「K A R Y Y N」と一致するもの

interview with The xx  part.2 - ele-king






E王


The XX

I See You (ボーナストラック2曲収録)


XL Recordings/ビート

PopHouseIndie Rock



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 ザ・エックス・エックスのコアは何かと考えたとき、これまでは“VCR”のミュージック・ヴィデオ(https://youtu.be/gI2eO_mNM88)にもっとも分かりやすい形で表れていたと僕は思う。モノクロームの映像のなか、廃墟のような場所でたったふたり親密な愛を交わす恋人たち。ふいに色づく映像と、誰にも知られることのないふたりだけの感情の昂ぶり。その密室性と緊密さこそがザ・エックス・エックスの「わたし」と「あなた」の物語だった。
 だが、予想外の成功を経て、バンドははっきりと変わった。いま、ザ・エックス・エックスを表現しているのは見事なポップ・シングル“オン・ホールド”のヴィデオにおける淡くも眩い光だろう。そこでは無邪気に笑うザ・エックス・エックスの3人がいて、そしてどこにでもいるような10代の男女が楽しそうに踊ったり、愛を交わしたりしている。ジェイミーが少し照れながらDJをして彼らを楽しませている。インティマシーはザ・エックス・エックスにとってもっとも重要なテーマだが、それはいまより多くの音と感情を手に入れて、ダンサブルに、そしてポップに開かれているのだ。

 それでは、先日女性との婚約を発表したばかりのロミー・マドリー・クロフトのインタヴューをお届けしよう。オリヴァー&ジェイミーといくつか同じ質問を投げながらも、より彼女らのラヴ・ソングが描いているテーマに踏み込んだ会話になったと思う。ロミーもまた、シャイな佇まいを残しながらも、気さくに誠実にひとつひとつ答えてくれた。3人の経験したささやかな喜びや切なさが、『アイ・シー・ユー』には変わらず高い純度で、しかしもっとも鮮やかに封じ込まれている。(木津)

わたしたちが考えていたのは、ただ新しいことに挑戦したいということ。それから姿勢としてよりオープンでいること、明かりを取りこんだような音にすること。だからルールも何も設けない、というのがわたしたちが最初に話し合ったことだったね。


発表前の新曲をプレイする気分はいかがでしたか?

ロミー:今回のツアーはとにかく新曲に集中していて。新曲にどんな反応が来るかわからなかったからすごく緊張していたし不安だったけれど、うまくいって良かったと思うな。

オーディエンスの反応を感じました?

ロミー:ええ、すごく良かったと思う。

観客側から見ていてもそう感じられました。

ロミー:そうだよね。新曲は“リップス”から演奏したんだけれど、すぐに頭を動かしたりしてくれるのが見えて、緊張感がほぐれたよね。

それから、ライヴの終盤の重要なポイントでジェイミーのソロ曲を演奏するのが印象的でした。そうしたことも含めて、今回の『アイ・シー・ユー』というアルバムはセカンドの『コエグジスト』の続きというよりは、ジェイミーのソロ・アルバムの続きなんだという認識が3人のなかで共有されていたのでしょうか?

ロミー:延長線上というよりは、ジェイミーのソロがあったから今回のアルバムがセカンドと全然違うものになったんだと思うな。

野田:ジェイミーのソロとザ・エックス・エックスの関係性についてもう少し説明してもらえますか?

ロミー:前回のアルバムだとライヴでプレイすることを意識しすぎたり、みんながどういうものが好きかを考えすぎたりしたんだけど、今回のアルバムは自分たちの好きなサウンドをエンジョイすることができたんだよね。ジェイミーのソロのサウンドもすごく好きだったから、自分たちの好きなものを音にするっていう意味ですごく大きい影響を受けたと思う。自分たちもあとからそのことに気づいたんだけど、それも意識してやったわけじゃなくて、自然とそういう曲の作り方になってたのね。ジェイミーがソロで自分の好きなサウンドを表現したように、ライヴでも曲作りでもこれまでの「バンドらしさ」に囚われずに自分たちの好きなことができたのが大きかったね。

なるほど。ロミーから見て、ジェイミーのソロ作の魅力って何ですか?

ロミー:ジェイミーってすごく想像力豊かだから、オーディエンスを旅に連れていくような曲を作り出すことができるんだよ。構成もおもしろいし、メロディもすごく魅力的だし、あとは遊び心が曲にあると思う。

なるほど、ではジェイミーのソロを経ての『アイ・シー・ユー』の話をしますね。サウンドにもテーマにも広がりが出て、見事な作品だと思いました。アルバムに取りかかる前に3人で共有していたゴールはありましたか?

ロミー:いいえ、何も考えてなかった(笑)。わたしたちが考えていたのは、ただ新しいことに挑戦したいということ。それから姿勢としてよりオープンでいること、明かりを取りこんだような音にすること。だからルールも何も設けない、というのがわたしたちが最初に話し合ったことだったね。

そうでしたか。では、制作しながら見えてきた曲同士で共通するテーマやモチーフはありましたか?

ロミー:コンセプトやテーマっていうのはあまりなくて、一曲一曲がすごく違う折衷的なアルバムになっていると思うんだけど、それがかえってわたしたちのテイストを表現してるんじゃないかな。どんな音楽に対してもオープンだし、ミニマル・テクノだけ聴くとかニューウェイヴだけが好きとか、そういうことはないからね。わたしたちはジャンルってものが好きじゃなくて……そういうわたしたちそのものが表現されたアルバムだと思う。

では、そのヴァラエティに富んだアルバムをまとめるものとして『アイ・シー・ユー』というタイトルを決めたのはあなたですか?

ロミー:ええ(笑)。

それはどういうところから出てきたアイデアだったのでしょうか?

ロミー:制作の本当に最後のほうだったんだけど、タイトルどうしようって考えすぎて頭がおかしくなりそうだった(笑)。タイトルってアルバムのトーン全体を決めるすごく重要なものだと思うからね。だから歌詞を何度も読み返したりしたんだけど、やっぱり作品を作るプロセス自体がすごく重要だったんだと思えて。そのプロセスのなかでは友情っていうのがすごく大きかったんだ。自分たちが成長するなかでより良い友情っていうものが築けるようになっているし、3人の関係性も以前よりいい状態になって、だからこそいい音楽を作ることができた。あともうひとつは、人間って誰しも「見られたい」っていう願望があると思う。見られることによって理解されていると感じることができるし、それを今回すごくお互いに感じることができたからね。だからそのことをタイトルにしたんだよ。

なるほど。

ロミー:もうひとつ付け加えるとすると、わたしたちはバラバラに過ごした時期っていうのもあったんだけど、このアルバムを制作することによってより近くなることができた。そのことも表現しているね。それから、ファンへのメッセージでもあって……自分たちが若いとき、たとえばジャック・ホワイトのライヴを観ているときなんかに「どうせ彼には自分たちなんか見えてないよ」と思ってたんだけど、いざ自分たちがパフォーマンスするようになると、本当にオーディエンスが「見える」んだよね。だから、ちゃんと見ているよ、っていうメッセージでもあるんだ。

それはすごく納得できるお話ですね。それから、『アイ・シー・ユー』という言葉は、親密なコミュニケーションを描いているという点で、すごくザ・エックス・エックスらしいなと思ったんですよ。歌詞でもつねに一対一の関係というモチーフにこだわっていますよね。

ロミー:ええ。

それはどうしてだと思いますか?

ロミー:自分でもどうしてかはわからないんだけど、愛とか、ひととひととの間に起こる感情を描くことに惹かれるんだよね。ミュージシャンによっては怒りや政治について描くひともいるけれど、それは自分にはあまり理解できなくて。自分が惹かれて、なおかつ描きたいのがそういうテーマなんだよ。


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前のアルバムを作ったときは22歳だったけど、今回は27歳だから、その間の成長ってすごく大きいんだと思うんだよね。それがダイレクトに表れたんじゃないかな。

ザ・エックス・エックスの歌詞で特徴的なのは、三人称がほとんど出てこなくて、かつあなたとオリヴァーでヴォーカルを取っているので、ジェンダーレスなラヴ・ソングになっていることだと思うんですね。それはバンドにとって重要なことなんでしょうか?

ロミー:ええ、ええ。それはすごく意識的にやってる。そうすることによって男性であっても女性であっても、年齢がいくつであっても、すべてのひとが音楽に繋がりを感じることができると思うから、歌の物語を決めつけずに、緩さを設けるようにしているんだよ。

なるほど。『アイ・シー・ユー』はそのなかで、これまで描いてきた感情とは異なるものを捉えようとしたのか、あるいは深めようとしたのか、どちらに近いと思いますか?

