「KING」と一致するもの

interview with Joy Orbison - ele-king

 ジョイ・オービソンは素晴らしい。なにしろ彼の叔父は80年代末という、まだこのジャンルが超アンダーグラウンドで、海のモノか山のモノかもわからなかった時期から活動しているジャングルのDJ、レイ・キースなのだ。30年ほど昔の話になるが、ぼくは彼の叔父が関わっていたロンドンの現場を経験している。それはいまだ忘れがたきハードコアで、ラフで、労働者階級的で、人種と汗の混ざったパーティだった。メインフロアがラガ・ジャングル、セカンドフロアがハウスという構成で、DJブースの脇には盛り上げ役としてMCとダンサーが立ち並んでいたが、そんな必要などないくらいにオーディエンスの熱狂が並外れていた。あんな汗まみれの現場で長年回してきたDJが身内にいる。しかも13歳にしてターンテーブルでミックスを覚えたら、それはもうUKダンス・カルチャーの申し子と言える才能が磨かれよう。
 じっさい2009年の彼のデビュー・シングル「Hyph Mngo」は出たときから評判で、ぼくもそのハイプに乗せられて都内のレコード店で買ったクチ。ジョン・オービソンまでチェックしていたらそいつはわかってると、当時はそんな空気があったのだ。で、UKガラージの癖のあるリズムとソウルの高揚感をセンス良くミックスしたその12インチ1枚だけで、ジョイ・オービソンをジェイムス・ブレイクやマウント・キンビーらと並ぶ新世代の代表だと豪語したのは大手『ガーディアン』だったが、それは正しくもあり間違ってもいた。ジェイムス・ブレイクやマウント・キンビーは有名になると汗臭いダンスフロアからは離れていったが、ジョイ・オービソンはそこにい続けて……、もちろんいまもそこにいる。

 デビューしてからこの10年あまり、アルバムを出さずにひたすら12インチを出し続けているのも、彼がダンス・カルチャーの一部であることを物語っているわけで、『still slipping vol.1』がジョイ・オービソンにとっての初の長編作品となる。14曲入り(日本盤にはボーナストラックあり)で、まあ普通これはアルバムということになるのだが、本人はこれをミックステープと定義している。その理由は以下のインタヴューで語られているが、うん、なるほどなーと思った。
 まあなんにせよ、『still slipping vol.1』にはUKアンダーグラウンド・ダンス・ミュージックの最良の部分が詰まっていることはたしかだ。90年代初頭におけるその文化は、音楽それ自体に政治性はなかったかもしれないがシーンのあり方は政治的だった。マーガレット・サッチャーが推奨し一般化させた「個人主義」に対して「みんな」だと、「集う」ことを持って反論したのだから。『still slipping vol.1』は、いま再びみんなで「集う」ことを希求している。と同時にUKダンス・カルチャーの定義をもあらためて教示してもいる。西インド諸島からやって来たベースとアメリカ北部の黒人たちが発明したダンス・ミュージックとが混ざり合ったそれは、なにひとつ面白くない日常では得られない興奮をたったひと晩で得るための強力な燃料となって吐き出されるのだ。
 ジョイ・オービソン(本名Peter O’Grady)はよく喋ってくれた。インタヴューは彼のアティチュードがよくわかる内容になっていると思う。ちなみに『still slipping vol.1』のジャケットに写っている女性が彼の従姉妹で、彼にUKガラージを教えてくれた人であり、レイ・キースのパートナーでもある。このジャケットは、彼の音楽がどこから来ているのかを暗示しているのと、ちょっとうがった見方をすれば、XLやUK音楽業界のなかのケン・ローチ的な感覚がこうしたかったのではないかと。間違っているかもしれないが正しくもあるだろう。ジョイ・オービソンが答えている。

うちは「仕事をする」ということがもっとも重要視されている家族で、僕が音楽をやりはじめたとき、僕には別の仕事があった。音楽で生計を立てることができるようになるまで、家族は僕の音楽についてとくに気にしていなかったんだ。

この12年、ずっとダンスフロアのための12インチにこだわってきたあなたがついにアルバムを完成させた、あなたはそれをミックステープと呼んでいます。

JO:僕はとくにアルバムを作りたかったわけじゃないんだよ。エレクトロニック・ミュージックのアルバムで楽しめるものってあまり多くないと思っているし、アルバムというコンセプトに魅力を感じないんだよね。だから敢えてミックステープと呼んだ。結果、自分が作りたいと考えていたものや自分の音楽の聴き方に近いものができたと思う。

あらためて訊きますが、あなたがどんな家庭、どんな環境で育ち、それがあなたにどんな影響を与えのか教えて下さい。

JO:僕はある意味、家族に恵まれていたと思うけれど、うちはとくに音楽一家というわけではないんだ。父親は音楽に関してはセンスが良いほうだと思うけれど、音楽は気軽に楽しむというタイプの人間なんだ。音楽に真剣に向き合うということはしてこなかった。ただ昔父が話してくれたのは、彼はサウスロンドンで育ち、そこではレゲエのサウンドシステム文化が主流だったということ。だから彼は子供の頃、友だちとサー・コクソン・サウンドなどのパーティに行ったりしていたんだ。そういう経験が彼のセンスの一部になっていったんだと思う。僕が子供の頃は、家にR&Bやレゲエやソウルのレコードがたくさんあったからね。
 僕には多様な人種の家族や親戚がいるから、その点については恵まれていると思う。そうでなければ僕の音楽の嗜好はまったく違うものになっていたかもしれないからね。僕が生まれたときも父はスティーヴィー・ワンダーを車でかけていたらしい。だから自分の音楽の嗜好について考えるとき、いつも家族のことを思い出す。家族行事などでみんなが集まってパーティをするとき、僕はいつもDJをやらされていたんだけど、家族のみんなはトロージャンから出ているようなレゲエを聴きたがっていた。僕の祖父母はアイルランド人だから僕の家系は主に白人なんだけれど、いろいろな人種が混在しているから多様な親戚・家族になっている。レゲエのような西インド諸島の音楽は、僕のルーツであるアイルランドの伝統の一部ではないけれど、それが僕の家族のサウンドだというのは面白いよね。でもそれは西インド諸島の音楽がロンドンのアイデンティティの一部であることを意味していると思うんだ。それから、僕の従姉妹のリーアンはすごく音楽にはまっていて、その従姉妹がレイ(・キース)と結婚したんだ。僕が12歳か13歳の頃だったかな。だから僕は音楽に関しては、同年代の人たちよりもスタートが早かったと思うよ。だからリーアンの写真をスリーヴにしたんだ。彼女のおかげでいまの僕がいると思うから。リーアンが僕に音楽を教えてくれていなかったから、僕はいまごろ何を聴いていたのか想像もつかないよ。だから僕は幸運だった。リーアンが僕を正しい軌道に乗せてくれたから。

あなたが最初に「Hyph Mngo」をリリースしたときは、従姉妹のお姉さんやお父さん、叔父さん、みんな喜んだことと思いますが、あなたが新しい作品を出すたびに家族や親類から感想を聞かされるものなのですか?

JO:最初のレコードをリリースしたとき、僕が音楽を作って、音楽をリリースしたことを家族もレイも知らなかっよ。当時は友だちと一緒に軽い気持ちで音楽をやっていたからね。うちは「仕事をする」ということがもっとも重要視されている家族で、僕が音楽をやりはじめたとき、僕には別の仕事があった。音楽で生計を立てることができるようになるまで、家族は僕の音楽についてとくに気にしていなかったんだ。音楽で生計を立てられるようになってからは、僕の音楽を意識するようになったけれど、当時は別の仕事で生計を立てていたから、家族は、僕の音楽のことを趣味のひとつだと思って、よくわかっていなかったんだと思う。

レイは僕にこう言った。「お前はクラブという空間では価値がある奴かもしれないが、その空間から一歩出た瞬間に何者でもなくなる。それだけは覚えておけ」

子供の頃から身近にダンス・ミュージックがあり、親類にはトップクラスのDJ/プロデューサーがいたことで、あなたが学んだもっとも重要なことは何だったのでしょう?

JO:音楽という職業が現実的に可能だということを気づかせてくれたことだと思う。“You can't be what you can't see(自分の目に入ってこないものには、なることができない)”という表現があるように、僕は昔カフェでバイトをしていて、洗い物係だったんだけど、バイト終わりに叔父のレイが迎えにきてくれることがあった。そのときの彼はBMWのオープンカーに乗っていて、太いチェーンをいくつも首から下げていて、音楽を爆音でかけていた。子供の僕はそんな叔父を見て、こういう風になりたいなあ、と思ったんだ(笑)。
 そういう意味で、実際に音楽を生計にしている人が家族として近くにいて、それが現実的に可能だと理解できたということが僕にとって良かったと思う。僕の当時の友だちは、周りにDJやプロデューサーみたいな人なんていなかったからね。でも僕にはそういう叔父がいたから、そんな叔父を見て、自分も彼みたいな道を歩むのが可能なんだと思うことができた。時間を費やして音楽を作るということが、仕事として現実的な選択肢だと思えるようになった。

レイ・キースさんからはどんなアドヴァイスがあったのでしょうか?

