「KING」と一致するもの

PSYCHEDELIC FLOATERS - ele-king

 不肖柴崎の監修により新たなリイシュー・シリーズがスタートします。その名も「PSYCHEDELIC FLOATERS(サイケデリック・フローターズ)」。

 「サイケデリック」というと、その語自体が伝統的なロック・ミュージック観と分かちがたく結びいている故に、1967年のサマー・オブ・ラヴ、ヒッピー、LSD、ティモシー・リアリー、サイケデリック・アート、ジェファーソン・エアプレイン、……という連想を反射的に起こさせるものだったし、そういった理解がいまだ一般的なものだろう。ドラッグ・カルチャーと変革の時代が生んだ徒花的存在として、その徒花性が故に「あの時代を彷彿とさせる」アイコニックなカルチャーとしてその後も生きながらえてきた。70年代にはアンダーグラウンドに潜伏しながらもオーセンティックなサイケデリック・ロックを演奏するバンド群は根強く存在していたし、80年代にはオルタナティヴ・ロックの胚珠として「ペイズリー・アンダーグラウンド」なるリヴァイヴァルも勃興し、90年代以降も特定のテイストとして都度アーティストたちに取り入れられる一要素として「サイケデリック」という意匠は生き長らえてきた。

 しかし、本来この「サイケデリック」には、そうした単線的な視点・史観のみでは捉えきれない複層的な空間が広がっている。幻夢的な酩酊感、あるいは静的覚醒感。そういった、サイケデリックから抽出される特有の質感を「浮遊感=フロートする感覚」として捉え直すことで、大きく視野が切り拓かれることになる。快楽性とテクスチャーにフォーカスして音楽を捉え直すという感覚は、90年代に、かつてのソウル観に対する概念として「フリー・ソウル」というタームが出現したときのそれに近しいと言えるかも知れない。そう、ドアーズやエレクトリック・プルーンズ、ブルー・チアー(も素晴らしいけど)ではなく、後期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやカン、マニュエル・ゲッチング、ウェルドン・アーヴィン、ピーター・アイヴァース、ネッド・ドヒニー、ヨ・ラ・テンゴ、アンノウン・モータル・オーケストラフランク・オーシャン……。それらから共通して抽出されるタームこそを「サイケデリック・フローターズ」と呼びたい。

 そして、昨今のポスト・ヴェイパーウェイブ的趨勢の中、ニュー・エイジ、アンビエント、バレアリック、あるいはシティ・ポップやヨット・ロックが次々と注目・再発見されていく流れにあって、「サイケデリック・フローターズ」という切り口をそこに加えることで、いまこそ再び聴きたい(聴かれるべき)多くの隠れた名作が浮かび上がってくるのだった。これまで「サイケデリック」という文脈では一般的に語られることのなかった幅広いジャンルに存在する「無自覚なサイケデリック」とでも言うべき作品を発掘し、これまでのリイシュー・シリーズとは一線を画した視点で数々のタイトルを紹介していくつもりだ。

 では、今週7/18にリリースとなる第一弾の2作品を紹介しよう。

Jack Adkins / American Sunset

 米ウェストバージニア州出身のシンガー・ソングライターによる84年作の世界初CD化。
 少年期よりガレージ・ロック・バンドで演奏活動を始め、その後も全米サーキットで音楽活動を続けてきたジャック・アドキンス。80年代に入りマイアミに移住しその地の風景に心を打たれたことをきっかけに、北米各地の夕暮れ(Sunset)の風景を歌い綴ったアルバムを制作することにした。歌とギター、リンドラム、そしてシンセサイザー(ローランドジュピター8)を中心に、ほぼ全ての楽器を自身で演奏し録音されたこのレコードは、当時はごく少数のみプレスの超激レア作。
 まさに知る人ぞ知る存在だったこの盤の存在が知られるきっかけは、ダニー・マクレウィンとトム・コベニーというハードなディガーふたりによるユニット PSYCHEMAGIK が選曲を担当したヴァイナル・コンピレーション『PSYCHEMAGIK PRESENTS MAGIK SUNSET PART 1』(2015年)に、アルバム・タイトル曲が収録されたことだった。
 ジュピター8の独特の音色に80’s的風情を強く吹き込むリンドラムの響き、そしてジャック・アドキンス本人のマンダムな歌唱が融合した世界は、まるでルー・リードとアーサー・ラッセルが邂逅したかのような至高のニューエイジ・フォーク作となっている。キラキラと海を照らすオレンジ色の黄昏のような音楽に、バレアリックな哀切が掻きてられる。

Jack Adkins - American Sunset
Boink Records / Pヴァイン

Amazon Tower HMV


Chuck Senrick / Dreamin’

 米ミネソタ州出身のジャズ系シンガー・ソングライター、チャック・センリックによる唯一作(76年作)の世界初CD化。
 地元のバー・ピアニストとして演奏活動をおこなっていた彼が、愛する新妻との結婚生活を綴ろうと制作した作品で、自身のヴォーカルとフェンダー・ローズ、そしてKORG社製のリズムボックス「ドンカマチック」を伴い、友人宅のリヴィング・ルームでひっそりと録音されたものだ。マイケル・フランクスやケニー・ランキンといったヴォーカリストを思わせる切々としたクルーナー・ヴォイスに、透明感のあるローズの響き、そしてキッチュとも言えるドンカマのリズムが融合し、シンプルながらも不可思議な酩酊感を湛えた世界が(ささやかに)繰り広げられる。
 ヨット・ロックのブームを決定づけることになった米〈Numero〉からリリースされたコンピレーション『SEAFARING STRANGERS: PRIVATE YACHT』(2017年作)に、本作から“ドント・ビー・ソー・ナイス”が収録されたことでも一部ファンの注目を集めていた。そういったAOR再評価の最深部的作品としても実に味わい深いが、やはり注目すべきはその幸福な浮遊感に満ちたイノセントかつナイーヴな肌触りだろう。
 これぞまさしくアンコンシャス(無意識的)なサイケデリック・ミュージックの最良の例だと言えるだろう。

Chuck Senrick - Dreamin'
A Peach Production / Pヴァイン

Amazon Tower HMV


 「サイケデリック」についてあれやこれや考察するよりも、あるいは「いまっぽい」という視点ばかりに拘泥するよりも、何よりもまずはその浮揚するサウンドスケープに耳を委ねてみるのが良い。
皆さんのリスニング・ライフに少しの刺激と安らぎを与えてくれるであろう本シリーズ、今後も様々な知られざるレア作や埋もれた名作のリリースを予定していますので、是非ご愛顧のほど宜しくお願いします。

追記:
「サイケデリック・フローターズ」をより楽しんでいただけるように、Apple Music と Spotify 上にプレイリストを作成しました。是非併せてお楽しみください。

AppleMusic

Spotify

※配信曲有無の関係で、AppleMusic と Spotify で若干プレイリスト内容が異なります。


Krrum
Honeymoon

37 Adventures / ホステス

SoulElectronic

Amazon Tower HMV iTunes

 2017年のアップル・ウォッチのCMを見た人はいるだろうか? 「ゴー・スウィム」というシリーズの第2弾で、時計をつけたままプールで泳ぐというフィルムなのだが、そのバックに流れていたのがカラム(綴りはKrrumで、発音的にはクラムが近い)というアーティストの“イーヴル・ツイン”という曲である。近年のアップル社のCM曲に起用されたUK勢には、ハドソン・モホーク、サム・スミス、ムラ・マサなどがいるのだが、旬の人だったり、またはこれからブレイクしそうな人だったりと、人選がいいところをついている。これらCM曲は、エレクトリックな佇まいを感じさせながらも、どこかソウルフルで人間的、温かみだったり、可愛らしさだったりを感じさせる作品が多いのだが、カラムの“イーヴル・トウィン”もそうした1曲である。なお、この“イーヴル・ツイン”のミュージック・ヴィデオもあって、何かのオーディション会場にマイケル・ジャクソン、ボーイ・ジョージ、ニッキー・ミナージュ、ブリトニー・スピアーズのソックリさんが現れるのだが、彼らはみな年季の入った太めのLGBTという感じで、重たそうな体でキレのないダンスを繰り広げるコミカルなものだ。そして、カラム自身も審査員役で登場している。

