「KING」と一致するもの

Chart by JAPONICA 2011.09.17 - ele-king

Shop Chart


1

JAMES PANTS & TOM NOBLE

JAMES PANTS & TOM NOBLE SELECTED SOUND REMIXES PT. 1 FACES / LES DISQUES SUPERFRIENDS / FRA / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
抜けの良いパーカッシヴ・ドラムブレイクがリズミックに進行するロービート・ファンク・ナンバー"DRUM AROUND"をドラムブレイクそのままにいかにもJAMES PANTS"らしい"ニュー・ウェイブ/エレクトロ・ライクなシンセ・フレーズを交えつつ長尺リミックスしたA面。そしてブギー感のあるキーボード・プレイが印象的なエレクトロ・ジャズ・ファンク"DRUMCRAZY"をパーカッションの効いたディスコ・ビートにスペース・シンセ煌くダンス・ト ラックへとアップデートしたTOM NOBLEリミックスのB面。

2

WILLIE COLON & RUBEN BLADES

WILLIE COLON & RUBEN BLADES SIEMBRA (SACRED RHYTHM VERSION) SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2011/9/14 »COMMENT GET MUSIC
先頃リリースされたMONGO SANTAMARIA"FUNK TOWN"リミックスの続編的一枚が到着しました。こちらは世界の名盤100選にNYサルサ・アルバムとして唯一選ばれた名盤「SIEMBRA」音源をリ ミックスしたもの。原曲の質感はそのままにインスト・パートを長尺化し、よりDJユースに、そしてダンス・トラックとして成熟させた極上ラテン・ ジャズ・ハウス!中でもイチオシはさらにフロア仕様に仕立てられたB-1"DANCE DUB"ヴァージョン。

3

K'BONUS & NEGGHEAD

K'BONUS & NEGGHEAD COMPOST BLACK LABEL 81 COMPOST / GER / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
メロウネスなフュージョン感覚が隅々にまで行き届いたブラック・ディスコ・ハウスA-1"HARMONIZING (PART 1)"、そして同路線でよりパーカス・ビート/エフェクティヴなアレンジが効いたB-1"HARMONIZING (PART 2)"のオリジナル2トラックが抜群に最高!ニュー・ジャズ/クロスオーヴァー・サイドで鉄板リリースを続ける当タッグとストイックにブラック・ハウスを 推し進める<COMPOST BLACK LABEL>の奇跡のマッチアップ。

4

DJ DUCT

DJ DUCT ONE TURNTABLE LIVE MIX "TODAY : TOMORROW" THINKREC. / JPN / 2011/9/14 »COMMENT GET MUSIC
ルーツでもあるファンク/レアグルーヴに「BACKYARD EDIT」収録ナンバーを織り交ぜ小気味良く展開していく"TODAY (FUNK SET)"サイド。そしてシーンを代表する大御所JEFF MILLSもDOMMUNE競演時に驚嘆の声をあげ、初見の数多くのオーディエンスを虜にさせた話題のダンスミュージック・セットとな る"TOMORROW (TECHNO SET)"の2テイクを収録。

5

BEING BORINGS

BEING BORINGS LOVE HOUSE OF LOVE CRUE-L / JPN / 2011/9/13 »COMMENT GET MUSIC
骨太タイトな四つ打ちミッド・グルーヴで多幸感あるコーラス・ワーク/シンセが温かく包みこむ長編バレアリック"LOVE HOUSE OF LOVE"、C/Wにはこちらも肉厚なブレイク・グルーヴで重心低目に進行し、サイケ〜ダビーな幽玄ギター・リフが揺らめく上質フォーキー・バレアリッ ク・ブギー"SOME ARE HERE AND SOME ARE MISSING"を収録。

6

KINGDOM☆AFROCKS

KINGDOM☆AFROCKS ANTI VIOLENCE / WILL TO LIVE PLANET GROOVE / JPN / 2011/9/14 »COMMENT GET MUSIC
<JAPONICA>より放ったファースト・シングル"イチカバチカーノ"の特大ヒットからずっと待ちわびていたAFROCKS新作12"、遂に 到着!やっぱアナログが最高です。先頃リリースされたファースト・スタジオレーコーディング・アルバム「FANFARE」からのアナログ・カット 第1弾。往年のナイジェリアン・レジェンド達を彷彿とさせる純国産アフロ・グルーヴ傑作。

7

V.A. [FRED P / PJOTR / VAKULA / BENEDIKT FREY]

V.A. [FRED P / PJOTR / VAKULA / BENEDIKT FREY] EP ETHEREAL / RUS / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
ブラック・ルーツに根ざした良質ハウスのリリースで注目度をあげるANTON ZAP主宰<ETHEREAL>第17弾。USブラック・ハウスの気鋭BLACK JAZZ CONSORTIUMことFRED P、ここ<ETHEREAL>にも作品を残すスウェーディッシュ・ハウサーPJTOR、最早説明不要VAKULA、そしてニュー・カマーBENEDIKT FREYの4組による一枚。

8

GECKO TURNER

GECKO TURNER GONE DOWN SOUTH REMIXES PT.1 LOVE MONK / SPA / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
先にリリースされたリミックス・カット第2弾も好評の中、遅れていた第1弾がようやく到着。注目はやはり<HEAVENLY SWEETNESS>からの一連のリリースでシーンを賑わしたBLUNDETTOリミックスのA面。持ち前のレゲエ・テイストを忍ばせたリフにカリブ/ア フロ的アレンジも取り込んだ塩梅なプリミティブ・リミックスに仕上げてきました◎

9

GONNO

GONNO ACDISE #2 INTERNATIONAL FEEL / URY / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
ここ数年で一気にシーンの最前列に並ぶ人気レーベルとなった<INTERNATIONAL FEEL>に、邦人クリエイターGONNOが参戦!野外や大箱でも聴きたい色鮮やかな電子音がレイヤーされ厚みを持って靡いていくバレアリック感兼ね備え た爽快アシッド・ダンス"ACDISE #2"、そして煌びやかでレイドバック感あるギター・リフが幽玄に黄昏れるチル・トラック"TURN THE LIGHT"のオリジナルが最高!

10

AFROBUDDHA MEETS KAKATSITSI DRUMMERS

AFROBUDDHA MEETS KAKATSITSI DRUMMERS OBAME ROUND IN MOTION / UK / 2011/9/11 »COMMENT GET MUSIC
ロンドンを拠点にワールドワイドな展開を推し進める邦人クリエイターKAY SUZUKIと盟友KOICHI SAKAIによるユニットプロジェクト=AFROBUDDHAファースト・リリース作。ガーナのトラディショナルな音楽団KAKATSITSIを全面的にフィーチャーした躍動感溢れるアフロ・パーカッシヴ・ダンス・トラック。

Plaid - ele-king

1989年にはいつでも僕を幸せな気分にしてくれるものがあった
ナイフを投げ捨てまだ見ぬ世界へと出かけていくことができた
想像もつかないだろう、ずっと笑っているだけの生活なんて
だらしないニートになるのが望みだった
麻薬を楽しむことをとやかく言われるのもごめんだった
想像もつかないだろう、ずっと笑っているだけの生活なんてメイジズ"Summer Hits/J&J Don't Like"(2011)

僕は部屋に佇んで、未来を空想しているザ・ブラック・ドッグ"ヴァーチュアル"(1989)

 ハウス・ミュージックという際限なき性愛(エロス)の暴風がダンスフロアを席捲してから数年後、悦びの心地よい風が部屋のなかにも入ってきた。彼の薄暗い部屋で『アーティフィシャル・インテリジェンス』(1992)が流れていたとき、わけもわからず気持ちが高揚したことをよく覚えている。のちにプラッドとして名前が知られることになるエドとアンディによる音楽----その構成要素はアンビエント+ブレイクビート+デトロイト・テクノ----は、さらなる刺激を求め、そして麻痺した頃にはまたさらなる刺激を求めていた時代のダンスフロアから逸れることで1989年の多幸感を保存した。他にも同じように逸れていった、彼らと同世代のデトロイト・テクノ・フォロワーのなかで、結局のところもっとも地味な活動を続けているのがプラッドだが、実は1991年には、『NME』あたりがエイフェックス・ツインに次いで騒いでいたのが他でもないブラック・ドッグ・プロダクションズ----のちにプラッドとザ・ブラック・ドッグに分裂する----だった。僕は当時の彼らのスタイル、つまりアンビエント+ブレイクビート+デトロイト・テクノが大好きだったのである。
 
 エドとアンディ......我々は当時、顔が大きくて目が少女マンガみたいにキラキラしているのがアンディ、顔が小さいほうがエド、といった感じでふたりを覚えた。実は彼らを初めて日本に招聘したのは、1995年の『ele-king』である。新宿のリキッドルームだったが、このふたりがふざけてブレイクダンスを踊ったときには笑った。最近ではチルウェイヴをめぐって賛否両論があるように、この時代は踊れないエレクトロニック・ミュージックの代表、〈ワープ〉が提案する『アーティフィシャル・インテリジェンス』系をめぐる議論があった。〈ワープ〉のほうもダンスフロアから逸れたそれを"インテリジェンス"などという言葉を使って表現したものだから、エイフェックス・ツイン、オウテカ、B12、そしてブラック・ドッグ・プロダクションズといった連中は、クラバーからすればなおさらスノッブ極まりなく見えたのだ。当時UKの『フェイス』というスタイル・マガジンは、「なぜ君たちは踊れない電子音楽を作るのだ?」というテーマで、彼らの特集記事を組んだほどである。ゆえに、リキッドルームのバーカウンターの脇で、まるで意表を突くかのようにブレイクダンスを披露するエドとアンディにみんな笑った。彼らもそういう----マントロニクスなどのエレクトロ・ヒップホップから来ている----人たちなのだ。
 
