「K A R Y Y N」と一致するもの

interview with DJ Nobu - ele-king

 ゼロ年代、地方のクラブ・シーンにエネルギーを注入したのは千葉の小さなパーティ〈フューチャー・テラー〉の首謀者、DJノブだった。アシッディなミニマルをかけようが、ソウルフルなハウスをミックスしようが、彼はつねに羽目を外すことを賞揚する。まさに「バカになれ」、そう言い続けているとも言える。そんな彼の評判はこの10年で広く知れ渡り、そして彼の「クレイジー」なプレイも相変わらず熱い支持を得ている。

 かれこれ2月以上前のことだ、DJノブがベルリンの〈ベルグハイン〉でまわすらしい、そのニュースはele-king内で素早く話題となり――といってもたったふたりのあいだでだが――よしそれじゃあ、DJノブが帰ってきたら話を訊こう、ということになった。律儀にも、千葉の男はその話を覚えていてくれた。我々はDOMMUNEの上のSUPER COREで会うことになった。

あのね、優しさとかいっさい出しちゃダメなんですよ。ホントにゴリゴリで、グルーヴでもっていって、何も起こらないなかで何を起こすのかっていう話なんですよ。

どうっすか、最近。

ノブ:最近、面白いっすよ(笑)。

面白い(笑)?

ノブ:テンポ良く遊べているというか、やりたいことができているというか。

ベルリンから戻ってきたのはいつ?

ノブ:4月28日ですね。

まわしたのは?

ノブ:24日。ベルリンを27日に出て28日に戻りましたね。実質三泊ですか。火山の影響で、最初に取っていたチケットがキャンセルになってしまって。4日前になってようやくチケットが取れた。

DJだけやってすぐ帰ってきたの?

ノブ:ちょっとは遊んだ。

ベルリンは?

ノブ:13年前に遊びで行って以来。もう全然違ってた(笑)。

浅沼優子さんの原稿読んでいると、ベルリンがいかにすごいかビシビシ伝わってくるんだけど(笑)。

ノブ:はははは、そうっすね。

で、〈ベルグハイン〉でのプレイはどうでしたか?

ノブ:まあ、自分なりに合格点かな。常連の人たちも褒めてくれたし。観光客もいるけど、ローカルな人たちに受けたのが良かった。やる前はちょっと心配だったから(笑)。

千葉とくらべてどうですか?

ノブ:はははは、それは全然違いますよ(笑)。そこは......日本であれやるの無理じゃないですか。やろうとおもってもできないから(笑)

行ったことないからわからないんだよね。

ノブ:あれは日本では100%不可能です。すべてにおいて。

アレックスは〈パノラマ・バー〉でライヴやったんだよね。「どうだった?」って訊いたら、目をまん丸くして「ホント、クレイジーだよ」って言ってた(笑)。もちろん褒め言葉なんだけど。

ノブ:クレイジーな世界だけど、ルールは守られているというか、お客さん同士でマナーは守られているというか。

ノブ君が〈ベルグハイン〉でまわすって決まったとき、エレキングの更新をやってくれている鎌倉君という子からすぐにメールが来てね、「すごい!」って。だから「よし、じゃあ、話を訊いてみるよ」って。

ノブ:だって電話くれるの早かったすよね。

〈フューチャー・テラー〉がついにインターナショナルな舞台に立つというね。素晴らしいですね。だってさ、ジェフ千葉がヘルタ・ベルリンとチャンピオンズ・リーグで試合をするような(笑)。

ノブ:はははは。たしかにそんな感じっすよね(笑)。

どのくらいまわしたの?

ノブ:3時間。最初は4時間って言われてたんだけどね。3日前に3時間にししょうってなった。

ふーん。その、アレックスいわく「クレイジー」なクラブ、ノブ君いわく「日本では絶対に実現不可能」なそのクラブって、ノブ君には肌にあったんじゃないかなと思うんだけど。

ノブ:合いますね。素晴らしいですね。いや、素晴らしいっていうか(笑)、まあ、あれは病みつきになっちゃいますよね。またすぐに行きたいと思ってますからね。

 

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そもそも何で〈ベルグハイン〉に行くことになったの?

ノブ:デットマン。マルセル・デットマンが初来日したときに〈フューチャー・テラー〉でやってくれて、それで千葉をすごく気に入ってくれて、去年のベスト・パーティにも挙げてくれたんですよ。浅沼さんもマルセルと仲が良いし、「やろうよ」みたいなことを言ってくれて、で、すぐに決まっちゃいましたね。マルセルのアルバム『Dettmann』のリリース・パーティだったんですよ。

まあ、ノブ君の場合は、より「クレイジー」な場所に行けば行くほど相性が良くなるような気がするし。

ノブ:そうですね。日本も「クレイジー」な部分を無くさないように、ちょっとがんばりたいですけどね。


この方がデットマンさんです。

でも、世界的に有名な〈ベルグハイン〉のレジデントやってるデットマンが千葉をそこまで理解したっていうのはいい話だね。

ノブ:そうなんですよね。ホントに気に入ってくれたみたいで。

さすがだね!

ノブ:いやいや、まだ勉強中ですよ。

はははは。

ノブ:そういえば先週、〈フューチャー・テラー〉が東京に初進出だったんですよ。

ああ、〈リキッド・ロフト〉で、〈フューチャー・テラー〉名義でやったんだ。

ノブ:そうなんです。けっこうやりたいことやりましたね。

でも、東京でやると〈フューチャー・テラー〉でなくなるっていうことはないの?

ノブ:それないっすね。だってもう、千葉だけで考えていてもしょーがない......っすよ、やっぱ、他の街でも千葉と同じような状況のところがあるし、そこはもうこだわらずにやろうと。千葉でやるのは基本だけど、もうどこでやってもいい。千葉だけで完結している場合ではないっていうか。

〈フューチャー・テラー〉のヴァイブレーションが他の場所でも充分に通用するってことで自信もあるだろうし。

ノブ:そうですね。そこはありますね。

さすがだね。

ノブ:まあ、だから呼んでくれる人もいるんだろうし。

ところでベルリンでの何か面白いエピソードない(笑)?

ノブ:いや、だから普通にセックスしている(笑)。

書いていいんですか(笑)?

ノブ:言っておくけど、オレじゃないですよ(笑)。

そうか(笑)。

ノブ:13年前はやっぱベルリンのゲイ・カルチャーを知らなかったから。

ああ、そうか。

ノブ:〈ベルグハイン〉は完全にゲイ・カルチャーなんですよ。ゲイじゃないとあそこまでのことできないと思うし。

よく「現代の〈パラダイス・ガラージ〉」って言うものね。

ノブ:そうそう。ゲイの人たちの瞬間の瞬間の快楽の追求のすごさって......、もうあれは完成型だと思うんですよ。

ほー。

ノブ:なおかつ白人文化の究極のカタチだと思うんですよ。テクノをファンクション・ワンで世界でいちばんすごい音で出している。「ここまでやっちゃうんだ」みたいな。やっぱすごいっすよ。

女性もいるんでしょ?

ノブ:女性もいますよ。でもやっぱ6~7割は男。門番の人もそこはコントロールしている。キャピキャピした女の子はまず入れない。

なるほど。で、何か面白いエピソードはないですか? 喋ってくださいよ。

ノブ:面白いエピソード(笑)。うーん、なんだろうな? なんかあったかなー。〈ハードワックス〉のダブステップのパーティに行ったんですけど、大阪のキラサン(・ムーヴメント)のサウンドシステム使っていて、面白かったですよ。そこで今回初めて、やっと黒人に会いましたね。ベルリンは黒人をあんま見かけないっすよね。

あれだけ黒人音楽好きがいるのにねー。デトロイトのバズ・ゴーリーなんかも移住してたわけでしょ。そういうコミュニティ感はやっぱあった?

ノブ:それはある。感じましたね。〈ハードワックス〉周辺の人たちとしか遊んでいないですけど、その辺の兄ちゃんの家に遊びに行ったときに、「オレの曲聴いてくれ」って、クオリティの高い曲を作っていたりするし。やっぱそこはすごい。

ちなみに〈ベルグハイン〉はどんなので盛りあがるの?

ノブ:あのね、優しさとかいっさい出しちゃダメなんですよ。ホントにゴリゴリで、グルーヴでもっていって、何も起こらないなかで何を起こすのかっていう話なんですよ。テクニックがめちゃくちゃ重要だし......、かなりベルリンを意識してやりましたね。

ハード・ゲイ的なの?

ノブ:超ハード・ゲイ。ハード過ぎます。〈ベルグハイン〉の常連の日本人の男の子の友だちができたんですけど、〈ベルグハイン〉でたまにやっているセックス・パーティがあるらしいんですよ。そのときは50人ぐらいが数珠繋がりになって......(笑)。

それはすごいねー(笑)。

ノブ:何か塊が見えると思ったら、数珠繋がりだったと。〈ベルグハイン〉の下の階にセックス・クラブがあって、そこに連れてってくれると言われたんですけど、ちょっと行けなかったです、やっぱ(笑)。

ダンス・カルチャーの発明家たちのほとんどがゲイだったというのは......。

ノブ:いや、もう、そこは絶対にある。そこはすごく思った。ゲイ・カルチャーはホントにすごいっす。それがいちばんの衝撃かな。快楽の追求の仕方がすごい。

 

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いや、あれはスキルのことを言っているのに、話がでかくなっちゃっただけで、オレは別にパソコン使ってても良いDJは良いと思っているし。オレもそのうちPCでDJやるかもしれないし。

話を変えましょうか? 最近はiLLとのコラボレーションをやったけど、他に何かあった?

