「K A R Y Y N」と一致するもの

DJ MASA a.k.a conomark - ele-king

これからもずっと好きであろうアルバムあげてみました。2013年もどうぞよろしくです!
twitter ID:conomark
Facebook ID:Masatake conomark Koike

all times best


1
Chico Hamilton - The Dealer - Impulse!

2
The Tony Williams Lifetime - Turn It Over - Polydor

3
Niagara - Niagara - Mig

4
Art Blakey - Holiday For Skins - Blue Note

5
V.A - The Garage Years - 99 Records

6
NEU! - NEU! - Gronland

7
Herbie Hancock - Dedication - CBS/SONY

8
The Watts 103rd Street Rhythm Band - In The Jungle Babe - Warner Bros

9
WAR - Young Blood - UA

10
Donny Hathaway - Live - Atco

DJ KAMATAN (PANGAEA) - ele-king

DJ schedule
4/6(土) @名古屋KalakutaDisco
4/13(土) @神戸 Bapple
5/3(祝) @仙台PANGAEA with Universal Indiann
5/25(土) @仙台PANGAEA with 山仁
6/5(水) @仙台 ADD
6/6(木) @江ノ島OPPA-LA with ラビラビ
6/8(土) @仙台 ADD
6/14(金) @仙台PANGAEA with DJ 光
6/29(土) @仙台PANGAEA with ラビラビ&ALTZ

仙台PANGAEA
https://pangaea-sendai.com
https://twitter.com/KAMATAN6
https://www.facebook.com/KAMATAN

本日のレコードバッグ(順不同)


 
Seekers International - The Call From Below - Digitalis

 
Ivano Tetelepta & Roger Gerressen - Floating Ep - Fasten Musique

 
Abdulla Rashim - Semien Terara - Abdulla Rashim Records

 
The Soft Walls - The Soft Walls - Tough Love

 
Lando Kal - Let You In The Sky - Icee Hot

 
Paul Woolford - Can't Do Without - Phonica

 
To Rococo Rot - He Loves Me(Four Tet Remix) - City Slang

 
Beat Conductor - I Can't Go For That - Spicy

 
Behling & Simpson - Where The Oh's - Apple Pips

 
Hollie Cook - Prince Fatty Presents Hollie Cook In Dub - Mr Bongo

Takako Minekawa & Dustin Wong - ele-king

「エフェクターの魔術師」なる『インフィニット・ラヴ』(2010)の秀逸な国内盤帯文を、多くの方が記憶しているのではないだろうか。元ポニーテールのダスティン・ウォングと、彼がファンであることを公言する嶺川貴子とのコラボ作品をご紹介しよう。カラフルで表情豊かな音色を持つウォングのギターと、透明感ある嶺川のヴォーカルが見事にはまったハッピー・エクスペリメンタル・ポップ。音といい世界観といい、コラボ作というにはあまりに息の合ったアーティスト同士であることがこのPVからも感じられる。ポニーテールの音色を穏やかにくすませたような内面的な響きは、ここに出てくる淡い色調にもよく反映されている。
 ふたりはこの5月に共作『トロピカル・サークル』をリリースするが、ジャケット等に使用されている絵も共作、このPVも彼らの手作りだという。嶺川のアルバム・リリースは『Maxi On』以来じつに13年ぶり。ウォングの繊細にして大胆な演奏のなかに嶺川の自然な呼吸が感じ取られる、新緑の季節にちょうど似つかわしい作品だ。

■リリース詳細
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/takako-dustin-toropical-circle/

Sam Lee - ele-king

 貧民街の公園というのは単なる空き地であることが多いため、ジプシーやトラヴェラーと呼ばれるキャラヴァン生活者の滞在地になりやすく、年に数回、うちの近所の公園もパイキーと呼ばれるアイリッシュ・トラヴェラーの方々に占拠される。
 で、数年前のクリスマスのことだ。ちょうどその時期、パイキーの方々が近所の公園に滞在しておられ、降誕祭の朝、カトリック教会のミサに大挙してやってきたのである。それでなくとも子沢山で大家族の彼らが一堂にやって来られたものだから、教会の椅子は足りない&彼らが貧民街在住者ですら気後れするようなタフでラフな雰囲気を漂わせておられるため、博愛なはずの教会でも明らかに歓迎されている風ではなかったが、彼らの方でもそれに慣れきっている様子で、ぞろりと教会後方の床の上に座っておられた。
 カトリックのミサには答唱詩篇という聖歌を歌う部分があり、それは平坦なメロディで何度も同じ祈りの文句を歌い倒す、というものなのだが、そこにさしかかったとき、聖堂の後方からこぶしの回ったバリトンで歌いあげるパイキーの男性たちの声が響いてきた。  
 あの大地の底から沸き上がってくるような答唱詩篇は、クラシック系の声で歌われる聖歌とはまったく別ものであった。一曲の聖歌の中で、クラシックとフォークがせめぎ合っているかのようだった。クラシック風の歌唱法をしているのが前方に座っている貧民街在住者たちで、後方から野太い民族歌謡の声を聞かせているのがトラヴェラーズ。という構図も面白かった。

