「K A R Y Y N」と一致するもの

No UFO's - ele-king

 〈スペクトラム・スプールズ〉(エメラルズのジョン・エリオットが〈メゴ〉傘下でA&Rを務めるレーベル)の11枚目は、バンクーヴァーからコンラッド・ヤンダフによるデビュー・アルバムで、〈ナイス・アップ・インターナショナル〉から2010年にカセットでリリースされていたもののアナログ化。これが奇しくも同じバンクーヴァーから飛び出した音響派ロカビリーのダーティー・ビーチーズとエメラルズを橋渡しするような内容となり、あまりにチープな混沌がヘンな未来を感じさせてくれる。スキルがないのにイメージだけが豊富で、曲によってはスペースメン3のデモ・テープのようになってしまったり。
 スーサイドがノイ!をカヴァーしているようなオープニングからいきなりサウンドはヨレヨレ。どの曲も稚拙で乱暴なエディットなのに、あっという間に引き込まれている自分がさっぱりわからない。ノー・UFOズというユニット名は単純にデトロイト・テクノを想起させるものだけれど、なるほど、デリック・メイの〈トランスマット〉が89年にリリースしたK・アレクシー・シェルビー「オール・フォー・リ-サ」からBサイドの"ヴァーティゴ"が続いてカヴァーされている。これをアシッド的な感触はそのままにグルーヴ感を削いでドカスカと叩きつけたと思ったら、すぐにもずっしりとしたドローンへと雪崩れ込み、とんでもなく行き当たりばったりな構成にはさらなる拍車がかかっていく。シームレスという流行り言葉が踏みにじられていく感触は痛快というのか、まるで中原昌也みたいだというべきか。そして、急に音が途切れてBサイドへ。
 後半は『ノイ2』を狙った構成なのか、全体にコラージュ的な要素が強く、リズムにのった曲はしつこく何度もクラッシュを繰り返す。ちょっとこれは煙の世界に行ってみないと、本当の効果はわからないかもなーと思いながら、透き通るようなアンビエント・ドローンでひんやりとエンディング(まー、単純に実用性は高いと思われます。レインジャーズの失ってしまったものがここにはあるというか)。
 録音された順番は逆になるけれど、昨年末にリリースされた『マインド・コントロールズ・ザ・フラッドEP』(パブリック・インフォーメイション)はもう少しスキルがイメージを具体化するようになっていて、見せてくれる景色も明確になってきた(その反面で失われた面もあると感じてしまうところがトリップ・サウンドは難しい)。クラウトロック・リヴァイヴァルも突き詰めていけば、やはり辿り着くのはここなのだろう......か。この柔らかさ。この感触。この......。ああ、スモーカーズ・デライト......

Common - ele-king

社会派なんてクソ食らえ
"自己嫌悪"(キミドリ、1993)

 言葉を持つポップ・ミュージックが、政治的であること、社会的であることは、はたして素晴らしいことなのだろうか。この不毛な議論は結論を分け続けている。が、数でいえば否定派の圧勝であろう。好きな音楽を聴いているあいだくらい、現実を取り囲むうんざりするようなトラブルの数々を、私たちはきっと忘れたいのだ。現実は現実であり、音楽(あるいは広義の文学)は虚構である、という分別が、この手の議論の結末に求められるもっとも凡庸な態度である。冒頭に引いた、この国のラップ・ミュージックにおける初期のクラシックは、いまでもその簡潔なパンチラインで虚構から社会を排除してみせる(残るのは自意識のみ、だ)。が、ときが流れ、キミドリ(あるいは、フィッシュマンズ)が自意識を選んだ代わりに直面していた実存不安をどうにかしのげるようになってくると、状況が変わってくるのは必然でもあった。そうした文化的切断にいらだち、9.11を視界に捉えつつ、虚構と現実をつなぐ関係性の回路を見出そうとしたのが、先の十年でもあったのだろう。そこで、社会派は決してクソではなかった。

 ところで、欧米において、ヒップホップはそうした回路を最初から保持してきたジャンルである。それはいわゆるコンシャス・ラップにとどまらない。必ずしも「訴え」という形を取らなくとも、吐き出すようなライムと威嚇的なビートを併せ持つ描写は、見捨てられた世界からのルポルタージュであり、告発であり、悪意であり、SOSでもあった(もちろん、商業ベースに乗る段階ではいくらかの誇張を含むエンターテインメントでもあったわけだが)。ときにそれは、作家と類似した環境で十代を過ごす子供たちに向けた啓蒙でさえ、あった。とは言え、こういった考えは時代遅れになりつつある。『Take Care』(Drake、2011)が放つゴージャスな憂鬱さは、ヒップホップに関心を持つアメリカの社会学者に衝撃を与えたことだろう。いま、この音楽が写し出すものはなんなのか。保守批評誌『ローリング・ストーン』はあらためてこう整理する。優れたヒップホップとは、パーティ・スターターであり、精神を向上させるものであり、意識さえ変えるものであると。

 さて、では本作はどうか。2011年の末に放り込まれた、コモンのフルレンスである。かつて、ギル・スコット・ヘロンがポリティカル・ラップの指針として残した「The Revolution Will Not Be Televised」を引用したこともある、いわゆる社会派としても知られるこのラッパーは、例えばドレイクの超然としたアンビエンスが席巻を続けるいまのシーンにおいて、あくまでも自らであることに徹している。ほとんど全曲を、活動初期からのパートナーであるNo I.D.がプロデュースし、客演には気心の知れたナズやジョン・レジェンドらが参加しているのみである。丁寧なバンド演奏に、粛々とリズムを刻むマシン・ビート、そこにもはや古典的とも言える、ソウルやピアノ・バラードのサンプリング・ループが調和される......それは、ヒップホップに慣れ親しんだ人の前ではなんら新鮮さを持ちえないだろう。「俳優ではなくラッパーであったことを思い出させるだけのアルバム」なんて皮肉の評もあるが、コモンは飽きることなく真摯にラップし続けている。「俺は普通の人たちに向けてラップしている 俺の名前は"スバ抜けてる"って意味だぜ 俺はヒップホップにとってのオバマだ」("Sweet"、筆者訳)

 もっとも、コモンは生粋の社会派ラッパーというわけではない。より正確に言えば、少なくとも、その社会性は新聞の紙面上に広がる類のものに限らなかった、ということである。自分と社会を不可避につなぎ、関連づける、逃れられないもの――すなわち、政治、人種、歴史、信仰、教育、ストリート・ライフ、そしてヒップホップそれ自体について、相応にラップし、ときには愛を語り、同業者をディスり、またあるいは人生論のような前向きな抽象性を好んだ、というわけだ。が、やや伝統的に過ぎるのか、極めて紳士的な本作の評価は割れている。『ローリング・ストーン』誌曰く、「彼の掲げる誇りや、慰めの言葉は、感化されるにはあまりにも予定調和だ」が、『ボストン・グローブ』紙は「"Sweet"や、Nasと向かい合った"Ghetto Dreams"は、コモンのヴァースにまだまだパワーがあることを証明している」とした上で、「ベスト・トラックとなるのは、彼の代名詞とも言える作風の2曲、すなわち、愛の超越性に寄せられた感動的な抒情詩である"Cloth"か、あるいは失恋の後悔を綴った"Lovin' I Lost"である」と称している。

 私も、大筋では素晴らしい作品だと思う。優れたヒップホップの条件をほぼ満たしているし、優美なピアノ・ループが完璧にキマる"Celebrate"には、誰しもが魅せられるだろう。個人的にもこれがベストだ、が......コモンがあらためて示したヒップホップに対する愛情に、何となく素直に拍手できない自分もいる。『The Dreamer / The Believer』は、ヒップホップに対してやや忠誠を誓い過ぎているかもしれない。


Trippple Nippples from Tokyo
12/20, 27, 31. 2011& 1/4. 2012

トリプル・ニプルス
w/ガーディアン・エイリアン、アナマナグチ etc...

