「KING」と一致するもの

interview with Skream - ele-king


Skream /
Outside the Box

E王 HYDRA Records / Tempa

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 『アウトサイド・ザ・ボックス』は歴史的なアルバムである。南ロンドンのアンダーグラウンドで発明され、発展したダブステップなるジャンルにおいて、ポップのメインストリームとの接合を果たす、最初の作品であるという意味において。今年24歳になったばかりのオリバー・ジョーンズ――スクリームの名前で知られるこの青年は、恐いモノなどないと言わんばかりにポップの世界にアプローチしている。
 『アウトサイド・ザ・ボックス』は、UKダンス・ミュージックがポップに接近する際の、伝統的なフォーマットのアルバムでもある。歌があり、ラップがあり、ジャングルがあり、アンビエントがあり、テクノがあり......ゴールディーのファースト・アルバムのように、とにかくまあ、幅広くやっている。シーンの盛り上がりが最高潮のときにリリースされるという意味では、アンダーワールドのファースト・アルバムのようなものでもある。
 
 スクリームがシーンの最初期からいたのは事実だが、初めからスターだったわけではない。ただし......彼にとって最初のヒットとなった2005年にのシングル「ミッドナイト・リクエスト・ライン」が、ダブステップというシーンにとって最初のクロスオーヴァーなヒットにもなった。そして、彼にとって最初のポップ・カルチャーとの接触である2009年初頭のラ・ルーの"イン・フォー・ザ・キル"のリミックスが、シーンにとっての最初のポップ・ヒットにもなった。スクリームにはそうした"特別な"経歴があり、それを思えば――それはまさに彼以外の誰もしてないことなのだ――彼にとってのセカンド・アルバム『アウトサイド・ザ・ボックス』が大きな作品になることは必然だったとも言える。
 
 リヴィング・リジェンドのマーズがフィーチャーされている"8-ビット・ベイビー"や"CPU"はモダンなロービット・ファンク・サウンドだ。オートチューンによるメランコリックな"ウェア・ユー・シュッド・ビー"はR&Bとダブステップのあいだで輝き、フレクルズのセクシーなヴォーカルが印象的な"ハウ・リアル"はダフト・パンクを彷彿させる。ディスコ時代の女王、ジョセリン・ブラウンの歌をサンプリングした"アイ・ラブ・ザ・ウェイ"はピークにもってこいのダンス・トラックとなっている。ベースが揺れている(ウォブルしている)"ウィブラー"のような曲もあれば、ラ・ルーをフィーチャーした――おそらくアルバムにおける最高のクライマックスであろう――エレクトロ・トライバル・ポップの"ファイナリー"もある。疾駆するジャングル・トラックの"ザ・エピック・ラスト・ソング"もある。とにかくいろいろなスタイルを試みている。
 ダブステップにおける低音バリバリのアグレッシヴないかめしさを期待している人は肩すかしを食うだろうけれど、ひとつ間違いないのは、ここにはアンダーグラウンドとポップが容赦なく混在し、それが伸び伸びとしたエネルギーとなっているという点である。そして......そういう大胆な作品はこの10年以上もの長いあいだ、実はなかったように思えるのだ。

校庭で生徒を監視してる先生が校長の妹でさ、すごく権力を意識したアホな先生で、俺に「ゴミを拾え」って言ってきて、断って「fat bitch (くそデブ女)」って呼んだら、校長室に連れてかれてその場で停学になったんだよ(笑)。

学校を中退したっていう話だけど、どんな子供だったんですか?

スクリーム:とくに悪い子ではなかったけど、生意気だったね。失礼、っていうか無礼っていう感じかな。とにかく学校が嫌いだったね。

勉強が嫌いだったの? それとも学校が嫌いだったの?

スクリーム:勉強が嫌いなわけじゃなかった。ただ学校にいるのが大嫌いだったね。つねにどこか違う場所に行きたい、そう思っていたのを覚えているよ。学校のほうでも俺のことを嫌いだったしね。

友だちとはうまくやっていた?

スクリーム:人間が嫌いだったわけではないからさ。友だちは大勢いたし、みんなとは仲良かったけど規律が苦手だったんだ。もし勉強に集中していればそこそこ良い成績を残せたと思うけど、しょっちゅう悪いことをしていて、罰を受けたりしていたから、勉強に集中しないようになってしまったんだと思う。授業より居残りのほうが多かったと思うよ。ハイスクール(日本で言う中学。10歳/11歳で入る学校)に入って2ヶ月で停学になったしね。すごいバカなことで停学を食らったんだよ。校庭で生徒を監視してる先生が校長の妹でさ、すごく権力を意識したアホな先生で、俺に「ゴミを拾え」って言ってきて、断って「fat bitch (くそデブ女)」って呼んだら、校長室に連れてかれてその場で停学になったんだよ(笑)。

ハハハハ。クラブ・カルチャーとはどうやって出会ったんですか? お兄さん(ハイジャックの名前で知られる)からの影響ってやっぱ大きい?

スクリーム:自分で音を作り出す前に何回かそういう「18歳以下」向けのクラブのパーティには行っていたけどね。やっぱり音楽を作り出してからクラブに行くようになった。ビッグ・アップル(ダブステップの発火点であり、南ロンドンのクロイドンにあったレコード店)のハチャ(ダブステップにおけるオリジナルDJ)が俺の曲をラジオ(海賊)やクラブでかけてくれるようになって、それを実際に自分でも聴いてみたい、と思ったのがいちばん最初のモチベーションだったね。

それは〈FWD>>〉(ダブステップのもうひとつの発火点となったパーティ)?

スクリーム:ううん。ビッグ・アップルのクリスマス・パーティが毎年あって、それが最初の思い出だね。当時はもう店で働いてて音楽も作ってたから。本当は若過ぎて行っちゃいけないんだけど、招待してくれたんだ。だからクラブのセキュリティーが来る前にみんなが俺らをこっそりなかに入れてくれて、一晩中いっしょに遊んでいたな。そこからだね、他の、もっと大きいクラブがどういうものなのか見たくなって、クラブに行き出したのは。でも最初はクラブではなく音楽を作っていただけだよ。作っていたから、それでクラブに行くようになって、で、そこから好きになっていったんだ。年齢でいったら15歳ぐらいの頃から。

学校を辞めて、すぐにビッグ・アップル・レコードで働くようになったの?

スクリーム:兄貴が2階のジャングルのフロアで働いてて、1階にはハチャが働いていたんだ。彼らがいる頃から店の存在は知っていたよ。だからしょっちゅう遊びに行ってたんだ。11歳の頃からレコードを買っていたから。で、それ経由でビッグ・アップルでハチャとも仲良くなった。そして働くようになった。まだ13~14歳だったかな。

もう音楽は作っていたの?

スクリーム:ビッグ・アップルで働くようになってから、初めて店にいる人たち全員が音楽を作っていることを知ったんだよ。そういう背景があったから自然の流れで自分でも音楽を作るようになって。まわりの人が俺のやりたいことを実際やっていたってわけさ。働くまではまったく気付いてなかったんだけどね。で、アートワーク(アーサー・スミス)とかオーナーのジョンと出会って、彼らに俺が作っていた曲を聴かせたりしていたんだ。すごく気に入ってくれて、「作り続けろ」って言ってくれたものさ。それぐらいの時期にベンガと出会って、いっしょに曲も作るようになった。でき上がったものをハチャに渡して、彼がクラブや海賊ラジオでかけるようになって、じょじょに俺たちの名前が広まっていった。ベンガはまだ14歳で、俺が15歳の頃だったね。

最初はプレステから?