 『シンティリ』----ラテン語で「私はたくさんのきらめき/ひらめきだ」という意味を持つタイトルの8年ぶりのアルバムは、例によってヴァリエーション豊かな作品となった。オープニングの"missing"は電子ピアノの美しい重なりとオリエンタルなメロディが挿入されたビートレスのトラックで、アルバムのなかでもとくに引きの強い曲だ。"eye robot"や"smnl"などは、ベースが謙虚に唸っているプラッド流のダブステップとも言えるんじゃないだろうか。"thank"や"unbank"といった曲はクラウトロックと初期のプラッドのスタイルを繋げているようだ。"tender hooks"はプラッドらしいほろ酔い加減のエレクトロニカで、クラウトロック的なお茶目さを持ったミニマリズムの"talk to us"もあれば、プラッドお得意のエレクトロ・ファンクの"african woods"、そして"craft nine"のような優雅なアンビエントもある。ボーナス・トラックは、オールドスクール・レイヴのビート+アンビエントという、彼らの初期のスタイルを初々しくやっている。
 
 ......と、このように、さりげなく時代のトレンドを取り入れつつ、いろんなことをやっているのは『ノット・フォー・スリー』以降のプラッドのやり方である。控えめな遊び心を持った音楽で、そしてファンにとって嬉しいのは、彼らが1989年から保存し続けている多幸感/ユーフォリアが2011年になっても聴けるということだろう。さすがに20年前のような、音の世界にがっつりハマっていくようなアシッディな感覚はないけれど、ここには後期クラスターのような微笑ましい悦びがある。
 それにしても新世代からはあの時代は「ずっと笑っているだけの生活」に思えるのか......。決してそんなことはなかったのになー!

interview with Martyn - ele-king


Martyn
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 広いダンス・ミュージックの大海原において、ダブステップがまだ孤立していた時代に、何人かの視野の広いDJはテクノとダブステップのクロオーヴァーというファンタジーを現実のものとした。そのひとりにオランダ人のマルテイン・ダイケルス、音楽の世界ではマーティンの名前で知られるDJ/プロデューサーがいる。彼のデビュー・アルバム『グレイト・レングス』(2009年)は、ジャンルの混合を試みていた初期の成果として知られるが、その音楽を特徴づけるのはデトロイト・テクノの叙情性で、なおかつダンスフロアにおける機能性の高さだった。裏打ちを強調したガレージ風のドラム・プログラミングをしてもマーティンのビートの録音はクリアで、ブリアルやコード9よりもテクノのトラックに近い。そして、それがある種の心地よさになっている。デトロイト的な物悲しいコードが重なっても、リズムのドライヴ感が重さを引きずらない。
 『ゴースト・ピープル』は惜しみない絶賛を浴びた前作から2年ぶりのセカンド・アルバムとなる。どんなアルバムになったのか、多くのダンス・ミュージック・リスナーは気になっているだろう。以下のインタヴューで彼が語っているように、よりハウスやテクノとの繋がりが強調されている。しかし重たいベースラインには、ベース・ミュージックのこの10年の特性が活きている。

デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスからは、いちばん最初に影響を受けたと言ってもいいくらいさ。そういった音楽は、クラブに行きはじめた本当に最初の頃に出会った音楽だからね。

今年の1月にリリースされた『Fabric 50』も印象的だったのですが、『ゴースト・ピープル』もあなたのダンス・ミュージックへの情熱が凝縮されていると思いました。『グレイト・レングス』の頃よりもさらにダンスに向かっているようです。

マーティン:そうだね。ファースト・アルバムでは自分が作れるだけのいろいろなジャンルやスタイルを見せようとしたけど、アルバムをリリースしたあとにたくさんDJをしたり、ライヴしたりしてダンス・ミュージックの経験を積んだから、今回のアルバムにはそれが反映されてる。ギグをたくさんこなしたっていうのはやっぱ大きいかもね。それがあったから、ダンス・ミュージックの影響がとくに強くでてるんだと思う。セカンド・アルバムのほうが、ファーストよりもハウスやテクノとの繋がりが深いよ。

しかし......なぜ『ゴースト・ピープル』などというタイトルにしたのですか? あなたの盟友2562は『フィーヴァー』でしたよね。ある意味、とてもストレートにダンスへの感情を表した言葉だと思ったのですが、それに対して『ゴースト・ピープル』とは......いったいどんな意味があるんでしょう?

マーティン:このタイトルにはいろんな意味があるんだ。まずそのうちのひとつは、ここ2〜3年フェスやギグで世界を旅して世界中のさまざまなシーンのDJを見てきて、ずっと変な感じがしてたんだ。俺には、彼らが空っぽに見えた。音楽をあまり気に掛けてないっていうか、ハートがないんだよね。ファッションとしてDJをやってるような感じ。そういう人たちを、俺は"ゴースト・ピープル"って呼んでるんだ。彼らは音楽じゃなく、高級ホテルの話やフライトの文句しか話さない。だから俺にとってのゴースト・ピープルは彼らを意味するんだ。

その他は何を意味してるんですか?

マーティン:まず、メインはさっき言ったDJたち。で、もうひとつは、こないだ日系アメリカ人のドキュメンタリー『ミリキタニの猫(The Cats of Mirikitani)』を見たんだけど、そのドキュメンタリーのなかで、第二次世界大戦時に強制収容所にいたある男性が、当時収容所でなくなった人びとをゴースト・ピープルって呼んでたんだ。彼は、亡くなった人びとの精霊を感じるんだ。そのドキュメンタリーも素晴らしかったから、ゴースト・ピープルって言葉はそれにも繋がってるよ。

じゃあ、音楽がよりハードなテクノになっているのとはあまり関係ないですか?

マーティン:俺はそれは考えなかったけど、違うとも言えないよ。解釈はその人次第だからね。今回はトラックから取ったけど、そうじゃないときはあまりタイトルをどこからとったかはあまり言いたくないんだ。受け取る人のイマジネーションを大切にしたいから。でも、よりハードって部分は同感だよ。今回は、サウンドのひとつの面を発掘したかったんだ。前回はいろいろなサウンドにトライしたけど、セカンドでは、ある決まったサウンドをどこまで引き伸ばせるかに挑戦したかったんだよね。

冒頭でのスペースエイプのリーディングは何について喋っているのですか?

マーティン:それはスペースエイプに訊かないとわからないな(笑)......ってのは冗談で(笑)、あれは詩なんだよ。彼に完成間近のアルバムを聴いてもらって、アルバムに何か言葉をくれないかと頼んだら、彼はこのアルバムが持つテクノロジーと感情のコンビネーションっていう部分をいちばん気に入ったらしく、「Love and Machines」っていうタイトルの詩を書いてくれたんだ。俺の音楽は感情的に聴こえるけど、機械で作られてるっていう内容を語ってるんだよ。

フライング・ロータスとは以前からリミックスなどを通して関わりがあたっとはいえ、〈ブレインフィーダー〉からアルバムをリリースするにいたった経緯を教えてください。

マーティン:ファースト・アルバムは自分のレーベルの〈3024〉から出して、それはそれですごくハッピーだったんだけど、同時にすごく大変でもあった......。音楽も全部自分で作って、それが終わったらレーベル・マネージャーになって......って感じで、やらなきゃならないことがたくさんありすぎてね......。それを振り返ったとき、今回はプロモーションやディストリビューション、アートワークなんかはそれぞれプロに任せようと思ったんだ。そうすれば、音楽を作ることに専念できるから。それをフライング・ロータスと話してたら、彼が自分のレーベルからリリースしたいならもちろんそれでいいし、もしそうじゃなかったら、〈ブレインフィーダー〉からリリースしたらどうかと提案してきたんだ。それがきっかけで、〈ブレインフィーダー〉からリリースすることにしたんだよ。そうして良かったと思ってる。みんなプロフェッショナルだし、日本とも繋がってるしね。たくさんの素晴らしい人びとに囲まれて仕事するのは最高だよ。〈ブレインフィーダー〉からリリースしたおかげで、インタヴューもできればライヴにも集中できる。自分のことをする時間がちゃんと確保できるんだ。

あなたのレーベル、〈3024〉はまだありますよね? 次回も〈ブレインフィーダー〉からリリースしたいですか?

マーティン:いまはまだわからないね(笑)。〈3024〉はもちろんまだ存在してるよ。たとえ自分の作品をそこからリリースしないにしても、俺は他のミュージシャンの音楽をリリースするのも好きだから。自分が素晴らしいを思う自分以外の人たちの音楽をリリースして、プロモーションして世に送り出すのが楽しいんだ。レーベルを持ってるとそれができるからね。それって最高だよ。

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アイントホーフェンはアムステルダムやベルギーのゲントに近いから、当時あのあたりにはDJがたくさん住んでた。有名なアメリカのDJたちでさえ、アムステルダムやベルギーを含め、みんなヨーロッパに住んでたんだ。


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あなた自身の経歴について訊きたいのですが、生まれはアイントホーフェンですよね? 

マーティン:そうだよ。

アイントホーフェンには、90年代に〈Eevo Lute Muzique〉や〈Djax-Up-Beats〉のような先駆的なダンス・レーベルがありましたよね? 聴いてましたか?

マーティン:もちろんさ。90年代の初めにクラブに行きはじめたんだけど、アイントホーフェンはアムステルダムやベルギーのゲントに近いから、当時あのあたりにはDJがたくさん住んでた。有名なアメリカのDJたちでさえ、アムステルダムやベルギーを含め、みんなヨーロッパに住んでたんだ。彼らがハウスやテクノをクラブでプレイしてたんだけど、そういうDJの多くが〈Eevo Lute Muzique〉や〈Djax-Up-Beats〉から作品をリリースしてたから、そのふたつはとくにビッグだったね。ちょうどクラブに行きはじめたのがこの時期で、俺はまさにそのシーンにいたんだよ。90年代の半ばになると、ドラムンベースを聴くようになって、自分でパーティをオーガナイズしながらクラブのプロモーターになったんだ。それがきっかけでDJもはじめたし、曲も作るようになった。俺のなかのテクノ・サイドは初期のクラブやダンス・シーンから。で、ドラムンベース・サイドは作曲やDJの経験がベースになってるんだ。

〈Eevo Lute〉や〈Djax-Up〉からはどんな影響を受けてますか?

