「K A R Y Y N」と一致するもの

[Drum & Bass/Dubstep] #8 by Tetsuji Tanaka - ele-king

1. Commix / Re: Call To Mind | Metalheadz

-Drum n Bass, Dub, Techno, Dubstep, House-


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E王この概要を知ったとき、ドラムンベース界隈ではいままでになくまったく新しいコンセプトでリミックス・アルバムが発売される......と、その斬新なアイデア、これに関わっているメンツを見て嬉しく思う反面、ドラムンベースを代表するレーベル〈メタルヘッズ〉から初めてと言っていい、ドラムンベースがほとんど入っていない4つ打ちやダブステップがメインのコンピレーション・アルバムを発表したことで内心複雑な心境に陥った。良い意味でも悪い意味でも。多種多様なエレクトリック・ミュージックのなかにあって90年代、類稀な貪欲性を孕み、全ての音楽性を飲み込んで誕生したUK産のアンダーグラウンド・ミュージック・カルチャー、ドラムンベースが、この20年で下降線を辿り岐路に立たされているのは間違いない事実。とは言え、浮き沈みが激しく、また消えては生まれるクラブ・カルチャーにとって、ある一定のアンダーグラウンドな音楽的価値観を下げずによくここまでシーンを受け継いできたと賞賛すべきだろう。新たな10年代に向けて、共存するのもまたUK特有の雑食性ならではの必然的事変なのだから......。

 さて、コミックスは、ボーズ・オブ・カナダやオウテカなどエレクトロニカなバックボーンを持ち、陶酔性と流麗テクノ・ポップを下地とするディープ・ミニマルなインダストリアル感覚を空間的に落としこんだ、言うなれば新感覚ドラムンベースだ。LTJブケムのコズミック志向をさらにテクノよりのミニマリズムへと変え、ディープ・フロー旋風を巻き起こした功労者だ。
 肝心の内容も、まったく素晴らしく良い! このメンツにリミックスを依頼すれば当然だが、しかしよくもまあ、これだけの多士済々なメンツにリミックス・オファーを出したと脱帽する。ある意味この戦略は、ドラムンベースに触れていないリスナーにも広くアピールできる可能性を多分に擁している。
 その戦略は功を奏し、現在大ヒット中、アナログのEP1では、唯一のドラムンベースを担当したDブリッジのディープ・テックな"Belleview"リミックスからはじまり、ミニマル・ダブステップの雄、2562の別名義、ア・メイド・アップ・サウンドによる"Change"、さらにパンゲアやインストラ:メンタルがポスト・ダブステップ・リミックスを秀逸にリワークしている。
 EP2では、旬なテクノ/ミニマル・プロデューサーのリミックスで固められている。まずはベルリン・ミニマル・シーンを代表するマルセル・デットマン、カセム・モッセや〈ホット・フラッシュ〉のシーガなど、各プロデューサーの個性が十二分に発揮されている。
 先行リリースされた限定片面プレスの「Be True」のブリアル・リミックスはやはり一押しである。崇高なノイズ・スケープをダブステップと同化させ、緊迫感とインダストリアルな荒廃がリズムを主体としたダンス・ミュージックの概念に一石を投じている。分散化するダブステップにあって、一貫した核を変わらず有し、重苦しいサウンドスケープが幾重にも連なって続いていく......。当時革新的であったこの手法は、いまでもまったく色褪せず異彩を放っている。
 ちなみにCD盤にはデトロイトのURがリミックスに参加している。

 ......とにかく、エレクトリックな『Call To Mind』はこのリミックス盤でまったくの変貌を遂げている。もしお気に召したならオリジナル・トラックと聴きくらべることを推奨する。コミックスがいかに優れたプロデューサーなのかがわかるからだ。

2. Hatcha & Lost / Work Out | One Gun Salute - Dark Dubstep -


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 ハッチャと言えばダブステップのオリジネーターであり、ゴッドファザー・オブ・ダブステップ、生みの親的な存在として広く知られている。ドラムンベースで言うゴールディーのような存在で、テクノで言えばジェフ・ミルズのような存在かもしれない。この度、12月18日のカブキ&ジェナGとともに初来日がDBSで決まった。スクリーム、ベンガを見出したというそのレジェンダリーな貫禄のあるプレイは必見だ。
 彼のキャリアは、クロイドンの伝説的レコードショップ、〈ビック・アップル〉でバイヤーを務めたところからはじまる。第一次ジャングル/ドラムンベース・ブームが落ち着いた90年代後半からUKガラージのDJとして海賊ラジオ局で活動、ダブステップのルーツともなったダーク・ガラージをいち早く取り入れている。ホースパワー・プロダクション(野田さんが第一回目のダブステップ会議で紹介したレコード)やエルビーなど、クロイドン・プロデューサーを次々と紹介した。まだ10代のキッズだったスクリームやベンガを見出し、そしてサウンドはダブステップへと変異したのだ。
 2001年にはじまったパーティ〈FWD>>〉でハッチャはレジデントDJを務める。また、プロデューサーとしても活躍し、「ダブ・エクスプレス」など後の後世に多大な影響をおよぼす作品を送り出す。2004年には〈テンパ〉から初のミックスCDシリーズ『ダブステップ・オールスターズ vol.1』をリリース、その後の2006年の同シリーズの『vol.4』などのリリースを重ね、シーンの核として君臨している。2009年には自分のレーベル〈シン・シティ・レコーディングス〉を立ち上げ、目が離せない人物として活動を続けている。
 「ウォーク・アウト」は、新興レーベル〈ワン・ガン・サリュート〉から発表した「ヘンチ」のリリースで名を馳せたロストとの共作。テッキーでダークに仕立てたプロダクションで、オールドスクール・レイブ・サウンドだ。硬質なビートにダークな浮遊的シンセ、ダビーなベースライン、これこそオリジナル・ダブステップの基本姿勢だろう。この辺が彼を「ドン」と呼ばせる所以かもしれない。

DRUM&BASS SESSIONS 2010
DRUM&BASS x DUBSTEP WARZ X'mas Special !!!
Feat. DJ HATCHA / KABUKI & JENNA G
2010.12.18(sat) @ UNIT
open/start 23:30 adv.3,500yen door.4,000yen

3. Helixir / Undivided | 7even Recordings - Minimal Dubstep -


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 先月ラマダンマンを迎え、〈モジュール〉で〈Basement LTD〉が開かれた。これは〈セヴン〉レーベルのオーナー、グレッグ・Gが母国フランスではじめた自身のパーティを日本でリスタートさせたもの。筆者はラマダンマンの後に出演させて頂いた。ポスト・ダブステップを十二分に体感できた素晴らしいパーティで、大盛況に幕を閉じた。予想通りラマダンマンは、無機質なミニマル・ビーツをこれでもかと繋ぎ合わせた。次回開催は、12/10(fri))。〈テクトニック〉からネクスト・ダブステップを予感させるジャック・スパロー(以前のサウンド・パトロールでも紹介)を招いて開催される。アルバム『Circadian』が話題だし、必見だ!
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 これは、Fの『エナジー・ディストーション』に続いて、レーベルとしては2枚目となるアルバムを控えたヘリクサーの先行シングル。ヘリクサーことケビン・マーティン(ザ・バグの同姓同名ケビン・マーティンとは別人なのでお間違いなく)は、フランス出身で2008年、〈セヴン〉からの「ナルコティック・ダブ/スプリングズ&ワイヤーズ」でデビューしている。2009年にはレーベルを代表する作品「XPダブ」や「コンヴァリューション」を発表、Fと同じく硬質なミニマル・ビートで話題を集めている。そして、ダークでヒプノティックな無機質なトラックに傾倒している。
 「アトランティス」は聴けば聴くほど深みにハマッていく。細切れのスペーシーなシンセが揺れている。リズム自体はさほど存在感はない。キックが軽く鳴り響く程度。規則的にリヴァーブをかけたパーカッションがこだまする。
 スキューバやラマダンマン、Fなどのミニマル・ダブステップとは感覚が異なる。どちらかと言えば、この空間処理はブリアルに近い。新しくはないが、シャックルトンが彼の音楽性を賞賛しているように、シンプルなのだが奥深い。