 東京をベースに活躍するアヴァンギャルド・ロッカー、トリプル・二プルスがニューヨークで旋風おこした。大御所DEVOとのツアーサ・ポートをはじめ、初のアメリカでのショーを颯爽とこなす彼女たちは、総合的なエンターテインメント・グループである。あらためてエンターテイメントの役割を改めて考えさせられる。
 トリプル・ニプルスは日本人の女子3人(ヴォーカル)とアメリカ人男子3人(ギター、シンセ、ドラム)の6人編成。この編成になったのは最近らしく、バンドはすでに5年ぐらい活動をしている。
 今回のアメリカ・ツアー全体の流れは以下の通り。

12/10 Philadelphia@The Blockley, U city
12/13 NYC, N.Y.@ Irving Plaza/with DEVO
12/14 Brooklyn,N.Y@Glasslands
12/15 Falls Church, VA@ State Theatre/with DEVO
12/16 Atlantic City, NJ@ Showboat Casino/with DEVO
12/17  Long Island/Huntington,ニューヨーク@ Paramount Theatre/with DEVO
12/20 NYC, N.Y.@Pianos
12/21 Chicago.IL @Empty Bottle
12/27 NYC N.Y .@ Pianos
12/31 Brooklyn, N.Y @285 kent
1/4 Brooklyn, N.Y.@Shea Stadium

 DEVOとのショー以外は、〈グラスランズ〉、〈ピアノス〉、〈シェア・スタジアム〉などのインディに優しい会場。私は、20日(@ピアノスw/ハード・ニップス)、27日(@ピアノスw/スーザン)、1月4日(@シェア・スタジアムw/ガーディアン・エイリアン、アナマナグチ)の3公演を見ることができた。
 〈ピアノス〉でのショーは、マンハッタンらしく、共演のバンドも知っているバンドと知らないバンドが一緒にブッキングされていた。目当てのバンドを見たらそれで終わり、という感じで、私はあまり好きではない。ショー自体は良かったのだが......。それに比べて〈シェア・スタジアム〉では、共演のバンドもいまのブルックリンを代表するブッキングだった(DIYスタイル!)。やっぱりこちらの方がしっくり来るな。

 〈シェア・スタジアム〉で共演したバンドを紹介しよう。
 ガーディアン・エイリアンは、元リタジーの、グレッグ・フォックス率いる、クラリネット、シンセ、ギター、ドラム、独特なヴォーカルで編成された、アバンガルド・バンド。
グレッグ・フォックスのドラムは脅威的、ボーカルの女の子は完璧に違う世界にいる、すべての楽器が重なり、織りなす音楽は、スペクタクル感いっぱいである。
 アナマナグチは、ゲーム音楽に影響を受けた、ブルックリンではトップ・クラスの人気バンド。彼らはこの日のシークレット・ゲストで、当日に知らされた。ステージにグロースティック(蛍光塗料で光るスティック)をはべらせ、ドラムまわりにもベースの弦にも蛍光色を使う。暗闇なのに変な明るさ、さらに彼らのゲーム音楽が会場を盛り上げる。

 どちらもいまのブルックリンをリードするバンドだが、ガーディアン・エイリアンは、DIYにこだわり、アナマナは余裕を見せながら、コーポレートな大きな会場でもDIYでもどちらでも対応できる。音も正反対だ。このふたつのバンドのあいだにトリプル・二プルス、その前には(筆者の在籍する)ハード・ニップス、ノー・クレジット・バッド・クレジットという、寄せ鍋のような夜だった。

 それではトリプル・二プルスについて書こう。
 ショーは3日間ともセットは同じだが、何度見てもステージ衣装、パフォーマンスには目を引かれる。ミュージック・ショーというよりはミュージカル風キャバレーで、フロント3人の女の子はパンツ1枚、胸にはテープを貼っただけで、白と赤の点々が、顔と体をうめつくすというアーティな出で立ち。フワフワした白い羽のような、帽子のような被り物をかぶって登場。
 男の子は幽霊のような白い布を着て、頭にはハリネズミのようなトゲトゲしたものがのっている。ショーは流れるように進むし、バックのバンドもかなり良い腕前。頼もしい存在である。
 音楽はハイパーなエレクトロ・ダンス・ミュージック。叫んでいるので歌詞はキチンと聞き取れないが、鳥がキーキー鳴いているかと思えば、応援団長のようなドス声になったりと、意外と体育会系で、かなりの爽快感があった。一歩間違えると色物になりそうなところを、セクシーを強調するでもなく、クールに、アート作品として観客を盛り上げる。緊張感、圧迫感、そしてばつぐんの突撃感で、最初から最後まで体を張ってエンターテイメント道を突き通している。素晴らしいライヴ・パフォーマンスだった。


photos by Andrew St. Clair

https://www.trippplenippples.com/

サイプレス上野とロベルト吉野 - ele-king

 新年のはじまりを、皆さんはどう過ごされただろうか。私は、地元である群馬県で実に典型的な年始を過ごした。十代という、いま思えば恐ろしい季節をともに過ごした旧友たちとの再会である。懐かしい顔ぶれにほころぶ感情もあったが、ほとんどが都心へ出ている面子だったので、嫌でも地元の相対化を迫られることとなる。観光業的には温泉の名所(草津町)等が知られる群馬だが、平野部には典型的な地方の郊外が広がっている。モータリゼーションを前提とした消費文化は、主要道路の脇にコンビニ、ユニクロ、マクドナルド、ブックオフ、TSUTAYA、まあそういった「どこからかやって来た(しかし)どこにでもあるもの」をものをきれいに並べてみせた。そして、それまでは通過する用事さえな かったような空き地に次々と建設される、ショッピングモール、モール、モール......。巨大駐車場を構え、異常な集積率でテナントを詰め込んだそれらは、敵か味方かも分からぬ微笑みを見せ、週末には家族連れやカップルを次々と飲み込んでいく(そこには、あらゆる個性を奪われたHMVやヴィレッジバンガードなんかもある)。率直に言って、そこ(地元)で語れるストーリーというものは限られている。