JO:アドヴァイスはたくさんあったよ。彼は本当は、僕に音楽をやって欲しくなかったんだ。レイはドラムンのシーンに疲弊していたからね。いまでもドラムンベースのシーンは地位を確立できていないというか、本当はもっと評価されるべきだと僕は思っている。いまではダンスミュージックはビジネス化されていて、ダンス・ミュージックの世界に入る人は、この業界で何が達成できて、何ができないかということを承知の上で入ってきている。でもレイや、当時のダンス・ミュージック業界の人たちは開拓者というか、何の前例もなしに手探り状態で成功をつかもうとしていた。彼らが作り上げた彼ら独自の世界で、その週の稼ぎで、その週をやっと暮らすというような生活をしていた。いまはそれも変わったと思う。でも当時はそういう世界だったから、叔父は僕には適さないと思ったんだろう。彼もすごく苦労していたからね。だから、「俺がお前だったらこの道には進まない。他のことをやった方がいい。音楽をやるにしても専門技術を身につけるほうがいい」と言っていた。
 それから、とても記憶に残っているのは……、レイからのアドヴァイスというよりも、クラブでのレイの人に対する扱い方を見たときが印象に残っている。レイがDJをしているクラブに遊びに行ったとき、ある女性が酔っ払ってDJブースに入ってきたんだ。女性はドリンクを片手に持っていたんだけど、それをほぼ全部、レイのレコードバッグに溢してしまった。彼はヴァイナルしか持っていなかったんだよ。昔のドラムンはかなり攻撃的な雰囲気があった。なのにレイはすごく落ち着いていて、礼儀正しく女性をブースの外に連れ出したんだ。それだけだった。そのときの彼の態度はいまでもはっきりと覚えているよ。それで、クラブを出た後に彼にそのことについて話したんだ。そうしたら彼は僕にこう言った。「お前はクラブという空間では価値がある奴かもしれないが、その空間から一歩出た瞬間に何者でもなくなる。それだけは覚えておけ」
 レイは本当に人との付き合いを大切にする人だった。彼がそういう性格だから、いまでも彼は活動を続けられているんだと思う。人といい関係を築いて、何事にもポジティヴに取り組んできたから。ドラムンのシーンという環境にいると、すべての人がレイみたいな道を辿ることができるわけではない。だからそういうレイの姿勢や態度は昔から尊敬していたね。

昔、レコードショップにレコードを買いに来ている人の半数はガテン系の人たちや、技術職の人たちや、小売店で働いている人など、普通の人たちだった。僕の友達の兄や姉などでレコードを買っている人たちは、とくに学歴が高いとか、頭が良いというわけでもない、ただの普通の人たちだった。それが最高だと思った。

この12年間、シングルに拘り続けたのは、それがダンス・ミュージックのフォーマットだからだと思います。あらためて質問しますが、あなたにとってダンス・ミュージックの魅力とはなんでしょう?

JO:失礼な表現として捉えてもらいたくはないんだけど、ダンス・ミュージックはミュージシャンではない人たちのための音楽だと僕は思っている。パンクと同じだ。パンクは、コードをいくつか学んだら自分を表現するために、すぐにやれる音楽だ。ダンス・ミュージックもそう。アシッド・ハウスやシカゴ・ハウスやディープ・ハウスなどのルーツを辿ると、作っていた人たちは機材を学びながら音楽を制作していた。ダンス・ミュージックには誰にでもできるオープンさがあるんだ。僕はポップ・ソングを作曲することはできない。でもダンス・ミュージックは、音楽制作を学んでいる最中の人でも作ることのできる。そういうダン・スミュージックの一面が昔から好きだったね。エリート主義的な感じがないから。
 最近は少しエリート主義な感じも出てきたかもしれないけど、僕が子供の頃は、そんな感じはまったくなかった。昔、レコードショップにレコードを買いに来ている人の半数はガテン系の人たちや、技術職の人たちや、小売店で働いている人など、普通の人たちだった。僕の友達の兄や姉などでレコードを買っている人たちは、とくに学歴が高いとか、頭が良いというわけでもない、ただの普通の人たちだった。それが最高だと思った。万人のための音楽だと思ったから。
 天才じゃなくても最高のダンス・ミュージックを作れるんだ。ダンス・ミュージックの名曲を作ってきた人たちというのは、必ずしも……説明するのが難しいんだけど、とにかくダンス・ミュージックのそういうところが僕はすごく好きなんだ。自分でもできそうな感じがする。僕だっていまだに何の楽器も弾けないし、音調についてもよく分かっていない。でもダンス・ミュージックという文脈においてなら理解できるんだ。それがパンクに通じていて、僕はそれと同じ理由でパンクも好きだ。天才である必要もないし、楽器の名手である必要もない。クリエイティヴなことができれば、面白いものが作れるということ。

では、次にあなたの、その音楽の作り方についてお聞きします。あなたは最初、ガレージやダブステップにのめり込んで、数年後にはデビュー・シングル「Hyph Mngo」をリリースし、これがものすごい評判となった。しかしあなたはその後、「Ellipsis」やBoddikaとの一連の共作、〈Doldrums〉からリリースされた「BB」などの作品で、ハウスやテクノとの混合を試みていきますよね。音楽を作る上であなたはUKらしさというものをつねに意識していると思いますが、それはたとえば、いかにジャングルやガラージといったUK的な要素をハウスやテクノのフォーマットに落とし込むのかということなのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

JO:その通りだと思う。僕が作るものには、自分が受けた影響や自分が聴いている音楽のUK的なエネルギーを加えたいとつねに思っている。僕がもっとも影響を受けているのはUKの音楽だ。いまでもUKでリリースされている新しい音楽や、自分の周りで起こっている活動などが自分の音楽の影響になっている。僕が最初にレコードをリリースしたとき、僕や周りのリスナーは、UKの音楽を聴いて育った人たちで、そこからヨーロッパの音楽や、僕の音楽よりももう少し抽象的な音楽に目を向けていた人たちが多かったと思う。それを前提として僕は自分なりのアイデアを作り上げていった。
 僕もベルリンのシーンに興味があったし、ドイツのテクノも聴いていた。でも、そこにUK的な要素を加えたいという思いがつねにあった。おかしなことに、少し前までUKの音楽はあまり真面目に捉えられていなかった。僕たちは20代の頃からヨーロッパやアメリカのクラブでDJをしていたけど、当時、とくにヨーロッパではUKのダンス・ミュージックは歓迎されていなかった。もしくは、陳腐なくらいUKっぽいダンス・ミュージックならオッケーだった。だから僕たちは苦労したよ。僕たちがDJするときは、すごくUKらしさを出すか、UKらしくないふりをするかの二択しかなかった。

とはいえ、ダンス・ミュージックにおいて自分のサウンドをクリエイトすることはとても難しいと思います。

JO:たしかに自分のサウンドをクリエイトするのは難しい。ダンス・ミュージックの良いところは、機能性がベースになって作られているところだ。クラブ環境という設定で聴くのが前提だから機能性が重要視される。だからあまり仰々しくなったり派手なダンス・ミュージックは作れない。コードが変化するダンストラックなんてあまり聴いたことないだろう(笑)? 機能重視というのはそういうことで、僕はダンス・ミュージックのそういう所が好きなんだ。でもそういう領域において自分のアイデンティティを作っていくのは難しいことだと思う。だからミックステープのような作品を作る方が適していると思ったんだ。僕のミックステープから1曲だけを聴いても、あまりアイデンティティが感じられないかもしれないけれど、ミックステープを通しで聴くと僕のアイデンティティが浮上してくるかもしれないだろ? 

たしかに。ちなみに、とくに尊敬しているテクノ、ハウスのプロデューサーは誰ですか?

JO:リカルド・ヴィラロボスは昔から好きだね。彼のレコードはずっと集めてきたよ。リカルドの良いところは彼の音楽を聴いているとその世界に引き込まれるし、それに僕がやっている音楽とはまったく違うから面白いと思うんだ。あとは何だろうな……最近はあまりエレクトロニック音楽を聴かないんだよ。以前は膨大な量のエレクロトニック・ミュージックを聴いていたけれど、最近はそのペースも落ちてきて、あまり聴かないんだよね。ポルトガルのリズボンにある〈プリンシペ〉というレーベルの若手プロデューサーの音楽を集めていて、すごく刺激を受けるね。
 ただ、従来のハウスやテクノやエレクトロニック・ミュージックには、最近あまりイノベーションが起こっていない気がする。固定概念がなくて、他人の意見を気にせずにいろいろな音楽を聴いている若い子たちのほうが面白いものを作っていると思う。彼らから直接的な影響はないにしても、彼らの意欲やエネルギーを感じると、僕もワクワクしてくる。UKのグライムやジャングルも同じ理由で好きだ。そのシーンにあったエネルギー。そのシーンにいた人たちは決して音楽の専門家でも熟練のミュージシャンでもなかったけれど、素晴らしい音楽を作った。素直な音楽なんだ。考え過ぎたり、自分を疑うことを一切しないで、自分が良いと思ったものを純粋に共有する。そういう音楽が僕に刺激を与えてくれる。

ちなみにジョイ・オービソンという名義は、ロイ・オービソンとジョイ・ディヴィジョンの合体ということだそうですが、なんでもこのふたつになったんですか? 

JO:そういう風に考えたことはなかったね。

その情報は違ってましたか?

