「KING」と一致するもの

Shabaka And The Ancestors - ele-king

 一昨年はサンズ・オブ・ケメットだった。昨年はザ・コメット・イズ・カミングだった。そして今年。ついにシャバカ・アンド・ジ・アンセスターズのセカンド・アルバムがリリースされる。前作『Wisdom Of Elders』以来、3年半ぶりの作品である(レーベルは〈Brownswood〉からコメットとおなじ名門〈Impulse!〉へと移籍)。この「シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ」は、UKジャズ・シーンにおける最重要人物=シャバカ・ハッチングスによる、彼自身の考えがもっとも反映されたプロジェクトで、今回は人類の絶滅(!)がテーマだという。先行公開された “Go My Heart, Go To Heaven” を聴くだけでも、そうとう気合いが入っているのがわかる(MVもすごい)。きっと今作も2020年を代表する1枚になるにちがいない。発売は3月13日。心して待っていよう。

UKジャズの頂点をひた走るカリスマ、シャバカによる新アルバム
〈インパルス〉の記念すべき60周年に発売!

アルバム詳細作品情報

●イギリスの新世代ジャズ・シーンを牽引するカリスマ的テナー・サックス奏者、シャバカ・ハッチングスが中心となって2016年に結成されたシャバカ・アンド・ジ・アンセスターズの2作目となるアルバム。〈インパルス〉からのリリースは本作が初となり、「シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ」としてのメジャー・デビュー作となる。

●現在、シャバカがメインとして活動している3グループの中でも、彼自身のパーソナルな考えを積極的に音楽に反映しているグループ。前作『Wisdom of Elders』はシャバカが尊敬し、称賛していた南アフリカ系のジャズ・ミュージシャン・グループとのセッション・ドキュメントとして、現在のジャズ・シーンに大きな風穴を開け、衝撃をもたらした。今作も前作に引き続き、トゥミ・モゴロシなどのアフリカにルーツを持つアーティスト達が参加しており、彼らのルーツであるアフリカ文化と深く関連するアルバムに仕上がっている。シャバカ本人は本作を現在の世界中を横断する音楽の「グリオ」にしたいと話す。そのため、アルバムを通して、一つのストーリーとなっている構成で、楽曲ごとのタイトルや歌詞など細部まで注目したい一作だ。(グリオ:西アフリカに古くから残る文化で、世襲制のミュージシャンのことを指す。文字を持たない文化の中で神話や歴史を詩や歌にして後世に歌い継いできた人たち。)

●すべての作曲はシャバカ本人が担当した。本作のテーマは、我々人類の行き付く先、つまりは絶滅である。その悲劇的な未来を変えるために社会、そして個人がとるべき行動や考えについて質問を投げかけている。しかし、深いテーマを扱っているにも関わらず、シャバカの力強いテナー・サックスは開放的で、その音色に心打たれるアルバムとなっている。

リリース詳細
SHABAKA AND THE ANCESTORS
シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズ
WE ARE SENT HERE BY HISTORY
『ウィー・アー・セント・ヒア・バイ・ヒストリー』
発売日:2020年3月13日(金)
価格:¥2,860(税込み)
UCCI-1047
SHM-CD

収録曲
01. ゼイ・フー・マスト・ダイ / They Who Must Die
02. ユーヴ・ビーン・コールド / You’ve Been Called
03. ゴー・マイ・ハート、ゴー・トゥ・ヘブン / Go My Heart, Go To Heaven
04. ビホールド、ザ・デシーヴァー / Behold, The Deceiver
05. ラン、ザ・ダークネス・ウィル・パス / Run, The Darkness Will Pass
06. ザ・カミング・オブ・ザ・ストレンジ・ワンズ / The Coming Of The Strange Ones
07. ビースト・トゥー・スポーク・オブ・サファリング / Beast Too Spoke Of Suffering
08. ウィー・ウィル・ワーク(オン・リディファイニング・マンフッド) / We Will Work (On Redefining Manhood)
09. ティル・フリーダム・カムズ・ホーム / ’Til The Freedom Comes Home
10. ファイナリー、ザ・マン・クライド / Finally, The Man Cried
11. ティーチ・ミー・ハウ・トゥ・ビー・ヴァルネラブル / Teach Me How To Be Vulnerable

パーソネル
シャバカ・ハッチングス Shabaka Hutchings - Tenor Sax and clarinet
ムトゥンジ・ムヴブ Mthunzi Mvubu - Alto Sax
シヤボンガ・ムテンブ Siyabonga Mthembu - Vocals
アリエル・ザモンスキー Ariel Zamonsky – Double bass
ゴンツェ・マクヘーネ Gontse Makhene - Percussion
トゥミ・モゴロシ Tumi Mogorosi – Drums

アーティスト・バイオ
シャバカ・ハッチングスは1984年、ロンドン生まれ。6歳の時にカリブ海に浮かぶ西インド諸島の国、バルバドスに移り住むが、その後、イギリスに戻り、以来、ロンドンのジャズ・シーンの中心を担っているサックス奏者。1960年代のジョー・ハリオットやエバン・パーカー以来の創造性を持つと言われ、その独特でパワフルなプレイからしばしば「カリスマ」もしくは「サックスのキング」と評される。
現在、コメット・イズ・カミング、サンズ・オブ・ケメット、そして、本作のシャバカ・アンド・ジ・アンセスターズの3つを主要プロジェクトとしており、プロジェクトを跨いで JazzFM や MOBO のジャズ・アクト・オブ・ジ・イヤーなど数々の賞を受賞している。