           ************

 サム・リーは、英国内のイングリッシュ、アイリッシュ、スコティッシュ、ルーマニア系トラヴェラーのコミュニティに伝承されているバラッドのコレクターである。彼が自分の足でトラヴェラーの滞在地に出向いて行って、そこで代々歌い継がれて来た歌を学び、新たなアレンジを施して録音したものが『Ground of Its Own』だ。わたしはそれがとても好きだったので、昨年末、紙エレキングで個人的な2012年ベスト10アルバムを選んだとき、3位に入れた。で、そのアルバムが3月に日本でも発売されたというので、こうして再びしゃしゃり出て来たわけだが、このアルバムを初めて聴いたとき、これはマムフォード&サンズのアンチテーゼだと思った。昨今流行のポップなネオ・フォークに対する、「どうせやるならここまでやってみろ」という力強いステイトメントに聴こえたからだ。

 トラヴェラーズ。という英国社会における明らかな被差別対象の人びとが伝承してきた歌を集めてアルバムを作った、などというと、ちょっとプロテスト・ソングのかほりもするが、サム・リーはそんな直情的な意思は微塵も感じさせないほどアーティーでミニマルな民族音楽の世界を展開している。そもそも、フォークのくせにギターが使われていない。サム・リーは、ギター・ベースのフォークには探求できるものはもうほとんどないと考えているそうで、"TUNED TANK DRUM"とリストに書かれている打楽器や、ジューイッシュ・ハープ(彼はユダヤ系である)、フィドル、トランペット、電子楽器などを使用しており、ギグで日本の琴を使っているのを見たこともある。クラウトロックやアンビエントと比較されるようなアレンジが施された曲もあり("The Tan Yard Slide"の「電子と土とのせめぎ合い」みたいな静かな緊迫感と迫力は特筆に値する)、ジャズとジプシーの伝承音楽を融合させようとしているような曲もある("On Yonder Hill")。

 とはいえ、それらのインストルメンツやアレンジメントは、単なる脇役に過ぎない。
 ロンドン北部の裕福なユダヤ系家庭に生まれ、名門プライベート・スクールに通い、チェルシー・カレッジ・オブ・アートに進学した彼は、芸術系お坊ちゃまのルートを辿りながら、野生環境でのサヴァイヴァル術を教える講師となり、バーレスク・ダンサーとしても働いていたという。「乳首にタッセルを装着している女の子たちに囲まれ、楽屋のテーブルの下で昔の羊飼いたちが歌った曲を覚えていた」と『ガーディアン』紙に語った彼は、伝承歌を教わったというルーマニア系ジプシーの85歳の老女と共にインタヴューに応じており、老女が『Ground of Its Own』を「あなたの音楽」と呼ぶのを聞いて、「いや、あれは君たちの音楽だよ」と言い直している。
 人びとに避けられ、忌み嫌われてきたコミュニティの音楽が、ひとりのミドルクラスの青年の手によって蘇る。ということは、通常、この国のソシオ階級的なものを踏まえれば、あり得ないほど特異な話だ。しかし、それを可能にしたのは双方の音楽への情熱だろうし、その階級を超えたパッションこそが、このアルバムの真の主役だとわたしは思う。

Cosmopolis - ele-king

 アリエル・ピンクも大好きなデイヴィッド・クローネンバーグ監督の新作『コズモポリス』が面白い。今作はニューヨークはブロンクス生まれの小説家ドン・デリーロが、まるでその後起こる「リーマンショック」を予言していたかのように、2003年に発表した同名小説の映画化。デイヴィッド・クローネンバーグはこの原作に惚れ込み、わずか6日で脚本を書き上げたという。

 ロバート・パティンソン演じる主人公エリック・パッカーは、FXや株の投資で巨万の財を築いた人物。しかし、ある日突然世界的な金融恐慌が起こり、彼の持っているすべての資産は紙屑同然となってしまう。そんななか、それまでの因果が彼を襲い、数奇なエピソードが折り重なっていくなかでの主人公の葛藤が冷徹に重く描かれている。第65回カンヌ国際映画祭のコンペディション部門でパルムドールを最後まで競った作品だというのもうなづける。

