「K A R Y Y N」と一致するもの

Black To Comm - ele-king

 クラウトロックの巨星たちの影がちらつく。クラスターないしはポポル・ヴー。それらがモダンなエレクトロニカ、アブストラクト、フィールド・レコーディング、ドローンなどと結合した音楽だ。ハンブルグで〈Dekorder〉レーベルを主宰するマーク・リヒター(日本でも根強いファンを持つ)によるソロ・プロジェクトで、リリース元は〈TYPE〉――5年前にギターのアンビエントでエレクトロニカのファンから支持されたXelaが主宰するレーベルだ。ブラック・トゥ・カム名義では、2009年はUSの〈Digitalis Recordings〉からドローンのアルバムを出し、〈Dekorder〉からも『Wave UFO』というアルバムを出しているが、僕はまだ聴いていない。この手の音楽は、買うか買わないかつねに迷う。僕の場合は。

 2008年の『Fractal Hair Geometry』における、かつてのトーマス・ケナーとも似たアブストラクトな音と比較すると、新作はずいぶんと牧歌的で、ヨーロッパ的情緒に傾いている。ある意味彼のロマン派的な側面が強調された作品だと言えよう。ヨーロッパの美しい田園風景と薄気味悪い幽霊屋敷が交わっているようである。とにかく1曲目"Jonathan"が素晴らしいのだ。彼のフィールド・レコーディング、そのコラージュされる音、そして単音で弾かれるピアノのメロディ。僕はこの1曲のためにアルバムを買ったといっても過言ではない。ピアノの入ったアンビエントが好きなので、ついつい。

 2曲目の"Forst"も悪くない。基本的にはドローンだが、遠くで単調なキックの音が鳴り、そしてだんだんと厚みを増していく。"Trapez"は"Jonathan"に次いで気に入った曲で、オルゴールの音楽ような幼少期の煌めきが展開される。とても美しい曲で、途中から入る低い弦の音が素晴らしい効果を出している。続く"Rauschen"の奇妙なメリーゴーランドも面白い。"Amateur"もピアノが印象的な曲だ。ところが、7曲目の"Tram GmbH"ような、古風なヨーロッパが重みを増していく展開は僕にはつらい(そこがまた、ポポル・ヴーと似ている)。それはしかし、彼のエモーションなのだろう。

 アルバムは後半、ダーク・アンビエントの様相を見せる。それは深いトリップへの入口だ。そしてそれは目覚めることのできない悪夢のように聴こえる。アルバムの最後の曲は、その着地点である。僕には決して居心地が良いとは思えない。もうあと少しで、このアルバムは傑作となったのではないかと思ってしまう。本当にあと少しのところで。

第1回 FULXUS - ele-king

1 終わりなき日常のフルクサス〈序〉

 フルクサスを語り尽くすためにはゆうに一冊の束のある本を書かなければならないわけで、野田さんも無体なことをいう。私はアートの専門家ではないが、フルクサスは運動のピークを60年代なかばと仮定するとそこから30年ちかく経った94~95年にはワタリウム美術館で、04年にもうらわ美術館で同名の『フルクサス展』が開催され、コレクションをもつギャラリーや地方の美術館でもフルクサスは定期的に回顧されてきて、現在も水戸芸術館でヨーゼフ・ボイス(をフルクサスと見なすかどうかには異論もあるだろうけど)の展覧会が来月末まで行われていて、妻の実家が水戸であるので正月をはさんだ里帰りのついでにみることもあるとおもっているが、この20年間のフルクサスにまつわるトピックに興味をひかれ、じっさい足を運びもした。時代はやっぱりいま(だに)フルクサスなのか? 私はそれを考えはじめるまえにフルクサスのはじまりを考えたい。

  フルクサスの中心にはジョージ・マチューナスがいた。彼は1931年、リトアニア人の父とロシア人の母の間にリトアニアのカウスでリトアニア名、ユルギス・マチウーナスとして生まれたが、一家はソ連軍の侵攻を逃れドイツへ、その後父の職を求めアメリカに渡った。ディアスポラのようにして居着いたアメリカで彼はグラフィック、建築と音楽、美術史を学び、美術史を研究する傍ら、有史以来の芸術様式や学派、人物名を図解したチャートの制作をこころみた。マチューナスは50年代のポロックやマーク・ロスコらの抽象表現主義、つづくラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズらのネオ・ダダの活動に罹患したように、運動をたちあげアート業界への参入を考え、61年にそれから半世紀が経とうとするいまでも私たちをなにかと幻惑&困惑させるひとつの言葉を見いだした。

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FULXUS!

  フルクサスとは「流れる」「浄化する」「下剤をかけ(排泄す)る」といった複数の語義をもつ便利な言葉であり、フルクサスという集団の活動の本質を伝える(マチューナスはフルクサスの理念を「マニュフェスト」にさえまとめた)ように見せかけ、その反面技法やスタイルを意味せず、アーティストが作品を作品化するまでの意識の流れをそのまま放りだしたり、説明もなく課程を見せつけるようなものである。私は、当時は、いや、現在でもフルクサスはフルクサスそのものが延命させてきたと同語反復的にいわざるをえない。コンセプチュアル・アート、ミニマリズム、シミュレーショニズムなら意味はわかるが、フルクサスの場合はそこに属したといわれるアーティストの活動の累積からおのおの解釈するしかなく、曖昧模糊とした全体の輪郭が歴史的位置づけを拒むことになった。それはまるで音楽を言語に移しかえるときのバグを私におもわせる。事後的な作品の歴史的位置づけやデータや周辺情報や他作品との類似を書かずにむきだしの音楽を論じつづけるのはことのほかむずかしい。音楽の外にでれば音楽は止んでいて、そのただなかにいたときの感覚は霧が晴れるようにしだいに消える。私は感覚の断片をかき集めとりあえず書くのだけど、それが音楽とピッタリ重なることはない。フルクサスの流動性と音楽はその意味で似ている。


新しいアルバムを発表し、去る11月には素晴らしいライヴを披露した小野洋子もフルクサスだった。
Photo by Kiyoaki Sasahara (c) YOKO ONO 2009