ノブ:アルツのリミックスをやりましたね。自分の曲の12インチが神戸の〈グラス・ワックス〉というレーベルから出ます。〈グラス・ワックス〉っていうのは、K・アレクシーとか出しているレーベルなんですけど。すごく良い感じでできました。もうすぐ出ると思いますよ。あれは聴いて欲しい。誰もやってないことやったつもりだから。

おー。

ノブ:それが受けるかどうかは別として、挑戦したつもりです。

それは注目だね。

ノブ:あと......なんだろう。また余計なことを言うと面倒くさくなるけど、ベルリンはみんなレコードでしたね(笑)。

はははは、人から聞いたよ。例のPCの件だね。

ノブ:いや、あれはスキルのことを言っているのに、話がでかくなっちゃっただけで、オレは別にパソコン使ってても良いDJは良いと思っているし。オレもそのうちPCでDJやるかもしれないし。

だからデリック・メイと同じことを言ってるだけでしょ。

ノブ:そうそう。ただね、オレが言いたいのは、パソコンでピッチ合わせをやっても良いと思うんですよ。楽だし。サージョンがPC使ってDJしていたんですけど、それは素晴らしかったし、ヘンリック・シュワルツやDJソデヤマも良いし。ただオレは......いまはレコードやCDでないと自分が思う緊張感が作れないからそうやっているだけで。

でもベルリンって、いまどきヴァイナルなんだ?

ノブ:ホントにびっくりしましたね。〈ベルグハイン〉も〈パノラマ・バー〉も。

ブースにちゃんとターンテーブルがどんとある感じ。

ノブ:そうっすね。でも実際......ヴァイナルは音が本当にいいっすよ(笑)。

なんかね(笑)。

ノブ:あれは無くしちゃいけないと思うんですよ。

そうだね。

ノブ:もちろん新しいことも受け入れるし、だけど、古くて良いものを守るってことも大切だと思うんですよ。そこのバランスは絶対に大事でしょ。

CDJは使っているでしょ?

ノブ:使いますよ。でも、いまは7割がヴァイナル。自分なりにCDJを使いこなせるようになったらもっと使うかもしれないけど。

データで良い音源もあるからね。

ノブ:そうなんですよ。オレも1年前からビートポートでちょこちょこ買ってますけど、良いのはありますからね。でもマスタリングなどして工夫しないと音が良くない。

浅沼さんが最近やったダニエル・ベルのインタヴューで、彼が良いこと言ってたんだよね。90年代ですでにヴァイナルはカルトなものだったと。みんなCDに移行してたから、すでにヴァイナルは時代遅れだった。でも、それが逆に自分は特別な世界に関わっているという気持ちにさせたと。自分はこの文化の時代遅れのもので新しいものを生み出す側面が好きなんだと。

ノブ:そうっすね。ハーヴィーも最近のデジタル・カメラに喩えて良いこと言っていたよ。オートフォーカスのデジタル・カメラがいくら出回っても、プロは存在するって。そういうことをオレも言いたかったんですけど。でも、思い切り勘違いされて......。

やっぱ影響力が大きいから(笑)。

ノブ:オレ、頭悪いからうまく文章書けないし。

はははは。

ノブ:オレの戯言をそんなに気にする人がいるんだなって感じですよ(笑)。

 

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で、オレの今後5年間の目標は、そこにいかにもっと多くの若者を呼び込むかってことなんです(笑)。20代前半が来ないわけじゃないけど、もっともっと来て欲しいっすね。

いま、DJは月にどのくらい?

ノブ:6~8本っすね。疲れが取れないっすよ(苦笑)。

じゃ、毎週末どっかでやってるんだ。

ノブ:そうっすね。

今週末はユニットじゃなかった?

ノブ:ノーマン・ノッジと一緒にやります。彼も〈ベルグハイン〉のレジデントのひとりっすね。で、翌日が熊本。

週に2回ぐらい。

ノブ:来週は3回。土曜日に1回で、日曜日2回。

どうっすか、日本をまわって。

ノブ:いや、いいんじゃないっすか。こないだも大阪、平日まわしたけど、100人以上来たし、求めている人は求めているから。ぜんぜん良いのかなって思いますね。

それはDJノブだからでしょ。

ノブ:それはわからないっすけど。

でも、間違いなく地方を元気づけたじゃない。

ノブ:あ、それはよく言われる。それこそ熊本なんかめちゃくちゃハードコアっすよ。九州はホントに、「クレイジー」なシーンがある。福岡にもノブ君っていて、そいつもすごいがんばってる。

へー、じゃあノブ君の現場は元気なんだね。人によっては最近の日本のクラブは元気がないって言うからさ。

ノブ:ただ、さっき言った「クレイジー」な部分は少なくなっているように感じてますね。だからそれを〈リキッド・ロフト〉でやれたのは良かった(笑)。かなりめちゃくちゃだったけど、超まとまってた。オレとローカルDJだけで400人以上入ったし。あれは大成功だった。〈フューチャー・テラー〉の3人と名古屋のローカルでがんばってるヤツと、それだけで人が集まったから。

たいしたものだね。

ノブ:そういう意味では「クレイジー」なものを求めている連中もいるんですよ。で、オレの今後5年間の目標は、そこにいかにもっと多くの若者を呼び込むかってことなんです(笑)。20代前半が来ないわけじゃないけど、もっともっと来て欲しいっすね。元気がない20代前半にこの遊びの面白を広めたいっすよ。

でもいるでしょ、そういうヤツはいつの時代でも。

ノブ:若くてやんちゃなヤツ、もちろん〈フューチャー・テラー〉にもいるんですけど。でも、絶対に減っているように思いますよ。

そういう時期なだけなんじゃないの。今後増えるかもよ。

ノブ:そういえば、こないだハーヴィーの〈オッパーラ〉に遊びに行って、オレ、やらかしちゃんですね(笑)。

派手に遊んでしまった(笑)?

ノブ:そうなんすよー(笑)。

ノブ君は自分で踊るの好きだもんな。

ノブ:自分で踊らないDJは、DJがつまらないっすからね。遊んでないDJはダメっすね。オレはだって、フロアで踊る人のためにDJやってるから。やっぱね......。

はははは。

ノブ:はははは。

まあ、〈フューチャー・テラー〉が屈託が無さ過ぎるんだよ(笑)。

ノブ:はははは。でもまあ、やっぱベルリンでその原点を見たというか。

快楽への欲望の?

ノブ:浅沼さんと〈ベルグハイン〉で午後の3時まで踊ってましたからね。(注)

ひぇー、3時まで! それはオレには無理だ。

ノブ:はははは。

(注)浅沼優子さんいわく「3時まで踊ったけど、私は途中2時間くらい居眠りしましたよ(笑)。いちばん踊ってたのノブ君ですよ!」

 

DJ NOBU @ Berghain - ele-king


浅沼さんから送られてきたベルリンののどかな風景。

 「ノブ君を〈ベルグハイン〉にブッキングするまで帰って来ないから!」、ベルリンに引越す直前、ノブ君にそう言った。別にノブ君に頼まれたわけでも何でもなかったが、私は勝手にそれをひとつの目標としていた。〈ベルグハイン〉に初めて行ったときにから、「ここでDJノブが聴きたい」と思っていたし、私が知っている日本のDJでは、ノブ君以上にここにハマる人は他にいないと思った。

 私がベルリンに引越した最大の理由は〈ベルグハイン〉である、と言っても過言ではない。そんなことを言うとどんだけ頭のおかしい女かと思われるだろうが、それほど衝撃的なクラブだった。そのクラブに毎週通いたいからというわけではなく、こんなクラブが存在し得る街、こんなクラブを作り上げることができる人たちがいる街は魅力的な場所に違いないと思ったのだ。

 ひと言でいうと「完璧」なクラブ。理想のクラブかと問われれば、私の理想とは少し違う。音楽的な好みなども加味すると、個人的な理想はもっと別のところにあるように思う。ただ、実在しているクラブとしては「完璧」であり、完成された、ひとつの究極であることは間違いがない。

 客がフロアでセックスしているとか、「ダークルーム」ではもっとすごいことが繰り広げられているとか、そういうスキャンダラスな側面は正直、私にとってはどうでもいい。クラブの「怪しげ」な雰囲気を演出している要素でしかない。ただしそれは、このクラブ内独自の圧倒的な解放感、「各々が好きなように、好きなやり方で楽しめばいい」というアナーキーさの表れであり、それがこの場所の特別なところだ。

 自由奔放な雰囲気と、プロフェッショナリズムに徹した超ストイックな設備とスタッフと音楽。それがここまで高い次元で共存している場所は世界中見渡しても絶対に他にない。あり得ないと思う。

 ベルリンのクラブは、いまだにレジデントDJを大事にしているところが多い。それぞれのクラブには何人か「ハコ番」のDJがいて、彼らがそのクラブの雰囲気を代弁し、守っている。〈ベルグハイン〉はとくにそこにこだわっているクラブだ。マルセル・デットマン、ベン・クロックが現在もっとも高い人気を誇るツートップと言えるが、他にもレン・ファキ、アンドレ・ガルッツィ、DJピート、マルセル・フェングラー、ノーマン・ノッジ、シェッド、フィーデル、ボリス、アンディ・バウメカーといった面々のいずれかが、土曜日(日曜日)は必ずプレイし、パーティの運命を決める。

 〈ベルグハイン〉は基本的に、土曜~日曜にかけてはつねにハード・テクノが流れている(金曜日にはたまに少し趣向の違うパーティが開かれる。ダブステップのSub:stanceなど)。そこから大きくブレることはない。毎週豪華なゲストDJ/アーティストがブッキングされているが、ここで力を発揮する人と、クラブの個性の強さに負けてしまう人がいる。初めて行ったときにプレイしていたルーク・スレーターなどは、レジデント並みに場に馴染み、客をコントロールしていた。クリス・リービングも他では(私は)聴く気はしないが、ここでは輝く。逆にフランソワ・Kは彼のスタイルの持ち味が映えなかったし、デリック・メイも(私はプレイを聴いていないが)まったく合わなかったと自分で言っていた。というか、まったく彼の好みではなかったようだ。