スクリーム:そうなんだ(笑)。しかもプレイステーション1だったよ! 

ハハハハ。

スクリーム:ある日、DJしていたときに友だちから電話がかかって来て「ヘヴィな曲を作ったから聴きにおいでよ」って誘われた。当時はまだインターネットがそんな普及してなくて、データを送ったりする習慣がなかったんだ......みんなフォーラムを見るかポルノを見るためだけに使ってた頃だよ(笑)。で、聴きに行ったら本当にかっこ良くて、「それ本当にそのプレステで作ったの?」って訊いたら「そう」って答るから、「俺もどうにかしないと」って気持ちになった。でも使っていくなかでMusic 2000 (ソフト名)に限度を感じるようになって、家に帰ったら兄貴(Hijack)がFruity Loops、当時はFruity Loops 3だった、を使ってるのを見てそっちに移行したんだよね。使い出して数年経つけどいまも同じソフトを使ってるよ、新しいヴァージョンだけどね。

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一般的に"ダブステップ"っていう音楽に対する印象をある程度変えることができたと思う。その前は低音バキバキのダンスフロアのみでしか聴けない音楽として捉えられていたと思うけど、あの曲によって印象が変わったと思う。「このシーンから本当に面白い音楽が生まれてるんだ」ってみんなが思えるようになったんじゃないかな。


Skream /
Outside the Box

E王 HYDRA Records / Tempa

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影響を受けたプロデューサーは誰?

スクリーム:いま名前が出て来たハチャ、ハイジャック、アートワークとかもそうだけどホースパワー・プロダクションズも影響が大きかったね。誰よりも長くスタジオでいっしょに時間を過ごしたよ。彼らが作っているところをずっと見ていたんだ。いまだに彼らの音楽は他の人よりずば抜けてると思う。いまでも大好きだ。極端にレフトフィールドで、極端にアンダーグラウンドだったからさ、本当にやられたね。「こういう音楽を俺は作りたい」ってはっきり思ったんだ。俺は彼らの曲をほとんど知ってるけど、ビッグ・アップルの人間じゃない限り当時誰も知らなかったからね。でもそういう知る人ぞ知る集団のひとりだったのが面白かったし、その音楽を理解できてたまらなく嬉しかったよ。当時はそれがホントに楽しかったね。

"ミッドナイト・リクエスト・ライン"はどうやって生まれたんですか? 

スクリーム:あれはね、実はクリスマスで退屈してたから生まれた曲なんだ(笑)。たしかボクシング・デー(12月26日)だった。最初はグライムの曲を作ろうと思っていたんだ。でも途中で、「これはグライムでもなんでもないな」って思って、だったら「グライムとダブステップの両方の要素を混ぜた曲を作ろう」と思った。シンセとかリフはグライムっぽいけど聴いてるうちに「グライムでこんな曲は存在しないな」と思って、自分のいつもの作業法に戻ってディープなサブベースとか足していって、そして完成していった。

あれが契機だったよね。

スクリーム:当時の爆発ぶりは自分にとっても不思議な感じだったよ。みんなかけてたからさ! グライムのすべてのDJがかけていたし、当時はいま以上にMCが流行ってたから、でっかいダンスでもあの曲をかけてそれにMCを乗せてきたり、とにかくすごかった。そして全然他ジャンルの、たとえばリカルド・ヴィラロヴォスがかけていたり、地上波のラジオも夜枠では必ずかけてくれた。自分にとってはクレイジーな時期だったよ! 「やった!」と思ったし、「これが起きたからには俺の名前が広まる」って実感したよ。最高だった。そこからファースト・アルバムが誕生したんだからさ。

やたら多くの曲を作っているという話で有名だけど、10代の頃から毎日のように作っていたの?

スクリーム:どうだろうな......。14歳から19歳のあいだだから大量にあったのは間違いないけど。アイディアは1000曲以上ある。実際曲に仕上げていったのは数100曲かな。

ラ・ルーの"イン・フォー・ザ・キル"のリミックスもあなたのキャリアの大きな転機になったし、また、結局、あのリミックスがダブステップをメインストリームのポップ・カルチャーと繋げることになったよね。

スクリーム:そう、すごいよ。いまだにあのリミックスはかかってるんだからね! 当時いちばん盛り上がってたジャンルふたつが融合してできた曲だったから、なおさら反応がすごかったと思うけど、俺にとってはデカかったね。2年経ったいまもあの曲の話が尽きないんだよ。

そんなに大きかったんだね。

スクリーム:プロデューサーのキャリアとしては、信じられないぐらい影響が大きかったよ。完全に別部門に進んだからね。『NME』のダンス・アワードで賞を取ったり、ゴールドディスクももらったしね。40万ダウンロードまでいったし、違法ダウンロードも入れたらすごい数だと思うよ。余裕でポップチャートで1位取れるような数字だよ。昼の地上波ラジオでいまだにかかってるし、アメリカの超人気テレビ・シリーズ「Entourage」でも最近使われたんだ。もうあの曲からは逃げられないんだ(笑)!

あなた自身の環境はどういう風に変わった?

スクリーム:ああいう人気曲を1回出すと、不思議なのが会う人間の数が増えることだよね。それもけっこう重要な人物が多いし、そして自然に友だちになっていくのが面白い。例えばBBCラジオ・ワンのアニー・マックっていう有名DJもあの曲をすごくサポートしてくれて、それを通じて出会って、いまはすごく仲の良い友だちなんだ。俺にとってもすごく意味のある曲だけどシーン全体にとっても意味があった曲だと思うよ。いろいろ違う機会をシーンみんなのために生んだと思うし、一般的に"ダブステップ"っていう音楽に対する印象をある程度変えることができたと思う。その前は低音バキバキのダンスフロアのみでしか聴けない音楽として捉えられていたと思うけど、あの曲によって印象が変わったと思う。「このシーンから本当に面白い音楽が生まれてるんだ」ってみんなが思えるようになったんじゃないかな。

ひとつのジャンルに閉じ込められていた自分を「その箱から出す」っていう意味。期待されるのはやっぱり完全なフロア向けのクラブ・ミュージックだけど、自分が好きなように音楽を作らせてもらう、そういうことさ。そこから繋がるメッセージは、「敷かれたレールに沿って生きる必要はまったくない」っていうことだね。

今年はダブステップの流行が頂点を迎えているようですけど、あなたは状況をどう見ていますか? 嬉しい反面、とまどいもあるだろうけど。

スクリーム:うん、そうだね。だけど、もちろん嬉しい部分もあるんだよ。アーティストによっては前からすごいことをやってるけど、「やっと認められた」っていうのは嬉しいことだし、そうやって人気が出るのは良いことだと思うけど、「他のスタイルでダメだったからダブステップをやってみた」とかいう人もけっこういるし、楽に売れると思って中途半端に乗って来る人たちもいるのも事実でさ、それは良くないと思う。流行に乗っかって来てるだけの人は嫌だね。それ以外はまったく文句なし。いまは最高だ!