 カラムはプロデューサー/シンガー・ソングライターのアレックス・キャリーによるプロジェクトで、英国のリーズを活動拠点とする。長い山羊髭に黒縁のロイド眼鏡と、ファッションもなかなかユニークでキャラが立っている。彼はダービーシャー州のダーク・ピークスという田舎町出身で、13才の頃から作曲を始め、地元のスカ・バンドでトランペットを演奏していた。その後、リーズの大学に進学して音楽制作を学び、その頃にゴリラズからボン・イヴェールなどいろいろな音楽の影響を受け、吸収していった。2016年1月に同じアパートに住む友人のハリソン・ウォークと“モルヒネ”というシングルを発表し、この曲や“イーヴル・ツイン”を含む初EPを同年3月にリリース。Shazamやハイプ・マシーンのチャートを賑わせた後、前述のように“イーヴル・ツイン”がアップルCMに使用され、さらに話題を呼んだのである。その後、楽曲制作と並行してピッチフォークやBBCなどが主催するフェスティヴァルにも参加し、人気を伸ばしていったカラム。そして、“イーヴル・ツイン”ほか、“ハード・オン・ユー” “スティル・ラヴ” “ムーン”などのシングル曲を含むファースト・アルバム『ハネムーン』が満を持して発表された。盟友のハリソン・ウォークがソング・ライティングで参加しているが、彼もギタリスト兼シンガー・ソングライターで、ニック・マーフィー(元チェット・フェイカー)を彷彿させる味のあるヴォーカルだ。基本的にアレックスがトラックを作り、ハリソンが歌うというのがカラムのスタイルである。そして、ミキサーにはアデル、ベック、アルバート・ハモンド・ジュニアなどの作品に携わるベン・バプティ、そしてトゥー・ドア・シネマ・クラブ、ムラ・マサなどを手掛けるティム・ローキンソンが参加。また、コリーヌ・ベイリー・レイの楽曲を手掛けたジョン・ベックとスティーヴ・クリサントゥが、それぞれ“フェーズ”と“ハニー、アイ・フィール・ライク・シンニング”でソング・ライティングに加わっている。

 カラムは『ハネムーン』について、ややシニカルな見方をしている。「たいていハネムーンというと、ポジティヴなとらえ方をする人が多いけど、その反面、子供でいることや自由であることが終わりを迎えたという時期を意味するのではないのかな」ということで、このタイトルをつけたそうだ。物事に対して客観的で斜に構えた見方をしており、たとえばラヴ・ソングの“スティル・ラヴ”も「恋愛関係を前進させたい思いが強いけれど、踏みとどまってしまう自分がいる。なぜなら直感的に、その関係より先に進めなくてもいい、妄想で終わらせてもいいと思っている自分がいるから」という思いを表現している。“フェーズ”は「あなたは私の人生の通りすがりの男だから」と、自らを言い聞かせて関係を断ち切るという切ないラヴ・ソング。“ムーン”は「好きな人と関係性を結ぶためには、通らなくてはいけない告白という儀式がある。でも、その引き金を引くと、自分が思いもよらなかった結果が待ち受けていることがある」という具合に、彼の歌にはどこか鬱屈した感情が見受けられる。“アイ・ソート・アイ・マーダード・ユー”や“ハニー、アイ・フィール・ライク・シンニング”などの曲名も意味深だ。このように屈折したフィーリングをデジタル・プロダクション主体のサウンドに乗せるスタイルで、基本的にはエレクトリック・ソウル~オルタナR&B系のシンガー・ソングライターと位置づけられるだろう。そして、シニカルでクールに物事を俯瞰する視線は、とてもイギリス人らしいと言えそうだ。

 ジェイムズ・ブレイクやサム・スミスの成功以降、UKの男性シンガー・ソングライターにはジェイミー・ウーン、クワーブス、クウェズ、サンファなど逸材が多い。今年ブレイクした筆頭のトム・ミッシュほか、ジェイミー・アイザックやプーマ・ブルーなど、若く才能のあるシンガー・ソングライターが続々と登場している。カラムもこうした中のひとりであるが、たとえばトム・ミッシュあたりと比較するとプロダクションはずっとエレクトリック寄りである。トム・ミッシュがギター・サウンドを主体とするのに対し、カラムの軸となるのはシンセ・サウンドで、そこにホーン・サンプルとオート・チューンなどで加工したコーラスを加えていく。“イーヴル・ツイン” “ウェイヴズ” “スティル・ラヴ”がこうしたプロダクションの代表で、“アイ・ソート・アイ・マーダード・ユー”あたりに顕著だが、全体的に1980年代風のエレクトロ・テイストを感じさる点も特徴だ。“ユー・アー・ソー・クール”のようにポップで爽快感を感じさせる曲も魅力的だが、“ブレッシング・イン・ア・ドレス”や“ドーム・イズ・ザ・ムード・アイム・イン”などヘヴィーなヒップホップ系ビートの骨太の曲、“イフ・ザッツ・ハウ・ユー・フィール”のようにオルタナ感満載のベース・ミュージック寄りの曲と、いろいろとヴァラエティにも富んでいる。そして、どの曲からもポップなセンスが感じられる。アップル繋がりではないけれど、ムラ・マサの楽曲や、そのアルバムにも参加していたジェイミー・リデルの作品に通じるところも見受けられるし、クワーブス、ソン(SOHN)あたりに近い部分も感じさせる、というのがカラムの印象だ。“ハード・オン・ユー”のようにソウルフルなフィーリングとエレクトリック・サウンドの融合が、彼の真骨頂と言えるだろう。


GONNO×MASUMURA トリプルファイヤー - ele-king

 たしかいまから3ヶ月ほど前、OLD DAYS TAILORのレコーディングのために大分から東京に出てきていた増村君とひょんなことから吉祥寺で飲むことになった。その時、GONNO×MASUMURAのレコ発の話になって、さらには、対バンは誰が良いかな~というような話になったのだった。安い焼酎が数杯入って無責任な精神になっていた私は、単純に自分が観たいだけという理由で、トリプルファイヤーが良いよ! と提案したのだった。まあ全然ファン層も違うし却下されるだろうな、と思っていたら本当に決まってしまっていた(告知で知った)。

 アルバム『In Circles』のレヴューでも書いたが、GONNO×MASUMURAのリズムへの意識の鋭敏さは、改めて言うまでもなくすごい。生ドラムと打ち込みという相互関係が表出する揺らめきまでも含め、国内で今ここまで自覚的にリズムへ対して取り組むアーティストは稀有であると思っていた。そして、トリプルファイヤーも(その特異な立ち姿や「面白い」歌詞世界に幻惑されてしまいがちであるが)同じくリズムに対して鋭敏な視点を持っている稀有なバンドである。アフロビートや変拍子を取り入れながらも極めて沈着、しかし、そこに内在する熱は、ずっと触れ続けていると知らぬうちに低温火傷を起こしそうなほどに豊か。一見ミスマッチな組み合わせに思えるかも知れないけれど、だからこそこの両者が相まみえる面白さは格別だ。

 はじめに登場したトリプルファイヤーは、パーカッション担当のシマダボーイをサポートに迎えた4人体制。このところの演奏の充実ぶりを伺わせる盤石のライヴで、トリッキーだが統御の行き届いた硬質(なのに靭やかな)グルーヴ。おそらくGONNNOのファンと思われるお客さんがその演奏にじわじわ魅入られていくのを横目で見ながら、ビールを一杯、二杯。途中ボーカルの吉田がMC(僕はいつもライヴ演奏と同じくらいこれを楽しみにしている)で「今日は呼んでもらってありがとうございます……今日は音楽的な現場で……なんかすごく……(突然大声で)今日は音楽的に凄い人たちとやってまーす!」と言い、私は爆笑してしまったのだけど、あまり他に笑っている人がいなく少し気まずい思いで回りを見渡していたら、微笑を浮かべるGONNO×MASUMURAの二人がいた。
 この日のトリプルファイヤーは新曲を織り交ぜたセットリスト。私は体を揺らしながらも、リズムやリフなどそれぞれの曲の構造を把握すべく頭の中を整理しようとするのだけど、そこへ歌声が次々と鮮烈な意味を注入してくるので、忙しく、そして楽しい。あっという間に終わってしまったような感覚。搬入バイトを終えて現地解散する人たちのように楽屋に戻っていくメンバーの様が格好良い。