 資本主義や格差に対する警鐘であり、また、その映像美も見事だが、私はもうひとつ別の観点からも面白かった。主人公は生活のほとんどが超高級リムジンのなかで完結する。仕事の指令からはじまり、睡眠、食事、排便、彼女とのSEX、医者の健康診断すらもすべてそのなかでおこなわれる。主人公のエリック・パッカーが何故そのような生活スタイルを選んだのか......。
 ヒキコモリや部屋から出ない若者が増えていると聞くが、クラブ人間としては、コミュニケーション文化に関する問題提起としても興味深い作品なのだ。いまクラブ・カルチャーは、オンラインの生活に慣れ親しんでる近年の若者にどんな「リア充」を提供することができるのだろう......。

 尚4月8日DOMMUNEにて『コズモポリス』封切り直前特別番組が決定。Broad DJには東京アンダーグランドを代表してMASA a.k.a. Conomarkが満を持してDOMMUNEに初登場。この日は3時間SETでタップリお届けします。
(五十嵐慎太郎)


『コズモポリス』
4/13(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショー!
(C)2012 COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

監督・脚色:デイヴィッド・クローネンバーグ
原作:ドン・デリーロ「コズモポリス」(新潮文庫刊)
出演:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、サラ・ガドン、マチュー・アマルリック、サマンサ・モートン、ポール・ジアマッティ

2012年/フランス=カナダ/カラー/ビスタサイズ/DCP/5.1ch/110分
原題:COSMOPOLIS/日本語字幕:松浦美奈/R?15
配給:ショウゲート/協力:松竹
配給協力・宣伝:ミラクルヴォイス
https://cosmopolis.jp/


4月8日 19:00~「コズモポリス」封切り直前特別配信 at DOMMUNE
「クローネンバーグが描く現代社会の末路」

TALK LIVE
柳下毅一郎/高橋ヨシキ/Ackky/DJ Hakka-K
Broad DJ
MASA a.k.a. Conomark (3 HOUR SET)
https://www.dommune.com/



Vol.7 『Dishonored』 - ele-king

 

 突然ですがみなさん、いま〈Looking Glass Studios〉が熱いです。と言っても何がなにやらわかりませんね。すみません、NaBaBaです。年度初めの今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 いきなりで失礼致しましたが、今回の連載は昨年から予告していた『Dishonored』のレヴューをついに行いたいと思います。〈Arkane Studios〉が開発したこのオリジナル新作は昨年遊んだ作品のなかでもとくに素晴らしいもので、ぜひ書こうと思いつつ延びに延びてこの時期になってしまいました。

 しかしいまこの時期となると、ゲーマーの間でいちばんの注目の的となっているのはやはり26日に発売された(国内では4月25日)『BioShock: Infinite』ではないでしょうか。現代のゲーム業界きっての名手、Ken Levine率いる〈Irrational Games〉が開発した同作の評判はすさまじいもので、海外ゲーム・レヴュー・サイト各所でも満点の続出で、「IGN」では「全てのジャンルを前に推し進める革新的な作品」と、異例の絶賛ぶりが披露されています。

 かくいう自分にとっても今年の一、二を争う期待作なのですが、じつはこの『BioShock: Infinite』と『Dishonored』はある種の兄弟関係にあることはご存知でしょうか。これら2作のそれぞれの開発スタジオは、どちらもあるひとつのスタジオから分離した会社なのです。

 その大元でいまや伝説となっているのが、冒頭で述べた〈Looking Glass Studios〉(以下LGS)。90年代に大活躍したこの技巧派のスタジオは、『Thief』や『System Shock 2』等のゲーム史に残る名作を数多く生み出し、後続に多大な影響を与えるとともに、多くの名クリエイターを輩出しました。

 たとえば連載第3回にご紹介した、『Deus Ex』を手掛けたWarren Spectorもそのひとりで、『Deus Ex』自体は〈Ion Storm〉という別スタジオが主導の作品ですが、『System Shock 2』のスタッフも多く出入りして開発されていたようで、〈LGS〉とは非常に深い関係にあったと言えるでしょう。

 しかしながら〈LGS〉は2000年に倒産しています。ではすでになきスタジオが何故いま熱いのか。それは〈LGS〉の遺伝子を受け継いだ人々が、近年各所で目覚ましい活躍を見せているからです。

 その先駆けとなったのが一昨年発売された『Deus Ex: Human Revolution』。開発した〈Eidos Montreal〉は〈LGS〉や初代『Deus Ex』の開発陣とは直接的な繋がりはありませんが、本作で確かな完成度を発揮し、シリーズのリブートを成功させました。

