「KING」と一致するもの

Mars89 - ele-king

 新たな夜明け──発売日は、あの日からぴったり10年後の2021年3月11日。「幾千もの粉塵から成っているのでないとしたら塵とは何か」……オフィシャルのインフォに記された文章もなにやら意味深だ。サイトへ飛ぶと、VRを駆使したヴィジュアルが展開されている。やはり、なにかしらコンセプトがあるにちがいない。昨年は映画『破壊の日』の劇判を手がけたり、変わらず精力的な活動をつづけている東京のDJ、Mars89が新作をドロップする。レーベルは、これまでも彼の作品を送り出してきたブリストルの〈Bokeh Versions〉。これは要チェックだ。

https://bokeh.tech/

Mars89
New Dawn

Bokeh Versions
2021年3月11日リリース

1. Magnetic Ghosts
2. In The Shed
3. Grotesque Reflections
4. Nocturnal Animals
5. Body Collapse
6. New Dawn

Chee Shimizu+miku-mari - ele-king

 DJや選曲家、著述家として活躍のChee Shimizu、このたび音楽作品をリリースしました。ギタリストmiku-mariとのコラボレーション作品で、Lovefingersが主宰する〈ESP Institute〉(GroundやYoung Marco、Cos/Mesなどのリリースで知られる)からのリリース。タイトルは「Reconstructions」、15分強、12分強のトラックが2曲収録されている。そしてこれ、かなり良いです。70年代のイーノ風の間と空間があって、とても良い時間を過ごせます。ジャケもいいすね!

Chee Shimizu + miku-mari / Reconstructions

 2000年代、Chee ShimizuはDr. Nishimura(当時Cisco Recordsのハウス・ミュージック・バイヤー)と共に、東京のアンタッチャブルなDJチームDiscossessionを率いていた。このユニットのバランスを取っていたのは、スコットランド出身の若かりし頃のJonny Nash(後にSombrero GalaxyやGaussian Curveを結成、Melody As Truthを主宰しアンビエント作家として活躍中)と、ギターの名手でありタトゥーアーティストでもある故Zeckyだった。東京のシーンでマルチな才能を発揮していたDiscossessionは、瀧見憲司主宰のCrue-Lから2枚のEPをリリースし、個人でも様々なミックスをリリースしており、その全てが永遠のカルト的な地位を築いている。CheeがLovefingersに提供したミックス「Denshi-Meiso」(2006)と「Follow My Dream」(2007)、そして東京郊外の八王子にあるHiFiラウンジSHeLTeRでの伝説的な「リスニング・セッション」は、後に彼のフォロワーに「オーガニック・ミュージック」または「オブスキュア・サウンド」として知られるようになる基礎を築いた。『Obscure Sound』は、彼の嗜好を詳細に記録したレコード・ガイドブックで、それ以来、同業者や若い世代のレコード・ディグのバイブルのような存在となっている。
 2009年のESP Instituteレーベル発足時、Lovefingersのコンピレーション・アルバム『Concentration Vol 1』にはCheeによる2曲のエディットが収録された。その後のリリースに向けたアペリティフとしてLovefingersに提供された神話的なオリジナル・トラックは、「Golden Age」と「Dekmantel 061」にデモとして収録されただけで、現在も正式なリリースには至っていない。その後Cheeは古いロープから新しいものを作ることはなく、提供されたのは、東京のギタリストmiku-mariとのコラボレーション作品である。
 ふたりは東京のForest Limitで不定期に開催されている実験的なオーディオ/ビジュアル・イベント「Sacrifice」で頻繁にコラボレーションを行っており、2018年には日本唯一のアンビエント・フェスティヴァル「Camp Off-Tone」への出演を依頼されたことをきっかけに、Cheeはmiku-mariとともにハイブリッドな即興パフォーマンス・ユニットに発展させようと試みた。Cheeは4台のCDJを使って様々なパーカッションのサンプルやフィールドレ・コーディング音源をコラージュし、ウィンドチャイムやアンデスのチャチャを生演奏で加え、miku-mariはギター・コントロールのシンセサイザー、様々なサウンド・アプリケーション、日本のアンビエント作曲家吉村弘が考案した円筒形の音具「Sound Tube」、チベタン・ベルやピラミッド・クリスタルなどによるライブ要素を組み合わせた。このパフォーマンスのためのリハーサルは、フェスティヴァルに先立ってForest Limitで2時間以上にわたり行われ、すべてのパートがマルチトラックとして録音された。その音源を編集したものが、この「Reconstructions」である。