Dan Deacon - ele-king

 10年前のことを思い出す。ブルックリン・シーンに象徴される快活な実験主義がポップとして実を結んだことの象徴がアニマル・コレクティヴの『メリウェザー・ポスト・パヴィリオン』(09)だったとして、同年ボルチモアからセカンド・アルバム『ブロムスト』(09)のリリースで注目されたダン・ディーコンはまさに、その「アニコレ的なるもの」に対する無邪気な反響だった。宅録から広がる夢想としてのサイケデリック・ポップ、手づくりのエレクトロニック・サウンドでえんえんと遊ぶ子どもたち。
 ただその後、アニマル・コレクティヴの逃避主義やチャイルディッシュな佇まいが社会のさらなる荒廃とブルックリン・シーンの霧散とともにインディ・シーンから後退していくなかで、彼(ら)の遊びはどこかでそれを謳歌する場所を見失ってしまっていたような印象がある。エイヴィ・テアのここ数年のソロ・アルバムとか実際に聴くとふつうに楽しめてしまうのだけれど、彼(ら)の一作一作が広く注目を集めていた00年代はいまから振り返ると、独特の熱に浮かされていたのだと思う。コ・ラがele-kingにボルチモアのエクスペリメンタルなシーンが収束したと語っていたのが2013年。ディーコンはコンセプト寄りの『America』(12)、より歌ものに近づいた『Gliss Riffer』(15)ときちんと個性を発揮する作品をリリースしていたものの、とくにその後インディ・ポップの前線から退いていたように思う。

 その間このギーク風情の青年が何をやっていたかというと、意外なことにいくつかの映画音楽の仕事と、ニューヨーク・シティ・バレエ団やボルチモア交響楽団とのコラボレーションだったという。子ども部屋で大量のコードを繋いでひたすら笑っているようなイメージがあるひとなので、エスタブリッシュされた「楽団」との共作というのは想像しにくい。子どもだっていつか部屋を出て、スーツを着た大人たちと仕事をしなければならないということか。が、ディーコンの5年ぶりとなる本作『ミスティック・ファミリアー』は、オーケストラの大人たちと仲良くなって、そのまま彼らを引き連れて子ども部屋に帰ったような微笑ましさがある。
 なにやらドリーミーにざわめく鍵盤が淡いムードを醸し、やがて落ち着いたオーケストラを導いてくるオープニング “Become A Moutain” のファンタジックさにスフィアン・スティーヴンスを連想したのは僕だけではないだろう。『ミスティック・ファミリアー』には、それぞれ重要な働きをしつつも00年代じつはそれほど混ざり合わなかったアニマル・コレクティヴ的なものとスフィアン・スティーヴンス的なものが出会い直すようなところがあり、彼らがたしかにIDMの実験(遊び)とアメリカ的マッチョイズムからの疎外感というところで繋がっていたことを再認識させてくれる。彼らは「弱さ」をべつの形で肯定しようとしていたのだと。そして、その次の世代であるディーコンはマッチョじゃない自分をいまも恥じていない。本作での彼の歌は初期の過剰なヴォイス・エフェクトからもっと素に近いものが多くなり、その上で、いつも以上に素朴に優しいメロディをなぞっていく。ハイテンポで無闇にアッパーな “Sat By A Tree” などは丸い身体を揺らしまくってエネルギーを爆発させるライヴでおなじみのディーコン節を思わせるが、こまやかな弦の使い方などで確実に洗練を覗かせる。組曲形式となっている “Arp” が本作の中核をなしており、マトモス的というか素っ頓狂なブレイクコア調というか、愉快なエレクトロニカ・ポップが5部にわたって展開される。けれどもそこに中盤で挿入されるフリーキーなサックス・ソロなどに、音楽家としてのディーコンの勉強の跡が刻まれている。オモチャ遊びの延長としてのIDMを、楽団から学んだことと交えて鳴らそうとする悪戯っぽさも。

 死体がウジに侵食されている映像にポップに弾けるメロディを被せた “Sat By A Tree” のヴィデオには死や、それに向かっていくものとしての加齢への不安が表れていて、チャイルディッシュな自分を音で示してきた彼もたしかに年を取るのだと気づかされる。もうすぐミッドライフ・クライシスだってやって来るような年齢だ。けれど、成熟を拒否することとそれでも成熟せずには生きていけない葛藤、そんなアンビヴァレントがここでは「楽しく」具現化されていて、それは00年代のエクスペリメンタル・ポップの子どもたちが遊び倒した果てに残したものであるはずだ。

J.A.K.A.M. - ele-king

 日本において果敢にグローバル・ビーツを開拓しつづける JUZU a.k.a. MOOCHY こと J.A.K.A.M. が2月11日に新たなアルバムをリリースする。タイトルは『ASTRAL DUB WORX』で、2016年からヴァイナルで展開されてきた「ASIAN DUB」シリーズを中心に、世界各地の民族音楽を導入、多彩なゲストを招きながら、これまでの彼の歩みを凝縮した1枚に仕上がっている模様。ダブ処理は内田直之。リビア空爆に反対するジャーナリスト、ダム開発で故郷を失った民族、エジプトの大御所ウーム・クルスームなど、素材も気になるものがたくさん。期待大です。

Amazon / Tower / HMV / disk union / JET SET

Random Access NY vol. 122 - ele-king

 2020年になった。私は21年目のニューヨーク生活に突入したのだけれど、いまだにやることはあまり変わっていない。バンドを見に行って、音楽に関する記事を書いて、人と人を繋げていく。毎日のように出かけているといろんな人に会うし、あらためて面白いことをやっている人がたくさんいるんだなと思うけれど、刺々しい感じなんか全くなく、みんな自然に、自分のライフワークのように好きなことをやっている。
 私はブルックリンのミードバーでたこ焼きイベントを毎月オーガナイズしているのだけれど、今回はフラワーズ・フォー・オール・オケージョンズというカフェバー出張たこ焼きナイトを開催した。

