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DOMMUNEで「GOTH-TRAD特集」をやった翌日の晩、筆者はブルックリンのライヴハウスにいた......というのはもちろん嘘だが、沢井陽子さんが本サイトでレポートしているようなイヴェントにいた。2月14日、いわゆるヴァレンタインのチョコレートには縁のない筆者と小原泰広は、小雨の降るなか、3組のガールズ・バンドが出演する新代田の〈FEVER〉に向かった。「BATTLE AnD ROMANCE」という名前のイヴェントで、筆者のお目当てはタッツィオである。
7時になると最初のバンド、THE EGLLE が登場。ヴォーカル&ギター、ベース、ドラマーの3人組のガールズ・バンドで、「グッド・イヴニング」という英語の挨拶からはじまった。音は初期のキュアやデルタ5といった感じで、気だるいミニマルなビートとぺらぺらのギターが暗いムードを誘い、(オーディエンスとコミュニケーションをはかるというのではなく)引きこもりを思わせるヴォーカルが際だっている。〈4AD〉リヴァイヴァルとも重なっている雰囲気もあって、興味深い演奏だった。
この日の主宰者はきくりんと呼ばれていた21歳の青年で、長州ちから(28歳)という名前のパートナーと一緒にセット・チェンジの合間のDJとMCも担当していた。歌謡曲をかけたり、ヒップホップをかけたり、ハードコアをかけたり、意味がわからなかったが、とにかく陽気で、バカみたいにご機嫌な連中だった。ちょっとオタクっぽくも見えたが、絶えずツイッターをやっているようなタイプではなかったし、どこか20年前の小林を彷彿させた。「BATTLE AnD ROMANCE」の主題は? と訊いたところ「クロスオーヴァーであります」と21歳は語気を強めていたが、それは多くの自由時間をPCの前で過ごしているSNS世代への反発とも受け取れなくもない。
7時半を過ぎて、ステージにはタッツィオのふたりが登場する。いきなりラウドなノイズ・ギター、そのすぐ横ではドラマーがしっかりとリズムをキープしている。ルックス、そして演奏にもポップとノイズが衝突しているが、実に感覚的なこのバンドが素晴らしいのは、言葉に酔うことを拒むかのような衝動、その威力、その勇気にある。「ブス」「こんにちわ」......闇雲にわめき散らしている彼女たちを観ていると、微笑みがこみ上げてくる。説明よりもノイズが先走る。言葉を口から出す前の、そのうまく言えないもどかしさを音は突き抜けていく。そう、いい感じです。新曲の"3939"は素晴らしいドライヴ感を持った曲で、演奏は後半のほうが良かった。何度もライヴを観ている人に訊いたら、その日の出来は60%ぐらいだったとか。
8時を過ぎると日暮愛葉率いるTHE GIRLが出てくる。THE EGLLE と同様に3人組のガールズ・バンドで、ヴェルヴェッツの"フー・ラヴズ・ザ・サン"をBGMに演奏ははじまった。そしてTHE GIRLは......ロックンロールのジェットコースター、ドラムとベースが創出するグルーヴは素晴らしいうねりとなって、オーディエンスをすっかり魅了する。彼女たちの演奏は否応なしに身体を揺らすもので、気持ちをどんどん上げていく。
THE GIRLを訊いていると筆者は13歳のときにラジオで大貫憲章さんが紹介した"シーナ・イズ・パンク・ロッカー"すなわちロックンロールというものを初めて聴いた夜の気持ちを思い出すことができる。音楽を聴いて、生きていることにわくわくしてくる。それはいつまでも変わることのないファンタジーであり、ロマンスであり、永遠なのだ。
これだけの圧倒的なステージのあとに出演するバンドは、ちょっと気の毒だった。杏窪彌(アンミン)は台湾人の女性ヴォーカルをフィーチャーしたバンドで、相対性理論を思わせた。MCは中国語と日本語だった。トリを飾ったバンドは、男ふたり組のGAGAKIRISEで、ライトニング・ヴォルトを思わせた。それぞれ個性的なパフォーマンスだったし、GAGAKIRISEは迫力満点の演奏によって、今後おそらくもっともっと知名度を上げていくだろう。
しかしこの晩に限って言えば、誰が何と言おうとチャンピオンはTHE GIRLだ。久しぶりにロックンロールで踊り、筆者は彼女たちのロックンロールにプラトニックな恋に落ちたのである。
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FUDGE FINGAS
MASS X REMIXES
FIRECRACKER(UK)
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エレクトロニック・ミュージックのさまざまな局面で、IDM/アブストラクトの波がふたたび訪れている今日、1990年代末に高校生で〈ミル・プラトー〉からデビューしたコーヘイ・マツナガ......自らをNHKyxと名乗るこの青年こそ、UKの〈スカム〉、ベルリンの〈ラスターノートン〉などから素っ頓狂な作品を発表し、つい先日は英『ワイアー』誌にも記事が掲載され(その翻訳は次号の紙エレキングに掲載されます)、そして〈ラフトレード〉の新しいコンピに参加したり、センセーショナル(元ジャンブラ、ラッパー界におけるリー・ペリー)との共演を出したり、故コンラッド・シュニッツラーと共作したり......と、つい先頃はSNDとの共作を〈PAN〉から発表したりとか、大阪とベルリンを往復しながら作家活動をしている、いまもっとも勢いのあるエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーです!