 ......以上の話は全部ノブ君には事前に伝えていた。思っていたよりもずっと早く実現してしまったノブ君の〈ベルグハイン〉出演。私と、ノブ君を呼ぼうと言ってくれたマルセル・デットマンだけが、「ノブ君なら間違いない」と確信していたが、当然ベルグハイン関係者を含むベルリンの人は誰もDJ NOBUなんて名前すら聞いたこともなければ、彼がどんなスタイルのプレイをするのか、どの程度スキルがあるのか、どれだけ経験を積んでいるのか、全く知らなかった。それでもマルセルの「呼ぼう!」の一言でブッキングは決定。「マルセルが太鼓判を押すなら心配ない」、「リリースがあるかどうか、有名かどうかは全く関係がない。プレイがいいかどうか、ただそれだけ」と、当たり前のようにブッキング担当者は言った。

 この話もノブ君に伝えた。そう、プレイがすべて、本番がすべてだと。最高の舞台であると同時に、絶対に失敗できないチャンス。私は意識的にプレッシャーをかけまくった(笑)。本人には迷惑な話だが、私はノブ君がプレッシャーに強く、窮地に追い込まれたときに馬鹿力を発揮すると信じていたから! 〈ベルグハイン〉は、いちどのチャンスを掴まなければ、二度と呼ばれないと。ノブ君が日本人で初めてあそこでDJするんだから、日本のヤバさをベルリンの連中に見せつけてやってくれと。

 逆に「ハウスはかけないほうがいいか」、「こういう曲はかけてもいいか」等々、ノブ君からの相談にも乗った。なんせノブ君は〈ベルグハイン〉を見たこともなければ、フロアで踊ったこともない。ただ去年千葉の〈フューチャー・テラー〉で聴いたマルセルのプレイと、〈Ostgut-Ton〉や〈MDR〉のレコードの音から、来る日の夜をイメージしていたのだ。だから私はできる限り言葉であの独特のノリと雰囲気を説明した。(説明し切れないけども。)

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マルセルも「グレート!」を連発。ブース目の前に陣取ってるうるさ方の常連さんらもみんな笑顔。「後ろのほうまですごい盛り上がってるよ!」とノブ君に伝 えると、ガッツポーズ! 完全に「オン」になった! 

 アイスランドの火山灰騒動でノブ君のフライトがキャンセルになり、いちどは今回は諦めて何ヶ月後かに仕切り直した方がいいんじゃないかという話も出たほど、直前は大混乱となった。でも結局、ノブ君が少し自腹を切ってでも、航空券を買い直して今回のパーティに出たいというので、慌ててパーティ前日である金曜日に到着する便を手配することになった。本来はローディーも兼ねたふたりの友人と一緒に来るはずだったが、彼らのフライトもキャンセルになったのでノブ君ひとりで来ることになり、重量制限があるので3時間のプレイぎりぎりのレコードしか持って来れなくなってしまった。だから直前、ものすごく慎重に選曲をしてきたようだ。行ったこともないクラブで、他はシェッド、マルセル・デットマン、ベン・クロックというレジデントのみのパーティ。ノブ君は普段から、どんなパーティでもすごくその場所やお客さんのノリ、自分の出番や役割を考えて綿密に選曲をしていることを私は知っている。だから今回などは、本当にいろいろ考えと想像と妄想をめぐらせたに違いない。

 正直、私も不安がなかったわけではない。ノブ君の実力は誰よりも評価しているけど、「あそこ」でそれが発揮できるのかどうか、そしてそれがベルリンの客に伝わるのかどうか。日本全国いろんなパーティを経験したノブ君でも、ベルリンの客を相手にやった経験はない。日本でやっていることをそのままやっても、客が違うので伝わらないかもしれない。でも、逆にベルリンのノリを意識しすぎてノブ君の個性や持ち味が出せなかったら意味がない。そのバランスをどう取ればいいのか、私もわからなかった。ノブ君には、「あとは現場でお客さんの反応を見て判断して」としか言えなかった。

 パーティ当日の夜のノブ君は、いままで見たことがないほど緊張していた。呼ばれた出演者との夕食会も両脇にマルセルとベン、向かいに〈Ostgut-Ton〉のレーベル・マネージャーであり当日〈パノラマ・バー〉のほうでプレイすることになっていたニック・ホップナー、その隣にはレジデントDJでありブッキング・マネージャーであるアンディ・バウメカー、シェッドを含む〈ハードワックス〉のスタッフ、そんな彼らと個人的に仲がいいライアン・エリオット、〈Ostgut〉のブッキング・スタッフ、とイカツイ面子がずらりと揃っていて、私ですら緊張した(笑)。ノブ君の出演時間である3時よりもだいぶ早めに、1時頃には会場に入った。夕方じっくりサウンドチェックもしたが、やはり営業時間の雰囲気、音の鳴りはその場に行ってみないとわからない。

 トップバッターだったシェッドがプレイしていたが、フロアはがらがらだった。普段から客足は遅い方だが、それにしても人が少なかった。火山灰騒動で多くの格安航空便がキャンセルになり、観光客が少なかったからだと思われる。これほど人が少ないのは予想外。シェッドも淡々とウォームアップをしている感じ。ノブ君は緊張顔でソワソワ。ところが交代30分前くらいになって、シェッドがピッチもボリュームも上げ出して、いっきに客も踊りはじめた。そして急激にテンションを上げ切ったところでノブ君に交代。それでもガチガチに顔がこわばっているノブ君(あんな顔見たことない!)に、「いつものノブ君らしくやれば、絶対大丈夫だから!」と最後に言った。心なしか、お客さんもこの無名の日本人DJがどうくるのか、好奇心をもってこちらを見ているようだった。いつの間にかマルセルやその友だちの常連さんたちがブースの前に集合していた。

 ノブ君のプレイがはじまった。最初の30分は、恐る恐るという感じが伝わって来た。でも〈ベルグハイン〉の客にはなじみ深い〈Ostgut-Ton〉のレコードをノブ君のセンスでプレイし、お客さんも少し安心したようだった。明らかにフロアに人が増え、みんなが踊っていた。最初の30分が問題なく過ぎたので、ブースから出てフロアを偵察しに行った。バッチリ。後ろのほうのお立ち台上のマッチョのゲイたちもがっつり踊っている! この人たちを踊らせたら、〈ベルグハイン〉のフロアは制したも同然。ブース内のマルセルも踊りまくっている! 「みんな踊ってるよ!!」とノブ君に言いにいくと、少し緊張が解けたような笑顔になった。開始1時間で、このクラブの要領とお客さんのノリは掴んだようだった。さすが。

 〈ベルグハイン〉のノリは掴んだようだったけど、まだノブ君らしさは発揮されていなかった。まだ硬かった。いつもの伸び伸びとした感じがない。せっかく日本から来てるのに、「他の〈ベルグハイン〉のDJたち」と同じことをやっても仕方がない。〈ベルグハイン〉の世界観を理解しながら、そのなかでどれだけ自分らしく遊べるかどうか。そう考えるとやはりDJにとって難しいハコだと思う。しかし4時を過ぎた頃から、フロアは満員、がっつりと客がついてきている手応え。マルセルも「グレート!」を連発。ブース目の前に陣取ってるうるさ方の常連さんらもみんな笑顔。「後ろのほうまですごい盛り上がってるよ!」とノブ君に伝えると、ガッツポーズ! 完全に「オン」になった! そこで1回、「やったね」の硬い握手をしたのを覚えている。そこからは、いつものノブ君。とくに最後の1時間は本当に楽しそうにプレイしていたし、それがフロアにも伝わって最高潮の盛り上がりを見せた。一緒に夕食を食べた面々も、納得の表情。この夜の主賓であるマルセルがめちゃくちゃ楽しそうに踊っていたことが、何よりの証拠だった。

 後半はあっという間に過ぎて、気づけばもう6時。マルセルと交代の時間だ。交代前に、この日にリリースされた『Dettmann』アルバムの3枚組LPをマルセルが持って来てノブ君に渡した。そしてノブ君最後の1曲が終わるといちど音を止めて、お客さんに紹介するようにノブ君に拍手を送った。あっという間に、私のひとつの「夢」だった"DJ NOBU @ Berghain"は終わっていた。ぶっちゃけ、終わる頃には相当酔っぱらっていた(笑)。だから、その後のことはあまり覚えていない。後は遊んだだけ。ノブ君もめいっぱい遊んでいた。何人かが私のところに、「NOBUがすごく楽しそうにフロアで踊ってるよ!」と言いに来たほどだ。プレイを終えて初めて、ノブ君は〈ベルグハイン〉の客の感覚をフロアで味わっていた。最強のレジデント、マルセル・デットマンとベン・クロックのプレイを彼らのホームグラウンドで体験していた。

 さすがに昼くらいで帰るだろうと思っていたのだが、結局午後3時過ぎ、〈ベルグハイン〉の音が止まるまでいてしまった。上階の〈パノラマ・バー〉は、まだまだそこから夜中まで続くのだが、〈ベルグハイン〉を味わい尽くしたところでこの日は満足。ほとんど〈パノラマ・バー〉をチェックしにも行かなかったが、どうやら〈ベルグハイン〉のほうに客が集中していたようだ。昼くらいまでいた私の友人は、「NOBUのときがお客さんの入りも盛り上がりもピークだった」と言っていた。私はそれ以降の記憶があやふやなのでどうだったか判断できないが、ノブ君が「〈ベルグハイン〉のためのDJ NOBUセット」を絶妙なバランスでプレイし、それが読み通りの反応を得たことはたしかだと思う。ノブ君のセットの終盤、私は酔っぱらいながら「this is one of the happiest moments of my life!」といろんな人に言いまくっていたことも記憶している。本当に鼻が高かったから!