Caribou - ele-king

 昨年リリースされたカリブーの『Suddenly』、まあ、とにかく素晴らしいアルバムだったんですけど、そのリミックス・アルバムが3月12日にリリースされることになりました。既発のリミックスも含め、リミキサーのメンツは以下の通り。
 Four Tet、Floating Points、Morgan Geist、Logic1000、Shanti Celeste、Kareem Ali、India Jordan、Koreless、Toro y Moi、Jessy Lanza、Prince Nifty。
 いやー、こうして並べるといいですねぇ、なかなかのメンツです。期待しましょう! すでに先行シングル「Never Come Back (Koreless Remix)」が公開中です。

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Caribou
Suddenly Remixes

PLANCHA / City Slang
Digital (Album)
2021年3月12日
※日本テリトリーは2月9日 AM0:00から予約開始となります。

1. Never Come Back (Koreless Remix)
2. Never Come Back (Four Tet Remix)
3. Home (Toro y Moi Remix)
4. Sunny’s Time (Logic1000 Remix)
5. Sister (Floating Points Remix)
6. Ravi (Shanti Celeste Remix)
7. You and I (Jessy Lanza Mix)
8. Sunnys Time (Prince Nifty Saddle Up Mix)
9. Never Come Back (Floating Points Remix)
10. Never Come Back (Morgan Geist Remix)
11. Sunny’s Time (Kareem Ali Remix)
12. Like I Loved You (India Jordan Remix)

Heisei No Oto - ele-king

 しかし流行ってますなー、日本の音楽。アムステルダムの〈Music From Memory〉から、またまた面白いコンピレーションがリリースされます。『Heisei No Oto - Japanese Left-field Pop From The CD Age (1989-1996)』、CD時代の日本のポップスに焦点を当てたコンピレーションで、レフトフィールドな楽曲というテーマで選曲されています。
 目玉はなんといっても井上陽水の“Pi Po Pa”ですが、ほかに細野晴臣のアンビエント・シンセ・ポップ・ユニット、Love, Peace & Trance、あるいはジャズ・ピアニストの橋本一子、クラブ系のPOiSON GiRL FRiENDとか、全16曲(https://www.musicfrommemory.com/release/6971/various-artists/heisei-no-oto-japanese-left-field-pop-from-the-cd-age-1989-1996)。
 なお、選曲は大阪のrare grooveの佐藤憲男とRevelation Timeの谷口英司。ライナーはChee清水。発売は2月28日、アナログ盤とCDと出ます。

ECD - ele-king

 去る1月24日は、故ECDの3度目の命日だった。そのタイミングに合わせ、“ECDのジャスト ア フレンド” のMVが公開されている。2014年の『FJCD-015』に収録されていた曲で、リリース当時からMVの制作も進んでいたそうなのだけれど、諸事情により頓挫してしまっていたらしい。それがこのたび、7年越しに完成したという次第。

 なお、同時に他の3本のMVもあらためて公開されているので、そちらもチェックを。
 ECD WAS HERE.

故ECDが2014年に発表したアルバム『FJCD-015』収録の “ECDのジャスト ア フレンド” のミュージック・ビデオが3回目の命日に合わせて公開。同時に“憧れのニューエラ” 等、3つの映像作品も再公開。

 2018年1月24日に亡くなった故ECDが2014年に発表した通算16枚目となるアルバム『FJCD-015』に収録されている “ECDのジャスト ア フレンド” のミュージック・ビデオが、3回目の命日に合わせて公開。ECD自身とECD作品を多く手掛けている佐々木堅人氏と坂脇慶氏が中心となりリリース当時に撮影・制作を進めていたものの、諸般の事情により頓挫していたミュージック・ビデオが7年越しで完成し、公開する運びとなりました。さらに今回のために Illicit Tsuboi 氏が再ミックスとアレンジを加えてくださいました。
 合わせて YouTube の不具合により削除されていた “憧れのニューエラ” (『The Bridge - 明日に架ける橋』収録)、“LINK” (『Three wise monkey』収録)のミュージック・ビデオと “Lucky Man” (『Three wise monkey』収録)のリリック・ビデオを YouTube にて再度公開いたしました。

*ECD “ECD のジャスト ア フレンド” (Official Video)

https://youtu.be/iQVtst1jMRU

*ECD “憧れのニューエラ” (Official Video)

https://youtu.be/Zjx53fR3q58

*ECD “LINK” (Official Video)

https://youtu.be/XCo0uley_eE

*ECD “Lucky Man” (Lyric Video)

https://youtu.be/IB1TeX-F_wo

[作品情報]

アーティスト: ECD
タイトル: FJCD-015
レーベル: FINAL JUNKY / P-VINE, Inc.
発売日: 2014年6月4日
品番: FJCD-015
仕様: CD / デジタル
税抜販売価格: 2,500円