コーヘイ・マツナガが3月初旬、シェフィールドのミニマル/IDMの大御所、SND(名作『Stdio』などで知られる)といっしょに日本ツアーをやります! コーヘイは......いまもっともユニークなIDMの作家であり、自由奔放な活動を展開する、ミステリアスな青年です。
ツアーは3月2日の名古屋から出発。大阪ではアルツのレーベルから素晴らしいアルバムを出したaSymMedley、東京公演には〈ラスターノートン〉のレーベル・メイトでもあるAOKI Takamasaも出演する。
■名古屋
3月2日 @ Club Mago
Open-22:00/End-05:00
ADV-2500 / Door3000
Live:SND、Mark Fell、 NHK、Araki
Dj:Tomoho (IWY)、Vokoi (ARch)
VJ:Vokoi
https://arch-project.com
https://i-want-you.jp
■福岡
3月3日 @ Blackout
Open-21:00 (50人限定)
Live:SND、Mark Fell、NHK、Kouhei Matsunaga、sho nakao
https://popmuzik.jp
■広島
3月5日 @ Club Quattro
Open-18:00/Start-19:00
ADV-2500 / Door3000
Live:SND、NHK、Stabilo (speaker gain teardrop)、Skip club orchestra、Hideride (pausemo)
DJ:AVOAVOA (aka kenji yamanaka)
■京都
3月7日 @ Club Metro
Open-19:00/ End-25:00
ADV/Door-TBA
Live:SND、NHK、SPsysEx
Dj:Tsukasa、Tatsuya
https://www.metro.ne.jp
■大阪
3月9日 @ Nuooh
Open-19:00 End-25:00
DOOR/3000
Live:Mark Fell、Kouhei Matsunaga
SOUND ACT:aSymMedley (ALTZMUSICA/Childisc/REPHLEX)、 NUEARZ (Skam Records)、Yuki Aoe (-:concep:-)、hypotic inc
VISUAL ACT: Ken Furudate (ekran/The SINE WAVE ORCHESTRA)、Kezzardrix (Bias Records)、Kazuhisa Kishimoto、イケグチ タカヨシ (haconiwa)
https://officials.tank.jp/concep
■東京
3月10日 @ WWW
Open-23:00
ADV-3000/Door-4000
Live:SND、NHK、Aoki takamasa + More more
https://bridge.tokyomax.jp/
3月11日 @ Soup
OPEN/START ???