マーティン:とくに〈Eevo Lute 〉のほうからは強い影響を受けてるよ。彼らは〈Djax-Up〉よりももっとデトロイト・ミュージックをリリースしてたからね。カール・クレイグとか。

あなた自身はどのようにして音楽の世界に入ったんですか?

マーティン:最初はプロモーターとして音楽業界に入ったんだ。クラブナイトをブッキングしたり、フライヤーを作ったり配ったり......。10年くらいオーガナイザーをやってたな。そのあいだでDJもやってたから、クラブナイトのウォームアップなんかもやってたよ。ヘッドライナーがプレイするまえに機械をならしたりね。長いことそれをやってたんだけど、そのあと他のクラブでもブッキングするようになって、2000年代に入るとより頻繁にDJするようになってそれから、だんだん自分の曲を作ろうと思いはじめたんだ。

ロッテルダムに移住した理由を教えてください。

マーティン:アイントホーフェンは小さすぎるんだよね(笑)。だからちょっと飽きちゃって、もっと大きな街へ移ろうと思ったんだ。ロッテルダムは交通機関が24時間動いてるから、ギグのあと空港へ行くこともできる。すべてに近いから、移動も便利だったんだ。

ロッテルダムと言えば、かつてはガバで有名でしたが、どんな音楽シーンがありますか?

マーティン:超ビッグなエレクトロ&テクノ・シーンがあるよ。けっこう知られてるくらい大きいんだ。いろんな人がツアーできてるしね。スピーディ・Jとか、アムステルダムの有名なテクノDJもそのシーンに参加してるんだ。ヒップホップも多いよ。オランダ語のヒップホップ。ガバはたしかに昔は有名だったけど、もう違うね。ロッテルダムも大きい街ではあるから、つねにいろんな音楽が飛び交ってるんだ。住んでてすごく楽しい街だったよ。

最初はドラムンベースのDJだったという話ですが、そうなんですか?

マーティン:そうだよ。

初期はマンチェスターやロンドンのレーベルから作品を出していますが、UKには頻繁に行っていたんですか?

マーティン:そうだね。とくに90年代半ばくらいはしょっちゅうイギリスに行ってたな。ドラムンベースがビッグになったときは、かなりの頻度でロンドンに行ってたよ。オランダからあまり遠くないから、ロンドンに行ってレコードを買ったり、クラブナイトに行ったり......。週末に行って、3、4日間滞在するってパターンが多かったかな。ドラムンベース・ナイトの仕事もしてたから、UKから人を呼んだりもしてたんだけど、それでUKの友だちも何人かできたんだ。だから自分の曲を作りはじめたとき、彼らに曲を送るのには困らなかった。彼らはクラブナイトを通してすでに俺と俺の音楽を知ってたからね。受け入れてもらいやすかったんだ。

音楽だけで生活できるようになるまで、どんな仕事をしていましたか?

マーティン:けっこういろいろやってたよ(笑)。大学時代はバイトしてたし。顧客サービスとか、つまんないこともやってた。でも、最初にちゃんとお金を稼ぐようになったのはクラブ経営の仕事。だから、バイト以外の仕事だと、初めから音楽業界に関わってはいたんだ。さっきも言ったけど、プロモーターとか、オーガナイズなんかが最初の仕事だね。

シングル「Red 7 / Get Down」もそうでしたが、『グレイト・レングス』はどちらかと言えばデトロイティッシュな美しさを持った作品で、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスへの愛情を感じたのですが、そのあたりの影響について教えてもらえますか?

マーティン:デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスからは、いちばん最初に影響を受けたと言ってもいいくらいさ。そういった音楽は、クラブに行きはじめた本当に最初の頃に出会った音楽だからね。人って、若い頃がもっとも影響を受けやすいだろ? まさにクラブに行きはじめたときにハウスやデトロイト・テクノがビッグだったから、そういう音楽がまるでウイルスみたいに俺のなかに入って来たんだ(笑)。レコードを買いはじめたときも、テクノやハウスのレコードを買ってた。俺にとっては、そういった音楽が最初のダンス・ミュージックなんだ。だから、多かれ少なかれ俺の音楽がそれっぽく聴こえるんだと思うよ。

デトロイトのアンダーグラウンド・レジスタンスのメンバー、DJデックスとはどのように知り合ったんですか?

マーティン:アンダーグラウンド・レジスタンスを通じてさ。彼に会ったのは...そうとう前だな。自分の音楽を作ったとき、音源をデトロイトのアンダーグラウンド・レジスタンスに送ったんだけど、何でかはわからないけどそのときDJデックスがたまたまそれを聴いて気に入ってくれたんだ。で、俺も彼の音楽が大好きだったから、彼にリミックスを頼んで、そこから交流がはじまった。で、アメリカに引っ越してから直接会うようになったんだ。いま彼はLAに住んでるから、LAに行くときは彼に会うんだ。

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自分の音楽を作ったとき、音源をデトロイトのアンダーグラウンド・レジスタンスに送ったんだけど、何でかはわからないけどそのときDJデックスがたまたまそれを聴いて気に入ってくれたんだ。で、俺も彼の音楽が大好きだったから、彼にリミックスを頼んで、そこから交流がはじまった。


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ダブステップ、ポスト・ダブステップというタームであなたの音楽は語られることが多いと思いますが、そのことについてはどうでしょう?

マーティン:あまり気にしないよ(笑)。俺はただ、自分スタイルの音楽を作ってるだけ。人はそのスタイルをジャンル分けしたり、名前をつけたがるけど、そういうのって俺にはあまり重要なことじゃないんだ。自分の音楽は自分の音楽。それだけさ。ダブステップとかポスト・ダブステップとか、そういう名前は考えない。興味がないんだよね。アイディアを思いついたら、それを形にするのみ。それがクラブでプレイできるような曲ってだけさ。

ダブステップやポスト・ダブステップが嫌いってわけではないんですよね?聴くのは好きだったりするんですか?

マーティン:うーん。実は、俺はいまだに何がダブステップで何がポスト・ダブステップなのかわかってないんだよね(笑)。ただ、いままであった何かの名前が変わっただけのような気がする。1、2ヶ月後にはまた違う名前で呼ばれてるかもしれないよ。ダブステップってものをあまり意識したことがないね。俺はただ、自分が好きな音楽をきくだけ。好きか嫌いか、良いか悪いか、気にするのはそこだけだよ。ジャンルは関係ないんだ。ジャンルを意識すれば、ルールに縛られることになるからね。たとえばダブステップならベースラインがあって、1分間に140のビートがないといけないとかさ。そういうルールが存在してしまうと、音楽はつまらなくなってしまうと思うんだ。

ダブステップに関して言えば、あなたのなかでもっとも大きな影響は何だったんでしょうか?黴�と聞こうと思ったのですが(笑)

マーティン:ドラムンベースを聴いてたときにちょっと影響を受けてるかもね。コード9やブリアルがすごく新鮮に感じたんだ。俺にとっては、新しいサウンドだった。それがダブステップと呼ばれてるとも知らなかったけど、とにかく俺は彼らのサウンドが好きだったんだ。面白いと思ったし、インスピレーションを感じたよ。彼らのあとはあまり好きだと思えるアーティストはでてこなかったけどね。俺が好きだと思うのは、コード9とブリアル、それにデジタル・ミスティックスの3つだけだな。

ここ数年、ダブステップはメインストリームとの接触を持つほどポピュラーになりましたよね。こうした展開についてはあなたはどのように考えていますか?

マーティン:もっとレイヴっぽい音楽になってきたと思う。アメリカの若者のあいだではとくにビッグだよ。みんなドラッグをやりながらダブステップを聴くんだ。だから、そういうシーンに俺の音楽の居場所はないんだよね。いまのダブステップ・シーンは、5年前のそれとは違うから。そういうのをダブステップと呼ぶことさえ難しいよね。

『Fabric 50』の展開に驚いたんですよね。ハドソン・モホークではじまり、ジョイ・オービソンのポスト・ダブステップやロスカのファンキー、ゾンビーやアクトレスといったレフトフィールドな連中、あるいはデトロイトのDJボーンやロンドンのインディ・ロック・バンドのディタッチメントを挟みながらドリアン・コンセプトで絞めるという多様な選曲と構成が素晴らしいと思ったんですが、あなた自身は自分の音楽的なアイデンティティについてどのように考えていますか?

マーティン:うーん...どうだろう? よくわからないけど、自分がプレイしたいと思う音楽、好きだと思う音楽のすべてがアイデンティティじゃないかな。たしかに俺の音楽のスタイルは多様だけど......たとえば、2時間聴いたら10のスタイルを聴くことができるとするよね? でもそれを終わりまで聴くと、その10個のスタイルがひとつのセットになってることがわかると思うんだ。たくさんのスタイルが、ひとつのスタイルとして凝縮されてるのさ。それが俺のサウンドだと思う。そのなかでもあえてメインを言うなら、ダンス、ベース、シカゴとデトロイトの音楽の3つかな。その3つがスタイルの軸だね。

その3つが軸になるのは、あなたがさっき言っていたように、若い頃に聴いていた音楽だから?

マーティン:そうそう。若いときの方が影響されやすいからね。吸収もするし、体に染み付くのさ。小さいときに親が聴いてた音楽だってそう。そういう音楽は、生きてるあいだじゅう自分がずっと聴くことになる音楽になると思うんだ。

実際、あなたの作品は、ハウスやテクノのDJたちから支持されています。そのことについてはどう思いますか?