 マチューナスはフルクサスの宣言のなかでそのことを謳ってもいた。「音楽的であること」彼はフルクサスはアートだけでなくパフォーミング・アート(「イヴェント」と呼ばれた)や詩や舞踏に音楽を併置したインターメディア主義をその言葉で宣し、「的」を加えることで音楽のもつ時空間性を彼らの活動に担保した。もちろんジョン・ケージの影響は多分にあった。誰もが知っている「4'33"」をデヴィッド・テュードアがウッドストック・ホールで初演した52年の4年後、ウェスト・ヴィレッジのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチでケージが講座をもったとき、その生徒には「ハプニング」を最初にはじめたアラン・カプローがいて、前述の「インターメディア」の概念を提唱したディック・ヒギンズや、フルクサスの中核でありながら繊細でミニマルな質感の作家だったジョージ・ブレクトや一柳慧もいて、その一柳慧の妻だった小野洋子はマチューナスが61年に経営に乗りだし、のちに破綻したAGギャラリーですでに展覧会を開き、彼女は彼女のロフトでラ・モンテ・ヤングのコンサートを開催してもいた。三章からなり、三章すべてに「休止」とだけ指示したケージの「4'33"」は沈黙と生活音と音楽の境界線をとりはらった名作だと、私は「4'33"」とデュシャンの「泉」の両方をわかりやすく述べた文章を中学二年の国語の教科書で読んで驚いたが、のちにフルクサス・メンバーとなる彼らにはケージの思想は驚異だったろう。また勇気づけられもしただろう。ビートルズはもうデビューしていて、アートの価値観をゆさぶる動きが日々起き、オーネット・コールマンが『ジャズ来るべきもの』を経て61年の『フリー・ジャズ』でのちのムーヴメントの一の矢を放ち、それに反応した弁護士だったバーナード・ストールマンは〈ESP-Disk〉を設立しフリージャズの狂騒が地下から街角にあふれ、64年のジャズの十月革命に実を結んだ60年代前半、ポスト・モダンを間近に控えた最後の前衛の時代に彼らはNYの地霊に守れて、巨視的なケージの「神」(ニコ動用語と本来の語義の中間のニュアンスです)の目に映らない些末なアイデアをナンセンスかつスピーディかつマッシヴでありながらバラバラな手法で貫き、貫きとおす行為そのものを作品として投げだしたのだった。

 その精神的支柱はケージだったが大立て者はやはりマチューナスだった。マチューナスは60年代はじめ、ヨーロッパを中心にキュレーターとしていくつかの国際展を企画しながら、62年ドイツのヴィスバーデン市立美術館で行った「フルクサス国際現代音楽祭」で、彼の二番目のアンソロジーのタイトルとしてあたためていたフルクサスの名称をはじめて使った。その展覧会は欧州各都市を巡回し、主旨に共鳴したアーティストを巻きこんでいった。NYに戻ったマチューナスは彼のロフトをフルクサスの本部とし、活発に活動をはじめた。

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「マチューナスが住んでいたロフトは、キャナル・ストリートに面した五階建ての建物の二階でした。奥行きのある細長いスペースは三つに区切られていて、大通りに面したフロント・ルームは、何人かのメンバーが仕事部屋として自由に使っていたようです。(中略)真ん中の部屋はフルクサス・ショップと呼ばれていて、マチューナスが出版したフルクサスの作品が整然と並べられていました(中略)
  一番奥の部屋がマチューナスの住まいで、日本贔屓の彼は、畳を敷いて小綺麗に暮らしていました」 (塩見允枝子『フルクサスとは何か 日常とアートを結びつけた人々』フィルムアート社)

 マチューナスはここを拠点にビジネスに打って出ようと目論んでいたといわれるがはたしてそうだろうか。彼のやろうとしたことは、セレブリティがアートを所有し投機マネーが市場に流れこんだ数年前のアート・ビジネスを彷彿させる面もあるが売れることを考えればフルクサスより手堅いものがあったはずで、彼はむしろ商売を度外視した理想主義者だった。共産圏を逃れながら、アーティストによる共同体をつくる幻想を終生抱きつづけた。小杉武久や刀根康尚らとのグループ音楽の一員であり、64年に渡米しフルクサスに参加した塩見允枝子の前掲書にもマチューナスのアーティストに対する献身的なエピソードは多い。それを読むとマチューナスが怜悧なビジネスマンだとはおもえない。皮肉やジョークをスカトロジックにまき散らしたフルクサスはとりとめもなく狂ったようにみえたが、作品ひとつひとつは芸術のイディオムに依拠しない作家たちの意思の強さがあった。すくなくともマチューナスにはアーティストへの畏敬の念があった。畏敬の念というより憧れだろうか? 私はマチューナスの胸のうちをおもうと、彼がアーティストになりたかった気持ちを感じ、切なくなる。アーティストになるには他のフルクサス・メンバーがやったように作品をつくり、日常に亀裂を入れるような考えをもたらせばいいはずだったが、しかし、60年代のNYは悠長に作品をつくるにはおもしろすぎた。マチューナスはそうせずに、彼らの作品を浴びることで日常が綻んでいくような感覚を愛した。

 その意味で彼はデザイナーだったのだろう。デザインをうちに「編集」を含む。散らばった要素を一定の制約の下に集めて配置することで、デザインは姿を現す。塩見允枝子の先に引用した文章の二番目の「中略」に「ウィークデイの昼間は、彼はアップタウンのデザイン事務所で働いていた」とあるから彼はじっさい商業デザイナーで生業を立てていたからというばかりではない。また作品を商品化した「フルクサス・キット」のロシア構成主義をどこか彷彿させる意匠をさしてそういっているわけでもない(そのモダンでオシャレなデザインがリヴァイヴァルの要因のひとつではあるとおもうけど)。デザインは配置するだけでなく、要素になにかを足したり引いたりすることで、効果を与えるから、デザインしないデザインというものもあるし、過剰なデザインもある。それは中平卓馬が「デザインするとはほとんど"やる"ことである。それはほとんど"都市と創り、革命を遂行する"と同義である」(『見続ける涯に火が... 批評集成1965-1977』オシリス)と指摘した通りである。カメラマンである中平は同書でまたこうも書いている。「カメラを通じてぼくらが世界と対決してゆく、そのプロセスこそ世界なのだ」私はカメラをアートに置き換えれば、それはフルクサスそのものだとおもう。作品と世界の関係を決着させず、経過として未来にもちこすこと、それをインターナショナルかつインターメディアに実践し、統合すること。私にはいま、同じく商業デザイナー出身で大衆消費社会をモチーフに洗練した形式を完成させたウォーホルがファクトリーを通じて映像(『エンパイア』の撮影に参加した「アンダーグラウンド・フィルム・アーカイヴス」のジョナス・メカスはマチューナスと同じリトアニア出身で旧知だった)や音楽(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)をはじめポップ・カルチャーの諸要素を接合した方法論より、マチューナスのフルクサスのこの歪なアンサンブルの方が、むしろ音楽的に響き合ってくる。