 ありがとう、ノブ君。
 そして、またやりましょう!

浅沼優子

DJ Nobu Current Chart

  • Juju & Jordash / Deep Blue Meanies / Dekmantel
  • Mirko Loko / Tahktok (Villalobos Hilery's Chant Remix - Edit) / Cadenza
  • Claro Intelecto / Back In The Day / Modern Love
  • Marcel Dettmann / Dettmann / Ostgut Ton
  • Mike Parker / GPH14 / Geophone
  • Dasha Rush / Sonic State / Sonic Groove
  • James Kumo / Kumomusic Vol.1 / Delsin
  • Crue-L Ground ohcestra / Endbeginning(NOBU'S DUB) / Crue-L
  • Peter Van Hoesen / Entropic Minus Six / Time To Express
  • ??? / Desperation / Do Not Resist Beat!

CHART by JETSET 2010.05.31 - ele-king

Shop Chart


1

WALTZ

WALTZ BLENDMIX - WALTZ EDIT VOL.3
»COMMENT GET MUSIC
毎回好評の「Waltz Edit」の第3弾が登場!カップリングにはHikaru(Blast Head)とタッグを組んだニュー・ユニット、Blendmix名義での作品を収録。

2

MADLIB

MADLIB MEDICINE SHOW VOL.5 - HISTORY OF THE LOOP DIGGA 1990-2000 (LIMITED DELUXE VERSION) »COMMENT GET MUSIC
あの頃君は若かった・・・でも、とてつもなくビートはドープ。まずは早い者勝ちのDX限定盤!Medicine Showシリーズ第5弾は、1990年から2000年までのMadlibの過去を紐解くデモ音源集全44曲(34曲+ボーナス10曲)!

3

SEAHAWKS

SEAHAWKS ASTRAL WINDS
»COMMENT GET MUSIC
素晴らしい。コズミックとシューゲイズが海の底で溶け合うトリッピン・シンセ・サウンドスケープ!!最高のリリースが続くStatic Caravanより。Fuck Buttons meets Washed Outな絶対注目の1枚!!7"とは別内容の7曲入りCDが封入された限定盤です。

4

RAAH PROJECT

RAAH PROJECT REMIXES
»COMMENT GET MUSIC
☆特大推薦☆どこまで天才なんだBlue Daisy!!年間ベスト10"候補です。イタリアの新興レーベルから当店直撃のリミックス10"が。Gilles Petersonにフックアップされた新鋭ユニットをお馴染みBlue DaisyがリミックスしたA1が壮絶です!!

5

MARCUS PRICE & CARLI

MARCUS PRICE & CARLI MAT BIRA KVINNOR WEED EP
»COMMENT GET MUSIC
☆爆裂大推薦☆これが'10年型ダーティ・ビーツ x 新型UKG/ベース最強リミキシーズ!!ダーティ・ビーツ系US最強ブログが主宰する同名レーベルが遂にヴァイナル・リリースを始動。当店激推しNight Slugsポッセからも2組がリミキサー参戦しておりますっ!!

6

ALDO CADIZ

ALDO CADIZ SHE MOVED
»COMMENT GET MUSIC
Basti Gru主催、Hohenreglerからの新作!!同時期にDesolatからBasti Grubとのコラボ作品をリリースし注目を集めたチリアン・プロデューサー、Aldo Cadizによるソロ作品が登場!!

7

MICKEY MOONLIGHT

MICKEY MOONLIGHT LOVE PATTERN EP
»COMMENT GET MUSIC
無限大マスト★天才Mike Silverによるトロピカル・シンセ・ユニット、遂に2nd.シングル登場!!2008年の"Interplanetary Music"が未だ売れ続けるMickey Moonlight。待ちに待った第2作がEd Bangerから到着!!今回も絶対間違いなし、メチャクチャ最高です!!

8

TARAS 3000

TARAS 3000 GALAXIS
»COMMENT GET MUSIC
AN-2に続くロシアン・ニュー・ディスコ大推薦盤!!Move Dを皮切りに本作で3枚目のリリースとなるモスクワ発Shanti Records.今後はRick Wadeのリリースも予定されていたりと大変に楽しみなレーベルです。

9

RICCIO

RICCIO DESIRE EP
»COMMENT GET MUSIC
ますます目が離せなくなってきたBosconiのディスコ部門"Bosconi Extra Virgin"!!The Revengeがリミキサーに起用された前作Jaffa Surfa"Disko Z"に続くは、Super ValueおよびHidden Historyからのリリースで御馴染みのLTJ X-Perience一派Riccioという言うまでも無くゴキゲンな一枚!!

10

ALEX DOLBY & SANTOS

ALEX DOLBY & SANTOS SOUND TRAFFIC E.P.
»COMMENT GET MUSIC
フロアヒット確実のトライバル・テックハウス!!Adam Port & Santeによる"Own EP"で一気に注目を集めたRockets & Poniesからのニュー・シングルはtaloboyz, Dubfire, Paul Ritchもプレイ、サポートの強力パーカッシヴ・チューン!!

Guido - ele-king

 ジョーカーの好きな色が紫だそうで、だからブリストルの若き三人衆の〈パープル・トリニティ〉というチームの名前もジョーカーのアイデアだ。実際の話、写真で見るジョーカーは紫を着ているし、〈ハイパーダブ〉のシングルのロゴも紫になっている。まるでプリンス......である。が、彼らは80年代に依拠しているわけではない。ブリストルの若き三人衆が"紫"を強調するのは、ダブステップのダークさに対する若い世代からの批評の表れである。手短に言って、彼らはティンバランドやネプチューンズからの影響をダブステップに注入したのである。この音楽をよりセクシーにするために。彼ら――ジョーカー、ジェミー、そしてグイードは......。

 グイード(ガイ・ミドルトン)に関しては、昨年末のピンチの"ゲット・アップ"のリミックスで「おお!」と唸った人は少なくない。21歳のブリストリアンは、ヨランダの甘ったるいR&Bヴォーカルを活かしながら、そこに新しいメロディを加え、斬新なアレンジを与えた。だいいちヨランダは、"ゲット・アップ"のおよそ1年前にグイードがデビュー・シングルのB面の"ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール"で起用したヴォーカリストである。その曲調といい、"ゲット・アップ"は若きグイードのアイデアを先輩のピンチが借用としたとも言える。

 さて、本作『アニーディア』は〈パンチ・ドランク〉からの決定的な2枚のシングル(「オーケストラル・ラボ」と「ビューティフル・コンピリケーション」)を経てリリースされるグイードのアルバムだ。ブリストルの"紫"三人衆において最初のアルバムでもある。それは聴き終わったあと、思わず拍手をしたくなるような素晴らしいデビュー・アルバムだ。

 ダブステップ......と書いたが、三人衆のルーツは地元ブリストルのグライムのシーンにある。彼らは10代のなかばからフルーティ・ループスをダウンロードして音楽を作りはじめ、互いにテープの交換をしていた仲だったという話だ。そしてグイードに関しては、自分のミックステープを置いてもらうためにルーティッド・レコード店を訪れたことで、店で働くトム・フォード(〈パンチ・ドランク〉の主宰者。ペヴァーリストの名で知られる)と知り合い、そしてリリースへと話が進んだという。

 グイードのビートはグライムのシーンで磨かれたものだが、彼の鍵盤によるメロディに関しては彼の別の経歴から来ている。ジャズとクラシックのピアノを学んだ過去を持つ彼は、いまでもジャズを愛するというもうひとつの顔を持っているのだ。グイードはいまだに毎日ピアノの練習を欠かさないというが、『アニーディア』には、そうした彼の音楽的素養の豊かさが出ている。

 表題曲の"アニーディア"は"ナンバーズ"時代のクラフトワークがR&Bをやったようなトラックで、この1曲でリスナーはグイードの世界にぐいと連れていかれる。ドリーミーな展開も見事だ。"オーケストラル・ラボ"ではグライミーなトラックをベースにスペイシーなシンセによるメロディが浮遊する。路上で鍛えられた埃っぽい音が遠い宇宙に向かって飛んでいくようだ。"ユー・ドゥ・イット・ライト"はブリアルの名曲"アーチェンジェル"に続くポストR&Bと言えよう。変調された歌と烈しいダブステップが溶けるように展開する。サックスをサンプルした"マッド・サックス"もこの若きトラックメイカーへの期待をさらに膨らませる曲だ。Pファンク風のシンセのコード弾きとメランコリックなサックスの絡みとダビーなビートは、素晴らしい余韻を残す。すでにシーンでは有名なふたつのセクシーなヴォーカル曲、"ビューティフル・コンピリケーション"と"ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール"も収録されている。

 「もし自分がブリストルに生まれていなかったら、違う音になっていただろう」、グイードはあるインタヴューでこう話している。地元のグライム・シーンから登場した新世代のダブステップは、そしてマッシヴ・アタックやポーティスヘッドのようなメランコリーも忘れていない。

Shop Chart


1

NABOWA

NABOWA S.T. MOGIE / JPN / 2010/5/12 »COMMENT GET MUSIC
数々のライブを経験し、たくましく成長したNABOWAがお届けする渾身のセカンド・アルバム「NABOWA」が遂にリリース!いままで以上に表情が豊かになったヴァイオリンとバンド・サウンドのアンサンブルを軸に、大都会や街中から、海、空、草原、はたまた近所の河などの自然、更には過去から現在、そして素晴らしき未来まで期待させるような、場所と時間と感覚のミュージカル・ジャーニー。未発表ライブ映像を収録した特典DVDR付き!