 ステージ上、ごっそりとセットチェンジが行われる間、主役目当てのお客さん達も徐々に増えてきたようで、自然とフロアにも熱気が篭ってくる。
 いつの間に会場へ到着したのか野田編集長が客席下手スピーカー前の柵に寄りかかって近距離から増村のセッティングを凝視している。「いやあ、二人とも緊張しているね」そう、実はGONNO×MASUMURAとしてライヴを行うのは今回がたった二度目のことなのだという。だからこそ、今ライヴを観ることに価値がある。
 ラップトップやミキサー卓などの機材の山を前にしたGONNOが徐々に電子音を響き渡らせ始め、それに呼応するように増村のドラムが静かに交わっていく。時折アイコンタクトを織り交ぜながら繰り広げられていく演奏は、決まり事があるようでいて無いようでもある、インプロヴィゼーションと非インプロヴィゼーションの境界を内部から溶かしていくようなスリルを帯びる。GONNNOのDJイングは精密でありながら大胆で、増村もそれに煽られるように即妙のフレーズを叩き込んでいく。
 ポップ・ミュージックにおける一般的なドラミングでは、リズムキープとフィルという要素が繰り返させることにより、曲自体の構造が釘打ちされ建築物としての楽曲構成が立ち上がってくるものだが、ここではそういったプレイ上の境界も溶かされ、電子音と相克しながらまるでパルス的鼓動の如く空間をリズムで満たしていく。GONNOのプレイも、テクノ・ミュージック一般におけるマシーン的反復性の快楽を携えながらも、生ドラムが叩き出すリズムのしなりに焚き付けられるように、変幻していく。
 最初のうちは緊張感の漂っていたフロアも、気づけば思い思いに体を躍動している。体感音量はどんどんと上がっていき、ステージ上のふたりもプレイ前のこわばりが嘘のように自らの奏でる音楽に身を委ねる。アルバム終曲を飾る「Ineffable」でライヴはついにクライマックスに達し、その天上的アフロ・バレアリックとでも呼ぶべき世界が昂まりと静けさを同時に召喚する。
 ダブル・アンコールを欲するオーディエンスの前に三度現れたGONNOと増村が、「もっと演りたいんですけど、演れる曲がありません(笑)」と口下手に言ってみせると、空間に充満した音楽がフッと発散されるように辺りに笑みが広がり、幕は穏やかに閉じられた。

 それにしてもこの日、トリプルファイヤーとGONNO×MASUMURAの二組の創出した空間の差異、それこそがライヴイベントの醍醐味というべきものだった。二組は、個的なリズムフォルムへの拘り・固執という点では志を共有しつつも、そのリズムを楽曲構成の中でどう位置づけ、そしてライヴ演奏の場でどのように実践するかという方法論においては全く違った行き方を取っている。本来そういった方法論が演奏集団によって十者十様であるという(自明すぎてむしろあまり顧みられることの少ない)音楽を楽しむにあたっての重要な視点が、これほどまでに鮮烈に提供された空間は稀だったかもしれない。
 音楽は共通言語として(観客含め)いかようにも共有されうるが、コンテクストの差異を味わうことは、その共有と理解に更なるダイナミズムを与えることが出来る。いわゆる「客層」判断上のマーケティング的視点からの躊躇や、一定ファンへの「配慮」などから、なかなかそうしたキャスティングが難しい状況もあるだろうが、こういったイベントがどんどん増えて欲しいと思う。

Brainfeeder - ele-king

 8月17日に開催されるソニックマニアにてオールスターの集結がアナウンスされている〈ブレインフィーダー〉ですが、それに先がけ、8月10日~12日の3日間、同レーベルの日本初となるポップアップ・ショップが展開されます。また、8月18日から1週間限定で、フライング・ロータスが監督を務めた映画『KUSO』も上映されるとのこと。さすが10周年、てんこ盛りです。これはもう祭りと言っていいでしょう。この夏は思いっきり〈ブレインフィーダー〉に染まるべし。

フライング・ロータス主宰レーベル
〈BRAINFEEDER〉の10周年を記念した
日本初のポップアップ・ショップ開催決定!

         
フライング・ロータス初長編監督作品
『KUSO』の1週間限定上映も決定!

今年設立10周年を迎えたフライング・ロータス主宰レーベル〈BRAINFEEDER〉。サマーソニックに引けを取らない強力な出演陣が大きな話題となっている今年のソニックマニアでは、フライング・ロータス、サンダーキャット、ジョージ・クリントン&パーラメント・ファンカデリックという最高の布陣に加え、ドリアン・コンセプト、ジェームスズー、ロス・フロム・フレンズら、フライング・ロータスが激推しする逸材も集結させ、ステージのひとつを完全にジャック! そんな話題沸騰中の彼らから、新たなニュースが到着! ソニックマニア1週間前となる8月10日~12日の三日間に渡って、渋谷スペイン坂のギャラリー Xにて、日本初のポップアップ・ショップの開催を発表! ここでしか手に入らない10周年記念グッズやレアな輸入グッズ、入手困難だった人気グッズの復刻、さらにアート作品の展示や〈BEAT RECOREDS〉のガレージセールなども同時開催! 初日にはDJイベントも!


BRAINFEEDER X
ANNIVERSARY POP-UP SHOP

開催日程:8/10 (金) - 8/12 (日)
8/10 (金) 18:00-23:00
8/11 (土) 12:00-20:00
8/12 (日) 12:00-18:00

場所: GALLERY X BY PARCO

企画/制作: BEATINK Inc. / PARCO CO.,LTD.

BRAINFEEDER SPECIAL GOODS
10 周年記念グッズや限定輸入グッズなど、BRAINFEEDER グッズの販売

BRAINFEEDER ART EXHIBITION
BRAINFEEDER 関連のアート作品展示

BEAT RECORDS GARAGE SALE
BRAINFEEDER ほか、BEAT RECORDS 関連作品のガレージセールやグッズ販売

『KUSO』PREVIEW BOOTH
フライング・ロータス監督映画作品『KUSO』の一部映像解禁!

DJ EVENT
開催初日の夜にはオープニング・パーティを開催。BRAINFEEDER 好きのDJ がスペシャル・セットを披露

さらに、奇才フライング・ロータス初長編監督作品『KUSO』が、2018年8月18日(土)より渋谷・シネクイントにて1週間限定レイトショー上映決定! “史上最もグロテスクな映画”とも称され、サンダンス映画祭にて退席者続出の問題作、遂に日本公開!

※チケットは 各鑑賞日の2日前より発売予定。詳しくはシネクイント公式 HPをご覧下さい。
www.cinequinto.com/shibuya

BRAINFEEDER NIGHT IN SONICMANIA
featuring
FLYING LOTUS
THUNDERCAT
GEORGE CLINTON
DORIAN CONCEPT
ROSS FROM FRIENDS
JAMESZOO

08.17 FRI MAKUHARI MESSE
www.sonicmania.jp

COTTON DOPEの手記 - ele-king

MC KHAZZ x DJ HIGHSCHOOL “WHITE GIRL”

 「I'M YA BOY E.P」 いつもいるやつ。
 そう題されたEPのリリースされる前。人に会うたびに「HIGHSCHOOLとMC KHAZZの聴いた?」と興奮気味に聞かれた。BUSHMINDやDJ HOLIDAYがPLAYしていてフロアで聴きながらテンションが上がった。血湧き肉躍るサイケデリックなHIP HOPは確実に2018の音楽をアップデートしたと言える。先日リリース前に行われた池袋BEDでのライヴでは空気を一変させ、CLUB内の空間が沸騰して歪みながら上がった。
 DJ HIGHSCHOOL。東京のDJ集団、SEMINISHUKEIに所属。DJ、トラックメーカー。BUSHMINDやSTARRBURSTとのトリオBBHとしても活動。ERA、O.I.、STARRBURSTとのグループD.U.O TOKYOではラッパーとして活動。DJ HIGHSCHOOL、BBHともにSTRUGGLE FOR PRIDEの2ndアルバム「WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE」に参加している。
 MC KHAZZ。東海のHIP HOP集団、RCslumに所属。ラッパー。同じく東海のラッパーMIKUMARIとの与太BROS、RCslumのボスATOSONE、MIKUMARIとのM.O.S. (MARUMI OUTSIDERS ) で不定期なグループ活動も展開。「WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE」にもコーラスで参加している。
 交差しそうで交差しない路もあれば、交差しなそうで交差する路もある。とても普通で数奇に満ちた日常の出来事。「いつもいるやつ」同士であるDJ HIGHSCHOOLとMC KHAZZの話。

 「I’M YA BOY」というタイトルはどこから来たのだろうか?

DJ HIGHSCHOOL:I’M YOUR BOY。いつもいるやつっていう。お互いのクルーでの立ち位置っていう。そういう意味ですね。

 横でMC KHAZZがうなずく。出会いのきっかけを聞けばみんながうなずくはずだ。

H : MC KHAZZの存在が一番強く意識されたのは、ATOSONEの店 ( STRANGE MOTEL SOCIAL CLUB ) の前で全員溜まってて、ちっちゃいテーブル出して、赤と白のSOPRANOSテーブルクロスの上に、ブートのDVDを出して、カズオくんが帽子すごい被り方して売っていて。

MC KHAZZ : あれなんなんでしょうね?  あ、バカがいる笑?

H : 勝手に占拠してた時期ありましたよね。売ってたのブートですよね?

