「K A R Y Y N」と一致するもの

 〈φonon (フォノン)〉は、EP-4の佐藤薫の〈SKATING PEARS〉のサブレーベルとして2018年に始動した、という話はすでに書いた。いまのところEP-4 [fn.ψ]『OBLIQUES』、A.Mizukiのソロ・ユニットで、ラヂオ ensembles アイーダ『From ASIA (Radio Of The Day #2)』という2枚のリリースがある。
 で、このたび第二弾のリリースありとの情報。

 そのひとつは、家口成樹セレクトのエレクトロ・コンピレーション、『Allopoietic factor』。いま最高にクールなエレクトロニック・ミュージック/ノイズが収録されている。そして、もう1枚は森田潤の初ソロCD『LʼARTE DEI RUMORI DI MORTE。美しくも不気味な音を巧みにコラージュさせる音響センスは秀逸で、ユーモアもある。
 ぜひ、チェックしてくれ。
https://www.slogan.co.jp/skatingpears/

6月15日(金) 2タイトル同時発売!!

アーティスト:Various Artists
アルバムタイトル:Allopoietic factor
発売日:2018年6月15日(金)
定価:¥2,000(税別)
品番:SPF-003
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS

01. Bark & Pulse / ZVIZMO
02. Suna No Onna / Turtle Yama
03. Fuzzy mood for backpackers / bonnounomukuro
04. Crepuscular rays / Singū-IEGUTI
05. Exocytosis / Yuki Hasegawa
06. Boiling Point / 4TLTD
07. Armor / Natiho Toyota
08. Sairei No Odori / Black root(s) crew
09. IN A ROOM / Radio ensembles Aiida
10. Proto-Enantiomorphous / EP-4[fn.ψ]

アーティスト:Jun Morita
タイトル:LʼARTE DEI RUMORI DI MORTE
発売日: 2018年6月15日(金)
定価:¥2,000(税別)
品番:SPF-004
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS

トラックリスト
01. Le Pli II
02. Poesia I
03. L'Arte Dei Rumori Di Morte
04. Corpus Delicti
05. Acephale Extravaganza
06. Poesia II
07. Live at Forestlimit,Tokyo 20-Jan-2018

Smerz - ele-king

 クラフトワークとFKAツイッグスが出会ったような……ラジオでたまたま彼女たちの“Worth It(価値がある)”が流れたとき、ぼくはこの音楽にいっきに持っていかれた。ジェシー・ランザDJラシャドからの影響を明かしているようだけれど、“Worth It”はランザよりもずっと尖っている。ビートは重くインダストリアルな質感で、骨太で、歪んでいる。2000年代初頭のオウテカのように歪んでいるし、寒々しくもダークで、歌はサイボーグと化している。ノルウェー出身のふたりの女性によるスマーズ、その8曲入りのEP(!)は、なかなか面白い。“No Harm(傷つけない)”は、触っただけで切れてしまいそうなカミソリのごときビートを有するR&Bで、“Oh My My”もまたサイボーグが夢見る暗いR&Bで……そのエレクトロニック・ノイズの響きにおいて、スマーズときたら、80年代のサイボトロンがイメージしたような、電子空間において変容する人間の姿が男性であったことに抗議しているかのようだ、と思わず言ってしまうのだった。

 まあ、ぶっちゃけて言えば現代っ子ってことなんだろうけど、“Have Fun(楽しんで)”という表題曲もまた暗く沈んだ曲で、恐怖をかき立てるような、セイバース・オブ・パラダイスめいたトリップホップ調だったりするのだが、うまい具合にお洒落にまとめている。“Half Life(半減期)”と“Fitness(フィットネス)”は明らかにシカゴのフットワークからの影響下にある曲だけれど、前者においては感情が排除された抑揚のない歌と悲鳴にも似た男の声がミックスされ、後者においては歌は削除されている。じつに思わせぶりな曲を作っているわけだが、ぼくのような人間はこうしてすぐに引っかかる次第なのだ。じっさいのところ、インスト曲の“Fitness”を聴いていると、彼女たちは商業主義おいて武器となる「女性の歌声」を放棄してもやっていけるんじゃないかと思うのだが、まあ、〈XL〉がそうはさせないだろうね(笑)。

 捻りのあるアートワークも悪くはない。露光不足の、暗い影におおわれた笑顔の少女たち。だが、『スターウォーズ』のレイア姫には心して話せる女友だちがなぜいないのかという20世紀の違和感はここにはない。

Vincent Moon - ele-king

 パリ出身の映像作家、ヴィンセント・ムーンの名前は、2006年にはじまったウェブ向けの音楽シリーズ「Take Away Show」によって広まった。「Take Away Show」ではミュージシャンを街の至る所へ連れ出し、彼らの素顔を捉えたリアルな映像を収めている。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLB11F2A75B21884EC&feature=plcp