『アウトサイド・ザ・ボックス』は明らかに、より多くの人たちがアプローチしやすい作品になっていると思うし、ヒップホップやR&B、アンビエント、ハード・テクノなど、実に多様な内容になっているよね。

スクリーム:自分が好きなようにやろうと思っただけだよ。他の人が俺に期待している音楽はもう自分が充分作れることはいまはわかってるから、自分のための音楽を作りたかったんだ。いろいろ違うテンポや曲調を書くのがすごく楽しかった。他のジャンルの曲も作れることを過去、人に見せたことがなかったからなおさら面白かった。自分のためのアルバムで、フロアがどうこう考えずに作りたかったんだ。結果的には良かったよ......反応がすごく良いし。

ゲストも多彩だよね。

スクリーム:ラ・ルーは"イン・フォー・ザ・キル"の借りを返してくれるように、1曲参加してくれた。LAのリヴィング・リジェンドのラッパー、マーズも参加してくれた。彼とはずっと何かやりたいと考えていたんだけどなかなか実現できなくて、今回やったのは自然な流れに近いよ。あのトラックができ上がった瞬間マーズのことを思って、彼に音を送ってラップを入れて返って来たものがイメージ通りのヤバさだったから収録した。

サム・フランクをフィーチャーした"ウェア・ユー・シュッド・ビー"も印象的だよね。

スクリーム:サム・フランクはイギリスのソングライターで、日本盤にしか収録されてない"シティ・ライツ"っていう曲も彼が書いてるんだ。世界中どこでもまだかかってない曲だけど、最高な曲だよ。歌詞の内容は、完全フィクションで、毎週土日に娼婦を買うために平日働いてる男の話なんだ。「I find my baby under the city lights..」(町の明かりの下に俺は俺のベイビーを見つける)って歌ってて、すごく面白いよ。

"ハウ・リアル"で歌っているフレクルズ(Freckles)っていう女性ヴォーカリストは?

スクリーム:これから活躍するであろう女の子のアーティストだよね。ディーブリッジ(dBridge)とインストラ:メンタル(Instra:mental)も1曲いっしょに書いたんだ。俺のアイドルに近い存在だよ、あのふたりは。共作できてすごく嬉しかったよ。

アルバム・タイトルの意味について教えてください。

スクリーム:『アウトサイド・ザ・ボックス』の"ボックス"は主に"ジャンル"を意味している。ひとつのジャンルに閉じ込められていた自分を「その箱から出す」っていう意味。「もういい加減に俺も受け入れないよ」って示したかったんだ(笑)。みんなに期待されるのはやっぱり完全なフロア向けのクラブ・ミュージックだけど、もう人のためじゃなくて自分が好きなように音楽を作らせてもらう、そういうことさ。そこから繋がるメッセージは、「敷かれたレールに沿って生きる必要はまったくない」っていうことだね。俺の場合は音楽だから、音楽的に言うとジャンルに自分の音楽を左右されちゃダメだし、逆に言えば「自分の音楽でジャンルを定義しろ」ってことなんだ。だから音楽以外でもいいんだ。とにかくまわりのルールに従って行動するのではなく、「自分で自分の道を切り開かないとダメだ」っていう意味なんだよ。

小野田雄 - ele-king

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Salem - King Night - IAMSOUND

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Cos/Mes - Chaosexotica (Welcome Stranger Version) - ESP Institute

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Chk Chk Chk - The Most Certain Sure (Liv Spencer Remix) - Warp

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Crue-l Grand Orchestra - Barbarella (Very Vinyl Version) - Crue-l

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Jonathan Kusuma - Days Are Numbered - space.rec.

DJ SATOSHI (IZMICAL / NNNF) - ele-king

秋にしっぽりどっぷり


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Don Cherry - Relativity suite - Jcoa

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Kip Hanrahan - Coup de tete - American crave

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J Dilla - Donuts - Stones throw

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Andrea Daltro - Kiua - Estudio De Inrencoes

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Egberto Gismonti&Academia De Dancas - Feixe De Luz - Emi

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Pat Metheny Group - Still Life(Talking) - Geffen

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Ashra - Correlations - Virgin

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Common - Electric Circus - Mca

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The Parachute Club - The Parachute Club - Current Wavez

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Sbb - Follow My Dream - Egg

RYOTA TANAKA - ele-king

A Night In Nakagyou -Ku Early September Chart


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王舟 - Thailand - 鳥獣虫魚

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Paradise - Alchol River- My Best!

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The Mirraz - Top Of The Fuck'n World - Mini Muff

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Time & Space Machine - Set Phazer To Stun - Tirk

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Crocodiles - Sleep Forever - Fat Possum

6
Alfred Beach Sandal - S.T. - 鳥獣虫魚

7
Hotel Mexico - His Jewelled Letter Box - Second Royal

8
Wavves - King Of The Beach - Fat Possum

9
Riddim Saunter - Sweet & Still - NIW!

10
Surkin - Easy Action - Institubes

ホテルニュートーキョー - ele-king

 ホテルニュートーキョーの音楽には、シューゲーザーや渋谷系やハードコア・パンクやヒップホップなどの音楽的・文化的バックグラウンドが混在している。が、もっとも彼らの音楽を特徴付けているのは、大都会の底を濡らすような、ゴージャスで、メロウで、ファンタジックなムードだ。そして、それがホテルニュートーキョーの最大の魅力でもある。

 7月末にホテルニュートーキョーのライヴを渋谷の〈O-nest〉に観に行ったのだが、前日に伝説のサルサ・シンガー、エクトル・ラボーの半生を描いた映画『エル・カンタンテ』を観ていたからだろうか、渋谷のけばけばしいネオンや町の喧騒にいつもより親しみを感じることができた。ホテルニュートーキョーの演奏もひと際色鮮やかに聴こえた。エクトル・ラボーは、60年代後半から70年代の大都会ニューヨークを駆け抜けたサルサ・シンガーだった。映画は、現代のカリスマ的なサルサ・シンガー、マーク・アンソニーがラボーを演じ、実生活でもマーク・アンソニーの奥方であるジェニファー・ロペスが奥さん役としてラボーの栄光と挫折を回想する形で物語が進行する。映画の出来はともかくとして、ニューヨークのネオンは幻想的に映し出され、それはとても美しく魅力的だった。映画のなかで、サルサは当時のアーバン・ミュージックとしてニューヨークの騒々しく猥雑な夜を華やかに、そして情熱的に彩っていた。

 ホテルニュートーキョーは、例えば、やけのはらの『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』やLUVRAW&BTBの『ヨコハマ・シティ・ブリーズ』のように埃まみれの路上の淡い青春の煌めきを描いているわけではないが、彼らのアーバン・メロウ・ミュージックは紛れもなくこの国のもうひとつの都会のロマンチックなサウンドトラックとして機能しているのだろう。フロアのバーカウンターで話しかけた女性は渋谷で働くOLだった。彼女は仕事帰りにホテルニュートーキョーを目当てに来たのだという。「エロいけど、下品じゃないのが好きなんです」と彼女はホテルニュートーキョーの魅力を簡潔に語ってくれた。「ほんとそうですね」、僕は心から賛同した。ライヴのあと、「一杯飲みませんか」と誘ったが、やんわりと断られてしまった。彼女は何事もなかったかのように渋谷の人ごみのなかにスーッと消えていった。

