「K A R Y Y N」と一致するもの

 日本にもアンビエントに特化したフェスティヴァルがある。山梨県北杜市のキャンプ場で3日間にわたって開催される〈Off-Tone 2023〉がそれだ。
 森のなかでゆったりとアンビエントを満喫するというこのフェスは、コンセプトもロケーションも最高だが、出演者たちの顔ぶれも面白い。ヴィジブル・クロークスとのコラボレーションで、若い世代にもその名が知られた尾島由郎&柴野さつき、あのタージ・マハル旅行団にも参加していた長谷川時夫によるSTONE MUSIC、そして日本のアンビエント史における金字塔イノヤマランドといったリジェンドたちに混じって、スガイケンやKaito、Miki Yui、井上薫、Chee Shimizu、Tomoyoshi Date等々。サイケデリック・ロックの申し子、ヤマジカズヒデの出演も興味深い。主催側が、この音楽をほんとうに好きでやっていることが伝わってくる。じつはこのフェス、10年以上前からずっと続いている。ジャンルを横断しながら横になって聴く楽しみを拡張するという、90年代のレイヴ・スピリッツを継承し、着実にその支持を集めてきているのだ。今回はコロナ禍で3年の中断明けの再開。かつてザ・KLFの『チルアウト』のなかの「アンビエント・ハウス宣言」に記されたように、それは「風を愛し、星々に語るだろう」。ぜひぜひチェックしてください。

 アンビエント・ミュージックのレーベル運営・イベント制作を行うOff-Tone(オフトーン)は、2023年10月13日(金)から10月15日(日)の3日間、「べるが 尾白の森キャンプ場(山梨県北杜市白州町)」にて、アンビエントミュージック・環境音楽・サウンドアートにフォーカスした野外イベント「CAMP Off-Tone」を開催します。
 日本のアンビエント・ミュージック黎明期より活動を行う伝説的なアーティストの他、さまざまなバックボーンを持った日本を代表する音楽家が集い、山梨県甲斐駒ヶ岳のふもと、日本有数の名水をはぐくむ白州の森の中で、この日この時だけの特別な音楽を奏でます。音楽と森の音を聴き、感じ、考え、ゆっくりと眠る3日間をお楽しみください。
 イベントでは各アーティストによるライブやDJパフォーマンス、サウンドインスタレーションの他、キッズワークショップ、イベントのテーマに沿った本を読める移動図書館、地域の食を楽しむフードエリアも出現します。

イベント名称:CAMP Off-Tone 2023
開催期間:2023年10月13日(金)~10月15日(日) 
(10/13 15:00 開演、10/15 17:30終演)
開催場所:べるが 尾白の森キャンプ場
イベントホームページ:https://www.offtone.in/camp/

チケット販売サイト(入場券、駐車券、キャンプサイト・オートキャンプ・バンガロー)
直販:https://pucatronictv.official.ec/categories/5299307
ZAIKO:https://zaiko.io/event/357888

出演者:
Atoris, Ayami Suzuki, DJ蟻, Chee Shimizu, 今西紅雪, INOYAMALAND, Kaoru Inoue, KAITO aka Hiroshi Watanabe, KOSS aka Kuniyuki, Miki Yui, MINGUSS, Matsusaka Daisuke, Moshimoss, SUGAI KEN, Sound Furniture, STONE MUSIC(長谷川時夫 / タージ・マハル旅行団), Tomo Takashima, Tomoyoshi Date, ヤマジカズヒデ+NARASAKI, 塩尻寄生, 尾島由郎&柴野さつき, 小久保隆+楯直己 

【Webページ】 https://www.offtone.in/camp/


尾島由郎&柴野さつき


イノヤマランド


Miki Yui


ヤマジカズヒデ
 
新機軸となるステージやビジュアルデザイン
 ステージデザインや会場全体の演出に、日本科学未来館やタイのWonderfruit festivalなどを手掛ける建築家の遠藤治郎を迎え、立体音響なども組み込みながら、さまざまな境界を曖昧にする新たな演出で、フェスの常識に新たな挑戦をします。メインビジュアルとなるアートは、生活芸術家の檻之汰鷲による木彫のコラージュ作品。フライヤーなどのグラフィックデザインはAtorisのメンバーで、Kankyo Recordsなど、アンビエントシーンの重要なデザインを手掛ける大澤悠大が担当し、新たなCAMP Off-Toneのイメージを作り出しています。

開催地域への理解を深めてくれる美味しい料理が集結!
 フードエリアでは、会場のある北杜市や山梨県を中心とした店舗が出店します。 一方、地域外のお店も地元食材を使用したメニューがラインナップされ、イベント参加者は自然の中で音楽を楽しみながら開催地域の美味しさも感じることができます。Off-Toneは、美味しく食べる中で地域理解にも興味を持つことができる、食と音による地域との連携を実施します。

 韓国のハードコア・シーンを先導するソウルのバンド、SCUMRAID。そのドラマーである JUYOUNG が楽器をギターに持ち替えヴォーカルも担当、東京のガレージ・シーンで活躍するドラマー YAKUMO(MAGNATONES/TOKOBLACK)とともに結成したバンドが THE VERTIGOS だ。新ベーシスト Sako を迎えて完成させたファースト・アルバム『LIVE TODAY ONLY』が今週発売されている。疾走感あふれるパンク・サウンドに注目しよう。

THE VERTIGOS 待望の1st アルバムが本日遂にリリース!!

韓国HARDCOREバンドSCUMRAIDのドラマー JUYOUNG(Vo/G)、東京GARAGEシーンでMAGNATONES・TOKOBLACKでも活動しているYAKUMO(Dr)が中心となり結成されたTHE VERTIGOSが新ベーシストSakoを迎え入れ、1st Album『LIVE TODAY ONLY』を本日リリース!

コロナ禍に曲を創作し2019年に発売し評判となった1st シングル盤を完売させて以来のリリースとなる今作は、ドライブ感が増しよりパワーアップした作品となっております!