ロミー:つねにより良ものにしようとトライしているんだけど、より複雑な感情をよりシンプルな方法で表現しようとしているんだよね。今回もそのことを追求したね。

「シンプル」、という部分をもう少し説明していただけますか?

ロミー:言葉をダラダラと並べて表現するのではなくて、より少ない言葉を使うようにしているかな。シンプルで、美しい言葉だね。

なるほど。僕が今回『アイ・シー・ユー』の言葉に感じたのは、“デンジャラス”にしても“ブレイヴ・フォー・ユー”にしても、「勇敢さ」というモチーフが前に出てることだったんです。

ロミー:ええ、そのことに気づいてもらえて嬉しいな。年齢を重ねたことによって自信がついたということもあるし、そのことによっていい意味でリスクを冒すということに繋がっていくと思えるんだよね。自分たちが大人になっているということがそのまま表現されていると思う。今回、自分たちが心地よいと感じるところから抜け出しんだよね。レコーディングの環境を変えたこともそのひとつだしね。ロンドンはやっぱり自分たちにとって心地いいけれど、いろいろなところで曲を制作したし、ライヴでもさっき言ったみたいにルールを設けず、あまり考えずに組み立てていったし。あと歌詞も、メールじゃなくてオリヴァーと同じ部屋で作ったっていうのも新しいこと、リスクを冒すことのひとつだったね。

「勇敢さ」というモチーフに今回僕が惹かれたのは、これまでは儚さや脆さみたいなもののほうによりフォーカスされていたと思うからなんですよ。

ロミー:そうだね。

その変化って、ザ・エックス・エックスというバンドのキャリアとシンクロしているのかなと思って。たった3人ですごくビッグな存在になって、この間のライヴもそうでしたけど、そのプレッシャーをはねのけて前に進んでいるというか。

ロミー:ええ、わたしもそう思うな。

そのことを表現したいという想いはありましたか?

ロミー:それを敢えて表現しようとしたわけではないよね。もっと勇敢であろうとか、もっとオープンであろうとかいう風にね。それは時間とともに自然と起こった変化で、それがそのまま表現されていると思う。前のアルバムを作ったときは22歳だったけど、今回は27歳だから、その間の成長ってすごく大きいんだと思うんだよね。それがダイレクトに表れたんじゃないかな。

なるほど、すごくよく分かります。もうひとつザ・エックス・エックスらしさでいうと、“オン・ホールド”のヴィデオがすごくいいなと思ったんですよね。さっき「友情」って言葉も出ましたが、バンド3人の親密さがよく表れていて。あれはどうやって出来たものなんですか?

ロミー:ありがとう(笑)。まず、レコーディングした場所に戻って撮りたいっていうのがあって、テキサスのマーファっていう本当に小さい町に行ったんだけど。フォトグラファーのアラスデア・マクレランが監督してくれて、温かさや若さといったような、これまでのザ・エックス・エックスからは連想できないテーマを引き出してくれた。そうやってできたヴィデオだね。いままではミュージック・ヴィデオに関してもっと神経質になってたんだけど、今回は誰かに任せてしまおうと思って、自分たちの親密さと温かさ、光と若さ、それからマーファの地元のひとたちを取り入れてほしいということだけフォトグラファーにお願いして、あとは本当に彼に任せちゃったんだ。

“On Hold”

ただ、ヴィデオがいまおっしゃたように光や明るさが表現されているのに対して、“オン・ホールド”の曲そのものはビターなラヴ・ソングですよね。これは言葉と音のどちらが先でしたか?

ロミー:言葉が先だったね。あの曲に関してはすごくいろんなヴァージョンがあって……ありすぎるぐらい(笑)。なかなかしっくり来なかったんだけど、ジェイミーがサンプルを取り入れたことでムードがガラッと変わって、息を吹き込んでくれたんだよね。

ほんとそうですよね。“オン・ホールド”はシングルらしいダンサブルでポップな曲ですけど、切ないラヴ・ソングが明るい曲調になっていることでどのような効果があると思いますか?

ロミー:ポップ・ミュージックのいいところってまさにそこだと思う。クラブに行くとすごく踊れて楽しめるんだけど、ちょっと止まって集中して聴いてみると悲しい失恋の曲だったりするよね。その二面性を楽しめることができることが魅力だなと思う。

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ええ、大好き。わたしもオリヴァーもすごくよく聴くよ。ジェイミーはもちろんだけど(笑)。ポップスやダンス・ミュージックは本当大好きでずっと聴いてきたんだけど、今回のアルバムはリスナーにもわたしたちのそういう一面を感じてもらえるものだと思うな。

ロミーはクラブ・ミュージックってよく聴くほうですか?

ロミー:ええ、大好き。わたしもオリヴァーもすごくよく聴くよ。ジェイミーはもちろんだけど(笑)。ポップスやダンス・ミュージックは本当大好きでずっと聴いてきたんだけど、今回のアルバムはリスナーにもわたしたちのそういう一面を感じてもらえるものだと思うな。

とくにどんなダンス・ミュージックが好きですか?

ロミー:80年代のシンセっぽいサウンド……ニュー・オーダーだったりオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークだったり、それからイタロ・ディスコ。うん、ディスコ・ミュージックだね。エモーショナルなシンセサイザーが感じられるダンス・ミュージックが好きだな(笑)。

“アイ・デア・ユー”はザ・エックス・エックスのなかでも、ダンスという意味も含めてもっともアップリフティングな曲ですよね。とくにコーラスの「singing…oh, oh, oh」っていう部分に僕はビックリしたんですよ。すぐにライヴでシンガロングになりそうだなって。

ロミー:ええ、わたしもすごく興奮してるんだ。まだ6公演しかやってないんだけど、みんな曲をまだ知らないのに曲に繋がりを感じてくれているようなリアクションなんだよね。だからこれからアルバムが出て、曲をもっと知ってくれたときにどうなるかなってすごく楽しみにしてるんだ。

ええ、きっとすぐ合唱になりますよね。ただ、あそこまで一体感のあるものっていままでのザ・エックス・エックスにはなかったんじゃないかなと。

ロミー:ええ、わたしもそう思う。さっきも言ったみたいに、ああいうところから自分たちはポップなものも好きなんだよっていう、新しい面を見せてられていると思うな。今回のツアーのはじめの3公演では“アイ・デア・ユー”からスタートしたんだ。するとすぐにコネクトすることができたね。“リップス”から始めたときは、ミステリアスなムードを残しつつ、だんだん熱をこめていくセットにできたと思うよ。わたしは“アイ・デア・ユー”から始めるほうが好きかな。すぐにオーディエンスとの繋がりを感じることができるからね。それに、それっていままでのザ・エックス・エックスにはなかったものだと思うから。

『コエグジスト』の“エンジェル”なんかもライヴの映像を観るとアウトロで大合唱になってますよね。

ロミー:ええ、すごいよね!

あれって、あなたたちにとってすごく驚きだったんじゃないかなと思って。

ロミー:ええ! ほんとに。感動したよね。日本もそうなんだけど、いろいろな国や場所でそうやって応えてくれるんだよね。それはやっぱり、すごく嬉しいことだね。

いっぽうで、ニューヨークで45人限定のライヴもされてますよね。そうした小さい会場と大きい会場での親密さや一体感の違いってどういうところにあると思いますか?

ロミー:ええ、あれは2、3回同じ日にショウをやったりとか。それが何日も続いて。それは大きい会場でプレイするのとはすべてが違うよね。それは大きさというよりは、ライヴそれぞれで違った親密さというものがあるんだと思う。ニューヨークでプレイしたときも、入ったらすぐに大きいスペースがあるんじゃなくて、サイド・エントランスからトンネルを通って入ってもらうと3人が真ん中にいて、みんなに角で見てもらうっていう状態にしたんだよね。それでみんなは小さい部屋にはじめいるんだけど、天井がどんどん上がっていって、そこで壁が倒れて……そこではじめて大きい部屋にいることがわかるっていう仕組みになってたんだ。

へえー、おもしろいですね!