 ホテルニュートーキョーは、2003年、マルチ・プレーヤーの今谷忠弘のソロ・プロジェクトとして始動する。2006年、須永辰緒と曽我部恵一のリミックスが収録された12インチ・シングル「東京ワルツ」でデビューし、同年1stアルバム『ガウディの憂鬱』を発表。その後、バンドとしてのライヴ活動をスタートする。つまり、『ガウディの憂鬱』から2009年の2ndアルバム『2009 spring/summer』、そして今回リリースされる『トーキョー アブストラクト スケーター ep』に至る流れは、今谷によるバンド・サウンドの洗練と発展の過程とも言える。ホテルニュートーキョーには、日本を代表するポスト・ロック・バンド、toeのドラマー柏倉隆史やkowloonやstimといったダンス・ミュージックに接近するバンドのキーボーディストの中村圭作が参加していて(共に木村カエラのサポート・ミュージシャンでもある)、彼らが今谷のイメージを膨らませ、音楽化する上で重要な役割を果たしている。

 "東京ワルツ"が少々時代遅れに感じられるアシッド・ジャズへの挑戦と聴けなくもないことを考えれば、その後のバンドを基軸としたサウンドのふくよかさと豊かさはやはり洗練と発展と言えるだろう。そこには、エレクトロニカ、ジャズ、ヒップホップを打ち込みと生演奏の見事な調和によって消化した、とくに『エヴリデイ』の頃のシネマティック・オーケストラと通じる音楽的志向を聴くことができるし、メロウでソウルフルな感性からは、90年代のオリジナル・ラヴや『MUGEN』や『LOVE ALBUM』の頃のサニーデイ・サービスを連想することもできる。

 僕が最初に虜になった曲は、多くの人がそうかもしれないが、『2009 spring/summer』に収録された"if you want it first time" と"let me turn you on"だった。ホテルニュートーキョーのことをよく知らない人は、まずYoutubeにもアップされているこの2曲を聴いてみるといいだろう。僕が思うに、ホテルニュートーキョーのエレガントでスタイリッシュな魅力は、ダイナミックなドラミングと甘美なエレピの響きと楽曲に豊かな奥行きを与えるホーン・セクションが調和した、この2曲に凝縮されている。

 今谷忠弘曰く、『トーキョー アブストラクト スケーター ep』には、「井上雄彦」「スケートカルチャー」「オルタナティブ」「ガス・ヴァン・サント」といった4つのキーワードがあり、本作は自身の音楽的ルーツである90年代に向き合った作品だという。それについて詳しくは、インターネット上で読める彼のインタヴューに譲りたいが、本作にはガス・ヴァン・サントの映画『パラノイド・パーク』のラスト・シーンで使われた、エリオット・スミスの"The white lady loves you more"のカヴァーが収録されている。34歳という若さで謎の死を遂げたシンガー・ソングライターの、いまにも壊れそうな繊細な原曲の雰囲気を保ったままゴージャスなアレンジを施すことに成功している。この曲のMVを観ると、たしかに今谷がガス・ヴァン・サントの淡い映像美からも大きな影響を受けていることがわかる。

 "Let me turn you on ?electric city ver.-"、"A man&rooster 90`s"、"ガウディの憂鬱 -live edit-"といった既発曲のセルフ・カヴァーやライヴ・ヴァージョン、ほんの一瞬マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『ラヴレス』が脳裏をかすめる"Dawn"、あるいはDJ シャドウやプレフューズ73へのオマージュであろう"トーキョー アブストラクト スケーター #1"、"~ #2"も面白い。いや、しかし、何をやってもエレガントにまとめ上げるホテルニュートーキョーは、意外にもいまの日本の音楽シーンでは珍しいタイプのバンドであると思う。一音鳴った瞬間にドリーミーな非日常の世界への扉を開けてくれる。だから今度こそは、ホテルニュートーキョーのライヴで......。

 最後に手前味噌になるが、僕が〈中野heavysick zero〉でオーガナイズしている〈Bed Making〉というパーティの次回(10/1 )のゲスト・ライヴにホテルニュートーキョーの出演が決まった。GROUPの元ドラマーで、ROVOの芳垣安洋らが率いるORQUESTA NUDGE! NUDGE!やstimで活躍するTAICHI、KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'SのバックDJを務める新進気鋭の女性DJ、mewも出演する。もちろん、レジデントのL?K?OとDJ YOGURTも控えている。彼らが甘く酔狂なパーティを演出するとなれば、それはそれは素晴らしい夜になるだろう。

CE$ (sheluvit - Mon-archy - S57-TP82) - ele-king

CURRENT FAVORITE 10


1
dREADEYE&SU19B - SPLIT - RSR
凄い。

2
Paris Jones ft April Kelly - Winter
PVが素敵。

3
RUSSIAN HARDCORE - RAP関連(MOSCOW DEATH BRIGADE,LEGION CLAN etc)
訳がわかりませんが凄い。thanks 2 ikmhnw.

4
ROLL DEEP - Say No More Mixtape - ---
コレが今のGRIME。

5
DNT - Great Escape - ---
何考えてんだコノ人、といつも思ってます。

6
BIG-K - DA MORBID BALLAZ the Mix Vol.1 - D.M.B PRODUCTION
暑中お見舞い(※ジャケ含む)

7
MASS-HOLE A.K.A BLACKASS - SOUNDDRUG - MNM
タイトル通り。

8
TYRANT, HVSTKINGS,RCSLUMRECORDINGS関連
toKAI DOPENESS.

9
韻踏合組合 - 前人未踏(&各Remix) - IFK RECORDS
やっぱりカッコイイ。

10
tofubeats ft オノマトペ大臣 - 水星 - Unreleased
心地良い。

#7:DIY主義者たちの小さな革命 - ele-king

 ほんのわずかだが、この1~2年で変化を感じている。例を挙げてみよう。

 Julian Lynch - Mare (Olde English Spelling Bee)
 Donovan Quinn & The 13th Month - Your Wicked Man (Soft Abuse)
 High Wolf - Ascension (Not Not Fun Records)
 Candy Claws - Hidden Lands (Twosyllable Records)
 The Samps - The Samps (Mexican Summer)

 以上はこの8月に買ったレコードのいちぶで、音楽性はそれぞれフォーク・ロック、チルウェイヴ、エクスペリメンタル/アンビエント、サイケデリック......バラバラだが、この5枚には興味深い共通点がある。
 1. すべてが12インチのヴァイナルであること。2. すべてがUSインディの比較的若い世代であること。3. 〈ノット・ノット・ファン〉を除く4枚のレコードにはmp3の無料ダウンロードのコードカードが挿入されていること。〈ノット・ノット・ファン〉はずいぶん前からレーベルとしてCDのリリースをしていない。また、いま人気の〈メキシカン・サマー〉にいったては最初にヴァイナルのみを限定リリースし、CDはその数ヶ月後になってからリリースする。いずれにせよ、フィジカル・メディアはヴァイナルであることが優先されている。彼ら・彼女らにおいてCDは......いわば格下で妥協案、ま、そんな風に思える。
 