JO:DJをやりはじめたとき、フライヤーに載せる用の名前が必要だと友だちに言われた。その当時、バンド名がある人物の名前だったり、俳優の名前だったりすることが流行っていた。他にもいくつか名義があったんだけど、この名前だけ残ったんだよ。何でこの名前にしたんだっけなぁ……でも当時、僕がいたシーンでこういう名前のアクトはいなかったから、あえてこういう名前にしたというのは覚えているよ。ダンス・ミュージックの名義ではバカっぽい感じのものもあったけれど、ダブステップはシリアスな感じの名義が多かった。僕はシリアスではなかったし、お客さんに僕のことをシリアスに捉えてもらいたくなかった。いまでもそう思うところはあるよ。僕は、ジョイ・オービソンと呼ばれるのが気に入っているわけじゃないけれど、この名前を見ると、少しふざけているというか、お茶目な感じがするから、つねにそういう軽い感じをリマインドしてくれる名義なんだ。
 僕は他のミュージシャンやアーティストとスタジオでセッションをしたりするんだけど、スタジオでみんな僕のことをジョイと呼ぶんだ。それが僕の名前だと思ってるんだろうね。若い子なんかはきっとロイ・オービソンも知らないと思うし。そういうのって面白いと思う。

では、この名前には、まったく異なるモノをミックスしたいというあなたのコンセプトも含まれているのでしょうか? ロイ・オービソンとジョイ・ディヴィジョンというミュージシャンやバンドをイメージしていなかったとおっしゃっていましたが、その辺はいかがでしょうか?

JO:イメージしていなかったけど、昔からダンス・ミュージックとはまったく関係無いアーティストや人物を引き合いに出して、自分のことを説明してきたというのは覚えている。僕のWikipediaのページにも自分が受けた影響が挙げられているけれど、それは僕が当時挙げていた影響なんだよ。少し抽象的にしたかったんだと思う。ダンス・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックにはシリアスな一面があって、殺風景でテクニカルなベッドルーム・プロデューサーみたいなイメージがある。僕はそうなりたくなかったし、僕はテクニカルでもない。だからバンドなんかを影響として挙げていたんだよ。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなんかも挙げていたんじゃないかな。僕の音楽はまったくマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとは似ていないけどね(笑)! 自分の音楽に近いかもしれない音楽を教えたらいろいろとばれちゃうだろ(笑)? ダンス・ミュージックという枠組みから出て、まったく違うものを引き合いに出して話せるということの方が面白いと思うね。

その通りで、あなたの初期の影響に、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが挙げられています。また、ビーチ・ボーイズ、ヨーゼフK、GGアレンなのどのロック・バンド/アーティストもあると聞きますが、いまでもダンス・ミュージック以外からの影響はありますか?

JO:もちろんあるよ。僕は家でエレクトロニック・ミュージックをあまり聴かない。DJをしているとDJをしている週末はずっとエレクトロニック・ミュージックを聴いているから、家では聴かなくなるんだ。僕の叔父も家ではドラムンベースを聴いていなかった。なぜ家で聴かないのかと訊いたら、週末はそれをずっと聴いているからと言っていた。いまの僕もそれと同じで、少しは聴くけれど、積極的には聴かない。たとえば僕はスロウダイヴというバンドが大好きなんだけど、僕の音楽に彼らの影響は少し出ている気がする。今後の作品にもそういう影響が少しずつ出ていくと思うけれど、僕はあまりジョイ・オービソンというプロジェクトを困惑させたくないんだ。ジョイ・オービソンのパンク・アルバムなんて誰も聴きたくないだろう(笑)? だからジョイ・オービソンはこういうサウンドというのがある程度明確にあったほうがいいと思う。僕は他のアーティストの音楽のプロダクションもやっていて、自分の名前をクレジットに入れたり入れなかったりする。プロダクションをやるときは、自分のアーティスト名義とは関係なしに、さまざまなスタイルやサウンドで実験できるから楽しいよ。でも、GGアレンは挑発的な回答として挙げただけかもしれない。いまなら影響として挙げないだろうな(笑)。

アルバムは2019年のEP「Slipping」の進化型ということですが、「Still Slipping」とはどういうニュアンスなのでしょうか? 最後の曲も“Born Slipping”なわけで、この「Slipping」とはどんなニュアンスなのか教えて下さい。

JO:僕はなぜか「Falling」や「Slipping」という表現に惹かれるというか、「Hyph Mngo」のB面に「Wet Look」という曲があって、そこには「I’m falling and I can’t get up」という声が入っている。また「81b」という曲の内容も「falling(落ちる、転ぶ)」ことについての声が入っている。そして『Slipping』のシリーズ…。「Slipping」の意味としては、「You're caught slipping」という表現があってそれは、自分のいるべきではないところにいるところを見つかってしまうという意味があるんだ。そして僕の解釈としては、ずれている(場違い)というイメージもある。僕は、自分のやっている音楽活動は、適当に上手くやって人を納得させるという、ずるいところがあると思っている。僕は熟練したミュージシャンでもないし、素晴らしいアーティストというわけでもないからね。でもやれることはやってる。「Slipping」は自分の活動のそういう性質を捉えている表現だと思うんだ。
 僕には、最初からずれている(born slipping)という感覚があるんだ。ガールフレンドからも「You’re punching above your weight(自分の実力ではかなわない相手と張り合っているわね)」と言われているんだけど、そういう態度が好きなんだよ。それは父親の影響があるかもしれない。父親は貧しい育ちだったけれど、エンジニアとしての仕事を熱心にやって、貧しい生活から抜け出した。そんな父親を最高だと思う。だから僕も実力以上のことをしようとするという姿勢が大好きなんだ。あまりインタヴューでこういうことは話さない方がいいと思うんだけど、僕はミュージシャンとしての資格があるわけではないからね。だから「Slipping」は、自分のベストを尽くすという姿勢を素直に表している表現だと思う。

ダンス・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックにはシリアスな一面があって、殺風景でテクニカルなベッドルーム・プロデューサーみたいなイメージがある。僕はそうはなりたくはなかった。

UKの新進気鋭のプロデューサーを6人ほどフィーチャーしていますが、これにはどんな意図があったのでしょう? また、あなたが他の誰かと共作することを好むのは何故でしょう?

JO:コラボレーションするのが好きなんだよ。音楽の最高なことのひとつは、自分のまわりや、自分の街や、自分のシーンで起きていることと繋がることができることだと思う。自分だけの世界にこもって1人で作業していたら、外の世界と食い違いが生じるかもしれないし、個人的にも面白いと思わない。今回のミックステープにフィーチャーされているプロデューサーのほとんどはロンドンにいる僕の友だちで、僕たちはよく一緒に仕事をする。彼らとはたくさんの音楽を一緒に作ってきたんだけど、今回はそのなかでもミックステープに合うものを収録した。だから他にもたくさん彼らと作ってきた音楽があるんだよ。

日本のファッション・ブランドのC.E.からはカセットテープも出していますし、彼らのパーティでDJもしていますが、この先もC.E.となにかやる予定はありますか? 

JO:もちろんやりたいと思っているよ! C.E.のトビーとは昔からの友だちで、今回のミックステープのグッズとしてトビーが企画したC.E.とのコラボアイテムを出す予定なんだ。パーティもまた一緒にやると思うし、いろいろなコラボレーションをやっていきたいと思う。僕が日本でやったパーティは全部、C.E.絡みなんだ。本当に感謝しているよ。すごく良かったからね。C.E.のパーティは音楽だけじゃない。カルチャーなどが包括された集まりになっているからこそ、最高だと思う。

UKはとりあえクラブも通常営業に戻っていますよね。あなた自身の活動もCovid-19以前に戻っていけそうですか?

JO:どうだろうな。来週末にギグがあるから、1年以上ぶりのギグになるけれど、まだ先のことはわからない。しばらく様子を見ることにするよ。奇妙な感じはするけどね。僕は今後についても注意深く行動したいと思っている。僕はイギリスの政府を信用していないから、政府のいうことを鵜呑みにしないで、自分たちで考えて正しい決断をしないといけないと思う。早く通常の生活に戻って欲しいとは思うけれど、正しいタイミングでそうなって欲しい。急かすことではないと思うんだ。ダンス・ミュージックやダンス・カルチャーはそもそもみんなが自分自身を表現できる場であり、みんなが解放されたり、息抜きができる特別なところなんだ。その場所が、リスクの可能性のある場所になってしまうとなると本来の意味をなさない。本末転倒だよ。だから今後どうなるかはまだわからないね。もちろん通常の生活に戻って欲しいと思っているけどね。

DMBQ - ele-king

 3年前、13年ぶりのアルバム『KEEENLY』を発表したDMBQ。コロナ禍によりライヴを休止していた彼らが、ふたたび爆音を打ち鳴らす。まずは9月26日@札幌、10月8日@名古屋、10月14日@広島の3公演。後二者では「DMBQと○○」という形式で、DMBQと交流のあるバンドとの2マンが予定されている(おとぎ話とLOSTAGE)。12月には渋谷、大阪での開催も視野に入れている模様。楽しみにしていよう。
(ちなみに10~11月にはイギリスやEUでの公演も控えているとのことで、海の向こうとこの国のコロナ状況の違いを痛感させられます。)

コロナ禍によりしばらくライブ活動を休止していたDMBQが、いよいよライブ活動を再開する。

復帰第一弾に選んだのは、地元札幌Bessie Hall。久しぶりの札幌でのライブで休止からの再スタートを切る決意だ。続いて名古屋、広島ではクラブクアトロとタッグを組んだ新企画「DMBQと○○」を開催。毎回DMBQと交流のある1アーティストを招聘した2マン形式でのライブを開催してゆくシリーズで、今回の名古屋ではおとぎ話と、広島ではLOSTAGEとの競演を果たす。12月には同シリーズで渋谷、大阪でも開催予定だ。いずれの公演も感染症対策に則り客席数を制限して開催される。チケットはチケットぴあ、ローソンチケット等で8月14日より発売予定。