CHART by MarginalRecords 2009.12 - ele-king

Shop Chart


1

Delano Smith & Norm Tally

Delano Smith & Norm Tally Untitled Sushitech / GER / »COMMENT GET MUSIC
LTD. 300!いまやベルリンでも引っ張りだこだというデトロイトのDelano SmithとCassyも大ファンだというNorm Talley、2人によるスペシャルなスプリット10インチ。渋く枯れたフレーズと、粗いリズム打ちがクールなDelano、そして煙たいサックス吹きとファンキーなクラップ、低いバスドラがめちゃ黒くて格好良いNorm、どちらも最高の出来映え。おすすめです。

2

Lee Jones

Lee Jones Yoyo EP Cityfox / GER / »COMMENT GET MUSIC
Villalobos play!MyMyなどで活躍するLee Jonesが、スイスのCityfox4枚目に登場。単なるジャズサンプルをはめただけではない、より有機的なグルーヴを獲得した本気ジャズ・トラック。ジャズ要素控え目のB2も、渋いベースグルーヴで引っ張る構成がめちゃ格好良い。

3

Moritz Piske

Moritz Piske Real One, Daniel Kampf, Remixes/Roberto Rodriguez Rmxs Opossum / GER / »COMMENT GET MUSIC
当店でも大好評だったMoritz Piske [Real One]のリミックス盤が到着!リミキサーにはベルリン出身のニューカマーDaniel KamfとRoberto Rodriguez。共にオリジナルのパーツをしっかり活かしつつ、よりファンキーなクラブトラックに仕立て上げた、ナイス・リワーク。

4

Frozen Border

Frozen Border Frozen Border 004 Frozen Border / UK / »COMMENT GET MUSIC
どうやら地下UK発だという噂の(しかし音はベルリンよりもベルリンらしい)Frozen Borderシリーズ4枚目。このレーベルらしい、ストイックでタフなムードが濃厚に刻まれた2トラック。A1の非4/4リズムのトラックがド渋!今回も300枚限定らしいので、おはやめに。

5

Makam

Makam The Hague Soul Soweso / GER / »COMMENT GET MUSIC
2009 HIT !!!! ヨーロッパのシーン全域に浸透したとも言えるディープハウス回帰志向を決定づけた2009年の重要作のひとつ。ラフエッジなドラム打ちに柔らかく黒いベースライン、ミニマルな構成が格好良い。リミックスにはArea RemoteのKabale Und Liebe&Lauhausが参加。

6

Kez Ym

Kez Ym Butterfly Ep Yore / GER / »COMMENT GET MUSIC
Cassyも自身の最新MIX CDに収録するほど気に入っているという、Kez Ym aka ヤマグチ・カズキによる2作目!Alton Millerあたりを彷彿とさせる、かなり渋好みなデトロイト・ハウス。音色のセンスの良さも並外れたものを感じさせます。

7

Ghosts On Tape

Ghosts On Tape Predator Mode Wireblock / UK / »COMMENT GET MUSIC
今回も当たり!ファンマスト!のWireblockレーベルからこれまた泣き!のセンチメンタルなシンセメロディーが交差するエレクトロの登場!さらにFunky の使い手としてシーンで引っ張りダコのROSKA が立体パーカッションを響かせるヒプノティックなFunky REMIXを披露!B1のど変態な支離滅裂ミッドテンポ・トラックも非常に貴重なマージナル感を墳出しております。おもしろいですねぇ?。

8

Baobinga & I.D

Baobinga & I.D Tongue Riddim Build / UK / »COMMENT GET MUSIC
ブレイクス?ブレイクステップの職人コンビが今度はFunky に挑戦!これが大当たり!ブレイクステップでしかと学んだ絶妙のシャッフル感をまんまFunky に応用したグルーヴィーでカッコイイ"FunkyStep"ともいうべき新たな切り口の作品をドロップ!さらに本家ROSKA による何とも奇怪な南米クンビア風味な曲調のREMIXも収録!今回は完全にベテランの凄みを見せつけられた感じでしょうか。必聴!

9

SHUT UP AND DANCE

SHUT UP AND DANCE HOW THE EAST WAS WON SHUT UP AND DANCE / UK / »COMMENT GET MUSIC
UKブレイクビーツ?ベースミュージックの歴史そのものSHUT UP AND DANCE がついにここにきて89年から始まり、今日この日2009年までの恐ろしく長いキャリアの集大成として今ここにベスト盤をリリース!初期のブレイクビーツ曲から、ハードコアレイヴ、ブレイクス、ブレイクステップとUKベースミュージック界で別格とされてきた個性豊かな楽曲群を是非聴いて頂きたい。当時を知らない世代にはなおさら新たなヒントがあるかも。

10

Lucio De Rimanez

Lucio De Rimanez Crash Bang Wallop / Rising Of Rhinos Future Sickness Records / UK / »COMMENT GET MUSIC
ハードコア・ドラムンベース・シーンの鬼子Future Sicknessの第8弾、ロシア出身のLucio De Rimanezの新作は、DonnyもCurrent Valueも上等、といわんばかりの超・変態系!!ホントに半端なく"キ"印です!!! スノッブ気取りの音楽マニア諸氏、「北欧のブラック・メタルがどーたら」なんて賞味期限切れの講釈はもういいから、早くこの辺のヤバさに気づいてくれ!!