 渋谷のHMVが閉店して、いよいよCDが売れなくなっているとTVのニュース番組で特集されたらしい。数年前に、音楽関係の専門学校の講師をしている知り合いが生徒に訊いたところ、金を出してCDを買っているのはクラスの数人ほどで、多くが違法ダウンロードで音楽を聴いていたという。オバマが大統領に当選したときに、アメリカの音楽産業の上層部は違法ダウンロードの問題の解決を音楽好きな大統領に期待している。イギリスでは昨年、エルトン・ジョンやリリー・アレンが違法ダウンロードの取り締まりを支持する団体を結成して、話題になった。リリー・アレンは「ファイル共有は災害」とまで言っている。彼・彼女らは音楽文化の産業としての未来をシリアスに案じているのである。
 
 こうした問題がより深刻なのは、それが違法だろうが合法だろうが、こと若い世代においてCDよりもダウンロードのほうがいまやスマートだからだろう。6~7年以上前の話だが、remixという雑誌の編集部にいた頃、新しく入ってきたKという大学を出たばかりの男は、自分のiPodに実にたくさんの、いろいろなジャンルの音源を大量に詰め込んで(彼の名誉のために言うと、もちろん合法の音源だが)、ちょっと聴いてはまた他の曲を聴いたりとか、そんなことを何度も何度も繰り返しているのを目の当たりにして、僕にはそれが"新しい聴き方"に思えたものだった。実際の話、それはよりスマートでよりモダンな、より"格好いい聴き方"なのだ。レコード会社の方々には頭の痛い話だが、若い世代が、携帯オーディオのなかの自分のデータを蒐集し、編集しながら聴いている姿を見ていると、「こうしてCDの存在価値はなくなっていくのか」と納得する。〈マルチネ・レコーズ〉の「MP3 Klilled the CD Star?」という問いかけは、ある意味真実とも言える。
 
 mp3という圧縮音声ファイルフォーマットには関しても諸説がある。もっとも頻繁に議論されるのは音質の問題だが、これに関しては他に譲ろう。僕はmp3の使用者のひとりで否定者ではないが、さすがにiPhoneやiPodをDJミキサーにぶち込んだりはしないし、家ではレコードかCDで聴く。
 先日のWIREで知り合った20歳の青年の話によれば、彼の世代のほとんどはYouTubeで満足してしまうそうで、何故なら彼ら・彼女らは"音"を聴いているのではなく"言葉"を聴いているからだという。これは"音"を楽しむ行為とはまた別の話になってくる。
 

 音楽に限らずだが、映画でも何でも、デジタルに関する問題のひとつは、それがネット上にアップできる点にある。それは諸刃の剣だ。より民主的にもなりうるが、同時に違法ダウンロードの氾濫も可能にしている。レディオヘッドが『イン・レインボウズ』でこの問題に立ち向かったとき、彼らはリスナーに音楽の値段を決めさせた。問題提起としては面白かったが、スーパー・バンドの高慢なやり方とも思える。名前が大きくなければできないし、違法ダウンロードは小さなレーベルにとって死活問題だ。ましてやデトロイトのように、ヴァイナルが地域産業(カッティング技師、プレス工場等々)として成り立っている場所にとってはよりゆゆしき問題である。ムーディーマンは、2007年に「テクノロジー・ストール・マイ・ヴァイナル」というタイトルの12インチ・シングルを発表しても言い足りなかった。ヴァイナル主義者で有名なこのハウス・プロデューサーは、2009年の『アナザ・ブラック・サンデー』のインナーにおいてさらに毒づいている。「お前が俺の音楽をダウンロードして悦に入っているあいだ、お前のフリーキーな彼女は俺の12インチをプレイしている」と記し、そのメッセージの背景にはヴァイナル・レコードを手にしながらセックスしている男女の写真を載せている。

 ところが......ムーディーマンの憤怒とは別のところで、ここ2~3年、USインディのシーンにおいてヴァイナルの量が増えつつある。それなりに経済力のあるインディ・レーベルはCDも出しているが、より小さなレーベルのDIY主義者たちはヴァイナル・オンリーに移行しつつある。OPNやエメラルズのようなアンビエント系はCDも出しているが、同時にヴァイナルも作っている。そしてヴァイナルと比例するように、カセットテープによる超限定リリースも増えている。今年に入ってからこの傾向はより顕著になっている。これをアメリカのジャーナリストは新たな「時代精神」の象徴として"テープ・シーン"と呼んでいる。いわば手作りの文化である。最近のジン文化の盛り上がりにも同じことが言えるかもしれない。小さな場面での出来事かもしれないが、少なくともデジタルの大衆性に対して疑問が突きつけられているのだ。
 
 デジタルに関する問題のもうひとつは、mp3の捉え方にある。冒頭で書いたように、USインディの彼ら・彼女らのヴァイナルのなかにはたいていmp3の無料ダウンロードのコードカードが封入されている。デジタルは配信用として考えるか、もしくはmp3程度の音質でよければ無料で提供する、そのレヴェルでの割り切りが彼ら・彼女らにはある。そして、例えばキャンディ・クロウズのコードカードに記された「Long live physical media」という言葉が表すように、若い彼ら・彼女らは、フィジカル・メディアが生き残る道はヴァイナルであると結論づけているようなのだ。それはダウンロードによってより多くの人に聴いてもらいたいというデジタル時代の楽天性からだいぶ軌道修正された、現代のDIY主義者の思いの表れでもある。
 
 さらにもうひとつ面白いのは、これらUSインディのDIY主義者たちの作品の収録時間が、45分以下になっている点である。CD全盛の90年代にもヴァイナル文化はあったが、それはなかば記念物としての、おおよそコレクターズ・アイテムとしての、CD作品のヴァイナル化に過ぎなかった。が、アメリカのヴァイナル主義者たちは収録時間も伝統的なLPフォーマットに戻している。
 
 それが違法ダウンロードに歯止めをかけるとは思えない(データ化してしまえば同じだし)。が、USインディにおけるDIY主義者たちのこうした動きは、インディペンデント・レーベルの将来に向けての重要な試みのように思える。ヴァイナル文化への強い憧憬が、現実を動かしただけのことかもしれない。あるいはダウンロードが一般化し過ぎたあまり、もはやそれはがスマートな聴き方ではなくなっているということなのかもしれない。まあ、どんな理由があるにせよ、USインディをメインに仕入れているレコード店からはCDが減りつつある。CDを作らないレーベルが増えている。小さなレーベルになればなるほど、こうした傾向は強まっている。デジタルを拒否しているのではない。CDというメディアによる作品の発表に価値を見出せなくなっているのだ。
 
