「K A R Y Y N」と一致するもの

Metronomy - ele-king

 メトロノミーの音楽を聴いていて思うのは、いったいどんな連中がこれを聴いているんだろう......ということだ。アークティック・モンキーズのリスナーは大体想像できるし、ハード・ファイはすぐにわかる。フォールズのファンもある程度、ジ・XXやジェームズ・ブレイク、それにダブステップでガンガン踊っている男女も......イギリスでは音楽が若者のカルチャーとしていまでもどうにか機能している部分はあるので、リスナーがトライブを形成している例は多い。しかしメトロノミーはそういった分類のどれにもどうにも収まりが悪く、実験的ではあるけれども難解ではなくつねにポップで、脱力していてフェミニンで、メランコリックだが妙にユーモラスなその音は、オタクもラッズもファッション・ピープルも頭で結びつかない。
 その音楽は様々なもののあいだのどこかを漂っていて、それはエレクトロニカでありエレクトロでありシンセ・ポップであり、しかしそのどれかひとつに収まることをするすると避けてきた。彼らを有名にした『ナイツ・アウト』はくにゃくにゃと脱臼したその音に乗せて、情けなさと切なさと可笑しさの入り混じった説明のできない感情を醸し出していたのだが、それは僕も含め少なからぬ人間にとって皮膚感覚で覚えのあるものでもあった。正確な音階を外れたメロディにノイズが混じったシンセの和音が重なり、ヘナヘナとした歌声で上手くいかない夜遊びについて歌う。ダンスフロアで踊っていれば楽しくないわけではないけれど、かと言ってそこに溶け込めている気もしない......というような、そんな気分にピッタリとハマる音をメトロノミーは絶妙に表現していたのだ。どのトライブにも属しきらない、どのムーヴメントにも完全にはハマりきらないような人間にこそ、彼らの音は響いた。

 そういう意味でメトロノミーの音はニュー・レイヴに対するカウンターであり批判だというように説明されたが、しかしニュー・レイヴがきれいに消え去ったいま、彼らの3枚目のアルバムである『イングリッシュ・リヴィエラ』はますますカテゴライズがしにくいものとして存在している。というか、そういう分類にそもそも彼らの音楽は向いていないように思う。コミカルだった前作に比べれば随分エレガントに聞こえるし、指摘されているように西海岸のようなレイドバック感もあるが、気の抜けたノイズ混じりのシンセ・サウンドは相変わらずだ。ゆるーくチルウェイヴからの反響もあると言えるかもしれないが、もちろんそれはあくまで一部だ。それらが主張し合わずに、微妙なさじ加減で共存している不思議なダンス・トラック集、エレクトロニック・ポップスである。わかりやすい派手さもない。電子音が驚くほど小さな音で奥の方を移動し、ジョセフ・マウントが線の細い声で頼りなく歌っている。その歌とコーラスはメロディアスだが、とことん力が抜けている。
 全編を通して言えるのは、反復が生み出す穏やかなグルーヴと、心地良いメランコリアとアンニュイさだ。ロクサーヌ・クリフォードがムーディな歌で参加している"エヴリシング・ゴーズ・マイ・ウェイ"は「再び恋に夢中よ」と言うわりには物憂げで、アップビートな"ザ・ルック"もマイナー・コードが中心であるためか気分が晴れ渡らないままダンスするような1曲だ。
 アルバムのハイライトは恐らく、繊細で遠慮がちなアンサンブルがそれでも反復とともに上りつめていく"サム・リトゥン"から、ミニマルな音の出入りと展開で聞かせる"ラヴ・アンダーラインド"へと続くラスト2曲のダンスだろう。けれども僕のお気に入りは、アルバムでも突出してポップな"ザ・ベイ"である。そこでは、「ここはパリではなく/ロンドンでもなく/ベルリンでも/香港でも/東京でもないんだ」と、メトロノミーが鳴らしている音楽の居場所のなさが端的に表現されているように僕には思えるからだ。そして「この入り江はとても快適な場所」だと、架空の場所を拠りどころにし、その言葉はアルバムのアートワークへと繋がっていく。
 ジョセフ・マウントが作るおかしなシンセ・サウンドの物悲しさはきっと、どこにも落ち着ける居場所がない人間がつねに底に湛えているものを掬い取ったものだろう。けれどもそれは同時に、前作では力なくも笑えるものだったし、今回は心地良くレイドバックできるものである。何なら、緩やかにダンスだってできる。そして僕は、物悲しさや憂鬱とつねに共存していこうとするそのような態度は、直感的にとても現代的なものなのではないかと思う。メトロノミーは、簡単に気の晴れることのない毎日を送る僕たちのための――そしてとりわけ、それを忘れるくらい何かに熱狂することができない連中のための――、ささやかなユーモアと知恵である。

[Electronic, House, Dubstep] #6 - ele-king

1.Lone - Echolocations EP | R & S Records


amazon iTunes

E王  ノッティンガムのボーズ・オブ・カナダ・フォロワー、ローンのこのところの人気にはすごいものがある。アクトレスのレーベル〈ワーク・ディスク〉からリリースされたセカンド・アルバム『エクスタシー&フレンズ』がロング・セラーとなって、そしてダンサブルな方向性を打ち出した昨年末の『エメラルド・ファンタジー・トラックス』によって完璧にファンの心を掴んだと言えるだろう。〈R&S〉からのリリースとなった2枚組のこのシングル「エコロケーションズEP」も『エメラルド・ファンタジー~』の流れで、ドリーミーでメロディアスなディープ・ハウスを展開している。テクノっ子たちが大好きな、昔ながらの909系のスネアの音がキープされているが、ビートにはガラージ~ダブステップ時代のシャッフルがあり、美しいメロディを有する上ものにはここ数年の傾向と言えるだろう、大いなる逃避主義とユーフォリアのみが輝いている。つまりチルウェイヴとも親和性が高く、ぼやけた夏の夢が揺れている。