 サイプレス上野とロベルト吉野(以下、サ上とロ吉)も、「地元」を引っ提げて登場した連中であった。が、そこには、例えばザ・ブルー・ハーブやGAGLEがその初期において見せていた「(東京ではないという意味での)地元」のような、留保の態度は全くなかった。磯部涼による 最新の力著『音楽が終わって、人生が始まる』によると、横浜市戸塚区出身(今も在住)だというこのラップ・グループは、"自己嫌悪"(キミドリ、1993)における実存不安を普遍的なものと認めたうえで、出口のない自己不安の罠にハマらぬよう、意識的にストーリーを語ってきた連中だともいえる。闘争も逃走も物語もなく――最初のフル・レンスは、自身のルーツにちなんで"夢"と名付けられていた。そのアルバムを聴き終えたときに浮かび上がるのは、極端に言えば「自分を探してると生きづらいけど、みんなで集まって盛り上がってるとけっこうイケるぜ!」というメッセージで、それは『ルフィの仲間力』(安田雪著、2011)が分析する集英社の人気漫画の思想に近いのかもしれない。もっともそれは、「リア充的な価値観に生きろ」という勧告ではなかった。そこには、「俺たちはやり過ごしてるだけだ」という、開き直りがあったのだ。その意味で、『ドリーム』(2007)収録の"Bay Dream"は、ゼロ年代のドメスティック・ラップにおけるひとつの思想であった。

 そんな風にして、ゼロ年代をのらりくらりとサバイブした(やり過ごした)サ上とロ吉は、本作で意外にも若干の戸惑いを見せている。それは表題曲のミュージック・ヴィデオに端的に表れており、あらゆるから騒ぎを封印し、ふたりはカメラに向かって淡々と曲を進めていく。ぶつぶつとしたレコード・ノイズが残るオーケストラル・ループの上で、上野はいつになく言葉を選んでいる。「思い出なんて別にないよ」――そう突っぱねるしかない、無残に変わっていく、しかし圧倒的に変わらない地元で、いつものコースを回りながら、「淋しくないといえばウソになるけど」、それでも、「笑い飛ばす、笑い飛ばす、笑い飛ばす......」 ("YOKOHAMA LAUGHTER")。それは、彼らが遠ざけていたはずの"自己嫌悪"との不可避の接近をなんとなく予感させる。あるいは単なるマンネリズムなのかもしれないが、傍目にはうまくやっているかに見えたヨコハマ・ジョーカーは、実は、そんなにうまくいっていなかったのかもしれない。あるいは、常に固有の横浜とともにあった彼らのストーリーは、実は、「"横浜"という名の、実際は入れ替え可能などこにでもある場所」で紡がれていたのかもしれない。

 しかし、ヨコハマ・ラフターに緩やかに転身した彼らには、その表現の原理上、「うまくやってる」というポーズを取り続ける必要があり、それはそれである種の苦しさを彼ら自身に与えているのかもしれない。彼らの音楽は常に遊びとともにあったし、本作でもLUV RAW & BTBと"空っぽの街角"(クレイジーケンバンド、1998)で遊んだり、「しゅばばばJAPAN」でZZ PRODUCTIONらの面々とばか騒ぎしたりしているが、『YOKOHAMA LAUGHTER』は、お世辞にも愉快でブリリアントな作品ではない。もっともアッパーな"★~PLAY~★"にさえ、ある種のメランコリアが漂っている。この「どこにも行けなさ」は、本作をフルレンスにしなかった彼ら自身がよく理解しているのではないだろうか。サ上とロ吉はもう、あまりうまくは笑っていない。ハードなときこそ笑い、ゲロって、発泡酒片手にぶちかまし、のらりくらりやっていくサ上とロ吉を見続けたい、というのが本音だ。その虚勢が地方都市(地元)で生きる人間にも希望を届けたと言えるが、「今もそれなりにうまくやってる、でもけっこうしんどいんだよね」という声が腹のなかにあるのなら、それを聴いてみたい気もする。まだまだ先は長いのだから。3月のフルレンスが楽しみだ。

#12:日本人て暗いね(1) - ele-king

 年末年始は静岡の実家で過ごした。31日の夜は親と一緒に紅白を見て、それから小学生の息子を連れて近所の寺に除夜の鐘を突きに外に出た。自分が静岡に住んでいた頃、大晦日の夜11時半過ぎになると、その鐘を突いたものだったので、いつか子供にも経験させたいと思っていた。鐘を前に合掌して、そして思い切り叩けと、僕は息子に教えた。
 除夜の鐘の響きには、時間的な区切りを告げている以上に、独特の無常観がある。家から歩いて1分ほどの場所で鳴っているこの音を、僕は生まれてから18年連続で聴いているのだから、影響を受けていないはずがない。鐘を突き終わると、それから僕はすぐ近くにある神社に場所を移した。時計の針が12時を過ぎ、新年を迎えたところで境内では"木遣りの歌"が歌われた。これを僕は聴きたかったのである。
 "木遣りの歌"は13世紀初頭(鎌倉時代)、火消しの歌として生まれている。それが人気となって全国に広がって、それぞれの地方のヴァージョンが存在している。静岡で歌われている"上総くずし"(くずしとはヴァージョンを意味する)は、十五代将軍の徳川慶喜が大政奉還後、静岡に隠居するさいに、武士に代わって200人の子分を引き連れ護衛をつとめた新門辰五郎の一味が歌った歌だとされている。新門辰五郎とは、当時もっとも有名な江戸の侠客(ないしは火消し、つまりヤクザ)で、天皇家よりも徳川家を慕っていたことでも知られ、慶喜とも仲が良く、清水の次郎長とも交友関係があったというから、その縁もあって駿河までの道中の護衛をしたのだろう。鐘を突いた寺の筋迎えには当時新門辰五郎をが宿泊したことで知られる常光寺があるが、そうしたエピソードを僕は自分の父から伝聞するほどこのヤクザはいまでも民衆から愛されている。

 新年のお参りの人で混み合ってきた神社で、僕は集中して、"木遣りの歌"を聴いた。新年の神社で演ずる一発目の曲がヤクザの歌というのも面白い伝統だが、僕がもっとも今回注意を払ったのはいまからおよそ90年前に生まれた歌のその歌メロだ。"木遣りの歌"自体は有名だが、地域によって歌詞が違う。僕が気になっているのは静岡で歌い継がれている上総くずしのサビのフレーズである。ロングトーンを多用した印象的な旋律だ。

 ヨーヲィサーエンヤラサーノセーエヤレコノセ~
 サーノセーイーエーハ
 アレワサエーエ、ヤーアラネ~

 「サーノセーイーエーハ」のところは、火消しであるから「イ」「ハ」などそれぞれ組の名前を言っているのだろうか。僕自身が歌詞の意味を解明したわけではないが、それでもこの曲は現代に、ひとつの事実を伝えている。それは祭りで歌われるこの曲が、祭りというにはダウナーで、暗すぎるのだ。音階をたどっても、マイナー・コード、つまり短調である。ブラジル人やアフリカ人に、これが祭りの音楽だといったら信じられないのではないだろうか。スピリチュアルに思うかもしれないが、しかしこれはれっきとした俗曲である。そして、実のところ僕はこの暗さを確認したかったのである。