PSG - ele-king

 東京・板橋区を結成地とするヒップホップ・グループ、PSGのデビュー・アルバム『David』はコミカルなサイエンス・フィクションによる、写実主義、リアリズムへの大いなる挑戦である。PSGの個性は、いまや(とくにこの国では)ヒップホップの至上命題とされているリアリズムを徹底的に突き放している点にある。「全員注目。何者かはわからないが、あの物体は確実に地球を目指して進んでおる」。1曲目"Hello David (Intro)"は、子どもたちによる鼓笛隊の間の抜けた演奏をバックにサンプリングされたこんな言葉からはじまる。また、USサウスのミニマル・ビートと宇宙と交信するようなスペーシーなプロダクションを融合した"きゃつら"にはこんな言葉がサンプリングされている。「ちっとばかし現実社会に飽き飽きしてるんでね」。ラッパー/トラックメイカーで、本作の主要人物のひとりのパンピーは、「地球制服のためにまずは近所のお友だちにお菓子売ってハスラー」とラップする。とくに00年代なかば以降、若い都市生活者の切実なストリート・リアリティとして多くのラッパーがトピックに取り上げてきたハスリング(=ドラッグ・ディール)を、人を食ったような、ナンセンスなリリックで相対化してみせる。こうしたユーモアに彼らの挑戦的な態度が表れている。

 PSGの結成は2007年。メンバーはパンピー、彼の実弟スラック(ラッパー/トラックメイカー)、そしてガッパー(ラッパー)といった20代前半の青年たち。ちなみにその前年にパンピーは、MSCが所属するヒップホップ・レーベル〈LIBRA〉主催のフリースタイル・バトル〈ULTIMATE MC BATTLE 〉東京予選で、ハードコア・スタイルのラッパーを頓知の効いたライムで次々に破って優勝している。また2009年に入ってスラックは『My Space』『WHALABOUT』といったオリジナリティ溢れる傑作を発表している。PSGの『David』は、新しい世代の到来を決定付ける作品の1枚だと言える。

 多くのハードコア・ラップは、主流社会との距離感、それらに対する嘆きを滲ませることでオリジナリティを獲得する。社会に裏切られたという感覚は音楽化され、あり得たかもしれない幸福な未来、そして暴力とカネに悩まされながらハード・ライフを送るしかない現在という二重性が、ラップのリアリズムに深い陰影を与える。その点、PSGは醒めている。不穏なシンセ音が鳴り響くフューチャリスティックな(ネプチューンズやクリプスからの影響を伺わせる)"M.O.S.I"では、もし金が手に入ったなら、もし夢が叶ったなら、という根拠のない明るい未来を次々に否定し、「申し訳ないけど/元気付ける気はない」(パンピー)と開き直る。

 また、孤島となった監獄都市LAを舞台に近未来の管理社会とアウトローの反逆を描くSF映画『エスケープ・フロム・LA』をモチーフにしたであろう"エスケープ from 東京"では、「エスケープ from T・O・K・Y・O」と東京からの脱出をサビでくり返しながら、最後に「てか、無理じゃねぇ」とひっくり返す。アブストラクトなリリックから紡ぎ出されるどこか間の抜けたサイエンス・フィクションは、決してニヒリズムに依拠しているわけではない。むしろP・ファンクを想起させる、痛快なナンセンスと道化的知性を武器に現実を生き抜くしたたかな精神性に支えられている。カラフルなサンプリング・センス、脱力したラップと歌、豊かな諧謔からは、デ・ラ・ソウルの『3 Feet High&Rising』やベックの『Odelay』さえも連想させる。

 アフリカ系アメリカンの批評家でミュージシャンのコーネル・ウエストは、ブラック・ミュージックは希望の喪失や意味の不在というニヒリズムの防波堤として機能してきたと語っているが、PSGがヒップホップ、ソウル、ファンク、R&B、レゲエといったブラック・ミュージックのグルーヴから本能的に嗅ぎ取っているのは、(ブラック・コンシャスの生真面目さからは程遠いが)そういう感覚なのだろう。なによりも彼らが、コミカルなサイエンス・フィクションを作り上げることで守りたかったものとは、リアリズムに拘束されることのない音楽的自由だったのだ。そしてそれが2009年、PSGが放つもっとも重要なメッセージのように思える。

Chart by Newtone Records 2009.12 - ele-king

Shop Chart


1

PEVERELIST

PEVERELIST Jarvik Mindstate PUNCH DRUNK / UK / 2009/12/7 »COMMENT GET MUSIC
レコ屋ROOTED RECORDS、レーベルPUNCH DRUNKを運営、来日DJでぶっとばされたPEVERELISTの作品集。遂に作品としてリリースされた「Bluez」や「Jarvik Mindstate」など傑作揃いです。緻密に構成された曲群の驚くまでの完成度、誰にも似ていないオリジナリティー、SHACKLETON「Three Eps」に並び劣らぬ今年のダブステップ・ベスト・アルバム候補。

2

AXEL KRYGIER

AXEL KRYGIER Pesebre LOS ANOS LUZ DISCOS / ARGENTINA / 2009/12/3 »COMMENT GET MUSIC
音 響派から、デジタル・クンビア勢も賞賛するアルゼンチンのストレンジポップ奇才中の奇才アクセル・クリヒエール待望のニューアルバム!DJ SHHHHHのコンパイルの「ウニコリスモ」でもオナジミのロス・アニョスからのリリース。クンビア、タンゴ経由のスペイン語圏の音楽と、エレクトリック なトリック、ダブ、ロックン・ロール等など様々な要素をごった煮、ポップで多彩なサイケデリック音楽劇場。

3

ALEJANDRO FRANOV

ALEJANDRO FRANOV Digitaria NATURE BLISS / JAP / 2009/12/3 »COMMENT GET MUSIC
ファナ・モリーナを手がけたことでも知られ、「音楽の妖精」と呼ばれる、アルゼンチン音響派の素晴らしい才能アレハンドロ・フラノフの新作アルバム!

4

FINDLAY BROWN

FINDLAY BROWN Versus EP THIS IS MUSIC / UK / 2009/12/7 »COMMENT GET MUSIC
LOVEFINGERS/LEE DOUGLASの新ユニットSTALLIONSがプロデュースしたFINDLAY BROWNの新作。おすすめは、なんといっても90年代初頭から活動するフランスの奇才LYNCHMOBこと BRENDAN LYNCHによるリミックス!DAVID BYRNEがSOCAやったみたいなトロピカルな折衷具合が面白い!やりたい放題のダブ・インストビーツもお見逃し無く!