また、10月~11月にかけてUK, EUへのツアー、フェス参加も予定。日々変わりつつあるコロナの状況やワクチン、出国・帰国の際の自主隔離への対応次第という所もあり詳細はまだ決まりきっていないとのことだが、海外活動の多いDMBQらしく、コロナ共生へとシフトを切りつつあるヨーロッパの状況をいち早く体感してくる予定とのこと。

公演情報:

DMBQ 札幌公演

9月26日(日) 札幌BESSIE HALL
開場16:00 開演16:30 チケット¥3500+1D
お問合せ:ベッシーホール 011-221-6076 Wess 011-611-1000

DMBQ Presents
「DMBQと おとぎ話」


10月8日(金) 名古屋クラブクアトロ
開場18:15 開演19:00 チケット¥4000+1D
お問合せ:名古屋クラブクアトロ 053-264-8211

DMBQ Presents
「DMBQと LOSTAGE」


10月14日(木) 広島クラブクアトロ
開場18:15 開演19:00 チケット¥4000+1D
お問合せ:広島クラブクアトロ 082-542-2280

owls (GREEN ASSASSIN DOLLAR & rkemishi) - ele-king

 GREEN ASSASSIN DOLLAR と言えば、舐達麻などのプロデュースで近年大きな注目を集めているビートメイカーだ。その GAD とMCの rkemishi (エミシ)から成るユニット、owls が昨年発表したセカンド・アルバム『24K Purple Mist』が完全限定プレスにてアナログでリリースされる。
 さらに、同作のアートワークを手がけたえすうとのコラボ企画として、限定ボックスセット『24K Purple Mist - ESSU Edition』も発売される。こちらは完全手づくりのすごい内容になっているようなので、チェックを。詳細は下記より。

owlsのセカンド・アルバム『24K Purple Mist』が完全限定プレスでアナログ化! さらにジャケットを描いたライター、"えすう" とのコラボによるスペシャルなボックスセット『24K Purple Mist - ESSU Edition』が完全限定20セットで発売! 8/6(金)18時より予約受付開始!

 舐達麻などの楽曲プロデュースでシーン内外・多方面から大きな注目を集めているGREEN ASSASSIN
DOLLARと東京ストリートで暗躍する要注意人物なMC、rkemishi(エミシ)による世間を騒がす噂のユニット、owls(オウルズ)。STICKY(SCARS)やDOGMA、T2K a.k.a. Mr. Tee、Gottz(KANDYTOWN)とそうそうたる面々が参加し、大きな話題となった2020年リリースのセカンド・アルバム『24K Purple Mist』が完全限定プレスで待望のアナログ・リリース!
 今回のアナログ盤には川崎のレジェンダリーなラッパーであるA-THUG(SCARS)、SEEDA作品などでも知られる人気シンガーのEMI MARIAを迎え、GREEN ASSASSIN DOLLARが新たにトラックも作り直し、アルバム・リリース後にデジタル・シングルとしてリリースされた話題曲 "blessin remix" もボーナストラックとして収録!
 さらにジャケットを描いたライター、"えすう" とのコラボレーション<owls x えすう>としてのボックスセット『24K Purple Mist - ESSU Edition』が完全限定20セットで発売! そのジャケットデザインをえすう自身がハンドペイント&シルクスクリーンプリントしたスペシャルなLP、ジャケットデザインをパックプリントして "えすう" がシルクスクリーンなどを加えたオリジナルTシャツ、"えすう" が手掛けたowlsのジン、レンチキュラー(3D)ポストカード、ステッカーをセットにしてボックスにコンパイル。さらにそのボックス自体も "えすう" のデザインでパッケージングしたオンリーワンな逸品で、こちらはP-VINE OFFICIAL SHOPでのみ20セット限定で予約を受け付けております。(※ボックスセットの予約・購入はお一人様2セットまでとなります)

*owls x えすう "24K Purple Mist - ESSU Edition" 予約ページ / ※8/6(金)18時より受付開始
https://anywherestore.p-vine.jp/products/owls-24klpdx

★ボックスセットに関する注意事項
※ひとつひとつが手作りになりますので色味やデザインなどが商品ごとに異なり、作品の性質上Tシャツやジャケット、ボックスなどにインクなどが付着している可能性もあります。あらかじめご了承ください。
※商品発送は8/25(水)を予定していますが、新型コロナウィルスやオリンピック・パラリンピック開催による状況などによっては発送が遅れる可能性がございます。あらかじめご了承ください。
※受注数が販売予定数に到達した時点で受注は終了となります。
※オーダー後のキャンセル・変更は不可となります。
※配送の日付指定・時間指定は出来ません。
※TシャツのボディはGILDAN T2000 6oz ウルトラコットンヘビーウェイトになります。

[LP情報]
アーティスト:owls
タイトル:24K Purple Mist
レーベル:P-VINE, Inc.
発売日:2021年8月25日(水)
仕様:LP
品番:PLP-7145
定価:3,520円(税抜3,200円)
Stream/Download/Purchase:
https://smarturl.it/owls_24KPurpleMist

[ボックスセット情報]
アーティスト:owls x えすう
タイトル:24K Purple Mist - ESSU Edition
レーベル:P-VINE, Inc.
発売日:2021年8月25日(水)
仕様:シルクスクリーンジャケットLP+オリジナルTシャツ+ジン+レンチキュラーポストカード+ステッカー〈特殊ボックス仕様〉
定価:22,000円(税抜20,000円)

LP:トラックリスト ※ボックスセットのLPも同内容になります。
SIDE A
1. owl side theory
2. killah
3. greedy feat. Gottz
4. back yard
5. 4:20 feat. DOGMA
6. mood at shibuya
SIDE B
1. b2h
2. smoke sleep (co-prod. Aru-2)
3. blessin
4. fonk you
5. 4:20 remix feat. T2K a.k.a. Mr.Tee & STICKY
6. blessin remix feat. A-THUG & EMI MARIA (Bonus Track)

Phew - ele-king

 先日ニュー・アルバム『New Decade』のリリースがアナウンスされた Phew ですが、嬉しい続報です。10月22日に発売される日本盤CDと輸入盤LP、それぞれにTシャツ付きの限定盤が登場! ディスクユニオンのみで購入できます。どちらもS、M、L、XLの4サイズあり。数に限りがあるため、早めに予約しておきましょう。

Phew、ニュー・アルバム『ニュー・ディケイド』のTシャツ付限定盤をディスクユニオン限定で発売!

Phewのニュー・アルバム『ニュー・ディケイド』(New Decade)のTシャツ付限定盤がディスクユニオン限定で発売されることとなった。Tシャツのデザインは、ニュー・アルバムのアートワークを手掛けた鈴木聖、写真は塩田正幸によるもので、対象商品は日本盤CDと輸入盤LPとなり、オリジナル商品と同様10月22日に発売される。

Traffic / MUTEレーベルよりワールドワイド・リリースされるニュー・アルバム、現在は第一弾先行シングル「Into The Stream」が公開されている。日本盤CDには、20分以上にも及ぶドローン作品「In The Waiting Room」がボーナス・トラックとして収録される。

■ディスクユニオン 予約リンク
https://diskunion.net/jp/ct/news/article/0/98955

■第一弾先行シングル「Into The Stream」ミュージックビデオ
(青木理紗監督)
https://youtu.be/K060lQ7sEAU

■ニュー・アルバム詳細
https://trafficjpn.com/news/phew-2/

■プレスリリース抜粋
「感傷的なものは排除したかった」と語る、約30年ぶりにMuteから発売されるアルバム『ニュー・ディケイド』は、世界の、自己陶酔する偽物たちへの彼女からの断固たる反撃なのだ。「今の状況を考えると、私はラッキーだったのかもしれません。昨年は特に、生きているだけでもある意味、幸運という状況でしたから。ミュージシャンやアーティストとして、自分の気持ちを率直に語ることができるのは、このような状況下においてはある種の特権であり、それを濫用してはいけないと感じました」

「30年前には、“ニュー” という言葉は、進歩や物事がよくなることの同義語でした」と、80年代のバブル期の日本が熱狂した拡大主義を思い出して、Phewがいう。「今はもう、そんな事は信じていません」そして、このアルバムを通して、時間の認識についての、緩いコンセプトが流れているのだという。「80年代、そして90年代までは、物事が過去から現在、未来へという流れで進行していましたが、特に21世紀が始まって以来、その流れが変わってしまったと感じます。個人的には、現在から連なる未来というものが、見えなくなってしまいました」

*プレスリリース全文
https://trafficjpn.com/news/phew-pr/

■商品概要

アーティスト:Phew (Phew)
タイトル:ニュー・ディケイド:Tシャツ付限定盤(New Decade: Limited Edition with T-Shirts)
発売日:2021年10月22日(金)

Tracklist
1. Snow and Pollen
2. Days Nights
3. Into the Stream
4. Feedback Tuning
5. Flashforward
6. Doing Nothing
7. In The Waiting Room (日本盤CD:bonus track)