4. V.A. / Tempa Allstars Vol.6 | Tempa- Dubstep, Minimal -


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 「スクリームは、もう過度期なのか?」と、セカンド・アルバムが発表されてそう感じる向きがあったのは、日本でのダブステップ熱がイマイチ乗り切っていないせいもあるだろう。本国UKではいまだ最高級の人気をほこっているし、マグネティック・マンのトラックがかかるや否や大合唱!!! となっている。筆者はドラムンベースの全盛期を知っているが、たしかにその当時の熱気をいまの日本のダブテップ・シーンに当てはめると物足りない感は否めない。インターネットで国際的に蔓延したダブステップだが、日本ではまだまだ感染しきっていない(だから2011年は大いに期待しよう)。
黴€
 さて、「テンパ・オールスターズ6」だが、ダブステップ界では馴染み深いメンツのなかにドラムンベースの気鋭プロデューサーがふたり参加している。ディープ・ファンクを支柱としているアリックス・ペレズとアイシクルだ。ディープ系を極めた彼らが新たなる視点を定めたダブステップ/ベースラインの矛先は、やはり波長が合うのだろう。違和感なくハマっている。アリックスに至っては、いい意味で期待を裏切るベースライン・ハウス的な4つ打ちを発表しているし。
 インストラ:メンタル、Dブリッジ、カリバーなどのドラムンベースのプロデューサーがダブステップのシーンで顔を見せているのは、音楽的な相性が良いからだろう。〈テンパ〉のサウンドは年々進化している......というか、少なからずトレンドを意識した内容に変わりつつあるのは、シーンの活性化が示す良い現われだろう。
 このなかでもやはりスクリームは別格だ。『アウト・サイド・ボックス』のようなポップ・フィールド志向を試みたと思えば、今回ではシンプルなポスト・ダブステップの。テンパは今、古き良きオリジネーター・サウンドの原点に立ち返っているのかもしれない。その証拠に....フォースカミング・リリースが、あのホースパワー・プロダクション久々の復活によるサード・アルバムなのだから。

5. SCB / Hard Boiled VIP / 28_5 | SCB- Minimal, Techno -


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 ポール・ローズ(スキューバ)のミニマルが止まらない。リリースを増すごとにベルリン・ミニマル色が増している。しかも、ここのところのリミックスがどれも秀逸とくる。原曲が良いからどう加工してもかっこいい。「ハード・ボイルドVIP」もグルーヴィーな切れがあり、ある展開を施す曲中からのシンセ使いが金属的なスネアと調和してリフレインする。最終的には彼自身の音楽性として上手く纏まっている。とにかくプログラミング・センスが良い。
黴€
最近リリースしたスキューバ・リミックス・シリーズも紹介しておこう。「Scuba Remixes Pt.1」は、"Tracers"をスコット・モンテイスことデッドビートによるミニマル・ダブ・リミックスからはじまり、"On Deck"をファルティーDLがエレクトロ・ポップに仕上げている。「Scuba Remixes Pt.2」では、オウン・ミックスによる続編だ。尺が続いていれば先がこうなっていたという具合。"You Got Me(I Got You)"がよりダンサブルなアップテンポになって、"Before(After)"はスローテンポが"その後"の解釈を表している、美しいエレクトロニカなダウンテンポだ。
「Scuba Remixes Pt.3」は〈アップル・ピップス〉からの「Untitled/Digest」で一躍ポスト・ダブステップの新星として躍り出たジョーによるミニマル・ラインをピアノの旋律で妖しくも刺激的に奏でる"So You Think You're Special"、そして叙情的なオリジナルにエレクトリックなシンセを走らせるデッドボーイの"Before (Deadboy Remix)"が収録されている。これらリミックスをディスク2にした2枚組の『トライアングレーション』がリリースされるので、これも要チェックだ!

6. Prototypes / The - Cascade / Need The Love | Infrared- Drum n Bass -


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 Jマジック率いる〈インフラレッド〉、久しぶりのシングルがスマッシュ・ヒットとなった。プロトタイプス――ブライトン出身のニックとガービーによるユニットで、彼らの作品は軒並みフロアで爆発的ヒットを飛ばしている。エナジーが迸るトランシー・レイヴ、エピック・サウンドを完璧に操るエレクトリックなフロア志向のビッグ・アーティスト久々の誕生! と嬉しく思いながら、筆者もヘビープレイ中だ。とにかく毎回使っているほど、フロアでのレスポンスも良く、突き抜けた爽快感やドライヴ感がある。そしてエクスタシーに辿り着く、マス・ヒプノシス感もある。筆者はこれを「切なく走る」と表現している。
 A面の"カスケイド"はカットラインにリミックスを依頼するなど、ドラムンベースやダブステップ、エレクトロ、ベースラインをまたいで支持されている。〈インフラレッド〉の他に〈ショーグン・オーディオ〉や〈ヴァイパー〉などシーンのトップ・レーベルからもサポートされている。

 彼らの良いところは、何と言っても遠慮なく疾走感があるところ。"カスケイド"は親しみやすく、レイヴ・トランシーな、開放感あるヴォーカル・チューンだ。"ニード・ザ・ラヴ"は切ないヴォーカルとエレピが全面的に導入された幻想的なJマジックのヒット曲"クレイジー・ワールド"のアンサー・バック。
 ディープ・フローな作品がトレンド化しているいまのシーンにとって、メジャー志向のヒット路線に走るプロデューサーを揶揄する風潮があるのも事実だ。今年、2002年に〈グット・ルッキング〉からのファースト・アルバムでフューチャリスティック・ドラムンベースを打ち出し、2006年自身のレーベル〈720ディグリー〉からのアルバムリリース以来、4年ぶりに発表したブレイムの『ザ・ミュージック』がメジャー路線に偏ったために各メディアから酷評されている。メジャーよりでR&B調のダブステップに走ったのがその原因かもしれない。が、フランジャイルな時期だからこそ、レイヴとともに発展したドラムンベースの変化が面白いように変わっていく。2010年はドラムンベースにとってアンステイブルな年......このことはまた年間評論フラッシュバック2010-ドラムンベースで触れるとして......プロトタイプスは、その壁を打ち崩せる新世代のレイヴ継承者だ!

7. Black Sun Empire / Lights And Wires | Black Sun Empire- Drum n Bass -


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 オランダのドラムンベース・シーンをダークでドラッギーで、危険極まりない荒廃サウンドで包み込むトリオ、それがブラック・サン・エンパイア。2000年に「ボルテージ」でデビュー以来、オランダのドラムンベースのシーンを暗黒ノイズスケープへと変革させ、現在エレクトロ・シーンでも活躍しているノイジアと共に代表格として数々の作品を世に送り出している。『アンデンジャード・スピーシーズ・パート2』以来、レーベルとしては3年ぶりとなるアルバムがこの『ライツ&ワイヤー』だ。

 これでもかと言わんばかりの影響力を秘めた暗黒電子音が狂気乱舞するサイバー・サウンドは、まったく変わっていない。......地を這うようなベースライン、彼らのダーク・サウンドの中心には現代のエクスキューショナーじみた残酷性、ブラック・マジックのような危険な陶酔性......もある。マス・クリエーションを必要としてきたドラムンベースの方向性を相反する不適合な感覚が面白い。一貫したサウンド・シンフォニーは、いまだに人気を博している。
 今回の共演者も実にシンプルなラインナップで、グリッドロック、ジェイド、SPL、ナイムフォとサウンド、指針をぶらさないよう計られてるようだ。近年の彼らはダブステップにも接近している。サブ・レーベル〈シャドウス・オブ・ザ・エンパイヤー〉を作るほど力を入れている。そして、陰をチラつかせる不穏なマッシブ・ビートを展開するプログラミングは『ライツ&ワイヤー』でも聴くことができる。UKの陽に対する陰とでも言えばいいのか......。