Door-2500
(Reservation Required. Send your details to: ochiaisoup@gmail.com)
Live:Mark Fell、Kouhei Matsunaga、Miclodiet、Jemapur、Vegpher (Keiichi Sugimoto)
DJ:Nobuki nishiyama
www.sludge-tapes.com
SNDはUK シェフィールド出身のMARK FELLと MAT STEELによるデュオ。 1998年に結成。"click&cuts現象"とまで呼ばれたシーンの中心となるアーティスト。 Mille Plateauxからアルバムを3枚, raster-notonからの2009年4thアルバムをリリース。 プログラマーでもある彼らの音楽は、ミクロに練り込まれたグリッチ音をミニマルかつ緻密に構成しながらも、常に躍動感を保持し続ける独自のミニマル・エクスペリメンタル・サウンドを展開している。
無機質でいて脈打つ自然のような、計算されている一方でバグと戯れるような、不思議なグルーヴ感とリズム、そして絶妙の間。今回、2008年以来4年ぶりの日本でのLIVEとなる。
www.makesnd.com
■Mark Fell
近年 "Edition Mego""raster-noton"から立て続けにアルバムをリリースし注目を集めているMark Fell。2008年にはバルセロナで開催されている世界最大級の音楽フェス"Sonar"へも出演。実験性と複雑さとシンプルが共存し、ユーモラスかつエンターテイメント性を持たせた絶妙なバランス感覚の上に成り立ったその音楽は、美しくマイクロスコピックなミニマルサウンドで空間性、歪なリズム、時間感覚を表現している。
また、アーティストエンジニアとして巨匠と呼ばれる人達の作品を影で支えている人物でもある。意外にもソロでの演奏は日本初披露となる。
www.markfell.com
■NHK
2006年, マツナガ・コウヘイとムネヒロ・トシオにより大阪で結成。
2008年、ドイツraster-notonからデビュー作"Unununium"を発表の後、国際的に作品発表を続け、ヨーロッパを中心に活動している電子音楽ユニット。即興性の高いリズムアプローチにより型に嵌らない歪なダブ・テクノビートを展開している。
www.nhkweb.info
フランクフルトの音響派レーベル Mille Plateauxから1998年に1st を発表後、ヨーロッパ・アメリカを中心とした前衛的なシーンにおいてジャンルの枠を超えた音楽活動を続ける中、Conrad Schnitzler, Merzbow, Sensational, AutechreのSean Booth, Mika Vainio, Anti Pop Consortium等をはじめとするアーティスト達とのコラボレーションを行なう傍ら近年はNHK名義でダブ・テクノ・ブレイクビーツを展開している。
www.koyxen.blogspot.com
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〈ホステス〉といえば、〈ドミノ〉〈XL〉〈4AD〉、あるいは〈マタドール〉や〈カーパーク〉、あるいは〈アクシデンタル〉......といった欧米の人気インディ・レーベルの作品を日本に紹介している会社で、インディ・ミュージックのリスナーなら1年のうちに何枚かは〈ホステス〉のCDを手にしているはず(昨年でいえば、ボン・イヴェール、レディオヘッド、アークティック・モンキーズ、あるいはSbtrkt、ゾンビー、ハーバート、タイラー・ザ・クリエイター......キリがない......)。その〈ホステス〉が自ら主催するイヴェントが「Hostess Club Weekender」です。ele-kingとは1990年代から長い付き合いの、実はクラブ系出身の会社なのでこんな名前にしているかな。
その第一回目がもうすぐ開催される。ロンドンのザ・ホラーズ、マンチェスターのウー・ライフ、カナダのオーウェン・パレット、ベテランのスピリチュアライズド、そして今日のUSインディを代表するアトラス・サウンド、チルウェイヴ代表のトロ・イ・モア、そし目下ele-kingが注目している新人、ユース・ラグーンやパフューム・ジニアスなど豪華なメンツ。私たちも行くつもりです。チケット残りわずからしいっすよ。

■Hostess Club Weekender
日時: 2012/2/18(土) & 19(日)
OPEN 13:00/START 14:00
会場: 恵比寿ガーデンホール
出演:
2/18 - THE HORRORS / OWEN PALLETT / WU LYF / ZULU WINTER / YOUTH LAGOON
2/19 - SPIRITUALIZED / ATLAS SOUND / TORO Y MOI / ANNA CALVI / PERFUME GENIUS
前売り券
1日券: 各日 7,900yen(税込/1ドリンク別)
→ チケットボード、各プレイガイドにて絶賛販売中!
2日通し券 ※完売: 13,900yen(税込/各日1ドリンク別)
→ 1月21日(土)の朝10時から、チケットボードにて100枚限定追加発売決定!