Tim (les savy fav)+ Debbie (Glitterlimes) たこ焼き食べに来てくれました

 で、そこ、いま注目の“双子のライトニング・ボルト”と言われるVenus Twinなるバンドが出演した。
 ヴィーナス・ツインは、ジェイクとマットの双子によるプロジェクトで、双子だからそっくりなのは当たり前だが、それにしても似すぎてて、私はいつもジェイクに向かって「マット」と声をかけてしまう。
 2人はいつも一生懸命で、フットワークも軽く、機材も自分たちでしっかり運んでくれるし、オーガナイザーからしてもありがたい存在だったいする。友だちも多く、そのほとんどが20代前半の男の子。ツアーにもよく出てるし、日本に行ったら受けるだろうな、と思うこの頃。


Venus Twin

 この夜は、Peseudo Animal(ペセウド・アニマル)とEl Venado Azorao (エル・ヴェナド・アゾラオ)、JuiceとAdam Autryとのノイズ・デュオも登場した。


Juice + Adam Autry

 ペセウド・アニマルは、ギター、ベース、キーボード、ドラムというノイズ・フル・バンド(最近では珍しい)で、エル・ヴェナド・アゾラオは、トロピカル・フレーバード・ノイズといったところ。Olneyville Sound System(オルネイヴィル・サウンド・システム)のドラマーでもあるAdam Autryが最後の曲にドラムで参加していた。JuiceとAdamのデュオはシンセを操り、2人の創造力がひとつになり、耳にこだまする独特な音が創出される。
 狭いフラワーズは溢れるばかりの人で、たこ焼きもよく売れたけれど、バーにも人が群がって、大変なことになっていた。


Peseudo Animal

 Gustafは、ジェニファーバニラ(Ava lunaのBecca のプロジェクト)を観に行ったときに、アルファヴィルで見たことがある。奇妙なパフォーマンスなフロントの女の子とギタリストの男の子が歌う、女子男子混合の5人組で、ブッシュ・テトラス見たいな、パンク姿勢のあるバンドだ。まだリリースは何もないが、ツアーもしているし、一本ネジが外れたブルックリンっぽい音楽だと思う。


Gustaf

 そしてAaron Waldman、彼はニッティングフ・ァクトリーで偶然に見たのだが、懐かしいライヴ・パフォーマンスに釘付けになった。昔のボブ・ディランを思い起こさせる、パンクでファンキーなストレートなシンガーソングライタータイプだ。革ジャンで、ギターをかき鳴らし、ときには客を煽り、ときには目隠しして、ステージの端を練り歩く(最後にはフロアに落ちる!)。今時こんなストレートなバンドがいるのかと思う、久しぶりのヒットだった。


Aaron Waldman

 この日はAaron とJames Beerの2バンドを見たのだが、メンバーがほとんど被っていた。昔のエレファント6のコミュニティのように、楽しそうに演奏している感じも良い。練習風景まで目に浮かぶような感じ。

 月曜日の夜というのに満員で、ブルックリンの音楽シーンは、まだまだ活発です。DIYスペースも減ってるとはいえ、最近はレストランやバーで、ショーをブックし、ハウスパーティも増えてきた。何だかんだでいまでは口コミがいちばん信じれる。それを生かし、良いバンドがたくさん見れそうな予感の2020年である。

16FLIP × Georgia Anne Muldrow - ele-king

 昨年、LAのシンガー、ジョージア・アン・マルドロウとの驚きのコラボ・シングルをドロップした 16FLIP だけれど、話題を集めたそのシングルがあらためて7インチとしてリリースされることになった。気になるB面は、SHINOBI, EPIC & BUDAMUNK の楽曲 “Mystic Arts” (昨年のアルバム『Gates To The East』収録)の、DJ SCRATCH NICE & 16FLIP によるリミックス。発売は2月19日。完全限定生産とのことなので、お早めに。

ISSUGI の変名としても知られる 16FLIP とシンガー、ジョージア・アン・マルドロウのコラボ曲が完全限定プレスで 7EP としてリリース! SHINOBI, EPIC & BUDAMUNK “MYSTIC ARTS” feat. ISSUGI の DJ SCRATCH NICE & 16FLIP によるリミックスをカップリング!

 ISSUGIの変名としても知られ、MONJU や ISSUGI、仙人掌、5lack、SICK TEAM、BES らの作品でのプロデュースや自己名義のビート・アルバムのリリース/DJミックス、日本各地のクラブやレセプション、ショップのインストアパーティでのDJなど、多岐に渡る活躍をみせるDJ/トラックメイカー、16FLIP。
 昨年、ケンドリック・ラマーやエリカ・バドゥ、ロバート・グラスパー、モス・デフらが称賛し、「現代のニーナ・シモン」とも称され、〈ストーンズ・スロウ〉や〈ブレインフィーダー〉からの作品リリースでも知られている女性シンガー/プロデューサー、ジョージア・アン・マルドロウをフィーチャーしたシングル “Love it though” のリリースも話題となりましたが、同曲が待望の 7EP としてもリリース! カップリングには SHINOBI, EPIC & BUDAMUNK の昨年リリースされた『Gates to the East』に収録されている “MYSTIC ARTS” feat. ISSUGI の DJ SCRATCH NICE & 16FLIP によるリミックスを収録! 完全限定プレスにつきお買い逃しなく!
 また、16FLIP が SEEDA の名盤『花と雨』をリミックスし、07年リリースの 16FLIP vs SEEDA 『Roots & Buds』が新たにリマスタリングされ、本日デジタル・リリースされました。こちらも合わせて是非チェックしてみてください。

[7EP 概要]
アーティスト: 16FLIP
タイトル: Love it though feat. Georgia Anne Muldrow
レーベル: P-VINE / Dogear Records
品番: P7-6240
ジャンル: R&B / JAPANESE HIPHOP
税抜販売価格: 1800円
発売日: 2020年2月19日(水)

[7EP - TRACKLIST]
Side-A 16FLIP / Love it though feat. Georgia Anne Muldrow (Original Version)
Side-B SHINOBI, EPIC & BUDAMUNK “MYSTIC ARTS (REMIX)” feat. ISSUGI Remixed by DJ SCRATCH NICE & 16FLIP

