「KING」と一致するもの

Jeff Mills - ele-king

 ジェフ・ミルズが『メトロポリス』をリリースしたのは2000年のこと。ダンスフロアに近しいテクノ・アーティストが “コンセプト・アルバム” をリリースすることがまだ珍しかった時代で、その後立て続けにアルバムを発表するジェフ・ミルズだが、じつは4枚目のアルバムだった。またそれは、1927年のドイツで制作されたSF映画の古典に新たな音楽を加えるという、じつに大胆な試みでもあった。
 リリース当時、ジェフの音楽付きの上映会が青山CAYで行われたことを思い出す。テクノロジーとロボット、メトロポリスの支配者、そして上流階級と労働者たちに階層化された社会を描いたこの映画にジェフのエレクトロニック・サウンドが重なると、それはたしかに現代のメタファーとなりうる。 
 2000年にリリースされ、2010年にいちどリイシューされたこの『メトロポリス』が、この度『メトロポリス・メトロポリス』としてまったく新しく制作され、3月3日に〈アクシス〉よりリリースされる。
 『メトロポリス』は、オリジナルは147分の大作だったが、フリッツ・ラングの意思とは関係なく、商業的な理由でこれまで勝手に縮められて(エディットされて)、上映されてきている。が、しかし、2010年に失われたフィルムが見つかり、完全復刻したのだった。それで、シネミックスのイベントを依頼されたことをきっかけに、ジェフがあらたに作り直すことになったという。なので、じっさいに制作した音源は147分あるそうだが、リリース用に収録曲は編集されている。それでもアナログ盤で3枚組だが。また、ブックレットではTerry Matthewというシカゴのジャーナリストが素晴らしい文章を寄せている。いま混乱し、階層化され、映画のようにいつ労働者たちの反乱が起きてもおかしくないこの世界で、なぜ『メトロポリス』なのかを、みごとに理論づけている。そう、これは注目のリリースなのだ。
(ちなみに同古典SF映画はテクノ・アーティストに人気で、ジョルジオ・モロダーはリメイク版『メトロポリス』の音楽を手がけ、クラフトワークは “Metropolis” 、クラスターのメビウスは『Musik für Metropolis』を作っている)


Jeff Mills
Metropolis Metropolis
Axis Records

日本のレコード店には、3月下旬にアナログ盤、CDが発売される


Aaron Dilloway - ele-king

 モダン・ノイズのカリスマ、アーロン・ディロウェイが来日する。元ウルフ・アイズのメンバーにして、『Wire』誌にいわく「ノイズの扇動者」、そしてテープ・ミュージックの急進主義者、2021年にはルクレシア・ダルトとの素晴らしい共作『Lucy & Aaron』も記憶に新しいアーロン・ディロウェイが来日する。もちろんあの傑作『Modern Jester』(2012)や『The Gag File』(2017年)の作者です。
 ディロウェイは2013年に初来日しているが、そのときのすさまじいライヴ・パフォーマンスはすでに伝説になっている。今回は10年ぶりの再来日。東京の〈Ochiai soup〉と大阪の〈Namba Bears〉の2公演のみ。すべてのノイズ・ファンをはじめ、変な電子音楽/実験音楽/アヴァンギャルド好きは必見。

■Rockatansky Records Presents
Aaron Dilloway Japan Tour 2023

2/11 Sat at Ochiai soup
Open 6 pm, Start 6:30 pm
Door 3,500 yen
w/ Incapacitants
Rudolf Eb.er
Burried Machine
ご予約 | reservation:
https://ochiaisoup.com/?event=2022-02-11-sat-rockatansky-records-presents-aaron-dilloway-japan-tour-2023

2/19 Sun at Namba Bears
Open 6 pm, Start 6:30 pm
w/
Solmania
Burried Machine
Info: https://rockatanskyrecords.bandcamp.com
 
 なお、2月10日にはDOMMUNEにて、来日記念番組があり。アーロン・ディロウェイのほか、今回の競演者でもあるキング・オブ・ノイズこと美川俊治。初来日に続き今回の来日も主宰、Nate Youngの初来日も企画するなどWolf Eyes関連との交友を持つBurried Machineこと千田晋、そして編集部・野田も出ます。アーロン・ディロウェイってどんなアーティストなのかを知りたい方は、ぜひチェックしましょう!
 
