBISONが遂に自身のレーベルをスタート!その記念すべき一作目となる本作は、[Workshop]や[Morphine]など、コアなテクノ/ハウス・ファンから支持を集めているカルト・レーベルからリリースしてきたN.Yはブルックリンの奇才MADTEOの新作12インチ。

2

CUT COPY

CUT COPY Sun God (Modular / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
A Must Have! ANDREW WEATHERALLリミックス! ロック~エレクトロ~コズミック~ダブ、全ての要素を取り込んだ バレアリック・ダブ・ディスコ! 個人的にもリリース・インフォが届いて以来、リリースを待ち望んでいた1枚が遂に入荷しました!2011年のグラミー賞候補にもノミネートされた、CUT COPYの最新アルバム「Zonoscope」からの12インチ・カットとなる今作ですが、注目はなんと言っても 番長、ANDREW WEATHERALLによるリミックス! ロック~エレクトロ~コズミック~ダブなど、様々な要素が入り組んだバレアリック・ダブ・サウンドは、文字通り「圧巻」の一言に尽きます・・。既に多くの著名DJ陣もピックアップしているようですが、当然と言えば当然の内容です!ディスコ~エレクトロ~バレアリック・ファンの方は絶対にお見逃しなく。

3

COS/MES / RONNY & RENZO

COS/MES / RONNY & RENZO Naruto Ronny & Renzo Takotsubo Take Ten / Taboo (King Kungfoo / 10inch+7inch) »COMMENT GET MUSIC
COS/MESの大ヒット作「Naruto」の RONNY & RENZOによる新リミックス + RONNY & RENZOによる新曲「Taboo」を収録した、超限定10インチ + 7インチ。 MUNGOLIAN JETSET、QUIET VILLAGEらのリリースで知られるカルトレーベル[King Kung Foo]新作は、同レーベルからリリースされた COS/MESのヒット作「Naruto」を、RONNY & RENZOがサイケ・アンビエンス・トラックへとリミックスした強烈盤! さらに7インチには RONNY & RENZOによる未発表作品「Taboo」を収録。10インチ + 7インチのダブル・クリアー・ヴァイナル、手書きナンバリングのスペシャル仕様にて、世界限定100枚プレスでのリリースです。値段はかなり高いですが、将来的にプレミアムが付くことは間違い無いと思われます。入荷枚数が少ないので、早い者勝ちですよ!

4

V.A.

V.A. Derive Vol.3 (Derive / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
UG推薦盤![Smallville]ファンへ!CHRISTOPHER RAUが主催するハンブルグのレーベルDerive第三弾。やっぱこのレーベルは凄くいい! ハンブルグのディープ・テック・シーンを牽引する、CHRISTOPHER RAUが主催するハン ブルグのレーベル[Derive]第三弾。 過去2作品しかリリースしていないにも関わらず、そのいずれもが、高く評価され、未 だに沢山の「再入荷希望」を頂いている(既にどちらも廃盤で入手不可能なんです)、 まさに"カルト"な地下レーベル[Derive]、今回もかなり濃厚な内容で、素晴らしいで す。[Sender]レーベルで活躍するA DIFFERENT JIMIがBJORNSKIとコンビを組んだA1は、 ムーディーなサックスや、エレガントなピアノが響く、傑作と言えるディープ・テッ ク・ハウスで、この曲だけの為に買っても損は無い!と言い切れる、オススメの作品。 その他のトラックも[Smallville]周辺のサウンドが好きな方なら、必ず満足出来る、 ディープ・フローティングなテック・ハウスばかり。今回もプレス枚数は少ないので、 お早めに。