16FLIP vs SEEDA / Roots & Buds[ReMastered]
linkco.re/T5GEmV2C

[16FLIP プロフィール]

東京生まれ、HIP HOP のビートメーカー。
自身も所属するグループ “MONJU” が06年に立ち上げたレーベル〈DOGEAR RECORDS〉を中心に数々の作品をリリース。MONJU、5lack、ISSUGI、仙人掌、KID FRESINO、BES らの作品をプロデュースしてきた。
またDJとしての顔も持ち、5lack 主催のパーティー《weeken》でのレジデントをはじめ、全国各地からイベント出演のオファーが絶えない。
19年7月、LAアンダーグラウンドを代表する女性シンガー Georgia Anne Muldrow を客演に迎え、自身初となるシングル「Love It though」をリリース。ISSUGI のビートメイカー名義。

https://soundcloud.com/16flip
https://issugi.tokyo/disco/16flip

Daniel Avery - ele-king

 アシッドびしびしのダンス・レコードから『A.I.』シリーズのごときリスニング体験へ──その歴史をたどりなおすかのような音楽性で昨今の90年代リヴァイヴァルの筆頭にのしあがったともいえるイギリスのDJ/プロデューサー、ダニエル・エイヴリーがふたたび日本にやってくる。4月17日、会場は VENT。きっとまたすばらしい夜を演出してくれることだろう。詳細は下記。

Andrew Weatherall をはじめ、世界中のメディアが称賛する
トップ・テクノDJ、Daniel Avery が再び VENT にやってくる

Andrew Weatherall が大絶賛し、世界中のメディアが手放しで褒め称えた2枚の傑作アルバム『Song For Alpha』と『Drone Logic』。2010年以降のテクノ・シーンを駆け上がるようにスターダムにのし上がった Daniel Avery (ダニエル・エイヴリー)が4月17日の VENT に再びやってくる!

イギリスのテクノ・シーンの系譜を受け継ぐ Daniel Avery は、Andrew Weatherall の強力なフックアップを受けたあと、2012年にはロンドンの名門クラブ Fabric による人気ミックス・シリーズのコンパイラーとして選出された。その後 Erol Alkan のレーベル〈Phantasy Sound〉から2013年にデビュー・アルバム『Drone Logic』をリリース。また Fabric でも自身のレジデント・パーティーを始めイギリスだけでなくヨーロッパを代表するトップ・アクトの仲間入りを果たした。

2014年には BBC の人気番組『Essential Mix』、2016年には『DJ-Kicks』のミックス作品を手掛け、人気DJが辿ってきた道を順当に歩んできたと言えるだろう。そして2018年にはセカンド・アルバム『Song For Alpha』をリリースし、その人気はまさにワールドワイドで不動なものになったのだ。Four Tet や Jon Hopkins などによるリミックス作品もリリースされ、日本のレコードショップでも話題になっていた。

昨年には VENT での待望の初ギグを披露し、満員御礼のオーディエンスを狂喜乱舞させたことも記憶に新しい。「音楽は世界の全ての戯言からあなたを連れ去る力があり、暗闇の中で光を照らしてくれる。愛は世界を前進させ続けてくれるものなんだ。私にとってそれが最大のインスピレーションなんだ」という Daniel Avery の最新DJセットを再び VENT のフロアで直に体験してほしい!

[イベント概要]
- Daniel Avery -

DATE : 04/17 (FRI)
OPEN : 23:00
DOOR : ¥3,600 / FB discount : ¥3,100
ADVANCED TICKET : ¥2,750
https://jp.residentadvisor.net/events/1385980

=ROOM1=
Daniel Avery

And more

VENT:https://vent-tokyo.net/schedule/daniel-avery-2020/
Facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/192869298754685/

※ VENTでは、20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いております。ご来場の際は、必ず写真付身分証明書をお持ち下さいます様、宜しくお願い致します。尚、サンダル類でのご入場はお断りさせていただきます。予めご了承下さい。
※ Must be 20 or over with Photo ID to enter. Also, sandals are not accepted in any case. Thank you for your
cooperation.

Jagatara2020 - ele-king

 会場には余裕をもって到着した。私には異例のことである。なんとなれば原稿をご依頼いただいた野田さんが、けっこう出した前売りも完売したみたいよ、とおっしゃる。リポートする身には人垣で舞台がみえないのもこまりものである。それもあって、ふだんなら開演時間ぎりぎりに会場にやってくるものをこの日にかぎっては早めの行動をこころがけた。ところが平日だというのに渋谷のクラブクアトロでは4階のエントランスに向かうエレベーターホールにもすでに二十名以上のお客さんが列をなしている。年恰好からコンサートのお客さんにちがいない、エレベーターは令和の世にそぐわないほどのんびりしており昇ったきりなかなか降りてこない、会場に早く入りたいお客さんはじれてくる、そのうち並んでいる列のなかに牽制と連帯がいりまじった奇妙な空気が漂いはじめる。あんた彼らのことどれだけ知ってんの的な、そもそもライヴみたことあんの的な。私の目の前の妙齢の女性の背中が私にそう語りかける。私はアケミさん追悼イベントとかには足を運んだことはありますが80年代は……と妄想のなかで口ごもると、女性の背中はじゃあ去年の「TOKYO SOY SOURCE 2019」は? そもそもあんた芝浦にいったことあんのとかなんとか、矢継ぎ早にたたみかける、そのようにひとり上手に時間をついやしながら、ようやく4階にたどりつけば、そこにも入場を待つ長蛇の列が。蜿蜿とつづく人波をかきわけ、物販のセクションに後ろ髪をひかれながら5階にたどりつくと、フロアもすでにあらかた埋まってしまっている。みわたすと、中高年が目につくのは当然だとしても、彼らのひとまわり下、さらにその下の世代も散見するのは、生き馬の目を抜くことにばかりかまける現代で、彼らの音楽が30年もの風雪にたえてきたことの証である。