 また今年に入ってからは『BioShock』シリーズの前進である『System Shock 2』が、長きにわたる権利関係のゴタゴタによる販売凍結状態を乗り越え、遂に〈GOG.com〉で再販を果たし、さらに〈Eidos Montreal〉が今度は〈LGS〉のもうひとつの名作、『Thief』シリーズの9年ぶりの最新作を発表しています。

『System Shock 2』はKen Levineの実質デビュー作であり、後の〈LGS〉系作品の独特の自由度はこの作品で確立された。

 そしてもちろん忘れてはならないのが大本命の『BioShock: Infinite』と、今回主役の『Dishonored』です。〈Irrational Games〉と〈Arkane Studios〉はともに〈LGS〉から独立・派生したスタジオであり、比較的近い時期に両スタジオの作品が出揃ったのは、90年代来の洋ゲー・オタク的にはぐっと来るものがあるのです。熱い、これは熱いのですよ。

 こうした背景もあるので、当初は〈LGS〉を振り返りつつ、『Dishonored』と『BioShock: Infinite』の両方を同時にレヴューしようかとも思いましたが、ちょっと長くなりすぎるような気がしたのと、これを執筆している時点で『BioShock: Infinite』を遊ぶまでまだ少しかかりそうだったので、2回に分けて書いていきたいと思います。そういうわけで今回は『Dishonored』のレヴューです。

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■業界の異端児スタジオに多くの才能が集結した

 『Dishonored』はいまどきでは珍しい一人称視点のスニーク(隠密)アクション。女王殺害の冤罪を着せられた主人公が、自らを陥れた相手に復讐していくストーリーで、潜入からターゲットの暗殺に至るまでのアプローチの多彩さや、豊富なガジェットや特殊能力による自由度の高さが売りの作品です。

 開発した〈Arkane Studios〉は前述した通り〈LGS〉倒産後独立したスタジオのひとつで、これまで『Arx Fatalis』や『Dark Messiah: Might and Magic』等、〈LGS〉の名作『Ultima Underworld』の名残を感じさせるファンタジー作品を手掛けてきました。といっても両作品とも当時の主流からは外れたゲーム・デザインで、良く言えばユニーク、悪く言えば奇ゲーという評価が多数の、いまひとつマイナー・スタジオの域を出られていなかったように思えます。

 
『Dark Messiah: Might and Magic』は近接戦に力を入れたファンタジー作品で、そのノウハウは『Dishonored』にも生きている。

 『Dishonored』も、見た目やシステムの奇妙さがこれまでの〈Arkane Studios〉節を彷彿させ、発売直前まで一抹の不安があったのは事実です。しかし遊んでみると同スタジオらしさは良い方向に作用しているとともに、表面上の奇抜さに反して実際のゲーム・デザインは、〈LGS〉作品の持ち味をとても忠実に継承していると感じました。

 これは今回新たにプロジェクトに加わったViktor AntonovとHarvey Smith両氏の力が大きいのでしょう。

 Viktor Antonovは連載第1回でご紹介した『Half-Life 2』で特徴的なアートを手掛けた人物で、今回は氏の持ち味がさらに全面的に発揮されていますね。時代掛かったイギリス風の街並みに無機質な金属の構築物が埋め込まれたかのようなデザインは大変ユニークで、それに説得力をもたらす世界観の構築も非常に緻密。これまでの同スタジオの作品はもちろん、他の同時代のゲームも軽く凌駕するオリジナリティがある。ことアートワークに限って言えば、ここ4、5年でもトップクラスと断言出来ます。

 
骨組み剥き出しの建造物の数々が、作品に得も言われぬ威圧感を与えている。

 一方、本作のディレクターのHarvey Smithは、かつては〈LGS〉に在籍し、また『Deus Ex』ではプロデューサーを務めた人物で、本作のゲーム・デザインも彼の経歴がとても色濃く反映されています。
 それこそ遊んだときの第一印象、とりわけ問題解決のための手段の多さはすごく『Deus Ex』らしさを感じたし、豊富な超能力を駆使するところは『System Shock 2』や『BioShock』も想起させます。そしてダークな世界観や観視点でのスニーキングに主眼をおいたゲーム・デザインは『Thief』に通ずるものがある。

 実際のところ本作のゲーム・デザインの骨組みは、宝を盗むのがターゲットを暗殺することに替わっている以外は『Thief』にとても似通っています。むしろそうした骨子に適合する範囲で他の〈LGS〉系列のゲームのシステムや、その他諸々現代のトレンドを組み合わせたのが『Dishonored』とも言い換えられるでしょう。