 プレス工場を持たない日本でUSインディと同じ展開を期待するのは非現実的だろう。しかし、7インチ・シングルやカセットテープなら手の届く範疇にある。実際、日本でもここ数年で7インチ・シングルをリリースするレーベルが出てきている。デジタルと違ってより多くの人が自由にアクセスできるわけではない。枚数は限定され、それなりの労を要するだろう。が、求めている人のより深いところに届く可能性はこちらのほうがより高い......と僕は思うのだが。

interview with Sherard Ingram (a.k.a. Urban Tribe) - ele-king

ネット上で他人になりすましたり、他人のプライバシーに立ち入る、デマを流す、ネット詐欺といったIT技術の誤った使い方も氾濫している。思うに、社会の成熟が科学技術の進展の速さに追いつくことはないだろうから、こういったモラルの問題はどんどんおこるだろう。


Urban Tribe
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Mahogani Music

 

 シェラード・イングラム、またの名前をDJスティングレー、より多くの音楽ファンのあいだではアーバン・トライブの名で知られる男......それはホアン・アトキンスからはじまるもうひとつのデトロイト・テクノである。それは地上を呪ったドレクシアであり、アメリカを"ファシスト・ステイト"と定義したドップラーエフェクトであり、そして"モダン文化の崩壊"をデビュー・アルバムのタイトルにしたアーバン・トライブ、すなわちオリジナル・ドレクシアの3人のメンバーであり、そのうちのひとりがシェラード・イングラムというわけだ。
 ドレクシアの死後、つまりゼロ年代以降、これら"もうひとつのデトロイト・テクノ"は、主にUKの〈リフレックス〉、ベルリンの〈トレゾア〉、ミュンヘンの〈インターナショナル・ディージェイ・ジゴロ〉、あるいはオランダの〈クローン〉によってプロモートされている。〈リフレックス〉はドレクシアの変名トランスリュージョンやアーバン・トライブ、〈ジゴロ〉はドップラーエフェトやジャパニーズ・テレコム、〈トレゾア〉はドレクシアとその変名のシフテット・フェイシズ、〈クローン〉はジ・アザー・ピープル・プレイス、ラブ・ラットXLなどといったドレクシアの変名......を出している。これらデトロイト・テクノにおける奇妙なダーク・エレクトロはヨーロッパにおいてそれなりの高い評価と人気があったのである。
 
 シェラード・イングラムによるアーバン・トライブは、1998年に〈モワックス〉から最初のアルバムを発表している。それから〈リフレックス〉で2枚のアルバムを残し、2010年の夏には4枚目のアルバム『アーバン・トライブ』を〈マホガニー・ミュージック〉から発表している。
 
 そしてこの9月、デトロイトとヨーロッパでのみ知られているアーバン・トライブとしてのライヴPA、そしてDJスティングレーのプレイ(筆者の知る限りでは、より深いアンダーグラウンドなフィーリングを持っている)がようやく日本で聴けるわけだ。以下、来日を控えたシェラード・イングラムへのメール・インタヴューである。

あなたが1998年に〈モワックス〉から発表したアルバム・タイトルが『The Collapse Of Modern Culture(モダン文化の崩壊)』でした。それから10年以上経った現在、あなたは"collapse"をどのように捉えていますか?

シェラード:資源の奪い合いや文化や宗教の違いによる衝突といったことは昔からあることだけど、最近の科学技術の急速な進歩は社会的・経済的な不確実性を世界規模でもたらしたと、多かれ少なかれ言えるのではないかと思っている。科学技術というのもは両刃の剣のようなものだ。30億塩基からなるヒトゲノムが解読されということは、何千年も人類を苦しめてきた疾患の治療にたしかにつながる。が、しかし、その新しい治療法は誰でもすぐにうけられるわけではないし、お金もかかるし、実際に臨床でつかうにはいろいろと技術的な整備も必要であるし、なによりも人体で(実際に効くかどうか)実験しなければならないという問題もまた生じる。また、いわゆるIT革命は、インターネットがないような地域は除いて、いろいろな人たちと情報を共有したり交流したりするのを可能にした。が、そのいっぽうで、ネット上で他人になりすましたり、他人のプライバシーに立ち入る、デマを流す、ネット詐欺といったIT技術の誤った使い方も氾濫している。思うに、社会の成熟が科学技術の進展の速さに追いつくことはないだろうから、こういったモラルの問題はどんどんおこるだろう。

当時、あなたは何故、どういう理由からあの言葉をアルバム・タイトルにしたんですか? 

シェラード:当時の世界や1990年代初期、中期の出来事を自分の視点から見たものに基づいている。都会のスプロール現象、政治的動揺、犯罪率の上昇、モラルの欠如や欲深さが世界の生命体を消耗していると思っていた。

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ミスター・オバマの選出は国の選挙や社会構成の信頼性を再生したと思うが、直面する国家の急務のために、一般的には都市の大きな変化に影響を与える充分な時間はなかった。人はみんなもう少し辛抱して、過程を見守るべきだと思う。

オバマ大統領になって時間が経ちますが、デトロイトに変化がありましたか?

シェラード:アメリカ国民のある階層の人たちのあいだには、ミスター・オバマの選出は活気のある影響力があり、国の選挙や社会構成の信頼性を再生したと思う。これはデトロイトにも同じく広がった。正直にいうと、直面する国家の急務のために、一般的には都市の大きな変化に影響を与える充分な時間はなかった。人はみんなもう少し辛抱して、過程を見守るべきだと思う。

あなたの名前を最初に知ったのは、〈レトロアクティヴ〉のコンピレーションに収録された"Covert Action"でしたが、あなたにとって公式に発表された最初の作品は何ですか? NASA名義で1987年に出した「Time To Party」?

シェラード:ははは! そうだ! 「Time To Party」は私の最初のレコードで、〈Express Records〉からリリースされた。

ホアン・アトキンスとはどういう風に知り合ったんですか? 彼があなたの音楽活動のきっかけだったんですか?

シェラード:ホアンとは私が〈Buy Rite Records〉(ケニー・ディクソン・ジュニアもリック・ウィルハイトも働いていたことがある)で働いていたときに出会った。我々(リック・ウィルハイト、スキャン7、ドネル・ウィリアムス)はホアンのスタジオでレコーディングをし、ホアンがミックスをした。

あの当時のあなたはどんな風に生活をしていたのですか? 音楽活動はしていたんですか?

シェラード:「Covert Action」は1990年に〈レトロスペクティヴ〉(カール・クレイグとデイモン・ブッカーのレーベル)からりリースされた、1990-1998年のあいだは〈MASS〉というデトロイト・ベースのレーベルから12インチを1枚出したり、レーベル〈KDJ〉の1枚の12インチ(Emotional Content。KDJ002とミスプリントされているが実は001)のミックスをやった。またNFDというプロジェクトの1曲をミックスした。バイカーズ・クラブみたいなところでDJもやってたよ。

DJスティングレーとしての活動が最初だったんですか? また、どのようにドレクシアと関わりを持ったのでしょうか?

シェラード:ジェームズ・スティンソンとジェネラル・ドナルド(ドップラーエフェクトほか)とは〈Buy Rite Records〉で出会った......。

1998年の『The Collapse Of Modern Culture』から2006年の『Authorized Clinical Trials』までのおよそ8年間は何をしていたんでしょうか? 