[THE VERTIGOS - LIVE TODAY ONLY Official Teaser]
https://youtu.be/lwa-283kUIA

[Streaming/Download/Order]
https://p-vine.lnk.to/581pMM

[リリース情報]
アーティスト: THE VERTIGOS
タイトル:LIVE TODAY ONLY
フォーマット:CD/LP/DIGITAL

CD:
発売日:8月16日
品番:PCD-25370 
価格:¥2,500+税

LP:
発売日:2024年1月24日
品番PLP-7678 
価格:¥3,980+税

[収録曲]
Live today only
I don’t mind
Stuck
Tiger fur
Picky
Focus on yourself
Out of my head
꿈이야 생각하며 잊어줘 (Forget me as if it was a dream)
Unseen world
Something to me

Chihei Hatakeyama - ele-king

 00年代後半以降の日本のアンビエントを代表するアーティストのひとり、畠山地平が新作を発表する。題して『Hachirogata Lake』、秋田の八郎潟がテーマだ。リリース元の〈Field〉はオランダのレーベルで、水をめぐる人類の歴史を扱うシリーズを展開しており、以前は SUGAI KEN の『Tone River(利根川)』を出してもいる。今回畠山はどのようなアプローチを試みているのか──じっさいに八郎潟周辺でフィールド・レコーディングをおこなったそうで、楽しみです。

日本を代表するサウンドアーティストChihei Hatakeyama(畠山地平)が秋田の「八郎潟」を題材にしたニューアルバムをオランダのField Recordsよりリリース。

[商品情報]
発売日 : 2023年9月1日
アーティスト: Chihei Hatakeyama
タイトル : Hachirogata Lake(八郎潟)
フォーマット : LP / デジタル配信
品番 : FIELD33
レーベル : Field Records(オランダ)
https://fieldrec.bandcamp.com/

[トラックリスト](全9曲)
1. 池のほとり / By The Pond
2. 水に鳥 / Water And Birds
3. 湖畔 / Lakeside
4. 遠景 / Distant View
5. 桟橋 / Pier 02:30
6. 夕暮れ / Twilight 05:48
7. 川の魚 / Fish Flying In The River
8. 風と水 / Lake Swaying In The Wind
9. 夜の虫 / Insects Chirping At Night
https://chiheihatakeyama.bandcamp.com/album/hachir-gata-lake

[アルバム紹介]
オランダの電子音楽レーベルField Recordsによる、日本とオランダが共同で行った水管理の歴史を探求するシリーズより、SUGAI KENの『Tone River(利根川)』(2020)に続き、畠山地平が秋田県の八郎潟を題材にしたアルバム『Hachirogata Lake(八郎潟)』をリリースする。

かつては日本で2番目に大きな湖であった八郎潟は、第二次世界大戦後、オランダ人技師Pieter JansenとAdriaan Volkerの協力を得て、政府が大規模な干拓工事を行い、1977年の工事完了後、干拓地が八郎潟の面積の80%を占めるようになった。その結果、周辺地域から植物が繁殖し、鳥類をはじめとする野生生物の種類も増え、新たな生態系が確立された。

畠山は、このユニークな題材にアプローチするため、八郎潟周辺の排水路、大潟橋、草原保護区などでフィールドレコーディングを行った。サンプリングした素材の繊細さから、ドローンのような響きの合成音や物憂げなギターの壮大な広がりに至るまで、八郎潟周辺の環境を反映すると同時に、リスナーの心の目に様々な想像の情景を映し出すサウンドスケープを作り出している。

Kranky、Room40、White Paddy Mountainなどのレーベルから数々のソロ作品をリリースしてきた畠山の熟練したサウンドに水という題材が自然と溶け込んでいる。

協力 : 駐日オランダ王国大使館

[Chihei Hatakeyama プロフィール]
1978年生まれ、神奈川県出身、東京在住の電子音楽家。2006 年にKranky より1st ソロ・アルバム『Minima Moralia』を発表。以降、デジタル&アナログ機材を駆使したサウンドで構築するアンビエント・ドローン作品を世界中のレーベルからリリース。そのサウンドはリスナー個々人の記憶を呼び覚まし、それぞれの内的なストーリーを喚起させる。2013年より音楽レーベル『White Paddy Mountain』を主宰。2023 年には音楽を担当した映画『ライフ・イズ・クライミング!』が公開。近年は海外ツアーにも力を入れており、2022 年には全米15箇所に及ぶUS Tourを敢行した。また、マスタリングエンジニアとしても活躍中。

Klara Lewis & Nik Colk Void - ele-king

 クララ・ルイスの音は、いつも流動的な、不定形な魅力を放っている。形式が定まる前に形が溶け出し、また別のカタチへと変化するようなノイズと音響なのである。そこでベースになっているのが音のループだ。音と音をコラージュし、ループする。そのコンポジションはクライマックスを目指して構成されるというよりは、霧や空気の中に溶けていってしまうような質感を生んでいる。ループを多用した「アンチ・クライマックスなサウンドコラージュ/エクスペリメンタル・ミュージック」とでもいうべきか。ルイスのサウンドには催眠効果があるというか、どこか夢の中を漂うような感覚がある。

 ルイスのそのようなサウンドの特質は、〈Editions Mego〉からリリースされた初期の2作『Ett』(2014)、『Too』(2016)の頃から変わっていない(この二作は音のコンポジション/コラージュの絶妙さという意味で、10年代のエクスペリメンタル・ミュージックを象徴するような作品ではないかと私は考えている)。
 ルイスの音の魅力を知るには、このオリジナル・アルバム以上に、2021年に〈Editions Mego〉からリリースされたライブ音源『Live In Montreal 2018』をおすすめしたい。ライヴ録音ということもあってか空間に侵食するように構成される音のコラージュによるサウンドスケープが手にとるようにわかってくる。思わず「21世紀のシュールリアリスト」などと言いたくなってくるほどだ。
 コラージュ。霧のような音の質感。ループ。アンチ・クライマックス。これは2018年にリリースされたサイモン・フィッシャー・ターナーとのコラボレーション作品『Care』でも発揮されていた。まるでルイスの領域にごく自然に溶け込んでいくように、サイモン・フィッシャー・ターナーの音が音響空間の中に漂っていたのだ。当時聴いたときから不思議だったのだが、どうしてこんなことが可能なのか。「他」を「自身」の領域へと引き込ませる独自の技をルイスは持っているのだろうか。
 それは今年リリースされたクララ・ルイスとファクトリー・フロア、カーター・トゥッティ・ヴォイドの活動で知られるニック・コルク・ヴォイドとのコラボレーション・アルバム『Full - On』でも同様だった。リリースは、〈Editions Mego〉ではなく、ルーク・ヤンガー(ヘルム)が主宰するロンドンのエクスペリメンタル・ミュージック・レーベルの〈A L T E R〉からである。
 一聴すればわかるように本作でもクララ・ルイスの音響空間がいつの間にか、ニック・ヴォイドに浸透し、溶け合ってしまったかのようなサウンドスケープが生成されていた。加えてルイスの音にはなかったインダストリアルな重いビートが展開する曲もある。クララ・ルイスの「ループ感覚」とニック・コルク・ヴォイドの「インダストリアルなリズム/ビートの反復感覚」の相性はとても良いのかもしれない(むろん互いの「個」がぶつかるというよりは、それぞれの音が「溶けていく」ようなコンポジションがなされている)。激しいデジタル・ノイズは、ルイスの初期EP「Msuic」(2014)を思わせもした。『Msuic』はテクノの要素や声の要素など本作にも通じる点があるEPなのでいま聴き直すとちょうどよいだろう。

