Eskmo / Eskmo Ninja Tune / ビート |
絶えず拡大するポスト・ダブステップという宇宙のなか、グリッチもいま、新たなフェイズに突入している。フライング・ロータスの『ロスアンジェルス』を契機に、たとえばグラスゴーではウォンキー(グリッチとダブステップとチップチューンとの出会い)が生まれ、そしてサンフランシスコからはエスクモが登場した。自らをエスクモと、実に寒そうな名前を名乗る青年、ブレンダン・アンジェリードは比較的温暖なサンフランシスコを拠点とするトラックメイカー/プロデューサーである。彼はグリッチとアンビエント、IDMをシャッフルする。そして暗く幻想的でミニマルなビートによって、ある種のサイケデリック・ワールドを描いている。それはJ・ディラではなく、フォー・テットやボーズ・オブ・カナダに近い。
ブレンダン・アンジェリードが音楽活動をはじめたのは、10年前の話だ。アモン・トビンらに影響を受けながらニューヨークでIDMスタイルの音楽を発表していた彼は数年前にサンフランシスコに引っ越している。そして、2009年に自主制作で発表したEP「ハイパーカラー」が〈ワープ〉の運営する配信サイト「ブリープ」で絶賛されると、フライング・ロータスが主催するパーティ〈ブレインフィーダー〉に出演を果たし、その評判を高める。
そして昨年から今年にかけて〈プラネット・ミュー〉からは〈4AD〉系の霊妙さを孕んだ「レット・ゼム・シング(Let Them Sing)」を発表、さらにまた〈ワープ〉からはスプリットで、スワンが歌う天文学の歌をフィーチャーしたゴシック調のR&B「ランド・アンド・ボーンズ(Lands And Bones )」をリリースしている。この2枚のシングルで評判をさらに高めて、去る10月には〈ニンジャ・チューン〉から「人間と機械の境界線をぼやけさせるような音楽」とBBCに評されたアルバム『エスクモ』を発表している。
取材に現れたブレンダン・アンジェリードは、実におっとりとした、清楚な佇まいの青年だった。
ロンドンのアントールドやジェームス・ブレイク、スキューバ、あと〈ヘッスル・オーディオ〉(ラマダンマンらが主宰するレーベル)やピンチ、彼らにはシンパシーを感じるよ。アントールドは最近知ったばかりなのだけど、彼は本当に素晴らしい。
■ザ・レジデンツのTシャツを着ていますね!
エスクモ:彼らの『エスキモー』(1979年)というアルバムがすごく好きなのだけど、僕の「エスクモ」という名前はそこからインスピレーションを受けているんだよ。
■ああ、なるほど!!
エスクモ:アルバムのなかで、シャーマンが氷の下に入るためにおまじないをして、氷の下に入って、まだそこから出てくるっていう曲があるのだけど、そういったシャーマニックな部分であったり、アイデアが面白いと思うんだ。彼らのコンセプトである、ポップなものを捻って何かを作るっていうやり方に、すごく共感しているよ。
■彼らの作品はどれもコンセプチュアルなものですが、あなた自身の音楽もそうであると思いますか? DJカルチャーやクラブ・ミュージックの文脈とは、また違うところにあるものだと思いますが。
エスクモ:今回のアルバムでは、レジデンツにシンパシーを感じたりする自分のパーソナルな部分と、エンタテインメントな部分、それはDJでみんなを喜ばせることであったりするのだけど、それらを上手く同居させることが出来たんじゃないかなと思っているよ。そういったことを僕は意識してやっているから、ある意味ではコンセプチュアルなものなのかもしれないね。でも、レジデンツからクラブ・ミュージックまでまたいで好きなのは、僕にとってはとてもナチュラルなことなんだ。うーん、上手く伝わるといいのだけど。
■レジデンツのTシャツを着ているトラックメイカーなんて、なかなかいないと思いますけどね(笑)。
エスクモ:今日のステージを観てもらえば、もっと上手く伝わると思うな!(笑)。
■そういえば、エイフェックス・ツインが初めて日本でDJをしたときに最初にかけたのはレジデンツなんですよ。
エスクモ:ワオ、それはナイスだね!