公式サイト: www.ynos.tv/hostessclub
![]() Zola Jesus Conatus Pヴァイン |
エミール・ゾラは19世紀末のパリを生きた作家で、日本でも『居酒屋』や『ナナ』といった小説で広く知られる。下層階級出身の美しい娼婦ナナがブルジョワ階級を破滅してきたさまを描いた『ナナ』という物語に、ゾラ・ジーザスがどのような共感を抱いているのかまでは話してもらえなかったが、噂に聞こえる彼女の博学、そして理知的な側面はかいま見れたかもしれない。彼女の場合は一風変わった生い立ち、そして飛び級で進学したほどの才女ぶりが、黒く濃いアイラインの音楽よりも語られがちで、作品よりも存在のほうが目立ってしまっている。
それでもゾラ・ジーザスは、2010年のセカンド・アルバム『ストリドラム ll(Stridulum ll)』とLAヴァインパイアとの共作「LA Vampires & Zola Jesus」が欧米ではすこぶる評判となって、まあ、彼女の望まないトレンドかもしれないが、スージー&ザ・バンシーズからリディア・ランチ、そしてコクトー・ツインズといった暗黒世界の女の系譜、つまり最近で言えばコールド・ケイヴやグライムスに代表される"ダークウェイヴ"の盛り上がりのなかで、それはさらにまた広まった。昨年リリースされた3枚目のアルバム『コナトゥス』は、Discogsを見ても多くの人の2011年のベスト・アルバムのリストに挙げている。
『コナトゥス』をウィッチ・ハウスのカテゴリーに入れたくなる人もいるかもしれない。恐怖を誘発するかわりに、アルバムにはダンス・ミュージックが多分に含まれている。彼女の鍛えられた声は音程を滑らかに駆け上がり、そして感情的なうねりを走らせる。切なさは際だち、力のこもったバラードは夜にとけ込む。残念ながら「なぜ"ヒキコモリ"という曲を作り、歌ったのか」については答えてくれなかったけれど、22歳の売れっ子は、なかなか面白い話をしてくれた。
音楽は社会に対して神経質な、傷つきやすいような人の観点から作られていると思うの。みんな苦しんでる。経済的にも、社会的にも、感情的にも。人の大きな流れのたったひとりという現実、違う方向に自分を推し進めようとしている大きな「社会」という力に、どう対抗していいのか悩んでる。
■100エーカー以上の森のなかで育っていうのは本当なんですか? 1990年代のアメリカだというのにTVもインターネットもない場所で暮らしていたというのがまず興味深い話ですよね。
ゾラ:田舎で育ったことで、自分の想像力や、実際興味を持ったものに対して、より時間をかけて追求することができたと思っている。
■ソローの『森の生活』のような感じですか?
ゾラ:(笑)。そこまでじゃないわ。もう少しモダンで文明化していたよ。
■7歳でオペラ・トレーニングをはじめたといいますが、どういう経緯であなたがオペラを歌うことになったんですか?
ゾラ:どういう経緯かははっきり覚えてないの。でも歌うことが大好きで、オペラというものはその欲求をいちばん自然に、そして率直に満たしてくれるようなものだと感じたんだと思う。
■しかし、そんなあなたはどうやってニューヨークの〈Sacred Bones Records〉から作品を出すことになるのでしょうか? あなた自身はどうやってポップ・ミュージックやインディ・ミュージックのシーンと出会うのですか?
ゾラ:音楽はずっと好きだったわ。作るのも、聴くのも。新しい音を探すのも大好きだったし、つねに好奇心旺盛だったと思う。自分の音楽を発表するようになってから〈Sacred Bones Records〉が私を見つけてくれた感じだったわ。
■あなたが自分で音楽制作に向かう際に、あなたを勇気づけた音楽があったら教えてください。たとえばスージー&ザ・バンシーズとかコクトー・ツインズは聴きましたか?
ゾラ:他の音楽からインスピレーションを得ることはないわ。すごく制限されている感じがするの。自分は心のなかから湧き出るものをベースに音楽を作っている。他のアーティストにインスピレーションを求めると、自分独自の声を妥協している気がするの。
■エミール・ゾラのどんなところが好きなんですか?
ゾラ:リアルに対しての彼の熱心なところ。とても素直な人で、世界をありのままの姿で見つめるのを怖がらなかった人ね。
■やはり作品的には好きなのは『ナナ』でしょうか? だとしたらあの物語のどんなところに惹かれますか?