2.Sbtrkt - Living Like I Do | Young Turks


amazon iTunes

 ダブステップにおけるネオ・ソウルの代表を期待されているサブトラクトの新曲だが、曲のテイストは最近のポスト・ダブステップに逆らうかのようなバック・トゥ・ベーシックな展開。UKガラージ流れの2ステップ・ビートにのって、ヴォーカリストのサンパが例によってソウルフルに歌う。曲のはじまりのベースの響きは貫禄充分といったところで、驚きはないが悪くもないといったところ。B面はヒット曲"ルック・アット・スターズ"のマシンドラム(最近は〈ホットフラッシュ〉から素晴らしい12インチも出している)によるリミックスで、チップチューンめいた音色を加えながら安定したブロークンビートを展開している。

3.Factory Floor - Real Love | Optimo Music


amazon iTunes

 エレクトロと呼ばれるジャンルにおいて、もっとも危険で、もっとも大胆で、もっともぶっ飛んでいて、ずば抜けて格好いいのがロンドンのファクトリー・フロア。彼らの音楽にはクリス&コージーとアンドリュー・ウェザオールが同居しているようなエロティックでドラッギーな凄みがある。昨年リリースした10インチ+DVDにおいては彼らの毒々しい美学を存分に繰り広げていたが、ミニマリズム映像とノイズによるDVDは、途中で停止ボタンを押すことができないほどの緊張があった。
 これはオプティモが運営するレーベルからのリリースで、高速にドライヴするアルペジエーターが容赦なく性的興奮を誘発する。B面に収録されたオプティモのJDトゥイッチによるリミックスは、オリジナルを過剰なまでにトランシーなトラックに変換している。

4.Toddla T feat. Roisin Murphy - Cherry Picking | Ninja Tune


amazon

 そうか、同じシェフィールド繋がりだからか、ロイジン・マーフィ(10年前はモロコの名義でダウンテンポのクラブ・ジャズ系を出していた女性シンガー)をフィーチャーした、セカンド・アルバムのリリースを控えたトドラ・Tの先行シングルで、グライミーなダンスホール・スタイルにマーフィのキャッチーな歌が入った完璧なポップ・チューン。UKらしいポップ・ソングとも言える。
 トドラ・Tの新作には、その他、ガラージ・シーンの顔役たち、ドネイオー、ショーラ・アマ、ミズ・ダイナマイト、そして大御所ルーツ・マヌーヴァなどが参加しているらしい。ジェイミー・ウーンはいまだに買うかどうか迷っているけど、トドラ・Tに関しては迷わないよ。

5.Ari Up & Vic Ruggiero - Baby Fada | Ska in the World


amazon

 昨年10月、ガンのために逝去したアリ・アップの未発表音源で、ニューヨークのスカ/ロックステディ・バンド、ザ・スラッカーズのメンバー、ビクター・ルジェイロとのコラボ作。これがまた......未発表とは思えないほどの出来で、何の目新しさもないレゲエ・トラックが、彼女の迫力あるヴォーカリゼーションが入っただけで別物すなわち魅力たっぷりのパンキー・レゲエ・スタイルになっている。
 このアルバムを聴くのが楽しみだし、生前にたくさんの録音物を残していたという話で、他にもニュー・エイジ・ステッパーズの新作も出るという。

6.Kitty, Daisy & Lewis - I'm So Sorry/I'm Going Back | Sunday Best Recordings


amazon iTunes

 悪名高いレトロ主義者3兄弟のおよそ3年ぶりの新曲は、彼らの50年代のスタイルにさらに磨きをかけている......なんて生やさしいものではなく、驚くほどパーフェクトにそれを具現化している。録音機材もほぼすべてヴィンテージに進められたセカンド・アルバムからの先行シングルで、スカに挑戦した"アイム・ソー・ソリー"にはトロンボーンにリコ・ロドリゲス、トランペットにエディ・ソーントンといったジャマイカの大御所を招いている。それはいちど聴いたら耳から離れない、スタイリッシュかつキャッチーな曲だ。B面は彼らの十八番のレトロなロックンロールで、エネルギッシュで、格好いい。それはただ格好いいだけであり、ただスタイリッシュなだけだが、しかしそれのどこが悪いのだろう。ザッツ・エンターテイメント、本当に素晴らしいシングル。

7.The Beauty / Jesse Ruins | Cuz Me Pain

 〈カズ・ミ・ペイン〉は日本のインディ・レーベルで、昨年コンピレーション・アルバム『Complilation #01』を発表している。なんでも"日本のチルウェイヴを代表するひとつ"ということで、そのスジではずいぶんと注目されているという。日本のチルウェイヴ的な動きもいよいよ顕在化してきているようで、今年に入って橋元優歩が紹介していたフォトディスコも素晴らしかったし、遅まきながら僕も〈カズ・ミ・ペイン〉のコンピレーションも聴いたのだけれど、こちらも魅力的な内容だった。〈カズ・ミ・ペイン〉一派の音には、耽美的でエロティックな感性もあり、音楽的にもサイケデリック・ポップからダーク・アンビエント、エクスペリメンタル等々......それをチルウェイヴと呼ぶには抵抗を感じるほど多様な音楽性のように思ったけれど、このレーベルが日本においてUSアンダーグラウンドに強く共振していることはたしかだろう。
 ここに紹介するのは〈カズ・ミ・ペイン〉から出たカセットテープで、ザ・ビューティとジェシー・ルインのふたつがそれぞれの面に3曲づつ収録している。ディストピックなチルウェイヴ、ダーク・エレクトロ、デイドリーミングなポップ......さまざまな側面を見せていて、今後どの方向に進むのかわからないけれど、彼らのポテンシャルの高さは感じる(カセットで出しているところも良いね)。まあ、そんなわけで、日本におけるサイケデリック新世代はすぐにそこにいるようです!