■いまはサンフランシスコを拠点に活動しているんですよね。
エスクモ:うん、そうだよ。
■〈ロウ・エンド・セオリー〉や〈ダブラブ〉など、あなたの地元であるUS西海岸のローカルなコミュニティから生まれたアンダーグラウンド・ヒップホップからの影響は勿論あると思うのですが、あなたの作るトラックからは、UKのグラスゴウのハドソン・モホークやラスティのような、ダブステップ以降のトリッキーなビートとの共振も感じられました。US西海岸とUKを繋ぐビートが出てきたことに、とても興奮したのですが。
エスクモ:正直に言うと、それがどういった経緯で生まれてきたのかは、僕にも上手く説明ができないんだ。普段は特定のジャンルの音楽を聴いているわけではなくて、フォークも聴くし、ジャズも聴くし、もちろん新しいビート・ミュージックも聴いているし。ただ、君が指摘したように、僕らウエスト・コーストとUKのシーンは通じ合っているところあると思う。具体的にどうというわけではないのだけど、マインドやアティテュードは近い気がするな。それはニューヨークのシーンにはないことだと思うんだ。
■UKでシンパシーを感じるアーティストはいますか?
エスクモ:ロンドンのアントールドやジェームス・ブレイク、スキューバ、あと〈ヘッスル・オーディオ〉(ラマダンマンらが主宰するレーベル)やピンチ、彼らにはシンパシーを感じるよ。アントールドは最近知ったばかりなのだけど、彼は本当に素晴らしい。基本的に、僕が好きになったりマインドが近いなと思うのは、アッパーなものより、土台がちゃんと固められた落ち着いたものなんだ。
photo : Masanori Naruse |
僕がサンフランシスコに引っ越した理由のひとつは、「レッド・ウッド」という木が生えている森があるからなのだけど、そこに入ると多くのインスピレーションをもらうんだ。自分の音楽のアイデアはそこで生まれることもよくあるし、自然から受け取るものはたくさんある。
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■あなたの作るトラックは、コズミックな音色のシンセを使いながら、下地にはトライバルなビートを敷いていたりしますよね。そういった相反するものが混ざり合うことで生まれるサイケデリックな世界観が面白いなと思いましたが、それはひとつのコンセプトであったりしますか?
エスクモ:そういったサウンド・テクスチュアに関しては、とくにテーマやコンセプトがあるわけではなくて、あれは自分のなかから自然と出てきた、自分にとってフィットすると思えるカタチなんだ。君が言った、テクノロジックなものとナチュラルなものを組み合わせる手法にしてもそうで、さっきもレジデンツとクラブ・ミュージックの話をしたけど、一見、まったく異なったものを組み合わせることに興奮を覚える人間なのかもしれない。この電話の音のように(と言って、近くに置いてあった電話をガチャガチャといじる)、フィールド・レコーディングもたくさんしているのだけど、デジタルとアナログを組み合わせることも、自分にフィットする手法だと思っているよ。
■アルバムのなかにはヴォーカル・トラックも多くありますが、こういったシーンのなかでは珍しいですよね。
エスクモ:昔から自分の声はよく録っていたのだけど、いままでは、あくまでサンプリングのネタというか、曲のなかでチョップアップして使うためのひとつのマテリアルぐらいでしか考えていなかったんだ。でも、今回のアルバムでは「ネクスト・レヴェルに行かなければ」という気持ちが強くあって、こういった挑戦をしてみたんだよ。とは言っても、実際に自分の歌声を録るのは正直怖い部分もあったし、みんなに「ゲゲーッ!」って引かれるんじゃないかって、すごく冷や冷やした。だって、僕のいるシーンには、そんなことをやっている人はいなかったしね。でも、とりあえずそういったことは忘れて、自分のパーソナル部分に向きあって、いま、自分が何をしたいのか、何をしなければいけないのか、自分のなかの意識に正直に従って作っていくことにしたんだ。
■なるほど。
エスクモ:仮に自分が音楽を作っていなかったとして、他の何かのアーティストだったとしても、自分がつねにやらなければいけないことは、ネクスト・レヴェルに行くことだと思うんだ。他人がどう思うかで自分に制限をつけてしまうのは絶対によくないことだから、とりあえず、自分がどう見られるかは置いておいて、自分が正しいと思うことに挑戦してみたんだよ。
■もしかすると、自分はトラックメイカーというよりも、シンガー・ソングライターだという気持ちが強かったりしますか?