マーティン:最高だね! 素直にエンジョイしてるよ。自分でレコードを作ると、それがいろんな人びとの手に渡る。たくさんのDJがいろんな場所でそれをプレイしてくれてるのを聴くのは本当に嬉しいんだ。例えばジャイルス・ピーターソンはジャズやハウスのセットでそれをプレイするけど、DJデックスはハード・テクノのセットでプレイする。いろいろな人たちが、それぞれ違う場で俺の作品をプレイしてくれてるっていうのがいちばん素晴らしい部分だと思う。音楽は、そういった人たちの手によって旅をするんだから。それが自分の音楽作品を作る事の醍醐味でもあると思ってるんだ。

あなた自身が好きなDJって、誰がいますか?

マーティン:そうだなぁ...俺が好きなのは、いつだってサプライズをくれるDJ。サプライズが大事なんだ。知ってる音楽だけじゃダメなんだよ。人は常に新しい音楽を求めてるんだからね。それをやってくれるのは......Kode9、d-Bridge、Floating Points、それにMarcel Dettmann、Ben Klockだな。彼らは俺のお気に入りだよ。

ここ数年でシーンは急激に変化していると感じますか? もしそう感じているとしたら、具体的にどのように変化しているのでしょうか?

マーティン:たぶんそうだとは思うけど......。やっぱり、自分がファースト・アルバムを作ったときと、いま現在の音楽シーンは全然違うからね。とくにUKでは、テクノやハウスが前より断然ビッグになったと思う。前はダブステップとかベースライン・スタイルが流行ってたのに、いまはみんな、もっとハウスやテクノに影響されてるなと感じるんだ。それが、俺が感じる大きな違いだね。

ポスト・ダブステップと呼ばれるようなシーンの拡大がありますよね。ピアソン・サウンドやアントールドみたいな人たちが台頭したり、ジェームス・ブレイクが大ヒットしたり......、こうした状況をどのように受け止めていますか?

マーティン:面白いとまでは思わないね。そういうのをやってると、音楽が新しいものを何ももたらさなくなってしまうから。ルールに縛られた音楽から、新しいものは産まれないんだ。ルールをなくすことが、オリジナルの作品を作るポイント。良い音楽か悪い音楽か、好きか嫌いかだけを考えとけばいいんだよ。別にジェームズ・ブレイクが流行ってるのはいいと思うけど、彼は彼。彼がポスト・ダブステップだと思ったことはないね。彼の音楽は、それよりもすごくパーソナルだと思うよ。

ここ2、3年の、ヨーロッパのダンス・カルチャーの盛り上がりはすごいものがありますが、あなた自身、その理由をどのように分析していますか?

マーティン:たぶん......ヨーロッパの文化がもともとそうだからじゃないかな。60年代も70年代も、80年代も90年代も、ヨーロッパの人びとはいつだって週末に出かけてダンスするのが好きだから。それがノーマルなんだよ。アメリカに住んでるから、その違いを感じるんだ。ここの人たちは、ダンスしに行くというより、ロック・バンドを聴きに行くんだよね。コンサートには行くけど、ヨーロッパほどクラブには行かないと思う。クラブの雰囲気も違うしね。もちろん大きい都市にはクラブ・シーンもあるけど、小さい街の人びとは、ラジオを聴いてそれを聴きにバンドを見に行くんだ。だから、ヨーロッパに関しては、それが昔からの文化だと思うんだ。わからないけど、それは自然なことなんだよ。ヨーロッパは、そもそもエレクトロが盛んっていうので有名だしね。

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もっとレイヴっぽい音楽になってきたと思う。アメリカの若者のあいだではとくにビッグだよ。みんなドラッグをやりながらダブステップを聴くんだ。だから、そういうシーンに俺の音楽の居場所はないんだよね。いまのダブステップ・シーンは、5年前のそれとは違うから。


Martyn
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結婚を機にアメリカのワシントンDCに越しましたが、そのことであなた自身、作品や活動においてどのような変化があったのでしょう?

マーティン:そうだなぁ......アメリカの文化って、やっぱり違うんだ。最初越して来たときにインスパイアされたのは、この国の人びとが超ハードに働くってこと。仕事に100%の力を注ぐんだ。ヨーロッパのプロデューサーたちはもっとリラックスしてて、それが失敗したとしても他になにかやればいいと思ってるから別に気にしないんだけど、アメリカは違う。みんな、自分がやりたいと思うことでお金を稼ぎたいっていう意思があるから、それで成功するしかオプションがないんだ。だから、みんな必死になるんだよ。他の何かに頼ったりはせず、100%それだけでやっていこうとする。それに失敗すると生活ができなくなるから、みんなのモチベーションがかなり高いんだ。しかもポジティヴだしね。俺がインスパイアされたのはそこ。メキシコからの移民の姿もそうだよ。彼らは毎日本当に一生懸命働いて、そのうえ仕事が終わると夜間学校に通う人たちだっているんだ。だからいまは、自分も彼らと同じ姿勢で音楽作りに挑んでる。2倍の力を出す。それが今回俺がやったこと。だからこそ、いまの位置にいると思うんだ。

あなたにとってアメリカはオランダよりも住みやすいですか?

マーティン:住みやすいとまでは言わないかな。ヨーロッパも、ギグなんかで帰るとやっぱり楽しいと思うしね。でも、アメリカに帰ると、俺が住んでる場所はあまり都会じゃないから、静かでリラックスできるんだ。俺にとってはそれがパーフェクトなんだよね。いつも忙しくてバタバタしてるから......。アメリカに戻ってくればスペースもスタジオもあるし、誰にも邪魔されずゆっくりとできるんだ。

アメリカでも、ヨーロッパと同じようにあなたの音楽は受け入れられていますか?

マーティン:大きな都市ではイエスだね。ニューヨークとかシカゴ、LAやサンフランシスコなんかでは、俺の音楽を知ってるって人びとはいるよ。友だちもいるしね。でも小さい街では全然知られてない。そもそもみんなダンス・ミュージックをあまり知らないから、俺の音楽は完全に新しいんだ。でも同時に、みんな心がオープンだから、そのときその音楽を気に入れば、その場で受け入れてもらえるってのはあるね。

『ゴースト・ピープル』はアメリカでの経験も反映されているわけですよね? たとえばアメリカでのDJの機会が増えたとか、そういったことが反映されていますか?

マーティン:いや、そうでもないね。ファースト・アルバムのほうが、もっとアメリカでの経験が反映されてるよ。ファーストは、まさに引っ越したばかりのときに作ったから、まだ自分のなかでアメリカが新しくて、刺激的だったんだ。今回はそれよりも、ツアーの旅路での経験のほうが強く反映されてる。フェスとかクラブとか、滞在先のホテルとかね。

アルバムの話に戻りますが、最後の"We Are You In The Future"は圧倒的な曲ですね。とてもドラマティックな構成をもった8分以上の曲ですが、この曲についてコメントお願いします。

マーティン:うーん......このアルバムを作ってたとき、昔のレイヴ・ミュージックをたくさん聴いてたんだ。90年代初めのハウスやテクノをね。だから、このトラックはそういった音楽から影響されてる。ブレイクビーツとか、最初の頃のレイヴだね。レトロにならないようにしながらも、昔のレイヴを参照にした曲なんだ。ここまで長いトラックに挑戦したのは、この曲が初めてなんだ。ラストをスペシャルなものにしたかっらから、今回それをやってみることにしたんだよ。最高のエンディングにふさわしい、大作を作りたかったんだ。このトラックは、俺自身のお気に入りでもあるよ。

最後に、今後の計画などありましたら、教えてください。

マーティン:あまり決めてないけど、とりあえずはライヴ! いまはそれだけさ。DJとはまた違うから、楽しんでるよ。

DJとライヴ、どっちが好きですか(笑)?

マーティン:DJはもう15年もやってるから、自分にとってナチュラルというか、当たり前のことなんだけど、ライヴはまだ自分にとって新しいから、いまだにエキサイティングなんだ。だからいまは......ライヴをエンジョイしてるかな(笑)。どっちもそれぞれ違う理由で好きだけどね。

»〈ブレインフィーダー〉のそうそうたる面々と、マーティン来日決定!

BRAINFEEDER 2 - ele-king

[BRAINFEEDER ブレインフィーダー]
2008年フライング・ロータスがLAを拠点にスタートしたインディペンデント・レーベル。フライング・ロータス自身が推すアーティストのサポートを目的とし、エレクトロニック・サウンドとヒップホップとジャズを新しい次元で融合させた刺激的なリリース、柔軟且つ先進的な活動形態、そして真摯な姿勢と鋭い感性によって、Low End Theory周辺と共鳴し合いながら、発足当初よりLAのアンダーグラウンドな音楽シーンを牽引し続け、いまやもっとも注目を集めるレーベルとなった。レーベル・アーティストには今回リリースされるサンダーキャット、トキモンスタ、マーティンの他にオースティンペラルタ、ティーブス、ローン、サムアイヤム、ガスランプ・キラー、デイデラスといった個性的で才能あふれるアーティストたちが集い、自由で先鋭的な音楽を発信している。

9/17 (土)DBS presents BIG BASS SESSIONS @代官山UNIT

東京 11/10/28(FRI) 西麻布 eleven
OPEN/START 23:00 前売TICKET ¥4,000
INFO: BEATINK 03 5768 1277

大阪 11/10/29(SAT) 鰻谷 sunsui
大阪市中央区東心斎橋 1-12-20 心斎橋シキシマビルB1F
OPEN/START 18:00 前売TICKET¥3900
INFO: sunsui 06-6243-3641(www.sunsui.net)
協力: ZETTAI-MU (www.zettai-mu.net)

チケット発売 8/27(土)から一般発売
*先行予約:8月20日より
●東京:Beat Web予約(www.beatink.com)にて
●大阪:sunsuimart(http:/www.sunsuimart.net)にて

企画制作:BEATINK
INFO: BEATINK:03-5768-1277[www.beatink.com]

vol.12:9/10/11 - ele-king

September 10th 2011 2PM TO 10PM
BLOCK PARTY!!!!
POSTER Design BY WOLFY-THANK YOU!!