5

FRANCOIS KEVORKIAN, MORITZ VON OSWALD

FRANCOIS KEVORKIAN, MORITZ VON OSWALD Recomposed Remixes DEUTSCHE GRAMMOPHON / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
クラシック音楽の名門ドイツ・グラモフォンからリリースされた、 MORITZ VON OSWALDとCARL CRAIGが、カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音源をテクノ再構築したアルバム「Recomposed」のリミックス。NYC DISCO/HOUSEの歴史を生きる大御所FRANCOIS KEVORKIANとMORITZのコラヴォレート。

6

BUILD AN ARK

BUILD AN ARK Love Pt.1 KINDRED SPIRITS / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
西海岸のヒップホップやジャズ、先鋭的なエレクトロニクスがクロスする素晴らしいシーンの要人CARLOS NINOを中心に、TRIBEのPHIL RANELINやNIMBUSのNATE MORGAN、DERF REKLAW(PHARAOHS)といった70sスピリチュアル・ジャズ・レジェンド達が名を連ねるスペシャルユニットBUILD AN ARKの新作!

7

KND

KND Live Output JAPONICA / JAP / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
DJ KENSEI、井上薫、GoRoとのユニットFinal Drop、京都のカリスマ・バンドSOFT、そしてオーガニック・インストゥルメンタル・ユニットaMadooのメンバーとして活躍、エンジニアとしても、Dachambo、Nabowa、Coffee &Cigarettes Band、Based On Kyotoをはじめ、多数の作品に関わってきた京都の才人、KNDによるライブ音源。

8

aMadoo

aMadoo Abstract Ital Rhythm 自主制作 / JAP / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
関西を中心に活動する京阪神混血オーガニック・インストゥルメンタル・ユニットaMadooによる新たなライブ音源!ゆったりとはじまるイントロから徐々に宙空を舞うような音とグルーヴの渦に引き込まれます!

9

DJ YOGURT & KOYAS

DJ YOGURT & KOYAS Strictly Rockers Re:chapter 25 -harvest Dub Beats 70's To 00's Mix EL QUANGO / JAP / 2009/11/21 »COMMENT GET MUSIC
アンビエントから、ダンサブルなテクノ/ハウス、スィートなR&Bまで、様々なスタイルのプレイをしながらも、独特の空気感を持っていてパーティー好きに幅広く支持されるDJ YOGURTとその盟友KOYAS氏が、レゲエ/ダブをキーワードに非レゲエDJ感覚の自由で面白いDJミックスを提供しているStrictly Rockers シリーズに登場!

10

NICOLAS COLLINS

NICOLAS COLLINS Devil's Music EM RECORDS / JAP / 2009/12/18 »COMMENT GET MUSIC
ジョン・オズワルドも影響を受けたというサンプリング・ミュージックの異端児NICOLAS COLLINS。アウトサイダーなミニマル・ミュージック!ATOM TMや最近のCARL STONEみたいな事を、サンプラーAMラジオ等を使ったDIYなアティチュードで、80年代に既にやっていた!ライナーノーツ、体裁も素晴らしいEM RECORDS渾身のリリース!

chart by warszawa 2009.12 - ele-king

Shop Chart


1

Real Estate

Real Estate s/t Woodsist / US / 2009/11/17 »COMMENT GET MUSIC
遂にアルバムが出ました! ニュー・ジャージーの4人組、Real EstateがWoodsistから満を持してのフル・リリース!バンド・メンバージハ、DucktailsのMatthew Mondanileも在籍。ソングライター兼ギタリストのMartin Courtneyの書く歌は実に趣が深い。ローファイなテイストに暖かみのある歌が非常に素晴らしく、それらを飾る他のリズム・セクションも緩やかなサウンドで、優しい雰囲気に包み込まれます。シーンの重鎮、Woodsに次ぐ逸材です!

2

V.A

V.A My Estrogen Not Not Fun / US / 2009/11/30 »COMMENT GET MUSIC
盛り上がって来ているところでカタログ150番を記念してか、Not Not Funから初のコンピレーションの登場です。不親切なインフォメーションで、ジャケットを見ただけじゃ、誰が参加してるのかも分からない。笑 しかも、実はこのコンピは女性アーティストを集めたものなんですね。ってことで、内容はZola Jesus, Pocahaunted, Inca Ore, US Girls, Talk Nomalなど、今をときめくアヴァン・ガールズが大集結!

3

Radian

Radian Chimeric Thrill Jockey / US / 2009/11/10 »COMMENT GET MUSIC
前作『Jaxtaposition』から4年振りとなる新作です。しばらくのブレイクの間、新たなステップに進む為にバンドとその音楽のコンセプトについて再考し、製作におけるプロセスを構築し完成させられたという本作は、これまでの作品のようにしっかりとしたフォームで構築された洗練されたアルバムではありません。生々しく破壊的で、時にはダークでさえあります。コントロールすることと、コントロールを失うことがたくさんあり、ある意味、これまでの作品に比べて自由で、様々なパーツと様々な色が時間軸に沿って現れる、予測不可能な作品となっております。

4

Black To Comm

Black To Comm Alphabet 1968 Type / UK / 2009/11/2 »COMMENT GET MUSIC
DekorderのオーナーであるBlack To CommがTypeからは初となるリリース。テープ・ループ、ヴィンテージ・オルガン、ファウンド・サウンドを用いたオーガニック・ドローンのパイオニアとして知られる彼ですが、本作では彼がこれまで製作してきたようなエピックなドローンから離れ、より'クラシック'な何かに対する意図が感じられる仕上がりとなりました。ワールド・ミュージック、テクノ、ノイズ、アヴァンギャルド、アンビエント、そしてエキゾチカといった彼のレコード・コレクションから集めたループとホーム・メイド・オルガン、小さなインストゥルメンツを組み合わせ。

5

Ben Frost

Ben Frost By The Throat Bedroom Community / ICE / 2009/11/9 »COMMENT GET MUSIC
2007年のデビュー作が各メディアに絶賛された、レイキャビクのBen Frostによる2ndです。Bjork, Coco Rosie, Bonnie 'Prince'Billyの作品を手がけるValgeir Sigurdssonをプロデュースに迎え、ゲストにはSigur Ros作品でおなじみAmiina, Arcade FireのJeremy Gara, スエディッシュ・メタル集団Crowpath、そしてNico Muhlyをが参加した本作。ソリッドなメタルの要素と、幽玄なエレクトロニクス、ピュアな人間の息づかいよる、ハーモニーやメロディーといった音楽的な言語を離れ、音楽的でないサウンドを音楽的なファブリックに織り込んだ、ミュージック・コンクレートの域にも踏み込んだアンビエント・ドローン作品。