エスクモ:そうだね、ごく最近になってそう思いはじめたところだよ。
■先ほどあなたもアントールドやジェームス・ブレイクのようなポスト・ダブステップのアーティストの名前を挙げていたように、いま、エレクトロニック・ミュージックのシーンは大きく変化している真っ直なかだという印象を受けます。そして、どこに向かっていくのかわからないという面白さがありますよね。自分たちがいるシーンについてはどう考えていますか?
エスクモ:いまのエレクトロニック・ミュージックのシーンはとても健康的だよね。健康的だからこそ、ドラスティックに変化し続けているわけだろうし。だからこそ、今後どうなっていくかっていうのは僕にもわからないのだけど、ジェームス・ブレイクもやっているように、ヴォーカルを取り入れたトラックがこれからどんどん増えてくるんじゃないかな。R&Bの要素を取り入れたり。
■今年の夏にUKでは、マグネティック・マンの"アイ・ニード・エア"がヒットしました。もしかしたら、次はあなたのいるシーンからこういったアンセムが生まれてくるのでは、と思ったのですが。
エスクモ:正直なところ、マグネティック・マンは名前ぐらいしか知らなくて、そこまで追いかけていないんだ。家でエレクトロニック・ミュージックを聴くときは、静かなものを聴くことが多いね。ススム・ヨコタのような。昔はアッパーなものも多く聴いていたけど、最近は少し疲れてきちゃったみたいで。
■音楽以外で影響を受けているものはありますか?
エスクモ:僕がサンフランシスコに引っ越した理由のひとつは、「レッド・ウッド」という木が生えている森があるからなのだけど、そこに入ると多くのインスピレーションをもらうんだ。自分の音楽のアイデアはそこで生まれることもよくあるし、自然から受け取るものはたくさんあるね。あとは家族や彼女、あ、昔の彼女も含むのだけど、そういった人間関係が音楽を作るときのインスピレーションに繋がることも多いね。
■「レッド・ウッド」を求めてサンフランシスコに移住したというのは、あなたのロマンティストとしての資質がそうさせたのか、それとも、スピリチュアルなものに対する好奇心が大きかったのか、どちらでしょうか?
エスクモ:どっちもだね。スピリチュアルな部分にも惹かれたし、僕にはロマンティストな部分もあると思う。あと、これはすごく生活感のある話だけど、ご飯も美味しいし、過ごしやすい気候だしね。
■リリックのなかでも、そういったスピリチュアルな部分であったり、ナチュラルな部分が描かれていて、幻想的なものが多いなと思ったのですが、それはあたなの出自であったり、トラックとの相互関係でそういったリリックを書くようになったのでしょうか?
エスクモ:リリックのテーマは大きく分けて、コンセプチュアルなものとごくごくパーソナルなもののふたつだね。"ウィ・ガット・モア"、"カラー・ドロッピング"、"ムーヴィング・グロウストリーム"、"マイ・ギアズ・アー・スターティング・トゥ・トレンブル"の4曲はコンセプチュアルなもので、他の曲はすべてパーソナルなことを歌っている。"ゴールド・アンド・ストーン"はその両方の要素があって、これは錬金術師のことを歌っている。"マイ・ギアズ・アー・スターティング・トゥ・トレンブル"は完全にコンセプチュアルなもので、ロボットを造る科学者がいて、彼が造ったロボットが誕生するときに科学者自身も誕生する、つまり、自分の生を実感するという内容だね。その反対に、パーソナルなことを歌った曲では、家族との関係であったり、コミュニケーションについて歌っているんだよ。
■アルケミーなものに興味を持ったきっかけというのは何なのでしょうか?