2

DUFF DISCO

DUFF DISCO SHAKE THAT LEG EP DUFF DISCO / UK / 2010/5/27 »COMMENT GET MUSIC
絶好調DUFF DISCO第3弾!A面"GIMME SOME BUCKS"はJB'Sによる大クラシック"YOU CAN HAVE WATERGATE~"というドFUNKな一曲をお得意のファットなミッド・ブギー・トラックへとリエディットさせた、斬新な好ワークス!そしてB面にはファンク/ロック/ディスコ/レアグルーヴと幅広い層から人気を集めるUKカルト・ロック・バンドSTRETCHによる名曲""WHY DID YOU DO IT?"をこちらも極太ブギー・ロック/ディスコへと再構築!

3

MOODY a.k.a. MOODYMANN

MOODY a.k.a. MOODYMANN OL' DIRTY VINYL KDJ / US / 2010/5/9 »COMMENT GET MUSIC
「DET.ROIT」、「ANOTHER BLACK SUNDAY」に続くMOODY名義での第三弾!所々に出没するチリノイズ風(?)演出がアナログ感むき出しで◎なファンキー・ブラック・ハウス"OL' DIRTY VINYL"、90年代後期に制作された蔵出し音源となるジャズ/ソウル・ナンバー"WE DON'T CARE"、そしてキーボードにAMP FIDDLERを迎えロンドンで制作されたジャズ/ファンク・ハウス"IT'S 2 LATE 4 U AND ME"等、計5トラック収録!どれも格別の黒さ!やはり"ホンモノ"は違います!

4

BISON

BISON SOUP FICTION CLAREMONT 56 / UK / 2010/5/27 »COMMENT GET MUSIC
好調なリリースを重ねるPAUL MURPHYことMUDD主宰の<CLAREMONT 56>より、CANのHolger Czukay、シンガーのUrsa Major、そしてレーベル主宰Paul "Mudd" Murphy とSmith & MuddのBenjamin SmithによるNewユニットBISONによるセカンド・シングル!前作でも見せたマッドなロック・グルーヴ全開、さらに今回はLIQUID LIQUIDのオリジナルメンバーSAL Pをボーカルに起用、より強力でダーティなオブスキュア・スローモー・ロック・ディスコ傑作となってます!

5

ERDBEERSCHNITZEL

ERDBEERSCHNITZEL COTTON 3RD STRIKE / UK / 2010/5/27 »COMMENT GET MUSIC
ソロ・デビュー作となった新設レーベル<3RD STRIKE>からの前作「4 MONTHS」も大好評だったドイツの新鋭ERDBEERSCHNITZELによる新作が早くも登場!今作はブギー・ディスコ・テイスト強めな楽曲から KDJ/THEO PARRISH等にも通じるソウル/ジャズのエッセンスを散りばめたブラック・ハウス、そしてもちろん<JISCO>クルーのフックアップも頷ける極太ビートダウン・サウンドまで、ずば抜けたプロダクション・センスの光る漆黒トラック計4本収録!!

6

DJ NATURE

DJ NATURE THIS SIDE OF HEAVEN / IT'S OVER GOLF CHANNEL / US / 2010/5/19 »COMMENT GET MUSIC
リヴィング・レジェンド、DJ MILOによるダンスミュージック・ラインでの別名義プロジェクトDJ NATURE新作!こちらは二種同時リリースの第一弾!土着的なヴォイス・サンプルや鳴物を散りばめパーカッシヴ・ビートを主体としたミニマル・グルーヴで展開する"THIS SIDE OF HEAVEN"、ジャジーなリフレインが心地良く響き渡るビートダウン・トラック"IT'S OVER"とどちらも隙の無い完璧な仕上がり!!

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DJ NATURE

DJ NATURE WIN LOSE AND DANCE / DESTINY REPRISE GOLF CHANNEL / US / 2010/5/19 »COMMENT GET MUSIC
リヴィング・レジェンド、DJ MILOによるダンスミュージック・ラインでの別名義プロジェクトDJ NATURE新作!こちらは二種同時リリースの第二弾!持前の黒さを発揮したジャジーなエレピ・リフに土着的グルーヴを織り交ぜ展開するビートダウン・トラック"WIN LOSE AND DANCE"、そしてソウルフルなヴォイス・サンプルを配しビルドアップしていくファンクネス度高めなブラック・ハウス"DESTINY REPRISE"と両面共にこちらも完璧!!!

8

NABOWA

NABOWA キッチンへようこそ / SUNPEKO MOGIE / JPN / 2010/5/12 »COMMENT GET MUSIC
インストルメンタル・バンド・シーンにおいて今年最大の話題作になるであろうNabowaのセカンド・アルバムより、限定7インチが到着!『悦びに咲く花』やDragon Ash『Grateful Days』の大ヒットで知られ、昨年より本格的に活動を再開したACOをヴォーカルに起用した会心のポップチューン『キッチンへようこそ』、軽快なバンド・アンサンブルに、表情豊かなヴァイオリンが高揚感を加速するNabowa流ポストロック・ナンバー『sunpeko』の2曲を収録!

9

MAXXI AND ZEUS

MAXXI AND ZEUS THE STRUGGLE / THE CELLl INTERNATIONAL FEEL / URY / 2010/5/22 »COMMENT GET MUSIC
毎度完売!人気レーベル<INTERNATIONAL FEEL>新作!ハードディガー/コレクターであるJOEL MARTINと世界で最も多忙なDJ/プロデューサーのひとりRADIO SLAVEことMATT EDWARDSによるユニットQUIET VILLAGEの別名義プロジェクト=MAXXI AND ZEUSでのディープ・チルアウト・トラック!ASHLEY BEEDLE、MIXMASTER MORRIS、GILES PETERSON、SOFT ROCKS等実に幅広いDJ/クリエイター陣からも大絶賛中の本盤、毎回ですが限定プレスのためお早めに~!

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KENNETH BAGER EXPERIENCE

KENNETH BAGER EXPERIENCE THE KBE DUBS MUSIC FOR DREAMS AMERICA / US / 2010/5/25 »COMMENT GET MUSIC
A面には89年リリースのテクノ・クラシックDR.BAKER/KAOSのダビーなリミックスを収録!そして注目はやはりC/Wに収録の "FRAGMENT EIGHT (DJ DISCO DUB MIX)"で、レーベル・メイトでもあるDJ DISSEによる"FRAGMENT EIGHT"を激ダビーなディープ・トラックへとリミックスした逸品!レゲエ・サイドはもちろんディスコ、ブレイクビーツ・ファンにもオススメできる振り幅の広いナイス・トラックです!

Shop Chart


1

SHOES

SHOES Shoes Your Illusion Vol 1 & 2 SHOES / US / »COMMENT GET MUSIC
再入荷!MOODYMANN"SHADES OF JAE"を始め、JB、AL GREEN、MILES DAVIS、BILL WITHERSなど名だたるクラシックをRE-EDITしてきたSHOESが初のCDリリース!GARAGE系ならずとも、一度はフロアで聞き覚えのあるクラシックを料理してきた、CHICAGOのRE-EDITレーベル。12"で再発する予定はないので、2枚組でのCD化は嬉しい限り!

2

MAXXI AND ZEUS

MAXXI AND ZEUS Struggle/Cell INTERNATIONAL FEEL / BEL / »COMMENT GET MUSIC
絶好調!INTERNATIONAL FEELです!RADIO SLAVEも参加するQUIET VILLAGEの新プロジェクト"MAXXI AND ZEUS"による12"!60年代の野外でのフェスを思わせる、あまりにサイケ、あまりにドラッギーなブルースを鳴らすA面。コラージュ的な要素で圧倒的な世界観を作りこんだ極上のチルアウト・ナンバーのB面。PSY高すぎる一枚!

3

TODD TERJE

TODD TERJE Remaster Of The Universe PERMANENT VACATION / GER / »COMMENT GET MUSIC
切った張ったのRE-EDIT業界において今最も旬な男、TODD TERJEによる初のRE-EDIT集をリリース!初CD化音源のみ収録のDISC 2と、DJ MIXされたDISC 1の2枚組。SIMON BAKER、JOSE GONZALEZ、FELIX LABAND、DOLLE JOLLEなどヒットした音源が多数、CHAZ JANKELやM"POP MUZIK"などのクラシックも多く八方敵なし!

4

MASOMENOS

MASOMENOS Orange Balloon WELCOME TO MASOMENOS / GER / »COMMENT GET MUSIC
リリースラッシュの止まらないフランスを代表するアーティスト、MASOMENOSによる風船シリーズ「オレンジ」。GROOVE感重視のトラックに、様々な趣向をこらした個性的な4 TRACKS。コメントでは伝えづらいのですが、じっくりと聴けば、彼らのセンスが分かります。個人的にもオススメ!

5

REBOOT

REBOOT Rambon EP CADENZA / GER / »COMMENT GET MUSIC
間もなくリリースされる1STアルバムからの先行12"カット!LUCIANO REMIX!!!CADENZAのレーベルカラーを写し込んだような、美しい中域と細身のパーカッションは、レーベル50番を飾るに相応しい内容。LUCIANO REMIXは、肩の力が抜けた低音重視のドープなTECH MINIMAL。

6

TECHNASIA

TECHNASIA Espercance TECHNORIENT / HK / »COMMENT GET MUSIC
「POPSODA」以来4年ぶりとなるNEW ALBUM「CENTRAL」からの先行12"カット!とてもポジティヴでシンセの音色の「気持ちよさ」を表現した、まさに"TECHNASIA SOUND"と言えるテクノ・トラック!MINIMALや、DEEP HOUSEが主流となった現在のテクノシーンにおいて、CHARLESの作るストレートなテクノ・サウンドは一際魅力的に映るでしょう!