Rihanna - ele-king

 奄美大島で生まれた松村正人がヒッピーにならなかったように、バルバトスで生まれたリアーナは、ラヴァーズ・レゲエが似合う自然派の美少女として彼女を売り出そうとした〈デフ・ジャム〉の期待を裏切るかのように自らの意志でソフト・セルを選び、そして"SOS"で使った。彼女の最初のアルバムの題名が『太陽の音楽(Muisc of The Sun)』だったことを思えば、それは挑戦的な行為だったと言える。ソフト・セルはポスト・パンクの時代に「夜が待ち遠しくてたまらない」と歌った、頽廃的なシンセ・ポップで知られるふたり組で、18才になる彼女は陽光を浴びながらワンピースを翻すことを止め、ハイエナジーが鳴り響く夜のダンスフロアへと向かったのだ。それが「エラエラエラエラ~」と歌った夜の雨の"アンブレラ"の大ヒットへと結実して、さらにセクシャルな"ドント・ストップ・ザ・ミュージック"へと展開する。そう......IDチェックのことを考えれば、『グッド・ガール・ゴーン・バッド』はそれなりに不良のポップだ。
 『レイティッド・R』はバランスを崩してまでもポップ・アイコンとしての彼女のイメージをさらにダークに拡張したシンセ・ポップだったが(『NME』は彼女の暗い領域について語る上で、ニコまで持ち出す始末)、5枚目のアルバム『ラウド』は良くも悪くも均整が取れている。『レイティッド・R』のような驚きはないが、『グッド・ガール・ゴーン・バッド』のように全曲シングル・カットできるような、親しみやすい作品だ。

 まずは、二木信が喜びそうな主題の"チアーズ(ドリンク・トゥ・ザット)"からはじめるか......。この曲を歌ったおかげで、22才の彼女は「酒を飲むのでしょうか」と質問されているそうだが、アメリカ社会はしかし酒に対して厳しい。日本がゆるすぎるとも言えるが、まあ、リアーナの"チアーズ(乾杯という意味ですね)"はそういう意味では二木的な愛国心を満たしてくれる曲とも言える。
 僕がもっとも好きな曲は、ドレイクをフィーチャーした"ホワッツ・マイ・ネーム"ではなく、ラテンのソウルみなぎる"マン・ダウン"だ。レゲエのリズムを思い切り打ち出している曲はセカンド・アルバム以来だが、しかしこの曲における彼女はセクシャルな闘牛士だ。「ラム・ババババム、ラム・ババババム、ラム・ババババム、ラム・ババババム~」、もしこの曲がシングル・カットされたら絶対にゲットしよう。
 アルバム1曲目のハイエナジー"S & M"も悪くはない。いまさら彼女のサドマゾ的な展開は驚くには値しない......が、それにしてもカリブ海出身の彼女はユーロダンスが本当に好きだ。僕の想像では、それはカリブ海への多くの先入観(太陽と海)に対する、彼女のいつもながらの牽制である。トランシーなダンス・ナンバー"オンリー・ガール(イン・ザ・ワールド)"もそうだ。これはパリのハウス/エレクトロのプロデューサー、サンディ・ヴィーによる曲だが、今回のアルバムでは"ホワッツ・マイ・ネーム"と並んでキャッチーなポップスとなっている。
 バラードの"フェイディング"とアコースティックな"カリフォルニア・キング・ベッド"、ソローなR&B"スキン"も魅力的な曲だ。が、トリニダーディアンのニッキー・ミナージュをフィーチャーした"レイニング・メン"が......M.I.A.を意識したビートの曲とはいえ、さらに良い。もっともアルバムにおける最大の曲はエミネムをフィーチャーした"ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ Pt.2"である。エミネムの手の付けられない憤怒は、このよくできたポップ・アルバムにおいて唯一、荒波を立てている。
 リアーナは彼女のハードルを越えて、いまのところコンスタントに良いポップ・アルバムを作っている。それは週末のための少々幻覚性のポップである......しかし、ジャケのリアーナはとても22才には見えない。

Chart by UNION 2010.12.13 - ele-king

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1

THEO PARRISH

THEO PARRISH Just1lovebug DOPE JAMS / US »COMMENT GET MUSIC
Lil Louis & The Worldの90年作"Nyce & Slo"をベースにAmerie"One Thing"のヴォーカルをミックスしたドープなマッシュアップ!ファットなベースラインとチージーなアシッドシンセが炸裂するシカゴハウスクラシックとAmerieの魅力的な歌声がTheo Parrishの手によってありえない見事なコラボレートを生んだ。Limited one-sided red vinyl pressing!

2

THEO PARRISH

THEO PARRISH Ugly Edit Vol.11 UGLY EDIT / US »COMMENT GET MUSIC
ループで引き伸ばした、テープ切り貼り系のリズムの揺れがオールドスクールな雰囲気を漂わせるAサイドにはB.T. Expressのクラシック"Peace Pipe"を、そしてBサイドでは古くからシカゴのディスコシーンでプレイされ、Rahaan, Sadar BaharのフェイヴァリットでもあるレアなJackie Beavers "Mr. Bump Man"を長尺化!DJにおけるDiscoを熟知したTheo Parrishだからこそ出すことが出来るグルーヴをバッチリ備えた強力な両サイド、ドロドロになったフロアへ投下したい1枚!

3

CV313

CV313 Second To Forever ECHOSPACE / US »COMMENT GET MUSIC
生前、マスタリングの権威NSC Mastering(Detroit) Ron Murphyがマスタリングを行うことで初めて完成に至った22分58秒に及ぶ「Beyond The Clouds(reprise)」が遂にアナログ化。穏やかに音の表情を変化させていく、cv313版E2-E4とも言えよう超大作。

4

V.A.(BABY FORD,MARGARET DYGAS,FUMIYA TANAKA...)

V.A.(BABY FORD,MARGARET DYGAS,FUMIYA TANAKA...) Superlongevity 5 PERLON / JPN »COMMENT GET MUSIC
ZIPとMARKUS NIKOLAIによって1997年に設立され、その妥協を許さないクオリティーの高さとアンチコマーシャルな姿勢でミニマル・シーンに多大な影響を及ぼし続けるレーベル・PERLON。そのPERLONがレーベルメイトを結集させてお届けする恒例コンピレーション・シリーズ"SUPERLONGEVITY"の第5弾が遂にリリース! 毎回他を圧倒する豪華メンツがトラックを寄せる同シリーズですが、今回も若手からベテランまで燦然と輝く才能をコンパイルした驚異的内容!!

5

GLENN UNDERGROUND / グレン・アンダーグラウンド

GLENN UNDERGROUND / グレン・アンダーグラウンド Legacy Of The Know STRICTRY JAZ UNIT / US »COMMENT GET MUSIC
仕上がり抜群!シカゴ・ディープハウスシーンで圧倒的な存在感を放つ「鍵盤の魔術師」GLENN UNDERGROUNDのニューアルバムが完成!抜群のトラックメイキングとメロディ/ハーモニーは普遍的。これぞGU節!

6

TOLGA FIDAN

TOLGA FIDAN Ballads EP CADENZA / SUI »COMMENT GET MUSIC
MATHIAS KADEN、DINKY、ROBAG WRUHMEらがリリースする『VAKANT』でお馴染みのTOLGA FIDANがLUCIANOの『CADENZA』からリリース!!2010年のフロアを席巻したMIRKO LOKO"Tahktok (Villalobos "Hilery's Chant" Remix Edit)"に匹敵するキラー・チューン!