Talk : Aaron Dilloway(Hanson Records)、美川俊治(Incapacitants)、千田晋(Rockatansky Records/Burried Machine)
ゲストMC:野田努(ele-king)
Live:The Nevari Butchers

REVOLUTIONS - ele-king

男が自転車に乗ってもただの男だが、女がそれをやると政治的で独立的、もしくは文学少女風か、さもければスポーティ、ときには怪しく生意気にも見える。好感が持てる、有益な、そして楽しい本だ。——『ガーディアン』書評より
自転車は、世界の何よりも女性の解放に貢献した。——スーザン・B・アンソニー
人生とは自転車のようなものだ。倒れないようにするには走らなければならない。——アインシュタイン
   

 

 自転車の本をまた作りました。『ジャスト・ライド』は、プロの真似してあのダサいサイクルジャージなんかを着て細いタイヤでがんばるのではなく、もっと素朴に安全にかっこよく自転車を楽しもうという本でしたが、今回は、「女たちが自転車に乗っていかにして革命を起こしてきたのか」を描いた、ノンフィクションの歴史物です。あまり知られていない話ですが、自転車は、女性解放運動のシンボルのような乗り物でした。19世紀のイギリスで、まだ女性が地面を引きずる長いスカートをはきながら家事をして、家から自由に移動できなかった時代に、自転車は、気軽に移動できる手段でした。しかも女性から長いスカートを自らの手で取り下げさせた乗り物でもあって、それを漕いでいるだけで、男どもからの「女子力が落ちる」という罵声をうながした乗り物でもあった。つまり男がオートバイで時速120キロを出すよりも政治的には危険な代物でした。『自転車と女たちの世紀——革命は車輪に乗って』は、そうした女たちと自転車の物語の数々で、いままで語られてこなかった歴史の断片たちです。有名どころで言えば、かのシモーヌ・ド・ボーヴォワールも大の自転車好きでした。
 現代社会では、洗練された都市は決まって自転車道路がしっかり整備されています。日本はまったく洗練されていない国なので、いまだ歩行者道路をスピードを出した自転車が走っています。いまや自転車は、環境や健康を担うばかりか、有益な都市計画においても政治的な社会的な意味をもった乗り物でもあります。
 本国イギリスでは2021年に刊行された本で、ガーディアン紙のその年のブック・オブ・ジ・イヤーの「スポーツ部門」に選ばれました。女が読めば熱くなる話ばかりですが、男たちが読んでも面白いです。注目してください。

 以下、編集部で作った資料より抜粋。

 『ガーディアン』のブック・オブ・ジ・イヤーの一冊に選ばれたノンフィクションの名著、これまで語られてこなかった歴史、いかに自転車が女性解放運動史において重要なマシンだったのかいかにして女性は自由のマシンに乗って革命を起こしてきたのか……

  シモーヌ・ド・ボーヴォワールは1940年代、恋人の自転車を借りてパリをサイクリングし、(事故で歯を失っても)その自由さにたちまち惚れ込んだ。レスター出身の工場労働者アリス・ホーキンスは選挙権獲得のためにペダルを漕いで闘い、自転車は女性たちを運動に参加させる礎となった。ザハラは自転車に乗り、アフガニスタンの宗教的・文化的タブーに挑戦し、同じように乗ることを他の人に教えた。ボストンに住む24歳のラトビア人移民だったアニー・コプチョフスキーは、1894年に女性として初めて自転車で世界一周を成し遂げた。
 かつては、多くの女性たちが、自転車に乗れない、乗るべきでないと言われながら、とにかく自転車に乗った。メダルを獲得しようが、女性に投票を呼びかけようが、彼女たちの物語は多くの人たちにインスピレーションを与えてくれるだろう。この華やかな祝典の中で、著者は、サイクリングの豊かで多様な歴史の一部である女性たちの素晴らしい物語を描いている。
 膨大な資料と取材、そして情熱を元に、現代の問題意識(フェミニズに人権運動、ブラック・ライヴズ・マター、環境問題と都市のクオリティへの関心など)を通して綴られ、2020年に刊行された自転車と女たちのドキュメンタリー。

 

ハナ・ロス 著/坂本麻里子 訳
『自転車と女たちの世紀——革命は車輪に乗って』

Overmono - ele-king

 少しでもUKのダンス・ミュージックに関心のある方なら、今年はオーヴァーモノのアルバムをチェックすべし。エレキングでもかれこれ10年ほど前からレコメンドしてきたTesselaとTrussのふたり(兄弟)によるユニットで、この名義でのシングルもまず外れがなかった。エレキング的にはTesselaによる2013年の「Hackney Parrot」という、ジャングルをアップデートさせた12インチが最高なんですけどね。
 とにかく、彼らはそれこそジョイ・オービソンと並ぶUKダンス・シーンの寵児であって、ここ数年はディスクロージャーバイセップなんかと並ぶ、ポップ・フィールドともリンクできるダンス・アクトでもある。90年代世代には、かつてのケミカル・ブラザースやアンダーワールドに近いと説明しておきましょうか。
 まあ、とにかくですね、最新のビート搭載のオーヴァーモノがついにアルバムをリリースします。タイトルは『Good Lies(良き嘘)』で、発売は5月21日。楽しみでしかないぞ!