7

KUNIYUKI

KUNIYUKI Remixed Vol.2 MULE MUSIQ / JPN / »COMMENT GET MUSIC
RE-STOCK品入荷!北の至宝、KUNIYUKIの音源をCOBBLESTON JAZZとA MOUNTAIN OF ONEがREMIXしたオススメの一枚!COBBLESTONEらしい、エネルギッシュなベースラインと原曲のエレガントさを損なわないレベルでダンサブルにしたA面。アウトドアでナイトライフな、極上のチルアウトを約束するB面。A.M.O.O REMIXはNOBUさんもMIX CDに収録してました。

8

MARTINEZ

MARTINEZ Paradigm Shift MOON HARBOUR / GER / »COMMENT GET MUSIC
近年どこからのリリースでも、外れを引くことがなかったMARTINEZのサード。引き締まったリズム・トラックとアトモスフェリックなウワモノが絶妙にブレンドされた"Soralis"はじめ、ミニマルハウスがさらに洗練され、ディープハウスの最新形とも言えるサウンドへと昇華された傑作アルバム!

9

SLAM

SLAM Maffaking DRUMCODE / SWE / »COMMENT GET MUSIC
自身のレーベル・PARAGRAPHからのリリースに顕著に表れているダークでエクスペリメンタルなミニマル路線を突き詰めた一作。ブーストする低音、脳を揺さぶるドラッギーなシンセリフがたまらない極悪なトラック! B面はグルーヴを重視したバウンシーなミニマルで、こちらもフロアで威力を発揮するキラー・チューン!

10

JOAQUIN JOE CLAUSSELL

JOAQUIN JOE CLAUSSELL Sacred Rhythm Music and Cosmic Arts Promotional Sampler / »COMMENT GET MUSIC
7月リリースのレーベルコンピからの先行アナログカット。先日のBody&SOUL終盤でもプレイされた軽快なインストA1、イーノ的なピアノ・アンビエントB1、得意のドラムをバッチリ重ねドープなダブ処理が素晴らしいB2と異なったテイストの楽曲を3曲収録。限定500枚カラーヴァイナルでリリース。(Y)

interview with Distance & Loefah - ele-king


ディスタンスのDJでフロアは大盛り上がり

 今年で13年目を迎えている〈DBS(ドラムンベース・セッション)〉の「Dubstep Warz」にて、ロンドンからディスタンスとローファーが来日した。ディスタンスとローファー......贅沢なメンツである。ふたりのダブステッパーは、早い時期から忘れがたい作品を残している。それぞれタイプは違うが、キーパーソンであることは間違いない。夜の12時、僕は代官山ユニットの楽屋でふたりを待った。

 楽屋のドアが開いて、ふたりが入ってきた。まずは最初にディスタンスの話を訊こう。僕の家には彼の2枚のアルバムがある。〈プラネット・ミュー〉から出ている『マイ・デーモンズ』(2007年)と『リパーカッションズ』(2008年)は、ともに深夜の都会の風景写真をアートワークにしている。実際にディスタンスの音楽は深夜の都会の片隅に我々をテレポートする。ブリアルのように......。

 ローファーには待機してもらい、僕は神波京平さんとタナカ・テツジ君とグレッグ・サンダース――すなわちディスタンスを名乗る男を囲んだ。

ダブステップが変わってしまったからだよ。やたらノイジーになって、「ウワワワワ!」というサブベースのうるさい音がたくさん出てきてしまった。それで僕は、そう、ダブステップに飽きてしまったんだよ。

どんな経緯でダブステップのシーンに入ったのか教えてください。あなたはスキューバの〈ホットフラシュ〉から2004年に出したシングルでデビューしていますよね?

ディスタンス:いや、あれは2003年だよ。

ホント?

ディスタンス:間違いない。〈ホットフラシュ〉の002番だよね。

で、そもそもはどういうはじまりだったんですか?

ディスタンス:UKのアンダーグラウンドにはドラムンベースとUKガラージとふたつあるんだけど、僕はガラージが大好きだった。ガラージがダークになってダブステップに発展する。〈テンパ〉から出たハッチャの『ダブステップ・オールスターズ・ヴォリューム・ワン』(2003年)、あのあたりからダブステップが広く認知されはじめていったよね。僕はガラージの延長でダブステップを聴きはじめて、そのダークなエレメンツに触発されたんだ。

スキューバの〈ホットフラシュ〉レーベルから出したのはどんな経緯から?

ディスタンス:〈フォワード〉(注:ダブステップの伝説的なパーティ)で彼と会って、知り合ったんだよね。

へー。

ディスタンス:ポール・ローズ(スキューバの本名)がまだスペクタという名前でやっていた頃だったね。彼はベルリンに移住したから、もう頻繁には会っていないけどね。いま彼は〈ベルグハイン〉で「サブスタンス」というパーティをやっているよ。

あー、知ってる。最近、「サブスタンス」のミックスCDを出しましたよね。

ディスタンス:僕も呼ばれてそこでまわしたよ。

〈フォワード〉はいつから行きはじめたんですか?

ディスタンス:2000年代の最初だね。ガラージをやっている友だちに教えられて〈フォワード〉に行った。衝撃だったさ。それで毎週通うようになった。

どのくらいの人たちが踊っているの?

ディスタンス:20人ぐらいだったよ。

20人!

ディスタンス:ハイプじゃないんだ。音楽に共鳴した人たちが集まって、すごい熱気だった。DJブースをみんなが囲んで、かかっているダブプレートをじーっと見るんだ。で、「スクリームって書いてあるけど、誰だよ?」って。そんな感じだった。ピンチはブリストルから車でやって来るんだ。ハッチャ、ヤングスタ、ベンガ......みんなそこにいたんだ。

では、その場にいた20人がみんなDJやプロデューサーになるんだね。

ディスタンス:そうだね(笑)。僕はいつも、彼らのファンだった。で、いつしか自分でも作ってみようと、はじめるんだ。


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いまでもダブプレートを使っている?

ディスタンス:使っているけど、正直言うと、最近は減っている。技術的な問題なんだ。ダブプレートはハウリやすいし、床が揺れると針飛びしやすい。こればかりは仕方ない。CDRを使う機会が増えている。それから機内への持ち込みも最近ではかなり制限されているんだ。それもCDRが増えている理由のひとつだね。本当はダブプレートを使いたいんだけどね。

最初のアルバムに『マイ・デーモンズ』というタイトルを付けたのは?

ディスタンス:それは最初に作りはじめたトラックのうちのひとつだったんだけど、僕はもともとメタルを聴いていて。

メタルからその言葉が来たの?

ディスタンス:ノー、ノー、ノー。うーん、説明がちょっと難しいな。

『マイ・デーモンズ』と『リパーカッションズ』のアートワークがすごく好きなんですよね。あの都会の夜の淋しい風景が、あなたの音楽にとても合っていると思って。

ディスタンス:そうだね。僕もそう思う。あれは、〈プラネット・ミュー〉のマイケル・パラディナスが探してきてくれたんだ。2000枚の写真のなかからふたりで探したんだよ。ニューヨークの写真家の写真なんだよ。

えー? あれはサウス・ロンドンじゃないの?

ディスタンス:違う(笑)。たぶん、ニューヨークじゃないかな。

ずーっと、クロイドンかサウス・ロンドンのどこかだと思っていました!

ディスタンス:ハハハハ。でも、あのヴィジュアルが僕の音楽に完璧に合っているのは間違いないよね。

マイケル・パラディナスの音楽は昔から知っていたんですか?

ディスタンス:知らなかった。後から知ったよ。僕はガラージを聴くまでずっとロックを聴いていたら。

どうして彼と知り合ったの?

ディスタンス:ヴェックスドのジェイミー(・ティーズデイル)から紹介されたんだ。曲を作りはじめた頃、完成するといつもジェイミーに送っていたんだ。ジェイミーはそれをそのままマイケルに渡してくれていたんだよ。

2007年から自分のレーベル〈チェストプレート(Chestplate)〉をやってますよね? あれはどういう理由ではじまったんですか?

ディスタンス:うん、あれは自分の音楽の玄関口みたいなつもりではじめたんだけど、最近は新しいアーティストの紹介もしたいと思っている。

いま8枚?

ディスタンス:そうだね。

すべてディスタンスでしょ?

ディスタンス:いやいや、スクリームとベンガのスプリットも出しているよ。

出したいと思っている新しいアーティストは誰ですか?

ディスタンス:まだ言えないけど、10番目は2枚組で新しいアーティストを収録するつもりなんだ。

あなたのサード・アルバムは?

ディスタンス:年内に完成させるつもりです。

〈プラネット・ミュー〉から?

ディスタンス:たぶんね。


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 ここでローファーと替わってもらった。短髪で長身の彼は、ロンドンのルードボーイなセンスをどこかに感じさせる。

 さて、あらためて言おう。ピーター・リヴィグストン――ローファーの名で知られる彼はダブステップにおいて最重要人物のひとり。スクリーム、ベンガ、マーラ、コーキ、それらと並ぶキーパーソンである。


ローファー、ポスト・ダブステップを指標する男だ

 言うまでもないことだが、ローファーがマーラとコーキの3人ではじめた〈DMZ〉は、リリースされているほとんどの音源がいまやクラシックである。彼が2004年にデジタル・ミスティックズ(マーラ+コーキ)&ローファーとして発表したEP「ダブセッション」は初期ダブステップの名盤の1枚で、2005年のローファーのソロ・シングル「ルート/ザ・ゴート・ステアー」はその時代のもっともドープな1枚として記憶されている。

 また、ピンチの"パニッシャー"のリミックス、サーチ&デストロイの"キャンディフロッス"のリミックスも評判となった。ちなみにスクリームの「ローファー・リミックス」なる12インチは、レーベル面のアートワークがレジデンツである!(だからデザイン買いした)

 もっともローファーの場合、そのキャリアに対して作品数は決して多いとは言えない。が、逆に出しているものはほとんど"間違いない。そういう意味で彼は、玄人好みのひとりと言えるだろう。

どうしてマーラやコーキと知り合って、〈DMZ〉として活動するようになったんでしょう?