■二つの方角から掘り下げられた自由度

 具体的に見ていくと、まずゲームはステージ性で、各ステージはターゲットの拠点とその周辺地域が舞台となり、その範囲内でプレイヤーは自由に歩きまわれるデザインです。ステージはとても複雑かつ立体的に構成されていて、主要な建物は内装がしっかり作りこまれている凝り具合。当然ターゲットのもとにたどり着くまでには無数のルートが存在し、どのように進めるかはプレイヤー次第となっています。

 このあたりの自由度はいかにも『Thief』や『Deus Ex』的と言え、自分の頭で考えて進むべき道を決めていけるのは楽しいし、ルートごとにしっかり差別化されつつゲームに破綻が生じないのは見事。『Deus Ex』のレヴューでも触れましたが、ゲームの自由度という点において即興性が重視されるようになった現代に、レベル・デザインの作り込みで遊ばせてくれる作品は希少です。

 逆に『Thief』や『Deus Ex』と違っていまどきのゲームらしいのは、ルートの多彩さが予めプレイヤーに開示されていることが多い点でしょう。どういうことかというと、本作では後述する特殊能力を駆使して屋根や屋上等高所を移動ルートとする機会が多いのですが、その高所は先の状況を一望できる絶好のポイントにもなるわけです。高所なら敵に見つかる心配がないので、安心してじっくり戦略を練ることができるというメリットもある。

 また市民の立ち話や拾った書類等に、秘密の部屋だとか警備が手薄な場所だとかの情報があると、自動的にジャーナルのリストに追加されます。いちいち覚えていなくてもジャーナルを見ればどんな攻め方が有効か一目瞭然で、これもまた選択肢をプレイヤーに開示している例のひとつでしょう。

 こういう親切設計はじつにいまどきのゲームらしく、『Deus Ex』当時ではあり得ないものですが、自由度の高さを楽しんでもらうための誘導としてよく機能しているシステムだと思います。

 
屋根に登って下を見下ろし、先へ進む戦略を考える。これが本作の基本だ。

 対してもうひとつの特徴である豊富なガジェットや超能力もよくできています。とりわけ超能力は『Deus Ex』のAugや『BioShock』のPlasmidを原型にしていると感じられますが、その種類は短い距離を瞬間移動するものから時を止めるもの、なかには周囲の小動物や人間に乗り移るもの等々、一見すると変てこなものも多いです。

 しかし実際に使ってみるとどの能力も意外なくらい使い勝手が良くて、たとえば瞬間移動は屋根から屋根、道なき道を進んでいく手段としてゲーム中もっとも重宝する他、敵の目前を気づかれずにすり抜けるのにも使えます。乗り移る能力であればネズミや魚に乗り移れば排水溝を伝って建物内に潜入できるし、ターゲットに乗り移れば人目のないところまで誘導してから暗殺するということも可能。

 
動物に乗り移れば不審がられることなく衛兵の横を通過できる。しかし足元に寄りすぎると踏まれるので注意。

 このように各能力は応用性が高く、プレイヤーの想像力次第でステルスから戦闘までいろいろな使い道が考えられます。これはレベル・デザインとは違いより即興的な自由度とも言え、その場の思いつきをその場で実験したくなる魅力がありますね。とくに戦闘時にこれは顕著で、瞬時の判断が求められる状況で創意工夫して敵を倒し弄ぶ楽しさは、『BioShock』もかくやと言わんばかり。

 こうした即興性は『Thief』や『Deus Ex』に欠けていた要素であり、逆に『BioShock』は即興性優先で、レベル・デザインの濃さは大分減退していました。『Dishonored』の優れているところはその両方を持っていることであり、〈LGS〉の系譜のさまざまな要素をまとめ上げた、これまでの総決算的な作品であると評価することが出できます。

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■「何でもできる」は良いことばかりではない

 さて、〈LGS〉の系譜の現代的復刻という点で思い出すのが『Deus Ex: Human Revolution』ですが、この作品と『Dishonored』は当然似ている部分がありつつも、根幹の方向性はやや異なっています。

 最大の違いは自由度の範囲で、『Deus Ex: Human Revolution』はオリジナルに比べ敵との戦闘に大きくフォーカスしていて、反面複雑・立体的なレベル・デザインは減退し、より直線的なゲーム進行になっていました。言ってしまえば普通のアクション・シューティングに近くなっていたと言えます。

 
『Deus Ex: Human Revolution』の戦闘重視のデザインは、これはこれでまた評価がわかれるところではある。

 対する『Dishonored』は自由度をかぎりなく拡張していく姿勢で作られており、その点をもって僕はこの作品は楽しめたわけですが、しかしこれは人によって評価が分かれるところだろうとも思うのです。