 僕は静岡市内の歓楽街で生まれ育った。家の隣は「トニオ」という大きなクラブだった。ラリー・レヴァンのクラブではなく、演歌のかかるクラブである。僕が小学校の頃まで(1970年代のなかばまで)、薄い壁を伝わって、「トニオ」でかかる演歌が毎晩のように流れてくる。僕が小学校の頃は阿久悠の全盛期だったが、阿久悠の洒落た言葉よりもひと世代前の"悲しい酒"のような、陰々滅々としたいわゆる古賀メロディが、ほとんど同じ部屋にいるような音量で聴こえてくるのだ。僕は窓を開けて、聞こえようはずもないのに何度となく「トニオ」の壁に向かって怒鳴った覚えがある。小4からラジオ少年となって、やがて洋楽を聴いて、とにかく浴びるように聴いたのは、僕の音楽経験の古層にあるであろう、そうした日本的な暗さがもう二度と姿を見せないように、新しい層を堆積させるためでもあった。
 ところが、日本的な暗さを葬り去りたいと思っていたのは、あとから思えば僕だけではなかった。歌謡曲がピンク・レディやキャンディーズの時代を迎え、そしてアイドル歌手の時代へとシフトする頃には、酒と演歌に酔っていた「トニオ」は取り壊され、実家の隣には大きな空き地が生まれた。空き地は駐車場となり、かれこれ40年近くもそのままである。時代そのものが演歌に表象される酒にまみれた感傷、もの悲しさ、哀愁、自虐、そういったものを押し流そうとしていたのだろう。歌謡曲からJポップへと呼び名が変わってからもさらにまた、暗さのうえには分厚い何かが何重にも積もっている。僕がそうした葬られた暗さを温ねてみたくなったのは、結局のところ自分が好んで聴いている音楽からはついに暗さが消えたことがないと思ったからである。

 さて、神社の境内で"木遣りの歌"が歌い終えると、次は獅子舞(これもまた、面白い芸能である)、そしておかめとひょっとこのダンスだ。最前列で見ていた息子は彼らのパフォーマンスを充分に怖がっていたが、神社では毎年恒例の甘酒がもちろん無料でふるまわれ、大人たちは良い気分になっている。加太こうじ編集の『流行歌の秘密』(1979年)によれば、そもそも日本には日本で生まれた音楽などないそうだ。日本的と呼ばれるすべての音楽の源流は、半島、中国、そしてインドにある。そうはいえ、インド仏教と中国仏教と日本仏教が違うように、大陸からやって来たメロディはこの島国におけるヴァージョンとなって発展している(要するに、東アジア文化の混合)。多くの識者によれば、そのもっとも古い調べは、つまり日本の音楽の源流になるもののひとつは天台宗の声明だという。声明とは、西洋における賛美歌のようなもので、僕は昔、忌野清志郎の"500マイル"を聴いたとき(これはピーター・ポール&マリーによるアメリカのフォーク・ソングのカヴァーでありながら)、その節回しが声明的だと思ったことがある。もし邦楽という言葉を正確に使うのなら、声明的な音楽、そこを土台に広まったご詠歌をベースとする世俗音楽ということになる。浪花節にしろ江戸の三味線歌謡にしろ、ご詠歌とは、この国の大衆音楽のある種の通奏低音だ。そのペシミスティックな響き、無常観、ないしはもの悲しさや哀愁を僕はこだま和文やゴス・トラッドの音楽からも聴き取ることができる。蓋をされて、逃げ場を減らされた暗い情感は、いまではそうしたオルタナティヴな場面において継承されているとも言える。

 歌謡曲にとっての致命傷はニヒリズムというものがないことだと言ったのは寺山修司だが、ダブステップなんかを好んで聴いている僕には、暗い情感の表現が価値のないものだとは思えない。明るくふるまうことが対人関係において約束事になっているこの世界において、暗さが抑圧された感情を解放することはいまにはじまったことではない。西欧の若い世代においても、スクリューのような音をフラットさせる手法が幅をきかせているのが現代だ。あのドロッとした感覚は、滞留し、喉に詰まったような感情を、天突きを用いてところてんを押し出すように逃がしてあげているように僕には感じる。
 声明における鈴の音、獅子舞の笛の音色や太鼓の音は、バレアリックな観点でいえば寂しさいっぱいかもしれない。しかし、それで盛り上がっている文化がここにあるのも事実なのだ。おかめとひょっとこ、獅子が舞台からいなくなると、餅(あるいはお菓子)がふるまわれる。僕は自分の身長の高さを活かしたキャッチングで多くの餅(あるいはお菓子)を手に入れ、そして家に帰ると、母親の所有していたレコードを引っ張り出した。レコード・プレイヤーはもうないので、僕はかつて自分が憎悪した曲の歌詞を読む。「酒よこころがあるならば/胸の悩みを消してくれ/(中略)/好きで添えない人の世を/泣いて怨んで夜が更ける」
 ジュリアン・コープがたどり着けなかった生層がその向こう側にはある。ブラック・ミュージックにおけるヴードゥー、ジャマイカ音楽におけるメントのようなものだ。かのジョン・サヴェージでさえ、日本の音楽を語りながらこの歴史ある無常観にたどり着けていない。西欧のポップ・カルチャーからはまだ日本が見えていないのだろう。ただひとつ、ジュリアン・コープの勘が鋭いと思うのは、日本とイギリスが似ているという指摘だ。たしかにこのふたつの国の音楽には、陰々滅々としたものへの共振があるように思える。(つづく)

Beirut - ele-king

 昨年は再上映されたエミール・クストリッツァの代表作であり「旧ユーゴ映画」である『アンダーグラウンド』を久しぶりに再見したが、そこに込められた祖国を失った人びとの怒りの質量に改めて圧倒されてしまった。その抑えようのないものを表現するのはクストリッツァの場合大抵あの騒々しさなわけだが、そのほとんどはあまり脈絡なく頻繁に現れるブラス・バンドが鳴らすロマの音楽をルーツとするバルカン音楽に支えられている。脈絡がないのは逆にいえば、ロマの音楽は伝統的に、というより旅芸人たちの音楽として受け継がれてきた性質上つねに人びとの生活の側で賑やかに鳴っているのが当たり前だったからだ。流浪の民の寝食の傍らにあった喜びや悲しみが、管楽器を鳴らすための人間の息とともにそこではいつだって吐き出されている。