 ちなみに現在彼は、2019年の実施を目指し、日本のシャーマニズムや伝統音楽を追いかける「響 HIBIKI」プロジェクトの準備をすすめている。
 牧野貴もまた、映画、音楽、インスタレーション、オーディオビジュアルパフォーマンスなど多分野で活動し、ジム・オルーク、大友良英、坂本龍一など著名な音楽家とのコラボレーションも活発に行っている映像作家。3台のプロジェクターから作られるイメージの重なり合いが幻想的だ。

(『ENDLESS CINEMA』音楽:ジム・オルーク2017)

 当日は、ヴィンセント・ムーンと写真家で作家のプリシラ・テルモンによるライブ・シネマと、牧野貴 によるライヴ・パフォーマンスが予定されている。
 映像詩人たちによる当日限りの特別プログラムに足を運んでみてはいかがだろうか。

■ FOUNDLAND feat. VINCENT MOON + 牧野貴

2018年6月11日(月)@ VACANT
18:30 open / 19:00 start
前売 3,500yen / 当日 4,000yen(+1D別途)

出演:
Vincent Moon & Priscilla Telmon
牧野貴
音響:福岡功訓(Fly sound)
予約:https://foundland.us/archives/1961
イベント詳細:https://foundland.us/archives/1961

Vincent Moon web site:VINCENTMOON.COM
響HIBIKI project web site:https://hibikiproject.com
牧野貴 web site:https://makinotakashi.net/
Priscilla Telmon web site:www.priscillatelmon.com

K-HAND - ele-king

 1990年代初頭から活躍するデトロイトのDJ/プロデューサー、K-Handことケリー・ハンドの来日が東京、大阪で決定しました。この女性DJは、昨年は、Nina Kravizのレーベル〈трип〉から作品を発表しており、近年はまさに再評価を高めている。いまでこそ女性のDJ/プロデューサーは珍しくないが、ケリー・ハンドが自身のレーベル〈アカシア〉をデトロイトではじめた時代は、右も左もブースでレコードを回すのは野郎ばかりだった。まさに先駆者であり、偉人ではないだろうか。


K-HAND Japan Tour
5/26(土)大阪 @ALZAR
5/28(月)東京 @Contact K-HAND

≪Boiler Room DJ set 2015≫

≪Nina Kravizが選曲したK-HANDの15曲≫
https://www.youtube.com/playlist?list=PLnZOad80R4noDs94C1e6CsMgydiS_UWuE

あの時代が残したもの - ele-king


Simian Mobile Disco
Murmurations

Wichita / ホステス

TechnoElectronic

Amazon Tower HMV iTunes

 レヴューには書きそびれてしまったのだけれど、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』でジャスティスの“Genesis”がかかったとき、何とも言えない気持ちになってしまった。それは主人公のクリスティアンが低所得者が暮らす住宅に脅迫めいたビラを配るのに向かう車のなかで流されるのだが、暴力的な気分を上げるためのものとしてドラッグのように「使用」されている。ジャスティスのファースト・アルバム『†』が2007年。当時、ニュー・エレクトロと呼ばれたエレクトロニック・ミュージックのイメージがまったく更新されないままそこで援用されている。まあジャスティスの場合はロマン・ガヴラス監督による“Stress”の超暴力的なヴィデオの印象を引きずっているところも大きいだろうが、いまから振り返って当時のインディ・ロックとエレクトロのクロスオーヴァーの思い出は大体そんなところではないだろうか。粗暴で子どもっぽく、刹那的。それ自体はけっして悪いことではない。ニュー・レイヴと呼ばれたシーンにまで拡大すれば、事実としてインディ・ロックを聴いていたキッズたちを大勢踊らせたし、自分もけっこう楽しんだほうだ。オルター・イーゴの“Rocker”で何度も踊ったし、ヴィタリックのファーストも買った。デジタリズム(ああ!)のライヴも観たし、クラクソンズの登場も面白がった。が、2010年に入るとかつてのニュー・エレクトロのリスナーの少なくない一部がEDMに回収されていくなかで、00年代なかばのクロスオーヴァーが何を遺したかと問われれば答に詰まるところがある。いや、はっきり言える……何も残らなかった、と。ジャスティスやクラクソンズのデビュー作が発売された2007年、まったく別の場所からべリアルの『アントゥルー』が届けられているが、どちらに史学的な意義があるかははっきりしていることだ。