 というわけで、毎年9月にレポートしているウィリアムスバーグのアート・スペース、〈モンスター・アイランド〉......建物そのそれぞれの階でスペースとなっている(カイロック・プリンティング=2F、シークレット・プロジェクト・ロボット=1F、ライブ・ウィズ・アニマルズ=1F、モラスク・サーフショップ=1F、オネイダ・プラックティスルーム=B1、トッドPミュージック&ペース=B1)が、すべてをオープンにして開催するブロック・パーティ。今回は、残念ながら最後となってしまった。近所の環境が変わり(新しいコンドミニアムが立ち並び、フェリーでマンハッタンに通勤する層が引っ越してきている)、この場所が立ち退きになってしまったのだ。
 そう、9月いっぱいでこの場所はクローズ。建物は11月に倒壊予定だ。彼らはすでに新しい場所を東のブシュウィックに見つけ、10月から新たなスタートを切ることになる。シークレット・プロジェクト・ロボットになってから7年間、その前のマイティ・ロボットから数えると、10年以上、この地域にあった文化の発信地が出て行かざるえないということは、ウィリアムスバーグという地域の終了を意味しているのかもしれない。その意味を探そうと、今回のブロック・パーティに潜入した。


これが〈モンスター・アイランド〉です

いったい誰が出演しているのかわからないほど、かなりフリーな感じでパフォーマンスが繰り広げられる

 メトロポリタンとケント・アヴェニューの角、警察によって許可をとっていて、そのブロックを区切って、屋外でのイヴェントを繰り広げている。建物なかはシークレット・プロジェクト・ロボット、ライヴ・ウィズ・アニマル、そして、道の真んなかという3つのステージで、同時にバンドがプレイしている。タイムテーブルもないのでいまどのバンドがやっているのかはまったくわからないが、たまに「僕たちは〜です」と、バンドが挨拶してくれる。

 私がついたときには、ライヴ・ウィズ・アニマルではK-holes、屋外スペースでは、エリック・コープランド(ブラック・ダイス)、シークレット・プロジェクト・ロボットではカルト・オブ・ユースがはじまったばかりだった。なかで、オネイダのキッドに遭遇したが、彼のバンド、マン・フォーエヴァーはすでに終わったという。
 タイム・テーブルがないので、油断は禁物。なかでカルト・オブ・ユースを見て、外に出てみると、今回アナウンスされていないライト・アサイラムがやっている。ゲイの女の子と男の子のデュオで、かなりキャラクターが濃いが、根強いファンが多く、ファンはどのショーにも現れ、彼らのライヴのときにはフロントはゲイファンでいっぱいになっていた。ちなみに女の子のほうは!!!でも歌っていたりと、個人的にはかなり好きなバンドだ。


ブラック・ダイスのエリック・コープランドによる実験的なステージ

ゲイの女の子と男の子のデュオ、根強い人気のライト・アサイラム

 バンドラインナップは、この場所に関わっている人のバンド(身内バンド)がほとんどで、大きな目玉もないのだが、パーティと言うことで、かなり盛り上がっていた。このイヴェントのために作った「Last forever Monster island」のTシャツもかなりの勢いで売れていた。ドリンクはいつもバドワイザーやPBRなどの安いビールなのだが、今回はスポンサーがついたのだろうか......、ブルックリン・サマーエール、ブルックリン・ピルスナーなど、ちょっと良いビールにグレード・アップしている。彼らの明るい未来を暗示するように......。
 7時になると屋外のスペースがクローズ、そして9時には、シークレット・プロジェクト・ロボットがクローズ、最後にはライヴ・ウィズ・アニマルだけになり、ダブ・ノウ・ダブ+ゲスト(エックス・モデル、マン・フォーエヴァーなどのメンバー)、幕を閉めた。実に8時間にわたるパーティだった。

 以下が最後のブロック・パーティのラインナップである。バンドの順番は全まったくバラバラ 。日本で知られているのは、たぶんエリック・コープランドぐらいだろうか。きっとこのなかから、いつかみなさんも注目するようなバンドが出てくるでしょう。
 いろんなバンドを発見し、一緒に成長していった人たち。これからの新しい場所に期待を膨らませつつ、長年通ったこの場所に別れを告げる。
 モンスター・アイランド、フォーエヴァー。


〈モンスター・アイランド〉の二階にある
シークレット・プロジェクト・ロボットの風景。

CULT OF YOUTH
ERIC COPELAND
SOLDIERS OF FORTUNE
MAN FOREVER
CALL OF THE WILD
K-HOLES
REEGAL DEEGAL
DUBKNOWDUB
VAZ
HAIR JAIL
DIVINE ORDER OF THE BLOOD WITCH
BRUTE FORCE
THESE DAYS

SCUBA (HOT FLUSH RECORDINGS, SUB:STANCE) JAPAN TOUR 2011 - ele-king

 今年はレーベルにとって最初のコンピレーション『ホットフラッシュ・レコーディングス・プレゼンツ......バック・アンド・フォース』をリリース、いまもなおベース・ミュージックの"ネクスト"を開拓する男、スキューバ。2562やマーティン、シャックルトンらと並んで、テクノ・リスナーからも人気のベルリン在住の彼が1年ぶりの来日。go!!!!!


9.22 thu SPRAWL meets SCUBA @ 名古屋 CLUB ABOUT
Open 22:00 ¥2,500 (Advance), ¥3,000 (Door)
DJs: SCUBA (Hotflush Recordings), Kazuaki Suzuki (version city session, material), RYUMA (ILLCOM+), HISAOMI (A-BASS)
VJ: LAFgLAF
Information: 052-243-5077 (Club About)
https://club-about.com

9.23 fri UBIK @ 東京 eleven
Open 22:00 ¥3,500 (Door), ¥3,000 (w/ Flyer)
DJs: SCUBA (Hotflush Recordings), DJ Nobu (FUTURE TERROR, DAZZY DJ NOBU), GOTH-TRAD (DEEP MEDI MUSIK, BACK TO CHILL), Yusaku Shigeyasu (ALMADELLA, Basement Ltd)
LOUNGE: Timothy Really DUB - Guest Selectors: Pablo Valentino (FACES RECORDS) BLUNT (HATOS) Jammin' K a.k.a Kiccio (combine) & Konpot a.k.a kon (Timothy Really, VAVA) - Timothy Really DUB Selectors: Ryujiro Tamaki, tosi, Sisi - Food: MITSUO CURRY
Information: 03-5775-6206 (eleven)
https://go-to-eleven.com

9.24 sat SYNCHRO 012 @ 静岡 JAKATA
Open 22:00 ¥3,000 (Door), ¥2,500 (w/ Flyer) w/ 1 Drink
DJs: SCUBA (Hotflush Recordings), KEIHIN (G.O.D., ALMADELLA), CITY BOY, YSK, KATSU
LIVE PAINT: HISA
VJ: RYOTA
Information: 054-260-4212 (JAKATA)
https://www.jakata.jp


SCUBA (Hotflush Recordings)
www.myspace.com/paulhotflush
www.hotflushrecordings.com
www.myspace.com/substanceclub
ロンドン出身のプロデューサー/DJ。
ダブステップ・シーンの創世期から多数の独創的なトラックをリリースする最重要レーベル、Hotflush Recordingsを2003年にスタート。UKガラージュに端を発するアンダーグラウンド・ムーブメントをレゲエ〜ダブ、2ステップ、グライムなどの音楽的要素を融合/進化させたオリジネイター。2007年にベルリン移住後、音楽ジャンルの壁を越えてあらゆる方面から大絶賛されたファースト・アルバム『A Mutual Antipathy』を2008年にリリース。そのリミックス・プロジェクトではジャンルの越境者としての真骨頂を見せ、Surgeon, Substance, Jamie Vex'd, Martyn, Marcel Dettmannなどをリミキサーとして起用。別名義であるSCBによるテクノ/ハウスへ急接近を示唆した。ここ最近ではFever RayやRed Snapperなどのリミックス、Hotflushの精力的な新譜リリースなどで多忙を極めている。レーベ運営と音楽制作に加えて、ベルリン・テクノの聖地BERGHAINでダブステップ・パーティー、SUB:STANCEを主催して大きな成功を収めている。2010年1月末にはベルリン・クラブ・シーンを先導するOSTGUTからキャリア初のオフィシャル・ミックスCD『SUB:STANCE』をリリースする。同年にリリースされたセカンド・アルバム『Triangulation』はダブステップを通過したテクノと形容されるニュー・ヴィジョンを提示した。ミニマル・テクノ・シーンとシンクロするダブステップ、ダンス・ミュージックの最新トレンドをクリエイトする最重要アーティストである。

Neon Indian - ele-king

 シンセサイザーが帰ってきた。......いや、どこかに行っていたわけではないが、ループを構成することで作られるダンス・ミュージックとは別のところからそれは帰ってきた。合成機械から出る電子音を前面に打ち出したポップ・ミュージックがおよそ30年ぶりにシーンを賑わそうとしている。
 チルウェイヴも、いまとなってはシンセ・ポップ・リヴァイヴァルのひとつとして捉え直すことができるだろう。ネオン・インディアンは2009年のチルウェイヴの先駆けとなったグループのひとりだが、彼のセカンド・アルバム『エラ・エクストラーニャ』はウォッシュト・アウトのデビュー・アルバムと同様、彼なりのシンセ・ポップを展開している。