K : うんブート。

 肯定するわけではないけれどHIP HOPにはブートを売る文化がある。路上にはブートを売る文化がある。というのはまぎれもない事実だ。何気ない会話が続いていく。

H : MOPのご近所紹介ビデオで、ブート売ってるやつを袋に入れて叩き割るっていう。

K : ありましたねー。

H : 文化的にあれすごいなっていう。

K : お前おれのブート売ってんじゃねーよ。の下り、笑

H : あれやらせでしょ。

K : バッド持ってうろついてますよね。

 ブートビデオのくだりは、人が集まってる時にみんなでうなずいたり、あーでもないこーでもないという話で盛り上がるんじゃないだろうか?実際、この記事を書くために集まってもらった時にDJ HOLIDAYや THE TORCHESのメンバーもいて、話が広がっていった。

 DJ HIGHSCHOOLはCAMPANELLAのアルバム『vivid』にトラックを提供。自身の1stアルバム『MAKE MY DAY』ではCAMPANELLA, TOSHI MAMUSHI, NERO IMAIを東海より招き楽曲を制作している。DJ BISONとのDJユニット「FOOT CLUB」では名古屋でRCslumが開催するパーティー「METHODMOTEL」に多数出演しており、東海との交流が深い。
 MC KHAZZはMIKUMARIやATOSONEと共にフライヤーにクレジットされていなくともクラブで騒ぎ、ステージの上に飛び乗り、飛び降りスピットする。
 お互いの横では東京と東海の仲間が大きな声で笑い騒ぐ。彼らのいるパーティーに行ったことのあれば、お馴染みの上がる光景だ。自然過ぎて二人も出会いの瞬間を忘れていた。

H : 名古屋で会ってると思うんですよ。FOOT CLUBで出た時に。

 出会いに関しては、彼等の「YA BOY」も覚えてないようで、色々な説がある。「YA BOY」があげるエピソードはことごとく二人に違うって言われるのが興味深い。
 MC KHAZZとDJ HIGHSCHOOLはどのようにしてこのEPを作るに至ったのだろうか?この答えは二人とも明確に答えてくれた。

H : 名古屋で MC KHAZZの車に乗ったんですよ。それでMC KHAZZのアルバム「SNOW DOWN」のSTART ME!!を聴かせてもらって。

K : 出来上がってHIGHSCHOOLにもトラックを提供してもらってたので、聴いてもらおうと思って。

H : そしたら公園に着いてて。MC KHAZZが「ここでタイマンはったんすよ」ってぶっこんできて。

K : タイマン公園笑
 ほんとにたまたまっす笑

H : 気づいたら流れてる音楽がDIPSETに変わってた笑

好きなアーティスト、曲から話が広がって行く。

H : SNOWDOWN」があってその中の曲を(NYのBOBBY SHUMUDAのHOT NY SHIT)「HOT NIGGA」のオケでライヴでやってるの観て、熱いってなって。「SNOW DOWN」はBOOM BAP的な所もあるんで、そことの間になるような曲を作りたいと思って始めました。ライヴ映えすることを意識してる。

THE TORCHES:CHILLな要素もあるよね。現行のCHILL。今のLAとNYのCHILLの間

 的確な言葉を仲間が当てはめて。みながうなずく。EPの話に自然と流れて行く。

H : DIPSETが好きなのもそういうのがあって。南部のノリ入ってるじゃないですか?(DIPSETはHARLEMだけじゃなくてSOUTH出身のメンバーもいる)

K : 自分的にはSANTANAとFABOLOUSなんですよね。設定としては。

H : ラッパー同士ってどういうこと?トラックメーカーとラッパーのアルバムなんだけど、、、!

THE TORCHES:現行のCITY SOUNDだよね。トラップでもなくまた新しいもの。

H : BPM的にトラップのように遅くなりすぎないっていうのは意識して作ってます。

K : 短期間で作ってて、レコーディング自体が一ヶ月くらいで終わってるんですよ。

H : レコーディングしたものをこっちでEDITして、名古屋でMIXとMASTERINGをしてもらってますね。

 距離がある中でのレコーディングも「YA BOY」はスムーズに進める。「YA BOY」だから合流したくもなる。EP収録のHIGHSCHOOLのラッパー名義であるOS3が印象的なHOOKを歌う「CLOUDIN‘ AT KITCHEN」のエピソードを話してくれた。

K : HIGHSCHOOLの家でタバコ吸う場所がキッチンなんですよ。で、キッチンで一緒にやろうってなって。 HIGHSCHOOLの家のキッチンで炊くっていうそのままの曲なんですよね。

H : あれ、ERAくんに機材持ってきてもらって自宅でレコーディングしてるんですよ。MAX B(DIPSETのメンバーで現在超長期間で刑務所に収監中のOGラッパー)を意識してます。今も突っ込まれたっすけど、MAX Bって言うと全員違うと言われるんで違うかもしれないですね笑

 PVになっている「WHITE GIRL」は分かりやすい。かもしれない。

K : 綺麗な表現です。わかってますよ笑 露骨な表現というか、、、笑

H : 最近良くある誇示する感じではないんですよね、、、答えにくい笑 汚らしくはないと思います。

K : なるべくクールな表現をしたいっていうのはあるんすよね。$NOWPY…ユーザーラップ!

 それぞれの1stアルバムは「YA BOY」が親交の深い地域から集結した作品に対して今作はトラック、ラップ共にゲストはいるものの1ON1を意識した作品だと2人が口を揃えて言う。どんなシュチュエーションで聴くのがオススメだろう?

H : 車で聴いてほしいですね。

K : 夜ですね。春夏の夜の週末というか、

H : 首都高の湾岸ですかね。お台場ら辺。その先行くといつも混んでる所あるから。

K : 名古屋高速。環状ラインですね。

 違う街でも共有できるシュチュエーションに話は仲間を巻き込みながら盛り上がって行く。トピックを変えながら、回っていく。自然とEPリリース後の話へと進んで行く。

H&K:ツアーをやりたい。お誘い待ってます。

各地の「YA BOY」に未来の「YA BOY」が待っている。HIP HOPの重要なメッセージである「UNITY」が「YA BOY」達が遊んでる光景を見て伝わる日が色濃く盛り場に浮かんだ。

MC KHAZZ live at UNIT


MC KHAZZ x DJ HIGHSCHOOL (MC カズ xDJ ハイスクール)
I'M YA BOY E.P (アイム・ヤ・ボーイ・EP)
RCSLUM RECORDINGS RCSRC017

CD (国内盤)
1,800 円(税抜) + 税

Oneohtrix Point Never - ele-king

 最新アルバム『Age Of』の興奮冷めやらぬなか、同作収録曲“The Station”のデモ音源をTwitterにて公開し話題となったOPNですが(アッシャーのために書かれながらも却下されたという音源ですね)、それとほぼときを同じくして、新たなデジタルEP「The Station」と12インチ「We'll Take It」のリリースがアナウンスされました。共通の未発表曲が2曲収録されるとのこと。チェックしておきましょう。

ONEOHTRIX POINT NEVER
未発表音源を含む最新デジタルEP「THE STATION」の配信を発表!
原型となったアッシャー用のデモ音源も合わせて公開
さらに最新12”「WE'LL TAKE IT EP」もリリース決定!

ジェイムス・ブレイクやアノーニら豪華アーティストが参加し、気鋭デザイナー、デヴィッド・ラドニックが手がけた特殊なパッケージも話題の最新アルバム『Age Of』が好評のワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、アルバム収録曲“The Station”と未発表曲を収録したデジタルEPと、同じく収録曲“We'll Take It”と同未発表曲を収録した12” EPを7月27日(金)に同時リリースすることを発表した。現在ミュージック・ビデオも制作中という“The Station”は、もともとアッシャーのために書いたデモ音源がベースになっており、却下された音源をメッセージ付きで本人が公開したことも話題となっている。

Oneohtrix Point Never - The Station
https://opn.lnk.to/TheStation

2016年、アノーニとのツアー中にロンドンのホテルで書いたデモ音源で、当時“dejavu”と呼んでたもの。これが後に“The Station”になったんだ。この主旋律はもともとアッシャーのために書いたもので、ここでは右手のメロディーと合わせてある。最終ヴァージョンには異なる主旋律も加えて、ループしたコーダ(終結部)は線路のメタファーになってる。2016年の時点ではただのナイスなコードとメロディだったんだ。いますぐダウンロードしたほうがいいよ、間違いなくすぐ削除されるだろうから。
- Oneohtrix Point Never
https://twitter.com/0PN/status/1016366514394583041

デジタルEP「The Station」と12” EP「We'll Take It」には、同じ3曲が追加収録される。1曲は国内盤のボーナス・トラックでもある“Trance 1”で、もともとはボイジャー探査機の打ち上げ40年を記念して制作された映像作品「This is A Message From Earth」に提供されたもの。加えて“Monody”と“Blow by Blow”という完全未発表の2曲が収録される。