 本作『Full - On』には全17曲収められている。収録時間36分ということからもわかるように1曲は短い。そのぶんサウンドのヴァリエーションは豊富だ。まるでノイズ/電子音のオブジェを鑑賞するかのようなアルバムである。不安定なノイズが炸裂する1曲目 “Say Why”、声を加工した2曲目 “In Voice 1”、インダストリアルなビートがループする3曲目 “Junk Funk”、祝祭的なメロディが反復する4曲目 “Ski” までを一気に聴くと、このアルバムもまたループとノイズと霞んだ音色を多用した作品だと気が付くはずだ。
 注目すべきはアルバム中盤である。エレクトリック・ギターの音をコラージュしループさせる6曲目 “Guitar Hero”、変調した声を用いた7曲目 “In Voice 2”、声とノイズのフレーズをループさせるインダストリアルな8曲目 “Green”、80年代のポップスの一部分のようなサンプルのループに、重いビートが重なる9曲目 “Pop” までの4曲は、このアルバムの個性と本質を象徴している箇所といえる。そう、多様なサウンド・エレメントのループである。
 10曲目以降もサンプルとノイズを駆使したループ・アンサンブルを展開するが、曲調はより内省的にアンビエントなムードへと変化していく。14曲目 “Work It Out” では、曲の頭に激しいインダストリアルなリズムが打ち付けられるが、そのビートはノイズにすぐにかき消され、融解してしまう。15曲目 “Phantasy” でも曲の頭はオーセンティックな電子音楽のようなアルペジオを展開するが、これもすぐに音の霧の中に溶け込んでいってしまうのだ。リズムや反復音がアンビエント/アンビエンスの中に溶け込んでいってしまうのも本作の特徴といえる。

 ギター、シンセ、モジュラーシステムにサンプリングを駆使し、会話を重ねるように作り上げたというこのアルバムは、ふたりの個性が溶けあい、反復し、やがて逸脱し、新しい音響空間が生成しているような作品である。
 この不定形で、流動的な、形の定まらないノイズの反復にいつのにか聴き手である私たちも引き込まれていく。ルイスは音響は聴き手の意識にも浸透する。まるでこの世から異界に連れ出されていくうような感覚に満ちているのだ。
 アルバは、17曲目 “I'll Always” の加工された声による歌声のような曲で終わる。ノイズ/サンプルのループの横溢を経て、最後は変調された声によるアカペラのような曲で終わるわけだ。このアルバムでは「声」が要所要所でポイントになっていた。ノイズから声へ。見事なアルバムの構成だと思う。

 霞んだトーン。ノイズの横溢。インダストリアルもアンビエントもノイズもヴォイスも、すべてが溶け合いながら、つねに別の音響の形態へと変化していくような不可思議な音響世界がここにはある。まさにポスト10年代の先端音楽といえよう。

goat - ele-king

 ここ数日は台風のニュースにやきもきされている方も多いでしょう。このタイミングで、まさに2023年の台風の目となりそうな情報が入ってきました。
 紙エレ最新号にもインタヴューを掲載している大阪の日野浩志郎、日本が誇るこの至高の実験主義者を中心に結成されたリズム・アンサンブル、goatがサード・アルバム『Joy In Fear』をリリースします。前作『Rhythm & Sound』が2015年なので、なんと8年ぶりです。レーベルは、KAKUHAN の素晴らしいアルバムも出していた日野主宰の〈NAKID〉。アートワークは前回に引きつづき五木田智央が、デザインは真壁昂士が、録音は西川文章、マスタリングはラシャド・ベッカーが担当しています。全国ツアーに先がけまずはCDが発売、追ってLPも発売されるとのこと。
 あわせて、先日発表された初のツアーの詳細も告知されていますが……これがまたとんでもない面子が集結しています。絶対に見逃せない案件です。詳しくは下記をご覧ください。

大阪を拠点とする音楽家 日野浩志郎を中心に結成されたリズムアンサンブル「goat」が約8年ぶり、通算3枚目となるアルバム「Joy In Fear」の情報を発表した。日野が運営するレーベル「 NAKID」からのリリースとなり、アートワークは前回に続き五木田智央、録音は西川文章、マスタリングはRashad Beckerが担当した。
全国ツアーにて先行でCDが発売、LPも追って発売される。

【NKD09】goat - Joy in Fear artwork by Tomoo Gokita

goat - Joy In Fear
1. Hereafter
2. III I IIII III
3. Cold Heat
4. Warped
5. Modal Flower 6. Spray
7. GMF

Koshiro Hino - Guitar
Atsumi Tagami - Bass
Akihiko Ando - Saxophone
Takafumi Okada - Drums
Rai Tateishi - Percussion, Bamboo flute, Irish flute

NKD09
Composed by Koshiro Hino
Recorded, mixed by Bunsho Nishikawa *Recorded by Koshiro Hino (1st/7th track) Mastered by Rashad Becker
Recorded at ICECREAM MUSIC
Artwork by Tomoo Gokita
Designed by Takashi Makabe
Art direction by Yusuke Nakano
Published by Edition Golfen & Reiten / Freibank

結成10周年を記念とした初の国内ツアーを行うことは先日公開されたが、
goatが自ら主宰する 東京・京都公演の詳細がついに全貌が明らかになった。
東京公演は渋谷WWW X、京都公演は 会場であるロームシアター京都との共催で2日間に渡って開催される。

京都公演のDAY1(8/31)には東京都近代美術館での「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」にて行われたコラボレーションをきっかけとし、
現在までに継続して作品制作/ライブを行ってきた空間現代 ×吉増剛造、もはや説明不要なジム・オルーク 、石橋英子、
山本達久という三者によるカフカ鼾、 去年リリースされたデビューアルバムが海外を中心に絶賛された日野浩志郎と
チェリスト中川裕貴によるデュオKAKUHANが決定。

DAY2(9/1)には主催のgoat他、ミニマルダンスミュージック~クラウトロック~サイケデリックロックが混在した新作EP「家の外」で
独自の存在感をさらに強くした進化し続ける国内屈指のバンド OGRE YOU ASSHOLE、そして大名盤「幸福のすみか」の発売から25年、
BOREDOMSや想い出波止場などの山本精一と、アート・パンク・バンド、アーント・サリーの創設メンバーであり電子音楽ソロ等でも
世界的に賞賛を浴びるPhewによる伝説的なデュオが再び実現した。

東京公演(8/27)では先日ruralでのライブセットも大きな反響を呼んだPhewがソロで出演、加えて唯一無二のスタイルで
00年代のMCバトルシーンから台頭したラッパー鎮座DOPENESSの出演が決定。

因みに国内ツアーではニューアルバムに加え、真壁昂士デザインによるgoatの新Tシャツが販売される。

不屈のペーター・ブロッツマン - ele-king

 何年もの間、ペーター・ブロッツマンの来日は、四季の巡りのように規則的で、晩秋の台風が通り過ぎていくかのように感じられたものだった。彼には、どこか自然で率直なところがあり、それは嵐のように吹き荒れる叫びが、やがては柔和でブルージーな愛撫へと代わるような彼が創りだすサウンドのみならず、その存在自体についていえることだった。セイウチのような口髭、シガーをたしなむその印象的な風貌は人目を引き、無意味なことを許さない生真面目なオーラを纏っていた。ブロッツマンは、侮辱などは一切甘受しなかった。