Falty DL - ele-king

 ジェームス・ブレイクの異例のヒットが意味するところは、オリジナルのダブステップそのものではなくその周辺の音、ジャンルの境界線上にいる者たち、気まぐれなスキゾフレニアの面白さがけっこうな勢いで高まりを見せているということでもある。先日紹介した2562はそのひとりだが、フェルティ・DLを名乗るブルックリンのステッパー、ドリュー・ラストマンもそうした遊牧民を代表するプロデューサーだ。彼が2009年に発表したデビュー・アルバム『ラヴ・イズ・ア・レイビリティ(愛は義務)』は"UKガラージとダブステップとIDMの接合点"と形容された作品で、僕には初期のエイフェックス・ツインやブラック・ドッグといったUKのデトロイト・テクノ・フォロワーたちの作風をダブステップの流儀で再現したアルバムに感じられた。ダブステップらしからぬスタイリッシュなアートワークも目を惹いたし、煙でむせかえるような不健康な地下室で鳴っているダークなそれとは明らかに別の魅力を持っていた。

 『ユー・スタンド・アンサーティン』は、ひらたく言えば『ラヴ・イズ・ア・レイビリティ』のポップな展開だ。女性ヴォーカリストをフィーチャーした曲が3曲収録されているのだけれど、その3曲がよくできている。
 1曲目の"ゴスペル・オブ・オパル"はドリーミーでラウンジーな2ステップ・ガラージで、いかめしいベースのかわりにキラキラしたエレクトロニクスが舞っている。アネカなる女性ヴォーカリストの囁くような歌声も、夢の入口として申し分ない。が、しかし、もしもリスナーがネオ・ソウルを求めているならリリー・マッケンジーが歌っている2曲を繰り返す聴くことになる。"ブラジル"はR&Bヴォーカルを取り入れた2ステップにおけるもっともラヴリーな瞬間を持った曲だが、何よりも我々はいま、ダブステップ時代の新しいディーヴァと出会っているのかしれない......という思いを抱くだろう。リリーが歌うもう1曲、クローザー・トラックの"ウェイティッド・ペンシェントリー"は間違いなくアルバムで最高の曲だ。うねるようなアシッド・ベースラインとジャズ・ピアノの見事な絡みのなかで、アーバン・ブルースが流れている。クラブ・ジャズのDJがこの1曲だけを聴いたら、迷うことなくアルバムを買ってしまうだろう。
 とにかくその3曲がずば抜けて良いので、全12曲のうちその他の9曲には若干の見劣りを感じてしまうかもしれないけれど、"エイト・エイティーン・テン"のコズミックなフィーリング、"イッツ・オール・グッド"のラウンジーなダブ、"ラッキー・ルチアーノ"のレイヴィーなグルーヴ、あるいは狂ったSF映画のサントラのような"ヴォエジャー"、女性のスキャットめいた囁き声とハウスのベースラインの"プレイ・ウィズ・マイ・ハート"......等々、総じて『ユー・スタンド・アンサーティン』はサーヴィス精神旺盛なアルバムと言える。ただし......、これはレコード店やレコード会社が頭を痛める作品でもある。ジェームス・ブレイクがそうだったように、これは明らかにクロイドンのダブステップとは別物で、ジャンル分けに迷う音楽だからだ。が、ここには、アルバムのタイトルが言うように、不確かなもの(アンサーティン)の面白さが詰まっている。

Chart by TRASMUNDO 2011.0427 - ele-king

Shop Chart


1

BUSHBURST

BUSHBURST 『wit DA Illness』 SEMINISHUKEI »COMMENT GET MUSIC

2

仙人掌

仙人掌 『LIVE ON REFUGEE THE MIX TAPE』 DOGEAR »COMMENT GET MUSIC

3

H.FUTAMI

H.FUTAMI 『MIX CD』 »COMMENT GET MUSIC

4

PRELUDE SQUAD

PRELUDE SQUAD 『BIG TIME EXPERIENCE vol.1』 804 production »COMMENT GET MUSIC

5

CMT

CMT 『ZONAZONA』 SBM recordings »COMMENT GET MUSIC

6

DJ DISCHARGE

DJ DISCHARGE 『QUIET SLEEP』 »COMMENT GET MUSIC

7

HARUKA

HARUKA 『fukiware waterfall』 »COMMENT GET MUSIC

8

WATTER

WATTER 『demos vol.2』 »COMMENT GET MUSIC

9

blahmuzik

blahmuzik 『SURVIVING THE MOMENTS』 »COMMENT GET MUSIC

10

山上たつひこ

山上たつひこ 『光る風』 小学館 / »COMMENT GET MUSIC

Chart by STRADA RECORDS 2011.0427 - ele-king

Shop Chart

来日&全国ツアーで話題沸騰中のカリスマ、DJ HARVEY。
今回のSTRADA RECORDSのチャートはそんな彼のリリースした作品や
彼がよくプレイしている盤を特集してみました!