●仕様: 日本盤 CD+T-SHIRTS

定価:5,450円(税抜)
サイズ:S、M、L、XL

●仕様: 輸入盤 LP+T-SHIRTS

定価:6,264円(税抜)
サイズ:S、M、L、XL

*Tシャツ・サイズ、品盤など詳細
https://trafficjpn.com/releases/phew-new-decade-shirts/

[ディスクユニオン 予約リンク]
https://diskunion.net/jp/ct/news/article/0/98955

■プロフィール

伝説のアート・パンク・バンド、アーント・サリーの創設メンバーであり、1979年解散後はソロとして活動を続け、1980年に坂本龍一とのコラボレーション・シングルをリリース、1981年には、コニー・プランク、CANのホルガー・シューカイとヤキ・リーベツァイトと制作した1stソロ・アルバム『Phew』を発売。1992年、MUTEレーベルより発売された3rdアルバム『Our Likeness』は、再びコニー・プランクのスタジオにて、CANのヤキ・リーベツァイト、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのアレックサンダー・ハッケ、そしてDAFのクリスロ・ハースと制作された。2010年代に入り、声と電子音楽を組み合わせた作品を次々に発売し、エレクトロニック・アーティストとしても世界的評価を高めた。ピッチフォークは「日本のアンダーグラウンド・レジェンド」と評している。また、アナ・ダ・シルヴァ(レインコーツ)、山本精一(ex. ボアダムス)等とのコラボレーション作品も発売。2021年10月、最新ソロ・アルバム『ニュー・ディケイド』はTraffic/Muteより世界発売。

https://www.instagram.com/originalphew007/
https://twitter.com/originalphew
https://www.facebook.com/Phew-508541709202781
https://phewjapan.bandcamp.com/merch

Sam Gendel - ele-king

 LAを拠点に活動するサキソフォニスト、サム・ゲンデル。カルロス・ニーニョとの交流やヴァンパイア・ウィークエンド作品への参加などでも知られ、昨年は〈Nonesuch〉に移籍したことも話題となった。そんな彼がかつて組んでいたバンド、インガの音源がリイシューされる。幻のデビュー・アルバムに未発表曲を追加した、日本独自のCD盤とのこと。ローランド・カーク “Volunteered Slavery” のカヴァーも収録されているそうです。注目。

SAM GENDEL
inga 2016

“現代のアウトサイダー・ジャズ”(Pitchfork)と評され、米名門レーベル・ノンサッチからのリリースで更に注目を集める、新進気鋭のサックス奏者 Sam Gendel (サム・ゲンデル)が結成していた INGA 初のフィジカルリリースが日本企画で実現!!

サム・ゲンデルによるジャズ・グループ、インガ(Inga)の音源が遂にリイシュー! 封印された幻のデビュー・アルバム『en』とローランド・カークの “Volunteered Slavery” を収録したEP、そして未発表曲から、サム・ゲンデル自身が厳選した、日本限定のスペシャル盤がマスタリングされCDで発売! 今最もクリエイティブな音楽を奏でているといっても過言ではない作曲家サム・ゲンデル。アートワークも自身のデザインによるもの。

サム・ゲンデルが、ドラマーのケヴィン・ヨコタ、ギタリストのアダム・ラトナーと組んでいたのが、インガだ。封印されてしまった幻のファースト・アルバムとEPには、ラサーン・ローランド・カークのカヴァーをはじめ、実に魅力的な音楽が収められていた。プロデューサーとしてというより一リスナーとして、サムにリリースの提案をし、彼自らの選曲でその封印が解かれることとなった。この音楽を再び聴けることが何より嬉しいし、いまサムの音楽に惹かれている人にも必ずや響く音楽だと思う。(原 雅明 rings プロデューサー)

アーティスト : Sam Gendel (サム・ゲンデル)
タイトル : inga 2016 (インガ2016)
発売日 : 2021/10/6
価格 : 2,727円+税
レーベル/品番 : rings (RINC80)
フォーマット : CD (日本企画限定盤)
BARCODE : 4988044068803

Official HP : https://www.ringstokyo.com/samgendelinga2016

Shintaro Sakamoto - ele-king

 昨年7インチとしてリリースされた坂本慎太郎 “ツバメの季節に” のMVが公開されている。スーパー8mmフィルムで撮影された映像が独特の雰囲気を醸し出しているが、監督はなんと、昨年『エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト』という野心的なアルバムを送り出した井手健介。マスク=仮面をかぶった坂本が都内をうろつく様は、コロナ時代へのリアクションのようだ。味わい深いヴィデオです。

 なお、同じく7インチとして昨年リリースされていた「好きっていう気持ち」のB面、“おぼろげナイトクラブ” のMVも2週間前に公開されたばかり。こちらも必見です。

坂本慎太郎、2曲連続MV公開! 第2弾は「ツバメの季節に」MV公開!

昨年7inch×2枚とデジタルでリリースし、先日海外のRSDで12inchとして再リリースしたEPより、第一弾の「おぼろげナイトクラブ」に続いて、「ツバメの季節に」のミュージック・ビデオが完成致しました。

監督・撮影・編集は自身もミュージシャンとして活動する井手健介。今回のMVもスーパー8mmフィルムで撮影されました。

第一弾MVは、マスクをした坂本が失われたナイトライフの幻影を眺めているような「おぼろげナイトクラブ」、
そして、今回の第二弾MVは、マスクをした坂本が昼間の東京をひたすら徘徊する「ツバメの季節に」。

どちらもコロナ禍で製作された楽曲のイメージを、井手監督が昼と夜の対比と8ミリフィルムの質感で見事に表現しました。

第2弾MV
- ツバメの季節に / 坂本慎太郎 (Official Music Video)-
https://youtu.be/zaSwGfCouMM

第1弾MV
- おぼろげナイトクラブ / 坂本慎太郎 (Official Music Video)-
https://youtu.be/83jO9Ocho2c


[リリース情報]

The Feeling Of Love / Shintaro Sakamoto

M-1: The Feeling Of Love (好きっていう気持ち)
M-2: Obscure Nightclub (おぼろげナイトクラブ)
M-3: By Swallow Season (ツバメの季節に)
M-4: Don't Tinker With History (歴史をいじらないで)

Written & Produced by Shintaro Sakamoto
Recorded, Mixed & Mastered by Soichiro Nakamura @ Peace Music, Tokyo Japan 2020

Vocals, Electric, Lap Steel. Keyboard & vocoder: Shintaro Sakamoto
Bass & Chorus: AYA
Drums, Percussion & Chorus: Yuta Suganuma
Flute & Soprano Saxophone: Tetsu Nishiuchi

Digital Links (now available):
https://virginmusic.lnk.to/TheFeelingOfLove

* 国内では2020年に7inch×2枚、海外では12inch vinylで2021年7月17日にフィジカルリリース。デジタルでは4曲とも配信中。

●坂本慎太郎プロフィール 

1989年、ロックバンド、ゆらゆら帝国のボーカル&ギターとして活動を始める。
2010年ゆらゆら帝国解散後、2011年に自身のレーベル、”zelone records”にてソロ活動をスタート。
今までに3枚のソロ・アルバム、1枚のシングル、9枚の7inch vinylを発表。
2017年、ドイツのケルンでライブ活動を再開し、国内だけに留まらず、2018年には4カ国でライヴ、そして2019年にはUSツアーを成功させる。 
今までにMayer Hawthorne、Devendra Banhartとのスプリットシングル、2019年には、ブラジルのバンド、O Ternoの新作に1曲参加。
2020年、最新シングル『好きっていう気持ち』『ツバメの季節に』を7inch / デジタルで2か月連続リリース。
2021年、Allen Ginsberg Estate (NY)より公式リリースされる、「Allen Ginsberg’s The Fall of America: A 50th Anniversary Musical Tribute」に参加。
様々なアーティストへの楽曲提供、アートワーク提供他、活動は多岐に渡る。 

official HP: www.zelonerecords.com

●井手健介プロフィール

音楽家。東京・吉祥寺バウスシアターの館員として爆音映画祭等の運営に関わる傍ら、2012年より「井手健介と母船」のライヴ活動を開始。様々なミュージシャンと演奏を共にする。
バウスシアター解体後、アルバムレコーディングを開始。2015年夏、1stアルバム『井手健介と母船』を発表する。2017年には12inch『おてもやん・イサーン』をリリース。
その他、映像作品の監督、楽曲提供、執筆など多岐に渡り活動を続ける中、2020年4月、石原洋サウンドプロデュース、中村宗一郎レコーディングエンジニアのタッグにより制作された、「Exne Kedy And The Poltergeists」という架空の人物をコンセプトとした2ndアルバム『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists(エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト)』をリリース。連作として12inch『エクスネ・ケディの並行世界』、ライヴアルバム『Strolling Planet ’74』を発表する。

official HP: https://www.idekensuke.com

Amyl and The Sniffers - ele-king

 これはかっこいいぞ。メルボルンのパンク・バンド、アミル・アンド・ザ・スニッファーズがセカンド・アルバム『Comfort to Me』を〈Rough Trade〉から9月10日にリリースする。
 スリーフォード・モッズの新作を聴いていたひとは、“Nudge It” でヴォーカルのエイミー・テイラーがフィーチャーされていたことを覚えているだろう。「資本 資本/私はただの動物」(“Capital”)、「知性があることを証明してよ」(“Don’t Fence Me In”)、「夜が訪れたら このナイフの出番/ちゃんと家に帰り着くために」(“Knifey”)と、ストレートなパンク・サウンドに載せて歌われるリリックはとても喚起力豊かでメッセージ性も高い。墓場で踊る “Security” に車で叫ぶ “Guided By Angles” と、MVもクールなのでぜひチェックを。

Amyl and The Sniffers
電光石火の稲妻パンクス凱旋!
最新作『Comfort to Me』9月10日発売!
早くも2ndシングル「Security」をビデオと共に公開!!!