7

HARDFLOOR / ハードフロア

HARDFLOOR / ハードフロア Two Guys Three Boxes HARDFLOOR / JPN »COMMENT GET MUSIC
最早説明不要のジャーマン・アシッド・テクノの最高峰、HARDFLOORが前作「Life We Choose」以降約3年ぶりとなる最新アルバムをリリース!近年再度盛り上がりを見せるオールドスクール・アシッド・ハウスの時流に圧倒的な存在感と格好良さをもって王者の風格を見せつける超強力作品です!!

8

SCHERMATE

SCHERMATE CD Volume 4 SCHERMATE / ITA »COMMENT GET MUSIC
ますますリリース・ペースが加速するSCHERMATEのCD-Rシリーズ第4弾! 目玉は現時点で未リリースのカタログ11番からの1トラック! ボトムヘビーに渦巻くベースと切れ味鋭いサンプル使いが圧巻! その他「Control (Remixes)」から異才・MODERN HEADSの乱反射するようなシンセリフがキテるリミックス・トラック、新境地を見せたカタログ10番の両サイドを収録!

9

FLOATING POINTS ENSEMBLE

FLOATING POINTS ENSEMBLE Post Suite/Almost In Profile NINJA TUNE / UK »COMMENT GET MUSIC
説明不要の天才プロデューサー/DJ/コンポーサー、 FLOATING POINTSが彼の知識と技術をフルに生かしプロデュースした彼の見た事ない一面が詰まった10"をNinja Tuneからリリース!

10

ERYKAH BADU

ERYKAH BADU Honey Ron Trent Remixes PRESCRIPTION / US »COMMENT GET MUSIC
ベテランRon Trentが衝撃の「オフィシャル」で手がけたErykah Baduの07年作品「Honey」のハウスリミックス!オリジナルが持つハーモニーと奥深い世界観を損なうことなく「ヴォーカル重視」で仕上げたAサイドは小気味良いウワものとのバランスも抜群の仕上がり!BサイドはRon Trentが最も得意とするDub Mixで、重厚なベースラインと陶酔感に満ちたキー&シンセ、トバしたヴォーカルの心地いい響きが魅力。

Chart by JETSET 2010.12.13 - ele-king

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1

GALA DROP

GALA DROP OVERCOAT HEAT »COMMENT GET MUSIC
'10年大躍進プロデューサーTiagoのディープ・サイドが堪能出来るGolf Channel新作!!Chida氏主宰ene、DFAと引く手数多のリリース・ラッシュを掛けるポルトガルはリスボンのTiagoが、Prins Thomas主宰Internasjonal Spesial発"Night of the Bath"でもタッグを組んだ相棒Pedro AlcadaとのユニットGala DropでGolf Channelに参戦。サイケデリック!!

2

KIMONOS

KIMONOS S.T. »COMMENT GET MUSIC
180g重量盤ゲートフォールド・UVコーティング・ジャケット、インナー・スリーブに歌詞・対訳記載。Zazen Boysの向井秀徳と若き異形SSW、LEO今井による衝撃のニュー・ユニット、Kimonosがフル・アルバムを完成!!新曲8曲に加え、LEO今井のインディ時の名曲"Tokyo Lights"と、さらに細野晴臣の"Sports Men"のカバーまでを収録!!

3

FLOATING POINTS ENSEMBLE

FLOATING POINTS ENSEMBLE POST SUITE / ALMOST IN PROFILE »COMMENT GET MUSIC
Floating PointsバンドによるダブルサイダーがNinja Tuneから登場!彼がルーツとする伝統的な音楽をダンスミュージックにではなく、生楽器を用いてそのまま作品に落とし込んだ、彼の音楽IQの高さを証明した衝撃作!

4

NATHAN FAKE / DJ KOZE

NATHAN FAKE / DJ KOZE XMAS RUSH / MI CYAAN BELIEVE IT »COMMENT GET MUSIC
やっぱりPampaは最高です。エレクトロニカ通過後のイイ感じのポップ・センス。当店ではレーベル史上最高の売り上げを記録中の前作Axel Boman"Holy Love"に続く本作は、Border Communityが世に送り出した天才Nathan Fakeと主宰Kozeによるスプリット。

5

THE MACHINE

THE MACHINE REDHEAD »COMMENT GET MUSIC
Redio Slave変名プロジェクト、The Machineによる3枚組み12インチ!呪術的なアフロイズムを背景に持つようなアングラな民族音楽をベースに繰り広げるドープなパーカッシヴ・DJツール!!

6

LUVRAW & BTB

LUVRAW & BTB ヨコハマ・シティ・ブリーズ »COMMENT GET MUSIC
2010年の記録的な熱帯夜を席巻した金字塔的作品が遂に限定アナログ化!ご存知ハマのクルーPan Pacific Playaのトークボクサー・デュオ、Luvraw & BTBのアルバムが遂にジャケ付2LP化! 先日のシングル"On the Way Down"を買い逃したアナタにも朗報です!

7

TETE

TETE ROTOR EP »COMMENT GET MUSIC
I:Cube & Frank Wiedemann a.k.a. Ameによる新ユニット、第1弾!!ロングセラー中のEmmanuel Jal、Culoe De Songに続きInnervisionsからウルトラ・ディープなピュア・エレクトロニック・ハウスが登場!!

8

NOTTZ

NOTTZ YOU NEED THIS MUSIC »COMMENT GET MUSIC
誰もが認める実力派プロデューサー、Nottzの待望過ぎる1stソロ・アルバムが登場!!メジャー、アングラ、そしてジャンルをも越えた超豪華なゲスト陣を迎え、彼らしいソウルフルなネタ使いとレンジの広いバラエティに富んだプロダクションが堪能できる傑作!

9

JESSE BOYKINS III

JESSE BOYKINS III B4 THE NIGHT IS THRU / AMOROUS »COMMENT GET MUSIC
孤高のネオ・ソウル・シンガー、Jesseの新曲はあのMachinedrumとの一曲!さらに前作『Beauty Created』から"Amorous"をB面にカップリング収録しています。ハズレなしのAlalaレーベルらしい強力な一枚!

10

AMBER OJEDA

AMBER OJEDA HERE I AM »COMMENT GET MUSIC
要注目! ジャズ・ポップ・ボーカリストの要素を全て持ち合わせたニュー・ディーヴァ!Giovanca、Norah Jones、Nina Vidalの要素を持つUSで今最も注目されるダイヤの原石、ニュー・ディーヴァAmber Ojedaによる珠玉の全9曲。

Chart by JAPONICA 2010.12.13 - ele-king

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1

THEO PARRISH

THEO PARRISH JUST1LOVEBUG DOPE JAMS / US / 2010/12/7 »COMMENT GET MUSIC
NYのアンダーグラウンド・ダンス・ミュージック・シーンを牽引するレコードショップ/レーベル「DOPE JAMS」が今年のハロウィンにたった100枚のみプレスし話題となった限定EP「MONSTER MASH UP:DOPE JAMS HOLLOWE'EN 2010」のA面収録曲"JUST1LOVEBUG"がこの度片面プレスにてまたまた超限定でリリース!LIL'LOUIS & THE WORLDによる"NYCE & SLO (THE LOVE BUG)"にR&BシンガーAMERIEの大ヒット・ナンバー"1 THING"のアカペラを大胆にもマッシュアップさせた強烈チューン!

2

HOLGER CZUKAY

HOLGER CZUKAY DREAM AGAIN CLAREMONT 56 / UK / 2010/12/8 »COMMENT GET MUSIC
絶好調<CLAREMONT 56>より、またもやホルガー・シューカイの強力な一枚が登場!JAH WOBBLEも参加した87年のソロアルバム「Rome Remains Rome」収録の「Music In The Air」「Sudetenland」、CANのドラマーで解散後はBill LaswellやBernd"Burnt"Friedmannとの共演でも知られるJAKI LIEBEZEITと共作の名曲「The East Is Red (Der Osten Ist Rot)」の3曲をホルガー自身がリミックス。コレクターズアイテム化必至の豪華ダブルジャケット、10インチ2枚組というプレミアム仕様で限定リリー ス!