 レバノンの首都のベイルートを名乗るザック・コンドンもまた、10代の頃東ヨーロッパを旅して発見したというバルカン音楽やロマ音楽にそうした生活との緊密さを感じ取ったのではないだろうか。彼の作る楽曲の骨格そのものはシンガー・ソングライターの一般的な手法を大きく外れるものではないが、その個性はブラス・バンドの演奏により発揮される。そのふくよかな管弦楽器のアレンジから目に浮かぶものは「市井の人びと」そして「路上」である。東欧の街角で開かれるパーティに、着飾って集まった人びとを踊らせるために登場する楽団の音楽だ。
 ディケイドのはじまりがテロの現場となったニューヨークのいち部としてのブルックリンにおいて、その10年を通して「アメリカでないもの」がインディ・ロックと様々な形で邂逅し発展しそして浮上したのはロジカルな展開だったといえるが、ベイルートにとってのブレイクスルーであった2007年の『ザ・フライング・クラブ・カップ』 はシーンの最盛期をとりわけ鮮やかに彩った1枚だった。もしくは、現代版のチェンバー・ポップのヴァリエーションとしても同時代性を持ったアルバムだったが、例えば同じブルックリン拠点の盟友グリズリー・ベアのオーケストラがアカデミックで密室的なテンションを孕んでいることに比べても、もっと鷹揚で野外的な味わいを含んでいた。舞踏音楽であることを強調するかのように繰り返されるワルツのリズムの上でラフに演奏されるホーン類、そしてペーソスに満ち満ちたメロディを朗々と歌い上げるザックの深いヴォーカル。バルカン音楽を主たる参照点としながらもそこだけに留まらず、ヨーロッパの古い大衆音楽のノスタルジックな響きを現代のインディ・ロックに持ち込み、それを彼自身の感情の発露としての歌へと昇華させていた......そこには聴き手を感心させる賢さよりも、胸を打つ情熱があったのだ。
 EPを挟んでの4年ぶりの新作。ややシアトリカルにも感じられた『ザ・フライング・クラブ・カップ』の凝ったアレンジメントに比べればずいぶんシンプルで、アルバムを通してテンポや曲調も穏やかになり、落ち着いたムードで統一されている。前作の湿った色気よりも陽光の明るさを感じる。意気揚々と歌う金管楽器や弾むマーチングスネアドラム、華麗なストリングス・アレンジはすっかり彼の音楽的アイデンティティとして確立されており、例えば"ゴーシェン"のようにピアノと歌が基本となっている曲でその自信のほどが窺える。マーチング・バンドが隊列をなしてゆっくりと進んでいくような"ペインズ・ベイ"、物静かなアコースティックの楽器類の演奏がやがて息がたっぷりと楽器へと吹き込まれる逞しいワルツへと展開する"ポート・オブ・コール"、聴きながら歩けば自然と胸を張りたくなる。どれも開放的で、晴れやかな余裕が漂っている。

 ザック・コンドンは変わらず、どこか遠い国の......おそらくは東ヨーロッパの街角の路上を夢見ているように聞こえる。ニューメキシコ州の故郷であるサンタ・フェをモチーフにしている曲があることにも表れているが、基本的には彼個人の内省を連想させるリリックが目立つ。しかしそのなかで、「僕は行方不明で まだ見つかっていない/誰にわかるだろう」と歌う曲のタイトルが"ヴァガボンド"、すなわち「放浪者」であることが象徴的だ。彼はロマンティックにも自分の日々にある孤独や迷いとかつての放浪者たちのそれを重ね合わせるように、彼らの音楽を取り込むことでその境目を消していく。このアルバムの開かれた力強さは、そのことに対する彼の誇らしさの表れだろう。路上で音楽とともに生きた人びとの感情の起伏の豊かさが、その音楽にこそ宿っていることを確信しているようだ。
 どうしようもなく切ないメロディを持ちながら、やはりゆったり堂々とした演奏の"イースト・ハーレム"が素晴らしい。「イースト・ハーレムで一輪の薔薇がまた萎れる」......ニューヨークの日々の悲しみは、しかしその音楽とともに彼方へと旅に出る。その想像力は日本で生活する我々にも有効だと信じたい。そこで僕たちは、ワルツを踊ることだろう。

Chart by UNION 2012.01.09 - ele-king

Shop Chart


1

GLENN UNDERGROUND

GLENN UNDERGROUND Forgotten Art MUSIC 4 YOUR LEGS / JPN »COMMENT GET MUSIC
近年のセオ・パリッシュのプレイチャート、またデリック・メイの最新ミックスCDにトラックがピックアップされるなど常に現役であり続け、素晴らしい楽曲をシカゴから放つディープハウス界の重鎮グレン・アンダーグラウンド待望のNEWアルバム。前作『Legacy Of The know』かわずか1年、その前作の流れを踏襲しつつも本作ではフロアから少し距離を空け、リスニングアルバムとしての要素を強めた楽曲製の高い内容に。『Forgotten Art』というアルバムが示す通り、ジャズ~ジャズファンク、ディスコ、ブラジリアンといったクラシックスの素晴らしさをハウスというフォーマットで再提示するかのようにそれらの要素を巧みに取り入れ、GU節ともいえる黒いフュージョン色が圧倒的な完成度と共にリスナーを魅了する1枚。

2

SCOTT K. VS. STEVIE WONDER

SCOTT K. VS. STEVIE WONDER As (Box Edit) BOX MUSIC / UK »COMMENT GET MUSIC
DJ COLE MEDINAとのタッグで注目を浴びたJAMES BROWNやTHE O'JAYS"I Love Music"のエディットがFRANKIE KNUCKLESやDERRICK MAYのヘヴィープレイもありヒットしたSCOTT K.が、今盤ではSTEVIE WONDERの名曲"As"をエディット!!ブラックネス溢れるKDJマナーなハウストラックへと昇華したA-サイド、エフェクティヴにダビーに組たてたセミ・インストB-サイドもヤバい!!お早めに!

3

BRONX DOGS

BRONX DOGS Tribute To Jazzy Jay WHITE / JPN »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYリミックス!!!! PERRY BOTKIN & BARRY"Riot"などのオオネタを引用したオールスクール感満載のファンキー・コラージュトラック"Tribute To Jazzy Jay"。最近ではENDLESS FLIGHT、AUTODISCOTEQUE等で活躍するRICHARD SENによるユニットBRONX DOGSの"Tribute To Jazzy Jay"をDJ HARVEYがリミックスしたクラシックを片面収録したホワイト盤!!

4

MARCEL DETTMANN

MARCEL DETTMANN Deluge 50 WEAPONS / GER »COMMENT GET MUSIC
DETTMANNの2011年最後のシングルはベルリン・テクノ・シーンの裏番・MODESELEKTOR主宰の50 WEAPONSから到着。 ヒプノティックなベースライン上をトビ系のウワモノが跳ね回る危険極まりないバッドトリップ・ミニマル"Deluge"と重量級のキックが容赦なく打ち込まれるインダストリアル・テクノ"Duel"共に鉄壁のフロアキラー、特にB-1"Duel"のバウンスして打ちまくる捩れキックのソリッドさ加減はその一音だけでもシビれてしまいます。

5

EQD

EQD Equalized 111 EQUALIZED / GER »COMMENT GET MUSIC
MARCEL DETTMANNと並ぶOSTGUT TON一派の代表格・SHEDの変名・EQDが放つ待望のファースト・アルバム。ベルリン・テクノを席巻するレーベル・OSTGUT TONから2枚のアルバムを発表、名実共にモダン・テクノの最高峰へと登り詰めたSHEDことRENE PAWLOWITZが、2007年より始動させた別プロジェクト・EQDのファースト・アルバムをドロップ!! 本作「EQUALIZED 111」は、これまでリリースされた12"x 5枚をコンパイルした全10曲の構成で、アナログ・ユーザー以外にはまさに待望と言える内容。徐々にビルドアップしていくヒプノティックなビートに震えるM-1、国内外のTOP DJがヘビー・プレイしたソリッド・ミニマルM-5等等、どこを取ってもキラー・チューンの嵐!MARCEL DETTMANNをはじめとするOSTGUT TON一派、SANDWELL DISTRICT、PETEER VAN HOESENなど現在進行形のテクノがストライクなリスナーはマストな最強盤。