 本作はスニーク・アクションというジャンルではありますが、コソコソ隠れるだけでなく敵とガチンコで戦うことも可能で、なおかつその振れ幅も大きく、ひとりの敵にも見つからずにクリアすることができれば、正面玄関から殴りこんでの皆殺しも可能になっています。この手のゲームにしては主人公がかなり強いということもあり、本作のスニークというのは生存戦略上の必然というよりも、プレイヤーの好み次第という面が強いのです。

 しかし本作に限らずステルスも皆殺しも自由自在みたいなゲーム性は今世代のゲームではとてもよく聞く謳い文句のひとつなのですが、プレイ・スタイルをプレイヤーの好みに委ねている分、効率だけを追求されたら途端に味気ない遊びになる恐れや、どんなプレイ・スタイルでも遊べるということは、逆に何をやっても何とかなるという意味でもあり、全体的に緊張感が欠けてしまうという問題点が付きまとっています。

 本作もこの点を完全には払拭できていないのが残念なところで、無傷で手軽に進みたければ、屋上からペシペシ撃っていればそれでOKみたいな、身の蓋もない事態になる危険性は否定できません。自由度を高くしたがゆえの、楽勝な進め方が存在してしまっています。

 
ただ倒したいだけだったらピストルを何発も撃ちこめばいい。これもまた自由ではあるが味気ない。

 ただプレイヤー側が遊び方に明確な目的意識を持てば、それに見合った楽しさが返ってくるところに救いはある。敵にいちども見つからずに進めようと思ったらやはり相応の手応えは生じてくるし、なるべく多くの武器を使いこなして敵を殲滅してみようとすれば、こちらの戦術に柔軟に対応してくる敵の反応を見ることができるはずです。

 そういう意味では人を選ぶゲームであることには違いなく、おもしろさのポテンシャルは高いんですが、楽しみ方をわかってないとそれを十分に味わえない恐れがある。それに比べると『Deus Ex: Human Revolution』は、自由度が減退した分、遊び方は明快になっていて、どんな遊び方でも比較的一定のおもしろさや手応えが保障される面があるのは確か。

 だからと言ってどっちの方が優れているという話ではありませんが、少なくとも『Dishonored』を遊ぶ際は上記の点は予め留意しておいた方が、より楽しめるかと思います。

■まとめ

前述した〈LGS〉の系譜の総決算という言葉がふさわしい作品で、自由度の高さは近年では屈指のもの。〈LGS〉ファンはもちろん、自由度の高いゲームが好きな人や、ユニークな世界観が好きな人にピッタリの作品です。

逆にそれらが好きでない人には合わないゲームでもあり、また自由度が高いとは言え純粋なアクションやスニークと同等の面白さや緊張感を求めても期待外れになるでしょう。あくまでも自由度の高さを楽しみ、味わう作品だと思います。

 ここ半年で、レコード店の壁面は、「industrial / minimal」というタグのついたレコードで占拠されています。デザインを一新したリニューアル号のメイン特集は「新工業主義――ニュー・インダストリアル!――」。新作を出したばかりのオウテカの超ロング・インタヴューをはじめ、先日来日公演を終えたアンディ・ストット、そして音を聴いている限りでは、やばいBボーイだろうと思われていたものの、実際はとんでもない美形だったジャム・シティのインタヴューもあります!
 インダストリアル系の50枚以上のディスク・ガイドもありますが、これがなんと、最近出たばかりのDJノブのミックスCDの選曲とばっちり重なっておりました! なので、ノブのミックスCDを聴きながら読んでもらえれば、かなりスリリングなトリップを体験できるでしょう。

 そして、小特集は「乱世をいかに生きるか――よみがえる花田清輝」。
批評家・思想家として比類のない活躍と著作を遺し、強靭なユーモアとともに時代の「転形期」を生きた鬼才・花田清輝の魅力を掘り起こします!

 その他、フェミニャンの人生占いや人気沸騰中のceroのインタヴューなど、面白い記事満載なので、よろしくです。
 書店にないときは注文しましょう!! たのむよ。

 では、目次を大公開!!