1

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS I WANT IT INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
リリースが予定されているアルバムからのシングル・カット!Prins Thomas、Faze Action、Mark E、Ray Mang、Permanent Vacation、Tom Middleton、Horse Meat Discoら多くのDJ達から絶賛の嵐の超話題盤!

2

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS

DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS GUNSHIP/LITTLE BOOTS INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
早くも見逃し厳禁の人気レーベルとなったINTERNATIONAL FEELから、同レーベルからのROCHA「HANDS OF LOVE」にリミキサーとして参加していたDJ HARVEYがなんとソロ作品をリ リース!数々のリエディットやリミックスで名を馳せた彼ですが、完全な自分のオリジナル作品はこれが恐らく初めて!ダビーでぶっ飛んだHARVEYらしい作品で、既にPRINS THOMASや、IDJUT BOYS、STILL GOING、 ASHLEY BEEDLE、FAZE ACTIONあたりは勿論のこと、FRANCOIS K、CHRIS COCO、LAURENT GARNIER、RADIO SLAVE、TOM MIDDLETON、LUKE SOLOMONらも絶賛の強力盤!(汎用の穴あきタイプのジャケットになりました)

3

DJ COLE MEDINA

DJ COLE MEDINA MEDINA'S MAGIC AMERICAN STANDARD(US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HarveyやIdjut Boysらがもヘヴィー・プレイしていたHouse Arrestシリーズで知られるDJ Cole Medinaによる話題のエディット盤!Olivia Newton Johnのヒット曲 「Magic」の夢見心地な長~いエディットと、Bee Gees「Love You Inside Out」のこれまた心地良すぎるエディットをカップリング!

4

COATI MUNDI

COATI MUNDI DANCING FOR THE CABANA CODE IN THE LAND OF BOO-HOO(W-PACK) RONG MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYらがプレイし大ヒットとなった12インチ「NO MORE BLUES」 で知られるCOATI MUNDIの2枚組アルバム入荷!80年代からDr. Buzzard's Original Savannah BandやKid Creole And The Coconuts 等の作品に関わってきた才人だけに、あらゆるダンスの要素が詰め込まれた大充実の内容!

5

VA(DJ HARVEY)

VA(DJ HARVEY) HOUSE NATION UNDER A GROOVE-DJ HARVEY MODERN DANCE MIX WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
97年にUKのUGLY MUSICからリリースされていたDa Rebels「House Nation Under A Groove」のDJ Harveyによるリミックス・ヴァージョンがホワイト盤で登場!パーカッシヴなトラックに浮遊感溢れるディープなシンセが乗った、ここ最近のDJ Harveyワークスとはまた違ったテイストの傑作!しかもWeekend Records IncからリリースされていたDJ Hearveyの別名義R.V.CockによるSouth Shore Commission「Free Man」のエディットも収録!

6

BRAND NEW HEAVIES

BRAND NEW HEAVIES SHELTER-DJ HARVEY STOMP MIX WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
BRAND NEW HEAVIESが97年にリリースしたシングル「SHELTER」に収録されていたDJ HEARVEYによる強烈なリミックス・ヴァージョンがホワイト盤で再発!ブリブリのクラビネットが圧巻の超ファンキーな仕上がり!今なお人気の1曲です!

7

DJ HARVEY

DJ HARVEY I AM A MAN WHITE (UK) »COMMENT GET MUSIC
IDJUT BOYS主宰NOIDレーベルから96年にリリースされたMACHO「I'M A MAN」のDJ HARVEYによるリエディットを収録!DJ HARVEYワークスの中でも人気の高かった作品だけにこれは嬉しい!DJ HARVEYプレイのサイケデリック・ディスコ・クラシックAMADEO「MEMORIES」も収録!

8

DENNIS PARKER

DENNIS PARKER LIKE AN EAGLE CASABLANCA (US) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYやPRINS THOMASもプレイする人気クラシック!エディットやサンプリング・ソースとしても人気が高いハズせない1曲です

9

BLACK COCK

BLACK COCK FREE RANGE EP(160g REMASTER) BLACK COCK(UK) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYのリリースでもお馴染みのBLACK COCKがオリジナル・マスター音源を用いてのリマスタリングに160グラム重量盤仕様で正規復刻!

10

GATTO FRITTO

GATTO FRITTO GATTO FRITTO(W-PACK) INTERNATIONAL FEEL(EU) »COMMENT GET MUSIC
【500枚限定プレス!2枚組豪華見開きジャケット!180g重量盤!】同レーベルからのシングル「Illuminations」で知られるユニットHungry Ghostの片割れGatto Frittoがソロ・アルバムをリリース!この レーベルからは初となるアルバムだけにクオリティーの高さも申し分無しで、エレクトリック・ブギー的な作品からアンビエント~バレアリック・チューンまで大充実!しかも彼自身のレーベルFritto MortoからリリースされDJ HARVEYらにもプレイされ大きな話題となったシングル曲「Invisible College」までもバッチリ収録!