Emeka Ogboh - ele-king

 どこにも行けないこの部屋でも鳴り響き、アフロビートの陶酔で未知のラゴスの雑踏を幻のようにたぐり寄せる。ひとときの白昼夢を見せるアフロ・ビートダウン──エメカ・オグボー『Beyond The Yellow Haze』は、2021年のはじまりとともにベルグハイン系列のレーベル〈OSTGUT TON〉傘下〈A-TON〉からリリースされた作品。なんというか、いつまでも聴いていたくなるような、ミニマルな陶酔に文字通りハマる作品だ。

 エメカ・オグボーは、ナイジェリアはラゴス出身のアーティストなのだが、これまでのその活動領域はいわゆるコンテンポラリー・アートにある。すでにそちらの領域においてはそれなりにキャリアのあるアーティストで、これまでにヨーロッパやアメリカなどでそのインスタレーション作品は展示され、いくつかの賞レースもものにしているとのこと。その生活圏もベルリンとラゴスを行き来しており、現在はこのコロナ禍でベルリンに留まらざるをえない状況が続いているという。彼のインスタレーションの多くはラゴスの都市をテーマにしたもので、形式的にはラゴスのフィールド・レコーディングや映像、そして彼の音楽で構成。6年に及ぶベルリン生活で培った電子音楽の感覚と、ラゴスの雑踏が彼の作品のインスピレーションであり、そのテーマは比較的政治的な問題(権利、ナショナリズム、外国人恐怖症、人種差別など)を提起するものだという。最近ではリアーナやビヨンセなどもSNSなどで連帯を呼びかけた、ナイジェリア警察の「対強盗特殊部隊(SARS)」による暴力行為へのデモ活動にシンパシーを寄せ、また作品としても今後とりあげることを示唆している。

 さて、話はずれたが、今回のリリースはこのコロナ禍のある種の偶然によって呼び込まれたものだという。この状況でクラブ営業のできない〈ベルグハイン〉、そのメイン・フロアは現在アートスペースとしてときおり活用されているようで、オグボーの作品がとあるアート・イベントで展示されていたのだという。そして、そこで展示されているオグボーの作品を〈OSTGUT TON〉のスタッフが見初め、そのサウンドに衝撃を受け彼らは、今回のリリースへと歩みを進めたということなのだ。

 という感じなので、これまでに私家版のような形でインスタレーション時に販売された作品と、パフィンランドの、Ilpo (パンソニックの生きている方とは別人)なるアーティストと1枚 Bandcamp にてリリースのみなので、ほぼ音楽作品としてのリリースはコレがデビューといっても過言ではないだろう。また、ここ数年盛り上がるアフリカのエレクトロニック・ミュージックの隆盛という流れ(詳しくは紙 ele-king の三田格氏の原稿を参照)に目を移せば、その手のアフリカ由来のアヴァン・エレクトロニクスや実験音楽を集めた2020年の名コンピ『Alternate African Reality – Electronic, electroacoustic and experimental music from Africa and the diaspora』(そちらは今回の作品とは違ったラゴスの街なみで録音されたとおぼしき完全なフィールド・レコーディング作品)にも収録されている。

 ちなみにリリース元の〈A-TON〉は、エフデミン名義で知られるフィリップ・ソルマン名義の作品やマルセル・デットマン(+α)によるプロジェクトなど、アンビエント~エクスペリメンタルなエレクトロニック・ミュージック作品、もしくはルーク・スレイターのリスニング方面の名義たる 7th Plain 名義の未発表集成をリリースするなど、完全フロア対応の〈OSTGUT TON〉に比べてリスニング色の強いサブ・レーベルとなっている。

 さて本題の『Beyond The Yellow Haze』だが、内容としては長尺の楽曲4曲+フィールド・レコーディングなアウトロで構成されており、ダンス・ビートはそこにあるものの、そのチルな雰囲気は、やはりこれはアンビエント・テクノと言ってもよさそうな質感が全体を支配している。ラゴスの雑踏からスタートする “Lekki Aiah Freeway” は、ポリリズミカルなパーカッションから徐々にアルバムが立ち上がるように不穏なグルーヴをミニマルにゆっくりとつむいでいく。そして本作のハイライトとも言えるのは11分を超える2曲目 “Danfo Mellow” だろう。まるでエイフェックス『Selected Ambient Works 85-92』のクリアで内省的なサイケデリアを、セオ・パリッシュがモコモコとアブストラクトでポリリズミックなアフロ・ディープ・ハウスでミニマルにミックスしたような感覚というか、どこまでも続いていくようなアンビエント・タッチのアフロ・ビートダウンだ。またこの曲名の “Danfo” というのはラゴスの街中を縦横無尽に走る黄色いバス(乗り合い?)のことのようで、まさにラゴスの街を象徴する、住民の移動手段だという。気に鳴る人はオグボーによる短い映像がBBCにあがっていたのでそちらをぜひ(https://www.bbc.com/news/av/world-africa-51210773)。
 続く “Everydaywehustlin” は、骨太なブレイクビーツを足場に不穏なループがひょこひょことラゴスの街を歩き回るトリップホップ。そして雷雨のなかを、祈りなのか物売りなのか雑踏の呼び声がループする “Palm Groove”、そして短いフィールド・レコーディング “Outro” でアルバムは幕を閉じる。アルバム全体を貫く、前述の様なアンビエント・タッチの抑制された響きというのは、ひとつ、このラゴスという街を表象させる作品において、少し陰鬱でノスタルジックを呼び起こす。それは帰郷を果たせぬエメカ・オグボーの心象風景からくるものなのかもしれない。またアルバム全体の陶酔の響きは、どこかモーリッツ・フォン・オズワルド+故トニー・アレンによる『Sounding Lines』、その躍動感を排した麻酔のようなアフロビート、そのさらにアンビエントへの展開を彷彿とさせるサウンドでもある。