Overmono
Good Lies

XL Recordings / Beat Records
release: 2023.05.12
BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13234

国内盤CD
XL1300CDJP ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子 / ボーナストラック追加収録
限定輸入盤LP (限定クリスタル・クリア)
XL1300LPE
輸入盤LP(通常ブラック)
XL1300LP
 
 以下、レーベルの資料から。

 UKベースやブレイクビーツ、テクノの最前線に立つトラスことエド・ラッセルとテセラことトム・ラッセルの兄弟によるデュオ、オーヴァーモノが名門レーベル〈XL Recordings〉から5/12(金)に待望のデビュー・アルバム『Good Lies』をリリースすることを発表。同作より先行シングル「Is U」を公開した。

Overmono - Is U (Audio)

https://youtu.be/monJkVSJUQ0

 デビュー・アルバム『Good Lies』は、オーヴァーモノのこれまでの音楽キャリアが凝縮されており、新型コロナの規制撤廃とともにクラブ・シーンで大ヒットとなった「So U Kno」や昨年リリースされた「「Walk Thru Water」」などダンス・フロアの枠を超えた12曲を収録。彼らの定番と言ってもいいアイコニックなボーカル・カットを織り込み、マルチジャンルのエレクトロニック・サウンドに再構築している。
 先行シングル「Is U」は、長年のコラボレーターである写真家、映像作家のロロ・ジャクソンが撮影、監督したシネマティックなイメージや映像とともにビジュアルと同時に本日リリースされた。「Walk Thru Water」と合わせて、ダイナミックで複雑なプロダクションと印象的なビジュアルとなっている。

Overmono - Is U

https://youtu.be/8WomErURVb8

Overmono - Walk Thru Water feat. St. Panther

https://youtu.be/L3jfTb9cb1k

 トラスとテセラはそれぞれ〈Perc Trax〉や〈R&S〉、兄弟自身が主宰する〈Polykicks〉から次々と作品をリリースし、お互いのプロジェクトに邁進する中で新たな一歩としてオーヴァーモノを結成。2016年に〈XL Recordings〉からデビューEP『Arla』を突如リリース、2017年にかけて『Arla』シリーズ3部作をリリースし話題を集めたほか、ニック・タスカー主宰の〈AD 93(旧:Whities)〉からも作品群を世に打ち出してきた。これまでにフォー・テットやベンUFOなど名だたるDJたちがダンス・フロアでヘビロテし、デュオとしての名を確固たるものとして築き上げていった。

 同じくUKダンス・シーンを牽引するジョイ・オービソンとのコラボも精力的に行い、中でもシングル「Bromley」は数々の伝説的クラブ・イベントを主催するマンチェスターのThe Warehouse Projectで“5分に一回流れた”という逸話も流れるほどの話題作となった。また、彼らはリミックスにも積極的に取り組んでおり、ロザリアやトム・ヨークなどのリミックスも手掛けている。

 2020年と2022年に〈XL Recordings〉からリリースされたEP『Everything U Need』と『Cash Romantic』は、エレクトロニック・ミュージック界で最も権威のあるオンライン・メディアResident AdvisorやPitchfork、DJ Mag、Mixmagなど各メディアの年間ベスト・ランキングに選出された。また、グラストンベリーや電子音楽のフェスDekmantelなどのフェスやツアーも積極的に行い、DJ Magのベスト・ライヴ・アクトにも選ばれるなどオーヴァーモノは結成以来UKで最もオリジナルなライブ・エレクトロニック・アクトとしてもファン・ベースを着実に築き上げてきた。

 待望のデビュー作『Good Lies』は、5/12(金)に世界同時発売!本作の日本盤CDには解説が封入され、ボーナス・トラックとして未発表曲「Dampha」を特別収録。輸入アナログは通常盤に加え、数量限定クリスタル・クリア・ヴァイナルがリリースされる。

この2年間できる限り音楽を作りながら、多くの時間をツアーに費やしてきた。常に移動することは本当に刺激的で、たくさんの実験をして、コードを作ったり、ボーカルを刻んだり、ピッチを変えたりして楽しんでいた。このアルバムは、これまでの旅に捧げる愛の手紙であり、私たちがこれから進むべき道を示してくれているんだ。 ——トラス / テセラ (Overmono)
 

Jon Hassell - ele-king

 イーノにも大きな影響を与えた、 “第四世界” を夢見た音楽家、ジョン・ハッセル2年前に他界してからも、その評価はますます高まっている。
 この度、ジョン・ハッセルのレア音源を収録した
『The Living City [Live at the Winter Garden 17 September 1989]』と『Psychogeography [Zones Of Feeling]』の2作が初のLP化されることになった。ちなみに『The Living City 〜』は盟友ブライアン・イーノが
ライヴ・ミックスを行った超貴重なファン必携音源になる。
 また、両作品をひとつにまとめ、ハッセル、イーノ他、参加アーティストの貴重なインタヴューと、本人による各曲解説を含む長編ライナーノーツの日本語対訳ブックレットが封入される。


Jon Hassell
Further Fictions

Ndeya
release date: 2023.02.17 (Fri)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13228


Jon Hassell
The Living City [Live at the Winter Garden 17 September 1989]

Ndeya
release date: 2023.02.17 (Fri)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13229


Jon Hassell
Psychogeography [Zones Of Feeling]

Ndeya
release date: 2023.02.17 (Fri)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13230