Matthewdavid - ele-king

 この快楽。濃厚な音の快楽。昨年末のシゲト『フル・サークル』は予兆に過ぎなかったのか、短い曲の連なりで構成された『アウトマインド』は久々に100%スモーカーズ・デライトを狙った作品であり、追求されるイメージはたったの一種類。その反復強化。どこを取ってもキラビやかな光のなかを歩むバレアリック・ブレイクビーツの波は西海岸で起きているドローンやチルウェイヴの変化とも足並みを揃え、DJシャドウによる翳りあるメランコリーをアーカイヴの一部へと封じ込めかねない。いま、ここには光が溢れている。四方八方から光が降ってくる。
 今年、もっとも注目されているカセット・レーベル、〈リーヴィング〉の主催者がその主役で(やはり〈リーヴィング〉からのリリースとなったサン・アローとのジョイント・ライヴに続き)初のスタジオ・ソロ作はフライング・ロータスのレーベルから。「ホコリと光のすごいごちそう」に溢れかえるオープニング"ロス・アンジェルス・イズ・ビューティフル"から有無を言わせず引きずり込まれ、陽気なフライング・ロータスと陽気なベーシック・チャンネルが交互に、あるいは、混合しあって光のなかを引きずり回される。中盤に入ってフライング・ロータスをフィーチャーした"グループ・ティー"で初めてメランコリックな迂回をしばし経験させられるものの、無限大に与えられるユーフォリアのイメージは最後まで揺るぐことがなく、ひと時も快楽的な音楽であることをやめることはない(サン・エレクトリックからドリームフィッシュに変わった程度というか)。
 これはもう、気持ちEとしか書きたくない。ニキ・ランダをフィーチャーした"フロアー・ミュージック"はタイトルを裏切るようにノン・ビートのアンビエント・ドローンで、マシューデイヴィッドがここ数年のアンダーグラウンド・カレントを総合しながらひとつのイメージにまとめていったことが簡単に推し量れる。すべてはここに向かっていたでしょうといわんばかり。最後にメドレー形式で配置された"ノー・ニード・トゥ・ウォリー/ミーン・トゥ・マッチ"で昇天できなければ、もう一度、再生ボタンを押してしまうだけである(つまり廃人コース)、

 RZAとエイフェックス・ツインに影響を受けたという18歳のインフィニティロックが昼間は学生、夜はグリッチ・ホップのプロデューサーと化してつくり上げたファースト・アルバムも同じ傾向に足を踏み入れようとしているアルバムで、手習いの感はまだ拭えないものも、完成度ということでは申し分ない。なるほど『アンビエント・ワークス』をブレイクビーツで下支えしたような"テンチ・サイティングス(天地目撃?)"や"キルン"、タイトルとは裏腹に天国的なイメージを掻き立てる"ガンス・オブ・キングストン"など、あっという間にどこかに連れ去ってくれる曲は多い。ヒンズー語が理解できないインド系2世か3世にあたるそうだけど、ジュンパ・ラヒリのような屈折もなく、文字通り年齢にあった感性の産物といえる。
 『ミュージック・フォー・プライモーディアル・リコレクション』は、1年ほど前に紹介したスフィアン・スティーヴンスのレーベルからライブラリーの体裁でリリースされたローウェル・ブラームスと同じシリーズの14作目にあたるもので、同時にリリースされたレブ・レイズのセカンド・アルバム『ミュージック・フォー・トラブルド・マシーナリー』も同じくアンダーグラウンド・ヒップホップの変り種。上記2作に比してダイナミックで何をやろうとしているのかすぐにはわからない迷宮性が持ち味といえる(PS 1年前にローウェル・ブラームスってまさかスフィアン・スティーヴンスの変名じゃないだろうなと内心では思いつつ書いていたりしたのだけれど、実は母親の再婚相手で、初めての出会いはスティーヴンスが1歳未満のときだったとか。アスマティック・キティ=喘息猫はふたりが共同で運営するレーベルであり、スティーヴンスの勧めで初めて録音したのが『ミュージック・フォー・インソムニア』だったそうです。ちなみにドミューンやヴィンセントラジオでオン・エアしたなかでは、いまのところもっともリアクションが高く、買いましたよといわれたレコードである)。

 すべてのタイトルに『ミュージック・フォー~』という決まり文句が付けられたライブラリー・カタログ・ミュージック・シリーズはほかにも魅力的なリリースが多い。全作を聴いたわけではないけれど(そんなことするのは岡村詩野だけ!)、最近のものでは12番のB・ラン3『ミュージック・フォー・ハンティング・アンド・マッピング』、少し前のものだとインストゥルメンツ・オブ・サイエンス&テクノロジーが出色の出来で、とくに後者はリチャード・スイフツの名義でふだんは普通にロック・ミュージックを演奏している人なのに、この名義に変わると底が抜けてしまうのか、予想も付かない実験主義に走り出す異才。セカンド・アルバムにあたる『ミュージック・フォー・パラダイス・アーマー』は、前作ではまだ少しは残っていた楽曲性もあらかた砕け散って、部分的には坂本龍一『B2ユニット』を思わせるキッカイな内容に。