ローファー:ヤツらは僕が10代の頃、ほとんど同じエリアに住んでいたんだ。僕らはノース・クロイドンで育ったんだよ。コーキは隣の街にいた。15歳のときハードコア・ジャングルにハマって、サージェント・ポークスとマーラはMCをやりはじめるんだ。

高校が同じだったとか?

ローファー:マーラとコーキとポークスは同じ高校だったけど、僕は違った。

パーティで知り合ったの?

ローファー:いやいやいや、そういうのじゃない。ホント、同じエリアだったから、街をぶらぶらしていたら知り合った感じ。

いいですねー(笑)。レゲエのサウンドシステムの影響はあるの?

ローファー:ダブに関してはプロダクションのスタイルにおいて影響を受けている。でも、僕が影響を受けたのは、レゲエというよりもジャングルとヒップホップなんだよ。もしくはアシッド・ハウス。

アシッド・ハウス?

ローファー:ああ、〈トラックス〉や〈DJインターナショナル〉のシカゴ・ハウスとかさ、ミスター・フィンガーズ、マーシャル・ジェファーソン......。1987年とかさ、あの時代の音だよ。1988年のイングランドはすごかったんだぜ。

ていうか、そのときあなたは何歳だったんですか?

ローファー:9歳かな。

9歳でアシッド・ハウスかー、それは早熟ですね(笑)。

ローファー:さすがにパーティには行ってないよ。海賊ラジオ放送で聴いていたんだよ。

だって小3ですよ。

ローファー:はははは。


 ここで楽屋に突然、ドン・レッツが乱入する......。ドクター・マーティンの50周年イヴェントで来日していたという。嵐のようにやって来て嵐のように去っていったドン・レッツ......。


ローファー:ルーズ・エンズって知ってる?

ルーズ・エンズ! えー、知ってるけど、その名前、ものすごく久しぶりに聴きました。(注:80年代にソウル、ジャズ、ファンクを演奏して、レアグルーヴからアシッド・ジャズへと繋げたグループ)

ローファー:だから、サウス・ロンドンって海賊ラジオがすごかったんだよ。ソウル、レアグルーヴ、アシッド・ハウス......、で、その代表格がルーズ・エンズだったんだ。

へー、ブリストルにおけるワイルド・バンチみたいなものだったんですね。

ローファー:イングランドはやっぱ、海賊ラジオの影響がホントに大きいんだよ。


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絶対に忘れたくないことなんだ。1981年にサウス・ロンドンのブリクストンで反政府の暴動が起きた。高い失業、低賃金、貧困、粗末な住宅に対するフラストレーションが爆発したのさ。そのときに警察がとった作戦の名前が「スワンプ81」というんだよ。

しかし......アシッド・ハウスを聴いていたキッズがどうやってダブステップに入ったんですか?

ローファー:1998~1999年くらいまではジャングルやドラムンベースにハマっていたんだけど、でもちょっと飽きてしまって、ちょうどその頃は自分たちでも何か作ろうって感じで思っていた。マーラはまだガラージのMCで、ハッチャはガラージのDJだった。で、僕はマーラやハッチャといっしょにいつも車でドライヴしながらクラブに出掛けていたんだよね。で、その道中で、僕は自分の曲をかけていたんだ。それから僕たちはハッチャがまわしていた〈フォワード〉に行くようになった。

ハッチャとはどうして知り合ったの?

ローファー:マーラを通じてだよ。ハッチャはビッグ・アップルという地元のレコ屋で働いていたんだよね。知り合ってから僕もビッグ・アップルに通っていたよ。

じゃあ、ホントに同じ時期に複数の人間がいっしょになったんですね。

ローファー:そうだね。

マーラたちと〈DMZ〉をはじめたときは最初からシリアスだった? それとも遊び的なところもあったんですか?

ローファー:最初から、ものすごくシリアスだった。ただしそれがカネになるとはまったく考えていなかったけどね。

〈DMZ〉はしばらく休止していますよね?

ローファー:〈DMZ〉とは、まさにマーラ、コーキ、そして僕のことなんだ。だから......マーラと他の人との繋がりで〈ディープ・メディ〉(マーラのレーベル)がはじまって、僕と他の人との繋がりで〈スワンプ81〉(ローファーのレーベル)がはじまった。

ローファーの名前で〈スワンプ81〉から出さないのは何故ですか?

ローファー:ローファーは〈DMZ〉だからさ。

〈DMZ〉は終わったわけじゃないんですね。

ローファー:決して(笑)。焦ってリリースするようなことはしたくないんだ。僕たちの素晴らしい音が完成したら出す、でも、決して焦らない。

あなた自身、自分の作品をここ2~3年出してないのは何故ですか?

ローファー:その理由のひとつは、ダブステップが変わってしまったからだ。やたらノイジーになって、「ウワワワワ!」というサブベースのうるさい音がたくさん出てきてしまった。それで僕は、そう、ダブステップに飽きてしまったんだよ。

それがあなたの言う"ポスト・ダブステップ"なんですね。

ローファー:そうなんだ。〈スワンプ81〉はポスト・ダブステップのレーベルなんだよ。

他にはどんなレーベルがある?

ローファー:〈Night Slugs〉、〈Hemlock〉、〈Hessle〉なんかがポスト・ダブステップをやっているね。

あー、〈Hemlock〉はアントールド、〈Hessle〉はラマダンマンのレーベルですよね。ああ、なるほどー。

ローファー:レイヴ・ミュージックではなくクラブ・ミュージックだよね。初期のダブステップがレイヴに変質したものではないんだ。いわば初期の20人の世界だよ。よりグルーヴィーで、ドラムマシンで作られていて、あと128 BPMぐらいのテンポ......よりソウルフルなダンス・ミュージック、それは〈スワンプ81〉のコンセプトでもあるんだよ。

 ここで、神波さんが「〈スワンプ81〉という名前にはブルクストンの暴動が関係しているんだよ」と教えてくれる。

へー、そうなんですか。

ローファー:ああ、絶対に忘れたくないことなんだ。1981年にサウス・ロンドンのブリクストンで反政府の暴動が起きた。高い失業、低賃金、貧困、粗末な住宅に対するフラストレーションが爆発したのさ。そのときに警察がとった作戦の名前が「スワンプ81」というんだよ。
(注:私服警察をブリクストンに送り込み、暴動の関係者などを片っ端から逮捕した)

まったく現代に通じる話ですね。

ローファー:まあ、そういうことだね(笑)。実際、僕の住んでいるエリアでは、その暴動の話はずうっと、いまでも世代を超えて語り継がれているんだよ。

 実はローファーに話を訊いているあいだにディスタンスのプレイ時間がきてしまい、ブリクストンの話を聞いたときにはもうディスタンスのDJがはじまって30分ぐらい経っていた。

 すぐにフロアに戻った。ディスタンスは......彼の作品世界のように、都会のダーク・アンビエントを繰り広げていた。良い感じで埋まったフロアからはときおり叫び声が聞こえた。そしてポスト・ダブステップを指標するローファーは......DJの1曲目にダブ・ポエトリーの伝説、LKJの"Di Great Insohreckshan"(『Making History』収録)をかけた。

 そしてローファーは、取材で話していたように、アントールド以降のポスト・ダブステップをミックスした。それはアシッド・ハウス、テクノ、ジャングル、ガラージ、ダブステップ、それらUKアンダーグラウンド・ミュージックの絶妙なブレンドで、そしてその新しい音はものの見事にフロアをロックしたのだった。

 ちなみに7月の〈DRUM & BASS x DUBSTEP WARZ〉――メアリー・アン・ホブス(17日)、そしてスクリーム&ベンガ(31日)決定! 


MGMT - ele-king

 MGMTは、この国のあるひとつの"ロック・シーン"という幻想がまだぎりぎり成立するのだという、その臨界点を示してくれるバンドだ。それは言い換えるなら、音楽専門誌を読み、大型CDショップで試聴し、月に幾枚かの新譜を求めるという、もしかするともう古くなってしまったかもしれないリスナー像の臨界点でもある。彼らはメジャーとインディ、ウェルメイドな音とクリエイティヴな音を差し貫く、ハイブリッドな存在感を備えている。そしてそのことによって分断(トライブ)化する"ロック・シーン"をかろうじて繋ぎ止めているかに見える。

 デビュー作『オラキュラー・スペクタキュラー』の魅力とは、アニマル・コレクティヴをよりポップでよりファッショナブルに変換したという点に尽きる。2007年当時、アニマル・コレクティヴ『フィールズ』に代表される多幸的でトロピカルな極彩サイケデリアには、大きなエネルギーが噴出していた。影響力も新しさも気運もそこにあった。時代を動かすコテとして、それは他の様々なアーティストや表現のなかに潜りこむことになる。

 MGMTのデビュー作はアニマル・コレクティヴが掘削したトンネルをより広い聴衆に向けて開通させるものであったとも言える。いや......と言うよりは、ポップ・マーケットの側から掘られた穴が、途中で彼らに当たっただけのことかもしれないのだが。ともあれ『オラキュラー・スペクタキュラー』は大きな支持を得て、彼らはグラミー賞の最優秀新人賞にまでノミネートされる存在となったというわけだ。

 しかし、MGMTというのはポップということの両義性に非常に自覚的なバンドである。口を開けば、「人を不快にさせたい」「より劣悪でより非常識な音で人から非難されたい」といった露悪的な態度で自らの音楽性を相対化する。「不快」で「非常識」なはずが、世間的な成功を収めてしまったことに対する照れ。あるいはポップ・ミュージックと正面から向き合えない、幼い自意識......そんなものを抱えたバンドかと思っていたが、ブルックリンのデュオはセカンド・アルバム『コングラチュレーションズ』で、またしても抜け目なく見事なポップ・アルバムを作り上げたのである。