空間現代 × 三重野龍 - ele-king

 近年は〈Editions Mego〉傘下の〈Ideologic Organ〉からアルバムを発表したり、吉増剛造とコラボしたりと、独自の表現をつづけている空間現代。彼らと、関西のデザイン~アートワーク・シーンで活躍するグラフィック・デザイナー、三重野龍の映像とのコラボ映像が公開されている。
 昨年10月にロームシアター京都にて開催された「ZOU」のパフォーマンスの記録で、空間現代の最新長編楽曲 “象” に三重野のグラフィックが併置・交錯されていく。この京都拠点の2組による初のコラボは大いに注目を集め、当日は入場制限もおこなわれるなど、限られた観客のみが体験することのできるものだった。
 その貴重な映像が2月7日から2月14日まで、1週間限定で無料配信される。下記URLより。

1週間限定の無料配信が決定
KYOTO PARK STAGE 2020 / OKAZAKI PARK STAGE 2020
空間現代 × 三重野龍「ZOU」映像配信

[配信概要]

KYOTO PARK STAGE 2020 OKAZAKI PARK STAGE 2020空間現代×三重野龍「 ZOU」 映像配信
配信日時:2021年2月7日(日)10:00~14日(日)23:59〔日本時間〕
配信場所:ロームシアター京都公式
YouTubeチャンネル(無料配信)
https://www.youtube.com/channel/UC17J354cZsjO_0QOta8sAZw

出演:空間現代
グラフィック:三重野龍
グラフィックサポート:Takuma Nakata
音響:西川文章
照明:藤原康弘
舞台監督:夏目雅也
制作:松本花音(ロームシアター京都)
記録映像撮影・ 編集:片山達貴
撮影協力:顧剣亨
企画製作:ロームシアター京都

[空間現代×三重野龍「ZOU」開催概要]

開催日時:2020年10月17日(土)20:00
会場:ロームシアター京都 ノースホール(雨天のため会場変更して実施)
主催:文化庁、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市 文化庁令和2年度戦略的芸術文化創造推進事業「JAPAN LIVE YELL project」

[プロフィール]

空間現代 Kukangendai
2006年、野口順哉(Gt, Vo)、古谷野慶輔(Ba)、山田英晶(Dr)の3人によって結成。編集・複製・反復・エラー的な発想で制作された楽曲をスリーピースバンドの形態で演奏。これによるねじれ、 負荷がもたらすユーモラスかつストイックなライブパフォーマンスを特徴とする。2016年9月、活動の場を東京から京都へ移し、自身の制作および公演の拠点としてライブハウス「外」を左京区・錦林車庫前に開場。新たな試みとして、60分のライブ作品の制作を開始。これまでに『擦過』(2016)、『オルガン』(2017)、『象』(2020)を発表。地点、Moe and ghosts、飴屋法水、吉増剛造、contact Gonzo など、先鋭的なアーティスト達とのジャンルを超えた作品制作も積極的に行う。2019年度、京都市芸術文化特別奨励者。

三重野 龍 Ryu Mieno
1988年兵庫県生まれ。 2011年京都精華大学グラフィックデザインコース卒業。大学卒業後、京都にてフリーのグラフィックデザイナーとして活動開始。美術や舞台作品の広報物デザインを中心に、ロゴやグッズなど、文字を軸にしたグラフィック制作を実践。主な展示に個展〈GRAPHIC WEST8: 三重野龍大全 2011-2019 「屁理屈」〉@京都 dddギャラリー、 2019年。

日野浩志郎 × 鼓童 - ele-king

 goat や bonanzas、あるいはソロの YPY として精力的に活動を続けている日野浩志郎から、新たなプロジェクトが届けられた。今回はなんと芸能集団、鼓童とのコラボ。1ヶ月にわたって佐渡島に滞在し制作した楽曲を、昨年『破壊の日』(劇伴は Mars89)で話題を集めた映画監督・豊田利晃が映像化している。コロナ禍での新しい音楽体験を目指してつくられたという同作は、セリフ一切なしの野心的な内容になっているようだ。本日2月5日19時より配信がスタート。打ち震えよ!