6

Apse

Apse Climb Up ATP Recordings / UK / 2009/11/23 »COMMENT GET MUSIC
デビュー・アルバム『Spirit』のリリースから4年、マサチューセッツを拠点とするバンド、Apseの2ndアルバムが登場です。全体的にダークな雰囲気であった前作とは全く異なり、グルーヴ感が増し、エレクトロニクスの多用とモダン、クラシカル、両方の幅広いインストゥルメンツの使用、声とメロディーにより重きをおいた、暗闇から抜け出し、光のさす世界へと辿り着いたかのような、シネマティックなサウンド・スケープを描くスペース・ロック?アート・ロック。

7

Starving Weirdos

Starving Weirdos Path Of Lighting Weird Forest / US / 2009/11/2 »COMMENT GET MUSIC
現在のアヴァン・フォーク/ドローン・シーンの重要バンドになりつつある、Starving Weirdosのアルバムが2作品当時にWeird Forestからリリース!有機的なソースから分厚いドローンと刺激的な解体された音とループ、レイヤーなどは、コレまで以上にクリアーな音を生み出し、フィールドレコーディングなども巧みなエディットで混ぜ、曲の構成も変化に富み飽きがこない。この2枚のアルバムはアヴァン/ドローンな作品全体から見ても高いレベルのクオリティーです。

8

Noveller/Aidan Baker

Noveller/Aidan Baker Colorful Disturbances Divorce / CAN / 2009/11/16 »COMMENT GET MUSIC
adjaのAidan Bakerと、ブルックリンの女性マルチメディア・アーティストで、Rhys Chathamのギター集団でも参加する、Novellerによるスプリット作品です。Aidan Bakerはドローン、テクスチャー、弦楽器をミックスした、永遠に後方へと落ちていくような、長編アンビエンス・ドローン作品を構築。Noveller は、ツインギターによる、ヒプノティックな力がゆっくりと上昇していく、美しく儚い音に包まれている心地の作品を構築しています。

9

Talk Normal

Talk Normal Sugarland Rare Book Room / US / 2009/11/10 »COMMENT GET MUSIC
Not Not Funのコンピにも収録される、Andrya AmbroとSarah Registerによるブルックリンの女性デュオ、Talk Normalによる作品。ノイジーなシグナル・コールと、けたたましく鳴り響くサイレン音、そしてアナーキーなヴォーカルをフィーチャーした、ポストパンクとアヴァン・サイケを融合させたようなカオティックでスペイシーな世界を構築しています。

10

The Green Kingdom

The Green Kingdom Twig and Twins Own Records / LUX / 2009/11/18 »COMMENT GET MUSIC
ミシガン在住 The Green Kingdom のデビューアルバム。独学で楽器を始め、次第にデジタルによる楽曲制作に移行したという彼は、グラフィク・デザイナーでもあり、本作でもその卓越したデザインスキルを発揮。精密に構成された曲に、アコースティック、エレクトロニクス、サンプリングにノイズ、フィールドレコーディングスをバランス良く配置して、繊細なサウンドスケープを作り上げています。メロディーを重視した温かくて心地よい曲の数々は、ノスタルジックな白昼夢のよう。マスタリングを手がけた Taylor Deupee の手腕が光る、アコースティックとエレクトロニクスのバランス感が際立つ秀作。

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MOODYMANC

MOODYMANC Omlette DESSOUS / GER / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
2009年はこの"DESSOUS"や"TSUBA"から、上質のDJ用HOUSE TRACKをリリースしたMOODYMANC。師走になって届けられたこちらは、初期の土臭いGROOVEからは距離を取ったDEEP TECH HOUSE。"FREERANGE"、"DRUMPOET COMMUNITY"といった次世代HOUSEレーベルで活動するDPLAYによる、ソリッドさを加味したREMIXも収録。

2

SEBO K

SEBO K Spirits MOBILEE / GER / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
MIX CD「WATERGATE」でDJとしての実力もアピールしたベルリンの実力者、SEBO K。依然高い質と豊富なリリース量に支えられている老舗レーベル「MOBILEE」から。A面は、ヌケのいいTECH HOUSEにアフロ・パーカッションが転がる、密林生い茂るMIX。B面は最近あまりなかったピアノとストリングス使いのエレガントでアップテンポなMIX。おしゃれピアノ好きは必聴!!!

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GUISEPPE CENNAMO

GUISEPPE CENNAMO El Gitano Part.2 MONIQUE SPECIALE / CAN / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
2000 AND ONE REMIX!!! カナダ発配信系のレーベル"MONIQUE MUSIQUE"が、気合を入れてプレスしてきた一枚。モチのロンで、2000 AND ONE REMIXがイチオシ!!! ドンシャリとしたHARDなHOUSEビートと、ミニマルなフレーズで押し込みまくるピークタイム仕様のREMIX。DJ WILDのREMIXも、独特のBEATと縦笛ネタのMIXで盛り上がりスタイル。

4

WHITEMAN

WHITEMAN Stop Crying Bruno U.D. / ITA / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
意外に侮れない、南ヨーロッパのダンス・ミュージック・ポイント、イタリアから届いたミステリアス10inch。詳細不明で片面プレスのアンダーグラウンド・スタイルですが、内容も良好です。初期CHICAGOライクなトラックと黒いベースラインの上で、ファンキーでアッパーな男性VOCALが歌うパーカッション・ディスコ!!! 80'S頭のNY系アングラディスコのような香り。CHECK IT!!!

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V.A.(MARTIN BUTTRICH,TINI,GUTI...)