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GIORGIO MORODER

GIORGIO MORODER E=Mc2 (MB Disco / 2x12inch) »COMMENT GET MUSIC
79年リリースの名作「E=MC2」をイタロディスコ先駆者 ALEXANDER ROBOTNICK、コズミック巨匠 DANIEL BALDELLI & DIONIGI、「Dirty Talk」のKLEIN & M.B.O.らがリミックス。 LARRY LEVANを筆頭に、今もなお多くのDJ陣がプレイする GIORGIO MORODER 79年発表 の超名作「E=MC2」を、イタロ縲怎Rズミックシーンの巨匠、気鋭アーティスト等がリミッ クスした話題の2枚組がこれ!ドープなエレクトロ・グルーブを軸に、よりディープ・ なシンセを鳴らしたスペーシー・ディスコ・リミックスの、ALEXANDER ROBOTNICK のA1を筆頭に、コズミックの代名詞、 DANILE BALDELLIが、DIONIGIとのコンビでリミッ クスを手掛けたC2、イタロ古典「Dirty Talk」で知られる KLEIN & M.B.O.による、オー ルド・アシッド・エレクトロ・グルーブなD2など、2枚組全6ヴァージョンを披露。イ タロ・コズミック縲怎Gレクトロ・ディスコファンは是非お見逃しなく!

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TR ONE

TR ONE Drum Dance (Apartment Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
JOHN HECKLE、JUJU & JORDASH リミックス!トライバル・ビート・ダウ ン・チューンのオリジナルが一押し! 2007年に[Fine Art]からデビューしたアイルランドのトリオ・ユニットTR Oneが、 JOHN HECKLE、JUJU & JORDASHのリミックスを搭載し、ダブリンの注目レーベ ル[Apartment]から新作をリリース! リズミカルかつダンサブルに打ち鳴らされたコンガが弾けるように響く、土着的なア フロ・パーカッションを軸にしたリズム・ワークが渋い、トライバル・ビート・ダウ ン・チューンのオリジナルが一押し!![Dekmantel]レーベルのコンピレーションに収録 された楽曲も、凄まじくカッコよかった、JUJU & JORDASHによる、空間性と深みを強 化したディープ・ダビーなリミックスも圧巻で出来!オススメの12インチです

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N.O.I.A / GAZ NEVADA

N.O.I.A / GAZ NEVADA BAND AID / Stranger In A Strange Land (Italian Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
[Italian Records]が残したカルト・イタロ・クラシック 4作をコンパイル!いずれも原盤は今も人気の高いレア作品なだけに、このリリースは見逃せません! イタリアの80'sシーンを引っ張った名門レーベル[Italian Records]が、83年にリリー スし、そのいずれもが当時のダンス/ディスコ・シーンを熱狂とさせ、今なお多くの現 場でプレイされ続ける不朽の名作4作をコンパイル! A1には、空間を見事に掌握した、TONY CARRASCOならではの、ぶっ飛んだシンセメロ が◎な、N.O.I.A.最大のヒット作「Stranger In A Strange Land」(I-ROBOTSのMix CD にも収録)、A2、B1には、80'sイタロ・ディスコを代表するアーティスト、GAZ NEVADAによる傑作クラシックがそれぞれ収録。MORGAN GEISTのコンピや DJ HARVEYの プレイでも御馴染み「Special Agent Man」のA2、特にDJ陣に人気の高いダビーな 「Female Version」、DAVID DE PINO、MUNKらのリエディット、LARRY LEVAN、RON HARDYらのプレイで知られる「I.C. Love Affair」のB1、そしてB2には何年か前にUKの 老舗問屋の倉庫からオリジナル盤が発掘され大きな話題となった、UK版"We Are The World"な、BAND AIDによる、心地の良い鍵盤が◎なバレアリック系ディスコ「A Tour In Italy」の人気ダブ・ヴァージョン(Claremont 56のコンピCDにも収録)を収録。 この内容、間違いないでしょう縲怐I!いずれもオリジナル盤は今なお、高値で出回るも のばかりですので、これはかなりお得ですよ!