エスクモ:自分にとって大きかった最初の影響は、15歳のときにハマったマジックかな。マジックと言っても、手品のマジックではなくて、魔法のマジックのほうなのだけど、あの頃はマジックについて書かれた本を沢山読んでいたね。あとは、自分が置かれている環境から常々影響を受けていると思う。悲しい出来事があれば、自分のマインドや身体をはじめ、いろいろなことが変わっていくだろうし。マインドが自分を変えていくのではなくて、環境が自分を変えていくものだと思っているよ。
■では、あなた自身の音楽は、リスナーにどういった影響や効果を期待していますか?
エスクモ:具体的なものはないのだけど、それぞれがいろいろなことをそこから感じ取ってもらえればいいな。ミュージック・ヴィデオに関しても、こう受け取ってもらいたいという具体的なものはないのだけど、観て聴いた人がそこでモチヴェーションを感じてくれたり、何かをスタートするきっかけになれば幸いだね。
photo : Masanori Naruse |
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■日常生活ではよく音楽を聴く方ですか?
エスクモ:iPodのような携帯プレイヤーで聴くことはほとんどないかな。例えば、いまみたいに日本に来ているときは、見るもの聞くものに驚くことがたくさんあり過ぎるしね。家ではよく聴いているけどね。
■最近は何をよく聴いていますか?
エスクモ:ミュー(Mew)やビーチ・ハウスをよく聴いている。ビーチ・ハウスはとくにシンパシーを感じるな。ナイス・ナイスみたいなバンドも好きだよ。
■この度〈ニンジャ・チューン〉からアルバムをリリースする運びとなりましたが、その前に今年は〈ワープ〉からのスプリットと、〈プラネット・ミュー〉からシングルをリリースしていますよね。
エスクモ:とても光栄だし、本当にラッキーだと思っている。〈ワープ〉から一緒にスプリットをリリースしたエプロムとは本当に仲が良くて、よく一緒にサイクリングをしているよ。僕はバイクには疎いけど、彼は本当にクレイジーなぐらい詳しいんだ(笑)。サンフランシスコのシーンは、ロサンゼルスより規模が小さいから、大体みんな知り合いなんだ。よくみんなで一緒に遊びに行くしね。
■動画サイトであなたのライヴ映像を観たのですが、ラップトップを操作しながらマイクを握って歌っていたのには驚きました。今日のライヴでもあなたの歌は披露されるでしょうか?
エスクモ:もちろんだよ! 最近は自分の歌声以外にも、その場でフィールド・レコーディングしたものをサンプリングしてループさせて使っていたりもするから、その辺も楽しみにしていてもらいたいね。きっと面白いライヴを見せれると思うよ。
photo : Masanori Naruse |
その後のライヴでは、宣言通り自らの歌声を披露したり、フィールド・レコーディングやサンプリング&ループを駆使して、トリッキーなパフォーマンスを見せてくれた。彼のような「フライング・ロータス以降」のサイケデリックと「ハドソン・モホーク以降」のウォンキーの両方の影響下にあるモダンなグリッチ・ホップはいま、冒頭でも書いたように、突然変異を見せながら世界中のあちこちで増殖しつつある。舞台はUSとUKのみならず、フィンランドやスウェーデンの北欧のシーン(何と言ってもスクウィーの本場)、オランダ、あるいはスペインの〈ローファイ・ファンク〉とも共振しながら突き進んでいる。
以下、この秋以降にリリースされた、シーンを象徴する5枚セレクトした。これらの作品をきっかけ深くディグして頂ければ本望です。
Post Glitch & Wonky