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NABOWA

NABOWA フォーキー FEAT. NAOITO / 凪と宴 MOGIE / JPN / 2010/12/7 »COMMENT GET MUSIC
FUJI ROCK FESTIVAL、FESTA de RAMA、SUNSET LIVE、Natural High!、渚音楽祭など数々のビッグフェスにも出演、今年、バンドとして大きく躍進したNabowa。5月にリリースされたセカンド・アルバム 『Nabowa』より限定7インチ・シングル第2弾がリリース!KINGDOM☆AFROCKSのヴォーカリストであり、ソロでも活躍中の NAOITOを迎えたボーカル・チューン『フォーキー』と、アルバムの中でも特に人気が高くライブでも定番となっている『凪と宴』の2曲をカップ リング!

4

THEO PARRISH / ISOUL8 & MARK DE CLIVE-LOWE

THEO PARRISH / ISOUL8 & MARK DE CLIVE-LOWE STOP BAJON ARCHIVE / ITA / 2010/12/7 »COMMENT GET MUSIC
TULLIO DE PISCOPOによるイタロ~バレアリック・クラシック"STOP BAJON"をTHEO PARRISHと<ARCHIVE>主宰VOLCOV a.k.a ISOUL8がそれぞれリミックスしスプリット収録にてリリース!THEO PARRISHサイドはこれぞデトロイト(THEO)・サウンドと言わしめる黒々しい本家ビートダウン・トラックにて16分にも及ぶロング・ライ ドでアップデート&リメイク!そして首領VOLCOVサイドもキーボードにMARK DE CLIVE-LOWEを迎えこちらもTHEOに負けず劣らずの黒さを放ちつつビートダウン化!

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EDDIE C

EDDIE C MIGRATION EP SOUND OF SPEED / JPN / 2010/11/30 »COMMENT GET MUSIC
ソウル/ディスコ・サンプルを巧に再構築したミニマル・ビートダウン・ブギー"MIGRATION"、プレイの瞬間その場を至福のメロウ・ヴァイ ブスで満たすこと請け合いのソウルフル・ダウンテンポ"KEEPIN' ON"、ディスコ・ネタのダンサブル・ナンバー"GIVE IT TO ME"にアコースティック・ギターの音色が優しく包むフォーキー・ダウンテンポ"DAYS LIKE THESE"と全てハズシ無し!EDDIE Cの現在進行形の旨み所を凝縮した気合の一枚!

6

MAXXI & ZEUS

MAXXI & ZEUS AMERICAN DREAMER / MZ MEDLEY INTERNATIONAL FEEL / URY / 2010/11/28 »COMMENT GET MUSIC
同レーベルからの前作も大好評のQUIET VILLAGEの別名義プロジェクト=MAXXI AND ZEUS新作もこれまた問答無用即買い級の一枚に!サイケデリック・ロック・バンド「THE DOORS」のヴォーカリスト=JIM MORRISONのポエトリー・サンプルをフィーチャーした幽玄で激ディープなエキゾチック・アンビエント・トラック"AMERICAN DREAMER"をA面に、そしてB面には一変フロア・ウォーミンなディスコ・エディットのメガミックス・トラック"MZ MEDLEY"を収録!

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EASY STAR ALL STARS

EASY STAR ALL STARS DUBBER SIDE OF THE MOON EASY STAR / US / 2010/12/9 »COMMENT GET MUSIC
重鎮ADRIAN SHERWOODから中堅どころGROOVE CORPORATION、そしてカナダで絶大な人気を誇るDUBMATIX、NYのルーツ・レゲエ・バンド10 FT GANJA PLANTといった新世代まで新旧ダブ・マスター達が独自の色付けで再構築させたオリジナル・カヴァーに勝るとも劣らない完成度で堂々登場!ルーディーな ルーツ・レゲエ・トラックから強烈なダブワイズが炸裂したダブ・ミックス、そして勢い止まらないダブステップ・リミックスまで、リミキサー陣の幅 広いラインナップだからこそ成し得る広義で扱える重量級ダブ・アルバム!

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ERDBEERSCHNITZEL

ERDBEERSCHNITZEL SUAVE 4 LUX / NL / 2010/12/4 »COMMENT GET MUSIC
今作もこれまでの作品同様にソウル/ジャズ/ディスコ等からのエッセンスを独自解釈でビートダウン・サウンドへと落とし込んだ好トラック3本収 録!カラフルなシンセ・リフのレイヤードを纏い強靭なキック/グルーヴで展開する"SUAVE"や淡くソウルフルな女性ヴォーカル・サンプルと ジャジーなエレピ/シンセ・リフとでスペイシー・コズミックな面持を醸しだす極太ビートダウン・ブギー"ULTIMATE MARGOT"等やはり間違いない!

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DJ ROLAND CLARK

DJ ROLAND CLARK RUN RUN RUN PURPLE TRACKS / CHE / 2010/12/4 »COMMENT GET MUSIC
NYのベテラン・ハウサーDJ ROLAND CLARKによる新作4トラックスEPはスイス<PURPLE TRACKS>より!跳ねるパーカッシヴ・ビートに力強いアフロ・ホーンをフィーチャーしたモダン・ハウス調トラックに自身のアフロ・フィーリンなヴォー カル・ワークが炸裂したトライバル・グルーヴの"AFRO SOUL MIX"、"VOCAL DUB"のB面2トラックが特にオススメ!レアグルーヴ・セットにも違和感無くフィットしそうなユーティリティ性も持ち合わせた一枚です!

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OPEN FORAINA WITH JACK QUINONEZ

OPEN FORAINA WITH JACK QUINONEZ FALA TANTO LOVE MONK / SPA / 2010/12/4 »COMMENT GET MUSIC
OPEN FORAINAが実に15年ぶり(!)となる新作を話題の注目レーベル<LOVEMONK>よりリリース!ブリージンなスポークン・ワード/ヴォーカルを フィーチャーしたラテン・グルーヴなファンク・ブレイクビーツ"FALA TANTO"、C/Wにはよりもったりしたビート/グルーヴにレイドバックしたシンセ/エレピ・コード、咽び響くトランペットが心地良く交わる珠玉のジャ ズ・ダウンテンポ・ナンバー"FALA TAN POCO"を収録!ラウンジ空間に投下したい一枚です!大推薦!

ECDPOPO - ele-king

 前作から4ヶ月というインターバルで届いたシャンテ・アンソニー・フランクリンによる2作目はタイトル通り、相変わらず空を飛んでいる。実に優雅な低空飛行(意味、分かってますよね?)。
 ヒップホップの話題作が2010年の前半はドレイクで、後半はニッキー・ミナージュがぶっちぎりだったということは、なかなか興味深く、いわゆるマッチョイズムがシーンの頂点に立たなかったことを意味している。もちろん、グッチ・メインやワカ・フロッカ(磯部くんがレヴュー予定)など、それらが衰えたわけではないし、数ではきっと適わないはずなんだけど、それでも、ブラック・マッチョがその年の顔にならなかったということはヒップホップが誰のものであるかを考えさせる契機にはなりうる。ドレイクの過剰なセンチメンタリズムもさることながら、ミナージュは若い女の子たちに「セックス・アピールは必ずしも人生に必要なものではない」というメッセージを放ち、マッチョイズムとそれを補強するシステムに大きな打撃を加えている。リル・キムが焦りまくってミナージュをディスまくっているのも仕方がないというか、もしかしたらここ何年かで何かが大きく変化する可能性もなくはない(ミナージュに関して詳しくは近刊『ゼロ年代の音楽 ビッチフォーク篇』を参照)。
 肩の力が抜け切ったカレンシーの存在感はそのような地図の中にあって、やはりマッチョイズムに対してボディブローを効かせる位置にいる。フラジャイルでどこか幻想的な導入からブルージーで退廃的な曲の数々を聴き進めるうちに、いつの間にか不信感で固まったような静けさへと落ちていく。ヘルツォークが『バッド・ルーテナント』で描いたようなヴィコディン漬けのニュー・オーリンズではなく、それこそ洪水の底に沈んだJ・G・バラードの終末観が似つかわしい。実にクールである。前作よりも格段にスタティックな仕上がり。