 以下、レーベルからの資料より抜粋。

 2021年6月26日に84歳でこの世を去ったジョン・ハッセル。生涯で創り出した膨大な作品は、音楽、そしてアートの世界に多大な影響を及ぼした。第二次世界大戦後、メンフィスでジューク・ジョイントやブルース・パーティに通って育ち、カンのホルガー・シューカイやイルミン・シュミットと共にシュトックハウゼンに師事、テリー・ライリーと共に活動、名作『In C』にも参加し、ラモンテ・ヤングやマリアン・ザジーラとともにシアター・オブ・エターナル・ミュージック(Theatre of Eternal Music)で活動、そして北インド古典声楽家プランディッド・プランナートからラーガの指導も受けている。更にはUS実験音楽巨匠デヴィッド・ローゼンブームやブラジルの伝説的パーカッショニスト、ナナ・ヴァスコンセロスによるアルバム参加、ブライアン・イーノとのコラボレーション、トーキング・ヘッズの「Remain In Light」での演奏、そのほかにもファラフィーナ、ライ・クーダー、レスリー・ウィナー、ホアン・アトキンス、モーリッツ・フォン・オズワルドなど、数え上げればきりがないほど多くのアーティストと共にレコーディングを行ってきた。今回、これまでLPではリリースされていなかった『The Living City [Live at the Winter Garden 17 September 1989]』と『Psychogeography [Zones Of Feeling]』の2作品の初LP化が決定!さらにその2作を一つにまとめた2枚組CD『Further Fictions』が〈Ndeya〉より2月17日にリリースされる。現在トレーラー映像が公開中。

Jon Hassell - Further Fictions
https://youtu.be/LBOKfHETjOk

『The Living City [Live at the Winter Garden 17 September 1989]』は1989年9月にニューヨークのワールドフィナンシャルセンター・ウィンターガーデンで行われたオーディオビジュアルインスタレーションの一部としてジョン・ハッセル・グループが演奏し、ブライアン・イーノがライヴ・ミックスを行った音源となっている。

『Psychogeography [Zones Of Feeling]』は、1990年に発売された『City: Works Of Fiction』を状況主義的に捉え直したものとなっており、2014年にギー・ドゥボールの哲学を指針としてまとめられた音源である。ジョン・ハッセル自身が何ヶ月もかけて90年当時のテープ・コレクションを集め、別テイク、デモ、スタジオ・ジャムのシーケンスを編集したものとなっている。

 両作品は2014年に再発された『City: Works Of Fiction』の3枚組CDに収録された音源で、今回が初のLP化となる。LPはPoleことStefan Betkeによってカッティングが行われ、ジョン・ハッセル、ブライアン・イーノ、その他参加ミュージシャンのインタビューや当時のアーカイブ画像、アルバム全曲のダウンロード・カードが入った印刷インナースリーブ付きのデラックス・ゲートフォールド・ヴァイナル・エディションとして発売される。

〈Ndeya〉について
ジョン・ハッセルが〈Warp Records〉と共同で、彼の音楽のホームになる場所として設立された。これまで〈Ndeya〉は、2枚の"ペンティメント”シリーズ・アルバム『Listening To Pictures』(2018)と『Seeing Through Sound』(2020)のリリースに加えて、オリジナルテープからリマスターされたデビュー・アルバム『Vernal Equinox』のリイシュー、そして自身の音楽についてのエッセイ集『Atmospherics』の出版をしている。彼がこの世から去った今、〈Ndeya〉はジョン・ハッセルの遺族と協力して、彼の遺産を未来に残すためのアーカイブ・プロジェクトを進めている。

Sleaford Mods - ele-king

 戦争、環境破壊、インフレ、不況、疫病と倦怠、はびこる暴力、貧困、信用できない政府とマスコミ、広がる格差……大戦後、(人権問題を除けば)こんなひどい時代があっただろうか? スリーフォード・モッズに学ぶところはたくさんあるが、ひと言で言うなら、こうした絶望や怒りを、政治や社会を、ギャグを交えながら音楽に載せているところだ。なにかと真面目にしんみりしてしまう日本人が、もっとも聴くべき音楽と言えるだろう。どん底にいても笑うこと、それこそが希望です。
 というわけで、ジェイソン・ウィリアムソンアンドリュー・フェーンの2人の新作、『UK GRIM』が3月10日(金)にリリースされることになった。サウンドの面でもフェーンのミニマリズムがかなり進化しています。
 
 以下、〈ラフトレード〉からの資料の抜粋です。

 「彼らは作品を通じて、庶民の人生、生活、そして現代の厳しい現実を見つめ、切迫感のあるリリックを用いて利己主義を貫き通す支配階級に抗議を訴えている。作品の中心にあるこの抗議のきっかけとなった原動力について彼らは、ザ・クラッシュやザ・ジャムといった先人たちと同様に、彼らの感じる怒りは周囲の人々や身近な場所に対する愛が支えになっているのだと述べる。」