ロミー:オーディエンスはそこでちょっと混乱しちゃうんだけど、そうやって旅につれて行きたかったんだよね。そこではオーディエンスとの壁が本当になくなっている。触りたければ触れるっていうぐらいね。それを一度やってみたかったんだ。

『アイ・シー・ユー』というアルバムには、そういう最小限の親密感と、大勢のオーディエンスとの一体感の両方が表現されているように思えますね。

ロミー:ええ、ええ。“パフォーマンス”っていう曲なんかにはそういう小さい会場で演奏した経験がすごく反映されているね。そういう静寂のなかで生まれる関係性に影響を受けて作った曲もあるね。そこからアルバムに適した形、ライヴに合った形をイメージして作っていった曲もこのアルバムには入ってるよ。

すごくよくわかります。ザ・エックス・エックスってすごく緊密なコミュニケーションを体現してきたバンドだと思うんですが、これだけビッグになっても、その親密さをより多くのひとに純度の高い状態で届けようとしているように見えるんです。それがすごくよく表れたアルバムではないかなと思いますね。

ロミー:ええ。わたしたち自身もこの変化にはすごく驚いていて(笑)。わたしはバンドにいることによってどんどん自信をつけることができるんだけど、それをすごく嬉しく思ってるな。

では、ザ・エックス・エックスのもっとも変わった部分と、もっとも変わらない部分はそれぞれどんなところだと思いますか?

ロミー:お互いがお互いをより理解するようになったのが一番大きな変化だと思う。自分たちが何をどう感じるかを理解しているし、そのコミュニケーションの取り方もより良いものになったと思うな。変わらないところは、友情そのものだね。それはまったく変わってないね。たとえば今日もみんなでプールに行ったんだけど、オリヴァーとジェイミーは子どもみたいにはしゃいでて(笑)。わたしが感じるオリヴァーとジェイミーとの特別な繋がりはいまだに変わらないね。

(笑)まさにそれがザ・エックス・エックスだな、と思いますね。

ロミー:ええ(笑)。

野田:最後にひとつだけ。さっき政治的なことを表現することに興味がないとおっしゃいましたけど、2016年はブレクジットであるとかトランプ勝利だったり、政治的不安定さが露呈した時代だったと思うんですね。そういう社会的な出来事というのは、ザ・エックス・エックスの音楽にまったく影響を与えないんでしょうか。

ロミー:もちろんわたしたちも大人になってはいるし、世界で何が起こっているかは把握してはいるよね。で、もしかするとそれが将来反映されることもあるかもしれない。ただ、社会でそういうことが起こっていながらも、バンドや自分にとって何が大事かを考えたときに、自分がリスナーとして音楽を聴くときは自分が抱えているものから逃避させてくれたり、あるいは逆に向き合わせてくれて乗り越えることを助けてくれたり勇気づけてくれたりするものを優先しているんだよね。自分にとって一番関係があって、作りたいと思える音楽はやっぱりそういうものだと思うな。

野田:なるほど。ではUKには偉大なバンドがたくさんいますが、たとえばザ・スミスみたいなバンドは好きですか?

ロミー:ええ、もちろん(笑)! こうやってUKを離れてみると、たくさんの国のひとがUKの音楽を好きだって本当に実感したんだよね。それでますます、いまは自分の国の音楽が好きになってるよ。

Thundercat - ele-king

 新年早々、魅力たっぷりのアルバムが続いている。まずはザ・エックス・エックス、アンダーグラウンドではデムダイク・ステア、ブルックリン実験派としての意地を見せるダーティ・プロジェクターズ、いまの英国でもっともエネルギッシュな音楽=グライムの大物ワイリーの新譜、なにも変わらないことがむしろ変わることであるとでも言わんばかりの我らがスリーフォード・モッズ、そして、おそろしいほどドリーミーなソウルを展開するサンダーキャットの新作……そのふわふわで甘々のブラック・ソウル・ファンタジー……もちろん、いま絶好調と言っていいレーベルのひとつ、〈ブレインフィーダー〉からのリリースである。

再び迎えたブラック・ミュージック隆盛の立役者、サンダーキャット
待望の最新アルバム『Drunk』のリリース&来日ツアーを発表!
20曲以上収録の大作に、超豪華アーティストが勢揃い!

ケンドリック・ラマー|ファレル|フライング・ロータス|マイケル・マクドナルド|
ケニー・ロギンス|ウィズ・カリファ|カマシ・ワシントン
80年代を代表する黄金コンビ、マイケル・マクドナルドとケニー・ロギンス参加の新曲「Show You The Way」公開!

ここ数年のブラック・ミュージックの盛り上がりにおいて、誰もが認める立役者のひとり、サンダーキャットが、待望の最新アルバム『Drunk』のリリースを発表! 20曲以上を収録したこの大作には、ケンドリック・ラマー、ファレル・ウィリアムス、フライング・ロータス、マイケル・マクドナルド、ケニー・ロギンス、ウィズ・カリファ、カマシ・ワシントンら、シーンきっての人気者であるサンダーキャットでしか考えられない、超豪華アーティストが勢揃いしている。脇を固めるミュージシャン/プロデューサーにも、自身のプロジェクトKNOWERなどでも知られるプロデューサーのルイス・コール、人力ビートのパイオニアとも言われるレジェンド・ドラマーのディアントニ・パークス、そしてサンダーキャットとともにケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』に大きく貢献したSOUNWAVEらが名を連ねる。

今回の発表に合わせ、80年代を代表する名曲、ドゥービー・ブラザーズの「What A Fool Believes」を生んだマイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスが参加した新曲「Show You The Way」が公開され、『Pitchfork』にて「Best New Track」に選出されている。このコラボレーションは、ケニー・ロギンスの息子がサンダーキャットのファンだったことから実現。ケニー・ロギンスの声がけで、同じく娘がサンダーキャットの大ファンだったというマイケル・マクドナルドまで参加することになったという逸話も、彼のキャラクターと非凡な音楽的才能を証明している。

きっかけは、俺がラジオ番組に出演してインタビューされたことだった。そのインタビューの中で「もし誰かと、どこかの島に取り残されるんだったら、誰がいいですか?」という質問をされたんだ。俺は瞬時に「ケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルド」と返答した。そのときは冗談のように聞こえたかもしれないけど、ソングライティングの上で彼らに多大な影響を受けてるんだ。自分をもっと掘り下げることを彼らから学んだ。ラジオでその発言をしたあとに、俺のバンドのピアノ奏者のデニスが、ケニー・ロギンスと何度か演奏したことがあったから、「ケニーに連絡してみようか?」と言ってくれたんだ。信じられなかったね。そこから、ケニーの息子さんとメールをするようになって、いつの間にかケニーもメールに参加するようになったんだ(笑)。ケニーは一緒に音楽を作ることに興味を持ってくれた。俺はケニー・ロギンスとしゃべってるだけでビビッてたよ(笑)。彼は俺の音楽についてほとんど何も知らなかったけど、「僕の子供が君の音楽のファンなんだ。僕の子供が君のファンじゃなかったら、僕はここにいないよ」と彼が言ったんだ(笑)。実現しただけで俺はうれしかったね。彼と初めて会ってレコーディングして、彼が曲を聴き返してたら、彼が「マイケル・マクドナルドを呼ぼうかな」と言い出したんだ。そのときに、俺は本当にオシッコをチビるかと思ったよ(笑)。マジで冷静を装ってた。ケニーがマイケル・マクドナルドに連絡してくれたんだ。マイケルも、たまたま娘さんが俺の大ファンだったから、一緒に仕事をしてくれることになったんだ。ケニーとマイケルがスタジオに来たんだけど、ケニーは「何年間もマイケルに会ってないよ」と言ってた。どうやら、ふたりは10年以上も一緒に曲を作ってなかったみたいで、それにもびっくりしたね。ことの重大さに気づくと、正直心の中ではすごくビビったし、すごくプレッシャーを感じたよ。俺は彼らに曲のアイデアや、新曲、古い曲を聴かせたんだ。それから「Show You The Way」を完成させようということになった。
- Thundercat

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THUNDERCAT Presents
"DRUNK" JAPAN TOUR

さらに、今回のアルバム・リリースの発表に合わせ、単独来日ツアーも決定! これまで〈Brainfeeder〉のレーベル・ショウケースや、フライング・ロータス、エリカ・バドゥのバンド・メンバーとして幾度も来日をしてきたサンダーキャットだが、今回が初の単独公演となる。サンダーキャットの超絶ベース・プレイはもちろん、長らくバンド活動をともにしているドラマーのジャスティン・ブラウン、キーボード奏者のデニス・ハムという超一流ミュージシャン3人による縦横無尽なバンド・アンサンブルと強靭なグルーヴ、そして何より素晴らしい楽曲の数々とサンダーキャットの美しい歌声……そのすべてを至近距離で体験できるこの貴重な機会をお見逃しなく!