 ジェームズ・フォードとジャス・ショウによるデュオ、シミアン・モバイル・ディスコ(以下SMD)もまたニュー・エレクトロ、ニュー・レイヴの渦中から現れた存在である。フォードは実際クラクソンズのプロデュースを務めていたし、彼が所属していたバンドであるシミアンの曲をジャスティスがリミックスしたシングル“We Are Your Friends”はニュー・レイヴのアンセムだった(覚えていますか?)。が、そのなかにあってSMDはどこか違っていた。粗暴でもないし刹那的でもない。チャイルディッシュな人懐こさはあったものの、フォードがプロデューサーということもあり何やら職人的な佇まいは隠されていなかった。何しろデビュー作のタイトル(これも2007年)は『アタック・ディケイ・サステイン・リリース』だ。音のパラメータを触ることによって生まれるエレクトロニック・ミュージックの愉しさ。同作はニュー・エレクトロの勢のなかでもじつはもっとも純粋にエレクトロ色が強い作品(つまり、オールドスクール・ヒップホップ色が濃い)で、じつにポップな一枚だが、同時に音色の細やかな変化自体で聴かせるようなシブい魅力もあった。
 その後ニュー・レイヴの狂乱が忘れ去られていくなかで、しかしSMDはアルバムを約2年に1枚のペースで淡々とリリースし続けた。その傍らフォードはアークティック・モンキーズやフローレンス・アンド・ザ・マシーンのような人気バンドのプロデュースを続け、職人としての腕も磨いていく。セカンド『テンポラリー・プレジャー』(09)の頃はゲスト・ミュージシャンを招いたポップ・ソングの形式――「ニュー・レイヴ」――をやや引きずっていたが、作を重ねるごとにエレクトロを後退させ、よりアシッド・ハウスやテクノに近づいていく。モジュラー・シンセとシーケンサー、ミキサーのみというミニマルな形態にこだわりながらクラウトロックの反復をテーマとした4作目『ウァール』を経て、 とりわけ、自主レーベル〈Delicacies〉からのリリースとなった『ウェルカム・トゥ・サイドウェイズ』(16)は非常にストイックなテクノ・アルバムとなった。ヴォーカルはなく、固めのビートが等間隔で鳴らされるフロアライクなトラックが並ぶ。とくに2枚目は50分以上に渡るノンストップのミックス・アルバムになっており、これはほとんどミニマル・テクノのDJセットである。そこにニュー・レイヴの陰はまったくない。

 そしてやはり2年間隔でのリリースとなった新作『マーマレーションズ』は、そうしたクラブ・ミュージックとしてのテクノの機能美を引き継ぎつつ、いま一度ヴォーカル・トラックに向き合った一枚である。ロンドンの女性ヴォーカル・コレクティヴであるディープ・スロート・クワイアをフィーチャーし、リッチなコーラス・ワークを聴かせてくれる。それはいわゆるカットアップ・ヴォイスのように断片的にではなく、比較的メロディを伴った形で導入されているのだが、やはりテクノのDJプレイのようにフェード・イン/フェード・アウト、カット・イン/カット・アウトするものとしてパラメータを絶妙に変化させながら現れては消え、また現れる。クワイア単体では演劇的な仰々しさがあるのだが、それが硬質なエレクトロニック・ミュージックと合わさることで異化され、抽象化される。モダン・ダンスを思わせるヴィデオとともに先行して発表された“Caught In A Wave”や“Hey Sister”などは比較的まとまったポップ・ソングとしての体裁があると言えなくもないのだが、アルバムでは長尺となる“A Perfect Swarm”や“Defender”辺りは一曲のなかで組曲のような壮大な展開を見せる。

 パーカッションなど生音が多く使用され、声が音響化されているため耳への響きは柔らかく、前2作の硬さとは対照的だ。あるいはビートレスのまま音の揺らぎが重ねられる“Gliders”などを聴くと、10年代のアンビエント/ドローンをうまく吸収していることがわかる。初期のローレル・ヘイローを思わせる部分もあるし、あるいはそのスケール感とエレガンスからジョン・ホプキンスと並べてもいいだろう。要はモダンなのだ。それは、彼らがデビューから静かに音の「アタック・ティケイ・サステイン・リリース」を細やかに練磨し続けてきた成果であり、『マーマレーションズ』ははっきりとキャリアでもっとも完成度の高いアルバムだと言える。
 フォードはアークティック・モンキーズの最新作のプロデュースに携わっており、プロダクションの面で大いに貢献している。裏方としての役割をいまも粛々とこなす彼には、ひょっとしたらSMDを過去の遺物として葬る選択肢もあったかもしれない。名義を変えてエレクトロニック・ミュージックをやるとか。だがフォードとショウのふたりはそんなことはせず、地道な変化と前進でこそニュー・レイヴではないテクノ・ミュージックをしっかりと作り上げていった。あの時代が残したものがそれでももしあるのだとすれば、それはシミアン・モバイル・ディスコという存在自体なのではないか……『マーマレーションズ』を聴いていると、そんな気分になってくる。