ストレートでピュアなパンク・サウンドを継承し、フー・ファイターズ、ウィーザー、キング・ギザード・アンド・リザード・ウィザード、スリーフォード・モッズをも虜にしたオージー・パンクスの星、アミル・アンド・ザ・スニッファーズ。先日セカンド・アルバム『Comfort to Me』を9月10日にリリースする事を発表した。アルバムの発売と同時に公開された「Guided By Angles」は既に各所で絶賛される中、早くも2ndシングル「Security」をビデオと共に公開!中毒性のあるフックと、フロントウーマンのエイミーの気迫のこもったボーカルが印象的な1曲!

Security
https://www.youtube.com/watch?v=j5DZA2NLYis

Guided By Angles
https://www.youtube.com/watch?v=Z--D1flPLnk

2020年末にバンドはプロデューサーのダン・ラスコム(ドローンズ/コートニー・バーネット)とスタジオに入り、最新作『Comfort To Me』のレコーディングを行った。アルバムの歌詞は、ボーカルのエイミー・テイラーが影響を受けたラップのヒーローや無数のガレージバンドが由来となっており、ニック・ローネイ(ニック・ケイヴ、アイドルズ、ヤー・ヤー・ヤーズ)がミックスを手掛け、バーニー・グランドマン(マイケル・ジャクソン、プリンス、ドクター・ドレー)がマスタリングを手掛けた。

アミル・アンド・ザ・スニッファーズ待望の最新作『Comfort to Me』は9月10日に世界同時リリース。ボーナス・トラック「Crave」を追加収録し、歌詞対訳・解説が付属する国内盤CDに加え、輸入盤CD/LP、デジタルと各種フォーマットで発売される。輸入盤LPは通常盤のブラック・ヴァイナルと限定盤のローマー・レッド・ヴァイナルの2種類が発売される。

先日公開されたシングル「Guided By Angles」へのメディアからのコメント:

「Guided By Angles」は中毒性の高い傑作 ──THE FADER
大きなリフと雷鳴のようなドラムの上でエイミー・テイラーがカタルシスのある聖歌のようなヴォーカルを朗々と歌い上げる独特のポストパンク・エッジを持つトラック ──The Rolling Stone
ライオット・ガールの名曲を思い起こさせる盛り上がった曲だ ──Consequence of Sound
信じられないほどのスリルがある。リード・シンガーのエイミー・テイラーの無限のカリスマ性を表現した公式MVはさらに素晴らしい ──PAPER
ヴォーカルのテイラーは、宇宙の構造そのものを探究している。それは、この世とその先にあるものをつなぐエネルギーであり、私たちを仲間と一緒に団結させるものだ ──PASTE


Amyl and The Sniffers
アミル・アンド・ザ・スニッファーズは、エイミー・テイラー(vo)、ガス・ローマー(b)、ブライス・ウィルソン(ds)、デクラン・マーチンス(g)の4人組バンド。2016年にオーストラリアのメルボルンでバンドを結成した。オーストラリア、ロンドン、北米でも複数のライブがソールドアウトさせ、英国の有名音楽誌Q Magazineが主催するQAwardsの新人賞にもノミネートされた。2019年5月に〈Rough Trade Records〉からデビュー・アルバムを『Amyl and The Sniffers』リリースし全世界から注目を浴びた

label: BEAT RECORDS / ROUGH TRADE
artist: Amyl and The Sniffers
title: Comfort to Me
release date: 2021/09/10 FRI ON SALE


国内盤CD
国内盤特典:ボーナス・トラック追加収録/解説書・歌詞対訳封入
RT0250CDJP 2,200円+税
BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11967

・日本盤CD(解説・歌詞対訳付/ボーナストラック追加収録)
RT0250CDJP / 4580211855225 / 2200円+税
https://tower.jp/item/5223953

・輸入盤CD
RT0250CD / 191402025026 / OPEN
https://tower.jp/item/5223950


・輸入盤LP
RT0250LP / 191402025019 / OPEN
https://tower.jp/item/5223951


・限定輸入盤LP(ローマレッド・ヴァイナル仕様 / Indie Exclusive)
RT0250LPE/ 191402025002 / OPEN
https://tower.jp/item/5223952

Mykki Blanco - ele-king

 現在はLAに暮らすラッパー、2010年代前半にいわゆるクィア・ラップの道を切り拓いた先駆者、ミッキー・ブランコが久しぶりに作品をドロップしている。『Broken Hearts & Beauty Sleep』と題されたミニ・アルバムで、レーベルは〈Transgressive〉、エグゼキューティヴ・プロデューサーとしてフォルティDLが関わっているようだ(シングル曲 “Free Ride” はフォルティとハドソン・モホークがコ・プロデュース)。アルバムとしては2016年の『Mykki』以来のリリースとなる。
 だいぶポップに振り切れた印象で、ゲストもブラッド・オレンジなど豪華な面々が招かれている。70年代のクワイエット・ストーム(スムースなソウル。スモーキー・ロビンソンのアルバム名に由来)やクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングからインスパイアされたそうだ。ミッキー・ブランコの新たな挑戦に注目を。


ラッパー、詩人、トレイルブレイザーのミッキー・ブランコが5年振りとなるオフィシャル作品をリリース。

フォルティDLのプロデュースによる9曲入りのミニ・アルバム『ブロークン・ハーツ・アンド・ビューティ・スリープ』、トランスグレッシヴより発売。

●ゲスト:ブラッド・オレンジ、ビッグ・フリーディア、カリ・フォー、ジャミーラ・ウッズ、ジェイ・キュー、ブルーノ・リベイロ他

2021.10.6 ON SALE

■アーティスト:MYKKI BLANCO(ミッキー・ブランコ)
■タイトル:BROKEN HEARTS AND BEAUTY SLEEP(ブロークン・ハーツ・アンド・ビューティ・スリープ)
■品番:TRANS522CDJ[CD/国内流通仕様]
■定価:¥2,400+税
■発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
■収録曲目:
1. Trust A Little Bit (God Colony Version)
2. Free Ride
3. Summer Fling (feat. Kari Faux)
4. It's Not My Choice (feat. Blood Orange)
5. Fuck Your Choices
6. Love Me (feat. Jamila Woods and Jay Cue)
7. Want From Me (feat. Bruno Ribeiro)
8. Patriarchy Ain't The End of Me
9. That's Folks (feat. Big Freedia)

Mykki Blanco - "Free Ride" (Official Video)
https://youtu.be/Nbcjzaa75PI

Mykki Blanco - "Summer Fling" feat. Kari Faux (Official Visualizer)
https://youtu.be/MTY2nNQTZ7Y

Mykki Blanco - "It's Not My Choice feat. Blood Orange" (Official Music Video)
https://youtu.be/ul6j69EFjhU

Mykki Blanco - "Love Me" (Official Audio)
https://youtu.be/ZR_OweYhT-U

●ラッパー、詩人、トレイルブレイザーであるMykki Blancoは、デビュー・アルバム『Mykki』以来、5年振りとなるオフィシャル作品をリリースする。この9曲入りのミニ・アルバム『Broken Hearts and Beauty Sleep』は、Transgressive Recordsとの契約の一環としてのリリースとなり、FaltyDLがプロデュースを担当。スペシャル・ゲストとしてBlood Orange(Dev Hynes)、Big Freedia、Kari Faux、Jamila Woods、Jay Cue、Bruno Ribeiro等がフィーチャーされている。アルバムには、微妙なニュアンスを持ったジャンルをまたぐ楽曲が収録され、経験と成熟を持つ人間の反射的な知恵が示唆されている。ここでは、アーティストとっての新たな時代の到来を導き入れながら、人生と愛を念頭に置くだけではなく、これまで以上に大きな個人的なギャンブルが打たれている。

●Mykki Blancoはアメリカのラッパー、詩人、パフォーマー、活動家だ。2012年にEP「Mykki Blanco & the Mutant Angels」でデビュー。「Betty Rubble: The Initiation」(2013年)、「Spring/Summer 2014」(2014年)と2枚のEPを経て、2016年9月にデビュー・アルバム『Mykki』をリリース。クィア・ラップ・シーンのパイオニアとして知られ、Kanye WestやTeyana Taylor等とコラボレート。MadonnaのMVへ出演し、Björkとツアーを行なったりもしている。

More info: https://bignothing.net/mykkiblanco.html

映画:フィッシュマンズ - ele-king

ジェイムズ・ハッドフィールド(江口理恵・訳)