6

LINKWOOD

LINKWOOD Secret Value SHEVCHENKO / UK »COMMENT GET MUSIC
FIRECRACKER傘下の要注目レーベルSHEVCHENKOの4番、VAKULAの3部作に続いてはLINKWOODの新作がリリース!ジワジワと空間を埋めていくシンセ・フレーズに鋭角なハット、Bassの抜き差しでテンションを変化させ展開されるA-1、有機的に変化するスペーシーなSEが重なりアンビエンスに上昇、ロング・ミックスに重宝しそうなA-2に、息をのむ美麗なシンセが舞う壮大なディープハウスB-1はぜひ野外で。再プレス無しの180gのクリアヴァイナル重量盤!

7

MILTON BRADLEY

MILTON BRADLEY Dark Of The Psychic Unknown DO NOT RESIST THE BEAT / GER »COMMENT GET MUSIC
MILTON BRADLEY主宰、ベルリン・アンダーグラウンド・シーンで熱い注目を集めるDO NOT RESIST THE BEATレーベルから最新第7弾の到着。このDO NOT RESIST THE BEATは勿論、PROLOGUEやZOOLOFT等からのリリースやPERCやCIO D'OR、ABSTRACT DIVISION等へのリミックス提供、更にMARCEL DETTMANNの最新ミックスCD「Conducted」やDJ NOBU「On」等にもその楽曲が収録されるなど、この数年で瞬く間に頭角を現したMILTON BRADLEY、本作でも音数少ないダビーなボトムをベースにジリジリとノイジーな音響系ウワモノが捩れる、一貫して凄まじくドープなアンダーグラウンド・サウンドを唸りを上げて鳴らしており、全く目が離せない好内容となっています。

8

HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel ASAFA / GER »COMMENT GET MUSIC
2011年最後の最後にHARMONIOUS THELONIOUS新作が到着!!A ROCKET IN DUB, ANTONELLI ELECTR., REPEAT ORCHESTRA etc..と幾多の名義を使い分けるSTEFAN SCHWANDERニュー・プロジェクトとして昨年リリースしたアルバム「Talking」及びそのシングル・カットで聞かせたミニマル + アフリカン・リズム・パターンで展開する激プリミティブ・サウンドが大反響となったHARMONIOUS THELONIOUS、来年早々にリリース予定のセカンド・アルバム「Listen」からのシングル・カットとなる待望の新作12"。 幻術的なエレクトロニック・サウンドとめくるめくリズムの洪水!

9

A.P.

A.P. Garden Therapy GHOST SOUNDS / SWE »COMMENT GET MUSIC
北欧スウェーデンからミニマル・ダブ/アンビエントの新潮流を巻き起こしているレーベル・GHOST SOUNDS主宰者・A.P.の新作が登場!!マニア心をくすぐる数々の限定盤をリリースし、本物を求めるリスナーから高い支持を得ているスウェーデンのレーベル・GHOST SOUNDS。本作は20分にも及びロング・トラックを片面1曲ずつ収めたA.P.渾身の作品! A面のオリジナルでは、彼にしては珍しくトライバルなリズムを導入しビートの立った躍動感溢れるトラックを披露、そしてB面には盟友ATHEUS(STYLAX/SILENT SEASON)による冷厳なドローン・シンセが空間全体を覆ういつものGHOST SOUNDS路線に近いアンビエント・リミックスを収録。

10

HAIR

HAIR Going Adore Alley MENTAL GROOVE / GER »COMMENT GET MUSIC
LTD 100!LUCIANOやMISS KITTINらをいち早くピックアップしたことで知られるMENTAL GROOVEとDISK UNIONのコラボレーション・シリーズが始動、本作はHOPEN名義やNATHAN JOHNSON(WAGON REPAIR)とのユニット・STARTING TEETHで活動するCHILDE GRANGIERの新たなプロジェクト・HAIRのファースト・アルバム。シネマティックな音像がアルバム全体のムードを決定付けている冒頭の佳曲"Where The Palms Grow"、都市の雑踏を拾ったかのようなフィールド・レコーディングスと物悲しいピアノ、散文的なヴォイス・サンプルが乾いた叙情を感じさせるM-3"Indian"等、ノイズとアンビエント、エレクトロニカが自由に混ざり合った非常に興味深い仕上がり。MENTAL GROOVEのオンラインショップとDISK UNIONのみでの販売となります。

Chart by TRASMUNDO 2012.01.09 - ele-king

Shop Chart


1

DADDY-KAN

DADDY-KAN Music for the MIDNIGHT CRUISER vol.1 »COMMENT GET MUSIC

2

CMT


3

5LACK

5LACK blacksmokecar »COMMENT GET MUSIC

4

DJ HIGHSCHOOL

DJ HIGHSCHOOL INT'L PLAYERS CLASSICS VOL.02 »COMMENT GET MUSIC

5

ILL FANTASTICO

ILL FANTASTICO STEAL MY SUNSHINE vol.1 »COMMENT GET MUSIC

6

ISSUGI&DJ SCRATCHNICE

ISSUGI&DJ SCRATCHNICE WHERE OWN WONDER »COMMENT GET MUSIC

7

COSAPANELLA

COSAPANELLA The Cosapanella from Mdm »COMMENT GET MUSIC

8

DJ 49

DJ 49 THE SWEETEST HOLIDAY »COMMENT GET MUSIC

9

BUDAMUNK

BUDAMUNK LIGHT THE CANDLES »COMMENT GET MUSIC

10

DJ ASAMA

DJ ASAMA White serenity »COMMENT GET MUSIC

Francis Bebey - ele-king

 年末ギリギリのリリース......というやつです。そういえば2011年は誰も別れ際に「よいお年を」と言いませんねー。空々しい感じがするんでしょうかねー。

 こんな人がいたとは全然知りませんでしたが、マヌ・ディバンゴの次世代にあたり、カメルーンからヨーロッパに渡ったアフリカ系ギタリストのコンピレイション盤。75年から88年にかけて20枚のアルバムを残し(2000年にも1枚プラス)、前半期にあたる82年までの音源から14曲が選ばれている(ジャケットはセカンド・アルバム『ラ・コンディシオン・マスクリーヌ』と同じ)。タイトル通り、エレクトロニクスが強調されている曲は前半とエンディングに近い数曲で、中盤はいわゆるアフリカン・ポップスとして耳に馴染みのあるパターンも少なくない。そのアレンジに関しても、いわゆるニューウェイヴがワールド・ミュージックを取り入れたパターンを想起させ、タイミング的にはファン・ボーイ・スリーやトーキング・ヘッズよりも早い時期に録音されていたことがわかる。ライナーによるとフランス語圏ではかなりのヒット・メイカーだったらしく、ある日、彼が学校から帰ると居間にオルガンが置かれていたことから、一直線に音楽人生を歩み始めたという。初めて聴いたオルガンの音をベベイは「ビザーレ」に感じたと語り、多重録音をメインに、「サヴァンナ・ジョージア」などでは、なるほどアメリカにモーグ・シンセサイザーの音がもたらされた時とほとんど同じ気分が表現されている。