V.A.(MARTIN BUTTRICH,TINI,GUTI...) Desolat X-Sampler DESOLAT / GER / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
LOCO DICE主催「DESOLAT」が送る極上コンピ!!! LOCO DICEや、MARTIN BUTTRICH、先日WパックをドロップしたGUTI、ルーマニアの若手LIVIO & ROBYなどが参加。全曲使えるのは勿論、PLANET EからもリリースするMARTIN BUTTRICHによる独特な音色使いが光るトラックと、LOCO DICEのトラックが頭抜けてます。

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JEFF MILLS

JEFF MILLS Defender AXIS / US / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
WIRE09で眼にすることができた、宇宙からの衛星生中継パフォーマンス。約3年ぶりに確認された"宇宙人"の姿は紛れもないJEFF MILLSそのものでした。この"THE DEFENDER"には、その来日時にプレイされた楽曲も収録。フロア全体が見渡せるほどの明るさのなかで鳴り響いた"宇宙からの交信音"は、現在のシーンでも異端にして異質、完璧なオリジナリティです。

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RISING SUN

RISING SUN Sun Dance REAL SOON / UK / 2009/12/1 »COMMENT GET MUSIC
REMIXED BY SVEN WEISEMANN!!!! ご存知"HARDWAX"が送るWORKSHOPの5番に参加したRISING SUNのデビュー12inch。質の高いBEATDOWNスタイルのハウスを披露していますが、絶好調SVEN WEISEMANNによるREMIXが良すぎ!!! 自身によるピアノとパーカッションをささやかに取り込んだ、「モダーン・ディープ・ダブ」MIX。

8

REVENGE

REVENGE Leave Your Mind MULE MUSIQ / JPN / 2009/12/1 »COMMENT GET MUSIC
MARK EとREVENGE。この二人だけは、押さえておかないといけません。CRAIG SMITHとのユニット"6TH BROUGH PROJECT"でも、独自のディスコ再解釈で絶好調ですが、ソロ名義でもハズレがありません。「MULE MUSIQ」からの本作は、まるでPRYDAのようなメロディー展開をNU DISCOでやってしまったようなDISCO BOOGIE!!!

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BRENDON MOELLER

BRENDON MOELLER Juice MULE ELECTRONIC / JPN / 2009/11/25 »COMMENT GET MUSIC
特上メランコリック・ダブ・トラック!!! BEAT PHARMACYこと、BRENDON MOELLERがMULE ELECTRONICからリリースした一枚。リリース量は減らずに、クオリティは一定をキープしている彼の中でも、特に素晴らしいのがA-1"JUICE"。メロウなコード展開と彼らしいDUBの妙味を利かせたエレクトリック・サウンド。ビートメイキング術もハイパー・クオリティー!!!

10

STL

STL Silent State SMALLVILLE / GER / 2009/5/15 »COMMENT GET MUSIC
2009年アンダーグラウンド・ヒット!!! 「SOMETHING」レーベルで、独自路線を歩むSTLがMOVE Dの「SMALLVILLE」からリリースした12inch。A-1"SILENT STATE"です。シンプルな四つ打ちと浮遊感のあるシンセは各所で使われまくりました。STEVE BUG「LAB 02」やCASSY「IN THE MIX」にも収録。間違いないです。

DISCSHOPZERO 2009.12 - ele-king

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PINCH ft YOLANDA GET UP [TECTONIC / UK / 2009.11.30] »COMMENT GET MUSIC
2007発表のアルバム収録曲を、RSD、GUIDO、JACK SPARROW、LVがリミックス。王道のステッパーズなノリのビートから、GRACE JONESなニューウェイヴ・ダブ調まで、各人の個性が発揮された仕上がり。PVを作ったり、ダブステップとしては異例のオリジナルから2年経ってのリリースでも全く古く感じないの楽曲も見事だし、CDEPとしてリリースするあたりにも気概を感じる。

2

PEVERELIST JARVIK MINDSTATE [PUNCH DRUNK / UK / 2009.12.04] »COMMENT GET MUSIC
PINCHと共にブリストルのダブステップ・シーンを作り上げ、その震源地とも言えるレコード・ショップ、さらにはレーベルも運営する重要人物の満を持してのアルバム。収録曲「Yesterday I saw The Future」がジャングルとダブステップを繋ぐように、過去に聴いた音の記憶を呼び起こしながら、全く新しい感覚を聴かせてくれる、正直いまははっきりと対象化することはできない"その先の音"を感じる作品。

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ELEMENTAL MESSAGE FROM THE VOID [RUNTIME / UK / 2009.11.24] »COMMENT GET MUSIC
02年からリリースを続けるプロデューサー。アシッド・ハウスとデトロイト・テクノとレイヴィなジャングル、アフロなトライバル・リズムの融合......という、最近ではUNTOLDが先んじている未来への扉を、よりベース重視で展開している意欲作。CD1で耳を更新させられてからCD2収録の過去曲(02~09年作)を聴くと、これがまたあり得ないくらいに新鮮に聴こえるから不思議。

4

SA BAT' MACHINES NO MONEY / VALIUM GITANS [KIOSK / FR / 2009.11.17] »COMMENT GET MUSIC
フレンチなムードにブラジリアンなサウダージのムードが混ざりつつ、ヘヴィでグルーヴィなダブステップ・ビートでドライヴするA面。スカにも通じる裏打ちと哀愁のフィドルを使った導入部から始まり、ウォブリーなベースと大太鼓のように打つキックが生むズンドコなノリも◎なジプシー・ダブステップB面。

5

unknown THE DAWN [SETH / FR / 2009.11.30] »COMMENT GET MUSIC
あるシーンの変革のときには必ず作られているような気がする、NINA SIMONE「FEELIN' GOOD」のダブステップ・リフィックス。魔力を持った歌声とインナーなサウンドのグルーヴがバッチリと噛み合った名ヴァージョン。

6

RUSKO COCKNEY THUG (BURAKA SOM SISTEMA REMIX) [SUBSOLDIERS / UK / 2009.12.05] »COMMENT GET MUSIC
フロアを狂熱の渦に巻き込んだ大キラー・チューンを、クドゥロの人気アーティストがリミックスした片面プレスの限定盤

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HELIXIR CONVULTIONS / LET ME DRIVE NOW [7EVEN RECRDINGS / FR / 2009.12.02] »COMMENT GET MUSIC
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8

KROMESTAR HEAD NO GOOD / INSIDE [DUBSTAR / UK / 2009.11.30] »COMMENT GET MUSIC
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9

SOOM T DIRTY MONEY EP [JAHTRI / GE / 2009.12.05] »COMMENT GET MUSIC
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10

QUARTA330 / LV HYPERDUB 5.3 EP [HYPERDUB / UK / 2009.11.24] »COMMENT GET MUSIC

CHART by TECHNIQUE 2009.12 - ele-king

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1

ALTZ

ALTZ GET IT DOWN EP Altzmusica/JAPAN / »COMMENT GET MUSIC
Bear Funk、DFA等世界各国のレーベルからのリリースや、「Roland P Young / Isophonic Boogie Woogie」のリコンストラクト・アルバムの制作、「Cro-Magnon / 逆襲のテーマ」のリミックス等、見逃せない活動を続ける、日本が世界に誇るアンダーグラウンド・ヒーローAltzが自身のレーベルAltzmusicaをスタート。記念すべき第1弾は、Altz自身による新曲3トラックを収録!!