 いま準備中の紙ele-kingの3号にはシンセ・ポップの特集ページがある。シンセ・ポップのリリースがこれほど多いのは、先述したように30年ぶりのことだし、「リヴァイヴァル」とは言っているが30年前の焼き直しではない。特集するには充分な条件が揃っている。
 もっともチルウェイヴ系がシンセ・ポップに移行した理由のひとつは、サンプリングの問題も大きい。仲間内のアンダーグラウンドでやっている分には気にする必要のなかった著作権問題にも、シーンが注目されるようになれば配慮しなくてはならない。現実的な話として、音源としてのシンセサイザーが必要とされているというのがまずある。
 また、チルウェイヴ世代の作り手の多くが80年代生まれで、子供の頃の記憶としてのシンセ・ポップ、つまり、オールディーズとしてのシンセ・ポップという事実もある。ネオン・インディアンは子供の頃にいとこの車のなかで聴いたニュー・オーダーの"ビザール・ラヴ・トライアングル"(1986年)が忘れられなかったと回想しているが、実際に80年代のシンセ・ポップは、ニュー・オーダーであれデペッシュ・モードであれソフト・セルであれヒューマン・リーグであれ、ティアーズ・フォー・フィアーズであれユーリズミックスであれトンプソン・ツインズであれ、チャート・ミュージックだった。ポップスとして機能していたのである。

 僕が新世代によるシンセ・ポップを興味深く思えた理由のひとつは、前にも書いたように、30年代は電子音楽をかたくなに否定したホワイト・アメリカの内部でいまそれが拡大していることだが、もうひとつこの動くの特徴を言えばその清潔感だ。それはソフト・セルのように、赤線地帯を面白がるような感性とはほど遠い。明らかにセックスを連想させるウォッシュト・アウトのデビュー・アルバムのアートワークを見ても、ソフト・ポルノともまた違った、実にクリーンな清潔感がある。また、シンセ・ポップをやりながらそのテーマが海や夏というのは、80年代を知る者からするとさらに妙に感じる。
 いまシンセ・ポップはほぼすべてインターネットを介して発信している。ネットの世界とは、ひとつ皮を剥いでみると匿名による罵詈雑言、陰険なガセネタ、ポルノ画像、迷惑メール......などなど、ある意味ではディストピックで、人間のくらい部分もよく見える場所でもある。赤線地帯は机のうえのすぐ目に前にある。今日的なシンセ・ポップは、そうしたもうひとつの現実に広がる陰湿なところから逃れるように、たとえば海や夏へと向かっているようだ。あるいは、仮想現実の喧噪や情報過多にうんざりして、昔ながらの素朴な営みが恋しいのだろうか。まあとにかく、30年前のオレンジ・ジュースのように、それらの多くは清涼飲料水のようだが、いまは甘酸っぱい夏の思い出をグレッチのギターではなく機械を通した歌とシンセサイザーが表現している。

 ネオン・インディアンの『エラ・エクストラーニャ』は、ポスト・チルウェイヴにおけるシンセ・ポップの典型となりうる作品だ。80年代のソウル・サウンド、シューゲイザーとアンビエントのテクスチャーがミックスされている。チルウェイヴならではの気怠さも残っているとはいえ、だいぶ洗練されている。ポップスへの道が開けている......というか、もう、ポップスを目指すしかないだろう。歌の入れ方はアニマル・コレクティヴ以降のインディ・シーンの決まり事のようになっている、エフェクトの効いた音のパートとしてのそれだが、フレミング・リップスといっしょにコラボレーションしているだけあって、音の高揚感や起伏の付け方もうまい。『ウィズイン・アンド・ウィズアウト』よりも大衆的な音楽だと思われる。
 『エラ・エクストラーニャ』はスペイン語で「missing era(=人びとがつねに何かを恋しがる時代)」という意味で、本人によれば「テクノロジーが進化した現在、それでも人は何かを恋しがっている」というようなニュアンスで使ったそうだ。ちなみに彼はアメリカで育ってはいるが生まれはメキシコで、父親はメキシコ人のプロの歌手である。家にはシンセサイザーがあり、ファースト・アルバムでは父親の曲もサンプリングしていたそうだ。

 いまの20代にとっても、そして40代にとってもこれはある種の懐メロに聴こえるんじゃないだろうか。昔、ラジカセから流れていたような音楽だが、今風なアレンジがほどこされてPCやIPodから流れている。なんとも言えない切ない気持ちになるのは、いよいよ80年代の音楽がオールディーズとして定着するような時代になったのかと時代の流れを思ったからではない。ネオン・インディアンの音楽が感傷的だからである、"ビザール・ラヴ・トライアングル"のように。

(これまでの人生においてもっとも声援を送ったGK、真田雅則 R.I.P.)

※なお、現在タワーレコードでキャンペーンをやっているとのことです!

【店舗限定】NEON INDIAN × WASHED OUT チルウェイヴ・キャンペーン
対象商品をお買い上げのお客様に先着で両面B2ポスター(片面:NEON INDIAN 片面:WASHED OUT)をプレゼント!

■対象店舗:タワーレコード全店(オンライン除く)
■対象アイテム:
NEON INDIAN『Era Extrana』(9/7発売/YRCG-90063/日本盤 )
WASHED OUT『WITHIN and WITHOUT』(発売中/YRCG-90060/日本盤)
■期間:2011年9月6日(火)縲鰀
※特典がなくなり次第終了とさせていただきます。
■特典画像

■詳細:以下、タワーレコードのサイトまで
>>> https://tower.jp/article/feature_item/81721

interview with Girls - ele-king


Girls
Father, Son, Holy Ghost

True Panther Sounds/よしもとアール・アンド・シー E王

Amazon

 『アルバム』はふざけていた。ヴィンテージ・ポップスの意匠を借りて、女の子といっしょに泣いたり笑ったりしていた。いわばそれは、サンシャイン・ポップスのパロディだった。レトロ折衷主義の現代版だ。が、ローファイ版ビーチ・ボーイズはその1作で終わった。昨年の「ブロークン・ドリームズ・クラブ」はもう違っていた。クリストファー・オウエンスはマジだった。彼は、彼女のひと言ひと言をあまりにも敏感に感じ取ってしまう青年の声で歌った。「君があの音楽を聴いて涙してたときのことなど、彼にはわかりっこない/君があの映画で涙してたときのことなど、彼にはわかりっこない/君が最初から彼に抱いてた想いなど、彼にはわかりっこないだろう」――どこまでも潔癖で、胸いっぱいの声だ。
 斜に構えた『アルバム』以上に、「ブロークン・ドリームズ・クラブ」は真剣に恋するに値するミニ・アルバムだった。ポップスの黄金時代の意匠を借りてはいるが、しかしそれは"レトロ折衷主義"の妙味に満足するようなものではなかった。そしてそれは、クリストファー・オウエンスの魂から生まれるものだった。この度リリースされる『ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト』は、「ブロークン・ドリーム・クラブ」のあとに続く......ラヴ・ソングこそが音楽(ポップス)においてもっとも忘れてはならない主題であるといわんばかりの、ガールズにとっての待望のセカンド・アルバムである。

ロックンロールの可能性なんてぜんぜん感じていない。マドンナの"アメリカン・パイ"、知ってるよね? あの曲の歌詞に、「Do you believe in Rock'n' Roll」って部分があるんだけど、僕はいつもそこで「ノー」って答えてる。

「ブロークン・ドリーム・クラブ」には"サブスタンス"という曲がありますよね。そのなかであなたは「It doesn't have to be this way/I know something/To take the corners off/And help you rock and roll/Right down the road(こんなんでなくたっていいはずさ/そういうモノがあるってことは知ってるよ/尖った角が取れて、君をロックンロールさせてくれるんだ/この道のすぐ先でね)」と歌っています。何をいまさらと思うかもしれないけど、あなたにはロックンロールというスタイルに特別な気持ちがありますか?

クリストファー:ノー。僕はロックンロールじゃないよ。僕が思うロックンローラーたちとは違う。僕のスタイルは彼らのものとは全然違うんだ。この曲に出て来るロックンロールは......この曲は、ロックンロールのショーをやるためにサブスタンス(薬)を使ってる自分についての歌なんだ。だから、ロックンロールがテーマってわけじゃない。それよりも、僕はカントリーやジャズのほうが自分の好きな音楽って感じがするよ。そういう音楽は大好きさ。あとは日本の音楽。準備はいい?(さくらさくらを歌い出す)ハハハハ。この曲大好きなんだ。ロックより断然好き。っていうか、そっちのほうが自分らしいんだ。ミュージカルのオクラホマのほうが、よっぽど僕っぽいよ。

この取材の主旨のひとつに、「21世紀のロックンロール」というテーマを与えてみようかと思います。インターネット時代の、人が自分の好みを自由に選択できる状況のなかでロックンロールを選ぶというのは、50年代や1976年にそれをやるのとはまた意味が違ってくるんじゃないかと思うんですよね。いかが思いますか?

クリストファー:さっきの質問の答えの通り、僕はロックンロールを選んでるわけじゃないからね。だから、この質問はわからないよ。

でも歌を書くというのがあなたの音楽の前提にあると思いますが、この音楽のスタイルのなかにどのような可能性を感じているんですか?