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CABIN FEVER

CABIN FEVER Trax Vol. 21 (Cabin Fever / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
HERBIE HANCOCKのクラシックネタを使用した前作「Vol.20」も大ヒット中の中、間髪入れず新作「Vol.21」が登場。今回は、躍動感のあるファンキーなリズム/グルーブに 黒人男性によるものと思わせるヴォイス・サンプルを絡め、グルーヴィーに展開させた Side-A、ちょっと KERRI CHANDLER辺りの往年の作品を彷彿とさせる ボトムへヴィーでシンプルなディープ・ハウス・グルーブ Side-Bの2作を収録

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V.A

V.A Altering Illusions (5 Years Of Echospace) (Echospace / 4LP) »COMMENT GET MUSIC
2007年に始動し5周年を迎えるレーベルECHOSPACEから全曲未発表ヴァージョンという4枚組カラーヴァイナルがリリース! 収録曲にはCV313の大ヒットトラック「Seconds To Forever」のINTRUSION'S LOST DUB、DEEPCHORD PRESENTS: ECHOSPACE 「Spatialdimension」のINTRUSIONによる2テイク、また、STEPHEN HITCHELLのドローン/アンビエント名義VARIANTによる3トラック、そして本作の中でもハイライトといえるのは、かつてMIKE HUCKABYがリミックスしたことでも知られるダブテクノ傑作DEEPCHORD「Electromagnetic Dowsing」のCV313 LIVE REWIREで、ボンゴがダブテクノへ溶け込んだニューミックスで、フロアへのアプローチを強めた抜群の仕上がり!フルカラー・ゲートフォールド・ジャケットに160グラムのミックスド・カラー・ヴァイナル仕様というこだわりのマテリアルでリリース!

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RROSE

RROSE Artificial Light (1969 -1909) (Sandwell District / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ドープ・エクスペリメンタル・ミニマル!UG推薦盤! ハイペースなリリースが続く、UKを代表するドープ・テクノ・レーベル[Sandwell District]の新作は、今年突如現れた新鋭?ながら、レーベル一のドープさを誇る音響とグルーヴで、早くもファンを掴んでいる、ミステリアス・アーティストRROSEが再登場!

Fleet Foxes - ele-king

 6人のメンバーがステージにぞろぞろと登場するなり、僕は目の前の光景に頭がクラクラしてしまった。そのほとんどが長髪と髭をたくわえ、シャツにジーンズ、高めの位置に抱えられたギター......いまは何年だ? 2012年だ......。まるで、見たことのない60年代のアメリカを幻視するようだ。
 フロントのロビン・ペックノールドがやや遠慮がちにギターを弾きはじめると、ゆっくりとコーラスがそこに重なっていく。"ザ・プレインズ/ビター・ダンサー"からはじまったその日のライヴは、ひとつひとつの音が細部まで張り巡らされた精緻なアンサンブルが最後まで貫かれるストイックなものだった。ライヴという言葉から連想されるような開放感よりも、宗教儀式のような厳かさすら感じられる。そして、ああ、これは紛れもなく「人びとの歌」だと僕は思う。

 人びとの歌――昔ながらのフォーク・ミュージックのスタイルを借りて匿名的にコーラスを奏でてきたフリート・フォクシーズの歌は、リーマン・ショック以降のアメリカに公共性を思い出させるように響いてきた。彼らのあり方は、特定の顔が存在しないウォール街のデモともどこかで繋がっているはずである。ただ、フリート・フォクシーズが放ったのはシュプレヒコールではなく完璧なコーラス――ハーモニーだった。潔癖なその歌は、コーラスに参加する人間に狂いのない音程を要求する厳格さでもって、理想的なコミュニティを体現したのだ。
 そんな彼らがセカンド・アルバムで見せた変化は、音楽的なものよりも歌詞の視点をより個人の内面に掘り下げたことだった。だからそこにはコミュニティに属する個人の内省が「調和」と拮抗する危うさが内包されていたのだが、そのような展開は極めて自然なことだったろうと思う。フリート・フォクシーズは才能あるソングライターのロビン・ペックノールドのバンドとも言えて、彼がエゴを前面に出す欲望を抱えていてもおかしくはない。ライヴという場でも、バランスを崩すことなくその調和を体現することができるのか――が僕のその日の主な関心だったのだが、それは早々に解決することとなった。コミュニティという言葉ですらしっくりこない、それはひとつの「集落」の音楽だった。さまざまな人びとが共に生きていくために、知恵と思いやりを寄せ集めるような。