R.I.P. Glenn Branca - ele-king

 太平洋のむこうからグレン・ブランカの訃報が届いた日の朝日新聞東京本社版5月15日のオピニオン&フォーラム欄に「エレキ 永遠の詩?」と題した記事が載っている。米ギブソン社の経営破綻の原因のひとつであるエレキギターの売上減が意味することを各界の識者に問うこの記事では、シンガー・ソングライターの椎名林檎、社会学者の南田勝也、弦楽四重奏団「モルゴーア・クァルテット」を率いるヴァイオリン奏者荒井英治の各氏がそれぞれの専門領域からエレキギターないしそれが象徴するロックの現在について熱弁をふるっている、三者三様の談話はいずれも示唆に富み、私は新聞を読みながら激しく相槌を打ち家人を気味わるがらせたが、一方で電化したギターをロックのものとばかり考えるのは不当ではあるまいか。いやそれ以前にロックのイメージの画一化はどうにかならないものか。ロックとは産業の謂なのか、その集積が社会なのか。オルタナティヴやプログレッシヴとは王道のロックのフランチャイズにすぎないのか。そもそも感情と共感でリンクしえない音楽はロックたりえないのか。そうかもしれない。しかし社会と世界は同義でないように、そして世界の総体はけっして把捉できないように、ギターも、すくなくともここで議論になっているエレキギターなるものもまた、六本の弦の撓みと部材の重み、歴史の厚みと音の歪みをもつ、単一のイメージにたやすく回収でいない事物(インストゥルメント) であるのはまちがいない。

 グレン・ブランカはそのことにきわめて自覚的な作曲家だった。彼は現代音楽の分野にエレキギターを主楽器にした曲をもたらした最初の作曲家のひとりだった。むろんそのことが彼の価値を高めているのではない。現代音楽うんぬんを権威づけに感じたならご容赦いただきたいが、ブランカの耳を聾するばかりのアンサンブルには権威を吹き飛ばすほどの音圧があった。その中心はギターである。シーンに登場したのは70年代末のノーウェイヴの時代だった。1948年ペンシルベニア州ハリスバーグに生まれたブランカはコラージュでサウンドアート作品をつくるようなおませな中学生だったのが、上の学校で演劇を学び、実験的な演劇集団バスタード・シアターにかかわった1975年あたりには音響実験をはじめ、ニューヨークに拠点を移した翌年には演劇に片足をつっこみながらバンド活動もはじめている。のちにマラリア!やキム・ゴードンとのCKMなどをはじめるクリスティン・ハーンと、Yパンツをたちあげる写真家のバーバラ・エスのふたりの女性にブランカをくわえたザ・スタティックや、エスやジェフリー・ローンとのセオレティカル・ガールといったバンドでパンク後のニューヨークに興ったノーウェイヴ・ムーヴメントにブランカは参画する。かの有名な『ノー・ニューヨーク』(1978年)で、プロデューサーのブライアン・イーノはアート・リンゼイのDNA、ジェームス・チャンスのコントーションズ、リディア・ランチのティーンネイジ・ジーザス・アンド・ジャークスとマーズの4バンドをピックアップしたかわりにバスキアやヴィンセント・ギャロらがいたグレイやブランカのセオレティカル・ガールが選に漏れたのは比較的よく知られた話であろう。押しつぶしたコードをカミソリのようにふりまわすこのときのブランカの音楽にはのちの萌芽がかいまみえるが、総体はいまだノーウェイヴの圏域にとどまっている。そこを脱しはじめたのはESGやリキッド・リキッドなどをリリースした99レコーズからの「Lesson No.1」(1980年)であり、ブランカはこの12インチシングルで、単純化したスリーコードとも完全に不協和ともつかない鋭角的でありながら繊細な響きのコードによる作曲法を編み出している。響きを反復するため、リズムはメトロノミックな傾向を強め、それらを土台にギターのストロークはときに単純な、ときに巧緻な上部構造を組み上げるが、素材となる音色はおそるべき広さの階調を有している。ノイズともトーンクラスターとも見紛うばかりの和音の一打のなかでは微分音と倍音が氾濫をおこすが、習作の位置づけとおぼしき「Lesson」は81年のファースト・ソロ・アルバム『The Ascension』の冒頭で次章(「Lesson 2」)に突入し、同時に楽曲は多人数でのギターアンサンブルの色彩が強まっていく。と同時に、パンク~ノーウェイヴの記号性は薄れ、ブランカはあたかも20世紀初頭の印象派の面々のやり口をなぞるかのように、あるいはミニマルミュージックをディスコにもちこんだアーサー・ラッセルとすれちがうかのように、ノーウェイヴの方法論をクラシカルなフレームにうつしかえていく。最終的に16番まで作品を重ねた「交響曲」はブランカが生涯をかけて追求したその試みのすべてであり、数台ではじまり、やがて100人規模にまで膨れあがったエレキギターによる合奏は情動とは無縁の場所で交響するかのように音楽史のなかに孤立している。レコードのリリースこそまちまちだが、「Describing Planes Of An Expanding Hypersphere」の副題さながら曲率をもった平面がひたすら広がっていくような第5番や、128倍音までの微分音で構成する第3番「グロリア」の上昇する音階が時間のなかで停止するような感覚は、音に非(否)秩序をもとめるジョン・ケージの不興を買ったというが、ソニック・ユースのリー・ラナルドとサーストン・ムーア、ヘルメットのペイジ・ハミルトン、近年では交響曲第13番に参加したウィーゼル・ウォルターら、多くの異才をひきつけてやまなかった。その特異というほかない作家性はロックを現代音楽化するのでもなく現代音楽にロックを移入するのでもない、乗法の係数を備えており、それがゆえに整序の感覚を強く喚起するが、おそらくそれはエレクトリックギターという怪物的な楽器の構造と歴史に由来する。クラシカルな編成によっているときでさえそうなのだ。グレン・ブランカはそこにさまざまな角度から光をあてる。私たちは光のあてかたこそ音楽家の思想であり方法であると思いがちだが、ブランカの音楽の豊かさは光のなかに輪郭をあらわす事物そのものから生じるものなのである。21世紀はまだそのことに気づいていない。ブランカの倍音と反復による伽藍の偉容を発見するのはおそらくこれからだ。(了)