先日7月7日には、大型会場パークアベニュー・アーモリー(Park Avenue Armory)で開催されたニューヨーク3公演に続いて、ロンドン公演が行われ、英ガーディアン紙が5点満点の最高評価を与えている。すでに決定している東京とロサンゼルスに加え、また新たにパリ公演の開催も決定した。日本で初めてバンド編成でのパフォーマンスを披露する一夜限りの東京公演(Shibuya O-EAST)。売り切れ必至のチケットは、各プレイガイドにて現在絶賛発売中。


公演日:2018年9月12日 (WED)
会場:O-EAST

OPEN 19:00 / START 19:30
前売¥6,000(税込/別途1ドリンク代) ※未就学児童入場不可

絶賛発売中!
チケット取扱い:
イープラス [https://eplus.jp]
チケットぴあ 0570-02-9999 [https://t.pia.jp/]
ローソンチケット (Lコード:72937) 0570-084-003 [https://l-tike.com]

企画・制作: BEATINK 03-5768-1277 [www.beatink.com]

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9577


label: Warp Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: The Station

iTunes Store: https://apple.co/2N63s9j
Apple Music: https://apple.co/2L02Nce
Spotify: https://spoti.fi/2m9Mc7L

1. The Station
2. Monody
3. Blow by Blow
4. Trance 1


label: Warp Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: We'll Take It

release date: 2018/09/27 FRI ON SALE

輸入盤12inch (WAP424)
国内流通100枚限定!

[ご予約はこちら]
https://bit.ly/2Jd54Me

A1: We’ll Take It
A2: Monody
AA1: Blow by Blow
AA2: Trance 1


label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never
title: Age Of

release date:
2018/05/25 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-570 定価:¥2,200+税

国内盤CD+Tシャツ BRC-570T
定価:¥5,500+税

【ご予約はこちら】
beatink:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9576

amazon:
国内盤CD https://amzn.asia/6pMQsTW
国内盤CD+Tシャツ
S: https://amzn.asia/0DFUVLD
M: https://amzn.asia/4egJ96i
L: https://amzn.asia/g0YdP88
XL: https://amzn.asia/i0QP1Gc

tower records:
国内盤CD https://tower.jp/item/4714438

iTunes : https://apple.co/2vWSkbh
Apple Music : https://apple.co/2KgvnCD

【Tracklisting】
01 Age Of
02 Babylon
03 Manifold
04 The Station
05 Toys 2
06 Black Snow
07 myriad.industries
08 Warning
09 We'll Take It
10 Same
11 RayCats
12 Still Stuff That Doesn't Happen
13 Last Known Image of a Song
14 Trance 1 (Bonus Track for Japan)


ALBUM CREDITS -

Written, performed and produced by Oneohtrix Point Never
Additional production by James Blake

Mixed by James Blake
Assisted by Gabriel Schuman, Joshua Smith and Evan Sutton

Mix on Raycats and Still Stuff That Doesn’t Happen by Gabriel Schuman

Additional production and mix on Toys 2 by Evan Sutton

Engineered by Gabriel Schuman and Evan Sutton
Assisted by Brandon Peralta

Mastered by Greg Calbi at Sterling Sound

Oneohtrix Point Never - Lead voice on Babylon, The Station, Black Snow, Still Stuff That Doesn’t Happen
Prurient - Voice on Babylon, Warning and Same
Kelsey Lu - Keyboards on Manifold and Last Known Image Of A Song
Anohni - Voice on Black Snow, We’ll Take It, Same and Still Stuff That Doesn’t Happen
Eli Keszler - Drums on Black Snow, Warning, Raycats and Still Stuff That Doesn’t Happen
James Blake - Keyboards on We’ll Take It, Still Stuff That Doesn’t Happen and Same
Shaun Trujillo - Words on Black Snow, The Station and Still Stuff That Doesn’t Happen

Black Snow lyrics inspired by The Cybernetic Culture Research Unit, published by Time Spiral Press (2015)
Age Of contains a sample of Blow The Wind by Jocelyn Pook
myriad.industries contains a sample of Echospace by Gil Trythall
Manifold contains a spoken word sample from Overture (Aararat the Border Crossing) by Tayfun Erdem and a keyboard sample from Reharmonization by Julian Bradley

Album art and design by David Rudnick & Oneohtrix Point Never

Cover image
Jim Shaw
The Great Whatsit, 2017
acrylic on muslin
53 x 48 inches (134.6 x 121.9 cm)
Courtesy of the artist and Metro Pictures, New York

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN 2018 - ele-king

 

OUTLOOK FESTIVAL 2018 JAPAN LAUNCH PARTY
開催日時:2018.8.10 (FRI/Before Holiday)
会場: clubasia + VUENOS (2Venue circuit ) , Tokyo  www.clubasia.jp
開催時間 : 21:00 OPEN
料金 : 前売 3,000円 / 当日 4,000円
clubasia : 東京都渋谷区円山町1-8 1F&2F
+ VUENOS : 東京都渋谷区道玄坂2-21-7 1F&B1F
TEL. 03-5458-2551

ベース・ミュージックとサウンドシステムの世界的祭典「OUTLOOK FESTIVAL」 の 「JAPAN LAUNCH PARTY」 
2018年8月10日(金/祝前) 東京 渋谷 clubasia + VUENOSの周遊4フロアー!!!
ラインナップ発表!!

毎年9月にクロアチアの半島を貸し切って開催される世界最大のベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャーのフェスティバル『Outlook Festival』
ヨーロッパで数々のフェスティヴァル・アワードを受賞する超人気フェスで毎年5万人を超えるオーディエンスが世界各地からクロアチアの半島に集まり、ローマ時代のコロシアムや城塞の遺跡、ビーチ、船上パーティといったアドリア海に面した奇跡的なロケーションで行われる巨大イベントだ。 11周年を迎える今年も既に強烈なラインナップがアナウンスされており100都市近くのクラブ・パーティーと連携し世界中でワールドツアーとして開催されるローンチ・パーティの日本版が「OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTY」である。中でも規模・クオリティ共に本場ヨーロッパまで噂が轟いているのが日本版ローンチ・パーティであり、日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結しアジア最高峰のサウンドシステムでプレイする“アジア最強の都市型ベース・ミュージック・フェス"として世界中から注目を集めている。
さらに世界中で話題沸騰中の「レッドブル・カルチャークラッシュ」の日本版とも言える「OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH」や コンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN」のファイナルラウンドも見どころであり各フロアに設置される日本屈指/最強のサウンドシステム、レーベル毎のショウケース等、普段のクラブ・イベントでは見れない企画で満載だ。2013~14年 AgeHa/Studio Coast、2015年 Sound Museum Vision、2016年には代官山 UNITビルを丸ごと使用した3フロアー、2017年より clubasia + VUENOS の2 Building 周遊 4 Floor ナイトタイムでの開催!!! 
 
サウンド システム カルチャーを牽引する世界屈指のSOUND SYSTEM『eastaudio SOUNDSYSTEM』 SOUNDSYSTEM AWARDS"Highest Sound Quality"2013年度受賞。
サウンドスラッガーやOUTLOOK JAPAN LAUNCHでその実力は実証済みの『MAXTONE HI-FI 』 BACK TO CHILLに照準を合わせたサウンドシステムとして洗練された重低音を再生するシステムとして鍛え上げられてきた『BROAD AXE SOUND SYSTEM』の 3 SOUND SYSTEM!!
  そして JP出場権をかけたコンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018」接戦となったセミファイナルを制した『savo』『kaito komori』『Nishiura』の3組がこの日、当日「FINAL ROUND」現場で決戦!! 
そして『OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH』 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ『SHORT-ARROW & NINETY-U』!!   TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなる『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!? どんなゲストアクトがステージに登場するのか!? ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦!意地とプライドを賭けた音の戦い!
全てが見逃せない夜がまたやってくる!!


:: FULL LINE UP ::
JONNY DUB (LEVELZ) from UK
PART2STYLE SOUND 
KURANAKA1945
TREKKIE TRAX CREW
PK Brako from UK
CRZKNY
RED-I from MANILA
D.J.Fulltono
食品まつり a.k.a FOODMAN
ShioriyBradshaw
DJ WILDPARTY

 ※ 以下 A to Z
Amps
CHANGSIE
FELINE
HELKTRAM & CITY1 from Back to Chill 
iSOP
Ja-ge George
K8
KEN & SATOSHI from HANGOVER
Madkosmos
maidable 
MIDNIGHT ROCK
NATURAL VYBZ
ONJUICY
SAKO
STGM
SYNDROME & MC STONE
Tribal Connection
VIBES MAFIA
Vibes Only Crew
And more!!!