 この日、2020年1月27日月曜日で、じゃがたらのヴォーカリスト江戸アケミが1990年の同日世を去ってからまる30年がすぎた。年忌法要でいえば33回忌は再来年ということになろうが、弔いあげにあたる30年のときを経てもなお、江戸アケミの、じゃがたらの歌や演奏がこれだけ多くのひとたちの心の支えとまでは私には断言できないとはいえ、傷のようなものとして残っているのがまちがいないのは、さっきから会場にながれている旧作音源が開演時間をすこしすぎて “もうがまんできない” にさしかかったとき、BGMにあわせて万感の思いを押し殺し呟くような合唱が方々で自然に起こったのでもわかった。

 トップバッターは吹越満だった。いまや映画やドラマ、舞台でもひっぱりだこの名バイプレイヤーとなった吹越はこの日はタキシード姿で口にくわえた細長いビニール袋を膨らませるパフォーマンスを披露、静と動のあわいにひそむ真空に似た狂気を表現するに長けた、ワハハ時代を彷彿するパフォーマンスに、私なぞはそれだけで感動したが、ここにじゃがたらのトロンボーン奏者村田陽一が加わり、儀式空間は不意に祝祭の色を帯びる──と袖からじゃがたらの面々が登場。先頭には「うた」と、この日の司会進行役も担った南流石が、つづいてギターの OTO と EBBY、ドラムスの中村ていゆうにヤヒロトモヒロ(Perc)とエマーソン北村(Key)、ホーンでは先述の村田陽一と吉田哲治(Tp)ら、じゃがたらのバイオグラフィを網羅したメンバーに、ベースの宮田岳と打楽器とコーラスで関根真理を加えた布陣が2020年、令和二年のじゃがたら、すなわち「Jagatara2020」の基本形となる、その足まわりをたしかめるように本編は EBBY がヴォーカルをとる “裸の王様” で幕をおとした。おそらく愛好者の数だけじゃがたらには代表曲があり、おのおのの胸のうちでアケミの歌が象る世界にも差異はあろうが「いまにもこぼれそうな傾きかけた街」を描くこの歌の惹起する影像ほど、それを歌うものが幻視者であることをあらわすものはない。リズムもひきしまっているしホーンもよく鳴っている。Jagatara2020 名義も渋谷クアトロもはじめてではないとはいえ、きょうは単独ライヴであり、さきのMCで南流石が宣言したとおり長丁場でもある。ハナからフルスロットルで大丈夫なのかという思いが頭をかすめるが、ゲスト・ヴォーカルを迎えた2曲目以降も出し惜しみはいっさいなし。田口トモロヲは “でも・デモ・DEMO” で天にツバするパンクの本懐をつきつけたし、大槻ケンヂの “タンゴ” は四半世紀にわたってこの曲を歌いつづけてきた大槻みずからMCで述べたとおり、持ち歌と見紛うばかりの堂々たる歌いっぷりだった(この曲で大槻は町田康や巻上公一に、歌がうまくなったと褒められたそうです)。田口と大槻のパフォーマンスはじゃがたらという巨大な多面体のパンクでポップな側面をひきうけるかのようであり、会場の熱気もいや増しに増したが、何度か(も)版を革めた “タンゴ” が EBBY の手で Jagatara2020 ヴァージョンに生まれ変わっていたのが私には印象的だった。いくぶん(ハード)ロックよりだったのは大槻の歌唱との相性を考えたのかどうかはわからないが、ノスタルジーに終始しないじゃがたらの矜持はおくれてきたリスナーである私にもわかった。

 その姿勢をゲストも意気に感じたのか。つづく鮎川誠、Nobu (桑原延享)、さらに町田康が客演した “Black Joke” ~ “Fade Out” ~ “アジテーション” の3曲はサブスクなんかだと通のためのプレイリストに入りそうな選曲だが、ロックンロール、ダブ、サイケデリックあるいはファンクの形式の骨組みとなるシンコペーションとポリリズム、反復のグルーヴがゲストの存在感と一体化し会場の空気をひきしめていた。メンバーではおそらく最年少の宮田岳のベースがナベの演奏の旨味をひきついでいたのも特記すべきであろう。他方でゲストの最年少、平成元年生まれの折坂悠太から昭和もなかばごろに生まれたこだま和文にマイクがわたった “中産階級ハーレム” ~ “ある平凡な男の一日” は語り部=江戸アケミに焦点をあてた選曲というべきか、あるいは中産階級という令和のニッポンが廃棄した物語が、江戸アケミの身体がまだこの世にあったころ、すなわち折坂が生をうけた平成のはじめまでは健在だったことの傍証とすべきか。「大丈夫マイフレンド」といって演奏を〆た折坂につづき舞台にあらわれたこだまが「大丈夫じゃないぜ、マイフレンド」と呼応したのはこの日もっとも印象にのこったことのひとつだった。こだまの発言はだれにもおびやかされてはならない日々の暮らしが、しかしそのようになっていないこの世界における人々の声なき声、サイレントマジョリティなる広告的な分類学にも統計学的な数値にも回収できない顔のある声を代弁するかのようであり、それはそのままこの日の最初に披露した新曲 “れいわナンのこっちゃい音頭” の主題へとつながっていく。タートルアイランドの永山愛樹をヴォーカルに、ロンサム・ストリングス~ストラーダの桜井芳樹(Gt)が加わった布陣は1990年につみのこした課題がいまも古びていないどころか喫緊の課題であることをしめすかのようであり、リリースしたばかりの新曲の演奏が有名曲とならべても見劣りしないのは散発的な活動をふまえると驚異的というべきである。たしか最後のほうのMCで OTO はこの日のライヴを紅白歌合戦になぞらえており、ラインナップもふくめ総花的なのもそのとおりなのだが、その真ん中に音楽があり、それが脈打っているかぎりは大丈夫だぜ、マイフレンド。などと安請け合いする私はうっかり書きもらしたが、永山+桜井の両ヨシキの前にはマツリスタジオからやってきた向井秀徳がその無二の異物感を “つながった世界” で注入していたのも明記すべきである。その後の七尾旅人と、田口トモロヲとのガガーリンからフェダーインを経て渋さ知らズを率いる不破大輔が参加した “都市生活者の夜” の深々としたグルーヴと、ビルのように屹立する向井の “つながった世界” は好対照というべきものだったが、この時点で演奏開始からほぼ2時間半。1曲が長いうえに曲数も多いため、待ち時間のあいだに不破大輔はすっかりできあがっていたかにみえたが、「そんなことは少しも問題じゃない」と七尾旅人が歌いあげる。この “都市生活者” しかり、つづく “みちくさ” しかり、束になった管のフレーズが印象的な曲を後半に堪能できたのも、私はうれしかったが、それを奏でるホーンセクションにはサックスの ko2rock、渋さ知らズの北陽一郎(は左隣の吉田哲治とうりふたつだった)が加わり最終的に総勢4名になった。