interview with Charlotte Gainsbourg - ele-king


Charlotte Gainsbourg
Rest

Because Music/ワーナーミュージック・ジャパン

Indie PopElectro

Amazon

 ラース・フォン・トリアーの映画はさておき歌手としてのシャルロット・ゲンズブールは、共演する男性によってその輪郭は作られてきている。1986年の最初のアルバムは、言わずもがなセルジュ・ゲンズブールが手を貸しているわけだが、音楽家としての活動を再開した『5:55』(2006年)はジャーヴィス・コッカーが、『IRM』(2009年)ではベックが全面協力している。昨年11月にリリースされた4枚目のアルバム『レスト』では、〈エド・バンガー〉の看板、セバスチャンがその立場について、ダフト・パンクのギ・マニュエルとポール・マッカトニーも少しばかり手を貸している。この流れで言えばいままでの彼女のやり方を踏襲しているのだが、しかし『レスト』においては彼女のアイデンティティ(ないしはエゴ)が強烈に露わになっている点で過去作とは異なる。このアルバムの輪郭はセバスチャンではなく彼女である。というのもシャルロット・ゲンズブールは、アルバムのほとんどの曲の作詞を自ら手掛けているのだ。まずはこれが、いままでの彼女のアルバムではなかった。父の書いた言葉を歌い、コッカーやベックの書いた歌を歌ってきた彼女は、『レスト』においてなかば暴露的に個人(とその心情)を歌い上げている。具体的に言えば、2013年の姉であるケイト・バリーの死が引き金になっているのだが、酒瓶と4つ打ちの猥雑なクラブ・カルチャーの片隅で、人生の深い悲しみについて語る内気な女性のことを想像してみてほしい。(ぜひ日本盤の訳詞を読んで欲しい)
 それはある意味、エレクトロニック・ミュージックではあるものの、苦しみを公開するという観点では、フレンチ・ポップのお決まりの快楽主義的な回路を切断しているのかもしれない。『5:55』のようなセクシーな作品はたしかに魅力だが、『レスト』での彼女は、しかし悲しみのために新しい声を見つけ、死と向き合い続けた朝方にほのかに立ち上がる力強さのようなものを吹き込んでいる。去る4月に彼女を取材できたので、ここにお届けしよう。

質問:あなたにとって人生とは快楽でありメランコリックであると?
答え:ノン。私は哲学的な座右の銘みたいなものを持たないの。

うちの雑誌で、およそ18年前、いちどだけ50代半ばのときのあなたのお母さんに取材したことがあります(といってその誌面を見せると嬉しそうに写真に撮る)。セルジュが亡くなって10年近く経った2000年のことでしたが、ジェーン・バーキンは元夫との死別について、まるで物語を読むように話してくれました。ウェールズでオートバイに乗って木っ端微塵になろうとしたけど失敗してくるぶしを痛めただけだったとか、セルジュが死んだあとの留守番電話のメッセージが「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。用件をどうぞ」という言葉だったとか。こういうエピソードをたくさん話してくれましたが、奇しくも、『レスト』というアルバムの主題には“死別”があります。

CB:暗いアルバムを作りだかったわけではないけど、死者への想いに取り憑かれているところがあるの。誰でもそうだと思うけど、生きていると近しい人を失うわよね。私の場合は13際のときの祖母の死をはじめ、19歳のときの父、そして最近のいちばん大きなトラウマである姉まで。このアルバムでは父と姉の死を歌っているけれど、生きることについても歌っているわ。でも死というものにこれまでも取り憑かれてきたし、きっとこれからもそうなんだと思う。

このような重たい主題を扱うことに躊躇はなかったでしょうか?

