ジェイムス・ブレイクの「CMYK」がサンプリングで作られた曲の、久しぶりのメガヒットだったことを忘れちゃいないか? つまり、テイ・トウワのreviewでも少し書いたことだが、やっていることは、ダブル・ディー&スタンスキー、M/A/A/R/S、初期のボブ・ザ・ベース、ザ・KLF、初期のコールドカット、初期のマッシヴ・アタック、初期のDJシャドウ......なんかと同じなのだ。何も変わっちゃいない。ベース・ミュージック(UKガラージ/ジャングル)には、ダンス・ミュージックにおけるパンキッシュなエートスがある。「盗め」である。昔はサンプラーとレコードを使って「盗め」だったのが、いまではPC一台で、「盗め」......だ。そこだけが更新されている。
餌食になっているのは主にR&Bだが、R&B人気は安定しているし、相乗効果にもなっているんじゃないかな。結局、金のない貧乏学生にR&Bシンガーを雇う金などないのだから、どっかから「盗め」。盗んで、そして、創作しよう。ゆえに〈ナイト・スラッグス〉はもっとも重要なレーベルとなって、そこに共振する格好でアメリカのLAから〈フェイド・トゥ・マインド〉もやって来た。斎藤もキクリンも「Fade to Mind」のキャップを被っている。あのデザインはたしかにそそられる。
東京ではじまった新しいパーティ「PROM NITE」は、思いきりその流れを汲んでいる。オーガナイザーもまだ20代なかばのAvery AlanとSem Kaiというアメリカ人/日本人のコンビ。彼らのフレッシュな〈ミキシング〉は、Bok BokからRihannaやテキサスのラップ、HintからJam CityやKW Griffまで、迫力満点に展開される。これこそレイヴの精神と言わんばかりの、ある種清々しささえ漂うこの音楽に1-DRINKやTOBY FELTWELLのようなベテランが関わっているのも良い。フライヤー書いているのはスケシンだし。
今回来日するのは、〈フェイド・トゥ・マインド〉からデビューするR&Bシンガー、KELELA。実はいま、Araabmuzik、Blood Orange、Jam City、Kingdom、Nguzunguzu、Girl Unitなどをプロデューサーに迎えての最初のミックステープの発表を控えている。incとも全米ツアーを経験しているほどの期待の歌手だ。(R&Bサンプル全盛の今日では、本物のシンガーの需要がおそろしく高いことは、ジェシー・ウェア人気を見ればわかるでしょう)
〈フェイド・トゥ・マインド〉からはもうひとり、Total Freedomも来日する。 KingdomやNguzunguzuなどとならんで、レーベルの顔である。8月2日金曜日、代官山ユニットで会おう!
Live performances by
KELELA
TOTAL FREEDOM
DJ by
TOBY FELTWELL (C.E)
1-DRINK
IRIKI (RADD LOUNGE)
RIE (GRIEN MONSTER)
WRACK (CHEMICAL MONSTERS)
AVERY ALAN + SEM KAI (PROM)
2013/08/02/(FRI)
OPEN: 22:00
DOOR: 3000YEN
ACCESS: 代官山ユニット <https://www.unit-tokyo.com/>
Presented by American Apparel <https://www.americanapparel.co.jp/>
More info at <https://www.tokyoprom.com/...>