Arrington de Dionyso's Malaikat dan Singa - ele-king

 ケチなことを言うようで恐縮だけれど、再結成したザ・ポップ・グループがサマー・ソニックで来日すると知って、僕のようにリアルタイムで熱心に聴いていた夢見がちな世代――1978年に2800円払ってUK盤を買った人なんて決して多くはないだろうけれど――はけっこ失望しているんじゃないだろうか。よりによってなぜあのザ・ポップ・グループが......と思っていることでしょう。しかしまあ冷静に考えてみれば、再結成とは屍体を墓場から掘り起こすようなものであって(だからアリ・アップはザ・スリッツは再結成ではないと強調したのであって)、マーク・スチュワートの初来日時のあの素晴らしかったよれよれのステージとは比較にもならないだろうし、そう考えればぜんぜんアリなのだ。が、それにしてもなぁ......("ウィ・アー・オール・プロスティチューズ"を演奏したら爆笑するしかないが、きっと笑えないだろうし)。
 セックス・ピストルズやザ・クラッシュからファッション性をさっ引いて、さらに過剰に政治と哲学とアヴァンギャルドを詰め込んだのがザ・ポップ・グループだった。その音楽を戦地の"野火"のようだと形容していた人がいたけれど、『Y』とはそうした喩えが泉のように湧いて出てくるほどの作品だった。ザ・スリッツもそうだったが、ポスト・パンクの時代は、西欧主義を挑発するかのような、ある種の野蛮さが賞揚された。ことにザ・ポップ・グループのような、サイモン・レイノルズ言うところの"ディオニソス的プロテスト・ミュージック"すなわち"激情派の反抗"の背後には、キャプテン・ビーフハートからの影響がうかがえる。日本で言えばじゃがたらも同類で(そして一時期のボアダムスにもそういうところがあった)、ビーフハート系のディオニソスはワールド・ミュージック的ななものへとアクセスする。まあ、それもいまとなっては秩序的なものへの毒づき方のひとつのクリシェと言えなくもないけれど、それを多数の耳を惹きつけるほどの高みに持っていけるバンドはそう多くはない。90年代末は狂ったガレージ・パンク・バンド、オールド・タイム・レリジュンで活動していたアーリントン・デ・ディオニソによるプロジェクト、マレイカット・デン・シンガ(Malaikat dan Singa)のアルバム『スアラ・ナガ(Suara Naga)』はまさしくビーフハート~ザ・ポップ・グループの熱狂と陶酔の系譜に位置づけられる作品である。

 インドネシアのデス・メタル・バンドがフリー・ジャズを演奏したらどうなるか想像して欲しい。それがこのアルバムである。アーリントン・デ・ディオニソはインドネシア語で、むせかえるような声で雄叫びをあげる。なぜインドネシア語なのかはわからないけれど、とにかくこのアルバムを家で聴いていると、さすがに家人たちも「何これ?」と言ってくる。それだけこの音楽には耳障りな異様さがあるのだ。ところどころファンクもあり、リズミックなうねりが熱狂を待ちわびていることは明かである。ギャング・ギャング・ダンスやチューン・ヤーズと同様に、ある種の空想的ワールド・ミュージックとも言えるが、アーリントン・デ・ディオニソはポップとは真逆の方向に突進している。その過剰さにおいて、『Y』に連なるディオニソスであることは間違いないのである。

Chart by JET SET 2011.04.25 - ele-king

Shop Chart


1

G.MITCHELL & JEBSKI FEAT. KENGO ONO

G.MITCHELL & JEBSKI FEAT. KENGO ONO NATSU EP2 »COMMENT GET MUSIC
1stアルバムが大ヒット中のJebskiとG.Mitchellの新作12インチはリミックス音源3曲を収録した超強力盤!ベスト・アルバムしたばかりのCalm、アナログ・ヒットを連発するDJ Yogurt & Koyas、Kaoru Inoueがリミックスを提供。

2

KUNIYUKI

KUNIYUKI BAMBOO CITY »COMMENT GET MUSIC
アルバム『Dancing in the Naked City』収録の新曲がアナログカット!!A面"Bamboo City"はLucianoとFour Tetの融合とも評されるディープ・チューン。良い音の箱で聴けば意識が飛ぶことは間違いなしのプログレッシヴ・ガムラン・ミニマル!!

3

STUPID HUMAN

STUPID HUMAN GUN-GA-DIN / GET ON UP »COMMENT GET MUSIC
謎の注目ユニット、Stupid Humanによる待望の3rd.シングル!!Bill Brewster(DJ History.com)、DJ Cosmo等が絶賛した前2作も大好評を博したUKからの新たなるリエディット達人、Stupid Humanによる第3弾が遂に到着。今回も超ナイス!!

4

BULLION

BULLION YOU DRIVE ME TO PLASTIC »COMMENT GET MUSIC
ご存じPaul WhiteとともにUK名門One Handed Musicを代表する天才Bullionが絶好調Young Turksから凄まじい1枚をリリース!!

5

OWINY SIGOMA BAND

OWINY SIGOMA BAND WIRES »COMMENT GET MUSIC
Theo Parrish Remixを収録した"Record Store Day"限定盤!!お急ぎ下さい!!Honest Jon'sからのリリースで知られる才人Elmore JuddことJesse Hackettを中心としたUKのミュージシャンと、ケニア/ナイロビのローカル・アーティストとのコラボレーションを繰り広げるBrownswood発の大型プロジェクト"Owiny Sigoma Band"。リリースが待たれる1stアルバムからの先行カットが到着です。

6

GO! TEAM

GO! TEAM APOLLO THROWDOWN »COMMENT GET MUSIC
ヒット・アルバム"Rolling Blackouts"収録曲を、Star Slinger、D/R/U/G/S、Ruby Suns、Tabaccoがリミックス!!

7

JAMES PANTS

JAMES PANTS S.T. »COMMENT GET MUSIC
溢れ出る才能が止まりません! 3rdアルバムは久々の2LP仕様です!いくらStones Throwの新作とはいえ、コレを特定の枠に押し込めておくのはあまりに勿体無いので、当然ジャンル全方位的にオススメします!

8

DIGITALINE

DIGITALINE UP AND DOWN MY SPINE »COMMENT GET MUSIC
またしてもCadenzaからジャンル・ブレイカーなキラー・チューンが登場!!西アフリカはマリ共和国出身のシンガー、Oumou Sangareの"Diaraby Nene"をモロ使いしたA面"Africa"は、Michel Cleis"Un Dolce"級の特大ヒットとなりそうな勢い。マストです!!