CB:ひとつ前のアルバム『IRM』でも死について歌ていたわ。もちろんあのアルバムは私が詞を書いたわけではないけれど、死を意識するような事故にあったこともあって自分自身の死について歌っていたの。だからそういう意味では死というのは私のなかにいつでもあるテーマなのかも。

たとえばエールの音楽を聴いていても、あなたの『5:55』を聴いていても、ジェーン・バーキン&セルジュ・ゲンズブールが創造したなかば快楽的でありながらメランコリーという独特の感覚を覚えます。『レスト』ではそのバランスを崩し、もっとメランコリーのほうに振れているようにも思うのですが、いかがでしょう?

CB:今回のアルバムの音楽的な影響としてあげられるのが、これまでの私の人生で影響を受けてきたホラー映画『ジョーズ』や『シャイニング』、ヒッチコック映画、ジョルジオ・モロダーの映画音楽など。そういったサウンドをセバスチャンのなかに感じたの。その彼の強いエネルギーを持ったサウンドがあったからこそ、メランコリックで痛みを伴う歌詞を乗せられた部分もある。例えば“Les Oxalis”はサウンドと歌詞の内容が結びつかないと思う。そういうサウンドと歌詞が相反するようなものを作りたかったの。
 作っているときには自分では分析できないけれど、いまになって思うのは音楽とヴォーカル、つまり歌詞を繋ぐような役目をストリングスが負っているのかも。これまでのアルバム『5:55』から今回の『レスト』までストリングスはとても重要なの。レコーディングではいつも最後に入れていたんだけど、まるでひとりの登場人物のような役割を負っていて、それがメランコリックな要素を強めたかもしれないわね。

つまり、あなたにとって人生とは快楽でありメランコリックであると?

CB:ノン。私は哲学的な座右の銘みたいなものを持つことや、確信を持って何かをいうのが好きではないのよ。私は人生をあまり俯瞰的に見ないで生きることが好きなの。

フランス人はみんな哲学的なのかと思ってました(笑)。

CB:そういう意味ではフランス人じゃないかもね(笑)。

すでに“Les Oxalis”のAlan Braxe(ダフト・パンク一派のプロデューサー)によるリミックスがヒットしてますが、“Deadly Valentine”もソウルワックスがリミックスを手掛けてますし、クラブ・ミュージックとの繋がりを感じます、あなた個人にはクラブ・ミュージックへの想いはあるのでしょうか?

CB:クラブ・ミュージックは好きじゃないの。エレクトロニック・ミュージックには興味はあるけど、まずその定義がわからないの。私にとってはベックだってときにはエレクトロニック・ミュージックを使うときがあるし、逆にセバスチャンはコンピュータで作っていないストリングスも使うし。エールのときもそうだった。まあ、エールはエレクトロニック・ミュージックというよりエレクトロニックなヴァイブを持った音楽という感じね。エレクトロニック・ミュージックという要素に惹かれるものはあるけれど、ダンス・ミュージックを自分から聴くことはないわ。

では、音楽面ではレーベル、〈ビコーズ〉のアドヴァイスはあったんですか?

CB:方向的にエレクトロニック・ミュージックをアルバムに取り入れたかったのは私の意向で、〈ビコーズ〉はいろいろなアーティストの音を聞かせてくれたの。
私はトランスの要素のある音楽がずっと好きだった。エマヌエーレ・クリアレーゼ監督のイタリア映画の『Nuovomondo』という映画に出演したとき、シチリアでのお話なんだけど、とてもトライバルな音楽が使われているの。それがとても気に入った理由はきっとトランス感のあったからだと思う。

クラブに行きますか?

CB:ノン(笑)。フランスで出かけるのはちょっと難しかったのよね。クラブに行くのは楽しむためだと思うんけど、顔がバレてしまうと楽しめないでしょ。いまNYでならできるけど、もうこの歳じゃね(笑)。
(※取材時46歳)

NYで暮らしていてパリが懐かしくなるのはどんなときでしょう?

CB:パリにいる親しい人たちね。イヴァンはNYによく来てくれるけど、パリに住んでるし。イヴァンのお母さんも恋しいし、友だちや家族ね。あとはちょっと恥ずかしいけど食べ物(笑)。パリの生活自体はまだ恋しいと思わないの。パリの生活を忘れたいわけじゃないのよ。でももう少しNYにいて、パリを新たに発見できる気持ちになったら帰るわ。

最後に、お父さんから言われた言葉でいま覚えているのを教えてください。

CB:ふー(フランス的ため息)、たくさんありすぎて……。いまの会話から思い出したこと、パリの生活や人に顔を知られてしまっていることとかについて言うわ。思春期の頃、人からしょっちゅうサインを頼まれることにうんざりしていた時期があって、そのときに父から言われたのが「ある日もう誰もお前にサインを求めなくなったら後悔するんだから、いまの状況をありがたく思いなさい」と言われたの(笑)。