 『映画:フィッシュマンズ』の終盤で、こだま和文は故・佐藤伸治が残した、この映画を一刀両断する批評のような気のきいたしゃれを思い出す。「お腹いっぱいって嫌だね」
 フィッシュマンズの進化は、より少ないことから多くを成し遂げる方法を探る、着実な蒸留のプロセスにあったといえる。佐藤が歌詞を極限のむき出しの状態にまで削ぎ落す一方、グループの音楽は、メンバーが縮小されるほど、可能性の広がりを見せた。監督の手嶋悠貴はそれに倣うことなく、小野島大の巨大な便覧のような『フィッシュマンズ全書』に近い、膨大な全能のデータを書き出すような映画を生み出した。3時間近くにおよぶこの作品は、ハードコアなファンが待ち望んだ、DVD『男達の別れ98.12.28@赤坂BLITZ』や『記憶の増大』を補完するような、徹底したオーラル・ヒストリー(口述歴史)である。それほど熱心ではないファンには、長い苦行のように感じるかもしれないが、そもそも彼らが3時間のドキュメンタリーをわざわざ観るとも思えない。
 映画の大部分が年代順の形をとっており、大学時代から1999年の佐藤の早すぎる死まで、バンドの歴史を丁寧に追い、最後に佐藤のいないフィッシュマンズの控えめな継続活動を描くコーダで終わる。手嶋は大量のVHSテープのアーカイヴを使用して、メルボルン(デビュー・アルバム『Chappie, Don’t Cry』のレコーディングを行った)での観客の少ないライヴから、1998年12月28日のライブの最終曲まで、バンドの軌跡の様々な場面での親密な姿を垣間見せている。
 しかし、この映画の真骨頂は、生き残ったメンバーやプロデューサーのZAKを含む重要人物たち、マネージャーの植田亜希子、音楽ライターの川崎大介、(さらに、UA、ハナレグミ、YO-KINGなど、定番の有名人の知人たちも登場)などのインタヴューの数々だ。映画の最初では茂木欣一が佐藤との出会いの場である大学のキャンパスの音楽室を再訪し、最後のほうでは日比谷野外音楽堂も訪れる。続く柏原譲が奥多摩の川辺の通路で話すシーンは、『LONG SEASON』 のジャケット写真が撮影された場所で、2019年の台風19号ハギビスで崩壊してしまったところでもあり、非常に痛切に心に迫ってくる。このシーンは、映画の、微かにへこんだような空気感を捉えている。手嶋は祝祭に乗り出すつもりだったのかもしれないが、ときにレクイエム(鎮魂歌)のようにも感じられる。

 『映画:フィッシュマンズ』はバンド内の力学を上手に捉えており、ときに記録を正そうと意識的に努力しているようにもうかがえる。ギタリストの小嶋謙介とキーボーディストのHAKASE-SUNが辞めることになった経緯やフィッシュマンズがポリドールとの契約によって──もっとも永続的な音楽を残した結果があるにもかかわらず──事実上、破滅してしまったことなどについて、深く、ときにどうでもよいディテールに延々と入り込む。佐藤が投影していた、自由奔放な性格というペルソナを考えると、フィッシュマンズのキャリアの初期に、最初の大ヒットを出すためにやるべきことの詳細なリストを記した手書きの日記を見るのは興味深い。ポリドールが彼らを次のスピッツにしたがっていたと、いま驚くのは容易だが、フィッシュマンズ自身がそのわずか数年前に、同じようなメインストリームの観客を獲得しようと試みていたのだ。
 佐藤のダークサイドについても示唆されてはいるのだが、彼を悲運の人物に見せようとはしていない。しかし、手嶋は、ミュージシャン佐藤の最後の1年が肉体的かつ精神的にも脆い状態になっていたことについて、真剣に議論する機会を逃してしまったのかもしれない。植田が、『男達の別れ』ツアーの頃には、佐藤がいかに疲労困憊し、酸素吸入をしなければならなかったことを明かしており、彼を助けるためにもう少し何かができたのではないかと思わずにはいられないのだ。

 本作で明らかになったことの多くは、熱心なファンにとっても新鮮なものだろう。手嶋は、フィッシュマンズを故人のフロントマンと同一視してしまう一般的な傾向を正してくれたことでも評価できる。エンドクレジットで流れる再結成されたフィッシュマンズの演奏に合わせて流れる佐藤の声のように、佐藤自身は映画のなかの、どこにでもいて、どこにもいない。『Orange』のロンドンでのレコーディング中、カフェテラスでのんびりとギターを弾いているような、もっともくつろいだ瞬間にも、その何気ない物腰とは対照的に強烈な存在感を放っている。(映画に出てくるインタヴュイーのなかでもっとも辛辣なHAKASEは、実際の佐藤は、ナイーヴなファンが想像したがるような、天真爛漫な楽天家のイメージとはかけ離れていたと語っている)

 正直なところ、私は『映画:フィッシュマンズ』が彼らの音楽の手法や完璧なダブ・ホップ・コンボがいかにして世田谷三部作のような崇高な高みに到達したのかについて、もう少し洞察を与えてくれるのではないかと期待していた。映画に収められているライヴの記録映像は、ほとんどがかなりお粗末なクオリティで、カムコーダーで撮影されたギグのヴィデオやスーパー8の映像、写真などのモンタージュの音楽の断片には度々アルバムからの音源が当てられている。ようやく曲の完全なパフォーマンスを見ることができるのは、映画の最後の1時間になってからで、1998年12月に赤坂ブリッツで行われたコンサートのローファイなヴィデオが登場する。この映像は露出度が高すぎてハレーションを起こしている状態で、彼らのキャリアのなかでもっとも多く記録されているライヴの映像にしてはあまり貢献していない。それよりも佐藤の自虐的なMCのクリップの方が、はっきり言って輝いている。

 映画のクラウドファンディングのキャンペーンで手嶋は、日本の自主製作による音楽ドキュメンタリーは、音源や記録映像のライセンスを取得するための莫大な費用にぶち壊されることが多いと説明した。同情を禁じ得ないが、そのような制約があるからこそ編集により有効な厳格さが求められ、本作でもインタヴューと音楽そのものの満足できるバランスが保たれるべきだった。もしも『映画:フィッシュマンズ』の意図が鑑賞者にオリジナル・アルバムへの回帰を促すことだとしたら、文句なしの成功といえるだろう。しかし、単独の映画としては過ぎたるは及ばざるがごとしであるがゆえに物足りなさも残る。

[[SplitPage]]

水越真紀

 フィッシュマンズのバイオグラフィーであり、佐藤伸治のそれでもあるこの映画は、基本的には若い頃から順に話が進む。けれども人間の記憶はもちろんそんなふうには収まっていない。残されているものは偏在しているし、改変されているところもある。因果関係が逆になっていることだってあるかもしれない。それを「物語」と呼ぶ人もいるが、そのような、不正確とも言える「記憶」そのものがその人であることの証でもある。そして実はどの「記憶」も、例えば佐藤伸治が亡くなってからの22年がその人に及ぼした変化とともに考えれば、ちっとも不正確なんかではないことも明らかだ。映画には、「今思い出しながら、考えながら話をしている人」がいて、純粋に過去に撮られた映像がある。それだけですでにふたつの「時間」があるわけで、さらにそれが前後行き来したり重なったりしながらいくつもの「時間」が行き交う。それがフィッシュマンズの音楽にとても合っていて楽しい。
 そういえば、佐藤伸治はフィッシュマンズを結成する前に「時間」という名前のバンドを組んでいた。25年前に雑誌の『ele-king』でインタヴューしたときに、そのバンド名の意味を訊ねると「いやー、ライヴのとき、「時間です」ってステージに出ていって、最後に「時間でしたー」って終わるのが面白いかと思って」なんて言っていた。例によってちょっとニヤニヤした感じで……。本当はもっと深い意味があったのか、それともただ冗談を言いたくて思いついた名前だったのかはわからなかった。あの頃、音楽ライターにとって、佐藤伸治のインタヴューというのは恐ろしい仕事だった。少なくとも私は怖かった。事務所のスタッフには「こないだは取材中に消えました」なんておどかされるほどで、とにかく話が短い。こちらから見ればシャイなのか、いたずらっけなのか、わざとなのか性格なのかわからないけれど、なんだかニヤニヤしながらこちらを見透かしたように笑ってるようでもあり、それこそ何も聞けないまま「時間でしたー」ってことになるのがオチだった。
 この映画はそんな佐藤伸治の「時間」の映画だと、2度目に観たときになんとなくわかった気になった。「時間」というバンド名は冗談を言うためではなく、佐藤伸治が生涯、抱えていたテーマだったのではないかと。この映画を観ていてわかったような気がしている。