「時間を超えた」というチープなキャッチそのままのコンピレイションは、彼のアルバムのなかでももっとも高値をつけている『ニュー・トラック』(82)のタイトル・トラックにはじまり、カリンバやシンセサイザーの区別もつかないまま、ドラム・マシーンにストリングスを被せた"ラ・コンディシオン・マスクリーヌ"やセニョール・ココナツのデモ・テープに聴こえてしまう"ウーマ・テ"など4曲続けて76年の曲を配置する。"フルアー・トロピカーレ"ではリズム・ボックスとアフリカン・チャントの組み合わせが完全に時間の感覚を狂わせる。79年以降のエントリーは機材の扱いに慣れてきたようで、「ビザーレ」感もかなり薄まり、同時期のZEレコーズと同質のキッチュなムードが醸し出されていく(この時期のものが中古市場では最も安い)。アーサー・ベイカーやトッド・テリーを思わせる"キャッチング・アップ"からファースト・アルバムへと曲は回帰し、後半はなんとも言いがたいモンド風の曲構成へと変わっていく。どれもプリ-ハウス的というか、マルカム・マクラーレンが『ダック・ロック」で取り入れていたムバカンガにも通じるところがあり、シカゴじゃなくてもハウス・ミュージックは(フォーマット的には)生まれる可能性はあったんだなーと思う反面、アメリカという国には新しい音楽をカタチにするパワーがあるんだろうなーということにも思い当たる。

 この時期の音楽をジャンルレスに浴びるほど聴いている人でなければ面白さは半減かもしれない。そうとは言い切れないけれど、そのような条件が満たされているリスナーにはスルメのような体験になることは請け合いのアルバムです。リミックス・アルバムがつくられることも期待したい感じ。

 アフリカと西洋音楽の出会いといえば、この数年、〈クラムド・ディスク〉がコノノNo.1やスタッフ・ベンダ・ビリリといったところを発掘し続けるコンゴにデーモン・アルバーンがダブステップのプロデューサーを大挙して引きつれていったDRCミュージック(エレキングVol.4参照)が話題性でも音楽性の高さでも2011年の筆頭といえる。が、しかし、同じダブステップ周辺でも、それより2年も前からベルリンのプロデューサーたちが同じようにしてケニアを訪れ、ナイロビのクラブ系ミュージシャンたちとつくりあげたBLNRB(ベルリンナイロビ)のことは広く知られていないし、僕もライナーノーツに記された交流の記録以外は何もわかっていない。まずはタイヒマン兄弟がナイロビにDJとして呼ばれ、これにロボット・コッチの母体であるジャクージとモードセレクターが加わってナイロビでレコーディングが続けられ、ある程度、完成を見たところで、今度はナイロビのミュージシャンたちがベルリンに訪れてコンサートを行ったという経過があっさりと書かれているのみである。できあがったものを比較すると、ダブステップの本家であるDRCミュージックにはオリジナリティの点ではやはり突出しているものがあると思うものの、BLNRBは同じ現地のミュージシャンでもクラブ系のミュージシャンたちとコラボレイトしているために、ポイントがもっとはっきりしているともいえる。モードセレクターのレーベルからシングル・カットされた"モンキーフリップ"のキャッチーさや、ドイツならではの重いリズムにナイロビのフローが拮抗しようとする"ンソト・ミリオンズ"などクラブ・ミュージックとしてのオリジナリティには事欠かないし、ネセサリー・ノイズ(必要な雑音)という女性ふたりのラップ・ユニットがジャクージやモードセレクターなど組む相手を変える度に違う味を出している辺りもお見事といえる。ちなみにネセサリー・ノイズはしばらく解散状態にあったものが、このプロジェクトを通してデュオとして復活し、同じくモードセレクターも(国内盤のライナーノーツでは何も触れられていないけれど)長い停滞から脱出するきっかけを掴んだことは想像に難くない。個人的にはジャクージがプロデュースした7曲のほうが好みではあるけれど(/ele-king/review/album/002085/)。

 ケニアといえば、現在はフラッシュ・ロブとして定着を見ているロンドン型の暴動が早くも2008年に起きた国でもある。当時の報道ではルワンダと同じく部族対立で片付けられていたけれど、実際には急速な経済成長のなかで分配機能が無視され、格差社会に抗議する若者たちが年長者に襲い掛かり、かなりな死傷者を出したことがいまとなっては知られている。ベルリン勢がナイロビを訪れたのはその翌年にあたるというのは、驚くべきタイミングである。

Chart by Underground Gallery 2011.12.29 - ele-king

Shop Chart


1

ONOMONO

ONOMONO onomono_ep_03 (onomono.jp / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
前作の第一弾が、予約の段階でソールドアウトとなり、市場には僅かな枚数しか出回ることがなかった、著名トラックメイカーによるテクノプロジェクト"onomono"の第二弾が遂に解禁! 叩きつけるようなキックと浮かび上がるようなスネア・ロールによるアグレッシブなビートに、グチュグチュと発信されたアシッド・シークエンスが脳内をかき乱すように捩れ狂う、マッド & ドラッギーなアシッド・テクノを披露したA面、カタカタとローリングする中音域の音塊が、複雑なディレイ処理で倍増されながらピプノティックに展開していく、ケミカル・ミニマルのB面、ともに、"MACHINELIVE"にて培われた、ピークタイムのフロアの一体感が凝縮された、キラーなミニマル・テクノ!

2

DREXCIYA

DREXCIYA Journey Of The Deep Sea Dweller I (Clone Classic Cuts / 2LP) »COMMENT GET MUSIC
今尚、世界中に大きな影響力を持ち、多くのフォロワーやコレクターが存 在するデトロイト・ディープ・サイドの象徴と言える伝説のエレクトロユニッ トDREXCIYAが、[UR]時代に発表した、超レア・トラックをコンパイルした究極のベス ト・アルバムがリリース!1992年にJAMES STINSONとGERALD DONALDによって結成、されSubmerge系列[Shock Wave]レーベルから「Deep Sea Dweller」でデビュー、その後は、[UR]を中心に、 [Somewhere In Detroit]、[Warp]、[Rephlex]といった名門レーベルから数多くの作品 をリリースし、APHEX TWINことRICHARD D.JAMESを筆頭に、世界中のDJやプロデューサー など、特に音楽関係者から「デトロイト・ディープ・サイドの象徴」とまで、形容さ れるほどに、絶大なリスペクトを集めたエレクトロ・ユニットDREXCIYA。2002年にメンバーのJAMES STINSONが突然の心臓発作で他界し、その後は、デトロイト の伝説として語り継がれてきたDREXCIYAが、[UR]時代に残した数多くの名作群を、新 たにコンパイルした究極のベスト・アルバムが今作。

3

A DRUMMER FROM DETROIT

A DRUMMER FROM DETROIT Drums #1 (Fit / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
Submergeと同じ敷地内に拠点を構える、デトロイトのディストリビューター件、レコード・ショップ[Fit]が運営するレーベルから、謎のドラムアンサンブル・ユニットA DRUMMER FROM DETROITによる、パーカッション・ツールが登場!熱く打ち鳴らされたドラム・パーカッションを軸に、ホーン・サンプルやギター等を散りばめながら、ファンクネス溢れるグルーヴを刻む、迫力満点のトライバル・ハウスのA面、軽快な跳ねたトライバル・ハウス・グルーヴに黒くうねったベース・ラインと、ワンループのエレピフレーズが絡んだB面の2トラック。一体誰がやっているのか、詳細不明ですが、今後のリリースに期待が持てる、要注目のユニットが誕生です!