[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

[ ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018 FINAL ROUND ]
savo from SHURISQUAD 
vs 
kaito komori 
vs 
Nishiura

:: SOUND SYSTEM ::
eastaudio SOUNDSYSTEM
MAXTONE Hi-Fi
BROAD AXE SOUND SYSTEM

:: FOOD ::
新宿ドゥースラー

 >>> https://outlookfestival.jp/lineup



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[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

>>> https://outlookfestival.jp/soundclash

「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる『OUTLOOK.JP SOUND CLASH』 日本を代表するベース・ミュージックの代表格3組が激突するあの熱い戦いが今年も繰り広げられる!一点モノのオリジナル・キルチューン(ダブ・プレート)をプレイしあう音楽の戦争、サウンドクラッシュ! 

 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ!!  TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなるグライムプロデューサー・デュオ『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!?どんなゲストアクトがステージに登場するのか!?ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦 全てが見逃せない夜がまたやってくる!!

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毎年恒例 OUTLOOK_JPの出演権を賭けたDJコンテスト
[ ROAD TO OUTLOOK JP 2018 FINAL ROUND ]
savo fr.SHURISQUAD vs kaito komori vs Nishiura

毎年ジャンルの壁を越えた猛者が集う異種格闘技コンテスト『ROAD TO OUTLOOK JP』 昨年のファイナリストは、首都圏/関西の実力者、ニューカマーらを抑え、 札幌、福岡 地方都市の Bass Music系パーティーでプレーする豊富な現場経験を持つDJらが勝ち上がり、 初の本祭現場での決戦をダブ・プレートを駆使した NoB が勝利! 過去のチャンピオンには、大阪のPaperkraft、Drum and Bass Producer/DJのDJ MASA、福岡在住iSOP、Back to Chill等で活動するYuittyらが名を連ねる。 本年度もセミファイナルを勝ち抜いた3組による 8/10 OUTLOOK JP 当日現場でファイナルジャッジ!!! 

最終投票結果(いいね!の数)
1位 savo fr.SHURISQUAD - 405票
2位 kaito komori - 370票
3位 Nishiura - 340票

すべての応募者、投票していただいた皆様にRespect!!
上記3組が8月10日(金/祝前)OUTLOOK JP 当日現場で開催されるファイナルに進出します!
次はファイナルの会場で皆さんのジャッジをお待ちしております!!

>>> https://outlookfestival.jp/contest

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Outlook Festival 2017 JAPAN LAUNCH PARTY PHOTO HIGHLIGHT 公開!
>>> https://outlookfestival.jp/photogallery

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Outlook Festival 2017 Highlights
>> https://youtu.be/PWSYi6vQRxg

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[ WHAT IS OUTLOOK? ]
OUTLOOK FESTIVALとは? 毎年9月にクロアチアで開催される世界最大の“ベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャー”のフェスティバルである。UKではフェスティバル・アワードなどを受賞する人気フェスで、オーディエンスが世界各地から集まり、400組以上のアクトが登場。このフェスのローンチ・パーティは、世界各国100都市近くのクラブ/パーティと連携して開催され、その中でも本場UKまで噂が轟いているのが、日本でのOUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYである。 

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYは 日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結し、アジア最高峰のサウンドシステムでプレイする、いわばアジア最強のベース・ミュージックの祭典である。さらに世界中で話題沸騰中の「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる「OUTLOOK.JP SOUNDCLASH」も見どころのひとつであり、他のクラブ・イベントでは見れない企画が満載。

Silent Poets - ele-king

 静謐な空間をヘヴィーな低音と蒼く燃え上がるような熱を内包した繊細な詩情で満たしてきた下田法晴のプロジェクト、SILENT POETS。1992年のデビューから25周年を迎えた今年2月、長きに渡る沈黙を破り、12年ぶりにリリースしたアルバム『dawn』を携え、渋谷WWWにて、デビュー後、初となるバンド編成によるライヴを行った。

 “マッシヴ・アタックに対する日本からの返答”と評されながら、アシッド・ジャズやトリップホップ、アブストラクト・ヒップホップ、ダウンテンポなど、そのときどきのトレンドやサウンド・フォーマットに身を委ねることなく、ハイブリッドな音楽性とストイックなサウンドデザインを確立した独創的な音楽世界はバンド形態でどのように具現化されるのか。また、ベース・ミュージックが飛躍的な進化を遂げる一方、90'sリヴァイヴァルが音楽シーンに新たなインスピレーションをもたらしている2018年にSILENT POETSの楽曲は果たして、どう響くのか。

 開演時間を過ぎ、暗転したステージには、バンドマスターであるギターの小島大介(Port Of Notes)以下、ベースのSeiji Bigbird(Little Tempo)、キーボードのYOSSY(ex - DETERMINATIONS / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、ドラム/パーカッションの小谷和也(PALMECHO)、チェロの徳澤青玄、ヴァイオリンのグレート栄田、越川歩と共にバンドのエレクトロニクスを一手に司る下田が登場。さらにPA卓にはDub Master Xが陣取り、スタッフロールを皮切りに、ステージのバックエンドに映し出された映画さながらの美しい映像と共に、オープニング・ナンバー“Distant Memory”にフィーチャーされた厚みのあるストリングスがオーディエンスをSILENT POETSのエモーショナルな世界へとゆっくりと引き込むと、サンプリングとプログラミングで構成された楽曲をリアレンジしたバンド・サウンド、その揺れやうねりはノスタルジーをまとうことなく、曲の根幹を成す喜怒哀楽を鮮やかに浮かび上がらせた。

 そこにさらに2000年にSILENT POETSを脱退し、現在はLittle Tempoで活動するサックスの春野高広、トランペットの坂口修一郎(Double Famous)、トロンボーンのicchie(ex - DETERMINATIONS / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)からなるホーン隊をフィーチャー。 12年前の楽曲である“Future“ではやわらかさを、20年以上前の“Bassman's Talk”ではソウルフルなあたたかみを際立たせたかと思えば、立体音響の匠であるDub Master Xのミキシングが高解像のスピーカー“FUNKTION-ONE”のフルレンジを最大限に活かして、新作からの楽曲であるディープ・ダブ“Division of the world”をより深く、ステッパーズ・チューン“Non Stoppa”をより重厚に鳴らしてみせた。

 また、その作品では作者である下田とリスナーが一対一で対峙することで深く響く楽曲がこの日のライヴでは、脱退した春野高広と下田の共演が象徴するように、人が行き交い、出会い、再会する場として機能していたことも新鮮な体験だった。'99年の『HIBAHIHI+SILENT POETS 001』以来のコラボレーションとなる“Eternal Life”で登場したNIPPS、古くから親交はありながら、“Rain”で初の共演を果たしたこだま和文の2人は、舞台裏でNIPPSがNY在住時以来の再会を果たしたといい、リスナーにとっては“Tokyo”にフィーチャーした5lackをはじめ、ダブ詩人の山崎円城(Noise On Trash、F.I.B JOURNAL)やヴォーカリストの武田カオリ(TICA)、asuka andoといったゲストが体現するSILENT POETSのエクレクティズムに実感をもって立ち会えた瞬間でもあった。

 そして、そのエクレクティズムは、2000年代のリヴァイヴァルを経て、近年、ジャンルに収まりきらないマージナルなレゲエ、ダブにさえ光を当てている“バレアリック”にも通じるものだ。新作に迎えた櫻木大悟(D.A.N.)のヴォーカル・フレーズを強烈なディレイで飛ばしたスローモーなハウス・トラック“Simple”はそのことを雄弁に物語る楽曲であったし、この日のラストに披露された'93年作のエレガントなダブ・ハウス“Moment Scale (Dubmaster X Remix)”はそれこそ名作コンピレーション『Cafe Del Mar』に収録された正真正銘のバレアリック・クラシックであることをまざまざと思い起こさせ、また、その楽曲が2018年においても瑞々しく響くことを見事に証明してみせた。

 この25年で音楽シーンは大きく様変わりしたが、その変化があるからこそ、不変の音楽もまた際立つ。新しいものが瞬く間に古くなる時代に不変の音楽を不言実行で作り続ける強い意志を胸に秘めたSILENT POETSだが、一夜限りにしてはあまりに惜しいライヴに対する熱いリアクションを受け、明言したライヴ活動の継続、そして、さらなる新作の制作へとその活動は今後も続いていくはずだ。