 弦が最大で4本にもなるアンサンブルは厚く、そして何より高い演奏力に支えられている。EPから"ミコノス"、セカンドから"バッテリー・キンジー"と続くが、ギター・ハーモニーとコーラスがどちらも等しく息を呑むような繊細さで奏でられ、ぴんと張り詰めた空気を作り上げる。メロディは牧歌的でも曲の成り立ちとその再現のされ方が非常にコントロールされていて、会場から緊張感が消えることはない。曲間では歓声も上がるが、すぐに固唾を呑むような静けさに支配される。途中でアメリカ人の観客が我慢できずに「何でこんなに静かなんだよ?」と声を上げていたが、この日に限ってはそれも悪くなかった。オーディエンスである僕たちも、神聖な儀式に参加しているような気分になってくる。
 とは言え、中盤「I was following/I was following/I was following...」と輪唱される"ホワイト・ウィンター・ヒムナル"から、間髪入れずに"ラギッド・ウッド"でフォーク・ロックが疾走すると、そのダイナミックな転換にようやく会場に温かい熱が広がっていく。同じくデビュー作からの"ヒー・ダズント・ノウ・ホワイ"も素晴らしく息の合った演奏で、「僕にできることは何もない」のリフレインに天から降り注ぐようなコーラスが折り重なる。休符が完璧に守られたブレイクと掛け合うロビンの強い歌声。それは倒錯ではなく、その「何もできない」という地点からこそ何かを始めようとする決意のように響く。ライヴであらためて気づかされたことだが、ロビンの歌唱力も非常に高く、音のアタック部分で完璧な音程を叩き出してみせる。譜面の指示をすべて正確に守るような厳格な演奏だからこそもたらされる音楽的な快感が、次第に身体にまで響くようになってくる。終盤のハイライトは間違いなく"ザ・シュライン/アン・アーギュメント"で、マルチ・プレイヤーのモーガン・ヘンダーソンがカオティックにバス・クラリネットを鳴らし、サイケデリックにアンサンブルを歪ませた。

 アンコールでロビンはソロ・ナンバー"アイ・レット・ユー"でごく個人的な傷心を歌いもした。そう、そんな個人の表現も彼には可能なのである。だがバンドでは頑ななまでに個を通さず、自分の内面すらポリフォニックなものにしてしまう。直接は政治的な表現を取らずとも、これほど社会性を感じさせるアメリカのバンドは現在フリート・フォクシーズを置いて他に存在しないのではないか。ピアノとギターが追いかけ合う"ブルー・リッジ・マウンテン"で歌われる「愛」は、最小の社会である家族に捧げられる。「愛してる、ああ、僕の兄さん」
 最後のナンバーはこのツアーのテーマ・ソングだと言えるだろう"ヘルプレスネス・ブルーズ"、すなわち"無力なブルーズ"であった。ジャカジャカとアコギが賑やかに演奏される力強いこの曲で、ロビンは――いや、彼らは個人がより大きな何かに自分を捧げることについて歌う。「その後しばし考える時間を持った僕は/いまではむしろ/何らかの精緻な装置を支える丸太の一本でありたいと思っている/自分を超えた存在に仕えたい」。その上で、あらめて自分の無力感を噛み締めるのだ。「でも僕にはわからない/それが何なのか!」――その叫びは、ツアーの最後の地となった日本でこそ説得力を持って響いたことだろう。だから、続けて「いつか近い将来、答えを出すから待っていてくれ」と歌われるアメリカにおける「人びとの歌」は、そのときたしかにそこにいる「我々の歌」として共有されたように感じられた。......錯覚だろうか? いや、少なくとも、厳格なハーモニーがその地点まで辿り着いた道のりを分け合ったその日の夜、そこに集った人間の胸はいくらか熱くなったはずだ。「僕はいつか答を出す、自分の力で」――その想いと響き合ったに違いない。