 山でいえば八号目といったところだろうか。高田エージ、いとうせいこう、近田春夫といった腕達者な面々の参加をえた “みちくさ” はコール&レスポンスにうってつけの曲調もあいまって、山頂までの道のりを九十九折りにうねらせはじめる。きょう登場した歌手のなかでも、声と唱法と関係性で、とびぬけてアケミにちかい高田の歌唱にいとうのラップと近田のパフォーマンスとくれば、場が沸かないはずもなく、この日最長尺の演奏にもかかわらず、グルーヴに弛みとてなく、完走した瞬間の観客の歓声は地というより心の底からわきあがるものに思えた。

 本編の掉尾を飾ったのは “夢の海” だった。『ロビンソンの庭』が収めるこの曲を、Jagatara2020 は江戸アケミのヴォーカル・トラックにナマで演奏をつける逆カラオケに仕立てた。みなさんご存じのあの軽快な前奏にのせた南流石の口上につづき、アケミの声がながれた瞬間の、目の前に遮るもののない風景が広がるような恬淡とした祝祭性はこのイベントの幕引きにふさわしい。ピンスポットが照らす舞台中央の不在は存在が作品だった江戸アケミそのひとを逆説的にあらわすかのようでもあった。そして30年という時間はその存在がもたらした音楽の大きさをかみしめるに十分な長さだった。“夢の海” の遠いこだまのようにアンコール1曲目に演奏したもうひとつの新曲 “みんなたちのファンファーレ” から “クニナマシェ”、最後にはフロアに降りた南流石と出演者と会場の全員で合唱した “もうがまんできない” の、古びるどころか切迫感をますばかりの音の渦に揉まれながらじゃがたらはやっぱりすごいバンドだと、私は現在形で思ったのだった。
 気づけば3時間20分がすぎていた。観客の年齢層からいって立ちっぱなしでは厳しい長さだったが、会場をあとにするお客さんのうしろ姿に疲労の色はみえなかった。だって1987年のパルコパート3のじゃがたらは4時間もやったのよ──とひとごみでごったがえすエントランスの向こうに消えていく女性の背中が語りかけてくる気がした。その翌々日、私は疲労が腰にきた。

セットリスト
曲名 (収録アルバム) ゲスト・ヴォーカルほか

オープニング 吹越満+村田陽一
01 裸の王様 (裸の王様) EBBY
02 でも・デモ・DEMO (南蛮渡来) 田口トモロヲ
03 タンゴ (君と踊りあかそう日の出を見るまで) 大槻ケンヂ
04 BLACK JOKE~気の利いたセリフ (南蛮渡来) 鮎川誠
05 FADE OUT (南蛮渡来) NOBU
06 アジテーション (南蛮渡来) 町田康
07 中産階級ハーレム~故ジョン・レノンと全フォーク・ミュージシャンに捧ぐ~ (それから) 折坂悠太
08 ある平凡な男の一日 A DAY IN THE LIFE OF A MAN (それから) こだま和文
09 つながった世界 (それから) 向井秀徳
10 れいわナンのこっちゃい音頭 (虹色のファンファーレ) 永山愛樹+桜井芳樹
11 都市生活者の夜 (ニセ予言者ども) 不和大輔+七尾旅人
12 みちくさ (ニセ予言者ども) 高田エージ+いとうせいこう+近田春夫
13 夢の海 (ロビンソンの庭) 江戸アケミ

E1 みんなたちのファンファーレ (虹色のファンファーレ) 南流石
E2 クニナマシェ (南蛮渡来) OTO、南流石、EBBY
E2 もうがまんできない (裸の王様) 全員

Jon Hassell - ele-king

 やはり2018年の新作『Listening To Pictures』で、現役感ばりばりの尖ったサウンドを呈示したことが大きかったのだろう。昨年のラファウンダ『Ancestor Boy』における客演もそうだけど、最近「第四世界」のコンセプトがグローバル・ビーツの動きと共振してきているというか、世のジョン・ハッセルにたいする関心がますます高まってきているように思われる。
 この絶妙なタイミングで、ハッセルのファースト・アルバム『Vernal Equinox』(1977)が、本人主宰の〈Ndeya〉からリイシューされることになった。CDでは30年ぶり、ヴァイナルにいたってはじつに42年ぶりのお目見えである。もちろん、オリジナルのマスターテープをもとにリマスタリングが施されている。日本盤CDにはハッセル本人とブライアン・イーノによるライナーノーツが付属。発売は3月20日。
 ちなみに、ハッセルがブルキナ・ファソの伝統音楽グループ=ファラフィーナと共作した1988年の『Flash Of The Spirit』も、この2月に〈Glitterbeat〉傘下の〈tak: til〉からリイシューされることになっている。合わせてチェックしておこう。

JON HASSELL

オリジナル・マスターテープからリマスタリングした
伝説的名盤『VERNAL EQUINOX』の再発が決定!
高音質CDで発売される国内盤CDは、ジョン・ハッセルとブライアン・イーノによるライナーノーツ訳付き!