 『映画:フィッシュマンズ』を観ていて感じるのは、「時間」というものは直線的に流れるものではないということだ。まさに、『LONG SEASON』完成後のインタヴューかなにかで、佐藤伸治がそんな話をしているシーンがある。〈普通に生きてる時間の流れじゃない時間がこの曲の随所にある。「今日が来て明日が来て」という日常で過ぎる時間だけじゃない、頭のなかにある時間もある〉というような短いシーンだ。フィッシュマンズの歌といえば、なんでもない日常の刹那の輝きやその景色を描いたものだとよく言われていた。冷戦が終わった後のあの頃は、いわゆる大きな物語が廃れ、文学でも音楽でもミニマリズムが主流になっていく時期で、佐藤伸治の作る歌詞はその時代の気分のなかでも、きわめて優れた表現だったように思う。けれども佐藤伸治のなかでは少し違っていたのだ。違うと言うより、単に刹那だの日常ということではなく、もっと悠久で、もっと広角で見た「時間」なるものを見つめていたのだと、私は22年後のこの映画に教えてもらった。
 アリストテレスが言ったように、「時間」とは変化のことだ。変化のないところに「時間」は流れない。逆に言えば、変化がある限り、「時間」は逆方向にだって流れることもある。「歴史にイフはない」とは厳密には間違ったことかもしれないのだ。とにかく「時間」はもっと複雑に存在しているし、とくに人の頭の中にある「時間」の多様さや繊細さはどれほどの想像力をつかえば感じることができるか、あるいは写しとることができるのか、ぞくぞくするようなテーマではないか。そのようなものを、佐藤伸治は『空中キャンプ』の次に作った35分に及ぶ大作「LONG SEASON」で、今度は言葉から音に比重を移して表現しようとしていたのだろうか。この曲では幻想的に重層的に、多層な流れで景色が移り、時間が移るように、この映画でもそのようなことが起きていくことに気づく。『映画:フィッシュマンズ』で時間が入り乱れるように構成されているのは、まさに佐藤伸治の世界観そのものなのではないだろうか。とくに後半、『宇宙 日本 世田谷』から“ゆらめきIN THE AIR”に至る混乱の時期、現在に語るメンバーたちの表情、ライヴや歪んだ映像のMV、ライヴで演奏されるデビュー曲、あの寒い寒い雨の日の音楽葬……フィッシュマンズに流れていた当たり前の日常が少しずつ軋み始める時期だ。20年以上経ったからと言って、この頃のことを、落ち着いて話せる当事者たちがいるだろうか。答えは否だ。誰にも「整理」などできていない。当時のフィッシュマンズにおとずれた危機はあまりにも大きくて、とくに茂木欣一の告白には胸がつまる。その、「いま現在」の感情や思いと当時の映像のつぎはぎが、前半のバイオグラフィー的な編集とは打って変わったカオスになる。それは図らずも、“LONG SEASON”のライヴで体験したような、景色がぐるぐると歪んでいくような混乱を思わせる。もちろん体験としては天と地のように違っているはずだが、無造作に、ファンノートのように継ぎ接いでいるようでいて、前半から中盤、そして語り手たちの当時とこの22年と現在の異なる混乱や思いを伝える後半への流れは緻密に計算されているのかもしれない。

 増補版が発売されたばかりの『佐藤伸治詩集ロングシーズン』のたまたま手に触れたページを開くと、たいがいの割合で、佐藤伸治は「時間」を意識して曲を作っていたんだなと気づく。「パラダイス パラダイス 時の流れに押しつぶされて」「明日はどうでもよかった 今は笑ってた」「風が吹けば未来が笑う」「20年前に見てたような何もない世界が見えた」「楽しかった時が終わって 気づいてみたら寂しい人だった」「終わらない夜にReady Go」「そんな眼差しが時を止めてくれる」……。ほんとに無造作に開いたページで待っている佐藤くんの「時間」。そういうなかでも私が昔からいちばん印象深かったのは“Go Go Round This World!”の「いったいいくつの時を過ごしてきたの 60年70年80年前の感じ 本当に確かだったのはいったいなんでしょうねえ」というところ。こうやって見える景色、この「感じ」に、大雑把な言い方だが、ものすごくたくさんの人が共感している。これは「伝わる」感覚なのだ。これが「伝わる」という人間同士の不思議にふるえてしまう。
 22年前、佐藤伸治がいなくなったとき、この映画に出てくる身近な人たちばかりでなく、フィッシュマンズとの時間が止まることになったファンは少なくないと思う。例えば私はこの間、何度かライヴを見たり、出版物に関わったりもしてきたにもかからず、私の「フィッシュマンズ時間」は失われたままだったかもしれないといま思っている。2019年のライヴで少しの変化が実はあったが、それでもこの映画を観たことで、私の「フィッシュマンズ時間」はようやく動きはじめた。それには、この時期というものもあったように思う。コロナ自粛で、もっと大きな時間がすっかり止まってしまう感覚を覚えていたということと関係があるのではないかと。きっとそうだ。この映画がコロナ自粛の最中に完成したことは偶然ではないように思われる。去年、何度も感じていたことは「あれからまだ1年も経っていないのか」ということだった。中年になって以降、こんな感覚は初めてのことだった。歳をとって思うのは「あれは昨日のことのようだ」である。とにかく時間は加速度つけて過ぎてゆくようになる。しかしコロナ自粛ですべてが止まってしばらく経つと「あれはもっとずっと前のことのようだ」と変わった。つまり「時間」が止まりつつあったのだ。
 佐藤伸治はこんな「時間」のことを考えていたんだろうなと思う。これはひとつの発見だ。ファンじゃなければ楽しめない映画かと言われれば、半分くらいはそうかもしれない。でも、才能豊かで音楽が好きで好きでたまらない男の子が音楽を抱きしめて、抱きしめられ過ぎてゆく架空のドラマとして観ることはできると、私には言える。私なら観られる。その物語もまた、映画を貫く「時間」のひとつだ。

 ところで私はとても幸いなことに、この映画を二度観ることができた。ぜひもう一度は観るつもりだけれど、一度目はZAKのマスタリングの前の段階の版で、二度目は後のものだった。耳に自信があるわけではないが、音の違いが映画そのものを変えていることに驚いた。圧倒的なのだ。ZAKなし版でも「ずっと前」が聴こえた時に、バンドの音が変わった!ことは十分に伝わってきていたが、ZAKの手が入った後のバージョンではそういうのとは違う作用が起きていた。どういうことかといえば、音が良すぎて、古い映像の前半部分ではどこか違和感のようなものがあるのだ。違和感というとネガティヴに聞こえるかもしれないが、それが物語の枠としてとても面白い効果を持っている。フィクショナルな雰囲気というか、わざと気づかないくらい、音と映像のフォーカスがずらされているような、あるいは音に反応するフィルターがかかっているような。それが後半になって、そう“ずっと前”から後の世界では、その音と映像がピッタリと合焦してくるように聴こえる。前述した後半に起き始めるカオスとその合焦した世界に息を呑む。できれば音の良い環境で観られることを勧めます。

Jun Togawa - ele-king

 1981年に歌謡テクノユニット“ゲルニカ”に参加して本格的な音楽活動を開始した戸川純。そこから今年で40周年となるのを記念し、アルファ/YENレーベル時代にリリースしたソロデビューアルバム『玉姫様』(1984年)と、ライヴアルバム『裏玉姫』(1984年)が、カラーヴァイナル仕様のLP盤で再発売されることが決定した。『裏玉姫』は当初カセットテープだけで発売されたもので、今回が初のLP化。濃厚な個性と多彩な活動で80年代を牽引し、現在も後進の女性ロックアーティストに多大な影響を与え続けている彼女の足跡を振り返る重要な機会となりそうだ。

〈シンガーソングアクトレス 40周年記念 『玉姫様』『裏玉姫』VINYL REISSUE〉
2021.9.29 IN STORE
完全生産限定盤
各定価:¥4,070(税抜価格¥3,700)
発売元:ソニー・ミュージックダイレクト


戸川 純/玉姫様
30cm 33 1/3rpm Vinyl: MHJL-198
Original release: 1984/1/25
●完全生産限定盤
●2021年ニューカッティング
●クリアレッドヴァイナル(透明赤)仕様
●封入特典:特製ステッカー
ゲルニカ活動休止を受け、自己プロデュースで1984年リリースしたソロデビューアルバム。女性の生理をテーマにしたタイトル曲や、バロック曲(パッヘルベルのカノン)に自作詞を付けた「蛹化(むし)の女」を含み、唯一無二の世界観が存分に表現された本作は、彼女を一躍80年代サブカル女王の地位に押し上げた。現在も日本の女性ロック史に刻まれる名盤としての存在感を放っている。
Side 1
1. 怒濤の恋愛
2. 諦念プシガンガ
3. 昆虫軍
4. 憂悶の戯画
5. 隣りの印度人
Side B
1. 玉姫様
2. 森の人々
3. 踊れない
4. 蛹化の女


戸川 純とヤプーズ/裏玉姫
30cm 33 1/3rpm Vinyl: MHJL-199
Original release: 1984/4/25
●完全生産限定盤
●2021年ニューカッティング
●クリアピンクヴァイナル(透明ピンク)仕様
●封入特典:特製ステッカー
前作『玉姫様』と同年に、当初カセットテープだけで発売された初のライヴアルバムを、今回初めてアナログLP化。1984年2月19日、東京・ラフォーレミュージアム原宿で収録。バックのヤプーズ(泉水敏郎/中原信雄/比賀江隆男/立川芳雄/里美智子)と共に全編パンクでハイテンションな演奏を展開。現在でも戸川純のライヴの大詰めで歌われる「パンク蛹化の女」収録。
Side A
1. OVERTURE
2. 玉姫様
3. ベビーラヴ
4. 踊れない
5. 涙のメカニズム
Side B
1. 電車でGO
2. ロマンス娘
3. 隣りの印度人
4. 昆虫軍
5. パンク蛹化の女

戸川 純 ソニーミュージック特設サイト
https://www.110107.com/jun_togawa40th/


同じく初ヴァイナル化されるヤプーズ作品。

8月18日(水)発売
ダイヤルYを廻せ!
品番:PLP-7171
価格:¥3,850 (税込)(税抜:¥3,500)
★初回生産限定
ダダダイズム
品番:PLP-7172
価格:¥3,850 (税込)(税抜:¥3,500)
★初回生産限定

 戸川純のユーチューブ「戸川純の人生相談」もはや18回目を迎えています! 戸川純が欽ちゃんファミリーに?


https://www.youtube.com/watch?v=7kahgnKElao

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498