ゾラ:彼の本でいちばん最初に読んだものね!
■ほかに文学作品であなたに大きな影響を与えたものは何でしょうか?
ゾラ:フィリップ・K・ディック、ジョルジュ・バタイユ、太宰治、アンナ・カヴァン。
■名前になぜジーザスを名乗ったのでしょうか? 神聖なモノへの冒涜のような趣も含まれているのでしょうか?
ゾラ:たんに名前の響きを気に入ったの。ジーザスという言葉に新たな角度を持たせられるかな、と。みんなジーザスという名に恐怖心を持ちすぎていて、もっと気軽に使える名にしたかったという意味もあるかな。
■最初のアルバム『The Spoils』はどのように作られたのですか?
ゾラ:自分のベッドで、安い、低質な機材を使って、たくさんの好奇心を合わせて4トラックで作ったわ。
■あなたをゴシックというタームで形容する人がいますが、あなた自身としてはそれを受け入れられますか?
ゾラ:この言葉は何かやすっぽいと思う。自分はその言葉は建築を指すこと以外使わないわ。
■実際、あなたの初期の作品の主題には厭世的な暗闇の世界、"Devil Take You"のような、ある種の暗黒世界のようなものを感じるのですが、いかがでしょうか? あなたのゴシック趣味はどこから来ているのでしょうか?
ゾラ:個人的に人生のなかでも辛い時期で、『The Spoils』を一種のカタルシス(浄化)として利用した部分があるの。いろんなことを乗り越えるために役立ったわ。
[[SplitPage]]ダブステップはまぁまぁ。正直あまり聴いてきてないかな。でもエレクトロニック・ミュージックは大好き。IDMやブレイクコアやミニマル・テクノはね。初期のクラッシックなエレクトロニック・ミュージックも。
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■デカダンスに惹かれますか?
ゾラ:チョコレートであれば......。
■LAヴァンパイアズのアマンダといっしょにコラボレーションしていますが、それはどういう経緯で生まれたプロジェクトだったんですか?
ゾラ:良き友人で、いつか一緒に何かやりたいよねって話してたの!
■〈ノット・ノット・ファン〉やアマンダがやっていることのどういうところに共感を持てますか?
ゾラ:〈ノット・ノット・ファン〉には憧れるし、尊敬している。大好きよ。
■『コナトゥス(Conatus)』は、初期のローファイなサウンドからだいぶ変化したように思います。シンセサイザーとループ、そしてパーカッションが前面に出ていますね。時おり挿入されるストリングスも効果的ですよね。今回の音楽的な方向性はどのようにして決まったのでしょうか?
ゾラ:ソングライター、ミュージシャン、プロデューサーとしても成長してきたと思うし、新たに自分が何できるかを常に挑戦している感じだから、自分にとっては自然な進化だったと思う。
■メンバーもみんな若いと聞きましたが、どうして集まったのですか?
ゾラ:ストリングスとは一緒にやりたいと思っていたから、アルバムの共同プロデューサーが良いヴァイオリンとチェロ奏者を見つけてくれたの。
■ダブステップからの影響はありますか? ジェームズ・ブレイクとか、ブリアルとか? たとえば"Vessel"みたいな曲はビートが強調されてますよね。
ゾラ:ダブステップはまぁまぁ。正直あまり聴いてきてないかな。でもエレクトロニック・ミュージックは大好き。IDMやブレイクコアやミニマル・テクノはね。初期のクラッシックなエレクトロニック・ミュージックも。
■"Ixode"や"Seekir"は4/4ビートのダンス・ミュージックですよね。とくに"Seekir"はアップリフティングな曲ですが、あなたはクラブ・カルチャーに関してどのように考えているのでしょうか?
ゾラ:クラブ・カルチャーは好きじゃないわ。でもダンス・ミュージックは好き。全身で感じれるところがとくにね。独特の高揚感があるのもね。
■"In Your Nature"はドラマティックな曲ですが、何を主題にしているんですか?