見えない音に震える89分

越島〜地域文化に根ざした新たな音楽映像配信
2月5日(金)19:00より緊急配信開始!

気鋭の現代音楽家 日野浩志郎と、
佐渡島の太鼓芸能集団 鼓童とのコラボレーションを豊田利晃が描く、
コロナ禍の新たな音楽体験
『戦慄せしめよ / Shiver』

越島~地域文化に根ざした新たな音楽映像配信として、気鋭の現代音楽家 日野浩志郎と、佐渡島の太鼓芸能集団 鼓童とのコラボレーションを豊田利晃が描いた、コロナ禍の新たな音楽体験、『戦慄せしめよ』が2月5日(金)19:00より緊急配信開始!

 goat / bonanzas のプレイヤー兼コンポーザー、ソロプロジェクト YPY 等マルチに活動する日野浩志郎と、2021年に創立40周年を迎える鼓童による今回のコラボレーションは、鼓童のメンバーからの一通のメールがきっかけで始まった。延べ1ヶ月にも及ぶ佐渡島での滞在制作を経て完成した楽曲群を、2020年12月の記録的な豪雪の中、制作の拠点となった鼓童村の稽古場をベースに、全編を佐渡島内で収録、撮影を行った。
 その模様を捉えたのは、『青い春』『破壊の日』の豊田利晃。昨年のコロナ禍の中で撮影され公開された唯一の映画『破壊の日』は、全世界で2020年7月24日に公開され、イタリアのオルトレ・ロスペッキオ国際映画祭2020では監督賞を受賞、日本映画のベスト1と絶賛された。

 コロナ禍での新しい音楽体験を目指し製作された本作品は、セリフが一切なく、音と映像だけで語られる、見えないはずの音に震える89分間の新感覚の映像作品となっている。

越島〜地域文化に根ざした新たな音楽映像配信 『戦慄せしめよ』は2月5日(金)19:00より、Vimeoほか各映像配信プラットフォームにて配信開始!

【配信概要】
配信開始日時:2021年2月5日(金)19:00 各配信プラットフォームにてオンライン配信開始
鑑賞料金:1,000円(税込)
販売開始日時:2021年2月4日(木)18:00
配信先:
Vimeo:https://vimeo.com/ondemand/shiver2021/
Streaming +:https://eplus.jp/etto0205/
ZAIKO:https://ettoworld.zaiko.io/e/shiver/
PIA LIVE STREAM:https://w.pia.jp/t/shiver/
※別途、配信プラットフォームによる手数料がかかります。

■ 豊田利晃(監督)photo: Keisuke Nagoshi
〈プロフィール〉
1969年3月10日生まれ。大阪府出身。91年、『王手』(阪本順治監督)の脚本で映画界にデビュー。
98年に初監督を務めた『ポルノスター』で日本映画監督協会新人賞受賞を果たす。その他『青い春』『ナイン・ソウルズ』『空中庭園』などの作品で知られる。
2019年、短編映画『狼煙が呼ぶ』公開。自伝『半分、生きた』を出版。
2020年4月11日、小笠原諸島を舞台としたドキュメンタリー映画『プラネティスト』、同年7月24日『破壊の日』公開。『破壊の日』は全世界で2020年7月24日に公開され、イタリアのオルトレ・ロスペッキオ国際映画祭2020で監督賞を受賞。日本映画のベスト1と絶賛された。
www.imaginationtoyoda.com

■ 日野浩志郎(音楽)photo: Dai Fujimura
〈コメント〉
今回の制作を通して鼓童を知るほど、伝統が今でも伝統として存在している理由や力強さを感じていった。スピーカーでは鳴りえない空気の振動、木の鳴り、そして太鼓を打つ姿の美しさ。その圧倒的説得力に純粋に感動し、伝統と向き合う事の意味を深く体感した。
その上で正しいとされるものを疑い、音楽として形を成すことを捨てたところからこれは始まる。
単なる音の響きを探し、その音にリズムを与え、いくつかのリズムが絡みあうことで大きな律動が生まれ、それは音楽となっていく。僕たちは「作曲家」、「鼓童」として切り分けた関係ではなく、同じ仲間として楽器の持つ音や演奏法、グルーヴを再発見し、その興奮や喜びを共にしていった。
ゆえにこれは単に「鼓童の為に作曲した作品」ではない。今自分たちはデビュー当時の鼓童の興奮や発見を追体験しているのではないか、そう思える時間を共にした記録となった。