4

SELDOM SEEN

SELDOM SEEN Radio Slide(2007-2010) (Frustrated Funk / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
現在は、相棒 "Esteban Adame"と地元ロスアンジェルスで [ICAN]として活躍する、デトロイト系 チカーノ・テック・ハウスの雄 "Santiago Salazar"が、UR 在籍時にマッド・マイクとともに プロデュースした『Slide』チューン未発表曲をオランダ"CLONE"系列[Frustrated Funk]からリリース。 編集用ソフトの操作ミスから生まれた、まるでレコードのセンター・ホールがズレたかのような ビートを『Funky!!』と喜んで採用したという『SLIDE』チューン。マシンの偶然性をおもしろがる マイク・バンクスならではのエピソードです。 さて、今回の未発表トラックは4曲収録。1曲目 "Radio De Slide"は、Mad Mike直系のエレクトロ・ ビートに、おそらく、Mike?と思わしきボイスが乗った、This Is UR Electro!な作品。2曲目 "Rip Slide" は、これぞ『Slide』というズレズレのリフレインに、アシッドな303がアクセントをつける作品。 "Finger Snap's And Turn"というモータウンか!というタイトルが付けられた3曲目 は、少し遅めの BPMながら、往年のURクラシックスである "By Knight EP"などにも通じる『Simple, Dark and Funky』 な作風。最後の "SO SO SO"、タイトルそのままのコーラスが「ベタやなぁ縲怐vと思いつつも、固く ソリッドなドラム・ビートにコズミックな上音が絡み出すと、おっ!UR!!と思わせられるテクノ よりのエレクトロ・トラック。 [ICAN]からのMix CDリリースの予定も届く、Santiago SalazarのURでの足跡。ぜひ、お楽しみください。

5

ABACUS PRES. IDRUM

ABACUS PRES. IDRUM Idrum This Djembe (Ndatl Muzik / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
毎回、プレス枚数が少ないマニアックな作品を届けてくれる、デトロイトのKAI ALCE が主宰する[Ndatl Muzik]レーベルの新作は、90年代にはCHEZ DAMIERの[Blance]、 DERRICK MAYの[Fragile]、シカゴの[Guidance]などから、数多くの名作をリリースし てきた、カナダはトロントのベテラン・ディープ・ハウサーAustin Bascom aka ABACUSの新作12インチが登場! 今回は、Mr.FINGERS、THEO PARRISH、JOE CLAUSSELL、LOUIE VEGAなど、大御所アーティ スト達の作品へ、ドラム部隊として参加していたDAVIDSON ELIE率いるiDRUMとのコラ ボレーション!熱く打ち鳴らされたジャンベが刻む、黒々したハウス・グルーヴを基軸 に、エレクトリックなシンセや、サックスソロ等を絡めた、本格派 & 正統派アフロ・ トライバル・ハウスが3トラック

6

FUNCTION

FUNCTION Ember (Sandwell District / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
現在、最も信頼できる、熱いレーベルの一つでもある、UKコンクリート・テクノ最重要レーベル[Sandwell District]から、レーベルの代表格、DAVE SUMNER aka FUNCTIONのNewシングルが登場。 深いリバーブ音像が空間に響く、モノトーンなシンセが、淡々とクールにひた走る、ドープ・ミニマル・テクノ!流石の一言!

7

CELLULE EAT

CELLULE EAT Maria Colors 002 (Maria Colors / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
上品で洗練されたディープ・ジャジー・ハウス!マイナー作品ですがオススメです。 凄く良いです。新レーベルMARIA COLORS第2弾。ディープ・エレガントなエレピフレー ズとモダンなハウスグルーヴがマッチした、オススメの一枚です。 ほんのりとジャズの香りがする、幻想的に浮かび上がってくるウワ音のシンセ と、細かくカット・アップされたエレピ・フレーズで展開していく、ディープ・ エレガントなモダン・ハウス作品。DREI FARBEN HOUSE、TARON-TREKKAの リミックスも収録されていますが、一押しはA1のオリジナル。

8

WALT J

WALT J Ascender (Walt J / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
実は"SOMEWHERE IN DETROIT"と同じ敷地内にある、デトロイトのレコード・ショップ兼、ディストリビュータ[FIT]が運営するレーベルから、デトロイトのカルト・ハウス・レーベル[Dow Records]より1997年にリリースされた、 デトロイトのカルト・アーティストWALT Jの超レア作品「Ascender」が再発! WALT J、並びに[Dow Records]の作品は、DERRICK MAYやJUAN ATKINSも頻繁に使用していたにも関わらず、知名度の低さとプレス枚数の少なさから、市場に出回ることが少く、欧米のコレクターからは、カルト・レーベルとして高額取引されるほどの人気。今作も30竄ャ前後のプレミアが付いていただけに、この復刻は本当に有り難い! シカゴ・ハウスとも通じるような、シンプルでLO-FIな構成がら、グルーヴの奥深くに"ファンク"を感じずにはいられない、WALT Jらしいテック・ハウス作品です

9

MIKE PARKER

MIKE PARKER Pulse Trader (Prologue / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
個人的にも大好きな、リアル・ミニマリスト、大学教授という肩書きを持つことでも 知られるN.Yのインテリ・トラックメーカーMIKE PARKERの新作が、ミュンヘンの名 門[Prologue]から登場。 毎回同じ、と言ってしまえば、元も子もないのですが(笑)、判っていながら引き込ま れてしまうのが、MIKE PARKERの凄さ。「音厚とうねり」のみで、聴くものを強引に、 自身に世界へ引きずり込んでいく、オリジナルなサイケ・ミニマル・テクノが4トラッ ク。単体でも、ロングミックスでもいける、ミニマルDJなら、レコード・ボックスに 入れておいて頂きたい、本物のミニマル・テクノ集。オススメで

10

MOVE D

MOVE D Serge & Josephine (The Exquisite Pain Recordings / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
90年代には[Warp]、[Source]と言った名門からリリースをした経歴を持ち、ここ数年は、[Workshop]、[Philpot]といったシーンには欠かすことが出来ない重要レーベルから数多くの名作を産み落としてきた、誰もが尊敬するジャーマン・ハウスの大ベテランDAVID MOUFANGこと、MOVE Dの新作!B面にはEDDIE Cによるリミックスを収録!
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727