 6月22日に82歳で死去したドイツのサクソフォン及び木管楽器奏者は、そのキャリアの多くの時間を、無関心とあからさまに辛辣な批評との闘いに費やした。若い頃には、ヨーロッパのジャズ界の伝統的なハーモニーと形式の概念を攻撃して憤慨させ、同時代のアメリカのアルバート・アイラ―やファラオ・サンダーズたちよりも先の未知の世界へと自らの音楽を押し進めた。ドン・チェリーが命名した「マシン・ガン」というニックネームは、1968年に発表したブロッツマンの2枚目のアルバムのタイトルとなり、フリー・ジャズの発展を象徴する記念碑的な作品となった。

 最初は自身の〈BRÖ〉レーベルから300枚限定で発売されたこのアルバムは、ヴェトナム戦争やヨーロッパを揺さぶった大規模な抗議活動など、当時の爆発的な雰囲気の世相を反映していた。アルバムではベルギーのピアニスト、フレッド・ヴァン・ホーフ、オランダのドラマー、ハン・ベニンクやイギリスのサクソフォン奏者エヴァン・パーカーを含む、世界のミュージシャンたちがキャスティングされていたが、『マシン・ガン』は明確にドイツという国の、ナチスについての恥とトラウマという過去を標的にしていたようだ。

 「おそらく、それが、このような音楽のドイツとそのほかのヨーロッパの演奏の響きに違いをもたらしているのかもしれない」とブロッツマンは、亡くなる数週間前の6月初旬にディー・ツァイト紙のインタヴューで語っている。「ドイツの方が常に叫びに近くて、より残忍で攻撃的だ」

 その叫びは、今後何十年にもわたり響き続けるだろう。その一方、彼のフリー・ジャズの同僚たちは、若くして死んだか、年齢とともに円くなっていったのに対し、ブロッツマンは以前と変わらぬ白熱した強度での演奏を続けた。それが彼の健康に相当な負担となり、最後の数十年には、生涯にわたって強く吹き続けたことで、呼吸器に問題を抱えるようになった。2012年のザ・ワイヤー誌のインタヴューでは「4人のテナー・サックス奏者のように響かせたかった……。『マシン・ガン』で目指したことを、いまだに追いかけている」と語っていた。

 そのサウンドは、直感的な反応を引き起こすようなものだった。2010年10月に、ロンドンのOtoカフェで彼のグループ、フル・ブラストを聴きに、彼についての予備知識のない友人を連れていった際、演奏開始の瞬間に彼女が物理的に後ずさりをした光景を思いだす。

 しかし、ブロッツマンの喧嘩っ早い大男という風評は、彼の物語のほんの一部に過ぎない。独学で音楽を始め、最初はディキシーランドやスウィングを演奏し、コールマン・ホーキンスやシドニー・ベシェなどのサクソフォンのパイオニアたちへの敬愛を抱き続けた。それらの影響は、『マシン・ガン』でも聴くことができる。ジャン=バティスト・イリノイ・ジャケーのホンキーなテナーや、初期のルイ・アームストロングの熱いジャズなどもそうだ。その凶暴性とともに、ブロッツマンは抒情的でもあり、スウィングもしていたのだった。

 このことは、背景をそぎ落とした場面での方が敏感に察することができるだろう。有名な例としては、1997年にドイツの黒い森にてベニンクと野外で録音した『Schwarzwaldfahrt』があるが、これは彼の生涯のディスコグラフィの中でももっとも探究的で遊び心のあるアルバムのひとつだ。ブロッツマンのキャリアの後期にペダル・スティール・ギタリストのヘザー・リーと結成した意外性のあるデュオも、多くの美しい瞬間を生み出した。彼の訃報に接し、私が最初に手を伸ばしたのは、このデュオにふさわしいタイトルをもつ2016年のアルバム『Ears Are Filled With Wonder(耳は驚きで満たされる)』 で、彼のもっともロマンティックなところが記録されている。

 ブロッツマンは、文脈を変えながら、自身の銃(マシン・ガン)に忠実でいるという特技を持ち合わせていた。そのキャリアを通して、1970年代のヴァン・ホーフとベニンクとのトリオから2000年代のシカゴ・テンテットなど、多数のグループを率いたが、目標を達成したと感じるとすぐにそこから手を引いてしまうのが常だった。2011年にオーストリアのヴェルスでのアンリミテッド・フェスティヴァルのキュレーションを担当した際には、当時の彼の活動の範囲の広さが瞬時にわかるような展開だった。彼はシカゴ・テンテット、ヘアリー・ボーンズとフル・ブラストとともに登場するだけでなく、日本のピアニストの佐藤允彦からモロッコのグナワの巨匠、マーレム・モフタール・ガニアまで、ヴァラエティに富んだミュージシャンたちとのグループで演奏した。(このフェスのハイライトは、5枚組のコンピレーション『Long Story Short』 に収録されており、最初から最後まで聴覚が活性化されるような体験ができるだろう)。

 ブロッツマンの日本のアーティストたちとのもっとも実りの多い関係が、彼自身と匹敵するぐらい強力なパーソナリティを持つ人たちとのものであったのは、至極当然である。私が思い浮かべるのは、灰野敬二近藤等則、羽野昌二そして坂田明だ。彼はまた、若い世代のマッツ・グスタフソンやパール・ニルセン=ラヴなど、彼のことを先駆者としてお手本としたミュージシャンたちをスパーリング・パートナーに見出した。セッティングがどうであれ、中途半端は許されなかった。

 「ステージに立つというのは、友好的な仕事ではない」と2018年のレッド・ブル・ミュージック・アカデミー・レクチャーで、ブロッツマンは語った。「ステージ上は、たとえ親友と一緒だとしても、闘いの場なのだ。戦って、緊張感を保ち、挑戦し、新しい状況が必要で、それに反応しなくてはならない。それが、音楽を生きたものにするのだと思う」

The indomitable Peter Brötzmannwritten by James Hadfield

For years, Peter Brötzmann’s visits to Japan felt as regular as the seasons, like a late-autumn typhoon rolling through. There was something elemental and earthy about him. It wasn’t just the sound he made – a tempestuous roar that could give way to tender, bluesy caresses – but also his presence. He cut an imposing figure, with his walrus moustache and penchant for cigars, his no-nonsense aura. Brötzmann didn’t take any shit.

The German saxophonist and woodwind player, who died on June 22 at the age of 82, spent much of his career battling against indifference and outright vitriol. As a young man, he scandalised the European jazz establishment with his assaults on traditional notions of harmony and form, pushing even further into the unknown than US contemporaries like Albert Ayler or Pharaoh Sanders. Don Cherry gave him the nickname “machine gun,” which would provide the title for Brötzmann’s 1968 sophomore album, a landmark in the development of free jazz.