vol.29:星は天文学に無関心! - ele-king

 ナダ・サーフは青春。彼らを見るたびに、呟いてしまう。40代前半だというのに......。
 1月24日、ニューヨーク出身のナダ・サーフ(Nada Surf)のホーム・カミング・ショーだった。この日は彼らのニュー・アルバム『The Stars Are Indifferent To Sstronomy』(星は天文学に無関心)の発売だった。「このアルバムは、プラックティス・ルームにいるような感覚で、新しい曲のエネルギーを持ってレコーディングした。やり過ぎたかなと思ったけど、あえてそのままにしてみた」と、ヴォーカル&ギターのマシューは言っている。曲名もまた、希望と未来を感じさせる。"若かった頃(When I was Young)""(まっらな目と曇った心(Clear eye clouded mind)""10代の夢(Teenage dreams)""未来(The future)"......楽曲もみんなポジティブである。
 ポップとロックンロールをこよなく愛する3人から生み出される、ラッシュなビート、コード、美しく、ナイーヴな旋律。そして胸がキュンとなる甘いヴォーカル、ハーモニー。「10代の夢に遅すぎることはない(it's never too late for teenage dreams)」と歌うマシューは本当に10代のようにみえる。この言葉は、ナダ・サーフのすべてのレコードに共通する彼らの声明である。7枚目のこのアルバムで、彼らの経歴は20年目に突入する。

 バンドはこのアルバムを、ウィリアムス・バーグでレコーディングしていた。マシューは、私の家の近所に住んでいて、「いま、レコーディングをちょっと抜けてきたんだ」と言いつつ、よくカフェに現れ、ディナーをとって、赤ワインを飲み、最後にスイーツをテイクアウトして行く常連さんだった。音楽の話題になると話が止まらなくなった。仲間のパーティにも参加してくれた。気軽に話せる気の良いお兄さんである。
 このアルバムのレコーディングが終わって、彼はロンドンに引っ越し、あっという間に半年だった。彼の性格上、頻繁にコンタクトを取る人ではないので、彼らの近況はわからなかったが、何カ月か前に「ナダ・サーフが新しいアルバムをリリース。ツアー決定!」のニュースを知った。そして1週間ほど前に「来週からニューヨークに行くよ。ライヴに遊びにきて!」という彼からのメッセージがきた。見逃すことはできない。お祝いだ。
 ニュー・アルバムのアートワークの素敵なペインティングは、彼の友だちで、アーティストのグラハム・パークスが担当している。シルク・スクリーンのポスターについては、モンスター・アイランド(RIP)の住人だったカイ・ロックが10年も担当している。

 ショーはソールドアウトだったが、この日のショーは、彼らのYoutubeチャンネルでストリームされている。たまたま同じ日にYoutubeを見ていた友だちは、そのことに驚いて、私に教えてくれた。
 ライヴでは、リード・ギターにガイデッド・バイ・ヴォイシズのダグ・ジラードが参加した。ベースのダンとドラムのイラはネクタイ、マシューは黒のボタン・ダウン・シャツ。ふだんと同じスタイルである。ドラムは高いところにセッティングされていて、バスドラには黄色で「NADA SURF」を描かれている。
 演奏はほとんどが新曲だった。レコードをリリースできたことに感謝、関わってくれた人への感謝、2012年が良い年になるようになどとMCが入る。古い曲を演奏すると、会場は一緒になって歌う。アンコールでは名曲"Always Love"を演奏。最後はニュー・アルバムからの曲"Looking Through"。観客はナダ・サーフという10代の夢を心から応援する。絵に描いたような、素晴らしいロック・コンサート。

St. Vincent - ele-king

 厚い化粧と真っ赤な口紅、丈の短いドレスから覗かせた足元にはヒール靴、そして腕にはエレクトリック・ギター。数年前、US版『GQ』でのドレスアップしたインディ・ミュージシャンのフォトシュート企画で、デヴィッド・バーンとサンティゴールドとともにそんな姿でポーズをキメるセイント・ヴィンセントことアニー・クラークが自分のなかで強く印象に残っている。いよいよ彼女もアイコンめいたところにやって来たのだなとそのとき気づかされたのだが、と同時に、どこかがアンバランスなその立ち姿こそが彼女がひとの目を引きつける理由なのだと感じたのだ。それはそのまま複雑な形を持った彼女の音楽にも通じるところがあるのだが、演奏する姿はいったいどんなものなのだろう。その佇まいをどうしても見ておきたかった僕は、東京で一公演だけの来日に足を運んだ。