「マッチョではない」といえば、ECDが神戸のPOPOとジョイントした『ECDPOPO』もあまりに腰砕けで、いわゆる脱力の極を行っている。トランペット2にオルガンという構成のPOPOがまずは墨絵のようにミニマムで、恐れ入るほど音数が少ない。自己主張のない音というのは日本ではひとつの様式美のようになっているところがあり、何かを伝えようとするのが音楽なんだから、違和感を感じることも少なくはないのだけれど、これにECDのラップがのることで、まったく印象は異なってくる。ヤング・マーブル・ジャイアンツのような空間認識。ECDのラップが留守番電話に残されたメッセージのように必要なことを語り掛けてくる。大事な要件を。コソコソと。......あのバンドを思い出す。思い出さない。忘れよう。忘れない。
 "ROCK IN MY POCKET"や"関係ねーっ!"といったお馴染みの曲があからさまな厭世観を剥き出しにし、新たなインパクトとともに僕の体内へと侵入してくる。そして、全8曲が終わっても「メッセージは以上です」とはいってくれない。メッセージはまだほかにもあるらしい。

[soul & dubstep] - ele-king

 2010年の2月にアルバム『アイム・ニュー・ヒア(I'm New Here)』で素晴らしい復活を果たした詩人、ギル・スコット・ヘロンだが、来年早々そのリミックス・アルバムのリリースが予定されている。しかも......アルバムをすべてをザ・XXのジェイミー・XXがリミックスするという企画だ。

 たしかに『アイム・ニュー・ヒア』は、ブリアルをはじめとするダブステップからの影響を取り入れていた作品だったけれど、それを丸ごとジェイミーが手を加えるとなると話はまた別だ。彼が2010年の来日時にDOMMUNEでプレイしたDJは、現在のUKのダンス・サウンド(ダブステップ、ファンキー、グライム、ウォンキー)を親切に手際よくパッケージしたもので、僕にとっては忘れがたいものだった。

 まずは手はじめに"NY・イズ・キリング・ミー"のリミックスが届いている。さあ、聴いてくれ。UKファンキー以降のビートを取り入れたこの音を聴いてしまったら......君はジェイミーのビートとスコット・ヘロンの声から逃れられなくなるだろう。

 

Primal Scream - ele-king

 プライマル・スクリームの『スクリーマデリカ』が発売されたのは1991年のことだ。1990に先行してリリースされた「ローディッド」と「カム・トゥゲザー」をリアルタイムでチェックしていた僕は、この2枚の時点で面食らっていた。ファースト・アルバムでは12弦ギターの美しいアルペジオを中心とした60'sサイケデリック、セカンド・アルバムではMC5やザ・ストゥージズのようなガレージ・パンクだったプライマル・スクリームだが、それらのシングルではハウスのビートを取り入れていた。そして、それが唐突に思えなかったのは、海の向うのイギリスではなにかとてつもないことがおきていることを感じとっていたからだった。

 1987年のスミスの解散から1996年のオアシスの『モーニング・グローリー』がリリースされ、そしてブリットポップが終わるまでの10年は日本のUKインディ・ロック・ファンにとって幸せな時代だった。多くの新人バンドは最初の数枚のシングルで注目されると、すぐに国内盤のリリースが決まっていた。来日するタイミングも早かった。来日はおろか、もはや国内盤もめったなことではリリースされない現在の状況とは大きな違いだ。その10年のあいだは、日本とイギリスの距離はいまより近かったのである。
 ニューウェイヴやネオアコ、ギター・ポップのシングルを毎週チェックしていた僕は、スミスのデビュー以降、どこかすっきりしない空気に息苦しさを感じていた。しかし、1988年のストーン・ローゼズの「エレファント・ストーン」をはじめ、インスパイラル・カーペッツの「プレイン・クラッシュ」やハッピー・マンデイズの「W.F.L」あたりから、いままでとは違う空気を感じていた。そしてその翌年、ストーン・ローゼズのデビュー・アルバムが発売されてからというもの、新しいスタイルの12インチ・シングルが都内のレコード店の壁を変えていった。
 僕が初めてロンドンに行ったのもこの時期だった。1989年の12月、ヴァージン・メガストアもタワーレコードもHMVも、壁一面がストーン・ローゼズの「フールズ・ゴールド」、808ステイトの『90』、ソウルIIソウルの「キープ・オン・ムーヴィン」、そしてデ・ラ・ソウルの『3フィート・ハイ・アンド・ライジン』で埋め尽くされていた。ダンスの季節が到来したのだ。
 1990年になると、僕は毎週2回はZEST、WAVE、CISCOそれにLiverpool、レコファン、Vinylなど渋谷、新宿のレコード店をぐるぐる回った(まさかHMV渋谷がなくなる日がくるとは夢にも思わずに)。あの時代、同じようにレコード店を回遊していた人は少なくない。
 『スクリーマデリカ』に収録曲された4曲、"ローディッド""カム・トゥゲザー""ハイヤー・ザン・ザ・サン""ドント・ファイト・イット、フィール・イット"は、そんな毎日のなかで巡り会った。当時はまだイギリスでなにが起こっているのか知るための情報源はなかった(もちろんインターネットなど一般的ではなかった)。レコード店の棚にならんだ12インチ・シングルと『NME』が頼りだった。幸せな時代だったのかもしれない。何が起きているのか想像することがほんとに楽しかったから。
 "ローディッド"と"カム・トゥゲザー"の幸福な肯定感、"ハイヤー・ザン・ザ・サン"のダブとハウスのサイケデリック、"ドント・ファイト・イット、フィール・イット(闘うな、感じろ)"のソウルフルなダンス......。アンドリュー・ウェザオール、ポール・オークンフォルド、テリー・ファーリー、ジ・オーブ、ボーイズ・オウン、アシッド・ハウス、エクスタシー......そしてクラブ・カルチャー。

 そしてあれから20年が経った。『スクリーマデリカ』はスタイルがころころ変わるプライマル・スクリームの作品のなかで、もっとも時代の空気をパッケージしたアルバムだ。当時は5曲が発表済みの音源だったこともあって、寄せ集めのアルバムという評価もあったが、いまになって思えば、だからこそ優れたアルバムなのだ。アルバムを作るためにレコーディングされたのではなく、1曲1曲彼らが突っ込んだパーティで気付いたアイデアを随時形にしていく過程がはっきり見てとれるからだ。今回の渡英ではボーイズ・オウンのテリー・ファーリーにこの時代のことを詳しく取材してきた、いずれアップするのでチェックして欲しい。
 

 11月26日、20年目の"スクリーマデリカ・ライヴ"。当日は本格的な寒波がイギリスを包んで、本格的な冬のはじまりとなった。会場のオリンピアは幕張メッセのような展示場で、コンクリートの床に高い天井を擁している。
 開演が7時半と書かれていたので、7時過ぎに会場に着いたのだけれど、場内にはまだほとんど人がいなかった。8時を過ぎたところでステージにメンバーが登場するものの、会場はようやく半分強が埋まっている程度だった。
 それでもバンドは演奏をスタートする。前半は『スクリーマデリカ』以降のヒット曲中心の構成だったが、どうも盛り上がりに欠ける。"カントリー・ガール"や"ジェイルバード"、そして"ロックス"、オーディエンスは余裕でビール買ったり、待ち合わせの相手に電話したり、てんでばらばらにその場所にいる。
 いままで何度も見ているロックンロールなプライマル・スクリームによる40分程度のステージがまるで前座のようにあっけなく終了する。そしてアンドリュー・ウエザーオールのDJらしき音が小さく流れはじめる。途中でチアメン・オブ・ザ・ボードの1974年のアルバム『スキン・アイム・イン』に収録の"モーニング・グローリー"から続く8分のメドレーが流れる......この高揚感のあるソウル/ファンクはウエザーオールが『スクリーマデリカ』制作時の参考にした曲としてラジオ番組で紹介していた。
 