2

HOUSE OF HOUSE

HOUSE OF HOUSE RUSHING TO PARADISE (WALKIN' THESE STREETS) House Of House/US / »COMMENT GET MUSIC
DJ Harveyリミーックス!Still Goingの片割れOlivier SpencerとSaheer UmarによるユニットHouse Of Houseが、Quiet Villageのリリースでも知られるカルト・レーベルWhatever We Want Recordsに残した名曲「Rushing To Paradise (Walkin' These Streets)」が、ニュー・リミックスを加えて再登場。

3

THE COUNT & SINDEN

THE COUNT & SINDEN STRANGE THINGS Domino/UK / »COMMENT GET MUSIC
「Beeper」の爆発的ヒットでもお馴染みの、Herveの変名プロジェクトThe Countと、Sindenの最強コンビによる待望の新作がホーム・レーベルのDominoより遂に到着。今回は、な、な、なんとJohn Holtによるレゲエの名曲「Strange Things」がネタとして使用された激ヤバな1枚です。

4

MANOLO

MANOLO LOSE MYSELF Delusions Of Grandeur/UK / »COMMENT GET MUSIC
UKの新鋭ハウス・レーベルDelusions Of Grandeurからの待望の第6弾シングルが到着!!今回はFuture Beat Investigatorsのメンバーとしても知られるヘルシンキのプロデューサーRoberto RodriguezによるプロジェクトManoloによる1枚。LucanoのCadenzaなどでも活躍の三人組Wareikaによるリミックスを収録。

5

CARLO LIO

CARLO LIO BREAKFAST IN BAG Quartz Music/France / 2009/12/7 »COMMENT GET MUSIC
躍進する鬼才Paul RitchがスタートしたレーベルQuartz Musicの最新作は、Rawthenticや4Kenzo、PBR Recordingsなどで活躍のカナダの新鋭Carlo Lioによるニュー・シングルがリリース。100% PureやIntacto Recordsなどで大人気のAnton Pieeteによるリミックス収録。

6

LOSOUL

LOSOUL CARE REMIXE PT. 1 Playhouse/Germany / 2009/12/7 »COMMENT GET MUSIC
ここ最近積極的な活動を再開しているジャーマン・テックハウス・シーンの草分けLOSOULが、古巣のPlayhouseレーベルからりりーすしたヒットアルバム「CARE」のリミックス・シングル。リミキサーにはデトロイト・テクノ・シーンのMike Huckabyと、あのMusic For FreaksのLuke Solomonをフィーチャー。

7

MOEBIUS-PLANK-NEUMEIER

MOEBIUS-PLANK-NEUMEIER ZERO SET Sky/Germany / »COMMENT GET MUSIC
大名盤!あのジャーマン・テクノ、クラウト・ロック、最近はディスコ・ダブ方面にまで再評価高まる歴史的大傑作MOEBIUS-PLANK-NEUMEIERによる「ZERO SET」が再入荷。Ricardo VillalobosからKen Ishiiまでもが愛すドイツのエレクトロニック・ミュージックの最高傑作の一枚。

8

JEFF MILLS

JEFF MILLS THE DEFENDER Axis/US / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
限定プレスもの!おなじみJEFF MILLSが、超限定シリーズ「The Drummer」が話題を呼ぶ中、自身のレーベルAXISから新作のリリース。『ロボットと人類』、失われがちな 『伝統や長年培われてきた価値感』と言った、発展するテクノロジーと、共存する人間の進化の在り方を問う、「The Good Robot」シリーズの続編となる、そのタイトルは「 The Defender 」。

9

BARBARA & JOHN THOMAS

BARBARA & JOHN THOMAS THE UNLIMITED EXPERIENCE REMIXED Ethique/France / 2009/12/13 »COMMENT GET MUSIC
あのTechnasiaのレーベルEthique Recordingsから、中心アーティストのJohn ThomasとBarbara Goesによるニュー・コラボレーション・シングルが登場。今年リリースされたヒット・アルバム「THE UNLIMITED EXPERIENCE」からのリミックス・シングル・カット。奇才Jens Zimmermann、Tom Ellis、Arkリミックス収録。

10

MODESTE

MODESTE A MOUNTAIN OF CONVENIENCE Sthlmaudio/Switzerland / 2009/12/4 »COMMENT GET MUSIC
スイスのAgnesによる先鋭ディープ・ハウス・レーベルとしてDJに高い人気を誇るSthlmaudio Recordingsから、レーベルのボスAgnesの変名Modesteによる全編アンビエントで構成されたデビュー・アルバムがリリース!!!

CHART by TRASMUNDO 2009.12 - ele-king

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SFP CUT YOUR THROAT »COMMENT
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MEDULLA SOUNDPOLICE VS TECNOPOLIS.ep »COMMENT
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STICKY WHERE'S MY MONEY »COMMENT
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S.L.A.C.K. WHALABOUT »COMMENT
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KILLA TURNER/B.D.&ROBERTA CRACK/NIPPS BLACK RAIN »COMMENT
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michioshka ORIGINOO MOTION PICTURE BWOY 2 »COMMENT
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7

TONO SAPIENS TONO FROM CIAZOO »COMMENT
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STARRBURST/DJ BOKADOS STARRBOKADOST DAY AND DAY MIX »COMMENT
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9

H.FUTAMI ROCK STEADY »COMMENT
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HI-LIBERATE FANZINE 2009 »COMMENT
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