UKでウォンキーの総本山と言えば、このラスティやハドソン・モホークらが所属するグラスゴウのアート・コレクティヴ〈ラッキー・ミー〉(https://www.thisisluckyme.com )だろう。この集団は、彼らのような新進気鋭のトラックメイカーをはじめ、アメリカン・メンのようなポスト・ロック・バンドから、グラフィック・デザイナーやフォトグラファーなどファイン・アートのクリエイターまで、多数のアーティストよって構成されている。ラスティとハドソン・モホークのふたりがすでに〈ワープ〉からデビューを果たし、〈ラッキー・ミー〉としても今年の6月にバルセロナで開催された〈ソナー〉にてショウケースをおこなっている。 |
〈ラッキー・ミー〉から1枚ご紹介。彼らは地元グラスゴーのシーンのみならず、ブルックリンのマシンドラムのような、北米の稀代なトラックメイカーまでもフックアップしている。マシーンドラムことトラヴィス・スチュアートは、これまでにもマイアミのエレクトロニック・ミュージック・レーベル〈メルク〉よりアルバムを数枚リリースしている。ヴォーカルのカットアップによってメロディアスなビートを作り上げる独特の手法から、グリッチ・ホップ黎明期の裏の顔として、プレフューズ73らと並べて評価されている。 〈ラッキー・ミー〉からのリリースとなったこのEPでは、心機一転、シルキーで煌びやかなエレクトロ・ファンクから、下世話なベースラインが耳を惹くバウンシーなフィジェット・ハウス、つんのめるほどアッパーなゲットー・ベースまで、新たな挑戦が数多く見られる。このEPの直後には、ニューヨークの〈ノームレックス〉からアルバム『ウォント・トゥ 1 2?』がリリースされている。こちらはヴォーカルを多数フィーチュアしたメロディアスなトラックが多く締めている。 |
グリッチ・ホップのイノヴェイター、デイダラスと〈ブレインフィーダー〉のティーブスによるスプリット10インチ。アイルランドのアンダーグラウンド・ヒップホップ・レーベル〈オール・シティ〉(オンラーのアルバム『ロング・ディスタンス』が最高)によるこのスプリット・シリーズでは、これまでにもデイム・ファンクやトキモンスタ、P.U.D.G.E.らが未発表の新曲を提供している。タイトルの通り〈ロウ・エンド・セオリー〉周辺の「いま」を切り取った最新のレポートとなっている。どちらもウエスト・コースト特有の煙っぽいサイケデリアが特徴的だが、よりアトモスフェリックでティーブスなそれは、まるで地下室の煙が天高く浄化されていくかのように、眩しいほどに乱反射を見せている。 |
ここ数年の〈ストーンズ・スロウ〉は、デイム・ファンクやメイヤ・ホーソンなど、70~80'sのスモーキーなソウル/ファンクをモダンに刷新するホットな新人たちを立て続けに送り続けてきたが、このエレクトロ・ブギーの王子ジェイムス・パンツもそのうちのひとり。このEPでは、エキゾチックな音色のホーンやマーチング・ドラムをサンプリングしたり、ガムランのビートを取り入れることで、無国籍ビートを生み出すことに成功している。他にもフットワークのような細かいハイハットのフレーズがあったり、キャスパやラスコなど〈サブ・ソルジャーズ〉周辺のトラックメイカーが得意とする、ウォブリーなベースラインが強烈なロッキン・バーストな曲があるが、彼はDJも相当狂っているようで、この支離滅裂なビートこそ持ち味と言える。 |
ブライトンの新興レーベル〈ドンキー・ピッチ〉によるスプリットEP。スラッガベッドはすでに今年の春に〈プラネット・ミュー〉からデビューを果たしている。そのロウビットの電子音でカラフルに彩られたコミカルなエレクトロ・ファンクは、〈ランプ〉周辺のロウビットなダブステップ/スクウィー好きのビート・ジャンキーを中心に評価が高かった。ゴースト・マットはこのEPで初めて知った存在だが、まるでメロウな歌モノR&Bをアイコニカがリエディットしたかのような、セクシャルでメロディアスな輝きがある。 |