1995年に〈Transonic〉からの名盤『Circumstances Victimization』で知られるキング・オブ・オーパス、ダブ+ヒップホップ+エキゾティカ+テクノ+パンクというか、いかにも当時の日本らしい、いろんなものをいっぺんに吸収した独自のハイブリッド感覚はいまもって語り継がれている。メンバーの酒井が伝説のクラブZOO〜SLITSの従業員だったこともあって、当時の東京アンダーグラウンドのごちゃ混ぜ感がほど良い密度で表現されているからだろう。つまりここには、客わずか2〜3人を前にやっていた頃のフィッシュマンズやキミドリなんかの記憶もどこかに刷り込まれているのだ。
この度、キング・オブ・オーパスの2007年に静岡FreakyShowでおこなったライヴがCD化され、リリースされた。ロスアプソンと和レアリックの拠点、ココナッツディスク江古田での限定リリース(オンラインでも買えます)。
ちなみに静岡のライヴは、地元で長年テクノ・シーンを支えているDJ KATSU主宰のイベントで、ライヴ盤の冒頭にはDJ KATSUといまは亡きA&Rマン村上護氏とのバカ笑いが入っている。奇しくも、これは石原洋氏のソロ・アルバムと同じことがおきていて、人びとの雑談の向こうから聞こえるロービートは意味を持って聞こえてくるかもしれない。ロボ宙のラップはいつ聴いても格好良く、これは渋谷系レネゲイド・サウンドウェイヴだったのでないかと思えてもくる。
キング・オブ・オーパスの『LIVE MIX 2007』は静かなリリースではあるが、じつは素晴らしいリリースで、彼らが、90年代の日本のインディ・シーンにおける重要なアクトであったことをあらためて証明している。
artist: KING OF OPUS
tittle: LIVE MIX 2007
sub tittle: think about TAD
価格¥1200-