9

WORST FRIENDS

WORST FRIENDS BILLIARDS WITH A MIDGET »COMMENT GET MUSIC
リリースインフォ第一報から5ヶ月振りに登場の本作、なんとDr. Dunks a.k.a. Eric Duncanリミックスを収録してました!!オージーFuture Classic発"Neeves for None"も素晴らしかったブルックリン発新鋭コンビによる随分待たされた新曲。オリジナルも勿論良いですが、Prins Thomas、Eric Duncanそれぞれのリミックスが最高です!!

10

TOM DEMAC

TOM DEMAC INDULGE & LUNGE »COMMENT GET MUSIC
Soulphiction、Iron Curtisリミックス!!UKモダン・ハウス注目プロデューサー、Tom DemacによるLiebe*Detail Spezialからのソロ・リリース。オールドスクールな武骨さ満点のベース・ヘヴィ・ハウス!!

tUnE-yArDs - ele-king

 21世紀を過ぎてから、ロック・ミュージックとはますますはっきりと、レトロ趣味と冒険とに二分されるようになったが(もちろんどちらにも価値がある)、チューン・ヤーズは後者を好む者が待ちこがれた人である。いまでもロックの冒険は続いているけれど、彼女のようなタイプはそういない、というのも彼女の冒険......実験という言葉に置換してもいいのだけれど、そこには何かとてつもない喜びがある。何か新しい種類の喜びだ。チューン・ヤーズは実験だが、実験に耽溺するだけの存在ではないのだ。
 生き生きとした彼女の音楽を聴きながら、アリ・アップやビョークやM.I.A.が登場したときを思い出す感傷的なリスナーもいるかもしれない。しかしチューン・ヤーズを名乗るメリル・ガーバスの音楽はそれらすべてと共通するものを持ちながら誰とも違っている。
 まずは......ウクレレの弾きながら、ヨーデルとソウルがごっちゃになっている歌を声高らかに歌っている女を想像したまえ。メリル・ガーバスはニューイングランドで生まれ、モントリオールのDIYコミュニティで彼女の音楽を磨いた。彼女はドラムの音をループさせながらウクレレを弾いて、歌った。その音楽は最初、彼女の部屋でディクタフォン(取材などでよく使う録音機材)という超ローファイな環境のなかで録音された。それがカセットテープでリリースされた彼女の2009年のデビュー・アルバム『BiRd-BrAiNs』となった(そしてそれが〈4AD〉の目にとまって、数か月後にはCDとヴァイナルになった)。

 『フーキル』はそうした彼女のローファイ活動とは違って、初めてのスタジオ録音によるセカンド・アルバムになる。ふたつのスネアドラムとタム類を使った彼女のパーカッシヴなビートがチューン・ヤーズのトラックの主成分だが、今回はそこに控えめなエレクトロニクスと素晴らしいベースが演奏され、またどんどこどんどこといったリズミックな鼓動もクリアに録音されている。レゲエからは哲学的な影響を受けたと話している彼女だが、奇しくもアルバムの1曲目"マイ・カントリー"はザ・スリッツの『リターン・オブ・ザ・ジャイアント・スリッツ』、そしてザ・レインコーツの『オディシェイプ』のコンセプトが新しく生まれ変わったようだ。つまり、好戦的なアフロ・ビートからはじまるわけだが、ひとつ大きく違うのは、先述したようにヨーデルの要素を取り入れた彼女のパワフルでソウルフルなヴォーカルである。その表現力豊かなパフォーマンスは間違いなくこの音楽全体に圧倒的な生命力を吹き込んでいる。そして、その歌声と張り合うようにバックトラックのほうも実にユニークに作られている。"ドアステップ"などはOOIOOのトライバルなドラミングをバックにエイミー・ワインハウスが優雅に歌っているようだし、"ギャングスタ"を聴いていると像の群れがロサンジェルスの街中を行進しているようなシュールな錯覚に覚える。元気いっぱいでグルーヴィーな"ビズネス"はすでにYouTubeで話題になっている。
 もうひとつ、チューン・ヤーズにおいて興味深い点は"ギャングスタ"をはじめ"ライオットリオット"や"キラ"といった曲名、あるいはアルバム・タイトルの『フーキル』といった言葉からも、ある種の暴力的なニュアンスが匂っていることだ。「私にはセックスについて延々と歌う必要がないのよ」と、彼女は『ガーディアン』で続けてこう話している。「とくに"パワ"は暴力に関係している。中東には下層階級の蜂起による中産階級の恐れがあるのよ。それはたしかにあって、そこには女性への暴力もある。恐ろしい現実が私を邪魔するけど、私はそこを歌で掴みたかったのよ」
 「コミュニティに何が起きているのかを、個人的なパースペクティヴにおいて見極めようとした」と彼女は言うが、歌詞の内容はあくまでフィクションであり、すべては空想だと彼女は明かしている。もちろんフィクションは現実から生まれている。収録曲の背後には、現在彼女が住んでいるカリフォルニア州オークランドの地下鉄で、丸腰のアフリカ系アメリカ人男性が警官に射殺された事件が関係している。その悲劇は警察への2500万ドルの訴訟と暴動によって決着がついたというが、チューン・ヤーズの音楽はそうした現実の暗さをひっくり返してしまうような、瑞々しい躍動感がある。
 ......というわけで前向きなのは音だけではないという話。チューン・ヤーズは、何かこう、新しい種類の喜びを予感させるのだ。

Chart by UNION 2011.04.22 - ele-king

Shop Chart


1

P. ELADAN

P. ELADAN Monochordium MUTING THE NOISE / GER »COMMENT GET MUSIC
あのGURU GURU周辺の人物とも噂があるものの、まったく詳細がつかめないP.ELADANなるアーチストがAMEによるヴァイナルオンリーのレーベルMUTING THE NOISEの1番を飾った!BPM110程度の生ドラムを延々と展開、ガムランを彷彿とさせる他方向へ飛び交う様々なウワもの、僅かなビートのもたつきやエフェクトまで全てがヴィンテージな鳴りだが、いつ頃製作されたのかも謎のまま。。。ドープ極まりない2ヴァージョンを収録!