【東京】
2017.4.27 (木) LIQUIDROOM

OPEN 18:30 / START 19:30
前売 ¥6,000 (税込 / ドリンク代別途)

チケット詳細
[先行販売]
LAWSONチケット プレリクエスト抽選先行: 1/28 (土) 12:00~2/5 (日) 23:59
beatkart [shop.beatink.com]: 2/6 (月)~
チケットぴあ プレリザーブ: 2/6 (月) 11:00~2/13 (月) 11:00
イープラス・プレオーダー: 2/6 (月) 12:00~2/12 (日) 18:00
LAWSONチケット プレリクエスト2次抽選先行: 2/8 (水) 12:00~2/12 (日) 23:59
[一般発売]:2/18 (土)~
ローソンチケット (Lコード: 76628)、チケットぴあ (Pコード: 322-585)、イープラス [https://eplus.jp]、Beatkart [shop.beatink.com]
INFO: Beatink 03-5768-1277 / www.beatink.com

【名古屋】
2017.4.28 (金) 名古屋ブルーノート

1stステージ 開場17:30 開演18:30 / 2ndステージ 開場20:30 開演21:15
一般価格 ¥8,900 / 名古屋ブルーノートメンバーズ ¥8,500

チケット詳細
2/22 (水)~ 名古屋ブルーノートメンバーズ会員先行
3/1 (水)~ 一般予約受付開始
INFO: 名古屋ブルーノート 052-961-6311

【京都】
2017.4.29 (土) 京都METRO

OPEN 18:30 / START19:30 → 21:00 close 予定
前売 ¥6,000 (税込 / ドリンク代別途)
当日 ¥6,500 (税込 / ドリンク代別途)
早割 ¥5,500 (税込 / ドリンク代別途) [受付期間:1/27~2/2]←枚数限定!

チケット詳細
[一般発売]:2/18 (土)~
チケットぴあ (Pコード: 323-052) 、ローソンチケット (Lコード: 57107)、e+ [https://eplus.jp/]
[限定早割]
★一週間限定! 特別先行早割チケットを発売!!
¥5,500 ドリンク代別途 [受付期間:1/27~2/2]←枚数限定!
※『特別先行早割お申し込み方法』→タイトルを「4/29 サンダーキャット早割希望」
としていただいて、お名前と枚数を明記して 宛てでメールして下さい。
※枚数限定のため、キャンセルは不可となっております。何卒ご了承下さい。
INFO: 京都 METRO 075-752-4765 https://www.metro.ne.jp
Supported by α-STATION 京都FM

【大阪】
2017.4.30 (日) Conpass

OPEN 18:00 / START 19:00
前売 ¥6,000 (税込 / ドリンク代別途) ※未就学児入場不可


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サンダーキャット待望の3rdアルバム『Drunk』は、2月24日(金)に世界同時リリース。国内盤にはマック・ミラー参加のボーナストラックを含め、計24曲が収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。初回限定生産盤はスリーヴケース付。iTunesでアルバムを予約すると、公開された“Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)”がいちはやくダウンロードできる。

label: Brainfeeder / Beat Records
artist: Thundercat ― サンダーキャット
title: Drunk ― ドランク

cat no.: BRC-542
release date: 2017/02/24 FRI ON SALE
初回限定生産盤:スリーヴケース付き
国内盤CD:ボーナストラック追加収録/解説書/英詞・歌詞対訳封入
定価:¥2,200+税

Underworld & Young Fathers - ele-king

 90年代のポップ・カルチャーを代表する映画、『トレインスポッティング』。かつて社会現象にまでなった同作の続編である『T2 トレインスポッティング』が、UKで1月27日から公開されます。監督はダニー・ボイル、脚本はジョン・ホッジ、出演はユアン・マクレガー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル、ユエン・ブレムナーと、前作を作り上げた面々が再びスタッフおよびキャストを務めています。
 で、『トレスポ』と言ったらやっぱり“Born Slippy”でしょう! というわけで、アンダーワールドが続編の公開を記念して限定12インチのリリースを発表しました。映画の公開日と同じ1月27日にリリースされる同シングルには、“Born Slippy NUXX”の最新ヴァージョンである“Long Slow Slippy”と、新曲“Eventually But”の2曲が収録されます。
 また、『T2 トレインスポッティング』のサウンドトラックに収録されているヤング・ファーザーズの新曲“Only God Knows”も公開されました。かっこいいです。あー、映画の公開が待ち遠しい! 『T2 トレインスポッティング』の日本での公開は4月8日から。

日本公開決定も話題の映画『T2 トレインスポッティング』関連情報!
アンダーワールドが超限定12インチのリリースを発表!
ヤング・ファーザーズがサウンドトラック収録の新曲を初公開!

昨年続編公開決定のニュースが大きな反響を呼び、ついに日本での公開も発表された『T2 トレインスポッティング(原題:T2: Trainspotting)』から、最新情報が到着!

T2 Trainspotting Official Trailer

アンダーワールドのメンバー、リック・スミスが映画全体の音楽を担当していることはすでに発表されているが、今回アンダーワールドは、映画公開を記念し、超限定12インチを公式サイトunderworldlive.comのみでリリースすることを発表した。収録内容は、前作のエンディングで起用され、アンダーワールドが一躍世界的アーティストへと飛躍するきっかけとなった名曲“Born Slippy NUXX”の最新ヴァージョンで、続編の中でも実際に使用されるという“Long Slow Slippy”、そして昨年リリースされたアルバム『Barbara Barbara, we face a shining future』以来の新曲となり、この12インチでしか聴くことのできない“Eventually But”の2曲入りとなる。

Underworld - Long Slow Slippy / Eventually But 12-Inch Vinyl
https://underworld.tmstor.es/cart/product.php?id=31223

さらに、オリジナル・サウンドトラックに3曲提供しているヤング・ファーザーズが、その中から初出しとなる新曲“Only God Knows ft. Leith Congregational Choir”を公開!

Soundcloud:https://youngfathers.lnk.to/only/soundcloud
Apple Music:https://itun.es/jp/8I6uhb?i=1196665106
Spotify:https://open.spotify.com/track/5iLRzSviAdN4IjOjiD0vtQ

ヤング・ファーザーズと映画の原作者であるアーヴィン・ウェルシュは、2015年にウェルシュが自身と彼らの地元であるエジンバラのクリエイターについて描いたドキュメンタリー番組をきっかけに出会い、今回の大抜擢につながった。『T2 トレインスポッティング』の中では、オリジナル・サウンドトラックに収録されている3曲を含め、計6曲が起用されている。

Labels: Smith Hyde Productions / Beat Records
artist: UNDERWORLD
title: Barbara Barbara, we face a shining future
アンダーワールド
『バーバラ・バーバラ・ウィ・フェイス・ア・シャイニング・フューチャー』
release date: NOW ON SALE
国内盤CD: ¥2,450+tax

商品情報はこちら:https://www.beatink.com/Labels/Underworld/BRC-500/


label: BIG DADA / BEAT RECORDS
artist: YOUNG FATHERS
title: White Men Are Black Men Too
ヤング・ファーザーズ
『ホワイト・メン・アー・ブラック・メン・トゥー』
release date: NOW ON SALE
国内盤CD: ¥2,000+tax
国内盤特典: ボーナストラック追加収録/解説書封入

商品情報はこちら:https://www.beatink.com/Labels/Big-Dada/Young-Fathers/BRC-463/

Binh - ele-king

 布団はいい。布団にくるまってさえいれば日々の不愉快なことや面倒くさい人間関係を何もかも忘れ去って、延々と「幸福」にひたっていることができる。とりわけ寒さの厳しいこの季節はそうで、せっかくの休日に外出するなどもってのほか。オフトゥン、最高。オフトゥン、大好き。
 ミニマル・テクノ/ハウスにも布団に似た効能がある。学生の頃、何もかもが嫌になってひたすらミニマルばかり流していた時期があった。ドラマティックな展開なんか要らない。ただきれいな、あるいはフェティッシュな音塊のループがありさえすればそれでいい。大仰な意味や背景なんて必要ない。ただその音のテクスチュアに埋没できればそれでいい。ミニマルというのは快楽として消費するにはうってつけのスタイルで、それはフロアでもベッドルームでも現実からの逃避を加速させる。ヴェイパーウェイヴがそうであったように、ミニマルもまたあてもなく逃避行を続ける負け犬たちの一時的な宿泊先としての役割を果たしていたのではないだろうか。
 だが逃亡先としてのミニマルは、それがフェティッシュな音塊の反復にこそ特化した音楽であるがゆえに、いつかは頭打ちになる。人は変わらぬことを求めると同時に、変わることを欲する生き物でもあるからだ。毎日毎日ミニマルばかり流していると、俺はいったい何をしているんだろうと疑念が生じはじめる。その疑念は次第に膨張し、オフトゥンの外にある世界のことを思い出させる。このままでいいのだろうか。いつまでも逃げてばかりでいいのだろうか、と。