〈プロフィール〉
音楽家、作曲家。1985年島根県で生まれ育ち、現在は大阪を拠点に活動。
メロディ楽器も打楽器として使い、単なる変拍子とは違う複数拍子を組み合わせた数学的作曲などをバンド編成で試みる「goat」、そのノイズ/ハードコア的解釈のバンド「bonanzas」、ソロプロジェクトとして電子音楽やフィールドレコーディングなどをカセットデッキでコラージュする「YPY」名義の活動を行っており、そのアウトプットの方向性はダンスミュージックや前衛的コラージュ/ノイズと多岐に渡る。また自身の舞台作品として、クラシック楽器や電子音を融合させたハイブリッドオーケストラ「Virginal Variations」、多数のスピーカーや移動する演奏者を混じえた全身聴覚ライブ「GEIST(ガイスト)」の作曲、演出の他、カジワラトシオ、東野祥子によって設立されたアート/パフォーマンス集団ANTIBODIES collectiveでの活動や、元維新派のメンバーによる新たな舞台「孤独の練習」の音楽担当なども行っている。
国内外のアンダーグラウンドミュージシャンのリリースを行うカセットレーベル「Birdfriend」、コンテンポラリー/電子音楽をリリースするレーベル「Nakid」主宰。
https://soundcloud.com/koshiro-hino

■ 太鼓芸能集団「鼓童」(演奏)photo: Takashi Okamoto
〈プロフィール〉
太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団。1981年、ベルリン芸術祭でデビューし、以来52の国と地域で6,500回を越える公演を行ない、2021年に創立40周年を迎える。また、豊かな自然と芸能の宝庫である本拠地・佐渡において、1988年より佐渡の市町村と共に国際芸術祭「アース・セレブレーション(地球の祝祭)」を開催し、国際交流や地域振興にも大きく寄与している。
https://www.kodo.or.jp/

■「越島」とは
日本という6,852もの島々で構成された不思議な島国から、 Isolationの時代も、島々を隔てる海も越えて、音楽や文化、それが生まれる土地の暮らしを伝えたい。 アーティストと共に日本各地を旅して学び伝える、地域文化に根ざした新たな音楽映像の表現。
https://etto.world/

監督・脚本:豊田利晃
音楽・演奏:日野浩志郎、鼓童(阿部好江、中込健太、小松崎正吾、住吉佑太、鶴見龍馬、小平一誠、前田順康、吉田航大、三枝晴太、渡辺ちひろ、小野田太陽、詫間俊、中谷憧)
出演:渋川清彦
撮影:槇憲治 照明:野村直樹 美術:松本千広 衣装:服部昌孝、江戸一番隊 ヘアメイク:白銀一太
音響効果:北田雅也 音楽録音:葛西敏彦 録音:高橋勝
スチール:大森克己 編集:沖鷹信
制作プロデューサー:沖鷹信
企画・製作:越島(安澤太郎、黒瀬万里子)

2021年/カラー/日本/5.1ch/89分
公式サイト:https://etto.world/
公式Twitter:https://twitter.com/etto__world

配信表記:2月5日(金)19時一斉配信開始
©2021 越島

Minmoa - ele-king

 いつまでも聴いていたい魅力的な歌声に、なんとも繊細なバンド・アンサンブル──なるほど、結成から5年かけてつくりこんだという話も納得だ。ひとつひとつの音が丁寧に絡み合っている。おいしいはなしの今野嵩朗を中心に結成されたフォーク・ロック・バンド、ミンモアのファースト・アルバム『帰郷の日』が2月3日にリリースされている。どこか懐かしいのに現代的、寂しげなのになぜかあたたかい、絶妙なニュアンスが表現されています。ぜひチェックを。

微睡みを誘う柔らかな歌声にそこはかとなく漂う寂寥感……、ソフト~フォークロックからの源流を現代的なサウンドへと昇華した至高の音世界~ミンモア『帰郷の日』本日発売&MV解禁!

微睡みを誘うような柔らかなサウンドでありながらどことなく漂う寂寥感、そして独創的な世界観を “うた” で表現する女性ヴォーカルで東京インディー・シーン唯一無二の存在感を示すミンモア。Salt Water Taffy や Eternity’s Children、Millennium、さらには Fairport Convention や Virgin Insanity といったソフト&フォークロックからの源流を現代的に解釈したサウンドで高い評価を受けていた彼らが、結成から5年の月日をかけて作り込んだ待望の1stアルバム『帰郷の日』がいよいよ本日発売&収録曲 “深夜の定期便” MV解禁! ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、シンセサイザー、フルート、キーボードといった多様な編成による印象的なアンサンブルとレイドバックしたフィーリングによるソフトなサイケデリック感は、半世紀という長い年月をかけて紡がれてきたまさに至高の音世界です!