ゲッベルスと私 - ele-king

 撮影時この物語の主人公ブルンヒルデ・ポムゼルは103歳だった、と『ゲッベルスと私』の監督のひとりであるクリスティアン・クレーネスはふりかえる。撮影は2014年に開始し2016年に映画が完成するまでのあいだ、クレーネスはじめ、ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションの4人のメンバーは2度の撮影機会に都合30時間のインタヴューを敢行した、この映画はそれらをまとめたものであり、原題を『A German Life』といい、訳すると「ドイツ人の生(活)」となるこのドキュメンタリーは極限の状況下でひとはだれしもおなじ行動をとる可能性があり、過酷であればあるほどそれはひとがひとたる条件を剥ぎとり、人口という数値のなかに裸にする、そのことを歴史上もっとも苛烈に体現したのはいうまでもなく第二次世界大戦である。ナチの宣伝相の名称を題名にした『ゲッベルスと私』の背景はいうまでもなくこの時代の第三帝国だが、いたずらにセンセーションに逃げはしない。1933年、22歳で、思想的な理由からというより生活のためにナチ党に入党し、42年にヒトラーの片腕であるヨーゼフ・ゲッベルスの秘書となったごくふつうのドイツ人女性の記憶と語りをこの映画はたよりにする。

  「第二次大戦というテーマは手垢がついたものでもあるわけです。いまさらこれか、もうすべてあきらかになったではないか、映画もテレビ番組もうんざりするほどあるじゃないか」。クレーネスの傍らにすわるフロリアン・ヴァイゲンザマーは本作の資金調達がかならずしも順調でなかったことを淡々とのべる。「スタイルとしてドキュメンタリーという方法を採る、さらに映画というメディアをもちいる、この点について理解を得るのは至難の業でした。はじめのうちはなかなか資金が集らなかった。結果からいえば、そのために強制力がかからず、自由に撮ることができたのですが」。

  結果映画は当事者だけがかもしだす息のつまる緊張感と、子どものころ昔話に耳を傾けた祖父母たちがそうだったように、私たちの目の前にことばと身ぶり、彼女の存在そのもので時間をつみあげていく。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはそれを強調するかのようにモノクロームを基調の色に選ぶ、というより画面から色彩をおいはらうことで、そこに映る老嬢は無人の地にたたずむ一本の樹木のようになる。深い皺の一本一本は年輪のようでもあり、大地から十分な養分を吸いとれず立ち枯れたようでもある。映画はほとんどの時間を彼女の語りについやす、冒頭で彼女は彼女自身にしずかに問いかける。「私のやっていることはエゴイズムなのか」と。その内省はどこからきたのか、それ以前に彼女の「やったこと」とはなにか。ポムゼルは上述のとおり、第二次大戦がはじまって3年目の1942年にゲッベルスの秘書となった。ヒトラーはすでに国家元首として第三帝国のあまねく空間にその身体を浸透させていた。ゲッベルスは総統(フューラー)の側近としてあらゆるメディアをとおしたプロパガンダで国民の内面をあやつる国家の頭脳というより感情だった。作中でポムゼルはエレガントなスーツを着こなすものごしやわらかな上司であったゲッベルスがひとたび壇上に立つと激越な扇動者に豹変したのをおののきながら回想する。秘書の職に就いてまもない1943年2月18日、ベルリンのスポーツ宮殿で、ポムゼルはゲッベルスの演説に、彼の妻マクダのすぐうしろの席で耳を傾けていた。直前のスターリングラードの攻防戦に敗れ、やがて窮迫する状況を、ゲッベルスは国民を結束させてのりきろうともくろんだ。彼らを束にするのは感情である。スポーツ宮殿のゲッベルスの、のちに総力戦演説と呼ばれるスピーチでゲッベルスはボリシェビキへの不安を最後にはユダヤ人へとむすびつける。おそらくそこには1933年、首相に任命されたヒトラーがただちにとりかかったユダヤ人の公職追放、その2年後のニュルンベルク法、さらにその3年後の1938年11月のポグローム、すなわち「Kristall-nacht(ガラスの夜)」で決定的に奈落の底へ転がり落ちていくユダヤ人政策がもとはアーリヤ民族主義とシオニズムとの相対化をふまえ仮構した合意のもとにたちあらわれたことに由来するのではないか。おそるべきオーセンティシティが裏打ちする運命のようにとどめようもない状況。ポムゼルは彼女のユダヤ人の友人であるエヴァの暮らしぶりをとおしてそのことを、皮膜一枚とおした向こうに感じながらも目を瞑りつづける、この不作為こそ彼女のいうエゴイズムの正体だとすれば、それは当時のドイツ人だれしも例外的でなかったことも、「A German Life」の原題は暗示している。

  ある日「夜明けに店を開くやいなや、どの通りの入口も武装した者たちに占められている」(カフカ「一枚の古文書」池内紀訳、白水社)のにも似た状況がふってわいたように出来するが、気づいたときに彼らは「すでに堂々と居すわって、みたところ日ごとに数がふえていく」「彼らはわれわれの言葉を解さないし、そもそも彼は言葉というものをもたぬらしい」――ユダヤ人カフカは原稿用紙数枚の掌編にこのようにしたためるが、むろんナチを意図したものではない。「しかし、外からやってくるこの死は、内から立ち現れてきた死でもある」とドゥルーズとガタリはカフカのこの小説を評していう(『アンチ・オイディプス 上』、宇野邦一訳、河出文庫)。内とは共同体の内側であるとともに個々のひとびとの内面でもあり、ハンナ・アーレントが喝破した「悪の陳腐さ」をもたぐりよせる。いやたぐりよせる必要さえない。それらはもとからそこにあったものなのだ。

 あとはほんのすこし刺激するだけでいい。ゲッベルスはポムゼルが彼の秘書になる前、すでに地ならしを終えていた。ナチはガラスの夜の一年前、37年7月にミュンヘンで「大ドイツ美術展」と「退廃美術展」と題したふたつの展覧会を開催している。前者はドイツに冠たる芸術を集めたもので後者はそれとあいいれない「狂気、厚顔無恥、無能の産物」(「退廃美術展」開催時のアドルフ・ツィーグラーの開催の辞)作品を集めておりカンディンスキー、クレー、オットー・ミュラーなどもふくんでいるこの展覧会は終戦から半世紀経った1995年、その4年前にロスで開催した企画展を再編するかたちで日本でも「芸術の危機――ヒトラーと退廃美術展」として巡回したはずだ。私はたしかこの展覧会を当時通っていた学校のそばの宮城県立美術館に、題名に惹かれてみにいったのに、展示していたのが20世紀モダニズムを代表する作品の数々であったのに衝撃を受けた。もっとなんというか、ヒエロニムス・ボス風ないしソドムとゴモラ風の人間の退廃を描いた作品がならんでいると思いきや、うきぼりになっていたのはそれらの作品を「退廃」と名づけた思考の退廃だった。とはいえそれはナチに特有のことではないし芸術の政治利用という単純な構図におさめるべきものでもない。真正性は瑕疵を認めず、ツルツルの球体のような空間から基準を満たさない者は徹底的に排除する。開戦前に多くの芸術がドイツの地を去った。むろん去ることさえかなわない無数の市民がいた。利口にふるまえる者ならのりきることもできただろうか。そのときアートや文化に携わる人間はどのような行動をとるのか。とるべきか、という教条的な正義ではなく、どのようなことが思考できるのか、私はクリスティアン・クレーネスとフロリアン・ヴァイゲンザマーに以下のように問いかけた。

 ナチは、ゲッベルスは文化を巧みに操作しました。なかでも映画は彼(ら)にとってもっとも有効なプロパガンダの道具でした。たとえばフリッツ・ラングはゲッベルスにナチ映画の制作の打診を受け、アメリカに亡命しました。『意志の勝利』や『オリンピア』を撮ったレニ・リーフェンシュタールはそのかわりをつとめたといえるかもしれません。ところが彼女はアートによる美学の追究を戦争責任と切り離し、スーザン・ソンタグもそれを1964年の『反解釈』所収の「様式(スタイル) について」などで擁護しています。映像ないしアートを制作する側の倫理についておふたりは『ゲッベルスと私』の制作をとおしてどのように考えましたか。

フロリアン 倫理については映画、ことにドキュメンタリー映画については大きな問題です。リーフェンシュタールのいう美学が優先するという言い方は一面では正しいかもしれない。ところが映画はつねにべつな面をもっています。簡単にいえば、だれのためにつくっているのか、なぜつくるのか、それがなんの役に立つのか、どういう方向を向いているのか、それも映画の重要な構成要素です。リーフェンシュタールの美学が優先するということばはポムゼルさんのことばとも重なります。

――そのとおりです。

フロリアン 自分は自分のやるべきことを追求した、と彼女は当時の彼女の行為を正当化しています。ポムゼルさんについていえば世俗的な意味での利益が優先され、モラルを越えてしまったのです。ポムゼルさんはナチの行為をみないことで利益を優先した。リーフェンシュタールの問題が大きいのは、ポムゼルさんのように秘書の立場ではなくて、積極的に働きかける映画をつくってしまった、プロパガンダの一翼を担ってしまった、それは大きな問題です。子どもがとる姿勢を考えてみれば、おわかりになると思います。子どもは父親に叱られると耳をふさぎます。叱りつける声を遮断することでそれが存在していないと考えようとします。そういうようなところがポムゼルさんにあったようにリーフェンシュタールもおなじことをしたのではないかと私は思います。