クリストファー:ロックンロールの可能性なんてぜんぜん感じていない。マドンナの"アメリカン・パイ"、知ってるよね? あの曲の歌詞に、「Do you believe in Rock'n' Roll」って部分があるんだけど、僕はいつもそこで「ノー」って答えてる(笑)。僕が信じてるのはソウルだからね。

わかりました(笑)。さて、それではガールズの作品について訊きますね。昨年発表した、あなたの「ブロークン・ドリームズ・クラブ」がとても感情にひっかかりました。あなたは最初のアルバムでは、カリフォルニア・ポップスというか、女の子についてユーモラスに、そして恋について感傷的に歌いました。しかし、「ブロークン・ドリームズ・クラブ」にはデビュー・アルバムにはない悲しみ、喪失感、失意のようなものを感じます。そして新作『ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト』は明らかに「ブロークン・ドリームズ・クラブ」からの続きがあるように思います。あのミニ・アルバムはあなたにとってどんな意味があったのでしょうか? 何があなたにあの作品を作らせたのでしょうか?

クリストファー:僕のなかで、作品は全部繋がっているんだ。僕の曲の書き方は、とくに各アルバムとかEPのためって感じじゃないからね。EPのレコーディングで初めてスタジオを使ったんだけど、あのEPで、僕たちはいろいろ実験できたんだ。スタジオもそうだし、他のミュージシャンやエンジニアを使ったり、プロがまわりにいた。あのとき、いろいろ試してみたおかげで、今回のアルバム制作をそういうやり方(EPのやり方)で進めていきたいのかがわかったんだ。今回のアルバムも『アルバム』みたいに部屋じゃなくてスタジオでレコーディングしたいと思ったし。そう、結果的にアルバムの準備ができたんだと思う。いろいろと見極めることができた。そのためにEPを作ったわけではないけど、結果的にそうなったんだ。

"ジ・オー・ソー・プロテクティヴ・ワン"の歌詞も心を打たれましたが、タイトル曲の"ブロークン・ドリームズ・クラブ"にはとくに強いものを感じました。たとえば「So many people live and die/And never even question why/All of their dreams are gone/How do they carry on?(生まれては死んでいく、あまりに大勢の人々/「なぜ?」という問いさえ投げかけることもないままに/消し飛んでいったあらゆる夢 /うすればこれ以上頑張れると?」みたいな言葉はどこはから出てきたんですか?

クリストファー:歌詞が出てくるのは、すべて僕のフィーリング。若いときにはやりたいことがたくさんあるのに、大人になると人はその夢を諦めてしまう。なんでそんなことができるんだ? その心理が理解できないって思う気持ちさ。僕にとっては、夢を持ち続けることが大切だからね。でも、ほとんどの人たちが諦めるだろ? この曲は、僕のそんな気持ちについて歌ったものなんだ。

"ブロークン・ドリームズ・クラブ"という言葉、何のメタファーなんでしょうか? 

クリストファー:ブロークン・ドリームズ・クラブの意味は、僕のまわりの友だちたちのこと。あと、僕自身もちょっと入ってるかな。人からは「バンドが成功しててスゴイね」とか、「人気者になったね」とか言われるけど、僕だって、それと同時に壊れてしまった夢があるから。他の友だちもそう。何かに満足していない、何か叶えたいものがあった人たちのグループって意味なんだ。「本当はもっと......」を求める人たちのグループさ。

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ユーモアが少ないってのは同感だよ。今回はもっとシリアスだからね。前回はユーモアをマスクとして使ってたんだ。フェイク・ヴォイスをジョークで使ったりとかね。でも今回はオープンで、もっとシリアスで正直なんだ。


Girls
Father, Son, Holy Ghost

True Panther Sounds/よしもとアール・アンド・シー E王

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さんざん取材で訊かれたと思うので、申し訳ないないのですが、いまいちど、当時の記憶をたどってもらえないでしょうか? "Children of God"()はヒッピーが作ったディストピアとも言えるようなものですよね? そうしたあなたの幼少期の経験に対するあなたの思いに、この数年で何か変化はありましたか? あったら教えてください。

クリストファー:子供の頃に対する思いは毎日かわる。説明するには複雑だけど......。僕は若いとき、良いことを含め何に対しても感謝できなかった。怒りでいっぱいだったし、自由になりたいとばかり考えていたからね。反抗的だったんだ。でもいまは、人生でいろいろと経験してきて、いろんな角度から物事をみたり、先を見るようになった。というか、見れるようになった。だから、何を自分が失ったかを振り返ることもあれば、何が自分を幸せにしているかを見つめることもある。自分は特別な経験をしてきたなとも思うし、そのおかげでいまの自分があること、そして同時にそのせいで特別なものを失ってきたこともわかってる。その繰り返しなんだ。

そのカルト教団を作ったヒッピーが愛していた音楽がロック・ミュージックだったという事実、そしていまあなた自身がロック・ミュージックをやっていることを我々はどのように解釈したらいいのでしょう?

クリストファー:さっきも言ったように、僕はロックンロールをやってるとは思わない。僕がやってるのはポップ。ロックンロールはヒッピーだし、自分はそのなかにいたけど、僕が好きなのはポップなんだ。僕たちの曲のなかで、ロックンロール・ソングはすごく少ないはずだよ。たぶん、ロックンロールの質問をしてくる人たちは、僕とロックンロールの解釈が違うんだろうね。アメリカでは、ロックンロールっていったら僕の姿勢とは違うものを意味する。君の意見が間違ってるとは思わないけど、もっと一般的にロックってものを考えたら、それがちょっと違うってことに気づくはずだよ。ロックンロールをもっと世界的に考えてみて。ロックは、自分にとっては全然違うことだし、僕はもっとジェントルマンだよ。

では、あなたにとってのロックンロールとはどういう意味なのでしょう?

クリストファー:自分勝手で、人に失礼な態度をとることを気にしない。ある意味、アグレッション(強引さ)を通した自由って感じだね。

自分がそうじゃないだけで、キライではない?

クリストファー:うーん......オールド・ロックンロールは好きだよ。そうだね、好きなロックンロールはたくさんある。ただ自分がそうじゃないだけだね。

そして『ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト』というアルバム・タイトルは何を意味しているのですか?

クリストファー:このタイトルは、聖書からの引用なんだけど、意味はちょっと複雑なんだ。このフレーズは、聖書の引用っていうのもあるけど、アメリカの人びとにとっては誰でも知ってる御馴染みの言葉なんだよ。イエスと精霊と神は三位一体なんだ。だから使うことにした。みんながすでに聞いたことのあるフレーズだからね。それがこれをタイトルにした理由のひとつ。もうひとつは、このアルバムは自分にとって......というか、このアルバムだけじゃなくてすべてがそうだけど、どんな作品でも、Origin(原点)とIdentity(アイデンティティ)、そしてSpirit(魂)があると思うんだ。だから、僕にとってFather、Son、Holy Ghostの3つは、原点、アイデンティティ、魂を意味してるんだよ。うまく説明できないけど、このタイトルの意味はそれなんだ。

アルバムのオープニング・トラック"ハニー・バニー"は、エネルギッシュで爽快な曲であり、直球なラヴ・ソングですが、しかしアルバムには"ダイ"というヘヴィーな曲もあるし、そして"マイ・マー"のような深いエモーションを持った曲もあります。何故いま、"マイ・マー"のような曲を歌ったのでしょう? 

クリストファー:この曲で、僕は自分の気持ちを認めてるんだ。いま、僕が母親を恋しがってることをね。歌詞もすごくシンプル。母親ともっと近くなれたらいいのにっていう願いがその内容なんだ。僕と母さんは親しいけど、複雑なんだよね。同じ街に住んでないし、僕はすごく忙しいし。恋しいってことを彼女に言いたいんだ。自分の人生に、母さんが必要だってね。

前よりもっと恋しいですか?

クリストファー:そうだね。最初に家をでたときは、自立することが目的だったし、家を出たからこそできることがたくさんあった。でもいまは、そういうのを超えたから、彼女の存在がすごく恋しいんだ。

"ヴォミット"もまた、とてもハートブレイキングな曲です。これはどんな思いで作ったのでしょうか? とくに後半のゴスペルのような展開がすごいのですが。

クリストファー:これは随分前にかいた曲なんだ。この曲で表現してるのは......人について。他人からの愛が必要すぎる人。彼は毎日毎日、愛を探して探して、探しまくってる。自分にとって良くないしがみつきがある人の歌なんだ。たとえば、誰かがアル中のグループのなかにいたら、最初に必要なのは、自分がアル中であること、問題を抱えてることを認めること。この曲は、自分にとってその"認めること"なんだ。オープンに、自分は問題があると曲のなかでみとめてるんだ。

あなたの音楽からはファーストにあったようなユーモアはなくなってしまったのでしょうか?

クリストファー:うーん......答えるのは難しいね。僕は、アルバム単位で曲は書かないから。だからいつもアルバム自体にテーマがないんだ。それぞれの曲は独立してるんだよ。共通してるのは、すべてのアルバムの曲が自分たちのお気に入りでできてるってこと。ユーモアが少ないってのは同感だよ。今回はもっとシリアスだからね。前回はユーモアをマスクとして使ってたんだ。フェイク・ヴォイスをジョークで使ったりとかね。ファニー・ボーイズをふるまってた。でも今回はオープンで、もっとシリアスで正直なんだ。

なぜそれ(ユーモア)をやめたんですか?