 しかしながら、クラブ的なサウンドトラックは、傷心のアルバムに生命についての主張をうながしているようだ。近しい人の死を商売にする人はこの世界にいる。シャルロット・ゲンズブールは、そんなせこい真似をしなかった。悲しみを公開することで、錯乱でも追憶でもない、彼女はそれ以上の強いものを作った。『レスト』は世界中で賞賛されている。(了)

Chevel - ele-king

 マムダンスとロゴスが主宰するレーベル〈Different Circles〉は、ベース・ミュージック、ダブステップから派生しつつも、真に新しいビートとサウンドを追及している貴重なレーベルである。
 〈Different Circles〉は、彼らのトラックに加え、ラビット、ストリクト・フェイスなどのトラックを収録したコンピレーション『Weightless Volume 1』(2014)、シェイプドノイズやFISなどのトラックを収録した『Weightless Volume 2』(2017)、ラビットやストリクト・フェイスのスプリットやエアヘッドの12インチなどをリリースしている。

 〈Different Circles〉がリリースしたトラックは数はまだそれほど多くはないが、どれも刺激的なものばかりだ。中でもマムダンスとロゴスによる「FFS/BMT」(2017)は、インダスリアル/テクノやグライムを経由した「非反復性的」なサウンド/リズムを実現したひときわ、重要な曲である。
 この2トラックはマテリアルでありながら重力から逃れるような新しい浮遊感を実現し、最新型のエレクトロニック・ミュージックの重要なテーゼ「Weightlessness=ウェイトレスネス」を体現している。今、「新しい音楽とは何か?」と問われたら、即座に「FFS/BMT」と〈Different Circles〉の作品を挙げることになる。


 彼らは2015年にUKの〈Tectonic〉からアルバム『Proto』をリリースしており、先端的音楽マニアには知られた存在だったわけだが、この「FFS/BMT」で明らかにネクスト・ステップに突入したといえよう。
 ちなみに〈Different Circles〉のレーベル・コンピレーションアルバム『PRESENT DIFFERENT CIRCLES』(2016)にも、“FFS”がミックスされ収録されているので、こちらも聴いて頂きたい。

 と前置きが長くなったが、その〈Different Circles〉における初のアーティスト・アルバムとなったのが、本作、シェヴェル(Chevel)『Always Yours』である。
 シェヴェルことダリオ・トロンシャンはイタリア出身のプロデューサーで、2008年に〈Meerestief Records〉から12インチ「Before Leaving E.P」、2010年にはイタリアのエクスペリメンタル・テクノ・アーティストのルーシー主宰〈Stroboscopic Artefacts〉からEP「Monad I」などを発表し、2012年以降は、シェヴェル自身が運営するレーベル〈Enklav.〉から多くのトラックを継続的にリリースし続けた。
 そして2013年にはスペインの〈Non Series〉からアルバム『Air Is Freedom』を、2015年には〈Stroboscopic Artefacts〉からアルバム『Blurse』などをリリースする。特に『Blurse』は〈Stroboscopic Artefacts〉らしい硬質なサウンドを全面的に展開し、いわば「2010年代のインダスリアル/テクノの総括・結晶」のようなアルバムに仕上がっていた。メタリックなサウンドが、とにかくクールである。

 本作『Always Yours』は『Blurse』から約3年ぶりのアルバムだが、やはり時代のモードを反映し、〈Different Circles〉=「Weightlessness=ウェイトレスネス」的な音響の質感へと変化を遂げているように聴こえた。テクノ的な反復を超克しつつ、ミュジーク・コンクレート的な音響が重力から逃れるように接続されているのだ。これはモノレイクことロバート・ヘンケのレーベル〈Imbalance Computer Music〉からリリースされたエレクトリック・インディゴ『5 1 1 5 9 3』などにも共通するサウンドの構造と質感である。「非反復的構造の中で浮遊感と物質性」が同居するサウンドは2018年のモードといえる。

 性急なリズムがいくつも接続され、サウンドのランドスケープを次第に変えていく“The Call”、四つ打ちのキックを基調にしながらも重力から浮遊するようなサウンドを聴かせる“Arp 2600”、細やかなリズムと霞んだアンビエンスが交錯し、やがてヘヴィなリズムが複雑に接続されていく“Data Recovery”、変形したリズムが世界の状況をスキャンするように非反復的/点描的に配置され、「コンクレート・テクノ」とでも形容したいほどに独自のサウンドを展開する“Dem Drums”など、どのトラックも優雅さと実験性を秘めたテクノのニューモードを体現している。