ジョン・ハッセルのコンテンポラリー・ミュージック史における偉大さは、マイルス・デイヴィス、ジミ・ヘンドリックス、ジェームス・ブラウン、もしくはヴェルヴェット・アンダーグラウンドに匹敵する。 ──The Wire 誌

鬼才ジョン・ハッセルの記念すべきデビュー作にして、実験音楽史に残る大名盤『Vernal Equinox』が、 “春分” を意味するタイトル通り、3月20日(金)に自身のレーベル〈Ndeya〉から再発されることが決定! 音源は、当時のオリジナルのマスターテープからリマスタリングされたものとなり、CDは30年ぶり、アナログ盤は実に42年ぶりに商品化されることとなる。国内盤CDは、高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD)仕様で、解説書に加え、ジョン・ハッセルとブライアン・イーノによるライナーノーツ訳も封入される。

Jon Hassell - Vernal Equinox (Remastered Reissue)
https://youtu.be/4Vv3snJ56MY

米ピッチフォークが選ぶ歴代最高のアンビエント・アルバム50枚にも選出されている傑作『Vernal Equinox』は、1977年に〈Lovely Music〉からリリースされたジョン・ハッセルにとって初の公式リリース作品である。同時に、西洋と非西洋の合体をコンセプトに、フィールド・レコーディング、エレクトリック・ジャズ、アンビエント、ワールド・ミュージックを融合させた「第四世界」シリーズの第一作目としても位置づけられた実験音楽史に残る超重要作。ハッセルのトレードマークでもある、音響信号処理された不可思議なトランペットのサウンドを主役に、ブラジルが誇る世界的パーカッション奏者、ナナ・ヴァスコンセロスによるパーカッションと、バイオフィードバック音楽のパイオニアとして知られる電子音楽家、デヴィッド・ローゼンブームによるシンセサイザーを含む至高のアンサンブルが、静謐で瞑想的で独創的な音響美を生み出している。

ジョン・ハッセルJON HASSELL
トランペット奏者、作曲家、コンセプチュアリストであるジョン・ハッセルは、前衛音楽と先鋭的な音楽の発展の歴史において、大きな功績を残してきた。後のカンのメンバーらとともに、ケルンのカール・ハインツ・シュトックハウゼンに師事した後、テリー・ライリーの『In C』(1968)のレコーディングに参加。ラ・モンテ・ヤングが結成したシアター・オブ・エターナル・ミュージックのメンバーにも名を連ね、パンディット・プラン・ナートと共に、キラニック・スタイルの歌唱を学ぶ。それらすべてが、彼の演奏と異なる音響信号処理を施したトランペットの音作りに影響を与えている。世界中の先住音楽に対する関心が高まった結果、「第四世界」のコンセプトを開発。様々なスタイルを融合させた音楽は、1970年代後半に『Vernal Equinox』や『Earthquake Island』などのアルバム作品で世に送り出された。またそれらの作品は『Possible Music』でコラボレートしているブライアン・イーノを魅了し、デヴィッド・バーンとブライアン・イーノによる名作『My Life In The Bush Of Ghosts』にも多大なる影響を与えている。そこからトーキング・ヘッズの『Remain In Light』やピーター・ガブリエル、デヴィッド・シルヴィアン、ビョークらの作品に参加。また多くの映画音楽や舞台音楽を手がけている。近年では、2018年にリリースされた『Listening To Pictures: Pentimento Volume One』が賞賛され、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーやフエコ・エス、ヴィジブル・クロークスら新世代の実験音楽家たちにも影響を与え続けている。

label: BEAT RECORDS / NDEYA
artist: JON HASSELL
title: Vernal Equinox
release: 2020/03/20 FRI ON SALE

高音質国内盤CD BRC-634 ¥2,500+tax
国内盤特典 高音質UHQCD / 解説書+ジョン・ハッセルとブライアン・イーノによる解説訳封入

[ご予約はこちら]
BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10832

Tracklisting
01. Toucan Ocean
02. Viva Shona
03. Hex
04. Blues Nile
05. Vernal Equinox
06. Caracas Night September 11, 1975

TREKKIE TRAX vs TYO GQOM feat. Ahadadream - ele-king

 日本のエレクトロニック・ミュージックの最先端を走りつづけるコレクティヴ兼レーベルの〈TREKKIE TRAX〉と、日本初のゴム・クルーである〈TYO GQOM〉が、ロンドンから Ahadadream を迎えて開催するパーティ《TREKKIE TRAX vs TYO GQOM feat. Ahadadream》に、ジャパン・ツアーを終えたばかりの Raji Rags が緊急参加することとなった。Rags は〈Bleep〉の A&R や NTS Radio、Boiler Room のDJ/キュレーターを務めてきた人物で、現在は〈R&S〉の A&R として腕をふるっている。さらに、イヴェント当日に新作「Kokodoko」をリリースする なかむらみなみ もライヴで参加するとのことで、記念すべき一夜になりそうだ。2月12日は CONTACT へ足を運ぼう。

WED 12 FEBRUARY 2020
TREKKIE TRAX vs TYO GQOM feat. Ahadadream
TREKKIE TRAXとTYO GQOMが激突

CONTACT
Ahadadream (More Time | UK)
Raji Rags (NTS Radio | R&S Records UK)

– TREKKIE TRAX –
Seimei
Carpainter
andrew

– TYO GQOM –
DJ MORO
Hiro “BINGO” N’waternbee
mitokon
K8
KΣITO -DJ & Beat Live

なかむらみなみ (Kokodoko Release Shot Live)