 揺り戻しはエレクトロという形をとってあらわれた。2015年の末にリリースされた Binh と Onur Özer からなるユニット Treatment のアルバム『LP』は、近年テクノの地下水脈でミニマルからエレクトロへの転回が起こっていることを告げ知らせるひとつの兆しだったと言えるだろう。
 ベルリンを拠点に活動している Binh こと Germann Nguyen は、これまでに東京の〈CABARET Recordings〉やそれこそミニマルの総本山とも言える〈Perlon〉から12インチをリリースしており、少し前までなら「ヴィラロボスが切り拓いた地平を堅実に歩み進んでいくアーティストのひとり」というふうに整理しておけば済む程度の存在だったかもしれない。しかし彼は件の Treatment のアルバムを経て、自身の主宰する〈Time Passages〉から「Dreifach」を、そして〈Perlon〉からは「Noah's Day」を発表し、従来のミニマル路線を引き継ぎながらそこに90年代のテイストを落とし込むという試みをおこなってきた。そのようなチャレンジを経て届けられたこの「Ship Of Imagination」は、そんな彼の歩みのひとつの到達点を記録した作品と呼ぶべき内容に仕上がっている。
 まず1曲目の“Booari”に漂うデトロイトの匂いに圧倒される。懐かしさを感じさせつつも、単なる模倣にとどまらないこの音の質感は一体どう表現すればいいのだろう。90年代後半のトゥ・ローン・スウォーズメンからの影響がうかがえる“Diggin In My Brain”も、大胆にミニマルと90年代的なアシッド・サウンドを融合させた“Milky Way”も、マシン・ミュージックの本懐ここにありといった様相で、矜持に満ちあふれている。下方を蠢くベース・ラインもたまらない。デトロイトやウェザオールといった過去のテクノ~エレクトロの遺産を、絶妙なさじ加減でミニマルのリスナーへ届けようとする本作は、当時を知るリスナーにも当時を知らぬ若いリスナーにも新鮮な驚きと発見を与えることだろう。
 テクニークの佐藤さんによれば、ヴァイナルのみでリリースされた本作はまたたく間に売り切れ、すぐに再プレスの運びとなったそうだけれど、このエレクトロ~90年代リヴァイヴァルの波はまだ海の向こうの現象にとどまっているらしい。おそらく日本では依然としてミニマルの人気が高いのだろう。でもその「幸福」はいつまでも続くものではない。いま確実に時代は移り変わろうとしている。そろそろあなたもオフトゥンから抜け出して、外の世界に耳を澄ましてみては?

 90年代の東京で、忘れられようにも忘れられないエレクトロとRAP(しかもナンセンス/ユーモア満載)、デビューが早すぎたといっても過言ではないADS~(DJであるコンピューマとアキラ・ザ・マインドによるユニット)スマーフ男組のラッパーにしてプロデューサーにしてDJにして音楽ライター/編集者でもあったマジック・アレックス,マジアレ(村松誉啓)が1月22日、胃潰瘍出血ために永眠した。あまりにもショックで、いまは悲しみしかない。
 ぼくが村松君(とぼくは彼を呼んでいた)と最後に会ったのは、中原昌也氏と静岡でトークをした晩、ラジシャンの深夜、ヘアー・スタイリスティックスがライヴをした夜だったから、あれは何年前のことであろうか……。2010年になるかならないか。村松君がクラブで元気いっぱいに踊っている姿はいまでも憶えている。
 日本の音楽を研究されている方は、90年代のこの宝石にぜひ巡り会って欲しい。ADS、スマーフ男組、そしてマジック・アレックス,マジアレ。ザ・コールド・クラッシュ・ブラザーズ、プラネット・パトロール、ジョンズン・クルー、マントロニクス、マン・パリッシュ……ADS、スマーフ男組、そしてマジック・アレックス,マジアレ、そしてその文才。村松君、さようなら。


以下、ele-king 1997年 vol.12から。

ADSが、如何にしてしてエレクトロものそのレパートリーになったのか
文:村松誉啓

 愛・エレクトロ2、という副題がついているからといって、この「エレキング」そのどこをひっくり返しても、その1は見つからない。それはほかに書いたものだ。3はどこかに書かせてもらおうかしら。さあ、はやくエレクトロの話をはじめたいけれども、でも、ぼくはいまたとえば、アストル・ピアソラにぞっこんで、3週間かそこらでCDを60枚近く買ってみたりする。ご存じだろうか。ピアソラはアルゼンチンタンゴのアーティストだ。ブエノスアイレス! そして残念ながら、ぼくはサン・ラのコレクターでもある(たくさん持っている、とはとても言えない程度にだけれど)。“ああ、そうかエレクトロって手強そうだな”っていま思ったでしょ? そんな、あはは。
 A.D.Sでなぜエレクトロをやってみているのかというと、たんにそれは好きだからなのだけれど(それでおしまい)、ぼくも、ターンテーブルや短波ラジオをやっている松永君も、もうおじいさんなので(野田注:当時29才)、プラネット・ロックのころ高校生で、国内盤12インチが出たときに買っているのだ。つまりひどく年季が入っているので、Jonzun Crewの1枚目のアルバムは“We are The Jonzun Crew”のミックス違いで2種類リリースされたことも押さえている。プラネット・ロックをプログラミングしたジョン・ロビーのことを評価してみたいと思うから、バカバカしいように思えるC-Bankのことを“最高!!”っといえるような度胸も坐っている。

 (ごめん、長いので略)

 このごろは、複雑なことをいいわけにしているような音楽が多すぎる、とぼくは感じている。ところでぼくは単純なものを愛している。ここ最近しばらく、単純なものやバカバカしいものにパワーがあるように思っている。それでありがたいことに、バカバカしいようなもののほうが今日的だ。ぼくはそう信じる。そんな世の中に思える。

Rob Smith & KURANAKA - ele-king

 モア・ロッカーズの『Dub Plate Selection Volume 1』はいまでもポップ・ミュージックの歴史にその名を残す名盤である。「ドラムンベースって何?」と訊かれたら、これを薦めておけば間違いない。その後スミス&マイティを経て、いまはRSD名義でブリストル・サウンドを更新し続けているロブ・スミスが来日する。
 彼を迎え撃つのは、日本のアンダーグラウンド・シーンを支えてきた異才クラナカと、今年で21年を迎えるロングラン・パーティ「Zettai-Mu」。1月21日の公演@梅田NOONにはD.J.Fulltono が、1月27日の公演@渋谷CIRCUSにはGOTH-TRADが出演することも決まっている。詳細は以下を。

日本中の真の新の進の震の深の神の心のミュージック・ラヴァー&ベース・ジャンキーたちがしんしんと集結する、日本唯一のロングラン・パーティ〈ZETTAI-MU〉。コアとなる点はブレることなく、音楽や文化が進化・成熟するたびに、ZETTAI-MUもアップデートを繰り返してきた。時代は移り変わろうとも、常にその最前線・最深部に存在し続けているパーティであり、国内外問わず、数々のレジェントを迎え、幾度となく最高の夜を(至福の朝を!)演出してきたパーティ。内臓が震えているのがわかるほどの重低音と、血湧き肉踊るリズム、生き方すら変えてしまうほどの強靭なメッセージ、そして“集まる”という大事さ。記憶に焼き付く、身体に染み付く、忘れえない体験がそこにはある。
昨年からのKURANAKA ASIA TOUR、China、Shanghai、Beijing、Sichuan、Philippines、Manila、Thailand、Taiwan、Vietnam & Japan行脚を経て、 22年目になる2017年スタートの、1/21 (SAT) @ NOON (Umeda. Osaka)、1/27 (FRI) @ Circus Tokyo (Shibuya ShinMinamiGuchi. Tokyo) は、Massive AttackやWILD BUNCHとともに、 数々のオリジナリティあふれる革新的な音楽を生み出し続ける世界の音楽の発信地ブリストル・ミュージックの代表格SMITH&MIGHTYより、Jungle、Drum&Bass、Dubstep、Abstract Beats etc. のトップ・クリエイター&DJとして世界中に広がるシーンのリヴィング・レジェンド! ROB SMITH a.k.a RSDが登壇!!

https://www.zettai-mu.net/news/1701/robsmith2017/

 

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2017.1.21 (SAT) OSAKA
ZETTAI-MU UMEDA NOON Again!!