ゾラ:何をやったとしても、自分自身の核、本当の自分は変えられない、ということかな。
■"Skin"はバラードというか、ピアノの伴奏とあなたの歌によるとても美しい曲のひとつですね。同じようにこの曲の主題についてお願いします。
ゾラ:"Skin"は疎外感とかについて。このアルバムを作っているときに、ロサンゼルスでの生活に慣れようとしていて、密度の濃い街で孤独感や疎外感をよく感じていたからね。
■"Collapse"もタイトルからして気になるのですが、何が"崩壊"していると感じているんですか?
ゾラ:んー、はっきりわからないけど......ギヴ・アップするか、このまま行くか、がかな。
■『Conatus』というタイトルは何を意味しているのでしょうか? どうしてこの言葉をタイトルにしたのですか?
ゾラ:自分がすごく頑張って働いてたし、まじめにより良いものを作ろう、前進しようとしていたから、"Conatus(意欲/自存性)"という言葉はまさにそれを表現してくれていたと思ったから、付けたの。
■あなたの音楽は社会の動きとどのように関係がありますか? それとも社会や政治とはまったく無関係でいたいというものでしょうか?
ゾラ:音楽は社会に対して神経質な、傷つきやすいような人の観点から作られていると思うの。みんな苦しんでる。経済的にも、社会的にも、感情的にも。人の大きな流れのたったひとりという現実、違う方向に自分を推し進めようとしている大きな「社会」という力に、どう対抗していいのか悩んでる。
■あなたの音楽から聴こえる悲しみにはそうした背景があるのですね。
ゾラ:でも根底ではみんな一緒なの。私はひとりの人間だし、あなたもひとりの人間。ひとりの人間としてあることをどう受け入れるかに加えて、社会という大きなものの小さないち部であることもどう考えればいいのか。でも、ただ生きてるだけで多くの責任があって、それが精神的に我々にどういう影響を与えているにもっと目を向けるべきなんじゃないかな、とも思うわ。
■なるほど。いま誰かの曲をカヴァーするとしたら、何を歌いたいですか?
ゾラ:言えないわ、実はもうそれに向けていま頑張ってるから!
■最後にあなたから見た日本ってどういう風に見えますか?
ゾラ:日本は大、大大好き! 早く行ける日を楽しみにしているわ。長年の夢なの。
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MADTEO
Bugler Gold Pt. 1
(Hinge Finger / 12inch)
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CUT COPY
Sun God
(Modular / 12inch)
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COS/MES / RONNY & RENZO
Naruto Ronny & Renzo Takotsubo Take Ten / Taboo
(King Kungfoo / 10inch+7inch)
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V.A.
Derive Vol.3
(Derive / 12inch)
»COMMENT GET MUSIC
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GIORGIO MORODER
E=Mc2
(MB Disco / 2x12inch)
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TR ONE
Drum Dance
(Apartment Records / 12inch)
»COMMENT GET MUSIC
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N.O.I.A / GAZ NEVADA
BAND AID / Stranger In A Strange Land
(Italian Records / 12inch)
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V.A
Altering Illusions
(5 Years Of Echospace) (Echospace / 4LP)
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6人のメンバーがステージにぞろぞろと登場するなり、僕は目の前の光景に頭がクラクラしてしまった。そのほとんどが長髪と髭をたくわえ、シャツにジーンズ、高めの位置に抱えられたギター......いまは何年だ? 2012年だ......。まるで、見たことのない60年代のアメリカを幻視するようだ。