クリストファー:もっと成長したし、前より気持ちが楽なんだ。リラックスしてるから、マスクを被って何かを隠す必要はもうない。ときどき遊びでやったりはするけどね。前はシリアスになりすぎないためにユーモアを敢えていれたりしてたけどいまではもうやらないんだ。


(注)"Children of God(神の子)"とは"Family International"としても知られる欧米では有名なカルト教団。1968年に設立されたそれは、60年代のキリスト革命(反体制的なヒッピーイズムのなかに見たキリスト教的な要素とキリスト教のなかに見たヒッピー的な要素によってうながされている)というなんとも実に歴史的に皮肉なムーヴメントのなかから生まれている。科学療法を信用しない教団は、乳児だった頃にオウェンスの兄を死なせている。父親はどこかへ消えてしまい、母親は売春も強制させれている。世界で最初の反カルト団体の組織化の契機にもなっている。

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自分がハッピーなときに書くとこういう曲ができる。道でハッピーな人をみて、その人が自分に微笑んで、「ハロー」と声をかけてきたら、自分もちょっとハッピーになるよね? そんな感じ。ハッピー・ソングを書くときは自分がハッピーだから、人にもそれが伝わってハッピーに聴こえるんだ。


Girls
Father, Son, Holy Ghost

True Panther Sounds/よしもとアール・アンド・シー E王

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では、"ジャスト・ア・ソング"もとても印象的な曲です。イントロのギターのアルペジオがとても綺麗な曲ですが、歌詞はやはりある種の喪失感を歌っています。「it just feels like it's gone/like all of it's gone, gone away/it seems like nobodies happy now(消え去ってしまったような感覚/すべてが消えて、なくなってしまったかのような/もう誰もハッピーじゃなさそうで)」......何についての歌でしょうか?

クリストファー:前までは、サンフランシスコに住む同じたくさんの仲間たちと毎日、毎晩あそんでたんだ。ハッピーだったし、互いに愛し合ってた。でも2年後はそれが変わってしまったんだ。この曲は、その2年後、たくさんのツアーを終えたあとに書いた曲。ツアーのあいだにたくさんの友だちを失ったんだ。まったくといっていいほど家にいなかったからね。この曲はそれについて。喪失感と仲間についてだよ。彼らとは、本当に毎日つるんでたんだ。すごく近かったのに。いまでも友だちではあるけど、みんなばらばらなんだ。ニューヨークとかロスとかに引っ越してしまったりね。でも、人生にはそういうことがつきもの。これがリアリティなんだ。

クローザー・トラックの"ジェイミー・マリー"もギターによる弾き語り調の曲ですが、どうして今回のアルバムはこうした内省的で、バラード調の曲が多くなったのでしょうか?

クリストファー:昔書いた曲がたくさんあるからさ。これを書いたのもだいぶ前。4年前くらい。いまそれをレコーディングしても、作品自体は古いから、自分を振り返ってる感じがするんだと思うよ。でもこの曲は好きだ。"ヴォミット"もそう。書いたのは5年前なのに歌ってるのはいまだから、いまの自分が過去をふりかえって、自分を見つめてるかのように聴こえるんだ。歌詞がすべて自分のフィーリングからくるっていうのもあるしね。

"フォーギヴネス "という美しいバラードがあります。これもまた、とても胸が打たれる曲です。この曲の主題についても教えてもらえますか?

クリストファー:この曲の主題は明確。タイトルのまま、"許し"について。それだけだよ。もし自分が悪いことをして、「ゴメン」と君に言うとする。それもひとつの解決だけど、それだけではおわりじゃない。君が、「許すよ」と言って初めて解決するんだ。内容はそれについて。本当にそれだけなんだ。シスターとブラザーは友だちのことだよ。自分、友だち、両方の"許し"についてがテーマなんだ。

"マジック"は今回のアルバムで、"セイング・アイ・ラヴ・ユー "と並んで、とても親しみやすいラヴ・ソングですね。あなたはこうしたキャッチーなラヴ・ソングに特別な思いがありますよね。それにいついて話してもらえますか?

クリストファー:自分がハッピーなときに書くとこういう曲ができる。道でハッピーな人をみて、その人が自分に微笑んで、「ハロー」と声をかけてきたら、自分もちょっとハッピーになるよね? そんな感じ。ハッピー・ソングを書くときは自分がハッピーだから、人にもそれが伝わってハッピーに聴こえるんだ。でも、僕の場合、悲しい曲もキャッチーだよね(笑)。キャッチーに関しては両方ともそう。でも、ハッピー・ソングの魅力は、なかにハピネスがつまってて、すごくポジティヴなこと。自分を含み、人って悲しい気持ちのときが多いから、こういうハピネスは人の心をもっとハッピーにするんだ。キャッチーなラヴ・ソングに対しては、スペシャルな気持ちはないよ。悲しいのも好きだし、キャッチーなのは全部好き。キャッチーにしようと意識するわけじゃないんだけど、自然とキャッチーに仕上がることが多いんだ。

"ラヴ・ライク・ア・リヴァー"も良い曲ですが、あれはソウル・ミュージックをやりたかったという感じでしょうか?

クリストファー:そうだよ。ソウル・ミュージックからはたくさん影響を受けてる。僕たちは何でもトライするんだ。シューゲイズもトライしたことあるし、ビーチ・ボーイズっぽいロックやジャズなんかにも挑戦したことがある。好きな物はすべてやってみるんだ。やってみるのは自由だからね。決まりはなくて、ただやりたいことをするんだ。この曲は初めて書いたR&Bソングなんだよ。このアルバムには3つの"初めて"があるんだ。ひとつは"ダイ"のギターリフ。ふたつめは"ラヴ・ライク・ア・リヴァー"のソウル。3つめは"ジャスト・ア・ソング"のクラシック・ギター。この3つは新たに挑戦してみたことなんだ。

さて、そろそろ最後のほうの質問です。音楽の社会的な機能の仕方について訊きたいのですが、「21世紀のロックンロール」はどんな役割を果たしていくんだと思いますか?

クリストファー:役割は変わらないと思う。ロックンロールには、ファンのためと、演奏する人たちのためのふたつの役割があると思うんだ。もしインターネットで見つけるのが簡単になったとしても、プレイヤーたちのなかでのマジックは存在し続けるだろうし、ファンにとっても、ラジオでロックンロールに出会おうが、インターネットで見つけようが、得る喜びは同じだと思うよ。これから先も同じさ。好きな音楽から得る喜びは変わらない。演奏する側と見る側、それぞれに違う喜びが存在し続けると思うよ。

大石幸司 (リトルテンポ) - ele-king

■ライブ INFO
LITTLE TEMPO presents 
第四回 ワイワイ祭りスペシャル! 『太陽の花嫁』 披露宴

出演者:リトルテンポ
GUEST:大野由美子(Buffalo Daughter)、icchie(exデタミネーションズ)、西内徹(川上つよしと彼のムードメイカーズ)
DJ:工藤Big'H'晴康
9月16日(金) 会場:恵比寿 LIQUIDROOM
開場:19:00 / 開演:20:00
前売券¥3,300(ドリンク別) / 当日券¥3,500(ドリンク別)
Info:HOTSTUFF PROMOTION https://www.red-hot.ne.jp/
https://www.littletempo.com/
https://twitter.com/#!/Little_Tempo

Strong Reggae Drumming Top 7 ※()内はドラマー名


1
Augustus Pablo - King Tubby meets Rockers Uptown 〜 ( Carlton Barret ) 
はまったきっかけの1曲。オープン・リムショットのフィル連打に飛ばされる。

2
2. Revolutionaries - Roots Man Dub 〜 ( Sly Dunbar ) 
スライの大得意な数学的ミリタントビート。

3
Aswad - African Children(Live) 〜 ( Drummie Zeb ) 
録音されたトラックの実験であるDUBをステージで再現する、という実験。

4
The Slickers - Johnny Too Bad 〜 ( Horsemouth )
この79年のリメイク版は4つ打ちになり、でかい農機具でザクザク突き進むがごとし。

5
David Isaacs - I'm Gonna Get You 〜 ( Sly Dunbar ) 
麗しいラバーズでも好きに暴れて良いという見本。

6
Coco Tea - I Lost My Sonia 〜 ( Style Scott ) 
最強のハードヒッター、スタイル・スコット。タイトとはこういうのです。

7
Techniques All Stars - Stalag 20 〜 ( Santa or Clevie )
シンセドラムなのに、ナイヤビンギのように聴こえてくる。オリジナルの「スタラグ17」にオーバーダブしたもの。

Herbert - ele-king


Matthew Herbert
One Pig

Accidental/ホステス E王

Amazon Review

 マシュー・ハーバートが久しぶりにライヴをやる。しかも豚の一生をテーマにした、"ワン"シリーズの最終章、『ワン・ピッグ』のライヴ・セットだ。リキッドルームでハーバートのライヴといえば、2000年の暮れのライヴはサンプリングによる政治的な抗議として、いまだに語りぐさになっている。あのときはグローバル企業の商品や新聞をその場で破いたり潰したりする音をその場でサンプリングして、批評精神溢れる態度でユーモラスなライヴを展開していったが、今回は豚である。いったいどんな内容のライヴになるのか......。レヴューにも書いたように、豚の鳴き声を大々的にフィーチャーした『ワン・ピッグ』があまりにも素晴らしかっただけに、注目のステージである。
 しかもまた、別の日ではSBTRKTとムードマンといっしょにDJという......これは迷う!

■マシュー・ハーバートの来日公演情報

<LIVE>
9月22日(木)東京・恵比寿LIQUIDROOM
LIQUIDROOM 7th ANNIVERSARY and Hostess Club presents Matthew Herbert's ONEPIG
チケット: ¥6,000(前売り / ドリンク代別) 好評発売中!
問)LIQUIDROOM / 03-5464-0800
https://www.liquidroom.net

<DJ>
9月23日(金・祝日)京都・CLUB METRO
Angle × Matthew Herbert (DJ)
〜 Matthew Herbert album『ONE PIG』『Bodily Functions (Special Edition)』W
release
party!!〜
チケット: ¥2,500(前売り / ドリンク代別) 好評発売中!
問)京都Club METRO / 075-752-4765
https://www.metro.ne.jp

9月24日(土)東京・恵比寿LIQUIDROOM
HOUSE OF LIQUID powered by Hostess Club
チケット: 前売 4,000円 当日4,500円(税込)好評発売中!
ラインナップ: MATTHEW HERBERT (DJ) SBTRKT(LIVE)MOODMAN(DJ)
問)LIQUIDROOM / 03-5464-0800
https://www.liquidroom.net

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