Initially released in an edition of just 300 copies on his own BRÖ label, it was an album that captured the explosive atmosphere of the times: the Vietnam War, the mass protests convulsing Europe. Although it featured an international cast of musicians – including Belgian pianist Fred Van Hove, Dutch drummer Han Bennink and British saxophonist Evan Parker – “Machine Gun” also seemed to be taking aim at a specifically German target: the shame and trauma of the country’s Nazi past.

“That’s maybe why the German way of playing this kind of music always sounds a bit different than the music from other parts of Europe,” Brötzmann told Die Zeit, in an interview conducted in early June, just weeks before his death. “It’s always more a kind of scream. More brutal, more aggressive.”

That scream would continue to resound through the decades to come. Whereas many of his free-jazz peers either died young or mellowed with age, Brötzmann kept playing with the same incandescent force. This came at considerable cost to his health: during his final decades, he suffered from respiratory problems that he attributed to a lifetime of overblowing. As he told The Wire in a 2012 interview, “I wanted to sound like four tenor saxophonists... That’s what I was attempting with ‘Machine Gun’ and that’s what I’m still chasing.”

It was a sound that provoked visceral responses. I remember taking an unsuspecting friend to see Brötzmann perform with his group Full Blast at London’s Cafe Oto in 2010, and watching her physically recoil as he started playing.

However, Brötzmann’s reputation as a bruiser was only ever part of the story. A self-taught musician, he had started out playing Dixieland and swing, and he retained a deep love for earlier saxophone pioneers like Coleman Hawkins and Sidney Bechet. These influences are audible even on “Machine Gun”: you can hear the honking tenor of Jean-Baptiste Illinois Jacquet, the hot jazz of early Louis Armstrong. For all his ferocity, Brötzmann was lyrical and swinging too.

This was perhaps easier to appreciate in more stripped-back settings. A notable example is 1977’s “Schwarzwaldfahrt,” recorded al fresco with Bennink in Germany’s Black Forest, and one of the most inquisitive and playful albums in his entire discography. Brötzmann’s late-career duo with pedal steel guitarist Heather Leigh – an unlikely combination – also gave rise to many moments of beauty. When I heard about his passing, the first album I reached for was the duo’s aptly titled 2016 album “Ears Are Filled With Wonder,” which captures him at his most romantic.

Brötzmann had a talent for sticking to his (machine) guns while changing the context. He led many groups during his career, from his 1970s trio with Van Hove and Bennink to his Chicago Tentet during the 2000s, but would typically pull the plug on each of them as soon as he felt they had fulfilled their purpose. When he curated the 2011 edition of the Unlimited festival in Wels, Austria, it provided a snapshot of the extent of his activities at the time. He appeared with the Chicago Tentet, Hairy Bones and Full Blast, but also in a variety of other groupings, with musicians ranging from Japanese pianist Masahiko Satoh to Morocccan gnawa master Maâlem Mokhtar Gania. (Highlights of the festival are compiled on the 5-disc “Long Story Short” compilation, an invigorating listen from start to finish.)

It makes sense that some of Brötzmann’s most fruitful relationships with Japanese artists were with personalities as forceful as his own – I’m thinking of Keiji Haino, Toshinori Kondo, Shoji Hano, Akira Sakata. He also found sparring partners among a younger generation of musicians, such as Mats Gustafsson and Paal Nilssen-Love, who owed much to his trailblazing example. Whatever the setting, there was no excuse for half measures.

“Being on stage is not a friendly business,” he said during a Red Bull Music Academy lecture in 2018. “Being on stage is a fight, even if you stay there with the best friend. But you have to fight... You need tension, you need challenges, you need a new situation, you have to react. And that makes the music alive, I think.”

KODAMA AND THE DUB STATION BAND - ele-king

 待ってました御大、ハート・オブ・ダブ、ダブ・リジェンド・イン・国立、ミスター・サイレント・プレイヤー、ダブとトランペットとビールの芸術家、ペシミズムとロマンティシズムの複雑なかたまり、珠玉のメンバーが集う最高のレゲエ・バンドのひとつ、ザ・ダブ・ステーション・バンドをバックにトランペットを吹いて歌も歌う……
 KODAMA AND THE DUB STATION BANDのカヴァー・アルバムが出るとは、2023年の望外の僥倖なり。しかもライヴまで観られるのだからもう思い残すことはない。『COVER曲集 ♪ともしび♪』は10月4日発売。ライヴは9月27日と9月29日@立川A.A.カンパニー。さらに10月25日には、この春Kazufumi Kodama & Undefinedとしてすばらしいサイレント・ダブを響かせたWWWにも帰ってくる。かならず空けておきましょう。

元ミュート・ビートのこだま和文率いるKODAMA AND THE DUB STATION BAND。
そのライヴの定番となっているカヴァー曲の数々をスタジオ録音した待望のアルバム、10/4リリース!リリース記念ライヴも決定!

元ミュート・ビートのこだま和文(Tp/Vo)を中心に、HAKASE-SUN(Key/リトル・テンポ、OKI DUB AINU BAND等)、森俊也(Dr/ドリームレッツ、Matt Sounds等)、コウチ(B/やっほー!バンド、Reggaelation IndependAnce等)、AKIHIRO(G/ドリームレッツ、川上つよしと彼のムードメイカーズ、Matt Sounds等)という日本のレゲエ界を代表する面々が集い、そこに、在籍するバンド、ASOUNDでも注目を集めるARIWA(Tb/Vo)が加わったKODAMA AND THE DUB STATION BAND。

2019年にリリースした初のオリジナル・フル・アルバム『かすかな きぼう』がきわめて高い評価を受けた彼らが、ライヴでたびたび披露してきた、ファンの間ではもはやおなじみとなっているカヴァー曲の数々をスタジオ録音。
ついにリリースするカヴァー・アルバム。

反戦歌として有名な「花はどこへ行った」、「Fly Me To The Moon」「Moon River」といったスタンダード、こだまが作詞したチエコ・ビューティ・ヴァージョンでARIWAが歌う「End Of The World」、
こだまとARIWAの二人で歌う「You’ve Got A Friend」から、「Is This Love」「Africa」といったレゲエ・クラシックス、2021年にリリースし、話題となった「もうがまんできない」につづいてのカヴァーとなる、
盟友JAGATARAの「タンゴ」、ミュート・ビートの「EVERYDAY」、さらには「ゲゲゲの鬼太郎」の衝撃のダブ・ヴァージョン、こだまとARIWAの二人で歌うルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」まで、
ヴァラエティに富んだ選曲は、すべてこだま和文によるもの。