 ドラム、シンセ、キーボードをバックに携えたアニーはまさに、観客が期待していた姿で現れた。高いヒール靴とタイツにはどこか不釣合いに思えるエレキ、だが彼女自身はその両方が自分にとってのステージ衣装だと言わんばかりに落ち着き払っている。1曲目はスペーシーなイントロから"サージョン"。はじめギターにシールドを挿し忘れるミスがありヒヤッとさせるが、ひとたびギターのフレーズが差し込まれるとトリッキーな構造の楽曲が目の前で鮮やかに組み立てられていく。たとえばダーティ・プロジェクターズの名前がその比較に挙げられるような、やや少ない音数の絡み合い(あるいはすれ違い)の妙で耳を楽しませるセイント・ヴィンセントの楽曲だが、何よりもギターがその中心にあることが実際に目で見ると分かりやすい。曲の後半、捻じ曲がっていくシンセ・サウンドのなかでアニーによるギターが高音へとドライヴし、息を呑むテンションと高揚がもたらされる。
 続いて披露された"チアリーダー"の「でもわたしはもうチアリーダーになりたくないの」という歌詞が示唆的だが、他者(とくに男性からの視線)の期待に応えることのできない自分への葛藤がセイント・ヴィンセントの歌には内在しているように思える。だからと言って強く反抗的な態度を取ったり何かを強く主張するわけでもなく、ありがちな「等身大」の女性像にも逃げ込むこともない。いつもどこか居心地の悪そうな、「異物」としての存在感が彼女には備わっている。橋元さんがレヴューでミランダ・ジュライの名前を挙げていてなるほどと思ったが、たしかにジュライの監督作『君とボクの虹色の世界』にアニーが映っていてもおかしくはない。風変わりな人間が風変わりなままでお互いに折り重なっていく、そんな世界の住人の音楽であるように聞こえる。そうしたアニー自身の内側にある複雑さを、技巧を凝らしたギター・ワークやサウンドの多彩さで外側に軽やかに放り投げたのが『ストレンジ・マーシー』であったが、この日のライヴはまさに彼女自身のギター・プレイによっていくらかの生々しさを伴いながらその過程が再現されていた。
 曲間になると、バックでシンセを演奏するトーコ・ヤスダがMCの通訳をして観客を笑わせる場面もあった。そんな姿のアニーは紛れもなくチャーミングなのだが、艶っぽく流麗な歌声を聞かせたかと思えば突如として激しくギターをかき鳴らすし、ザ・ポップ・グループのカヴァー"シー・イズ・ビヨンド・グッド・アンド・イーヴル"ではドスのきいた声さえ聞かせてみせる。そこではアイコン的な完成度の高いクールさよりも、アウトプットがどうしても歪な形になってしまう危うさのほうが上回っていたように感じた。この日も演奏された"マロウ"における「ヘルプ・ミー」の呟きはおそらくは彼女自身の切実な悲鳴なのだろう。が、それがキッチュでごつごつした感触のエレクトロニック・ポップになってしまう回路のややこしさこそが、彼女から目を離せない理由だ。ライヴのハイライトのひとつであった"ノーザン・ライツ"で髪を振り乱しながらテルミンを荒々しく演奏し、そして終いにはブチ倒した彼女の内側の烈しさを、僕たちは歓声を上げつつもハラハラして見つめ続けるしかないのだ。
 だが、そこにはライヴならではの感情的な交感があったこともたしかだ。アンコールではアンニュイでドリーミーな"ザ・パーティ"で厳かな空気を作り上げ、ラストの"ユア・リップス・アー・レッド"でオーディエンスにダイヴしギター・ソロを弾くアニーを、東京の観客は文字通り「受け止めた」。アーティでカッコいい女、では済ませることのできないややこしさが彼女の音楽にはつねにあって、それと向き合うのは気軽なことではないだろう。だが、隠されたものが思いがけず外に飛び出してしまう様を目撃するようなスリルを伴ったその日のライヴは、どこか官能的な味わいすら含んでいたように感じられた。

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