  『UK GRIM』には、ドライ・クリーニングのヴォーカル、フローレンス・ショウのほか、ジェーンズ・アディクションのペリー・ファレルとデイヴ・ナヴァロも参加。曲のなかには、プーチンもウクライナも右翼も金持ちも貧乏人もみんな出てきててんやわんやです。  レーベルの広報いわく「本能的なエネルギーを宿り、怒りに満ちていながら芸術的かつ革新的で、身体と心を無性に揺さぶる」新作を楽しみに待とう! (なお、日本盤には坂本麻里子による対訳が付く)  

Sleaford Mods 
UK GRIM

Rough Trade / Beat Records
release: 2023.03.10
BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13225

Hijokaidan - ele-king

 昨年から再発を続けている〈Alchemy Records〉だが、ついにあの名盤がリリースされる……非常階段が1982年にリリースした『蔵六の奇病』はジャパノイズの最重要作の1枚として知られているが、日野日出志の同名の漫画のイラストをあしらったジャケットもまた、あまりにもインパクトが強かった。『蔵六の奇病』を小学生のときに読んだ世代にとって、あれはもう、誰にも言えない秘密の暗号のようなものだったのである。
 その歴史的なアルバムが3/15(水)に再発リリースされる。また、今回特別ボーナストラックとして、限定14枚のみ販売されたEP「A Tribute To Icchie」も封入。これは、1984年に死去したイッチーこと市口章氏の追悼盤としてリリースされた超レア盤で、初の再発となる。

 ちなみに、現在diskunion ROCK in TOKYOにて、非常階段のリーダー、JOJO広重が主宰する〈Alchemy Records〉のリイシュー企画「Alchemy Records Essential Collections」のポップアップ・ショップが開催されている。
 この開催を記念し、今回のリイシュー企画の第一弾を飾ったS.O.B階段のTシャツをディスクユニオン各店とP-VINE OFFICIAL SHOP限定で発売。1月22日(日)には、湯浅学氏を招いての、JOJO広重トークイベント+サイン会も開催する。

非常階段
蔵六の奇病

LP+7インチ
P-VINE
価格:5,450円(税込 5,995円)

【LPトラックリスト】
Side A
1. マントヒヒ(大阪) April 26, 1981
2. 磔磔(京都) April 19, 1981
3. 創造道場(大阪) November 3rd, 1980
4. 新宿ロフト(東京) August 28, 1981

Side B
1. 慶応大学日吉315教室(神奈川) June 27, 1981
2. 同志社大学至誠館24教室(京都) November 27, 1981

【7インチトラックリスト】
Side A
1. A.A Tribute To Icchie
Side B
1. B.A Tribute To Icchie

【イベント情報】
【Alchemy Records ポップアップ・ショップ】
期間:1/17(火)~2/5(日)
場所:diskunion ROCK in TOKYO https://diskunion.net/shop/ct/rockintokyo
特典:期間中「Alchemy Records Essential Collections」の対象商品を購入で、「Alchemy Records ロゴ缶バッジ」をプレゼント

【JOJO広重トークイベント+サイン会】
日時:1/22(日) 15:00~
場所:diskunion ROCK in TOKYO https://diskunion.net/shop/ct/rockintokyo
出演者:JOJO広重、湯浅学、大久保 潤(ele-king books)

【P-VINE OFFICIAL SHOPでのご予約はこちら】
https://anywherestore.p-vine.jp/products/sobt-001
※受注受付期間:1/17(火)~2/5(日)

高橋幸宏 音楽の歴史 - ele-king

 高橋幸宏は1952年6月6日、東京で生まれた。父は会社経営をしており、自宅は200坪の敷地に建ち(もともとは天皇の運転手が建てた家だそうだ)、軽井沢には別荘を持っていた。
 後に音楽プロデューサーとなる兄に感化され、早くから音楽に親しみ、小学生のときにはドラムを始めている。このドラムという楽器を選んだ理由にはドラムの練習ができるほど広い家に住む子がなかなかいないからだったと後年明かしている。
 中学生のときにはユーミンが参加することもあったバンドを組み、高校生のときにはもうセッション・ミュージシャンの仕事を始めていたのだから早熟と言うほかないだろう。ドラムのうまい高校生がいるという噂を聞きつけて大学生だった細野晴臣が会いに来たのも高橋幸宏の高校時代のこと。大学に入るとガロに一時在籍するなど、すでにプロのミュージシャンとしての道も歩き始めていた。
 そんな高橋幸宏の転機となったのは、旧知の加藤和彦にサディスティック・ミカ・バンドへ勧誘されたことだろう。1972年のことだ。ここから、アーティストとしての高橋幸宏の人生が本格的にスタートした。
 本稿ではサディスティック・ミカ・バンド以降、波乱の、そして充実したアーティスト活動を辿り、そのときどきに残した名作を紹介していきたい。決して “ライディーン” だけの人ではなかったことがよくわかるはずだ。

サディスティック・ミカ・バンド『黒船』(1974)