シェラード:音楽は続けてずっとやっていたが、無意味なプロジェクトに巻き込まれて、くだらない問題で気が動転してたんだ。いまはもう克服したけどね。

Mystic Tribe A.I名義では〈クローン〉レーベルからの1枚だけですか?

シェラード:そうだよ。ジェームズ(ドレクシア)とサージ(〈クローン〉の主宰者)のおかげだ。あの曲は『Collapse~』LPに収録されるはずだったんだが、外れて、ジェームズに聴かせると彼が気に入ってくれてね......。

音楽シーンから身を引こうと考えたことはありますか?

シェラード:その日が来るのは我々アーティストの情熱が無くなってしまったときだと思う。自分にはまだまだ提供したいモノがあるし、みんなに聞いてもらいたいモノがある。

当時、いきなり〈リフレックス〉からあなたの作品が出たときはびっくりしたものでしたが、〈リフレックス〉とはどうやって出会ったんですか?

シェラード:〈リフレックス〉のグラントとは〈ワープ〉の「Magic Bus Tour」にDJスティングレーとして参加したときに出会った。そして忘れてしまったが、どこかの空港で彼と会ったときいろいろと話し込んで、その2年後コネクトしたわけだ。

2006年に〈リフレックス〉から『Authorized Clinical Trials』を発表し、続いて翌年の2007年にもサード・アルバム『Acceptable Side Effects』を出しています。12インチ・シングルも〈リフレックス〉や〈プラネット・E〉、そして昨年は〈トラスト〉から出しています。今年に入ってからも〈プラネット・E〉からシングルを切っていますね。なぜ最近になってから堰を切ったようにリリースが続いているのでしょうか? 過去の20年よりも、ここ数年になって、あなたはますます熱心に音楽活動をしているように見えるのですが。

シェラード:気持ちが変わって、ネガティヴなところがなくなったんだと言っておこうか。またラップトップとAOLのアカウントも取得したしね! 機材もアップロードしてもっといろいろと表現できるようになったし、他の人やスタジオに頼ることなく、もっと時間をかけて、プロジェクトを完成できるようになった。

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デトロイトの人たちは逆境に強く、また用心深いが、メディアの差別的な要素が違うイメージにデトロイトを塗り替え、バランスの取れた報道を正直に試すことなく、ネガティヴなことだけを引き出した。

あなたの音楽の背景からは、ジャズやソウルなどからの影響も感じますが、やはり根底にあるのはエレクトロじゃないかと思います。ホアン・アトキンス、ドレクシア、ドップラーエフェクトといったデトロイト・エレクトロの系譜にいるんじゃないかと思うのですが、もしそうだとしたら、あなたにとってエレクトロが特別である理由はなんでしょうか?

シェラード:1980年代、1990年代当時"electro"という言葉に出会ったとき、"electro"は自分にとって他と違う何かを意味した。「自分はエレクトロのトラックを作ろう」と思ってやったわけでなく、いまのカテゴリーでは自分の音楽はそうはめこまれた。キミの言うグループや音楽ジャンルだけでなく、産業や自分の環境から結論を出している。自分自身をエレクトロのアーティストだとは思っていないし、もし自分の作品の全体像を聴いてもらえればわかってもらえると思う。けれども、自分は自由さを好むし、良いエレクトロという意味合いでの公然上のアプローチでなら大歓迎だ。個人的には4つ打ちでなく、フィルターのかかったシンセラインがあるものならなんでもエレクトロという言葉が使われているような気がするけどね。

あなたの音楽にはダークでメランコリックな要素があります。優美さや躍動ばかりではなく、悲しみ、怒り、醜さ、汚さのようなものも表現しているように思いますが、そうしたダークサイドは純粋にデトロイトという環境から来るものなのでしょうか? あるいは、具体的に影響を受けた作品がもしあるようであればぜひ教えてください。

シェラード:デトロイトはならずものや犯罪者によって動かさせていると認識されていると思うが、それだけではないと言わせていただこう。デトロイト市民の多くは勤勉で、家族を愛しており、彼らは税金もちゃんと払って、町を愛している。政治的な立場にいる人のなかには欲深く、町を改善するための資源(富)を分配しない人もいる。"醜さ"は都市圏を作り上げたコミュニティのいち部の人たちの差別や冷酷さであって、"汚さ"は町があまりにも急速に改善されると利益が無くなり困るいち部の人たちがいるからだ。こういった事柄が自分のサウンドに衝動を与えている。犯罪で支配されていて、仕事もなく、ここに住むのを拒んでいる、みたいな典型的なありきたりの見方ではなく。デトロイトの人たちは逆境に強く、また用心深いが、メディアの差別的な要素が違うイメージにデトロイトを塗り替え、バランスの取れた報道を正直に試すことなく、ネガティヴなことだけを引き出した。

"Low Birth"がとても好きなんですが、あれはどんな思いが込められているのでしょうか?

シェラード:ありがとう! スペルは正しくは"Low Berth"なんだけど、(注:〈モワックス〉からのシングルには"Low Birth"、アルバムには"Low Berth"とある)。社会的に不利な立場にいて、絶えて頑張ってそこから這い上がろうとする人を意味する。リスナーにインスピレーションを与えつつ哀愁の漂ったムードを沸き立たそうとした。

もうすぐ〈マホガニー・ミュージック〉から4枚目のアルバムが出るそうですね。すべて曲名が"Program"という言葉で統一されているらしいですが、コンセプチュアルなアルバムなのでしょうか? それはどのようなコンセプトのアルバムなのでしょうか?

シェラード:このLPはリスナーに音楽に集中してもらうのが目的だ。

いままでのどのアルバムとも違ったものになったと思うのですが、参加メンバーはカール・クレイグ、アンソニー・シェイカー、ケニー・ディクソン・ジュニア、そしてあなたの4人でいいんですか?

シェラード:私自身、アンソニー・シェイカー、ケニー・ディクソン・ジュニア、カール・クレイグ、それから何人かの新人も参加しているよ。

素晴らしい女性ヴォーカリストも参加していますね?

シェラード:これは機密情報。悪いね。

とても素晴らしい音楽だと思うのですが、1曲がすべて3分未満で、レコードでは片面に6曲ずつ入っています。これはどんな理由からですか?

シェラード:伝統を踏襲した分割とでも言おうか。

ケニー・ディクソン・ジュニアとはどんなところで気が合うんですか?

シェラード:自分と同じデトロイトウェストサイド出身の長年の友だちだよ!

来日でのライヴを楽しみにしています。どんな感じのショーになりますか? あなたの音楽のように、ハードで、ダークな演奏になるのでしょうか?