唯一無二のメランコリックな響きを湛えたこだまのトランペットを軸に、よりいっそう豊潤となった精鋭メンバーによるバンド・アンサンブルをもって、取り上げた楽曲に新たな息吹を吹き込んでいる。
「もうがまんできない」で第二期ダブステとしてははじめて正式に作品となったこだまの歌声も味わい深く、清々しく凛としたARIWAのヴォーカルも心地好い。
オリジナルとはまったく違う魅力を放つ楽曲の数々を存分に楽しんでほしい。

10月25日(水)に渋谷WWWにて、9月27日(水)と29日(金)に立川A.A.カンパニーにてリリース記念ライヴの開催も決定している。

《リリース情報》
アーティスト:KODAMA AND THE DUB STATION BAND
タイトル:COVER曲集 ♪ともしび♪
レーベル:KURASHI/P-VINE
商品番号:KURASHI-007
フォーマット:CD
価格:定価:¥3,300(税抜¥3,000)
発売日:2023年10月4日(水)

収録曲(オリジナル・アーティスト)
01. 花はどこへ行った(ピート・シーガー)
02. Is This Love(ボブ・マーリー)
03. Fly Me To The Moon(スタンダード)
04. Moon River(オードリー・ヘプバーン)
05. End Of The World(スキーター・デイヴィス)
06. EVERYDAY(ミュート・ビート)
07. Africa(リコ・ロドリゲス)
08. You've Got A Friend(キャロル・キング)
09. ゲゲゲの鬼太郎 (DUB)
10. タンゴ(JAGATARA)
11. What A Wonderful World(ルイ・アームストロング)
12. What A Wonderful World (Trombone Version)(ルイ・アームストロング)

《ライヴ情報》
KODAMA AND THE DUB STATION BAND
LIVE ♪September♪ 飛石2DAYS
公演日:9月27日(水)、9月29日(金)
会場:立川A.A.カンパニー
出演:KODAMA AND THE DUB STATION BAND
時間:開場19時 開演20時
料金:6,500円+1D
予約(8月10日20時より):
立川A.A.カンパニーホームページ
https://www.livehouse-tachikawa-aacompany.com/
『KODAMA AND THE DUB STATION BAND』予約専用コンタクトホームよりお一人様ずつお申込みください。
返信メールが届いた時点でご予約完了となります(返信は2、3日以内に連絡いたします。1週間が過ぎても返信がない場合は、お手数ですが菅原[09054193255]までご連絡ください。)
※両日とも10月4日発売のcover album♪ともしび♪の先行販売を予定しております。

公演日:2023年10月25日(水)
会場:渋谷 WWW
※詳細は後日発表

http://dubstation.tokyo

Haruna Yusa - ele-king

 先月、1年ぶりの新曲 “夏の雫” を発表したヴォーカリスト/鍵盤奏者の遊佐春菜。昨日新たな楽曲 “夜明けの夢” の配信が開始されている。

https://big-up.style/nk1y6kHfEA

 また、上記2曲を収める新作EPのリリースもアナウンスされている。オリジナル・ヴァージョンに加え、Eccy による “夏の雫” リミックス、Sugiurumn が遊佐をフィーチャした楽曲などを収録。島崎森哉主宰〈造園計画〉からの作品で注目を集めつつある新世代エレクトロニック・ミュージシャン、大山田大山脈による “夜明けの夢” のリミックスも気になるところです。カセット作品とのことなので、なくなってしまうまえにチェックしておこう。

遊佐春菜1年ぶりの新作をリリース! 
遊佐春菜をフィーチャーしたSugiurumn初の日本語シングル収録

10月13日発売
遊佐春菜 / 夏の雫 ep
KKV-156CA
カセット+DLコード
2,200円税込
2,000円税抜
「Cassette Store Day x Cassette Week 2023」参加作品

収録曲
Side A : 夏の雫、夜明けの夢、All About Z (Sugiurumn feat 遊佐春菜)
Side B : 夏の雫(Eccy Remix)、夜明けの夢(大山田大山脈Remix)、All About Z(YODA TARO Remix)

2022年、ソロとして2作目となるHave a Nice Day!のカバー・アルバム『Another Story Of Dystopia Romance』が大きな話題となった遊佐春菜。自身のバンドである壊れかけのテープレコーダーズをはじめHave a Nice Day!など多くのアーティストのサポート活動をしながら1年ぶりの新曲をリリース。
今回はレーベルメイトであるStrip Jointの名曲「Liquid」を日本語詞にして再構成、彼女のマジカルな声が夏の一瞬を切り取っている。

また日本のクラブ・シーンをリードしてきたハウスDJ Sugiurumn初の日本語シングルで遊佐春菜がシンガーとして抜擢、その楽曲「All About Z」とリミックス「All About Z(YODA TARO Remix)」も収録。
「All About Z」は劇作家、演出家である川村毅作、演出の同名舞台のテーマ曲を再構築した話題曲!
カップリングの「夜明けの夢」ではアンダーグラウンド・シーンで静かに話題となっている大山田大山脈によるリミックスを収録。

Terrace Martin - ele-king

 先月の小川さんのコラムでも最新作が紹介されていたテラス・マーティン。ジャズとヒップホップを横断するこのLAのプロデューサーによるデビュー・スタジオ・アルバム『3ChordFold』(2013)が、LPでリリースされることになった。ケンドリック・ラマー、スヌープ・ドッグ、アブ・ソウル、ウィズ・カリファと、ゲスト陣もかなり豪華な1作だ。
 また、このタイミングで来日公演も決定している。9月11~15日、詳しくは下記をご確認ください。

赤痢 - ele-king

文:水越真紀

 久しぶりに赤痢を聴いて思うのは、なんと楽しいバンドなのかということだ。ドラムとベースの、乗るものを決してうらぎらないおもったい確かさの上で好きなように不機嫌になり、照れ、言葉を駆使し、頭を痺れさせる赤痢の楽しさったらない。赤痢が何度も何度も発売され続けるのは、このリズム隊の心地よさと歌詞の古びなさのためだろう。
 ユーモアと切なさに満ちた歌詞はほとんど1分から2分という短い一曲でも同じフレーズの繰り返しが多い。つまり言葉を尽くして、言葉を駆使してストーリーや心情を語ったり、描写をするのではなく、ときには、あるいは多くは、メロディやサウンドに呼び覚まされたたとえば「死体こぼれ死体こぼれ」(“ベリー・グウ”)のような唐突な、「音」優先のフレーズは、それでも何かのイメージを映しながら、身体と心を揺さぶる。
 「うまいよこれほら食べてみて 愛してやまない理由がある 笑えない口で、はい、どーぞ 生きてりゃなんでも欲しくなる サバ、サバ、サバビアーン」(“サバビアン”)、「ひとつ食べたらばら色 ふたつ食べたらばば色 希望なんてないんだって チョッコレートブルース 欲望だけがあるんだって チョッコレートブルース」(“チョコレートブルース”)などが日常の些細なできごとのつぶやきなら、「にぎる万札 もらう給料 おきゅうりよ カツカツの生活にボーナスもらって夢見たことはお金返してすぐまた借りて まーた借りて」(“かつかつROCK”)も「ラリって吸ってラリって吸う もいちど教えてもいちど教えて はあほうらナッシングを抱く」(“デスマッチ”)、「頭をぶらぶら手足をぶら 体をスウィング 寄せては返すあなたの波 信じこむバカ」(“エンドレス”)もそうで、「ゆるんだネジをぐるぐる回して いやな時代ももうすぐ終わる」(“青春”)といった年齢に似合わないような、いや10代だからこそのニヒリズムも青春の日常のひとこまだ。と30年来のデフレ経済を生きてきた現代人は思うだろう。しかしこれが作られたのはデフレ世代が「夢見る」バブル経済期のことだと思い出せば、感じることは変わってくるのではないか。