フロントのロビン・ペックノールドがやや遠慮がちにギターを弾きはじめると、ゆっくりとコーラスがそこに重なっていく。"ザ・プレインズ/ビター・ダンサー"からはじまったその日のライヴは、ひとつひとつの音が細部まで張り巡らされた精緻なアンサンブルが最後まで貫かれるストイックなものだった。ライヴという言葉から連想されるような開放感よりも、宗教儀式のような厳かさすら感じられる。そして、ああ、これは紛れもなく「人びとの歌」だと僕は思う。

人びとの歌――昔ながらのフォーク・ミュージックのスタイルを借りて匿名的にコーラスを奏でてきたフリート・フォクシーズの歌は、リーマン・ショック以降のアメリカに公共性を思い出させるように響いてきた。彼らのあり方は、特定の顔が存在しないウォール街のデモともどこかで繋がっているはずである。ただ、フリート・フォクシーズが放ったのはシュプレヒコールではなく完璧なコーラス――ハーモニーだった。潔癖なその歌は、コーラスに参加する人間に狂いのない音程を要求する厳格さでもって、理想的なコミュニティを体現したのだ。
そんな彼らがセカンド・アルバムで見せた変化は、音楽的なものよりも歌詞の視点をより個人の内面に掘り下げたことだった。だからそこにはコミュニティに属する個人の内省が「調和」と拮抗する危うさが内包されていたのだが、そのような展開は極めて自然なことだったろうと思う。フリート・フォクシーズは才能あるソングライターのロビン・ペックノールドのバンドとも言えて、彼がエゴを前面に出す欲望を抱えていてもおかしくはない。ライヴという場でも、バランスを崩すことなくその調和を体現することができるのか――が僕のその日の主な関心だったのだが、それは早々に解決することとなった。コミュニティという言葉ですらしっくりこない、それはひとつの「集落」の音楽だった。さまざまな人びとが共に生きていくために、知恵と思いやりを寄せ集めるような。
弦が最大で4本にもなるアンサンブルは厚く、そして何より高い演奏力に支えられている。EPから"ミコノス"、セカンドから"バッテリー・キンジー"と続くが、ギター・ハーモニーとコーラスがどちらも等しく息を呑むような繊細さで奏でられ、ぴんと張り詰めた空気を作り上げる。メロディは牧歌的でも曲の成り立ちとその再現のされ方が非常にコントロールされていて、会場から緊張感が消えることはない。曲間では歓声も上がるが、すぐに固唾を呑むような静けさに支配される。途中でアメリカ人の観客が我慢できずに「何でこんなに静かなんだよ?」と声を上げていたが、この日に限ってはそれも悪くなかった。オーディエンスである僕たちも、神聖な儀式に参加しているような気分になってくる。
とは言え、中盤「I was following/I was following/I was following...」と輪唱される"ホワイト・ウィンター・ヒムナル"から、間髪入れずに"ラギッド・ウッド"でフォーク・ロックが疾走すると、そのダイナミックな転換にようやく会場に温かい熱が広がっていく。同じくデビュー作からの"ヒー・ダズント・ノウ・ホワイ"も素晴らしく息の合った演奏で、「僕にできることは何もない」のリフレインに天から降り注ぐようなコーラスが折り重なる。休符が完璧に守られたブレイクと掛け合うロビンの強い歌声。それは倒錯ではなく、その「何もできない」という地点からこそ何かを始めようとする決意のように響く。ライヴであらためて気づかされたことだが、ロビンの歌唱力も非常に高く、音のアタック部分で完璧な音程を叩き出してみせる。譜面の指示をすべて正確に守るような厳格な演奏だからこそもたらされる音楽的な快感が、次第に身体にまで響くようになってくる。終盤のハイライトは間違いなく"ザ・シュライン/アン・アーギュメント"で、マルチ・プレイヤーのモーガン・ヘンダーソンがカオティックにバス・クラリネットを鳴らし、サイケデリックにアンサンブルを歪ませた。

アンコールでロビンはソロ・ナンバー"アイ・レット・ユー"でごく個人的な傷心を歌いもした。そう、そんな個人の表現も彼には可能なのである。だがバンドでは頑ななまでに個を通さず、自分の内面すらポリフォニックなものにしてしまう。直接は政治的な表現を取らずとも、これほど社会性を感じさせるアメリカのバンドは現在フリート・フォクシーズを置いて他に存在しないのではないか。ピアノとギターが追いかけ合う"ブルー・リッジ・マウンテン"で歌われる「愛」は、最小の社会である家族に捧げられる。「愛してる、ああ、僕の兄さん」