 コズミックなソウルが鳴り響くなか、ステージ全面のスクリーンに『スクリーマデリカ』の巨大なロゴが映される。ステージ上手には6人編成のゴスペル・コーラス、下手には4人編成のブラス・セクションを従えて、メンバーが登場する。アンドリュー・イネスが"ムーヴィング・オン・アップ"のイントロを弾き出す。場内からは大歓声があがり、観客の様子は打って変わって、どんどん前に突進する。そして大きな会場は一瞬にしてパーティ会場へ変貌した。
 
 誰もがこの瞬間を待っていたといわんばかりに弾ける。あっけにとられていた僕も思わず笑い出してしまった。バンドのメンバーにもわかっていたようで、演奏の熱がまるで違う。ボビーも踊り、オーディエンスを煽る。
 2曲目の"スリップ・インサイド・ディス・ハウス"のダンス・ビートがはじまった。去る4月にベーシストのマニはこう話している。「『スクリーマデリカ』は打ち込みの曲をカラオケのように使うのではなく、当時のマルチテープから、それぞれのパーツを抜き出して、ちゃんとライヴでやるためにアレンジをするんだよ」。"スリップ・インサイド・ディス・ハウス"は過去、ライヴ演奏はしていないはずだ。
 3曲目の"ドント・ファイト・イット、フィール・イット "でデニス・ジョンソンが登場する。彼女が「ラマラマラマ・ファファファ~」を歌うとフロアはどよめき、ティンパレスのフィルからキックとベースが入るとはやくも肩車があちこちで立ち上がる。僕も自然と笑いがこみ上げてくる、こんな楽しさまったく想像してなかった。
 4曲目はアルバムの曲順なら"ハイヤー・ザン・ザ・サン "だが、ここで"ダメージド"、"アイム・カミン・ダウン"、そして"シャイン・ライク・スターズ "とバラードが続く。90年代初頭のパーティ・ライフのアフターでチルアウトするために良く聴いた曲がいまはライヴで演奏されている。
 続いて"イナー・フライト"、ステージ後方の巨大なスクリーンがサイケデリックに変化する。洗練された映像が曲にあわせて揺らめいてゆく。僕がこの音とヴィジアルのほんとうの意味を知ったのは『スクリーマデリカ』の発売から5年後だったけれど......。

 ここまで来るともうあとは3曲しか残っていない、"ハイヤー・ザン・ザ・サン"のイントロが響く、鼓動のようなキックとオーロラのようなシンセがすべての感覚をさらってゆく。宇宙に投げ出されてしまったような浮遊感のなかでボビーのヴォーカルがもう戻れなくてもいいと言っているように聴こえる。あまりのトリップ感のなかで呆然としていると"ローデッド"のサンプリングが静寂を破る。コーラスが高らかに歌われ、ホーンセクションが鳴る。もうこの最高のパーティもあと2曲で終わってしまう......。
 "ローデッド "は伝えてくれている、「それははじめからわかっていたこと、終わりであり、はじまりでもある」、そんな答えにならない問いかけが心にこだまする。まわりは仲間同士で肩を組んだり、抱き合ったり、思い思いにたしかめ合っている。
 ラストの"カム・トゥゲザー"はもうはじめから大合唱だった。この曲で歌われている通りのフィーリングのすべてが溢れている。20年前のプライマル・スクリームがセカンド・サマー・オブ・ラヴの歓喜に素直に飛び込んだように。
 "カム・トゥゲザー"が終わって会場内には明かりが付く。それでもオーディエンスの合唱はやまない、会場の外に出て、通りの向かいにあるパブでは外まで人が溢れながら、そしてここでも合唱している......。

「キスして/どうかどうかキスして/僕を持ち上げて、世界の外側に出して欲しい/トリップさせて/どうかどうか僕をトリップさせて/僕を持ち上げて、星に乗せて欲しい/いまや僕たちは完璧に自由/さあ、おいで/僕に触って/それがありあまるほどのすべてだ」"カム・トゥゲザー"

Matthew Herbert - ele-king

 マシュー・ハーバートの作品は、リスナーが何も考えずに催眠状態になることを許さない。彼はあの手この手を使って頭を使わせようとする。「one」3部作の2作目として『ワン・ワン』に続いて去る9月にリリースされたのが『ワン・クラブ』で、前作がエレクトロニックなポップ・アルバムだったのに対して、こちらはおおよそテクノ・アルバムであると言える。フランクフルトのクラブ〈ロバート・ジョンソン〉のひと晩のパーティのあらゆる音(歓声からトイレの水、クロークルームからクラブの壁などなど)のフィールド・レコーディングを素材としたもので、ハーバートにとっての久しぶりのトラック集とも言えるし、そうじゃないとも言える。クラブを素材にしているとはいえ、ドクター・ロキットや『アラウンド・ザ・ハウス』のようなダンス・ミュージックではないし、主題に沿ったサンプリングで曲を作るという方法論の観点から見れば『ボディリー・ファンクション』(身体)や『プラ・デュ・ジュール』(食事)と同じ系列だが、そのどれとも違っているのは、今回のコンセプトがクラブ・カルチャーに定められているからだ。

 2010年のUKは20年振りにクラブ・ミュージックの年だった。ふだんクラブ・カルチャーに属していないアーティスト、フォー・テットやカリブーのようなIDMスタイルの連中がロンドンの〈プラスティック・ピープル〉に影響されてクラブ・サウンドを作っているし、またアントールドやサブトラクト、ラマダンマンはテクノの要素を大胆に導入してダブステップをより親しみやすいダンスにしている。ローンのようなボーズ・オブ・カナダのフォロワーまで4つ打ちのダンス・アルバムを発表している。"クラップトラップ"や"CMYK"といった思い切りの良い野心作がアンセムとなって、他方ではスクリームやマグネティック・マンがメインストリームのポップに侵入すれば、そしてその対極では踊れないマウント・キンビーやアクトレスがいる。ハーバートが今回のアルバムでクラブ・カルチャーをコンセプトにしたのも、間違いなくこうした背景があるはずだ。

 とはいえ、ひとりレディオヘッドなる異名を持つ、反骨精神を持ったこのアーティストによる『ワン・クラブ』は、それをクラブ系と呼ぶには複雑な、とてもユニークな内容となっている。曲名はすべて人物名となっていて、それはこの文化が人の集まりで成立していることを暗に示しているようだ......が、アルバムの前半はクラブの快楽主義とは相反するような無機質で激しいトラックが続いている。音のペイントで描かれたレイヴの抽象画は、冷たいコンクリート、インダストリアルなヴィジョンを想起させる。オーディエンスの歓声からはじまる"Jenny Neuroth"にしても、前作のように親しみやすいサウンドだとは思えない。
 反グローバリゼーションで知られるこの音楽家は、政治性をはらんでいた初期のレイヴ・カルチャーが現在では企業に支配されたクラブ・カルチャーになっていると指摘する。「それでもオーディエンスにマイクを向けることで、その小さなコミュニティから何かを発見できないものかとこのアイデアに挑戦した」と話している。アルバムは中盤ぐらいから人の声の割合が増えていく。アルバムが終りに近づくにつれて音が丸みを帯びてくる。
 クライマックスは9曲目の"Marlies Hoeniges"で、この曲において人びとの合唱がエレクトロニック・グルーヴと結びくと、アルバムは眩しいほどの民衆的なパワーを見せつける。ファンキーなリズムのなか、拍手が鳴って、声が響く、クラブ・カルチャーの最良の瞬間をハーバートはこうやって音で表現する。最後の曲"Kerstin Basler"は、レイヴにおける民衆蜂起のようだ。