 まずはレイドバック志向。ザ・ドラムスにも顕著なこのモードにフォーカスするのはセンスとしてコレクトだ。持ち味のウィアードなエレクトロ・サウンドを用いながら、ふたりはペイズリー模様を煌めかせるように、60'sサイケ~ガレージ的な傾向をずいぶんと深めている。

 サイケデリックの伝説的バンドとして知られるラヴを思わせる雅やかな旋律を、シューゲイザーと呼ばれてしまいかねない独特の残響につつんで軽やかに疾駆する"イッツ・ワーキング"。オルガンが露悪的に跳ね回る"ソング・フォー・ダン・トレーシー"(テレヴィジョン・パーソナリティーズのリーダーに捧げられている)も印象的な曲だ。そして"サムワンズ・ミッシング"や"フラッシュ・デリリウム"からはグラム・ロックの肉感的なサウンドが溢れ出る。マーク・ボランもデヴィッド・ボウイも聴き取れてしまうブリティッシュ・マナーの70'sロックだ。

 "サイベリアン・ブレイクス"のような曲にもハント・アンド・ターナーなどのUKフォーク・ロックの影響を感じるが、ときおり挿入されるアコースティック・ナンバーは今作の特徴のひとつでもある。アルバムは実にバランスが良く構成され、1曲1曲のアイデアもしっかりしている。そして"MGMT印"の柔らかいファルセット・ヴォイスはデイヴ・フリッドマン(本作ではミックスを手がけているようだ)のスペーシーな音と見事に一体となっている。

 それにしてもこのスケールの大きなポップ感は特筆すべきである。プロデューサーがソニック・ブームということはその説明にならないだろう。とにかくこれはひとつのトライブに回収されない音で、いろんなタイプの人間に行き渡ってしまう可能性を持った音だ。そんな作品は今日珍しい。つまり年配のお客さんが店頭で聴いてふとジャケットを手に取り、シングル買い回りのインディっ子からサラリーマン、あるいは音楽雑誌と一緒にレジへ持ってくる高校生......、繰り返すようだが、なんだか久々に昔ながらの音楽の風景というものを目の当たりにしているようなのだ。

 波を挑発し、波から逃げる、呑まれる前に全速力で逃げる、そしてそれを楽しんでいるかのようなデザインのジャケットも素晴らしい。それは彼らのあり方を象徴するかのようだ。腹を割らない感じとでも言ったらいいだろうか。そもそも頭の切れるふたりだ。今作ではブライアン・イーノやレディ・ガガ、ダン・トレーシーといったポップの固有名詞を弄びながら、どことなく世界に対してアイロニカルに振る舞っている。

 直球勝負はしないのだ。さまざまな音楽的意匠を利用しながらサーフィ
ンしきる......驕慢で不遜にもみえるが、なかなかクールなファイティング・ポーズじゃないかと思う。

 「そんな自分たちに」か「そんな世界に」か、それとも何に向けてだ
ろう、"コングラチュレーションズ"。晴れ晴れと美しい、これもデヴィッド・ボウイ風の終曲。四分音符で小粋に下降するベースラインには、終わりとはじまりが、諦念と期待が入り交じっている。彼らは器用だが、確として道が見えているわけではない。波は、不安定なものだ。これからどうしていくのかわからないけれど、とりあえずここまで渡りきって、おめでとう。ここにもアイロニカルなニュアンスがないわけでもないが、そのようなアイロニーの無限連鎖をいったん断ち切る"コングラチュレーションズ"であったらいいなと思う。

CHART by STRADA RECORDS 2010.05.27 - ele-king

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MASSIVE ATTACK

MASSIVE ATTACK PARADISE CIRCUS-GUI BORATTO REMIX WHITE (US) / »COMMENT GET MUSIC
MASSIVE ATTACKのアルバム「Heligoland」収録曲を、KOMPAKTなどからのリリースでもお馴染みのブラジル生まれのクリエイターGui Borattoがリミックス!メランコリックなディープ・ハウス ・リミックスで、繊細なバック・トラックに可憐な女性ヴォーカルがグッとくる最上級の仕上がり!DOMMUNEでDJ AGEISHIさんがプレイしてました!

2

MAXXI AND ZEUS

MAXXI AND ZEUS THE STRUGGLE INTERNATIONAL FEEL(EU) / »COMMENT GET MUSIC
大人気レーベルINTERNATIONAL FEELからナントQUIET VILLAGEの変名MAXXI AND ZEUSが12インチをリリース!両面ともハイクオリティーなアンビエント系サウンドで、Chris Coco、Phil Mison、Prins Thomas、Pete Herbert、Mixmaster Morris、Mountain of One、Max Essaといったチルアウト~バレアリック系DJはもちろんAshley Beedle、Tom Middleton、Horse meat Disco、Jimpster、Soft Rocks、Brendon Moeller、Nick Chacona、DFAらも絶賛!

3

JEPHTE GUILLAUME

JEPHTE GUILLAUME DEJA VUE(feat.WILTRUD WEBER) TET KALE (US) / »COMMENT GET MUSIC
100枚限定のプロモも話題だったこの曲が遂に正規リリース!SPIRITUAL LIFEやIBADANからのリリースで知られるJEPHTE GUILLAUMEが久々に自分のレーベルから放つ強力盤で、彼らしいパーカッシヴなハウス・トラックに伸びやかな女性ヴォーカルがフィーチャーされたシリアス且つカッコイイ作品!

4

BAYARA CITIZENS(JOE CLAUSSELL etc)

BAYARA CITIZENS(JOE CLAUSSELL etc) SONG FOR AFRIKA SACRED RHYTHM (US) / »COMMENT GET MUSIC
ここ最近のJOE CLAUSSELLのプレイでも注目を集めていたこのアフロ・ハウスがようやくリリース!グルーヴィーなアフロ・パーカッションに浮遊感のあるシンセ・ソロがフィーチャーされたディープなインスト・チューン!

5

JOE CLAUSSELL

JOE CLAUSSELL THE SACRED RHYTHM MUSIC SAMPLER-FAR EAST SACRED RHYTHM (US) / »COMMENT GET MUSIC
SACRED RHYTHMからリリース予定のコンピレーションからの先行サンプラー・シングル!Mental Remedy名義での清々しいインスト・チューンをはじめ、アンビエント調のB1、アフロなドラムが炸裂するBayara Citizens名義のB2という充実の内容!

6

SLAM MODE

SLAM MODE APPAKETA-JEFF MILLS REMIXES SPIRITUAL LIFE (US) / »COMMENT GET MUSIC
休眠状態(?)だったSPIRITUAL LIFEから突如12インチがリリース!同レーベルからのコンピレーション「New Birth」に収録されていたJEFF MILLSによるリミックスを、更に今回JOE CLAUSSELLがオーヴァーダブを施した初お目見えの新ヴァージョン!JEFFらしいドラムにエスノなヴォーカルが舞うぶっ飛んだテック・ハウス!何かと使えるアカペラの収録も嬉しい!

7

TOMMY BONES

TOMMY BONES RAW BASICS EP WONDER WAX (US) / »COMMENT GET MUSIC
WAVE MUSICやREALTONE等からリリースしているTOMMY BONESがDJ SPINNAのレーベルWONDERWAXから12インチをリリース!ミニマルで図太いディープ・インスト・ハウスで、そのままプレイしてもロング・ミックスに使ってもバッチリな即戦力盤!DJ SPINNAによるミックスも収録!

8

FERDI BLANKENA

FERDI BLANKENA SEANCE WOLFSKUIL(EU) / »COMMENT GET MUSIC
Darko Esser等のリリースで知られるレーベルWolfskuilの限定シリーズ!小気味良いパーカッション・トラックにディープなシンセがジワジワと入ってくるカッコいいインスト・チューン!これはハマる!OsunladeやBrothers' Vibe、Luke Solomon、Michel Cleis、Marc Romboy、SIS、Laurent Garnierらもプレイ!

9

THE NATHANIEL X PROJECT

THE NATHANIEL X PROJECT THE RESURRXION E.P. MY LOVE IS UNDERGROUND(FR) / »COMMENT GET MUSIC
現代のものとは思えないこのサウンド・・・!しかしこれが新譜だから驚き!それもそのはず94年に懐かしのMUSIC STATIONレーベルからリリースした以来となる超久々の作品で、バリバリ90'sハウスな仕上り!タフなビートにバウンシーなベースが踊らせてくれます!

10

MAYNARD FERGUSON

MAYNARD FERGUSON PAGULIACCI-JOE CLAUSSELL REMIX COLUMBIA (US) / »COMMENT GET MUSIC
JOE CLAUSSELLはもちろんFRANCOIS K.らのプレイで人気の超絶ジャズ・ファンク系クラシック「PAGULIACCI」がJOE CLAUSSELLによる絶妙なエディットが施され12インチ・リリース!ちなみに滅多にお目にかかれないオリジナルUS12インチはプロモ・オンリーで中古市場でン万円で取引されています!以前JOEセレクトのコンピにもこの曲のエディットが収録されていましたが、今回は初お目見えのロング・ヴァージョン!これはマストです!

CHART by TRASMUNDO 2010.05.27 - ele-king

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H.FUTAMI PRESENTS『CONSCIOUS BLUES』 »COMMENT

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ECD『TEN YEARS AFTER』»COMMENT

3

HIRAGEN from TYRANT『CASTE』 »COMMENT

4

RAMB CAMP『Ramb Camp』 »COMMENT

5

BING『HOMENAJE A LA MUSICA COLOMBIANA』 »COMMENT

6

STARRBURST『INSTRUMENTALS』 »COMMENT

7

SEMINISHUKEI PRESENTS『WISDOM OF LIFE』 »COMMENT

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SFP BRAND NEW Tee »COMMENT

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PAYBACK BOYS BRAND NEW Tee »COMMENT

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blahmuzik『ABNOIZ』 »COMMENT
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