最後のナンバーはこのツアーのテーマ・ソングだと言えるだろう"ヘルプレスネス・ブルーズ"、すなわち"無力なブルーズ"であった。ジャカジャカとアコギが賑やかに演奏される力強いこの曲で、ロビンは――いや、彼らは個人がより大きな何かに自分を捧げることについて歌う。「その後しばし考える時間を持った僕は/いまではむしろ/何らかの精緻な装置を支える丸太の一本でありたいと思っている/自分を超えた存在に仕えたい」。その上で、あらめて自分の無力感を噛み締めるのだ。「でも僕にはわからない/それが何なのか!」――その叫びは、ツアーの最後の地となった日本でこそ説得力を持って響いたことだろう。だから、続けて「いつか近い将来、答えを出すから待っていてくれ」と歌われるアメリカにおける「人びとの歌」は、そのときたしかにそこにいる「我々の歌」として共有されたように感じられた。......錯覚だろうか? いや、少なくとも、厳格なハーモニーがその地点まで辿り着いた道のりを分け合ったその日の夜、そこに集った人間の胸はいくらか熱くなったはずだ。「僕はいつか答を出す、自分の力で」――その想いと響き合ったに違いない。


ナダ・サーフは青春。彼らを見るたびに、呟いてしまう。40代前半だというのに......。
1月24日、ニューヨーク出身のナダ・サーフ(Nada Surf)のホーム・カミング・ショーだった。この日は彼らのニュー・アルバム『The Stars Are Indifferent To Sstronomy』(星は天文学に無関心)の発売だった。「このアルバムは、プラックティス・ルームにいるような感覚で、新しい曲のエネルギーを持ってレコーディングした。やり過ぎたかなと思ったけど、あえてそのままにしてみた」と、ヴォーカル&ギターのマシューは言っている。曲名もまた、希望と未来を感じさせる。"若かった頃(When I was Young)""(まっらな目と曇った心(Clear eye clouded mind)""10代の夢(Teenage dreams)""未来(The future)"......楽曲もみんなポジティブである。
ポップとロックンロールをこよなく愛する3人から生み出される、ラッシュなビート、コード、美しく、ナイーヴな旋律。そして胸がキュンとなる甘いヴォーカル、ハーモニー。「10代の夢に遅すぎることはない(it's never too late for teenage dreams)」と歌うマシューは本当に10代のようにみえる。この言葉は、ナダ・サーフのすべてのレコードに共通する彼らの声明である。7枚目のこのアルバムで、彼らの経歴は20年目に突入する。

バンドはこのアルバムを、ウィリアムス・バーグでレコーディングしていた。マシューは、私の家の近所に住んでいて、「いま、レコーディングをちょっと抜けてきたんだ」と言いつつ、よくカフェに現れ、ディナーをとって、赤ワインを飲み、最後にスイーツをテイクアウトして行く常連さんだった。音楽の話題になると話が止まらなくなった。仲間のパーティにも参加してくれた。気軽に話せる気の良いお兄さんである。
このアルバムのレコーディングが終わって、彼はロンドンに引っ越し、あっという間に半年だった。彼の性格上、頻繁にコンタクトを取る人ではないので、彼らの近況はわからなかったが、何カ月か前に「ナダ・サーフが新しいアルバムをリリース。ツアー決定!」のニュースを知った。そして1週間ほど前に「来週からニューヨークに行くよ。ライヴに遊びにきて!」という彼からのメッセージがきた。見逃すことはできない。お祝いだ。
ニュー・アルバムのアートワークの素敵なペインティングは、彼の友だちで、アーティストのグラハム・パークスが担当している。シルク・スクリーンのポスターについては、モンスター・アイランド(RIP)の住人だったカイ・ロックが10年も担当している。
ショーはソールドアウトだったが、この日のショーは、彼らのYoutubeチャンネルでストリームされている。たまたま同じ日にYoutubeを見ていた友だちは、そのことに驚いて、私に教えてくれた。
ライヴでは、リード・ギターにガイデッド・バイ・ヴォイシズのダグ・ジラードが参加した。ベースのダンとドラムのイラはネクタイ、マシューは黒のボタン・ダウン・シャツ。ふだんと同じスタイルである。ドラムは高いところにセッティングされていて、バスドラには黄色で「NADA SURF」を描かれている。
演奏はほとんどが新曲だった。レコードをリリースできたことに感謝、関わってくれた人への感謝、2012年が良い年になるようになどとMCが入る。古い曲を演奏すると、会場は一緒になって歌う。アンコールでは名曲"Always Love"を演奏。最後はニュー・アルバムからの曲"Looking Through"。観客はナダ・サーフという10代の夢を心から応援する。絵に描いたような、素晴らしいロック・コンサート。