日本で唯一シカゴ・ハウスからゲットー・テック、ジュークまでを通眼する存在。日本にJuke / Footworkシーンを根付かせた伝道師。Mr Booty Tuneこと、D.J.Fulltono! FatKidOnFire (UK)、Encrypted Audio (UK) などから作品をリリース。2016年にはKarnageとの共作を自主リリースするなど精力的に活動する、岡山在住、気鋭のDUBSTEPプロデューサーDAYZERO!! 深化し続けるNOONの裏名物パーティ“depth”主催、ハード機材を駆使した即興性の高いLIVE MIXを展開するRhy-s! 京都を拠点に活動し、UK TrapシーンのホープHUCCIを擁する「VEYRON ARCHE」に所属。着実に世界との扉を開く新鋭プロデューサーMADKO$MO$! 「ハードヒットレゲエ」を謳うパンクでダビーな音とレベルなルーツロックでジャンルを越えた夜をハードにヒットする。3ピースレゲエダブバンド、バンヤローズ! 日本の大衆文化/サブカルチャーを源に独自の視点で多角的な表現を試みるペインターBAKIBAKI (DOPPEL) によるDJ名義VakiX2! from ATTACK THA MOON中LAのライヴペイントに、BUGPARTY主催、NAGAやCOTYLEDON SOUND SYSTEMの2SHANTI、101、yuki pacificといった関西各地の面々も勢揃い!

:: LINE UP ::
ROB SMITH a.k.a RSD (SMITH&MIGHTY / UK.BRISTOL)
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu, Outlook jp)
D.J.Fulltono (Booty Tune/Somethinn)
Dayzero (FatKidOnFire / Encrypted Audio)
バンヤローズ
Rhy-s (depth/NOON)
MADKO$MO$ (Veyron Arche / #MADWANT )
VakiX2 a.k.a BAKIBAKI (Doppel / ARHBK)
NAGA (BUGPUMP)
2SHANTI (COTYLEDON SOUND SYSTEM)
101 (DIRT)
yuki pacific
and more...!!!
:: LIVE PAINT ::
中LA (ATTACK THA MOON)

 

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2017.1.27 (FRI) TOKYO
ZETTAI-MU

2016年には待望の新作アルバム『PSIONICS』をリリース! UK London MALA (Digital Mystikz) 率いる DEEP MEDi MUSIK所属、世界中で活躍し最も尊敬を集める日本人プロデューサーGoth-Trad!! 初ソロ名義アルバム『The Ja-ge George』をリリースした、東京発世界発信のレーベル/プロダクション「PART2STYLE」の看板アーティスト、オリジナル異型ラガマフィン・ディージェイ、Jage-GeorgeがMAL (PART2STYLE SOUND)とのセットで登場!! 90年代より東京のDrum&Bass / Jungleシーンを牽引するSoi productions DX with Osamu G.Gに加えて、DJ DON! そして新宿Duusraaのサポートによる2nd FloorにはThe Chopstick KillahzよりMars89、Min、HALU、maidable、SYNDROME、Ampsなどの若手も勢揃い!
Bass & Beats Music JunkiesにはマストなまさしくConcrete jungle Music Night!

:: 1st Floor ::
ROB SMITH a.k.a RSD (SMITH&MIGHTY / UK.BRISTOL)
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu, Outlook jp)
GOTH-TRAD (Deep Medi Musik.UK / Back To Chill.JP)
Ja-ge George + MAL from PART2STYLE
Soi Productions (DX&OSAM "GREEN GIANT")
DJ DON (新宿ドゥースラー)
and more...!!!

:: 2nd Floor ::
Mars89 (The Chopstick Killahz / 南蛮渡来)
Min (The Chopstick Killahz / 南蛮渡来)
HALU
maidable (Shoot Recordings / Rubik Records)
SYNDROME (SKETCH UP! Recordings)
Amps (Weekend Shuffle/TREKKIE TRAX)
and more...!!!

 

△▼△▼△▼△▼ PROFILE and ... △▼△▼△▼△▼

ROB SMITH a.k.a RSD
(Smith & Mighty / More Rockes / Tectonic / Punch Drunk / Black Box / Moonshine / Zettai-Mu from Bristol. UK)

Massive AttackやWILD BUNCHとともに、数々のオリジナリティあふれる革新的な音楽を生み出し続ける世界の音楽の発信地、ブリストル・ミュージックのレジェンド、スミス&マイティ "ROB SMITH a.k.a RSD"!! 80年代前半より、レゲエ・バンドのレストリクションで活動を開始。その後、レイ・マイティとともに、ブリストル・ミュージックの代表格として君臨するスミス&マイティとしての活動をはじめ、マッシヴ・アタックのファースト・シングルをプロデュース。そしてバカラックの古典をブリストル流に解釈した「エニィワン」の大ヒットによって、マッシヴ・アタックと並ぶブリストルの顔としてメディアに大々的に取り上げられるようになる。これまでに「ベース・イズ・マターナル」「ビッグ・ワールド・スモール・ワールド」「ライ フ・イズ…」、2003年には初のベスト・アルバム「フロム・ベース・トゥ・ヴァイブレーション」を発表。また、ロブは、初期のマッシヴ・アタックにも参加していたピーターDとのドラムンベース・ユニット“モア・ロッカーズ”での活動も精力的におこなっており、2004年にはアルバム『セレクション3- トライド・アンド・テスティド』をリリース。DJ-Kicksより『Smith & Mighty』、ソロ・アルバム『アップ・オン・ザ・ダウンズ』を発表。09年には、ブリストルの〈パンチ・ドランク・レコード〉の記念すべき1枚目のアルバムとして『グッドエナジー』をリリースする。2009年スミス&マイティとして【METAMORPHOSE】に来日。現在進行形のブリストル・ミュージックで多くの日本のクラウドを沸かせた。そして、2011年には、ZETTAI-MUよりニュー・アルバム『GO IN A GOODWAY』をリリース、同年3月の "SMITH&MIGHTY" 公演は震災の影響により中止になったが、急遽DOMMUNEによる【WE PRAY FOR JAPAN】に出演、日本中を音楽の力で勇気づけた。近年はスミス&マイティの進化版とも言えるダブステップ名義 "RSD" で数々の傑作を生み出し【GRASTONBERY FESTIVAL】【OUTLOOK FESTIVAL】【Deep Space NYC】などオーディエンスを魅了しつづけている。2014年には、"Rebel Sound (Chase & Status + Rage, David Rodigan, Shy FX)" など世界中で話題になった【Red Bull Music Academy - Red Bull Culture Clash】Bristol大会において (Rsd + Pinch + SGT Pokes + Joker + Jakes + Chef + Riko Dan) "Subloaded Sound force" として、Winnerに輝いたのも記憶に新しい。レゲエ~ダブ~ジャングル~ドラムンベース~ダブステップのトップ・クリエーター/トップDJとして世界中に広がるこのシーンのリヴィング・レジェンド! 正真正銘、最新最核の現在進行形のブリストルサウンド!