 冷たくはじまったこのアルバムは、実に美しい終わり方をする。そして、もういちどアルバムを最初から聴けば、前半の無機質なトラックもどこかユーモラスに思えるようになる。するとこの想像上のクラブは、より親しみをもって展開することになる。マシュー・ハーバートらしい、しっかりとしたアイデアを持ったアルバムだ。
 3部作の最後となる「豚の一生」が楽しみでならない。

Chart by BEAMS 2010.12.08 - ele-king

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Kuniyuki Takahashi

Kuniyuki Takahashi Dancing In The Naked City Mule Musiq »COMMENT GET MUSIC
BEAMS RECORDSではもはや説明不要の存在、クニユキ・タカハシ4枚目のアルバムが遂にリリース!今作はデビュー作以来初となるダンス・フロアにフォーカスしたアルバムとのことで、収録曲のほとんどがフロア即戦力なディープかつプリミティブなハウス・トラック。アフロ、ミニマル、パーカッシブ、ダビーと、スタイルは多用なれど、その全てにクニユキ氏ならではの美学が凝縮された、アップリフティングでグルーヴィーな楽曲揃い!クニユキ氏自身が撮り下ろした写真を収録した16ページの豪華ブックレットも見ドコロです!もちろん大推薦盤!

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黒木千波留

黒木千波留 過ぎ去りし日の... Rambling »COMMENT GET MUSIC
実力派ピアニスト、黒木千波留による瑞々しいシネマティック・ピアノ・サウンド。カフェオーナー兼ブラジル音楽愛好家として知られる堀内隆志氏が彼のピアノに惚れ込んだ事から実現した本作は、堀内氏が若き日に心酔していたヨーロッパ映画の音楽を中心に構成されたコンセプチュアル・ピアノ・アルバム。トリュフォーの「大人は判ってくれない」のテーマ曲(2)やアルバムタイトルにもなったフランス映画「すぎ去りし日の...」の挿入歌に吉田慶子のサウダージなヴォーカルを乗せた(7)、そして映画「DIVA」から何時の時代も愛される名曲(9)等を清らかなトーンで聴かせてくれます。いつ何時でも心を浄化してくれる様な、そんな魅力を秘めた1枚です。

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Nick Rosen

Nick Rosen Into The Sky Poter »COMMENT GET MUSIC
Build An Arkファン必聴のスピリチュアル・ジャズ作品!Build An Arkのベーシストを務めるニック・ローセンが、Build An ArkはもちろんJ Dillaトリビュート作品などでもカルロス・ニーニョと共に素晴らしい作品を残すMiguel Atwood-Fergusonプロデュースの元にアルバムをリリース!これが、Build An Ark同様にピアノ、ハープ、ストリングスを交えた大所帯にてピースフル&ハートウォーミングなスピリチュアル・ジャズを奏でた素晴らしい内容!心安らぐ1枚です!

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San Soda

San Soda Immers & Daarentegen Wph »COMMENT GET MUSIC
ラリー・ハード~ビートダウン系を匂わせる良質ダンス・アルバム!ここ最近にわかに世界各地のDJ達のチャートを賑わせているクリエイター、San Sodaのデビューアルバムが、ベルギーのアンダーグラウンド・レーベル、We Play Houseから登場。セオ・パリッシュやムーディーマン、はたまたハービー・ハンコックやスティービーらに影響を受けたと言うそのスタイルは、シンセのコードワークとシンプルなビートが見事な調和で鳴り響く、極上の渋知ハウス!We Play House主宰のRed DによるミックスCD付!

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Zoot Sims

Zoot Sims Zoot Sims On Ducretet Thomson Atelier Sawano »COMMENT GET MUSIC
オリジナルのレコードは極稀少プレスな為、マニア達が血眼になって探し求めたという、アメリカ出身のテナー・サックス名手、ズート・シムズの最高傑作!ビッグ・バンド~ビバップ期のJazzシーンで活躍した彼が、相棒であるトランペット奏者ジョン・アーレイと共に56年の訪仏の際に現地のミュージシャンと録音した異色のコラボレート作。コール・ポーターのスタンダード曲(3)やクインシー・ジョーンズのバラード(4)といった楽曲をはじめ、全編通じてまろやかなテナーをムーディーに聴かせてくれる、珠玉の1枚!音質も最高です。

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Jeb Loy Nichols

Jeb Loy Nichols Strange Faith & Practice Modesty Music »COMMENT GET MUSIC
ゆっくりと聴きたい極上のアコースティック・ジャズアルバム!エイドリアン・シャーウッドのプロデュースでOn-Uよりリリースされたアルバムでもオーガニックな楽曲を披露していたシンガー・ソングライター、ジェブ・ロイ・ニコルス。クラブジャズ以降のジャズ界にて高クオリティの作品を連発しているノスタルジア77のベン・ラムディンがプロデュースした本作は、元来の温かい作風に、チェロ、ヴィオラなどのストリングスが加わり、ソウルとジャズ、フォークが美しく交じり合って一層味わい深い作品に。末永く聴ける名盤の誕生です。

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V.A.

V.A. Next Stop... Soweto Volumes 1-3 Limited Edition Box Set Strut »COMMENT GET MUSIC
アフリカン・レア・グルーヴの決定版!60~80年代の南アフリカ産の貴重な音源を発掘してきた本シリーズ、なんとこれまでリリースされた3作品を1パッケージに纏めたボックス・セットがリミテッドでリリース!一際リズミカルなアフリカン・ミュージック~ジャイブを収めたVol.1、R&B、FUNK&PSYCHにフォーカスしたVol.2、そして南アフリカ産の驚くほどモダンなジャズを選りすぐったVol.3(2枚組)と、いずれも永久保存版と言える素晴らしい内容。全4枚でこのグッド・プライス、お見逃しなく!

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中島ノブユキ

中島ノブユキ Melancolia Spiral Records »COMMENT GET MUSIC
中島ノブユキ氏渾身の3rdアルバム、遂にリリースです!BEAMS RECORDSでは1stアルバムから全作永久定番入りなピアニスト、中島ノブユキの新作は、これまで同様クラシックとジャズの狭間をたゆたいながらも、音楽の世界を巡る旅へと誘うような幽玄な雰囲気を宿した、その名のとおりメランコリーな作品。いつまでも、そしてどこまでも、こんな音楽を聴き続けたいと想わせる、素晴らしい1枚です。

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Teebs

Teebs Ardour Brainfeeder »COMMENT GET MUSIC
フライング・ロータスのレーベルからリリースの逸材!ライフワークだったスケートを怪我で断念した後、アート、音楽の世界に足を踏み入れたというティーブス渾身のデビュー・アルバムは、ボーズ・オブ・カナダのフォロワーとも言うべきエレクトロニカ×ブレイクビーツ!フライング・ロータス直系のエッジーなビートと音空間を舞うキラキラとした電子音は、まるで雪山に舞う粉雪、あるいは爽やかな春風の様に有機的な美しさを感じられる事でしょう!

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Boris Gardiner

Boris Gardiner Every Nigger Is A Star P-Vine »COMMENT GET MUSIC
JAZZMANからジャマイカン・ファンクのお宝音源がリリース!アップセッターズのベーシストとしても知られるシンガーソングライター、ボリス・ガーディナーが74年に残した幻のサウンドトラックが奇跡のCD化。同タイトルの映画が興行的に大失敗に終ってしまった為、全く注目される事のなかった作品ですが(笑)、内容は実にハイクオリティ。皮肉にもBig Youthのカヴァーがヒットしてしまったものの、それに劣らないソウルフルな主題歌(1)、ジャマイカ流の緩いファンク(6)等、レアグルーヴ・ファンの心も鷲づかみにしそうなお宝音源集です!
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