〈フォト・ギャラリー〉
吉永マサユキ

〈特集〉
ニュー・インダストリアル

・オウテカ・インタヴュー 松村正人
・座談会「インダストリアル・ジャッジメント」 倉本諒/KEIHIN/松村正人/三田格
・アンディ・ストット・インタヴュー 野田努
・ジャム・シティ・インタヴュー 三田格
・ディスク・レヴュー60(アルバム編・シングル編・クラシック編) 倉本諒/野田努/松村正人/三田格/山崎真
・コラム 「ミニマル・ミーツ・インダストリアル」 山崎真
・EP-4 unit3 インタヴュー 松村正人/菊池良助

〈小特集〉
乱世をいかに生きるか――よみがえる花田清輝

・イントロダクション「絶望の淵からの挑戦状 その2」 野田努
・インタヴュー「花田の発見――上杉清文が語る花田清輝」 市原健太
・花田清輝の武器 水越真紀
・SY, MOR & HDKY ブレイディみかこ
・あらためて自意識の話をはじめるために #妄想 橋元優歩

〈EKジャーナル〉
Shing02 / MA1LL

〈TAL-KING〉

・Serph 橋元優歩
・AOKI takamasa×BUN×kyoka×マツナガ・コウヘイ special座談会 野田努/松村正人/小原泰広
・cero 竹内正太郎/小原泰広
・ヤマガタ・トゥイークスター 野田努/小原泰広

〈論考I〉八Oと九Oの緊張と弛緩 ばるぼら
〈no ele-king〉前野健太 磯部涼/小原泰広
〈連載まんが〉本日の鳩みくじ 西村ツチカ

〈カルチャーコラムEKかっとあっぷあっぷ〉

・「本とハコ」 湯浅学×直枝政広 松村正人
・映画 樋口泰人
・演劇 プルサーマル・フジコ
・アート 五所純子

〈連載コラム〉
・ネオ・ニヒリズム 粉川哲夫
・季刊・二木ジャーナル 二木信
・キャッチ&リリース tomad
・編年体ノイズ正史 ボルビトマグース T・美川
・ナポレオン通信 山本精一
・水玉対談 こだま和文×水越真紀
・〈特別企画〉フェミニャンの占星術ルーム
・ピーポー&メー 戸川純

〈新連載〉ネオ・グラフィズム MA1LL

〈表紙ウラ〉AOKI takamasa


DJ Rashad - ele-king

 インダストリアルとゴシックは、時代の変節点に起きたきしみという意味で同じカードの裏表だ。19世紀末、ロンドンの街にデパートが誕生し、オスカー・ワイルドが扇風機の音に心酔した時代に、ネオゴシックの画家は丘の上の古城を、闇夜を走る稲妻を、荒れ狂う海原を描いた。ダークなタッチに表出した近代的合理に対する違和感は、他方では、田園を賞揚したロマン主義とも、これまた同じカードの裏表と言える。で、いったい何枚のカードを用意するればいい。ひとつ言えるのは、時代の変節的を迎えている今日にも、似たようなことが起きていること。デジタル革命があり、だからインダストリアルとゴシック(ないしはアンビエント)は顕在化している。それらが、激動に対して、ある種のマゾヒスティックな反応を見せていると言えるなら、変化に対してサディスティックに反応しているのが、そう、シカゴのフットワーク/ジュークだと言えよう。

 DJラシャドは、この界隈では、少なく見積もっても2年前から騒がれていた逸材である。昨年も、ディスタルとの「Stuck Up Money」や配信のみの『Teklife Volume 1』、アジソン・グルーヴのリミックスやトラックスマンのアルバムへの参加など、何気に彼への期待を煽るような動きをしている。抜け目のないロンドンの〈ハイパーダブ〉からリリースされた4曲入りの2枚組12インチ「ローリン」は、そして、期待を裏切らないどころか、今年のベスト・トラック候補だ。"ローリン"が素晴らし過ぎる。
 ジェフ・ミルズは、いかにもポストモダンな情熱で、いまさら歴史を知る必要はないと言い張るが、どうだろう。"ローリン"からも、あるいは昨年の『ダ・マインド・オブ・トラックスマン』からも、そしてトラックスマンのDJプレイからも、歴史(シカゴ・ハウスとエレクロ)がビシビシ伝わってくる。鼓膜に新鮮な、このキックドラムの乱れ打ちが、ここ数年で生まれたものではないことを、とくにトラックスマンの音楽は主張しているように思う。ずっと続いているものであり、これからも続くものとして。"ローリン"は、DJダイアモンドよりもトラックスマンの側に位置づけられる。つまり、こいつは、切り刻まれ、さらにまた切り刻まれながら、しかし、ずば抜けてソウルフルなのだ。
 そして、"レット・イット・ゴー"、これはジャングルだ。90年代半ばの4ヒーローを思わせる色気と凄みがある。魂と攻撃のバランスが絶妙過ぎる。DJメニーとの共作"ドラムス・プリーズ"、これは壮絶なジャズだ。暴れまくるドラミングの叙情詩である。カール・クレイグの"マイ・マシーン"を、骨董品に追いやるほどの勢いだ。DJスピンとの"ブロークン・ハーテッド"、これはもう、そのままスティーヴィー・ワンダーのフットワーク・ヴァージョンである。ソウル・ソングの切ない響きの背後では、バタバタとせっかちな、紛れもないシカゴの若いリズムがファンキーに鳴り響いている。
 この先、ブラック・ミュージックとしての洗練が待っているのだろうか。しかし大切なのは、いつだって現在だ。たったいま、この瞬間、"ローリン"の輝きは圧倒的である。