 シェヴェルの『Always Yours』を聴くと、ブリアルが『Untrue』(2007)で提示した00年代後半以降の世界観の、その先の表象を感じてしまう。
 2010年代末期の現在は、末期資本主義の爛熟期である。それは金融、モノ、情報が加速度的に巨大化・流動化している時代でもある。そしてそれらが一気にヒトの存在=許容量を超えた時代でもある。「世界」が人間以外の何かの巨大な集合体として存在するのだ。
 私見だが、本作の物質が流動するモノ感覚には、そのような同時代的かつ現代的な感覚を強く感じる。モノが浮遊する感覚。非反復的構造の中で浮遊感と物質性。それらは極めて現代的なサウンド・コンクレート感覚だが、ゆえにいまの世界の同時代的な表象でもある。そのような時代にあって、シェヴェルが「Always Yours」と記すことの意味とは何か。本作の非反復的/反重力的なコンクレート・テクノに、今の時代を貫通する無意識と潮流を探るように知覚に浸透させるように聴き込んでいきたい。

 暗闇に浮かび上がる清涼飲料水の自動販売機を捉えた印象的なアートワークは日本人フォトグラファー山谷佑介の作品である。どこか「人間以降」の世界のムード(兆候)さえ漂わしている素晴らしいアートワークだが、この無人の商業マシンが放つ人工的な光=アンビエンスは、本作のトラックのアトモスフィアと共通するものを発しているようにも思えてならない。


D.A.N. - ele-king

 D.A.N.のセカンド・アルバム『Sonatine』が遂に7月18日発売されるという。セルフ・タイトルのファースト・アルバムからおよそ2年……信じられない。こんなに待ちわびていたのに、たった2年しか経っていなかった!とはいえ2年も経てば生まれたばかりの赤子は喋り始めるし、中1だった少年は中3にもなるほどの年月なわけで、成長期真っ只中の若手新鋭バンドにとっては非常に充実した時間だったに違いない。昨年リリースされたミニ・アルバム『Tempest』は彼らのミニマルなグルーヴをストイックに突き詰めた到達点のような傑作で、その後のワンマン・ツアーや様々なフェスの出演でそれらの実験的な曲の演奏を重ねるごとにじわじわと表現力が増しているのは充分に伝わっていた。そして今年の春にアルバムから先行配信され、12インチでも限定プレスで発売された"Chance"と"Replica"の2曲、これがまた素晴らしく、そのサウンドへの信頼感を確実なものにした。いままでの特徴的なスティールパンの音が鳴りをひそめ、メロウを極めて持ち味を生かしつつも未踏の地に踏み込むような新しさに幾度も魅了される。アルバムに収録された未聴の7曲にも期待せずにはいられない。

 ファースト・アルバムでは暗いブルーだったジャケットは、淡いオレンジに色づいている。インスト曲もあるらしい。変貌の予感。素敵じゃないか。新たなD.A.Nに身を委ねることになるであろう今夏が、暑い夏が、待ち遠しい。(大久保祐子)



D.A.N.
Sonatine

SSWB / BAYON PRODUCTION
7月18日リリース

USのカマシ・ワシントン、UKのシャバカ・ハッチングス。役者は揃った。アフロ、カリブ、そしてヒップホップやR&Bをも飲み込みながら、いままさに新世代がJAZZを更新する!

あたかもジャズと呼ばれないことを良しとし、常識や権威、伝統の外側で、いまものすごい勢いで拡張している。名高い歴史を誇る英国ジャズ史において、彼ら・彼女らは、期待を裏切ることで世界を広げている──ようこそ21世紀のUKジャズへ! いまもっとも熱い南ロンドンのシーンを中心にお届けします!

■ロング・インタヴュー
カマシ・ワシントン──地上と楽園、スピリチュアル・ジャズ曼荼羅

■特集:UKジャズの逆襲
・UKジャズ史──それはいかに根付き、発展したのか
・UKジャズ人脈図
・21世紀UKジャズ・ディスク・ガイド80枚

 INTERVIEW
 シャバカ・ハッチングス──ブラック・アトランティック大航海
 ザラ・マクファーレン──当世UK風ジャズ・シンガー、レゲエを歌う意味
 カマール・ウィリアムス──南ロンドン・ペッカム発、ジャズ・ファンク物語
 ジョー・アーモン・ジョンズ──期待のピアニスト、その若々しい混交とハーモニー

 COLUMNS
 トゥモローズ・ウォリアーズ──UKジャズの重要拠点
 トニー・アレンとジャズではないジャズ
 UKにおけるサン・ラー
 ジャズ・ロックの同心円
 新世代ソウル──キング・クルール以降のシンガーたち
 ブロークン・ビーツなる出発点
 デトロイトとUKジャズの関係
 グライムからハウス、ジャズへ
 電子音楽家としてのエヴァン・パーカー

■特集:変容するニューヨーク、ジャズの自由
・NYジャズ人脈図
・NYジャズ・キーワード(アンソニー・ブラックストンからウィリアム・パーカーまで)
・NYジャズ・ディスク・ガイド30枚
・対談:多田雅範×益子博之

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