 サディスティック・ミカ・バンドの2作目。英国で発売されたファースト・アルバムを聴いた英国人プロデューサーのクリス・トーマスがバンドに興味を持ち、プロデュースを申し入れた。当時ピンク・フロイドとの仕事で有名だったが、トーマスはそれまでビートルズやプロコム・ハルム、ロキシー・ミュージックといった高橋幸宏のルーツとなるアーティストを手がけていただけに、まさに運命の出会いでもあった。このアルバムでは高橋幸宏の楽曲は採用されていないが、やがてサディステック・ミカ・バンドでドラマーとしてだけではなく、作曲者としての才能も開花していくことになる。同バンドは1975年に英国でロキシー・ミュージックのツアーの前座を務め、観客として観に来ていた後のジャパンのスティーヴ・ジャンセンが高橋幸宏のドラミングに大きく影響されたというのは有名な逸話。日本のロックの歴史に残る名盤でもある。

 サディスティック・ミカ・バンドが1975年に解散したあとは、高橋幸宏はフュージョン・バンドのサディスティックスに在籍しつつ、セッション・ミュージシャンとしての活動を続けるが、1978年に細野晴臣からイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)に勧誘される。と同時に、坂本龍一をコ・プロデューサーとして初のソロ・アルバムも制作。

高橋ユキヒロ『サラヴァ!』(1978)

 直後のYMOやそれ以前のバンドのキャリアとはまたちがう、フレンチ・ポップやボサノヴァなど落ち着いた世界を提示したソロとしてのデビュー・アルバム。同時期にソロ・デビューを果たした坂本龍一のオーケストレーション、アレンジが耳を惹く。とても26歳の若者の作品とは思えないが、本人としてはヴォーカルの一部に不満を持っていたとのことで、2018年にヴォーカルのみを新録した『サラヴァ! サラヴァ!』を発表している。40年の時を経たシンガーとしての円熟が際立ったが、この若さあふれるオリジナルもやはりいい。

イエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(1979)

 YMOのセカンド・アルバム。本作の収録の “ライディーン” は当時シングルで大ヒットしたにとどまらず、21世紀に至るまでCM曲、パチンコのBGM、携帯電話の着信音、はたまたプロ野球での応援曲などさまざまなシーンで流れる日本の風景の音となった。その “ライディーン” だけでなく、YMOのニューウェイヴ化を加速したアルバム・タイトル曲もYMOの歴史にとって重要な作品となった。

イエロー・マジック・オーケストラ『BGM』(1981)

 大ヒットして時代のアイコンとして消費されることに疲れたYMOが素となって脱ポップを行った一枚。TR-808とプロフェット5をメインの楽器とし、それまでのわかりやすいテクノポップとは一線を画すアルバムに。そんななかで高橋幸宏単独作の “バレエ” 、細野晴臣との共作曲 “キュー” にはデカダンなロマンティシズムが滲む高橋幸宏らしい楽曲に。神経症となっていた苦しみも見せる “カムフラージュ” も重要な作品だろう。

高橋幸宏『ニウ・ロマンティック』(1981)

  “ロマン神経症” という副題(邦題)もついたソロとしては3作目のアルバム。本作とYMOの『BGM』、鈴木慶一とのユニットのザ・ビートニクスの『出口主義』と1981年に発表された高橋幸宏の関連3作はどれも傑作で、この時期の創作に対する巨大なモチベーションには畏怖するほかはない。収録曲の “ドリップ・ドライ・アイズ” はもともとサンディーへの提供曲だが、ここでセルフ・カヴァー。デニス・ボヴェルは同曲を聴いて世界最高のダブ・ポップ・ソングだと驚愕したと後にインタビューで話している。

 YMO散開後、改めてソロ・アーティストとして歩んでいった高橋幸宏。その作品からはYMO時代のわかりやすい過激さや先進性は見えにくくなっていったが、そのぶん楽曲のよさが浮き彫りにもなっていった。

高橋幸宏『EGO』(1988)

 YMO散開後5年という節目の年にリリースされた9枚目のソロ・アルバム。親しい知己の死やさまざまな重圧を感じながら制作されたこのアルバムでは、冒頭のサイケデリックなビートルズ・カヴァー “トゥモロー・ネヴァー・ノウズ” や鈴木慶一作詞の “レフト・バンク” など重い曲の印象が強いが、高橋幸宏がキャリアを通して定期的に作っていったエレクトロ・ファンク曲の “エロティック” や80年代末シンセ・ポップのお手本のような “ルック・オブ・ラヴ” など隠れた名曲も配置されたバランスのよい中期の重要作。細野晴臣、坂本龍一、クリス・モズデルといったYMO人脈の恒常的な参加もここで一区切りつくことになる。

高橋幸宏『Heart of Hurt』(1993)

 高橋幸宏のソロとしてのキャリアを総括するセルフ・カヴァー・アルバム。デビュー作の “サラヴァ!” からJ-POPの最前線で奮闘した近作まで、アコースティックな響きで再構築。 “蜉蝣” には大貫妙子が、 “ドリップ・ドライ・アイズ” にはサンディーがゲスト・ヴォーカルで参加している。高橋幸宏の楽曲のよさとヴォーカリストとしての魅力を再確認するには最適の1枚。