・ミンモア「深夜の定期便」(Official Music Video)
https://youtu.be/bt-cvdCtKps

推薦コメント(五十音順・敬称略)

●岡村詩野(音楽評論家/TURN編集長)

「ニッポン・フォークロア」そんな名前をつけたくなる作品だ。
ブラジルはミナスの音楽や、アパラチアン・フォークへのアプローチを感じさせつつも、どうしようもなく日本の情緒が言葉とメロディに刻まれていて胸が甘やかに締め付けられる。
あの頃の風景と、これからの生活とを繋ぐ魔法の扉のような、柔らかで穏やかだけど意志の強い歌。
リーダーのコンノくんとは「おいしいはなし」の頃からのつきあいで、その頃からちょっとヘンテコな曲を作るソングライターだなと思っていたけれど、今はこんなにも地に足のついたヒューマンなコンポーザーだ。
どの曲も素敵だけど、私は「帰郷の日」が特に好き。旋律もハーモニーもアレンジもパーフェクトです。

●柴崎祐二(音楽ディレクター/評論家)

前バンド〈おいしいはなし〉の頃から、リーダーの今野くんは常になにか胸中に思いを秘めたところのある人だと思っていた。
やりたいことをやりながらも、同時に本当にやりたいことを探している、そんな佇まい。
ミンモアという新しいバンドを始動させたという便りを聴いて以来、その「やりたいこと」をどのように熟成させていくのかを密かに期待していたのだけど、このアルバムはその期待に応えてくれる、というかそれ以上の成果を聴かせてくれる。

バンドという形態をもってこういう繊細なニュアンスに富んだ音楽をやること。「ひとり」で音楽をつくることが常態化してしまった今、それはかなり難しい道であると想像する。けれど、ここに結実した音楽は、いかにも軽やかで、センスフルだ。

豊かな余白が全体を包み、さまざまなコミュニケーションの色彩が織り込まれてもいる。
彼らも私も、長らくインディー・ポップに執心してきた同志であるという気持ちを再確認させる、みずみずしい「懐かしさ」。経年とともに新たに生成する、音楽の芳醇。
今、こういう音楽があってくれることが、とてもありがたい。

やりたいことを焼き付けながらも、その余白でやりたいことを更に想像させる音楽。
思えば、私はそういう健やかな野心が秘められた音楽をずっと聴いてきたし、これからも聴き続けるだろう。

●元山ツトム(ペダルスティール奏者、ゑでぃまぁこん)

待望のミンモアのフルアルバム。素晴らしいですね。抜けるようなフルートやグロッケン、巧みに構築されたコーラス。
この大きな作業をやり遂げた後のライブを早く見てみたいと思いました。きっと素敵に違いないことでしょう。
ボーカルのサエコさん、ちょっとやそっとじゃ動じない佇まいで、なにやら元々ハードコアな界隈に出入りしてたそう。
ガンガンにディストーションだった人達が作るソフトなロックってやっぱりちょっと違いますよ。
僕や僕の周りも割とそんな感じなのでまた一人仲間が増えたみたいで頼もしくもあります。
そしてお坊さんでもありサッカー選手でもあると聞いた。もう逆らえないですよ。笑

[アルバム情報]
アーティスト:ミンモア
タイトル:帰郷の日
レーベル:P-VINE
品番:PCD-25316
定価:¥2,500+税
発売日:2021年2月3日(水)

試聴/購入 https://smarturl.it/minmoa_kikyoNoHi

《収録曲》
1. 誰かが私を通り抜けた
2. 帰郷の日
3. 音信
4. 深夜の定期便
5. オオカミ
6. あこがれ
7. 草原

Minmoa(ミンモア)
2016年、ギターの今野嵩朗を中心に結成されたソフトサイケ~フォークロックバンド。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、シンセサイザー、フルート、キーボードといった多様な編成で都内を中心に精力的なライヴ活動を行い2018年にはゑでぃまぁこんの元山ツトムがマスタリングを手掛けた1st EP「Minmoa」を発表、60年代ソフト〜フォークロックを多彩なアンサンブルで現代的なサウンドへと昇華したスタイルで東京インディー・シーンにおいて唯一無二な存在感を示す。2021年2月に待望の1stフルアルバム『帰郷の日』を発売。

今野嵩朗(Guitar) / 沙恵子(Vocal, Synthesizer) / 古見千桜子(Drum,Chorus)

-Mimoa Official-
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R.I.P. Double K (People Under The Stairs) - ele-king

 LAを拠点に活躍し、2019年に引退を発表していたヒップホップ・デュオ、People Under The Stairs (以下、P.U.T.S.)のメンバーとして知られる Double K (本名:Michael Turner)が、1月30日に入院先の病院にて亡くなった。享年43歳で、詳しい死因は明らかになっていないが、彼の友人であるLAのベテランDJ、Mark Luv によると Double K は「安らかに亡くなった」という。