[FOOD]
新宿ドゥースラー

OPEN 20:00 CLOSE 3:00
UNDER 23 ¥1000 DOOR ¥2000 (1D)
GENRE Techno | House | Gqom

https://www.contacttokyo.com/schedule/trekkie-trax-vs-tyo-gqom/

Jockstrap - ele-king

 ジョックストラップといえば男性用の下着だけれど、そう名乗るロンドンのオルタナティヴ・ポップ・デュオが〈Warp〉のファミリーに加わることになった。年内になんらかのリリースを控えているとのことで、本日ファースト・シングル “Acid” がデジタルで公開されている。試聴・購入はこちらから……って、ぜんぜん「アシッド」じゃないやんけ! いや、でも良質なポップです。

 ヴォーカリストにしてヴァイオリニストでもあるジョージア・エラリー(Georgia Ellery)と、おそらくはエレクトロニクス担当だろうテイラー・スカイ(Taylor Skye)の2名からなるこのプロジェクトは、2018年の4月にミニ・アルバム『Love Is The Key To The City』で〈Kaya Kaya〉からデビューを飾ったばかりの新星だ。
 ふたりともロンドンのギルドホール音楽演劇学校──チェリストのジャクリーヌ・デュ・プレや歌手のダイドを輩出したことで有名──の出身で、同年9月にはディーン・ブラントのミックステープ『Soul On Fire』にミカ・レヴィとともに参加、10月にアイスランドのフェスティヴァルに出演した際には、ビョークがわざわざ彼らのギグを観にきたという。
 翌2019年にはデーモン・アルバーン率いるアフリカ・イクスプレスのショウに参加する一方、リミックス盤『Lost My Key In The Club』を発表、BBCに紹介記事が掲載され、同年ファースト・アルバムをリリースしたばかりのアリゾナのヒップホップ・トリオ、インジュリー・リザーヴ(アルバムではフレディ・ギブスJPEGMAFIA をフィーチャー)のUKツアーに同行してもいる。

 それぞれソロ活動も熱心で、エラリーのほうは昨年、アンダーワールドの「Drift」シリーズに参加するかたわら俳優としても活躍、コーンウォールの漁村で起こった観光客と地元民との間の緊張を描いた話題のドラマ映画『Bait』──同作は BAFTA(英国アカデミー賞)の「英国映画賞」にケン・ローチ『家族を想うとき』などと並んでノミネートされ、つい先週「英国デビュー賞」を勝ちとったばかり──に出演し、先月その映画のライヴでグウェノーとともにパフォーマンスを披露している。スカイのほうは昨年末、上述のインジュリー・リザーヴのアルバムをほぼまるごとリミックスした音源をユーチューブに公開している。
 というわけで今後の活躍が楽しみな新人の登場だけれども、名前が名前だけに、検索するときはひと工夫されたし。

JOCKSTRAP
オルタナ・ポップ・デュオ、ジョックストラップが〈WARP〉と契約!
シングル “ACID” を解禁。

ロンドンで最も明るく、奇妙なポップを作り 出すデュオ、Jockstrapを聴くべきだ。 ──Dazed

催眠性エキゾティカ」 ──The Guardian

ロンドンを拠点にしたオルタナ・ポップ・デュオ、Jockstrap (ジョックストラップ)が、英名門レー ベル〈Warp〉と契約を結んだことを発表し、移籍後第一弾となるシングル “Acid” を解禁した。

Jockstrap “Acid”
https://youtu.be/oOXho8yVaKk

ジョージア・エレリー、テイラー・スカイの2人による Jockstrap。2018年にデビュー・ミニ・アル バム『Love Is the Key to the City』を発表以降、リミックス・バージョン『Lost My Key In The❤️ Club❤️ 』を公開したことをはじめ、非常にエキサイティングな18ヶ月間を過ごしていた。
エレリーは英国インディペント映画賞を受賞(BIFA)、第73回英国アカデミー賞で新人賞を獲得したコー ンウォールの映画『BAIT』に出演しており、ウェールズの歌手グウェノー・ピペットとともに BFI で映画 のスコアのパフォーマンスを披露。一方スカイは独自にソロ・プロジェクトを進め、以前 Jockstrap とともにUKツアーを廻った仲間であるアリゾナのバンド Injury Reserve の最新作をリミックスした。エレリーは、昨年 Underworld が行なった実験的プロジェクト『DRIFT』にも参加している。

二人で参加したプロジェクトも多く、Dean Blunt の『Soul on Fire』(2018)では A$AP Rocky & Mica Levi らに並び参加アーティストとして名を連ね、昨年行われた blur / Gorillaz のデーモン・アルバーン率いる Africa Express のサーカステントで行われた1回限りの完売公演ライブの客演も果たしている。

本日解禁されたシングル “Acid” はスカイがプロデュースしており、バンドのリリースの中で初めて彼のヴォーカルをフィーチャーしている。エレリーはこう語る──「これは私の兄弟に向けた曲なの。広大で、活気があって、愛に満ちている。テイラーはこの美しい音世界をデザインしてくれた。8分の6拍子のバラードを彼に送ったら、予想外なものが返ってきたわ」。スカイはこう語る──「ジョージアが圧倒的で表情豊かな、柔らかい ピアノのデモを送ってくれたから、僕もベストを尽くしたよ。制作は本当に楽しかった。今までに作った中で、 一番元気づけられる歌だと思うよ。夏の雰囲気もあるしね」。

『Love Is Key to the City』と『Lost My Key In The❤️ Club❤️ 』が、Loud And Quiet、Dazed、Noisey、BBC、The Guardian、Apple など数々のメディアから賞賛され、強いサポートを受けた彼らが、2020年いよいよ世界に向けて活動を本格化させる。現在も新作を制作中であり、今年の後半には〈Warp〉からリリースされる予定だ。リリース予定を前に、初のライブやアンナ・メレディスのサポートなども決定しており、これからが何より楽しみなバンドと言えるだろう。

label: Warp Records
artist: Jockstrap
title: Acid
release date: 2020.02.04 TUE ON SALE

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