高橋幸宏『ザ・ディアレスト・フール』(1999)

 1997年に立ち上げた自身のレーベル、コンシピオからの1枚。1990年代を通して続いたJ-POP的な立ち位置からはずれ、テクノや打ち込みの音楽への回帰が鮮明になってくる。収録曲の約半数が鈴木慶一とのザ・ビートニクスとしての共作だが、他の曲ではスティーヴ・ジャンセン、砂原良徳、元ストーン・ローゼズのギタリスト、アジズ・イブラヒムなども参加。21世紀の高橋幸宏の音楽の予告アルバムのような趣きもある。

 21世紀に入ると、高橋幸宏はソロ・アーティストとしての活動と並行して、ザ・ビートニクス、サディスティック・ミカ・バンド、YMO(さまざまな名義で)といったかつてのバンドの再始動とともに、若いアーティストたちとの新バンドの結成も行った。

スケッチ・ショウ『Loop Hole』(2003)

 細野晴臣とのユニットのセカンド・アルバム。デビュー作の『オーディオ・スポンジ』(2002)がエレクトロニカとポップ・ソングの折衷のアルバムで、それはそれで魅力があったのだが、エレクトロニカ、電子音楽に舵を振り切った本作がやはり映える。前作に続き坂本龍一が参加して後のYMOの再再結成へと繋がっていく一枚。小山田圭吾も参加して重要な役割を果たしている。

高橋幸宏『ブルー・ムーン・ブルー』(2006)

 スケッチ・ショウなどの課外活動が多かったため、6年半ぶりのリリースとなったひさしぶりのソロ・アルバム。21世紀以降のエレクトロニカ、電子音楽路線と、高橋幸宏ならではのロマンティックな作風が自然と融合した21世紀の高橋幸宏を代表する1枚となった。ブライアン・イーノ&ジョン・ケイルのカヴァー “レイ・マイ・ラヴ” のほか、80年代の名曲の再構築 “スティル・ウォーキング・トゥ・ザ・ビート” 、メルツのアルベルト・クンゼやハー・スペース・ホリディのマーク・ビアンキをゲストに迎えての曲など聴きどころが多い。

pupa 『Dreaming Pupa』(2010)

 高野寛、原田知世、高田漣、堀江博久、ゴンドウトモヒコとのバンドの2作目。まだどこか手探りの感があったファースト・アルバムにくらべて、多くのライヴをこなした後だけにそれぞれの個性が有機的に絡み合い、バンドとしてのその後が楽しみだったが高橋幸宏の死去によって活動が途絶えたまま本作がラスト・アルバムに。

高橋幸宏『Life Anew』(2013)

 ソロとしてのラスト・アルバムということになるが、実態としてはジェームズ・イハ、高桑圭、堀江博久、ゴンドウトモヒコとの新バンド、イン・フェイズのアルバムとなっている。高橋幸宏のルーツである60〜70年代のロック・サウンドに回帰した1枚。本作の制作前に自身の音楽ルーツを紹介する半自伝本『心に訊く音楽、心に効く音楽』(PHP新書)を上梓しており、この時期の高橋幸宏のモードがそちらに振れたということだろう。以降、ソロでの活動もその路線を踏襲していくことになった。

METAFIVE『Meta』(2016)

 ソロとは一線を画した最後のバンド活動がMETAFIVEだった。テイ・トウワ、小山田圭吾、砂原良徳、ゴンドウトモヒコ、LEO今井というそれぞれソロとしてのキャリアを確立していたアーティストたちによる、いわばエレクトロニック・スーパー・バンド、スーパー・セッション。以前から親交を重ねてきた間柄だけにこのファースト・アルバムからバンドとしての一体感は完成しており、ライヴ活動も盛んに行った。エレクトロ・ファンクの冒頭曲 “Don’t Move” から怒涛。

ザ・ビートニクス『Exitentialist A Xie Xie』(2018)

 1981年から断続的に活動してきた鈴木慶一とのユニットの最後のアルバム。pupaやMETAFIVEが幻となってしまったその先を見たかったという思いを抱かせるのに対して、本作は、本人たちにそのつもりはなかったはずだが、いま聴くと長年の活動を見事に完結させた作品とも思える。ニール・ヤングのカヴァー作品など同世代のふたりのルーツであるオールド・スクールのロック作品からユニットのデビュー作からここまでのさまざまな音楽的変遷がそこここに現れている。アルバムのラスト曲 “シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA” は赤塚不二夫原作のアニメ “おそ松さん” の主題歌で、TRIOに影響を受けた明るく楽しいニューウェイヴ・ダンス・ポップ。ライヴではコミカルなフリ付きで演奏された。2018年の高橋幸宏の誕生パーティではDJがかけたこの曲に合わせて高橋幸宏と鈴木慶一がフリ付きで踊り、一般のファンも大勢いた会場内が熱く盛り上がったことをいまでも思い出す。

 ここに挙げたアルバム以外にも、高橋幸宏作品はどれもおもしろい。J-POPの本道をいくような作品も、椎名誠映画のサントラや山本耀司のショーのためのインストゥルメンタル・アルバムにも意外な魅力がある。プロデューサーとして手がけた多くの名作も忘れがたい。いつか機会があればそれらも紹介したい。
 幸宏さん、たくさんの素敵な音楽をありがとうございました!