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KURANAKA a.k.a 1945
(Zettai-Mu, Japan)

11の顔と1000の腕を駆使し日本中のアンダーグラウンドから革命の狼煙を上げ続ける絶滅危惧種の野生の日本人。開放的な上物と相まって叩き打つリズム、体中を行き来する超重量級ベース、フロアを狂喜乱舞させる獣の様なダブ・エフェクト!! 20年以上にわたって日本のダンス・クラブ・シーンの最前線で活動する。Dub、Jungle、Drum & Bass、Dubstepと呼ばれるUK Sound systemミュージック、そして日本のDeepサイド・ミュージックのパイオニア。
今年で21年を迎える日本唯一のロングラン・パーティ「Zettai-Mu」(大阪Bay Side Jenny、梅田Noon、難波Rockets、新宿/恵比寿Liquidroom、代官山Unit、Yellow、Eleven、代官山AIR、渋谷Asiaなど)をはじめ、近年盛り上がりを見せるBass music partyの最高峰「Outlook Festival Japan」そして13年にはAsia初となる「Sonar Music Festival」の国外サテライト・イベント「A Taste of SONAR」の主催者でもある彼は日本初の野外フェスティヴァル・レイヴ「Rainbow 2000」をはじめ、3度の「FUJI ROCK FESTIVAL」「朝霧JAM」「METAMORPHOSE」「Outlook Festival」「Saturn」「Earth Dance」「明宝 Reggae Festa」「渚音楽祭」「舞音楽祭」といった屋内外のフェスティヴァルにヘッドライナーとして出演。シーンの草分け「Drum & Bass Sessions」や 東京アンダーグラウンド・ビーツ最前線「Tight」などのレジテンツ、和太鼓チームとのコラボレーション、DRY & HEAVYのヴォーカルAO INOUEをフィーチャリングしたステージや、REBEL FAMILIA / DRY & HEAVYのベーシストAkimoto "Heavy" Takeshi、BOREDOMSのE-DA、アコーディオン奏者COBAとのセッション、古くはディジュリドゥ奏者GOMAをフィーチャリングして「Rainbow 2000」「FUJI ROCK FESTIVAL」「METAMORPHOSE」といったフェスティヴァルに出演、近年は日本のレゲエ・オリジネーターMUTE BEATのリーダー、こだま和文とのライヴ・セットでの活動や、Shing02との同期コンビでふたつの国際芸術祭(2014年ヨコハマトリエンナーレ、2015年KYOTO PARASOPHIA)1年にわたり繰り広げられたステージを飛び出し観客と深化させる問題作『日本国憲法』がリリースされるなどジャンルや時代の垣根を越え様々なシーンの最前線で活動する。「海底2万マイル ZETTAI-MU 丸腰でトライするエンタープライズ ゼロ足しても掛けてもゼロ」THA BLUE HERBのBOSS THE MCが歌っているように、シーンを底の底で牽引する日本のSUB CULTURE界のラスボス。
20年以上もの間、年間100本近いギグをおこない、これまでに日本・アジア・UK・ヨーロッパなど40回以上のツアー行脚を行っている彼は、LEE PERRYの来日ツアーをはじめ、JAH SHAKA、LKJ、DENNIS BOVELL、ADRIAN SHERWOOD、ABA SHANTIといったRoots Reggae / Dubの来日公演から、世界最大のサウンドクラッシュ「Red Bull Culture Clash」においてGrand Winnerに輝いたRebel SoundのSHY FXをはじめ、CONGO NATTY、RONI SIZE REPRAZENT、ANDY C、DEGO、The BUG、MALA (DMZ)などのJungle / Drum and Bass / Dubstepのアクト、グラミー賞5冠制覇のDAFTPUNKの初来日、UnderworldのDERREN EMERSON、近年にはJAMES BLAKEの初来日公演のACTも務める。またカリフォルニアのFLYING LOTUS、NY・ブルックリンの COMPANY FLOW、AESOP ROCK、NINJA TUNEといったHipHop / Beats系、国内では「HAPPERS ALL STARS (Audio Active. Dry & Heavy. Tha Blue herb. 1945)」での全国ツアーや、BOREDOMSのツアー、THA BLUE HERB、REBEL FAMILIA (GOTH-TRAD + HEAVY)、OKI DUB AINU BAND、O.N.O、QUIETSTORMなどとツアーをおこなっている。
初期のリリースはMOUという名義で (w/ NHK Koyxen) ドイツの名門〈MILLE PLATEAUX (ミルプラトー) 〉よりABSTRACT HIPHOPの先駆け『ELECTLIC LADY LAND』などにDJ SPOOKYやDJ VADIM、TECHNO ANIMAL (THE BUG) などと並びクレジットされている。またコンピレーション『響現』や〈CISCO Records〉よりDRY & HEAVYのベーシストAKIMOTO "HEAVY" TAKESHIをフィーチャリングした楽曲をリリースしている。1945名義では『TIGHT』シリーズのMIXを〈煙突レコーディングス〉よりリリース。リミキサーとしてもAudio ActiveのRemixを〈On-u sound〉よりリリース。REBEL FAMILIA、ORIGINAL LOVEなどの作品を解体~再構築し、ロンドンICAなどでのコンテンポラリー・アート・ショウや、アメリカはネバダ州Burning Manでのプロジェクトに楽曲を提供するなど活動は多岐にわたる。そしてJungle~D'N'B黎明期の片仮名「クラナカ」という名義ももちろん彼であり、世界中で愛用されているKORG「KAOSS PAD」Delay + Reverbe + Sirenが、彼のプレイからヒントを得て開発されたことはあまり知られていない。
強力なビートに乗るメッセージは、そのしっかり踏みしめた両足にのみ伝わる。繊細だが力強く感じ取れる「今まで」「今」そして「これから」へ、貴方が必要とする瞬間、一人ではたどり着けない場所に向かって、現代の太鼓打ちは今日も何処かで大きくバチを振る。

Shobaleader One - ele-king

 べつにゴリラズに刺戟されたわけではない、のだろう。2010年代以降のスクエアプッシャーの作品のなかでいちばんおもしろいアルバムは、「架空のバンド」をコンセプトにした『d'Demonstrator』(2010年)である。その前の年には6弦ベース1本による即興ライヴのアルバムをリリースしていたので、ふむふむその次はバンドか、新しい方向を模索しているなーと当時はわくわくしたものだが、いざリリースしてみたらあまり反応がよくなかったのか、それともすぐに飽きてしまったのか、いずれにせよその後「ショバリーダー・ワン」という名前を耳にすることはなかった……昨年までは。
 近年はロボットのプロデューサーを務めたり独自のソフトウェアを開発したり、国民投票の後にはブレグジットに抗議する新曲を公開したりしていたスクエアプッシャーだけれど、そんな彼がふたたび「ショバリーダー・ワン」という名前を掲げて帰ってきた。

 はい。往年のファンならもうおわかりだろう。「Big Loada」の1曲目である。垂涎とはまさにこのことで、公開されたトラックリストを眺めていると、他にもズラリと往年の名曲たちが並んでいることに驚く。スクエアプッシャー率いるバンドによるスクエアプッシャーのカヴァー集、という感じなのだろうか。
 期待のアルバムは3月8日に日本先行でリリースされる。それにあわせて、4月には来日公演も開催される。正直に言って、楽しみでしかたがない。

STROBE NAZARD / SQUAREPUSHER / COMPANY LASER / ARG NUTION

スクエアプッシャー率いる超絶技巧バンド、ショバリーダー・ワン
デビュー・アルバム『Elektrac』の日本先行リリース&来日ツアーを発表!
数量限定Tシャツ付セットの販売も決定!

昨年末にワールドツアーが発表され、アルバムの存在をほのめかすトレーラー映像とともに、本格始動が明らかになったショバリーダー・ワン。驚くなかれ、その正体こそ、スクエアプッシャー率いる超絶技巧バンドである。SQUAREPUSHER(ベース)、ARG NUTION(ギター)、STROBE NAZARD(キーボード)、COMPANY LASER(ドラム)の覆面の凄腕4人で構成された彼らのデビュー・アルバム『Elektrac』は、スクエアプッシャーの数々の名曲たちに生演奏の迫力を加えた驚きの内容。今回の発表に合わせ、ファン垂涎の名曲「Journey To Reedham」の音源が公開された。

Shobaleader One - Journey To Reedham
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=IXtQDsf4gJA
Apple Music: https://apple.co/2k2f9PG
Spotify: https://spoti.fi/2jzvZc0

Shobaleader One - SHBLDR Album Teaser
https://youtu.be/m-cSYexUKRI

本作『Elektrac』は、3月8日(水)に日本先行でリリースされ、国内盤2枚組CD(ブックレット付の特殊パッケージ)には、オリジナルのシースルー・ステッカーが封入される。またスペシャル・フォーマットとして数量限定のTシャツ付セットの販売も決定!


セットTシャツ


CD+Tシャツ・セット


オリジナル・シースルー・ステッカー

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完売必至の来日ツアー決定!!