 改めて「赤痢」というバンド名さえ新鮮に思える。たとえば赤痢が結成された時代とはスターリンがいて、アレルギーがいた日本だったと同時に、というより、ロンドンにザ・スリッツがいて、ベルリンにマラリア!がいた世界だった。「赤痢」が “夢見るオマンコ” を歌ってなんの不思議があったろうか。むしろ自然な流れではないか、ということが体験としてわかるコロナ禍後の世界だ。
 振り返られるときは赤痢結成前、つまり40年以上前ということになるが1981年辺り。西ベルリンのポスト・パンク・シーンではマラリア!という女性だけのポスト・パンク・バンドが活動していた。電子楽器を使ったサウンドは、初期衝動で発する新人バンドとは違っても、ふたつのバンドの野太く気だるい女性ヴォーカルを重ねてみたくなる。マラリアと赤痢──感染症の名前をバンド名につけることの不謹慎さと禍々しさ、それから細菌やウィルスという、我と世界の境界線で生き死にに関わる生命体、感染者への差別的視線などの数多くのイメージが、コロナ・パンデミックを過ごした直後の私たちには喚起される。そのマラリア!の少し前、ロンドン・パンク・シーンで女性性のモチーフを使い尽くしたバンド、ザ・スリッツも同時に思い出している。もちろん、赤痢のメンバーが高校時代にリリースしたデビュー・シングルに収録された “夢見るオマンコ” からのつながりでだ。
 かつてなら、その存在自体が悲劇性を帯びた憂い顔の女性歌手に、性的に際どい歌詞を歌わせて、そこに男にとっての夢のような寛容さや包容力を想定し、〈菩薩〉と崇めるやり方があった。ポスト・パンクの80年前後以降の、日本もまだ含まれていたはずだった「世界の変化」は、女性表現者が社会の男性性による有言無言有償無償の要請からいかに離れて、コントロールの主体を奪うことだった(たとえば1980年の山口百恵の結婚への、当時の同世代の女たちの失望感は、阿木耀子との共作で山口百恵がそれを成しうるかと思った矢先の、なんだか元の木阿弥のような決断に対してだった)。
 80年代といえばまだ「菩薩」的女性像や「女は子宮で考える」といった非科学的なファンタジーを男性中心のメディアが無邪気に広めていた頃で、京都のバンド赤痢が “夢見るオマンコ” をリリースした翌年、やはり京都の女子短大助教授だった上野千鶴子が『女遊び』(学陽書房)の巻頭に「おまんこがいっぱい」というエッセイを収録したことには、いまとなっては時代の曲がり角が見える気もする。が、当時実際には高校生バンドのデビュー・シングルとフェミニズムの第一人者となる学者のエッセイは無関係に、対象も意味も少し違うところに放たれた。
 20世紀の女性解放運動の後、ウーマンリブ(フェミニズム)が主流男性社会から疎んじられ、女性たち自身にさえ距離を取られてしばらく経った頃、上野千鶴子が『女遊び』の中でまだ衝撃を持って取り上げていたAV女優黒木香の脇毛を見せた演技など、露悪的で挑発的で爆発的な「女自身による」と限りなく思える程度の、女性身体の相対化が試みられていた。女の身体または身体性を売るとすれば、それはあくまでも女性自身であり、その表現が誰の期待に応えていなくても、というか、応えていなければいないほど、それは観客ともなる女性自身も含めた社会の要請に応えているということにもなった。これもひとつのマーケティングだとしても、そのことをもう現代の経済システムでは逃れられなくても、ひとりの人生を超えて、ずいぶんマシなことだと思う。しかしその試みは歴史を振り返れば、それほどうまく進まなかったように思う。特に日本社会での女性性や女性身体の表層にまつわる問題は、ただ「表現の自由」といったリバタリアニズムに乗っ取られているように思えるからだ。

 ところで私が赤痢を知ったのはファースト・アルバム『私を赤痢に連れてって』がリリースされた後だった(当アルバムは当時だけで5000枚以上の大ヒットになったという)。まず、あっけにとられたのは、アルバム・タイトルの大胆さとデザインのかわいらしさだった。これがいかに “でたらめさ感” (野蛮さ、大胆さ、不敵さといってもいい)を醸し出していたかについては、40年後のいまでは伝わりにくいものになっているかもしれない。言わずと知れた87年公開の日本映画『私をスキーに連れてって』のあまりにもシンプルなもじりを、公開数ヶ月後というこの速度でここまでベタにペーストした、そのあっけらかんとしたセンスにはいきなりクラクラした。当該映画はまさにバブル・カルチャー最盛期の、“映画” というよりCMに近く、すでにマーケティング重視で楽曲を作っていると公言していた松任谷由実による主題歌・挿入歌を含めて、完全なる広告代理店製のトレンディ・デート・ムーヴィーだった。その後、広告代理店文化がサブカルチャーの行き場をせっせと掠め取り、「作る部分」ではなく「売る部分」だけを国策化して中間マージン・ビジネスを確立してゆくハシリとなった。
 赤痢はそういう作品(言葉)を、逆張りや奇を衒ったふうでもなく、(おしゃれでもパンクでもない)素朴で可愛らしいデザインとともに世に出した。まるで本家の、スマートでポジティヴで快楽的で資本主義的な、大人や男といったすでにより権力を持っている人たちが引いた社会デザインそのものを、上空から見下ろすような視点が最高にサイコーだ。しかも、彼女たちが見下ろしていたのはそれだけではなくて、女性性や女性の身体性が当事者から切り離されて金儲けシステムの棚に載せられてしまうことと、同じシステムが最もコストパフォーマンスがいいと判断した若さや姿形、軽妙さやコミュニケーション手法が同じようにジャッジされ、「プロデュース」されるという社会システム上の同じ問題をも眼下の視野に入れていたことは、これを40年後のいまに持ってきてもなお刺激的だ。