シェラード:今回は初来日なのでとてもエキサイトしているよ! 忘れられないsonic experience (音響体験)をしてもらえるのを楽しみにしているよ。

Urban Tribe (DJ Stingray, Sherard Ingram)

デトロイトのシーンに25年もの間関わり続けており、またデトロイトテクノ/エレクトロのカルト的存在であるDrexciyaのDJ、DJ Stingrayとしての活動歴をもつ。Urban Tribeとしても知られ、〈Mo Wax〉からリリースされた「Eastward」、アルバム『The Collapse Of Modern Culture』、また〈Retroactive〉からリリースされた「Covert Action」はUrban Tribeの代表作である。Aphex Twinのレーベル〈Rephex〉からは、よりエレクトロな作風で2枚のアルバム『Authorized Clinical Trials』と『Acceptable Side Effects』をリリースしている。2008年、自主レーベル〈Micron Audio Detroit 〉を始動。今年夏には、Anthony Shake Shakir、Carl Craig、Kenny Dixon Jr(Moodymann)が参加したUrban Tribeとしての最新アルバム『Program 1-12』を〈Mahogani Music〉からリリースしている。またその素敵なアルバムアートワークは『Wax Poetics』のアートディレクターJoshua Dunnによるもの。さらに今後は、Heinrich Mueller (aka Gerald Donald/Dopplereffekt)、Nina Kraviz (Underground Quality/Rekids)らが参加のUrban Tribeのアルバムをリリース予定とのこと。

https://www.myspace.com/djstingray313
https://www.myspace.com/micronaudio
https://planet-e.net
https://www.mahoganimusic.com
https://www.myspace.com/mahoganimusic313

DJ Stingray DJ MIX
(AT THE CAID DETROIT W/EGYPTIAN LOVER NOVEMBER 4, 2006 MEMBERS ONLY DETROIT/MICRON-AUDIO)
https://soundcloud.com/futurityworks/dj-stingray-c-a-i-d-stereotype-mix

DJ Stingray RA Podcast
https://soundcloud.com/futurityworks/dj-stingray-ra-podcast-190

Chart by STRADA - ele-king

Shop Chart


1

SHANE WATCHA

SHANE WATCHA THE MORNING AFTER THE NIGHT BEFORE ZOMBIE SOUNDSYSTEM(UK) »COMMENT GET MUSIC
ロンドンをベースに活動中のDJ/クリエイターSHANE WATCHAが、自身が設立したレーベルからいきなりハイ・クオリティーな作品を発表!パーカッションを絡ませたアフロ・ハウス・トラックにテックなシンセが乗ったサイバー且つハイブリッド感覚溢れる好盤!DJ的にもコレは使いやすい!

2

ALEX NIGGEMANN

ALEX NIGGEMANN JEWELS SOULFOOLED(GER) »COMMENT GET MUSIC
Ostwindや8BitからもリリースしているベルリンのアーティストAlex Niggemannによる注目作品!アフロ~ラテン・テイストのパーカッション・ビートに民族的なコーラスが時折入るディープでカッコイイ作品!Radio Slave、Jimpster、 Solomun、Sisらもプレイ!これはマスト!

3

CRUE-L GRAND ORCHESTRA

CRUE-L GRAND ORCHESTRA (YOU ARE)MORE THAN PARADISE-THEO PARRISH REMIX CRUE-L(JPN) »COMMENT GET MUSIC
かねてからリリースが噂されていたTHEO PARRISHリミックスが遂に!オリジナルの11分に対しTHEOは17分にも及ぶ超大作に更なるアップデート!THEO本人も来日時にほぼフル尺でプレイ済みの話題作で、DJ HARVEYも「最近の新譜の中で一番アメイジングだ」と絶賛!

4

DJ NATURE

DJ NATURE FOGGY MONDAY MORNING GOLF CHANNEL(US) »COMMENT GET MUSIC
あのMassive Attackの前身的ユニットWild BunchのメンバーDJ MiloことMilo JohnsonがDJ Nature名義で12インチをリリース!メランコリックで耳障りの良い極上トロピカル・ハウスのA面がオススメ!ディープなアフロ・テイストのビートダウン・チューンのB面も要チェック!

5

RONNY & RENZO

RONNY & RENZO BROKEN FINGERS KING KUNG FOO(UK) »COMMENT GET MUSIC
遅めのバレアリック作品なのですが、A面のオリジナルは45回転でプレイした方がパーカッシヴでスペイシーな極上テック・ハウスに生まれ変わって断然カッコイイ!B面には人気のSombrero Galaxyによるディープなりミックスをカップリング!

6

MARTIN VOGEL

MARTIN VOGEL TOUGH PERSEO(UK) »COMMENT GET MUSIC
Italians Do It Better系列の新レーベルPerseoから、なんとアメリカを代表するロックン・ローラーBruce Springsteenの作品をネタにしたバレアリックな作品が登場!ゴージャスなシンセのアルペジオにパーカッション、そして幻想的に処理されたヴォーカルがなんともバッチリ!B面にはインストも収録!400枚限定プレスで再プレスはしないとのこと!お早めに!

7

UNKNOWN

UNKNOWN DON'T LOOK BACK WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
詳細不明ながら見逃せない1枚がNYから入荷!パーカッシヴで黒いトラックに切ない女性ヴォーカルやストリングスがフィーチャーされた哀愁漂う作品!これは見逃せません!

8

KEMETICJUST

KEMETICJUST I GOT LIFE(feat.TERRANCE DOWNS)-DJ SPINNA REMIXES NDATL(US) »COMMENT GET MUSIC
デトロイト・ハウス・シーンの重要人物KAI ALCE主宰のNDATLレーベルからの渋い男性ヴォーカルもの!DJ SPINNAならではのグルーヴィー且つスペイシーなトラックにANANDA PROJECTの諸作品でもお馴染みのTERRANCE DOWNSのソウルフルなヴォーカルがカッコイイ!SPINNAによるダブやB面のジャジーなミックスもグッド!これは両面使えます!

9

LAURYN HILL

LAURYN HILL SWEET INTOXICATED WOMAN-DJ OJI REMIXES WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
IBADAN等からのリリースで知られるDJ OJIが久々に強力盤をリリース!LAURYN HILLをハウス・リミックスしたこの作品、パーカッシヴでグルーヴィーなトラックに心地良いギターにLAURYN HILLのヴォーカルがバッチリハマッてます!DANNY KRIVITらもプレイ!

10

SOCIAL DISCO CLUB

SOCIAL DISCO CLUB DAFT FUNK HANDS OF TIME(UK) »COMMENT GET MUSIC
出ました!DAFT PUNK「One More Time」の元ネタ曲Eddie Johns「More Spell On You」のエディット!「One More Time」では元ネタ曲が判らないくらいの加工が施されており、また逆に元ネタ曲は一聴くしただけでは「One More Time」との関連が見出せないほど別の曲っぽいのですが、この盤のヴァージョンはオリジナルのダンクラ・テイストを残したまま「One More Time」化しているのがミソ!

DJ Monolith(miston) - ele-king

King & Queen Chart


1
The Basement Boys - Love Don't Live Here No More - Jump street records

2
Ruffneck featuring Cheri Williams - The Power-The Rhythm - New York Underground Records

3
Musto & Bones - Dangerous On The Dancefloor - CITYBEAT

4
Sub Sub - SPACE FACE TECHNO TODD DUB - TEN RECORDS

5
The Reese Project - Direct Me - Network Records

6
C.F.M.Band - LET'S GO TAP DANCING - UNDERWORLD Records

7
Kenlou - The Bounce - MAW RECORDS

8
Tikkle - Movin On - HOUSEJAM RECORDS

9
Logic - BLUES FOR YOU - Strictry Rhythm Records

10
Slam - Positive Education - Soma Quality Recordings
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