さらに、そんな彼らの超絶テクを堪能できる来日ツアーも決定! スクエアプッシャーの初期作品を中心に、ジャズ~フュージョン~ドラムンベース~エレクトロニカを横断する超刺激的なライブは、スクエアプッシャー・ファンならずとも必見! サポートアクトには、昨年のプライマル・スクリームの来日公演でも、メンバー直々の指名でオープニングアクトの大役を果たすなど、世界中のロック~アンダーグラウンド・ヒーロー達に愛される、オルタナ・ガールズ・バンド、にせんねんもんだいが決定。来週1月25日(水)より、Beatink on-line shop “beatkart”にて、全公演のチケット先行販売開始!

SUPPORT ACT
にせんねんもんだい

東京公演
4/12 (WED) 渋谷 O-EAST
OPEN 18:30 / START 19:30
前売TICKET ¥6,000 (税込・1ドリンク別途)
主催: シブヤテレビジョン
INFO: BEATINK 03-5768-1277 [ www.beatink.com ]

● BEATINK WEB SHOP "beatkart":1/25(水)~ [ shop.beatink.com ]
● イープラス最速先行(抽選):1/19(木)21:00 ~ 1/24(火)23:59
● チケットぴあ先行:1/25(水)11:00~1/30(月)11:00
● イープラス・プレオーダー(先着):1/28(土)12:00~2/1(水)18:00"

名古屋公演
4/13 (THU) 名古屋 CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:30
前売TICKET ¥6,000 (税込・1ドリンク別途) ※未就学児童入場不可
INFO: 名古屋クラブクアトロ 052-264-8211 [ https://www.club-quattro.com/ ]

● BEATINK WEB SHOP "beatkart":1/25 (水)~ [ shop.beatink.com ]
● QUATTRO WEB先行:1/28 (土) 12:00~1/30 (月) 18:00 [ https://www.club-quattro.com ]
● 各PG先行:1/28 (土) 12:00~1/30 (月) 18:00

大阪公演
4/14 (FRI) 梅田 CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:30
前売TICKET ¥6,000 (税込・1ドリンク別途) ※未就学児童入場不可
INFO: SMASH WEST 06-6535-5569 [ https://smash-jpn.com ] [ https://smash-mobile.com ]

● イープラス最速先行受付:1/20 (金) 12:00~1/25 (水) 23:59 [ https://eplus.jp/shobaleader-one/ ]
● QUATTRO WEB先行:1/21~1/23
● イープラス・プレオーダー:1/28~2/1

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スクエアプッシャー率いる超絶技巧バンド、ショバリーダー・ワンのデビュー・アルバム『Elektrac』は、3月8日(水)に日本先行リリース! 国内盤2枚組CD(ブックレット付の特殊パッケージ)には、オリジナルのシースルー・ステッカーと解説書が封入される。iTunesでアルバムを予約すると、公開された「Journey To Reedham」がいちはやくダウンロードできる。

label: Warp Records / Beat Records
artist: Shobaleader One ― ショバリーダー・ワン
title: Elektrac ― エレクトラック

cat no.: BRC-540
release date: 2017/03/8 WED ON SALE(日本先行発売)
初回生産特殊パッケージ
国内盤2CD:オリジナル・シースルー・ステッカー/解説書 封入
定価:¥2,500+税

【ご予約はこちら】
CD
beatkart: https://shop.beatink.com/shopdetail/000000002134
amazon: https://amzn.asia/e5z41Uv
T-SHIRTS SET
beatkart: https://shop.beatink.com/shopdetail/000000002135
amazon
Sサイズ:https://amzn.asia/bbgvNip
Mサイズ:https://amzn.asia/j4w010R
Lサイズ:https://amzn.asia/37Gwzdt
XLサイズ:https://amzn.asia/6K2McNr

iTunes Store: https://apple.co/2jzwuDa

商品詳細はこちら:
https://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Squarepusher/BRC-540

Tracklisting
Disc 1
01 The Swifty
02 Coopers World
03 Don't Go Plastic
04 Iambic 5 Poetry
05 Squarepusher Theme
Disc 2
01 E8 Boogie
02 Deep Fried Pizza
03 Megazine
04 Delta-V
05 Anstromm Feck 4
06 Journey To Reedham

Dirty Projectors - ele-king

 いやー、これはヤバいでしょ。先日新曲“Little Bubble”を公開したばかりのダーティー・プロジェクターズですが、このたび4年ぶりとなるアルバムのリリースがアナウンスされました。同時に新曲“Up In Hudson”も公開されています。

 セルフタイトルの新作『Dirty Projectors』は海外で2月10日に、日本では2月24日にリリースされます。アルバムにはソランジュやタイヨンダイ・ブラクストンが参加。昨年公開された“Keep Your Name”からして尋常ではなかったけれど、ダーティー・プロジェクターズ、これは一皮向けましたね。いやー、繰り返すけれどこれはヤバいでしょ。
 今年ははやくもザ・エックス・エックスが年間ベスト候補となるような力作をリリースしていますが、すでに公開されている曲を聴くかぎり、ダーティー・プロジェクターズの新作もかなりすごいことになっているのではないでしょうか。いやがうえにも期待が高まります。

進化したダーティー・プロジェクターズ、約4年振りのセルフタイトルの新作をリリース!

2002年に結成。今まで7枚のアルバムをリリースし、Hostess Club Weekenderやフジロック、朝霧ジャムなどの日本のフェスにも数多く出演してきたダーティー・プロジェクターズ。
国内外で絶賛されバンドの最高傑作とも言われる前作『スウィング・ロー・マゼラン』から4年……2012年にツアーを終えた後失恋を経験したデイヴ。心身ともに疲弊し、音楽に対するモチベーションを完全に失ったが、ポール・マッカートニー、カニエ・ウェスト、ソランジュ、ジョアンナ・ニューサムなど様々なアーティストのアレンジや作曲、プロデュースを通して音楽への熱意を取り戻し、新たなダーティー・プロジェクターズのサウンドを発見した。
そしてリリースされる新作ではデイヴ本人が作曲、プロデュースを自ら手がけ、ソランジュやタイヨンダイ・ブラクストンなど豪華ゲストが参加! インディー・ロック、R&B、エレクトロニック、ジャンルの枠を超えた新たな傑作が誕生!

artist: Dirty Projectors / ダーティー・プロジェクターズ
title: Dirty Projectors / ダーティー・プロジェクターズ
label: Domino / ホステス
release date: 2017/02/24

[Tracklist]
01. Keep Your Name
02. Death Spiral
03. Up In Hudson
04. Work Together
05. Little Bubble
06. Winner Take Nothing
07. Ascent Through Clouds
08. Cool Your Heart
09. I See You

※日本盤はボーナストラック、歌詞対訳、ライナーノーツ付(予定)

https://hostess.co.jp/releases/2017/02/HSE-1174.html

宇多田ヒカル × KOHH - ele-king

 宇多田ヒカルが、昨年リリースしたアルバム『Fantôme』収録の“忘却 featuring KOHH”のMVを公開した。KOHHが参加したことで大きな話題を集めた同曲だけど、決して派手なトラックというわけではなかったので、てっきりアルバムの中の1曲として静かに語り継がれていくことになるのだろうと思っていたら、しっかり映像まで作ってくるとは……宇多田、おそるべし。しかもなんと、同ヴィデオの監督を務めているのはヤイエルのVJでもある山田健人なのである。宇多田、おそるべし。


Plaid - ele-king

 これは嬉しいプレゼントです。UKを代表するIDMのベテラン・デュオ、プラッドがフリー・シングル「Bet Nat」をリリースしました。今回のリリースは1月18日よりはじまったかれらの北米ツアーを記念したもので、“Bet”と“Nat”の2曲が公開されています。どちらも無料でダウンロードすることが可能。ダウンロードはこちらから。

PLAID & THE BEE US TOUR DATES 2017

Tickets available at plaid.co.uk

JANUARY
18 – Washington, DC @ U Street Music Hall
19 – Cambridge, MA @ The Sinclair
20 – Montreal, QC @ Fairmount Theater
22 – Philadelphia, PA @ Underground Arts
25 – Toronto, ON @ Velvet Underground
26 – Chicago, IL @ Lincoln Hall
27 – Brooklyn, NY @ Music Hall of Williamsburg
28 – Denver, CO @ Larimer Lounge
31 – Los Angeles, CA @ Teragram Ballroom

FEBRUARY
02 – Portland, OR @ Holoscene
03 – San Francisco, CA @ The Independent
04 – Austin, TX @ Empire Garage

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