THE OTOGIBANASHI'S - ele-king

 bim、in-d、PalBedStockの3人からなるTHE OTOGIBANASHI'S(以下、OTG)は、昨年YouTubeで発表した"Pool"で一気に好事家たちの話題をかっさらった。"Pool"はあらべぇという気鋭の若手プロデューサーが制作したナンバーで、BUNの『Adieu a X』に影響を受けたと語るその言葉通り、非常にエディット感/クリック感の強いトラックの上で3人が浮遊感というより、フワフワとしたラップを繰り広げるナンバーだった。しかしOTGがユニークだったのは、そのビデオクリップをただのPVとして仕上げるのではなく、自分たちのカルチャーをゲットー・ハリウッドイズムあふれるスタイルでぶち込んだことだろう。フォスター・ザ・ピープルにデヴィッド・ボウイ、SUPREME×Comme des Garcons SHIRTのキャップ、ピスト、スケートボード、代官山、カフェ......。ストリートのしがらみa.k.a.縦社会から完全に自由なOTGのスマートさ、というかボンボン感。それはついにRIP SLYMEの後継者が現れたことを感じさせた。

 今回リリースされるアルバム『TOY BOX』はPUNPEEの登場以降、徐々に声を上げはじめた文科系B-BOYというサイレント・マジョリティたちにとってはたまらない一枚と言えるだろう。内容は彼らが"Pool"のPVで見せた東京の(怖くないほうの)ストリート・カルチャーのごった煮感と、ディズニーのような寓話をミックスしたようなコンセプト・アルバムの体がとられている。リリックでも"Frozen Beer"では「NBの997でも履いてろ」、"kutibue"では「泥がオールデンに付いた / 味が出ると俺は許す」、"Fountain Mountain"では「映画館で観た映画が / 今の俺を作ってるとしたら / このTシャツもスナップバックもあいつの影響なのかな」などなど、露骨なまでに自分たちの嗜好を詳らかにしている。

 OTGはシングルやEPですら1枚もリリースしてないのに雑誌「POPEYE」や「WARP」などに登場しており、すでにファッション方面からも熱視線を注がれている。このあたりも、どんなに捻くれた作品をリリースしても、やたらとメジャー感だけは醸し出るRIP SLYMEに似ていると言えなくもない。前述の"Fountain Mountain"のトラックなどは明らかに"楽園ベイベー"へのオマージュを感じさせるし、OTGもRIP SLYMEのようにヒップホップセレブ化していってほしいものである。

Techno definitive reissue - ele-king

 2枚の名盤、しかもけっこう入手困難で、中古で恐ろしい値段が付けられていたアルバムが再発されました。
 1枚は、デトロイト・テクノのカール・クレイグの、初期作品集『エレメンツ 1989-1990』。彼が19歳から21歳にかけて作ったトラック集ですが、この音楽が、エイフェックス・ツインやカーク・ディジョージオ、そしてミックスマスター・モリスに与えた影響ははかりしれません。アンビエント色が強く、また、素晴らしい旋律を持っている"エレメンツ"は必聴。他にも、セクシャルな"クラックダウン"、ばっちり叙情的な"エヴォリューション"、真夜中のハウス"プリーズ・スタンド・バイ"、タンジェリン・ドリームめいた"ニューロティック・ビヘイヴィア"......この機会に聴きましょう。

 もう1枚は2009年に忽然とリリースされ、世界中のディープ・ハウス・リスナーを虜にした、フレッドP ことブラック・ジャズ・コンソーティアムの幻の『ストラクチャー』。スピリチュアルで、メロウで、催眠的で、中毒性の高いアンビエント・テイストはハンパないです。オリジナルはジャケ無しでリリースされましたが、今回はジャケ付きの再発です。 
 家のリヴィングで、リラックスしながら聴きましょう。


サイケ/BFC
エレメンツ 1989-1990
Planet E/Pヴァイン

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ブラック・ジャズ・コンソーティアム
ストラクチャー
Soul People Music/Pヴァイン

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