クリスティアン リーフェンシュタールの場合はいろんな意味で功績もありました。その一方で彼女がつくりあげたナチ的なスタイルは日和見主義者の行為であり、彼らに捧げたもののなかでも最悪の部類に入るものです。

――ときに私たちがそういった状況にまきこまれたとき、私たちはどのように行動できるでしょうか。おふたりはリーフェンシュタールと同じ立場に立たされたとき、それを断る勇気はありますか。

クリスティアン 正直にもうしあげて、私がそのような立場に置かれるとき、どのように行動するかわかりません。目をそむけるかもしれない。おそらくそのようなことはないであろうと自分に期待はしていますが。大事なのは映画をつくるにあたり、そのようなことがあるかもしれないと観ているひとたちにつきつけることだと思います。それにたいしてみなさんも考えてください。正解はありませんが、考えて思いをめぐらせること、自分に問うてみてください。これがいちいばん大事だと思います。

フロリアン 私もまったく同じように考えます。大切なのは自分に正直であること。かなうならただしい判断ができるよう自分自身をよく観察しなければなりません。ポムゼルさんの時代は戦争という巨大な状況がありましたが、状況はかならずしも大きなものである必要はありません。現在の自分にたいしてそれを問う、日々それを考えているかが大切なのではないでしょうか。きょうはパーティだから考えるのをやめてそっちに行こう、それもまた現実です。大きなことばかりではなく、日常の細々したところにそういった考えをおよぼすことが大切なのではないでしょうか。

 『ゲッベルスと私』をみて、最初におぼえ、みおえてからみじかくない時間がたったいまあらためて感じるのはその誠実さである。むろんショッキングな場面も少なくない。ポムゼルの語りのあいまには当時記録された幾多の映像をさしはさんでいる。ニュース映画、プロパガンダ映像ばかりではなくプライベート・フィルムもふくむ、戦時の日常を思わせる断片と目を背けたくなる凄惨な映像が背中合わせに、20世紀中葉の数年の人類史においても特異というほかない現実を伝えてくる。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはこれらの映像をアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館所蔵のスティーヴン・スピルバーグ・フィルム&ビデオ・アーカイヴ・コレクションから未公開のものを引いてきたという。私は原稿のアップがおくれにおくれてしまったことをお詫びしつつ、公開期日もなかばをすぎ、それでもこれからこの映画をはじめて目のあたりにする、願わくは、より若い世代の方々のために、詳述は避けるが、数々のアーカイヴ映像と、昨年1月106歳でこの世を去ったブルンヒルデ・ポムゼルがのこした語りを前に、ひとはときに想像を絶する悪に手をそめる、というよりむしろ、悪において想像は逆向きに跳躍するが、逆流をのりきる術を私たちはまだ学びきっていない、そのようなことを、ナチが開発したサリンを地下鉄にまいた事件の首謀者が死刑になり、73回目の終戦の日を迎えようとしている東京のはやすぎる夏に思った。
(通訳=上田浩二)

予告編


ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションのクリスティアン・クレーネス(左)とフローリアン・ヴァンゲンザマー

Throbbing Gristle - ele-king

 去る2017年、デビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』の発売40周年を記念し、リイシュー・プロジェクトが始動したスロッビング・グリッスル。その後クリス・カーターソロ・アルバムが発表されるなど、徐々にTG熱が高まってきておりますが、ここへきてリイシュー第2弾となる3作品の発売がアナウンスされました。
 今回復刻されるのは、1980年と81年のライヴ盤2作『ヒーザン・アース』『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と、TG最後のスタジオ録音作となった1982年の『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』。いずれも紙ジャケにて、9月14日にリリースされます。

 なおその前々日、9月12日にはele-king booksよりコージー・ファニ・トゥッティの自伝『アート・セックス・ミュージック』が刊行予定。あまりにも赤裸々な内容が綴られております。こちらもお楽しみに!

スロッビング・グリッスル、リイシュー第2弾となる3作品を9/14に発売!
収録曲公開! 日本盤はHQCD仕様。

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、いまなお現在の音楽シーンのみならず、カルチャー/アート・シーンにまで絶大な影響を与え続けているスロッビング・グリッスル、彼らの伝説のカタログ3作品が9月14日に発売されることとなった。

昨年発売されたデビュー・アルバム発売40周年を記念したリイシュー第1弾は、往年のファンのみならず、現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンも巻き込んで大きな話題となった。今回はリイシュー第2弾となる。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品『ヒーザン・アース』、第1期最後のパフォーマンスを収録した『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』、そして、最後のスタジオ録音作品となった『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』の3作品が発売される。また『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』は、新たにリマスターが施され、2009年以来のCD発売となる。

今回はその中から『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』収録曲“Persuasion U.S.A.”の音源が公開された。
https://youtu.be/9tlAO-IZLwY


◆商品概要(9月14日発売/3タイトル)

■『ヒーザン・アース』(1980年発売作品)

1980年2月16日、ごく少数の招待された観客の前で演奏されたスロッビング・グリッスルによるライヴ・ドキュメンタリー作品。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品であり彼らの“遺言”として存在している作品。8Pブックレット付き紙ジャケ仕様。発売当時のライヴ音源やシングルなど全11曲収録のボーナス・ディスク付きの2枚組CD。

・タイトル:ヒーザン・アース (Heathen Earth) 2CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,650円 (税抜)
・品番:TRCP-231~232 / ・JAN:4571260588066
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2ughxcA

[amazon] https://amzn.to/2KHsZbX
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m2utir
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』(1981年発売作品)

1981年5月29日、サンフランシスコのケザー・パヴィリオンで行われた、スロッビング・グリッスル第1期最後のパフォーマンスを収録した作品。このアルバムのリリースに続いてスロッビング・グリッスルによって発表された「今回のミッションは終了した」との声明によって、このバンドの伝説がスタートし様々な世代にもその後影響を与えていくことになる。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ミッション・オブ・デッド・ソウルズ (Mission Of Dead Souls) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-233 / ・JAN:4571260588073
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KJejJx

[amazon] https://amzn.asia/9RWW7B0
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m3cgRV
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』(1982年発売作品)

1981年の3月、ローマにあるイタリア国営ラジオ局RAIのためにアート作品のひとつとしてレコーディング。
これがスタジオ録音としてはスロッビング・グリッスル最後の作品となる。レコーディングは5日間にわたって行われ、一曲を一日単位で録音していった。どのトラックもその後再録音や追加録音などされていない。それぞれ録音後すぐにトラックダウンをおこなった。全てのトラックにおいて事前の録音準備など行われずぶっつけ本番で行われ直接テープに収録されていった。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ジャーニー・スルー・ア・ボディ (Journey Through A Body) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-234 / ・JAN:4571260588080
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KYBFKv

[amazon] https://amzn.asia/eZxRp3H
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2J6bBbj
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9


◆関連作品
・スロッビング・グリッスル リイシュー第1弾3作品
https://bit.ly/2JioArF
・クリス・カーター(オリジナル・メンバー)のソロ作品
https://trafficjpn.com/news/cc/


◆スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

クリス・カーター(Chris Carter)
ピーター・クリストファーソン(Peter 'Sleazy' Christopherson / 2010年11月逝去)
コージー・ファニ・トゥッティ(Cosey Fanni Tutti)
ジェネシス・P・オリッジ(Genesis Breyer P-Orridge)

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンに絶大な影響を与え続けている伝説のバンド。バンド名は直訳すると「脈打つ軟骨」、男性器の隠語。1969年から1970年代のロンドンのアンダーグラウンドにおいて伝説となったパフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッション(Coum Transmission)を母体とし、1975年にバンドを結成。彼らのライヴは、クーム・トランスミッションから発展したパフォーミング・アートが特徴で、イギリスのタブロイド紙でも取り上げられるほど過激なパフォーマンスを繰り広げた。1977年、衝撃のデビュー作『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』を発売。その後彼らの代表作『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(3rdアルバム/1979年)を発売するなど精力的に活動をしていたが1981年に一度解散。その後、各メンバーはサイキックTVやクリス&コージーとして活動するも、2004年に再結成し2010年10月まで活動を続けた。同年11月、ピーター・クリストファーソン逝去。

2017年、デビュー・アルバム発売40周年を記念としてリイシュー第1弾3タイトルを発売し、往年のファンから現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンまで大きな話題を呼んだ。2018年9月、リイシュー第2弾3タイトルを発売。またクリス・カーターは、2018年3月にソロ・アルバム『ケミストリー・レッスンズ Vol.1』を発売。

www.throbbing-gristle.com
www.mute.com


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