 ともかく、高校生の赤痢のデビュー・シングルはそういう時代にリリースされた。「夢見るオマンコ」という単語の組み合わせのなんと愛らしいことか。ティーンエイジャーの性や性行為への距離感の、リアリティのある幸福さが現れている。しかし親しみやすくポップなメロディに乗せられた実際のこの歌の歌詞はさらにリアルだ。「恋した彼氏がおもしろくないから 一発やらして 一発孕んで 一発産み落とす あんなに夢見たオマンコも どうしてこんなにつまらない」「恋した彼氏があきらめられないから 一発おとして 一緒にホテルで 連発やりまくる」(“夢見るオマンコ”)と、これは恋するときの幸福をよく描いている。この「夢見る(オマンコ=性交)」と男たちの「菩薩女」へのファンタジーは同じように上野千鶴子が先のエッセイで指摘した「中産階級の子女の性的無知は、絵に描いたような近代のブルジョア性道徳の体現である」と指摘してみる。けれども同時に当時の私だって十分にその体現者だった。そりゃあもう、どんな強いこと言っても、その辺についてはブルジョアな道徳の体現者以外のものではなかった。思い出したのは高校生の頃に読んだ女性運動の本だ。「手鏡で自分の性器を見る」ことについて読み、「なるほど、“今度” やってみよう」と、私は本を閉じたことがあった。赤痢がデビューしたのは、じっさいそんな時代のすぐ先だった。私に何をえらそうなことが言えよう。妹たちのような年齢の彼女たちに、私は2、3枚の鱗を目から剥がしてもらったわけだった。

 そのことが楽しい。いつだってそのドラムは裏切らない。私の体のあちこちを硬くしている、なんとまあ半世紀かけても落ちていない鱗を何度もはがし、それでいて残酷に床に叩き落としたりしないという意味でだ。轟くビートは私の重くなっていく足を、また跳ばせてくれる。
(8月10日記す)

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文:清家咲乃

「こんなのって、つまらない」と感じながら日々を過ごしている人は、一体どれくらいいるのだろう。きっとほとんどが心の中でそう唱えながら生きているんじゃないだろうか。充実して見える人たちも、つまらない状態に陥らないために自転車操業的に輝きを補充してるんじゃあないか。反対に、完全な諦めの境地に浸かるのもまた難しい。あと一歩で悟りを開けるところまで来てしまっていることになるし。そう考えれば、つまらなさの打開へ至る破壊的衝動というものは何時の誰にでもリンク可能である。80年代に生まれていなくても、女性でなくても、それはとくに関係ない。

 赤痢は80年代前半から90年代中盤にかけて活動していたパンク・バンドである。細かな活動経歴や実状、ソニック・ユースのサーストン・ムーアがファンであることを公言していたとか、彼女たちの出身地である京都にてリアル病(やまい)の赤痢が一時物理的に流行ったことに由来するバンド名らしいとか、そうしたことは当時を知る世代の方が既に記しているはずなので、そちらに任せたい。いや、本レヴューを書くにあたってざっと調べたところネット上では思いのほか情報が少なかったので、改めて語っていただけるなら是非にそうしてほしい。

 現在の耳で聴きつつ過去をたぐり寄せていくなかで不思議なほどすんなり入ってきたのは、赤痢がデビュー作以降〈アルケミーレコード〉に在籍していたという部分だった。非常階段の中心人物・JOJO広重が主宰するレーベルだ。私が彼を知ったきっかけはおそらく高校時代にBiS階段を聴いたことだったっけと思い返して、ピンときたのだろう。アイドル界のタブーを破り尽くすBiSというグループと、言わずと知れたアンダーグラウンドの主による異色のタッグ。リアルタイム世代が綴る赤痢の第一印象と、赤痢の活動停止以降に生を受けたわれわれ世代がBiSにおぼえた高揚とも嫌悪感ともつかぬ衝撃が重なった気がした。痛いところをかばっているように不安定な演奏/歌唱。若い女性が忌避して然るべき(と思われている)猥語をためらいなくうたい叫ぶことによる威嚇。なりふり構わないパフォーマンスをしたかと思えば、自室に貼ってあるポスターを見られてしまった思春期の少女のような照れが顔を出すこともある。同じく非常階段が過去にコラボレーションを果たしたアイドル・グループ、ゆるめるモ!にも上記の特徴はかなりの割合で共通していると気づく。そしてもうひとつ。赤痢にもBiSにもゆるめるモ!にも、女性ファンは多くついている。赤痢は「ガールズ・パンクの先駆け」と評されていることからして、当時の客層は元々シーンにいた男性が主なのかと思いきや、『LIVE and VACATION』収録のライヴ映像に映るオーディエンスはほとんどがメンバーと同年代の女性だ。2010年代にヴィレッジヴァンガードに出入りしていたサブカルチャーを嗜む女の子たちが、尖った地下アイドルをロールモデルに選んだ現象に近いものが80年代にも起きていたのだと考えれば合点がいく。したがって、インターネット登場前夜、デジタル録音普及前の音楽が有している──そしていまとなっては完全に失われた──アウラとでも言うべきなにかを抜きにすれば、赤痢に隔世の感を感ずることはあまりない。これが表示されているデバイスと地続きである。

 前段では女性を軸に語ってしまったが、冒頭で述べたとおり、そこは特段焦点をあてるべき部分ではない。つまらねえのを如何にかしたい気持ちはみな同じなのだ、と知らしめることにこそ彼女たちの目的があると思う。“夢見るオマンコ” を筆頭に女性性を開陳する楽曲が多い赤痢だが、それは自らが聖域化されないための破壊活動だ。こわれものだと目されてきた領域を内側から足蹴にしてみせる。みなさまがいやに丁重に扱っているこれは、真実この程度のものなんだ、というように。少女に夢見ていたのはどちらだったのか。わたしに夢見る他者が、わたしが夢を見るように仕向けていたのではないか。

 作品を重ねるにしたがって不可抗力的に向上した演奏技術は赤痢をよりフラットに、いちバンドとして見せるための添え木となって補強されていく。『PUSH PUSH BABY』ではクシャクシャとブリキのおもちゃのように跳ねていて、いかにもガレージ・バンドというギリギリのバランスでまとまりを保っていたのが、1stアルバム『私を赤痢に連れてって』までのわずかな時間でグッと強度を増している。各楽器の鍔迫りあいだったものがアンサンブルと呼べる形になり、本筋以外の音をSE的に盛り込んだ “カメレオン” からはメンバーが遊び心を具現化する方法を仕入れたことがうかがえる。各所で指摘されている「気だるさ」が前面に出てきたのもここからだ。続く『LOVE STAR』で今度はメロディ・ラインが魅力を増し、旋回しながら攪乱するような演奏とのバランスで不可思議なポップネスを提示。もはや「10代の少女がショッキングな楽曲を演っているバンド」のみでは説明不足になるほど音楽的な面白みがあらわれており、万人のための退屈破壊装置としての機能を獲得している。

 スリッパで踏みならす家の床もカーテンの向こう側もどうしようもなくつまらなく感じるとき、そういうときがきたらこの作品を手に取ってみてほしい。そろそろ春も終わるが、それでも「いやな時代ももうすぐ変わる」と信じながら。
(5月25日記す)

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