来日時の様子(写真:大前至)

 P.U.T.S.ではMC、プロデューサー、ライヴDJも担当していた Double K が、Thes One と共にグループを結成したのが1997年頃のことだ。LAのミッドシティと呼ばれるエリアにある高校に通っていた彼は、同じ高校に通う(のちに Living Legends を結成することになる) Murs、Eligh、Scarub らが中心となっていたクルー、Log Cabin Crew の一員として活動しながら、すでにビートも作りはじめていた。16歳のときにサンプルネタを探すために訪れたレコード屋にて出会ったのが同じくまだ十代であった Thes One で、それぞれ自分の作ったビートを聴かせあいながらお互いを認めるようになり、その後、彼らは P.U.T.S. としての活動をスタートすることになる。

 USC (University of Southern California)に通う大学生であった Thes One の学生ローンを元手に、1998年、彼らは最初のシングル「The Next Step II」とアルバム『The Next Step』をリリース。ともにDJでありラッパーでありビートも作っていたふたりに共通するのは、彼らが強く影響を受けた80年代から90年代半のヒップホップのフレイヴァーを継承しながら、自ら見つけ出した誰も知らないサンプリング・ネタで新しい音楽を作り出すという点で、いまで言うブーンバップのスタイルを彼らはデビューの時点で確立していた。自主制作盤を手に彼らは契約できるレーベルを探していたが、しかし、LAのヒップホップ・シーンの中で徒党を組むようなタイプではなかった彼らに後ろ楯はなく、最終的に契約を結んだのがサンフランシスコを拠点とするヒップホップ色の薄いレーベル、〈OM〉であった。しかし、〈OM〉と契約を結んだことで彼らはヨーロッパにファン・ベースを築くことに成功し、さらに世界的なアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンの盛り上がりの波にも乗り、日本を含む世界中に数多くのファンを獲得する。

 グループ結成から解散までの22年の間に、P.U.T.S.は通算10枚のフル・アルバムと2枚のコンピレーション・アルバムを残してきた。彼らの作品の中でも特に個人的に思い出深いのが、筆者がLAに住んでいた期間にリリースされた通算5枚目のアルバム『Stepfather』と次の『FUN DMC』だ。『Stepfather』リリースのタイミングに合わせて彼らの日本ツアーが行なわれたのだが、そのタイミングで筆者も一時帰国し、彼らが日本のヒップホップ・ファンから強く愛されていることをダイレクトに感じた。『FUN DMC』発売時のLAでのリリース・イベントではステージ上にビールサーバーが置かれ、様々なアーティストや関係者と共にステージ上でビールを飲みながらライヴを観るという貴重な経験もさせてもらった。そして、『FUN DMC』の後にシングル・リリースされた「Trippin At The Disco」のPVになぜか一瞬だけ出演することになったことも忘れられない。

 P.U.T.S.のふたりには取材などもさせてもらったが、一緒にいて感じたのがグループとしてのふたりのバランスの良さだ。Thes One は P.U.T.S.のスポークスマンであり、細かい事柄にも気を配りながら、オーディエンスを強く惹きつける勢いや爆発力もあり、明るくポジティヴな面も持っている。ライヴ中はラップもしながらDJもする Double K は、少し下がって Thes One の後ろのポジションにいながら、落ち着いて全体を見ながらムードを作っていくタイプで、決して口数は多くはないが彼のメローな雰囲気は人に安らぎを与える。全く異なるタイプのふたりだからこそ、お互いを補完することができたであろうし、絶対的な信頼が彼らの22年間のキャリアを支えてきたに違いない。

 前述したように、2019年にリリースされたラスト・アルバム『Sincerely, the P』を最後に音楽業界から引退し、ファンを驚かせた彼ら。地元LAでも引退に合わせたライヴは一切行なわれず、ラスト・アルバムだけを残して突然いなくなってしまった印象が強い。彼らの引退に関しては唯一『LA Times』にインタヴュー記事が掲載されているが、彼らが音楽をはじめたときとの環境の違いや自らの年齢なども理由としながら、アーティストとしてやり切ったという前向きな姿勢も感じられる。その一方で記事では Double K の健康状態にも少し触れており、もしかしたらそれが彼らが突如引退した理由のひとつであったのかもしれない。

 Double K の死は本当に悲しい出来事であるが、P.U.T.S.が残してきた音楽はこれからも色褪せることはなく永遠に残っていくだろう。彼らのライヴでの定番曲であり、間違いなく彼らの一番の代表曲である “San Francisco Knights” を聴きながら、この追悼文を締めたい。


https://open.spotify.com/track/0msneWUDfYKAGrifwEDhtl

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