Josh Johnson - ele-king

 これまでジェフ・パーカーやマカヤ・マクレイヴン、マーク・ド・クライヴ=ロウといった才能たちを支えてきたサックス奏者にしてキーボード奏者、シカゴ出身で現在はLAを拠点とするジョシュ・ジョンソンのデビュー作『Freedom Exercise』がCD化されることになった。
 もともとは2020年にリリースされていたアルバムで、やはりシカゴの感覚というか、西海岸ともロンドンとも異なる独特の雰囲気が特徴の作品だ。ときにシンセも交えたクールな演奏をぜひこの機に。

ジェフ・パーカーやマカヤ・マクレイヴンといった、現在のジャズ・シーンを代表する様々なミュージシャンを支えてきた、シカゴ出身、LAを拠点に活動するサックス/キーボード奏者、ジョシュ・ジョンソン。名盤と評されたデビュー・アルバム『Freedom Exercise』がボーナストラックを加え、待望のCDリリースが決定!

ジョシュ・ジョンソンのデビュー・アルバムはもう2年以上前のリリースになるが、今以て瑞々しく美しい。ハービー・ハンコックとウェイン・ショーターから学ぶためにシカゴを離れてLAに移住した彼が、その地でジャズ/非ジャズを問わず様々な音楽家と交わり、学び、経験したことの全てがこのアルバムに表れている。「音楽的雑食性」を愛する友人であるグレゴリー・ユールマン、アンナ・バタース、アーロン・スティールと作り上げた本作は、レコードでも丁寧にリプレスされている。ジェフ・パーカーの『The New Breed』や『Suite for Max Brown』も、マカヤ・マクレイヴンの『Universal Beings』も、ジョシュ・ジョンソンがいなければ生まれなかった。そう言っても決して過言ではないほど、その存在は大きい。真に流動的な音楽を探求したこのアルバムが、何よりもその価値を教えてくれる。(原雅明 ringsプロデューサー)

ミュージシャン:
Josh Johnson (sax,key)

Featuring:
Gregory Uhlmann
Anna Butterss
Aaron Steele

Produced by:
Josh Johnson
Paul Bryan

Mastered by:
Dave Cooley

[リリース情報]
アーティスト名:Josh Johnson (ジョシュ・ジョンソン)
アルバム名:Freedom Exercise(フリーダム・エクササイズ)
リリース日:2023年03月22日(水)
フォーマット:CD
レーベル:rings
解説:原 雅明
品番:RINC98
価格:2,500円+税

[トラックリスト]
01. Nerf Day
02. 856
03. Western Ave
04. Bowed
05. Eclipsing
06. New July
07. False Choice
08. Punk
09. Simple Song
10. Return Recoil
11. Western Ave Mix (Extended Play) [Japan Bonus Track]

販売リンク:
https://rings.lnk.to/FdjWuuJX
オフィシャルURL:
https://www.ringstokyo.com/items/Josh-Johnson

audiot909 & Vinny Blackberry - ele-king

 南アフリカ生まれのダンス・ミュージック、アマピアノはこの2年でいろんなところに拡散し、世界中で愛されているダンスの一種となった。そしてここ日本にも、アマピアノに感化されたDJがいる。もともとハウスDJだったaudiot909がアマピアノに衝撃を受け、「Japanese Amapiano」を発信しはじめたのは2020年のこと。そんな彼がラッパーのVinny Blackberryをプロデュース。去る1月6日にデビュー・シングル「Willy Nilly」をリリースした。カッコいいので、ぜひ聴いてみて。


audiot909 & Vinny Blackberry
Willy Nilly

https://linkco.re/GUvPu8Se

■audiot909
元々ハウスDJだったが2020年正月に南アフリカ発のダンスミュージックAmapianoに出会ったことにより元々行なっていたトラックメイクを本格的に再開。 日本人によるAmapianoの制作は可能か否かの命題に真っ向から取り組み、2020年12月にリリースされた「This is Japanese Amapiano EP」(USI KUVO)はタイトル通り日本人で初めてEP単位でリリースされた作品となり話題になる。 
2022年にリリースされたラッパーのあっこゴリラをフィーチャーしたシングルRAT-TAT-TATはSpotifyの公式プレイリスト+81 Connect、Tokyo Rising、Electropolisなど複数のプレイリストに組まれるなど自主リリースながら異例のヒットを飛ばす。並行して執筆や対談、現地のプロデューサーへのインタビュー、J-WAVE 81.3 FM SONAR MUSICへのラジオ出演など様々なメディアにてAmapianoの魅力を発信し続けている。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443