2

FRANCESCO TRISTANO

FRANCESCO TRISTANO Bachcage, Moritz Von Oswald & Lawrence Remixes DEUTSCHE GRAMMOPHON / GER »COMMENT GET MUSIC
クラシックとテクノを行き来する天才・FRANCESCO TRISTANOがバッハとジョン・ケージに挑んだ話題作「bachCage」からの限定リミックス・シングルカット! MORITZ VON OSWALDとLAWRENCEがリミックスを手掛けています。

3

GATTO FRITTO

GATTO FRITTO Gatto Fritto (LP) INTERNATIONAL FEEL / URG »COMMENT GET MUSIC
現場はもちろん主要サイト「Beats In Space」、「Electronic Beats」等のレビューでも絶賛されている秘境ウルグアイ発のレーベルINTERNATIONAL FEELから初のアーチストアルバムはロンドンを拠点に活動するGATTO FRITTOによる500枚限定2LP。ジャケットも豪華!

4

DJ COLE MEDINA

DJ COLE MEDINA 1.6 Upglade HOUSE ARREST / US »COMMENT GET MUSIC
DJ Harvey, Rub N Tug, Idjut Boys等がプレイしたCole Medina初期作をサイドに、Cole Medinaが新たに始動したスローモー~バレアリック系ディスコレーベルGIMMIE THE LOOTのプロモ盤をBサイドに配したスプリット!終始スモーキーなグルーヴを醸し出したバレアリックな調理、これはマジでハズセマセン!!!!!

5

JUNIOR BOYS

JUNIOR BOYS Work (Remixes) PHILOMENA / GER »COMMENT GET MUSIC
ドイツ地下PHILOMENAの超限定盤!先日リリースされたBEN KLOCK 『Berghain 04』の前半、DVS1の次にプレイされていたダークなヴォーカルトラックJunior Boys - Work(Marcel Dettmann Remix)、そしてPrins Thomasによるバレアフィールなリミックス(これまた最高!)もカップリングとこれは見逃せない1枚。

6

HARUKA

HARUKA Fukiware Waterfall WHITE / JPN »COMMENT GET MUSIC
千葉Future Terrorへ加入後、さらに現在活動の幅を広げているDJ HarukaによるMIX-CDが入荷。音への理解と懐の深さを感じさせる多彩なスタイルの選曲、その中でもフィジカルとマインドを交互に刺激するリズム、グルーヴ、コードとメロディーが巧みに重ねあわされた素晴らしい内容に。ハウシーな空気感も心地よく、幅広いリスナーにオススメです。

7

DJ COLE MEDINA

DJ COLE MEDINA Medina's Magic/Cole Loves Your Inside Out AMERICAN STANDARD / US »COMMENT GET MUSIC
驚異的ロングセラーで殿堂入り確実の名盤!極上のバレアリックテイストにミックスされたBEE GEESとOLIVIA NEWTON JOHNのエディットを披露、艶かしく緩やかに広がるトラックに溶け込むヴォーカルパーツの絡みは両サイドとも抜群の仕上がりで、MARK Eなど多くのトップDJ達がプレイ中。

8

MOODYMANN / ムーディーマン

MOODYMANN / ムーディーマン I Can't Kick This Feelin When It Hits DECKS REWORX / GER »COMMENT GET MUSIC
96年にKDJの6番としてリリースされたクラシック"I Can't Kick This Feeling When It Hits"が再発! NILE ROGERS率いるCHICの名曲"I WANT YOUR LOVE"のギターリフとボーカルを巧みにサンプリングしたリコンストラクト・トラック。ジワジワとベースラインが強調され意図的に歪ませているあたりはいかにもKDJ的でフロア映え抜群!

9

GUTI

GUTI Patio De Jugeos DESOLAT / GER »COMMENT GET MUSIC
LOCO DICE & MARTIN BUTTRICH主宰レーベルDESOLATの新作はアルゼンチン人アーティストGUTI!! GUTIがこれまで受けてきたアルゼンチン・フォーク、ブルース、ロック、ジャズなどの音楽的教養をエレクトロニック・ミュージックに落とし込んだ意欲作。最初から最後まで一切の妥協なく紡がれた南米新世代の息吹をじっくりとご堪能あれ!

10

MARCELLUS PITTMAN

MARCELLUS PITTMAN Eastside Story EP SEVENTHSIGN / UK »COMMENT GET MUSIC
壮厳なヴォイス・サンプルとウォーミーなシンセパッドが夢見心地な"An Afternoons Delight"、トラックタイトル通りにマッドなアシッド・シンセが炸裂する"Mad Underdog"、アフターアワーズにもってこいのリラックスした雰囲気が漂うビートダウン"You Want Me (Never)"というPITTMANの幅広い作風が楽しめる快作。
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727